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〔千葉医学 ㄹ㌭㈰1 ㄹ㠲䨠 〔総説〕 笑気 ⡎㈰) のビタミン 䈱2 及び葉酸代謝 に及ぼす影響 ⵂㄲ 欠乏症の実験モデルー 近藤 春樹申 ⢏몘a3 5日受付⤀ 䭥礠 睯牤猺 笑気 ⡎㈰) ,ビタミン 䈱2,葉酸,メチオニン合成酵素, メチルマロニル 䍯A ムターゼ 略語一覧:䈱2䍢氻 ビタミン 䈱2呈䘠 㬠瑥瑲慨祤牯景污瑥 䤮はじめに ビタミン 䈱2 ⢈좉먠 䈱㈩ は細菌によってのみ合成さ れるが, n 甫乳動物においてはメチオニン合成酵素及びメ チノレマロニル 䍯A ムターゼの補酵素として,核酸代謝 等に重要な役割を果している。メチオニン合成酵素は 䈱2 の一つであるメチルコパラミン ⡃䠳䈱㈩ を結合 し,それを補酵素として 丵_ メチ⾃激斃枃宴溃䎃梃漉璎开 ⡎㕟 メチル 呈䘩 及びホモシステインから 呈F びメチオニンを合成する酵素である九一方メチ⾃激綃 ニル 䍯A ムダーゼはアデノシノレコパラミン ⡁摯 䈱㈩ を結合し, メチ⾃激綃鴻檃涃谀 䍯A からサクシニ 欠乏が起こると 䈱2 の転位反応に関与するの。 䍯A 人では骨髄に巨赤芽球性変化が,神経組織では 獵扡捵瑥 捯浢楮敤 摥来湥牡瑩潮 という特殊な病変が起こる。し かしそれらの病変が何故に起こるかについては解明され ていなかったが,葉酸欠乏でも同様の変化が起こること から, 䈱2 欠乏及び葉酸の双方が関与するメチオニン合 成酵素が血液病変と関連し,葉酸欠乏では神経病変が認 められない事から, 䍯A ムターゼが神経病変に関連すると想像されてい る九しかしそれらは単に推論であり,実際には 䈱2 乏状態を作っても,ある種の動物では血液病変は起こら ず神経病変だけが起こり,他の動物では血液病変㾐後o 病変を起こすといった様に,上述の二つの酵素活性の低 下のみでは説明できない点がある。悪性貧血の原因が 䈱2 欠乏と分って以来長年たつが,その病態解明が遅れ 中千葉大学医学部第 1 内科学教室 ていたのは, まず第一に実験的に 䈱2 欠乏を作る事が 困難であったためと思われる。実験動物の多くは糞食 ⡣潰牯灨慧礩 を行ない,そのために餌を 䈱2 欠乏状態 にしても,腸間細菌叢により 䈱2 が合成され糞便中に 排世されるため,糞便摂取により 䈱2 が供給されてし まう。またヒトでも同様のことが言えるが, 䈱2 欠乏状 態にしてからその症状発現までに 5 ⴱ0 年の長期を必要 とし,その間動物管理に多大な努力,費用がかかるヘ 更に本邦においては悪性質血が少なく, また 䈱2 注射 が速効する疾患として臨床家に顧みられなくなっている のも,病態解明を遅らせていると考えられる。 䈱2 は葉 酸と共に核酸代謝等に生物学的に重要な位置を占めてお り,その代謝については未解決の部分が殆んどであると いって過言でなく,簡単な実験方法が従来より望まれて いた。笑気は古くから麻酔剤として使用されていたが, 最近このガスが機能的な 䈱2 欠乏状態を起こすことが 知られる様になりベ 䈱2 及び葉酸代謝の実験研究に非 常に有効な手段となったので,本稿ではその臨床的,歴 史的背景,最近の知見及び将来の展望につき若干考察を 加える。 l 䤮 笑気による臨床像 笑気は現在では鎮痛剤として広く麻酔科領域に使用さ れ,無痛分娩,歯科手術,心筋硬塞の疹痛緩和,手術後 の悲痛緩和等に使用されているペ古くからキセノンと 同様に無害な麻酔ガスとされていたが, ㄹ㔶 䱡獳敮 らが破傷風の痘撃発作予防に㔰% 笑気, 㔰% 酸素を投与 䡡牵歩 䭏乄伺 周攠 䕦晥捴猠 潦 乩瑲o 猠佸楤攠 異潮 噩t浩n 䈱㈠ 慮搠 䙯Ⅱ瑥 䵥瑡扯汩獭- 周攠 䕸灥物浥湴慬 䵯摥氠 潦 噩瑡浩渠 䈱㈠ 䑥晩捩敮捹 批 乩瑲潵猠 佸楤攮 䙩牳琠 䑥灡牴浥湴 潦 䥮瑥牮慬 䵥摩捩湥 卣桯潬 潦 䵥摩捩湥 䍨楢愠 湩癥牳楴y 䍨楢愠 ㈸〮 剥捥楶敤 景爠 灵扬楣慴楯n 䵡牣栠 5 ㄹ㠲⸠

kl ホC (N20) フr^~ B12yムt モ

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〔千葉医学� 58,193-201,1982J

〔総説〕 笑気� (N20) のビタミン� B12及び葉酸代謝

に及ぼす影響-B12欠乏症の実験モデルー

近藤 春樹申

(昭和57年� 3月� 5日受付)�

Key words: 笑気� (N20),ビタミン� B12,葉酸,メチオニン合成酵素,

メチルマロニル� CoAムターゼ

略語一覧:B12,Cbl;ビタミン� B12,THF ; tetrahydrofolate

I.はじめに

ビタミン� B12(以下 B12)は細菌によってのみ合成さ

れるが,� n甫乳動物においてはメチオニン合成酵素及びメ

チノレマロニル� CoAムターゼの補酵素として,核酸代謝

等に重要な役割を果している。メチオニン合成酵素は�

B12 の一つであるメチルコパラミン� (CH3B12) を結合

し,それを補酵素として� N5_メチ/レテトラハイドロ葉酸�

(N5_メチル� THF)及びホモシステインから� THF及

びメチオニンを合成する酵素である九一方メチ/レマロ

ニル� CoA ムダーゼはアデノシノレコパラミン� (Ado

B12) を結合し,� L-メチ/レマロニノレ� CoAからサクシニ

欠乏が起こるとB12の転位反応に関与するの。CoAノレ�

人では骨髄に巨赤芽球性変化が,神経組織では� subacute

combined degenerationという特殊な病変が起こる。し

かしそれらの病変が何故に起こるかについては解明され

ていなかったが,葉酸欠乏でも同様の変化が起こること

から,� B12欠乏及び葉酸の双方が関与するメチオニン合

成酵素が血液病変と関連し,葉酸欠乏では神経病変が認

められない事から,� B1~ のみ関与するメチ/レマロニノレ

CoAムターゼが神経病変に関連すると想像されてい

る九しかしそれらは単に推論であり,実際には� B12欠

乏状態を作っても,ある種の動物では血液病変は起こら

ず神経病変だけが起こり,他の動物では血液病変?神経

病変を起こすといった様に,上述の二つの酵素活性の低

下のみでは説明できない点がある。悪性貧血の原因が�

B12欠乏と分って以来長年たつが,その病態解明が遅れ

中千葉大学医学部第� 1内科学教室

ていたのは, まず第一に実験的に� B12欠乏を作る事が

困難であったためと思われる。実験動物の多くは糞食�

(coprophagy)を行ない,そのために餌を� B12欠乏状態

にしても,腸間細菌叢により� B12が合成され糞便中に

排世されるため,糞便摂取により� B12 が供給されてし

まう。またヒトでも同様のことが言えるが,� B12欠乏状

態にしてからその症状発現までに� 5-10年の長期を必要

とし,その間動物管理に多大な努力,費用がかかるヘ

更に本邦においては悪性質血が少なく, また� B12注射

が速効する疾患として臨床家に顧みられなくなっている

のも,病態解明を遅らせていると考えられる。� B12は葉

酸と共に核酸代謝等に生物学的に重要な位置を占めてお

り,その代謝については未解決の部分が殆んどであると

いって過言でなく,簡単な実験方法が従来より望まれて

いた。笑気は古くから麻酔剤として使用されていたが,

最近このガスが機能的な� B12 欠乏状態を起こすことが

知られる様になりベ� B12及び葉酸代謝の実験研究に非

常に有効な手段となったので,本稿ではその臨床的,歴

史的背景,最近の知見及び将来の展望につき若干考察を

加える。�

lI. 笑気による臨床像

笑気は現在では鎮痛剤として広く麻酔科領域に使用さ

れ,無痛分娩,歯科手術,心筋硬塞の疹痛緩和,手術後

の悲痛緩和等に使用されているペ古くからキセノンと

同様に無害な麻酔ガスとされていたが,� 1956年� Lassen

らが破傷風の痘撃発作予防に50%笑気,� 50%酸素を投与�

Haruki KONDO: The Effects of Nitrol1s Oxide upon Vit九minB12 and Fo!ate Metabolism-The Experimental Model of Vitamin B12 Deficiency by Nitrous Oxide. First Department of Internal Medicine,School of Medicine,Chiba U niversity,Chiba 280. Received for publication,March 5,1982.

194 近藤春樹

したところ,投与後� 6日目迄に末梢血の汎血球減少,骨

髄での巨赤芽球性変化をきたした症例を発表した九そ

の後笑気の血液に対する影響が発表され,笑気により実

験的にも臨床的にも貧血,白血球減少が起るのが分っ

たの。この白血球減少作用を利用し� Lassen らは慢性骨

髄性白血病に笑気を利用し, 白血球減少,血清� B12値

の低下を報告している9)。 また急性骨髄性白血病にも効

果があったという報告もある10)0 1978年� Amessが� open

heart surgery後の患者の疹痛改善に笑気を使用し,� B12

欠乏の生化学的指標とされる� dUsuppression test料を

施行し,� B12欠乏状態と同様の結果を示したことから,

笑気は人の骨髄に� B12欠乏と同一の変化を起こすと報

告しているへそれと同じくして� Lazerは習慣的に笑気

に曝されている人達に,� B12欠乏の時に出現すると同様

の神経障害が起こるのを見い出している1130以来米国で

は特に歯科領域において同様の障害が起こっているのが

分った12)。それらの初期症状は,手,足のしびれ感が主

体であるが,時に平衡障害,四肢脱力を来たす。更に進

行すると,しびれは上肢,下肢に及ぶ様になり,歩行障

害も見られる様になる。約半数の患者はインポテンツと

なり,勝脱直腸障害,更には精神障害を来たす。これら

の症状はガス投与を中止すれば回復するが,� B12投与で

回復が促進されることは無い。単に笑気が麻酔にのみ使

用されれば問題は無いが, このガスには� abuseの傾向

があり,実際米国では“� recreational"に使用されてお

り13九麻薬と同様な意味で医学上の社会的問題となる可

能性がある。また麻酔科領域の研究では,医師を含めた

スタッフの不妊,流産率が高いのが証明されている。こ

の様に笑気が血液,神経病変を主体とした様々な障害を

引き起こすのが知られていたが,その機序については未

解決であった。�

III. 笑気の化学作用�

Banks らによって1968年笑気の基礎的な化学作用が

報告された15)。彼らの研究は笑気の� transition-metal-

complexに対する作用で,その一つが� B12である。� B12

料� denovo DNA生合成過程で� deoxyuridylateから�

thymidylateの生成にメチレン� THFがメチノレ供給

体として作用するが,人骨髄細胞において� salvage

pathwayによる� 3H-thymidineの� DNAへの転入

はあらかじめ� deoxyuridine を添加することによっ

て著しく抑制される(無添加の場合の10%程度まで

に減少する)。この� deoxyuridine(dU)の抑制効果

を調べることによって� de novo の� dUMP から�

dTMPへの反応の活動を知ることができる。悪性貧

血の骨髄細胞ではこの� dUsupression効果が著しく

減少する。

の構造式の中心であるコバルト原子は� 3段階の酸化状態

にある。通常� B12製剤として使われているシアノコパ

ラミン� (CNBI2)及びヒドロオキシコパラミン� (OH

B12) は3価の状態にあり� Cblmと略される。これらに

は生理作用が無く,生体内で還元酵素により,� Fig. 1に

示される様に,� 2価� (CbIII), 更には� 1価� (Cblr) の

状態に還元された後,メチノレコパラミン,又はアデノシ

ノレコパラミンとなり生理的な役目を発揮する。彼らによ

ると笑気は式� (1)に示す様に,� Cblr を酸化させて最終

的に� Cblnに変化させる作用を持つとした。�

2Cblr +N20→2Cbhr十N2 (1)

更に� Blackburnらは式� (2),(3)に示す様な化学変化

が笑気により起こるとしている。�

CbIr+N20ー}Cblrrr十H20+N2 (2)

Cblrrr + Cblr →2CblII (3)

MPP5ノ:::::山ing

l白ductaseL~日 工工ノ工 ¥‘

¥、

Fig. 1. lntracellular synthesis of cobalamin

coenzymes. Cblur is reduced in two

steps to Cblr which is then adenosy-

lated or methylated to form the co・�

enzymes Ado-Cbl or Me・Cbl,respe-

ctively. Ado-Cbl is coenzymes for

methylmalonyl CoA mutse and Me-

Cbl for methionine synthetase.

IV. 笑気の� B12代謝に及ぼす影響�

B12 と葉酸の代謝は分離して論ずるのは難しいが,本

稿では便宜上分ける。現在� B12 には� 5つの種類が知ら

れており,組織中には微量のシアノコパラミン� (CN

B12) 及びスノレファイトコパラミン� (S03.-BI2) がある

が,これらには生理的意義は無いと考えられている。� 3

番目はヒドロオキシコパラミン� (OHB12)で,これは中

間体と考えられる。最後の� 2つが主たる� B12 で補酵素

として働き, 前述(1.はじめに)の酵素反応に関与す

る。� CNB12は笑気に対して安定であり,� OHB12は容易

に崩壊される様であるが,� CH3B12及び� AdoB12に対す

る直接的な影響は明らかでない。著者らはラットを用い

種々の面から� B12代謝に検討を加えた17)0 Fig. 2に示

す様に, 50%笑気曝露後15分でメチオニン合成酵素活性

195 笑気によるビタミンB12,葉酸代謝障害�

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10 ←---r--f12 0 トーー「�

24 38 48 72 108

Fig. 2. Activity of methionine synthetase

(MS町)and holo-met出hy叫lmalony叫1CoA

TIME AFTER RETURN TO AIR (HR.)

Fig. 3. Recovery of methionine synthetase

activity in liver from rats that were

exposed to 50% N20・50%02 for 15 mu1ta ひ.ふfholo.(仏 se出此凶� 仏MCoAMめ)� in liver hr and then returned to air for va-from r旬 出ha叫twere exposed tω050% 悶atst

N20-50%02 for various periods 0fぱ�

time. Each point represent the mean

value obtained for livers from 3 to 6

rats that were assayed simultaneously

with 3 to 6 control rats. For MS,

all of the experimental values were

significantly different (p <0.01) from

the control values. For holo-MMCo・�

AM,only the values at 384 hr and

792 hr were significantly di百erent

(p<0.01) from the control values.

は対照の45%に減少し,� 1時間で30%に減少,� 48時間後

も同様の値を示した。図は肝臓中のメチオニン合成酵素

活性であるが,脳,腎臓においても同様の低下が見られ

た。図の様に48時間まではホロメチノレマロニル� CoAム

ターゼ活性低下は見られなかった。しかし更に長期笑気

を暴露するとメチオニン合成酵素活性は更に減少し,メ

チノレマロニノレ� CoAムターゼ活性も低下した。従来メチ

ノレマロニル� CoAムターゼ活性は笑気による影響を受け

ないとされていたが,従来の実験は尿中メチノレマロン酸

定量という間接的な方法であったためにその精度に問題

があったと思われる。両酵素活性は酸素� 100%でも影響

がみられず,笑気が活性低下の原因と分った。メチノレマ

ロニノレ� CoAムターゼについては,ホロ酵素が障害を受

けた時点で,アポ酵素に影響がみられず,酵素活性低下

は酵素-補酵素複合体の補酵素である� B12 の何らかの

変化と分った。� Fig. 3は笑気暴露後ラットを空気中に

もどし,メチオニン合成酵素活性の回復をみたものであ

るが,その回復は遅く,� 6時間後には対照の29%と非常

に遅かった。� Fig.4は笑気濃度の効果を見たもので,

わずか� 2%の笑気濃度で対照の68%と減少した。これは�

rious periods of time. Each point

represent the mean of 3 to 5 rats

that were assayed simultaneously wi-

th 3 to 5 control rats. All of the

values except that at 168 hr are sig.

nifican tly defferent (p <0.05) from

the control values.

~ 100 o C H。』

U 70

O 』

'ff2. 50 }

w u) 〈ト-

E30 Z← ~ 〉の� xW 20

z z O

E w 2 10 トーー--r一一一4トーーー,�

0 4 s 20 80

N20("70)

Fig. 4. Activity of methionine synthetase in

liver from rats exposed to various

concentration of N 20/02 for 15 hr.

Each value represent the mean of

3 to 8 livers that were assayed simu-

ltaneously with 3 to 8 control !ivers. The mean values obtained with 2-80

% N20 were significantly different

(p<0.05) from the control values.

臨床的に重要で,笑気を使用している部屋で, もれたガ

スにより,患者以外の医者を含めた人のメチオニン合成

酵素活性が障害される可能性を示しており,換気等の管

理上の問題となる。次に補酵素である� B12 と酵素との

196

3

近 藤 樹春

性及びメチルマロニノレ� CoAムターゼ活性を測定したもLA 口 K

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2

7

E

2

コ巴凶の戸凶エト之〉の

相性のピークがメチノレマロニ/レ� CoAムターゼ活性に一

致したピークであり,最後の� 2つのピークがメチオニン

合成酵素活性に一致している。� Fig.5(B)は笑気暴露48

時間後のものであり,メチノレマロニノレ� CoAムターぜ領

域のピークは変化していないのに対し,メチオニン合成

酵素ピークではメチオニン合成酵素活性低下と共に,そUZZO

-E2.roF

少していた。これはメチオニン合成酵素領域からの� B12~ CJ) B の離脱とメチオニン合成酵素活性の低下が平行するのを

ち� 18

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Ü3~ ttJ 8

S E¥

示しており,補酵素である� B12が笑気により崩壊を受

一王�

ご�

占1ミ志 IZ

の分画に存在している� 57[CO]B12及び内因性� B12が減戸 l

口� 18 け,メチオニン合成酵素活性の低下を来たしたと考えら() IZ

れる。更に� B12の崩壊は次の実験で示される。� Fig.6

は� 57[CO]B12を投与した群を笑気に曝露し,� 58[CO] B12

を投与した群を空気中に放置してそれぞれの時間に殺

し,両者の肝臓を混合してホモジナイズし,� R 蛋白結

合Tのアフィニティクロマトグラフィーで精製後,ロ紙

コ凶}凶の戸コ

2〈

3」〉� ZO」〈�

5

2」〉工ト凶三�

140

Fig. 5. Effect of N20 on the DEAE-cellu-

Iose chromatographic pro五leof me-

thionine synthetase,holo.methylma-

lonyl CoA mutase,57[CO] Cbl,and

endogenous Cbl from rat liver 6 rats

were each injected intravenously wi-

th 10 pmol of 57[CO] Cbl bound to

hog intrinsic factor. 3 rats were then

exposed to air for 96hr (A) and the

other 3rats were exposed to for 48

hr followed by exposure to 50%

N20-50% 02 for 48hr (B). The

animals were sacrificed,the livers

frol11 each set of animals were ho・�

mogenized together,and 50ml of Sll司�

pernatant was chromatographed on

DEAE-celllllose. The arrows indica-

te the linear NaCl gradient. Frac-

tions were assayed for 57[CO] Cbl, ・…・;� endogenolls Cbl llsing R

0;・・・0,protein isotope dilution assay

holo・methylmalonyl CoA mlltase, A -...; and methionine synthetase,

ム一一ム.�

関係を調べてみた。� Fig.5(A)は対照で� 57[CO]B12を

注射後96時間空気中に放置し,肝臓のホモジネートを

DEAE セルロースで分離し, 各分画につき吋CO]B12

の放射性活性, 内因性� B12値,メチオニン合成酵素活�

クロマトグラフィーで分離したものであるが,図の様に�

57[CO] B12 (・....・)には B12のピーク以外に著者ら

の呼んでいる� B12類縁体が速,遅移動度の位置に生成

されているのが分る。� Fig.7は同様のダブルトレーサー

の実験で,肝臓中の補酵素につき分析したもので,メチ

オニン合成酵素の補酵素であるメチルコパラミン� (CHa

B12) の分画(第� 2のピーク)で笑気曝露群の叫Co]

CHaBI2(・-・・・.)が対照群の� 58[CO]CHaB12(0一一0)

より減少しているのが分る。組織中の� B12は笑気曝露

により短期間では減少しないが,� (2日目迄),長期曝露

により� (33日以上)肝臓,腎臓,脳において著しく減少

した。以上は著者らの実験結果であるが,メチオニン合

成酵素活性については,ラット肝臓ではより急激に活性

低下が起るという報告もあり� 18九同じラットでも系によ

りその感受性に相異がある19)。現在マウスで実験中であ

るが,ラットに比べより急激にメチオニン合成酵素活性

は低下する様である(投稿中)。現在� B12欠乏状態を生

化学的にとらえる方法として,� dU suppression test材

が行なわれているが,� Amess5),lVIckenna20)らは笑気曝

露後,ヒト,動物にもこのテストに異常が起るのを報告

している。� Linnel らはフィトヘムアグノレチニンで幼若�

tR蛋白とは,従来ヒト胃液中の胃内因子活性を持た

ない� B12結合蛋自にあてられていた名称で,電気泳

動にて“� rapid"な移動を示す為にこの名が与えら

れた。現在では免疫学的に同ーの蛋白と考えられ,�

l唾液, 血清など種々のヒトの組織, 体液中に存在

し,総称して� R蛋白と名づけられている。

197

7

5

3

笑気によるビタミンB12,葉酸代謝障害

A nv

hH

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η4.ポあるいはホロのどちらに対する影響なのか,� B12が崩C

8UT RU

hH r 壊されてどの様な構造の� B12類縁体になるのか,著者

111ムム

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a=ω cc

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・ヲ� L らがヒト,動物の組織,複合ビタミン剤中に発見した新

41bTI'if11111111111111li

L'l-Jfoll-isi--Billi---lil--11111Ilia-

N

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E-

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種の� B12類縁体砕24)とどの様な関係があるか,生体内

で笑気により作られた� B12類縁体には数種類ある様で

あるが,そのどれが最も酵素活性低下に影響するかなど

111141His-a

に興味がもたれ,今後の研究を必要とする。

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(℃ 23E

IV. 笑気の葉酸代謝に及ぼす影響一回ちし� F』�

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吠)〉↑一〉一↑O

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3叶ム�

Cbl analogues in livers from rats ex-

Livers were extracted subjected to , nity chromatography 伍reverse-a on

57[CO] Cbl and 58[CO] Cbl,・…・, ,

chromatography. Both sets of ani-

mals had been exposed to air for

RM F'

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5

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9電�

1.0 1.5 2.0 ci5':0

Rf (RELATIVE TO [seCo]Cbll

Fig. 6. Time course of the conversion of

posed to N 20.

hog R protein-Sepharose and the

0-0,were fractionated by paper

the五rst 48 hr fol1owing injection.

The 57[CO] Cbl-injected animals were

then subjected to 50% N20・50%02, and the 58[COJ Cbl・injectedanimals

were continued in air,for the follo-wing times: (A),Ohr; (B),0.5hr; (C),48hr; (D),384hr.

05〈匡�

メチオニン合成酵素は� Fig.8に示す様に� B12と共に

葉酸代謝にも関係している。従来� B12欠乏時の葉酸代

謝とのかかわりの上で,� 1961年� Noronhaand Silver・�

manらによって提唱された“� methylfolatetrap thera-

py"が有力である九この説は� Fig.8からも分る様に�

B12欠乏状態でメチオニン合成酵素活性が減少すると�

N5_メチル� THFが� THFに変換されなくなり前者が�

“trap"されるというものである。� DNA合成では� dU

MPから� dTMPに変換される際にチミジレイト合成酵

素を必要とするが,この酵素は� N5,NI0_メチレン� THF

を補酵素として必要とし, この補酵素は� THFから供

給されるので,もしメチオニン合成酵素活性が減少すれ

ばメチノレ� THFから� THFの供給不足になり� DNA合

成が阻害されるというものである。魅力的な仮説である

が,多くの反唱する説もある3,26)0THFは生体内で不

活性な形であり,動物はそれをとり込み,種々の活性の

ある同族体に変化させる機能をもっ。� McGingらはこの�

THFのマウス肝臓でのとり込みを笑気は阻害m し,�

Perryらは� THF,メチノレ� THFのラット肝臓でのとり

込みは著しく阻害されるが, ホノレミ� Iレ� THFのとり込

みはそれ程障害されないとした28)0THFは細胞内で補

酵素として働くためにはポリグノレタメイト合成酵素によ

りモノグノレタメイトからポリグノレタメイトに変換されな

ければならない。笑気に曝露された動物は,基質として�

THFあるいはメチル� THFを使用すると,それらをポ

リグノレタメイトに変換できないが,ホノレミノレ基を持つ�

THF,すなわち� 5-ホノレミノレ� THF,10・ホルミル� THF,�

5,10・メチレン� THFを基質として使用するとポリグノレ

化反応を起こしたリンパ球に笑気を曝露すると, リンパ

球でのメチルコパラミン� (CH3B12) の合成障害が認め

られたとしている。以上笑気の� B12代謝に及ぼす影響

は,笑気が補酵素である� B12を崩壊させ,それによっ一

て� B12を必要とする酵素活性が低下すると考えられる。

しかしメチオニン合成酵素活性が容易に不活性化される

のに対し,メチ/レマロニノレ� CoAムダーゼは比較的安定

であるのは何故か,メチオニン合成酵素活性の低下はア

タメイトをE常に合成できる28)。すなわち笑気はポリグ

ルタメイト合成自身には関係しないが,ホ/レミノレ基を持

つ� THFの合成に関与し,� B12はそれらの� THFの貯

蔵に関与している可能性がある。上述の“� methylfolate

tr叩� theory" が正しいとすれば,笑気曝露により組織

中のメチル� THFが増加するはずで、あるが,実際には�

10日間の曝露により組織中の� THFは対照の25%とな

り, メチル� THFポリグノレタメイトは最初の2Ll時間で

198 近藤春樹�

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Fig. 7. Time course of the decrease in CH3・Cbland increase in Ado-Cbl in livers from rats exposed

to N20.

The coenzyme forms of 57[CO] Cbl and 58[CO] Cbl were separated by chromatography on 1.9

cm x 20cm columns of Spsephadex equilibrated with H20 at 220C. After application of the sa-

mples in 2ml H20,the columns were washed sequentially with 30ml of H20,23ml of 0.05M

Na acetate-acetic acid,pH 5.0,and 23ml of 0.2M Na acetate-acetic acid,pH 5.0. Fractions of

1.5ml were collected and assayed for・57[CO]Cbl,・-・,58[Co] Cbl,0-0. Both sets of ani-

mals had been exposed to air for the五rst48 hr following injection. The 57[CO] Cbl-injected

animals were then exposed to 50% N20-50% 02 and the 58[CO] Cbl・injectedanimals were then

continued in air for for the following times: (A),0 hr j (B),0.5hr j (C),48hr j(D),384hr.

S-Adenosylmethionine DNA間の解明に有力な手段を与えてくれるであろう。�

Reducing system

V. 笑気の細胞組織への影響

THFうだ 笑気が生体に血球減少作用があるのは以前から知られ

ていたが,近年になり笑気が� Hela細胞分裂をシンクロ

ナイズする30九ヒト骨髄細胞の分裂サイクノレの早期S期

を増長させ, 晩期S期及び� G2期を短縮する31)など

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Fig. 8. Methylcobalamin・dependentpathway

of methionine synthesis. (Methionine

synthetase)

増加するが,以後減少してゆき,メチノレ� THFモノグノレタ

メイトは増加する事なく減少してゆく� 29)。これは上述の

仮説に対する反証であり,今後笑気実験系は,� B12,葉酸→�

DNA合成についても詳細な知見が得られる様になっ

た。従来� B12欠乏の際の血液,神経病変の成立機転は

未解決であり,ある患者では血液病変が,他の患者では

神経病変が主体をなす事がある。何故であろうか? 笑

気の生体に及ぼす影響も,動物の種類,笑気曝露の方法

等により千差万別である。ヒトでは問歌的に笑気に曝露

199 笑気によるビタミンB12,葉酸代謝障害�

すると神経障害を,連続的に曝露すると血液病変を起こ

す。ラットでは24時間曝露でメチオニン合成酵素の低下

をきたすが,神経病変は起きない。しかし笑気とメチオ

ニンから� S-ァデノシ/レメチオニンの合成を阻害するサ

イクロロイシンを併用するとラットでも神経病変が起

る32)。同じラットでも種類によってその白血球減少傾向

が異なる。サノレでは造血系に影響を及ぼさず,� 2カ月の

笑気曝露で運動疾調等の神経障害を及ぼし,その神経組

織は� B12欠之と同様の� subacutecombined degenera-

tionを示す却。造血系の変化はヒトでは起こるが,ラット

ではわずかな白血球減少だけである。これらの笑気の生

体に及ぼす影響の相異は何であろうか? 未だ未解決で

あるが,新たな� B12依存酵素が晴乳動物に存在する可能

性もあり� 34L著者らが見い出した新種の� B12類縁体が関

係しているかもしれない。いづれにせよ笑気実験系を通

じて,� B12欠乏の各組織に及ぼす影響の解明が望まれる。�

VI. 笑気の抗腫虜剤としての可能性

メトトレキセート� (MTX) は葉酸代謝措抗剤として

広い分野に渡り抗腫蕩剤として使用されている。� MTX

はジハイドロ葉酸から� THF を産するジハイドロ葉酸

還元酵素を阻害して,その作用を発起するお〉。一方� N5_

メチノレ� THFから� THFを産生するメチオニン合成

酵素は前述の如くメチノレコパラミンに依存しており,も

しメチオニン合成酵素を阻害する様な物質が見つかれ

ば,それらは� MTX と同様の抗腫療効果を発揮するは

ずである。著者らはある種の化学変化によって� B12 よ

り作られた� B12類縁体がメチオエン合成酵素を阻害す

るのを認めており24),� LaJollaの� F吋iらは� L1210白血

病細胞を使用し,� B12,葉酸代謝の基礎的研究を進めてお

り,メチオニン合成酵素を阻害する物質の抗腫蕩効果に

つき検討を行っている36)。上述の様に笑気はメチオニン

合成酵素を急速に,しかも低濃度で不活性化するので,

このガスに抗腫蕩剤としての効果を充分に期待でき,著

者らの発見したメチオニン合成酵素活性を抑制する様な

物質を含め,従来の化学療法,免疫療法との併用等,今

後の研究に期待が持たれる。

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