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火消しから FIRE FIGHTING へ =時代の変遷と消防の責任= 消防防災研究会

消防防災研究会 ベーシック

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Page 1: 消防防災研究会 ベーシック

火消しから FIRE FIGHTING へ =時代の変遷と消防の責任=

消防防災研究会

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消防防災研究会とは?

Page 3: 消防防災研究会 ベーシック

1 社会をよむ society

Page 4: 消防防災研究会 ベーシック

火災実態を読む 平成26年 VS 平成27年

総出火件数 H26 43,741件

H27 39,111件 -10.6 %

火災死者 H26 1,678人 H27 1,563人 -6.9%

負傷者 H26 6,560人 H26 6,309人 -3.8 %

火災が減って 若手へ技術を伝承できなく困っている ??

Page 5: 消防防災研究会 ベーシック

年齢層・・・高齢者、40~50歳代が多数 死亡前の状態・・・病人、要介護者、酩酊者 家族構成・・・1人暮らしに加えて親子2人が増加

火災による死亡者の内訳

死傷者率が上昇している現実 <偶然か? 単に高齢化社会??>

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現代社会とは ? 5年前は? 10年前は?

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東京都新宿区大久保で昨年十

一月、木造の古いアパートが焼け、生活保護を受けていた高齢男性五人が死亡した火災。 遺体は生活保護の葬祭扶助で

荼毘(だび)に付されたが、四人の遺骨は引き取る人がなく、山梨県上野原市の寺に安置されていることが分かった。

一人は今も身元が確定せず、三人は親類が引き取りを拒んだ。

孤独死から何を連想しますか?

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単なる高齢化でなく貧困問題

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群馬県 たまゆら

札幌市 みらいとんでん

長崎県 やすらぎの里

長崎県 ベルハウス東山手 福岡県 安部整形外科

防火管理をないがしろにした彼らは悪か?

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日本は貧しいか?

OECD(経済協力開発機構) 日本の相対的貧困率 16% OECD平均 11%

特に66歳以上の相対的貧困率 19% 高齢者の5人に1人は貧困

ところが! 総務省の家計調査

65歳以上の6世帯に1世帯 資産4000万円以上所有

潤沢な資産を持つ老人も多く 二極化 “老後格差”

日本のひとり親家庭 貧困率 54.6% OECD ワースト1

経済的理由により就学困難援助 小学生・中学生 平成24(2012)年 約155万人

就学援助率は10年間以上 連続上昇 平成24(2012)年度 過去最高15.64%

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日本の生活保護

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非正規雇用のグラフ

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こどもの貧困 グラフ

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自殺者数のグラフ

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自殺者 30,000人 変死/社会死 20,000人 行方不明 80,000人 合 計 130,000人

交通死亡者 4,117人

火災死者 1,563人

問題なのは リンクしていること

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賃貸住宅 ~ 公営団地・アパート・長屋

キーワード

①賃貸住宅 ②独居(老々世帯) ③病気/障害 ④酒/煙草

オール電化、ファンヒーターもなく 建物構造も燃えやすく 火災が多発した頃の対象物と 何ら変わらない ただし ! 居住者は 高齢者、介護者、病人と 「要援護者」が「ひとり暮らし」 という災害発生時に困難な方が多勢

近年の現場を振り返ると どうだったか?

動画1

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住宅扶助費 代理納付制度 (H18より公営団地から拡大適用)

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では ! いわゆる「勝ち組」 高齢者は??

シニア向 分譲マンション

介護/医院付 マンション等々

販売好調/建設ラッシュ

近代的な高齢者向けマンションの15年後は?

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いずれにしろ 14年後 2030年は やってくる!

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どうなる日本 ? どうなる消防 !? イメージを

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消防は優遇? 冷遇? 客観的に我々を見る

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その人員変遷に対して災害の実態は ?

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では今後の救急も うなぎ登りなのか ??

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ネット社会は善か? 悪か?

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Web社会 PCから1人1台モバイル時代 ○決定的瞬間の公開 ○世界規模で拡散配信 ○ネット口コミの影響力 ○情報は消せない

取材スタイルの変革

数年前 いわゆる報道は新聞/TV ○地域ローカルのみ ○決定的瞬間は少なく文字報道

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見られている 現代

高まる権利意識・・・民事訴訟の増加

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さぁ この社会構造と消防の立場から・・・

どうする?

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2 火災の科学 Science of fire ground

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人の意図に反して発生し若しくは拡大し又は放火により発生して 消 火の必要がある燃焼現象・・・

「火災」とは?

「燃焼現象」として 火災を理解し 知識を得ている者は少ない

「燃えているから 水を掛ければイイ」

「大量に掛ければ消える」

罹災者は瞬間的にマイナス世界へ 消防は罹災者を救済している?生み出している?

焚火は 箱に入ると燃焼原理は変わり

複雑な箱になれば あらゆる知識を要する世界になる

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(1)燃焼の原理 ①なぜ燃える? ②どう広がる?

燃える原理を知らねば消す原理も見えない

日本の消防教科書 日本以外の消防教科書

日本は可燃物(モノ) 国外では燃料(可燃性ガス) この認識差が大きな活動レベルの格差を生んでいる

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(2)煙の特性

① 暖かい空気は上昇 空気は 温度が1℃上昇 1.0037倍膨張(ボイル・シャルルの法則) 重量は変わらない→比重は軽くなる 相対的に比重が軽くなり気体は上昇

② 煙は可燃性ガス 成分どおり可燃性ガスとして拡散 一定温度になり着火拡大の過程を辿る

煙=可燃性ガス → 上昇(拡散) 滞留→着火→拡大

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要因はCo中毒と火傷(焼死)が、ほぼ同比率 * Co中毒が上回る年も多い

日本は何故か 火災死 Co中毒ばかりの理由

日本の一酸化炭素伝説

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(4)煙の実態

① 炭素 通称 スス(黒/灰) ほぼ無害 木材や紙(セルロース)を燃焼させた時に(白) 水素+酸素=水 →熱により水蒸気化

② 一酸化炭素 すべての有機物から発生(無色、無臭 可燃性ガス) 不完全燃焼により発生(酸化燃焼) 空気とほぼ同じ比重(0.967)

満遍なく煙に混合(煙と共に対流) 極めて毒性の強い気体(モグロビン結合力がO2の約250倍)

少量で致死 (後遺症)

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③二酸化炭素 すべての有機物から発生(無色、無臭 不燃性ガス) 燃焼時や人間の呼吸で発生 比重1.5290だが高温になれば密度が低下し比重は軽く 熱対流による渦拡散などで拡散

④ シアン化水素 アクリルやポリウレタンの燃焼で発生 猛毒物質 気体は青酸ガス 不燃性ガス 長時間放置で黄色/黒色に変化、爆発性の重合体を生成 184℃で急激に重合する 火災で熱分解 発生 急性中毒 一酸化炭素とともに火災時において中毒が発生する原因

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⑤ 塩化水素 ポリ塩化ビニル、塩化ビニルの燃焼で発生 塩素と水素から成る。 無色透明、刺激臭。有毒。塩酸ガス 原体および10%を超える製剤が劇物に指定 比重は1.2678

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床上 10cmで Co濃度は 0.5~1.0% 2分 吸引 致死量

「中性帯を確認 ! 低い姿勢で進入検索!」と教科書/指導

中性帯は視界が確保されるだけで Co濃度は 極めて危険

では 合言葉のような中性帯って 具体的に何?? どんな危険??

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最盛期の屋内は酸欠状態 Co濃度は最大 5~6%に達する

全面燃焼中の場合は酸素供給され 未燃ガス(Co)は少なく安全??

屋外に排出したCoはO2 と 結合して燃焼

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煙(Coなど)の人体危険とその濃度変化

◎一酸化炭素 発炎後約8分で1.3%(致死濃度) 発炎後約35分で最高7.4%

(症状/眩暈、昏睡)

◎酸素 発炎と同時に急激な濃度低下

35分で11.8% (症状/チアノーゼ、全身脱力)酸欠

東京消防庁 実験結果 ワンルームマンション

平均 現着時間 4.5分 つまり 炎上中でなくても 罹災者は極めて危険にさらされている

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温度変化による可燃性ガス生成状況(酸化燃焼)

~100℃ 水分蒸発 乾燥状態

約150℃ 表面 褐色へ変色

約180℃ 木材成分の熱分解開始

約200℃ 可燃性ガス放出開始/木材表面 炭化開始

ガス成分 不燃性ガス・・・二酸化炭素/水蒸気 可燃性ガス・・・一酸化炭素/メタン/エタン/水素/アルデヒド/ケトン類など

約250℃ 熱分解 急速/可燃性ガスが増大

約300℃ 木材内部の炭化開始 可燃性ガス噴出

約450℃ 火源がナシでも自ら発火

(5)無炎燃焼と有炎燃焼

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①火災時、木材表面から火炎

②表面に炭化層を形成 < 酸素の供給を阻止 >

③木材内部への熱を遮断 < 熱分解を抑制 >

④内部(芯)が燃え尽きるまでは相当の時間

酸化燃焼から炭化燃焼へ移行

単に燃焼のみで 木造建築物は容易に倒壊しない

では なぜ倒壊は起きる??

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仮に1口(500L/min)を5隊/5口放水 放水時間 20分

1隊 10,000L × 5隊 = 50,000L (水1kg=約1kg) TOTAL 50tの荷重が2階床上に掛かる

消防団などが加わり、10口ならば100t

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炭化とは 250℃前後で白/黄白煙(木ガス) 500℃付近で黒い木タール 留出 木炭として炭化燃焼を始める 炭化の原理 200℃以下で大部分の水が蒸発 主たる熱分解反応 450~500℃ 500℃まではタール量が増加 500℃以上になると炭素が80%超 700℃以上ではガス化反応が進行

炭化燃焼

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(6)建物と燃焼現象の関係

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1 SMOKE 煙 立ち登り高さ / 色 / 濃度 / 場所 / 圧力 2 Air Track 風の経路 速度 / 方向 / 乱流の有無 / 脈動 / 口笛の音 3 Heat 熱 窓の黒化 / ガラスの状態 / 塗装面の変色

/ 突然の発熱性 4 Flame 炎 色 / 量 / 場所 / 高さ

Building 建物 構造(外壁/屋根/天井/収容物)

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TRY! READING SMOKE !

Color ?

Smoke

High?

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フラッシュ !!

ロールオーバー

TRY! READING SMOKE !

TRY! READING FIRE !

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燃焼生成ガス 区画内 空気

区画外 空気

高温層

低温層

混合ガス 排 出

混合ガス 滞 留 500~600℃

燃焼室の気流と温度

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F.Oの発生時期は内装で決定される

天井材が最も左右する

フレキシブルボード(準不燃) 石綿セメント板の一種。 石綿をセメントに混ぜて水練りして板状に加圧成型した不燃材。 壁・天井や外装材などに用いられる。

燃え難い = 安全 ?

燃え難い = 一気に危険状態に陥るリスク

次いで壁材が左右する

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石膏ボード 石綿セメント板の一種 石綿をセメントで水練り 板状に加圧成型 壁・天井や外装材 多量の結晶水を含有 炎や熱に晒されると蒸気/放出 結晶水は約21%

F.Oの発生時期は遅らせる主因 (燃えにくいメリット? 活かすのは警防)

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昭和の中心「鉄板張り」

いまだに在来軸組の「木造」が主流

変化したのは 外壁材 そして 天井材

サイディング/全周モルタル

高気密 高断熱

時代経過での建て替え/リフォーム

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すでに火災は欧米化し始めている

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気密が高い建物の場合 F.O発生前or自然鎮火の可能性 F.O前での現着タイミングが最もリスキー

FOは全面燃焼への一過程にすぎない

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「炎上中ではない」 → 安全 × → むしろ最大警戒

炎上の有無と居住者の安否は別物 火炎がなく自然鎮火でも生命危険は変わらない

Page 56: 消防防災研究会 ベーシック

フラッシュオーバーに遭遇する確率の高さ 炎上の有無に関わらず 要救の生存率の低さ

指令1分

短時間に判断 / 進入 / 救出する能力

現着4.5分

放水体制 2.0分

無炎燃焼時間α 分 進入 !

7.5分+α

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F.Oの危険箇所は?/煙温度は?

F.O 着火源

高温/高濃度(加圧状態)

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(7)延焼

これを現場で見極める眼力=スキル

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何が燃焼しているのか? 各局部は何℃?

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Building 建築物 構造 SAHF:4 燃焼挙動の指標 Smoke 煙 高さ/色/濃度/量/圧力 Air Track 経路 速度/方向/乱流/音 Heat 熱 窓の黒化/割れ/変色 Flame 炎 色/量/場所

B-SAHF

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事 例 2

火元1F /2F加圧中 → 2F F.O

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2F F.O発生室

1F 火元

2F FO後の室内に注目

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火元1F /2F加圧 → 2F F.O

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外壁は総モルタル 2階軒下から火炎

事 例 4

動画 7

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3 放 水 fire fighting

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警察比例の原則 目的達成の障害(災害)と比例する限度で 憲法等で保証された国民の権利を制限できる。 但し、複数の手段がある場合は、国民にとって 最も穏和かつ侵害的でない手段を選択しなければならない 1 適合性 手段が目的達成に適合 2 必要性 制約が必要最小限度 3 比例性 目的に対して制約の程度が比例的に過大でない

暴力装置・・・組織化され、制度化された暴力の様態

活動 = 破壊消防

最大限の配慮を喪失すると暴力装置となる

過剰注水による水損 !! 本当に必要最少の破壊行為 ?

Page 69: 消防防災研究会 ベーシック

ポイント ①現在、火災進捗過程で「どの段階」なのかを見極める ②外観から火か煙か? それはどこから?

/換気(排気)状況の判断 ③人間はいるのか? 火源はどこなのか?

WHICH A 内部進入/直接消火 ? B 包囲体形で屋外注水 ?

Page 70: 消防防災研究会 ベーシック

進入と放水のリスクな関係

Page 71: 消防防災研究会 ベーシック

高温ドライ状態

放水による低温ウエット

どちらも危険。しかし警戒要素が異なる

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水が蒸発する 膨張比 蒸気 に気化すると体積1700倍

Page 73: 消防防災研究会 ベーシック

連続ストレート注水は 極めて不安定

水蒸気による受傷リスク

空気(気体)温度のリスク表

水蒸気(水分)による熱伝導率 は含まれていない

気体に対して液体(水)の熱伝導率20倍強

Page 74: 消防防災研究会 ベーシック

ガス冷却 Gas Cooling

室内の上位層(高温煙/可燃性ガス)へミスト注水 ミストの適切量は、発火の可能性を低減 活動中の消防士の熱負荷を低減 室内温度を低下(消火ではない)

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①むやみに放水厳禁 ②高温区画の上部へミスト注水(1秒)・・・室温確認 ③蒸発程度(天井/床)を確認 ④急激な放水は高温水蒸気化(火傷危険) ⑤中性帯奥の火源へペンシル注水(1秒厳守)・・・FO遅延

燃焼層 ~1300℃(フラッシュピーク時)

可燃ガス層 500~600℃

熱気濃煙層

中性帯

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くしくも 現着時 室内FOが始まってしまった場合の対応

ガス(煙)は一定温度で有炎化 → 温度を下げる → 進入隊をサポートする GAS COOL TEAM

Page 77: 消防防災研究会 ベーシック

③出火室検索 (出火室以外検索後閉鎖)

②玄関から進入 (火煙がなくてもマスク)

①玄関ロック解除 (火煙がなくてもマスク)

④出火室到達 (低姿勢にて内部確認後 閉鎖)

アタックフロー Fire ground attack flow

⑤いよいよ ドアコントロール&アタック

INTRO 水利部署、ホース延長

Page 78: 消防防災研究会 ベーシック

① Gas Cooling

ドアコントロール&アタック 必要なテク

② Point pencil

③ cooling of the wall

④ Mayday mist cooling

中性帯を崩さないよう確認しながら注水

& Door control

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装備品 例示

露出部分のシャットアウト

Page 80: 消防防災研究会 ベーシック

装備品 例示

テープスリング

ドア破壊 セット

温度センサー

改造プライヤー &ドライバーセット

ビデオカメラ

面体は非固定

Page 81: 消防防災研究会 ベーシック

問題/課題がある → 訓練 → 解消 → 確実な現場活動になる → 早期鎮圧/救出

なぜか こだわる ホース延長訓練&はしご進入!!

Page 82: 消防防災研究会 ベーシック

入り方(ベランダ限定)は散々学ぶ 脱出は ほぼやらない現実を認識する

その前に ハシゴは 進入するものでなく

脱出がメインのものと認識を改める

まず 逃げる&隠れる訓練/仲間を引っ張る訓練から

Page 83: 消防防災研究会 ベーシック

4 指 揮 command

Page 84: 消防防災研究会 ベーシック

最上席の現場責任者 = 指揮隊長 責任の大きさ = 権限の大きさ

事前に燃焼原理を各隊員と共通認識化

客観情報 / 燃焼過程 家人の在不在

戦術の決定(吸排気指定/必要ノズル数)

指令課 入電数/通報者種別/通報者への遭遇依頼

最先着隊 煙&炎の排出などB-SAHF/施錠/隣接家屋

現着前 数分で 概ねのイメージ&意思決定

Page 85: 消防防災研究会 ベーシック

①住宅 ②アパート(2F) ③中高層建物 ④工場/倉庫

火事は1000回あれば1000通り 現場が減り経験不足の若い隊員が・・・

用途別の発生頻度→各構造特性→各社会情勢/背景 アウトカム指標/火災パターンフロー化

→ ハイブリッド/リフォーム → 旧来の住宅(W 鉄板)

→ 旧来タイプ(△△荘) → メゾネット型/パーソナル型

→ オール(5)ロ → ゲタ履き型/(16)

→ 町工場 and 製造物 → 大型工場 / 面積区画 → 産廃処理施設 or 危険物

Page 86: 消防防災研究会 ベーシック

最新型 住宅 パターン

Page 87: 消防防災研究会 ベーシック

重要ポイント 出火階 1F or 2F ?

個人尊重時代背景 → 規格商品/パターン化

Page 88: 消防防災研究会 ベーシック

最近はさらに欧米風に変化傾向が わかります?

Page 89: 消防防災研究会 ベーシック

玄関開放=給気=火炎リーク=GAS COOL 注水

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ぜひ この実験を TRY!

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5 火災救助 V.E.I.S

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最先着 消防隊長としてどう判断?

最先着隊で現着! 関係者から 「2階 左側の部屋に子供が!!」の情報

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中堅以上のスキルが認められる隊員限定!!

Page 94: 消防防災研究会 ベーシック
Page 95: 消防防災研究会 ベーシック

発動要件 1 建物構造 2 時間帯 3 家族構成 4 外観判断/燃焼過程 5 その他条件(情報)

phase1

○はしご設定地盤/空間/窓形状etc

○進入前確認火煙/カーテン/用途etc

○破壊範囲/手法

○進入

体勢/手法

訓練も分解して個別訓練を励行。一連の流れ訓練はその後

Page 96: 消防防災研究会 ベーシック

phase2

○区画

区画内外の検索

共有部の火煙

○検索用途の特性

残留者の心理

火煙状態からの様態予測

○搬送状況・体型に応じた搬

送手法判断

○監視具体的役割の認識

phase3

○窓のスルー受け渡し方法

監視員との連携

○はしご降下

体型、JCSによる手法

○MAYDAYIF 2F 緊急時脱出手法

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6 用途別指揮 the type, structure command

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2/0 (5)ロ パターン

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重要ポイント 出火階 1F or 2F ?

上階 延焼ルートの基本&例外パターン

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押入れ

押入れ

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防火区画 ☆界壁の効果

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出火室側から隣室への界壁(内壁) PBタイコ張

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出火室と天井(上階)との状況 炭化が認められるが 耐えている

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押入れ

押入れ

Page 105: 消防防災研究会 ベーシック

外壁 鉄板の木造で出火室が隅っこ時 要注意 !

外壁 延焼ルート

Page 106: 消防防災研究会 ベーシック

ベランダ 経由は??

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出火室の上階

ベランダ内 エアコン室外etc 溶融焼失 しかし ガラスは 網入りにてクラックなしで耐える

Page 108: 消防防災研究会 ベーシック

ツイタテ(金属製:スパンドレル)が有効 エアコンダクトは出火室は消失、隣室は損傷なし

1F 出火室と隣室の関係

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Page 110: 消防防災研究会 ベーシック

片側開放廊下 出火室 奥右はし 深夜 見極めできますか?

新しいアパートでの留意点 !

Page 111: 消防防災研究会 ベーシック

出火室 玄関 廊下 天井部 煙被害なし 気密性の高い典型的な防火区画

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Page 113: 消防防災研究会 ベーシック

多様化するニーズ/形状 外観から内部/構造が理解できますか?

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給排気/エアトラックの基本的考え方

居間 K/WC

さぁ ! どう指揮(筒先配備)を? 思い出して 1火災の科学 3放水を

玄関

玄関

K/WC 居間

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Page 116: 消防防災研究会 ベーシック

背 面 前 面

Page 117: 消防防災研究会 ベーシック

7 換 気 ventilation

Page 118: 消防防災研究会 ベーシック

単純ではナイ!! 吸排気理論ナシに運用は不可能

Page 119: 消防防災研究会 ベーシック

最低限のルール

Page 120: 消防防災研究会 ベーシック

Back up Engine co.

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8 訓 練 training

Page 122: 消防防災研究会 ベーシック

1 SMOKE 煙 立ち登り高さ / 色 / 濃度 / 場所 / 圧力 2 Air Track 風の経路 速度 / 方向 / 乱流の有無 / 脈動 / 口笛の音 3 Heat 熱 窓の黒化 / ガラスの状態 / 塗装面の変色

/ 突然の発熱性 4 Flame 炎 色 / 量 / 場所 / 高さ

Building 建物 構造(外壁/屋根/天井/収容物)

Page 123: 消防防災研究会 ベーシック

図上訓練 (Size up Training)の推奨

最先着隊で現着! 関係者から「2階 右側の部屋に子供が!!」の情報

Page 124: 消防防災研究会 ベーシック

大きさ、年齢、建物の建設タイプ?

所在地と火災の程度は? 構造安定性?

既知または潜在的な救助問題?

積極的または潜在的な流路

その他の危険(電気、爆発要素、周辺空地)?

Page 125: 消防防災研究会 ベーシック
Page 126: 消防防災研究会 ベーシック

どのような温度かTICを確認中

放水が上層大気と反応していか? (蒸気化? 床に溜まっている?)

煙の量、速度、密度&色は何ですか?

Page 127: 消防防災研究会 ベーシック

B交差点から東を望む/X大通り上

Page 128: 消防防災研究会 ベーシック

助けてぇ!

Page 129: 消防防災研究会 ベーシック

G交差点から東を望む/G大通り上

Page 130: 消防防災研究会 ベーシック

・・・助けてぇ!

Page 131: 消防防災研究会 ベーシック

A交差点から東を望む/Bインター通り上

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通常訓練

1 毎日訓練 目的と課題の明確化 隊全体の把握 自分に任された裁量 ○個人訓練 ○隊想定訓練 (フォーメーションの検証)

2 署長点検 ブラインド想定訓練 主に隊長判断を問う

Page 134: 消防防災研究会 ベーシック

9 ひとづくりと組織 Human resource development

Page 135: 消防防災研究会 ベーシック

求められる プロイズム とは? 災害は 社会的な背景を複雑に関連付け

進化 している

火災など災害対応力を強化するためには 社会性 を身につける事が重要!

考えなければ 感じることはできない

Page 136: 消防防災研究会 ベーシック

1 客観的な事実検証に基づく合理的技術 客観的事実に基づき 統計学的に災害を分類化

2 暗記ではないイメージ力のボリューム 基本パターンを現場で瞬間的にイメージを組むスキル

災害対応力とは?

消防士には何が必要なのか? 体力? 根性? 伝統? 伝承? 精神? 正義? 情熱? 仲間?

見も知らない他人を 様々なシチュエーションでも確実に救う! ために必要なものは何か?

Page 137: 消防防災研究会 ベーシック

フォーマルグループとインフォーマルグループ

フォーマルG

ベテラン

中堅

若手

隊長

中堅

若手

インフォーマルG

隊長がオンオフをリラックスして繋がる

隊長は権威主義に陥ってはいけない

Page 138: 消防防災研究会 ベーシック

目標/目的の設定と管理

隊 長 隊 員

運営参画が極めて重要 !

隊 長

中 堅

若 手

権威的&支配的 共有的&指導的

自らが隊に貢献している感(達成感/やる気)

Page 139: 消防防災研究会 ベーシック

隊長のリーダーシップ

権威主義

民主主義

放任主義

組合せて 経営参加要素を取り込む

隊員の自立心と モチベーションを成長させる

Page 140: 消防防災研究会 ベーシック

公務員システムと日本

地方公務員法改正・・・能力成果評価 導入

グローバル経済と日本企業

戦後日本

終身雇用 年功序列

中央集権から地方分権へ

Page 141: 消防防災研究会 ベーシック

日本型消防 欧米型消防

ほんとうに変わるか? それはあなたに掛かっている

こうした流れから地方公務員で 事務部局より規模が小さい消防が 現在に至ってしまうのは至極当然・・・?