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消防防災研究会 1 消火活動の基礎 Basics of fire fighting 消防防災研究会 Meeting to study the fire-fighting and disaster prevention

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消火活動の基礎

Basics of fire fighting

消防防災研究会

Meeting to study the fire-fighting and disaster prevention

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火の正体

The identity of the fire

1 構成

炎の外側ほど酸素の濃度が高く、濃度に応じて 3 つに区分

炎心、内炎、外炎

(1)炎心

酸素がほとんど供給されておらず、温度も低いために未反応の可燃性気体が存在

光も少なく暗い

(2)内炎

炭素(すす)が最も多いため最も明るい

外側の外炎で酸素が消費されており、内炎は酸素の供給が不十分となるため、酸化反

応はあまり進行せず温度が若干低い。

酸素が不足のため酸化物が入ると酸化物から酸素を奪う還元反応が進行し炎が発生

不完全燃焼が起こっており、炭素の微粒子(すす)が発生

炭素微粒子が熱放射によって主にオレンジ色の連続スペクトルを放射

炎の中では一番明るく光って見える部分

(3)外炎

酸素と最も多く接触しているため最も熱い

酸素との接触が十分であるため、酸化反応が迅速に進行し熱を発生し炎の中で最も高

主に青の輝線スペクトルを持つ光を放射しているが、あまり強くなく目立たない

2 炎

火の中でも、気体が燃焼するときに見られる穂のような、光と熱を発している部分を指

語源は火の穂(ほのほ)から由来。

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燃焼の正体

The identity of the burning

気体以外が燃焼する場合にも炎が見られることがあるが、実際は一旦可燃性の気体が生成して

それが燃焼している。

1 点火

可燃物、酸素、それらの混合物が引火点を越えるための熱が必要

継続燃焼は連鎖反応を生み出すよう酸素が連続的に供給される必要がある

火はこれらの要素が揃わない環境では存在しない

3 分解燃焼

木材、石炭、紙などの固体可燃物、またはグリセリンのように沸点が比較的高く、分子量の大

きな液体可燃物は、蒸発分を蒸発燃焼するとともに熱分解によって可燃性ガスを生成し、この

ガスに着火して炎を上げて拡散燃焼をしていく。

たとえば、木材を空気中で加熱すればまず水分を失って乾燥し、次いで熱分解を起して可燃性

ガスを放出し、それに着火して生じた炎の熱がさらに木材の熱分解を促進して燃焼を継続して

いくのである。木材、石炭、紙などは分解燃焼が終了した後、赤熱して炎を出さずに表面燃焼

を行うのが一般的な形である。

木炭が青白い炎を発している場合があるが、これは燃焼によって生じた二酸化炭素が赤熱され

た木炭の表面で還元されて生じた一酸化炭素となって燃えているためであり、木炭自身が発炎

燃焼をしているわけではない。

3 色

炎は可視光や赤外光を放つ化学反応中の気体と固体の混合物

その周波数スペクトルは燃焼物や中間生成物の化学組成によって異なる。

木などの有機物の燃焼・不完全燃焼ですすと呼ばれる白熱した固体粒子を生じる。

そして赤からオレンジ色の火になる。

火の発する光は連続なスペクトルである。

すす、ガス、燃料の粒子などが黒体放射し温度や燃焼に関わる物質によって変化する。

炎の色を最も左右するのは温度。

有機物が最も高温で燃焼しているとき白または黄色の炎

その上にはやや温度の低いオレンジ色の炎

さらに温度の低い赤い炎

赤い炎の上では燃焼は起きず、燃焼しきらなかった炭素粒子が黒い煙となる。

特に気体の燃焼現象は炎または火炎と呼ばれる。

火は燃焼現象(特に発光を伴う場合)を指す一般的な名称。

燃焼には炎を有する有炎燃焼、有しない無炎燃焼がある。

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4 燃焼に必要な 3 要素

1.可燃性物質

2.酸素

3.温度(火源)

これらに「燃焼の連鎖反応」を加え、燃焼の 4 要素

とする場合もある

完全燃焼の 3 要素

1.燃焼温度(Temperature)

2.滞留時間(Time)

3.空気との混合状態(Turbulance)

分解燃焼 - 物が加熱によって可燃性ガス、または酸素を発生し燃焼すること。

燻燃 - 通気が悪い、酸素が薄いなどの原因があり、不完全燃焼する。

酸素が供給されれば一気に燃え上がる(バックドラフト)

5 消火

燃焼が継続するには可燃物、酸素、温度が揃う必要がある。

燃焼の連鎖反応を加えどれか 1 つを欠くと燃焼は停止する。

小規模な火は燃料を断つ、水をかけるなどの行為で容易に制御可能

しかし大規模な火災の場合、燃焼の三要素(四要素)を断ち切ることが困難

(1)理論

燃焼の三要素のうちのどれか一つを断ち切ることで燃焼の停止

可燃物を除去、酸素を断つ窒息、温度を下げる冷却があり、消火の三要素という。

可燃物の原子を不活性化させ燃焼の連鎖反応を抑制する負触媒消火法(または抑制消火法)を

加えて消火の四要素と呼ばれることもある。

○除去消火法 可燃物の供給を止めたり、周囲の可燃物を取り除いたりして燃焼を止める消火法である。主な例としては

以下のようなものがある。 ろうそくの火を吹き消す(蝋の蒸気を吹き飛ばすため) 山火事の発生している場所の周囲の木を伐採する(可燃物の除去) 火災の発生している建築物の周囲の建築物を解体・撤去する(破壊消火) ○窒息消火法 酸素の供給を止めたり、酸素濃度を下げたりして燃焼を止める消火法である。 主な例としては以下のようなものがある。 アルコールランプに蓋をかぶせる 火に布(消火布など)をかぶせる 大量の砂をかける 踏みつける 爆発を起こして周囲の空間の酸素を瞬時に消費する(爆風消火) ○冷却消火法 可燃物の温度を燃焼に必要な温度以下に下げ、燃焼を止める消火法である。 水をかけて消火する方法がこれにあたる。水は熱容量及び蒸発時の蒸発熱も大きく強い冷却作用がある。

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煙の正体

The identity of the smoke

1 暖かい空気は上昇

物質は温度が上昇すると膨張 重量は変わらないので比重は軽くなる

空気は 温度が 1℃上昇 1.0037 倍膨張(ボイル・シャルルの法則)

相対的に比重が軽くなり気体は上昇

火災時 煙には一酸化炭素や二酸化炭素が含まれる

2 成分

(1)一酸化炭素 すべての有機物から発生 無色、無臭の感知の難しい可燃性ガス

物を燃やす時に不完全燃焼を起こすと発生

一酸化炭素は空気とほぼ同じ重さです。比重は空気を 1 としたときの重さが 0.967

上から滞留する傾向だが、満遍なく煙に混合

極めて毒性の強い気体。

血液中のヘモグロビンの結合力が酸素の約 250 倍

少量でも死に至る。脳細胞への直接的障害作用もあり後遺症が残ることがある。

(2)二酸化炭素 すべての有機物から発生 無色、無臭の不燃性ガス、呼吸数の増加、頭痛

物を燃やした時や人間の呼吸で発生

二酸化炭素は比重 1.5290 高温になれば密度が低下し比重は軽くなる

加えて熱対流による渦拡散などで拡散していきます。

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ですから、大気中にはほぼ均等に二酸化炭素が拡散

(3)シアン化水素 アクリルやポリウレタンなど 猛毒物質 気体は青酸ガス 不燃性ガス

純度の低い物を長時間放置すると黄色や黒色に変化し爆発性の重合体を生成

特に水分が 10%程度混じっていると 50℃程度で重合しやすくなり、またアルカリが混ざってい

ると室温でも重合する。184℃になると急激に重合する

火災によりアクリル製品等が熱分解し、シアン化水素が発生して急性中毒

一酸化炭素とともに火災時において中毒が発生する原因

落ち着いて避難していた人が突然倒れた事例がある。(長崎屋火災)

(4)塩化水素 ポリ塩化ビニル、塩化ビニル

塩素と水素から成る。無色透明、刺激臭。有毒。塩酸ガス

原体および 10%を超える製剤が劇物に指定

比重は 1.2678

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グローバルスタンダードな基礎

Global standard for fire fighting

下記の4項目が活動における最もベーシックな基礎概念である。

command 指揮/判断

attack 内部進入

search 人命/燃焼進捗/煙の検索

ventilation 換気/煙制御

1 屋内アタック(攻撃モード)

最も効果のある消火方法は積極的な屋内アタックである。

炎を燃えていない部分から燃えている部分に押しやる。

ライン進入は換気、捜索、救助、家財保護、その他のラインを考慮にいれておこなう。

ラインは燃えていない部分から進入するのが原則であり、2 階から進入する場合はロープで

ラインを引っ張りあげる。

基本的に全ての初期行動は人命救助のために行う。

もし火点に炎を押え込めば人命に対する危険は減ることになる。

放水するときには人命救出をまず念頭において行う。

絶対に燃えている場所から燃えていない場所へ炎や有毒ガスを送り込んでいけない。

人命の保護が確認できたら活動により家財が破壊されることを最小限に抑える。

常に脱出路を確保しておく。

2 屋外アタック(防御モード)

消防の資源と能力を越える火災であれば屋外アタックに切り替える。

この場合にはホースの径が太くなる。

多量の水が必要となるため水利確保が重要となる。

これらは水が出るまで時間がかかる。短時間に放水できる訓練を行うことが大切。

延焼を防ぐために、燃えている側に多量の放水をするか類焼の危険がある側に放水する方法

もある。あらゆる方向からの放水に注意する。

3 ロールオーバー

火や炎の先端が実際に燃えている物質の前に吹き出す現象。

可燃ガスが吹き出されるときには酸素と混合されなければ燃えない。燃えている物質は大量

の空気(酸素)を消費しているため、可燃物を全て燃やすだけの空気がほとんど残っておらず、

天井の高さ(2~3 メートル)まで燃焼物本体から炎が延びてロールする。

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その後、床1メールまでロールオーバー(急激に降りてる)して、室内上部で散発的に閃光

を発する。この時点で窓の隙間から煙が渦を巻き吹き出しフラッシュオーバーへ移行する。

4 フラッシュオーバー

可燃性ガスを含む燃焼物が熱の伝導や放熱あるいはその両方により点火されること。

室内の燃焼物質は燃焼ポイントまで熱せられて瞬間的に燃焼する。エリア全体が燃焼ポイン

トまで加熱され、いつ炎に包まれてもおかしくない状態。

発生兆候は、極端な熱、燃える炎(free-burning fire)、まだ燃えていない物質から煙が出て

いる、ノズルから出るフォグがすぐ水蒸気に変わる。

フラッシュオーバーを少なくするためには、換気と適量の放水により室内の熱気を早期に逃

がされなくてはならない。

放水はフラッシュオーバー現象が発生する前に開始しなければ、人命救出はより困難なもの

となる。

現場到着と同時に放水するには、消防自動車にタンクを積載していることがどうしても必要

になる。アメリカには 1 トンの水槽をピックアップに積載し、巻いた状態でもつぶれないホー

スを使用した消防車両がある。1 トンの水とてバカにはできない。8 畳の部屋では水深が 7.5 セ

ンチにもなる。

フラッシュオーバー発生までに現場に到着し、35 ミリ径ホースを使用する攻撃消防(Offensive

Attack)の能力を身につけるべきだ。これは使う 65mm 径ホースの防御消防(Defensive Attack)

より捜索援助と初期消火で優れている。

消火栓は積載タンクへの給水用、可搬ポンプも中継給水用とみなすべきだ。

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換気(排煙/ベンチレーション)の基礎

Basis of tactical ventilation

初期における火災活動においては換気を優先し、かつ継続しなければならない。

しかし、消防士らはその根本的理由の焦点を失っているように見える。

私たちの換気活動は、あくまで「組織的な攻撃(進入消火活動)」のためなのです。

1 なぜベント(換気)?

fireground(現場)での換気理由は 2 つあります。

①未燃焼で継続発生中の可燃性ガスを排出して消防士が活動できるようにする。

②残留している居住者の救出、脱出を支援する。

換気のための優先度や緊急性は、理由①に関係する。

◎消防士が建物内で自らの安全活動領域を作り出すこと。

簡単に言えば、最も効率的な消火活動が可能になります。

◎火災の成長を食い止め、構造物や収容物の多くを燃焼から守ります。

理由①と②ともに関係する場合

居住者が閉じ込められている場合は進入する消防士と助けを待つ居住者ともに換気は重要

になります。

昔、完全なバンカーギア(防火衣)を持っていなかったときはアタックライン(大口径ホース&

旧型ノズル)を使用、換気を逆に設定し、活動は屋外から建物に放水する最も簡単な活動法だ

った。この時の放水側は、大部分の火炎や煙(可燃性ガス)を内部に押し込んでいた。必要な

換気を可能にする消防士のバンカーギア(防火衣)が不完全でカプセル化されていなかった。

基本的には、こうした装備等の条件がアタック攻撃(進入消火活動)を停止した。従って換

気が行われなかった場合、チームはバックアウトしなければならなかったです。

技術では、バンカーギア(防火衣)と軽量ホースと可変ノズルの組み合わせが増加し、消防士

は建物に深く進入することができるベントギア(呼吸器)と機器、マスクを手に入れました。

それは組織的なアタック攻撃(進入消火活動)、待っていた成功に関連するもので、過去、

私たちは技術機器の犠牲に落ちたんでいた。

2 タクティカル ベンチレーション

火災のための常識としての換気

換気が fireground(現場)に優先事項であるとの条件

①攻撃チームが内部に進出し、火災を消火することができない場合

まず換気により進入路を確保してからアタック攻撃(進入消火活動)となります。

この場合は攻撃チームと調整しなければ換気は意味ないものとなります。

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あなたが現場に到着。正面玄関でほとんど若しくは全く火若しくは煙がなく、2階の窓から

煙が確認されたら、火炎が自ら自己ベント(自然に通気孔)から既に排煙されてます。

換気ベントが達成されるまで、火の大きさや大きさ、煙の2階への充満度合いに応じて、ア

タック攻撃(進入消火活動)は失速して待つことができる。

fireground(現場)では全てのポジション(任務分担)を埋めるスタッフを持っていないが、

それは協調して火災攻撃する基本は変わりません。

建物への進入の際、換気調整に失敗した証拠となる兆候が停止攻撃である。

これは、換気コントロールを得ている平屋建ての商業ビルでの火災、アパートやオフィスビ

ルや屋根裏部屋の火災。この場合、火災がダウン(火煙降下)して乱立したときは、換気は攻

撃チームが続行できるように換気設定の変更を考える必要があります。

3 生き延びるための排煙

今度は、生き延びるための通気、安全側(給気側)からの通気を見てみましょう。

基本的にはベント活動が取り残された居住者を探す捜索チームの消防士に捕捉された人の

生き延びるために行われます。

捜索チームが建物内に前進する換気は、ランダムな換気ではありません。

そのためには彼らが被害者に到達することができるように他の内部活動中のチームがコー

ディネートすることが重要です。換気に失敗すると検索を停止することがあります。

重要な点は、ベント(換気)を実施するチームが fireground(現場)の他の隊員を知って、そ

してその進捗に応じた活動とする必要があります。換気が火災状況に与える影響に注意する必

要があります。

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フラッシュオーバーの基礎

Basis of flashover

最も重要なのは、火災発生の段階を決定するスキル。正しい消火戦略と戦術が採用されるこ

とは不可欠である。

「火を読む」ことができることは「運」に基づくものではなく、知識やスキルに基づいて意

思決定を行うのが消防士の専門性です。

B-SAHF

1990 年代後半に、ヨーロッパの消防士は、複合的な可燃性ガスの増加との関連でフラッシュ

オーバーとバックドラフトの「徴候や症状」を認識するように教えられていました。

そのため燃焼挙動の訓練に焦点を当て、進入アタックや換気戦術といった革命をもたらしま

した。以下の情報はこの研究に基づいており、論理的覚えやすい形式にリスクの認識や簡略化

したプロセスを目的としています。

建物 Building

煙 Smoke

風の経路 Air Track

熱 Heat

炎 Flame

1 建築構造

壁や天井の熱特性は、火災の進展に大きな影響を持っている。

現代の施工方法は、異なる密度の素材により軽量を進め、安価な材料でありながら、比熱容

量及び導電率を最大限に活用する材料を生み出している。

良好な絶縁特性を有する場合、熱エネルギーは、壁や天井を通って部屋から排出し難い。

従って、熱エネルギーが保持される。これは、よく絶縁された室内の温度がライニングは高い

熱質量が悪い絶縁特性を持ってより急速に部屋よりも上昇する可能性があることを意味しま

す。これは、成長速度を遅くすることができるが、ライニングが熱エネルギーを吸収した後、

彼らはそれを保持する傾向があり、しばらくの間、エネルギーを再放射する。

ダブル、トリプル窓ガラスがこの絶縁性素材と組み合わせると、空気の供給は減少し火災活

動は制限され失敗する可能性があります。

これら現代のも建物の構造と普及率は、火災活動に影響を与えます。

SAHF:4 燃焼挙動の指標 燃焼挙動の指標には、次の 4 つのメインカテゴリ

1 SMOKE 煙 •立ち上がり高さ 色、太さ、濃度 •ボリューム場所 •浮力と圧力

2 Air Track 風の経路 •速度および方向 •フロー乱流または平滑 •脈動 •口笛の音

3 Heat 熱 •窓の黒化 •ガラスのひび割れ •ガラスの変色 •塗装面の変色 •突然の発熱性

4 Flame 炎 •カラー •ボリューム •ロケーション

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1:SMOKE 煙

①中立面の高さ

火が発展し、中立面(加熱煙と冷たい空気の境界)が低くなり、煙ガスの厚さが増加します。

高中立面は火が開発の初期段階にあることを示している可能性があります。

非常に低い中立面ということは非常に豊かなバックドラフト状態を示している可能性。

煙層の急激な上昇はその換気が発生したことを示す可能性があります。

徐々に低下すると、火災ガスの増加やフラッシュオーバー危険が急迫していることを示す。

突然の低下は、火災の迅速な発展を示している可能性があります。

②煙の色&厚さ

初期の場合、多くは制限された空気供給のために黒煙で量的にも豊かな状態を示す。

初期の有炎燃焼(くすぶり)の場合には、すすが黒煙を発生源のプルームの中に引き込まれ

る。空気の供給が良好であれば、すすの一部は、反応ゾーン(黄色火炎)で燃焼される。

固体燃料を熱分解温度に加熱されたときに明るい着色煙(時にはほぼ白色)が生成される。

空気の高エネルギー含量と部分予備混合し、蓄積された白煙に炎の導入は、予想外の強力

な発火する可能性があります。

③煙の量と場所

目に見える煙の量や場所は可燃性ガスの拡大の判断を保証するものではありません。

加熱された煙が垂直に上昇し、垂直方向の移動が規制されたときに水平に広がるであろ

う。煙がシャフトを通って移動し、全く予期しない場所に出現することができます。

④煙の浮力&圧力

煙が急速に上昇拡大し、ローリングする場合はガスが高温であることを示しています。

対照的に低い温度でリリースされている煙はゆっくりと上下しても下方向にドリフトす

る傾向がある。これは浮力が弱く比較的低い煙温度を示している可能性あります。

2:煙の経路(エアトラック)

エアトラックは、火災ベース(火源)に向かって空気の流れ、加熱燃焼生成物(煙/可燃性

ガス)量のアップからの動きです。これは、開口部の内と外の煙の動き(自然ベント状況)を

観察することにより、通気プロファイルを確立するのに役立つ。

①速度・方向性

開口部は火室が作成されると、加熱されたガスは開口部の上部から流出し、冷たい煙汚染

された空気は開口部の底部を通って流れる。エアトラックの合計量と突然の内側への移動

は、潜在的なバックドラフトイベントへり移行を示している可能性があります。

いくつかの場合において、この秒後にバックドラフトのラッシュが続きます。

効率良い換気が行わないと突然のラッシュの原因となります。

煙や換気口の全体の高さから排出される炎は通常、それは排気口であることを示し、換気

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口(給気口)は、別の部分にあることを確認します。換気入口と出口の両方を兼ねる場合は、

乱流の兆候が表示されます。

②流れ乱または平滑

火災区画内の開口部を観察しているときに、ゆっくりとした層(スムース)空気/スモー

ク·インタフェースは、火災が初期段階であることを示している可能性があります。

エアトラックが高速で(多くの場合、低中立面で見られる)乱流である場合、これは、換

気制御フェーズでの作業重要性が認められ、迅速なベント作業が必要です。

③脈動&口笛の音

小さな開口部からパルス状見える煙は、制限されたエア供給からの圧力の変化を示してい

ます。燃焼プロセスが厳しくガスが空気を吸い込み負圧(燃焼に必要なエアが供給されにく

い状況)が作成され、体積が収縮します。その際、空気が消費されるまで温度上昇の原因に

なる。

ミスト冷却

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Gas Cooling

火災の制御技術として可燃性ガス冷却方法の背後にある科学説明

1 基礎

火災では上層は煙が燃料で、かつ上層は、非常に高温にさらされるという事実を危険数で提示

します。上位層への水の霧の適切な量の適用は、発火の可能性を低減し、(以下の活動中の消

防士の熱負荷を低減する)ガスの温度を低下させる。これは単純で直感的に思えますが、上層

の危険を制御するには良い方法です。しかしこの基本的な技術が一部誤解され、理解されてい

ません。

2 手法 How Does it Work

水の霧のパルスが 500℃に放ち何が起こるのか。

高温の煙層に適用されると水の小滴が高温ガス層を通過

する際にエネルギーは、熱い煙やガスから水滴へ転換さ

れる。巧みに行われた場合は、上位層だけ温度を低下さ

せ発火する可能性を消滅させます。

警視ラマ Krisana サブラマニアム、ボンバダン Penelamat

(ファイア&レスキューマレーシア)によって実証され

ている理論には、居室内の上層に小さな水滴を多数配置

することができる短パルス放水を提案しています。(図

1 を参照)。

この概念を提示すると消防士は多くの場合、二つの質問を私に提示する

①水は約 1700 倍に拡大拡散放水しているので 100℃の蒸気になったときに、上位層が消防士の

上にドロップダウンしませんか?

②少量の水で火災環境上のそのような劇的な効果はなぜ生まれるのですか?火災は数学です

か?

3 理論

数学のビットを使用して、ガス冷却が実際にどのように動作するかのように良い説明がありま

す。最良の答えは少し複雑であるが、良好な概念的説明は数学の最小量を用いて達成すること

ができる。

高温ガスの温度を低下させ、水によって熱い煙やガスから 100 C 以下の蒸気へ転換させる。

すなわち膨大な放水量は膨大な水を加熱する。高温ガスの温度が低下すると同時に、それらの

体積が問題となり、加えて発生する高温の蒸気を忘れてはいけません。

水が蒸気になった場合、それに伴って体積は膨張する。

その沸点で、蒸気に気化した水は、1700 倍に拡大していきます。

水のシングルリットルは蒸気で 1700 リットル(1.7 立方メートル)を生成します。

水が蒸発する膨張比は重要である。

しかし、水(ガス温度は結果として減少するが)を蒸発させるのに必要なエネルギーの膨大な

量に、高温ガスと蒸気の混合物の最終体積は、区画内の高温ガスの元の体積よりも小さい。

ガスの温度は、水の温度が上昇するよりもはるかに低くなる。なぜ、このような場合でしょう

か?この質問への鍵は、比熱と蒸発潜熱の概念である。水の比熱が 4.2 kJ の/ kg および水の気

化さらに重要な潜熱であるが、図 2 に示すように、煙の比熱は、約 1.0 kJ の/キログラム(1999

ユン·チャン、Särdqvist、2002)である 2260 kJ の/ kg である。これが意味することは、それが

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同じ量だけ煙の温度を低下させるよりも 1o は C による水のキログラムの温度を上昇させるた

めに上の 4 倍のエネルギーを必要とすることである。また、それは 1o と C.による煙の 1kg の

温度を低下させるよりも 100O℃の蒸気に水 1kg をオンに 2260 倍のエネルギーを必要とする

スモーク&ウォーターの図 2.暖房および冷却曲線

蒸気に変わり温度降下しだして高温ガス層が収縮する。

同じ圧力で気体の体積の変化は絶対的な温度の変化に正

比例する。高温ガス層の初期温度が 500℃あり、その温

度が 100℃まで低下した場合。これに対応して高温ガス

の体積も半分に減少する。

ガス冷却の基本的概念を説明した後、少量の水がそのよ

うな劇的な効果を持つことができるかという問題は依然

として残る。

結局、前の説明は、空気の量に対する水の量を比較した。

火災環境は、区画である。

2 つのゾーンから構成されていると考えることができる。

ホットな上層とクーラー下層

図 4に示すように、実験ではガス冷却の単一の区画に'"幅 5×4メートル'"3メートルの天井高さ)

で検討していきます。熱い煙と空気からなる上部層は、2 メートルの高さであり、500℃の平均

温度を有する。

500℃から 100℃へ温度を下げるためにはどれくら

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いの水量が上層へ必要なのか?

冷却に必要な水を決定する最初のステップは、所望の温度の低減を達成するために、上位層で

転換しなければならない熱エネルギーを計算することである。

煙の比熱は約 1.0 kJ の/ kg である。質量の計算は図 5 に示すように上層平均 500℃の際、煙の密

度によって上層(40 m3)の体積(0.71 キロ/立方メートル)を乗算することを含む。

比熱は、物質 1 との所定の単位質量の温度を上昇させるのに必要なエネルギーである。同じエ

ネルギーも 1 とによって物質の単位質量の温度を下げるために転送されなければならない。図

3 に示すように、煙の比熱が 1.0 kJ の/ kg である。したがって、1 によって煙のシングルキログ

ラムの温度を下げるために、1.0 kJ のは、煙のようキログラムから転送されなければならない。

28.24 キロの上層質量(ミュー)で、28.24 kJ のは 1 は C.ことによって、その温度を低下させる

ために、ガス冷却のために適用される水に上位層から転送されなければならない

500℃100℃までから上層温度の低下は、400℃の変化です。

11296 kJ の(11.3 MJ)に示すように 100℃まで温度を低下させるために冷却ガスのために適用

水に転送されなければならないエネルギーの総量は、上位層から転送されなければならないが

400 kJ の 28.24 を決定乗じる水の温度 400℃の減少を達成する。

さて、100℃に 500℃の温度を下げるために、上位層から転送されなければならないエネルギー

を決定したことは、このタスクを達成するために適用する必要がどのくらいの水を識別するこ

とが可能である。

しかし、それは私の次のポストのトピックになります。また、I は、水が蒸気に変わりガスを

冷却するために適用した場合、上層の体積は(必ずしも)増加しない理由に関する説明を提供

します。

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現代の火災に対するレーマン戦術(間接攻撃)の有効性

Effectiveness of Lehmann of tactics

1 レーマン戦術/間接攻撃のテキストでの誤り

間接攻撃は、下記の記載にあるとおり、誤解されている消防戦術であることがわかる。

間接攻撃は、建物の外部から行われます。

間接攻撃は水を燃焼体に対して直接放水できないため、天井に大量の水を当て下に落とすこと

必要である。

間接攻撃はミスト放水(ガスクーリング)とガス冷却降下があります。

これらの文は明らかに間違っています。

2 経過

間接攻撃(俗称:レーマン戦術)の概念は第二次世界大戦中、メリーランド州で米国沿岸警備隊消

防学校の講師として派遣されていたレーマン氏が唱えた屋内空間での燃料油火災における研

究の副産物である。

現代における火災では、間接的な放水とは、通常の火災時、生成されている可燃性ガスが燃焼

しているホット区画へのミスト放水(ガスクーリング)のことを指します。

その際、水から蒸気への変換は、膨大な熱エネルギーを吸熱する反面、蒸気の膨張は区画内を

満たすことに留意が必要である。

1947 年、米国沿岸警備隊との契約を終え、レーマン氏はパーカーズバーグウェストバージニア

州消防署の消防指揮者に戻りました。

以後 2 年間で、彼の部門のメンバーは、建物火災での間接的な攻撃の概念を実用するために働

きました。

1950 年に同方法を概説したプレゼンテーションを行い、1952 年に住宅や商業ビルの火災に使

用するなど、いくつかケーススタディを経て包括的な従来の教科書を批判し、インテリジェン

スな消火方法として完成させました。

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間接的な攻撃は、一般的に建物の外部から行われました。

その理由として歴史的背景を認識することが重要です。

1940 年代後半には呼吸保護具は、多くの場合、ある程度の燃焼による毒性生成物を吸い込まな

いためのフィルタ機構として使用することに限定されていましたが、酸素欠乏の危険があるた

め実戦で使用することができませんでした。

3 分かりやすく誤解

その後、沸点まで加熱する場合、特に水の驚異的な冷却能力に関して、抜け目のない検証結果

により、効果的な蒸気への変換に成功し、間接的な攻撃の要件の想定に誤りがあることが明白

となりました。

4 素人の消防士

問題なのは、蒸気の急速な水蒸気化のため、燃焼空間の気圧を増加させてしまうことです。

水から発生した蒸気は、空間内の燃焼ガスと蒸気の総体積(すなわち、蒸気量が煙と燃焼ガス

の高温ガス層で蒸発となり加圧してしまうことです)。

一方、ペンシル注水(棒状注水)は、空間内の総体積を増加させることはありませんが「迅速な

消火」という重要なポイントにおいて致命的です。

つまり、高温ガス層を通過して有意にガスを冷却しません。

但し、より多くの高温面に接触させることは有意義だが、気化された水は蒸気が室内の高温ガ

スの量を拡張させます。

レーマン戦術と現在のガスクーリング戦術の差は火炎を抑える時間とそれに伴う体積膨張に

よる高温水蒸気の危険です。

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ドア制御と換気の影響

Door control

Understanding the impact of ventilation

すべての消防は、伝統というものが染み込んでいます。伝統は有益であり、活動運用の支援と

指導を提供してくれる。しかし、伝統の一部には比類のないままにしておくと、消防士として

責任において大きなリスクを負う場合もあります。

そのひとつに建物火災時、ドアなどのアクセスポイントを管理することがあります。

今日の火災環境で安全かつ効果的に動作させるため必要があり、このドア制御は、非常に重要

な戦術です。

多くの消防士が知っているように、現代の火災は過去数十年の火災とは異なります。

このため、すべての消防士が基本的な火災力学の概念をしっかりと理解を持って、どのように

行動するかは不可欠です。そのひとつが換気制限された火災や空気の流路の理解です。

換気制限しなければならない火災は、今日に対処すべき火災の大半を占めます。これらは、火

災の成長および熱放出速度を空気コントロールにより制限することを指します。

空気をドア制御によって、多くの場合、火災による放出エネルギーに対して劇的な影響を与え

ます。

この理論は、カナダ消防 2014 年 2 月号で詳細に論じていますが、ドア制御自体、北米では比

較的新しい概念ですが、スウェーデンのルンド大学の火災安全工学の准教授をはじめ、世界で

も先進的消防の多くは、何十年もの間、この活動を取り入れていました。

北米でも追いつくために既に始めており、ロサンゼルス消防、ニューヨーク消防、両方の各消

防署は現在、積極的にドアコントロールの戦術を使用しています。

基本的知識

簡単に言えば、燃焼区域とその他の区域(高圧領域)における煙、熱と炎の動きです。

ロサンゼルス消防の火行動訓練のディレクターは「火炎は出火建物内部における圧力発生装置

ですので、消火進入チームの玄関からの進入ルートを決定することを可能にするための必要技

術です。」

1階建ておよび2階建て住宅を燃焼させた様々な研究プロジェクトの結果から、玄関の場合、

進入チームが最初に大きく開放し、かつ排出口が設定されていない場合、新鮮な空気が吸い込

まれると同時に行き場を失った建物内部の火炎が急速に成長しました。

消防士安全研究所のディレクターは 2014 IAFF Redmonds シンポジウム中において、

"ドアを開くことによって、新しい空気と煙の流路を作成することを理解しなければならない。

と述べました。

排出口を設定すればベストであるがそうでない場合でもドアをコントロールすることで特定

の区域に火炎と熱気を封じ込むことができます。つまりドアは単にアクセスする通過点ではな

く、非常に効率的な換気のポイントとなることです。

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当初、ドア制御戦術の導入に対して多くの消防士が、ドアを管理することが重要か挑戦的な役

割ではないという印象を持っていました。しかし、責任を明確にして自覚している消防士はよ

く訓練し、知識を貪欲に求めます。

ドア制御を実行するため消防士はこの戦術が有する多くの理論を認識する必要があります。最

終的には、できるだけ多くの扉を閉じて全体的な建物内のエアの流れ若しくは限られた区域へ

の封じ込めをしようとします。

限られた区域。つまり部分的な燃焼の際、進入したノズルマンのホースラインの自由度の確保

も支援しています。このステップは、まずドアによる燃焼区画を特定し体制を確立し、ドア自

体を完全に物理的に制御を維持することです。

内側に開くドアの場合、ドアノブを利用しスリングによってコントロールするケースが多い

(写真)。ドアはホース幅などに応じた必要最小量を決定した後、スリングによるコントロー

ルを実施します。次に消防士は(位置#2 を参照)ドアに対して足を配置します。最後に、こ

の消防士は、常にホースラインの進退を支援するために、また、内部進入チームのため(位置

#3 を参照)ホースラインに手を掛けて支援する必要があります。

これにより室内の火炎に対する新鮮な空気の量を減らすのに役立つと同時に進入チームの安

全性と有効性に寄与し、またそれ以外の部屋への火炎伝播を制限します。

VEIS 救助をあなたの隊が行う場合は、同じ理論で検索する部屋をまず区画し、今度は燃焼室か

らの火炎流入を阻止する必要があります。

つまり、外部から進入するため窓を破壊することにより新たに新鮮な空気が入る危険からこの

区画形成により安全性を確保する必要があるからです。

VEIS は危険を伴う活動ですが、適切な訓練と状況分析力により、比較的安全に活動を可能にし

ます。

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EX1

蓄圧によるホース是正

各種ベントを設定して蓄圧是正を検証 ・曲がり形状、・階段室

EX2

圧力/口径によるミスト量の確認

EX3

内開きドアのドアコントロール冷却

右端トレーニングハウスの室内ドアで EX

現場でやらなければならないドア制御

1.内側へのスイングドア制御

2 足を利用して最小量の間隙を決定

3 開閉補助のために常時ホースを確認

放水チームを把握

EX4

一連の開放&進入要領

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はしごから要救助者を降ろす方法 NO1

Victim removal down ladders NO1

火災現場の消防隊が持つ多くの機能の一つに、不明の居住者ため建物の内部を検索し、迅

速かつ効率的に救出することです。

しかし、この作業は特定の部隊に限定された活動ではありません。

最初に到着したユニットによって実行されるのです。

場合によっては消火活動の準備より検索をすぐに開始する必要があります。

建物内部へ進入を果たし、発見した後、2 階の場合は救出者をさら屋外へ出し、地上へ降

ろす必要があります。ほとんどの場合、最寄りの窓を出口点として使用し、迅速に降ろす

ことになります。つまり、最も短い距離を移動して、安全にはしごから降ろします。

その活動は、他のチームが到着していれば共に活動することも可能です。

その場合のポイントは検索したチーム(隊員)は窓際まで運び、窓から手渡す担当となり、

屋外(はしご上)で受け取り地上へ降ろすチーム(隊員)と分担で効率的に行います。

つまり、内部チームと外部チームに分かれるのです。

窓から被害者を渡す作業は、内部チームにとって最もタフでテクニカルな作業となります。

特に窓辺の床から持ち上げる疲労はエネルギーを集める課題となります。

リフト作業ははしご上で受け取る消防士とコンビネーションが必要です。

救出者をはしごからダウンさせるための最も簡単な方法は、消防士の腕を水平に横切って、

体をを配置することです。この場合は、ラダーの 1 ラングづつ同じ足を下へ送り下降しな

がら、消防士が常に救出者の制御を維持することができます。被害者の頭部や足のどちら

かが最初の窓枠を通過すると、この位置を容易に設定することができます。

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腕を水平に横切って横たわっています。

脇の下と脚の間は乗員がしっかりサポートされることが重要です。

消防士は救助者のコントロールを失うことなく、はしごを降りすることができます。

被害者の腋下や被害者の脚の間に彼の腕を配置することで落ちないことが保証されます。

無意識の救助者は、自分をサポートすることができません。消防士はすべての作業を行う

必要があります。

彼は消防士の胴体の中央に右横たわっているように、乗員が配置されるべきです。

この位置での犠牲者を持つことは、腕は、ほぼまっすぐではなく、90 度の角度であること

ことを意味します。消防士自らの胴体で犠牲者を押さえることでより制御を可能にし、消

防士の疲労も少なくなります。

消防士の体とラダーの両端の角度に注目して下さい。

救助者の大きさと重量に応じて、消防士は腕全体のバランスを考慮して救助者の位置を調

整する必要があります。梯子の縦ラインを下へスライドすることを意識します。

消防士は、被害者の脚の間から手を除去すること

によって、地面に救出者の下半分をドロップでき

ます。消防士は、救助者のフリーになった手を取

り、腋下を回して消防士自身の手をつかむ。

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救出方法、高さによって角度は変える必要がある。

タイムとの戦いであり、

命綱の設定は時間ロスを

呼び、結果として消防士

自身の危険も高まるとい

う矛盾を生じる。

従って、確実なホールド

で少ない動作により救出

することがベースであ

る。

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はしごから要救助者を降ろす方法 NO2

Victim removal down ladders NO2

垂直に降下する技術には 2 つのパターンがあります。NO2 では他の方法を説明します。

共通点は梯子から救出者をダウンさせた後、EMS のクルーにバトンを渡す引き継ぎです。

EMS が応急措置をする設定場所へ救出者をドラッグすることです。

その際、救助者の足が表向きまたは下向きのいずれが効率的かを考えて、窓を通過させる

必要があります。また、犠牲者に意識があるか意識不明かでも変わります。

消防士は、被害者の体重を支えるために彼の腕と足のいずれかを使用して、被害者の背後

に配置されます。この際、はしごの角度を地上で確認することが重要です。

写真の 75 度の角度です。

これは、地面に直接、消防士と救助者の

体重が掛かり支持することとなり、窓側

へほとんど負荷がかかりません。

地面はコンクリート等、ハードな上にあ

ることが重要であり、土など軟弱な場合

は外側へはしごが倒れる危険がありま

す。消防士の腕は、被害者の脇の下の下

に右であり、彼の片足が被害者の足の間

にあります。

救助者の足はラダーの外側へ開かせる必要がありま

す。消防士は足を維持し、トリッピングや脚もつれ

を防ぐことができます。この技術の難しい部分は、

次のはしごの段へステップダウンする際に、救助者

の脚の間から足を一瞬抜くことです。これを少し簡

単にするために、消防士は足を抜く前に、はしごに

向かって上向きに手首をロールバックする必要があ

ります。これを行うと、救助者の荷重はやや解消さ

れ抜きやすくなります。一段一段、すべての方法を

実行してください。

万が一、救助者が意識を取り戻すか、コントロール

を失う前兆が発生した場合、消防士は梯子に自分の

体を引き寄せることで制御を取り戻し、救助者を固

定することができます。これは救助者を制御するた

めの非常に効果的な方法です。総じて救助者の体重

は消防士の肩の上だけでなく、はしごの上に載って

いるのです。

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この方法は、はしごの上で、あなたの上に救助者が座って、彼の足が消防士の肩の上に乗

っかっているように見えます。

これは、救助者が意識している場合にのみ達成することができます。

被害者の尻部領域が消防士の胸の部分に近くなければなりません。これは重量配分を支援

し、消防士の腕にかかる負担を軽減します。

消防士は救助者がスムーズにダウン(スライド)できるように、はしごの梁の上に手を持っ

ています。救助者の背中ははしごの横さんに寄りかかりスライドします。

被害者の背中が赤く腫れる可能性がありますが、被害者は、安全で生きている状態で屋外

へ脱出できます。

地上まで降りた後、EMS 等の支援を待ちます。

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子供は写真のように、消防士の腕を水平に横切って位置することができます。

また、別の消防士を下に配置させて渡すこともできます。

複数の子がある場合は写真で示すよう

に片手で運べるので、消防士を複数配

置して、手送りが可能となります。

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燃焼理論を応用した火災救助

VEIS an application of the combustion theory

1 VEIS

VEIS は、火災現場で換気(ベンチレーション)後、検索対象室の区画を形成し検索するとい

う火災救助技術です。

古くからの消防士の多くは、VEIS による検索はやらないと言います。

なぜなら危険を伴う活動であり、古くからの消防士には基礎的スキルを十分に持っていな

い消防士が多いからです。

しかし、住民に対して我々が何が出来るのか。また何をしなければならないのかという自

覚を思い出して欲しい。まず、可能なのかを議論、検証して、検索救出の技術をアップさ

せることにトライしなければならないのは事実である。

2 テクニック

VEIS は火災の基本的な知識と技術の応用であり、そのスキルによって危険な要素を減少さ

せ活動を可能にします。

VEIS の構成は、vent(換気)、enter(進入)、search(検索)という 3 つの基本的な知識と技術

を最小単位として、NYFD の提唱する isolate(区画)という付加活動によりさらに確実なも

のとなります。

VEIS は、検索対象の部屋。つまり居住者が存在する可能性が高い部屋の窓を特定すること

から始まります。2階の窓の場合は地上からはしごを掛ける基本的スキルも追加されます。

VEIS の正確な活動によって、逃げ遅れ者を迅速に見つけ救助するという決定的な能力が追

加がされことは、住民ニーズに明確に応えるためにも身に付ける必要があります。

3 想定

あなたは黒く重い煙が出ている住宅火災に到着します。

住宅所有者の1人はあなたの到着を待っており、必死に「ふたりの子供が寝室にいる。」

「部屋は?」「あそこだ!右側の部屋だ!」と証言しています。

建物は開けっ放しの玄関ドアから煙が出ており、その中からは炎がリークし始めるていま

す。2階の窓のすきまからも黒い煙が出始めており、その量も増加し始めています。

到着して間もないこともあり、ホースラインはまだ構成されていない状況です。

(米国全土では基本戦術として1着隊は出火建物前面に停車。自車の積載水<平均 1500L>

にて活動。2着隊は直近の消火栓にホース結合しそのまま前面まで走行するホース逆引き)

住宅所有者は、あなたの腕を再び必死につかみ、最後の窓を指さし「子供たちはその部屋

にいる」と叫びます。

そのうち2着隊が到着し、近くの消火栓からも給水ラインをひきづって到着しました。こ

の状況では、火炎をノックダウンさせ最終的には消滅させる活動と子供部屋への検索救助

をすぐに行う必要があります。

通常の火災対応では給気側からの進入原則ですが

1.玄関からの消火進入ルートは明らかですが、1階が火元であり既に玄関まで炎が及んで

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おり、容易に2階へは進入できない状況

2.家の裏側にもドアがあるかもかもしれないが、煙と炎が同様に及んでいる可能性があり、

吸排気口の設定箇所として使用することも考えると、いずれにしろ2階へは1階の消火が

必要でありタイムロスは避けられません。

3。2階の窓からは火へリークしておらず煙が一部確認されるのみであり、直接進入するこ

とができます。窓からの進入は最速かつ最も直接的なルートです。また、その窓にはしご

上から接近することで内部の情報を取得する最も簡単な方法です。

確かに、あなたが1階の火をダウンしてから2階へ移動して検索を行う方法もあるが、そ

の活動は「残された子供があなたの子供だった場合」に「あなたはそうしたい」と思うで

あろうか?

①ベント/vent

あなたはマスクを付け、はしごに登り、子供の場所として情報を得た窓に近づきます。

まず窓越しに何が見えるか簡単に確認。

但し、登る前に地面からも取得できるかを確認します。

○部屋は煙で満たされていますか?

○火は確認できますか?

○寝室のドアが開いているか閉じていますか?

○ベッドが見えますか?

○クローゼットはありますか?

○窓にカーテンがありますか?

基本的には、中に入る前に部屋を評価してみてください。

窓が開放された瞬間からリスキーな状況下におかれます。

マスク、スリング、ライトなど準備ができていることを確認します。

窓を破壊、開放して換気を開始します。

カーテンが内部にある場合、換気できなくなりますので、それらをプルダウン。

②進入/enter

窓から床が健全であることを確認をしてから部屋に進入開始します。

前項で記載した各項目を意識して活動することになります。

③区画/isolate

あなたが進入した時、煙が薄く室内すべてを見ることができた場合は、速やかにまず室内

をスキャンできます。

しかし、煙などで視界不良の場合は可能な限り迅速に寝室のドアを閉めてください。

煙の流入を防ぐことは、子供を捜す活動時間を稼ぐ手段となり、有毒ガスであり可燃性ガ

スを防ぐこととなります。これは検索の基本です。

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④検索/search

ドアをシャットダウンした後、まずベッドを見つけてベッド内、そしてベッドの下を検索

してください。ベッドを検索した後、概ねの床面積を確認し、次はクローゼットや家具を

検索して下さい。

子供たちは、煙から逃れるために身を隠すことを覚えておいてください。

それでも見つからない場合、室内の柔らかい材料(寝具、衣料など)が簡単に子供を煙か

らガードできるため探して下さい。

視覚、聴覚、触覚:部屋をすべて検索するためにあなたの感覚をすべて使用してください。

良いハンディライトを持つことを忘れないでください。

⑤その後は?

次の行動はあなたが部屋で何を見つけるに依存します。

あなたが被害者を見つけた場合は、窓のバディパートナー(ポイントマン)へ連絡して、パ

ートナーははしご上から無線を送ります。あなたは子供を窓際まで運びますので、その間、

パートナーが送信を行う方がはるかに簡単だからです。

被害者を窓際まで移動する場合、その体格に依存します。

あなたは子供や幼児ならば1人で移動することができるはずですが、大きい大人を動かす

場合は助けが必要な場合があります。ヘルプが必要な場合は、あなたのパートナーに伝え、

窓際でのヘルプを求めることを忘れないでください。かえって時間ロスになります。

窓の外のパートナーへ被害者を託した後、検索を続行する場合、再び室内ドアへ戻り開く

際に状況は一転しているかもしれません。ドアによる区画で防いでいるからです。

だからその活動は状況に依存します。

例としては1階玄関からの攻撃ラインがベンチレーション効果によって熱気や煙を階段を

介して押し上げるしようとしているはずです。だから検索を終えたその部屋のドアを開放

することで2階に滞留する煙と熱を排出する排気口とすることが可能です。

⑥注意事項

VEIS を実行する場合、地上のはしごの位置で 1 つ覚えておくことがある。

fireground では、はしごの角度とはしごの先端配置が非常に重要です。

はしごの先端は、窓枠に対して僅かに突出された位置に掛け、誇張された緩い角度である

ことです。はしごは登ることが容易になり、大きな被災者の体重を支える安定性も向上し

ます。

4 VEISの価値

VEIS はすべて fireground 上で実行されるスキルではありませんが、それは確かに一定の条

件の下で不可能とされた救助を実行可能な活動とする検索技術です!

あなたの子供がその部屋に取り残されている。消防士であるあなたはどう行動しますか?

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①ベント/vent

②進入/enter

③区画/isolate

④検索/search

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我々は軍隊に非ず

個性を殺す統制、精神論優先の士気、要領と称したマニュアルによる没応用力

暴力的支配による年功序列主義、著しく社会性を欠如した終身雇用末期職員

前例/前年主義に毒された日本型公務員

くだらない集団主義、全体主義かに即刻脱却し

のぼせあがった安っぽいヒロイズムを捨て

ただひたすらに「人間を救う」ことだけに集中する。

自画自賛の大和民族特有の価値観から目覚めよ

そんなものからは 何も生まれはしない