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チェルノブイリ大惨事による健康影響の実相 〜 無視され続けてきたがん以外の健康被害 〜

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チェルノブイリ大惨事による健康影響の実相 〜 無視され続けてきたがん以外の健康被害 〜. 高木学校 http:// takasas.main.jp /. 原子力教育を考える会 http:// www.nuketext.org /. 崎山比早子. チェルノブイリ大惨事これまでの評価. 国際原子力機関( IAEA )、世界保健機関( WHO ). ● 急性障害による死亡  31 人 ● 最大 4000 例のがんと白血病による過剰死 ● がん以外の疾患は被ばくとは関連がない ● 得に神経系の疾患に対しては  「放射線恐怖症」による根拠のない ヒステリーが原因. - PowerPoint PPT Presentation

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チェルノブイリ大惨事これまでの評価国際原子力機関( IAEA )、世界保健機関( WHO )

● 急性障害による死亡  31 人● 最大 4000 例のがんと白血病による過剰死● がん以外の疾患は被ばくとは関連がない

● 得に神経系の疾患に対しては 「放射線恐怖症」による根拠のない

  ヒステリーが原因

国際放射線防護委員会( ICRP )

100mSv 以下であれば先天性奇形は発生しない

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放射能を正しく理解するために教育現場の皆様へ日本小児心身医学会による指導・協力

● チェルノブイリ原発事故では、小児甲状腺がん 以外のがんの増加は認められていません。● 放射線の影響そのものよりも「放射線を受た」 という不安を抱き続ける心理的ストレスの影響 の方が大きい。

文部科学省  2011 年 4 月 20 日

国際専門家会議議長:馬淵清彦(米国立がん研究所チェルノブイリ研究ユニット長)東京新聞 9 月

20 日認められているのは小児の甲状腺がんの増加だけ。今後白血病が増えている事がわかっても驚かない。

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チェルノブイリ以前の被ばく 原爆被ばく者の死亡率調査:第 13 報「固形がん 及びがん以外の疾患による死亡率調査」

  統計的に有意に増加した白血病以外のがん 固形がん:食道、結腸、肺、胆嚢、肝臓、膵臓      乳房、卵巣、膀胱、その他      統計的に有意に増加したがん以外の疾患 心臓病、脳卒中、消化器官、呼吸器官の疾患

     Preston R.  馬淵 , 他 Rad. Res. 160, 381, 2003   

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 ニューヨーク科学アカデミー 2009 年『チェルノブイリ大惨事、人と環境に与える影響』  100 万人が死亡した。

チェルノブイリ被害実態レポート翻訳プロジェクトhttp://chernobyl25.blogspot.com/

『チェルノブイリの健康影響大惨事から 25 年』 2011 年

核戦争防止国際医師会議

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1,4801850 40 10 2

kBq/m2

チェルノブイリ大惨事によるセシウム 137汚染

UNSCEARウエブサイトより

旧ソ連  43%それ以外 57%

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チェルノブイリ大惨事による被ばく者数

                 グループ

             人数

 事故処理者     ベラルーシ

    130,000

                       ウクライナ

360,000

                         ロシア

250,000

                       その他

90,000

30km圏内からの避難者・移住者

                      ベラルーシ

135,000

                      ウクライナ

162,000

                      ロシア

52,000

     ロシア、ベラルーシ、ウクライナ                           の高汚染地区

8,300,000

ヨーロッパの低汚染地区 600,000,000

ヨーロッパ以外 4,000,000,000

計830,000 人

平均被ばく線量100m Sv

139,000 人平均被ばく線量

55m Sv

   8,300,000 人被ばく線量 33m Sv

46億 9百万人

9,269,000 人

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事故処理者に見られる各種患者数の経年変化(10万人あたり)

疾病/臓器 1986 1988 1990 1992 1993

感染症と寄生虫症 36 197 325 388 414

腫瘍 20 180 393 564 621

悪性腫瘍 13 40 85 159 184

内分泌系 96 764 2020 3740 4300

血液および造血器 15 96 191 226 218

心理的変調 612 1580 3380 4540 4930

神経系および感覚器 232 1810 4100 8110 9890

循環器 183 1150 2450 3770 4250

呼吸器系 645 3730 6390 7010 7110

消化器系 82 1270 3210 5290 6100

泌尿器系 34 253 646 1180 1410

皮膚および皮膚下組織 46 365 686 756 726

倍率

3114454223117441

158

16

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事故処理者に顕著に増加した疾患とその特徴

消化器系疾患内分泌系疾患

神経・感覚器系疾患泌尿器系疾患循環器系疾患腫瘍悪性腫瘍

特徴同時に 4種類から 5種類の疾病にかかる

老化の促進(実際の年齢よりも 10 から 15才老化)

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加齢の促進と診断される特徴的な症状・血管の老化促進 特に脳、心臓血管系−・血液・造血系疾患の増加・若年性白内障、眼底血管の動脈硬化・糖尿病の増加・中枢神経系損傷による 高度な知的能力の喪失

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ベラルーシにおける死亡原因心臓病による死亡が増加(特に事故処理者に)

(Bandazbervsky Y.I. Proceed. of 2009 ECRR Conf.

日本における死因1位がん

2位心疾患

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 異常細胞   染色体異常

ウクライナ、 1970 年代初期 1.19+-0.06

ウクライナ、 1986 年以前    1.43+-0.16 1.47+-0.19

世界平均、 2000 年    2.13+-0.08 2.21+-0.14

ウクライナ、キエフ、 1998〜1999

3.20+-0.84 3.51+-0.98

30km圏内  1988〜 1999 5.02+-1.95 5.32+-2.10

チェルノブイリ大惨事前後での異常細胞と染色体異常の発生頻度

     (リンパ球 100個当たり)(平均)

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ベラルーシのチェルノブイリ大惨事前後における

高汚染地区と低汚染地区での先天性奇形の頻度(出産1000に対して)

高汚染地区( 555kBq/m2 以上) 低汚染地区( 37k~185kBq/m2)

  年 1981 〜1986

1987 〜1989

1990 〜2004

1981 〜1986

1987 〜1989

1990 〜2004

すべての先天性奇形

4.08 7.82 7.88( 1.93

4.36 4.99 8.00( 1.83

)無脳症 0.28 0.33 0.75

( 2.68)

0.36 0.29 0.71( 1.97

)脊椎ヘルニア 0.57 0.88 1.15

( 2.02)

0.69 0.96 1.41( 2.04

)ダウン症 0.89 0.56 1.01

( 1.13)

0.64 0.88 1.08( 1.88

)複数の先天性奇形

1.27 2.97 2.31( 1.81

1.35 1.23 2.32( 1.72

()内は倍率

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人の染色体

『Molecular Biology of THE CELL 』より

ダウン症の染色体21番染色体のトリソミー

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ベラルーシにおける甲状腺がん発症推移

『チェルノブイリの健康影響』           IPPNW 2011 年より

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ベルラーシ、ゴメリ地方におけるチェルノブイリ惨事前後13年間の甲状腺がんの年齢別発症比較

年齢 1973 〜 1985 年 1986 〜 1998 年 増加

0 〜 18 7 407 58倍

19 〜 34 40 211 5.3倍

35 〜 49 54 326 6倍

50 〜 64 63 314 5倍

> 64 56 146 2.6倍

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汚染レベル( MBq /m2 )

セシウム 137 による環境汚染と人体汚染の関係

人体蓄積量中央値

(B

q/k

g)

50

100

150

200

250

300

350

00.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2

ロシアの Bryansk 地方に住む

5歳から 15歳の男女を WBCで計測

飯舘村福島市二本松市

Hosi 他 Health Phys.2000

1991 年から 1996 年にかけての調査

いわき市 田村・葛尾・伊達

人体蓄積量平均値

(B

q/k

g)

義務的移住区域( 555kBq/m2 以上)5mSv/年以上移住権利区域

(185-555kBq/m2)1mSv/ 年以上

管理区域(37-

185kBq/m2)

山下俊一等による

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大人子供

ベラルーシGomel州での調査1997 年の死亡例について

(Bandazbervsky Y.I. Swiss Med Wkly 133, 2003)

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ゴメリ州で 1997 年に死亡した 10歳までの子供 52 例の臓器別蓄積 線量(Bandazbervsky Y.I. Swiss Med Wkly 133, 2003)

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(< 5Bq/kg ) ( 38Bq/kg) ( 122Bq/kg)

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セシウム高汚染地区の子どもの健康状態

反復性の呼吸器・消化器疾患、内分泌疾患免疫力の低下、白内障、がん、心電図の異常心臓血管系の疾患による胸痛(高血圧、低血圧など)脳神経系の疾患、糖尿病疲れやすい、周囲に対する無関心先天性奇形

加齢の促進(事故処理者にみられた症状)一人で二つ以上の病気を持つ子どもが多い

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エックス線やガンマ線は1 ミリグレイ =1 ミリシーベ

ルト

1 ミリシーベルト 5 ミリシーベルト

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化学結合のエネルギー( 5〜 7eV )

水素結合

診断用エックス線のエネルギー: 100,000eV

2nm 二本鎖切断

一本鎖切断

Int. J. Rad. Biol.Doodhead DT,

1994『Molecular Biology of THE CELL 』より一部改変

低線量被ばく

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二本鎖切断数/細胞

線量( Gy )Rothkamm K. Lobrich M

PNAS 100, 2003 より

放射線による二本鎖切断 線量ー効果関係

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放射線の危険性は 蓄積 する

変異は細胞にたまって行く

x

x xx

細胞

遺伝子

変異

変異

傷の治し間違い

発がん

新たな被ばく

被ばく

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心電図に異常のない子どもの割合

%)

体内 Cs137 の 蓄積量 Bq/kg

体内セシウム 137 の 蓄積量 と心電図異常の関係

(Bandazbervsky Y.I. Proceed. of 2009 ECRR Conf.

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(Bandazbervsky Y.I. Proceed. of 2009 ECRR Conf.

子どもの体内セシウム 137汚染と白内障の関係             ゴメリ地方

Cs137(Bq/kg)

子どもの発症率

%)

白内障は広島・長崎の被爆者でも増加

Page 33: チェルノブイリ大惨事による健康影響の実相 〜 無視され続けてきたがん以外の健康被害 〜

突然死した人の心筋組織Cs137:45.4Bq/kg

瀰漫性心筋細胞溶解、筋線維間浮腫筋繊維断裂

正常な心筋組織

HE染色

HE染色(Bandazbervsky Y.I.

Proceed. of 2009 ECRR Conf.

心筋細胞はほとんど細胞分裂をしない

細胞の壊死

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セシウム 137高汚染のラットの腎臓Cs-137 : 900Bq/kg

糸球体細胞の壊死と破壊

(Bandazbervsky Y.I. Proceed. of 2009 ECRR Conf.

Page 35: チェルノブイリ大惨事による健康影響の実相 〜 無視され続けてきたがん以外の健康被害 〜

セシウム 137高汚染による肝細胞の変性壊死

(Bandazbervsky Y.I. Proceed. of 2009 ECRR Conf.

ゴメリ州住民の肝臓( 40才突然死 

Cs137:142Bq/kg )肝細胞壊死

Page 36: チェルノブイリ大惨事による健康影響の実相 〜 無視され続けてきたがん以外の健康被害 〜

核:直径 8μm

ミトコンドリア

核膜

細胞膜核小体

細胞骨格

ゴルジ装置

リソゾーム

直径 10〜 20 μm

小胞体

DNA

細胞

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原子核が崩壊する時にでる放射線のエネルギーは

生体でやり取りするエネルギーの数万から数十万倍

その様なエネルギーを出す物質が長期に体内に存在したら細胞はどうなるか?

生体反応は全て化学結合のエネルギー( 5 から 7eV )

電子のやり取りで行われる。原子核には触れない

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まとめ

低線量長期被ばくの健康障害は何が引き起こすのかそのメカニズムはほとんど解明されていない。

放射能汚染がもたらした被害は健康障害だけではない。

農業、畜産業、漁業、水産業、林業等の一次産業に及ぼした被害は測りしれないし、家庭・社会生活も破壊している。

この責任をとるべき人、機関が何の責任もとらず相変わらず政策決定をする側に居座っている

事故後 7ヵ月経つのに私達の社会はこれを許しているこれは何にもまして大きな問題ではないか。

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DNA から蛋白質へ

蛋白質

翻訳AAA

(メッセンジャー RNA)

核膜転写

DNA

RNA

AAA

m RNA

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DNA から蛋白質へ

蛋白質

(メッセンジャー RNA)

DNA

AAA m RNA遺伝子読みとりの

スイッチ

スイッチを入れる蛋白

蛋白を作る暗号部分

転写

翻訳

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男性事故処理者のホルモン濃度事故処理者 対照

アルドステロン 193.1 ± 10.6 142.8 ± 11.4

コルチゾール 510.3 ± 37.0 724.9 ± 45.4

プロラクチン 12.6 ± 2.6 18.5 ± 2.6

インスリン 28.8 ± 2.6 52.8 ± 5.4

ACTH (副腎皮質刺激ホルモン)

203.7 ± 12.3 142.2 ± 15.2

プロゲステロン(黄体ホルモン)

2.43 ± 0.18 0.98 ± 0.20

レニン 1.52 ± 0.14 1.02 ± 0.18レニン:アンジオテンシノーゲンのペプチド結合を分解してアンジオテンシンIを合成するタンパク質分解酵素の一種。アンジオテンシノーゲン中の非常に特異的なペプチド配列を認識し分解するため、

発見当初は活性化の仕組みがわからずホルモンかキナーゼの一種ではないかと考えられていた。