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5狩野: 糖尿病の水分代謝に関する研究 ⴲ㌰7- 糖尿病の水分代謝に関する研究 千葉大学医学部第一内科学教室⢎ C 三輪清三教援〉 狩野歳司 呏午 䭁乏 ⢏몘愠 日受付) 緒言 3 篇糖尿病の水利尿⢐薎詞놁r 1 篇検査方法及び検査対象 第工章検査成績 1 項検査対象 1 項水利尿と諸因子 2 項試験前準備 2 項水利尿時諸排世像 3 項対照試験⢐薎詞넩 3 項水利尿時諸排世量及び諸排世比 4 項薬物併用負荷試験 E章総括並びに考按 5 項その他の諸検査 4 篇水利尿l 乙及ぼす諸種薬物の影響 6 項検査方法 第工章検査成績 2 篇糖尿病の諸因子 1 項諸排世像 I 章検査成績 2 項諸排世量及び諸排世比 1 項電解質及び血紫蛋白質濃度 3 項諸排世量の変動率 2 項体液構成 E章総括並びに考按 3 項腎クリアランス 結論 4 1 日尿量 文献 E章総括並びに考按 害高血圧症等の血管障害 4 例,肝腫 1 例,合計 ∽" である。 世紀末 䩡歳捨 が糖尿病患者の血液中水分減少 2 項試験前準備: 入院後食塩摂取量を 1 を報告して以来糖尿病患者の水分代謝異常が研究さ とし, 1 週間以上の安静臥床の後塩分排世の略々 れ始めた。以来約半世記の間幾多の先人民よって多 安定せる状態 K於いて次の如き実験を行った。 数の研究報告がなされているが,糖尿病の水分代謝 項対照試験㨀 噯汨慲d 原法ωに従い,水 は糖質代謝異常,内分泌平衡失調その他諸種の因子 稀釈力試験を施行す。即ち,午前 8 時比試験前 1 によって極めて複雑なる様相を呈している。 間尿を採取後,水 負荷,以後 4 時間迄, 分毎 近年 噡n 卬祫e 及び 卭楴梃횃ヨ 等により腎クリ に採尿及び採血 ⢃瞃炃潟唐炂ꊂ쒖ñ 㑣c 採血) し,尿量,尿比重,血疑及び尿中電解質,糖,尿中 ⠳⦁C 䡯浥r 卭楴h アランス法が確立せられ,一方 噥牮敹 等によって,抗利尿系と抗 排世系ーの体 ㄷ䭓 ,血援総蛋白濃度を測定し, 同時に試験前及 液調節機構が明らかにされて以来水分代謝の研究は び水負荷後 分, 1 時間, 2 時間, 4 時聞に各好酸球 急速に発達したが,複雑なる糖尿病の水分代謝異常 数を計算し,その減少率を求めた。 に関しては,未だ多くの知見を要する。著者は糖尿 尚対照例として,健常者 例に就いて,併せて検 病患者の体液構成,腎「ク J ,水利尿の面よりその代 索した。 謝異常を観察し,その一端を明らかにせんとした。 4 項負荷試験: 対照試験より 1 週間以内 l 乙,病態の変動なき事を確め再び全く同様の水稀釈 1 篇検査方法及び検査対象 力試験を行い,その際,下記の如き薬物を水と共に 1 項検査対象㨀 当科K入院せる糖尿病患者 併用負荷して,対照試験と全く同様の検査を施行し 例で,その中,合併症を有する者は尿蛋白陽性眼 て両者を比較検討した。 底所見 l 乙異常を認めた腎障害 6 例,脚気及び心筋障 ⠱⤠㐰% 高張糖液 㐰捣 静注⢐薕演힂욓꾎鸩

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2307-

糖尿病の水分代謝に関する研究

千葉大学医学部第一内科学教室(主任 三輪清三教援〉

狩野歳司

TOSHI]I KANO

(昭和 34年 12月10日受付)

目 次

緒 言 第 3篇糖尿病の水利尿(水試験〉

第 1篇検査方法及び検査対象 第 工 章 検 査 成 績

第 1項検査対象 第 1項水利尿と諸因子

第2項試験前準備 第 2項水利尿時諸排世像

第3項対照試験(水試験) 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比

第 4項薬物併用負荷試験 第E章総括並びに考按

第5項その他の諸検査 第4篇水利尿l乙及ぼす諸種薬物の影響

第6項検査方法 第 工 章 検 査 成 績

第 2篇糖尿病の諸因子 第 1項諸排世像

第 I章検査成績 第2項諸排世量及び諸排世比

第 1項電解質及び血紫蛋白質濃度 第3項諸排世量の変動率

第2項体液構成 第E章総括並びに考按

第3項腎クリアランス 結 論

第4項 1 日尿量 文献

第E章総括並びに考按

害高血圧症等の血管障害4例肝腫 1例合計 11例=緒 E

である

19世紀末 Jakschが糖尿病患者の血液中水分減少 第 2項試験前準備 入院後食塩摂取量を 1日

を報告して以来糖尿病患者の水分代謝異常が研究さ 5gとし 1週間以上の安静臥床の後塩分排世の略々

れ始めた以来約半世記の間幾多の先人民よって多 安定せる状態K於いて次の如き実験を行った

数の研究報告がなされているが糖尿病の水分代謝 第 3項対照試験 Volhard原法ωに従い水

は糖質代謝異常内分泌平衡失調その他諸種の因子 稀釈力試験を施行す即ち午前8時比試験前 1時

によって極めて複雑なる様相を呈している 間尿を採取後水 1L負荷以後4時間迄 30分毎

近年 VanSlyke及び Smithωω等により腎クリ に採尿及び採血 (ヘパリンを用いて約4cc採血)

し尿量尿比重血疑及び尿中電解質糖尿中 (3)HomerSmithアランス法が確立せられ一方

Verney等によって抗利尿系と抗 Na排世系ーの体 17KS血援総蛋白濃度を測定し 同時に試験前及

液調節機構が明らかにされて以来水分代謝の研究は び水負荷後 30分 1時間 2時間 4時聞に各好酸球

急速に発達したが複雑なる糖尿病の水分代謝異常 数を計算しその減少率を求めた

に関しては未だ多くの知見を要する著者は糖尿 尚対照例として健常者 11例に就いて併せて検

病患者の体液構成腎「ク J水利尿の面よりその代 索した

謝異常を観察しその一端を明らかにせんとした 第4項負荷試験 対照試験より 1週間以内

l乙病態の変動なき事を確め再び全く同様の水稀釈第 1篇検査方法及び検査対象

力試験を行いその際下記の如き薬物を水と共に

第 1項検査対象 当科K入院せる糖尿病患者 併用負荷して対照試験と全く同様の検査を施行し

29例でその中合併症を有する者は尿蛋白陽性眼 て両者を比較検討した

底所見l乙異常を認めた腎障害6例脚気及び心筋障 (1) 40高張糖液40cc静注(水負荷と同時)

-2308ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

(2)インシュリン 5単位静注 (10cc生理的食塩 病の体液構成及び腎機能検査の為水試験前或は試

水にて稀釈水負荷と同時) 験後 3~5 日以内に循環血紫量 (PV)細胞外液量

(3) ACTH 5mg静注(10cc生理的食塩水にて (ECF)及び各腎クリアランス試験を施行した

稀釈水負荷と同時) 第6項検査方法 血撲及び尿 NaKは目立

(4)コーチゾン 50mg経口投与二(水負荷2時間 焔光光度計に依り Clは Schales ampSchales法に

より測定した血糖は Hagedorn-Jensen法尿糖

(5)プレドニン 15mg経口投与(水負荷 2時間 は Pavy-隈)11-須藤法により 17KSは Drekter法

(5)を基礎とする岸本法仰により好酸球数は Hin-

第 5項 その他の諸検査 17KS 1日排J世量を kelmann液を用いて 1 mm3中の数を算定す血援

対照試験前日当日翌日の 3日間測定す叉糖尿 総蛋白濃度 (TP)は硫酸銅法 PVは T 1824-Space

第 1表 諸検査成績

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2309-

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第 1 図

〔血糖値〕 [l7K S量〕

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-2310ー 千葉医学会雑誌 第35巻

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を以って現わし外挿法lζて求め ECFはロダン法 1尿中排世量(及び濃度)498mEq (1019mFq

lとより Rhodan-Spaceを以って之を現わした腎 1)で健常例平均値 1517mEql354mEq (1151

「ク J試験は糸球体属過値 (GFR)はチオ硫酸ソー mEql)に比し血祭及び尿中排班濃度共lζ柏低下

ダfクJI乙より腎血媛流量 (RPF)はパラアミノ馬 し排世量は僅かに増加の傾向を示すが著明でな

尿酸ソーダ「ク JIcより測定し Ht値より腎血流量 い

(RBF)を又 GFRjRPFより臆過率 (FF)を求 血糖値とは有意の関係は認められないが特に過

めた 血糖の症例に於いては血撲濃度及び尿中排世ともに

17KS量の高値の例を除いては柏低下の傾向を認め第2篇糖原病の諸因子 る

第I章検査成績(第1表〉17KS量との関係は血紫濃度尿中排世量とも

に 17KS量高値の症例lζ上昇を認め特にその排世

第 1項電解質及び血媛総蛋白濃度 (第 1図) 量は著明に増加し低値の症例はともに健常例より

合併症なき糖尿病 13例K就き血紫電解質濃度 も減少している

TP及び尿中電解質量(早朝水試験前 1時間量)と 2 Cl 糖尿病例平均血撲 Cl濃度1176mEql尿

血糖値及び 17KS量との関係を検討した 中排世量(濃度)76mEq (1731 mEql)で健常

1Na 糖尿病例の平均血疑 Na濃度 1464mEq 例は夫々 1026mEqjl 449mEq (1444mEql)

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2311ー

で何れも糖尿病例に増加を認める

血糖値並びに 17KS量との関係は Naと殆んど同

様の傾向を認める

3 K 糖尿病例平均血媛濃度 44mEqjl尿中排

w量(濃度)34mEq (671 mEqjl)で健常例は

夫々 45mEqjl015mEq (48 mEql)で血撲

濃度に変動は認めないが尿中排世量及び濃度は著

明l乙増加している

血糖値並びに 17KS量との関係は他の電解質と同

じ傾向を認めるが過血糖例に血緊K値の低下が柏

著明である

16 T1824-Space Rho合併症なき糖尿病 例の 司

bullbull

4 TP 特に過血糖の症例lζTPの低下せるを認

めるが一般に略々正常範囲である

17KS値とは特に関係を認め難い

第 2項体液構成 (第 2図第3図)

第 2図 体

T 1824-Space

bull lsquo2 04

03 02amp

bull bull

40+

18

dan-spaceは共に概ね正常範囲内にあるJ) 糖尿病

例平均値は T1824-Space 434体重 Rhodan一

Space246体重で健常例平均 446体重 306

体重に比し Rhodan-Spaceの減少を認めるo

1T 1824-Space 血糖値との関係は一般に認め

られず略々一定値を示しているが特に過血糖を呈

せる 3例は正常範囲の上界を示している

17KS量との関係は更に明瞭でない 193 mgj日

と異常に高値を示した症例 18 Iζ於いては寧ろ 329

予母体重と低値を示す

2Rhodan-Space 血糖値と極めてよく相関を

認め血糖値の上昇lζ 伴って RhodanSp も増大

し特lζ過血糖を呈せる 2例は正常範囲を超えて高

値を示す

17KS量との関係はその増加に伴い柏 Rhodan

Sp も増大する傾向を示す症例もあるが余り明ら

主主主邑L液

RhodanSpace

却IEす 0U32 0B4i $e bull

bull bull A bull

第 3 図

〔血糖値〕 (17 KS量〕

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かでない1血糖値並びに 17KS量との関係

第3項 腎クリアランス (第 4図第5図) GFRは特に過血糖血糖を呈する 2例に増大を認

合併症を有する 10例を含む 25例lζ於いて腎「ク J めるがその他民於いては血糖値との関係は明確で

値を測定したo ない 17KS量との関係は血糖値の場合よりも明ら

合併症なき糖尿病例に於いては GFRは増加し かに認められ大部分はその増量につれて GFRも

糖尿病例平均 1240ccjrnin 健常例 1037ccjrnin 増大している

である RPFRBFは増加せるもの低下せるも RPFは特に過血糖の 2例に明らかな減少を認め

の等一定で払い RPF糖尿病例平均 5309ccjrnin る 17KS量との関係は特に過血糖の 2例び 17

健常例平均 5495ccjrninである FFは8例正常 KS量の異常に高値の 1例を除けば その増量に伴

範囲 5例に上昇を認め糖尿病例平均 0253健常 い RPFの増大するが如き傾向を認めるが余り明確

例0201である でなし0

合併症を有するものの中で特に腎障害例に於いて FFの特lζ高値を示す 3例中症例 23は全例中

は腎「ク J値は何れも低下を示す 最高血糖値を示す症例で GFRの増大と RPFの減

bull bull

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 iζ関する研究 -2313-

第 5 図

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝lζ関する研究 -2315-

少を認める症例 18は 17KS量の異常に高値を示

す症例で GFRの増大と RPFの軽度の減少を認め

2 体液構成との関係

GFRとPVRhodan-Spとの間には特に認める

べき関係を示きない

RPFとPVとの関係は特に過血糖の 2例を除

けば PVの増加に伴い RPFの増大を来たす

RPFと Rhodan-Spとは特に相関を認めない

第4項 1日尿量 (第6図)

1電解質 早朝水試験前 1時間尿中 NaCl排

世量の著明な症例 2121829Iζ多尿を認める

梢多尿を示す群lと於いては尿中 NaCl量》血疑

Cl濃度共l乙梢低下している

2血糖値並ぱに 17KS量 特に過血糖を呈せる

症例lと多尿を認めるが 17KS量とは更に明らかな

相関が認められその増量につれて尿量の増加を認

ゆる

3体液構成 PVRhodanSpとの関係は著明

でないがその増大群に多尿の傾向がある異常に

17KS量の高値を示す 1例は著明な多尿を示し

PVRhodarトSpの減少を認める

4腎「ク J GFRと1日尿量とは著明な相関が

認められ GFRの増大に伴い尿量の増加をみる

RPFとは明らかな関係は認められない

第 II章総括並びに者按

第 1項電解質

糖尿病における電解質代謝異常はアチドージスと

密接な関係があるとされ Atchley(7)等はインシュ

リン治療中の NaKMgCaNの出納は正であ

るがインシュリン治療を中止してアチドーヂス

第 6匿 1日尿量と諸困三子

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-2316ー 千 葉 医 学 会 雑 誌 第 35巻

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の状態lとすれば 乙れらの出納は負となるという 述の如く炭酸脱水酵素作用の異常と相侯って増加す

とれは糖尿病において定量的にケトン体の増量が る為ではなかろうか

認められこれが血液の固定アルカリを奪って尿中 以上糖尿病K於ける電解質の尿中排世量は概ね血

lζ排世する為と考えられている(わ 紫濃度に平行するがその代謝相はそれぞれ箱異つ

著者の成績に於いて血摂 Na濃度は軽度の低下 た態度を示し単にアチドーヂスK関係するのみで

を示し尿中排世量は僅かに増加の傾向を示すが ないものと考えられる

その濃度は低下している従って尿中排世増加は尿 血糖値と尿中 NaCl排世量との聞には一般に

量増加に伴うものである何れにしてもその変動が 殆んど関係を認め難くブドー糖による NaClの

軽度であるととは本症例が主として治療中のもの 再吸収抑制による排世増加は明らかではない 17

である為と考えられる CIK於いては血援濃度 KS量と比較的良く平行関係を認め尿中 NaCl排

尿中排世量及び濃度ともに健常例lζ比し明らかな増 i世増加を認める症例はいずれも同年令層の 17KS

加が認められるこれはケトン血症及び尿細管に於 値に比して増量を認めるかかる群の血疑 NaCl

ける炭酸脱水酵素作用の異常lともとずく代謝性アチ 濃度はその他の症例に比して高値を示している K

ドーツスによる Clの相対的増加とも考えられる に於いても略々同様の傾向を認め石が血糖値の影

Kは血緊濃度比著変を認めないが尿中排世量及び 響も受けて著明ではない即ち糖尿病の電解質異常

濃度は著明に増加するこれは脂肪乃至蛋白質か に於いて血糖値との関係よりも更に下垂体副腎

らの糖新生作用組織崩壊と細胞膜透過性の充進に 機能が密接な関係を有するものと考えられる

よる細胞内 Kの放出と共Ir MudgeBerlinerそ 第 2項体液構成

の他諸家のいう遠位尿細管に於ける K分泌作用が前 PVRhodan-Spは共lζ概ね正常範囲のものが多

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2317ー

いが Rhodan-Spに於いて高値を示せる 3例は

何れも血糖値高く PV 1[於いても正常範囲内であ

るが全例中最も高値を示している

血糖値と Rhodan-Spとの聞に明らかな相関を認

め血糖値の上昇に伴い Rhodan-Spも増大する

PV I乙於いては特に過血糖例に於いてその増大を

認めるがその他に於いては著変を認め難い

17KS量特に低値のものは過血糖に拘らず Rho-

Idan-Spの増加度は少く又過血糖の程度が僅に拘

らず Rhodan-Spの減少程度の少いものは 17KS量

の増加があり軽度ではあるが Rhodan-Sp1[対し

て 17KS量の関係も認められる

即ち糖尿病の細胞外液量は主として血糖によっ

て影響されその上昇によって増大するがブドー

糖の惨透 molは Naのそれに比し遥かに小さい事

より考えれば過血糖による細胞外液の惨透圧上昇

の他民糖質代謝異常に伴う細胞内脱水の関与も加

わると考えるのが妥当であろう以上により糖尿病

の細胞外液相は糖代謝異常に基く血糖値の高低並

びに 17KS排世量を通じて伺える下垂体副腎皮質機

能の如何によって調整されるものと考えられる

第3項腎クリアランス

糖尿病の腎「ク JI[関してはその充進否認めるも

の一定の傾向を認めないもの等種々の報告がある

がこれらは多く糖尿病の腎障害合併例を含めた報

告である糖尿病に於ける腎障害合併頻度は

BryfolgeDunlop日野〈9〉大森等の報告によると

20内外である

著者は合併症の有無により 2群に分けて腎「ク Jを

考察した

腎障害合併例に於いては GFRRPFRBF共に

正常範囲の下界乃至低値を示し合併症なき例に比

し一般に低値を示した

合併症を有せざる症例に於いては

1GFR 上昇を示すものが多く乃至は正常範

囲の上界を示す 17KS量の増加せるもの過血糖

を呈せるものに著明に GFRの上昇を認めた症例

182927の如き 17KS量の増量せるものは過血糖

の程度小なるも GFRの上昇を認め症例7は 17

KS量低値であり GFRは血糖値の程度に比して上

弁は少し副腎皮質機能の関与を推測せしめるが

一方症例2の如く GFR上昇例は 17KS量よりむ

しろ過血糖の影響と考えられる場合もある Frey

も同様に糖尿病患者の GFRは血糖値の上昇と共K

下垂体副腎皮質機能が極めて著明に関与すると述べ

ている仁木(10)は GFRと血糖値の聞に一定の関係

を認めず GFR低下者に 17KS増加を認め 17KS

との間l乙負の関係を示すと云っているがこれは腎

障害合併例を含む為にその関係が不明瞭となる為と

考えられる

体液構成との関係は PVRhodanSpともに認

められない

2 RPF 3357 cc minの低値から 6825cc min

の聞に広範囲に分布する

血糖値との関係は余り著明ではなく特に高血糖

を呈する 2例は PVの増大を認めたが RPFは著明

に低下を示している

17KS量との関係は余り明らかではないがその

増加につれて RPFも上昇する傾向を認める即ち

副腎皮質ホ Jレモンの作用は軽微であるが PVの変

動と平行して RPFも変動する

体液構成との関係は RhodanSpと RPFとは明

らかではないが PVとRPFとの関係は上述の

過血糖例の如き例外を除けば比較的明らかで一般

1[PVの増加K平行して RPFの上昇を認める

3FF 正常範囲内のもの上昇を示すものが相半

ばするが殊K著明な過血糖を示す症例又 17KS

量の増加例の如き PV減少により脱水症状を示した

症例に於いては FFの上昇が著明に見られる

第4項 1日尿量

古くから糖尿病の多尿は糖排世量と略々平行する

ζ とが知られていたこれはブドー糖の惨透圧利尿

の一典型と考えられ ζの際 NaClの再吸収は抑

制され尿中排世量が増加すると言われている近

時糖尿病の多尿は多くの場合糖排世増加のみによる

ものでないことが知られ多尿の原因として糖尿

電解質喪失アチドージス等が HinkleMeyer

Atchley及び Peters等によ b示され(11〉更に 17

KS排世異常一下垂体副腎系及び ADS異常一下垂

体後葉系の内分泌関与が矢野(12)PickfordVerney

等により示されている Freyは糖尿病の水分代謝

の因子として高血糖のみならず副腎皮質機能が関

与し 1日尿量の増加 GFRの増大は血糖上昇の他

1[17KSの増量と関連のある事を認め下垂体副腎機

能充進が極めて著明な関係があると考えた

著者の 1日尿量と諸因子との関係を検討した成績

に於いては 17KS量との相関は著明であるが 17

KS量の低下例に於いて僅かに高血糖の影響を受け

て尿量も柏増加する例をみる即ち血糖値との関係

は一般に軽度で 17KS量との関連がより密接であ

-2318ー 千 葉医 学会 雑誌 第 35巻

第 2表 水利尿と諸検査成績 I 糖尿病例

年稀釈力試験 1日|尿中 好酸球雌値l血張中濃度 T

令 時尿量 cc 1824-GFR全 17K 減少率 Sp

症 例日tr2時全 尿量 1日量 一m一g一fd11 Na IK 合併症その他l間両量4時間 ccmgd a 4時間尿糖量一一一一一一一larr

Rho-

(2時間f--ICl 総蛋白 dan-RPF

別 間量量 dayl day Sp e

1将 45 239 241 296 1400 46 551 15173

374 1940 73合 135 (223) 833 1093 705 319 34972

57 467 判制 1450 39 528 14084 CEJ稀釈試験 2時間4前 NPH 733 2150 112 〕イ ン シ ュ リ ン U 皮下

合 266 (304)1 1531 1116 756 338 33573 注(不適〉

3渡 60 432 243 1400 39 560 12638

1860 合 ( 432) 350 1222 798 348 64906

4 中 49 379 366 241 1483 39 570 15780

867 1850 109 A梅毒 肝腫合 488 (223) 220 1185 852 277 85193

池 46 482 363 237 1483 38 468 11046副J血 尿血蛋圧白 (1十74)~96510 1034 1540 95 正 552 (189) 220 1074 763 276 566 腎症 眼底糖尿病性網膜炎

65 447 200 236 1443 36 390 11549

921 1360 15

474 (0) 300 1073 698 277

71き1213

299 210 626 9570 血圧 105--0915 1670 83 脚気 第二肺動脈音充進(267) 365 10791 317 31834

8 立 58 916 1533 465

1370 1540 77 281 I

453 (200)1 250 1150 783

9市 191 1457 44 420 10586

1089 1350 31 1(430) 591 120 1090 861 286 51230

+51~ 797 189 1557 475 必 71廿1245

448 ( 469) 200 1295 90 253 1605

53 502 514 175 1433 48 443 10108 動脈尿蛋白 i一〉11 650 2030 71

合 148 (514) 150 1116 783 317 44616硬化症血 圧匠 60--114 限 KW n

市 52 388 936叶 173 1325

12 31 548 20 1114 86 206

木 52 776 十110 164 1543 60 329 15100 13 1010 2370 193

恵 合 234 (40) 50 1191 822 224 41814

姥 70 270 232 158 1450 48 483 動脈 尿蛋白 (1ー20〉~

14 662 1290 63 ⑦硬化「 血 底圧 80合 392 (128) 270 1302 822 219 心障 筋碍 眠 KWII

勝 50 582 223 158 1414 43 435 11087 15 956 850 54

374 (278) 90 1278 822 195 50363

内 59 774 286 158 1433 39 12101 r yen

16 1160 1640 73 注 血 底圧 70--100 390 (229) 22 1100 744 -- 眼 KW工

鈴 58 497 482 41 403 8239 腎症尿蛋白 1(5十0~)72

17 820 1980 117 693 315 28935 動 脈 血 圧底

合 323 ( 447) 1081 1074 硬化症眼 KWlli

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2319-

18 椎52

49

200

(234)

157

70 12041 90

408

170 (尿血蛋白 (170~)90

402791~ 眼 圧底 KWI

19 鵜

54

325

380 705 73

(200)1 80

1567

1365

46

862

539

185

10024

68254

20 池

55

743

128 871

120

32

1500

1132

34

71

366

198

21 佐 48合

843

550 1393 1740

469 107

(405)

120

20

1550

1389

47

852

422

251

13260

65505

1|阿2210 合 3卜148 1620 5121m|附 365

(575)1 161 1067 783

E 健常例

年 尿量 cc 1日尿17K中S

好酸球 血糖値 血築中濃度 T

1824-GFR 令

前 全全 減少率 mgdl Sp

症例 尿量 1日量 Na 1 K Rho- 備 考

性 一22時時蚕間間~14時間 cc mgday 4時間 尿糖量 dan-RPF

5JJj 時間量

day (2時間) g Cl 総蛋白 Sp

1中 20 865 367

1139 1701 274 (ー) 280

2増 22 727 446

1065 1387 合 338 (一〉 321

3 出 26 1140 502

1295 1732 合 155 (一〉 286

4 山 28 845 583合 245

(一) 291

5鳥 24 1220

17821338 合 118 (--)

6岩 27 1210 101 1596 39 388 11155

1328 118 (一) 1037 938 3633 79350

7戸 32 1035

1094 1603

59 (一〉 994 835 13805

8 諸 47 860 1460 40 408

1029 -合 169 (一〉 1027 752 2913

9 菰 36 907 1457 48 386

1139 合 232 (-) 994 783 2600

金 22 932 51 10 1063

合 131 (一) 11080 823

斎 36 1013 1144 11 131

(ー〉

11NωNOs-

第 3 表 水利尿と諸検査成績(平均値〉

〔註尿中電解質は水試験前値J C合併症を有する例を除く)

電 解質そ の 他 (前値〉体液構成 腎「ク J 値 水利 尿

Na C1 K 糖 総蛋白

m血四iE援mqE尿UE中qI E血dIEg糖lf尿d a中y

m血d淫援r117KS Eosin 1日尿量

4時間T 1824 Rhodan

GFR RPF FF 尿 J主芸ELt 排世比 Space Space

mgday 一 cc cc

健常例 15113715154 JZグ内 1608 446 309 1037 5495 0201 11580 019

良好例

JfとfylM294 1687 402 259 1273 5476 0245 12030 051 (1000cc以上〉

糖 I工G群Bc

71Jケ m208 1056 397 209 1162 4532 0262 9244 068

遅 8J0ccー戸〆

尿延 E而群c とJケ叩 321 1653 550 284 1261 E604 0258 4040 084

病yen 以J下

仰1

こ7ケ明例 平均 264 1280 454 237 1212 5175 0259 7290 071

全例平均 lJJ381134A 631j 4104JflJブ 721 280 1470 434 246 1240 5309 0253 9502 059

H

部 ω印時

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2321-

る ADH抑制作用と異る点がある

Gauntは抗利尿ホノレモン (ADH)の分泌抑制及 即ち副腎皮質機能の充進は櫨過量の増大と尿細

び血中 ADHの不活性化は副腎皮質ホノレモンの充分 管K於ける水分電解質の調節異常に関与して多尿を

な存在によって促進されると述べている然し過血 来たすものと考へられる

糖に於ける多尿に際し NaCl排世量の増加が少

い事より過血糖の多尿は Osmotic diuresisの他 第3篇糖原病の水利用

ι 一定限界を超えた高血糖が血撲惨透圧を軽度に 合併症を有する 6例を含む糖尿病患者 22例に水

充進し Homer SmithVerney(13)等の言う Os- 1L負荷して稀釈力試験を行った

moreceptorを介して ADH 抑制作用を現わし多 合併症なき 15例中水利尿良好例(尿量 1000cc

尿を来たすものと考えられる然し多尿の原因とし 以上) 7例遅延例工型 (1000cc---800cc) 5例

て副腎皮質ホ Jレモンの関与がより強く考えられる 遅延例E型 (800cc以下) 3例を認め之等諸群と

即ち 17KS量と 1日尿量 GFRと1日尿量 17KS 健常例 11例とに就いて比較検討した

量と GFRは夫々極めてよく相関が認められる叉

17KS量増加に伴う多尿に於いては電解質殊に Na章 I章検査成績(第 2表〉

排世量の増加が特徴的であり穆透圧克進による 第 1項水利尿と諸因子(第3表第7図〉

第 7図 水利尿と諸因子 (合併症を有する例を除く) 管02

(由X羽 〈字調期X

x l(

X

X 0 )( 7

130-6

ex x

X

120-4 C主 x x

dpe 3

1

X

110-2

darr血 』ιτ京支~一一点尿 iooCC 400 600 -600 1000 賠ム 一ーy 600 800 1000 1200克 4時間床量

剛志e-ιmみ岡原ff

6 X

K

0尿血中衆林議浩度量(前値)

x

~ x

X

X x x xX

gtイ

メtimesx x x

4x x X

ち瓜

X

3

2

下〈 ラ〈

200記 40-0- 扇面一一一 600 -1000 1200- 200cO ---41fO 山内--800--1-00岡 0-----60

主主主-2322ー 千 葉 医 弓f- 会 雑 誌 第 35巻

事量 日 221 (ぷ 33訪世 J117 邑星 IKS三米 1-Jli ls

x 事|量 13

ι

2崎1ol-X )( x

22何0 x x 0

x2ω-50 ~ x

)0( G18ト-10 x

0)(

x

f件-JO 10

~)(X x

14()-20 浪

(syto

1 J r I1 10ro

121r 10

1 1 I 1I 1I _ 1 冊1k

f-ω i-nv -au

-nυム斗

ω144

〕山町

12ωAnn cnn Qnfyen400 600 ll山間U

VAG-

Ar-HG

~-

212尿 由

u

町内

I nn一~ 200ee

vLmWa

百尿量

c均 -2400 10

13 -

Os

QS

守 07

e 00 e

011 l 1 I I I I Ll_LIB

1 1 I 1 I I_j I J 1 I 1 200巴 40D 600 800 1000 1200 200 400 600 -~8-OO-- --1000 IlOO

T84-SP 60t-

RJr -sp

32 7

4串19 重 ~30

丘au

o 0

4色白

s 辺

19

2amp

20

司 JB 19

___ー ι _ 2000 400 600 BOO 1000 1200 20Q 400 600 800 1000 1200

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2323-

G RPFC41M1_

句々ωt

140

oOO

110

300

100

I ~ I L_____ー」ーよーし一一一larr 五百h200lt

I

lt 400 600 1200 200血 400 600 800 1000 1200

1電解質 試験前 1時間尿中の NaClK量及 2NaCl 健常例の NaCl排世像は水負荷

びその血撲濃度と水利尿との聞に相関は認められな 直後水利尿発現初期比軽微の排世増加を認め利尿

期には寧ろ排世減少し 3時聞をきの濃縮移行期lζ再

2血糖及び尿糖 水利尿と比較的よく負の関係 び電解質排世増加の最も高い時期となる糖尿病の

を認め著明な過血糖例の 4時間尿量は極めて少い 水利尿良好例に於いてもこれと略々同様の変動を示

3尿中 17KS1日排世量及び好酸球減少率 水 すが利尿初期の排世増加が著るしくなっている

利尿良好例には 17KS量の増加好酸球減少率の高 遅延例も良好例に類似した変動を示すがその変動

度なるものが多く過剰排世型の傾向を示す遅延 は極めて小さい

例E型K於いても 17KS量の増加好酸球減少率 良好例のうち症例 8102122遅延例 E型のう

の高値を示す傾向を認める o ち症例 1の如く著明な NaCl排世を認める症例

4 1日尿量 水利尿と 1日尿量との聞に明らか は何れも尿中 1日17KS排世量は比較的高値を示し

な関係を認め難いが異常な 17KS増量例及び著明 こ良好例のうち症例 9遅延工型の症例6は全4

な高血糖例を除けば水利尿の程度と 1日尿量とは 時聞を通じて NaCl排池ー量は低値を示しかかる

柏平行する傾向を認める 症例の 1日尿中 17KS排世量は最も低値で最大利

5体液構成 T 1824-Spaceが正常範囲内で 尿時尿量は低下し最大利尿発現時も遅延している

正常の上界値を示す症例に於いて水利尿は遅延E型 3 K 良好例及び遅延 E型のKの変動は健常

を示す Rhodan-Space Ir於いても同様の傾向を認 例に類似しているが遅延工型に於いてはKの排世

める は比較的少い

ι腎クリアランス 著明な過血糖例及び惨透圧 4 17KS及び好酸球減少率 水利尿良好例に於

上昇K伴う PV増大例及び異常な 17KS増量の 1例 ける水利尿時 17KS排世量及び好酸球減少率は最も

を除外したその他K於いては GFRRPFの増減 著明である

に応じて水利尿も増減する傾向を認めるが著明で 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比(第4表

ない 第5表)

第 2項水利尿時諸排世像(第8図) 1 諸排世量 (第9図)

1尿量 最大利尿時尿量は健常例が最も多く 尿量の糖尿病全例平均は健常例K比し減少を認め

以下水利尿の程度に従って順次低下し最大利尿発 る

現時も順次柏遅延の傾向を認める水利尿良好例及 NaCl は水利尿良好例に著明な排世量増加を認

び遅延例工型lとても最大利尿時尿量の比較的低下例 める遅延例E型も症例により排i世増加を認めるも

を認めるがかかる症例の最大利尿発現時の遅延は のもある

著明である 排世量の平均値では良好例に NaClの増加が著

-2324ー 千葉医 学会 雑誌 第35巻

00 cc

第 8図 水利尿時諸排世像(合併症を有する例を除く)

健常例 良好例

ーlsquo必21

mEq_lmEラ

2 1-iacute~ Il

10ト120

c1ワ

5

ト1

0

財政球減少率)

原中門院(||)

情M

a

o

n

ν

p

b

Aωnυ s

~A--ーー

--

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝花関する研究 -2325-

遅延例工型 遅 延 例 E 型

400ト cc

尿

9

1iし

也印

3

0

5判

M

一 2怠色ム-_ ---温lsquo邑---_-ldquo F

3

aTEFIl--r

m

1

0

A司

I~ ldquolsquo Jρ降lsquo

i ヘヘlsquoyen 一vlsquo日一ア一-笹居宮包日畠日-

A__-一 a

6ペへyenyenyenyen

yenろノIl ~lsquo~--也

好均時雨少苧

尿中 ηdM

-2326ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 4表 水利尿と諸排池ー量 工 糖尿病例

年 尿量 cc Na量 Cl量

KIIlE量q 17KS量 | 尿 糖 量

メHLmEq mEq mg g

症例目Ij

全前 l全 刷 全目Ij

全目IJ 全日Ij 全 合併症その他

f生 22時時後間間4時間|22時3問間時間1晶時間114時間22時時後間間 22時時後間間4時間占2時時後間間別 4時間 4時間

2879 151 144

135374 1791 4145 4914 1587 264

合 2035 595 113 113

2酒 57 467 2196 1803 601 036 H稀釈試験 2時間前4 NP

733 4795 4399 799 インシュリン u皮 合 266 2599 2596 198 145 下注射(不適)

60 93 11931065181I1 1669

538 048 709 822 070 772

合 40 423 284 022 063

4 中 3440 882 119 068

8194 2039 207 160 A 梅 毒 肝腫 合 488 4754 1157 088 092

池 46 482 4457 l別 869 125 138

510 1034 90811 111868 1623 259 179 腎症正 552 4624 5935 754 134 041

6染 65 447 683

792 033

921 1011 13 066 474 51 663 332 033

7浅 31 517

|「ど71 458

9151 111 1520 717 脚気 398 4141 1 649 259

916 2174 3138 093 1288) 0

1370 5035 589 1596 453 2260 2752 617 035

498 771 1405 464 9) 0

1089 1472 3010 933 591 701 1605 469

立 58 797 3589 1139 10 1245 3771 5438 334

448 1278 1849 598 095

53 502 1233 1496 693 082 067 11 650 2265 2875 1140 145 084 動脈硬化症 148 1032 1379 447 063 017

市 52 388 834 911 12 936 1743 3477 1977

548 909 1872 1066

木 52 776 2066

吋 lm13 1010 3951 6198 1570 百-三~ 合 234 1885 26151 1 599

蛇 70 270 662

1322 1887 654 動脈筋硬障化症14 2558 3760 1212 ⑦む 碍 合 392 1236 1873 558

582 956

1273 257q叫 535 076

15 2358 244

315013 9i6 148 374 1085 381 072

内 59 774 2162 944 200 16 1164 301 3168 1271 307 注 390 857 909 327 107 L J 眼底 KW工

17 820 410198 300 腎症 合 323 7 2221251079224060093動脈硬化症l|145110331オh1410ぺ|叶11|鈴

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝lと関する研兜 -2327ー

52 620 18 椎 (血底圧 170~901707 4335 11 6 318 651 注

眼 KWI041 1 4091764 ~17

54 325 662 097705 54 785 1 6419 0鵜 11 1 875 380 492 338 067 014

55 743 977 1915 415 20

池 128 871 2043 3315 800 1066 1400 385

48 843 2338 3796 1208 140 佐

21 42761393 6368 1994 204550 1938 2572 786 064合

2481lz卜147判|州|吋 E 健常例

年令尿量 cc

Na量 Cm1E量q KmE量q 17KS量 尿糖 量 mEq mg g

症例

22時時前後間間 4時且八間

別全

22時時i後iiJ間間 4時~間122 時時前後間間 4時一一A 間 22時2削聞間 4時~間 2J時前間問 4時こ八に間備 考

a別性 22時2「間目nl4時間

1 中 20 709 1752 855

2741 1139 1653 3212 1471 944 1460 616

2ぎ 22 727 1065

823 2683 724 1658 41 11 1638

合 338 835 1428 914

3出 26 1140 3422 1297

155 1295 4038 5682 2115

合 21 98 2260 818

4lU 28 845 988 21 99 630 1090 21 07 3899 986

合 245 11 19 1700 356

515 24 1220 1625 2034

1338 2571 31 1084 合 118 946 1144 382

1210 445 1077

1317 2162

371 1328 629 118 632 845 258

71~ 32 1035 725 1698 991

1094 1601 2217 11 84 59 876 519 193

8ぎ 47 860 737 1993 1 66 1029

603 1340 2703 236

合 169 710 070

9菰 36 907 1377

2605 2461 800

1139 3725 144 1合 232 1228 1264 64 1

金 22 932 726 1486 832 10 1063 1538 2412 1078

合 131 812 926 246

斎 36 1013 1957 478 739 11 1144 2812

539 1017 1188

131 855 449

-2328- 千 葉 医 学 ムヨミ 雑 誌 第 35巻

第 5表 排世量及び排j世比(後前)(平均値)(合併症を有する例を除く)

尿 主主ヨ豆lsquo Na Cl K 17KS

前川~stl 前 知 吋 比 前 2st門比全 4時 間 量 比 全 4時間量比 全 4時間量 全 4時間量 全 4時間量

974 184 1000 1019 2105 1226 737 449 061健常例 019 102 058

1158 2019 3331 1186

795 408 2153 1487 2997 1994 924 533 168 075 良好例 051 069 067 058 045

1203 3640 4991 1457 243

糖 工 555 368 913 868 1869 1628 621 513 064 069

群 066 095 087 083 107

遅 923 1781 3497 1134 133

尿 218E 185 1261 902 1650 1174 659 406 099 068

延群

084 072 071 061 069

病 404 2163 2824 1065 167

J1j 429 299 1042 881 1787 1458 635 473 082 068 平 070 084 082 074 084 例 均 728 1923 3245 1108 150

全例 600 350 1561 1164 2352 1708 769 501 058 075 073

065

1 187 061

平均 950 2725 4060 1270

白色

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48

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2329-

明で遅延E型に於いても Na排世量が柏増加する すlarr

傾向を示す Clは健常例 058糖尿病例 073で後半の増量がよ

KはClと略々類似せる傾向を認める り大である

17KS排j世は Na排世l乙略々平行するが如き傾向 Kは Clと類似の傾向を認めるが症例 12 1[於い

を示す ては117と著明な上昇を認める

2 諸排世比 (第 10図〉 1 諸排世量及び比と諸因子

水稀釈力試験時の各排世量の後半 2時間量l乙対す 諸排世量(第 11図〉尿量と血糖値との関係は中

る前半2時間量の比を以って排世比とした 等度以下の過血糖の症例lζ於いては血糖値の土井

尿量の平均排世比は健常例 019糖尿病例 058 氏伴う尿量の減少は軽微であるがj著明な過血糖例

で後半排世量増加を示し水利尿良好なもの程小で を呈せる症例は尿量は極めて少い 17KS 1日量と

あるがその関係は余り著明でない症例 6912 の関係に於いてはその増加している症例に精尿量

19の4例は排世比の上昇著明で10を越える の増加する傾向を認めるが著明でない

Na は健常例102糖尿病例 075で前半排世量の増 NaClKの電解質排世量と血糖値の関係は余り

加を見る症例 6912は10を越える排世比を示 明確でなL0 17 KS 1日量とは明らかに相関を認め

第 10図 水利尿と諸排世比 (合併症を有する例を除く)

N

ご~)(ltιε

Hmu 14 1井

12

X

原量

oAAOOX

01

o

x

09 x eβ

下〈

ldquo川附

QS 自由 X

且7x

e G

06-1-

05

H

04t

03+ x

02+ 02

01十

2boCC 400ωo 800 一一一一一1-LlOOO 1200 200 4 400

+ 800 iobo 1ゐ larr品

t 17 K ~宮

15

附H 11

3

2

1

0

8

0

l

Q

G

O

n

U

A

3

a

v

q

G o o

C

F

3

4

J

e

G

3

202

01

200ζc 400 占ず4 市斗~1()~D----lLIUgrave~OL-l--- IToι ーふ0--+-市布~ 4時向原賢一』 4時間尿器-

-2330ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

る て電解質排世比の僅かの上昇を認め叉尿量排世

諸排世比(第 12図)諸排世比と血糖値との関係は 比に於いても 17KS減少例及び症例 19 K上昇を認

認め難く叉 17KS量との関係も一般に著明ではな める

いが 17KS 1日量の特に少い症例 69121乙於い

第 11図 排世量と諸因子 (合併症を有する例を除く)

〔血糖との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

gst

ePe

12m払 γ

J4

0

30

20

10ト

2 4 6 日 10

200 250 300

G

30

20 1

10ト

寸 250 4 8 10 12刊初ザ6 2 300

K

14

8十

oe

100π彬l(_ 150 lOO 250 却 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

ウ匂

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2331ー

〔血糖との関係〕 [17KS 1日量との関係〕ー

25ト

KSつιE

17

bull

1001113μ~ loO 甲 17 8 9 10 ( 3oo 2 3 4200 2DO 司司m-J2amphMd恥凶うー事

~I 6

51

尿

44 糖

3

o I 3

2

100iR 150 200 250 300 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12匂

第 12図 排世比と諸因子 (合併症を有する例を除く〉

〔血糖値との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

1amp

同 019

警08 s 07

0

ee o

05

邑4

3

Q2 112

01

ト 100向始H且 150 200 250 30ー15ー中 s4 5 6 7 白 ] 10 11 12叩拠ザ」 酔|ーム2tflf7K16 糖値

井1ト41

e 0611amp1

自書r

似し 2

100mJJtl 150

ト21

200 250 4 1030016+ 2 主判事l判

-2332ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

61

OJl卜

08ト

04

10

oq

17ω kS笛

04

1)2

01

尿

5(1

02

01

10

也4

03

〔血糖値との関係〕 [17 KS 1日量との関係〕

14

12

t 1Oo

8

09

Ob 0干

02

100明弘a 150

c0

100明 11 200rnJdl

150

10b夜間 200

第 II章総括並びに者按

300

250

Os06

一一一_L 250 300

lC

08

也6

Q4

2345amp789 叩 11 12匂勾

JSLJ一一よ 0 1 I 7 8 9 10 12閉め匂 11

G

一」一一よ一一J一一」一ーーーー-

8 11 12吻匂

109

第 1項水利尿と諸因子

電解質との関係 水試験前値の尿中電解質排世

糖尿病K於ける水分代謝の問題殊に 1日尿量 量及び血察電解質濃度と水利尿の程度には一定の関

と水試験時の如き急激なる体液変動を惹起せしめ 係を認め難く試験前電解質量または濃度によって

た場合の水分代謝とは当然同一視得ないものがあ 水利尿は影響を受けない

ると思われる 血糖値との関係 血糖値と水利尿との聞には負

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2333ー

の関係を認めるが著明な過血糖を呈し PVRho- の遅速は一定でない乙れは血糖値の上昇せる為

danSpの増加を来たす様な症例は水 1L負荷にょ に ADH作用抑制によって起る水利尿反応が鈍化

つでも OsmoreceptorVolume receptorを介し され得る故であろう

て起る ADH分泌抑制の度が小となり水利尿反応 水利尿の良否lζ拘らず最大利尿発現時の遅延する

が少くなる為か尿量は極めて少ない過血糖中等度 症例は 17KS量の低値の例及び血疑 Na濃度が他

以下の症例は PVR対する影響も少く 尿量減少 の症例広比し高値を示す症例で何れも水利尿時の

の度も軽度である NaCl排世は殆んど尿量と関係なく減少している

17KS量との関係 17 KS 1日尿中排世量の増 電解質排世像は水利尿良好例に於いては健常例

加に従って尿量増加の傾向を認め特に過剰排世型 と異なり利尿発現初期に著明な Na排世のピーク

の傾向の認められる症例に 17KS量の増加を認め を見るこれは何れも 1日尿中 17KS排i世量増加例

るかかる症例は何れも GFRの増大と尿中 Na である遅延例工型は 17KS量の増加せる例少く

Clの排世増加を認めた例である 電解質排世も著明でなく略々健常例に近い排世像を

然し症例 13の如く 17KS量異常に高値で多尿 示す遅延E型は水排世遅延最も著明にも拘らず

lとより PV減少を呈せる脱水症例では水負荷によ 電解質排世像が良好例比類似して比較的著明な症例

りPVの変動は強く現われるが排世尿量は少い を認めるが ζれは 17KS量の増加を認める

叉著明な過血糖例及び症例 19の如く血疑 Na濃 更に症例 9612の如く 1日尿中 17KS排j世量

度が比較的高値の症例は間脳ー下垂体後葉系並びに 低値の症例は水分排世量に関係なく終始 Na排世

下垂骨前葉一副腎皮質系の内分泌機序の連関性の失 の増加が認められない以上の成績と過剰排世型を

調の為か 17KS量比較的増加しているにも拘ら 示す症例l乙1日尿中 17KS量の増加を認める事より

ず利尿は遅延する 考えれば水利尿時尿量の増加は GFRの良好なる

1日尿量との関係 一般に水利尿との相関を示 事と相侯って副腎皮質機能の比較的健全なるによる

す傾向にあるが特に過血糖を呈する症例及び異常 ものと考えられる唯し症例 13の如く 1日尿申 17

rc17KS量の増加せる症例に於いては前述の如く水 KS排世量の異常に高値の症例に於いても利尿初

利尿時の尿量を抑制する 期の Na排j世のピークは柏低く血媛 Na濃度の低

即ち 1日尿量lと於いては恒常的な腎機能及び 下も殆んど認めない場合もある

体液構成等の因子が関与し水利尿に於いては急 ClK の排世像も同様の傾向を示すが Na程著

激な PVの量及び質の変動が主要なる役割をなすも 明でない

のの如くである 以上を要約すれば血糖値の上昇例は最大利尿

体液構成との関係 PVの比較的増大している 時尿量を減ずるが最大利尿発現時聞に特に影響を

症例に於いて水利尿時尿量の抑制を認めるかか 認めない又 1日尿中 17KS増量例は電解質特に

る症例は著明な高血糖を呈し又は血緊 Na濃度の Na排粧を増加し利尿初期は特に著明である ζ

比較的高値の症例である れに反し 17KS量低値なるものは Na排世増加を認

腎クリアランス値との関係 GFRRPF共に めずそれに伴い最大利尿発現時を遅延せしめ最

水利尿の程度と精関係を認めるが前述の特に水利 大利尿時尿量も柏低下せしめる

尿を遅延せしめる因子の存在する症例に於ては腎 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比

機能の如何に拘らず水利尿時の尿量は少い尚 尿量は糖尿病例は柏減少し水利尿の遅延するに

Smith及び永峰(14)によれば稀釈試験時KGFR 従ってその排世比も柏増大する

RPFの変動は殆んど認められないと言われている 電解質排世量及び比共l乙水利尿の良否とは特に相

以上主要な水利尿遅延因子としては腎機能の 関を認めないが水利尿の良好例K排世量の増加を

良否は当然考えられるべきではあるが更に ADH 認める

並びに副腎皮質ホ Jレモンの分泌機序の異常も強く関 血糖値との関係はその上昇するにつれて水利尿時

1乙殊に甚しく叉l尿量は減少し著明な過血糖例 L与することを考慮しなければならな

第2項 水利尿時諸排世像 日尿中 17KS排世量は尿量との関係は軽度で電解

尿量の変動は水利尿良好例遅延例工型 n型 質殊に Na排世量との相関が明らかである乙れ

買に最大利尿時尿量の減少を認めるがその発現時)1の は血糖上昇の際は AD町分泌抑制が主で 17KS増

-2334- 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 6表 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

工 諸排i世量及び諸排世比

排 17 KS K 糖

水単独 水物単併独

ClNa尿薬

備 考水物単併独水単独用 薬水物単併独用薬水物単併独用症 薬用薬物併薬用併負荷用薬負荷物び

例『番比

物号

1164 050 3019 035 307 053 16 内 1321 041 141 067 1252071 4393 04814043

40 1148 019 3836 057 4964 050 1096 044

ブ 22 阿 O田1048 056 2003 118 3328 078 1237 067 ド

糖 1010 030 3951 091 6198 073 1570

40cc 13 木 O恵 前|1023 035 1677 120 2969 084 947

静 伊i 1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053

平均 11081 0531 2690 073 3446 063 11681056 141 067

除全遅 026 3006 031 12回511i022 224 054 四 a119 動脈血圧 150--72併例合延 17鈴 O

11391 1171 4147 077 3348 068 1380 108 330 086 硬化症眼底 K WJII 症

055 4334 051 12971040 265 054例例平 全例

11151 0661 3054 075 3422 064 12211068 240 0793 4 -

1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053除合併 均 症例 1108 053 2690 073 3446 063 1168 056 141 067

1370 049 5035 082 5890 087 1596 063 128 038

量及

良 8 立 972 077 2017 089 3996 068 1015 054 267 051

1089 118 3010 114好 9l市イ 1161 057 2375i 039 4969 039 037

096 1265 075 1229 074 3298官uシ平 均

ユ 1066 066 2196 058 4483 051 1939 041 2671051 リ

093 1140 064 650 029 2265 ン 硬化症 血圧 60~114

眼底 KWJI 11 小 O

1025 028 4465 06614998 091 1313 059 5u 遅

静 0752 6 4 |i曲胡00 374 057 4145 0761 49141071 1 5 87 2570 078 1将 O注

延例

-園平均

除全 メロL ou 併 除合併 症 症例

488 033 4598 0541 564 64057 12801 071 362 065

512 038 3205 13641 0621 264 075 hellip街lm756 030 4532 0601 5323 072 12961 0531 362 065

374 057 4145 4914071 075 075d4i

968 005

例例 平均

3 4匂圃4

4012801057 714054 56033 4598 488 362 065 61

4172 087 1314 061871 062 平 全例

911 049 059 4903 061 1618 315 058

944 071 3580 082 4605 086 1373 069 196 061 除合併 均 症例 873 059 2997 056 4871 053 1719 042 315 058

良 10891 11911562 103 好 市 304111

t列U9 0110161 17911705087 44601 13111212 1

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 K関する研究 ~2335ー

0959判 1岨15 C A

106 14171 033 48011063 10161 0641 321 083

938 051 1707 069 1163 054 1 88 1 24遅 18 椎 O

1018 1 25 1717 075 5067 095 1597 096 528 0805mg 圧底 KW 1

静 2558 093 3760

延 14姥 O 暖動 化 脈症(蛋血圧底白〔 120〕MBO注 8691 1 75 1864 057 3514 0671 1238 094 心筋障害眼 Kwn

852 074 2208 087 4369 087 1097 069 1 68 平ー均 ou除全 881 1 32 1666 054 4441 075 1284 086 425 081 玉メ口

併 除合併 947 058 2032 083 4674 082 1039 061 168 1 10症 症例例例 888 117 1567 053 4934 078 1306 082 425 081平均

911 085 4029 09 1 1056 076 168 1 10平 全例--

3 4

915 1 44 16761062 4446 087 1266 094 425 081

1876 088 1005 1 10除合併 均 症例 0941425 08138 1613064 4767i 092 12751 1

4276 0~83 1994 065 204 046 21 佐

1305~ 034 3563 048 5976 054 2283 037 255 029

T H

---

1245 056 3771 051 5438 051 1737 053 334 039 良 10立

1182 057 2324 045 4097 5421 45 076 280 066 チ

1034 1 15 9081 100 1623 087 259 011 1 78 029ソ好 5 池 O正

ン 眼底糖尿病性638 031 3226 01313201 034 1693 042 225 023 252 043 網膜炎

50 町 19例

1224 073 5709 084 7891 078 1784 066 266 058 178 029 平 均

内 1051 041 3038 033 4424 049 2040 050 253 041 252 043

服 除合併 1312 061 4024 067 5903 0印54111861541i 059

268 042

1243 044 2934 047 5036 054 2214yen 054 267 046例

遅延

症例 平均

--705 1 17 1154 074 1948 081 785 076 164 068三除日全』

19鵜 O1220 063 2328 076 6213 057 1705 063 232 079併 例

症例例 079 4570 084 1535 068 240 060 178 029

平 全例3 4 1093 046 2860 040 4872 052 1956 053 248 049 252 043 -- 1114 070 3067 068 4585 062 233 048除合併

均症例 1235 050 2738 054 5429 05512044 056 255 056

921 104 1345 097 792 072 066 103プ 6 染 O

900 05511504 036 2076 035 1161 039 1 39 049レ 遅ド

ーー 207 074 1 59 135ン 延 4中 O

867 129 5865 梅 毒 肝 腫A

25285655 0541051 26631057 6140571 56868 041 464515 mg

例 133 043 1190 8221053 070 045 g 渡 O内

初日--服

合除全 平

併症

例2例3 均_

414 012 1440 0211 23191 020 11 161018 1 53 031

640 1 09 2688 1 15 3736 1 16 12181094 1 14072 全例

727 040 2529 044 3347 039 16471042 149 044 8561252

527 095 1101 074 1507 073 068 068除合併症例 657 038 1472 029 21 97 027 11441028 146 039

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

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〔民本零時〕

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-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

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言語

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〔匝芯零時〕

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活性

キ毛

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

-2308ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

(2)インシュリン 5単位静注 (10cc生理的食塩 病の体液構成及び腎機能検査の為水試験前或は試

水にて稀釈水負荷と同時) 験後 3~5 日以内に循環血紫量 (PV)細胞外液量

(3) ACTH 5mg静注(10cc生理的食塩水にて (ECF)及び各腎クリアランス試験を施行した

稀釈水負荷と同時) 第6項検査方法 血撲及び尿 NaKは目立

(4)コーチゾン 50mg経口投与二(水負荷2時間 焔光光度計に依り Clは Schales ampSchales法に

より測定した血糖は Hagedorn-Jensen法尿糖

(5)プレドニン 15mg経口投与(水負荷 2時間 は Pavy-隈)11-須藤法により 17KSは Drekter法

(5)を基礎とする岸本法仰により好酸球数は Hin-

第 5項 その他の諸検査 17KS 1日排J世量を kelmann液を用いて 1 mm3中の数を算定す血援

対照試験前日当日翌日の 3日間測定す叉糖尿 総蛋白濃度 (TP)は硫酸銅法 PVは T 1824-Space

第 1表 諸検査成績

FF i ラ引日|lzl214115l-ヰl 合併症そ4i1|木O健I~]刈羽 01 20州 37中76721 52211] 0吋 主 筋 梗 霊 血 圧15叫230I

3|酒 01 ~ 12481吋2叫山 15281338]140841335731山 210411

18部01暗g|H判引5d四邸6必 13中山山43 3仰州問7[0叫州[5叫3481126お4l陣渡

27m 1181侃刊叫れ小吋ド州川ldquo峨吋95

1州可 幻 l州川hellipトい作ヤ九ぺ叫叩61日十市い何|卜い凶川川

引13511例初o[ 判6216707 83 おお吋6ldquo凶即 631

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344l5侃似47]訂判仰巾同 血圧 1050lOω恥脚気 第二肺動脈音充進

佑5719幻7仰01直皇|作州1081陣浅

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9| 血圧 17070御特120013501州川521297179013川叫中症

眼底糖尿病性績膜炎

11笹 0 ~ 1961 9022101 14ぉ287[1即 014ω718497510261

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4μ4尿蛋白(一〉血圧 160~114眼底 K羽Trr靖霊化JE17

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2309-

作 01 ~ helliplO2何一口房長1158111叫 11ω hellipl

内 01望115812山 1731 1 1121 011 1 1 1 性誌 110蛋持品i時五102821州必82391 5117140313卜111571108118ω~01吋

件特卜 5717017ベ 491ペ1701

1hellip吋hellipベ 官民 93

第 1 図

〔血糖値〕 [l7K S量〕

Tトa 韓

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311 臨書l血契i盟度

f正糟正糖常常昂尿例 刻

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-2310ー 千葉医学会雑誌 第35巻

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L__j 100稲田ん比 150 200 おー」ー訪日一寸可τ 6 8 10 1乏 同

を以って現わし外挿法lζて求め ECFはロダン法 1尿中排世量(及び濃度)498mEq (1019mFq

lとより Rhodan-Spaceを以って之を現わした腎 1)で健常例平均値 1517mEql354mEq (1151

「ク J試験は糸球体属過値 (GFR)はチオ硫酸ソー mEql)に比し血祭及び尿中排班濃度共lζ柏低下

ダfクJI乙より腎血媛流量 (RPF)はパラアミノ馬 し排世量は僅かに増加の傾向を示すが著明でな

尿酸ソーダ「ク JIcより測定し Ht値より腎血流量 い

(RBF)を又 GFRjRPFより臆過率 (FF)を求 血糖値とは有意の関係は認められないが特に過

めた 血糖の症例に於いては血撲濃度及び尿中排世ともに

17KS量の高値の例を除いては柏低下の傾向を認め第2篇糖原病の諸因子 る

第I章検査成績(第1表〉17KS量との関係は血紫濃度尿中排世量とも

に 17KS量高値の症例lζ上昇を認め特にその排世

第 1項電解質及び血媛総蛋白濃度 (第 1図) 量は著明に増加し低値の症例はともに健常例より

合併症なき糖尿病 13例K就き血紫電解質濃度 も減少している

TP及び尿中電解質量(早朝水試験前 1時間量)と 2 Cl 糖尿病例平均血撲 Cl濃度1176mEql尿

血糖値及び 17KS量との関係を検討した 中排世量(濃度)76mEq (1731 mEql)で健常

1Na 糖尿病例の平均血疑 Na濃度 1464mEq 例は夫々 1026mEqjl 449mEq (1444mEql)

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2311ー

で何れも糖尿病例に増加を認める

血糖値並びに 17KS量との関係は Naと殆んど同

様の傾向を認める

3 K 糖尿病例平均血媛濃度 44mEqjl尿中排

w量(濃度)34mEq (671 mEqjl)で健常例は

夫々 45mEqjl015mEq (48 mEql)で血撲

濃度に変動は認めないが尿中排世量及び濃度は著

明l乙増加している

血糖値並びに 17KS量との関係は他の電解質と同

じ傾向を認めるが過血糖例に血緊K値の低下が柏

著明である

16 T1824-Space Rho合併症なき糖尿病 例の 司

bullbull

4 TP 特に過血糖の症例lζTPの低下せるを認

めるが一般に略々正常範囲である

17KS値とは特に関係を認め難い

第 2項体液構成 (第 2図第3図)

第 2図 体

T 1824-Space

bull lsquo2 04

03 02amp

bull bull

40+

18

dan-spaceは共に概ね正常範囲内にあるJ) 糖尿病

例平均値は T1824-Space 434体重 Rhodan一

Space246体重で健常例平均 446体重 306

体重に比し Rhodan-Spaceの減少を認めるo

1T 1824-Space 血糖値との関係は一般に認め

られず略々一定値を示しているが特に過血糖を呈

せる 3例は正常範囲の上界を示している

17KS量との関係は更に明瞭でない 193 mgj日

と異常に高値を示した症例 18 Iζ於いては寧ろ 329

予母体重と低値を示す

2Rhodan-Space 血糖値と極めてよく相関を

認め血糖値の上昇lζ 伴って RhodanSp も増大

し特lζ過血糖を呈せる 2例は正常範囲を超えて高

値を示す

17KS量との関係はその増加に伴い柏 Rhodan

Sp も増大する傾向を示す症例もあるが余り明ら

主主主邑L液

RhodanSpace

却IEす 0U32 0B4i $e bull

bull bull A bull

第 3 図

〔血糖値〕 (17 KS量〕

ι

2q bull bull

も 50

bull o ~ bull$8略

色 0~209 e

lsquo yen

7 4Ol 0 818η

3ot 30

100m地 150 200 250 300 417K6S(明 B8Ahf〉0 12 14 血糖値rarr 2判3原中 1+

かでない1血糖値並びに 17KS量との関係

第3項 腎クリアランス (第 4図第5図) GFRは特に過血糖血糖を呈する 2例に増大を認

合併症を有する 10例を含む 25例lζ於いて腎「ク J めるがその他民於いては血糖値との関係は明確で

値を測定したo ない 17KS量との関係は血糖値の場合よりも明ら

合併症なき糖尿病例に於いては GFRは増加し かに認められ大部分はその増量につれて GFRも

糖尿病例平均 1240ccjrnin 健常例 1037ccjrnin 増大している

である RPFRBFは増加せるもの低下せるも RPFは特に過血糖の 2例に明らかな減少を認め

の等一定で払い RPF糖尿病例平均 5309ccjrnin る 17KS量との関係は特に過血糖の 2例び 17

健常例平均 5495ccjrninである FFは8例正常 KS量の異常に高値の 1例を除けば その増量に伴

範囲 5例に上昇を認め糖尿病例平均 0253健常 い RPFの増大するが如き傾向を認めるが余り明確

例0201である でなし0

合併症を有するものの中で特に腎障害例に於いて FFの特lζ高値を示す 3例中症例 23は全例中

は腎「ク J値は何れも低下を示す 最高血糖値を示す症例で GFRの増大と RPFの減

bull bull

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 iζ関する研究 -2313-

第 5 図

A 4lsquo 1目

bull7

0lt 173

1叫

ノ g

o

cj7 も 7

bull ~

bull

bull bull

叫血糖15値 中 101210円〆 M 0 200 250 3DO 21111尿 417KS6FMhιd 14

15侭0

140

130

1201

1tOGFR

100

90

80

70

601

alsquo

o

0 bull

100

bull bullbullbull

bull bull 珂

1 空 ~ ~lsquo 30 T 1824-SP0 50 60 体重 15Rhodn_sp20 25 30

メ体rs

amp

yen

bull

70

RPF i

bull

bull

bull

bull3ωト

bullbull bull

100

200 250 300 10 12 148 書〕fioぁ417kscm6中5尿2150刊 吻 血 糖 値

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝lζ関する研究 -2315-

少を認める症例 18は 17KS量の異常に高値を示

す症例で GFRの増大と RPFの軽度の減少を認め

2 体液構成との関係

GFRとPVRhodan-Spとの間には特に認める

べき関係を示きない

RPFとPVとの関係は特に過血糖の 2例を除

けば PVの増加に伴い RPFの増大を来たす

RPFと Rhodan-Spとは特に相関を認めない

第4項 1日尿量 (第6図)

1電解質 早朝水試験前 1時間尿中 NaCl排

世量の著明な症例 2121829Iζ多尿を認める

梢多尿を示す群lと於いては尿中 NaCl量》血疑

Cl濃度共l乙梢低下している

2血糖値並ぱに 17KS量 特に過血糖を呈せる

症例lと多尿を認めるが 17KS量とは更に明らかな

相関が認められその増量につれて尿量の増加を認

ゆる

3体液構成 PVRhodanSpとの関係は著明

でないがその増大群に多尿の傾向がある異常に

17KS量の高値を示す 1例は著明な多尿を示し

PVRhodarトSpの減少を認める

4腎「ク J GFRと1日尿量とは著明な相関が

認められ GFRの増大に伴い尿量の増加をみる

RPFとは明らかな関係は認められない

第 II章総括並びに者按

第 1項電解質

糖尿病における電解質代謝異常はアチドージスと

密接な関係があるとされ Atchley(7)等はインシュ

リン治療中の NaKMgCaNの出納は正であ

るがインシュリン治療を中止してアチドーヂス

第 6匿 1日尿量と諸困三子

Na

rx血 1青海皮世量制働p犀柑t0 11で号(学制時間

)(

x x x X

x

xxetimes )(

)ltX

也~

1

x

times

-6

13ト 5

times

x 0

(

x

x

x

〉略

GK

tt42日 ふ04oj0

T詩uarr

句守 一日原量 ー日尿量

血稽

193乃bull

τ3

lsquo 12

~ bullltp

2500

0lsquoB 1 I II I I I I __1 I I I I I

1000Clt 1500 2000 2500

10

判0

e

G

もも -0 s

① ~ 唾 も 0

①① 18 bull

2729

13 0017

7 10

t LI I I_J I 1 1_1 I I 1 J I I I

1000 1500 官官00 2500 IQωcc 1500 2000 25ω

bull bull

bull bull

-2316ー 千 葉 医 学 会 雑 誌 第 35巻

η824古p

35

一-体重

0

色 軍 e ffJ(f)

aohe bull0

30

28 畠 丘0

bull bullbull ED

e 0025

0

40+ 0

e 20

30

15

10000C 1500 2000 2500 -500 1000 1500 2000 2500

RPFA

cγ冊

A

IltWト

130ト 8 700

11120ト025 6ω bulllto

bull 500ト

制~0 o

bullbullbull10

2001bull 仏炉目向 両昔T 1500 2000 2500

の状態lとすれば 乙れらの出納は負となるという 述の如く炭酸脱水酵素作用の異常と相侯って増加す

とれは糖尿病において定量的にケトン体の増量が る為ではなかろうか

認められこれが血液の固定アルカリを奪って尿中 以上糖尿病K於ける電解質の尿中排世量は概ね血

lζ排世する為と考えられている(わ 紫濃度に平行するがその代謝相はそれぞれ箱異つ

著者の成績に於いて血摂 Na濃度は軽度の低下 た態度を示し単にアチドーヂスK関係するのみで

を示し尿中排世量は僅かに増加の傾向を示すが ないものと考えられる

その濃度は低下している従って尿中排世増加は尿 血糖値と尿中 NaCl排世量との聞には一般に

量増加に伴うものである何れにしてもその変動が 殆んど関係を認め難くブドー糖による NaClの

軽度であるととは本症例が主として治療中のもの 再吸収抑制による排世増加は明らかではない 17

である為と考えられる CIK於いては血援濃度 KS量と比較的良く平行関係を認め尿中 NaCl排

尿中排世量及び濃度ともに健常例lζ比し明らかな増 i世増加を認める症例はいずれも同年令層の 17KS

加が認められるこれはケトン血症及び尿細管に於 値に比して増量を認めるかかる群の血疑 NaCl

ける炭酸脱水酵素作用の異常lともとずく代謝性アチ 濃度はその他の症例に比して高値を示している K

ドーツスによる Clの相対的増加とも考えられる に於いても略々同様の傾向を認め石が血糖値の影

Kは血緊濃度比著変を認めないが尿中排世量及び 響も受けて著明ではない即ち糖尿病の電解質異常

濃度は著明に増加するこれは脂肪乃至蛋白質か に於いて血糖値との関係よりも更に下垂体副腎

らの糖新生作用組織崩壊と細胞膜透過性の充進に 機能が密接な関係を有するものと考えられる

よる細胞内 Kの放出と共Ir MudgeBerlinerそ 第 2項体液構成

の他諸家のいう遠位尿細管に於ける K分泌作用が前 PVRhodan-Spは共lζ概ね正常範囲のものが多

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2317ー

いが Rhodan-Spに於いて高値を示せる 3例は

何れも血糖値高く PV 1[於いても正常範囲内であ

るが全例中最も高値を示している

血糖値と Rhodan-Spとの聞に明らかな相関を認

め血糖値の上昇に伴い Rhodan-Spも増大する

PV I乙於いては特に過血糖例に於いてその増大を

認めるがその他に於いては著変を認め難い

17KS量特に低値のものは過血糖に拘らず Rho-

Idan-Spの増加度は少く又過血糖の程度が僅に拘

らず Rhodan-Spの減少程度の少いものは 17KS量

の増加があり軽度ではあるが Rhodan-Sp1[対し

て 17KS量の関係も認められる

即ち糖尿病の細胞外液量は主として血糖によっ

て影響されその上昇によって増大するがブドー

糖の惨透 molは Naのそれに比し遥かに小さい事

より考えれば過血糖による細胞外液の惨透圧上昇

の他民糖質代謝異常に伴う細胞内脱水の関与も加

わると考えるのが妥当であろう以上により糖尿病

の細胞外液相は糖代謝異常に基く血糖値の高低並

びに 17KS排世量を通じて伺える下垂体副腎皮質機

能の如何によって調整されるものと考えられる

第3項腎クリアランス

糖尿病の腎「ク JI[関してはその充進否認めるも

の一定の傾向を認めないもの等種々の報告がある

がこれらは多く糖尿病の腎障害合併例を含めた報

告である糖尿病に於ける腎障害合併頻度は

BryfolgeDunlop日野〈9〉大森等の報告によると

20内外である

著者は合併症の有無により 2群に分けて腎「ク Jを

考察した

腎障害合併例に於いては GFRRPFRBF共に

正常範囲の下界乃至低値を示し合併症なき例に比

し一般に低値を示した

合併症を有せざる症例に於いては

1GFR 上昇を示すものが多く乃至は正常範

囲の上界を示す 17KS量の増加せるもの過血糖

を呈せるものに著明に GFRの上昇を認めた症例

182927の如き 17KS量の増量せるものは過血糖

の程度小なるも GFRの上昇を認め症例7は 17

KS量低値であり GFRは血糖値の程度に比して上

弁は少し副腎皮質機能の関与を推測せしめるが

一方症例2の如く GFR上昇例は 17KS量よりむ

しろ過血糖の影響と考えられる場合もある Frey

も同様に糖尿病患者の GFRは血糖値の上昇と共K

下垂体副腎皮質機能が極めて著明に関与すると述べ

ている仁木(10)は GFRと血糖値の聞に一定の関係

を認めず GFR低下者に 17KS増加を認め 17KS

との間l乙負の関係を示すと云っているがこれは腎

障害合併例を含む為にその関係が不明瞭となる為と

考えられる

体液構成との関係は PVRhodanSpともに認

められない

2 RPF 3357 cc minの低値から 6825cc min

の聞に広範囲に分布する

血糖値との関係は余り著明ではなく特に高血糖

を呈する 2例は PVの増大を認めたが RPFは著明

に低下を示している

17KS量との関係は余り明らかではないがその

増加につれて RPFも上昇する傾向を認める即ち

副腎皮質ホ Jレモンの作用は軽微であるが PVの変

動と平行して RPFも変動する

体液構成との関係は RhodanSpと RPFとは明

らかではないが PVとRPFとの関係は上述の

過血糖例の如き例外を除けば比較的明らかで一般

1[PVの増加K平行して RPFの上昇を認める

3FF 正常範囲内のもの上昇を示すものが相半

ばするが殊K著明な過血糖を示す症例又 17KS

量の増加例の如き PV減少により脱水症状を示した

症例に於いては FFの上昇が著明に見られる

第4項 1日尿量

古くから糖尿病の多尿は糖排世量と略々平行する

ζ とが知られていたこれはブドー糖の惨透圧利尿

の一典型と考えられ ζの際 NaClの再吸収は抑

制され尿中排世量が増加すると言われている近

時糖尿病の多尿は多くの場合糖排世増加のみによる

ものでないことが知られ多尿の原因として糖尿

電解質喪失アチドージス等が HinkleMeyer

Atchley及び Peters等によ b示され(11〉更に 17

KS排世異常一下垂体副腎系及び ADS異常一下垂

体後葉系の内分泌関与が矢野(12)PickfordVerney

等により示されている Freyは糖尿病の水分代謝

の因子として高血糖のみならず副腎皮質機能が関

与し 1日尿量の増加 GFRの増大は血糖上昇の他

1[17KSの増量と関連のある事を認め下垂体副腎機

能充進が極めて著明な関係があると考えた

著者の 1日尿量と諸因子との関係を検討した成績

に於いては 17KS量との相関は著明であるが 17

KS量の低下例に於いて僅かに高血糖の影響を受け

て尿量も柏増加する例をみる即ち血糖値との関係

は一般に軽度で 17KS量との関連がより密接であ

-2318ー 千 葉医 学会 雑誌 第 35巻

第 2表 水利尿と諸検査成績 I 糖尿病例

年稀釈力試験 1日|尿中 好酸球雌値l血張中濃度 T

令 時尿量 cc 1824-GFR全 17K 減少率 Sp

症 例日tr2時全 尿量 1日量 一m一g一fd11 Na IK 合併症その他l間両量4時間 ccmgd a 4時間尿糖量一一一一一一一larr

Rho-

(2時間f--ICl 総蛋白 dan-RPF

別 間量量 dayl day Sp e

1将 45 239 241 296 1400 46 551 15173

374 1940 73合 135 (223) 833 1093 705 319 34972

57 467 判制 1450 39 528 14084 CEJ稀釈試験 2時間4前 NPH 733 2150 112 〕イ ン シ ュ リ ン U 皮下

合 266 (304)1 1531 1116 756 338 33573 注(不適〉

3渡 60 432 243 1400 39 560 12638

1860 合 ( 432) 350 1222 798 348 64906

4 中 49 379 366 241 1483 39 570 15780

867 1850 109 A梅毒 肝腫合 488 (223) 220 1185 852 277 85193

池 46 482 363 237 1483 38 468 11046副J血 尿血蛋圧白 (1十74)~96510 1034 1540 95 正 552 (189) 220 1074 763 276 566 腎症 眼底糖尿病性網膜炎

65 447 200 236 1443 36 390 11549

921 1360 15

474 (0) 300 1073 698 277

71き1213

299 210 626 9570 血圧 105--0915 1670 83 脚気 第二肺動脈音充進(267) 365 10791 317 31834

8 立 58 916 1533 465

1370 1540 77 281 I

453 (200)1 250 1150 783

9市 191 1457 44 420 10586

1089 1350 31 1(430) 591 120 1090 861 286 51230

+51~ 797 189 1557 475 必 71廿1245

448 ( 469) 200 1295 90 253 1605

53 502 514 175 1433 48 443 10108 動脈尿蛋白 i一〉11 650 2030 71

合 148 (514) 150 1116 783 317 44616硬化症血 圧匠 60--114 限 KW n

市 52 388 936叶 173 1325

12 31 548 20 1114 86 206

木 52 776 十110 164 1543 60 329 15100 13 1010 2370 193

恵 合 234 (40) 50 1191 822 224 41814

姥 70 270 232 158 1450 48 483 動脈 尿蛋白 (1ー20〉~

14 662 1290 63 ⑦硬化「 血 底圧 80合 392 (128) 270 1302 822 219 心障 筋碍 眠 KWII

勝 50 582 223 158 1414 43 435 11087 15 956 850 54

374 (278) 90 1278 822 195 50363

内 59 774 286 158 1433 39 12101 r yen

16 1160 1640 73 注 血 底圧 70--100 390 (229) 22 1100 744 -- 眼 KW工

鈴 58 497 482 41 403 8239 腎症尿蛋白 1(5十0~)72

17 820 1980 117 693 315 28935 動 脈 血 圧底

合 323 ( 447) 1081 1074 硬化症眼 KWlli

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2319-

18 椎52

49

200

(234)

157

70 12041 90

408

170 (尿血蛋白 (170~)90

402791~ 眼 圧底 KWI

19 鵜

54

325

380 705 73

(200)1 80

1567

1365

46

862

539

185

10024

68254

20 池

55

743

128 871

120

32

1500

1132

34

71

366

198

21 佐 48合

843

550 1393 1740

469 107

(405)

120

20

1550

1389

47

852

422

251

13260

65505

1|阿2210 合 3卜148 1620 5121m|附 365

(575)1 161 1067 783

E 健常例

年 尿量 cc 1日尿17K中S

好酸球 血糖値 血築中濃度 T

1824-GFR 令

前 全全 減少率 mgdl Sp

症例 尿量 1日量 Na 1 K Rho- 備 考

性 一22時時蚕間間~14時間 cc mgday 4時間 尿糖量 dan-RPF

5JJj 時間量

day (2時間) g Cl 総蛋白 Sp

1中 20 865 367

1139 1701 274 (ー) 280

2増 22 727 446

1065 1387 合 338 (一〉 321

3 出 26 1140 502

1295 1732 合 155 (一〉 286

4 山 28 845 583合 245

(一) 291

5鳥 24 1220

17821338 合 118 (--)

6岩 27 1210 101 1596 39 388 11155

1328 118 (一) 1037 938 3633 79350

7戸 32 1035

1094 1603

59 (一〉 994 835 13805

8 諸 47 860 1460 40 408

1029 -合 169 (一〉 1027 752 2913

9 菰 36 907 1457 48 386

1139 合 232 (-) 994 783 2600

金 22 932 51 10 1063

合 131 (一) 11080 823

斎 36 1013 1144 11 131

(ー〉

11NωNOs-

第 3 表 水利尿と諸検査成績(平均値〉

〔註尿中電解質は水試験前値J C合併症を有する例を除く)

電 解質そ の 他 (前値〉体液構成 腎「ク J 値 水利 尿

Na C1 K 糖 総蛋白

m血四iE援mqE尿UE中qI E血dIEg糖lf尿d a中y

m血d淫援r117KS Eosin 1日尿量

4時間T 1824 Rhodan

GFR RPF FF 尿 J主芸ELt 排世比 Space Space

mgday 一 cc cc

健常例 15113715154 JZグ内 1608 446 309 1037 5495 0201 11580 019

良好例

JfとfylM294 1687 402 259 1273 5476 0245 12030 051 (1000cc以上〉

糖 I工G群Bc

71Jケ m208 1056 397 209 1162 4532 0262 9244 068

遅 8J0ccー戸〆

尿延 E而群c とJケ叩 321 1653 550 284 1261 E604 0258 4040 084

病yen 以J下

仰1

こ7ケ明例 平均 264 1280 454 237 1212 5175 0259 7290 071

全例平均 lJJ381134A 631j 4104JflJブ 721 280 1470 434 246 1240 5309 0253 9502 059

H

部 ω印時

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2321-

る ADH抑制作用と異る点がある

Gauntは抗利尿ホノレモン (ADH)の分泌抑制及 即ち副腎皮質機能の充進は櫨過量の増大と尿細

び血中 ADHの不活性化は副腎皮質ホノレモンの充分 管K於ける水分電解質の調節異常に関与して多尿を

な存在によって促進されると述べている然し過血 来たすものと考へられる

糖に於ける多尿に際し NaCl排世量の増加が少

い事より過血糖の多尿は Osmotic diuresisの他 第3篇糖原病の水利用

ι 一定限界を超えた高血糖が血撲惨透圧を軽度に 合併症を有する 6例を含む糖尿病患者 22例に水

充進し Homer SmithVerney(13)等の言う Os- 1L負荷して稀釈力試験を行った

moreceptorを介して ADH 抑制作用を現わし多 合併症なき 15例中水利尿良好例(尿量 1000cc

尿を来たすものと考えられる然し多尿の原因とし 以上) 7例遅延例工型 (1000cc---800cc) 5例

て副腎皮質ホ Jレモンの関与がより強く考えられる 遅延例E型 (800cc以下) 3例を認め之等諸群と

即ち 17KS量と 1日尿量 GFRと1日尿量 17KS 健常例 11例とに就いて比較検討した

量と GFRは夫々極めてよく相関が認められる叉

17KS量増加に伴う多尿に於いては電解質殊に Na章 I章検査成績(第 2表〉

排世量の増加が特徴的であり穆透圧克進による 第 1項水利尿と諸因子(第3表第7図〉

第 7図 水利尿と諸因子 (合併症を有する例を除く) 管02

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主主主-2322ー 千 葉 医 弓f- 会 雑 誌 第 35巻

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2323-

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1電解質 試験前 1時間尿中の NaClK量及 2NaCl 健常例の NaCl排世像は水負荷

びその血撲濃度と水利尿との聞に相関は認められな 直後水利尿発現初期比軽微の排世増加を認め利尿

期には寧ろ排世減少し 3時聞をきの濃縮移行期lζ再

2血糖及び尿糖 水利尿と比較的よく負の関係 び電解質排世増加の最も高い時期となる糖尿病の

を認め著明な過血糖例の 4時間尿量は極めて少い 水利尿良好例に於いてもこれと略々同様の変動を示

3尿中 17KS1日排世量及び好酸球減少率 水 すが利尿初期の排世増加が著るしくなっている

利尿良好例には 17KS量の増加好酸球減少率の高 遅延例も良好例に類似した変動を示すがその変動

度なるものが多く過剰排世型の傾向を示す遅延 は極めて小さい

例E型K於いても 17KS量の増加好酸球減少率 良好例のうち症例 8102122遅延例 E型のう

の高値を示す傾向を認める o ち症例 1の如く著明な NaCl排世を認める症例

4 1日尿量 水利尿と 1日尿量との聞に明らか は何れも尿中 1日17KS排世量は比較的高値を示し

な関係を認め難いが異常な 17KS増量例及び著明 こ良好例のうち症例 9遅延工型の症例6は全4

な高血糖例を除けば水利尿の程度と 1日尿量とは 時聞を通じて NaCl排池ー量は低値を示しかかる

柏平行する傾向を認める 症例の 1日尿中 17KS排世量は最も低値で最大利

5体液構成 T 1824-Spaceが正常範囲内で 尿時尿量は低下し最大利尿発現時も遅延している

正常の上界値を示す症例に於いて水利尿は遅延E型 3 K 良好例及び遅延 E型のKの変動は健常

を示す Rhodan-Space Ir於いても同様の傾向を認 例に類似しているが遅延工型に於いてはKの排世

める は比較的少い

ι腎クリアランス 著明な過血糖例及び惨透圧 4 17KS及び好酸球減少率 水利尿良好例に於

上昇K伴う PV増大例及び異常な 17KS増量の 1例 ける水利尿時 17KS排世量及び好酸球減少率は最も

を除外したその他K於いては GFRRPFの増減 著明である

に応じて水利尿も増減する傾向を認めるが著明で 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比(第4表

ない 第5表)

第 2項水利尿時諸排世像(第8図) 1 諸排世量 (第9図)

1尿量 最大利尿時尿量は健常例が最も多く 尿量の糖尿病全例平均は健常例K比し減少を認め

以下水利尿の程度に従って順次低下し最大利尿発 る

現時も順次柏遅延の傾向を認める水利尿良好例及 NaCl は水利尿良好例に著明な排世量増加を認

び遅延例工型lとても最大利尿時尿量の比較的低下例 める遅延例E型も症例により排i世増加を認めるも

を認めるがかかる症例の最大利尿発現時の遅延は のもある

著明である 排世量の平均値では良好例に NaClの増加が著

-2324ー 千葉医 学会 雑誌 第35巻

00 cc

第 8図 水利尿時諸排世像(合併症を有する例を除く)

健常例 良好例

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝花関する研究 -2325-

遅延例工型 遅 延 例 E 型

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-2326ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 4表 水利尿と諸排池ー量 工 糖尿病例

年 尿量 cc Na量 Cl量

KIIlE量q 17KS量 | 尿 糖 量

メHLmEq mEq mg g

症例目Ij

全前 l全 刷 全目Ij

全目IJ 全日Ij 全 合併症その他

f生 22時時後間間4時間|22時3問間時間1晶時間114時間22時時後間間 22時時後間間4時間占2時時後間間別 4時間 4時間

2879 151 144

135374 1791 4145 4914 1587 264

合 2035 595 113 113

2酒 57 467 2196 1803 601 036 H稀釈試験 2時間前4 NP

733 4795 4399 799 インシュリン u皮 合 266 2599 2596 198 145 下注射(不適)

60 93 11931065181I1 1669

538 048 709 822 070 772

合 40 423 284 022 063

4 中 3440 882 119 068

8194 2039 207 160 A 梅 毒 肝腫 合 488 4754 1157 088 092

池 46 482 4457 l別 869 125 138

510 1034 90811 111868 1623 259 179 腎症正 552 4624 5935 754 134 041

6染 65 447 683

792 033

921 1011 13 066 474 51 663 332 033

7浅 31 517

|「ど71 458

9151 111 1520 717 脚気 398 4141 1 649 259

916 2174 3138 093 1288) 0

1370 5035 589 1596 453 2260 2752 617 035

498 771 1405 464 9) 0

1089 1472 3010 933 591 701 1605 469

立 58 797 3589 1139 10 1245 3771 5438 334

448 1278 1849 598 095

53 502 1233 1496 693 082 067 11 650 2265 2875 1140 145 084 動脈硬化症 148 1032 1379 447 063 017

市 52 388 834 911 12 936 1743 3477 1977

548 909 1872 1066

木 52 776 2066

吋 lm13 1010 3951 6198 1570 百-三~ 合 234 1885 26151 1 599

蛇 70 270 662

1322 1887 654 動脈筋硬障化症14 2558 3760 1212 ⑦む 碍 合 392 1236 1873 558

582 956

1273 257q叫 535 076

15 2358 244

315013 9i6 148 374 1085 381 072

内 59 774 2162 944 200 16 1164 301 3168 1271 307 注 390 857 909 327 107 L J 眼底 KW工

17 820 410198 300 腎症 合 323 7 2221251079224060093動脈硬化症l|145110331オh1410ぺ|叶11|鈴

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝lと関する研兜 -2327ー

52 620 18 椎 (血底圧 170~901707 4335 11 6 318 651 注

眼 KWI041 1 4091764 ~17

54 325 662 097705 54 785 1 6419 0鵜 11 1 875 380 492 338 067 014

55 743 977 1915 415 20

池 128 871 2043 3315 800 1066 1400 385

48 843 2338 3796 1208 140 佐

21 42761393 6368 1994 204550 1938 2572 786 064合

2481lz卜147判|州|吋 E 健常例

年令尿量 cc

Na量 Cm1E量q KmE量q 17KS量 尿糖 量 mEq mg g

症例

22時時前後間間 4時且八間

別全

22時時i後iiJ間間 4時~間122 時時前後間間 4時一一A 間 22時2削聞間 4時~間 2J時前間問 4時こ八に間備 考

a別性 22時2「間目nl4時間

1 中 20 709 1752 855

2741 1139 1653 3212 1471 944 1460 616

2ぎ 22 727 1065

823 2683 724 1658 41 11 1638

合 338 835 1428 914

3出 26 1140 3422 1297

155 1295 4038 5682 2115

合 21 98 2260 818

4lU 28 845 988 21 99 630 1090 21 07 3899 986

合 245 11 19 1700 356

515 24 1220 1625 2034

1338 2571 31 1084 合 118 946 1144 382

1210 445 1077

1317 2162

371 1328 629 118 632 845 258

71~ 32 1035 725 1698 991

1094 1601 2217 11 84 59 876 519 193

8ぎ 47 860 737 1993 1 66 1029

603 1340 2703 236

合 169 710 070

9菰 36 907 1377

2605 2461 800

1139 3725 144 1合 232 1228 1264 64 1

金 22 932 726 1486 832 10 1063 1538 2412 1078

合 131 812 926 246

斎 36 1013 1957 478 739 11 1144 2812

539 1017 1188

131 855 449

-2328- 千 葉 医 学 ムヨミ 雑 誌 第 35巻

第 5表 排世量及び排j世比(後前)(平均値)(合併症を有する例を除く)

尿 主主ヨ豆lsquo Na Cl K 17KS

前川~stl 前 知 吋 比 前 2st門比全 4時 間 量 比 全 4時間量比 全 4時間量 全 4時間量 全 4時間量

974 184 1000 1019 2105 1226 737 449 061健常例 019 102 058

1158 2019 3331 1186

795 408 2153 1487 2997 1994 924 533 168 075 良好例 051 069 067 058 045

1203 3640 4991 1457 243

糖 工 555 368 913 868 1869 1628 621 513 064 069

群 066 095 087 083 107

遅 923 1781 3497 1134 133

尿 218E 185 1261 902 1650 1174 659 406 099 068

延群

084 072 071 061 069

病 404 2163 2824 1065 167

J1j 429 299 1042 881 1787 1458 635 473 082 068 平 070 084 082 074 084 例 均 728 1923 3245 1108 150

全例 600 350 1561 1164 2352 1708 769 501 058 075 073

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1 187 061

平均 950 2725 4060 1270

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48

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2329-

明で遅延E型に於いても Na排世量が柏増加する すlarr

傾向を示す Clは健常例 058糖尿病例 073で後半の増量がよ

KはClと略々類似せる傾向を認める り大である

17KS排j世は Na排世l乙略々平行するが如き傾向 Kは Clと類似の傾向を認めるが症例 12 1[於い

を示す ては117と著明な上昇を認める

2 諸排世比 (第 10図〉 1 諸排世量及び比と諸因子

水稀釈力試験時の各排世量の後半 2時間量l乙対す 諸排世量(第 11図〉尿量と血糖値との関係は中

る前半2時間量の比を以って排世比とした 等度以下の過血糖の症例lζ於いては血糖値の土井

尿量の平均排世比は健常例 019糖尿病例 058 氏伴う尿量の減少は軽微であるがj著明な過血糖例

で後半排世量増加を示し水利尿良好なもの程小で を呈せる症例は尿量は極めて少い 17KS 1日量と

あるがその関係は余り著明でない症例 6912 の関係に於いてはその増加している症例に精尿量

19の4例は排世比の上昇著明で10を越える の増加する傾向を認めるが著明でない

Na は健常例102糖尿病例 075で前半排世量の増 NaClKの電解質排世量と血糖値の関係は余り

加を見る症例 6912は10を越える排世比を示 明確でなL0 17 KS 1日量とは明らかに相関を認め

第 10図 水利尿と諸排世比 (合併症を有する例を除く)

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-2330ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

る て電解質排世比の僅かの上昇を認め叉尿量排世

諸排世比(第 12図)諸排世比と血糖値との関係は 比に於いても 17KS減少例及び症例 19 K上昇を認

認め難く叉 17KS量との関係も一般に著明ではな める

いが 17KS 1日量の特に少い症例 69121乙於い

第 11図 排世量と諸因子 (合併症を有する例を除く)

〔血糖との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2331ー

〔血糖との関係〕 [17KS 1日量との関係〕ー

25ト

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第 12図 排世比と諸因子 (合併症を有する例を除く〉

〔血糖値との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

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-2332ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

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〔血糖値との関係〕 [17 KS 1日量との関係〕

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100明弘a 150

c0

100明 11 200rnJdl

150

10b夜間 200

第 II章総括並びに者按

300

250

Os06

一一一_L 250 300

lC

08

也6

Q4

2345amp789 叩 11 12匂勾

JSLJ一一よ 0 1 I 7 8 9 10 12閉め匂 11

G

一」一一よ一一J一一」一ーーーー-

8 11 12吻匂

109

第 1項水利尿と諸因子

電解質との関係 水試験前値の尿中電解質排世

糖尿病K於ける水分代謝の問題殊に 1日尿量 量及び血察電解質濃度と水利尿の程度には一定の関

と水試験時の如き急激なる体液変動を惹起せしめ 係を認め難く試験前電解質量または濃度によって

た場合の水分代謝とは当然同一視得ないものがあ 水利尿は影響を受けない

ると思われる 血糖値との関係 血糖値と水利尿との聞には負

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2333ー

の関係を認めるが著明な過血糖を呈し PVRho- の遅速は一定でない乙れは血糖値の上昇せる為

danSpの増加を来たす様な症例は水 1L負荷にょ に ADH作用抑制によって起る水利尿反応が鈍化

つでも OsmoreceptorVolume receptorを介し され得る故であろう

て起る ADH分泌抑制の度が小となり水利尿反応 水利尿の良否lζ拘らず最大利尿発現時の遅延する

が少くなる為か尿量は極めて少ない過血糖中等度 症例は 17KS量の低値の例及び血疑 Na濃度が他

以下の症例は PVR対する影響も少く 尿量減少 の症例広比し高値を示す症例で何れも水利尿時の

の度も軽度である NaCl排世は殆んど尿量と関係なく減少している

17KS量との関係 17 KS 1日尿中排世量の増 電解質排世像は水利尿良好例に於いては健常例

加に従って尿量増加の傾向を認め特に過剰排世型 と異なり利尿発現初期に著明な Na排世のピーク

の傾向の認められる症例に 17KS量の増加を認め を見るこれは何れも 1日尿中 17KS排i世量増加例

るかかる症例は何れも GFRの増大と尿中 Na である遅延例工型は 17KS量の増加せる例少く

Clの排世増加を認めた例である 電解質排世も著明でなく略々健常例に近い排世像を

然し症例 13の如く 17KS量異常に高値で多尿 示す遅延E型は水排世遅延最も著明にも拘らず

lとより PV減少を呈せる脱水症例では水負荷によ 電解質排世像が良好例比類似して比較的著明な症例

りPVの変動は強く現われるが排世尿量は少い を認めるが ζれは 17KS量の増加を認める

叉著明な過血糖例及び症例 19の如く血疑 Na濃 更に症例 9612の如く 1日尿中 17KS排j世量

度が比較的高値の症例は間脳ー下垂体後葉系並びに 低値の症例は水分排世量に関係なく終始 Na排世

下垂骨前葉一副腎皮質系の内分泌機序の連関性の失 の増加が認められない以上の成績と過剰排世型を

調の為か 17KS量比較的増加しているにも拘ら 示す症例l乙1日尿中 17KS量の増加を認める事より

ず利尿は遅延する 考えれば水利尿時尿量の増加は GFRの良好なる

1日尿量との関係 一般に水利尿との相関を示 事と相侯って副腎皮質機能の比較的健全なるによる

す傾向にあるが特に過血糖を呈する症例及び異常 ものと考えられる唯し症例 13の如く 1日尿申 17

rc17KS量の増加せる症例に於いては前述の如く水 KS排世量の異常に高値の症例に於いても利尿初

利尿時の尿量を抑制する 期の Na排j世のピークは柏低く血媛 Na濃度の低

即ち 1日尿量lと於いては恒常的な腎機能及び 下も殆んど認めない場合もある

体液構成等の因子が関与し水利尿に於いては急 ClK の排世像も同様の傾向を示すが Na程著

激な PVの量及び質の変動が主要なる役割をなすも 明でない

のの如くである 以上を要約すれば血糖値の上昇例は最大利尿

体液構成との関係 PVの比較的増大している 時尿量を減ずるが最大利尿発現時聞に特に影響を

症例に於いて水利尿時尿量の抑制を認めるかか 認めない又 1日尿中 17KS増量例は電解質特に

る症例は著明な高血糖を呈し又は血緊 Na濃度の Na排粧を増加し利尿初期は特に著明である ζ

比較的高値の症例である れに反し 17KS量低値なるものは Na排世増加を認

腎クリアランス値との関係 GFRRPF共に めずそれに伴い最大利尿発現時を遅延せしめ最

水利尿の程度と精関係を認めるが前述の特に水利 大利尿時尿量も柏低下せしめる

尿を遅延せしめる因子の存在する症例に於ては腎 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比

機能の如何に拘らず水利尿時の尿量は少い尚 尿量は糖尿病例は柏減少し水利尿の遅延するに

Smith及び永峰(14)によれば稀釈試験時KGFR 従ってその排世比も柏増大する

RPFの変動は殆んど認められないと言われている 電解質排世量及び比共l乙水利尿の良否とは特に相

以上主要な水利尿遅延因子としては腎機能の 関を認めないが水利尿の良好例K排世量の増加を

良否は当然考えられるべきではあるが更に ADH 認める

並びに副腎皮質ホ Jレモンの分泌機序の異常も強く関 血糖値との関係はその上昇するにつれて水利尿時

1乙殊に甚しく叉l尿量は減少し著明な過血糖例 L与することを考慮しなければならな

第2項 水利尿時諸排世像 日尿中 17KS排世量は尿量との関係は軽度で電解

尿量の変動は水利尿良好例遅延例工型 n型 質殊に Na排世量との相関が明らかである乙れ

買に最大利尿時尿量の減少を認めるがその発現時)1の は血糖上昇の際は AD町分泌抑制が主で 17KS増

-2334- 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 6表 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

工 諸排i世量及び諸排世比

排 17 KS K 糖

水単独 水物単併独

ClNa尿薬

備 考水物単併独水単独用 薬水物単併独用薬水物単併独用症 薬用薬物併薬用併負荷用薬負荷物び

例『番比

物号

1164 050 3019 035 307 053 16 内 1321 041 141 067 1252071 4393 04814043

40 1148 019 3836 057 4964 050 1096 044

ブ 22 阿 O田1048 056 2003 118 3328 078 1237 067 ド

糖 1010 030 3951 091 6198 073 1570

40cc 13 木 O恵 前|1023 035 1677 120 2969 084 947

静 伊i 1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053

平均 11081 0531 2690 073 3446 063 11681056 141 067

除全遅 026 3006 031 12回511i022 224 054 四 a119 動脈血圧 150--72併例合延 17鈴 O

11391 1171 4147 077 3348 068 1380 108 330 086 硬化症眼底 K WJII 症

055 4334 051 12971040 265 054例例平 全例

11151 0661 3054 075 3422 064 12211068 240 0793 4 -

1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053除合併 均 症例 1108 053 2690 073 3446 063 1168 056 141 067

1370 049 5035 082 5890 087 1596 063 128 038

量及

良 8 立 972 077 2017 089 3996 068 1015 054 267 051

1089 118 3010 114好 9l市イ 1161 057 2375i 039 4969 039 037

096 1265 075 1229 074 3298官uシ平 均

ユ 1066 066 2196 058 4483 051 1939 041 2671051 リ

093 1140 064 650 029 2265 ン 硬化症 血圧 60~114

眼底 KWJI 11 小 O

1025 028 4465 06614998 091 1313 059 5u 遅

静 0752 6 4 |i曲胡00 374 057 4145 0761 49141071 1 5 87 2570 078 1将 O注

延例

-園平均

除全 メロL ou 併 除合併 症 症例

488 033 4598 0541 564 64057 12801 071 362 065

512 038 3205 13641 0621 264 075 hellip街lm756 030 4532 0601 5323 072 12961 0531 362 065

374 057 4145 4914071 075 075d4i

968 005

例例 平均

3 4匂圃4

4012801057 714054 56033 4598 488 362 065 61

4172 087 1314 061871 062 平 全例

911 049 059 4903 061 1618 315 058

944 071 3580 082 4605 086 1373 069 196 061 除合併 均 症例 873 059 2997 056 4871 053 1719 042 315 058

良 10891 11911562 103 好 市 304111

t列U9 0110161 17911705087 44601 13111212 1

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 K関する研究 ~2335ー

0959判 1岨15 C A

106 14171 033 48011063 10161 0641 321 083

938 051 1707 069 1163 054 1 88 1 24遅 18 椎 O

1018 1 25 1717 075 5067 095 1597 096 528 0805mg 圧底 KW 1

静 2558 093 3760

延 14姥 O 暖動 化 脈症(蛋血圧底白〔 120〕MBO注 8691 1 75 1864 057 3514 0671 1238 094 心筋障害眼 Kwn

852 074 2208 087 4369 087 1097 069 1 68 平ー均 ou除全 881 1 32 1666 054 4441 075 1284 086 425 081 玉メ口

併 除合併 947 058 2032 083 4674 082 1039 061 168 1 10症 症例例例 888 117 1567 053 4934 078 1306 082 425 081平均

911 085 4029 09 1 1056 076 168 1 10平 全例--

3 4

915 1 44 16761062 4446 087 1266 094 425 081

1876 088 1005 1 10除合併 均 症例 0941425 08138 1613064 4767i 092 12751 1

4276 0~83 1994 065 204 046 21 佐

1305~ 034 3563 048 5976 054 2283 037 255 029

T H

---

1245 056 3771 051 5438 051 1737 053 334 039 良 10立

1182 057 2324 045 4097 5421 45 076 280 066 チ

1034 1 15 9081 100 1623 087 259 011 1 78 029ソ好 5 池 O正

ン 眼底糖尿病性638 031 3226 01313201 034 1693 042 225 023 252 043 網膜炎

50 町 19例

1224 073 5709 084 7891 078 1784 066 266 058 178 029 平 均

内 1051 041 3038 033 4424 049 2040 050 253 041 252 043

服 除合併 1312 061 4024 067 5903 0印54111861541i 059

268 042

1243 044 2934 047 5036 054 2214yen 054 267 046例

遅延

症例 平均

--705 1 17 1154 074 1948 081 785 076 164 068三除日全』

19鵜 O1220 063 2328 076 6213 057 1705 063 232 079併 例

症例例 079 4570 084 1535 068 240 060 178 029

平 全例3 4 1093 046 2860 040 4872 052 1956 053 248 049 252 043 -- 1114 070 3067 068 4585 062 233 048除合併

均症例 1235 050 2738 054 5429 05512044 056 255 056

921 104 1345 097 792 072 066 103プ 6 染 O

900 05511504 036 2076 035 1161 039 1 39 049レ 遅ド

ーー 207 074 1 59 135ン 延 4中 O

867 129 5865 梅 毒 肝 腫A

25285655 0541051 26631057 6140571 56868 041 464515 mg

例 133 043 1190 8221053 070 045 g 渡 O内

初日--服

合除全 平

併症

例2例3 均_

414 012 1440 0211 23191 020 11 161018 1 53 031

640 1 09 2688 1 15 3736 1 16 12181094 1 14072 全例

727 040 2529 044 3347 039 16471042 149 044 8561252

527 095 1101 074 1507 073 068 068除合併症例 657 038 1472 029 21 97 027 11441028 146 039

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

出町

主昨

ゾ判〕

〔民本零時〕

〔認

E

gom

ehln

入ヘ

-5組椎

続出入 5

吋ふ入

γ

N4

特〕

-S

-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

g

h-

軍区民主切

回同入刊にふ

思組権回出回国Hυ〈

〔匝誌零時〕

言語

ヨ昨

五円〕

〔匝芯零時〕

〔題

活性

キ毛

NW

E酬

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2309-

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第 1 図

〔血糖値〕 [l7K S量〕

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-2310ー 千葉医学会雑誌 第35巻

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を以って現わし外挿法lζて求め ECFはロダン法 1尿中排世量(及び濃度)498mEq (1019mFq

lとより Rhodan-Spaceを以って之を現わした腎 1)で健常例平均値 1517mEql354mEq (1151

「ク J試験は糸球体属過値 (GFR)はチオ硫酸ソー mEql)に比し血祭及び尿中排班濃度共lζ柏低下

ダfクJI乙より腎血媛流量 (RPF)はパラアミノ馬 し排世量は僅かに増加の傾向を示すが著明でな

尿酸ソーダ「ク JIcより測定し Ht値より腎血流量 い

(RBF)を又 GFRjRPFより臆過率 (FF)を求 血糖値とは有意の関係は認められないが特に過

めた 血糖の症例に於いては血撲濃度及び尿中排世ともに

17KS量の高値の例を除いては柏低下の傾向を認め第2篇糖原病の諸因子 る

第I章検査成績(第1表〉17KS量との関係は血紫濃度尿中排世量とも

に 17KS量高値の症例lζ上昇を認め特にその排世

第 1項電解質及び血媛総蛋白濃度 (第 1図) 量は著明に増加し低値の症例はともに健常例より

合併症なき糖尿病 13例K就き血紫電解質濃度 も減少している

TP及び尿中電解質量(早朝水試験前 1時間量)と 2 Cl 糖尿病例平均血撲 Cl濃度1176mEql尿

血糖値及び 17KS量との関係を検討した 中排世量(濃度)76mEq (1731 mEql)で健常

1Na 糖尿病例の平均血疑 Na濃度 1464mEq 例は夫々 1026mEqjl 449mEq (1444mEql)

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2311ー

で何れも糖尿病例に増加を認める

血糖値並びに 17KS量との関係は Naと殆んど同

様の傾向を認める

3 K 糖尿病例平均血媛濃度 44mEqjl尿中排

w量(濃度)34mEq (671 mEqjl)で健常例は

夫々 45mEqjl015mEq (48 mEql)で血撲

濃度に変動は認めないが尿中排世量及び濃度は著

明l乙増加している

血糖値並びに 17KS量との関係は他の電解質と同

じ傾向を認めるが過血糖例に血緊K値の低下が柏

著明である

16 T1824-Space Rho合併症なき糖尿病 例の 司

bullbull

4 TP 特に過血糖の症例lζTPの低下せるを認

めるが一般に略々正常範囲である

17KS値とは特に関係を認め難い

第 2項体液構成 (第 2図第3図)

第 2図 体

T 1824-Space

bull lsquo2 04

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40+

18

dan-spaceは共に概ね正常範囲内にあるJ) 糖尿病

例平均値は T1824-Space 434体重 Rhodan一

Space246体重で健常例平均 446体重 306

体重に比し Rhodan-Spaceの減少を認めるo

1T 1824-Space 血糖値との関係は一般に認め

られず略々一定値を示しているが特に過血糖を呈

せる 3例は正常範囲の上界を示している

17KS量との関係は更に明瞭でない 193 mgj日

と異常に高値を示した症例 18 Iζ於いては寧ろ 329

予母体重と低値を示す

2Rhodan-Space 血糖値と極めてよく相関を

認め血糖値の上昇lζ 伴って RhodanSp も増大

し特lζ過血糖を呈せる 2例は正常範囲を超えて高

値を示す

17KS量との関係はその増加に伴い柏 Rhodan

Sp も増大する傾向を示す症例もあるが余り明ら

主主主邑L液

RhodanSpace

却IEす 0U32 0B4i $e bull

bull bull A bull

第 3 図

〔血糖値〕 (17 KS量〕

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かでない1血糖値並びに 17KS量との関係

第3項 腎クリアランス (第 4図第5図) GFRは特に過血糖血糖を呈する 2例に増大を認

合併症を有する 10例を含む 25例lζ於いて腎「ク J めるがその他民於いては血糖値との関係は明確で

値を測定したo ない 17KS量との関係は血糖値の場合よりも明ら

合併症なき糖尿病例に於いては GFRは増加し かに認められ大部分はその増量につれて GFRも

糖尿病例平均 1240ccjrnin 健常例 1037ccjrnin 増大している

である RPFRBFは増加せるもの低下せるも RPFは特に過血糖の 2例に明らかな減少を認め

の等一定で払い RPF糖尿病例平均 5309ccjrnin る 17KS量との関係は特に過血糖の 2例び 17

健常例平均 5495ccjrninである FFは8例正常 KS量の異常に高値の 1例を除けば その増量に伴

範囲 5例に上昇を認め糖尿病例平均 0253健常 い RPFの増大するが如き傾向を認めるが余り明確

例0201である でなし0

合併症を有するものの中で特に腎障害例に於いて FFの特lζ高値を示す 3例中症例 23は全例中

は腎「ク J値は何れも低下を示す 最高血糖値を示す症例で GFRの増大と RPFの減

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 iζ関する研究 -2313-

第 5 図

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝lζ関する研究 -2315-

少を認める症例 18は 17KS量の異常に高値を示

す症例で GFRの増大と RPFの軽度の減少を認め

2 体液構成との関係

GFRとPVRhodan-Spとの間には特に認める

べき関係を示きない

RPFとPVとの関係は特に過血糖の 2例を除

けば PVの増加に伴い RPFの増大を来たす

RPFと Rhodan-Spとは特に相関を認めない

第4項 1日尿量 (第6図)

1電解質 早朝水試験前 1時間尿中 NaCl排

世量の著明な症例 2121829Iζ多尿を認める

梢多尿を示す群lと於いては尿中 NaCl量》血疑

Cl濃度共l乙梢低下している

2血糖値並ぱに 17KS量 特に過血糖を呈せる

症例lと多尿を認めるが 17KS量とは更に明らかな

相関が認められその増量につれて尿量の増加を認

ゆる

3体液構成 PVRhodanSpとの関係は著明

でないがその増大群に多尿の傾向がある異常に

17KS量の高値を示す 1例は著明な多尿を示し

PVRhodarトSpの減少を認める

4腎「ク J GFRと1日尿量とは著明な相関が

認められ GFRの増大に伴い尿量の増加をみる

RPFとは明らかな関係は認められない

第 II章総括並びに者按

第 1項電解質

糖尿病における電解質代謝異常はアチドージスと

密接な関係があるとされ Atchley(7)等はインシュ

リン治療中の NaKMgCaNの出納は正であ

るがインシュリン治療を中止してアチドーヂス

第 6匿 1日尿量と諸困三子

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-2316ー 千 葉 医 学 会 雑 誌 第 35巻

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の状態lとすれば 乙れらの出納は負となるという 述の如く炭酸脱水酵素作用の異常と相侯って増加す

とれは糖尿病において定量的にケトン体の増量が る為ではなかろうか

認められこれが血液の固定アルカリを奪って尿中 以上糖尿病K於ける電解質の尿中排世量は概ね血

lζ排世する為と考えられている(わ 紫濃度に平行するがその代謝相はそれぞれ箱異つ

著者の成績に於いて血摂 Na濃度は軽度の低下 た態度を示し単にアチドーヂスK関係するのみで

を示し尿中排世量は僅かに増加の傾向を示すが ないものと考えられる

その濃度は低下している従って尿中排世増加は尿 血糖値と尿中 NaCl排世量との聞には一般に

量増加に伴うものである何れにしてもその変動が 殆んど関係を認め難くブドー糖による NaClの

軽度であるととは本症例が主として治療中のもの 再吸収抑制による排世増加は明らかではない 17

である為と考えられる CIK於いては血援濃度 KS量と比較的良く平行関係を認め尿中 NaCl排

尿中排世量及び濃度ともに健常例lζ比し明らかな増 i世増加を認める症例はいずれも同年令層の 17KS

加が認められるこれはケトン血症及び尿細管に於 値に比して増量を認めるかかる群の血疑 NaCl

ける炭酸脱水酵素作用の異常lともとずく代謝性アチ 濃度はその他の症例に比して高値を示している K

ドーツスによる Clの相対的増加とも考えられる に於いても略々同様の傾向を認め石が血糖値の影

Kは血緊濃度比著変を認めないが尿中排世量及び 響も受けて著明ではない即ち糖尿病の電解質異常

濃度は著明に増加するこれは脂肪乃至蛋白質か に於いて血糖値との関係よりも更に下垂体副腎

らの糖新生作用組織崩壊と細胞膜透過性の充進に 機能が密接な関係を有するものと考えられる

よる細胞内 Kの放出と共Ir MudgeBerlinerそ 第 2項体液構成

の他諸家のいう遠位尿細管に於ける K分泌作用が前 PVRhodan-Spは共lζ概ね正常範囲のものが多

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2317ー

いが Rhodan-Spに於いて高値を示せる 3例は

何れも血糖値高く PV 1[於いても正常範囲内であ

るが全例中最も高値を示している

血糖値と Rhodan-Spとの聞に明らかな相関を認

め血糖値の上昇に伴い Rhodan-Spも増大する

PV I乙於いては特に過血糖例に於いてその増大を

認めるがその他に於いては著変を認め難い

17KS量特に低値のものは過血糖に拘らず Rho-

Idan-Spの増加度は少く又過血糖の程度が僅に拘

らず Rhodan-Spの減少程度の少いものは 17KS量

の増加があり軽度ではあるが Rhodan-Sp1[対し

て 17KS量の関係も認められる

即ち糖尿病の細胞外液量は主として血糖によっ

て影響されその上昇によって増大するがブドー

糖の惨透 molは Naのそれに比し遥かに小さい事

より考えれば過血糖による細胞外液の惨透圧上昇

の他民糖質代謝異常に伴う細胞内脱水の関与も加

わると考えるのが妥当であろう以上により糖尿病

の細胞外液相は糖代謝異常に基く血糖値の高低並

びに 17KS排世量を通じて伺える下垂体副腎皮質機

能の如何によって調整されるものと考えられる

第3項腎クリアランス

糖尿病の腎「ク JI[関してはその充進否認めるも

の一定の傾向を認めないもの等種々の報告がある

がこれらは多く糖尿病の腎障害合併例を含めた報

告である糖尿病に於ける腎障害合併頻度は

BryfolgeDunlop日野〈9〉大森等の報告によると

20内外である

著者は合併症の有無により 2群に分けて腎「ク Jを

考察した

腎障害合併例に於いては GFRRPFRBF共に

正常範囲の下界乃至低値を示し合併症なき例に比

し一般に低値を示した

合併症を有せざる症例に於いては

1GFR 上昇を示すものが多く乃至は正常範

囲の上界を示す 17KS量の増加せるもの過血糖

を呈せるものに著明に GFRの上昇を認めた症例

182927の如き 17KS量の増量せるものは過血糖

の程度小なるも GFRの上昇を認め症例7は 17

KS量低値であり GFRは血糖値の程度に比して上

弁は少し副腎皮質機能の関与を推測せしめるが

一方症例2の如く GFR上昇例は 17KS量よりむ

しろ過血糖の影響と考えられる場合もある Frey

も同様に糖尿病患者の GFRは血糖値の上昇と共K

下垂体副腎皮質機能が極めて著明に関与すると述べ

ている仁木(10)は GFRと血糖値の聞に一定の関係

を認めず GFR低下者に 17KS増加を認め 17KS

との間l乙負の関係を示すと云っているがこれは腎

障害合併例を含む為にその関係が不明瞭となる為と

考えられる

体液構成との関係は PVRhodanSpともに認

められない

2 RPF 3357 cc minの低値から 6825cc min

の聞に広範囲に分布する

血糖値との関係は余り著明ではなく特に高血糖

を呈する 2例は PVの増大を認めたが RPFは著明

に低下を示している

17KS量との関係は余り明らかではないがその

増加につれて RPFも上昇する傾向を認める即ち

副腎皮質ホ Jレモンの作用は軽微であるが PVの変

動と平行して RPFも変動する

体液構成との関係は RhodanSpと RPFとは明

らかではないが PVとRPFとの関係は上述の

過血糖例の如き例外を除けば比較的明らかで一般

1[PVの増加K平行して RPFの上昇を認める

3FF 正常範囲内のもの上昇を示すものが相半

ばするが殊K著明な過血糖を示す症例又 17KS

量の増加例の如き PV減少により脱水症状を示した

症例に於いては FFの上昇が著明に見られる

第4項 1日尿量

古くから糖尿病の多尿は糖排世量と略々平行する

ζ とが知られていたこれはブドー糖の惨透圧利尿

の一典型と考えられ ζの際 NaClの再吸収は抑

制され尿中排世量が増加すると言われている近

時糖尿病の多尿は多くの場合糖排世増加のみによる

ものでないことが知られ多尿の原因として糖尿

電解質喪失アチドージス等が HinkleMeyer

Atchley及び Peters等によ b示され(11〉更に 17

KS排世異常一下垂体副腎系及び ADS異常一下垂

体後葉系の内分泌関与が矢野(12)PickfordVerney

等により示されている Freyは糖尿病の水分代謝

の因子として高血糖のみならず副腎皮質機能が関

与し 1日尿量の増加 GFRの増大は血糖上昇の他

1[17KSの増量と関連のある事を認め下垂体副腎機

能充進が極めて著明な関係があると考えた

著者の 1日尿量と諸因子との関係を検討した成績

に於いては 17KS量との相関は著明であるが 17

KS量の低下例に於いて僅かに高血糖の影響を受け

て尿量も柏増加する例をみる即ち血糖値との関係

は一般に軽度で 17KS量との関連がより密接であ

-2318ー 千 葉医 学会 雑誌 第 35巻

第 2表 水利尿と諸検査成績 I 糖尿病例

年稀釈力試験 1日|尿中 好酸球雌値l血張中濃度 T

令 時尿量 cc 1824-GFR全 17K 減少率 Sp

症 例日tr2時全 尿量 1日量 一m一g一fd11 Na IK 合併症その他l間両量4時間 ccmgd a 4時間尿糖量一一一一一一一larr

Rho-

(2時間f--ICl 総蛋白 dan-RPF

別 間量量 dayl day Sp e

1将 45 239 241 296 1400 46 551 15173

374 1940 73合 135 (223) 833 1093 705 319 34972

57 467 判制 1450 39 528 14084 CEJ稀釈試験 2時間4前 NPH 733 2150 112 〕イ ン シ ュ リ ン U 皮下

合 266 (304)1 1531 1116 756 338 33573 注(不適〉

3渡 60 432 243 1400 39 560 12638

1860 合 ( 432) 350 1222 798 348 64906

4 中 49 379 366 241 1483 39 570 15780

867 1850 109 A梅毒 肝腫合 488 (223) 220 1185 852 277 85193

池 46 482 363 237 1483 38 468 11046副J血 尿血蛋圧白 (1十74)~96510 1034 1540 95 正 552 (189) 220 1074 763 276 566 腎症 眼底糖尿病性網膜炎

65 447 200 236 1443 36 390 11549

921 1360 15

474 (0) 300 1073 698 277

71き1213

299 210 626 9570 血圧 105--0915 1670 83 脚気 第二肺動脈音充進(267) 365 10791 317 31834

8 立 58 916 1533 465

1370 1540 77 281 I

453 (200)1 250 1150 783

9市 191 1457 44 420 10586

1089 1350 31 1(430) 591 120 1090 861 286 51230

+51~ 797 189 1557 475 必 71廿1245

448 ( 469) 200 1295 90 253 1605

53 502 514 175 1433 48 443 10108 動脈尿蛋白 i一〉11 650 2030 71

合 148 (514) 150 1116 783 317 44616硬化症血 圧匠 60--114 限 KW n

市 52 388 936叶 173 1325

12 31 548 20 1114 86 206

木 52 776 十110 164 1543 60 329 15100 13 1010 2370 193

恵 合 234 (40) 50 1191 822 224 41814

姥 70 270 232 158 1450 48 483 動脈 尿蛋白 (1ー20〉~

14 662 1290 63 ⑦硬化「 血 底圧 80合 392 (128) 270 1302 822 219 心障 筋碍 眠 KWII

勝 50 582 223 158 1414 43 435 11087 15 956 850 54

374 (278) 90 1278 822 195 50363

内 59 774 286 158 1433 39 12101 r yen

16 1160 1640 73 注 血 底圧 70--100 390 (229) 22 1100 744 -- 眼 KW工

鈴 58 497 482 41 403 8239 腎症尿蛋白 1(5十0~)72

17 820 1980 117 693 315 28935 動 脈 血 圧底

合 323 ( 447) 1081 1074 硬化症眼 KWlli

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2319-

18 椎52

49

200

(234)

157

70 12041 90

408

170 (尿血蛋白 (170~)90

402791~ 眼 圧底 KWI

19 鵜

54

325

380 705 73

(200)1 80

1567

1365

46

862

539

185

10024

68254

20 池

55

743

128 871

120

32

1500

1132

34

71

366

198

21 佐 48合

843

550 1393 1740

469 107

(405)

120

20

1550

1389

47

852

422

251

13260

65505

1|阿2210 合 3卜148 1620 5121m|附 365

(575)1 161 1067 783

E 健常例

年 尿量 cc 1日尿17K中S

好酸球 血糖値 血築中濃度 T

1824-GFR 令

前 全全 減少率 mgdl Sp

症例 尿量 1日量 Na 1 K Rho- 備 考

性 一22時時蚕間間~14時間 cc mgday 4時間 尿糖量 dan-RPF

5JJj 時間量

day (2時間) g Cl 総蛋白 Sp

1中 20 865 367

1139 1701 274 (ー) 280

2増 22 727 446

1065 1387 合 338 (一〉 321

3 出 26 1140 502

1295 1732 合 155 (一〉 286

4 山 28 845 583合 245

(一) 291

5鳥 24 1220

17821338 合 118 (--)

6岩 27 1210 101 1596 39 388 11155

1328 118 (一) 1037 938 3633 79350

7戸 32 1035

1094 1603

59 (一〉 994 835 13805

8 諸 47 860 1460 40 408

1029 -合 169 (一〉 1027 752 2913

9 菰 36 907 1457 48 386

1139 合 232 (-) 994 783 2600

金 22 932 51 10 1063

合 131 (一) 11080 823

斎 36 1013 1144 11 131

(ー〉

11NωNOs-

第 3 表 水利尿と諸検査成績(平均値〉

〔註尿中電解質は水試験前値J C合併症を有する例を除く)

電 解質そ の 他 (前値〉体液構成 腎「ク J 値 水利 尿

Na C1 K 糖 総蛋白

m血四iE援mqE尿UE中qI E血dIEg糖lf尿d a中y

m血d淫援r117KS Eosin 1日尿量

4時間T 1824 Rhodan

GFR RPF FF 尿 J主芸ELt 排世比 Space Space

mgday 一 cc cc

健常例 15113715154 JZグ内 1608 446 309 1037 5495 0201 11580 019

良好例

JfとfylM294 1687 402 259 1273 5476 0245 12030 051 (1000cc以上〉

糖 I工G群Bc

71Jケ m208 1056 397 209 1162 4532 0262 9244 068

遅 8J0ccー戸〆

尿延 E而群c とJケ叩 321 1653 550 284 1261 E604 0258 4040 084

病yen 以J下

仰1

こ7ケ明例 平均 264 1280 454 237 1212 5175 0259 7290 071

全例平均 lJJ381134A 631j 4104JflJブ 721 280 1470 434 246 1240 5309 0253 9502 059

H

部 ω印時

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2321-

る ADH抑制作用と異る点がある

Gauntは抗利尿ホノレモン (ADH)の分泌抑制及 即ち副腎皮質機能の充進は櫨過量の増大と尿細

び血中 ADHの不活性化は副腎皮質ホノレモンの充分 管K於ける水分電解質の調節異常に関与して多尿を

な存在によって促進されると述べている然し過血 来たすものと考へられる

糖に於ける多尿に際し NaCl排世量の増加が少

い事より過血糖の多尿は Osmotic diuresisの他 第3篇糖原病の水利用

ι 一定限界を超えた高血糖が血撲惨透圧を軽度に 合併症を有する 6例を含む糖尿病患者 22例に水

充進し Homer SmithVerney(13)等の言う Os- 1L負荷して稀釈力試験を行った

moreceptorを介して ADH 抑制作用を現わし多 合併症なき 15例中水利尿良好例(尿量 1000cc

尿を来たすものと考えられる然し多尿の原因とし 以上) 7例遅延例工型 (1000cc---800cc) 5例

て副腎皮質ホ Jレモンの関与がより強く考えられる 遅延例E型 (800cc以下) 3例を認め之等諸群と

即ち 17KS量と 1日尿量 GFRと1日尿量 17KS 健常例 11例とに就いて比較検討した

量と GFRは夫々極めてよく相関が認められる叉

17KS量増加に伴う多尿に於いては電解質殊に Na章 I章検査成績(第 2表〉

排世量の増加が特徴的であり穆透圧克進による 第 1項水利尿と諸因子(第3表第7図〉

第 7図 水利尿と諸因子 (合併症を有する例を除く) 管02

(由X羽 〈字調期X

x l(

X

X 0 )( 7

130-6

ex x

X

120-4 C主 x x

dpe 3

1

X

110-2

darr血 』ιτ京支~一一点尿 iooCC 400 600 -600 1000 賠ム 一ーy 600 800 1000 1200克 4時間床量

剛志e-ιmみ岡原ff

6 X

K

0尿血中衆林議浩度量(前値)

x

~ x

X

X x x xX

gtイ

メtimesx x x

4x x X

ち瓜

X

3

2

下〈 ラ〈

200記 40-0- 扇面一一一 600 -1000 1200- 200cO ---41fO 山内--800--1-00岡 0-----60

主主主-2322ー 千 葉 医 弓f- 会 雑 誌 第 35巻

事量 日 221 (ぷ 33訪世 J117 邑星 IKS三米 1-Jli ls

x 事|量 13

ι

2崎1ol-X )( x

22何0 x x 0

x2ω-50 ~ x

)0( G18ト-10 x

0)(

x

f件-JO 10

~)(X x

14()-20 浪

(syto

1 J r I1 10ro

121r 10

1 1 I 1I 1I _ 1 冊1k

f-ω i-nv -au

-nυム斗

ω144

〕山町

12ωAnn cnn Qnfyen400 600 ll山間U

VAG-

Ar-HG

~-

212尿 由

u

町内

I nn一~ 200ee

vLmWa

百尿量

c均 -2400 10

13 -

Os

QS

守 07

e 00 e

011 l 1 I I I I Ll_LIB

1 1 I 1 I I_j I J 1 I 1 200巴 40D 600 800 1000 1200 200 400 600 -~8-OO-- --1000 IlOO

T84-SP 60t-

RJr -sp

32 7

4串19 重 ~30

丘au

o 0

4色白

s 辺

19

2amp

20

司 JB 19

___ー ι _ 2000 400 600 BOO 1000 1200 20Q 400 600 800 1000 1200

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2323-

G RPFC41M1_

句々ωt

140

oOO

110

300

100

I ~ I L_____ー」ーよーし一一一larr 五百h200lt

I

lt 400 600 1200 200血 400 600 800 1000 1200

1電解質 試験前 1時間尿中の NaClK量及 2NaCl 健常例の NaCl排世像は水負荷

びその血撲濃度と水利尿との聞に相関は認められな 直後水利尿発現初期比軽微の排世増加を認め利尿

期には寧ろ排世減少し 3時聞をきの濃縮移行期lζ再

2血糖及び尿糖 水利尿と比較的よく負の関係 び電解質排世増加の最も高い時期となる糖尿病の

を認め著明な過血糖例の 4時間尿量は極めて少い 水利尿良好例に於いてもこれと略々同様の変動を示

3尿中 17KS1日排世量及び好酸球減少率 水 すが利尿初期の排世増加が著るしくなっている

利尿良好例には 17KS量の増加好酸球減少率の高 遅延例も良好例に類似した変動を示すがその変動

度なるものが多く過剰排世型の傾向を示す遅延 は極めて小さい

例E型K於いても 17KS量の増加好酸球減少率 良好例のうち症例 8102122遅延例 E型のう

の高値を示す傾向を認める o ち症例 1の如く著明な NaCl排世を認める症例

4 1日尿量 水利尿と 1日尿量との聞に明らか は何れも尿中 1日17KS排世量は比較的高値を示し

な関係を認め難いが異常な 17KS増量例及び著明 こ良好例のうち症例 9遅延工型の症例6は全4

な高血糖例を除けば水利尿の程度と 1日尿量とは 時聞を通じて NaCl排池ー量は低値を示しかかる

柏平行する傾向を認める 症例の 1日尿中 17KS排世量は最も低値で最大利

5体液構成 T 1824-Spaceが正常範囲内で 尿時尿量は低下し最大利尿発現時も遅延している

正常の上界値を示す症例に於いて水利尿は遅延E型 3 K 良好例及び遅延 E型のKの変動は健常

を示す Rhodan-Space Ir於いても同様の傾向を認 例に類似しているが遅延工型に於いてはKの排世

める は比較的少い

ι腎クリアランス 著明な過血糖例及び惨透圧 4 17KS及び好酸球減少率 水利尿良好例に於

上昇K伴う PV増大例及び異常な 17KS増量の 1例 ける水利尿時 17KS排世量及び好酸球減少率は最も

を除外したその他K於いては GFRRPFの増減 著明である

に応じて水利尿も増減する傾向を認めるが著明で 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比(第4表

ない 第5表)

第 2項水利尿時諸排世像(第8図) 1 諸排世量 (第9図)

1尿量 最大利尿時尿量は健常例が最も多く 尿量の糖尿病全例平均は健常例K比し減少を認め

以下水利尿の程度に従って順次低下し最大利尿発 る

現時も順次柏遅延の傾向を認める水利尿良好例及 NaCl は水利尿良好例に著明な排世量増加を認

び遅延例工型lとても最大利尿時尿量の比較的低下例 める遅延例E型も症例により排i世増加を認めるも

を認めるがかかる症例の最大利尿発現時の遅延は のもある

著明である 排世量の平均値では良好例に NaClの増加が著

-2324ー 千葉医 学会 雑誌 第35巻

00 cc

第 8図 水利尿時諸排世像(合併症を有する例を除く)

健常例 良好例

ーlsquo必21

mEq_lmEラ

2 1-iacute~ Il

10ト120

c1ワ

5

ト1

0

財政球減少率)

原中門院(||)

情M

a

o

n

ν

p

b

Aωnυ s

~A--ーー

--

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝花関する研究 -2325-

遅延例工型 遅 延 例 E 型

400ト cc

尿

9

1iし

也印

3

0

5判

M

一 2怠色ム-_ ---温lsquo邑---_-ldquo F

3

aTEFIl--r

m

1

0

A司

I~ ldquolsquo Jρ降lsquo

i ヘヘlsquoyen 一vlsquo日一ア一-笹居宮包日畠日-

A__-一 a

6ペへyenyenyenyen

yenろノIl ~lsquo~--也

好均時雨少苧

尿中 ηdM

-2326ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 4表 水利尿と諸排池ー量 工 糖尿病例

年 尿量 cc Na量 Cl量

KIIlE量q 17KS量 | 尿 糖 量

メHLmEq mEq mg g

症例目Ij

全前 l全 刷 全目Ij

全目IJ 全日Ij 全 合併症その他

f生 22時時後間間4時間|22時3問間時間1晶時間114時間22時時後間間 22時時後間間4時間占2時時後間間別 4時間 4時間

2879 151 144

135374 1791 4145 4914 1587 264

合 2035 595 113 113

2酒 57 467 2196 1803 601 036 H稀釈試験 2時間前4 NP

733 4795 4399 799 インシュリン u皮 合 266 2599 2596 198 145 下注射(不適)

60 93 11931065181I1 1669

538 048 709 822 070 772

合 40 423 284 022 063

4 中 3440 882 119 068

8194 2039 207 160 A 梅 毒 肝腫 合 488 4754 1157 088 092

池 46 482 4457 l別 869 125 138

510 1034 90811 111868 1623 259 179 腎症正 552 4624 5935 754 134 041

6染 65 447 683

792 033

921 1011 13 066 474 51 663 332 033

7浅 31 517

|「ど71 458

9151 111 1520 717 脚気 398 4141 1 649 259

916 2174 3138 093 1288) 0

1370 5035 589 1596 453 2260 2752 617 035

498 771 1405 464 9) 0

1089 1472 3010 933 591 701 1605 469

立 58 797 3589 1139 10 1245 3771 5438 334

448 1278 1849 598 095

53 502 1233 1496 693 082 067 11 650 2265 2875 1140 145 084 動脈硬化症 148 1032 1379 447 063 017

市 52 388 834 911 12 936 1743 3477 1977

548 909 1872 1066

木 52 776 2066

吋 lm13 1010 3951 6198 1570 百-三~ 合 234 1885 26151 1 599

蛇 70 270 662

1322 1887 654 動脈筋硬障化症14 2558 3760 1212 ⑦む 碍 合 392 1236 1873 558

582 956

1273 257q叫 535 076

15 2358 244

315013 9i6 148 374 1085 381 072

内 59 774 2162 944 200 16 1164 301 3168 1271 307 注 390 857 909 327 107 L J 眼底 KW工

17 820 410198 300 腎症 合 323 7 2221251079224060093動脈硬化症l|145110331オh1410ぺ|叶11|鈴

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝lと関する研兜 -2327ー

52 620 18 椎 (血底圧 170~901707 4335 11 6 318 651 注

眼 KWI041 1 4091764 ~17

54 325 662 097705 54 785 1 6419 0鵜 11 1 875 380 492 338 067 014

55 743 977 1915 415 20

池 128 871 2043 3315 800 1066 1400 385

48 843 2338 3796 1208 140 佐

21 42761393 6368 1994 204550 1938 2572 786 064合

2481lz卜147判|州|吋 E 健常例

年令尿量 cc

Na量 Cm1E量q KmE量q 17KS量 尿糖 量 mEq mg g

症例

22時時前後間間 4時且八間

別全

22時時i後iiJ間間 4時~間122 時時前後間間 4時一一A 間 22時2削聞間 4時~間 2J時前間問 4時こ八に間備 考

a別性 22時2「間目nl4時間

1 中 20 709 1752 855

2741 1139 1653 3212 1471 944 1460 616

2ぎ 22 727 1065

823 2683 724 1658 41 11 1638

合 338 835 1428 914

3出 26 1140 3422 1297

155 1295 4038 5682 2115

合 21 98 2260 818

4lU 28 845 988 21 99 630 1090 21 07 3899 986

合 245 11 19 1700 356

515 24 1220 1625 2034

1338 2571 31 1084 合 118 946 1144 382

1210 445 1077

1317 2162

371 1328 629 118 632 845 258

71~ 32 1035 725 1698 991

1094 1601 2217 11 84 59 876 519 193

8ぎ 47 860 737 1993 1 66 1029

603 1340 2703 236

合 169 710 070

9菰 36 907 1377

2605 2461 800

1139 3725 144 1合 232 1228 1264 64 1

金 22 932 726 1486 832 10 1063 1538 2412 1078

合 131 812 926 246

斎 36 1013 1957 478 739 11 1144 2812

539 1017 1188

131 855 449

-2328- 千 葉 医 学 ムヨミ 雑 誌 第 35巻

第 5表 排世量及び排j世比(後前)(平均値)(合併症を有する例を除く)

尿 主主ヨ豆lsquo Na Cl K 17KS

前川~stl 前 知 吋 比 前 2st門比全 4時 間 量 比 全 4時間量比 全 4時間量 全 4時間量 全 4時間量

974 184 1000 1019 2105 1226 737 449 061健常例 019 102 058

1158 2019 3331 1186

795 408 2153 1487 2997 1994 924 533 168 075 良好例 051 069 067 058 045

1203 3640 4991 1457 243

糖 工 555 368 913 868 1869 1628 621 513 064 069

群 066 095 087 083 107

遅 923 1781 3497 1134 133

尿 218E 185 1261 902 1650 1174 659 406 099 068

延群

084 072 071 061 069

病 404 2163 2824 1065 167

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全例 600 350 1561 1164 2352 1708 769 501 058 075 073

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2329-

明で遅延E型に於いても Na排世量が柏増加する すlarr

傾向を示す Clは健常例 058糖尿病例 073で後半の増量がよ

KはClと略々類似せる傾向を認める り大である

17KS排j世は Na排世l乙略々平行するが如き傾向 Kは Clと類似の傾向を認めるが症例 12 1[於い

を示す ては117と著明な上昇を認める

2 諸排世比 (第 10図〉 1 諸排世量及び比と諸因子

水稀釈力試験時の各排世量の後半 2時間量l乙対す 諸排世量(第 11図〉尿量と血糖値との関係は中

る前半2時間量の比を以って排世比とした 等度以下の過血糖の症例lζ於いては血糖値の土井

尿量の平均排世比は健常例 019糖尿病例 058 氏伴う尿量の減少は軽微であるがj著明な過血糖例

で後半排世量増加を示し水利尿良好なもの程小で を呈せる症例は尿量は極めて少い 17KS 1日量と

あるがその関係は余り著明でない症例 6912 の関係に於いてはその増加している症例に精尿量

19の4例は排世比の上昇著明で10を越える の増加する傾向を認めるが著明でない

Na は健常例102糖尿病例 075で前半排世量の増 NaClKの電解質排世量と血糖値の関係は余り

加を見る症例 6912は10を越える排世比を示 明確でなL0 17 KS 1日量とは明らかに相関を認め

第 10図 水利尿と諸排世比 (合併症を有する例を除く)

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-2330ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

る て電解質排世比の僅かの上昇を認め叉尿量排世

諸排世比(第 12図)諸排世比と血糖値との関係は 比に於いても 17KS減少例及び症例 19 K上昇を認

認め難く叉 17KS量との関係も一般に著明ではな める

いが 17KS 1日量の特に少い症例 69121乙於い

第 11図 排世量と諸因子 (合併症を有する例を除く)

〔血糖との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2331ー

〔血糖との関係〕 [17KS 1日量との関係〕ー

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第 12図 排世比と諸因子 (合併症を有する例を除く〉

〔血糖値との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

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-2332ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

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〔血糖値との関係〕 [17 KS 1日量との関係〕

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第 II章総括並びに者按

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8 11 12吻匂

109

第 1項水利尿と諸因子

電解質との関係 水試験前値の尿中電解質排世

糖尿病K於ける水分代謝の問題殊に 1日尿量 量及び血察電解質濃度と水利尿の程度には一定の関

と水試験時の如き急激なる体液変動を惹起せしめ 係を認め難く試験前電解質量または濃度によって

た場合の水分代謝とは当然同一視得ないものがあ 水利尿は影響を受けない

ると思われる 血糖値との関係 血糖値と水利尿との聞には負

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2333ー

の関係を認めるが著明な過血糖を呈し PVRho- の遅速は一定でない乙れは血糖値の上昇せる為

danSpの増加を来たす様な症例は水 1L負荷にょ に ADH作用抑制によって起る水利尿反応が鈍化

つでも OsmoreceptorVolume receptorを介し され得る故であろう

て起る ADH分泌抑制の度が小となり水利尿反応 水利尿の良否lζ拘らず最大利尿発現時の遅延する

が少くなる為か尿量は極めて少ない過血糖中等度 症例は 17KS量の低値の例及び血疑 Na濃度が他

以下の症例は PVR対する影響も少く 尿量減少 の症例広比し高値を示す症例で何れも水利尿時の

の度も軽度である NaCl排世は殆んど尿量と関係なく減少している

17KS量との関係 17 KS 1日尿中排世量の増 電解質排世像は水利尿良好例に於いては健常例

加に従って尿量増加の傾向を認め特に過剰排世型 と異なり利尿発現初期に著明な Na排世のピーク

の傾向の認められる症例に 17KS量の増加を認め を見るこれは何れも 1日尿中 17KS排i世量増加例

るかかる症例は何れも GFRの増大と尿中 Na である遅延例工型は 17KS量の増加せる例少く

Clの排世増加を認めた例である 電解質排世も著明でなく略々健常例に近い排世像を

然し症例 13の如く 17KS量異常に高値で多尿 示す遅延E型は水排世遅延最も著明にも拘らず

lとより PV減少を呈せる脱水症例では水負荷によ 電解質排世像が良好例比類似して比較的著明な症例

りPVの変動は強く現われるが排世尿量は少い を認めるが ζれは 17KS量の増加を認める

叉著明な過血糖例及び症例 19の如く血疑 Na濃 更に症例 9612の如く 1日尿中 17KS排j世量

度が比較的高値の症例は間脳ー下垂体後葉系並びに 低値の症例は水分排世量に関係なく終始 Na排世

下垂骨前葉一副腎皮質系の内分泌機序の連関性の失 の増加が認められない以上の成績と過剰排世型を

調の為か 17KS量比較的増加しているにも拘ら 示す症例l乙1日尿中 17KS量の増加を認める事より

ず利尿は遅延する 考えれば水利尿時尿量の増加は GFRの良好なる

1日尿量との関係 一般に水利尿との相関を示 事と相侯って副腎皮質機能の比較的健全なるによる

す傾向にあるが特に過血糖を呈する症例及び異常 ものと考えられる唯し症例 13の如く 1日尿申 17

rc17KS量の増加せる症例に於いては前述の如く水 KS排世量の異常に高値の症例に於いても利尿初

利尿時の尿量を抑制する 期の Na排j世のピークは柏低く血媛 Na濃度の低

即ち 1日尿量lと於いては恒常的な腎機能及び 下も殆んど認めない場合もある

体液構成等の因子が関与し水利尿に於いては急 ClK の排世像も同様の傾向を示すが Na程著

激な PVの量及び質の変動が主要なる役割をなすも 明でない

のの如くである 以上を要約すれば血糖値の上昇例は最大利尿

体液構成との関係 PVの比較的増大している 時尿量を減ずるが最大利尿発現時聞に特に影響を

症例に於いて水利尿時尿量の抑制を認めるかか 認めない又 1日尿中 17KS増量例は電解質特に

る症例は著明な高血糖を呈し又は血緊 Na濃度の Na排粧を増加し利尿初期は特に著明である ζ

比較的高値の症例である れに反し 17KS量低値なるものは Na排世増加を認

腎クリアランス値との関係 GFRRPF共に めずそれに伴い最大利尿発現時を遅延せしめ最

水利尿の程度と精関係を認めるが前述の特に水利 大利尿時尿量も柏低下せしめる

尿を遅延せしめる因子の存在する症例に於ては腎 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比

機能の如何に拘らず水利尿時の尿量は少い尚 尿量は糖尿病例は柏減少し水利尿の遅延するに

Smith及び永峰(14)によれば稀釈試験時KGFR 従ってその排世比も柏増大する

RPFの変動は殆んど認められないと言われている 電解質排世量及び比共l乙水利尿の良否とは特に相

以上主要な水利尿遅延因子としては腎機能の 関を認めないが水利尿の良好例K排世量の増加を

良否は当然考えられるべきではあるが更に ADH 認める

並びに副腎皮質ホ Jレモンの分泌機序の異常も強く関 血糖値との関係はその上昇するにつれて水利尿時

1乙殊に甚しく叉l尿量は減少し著明な過血糖例 L与することを考慮しなければならな

第2項 水利尿時諸排世像 日尿中 17KS排世量は尿量との関係は軽度で電解

尿量の変動は水利尿良好例遅延例工型 n型 質殊に Na排世量との相関が明らかである乙れ

買に最大利尿時尿量の減少を認めるがその発現時)1の は血糖上昇の際は AD町分泌抑制が主で 17KS増

-2334- 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 6表 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

工 諸排i世量及び諸排世比

排 17 KS K 糖

水単独 水物単併独

ClNa尿薬

備 考水物単併独水単独用 薬水物単併独用薬水物単併独用症 薬用薬物併薬用併負荷用薬負荷物び

例『番比

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1164 050 3019 035 307 053 16 内 1321 041 141 067 1252071 4393 04814043

40 1148 019 3836 057 4964 050 1096 044

ブ 22 阿 O田1048 056 2003 118 3328 078 1237 067 ド

糖 1010 030 3951 091 6198 073 1570

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除全遅 026 3006 031 12回511i022 224 054 四 a119 動脈血圧 150--72併例合延 17鈴 O

11391 1171 4147 077 3348 068 1380 108 330 086 硬化症眼底 K WJII 症

055 4334 051 12971040 265 054例例平 全例

11151 0661 3054 075 3422 064 12211068 240 0793 4 -

1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053除合併 均 症例 1108 053 2690 073 3446 063 1168 056 141 067

1370 049 5035 082 5890 087 1596 063 128 038

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良 8 立 972 077 2017 089 3996 068 1015 054 267 051

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ユ 1066 066 2196 058 4483 051 1939 041 2671051 リ

093 1140 064 650 029 2265 ン 硬化症 血圧 60~114

眼底 KWJI 11 小 O

1025 028 4465 06614998 091 1313 059 5u 遅

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488 033 4598 0541 564 64057 12801 071 362 065

512 038 3205 13641 0621 264 075 hellip街lm756 030 4532 0601 5323 072 12961 0531 362 065

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4012801057 714054 56033 4598 488 362 065 61

4172 087 1314 061871 062 平 全例

911 049 059 4903 061 1618 315 058

944 071 3580 082 4605 086 1373 069 196 061 除合併 均 症例 873 059 2997 056 4871 053 1719 042 315 058

良 10891 11911562 103 好 市 304111

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 K関する研究 ~2335ー

0959判 1岨15 C A

106 14171 033 48011063 10161 0641 321 083

938 051 1707 069 1163 054 1 88 1 24遅 18 椎 O

1018 1 25 1717 075 5067 095 1597 096 528 0805mg 圧底 KW 1

静 2558 093 3760

延 14姥 O 暖動 化 脈症(蛋血圧底白〔 120〕MBO注 8691 1 75 1864 057 3514 0671 1238 094 心筋障害眼 Kwn

852 074 2208 087 4369 087 1097 069 1 68 平ー均 ou除全 881 1 32 1666 054 4441 075 1284 086 425 081 玉メ口

併 除合併 947 058 2032 083 4674 082 1039 061 168 1 10症 症例例例 888 117 1567 053 4934 078 1306 082 425 081平均

911 085 4029 09 1 1056 076 168 1 10平 全例--

3 4

915 1 44 16761062 4446 087 1266 094 425 081

1876 088 1005 1 10除合併 均 症例 0941425 08138 1613064 4767i 092 12751 1

4276 0~83 1994 065 204 046 21 佐

1305~ 034 3563 048 5976 054 2283 037 255 029

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---

1245 056 3771 051 5438 051 1737 053 334 039 良 10立

1182 057 2324 045 4097 5421 45 076 280 066 チ

1034 1 15 9081 100 1623 087 259 011 1 78 029ソ好 5 池 O正

ン 眼底糖尿病性638 031 3226 01313201 034 1693 042 225 023 252 043 網膜炎

50 町 19例

1224 073 5709 084 7891 078 1784 066 266 058 178 029 平 均

内 1051 041 3038 033 4424 049 2040 050 253 041 252 043

服 除合併 1312 061 4024 067 5903 0印54111861541i 059

268 042

1243 044 2934 047 5036 054 2214yen 054 267 046例

遅延

症例 平均

--705 1 17 1154 074 1948 081 785 076 164 068三除日全』

19鵜 O1220 063 2328 076 6213 057 1705 063 232 079併 例

症例例 079 4570 084 1535 068 240 060 178 029

平 全例3 4 1093 046 2860 040 4872 052 1956 053 248 049 252 043 -- 1114 070 3067 068 4585 062 233 048除合併

均症例 1235 050 2738 054 5429 05512044 056 255 056

921 104 1345 097 792 072 066 103プ 6 染 O

900 05511504 036 2076 035 1161 039 1 39 049レ 遅ド

ーー 207 074 1 59 135ン 延 4中 O

867 129 5865 梅 毒 肝 腫A

25285655 0541051 26631057 6140571 56868 041 464515 mg

例 133 043 1190 8221053 070 045 g 渡 O内

初日--服

合除全 平

併症

例2例3 均_

414 012 1440 0211 23191 020 11 161018 1 53 031

640 1 09 2688 1 15 3736 1 16 12181094 1 14072 全例

727 040 2529 044 3347 039 16471042 149 044 8561252

527 095 1101 074 1507 073 068 068除合併症例 657 038 1472 029 21 97 027 11441028 146 039

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

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-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

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島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

-2310ー 千葉医学会雑誌 第35巻

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を以って現わし外挿法lζて求め ECFはロダン法 1尿中排世量(及び濃度)498mEq (1019mFq

lとより Rhodan-Spaceを以って之を現わした腎 1)で健常例平均値 1517mEql354mEq (1151

「ク J試験は糸球体属過値 (GFR)はチオ硫酸ソー mEql)に比し血祭及び尿中排班濃度共lζ柏低下

ダfクJI乙より腎血媛流量 (RPF)はパラアミノ馬 し排世量は僅かに増加の傾向を示すが著明でな

尿酸ソーダ「ク JIcより測定し Ht値より腎血流量 い

(RBF)を又 GFRjRPFより臆過率 (FF)を求 血糖値とは有意の関係は認められないが特に過

めた 血糖の症例に於いては血撲濃度及び尿中排世ともに

17KS量の高値の例を除いては柏低下の傾向を認め第2篇糖原病の諸因子 る

第I章検査成績(第1表〉17KS量との関係は血紫濃度尿中排世量とも

に 17KS量高値の症例lζ上昇を認め特にその排世

第 1項電解質及び血媛総蛋白濃度 (第 1図) 量は著明に増加し低値の症例はともに健常例より

合併症なき糖尿病 13例K就き血紫電解質濃度 も減少している

TP及び尿中電解質量(早朝水試験前 1時間量)と 2 Cl 糖尿病例平均血撲 Cl濃度1176mEql尿

血糖値及び 17KS量との関係を検討した 中排世量(濃度)76mEq (1731 mEql)で健常

1Na 糖尿病例の平均血疑 Na濃度 1464mEq 例は夫々 1026mEqjl 449mEq (1444mEql)

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2311ー

で何れも糖尿病例に増加を認める

血糖値並びに 17KS量との関係は Naと殆んど同

様の傾向を認める

3 K 糖尿病例平均血媛濃度 44mEqjl尿中排

w量(濃度)34mEq (671 mEqjl)で健常例は

夫々 45mEqjl015mEq (48 mEql)で血撲

濃度に変動は認めないが尿中排世量及び濃度は著

明l乙増加している

血糖値並びに 17KS量との関係は他の電解質と同

じ傾向を認めるが過血糖例に血緊K値の低下が柏

著明である

16 T1824-Space Rho合併症なき糖尿病 例の 司

bullbull

4 TP 特に過血糖の症例lζTPの低下せるを認

めるが一般に略々正常範囲である

17KS値とは特に関係を認め難い

第 2項体液構成 (第 2図第3図)

第 2図 体

T 1824-Space

bull lsquo2 04

03 02amp

bull bull

40+

18

dan-spaceは共に概ね正常範囲内にあるJ) 糖尿病

例平均値は T1824-Space 434体重 Rhodan一

Space246体重で健常例平均 446体重 306

体重に比し Rhodan-Spaceの減少を認めるo

1T 1824-Space 血糖値との関係は一般に認め

られず略々一定値を示しているが特に過血糖を呈

せる 3例は正常範囲の上界を示している

17KS量との関係は更に明瞭でない 193 mgj日

と異常に高値を示した症例 18 Iζ於いては寧ろ 329

予母体重と低値を示す

2Rhodan-Space 血糖値と極めてよく相関を

認め血糖値の上昇lζ 伴って RhodanSp も増大

し特lζ過血糖を呈せる 2例は正常範囲を超えて高

値を示す

17KS量との関係はその増加に伴い柏 Rhodan

Sp も増大する傾向を示す症例もあるが余り明ら

主主主邑L液

RhodanSpace

却IEす 0U32 0B4i $e bull

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第 3 図

〔血糖値〕 (17 KS量〕

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かでない1血糖値並びに 17KS量との関係

第3項 腎クリアランス (第 4図第5図) GFRは特に過血糖血糖を呈する 2例に増大を認

合併症を有する 10例を含む 25例lζ於いて腎「ク J めるがその他民於いては血糖値との関係は明確で

値を測定したo ない 17KS量との関係は血糖値の場合よりも明ら

合併症なき糖尿病例に於いては GFRは増加し かに認められ大部分はその増量につれて GFRも

糖尿病例平均 1240ccjrnin 健常例 1037ccjrnin 増大している

である RPFRBFは増加せるもの低下せるも RPFは特に過血糖の 2例に明らかな減少を認め

の等一定で払い RPF糖尿病例平均 5309ccjrnin る 17KS量との関係は特に過血糖の 2例び 17

健常例平均 5495ccjrninである FFは8例正常 KS量の異常に高値の 1例を除けば その増量に伴

範囲 5例に上昇を認め糖尿病例平均 0253健常 い RPFの増大するが如き傾向を認めるが余り明確

例0201である でなし0

合併症を有するものの中で特に腎障害例に於いて FFの特lζ高値を示す 3例中症例 23は全例中

は腎「ク J値は何れも低下を示す 最高血糖値を示す症例で GFRの増大と RPFの減

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 iζ関する研究 -2313-

第 5 図

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝lζ関する研究 -2315-

少を認める症例 18は 17KS量の異常に高値を示

す症例で GFRの増大と RPFの軽度の減少を認め

2 体液構成との関係

GFRとPVRhodan-Spとの間には特に認める

べき関係を示きない

RPFとPVとの関係は特に過血糖の 2例を除

けば PVの増加に伴い RPFの増大を来たす

RPFと Rhodan-Spとは特に相関を認めない

第4項 1日尿量 (第6図)

1電解質 早朝水試験前 1時間尿中 NaCl排

世量の著明な症例 2121829Iζ多尿を認める

梢多尿を示す群lと於いては尿中 NaCl量》血疑

Cl濃度共l乙梢低下している

2血糖値並ぱに 17KS量 特に過血糖を呈せる

症例lと多尿を認めるが 17KS量とは更に明らかな

相関が認められその増量につれて尿量の増加を認

ゆる

3体液構成 PVRhodanSpとの関係は著明

でないがその増大群に多尿の傾向がある異常に

17KS量の高値を示す 1例は著明な多尿を示し

PVRhodarトSpの減少を認める

4腎「ク J GFRと1日尿量とは著明な相関が

認められ GFRの増大に伴い尿量の増加をみる

RPFとは明らかな関係は認められない

第 II章総括並びに者按

第 1項電解質

糖尿病における電解質代謝異常はアチドージスと

密接な関係があるとされ Atchley(7)等はインシュ

リン治療中の NaKMgCaNの出納は正であ

るがインシュリン治療を中止してアチドーヂス

第 6匿 1日尿量と諸困三子

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-2316ー 千 葉 医 学 会 雑 誌 第 35巻

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の状態lとすれば 乙れらの出納は負となるという 述の如く炭酸脱水酵素作用の異常と相侯って増加す

とれは糖尿病において定量的にケトン体の増量が る為ではなかろうか

認められこれが血液の固定アルカリを奪って尿中 以上糖尿病K於ける電解質の尿中排世量は概ね血

lζ排世する為と考えられている(わ 紫濃度に平行するがその代謝相はそれぞれ箱異つ

著者の成績に於いて血摂 Na濃度は軽度の低下 た態度を示し単にアチドーヂスK関係するのみで

を示し尿中排世量は僅かに増加の傾向を示すが ないものと考えられる

その濃度は低下している従って尿中排世増加は尿 血糖値と尿中 NaCl排世量との聞には一般に

量増加に伴うものである何れにしてもその変動が 殆んど関係を認め難くブドー糖による NaClの

軽度であるととは本症例が主として治療中のもの 再吸収抑制による排世増加は明らかではない 17

である為と考えられる CIK於いては血援濃度 KS量と比較的良く平行関係を認め尿中 NaCl排

尿中排世量及び濃度ともに健常例lζ比し明らかな増 i世増加を認める症例はいずれも同年令層の 17KS

加が認められるこれはケトン血症及び尿細管に於 値に比して増量を認めるかかる群の血疑 NaCl

ける炭酸脱水酵素作用の異常lともとずく代謝性アチ 濃度はその他の症例に比して高値を示している K

ドーツスによる Clの相対的増加とも考えられる に於いても略々同様の傾向を認め石が血糖値の影

Kは血緊濃度比著変を認めないが尿中排世量及び 響も受けて著明ではない即ち糖尿病の電解質異常

濃度は著明に増加するこれは脂肪乃至蛋白質か に於いて血糖値との関係よりも更に下垂体副腎

らの糖新生作用組織崩壊と細胞膜透過性の充進に 機能が密接な関係を有するものと考えられる

よる細胞内 Kの放出と共Ir MudgeBerlinerそ 第 2項体液構成

の他諸家のいう遠位尿細管に於ける K分泌作用が前 PVRhodan-Spは共lζ概ね正常範囲のものが多

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2317ー

いが Rhodan-Spに於いて高値を示せる 3例は

何れも血糖値高く PV 1[於いても正常範囲内であ

るが全例中最も高値を示している

血糖値と Rhodan-Spとの聞に明らかな相関を認

め血糖値の上昇に伴い Rhodan-Spも増大する

PV I乙於いては特に過血糖例に於いてその増大を

認めるがその他に於いては著変を認め難い

17KS量特に低値のものは過血糖に拘らず Rho-

Idan-Spの増加度は少く又過血糖の程度が僅に拘

らず Rhodan-Spの減少程度の少いものは 17KS量

の増加があり軽度ではあるが Rhodan-Sp1[対し

て 17KS量の関係も認められる

即ち糖尿病の細胞外液量は主として血糖によっ

て影響されその上昇によって増大するがブドー

糖の惨透 molは Naのそれに比し遥かに小さい事

より考えれば過血糖による細胞外液の惨透圧上昇

の他民糖質代謝異常に伴う細胞内脱水の関与も加

わると考えるのが妥当であろう以上により糖尿病

の細胞外液相は糖代謝異常に基く血糖値の高低並

びに 17KS排世量を通じて伺える下垂体副腎皮質機

能の如何によって調整されるものと考えられる

第3項腎クリアランス

糖尿病の腎「ク JI[関してはその充進否認めるも

の一定の傾向を認めないもの等種々の報告がある

がこれらは多く糖尿病の腎障害合併例を含めた報

告である糖尿病に於ける腎障害合併頻度は

BryfolgeDunlop日野〈9〉大森等の報告によると

20内外である

著者は合併症の有無により 2群に分けて腎「ク Jを

考察した

腎障害合併例に於いては GFRRPFRBF共に

正常範囲の下界乃至低値を示し合併症なき例に比

し一般に低値を示した

合併症を有せざる症例に於いては

1GFR 上昇を示すものが多く乃至は正常範

囲の上界を示す 17KS量の増加せるもの過血糖

を呈せるものに著明に GFRの上昇を認めた症例

182927の如き 17KS量の増量せるものは過血糖

の程度小なるも GFRの上昇を認め症例7は 17

KS量低値であり GFRは血糖値の程度に比して上

弁は少し副腎皮質機能の関与を推測せしめるが

一方症例2の如く GFR上昇例は 17KS量よりむ

しろ過血糖の影響と考えられる場合もある Frey

も同様に糖尿病患者の GFRは血糖値の上昇と共K

下垂体副腎皮質機能が極めて著明に関与すると述べ

ている仁木(10)は GFRと血糖値の聞に一定の関係

を認めず GFR低下者に 17KS増加を認め 17KS

との間l乙負の関係を示すと云っているがこれは腎

障害合併例を含む為にその関係が不明瞭となる為と

考えられる

体液構成との関係は PVRhodanSpともに認

められない

2 RPF 3357 cc minの低値から 6825cc min

の聞に広範囲に分布する

血糖値との関係は余り著明ではなく特に高血糖

を呈する 2例は PVの増大を認めたが RPFは著明

に低下を示している

17KS量との関係は余り明らかではないがその

増加につれて RPFも上昇する傾向を認める即ち

副腎皮質ホ Jレモンの作用は軽微であるが PVの変

動と平行して RPFも変動する

体液構成との関係は RhodanSpと RPFとは明

らかではないが PVとRPFとの関係は上述の

過血糖例の如き例外を除けば比較的明らかで一般

1[PVの増加K平行して RPFの上昇を認める

3FF 正常範囲内のもの上昇を示すものが相半

ばするが殊K著明な過血糖を示す症例又 17KS

量の増加例の如き PV減少により脱水症状を示した

症例に於いては FFの上昇が著明に見られる

第4項 1日尿量

古くから糖尿病の多尿は糖排世量と略々平行する

ζ とが知られていたこれはブドー糖の惨透圧利尿

の一典型と考えられ ζの際 NaClの再吸収は抑

制され尿中排世量が増加すると言われている近

時糖尿病の多尿は多くの場合糖排世増加のみによる

ものでないことが知られ多尿の原因として糖尿

電解質喪失アチドージス等が HinkleMeyer

Atchley及び Peters等によ b示され(11〉更に 17

KS排世異常一下垂体副腎系及び ADS異常一下垂

体後葉系の内分泌関与が矢野(12)PickfordVerney

等により示されている Freyは糖尿病の水分代謝

の因子として高血糖のみならず副腎皮質機能が関

与し 1日尿量の増加 GFRの増大は血糖上昇の他

1[17KSの増量と関連のある事を認め下垂体副腎機

能充進が極めて著明な関係があると考えた

著者の 1日尿量と諸因子との関係を検討した成績

に於いては 17KS量との相関は著明であるが 17

KS量の低下例に於いて僅かに高血糖の影響を受け

て尿量も柏増加する例をみる即ち血糖値との関係

は一般に軽度で 17KS量との関連がより密接であ

-2318ー 千 葉医 学会 雑誌 第 35巻

第 2表 水利尿と諸検査成績 I 糖尿病例

年稀釈力試験 1日|尿中 好酸球雌値l血張中濃度 T

令 時尿量 cc 1824-GFR全 17K 減少率 Sp

症 例日tr2時全 尿量 1日量 一m一g一fd11 Na IK 合併症その他l間両量4時間 ccmgd a 4時間尿糖量一一一一一一一larr

Rho-

(2時間f--ICl 総蛋白 dan-RPF

別 間量量 dayl day Sp e

1将 45 239 241 296 1400 46 551 15173

374 1940 73合 135 (223) 833 1093 705 319 34972

57 467 判制 1450 39 528 14084 CEJ稀釈試験 2時間4前 NPH 733 2150 112 〕イ ン シ ュ リ ン U 皮下

合 266 (304)1 1531 1116 756 338 33573 注(不適〉

3渡 60 432 243 1400 39 560 12638

1860 合 ( 432) 350 1222 798 348 64906

4 中 49 379 366 241 1483 39 570 15780

867 1850 109 A梅毒 肝腫合 488 (223) 220 1185 852 277 85193

池 46 482 363 237 1483 38 468 11046副J血 尿血蛋圧白 (1十74)~96510 1034 1540 95 正 552 (189) 220 1074 763 276 566 腎症 眼底糖尿病性網膜炎

65 447 200 236 1443 36 390 11549

921 1360 15

474 (0) 300 1073 698 277

71き1213

299 210 626 9570 血圧 105--0915 1670 83 脚気 第二肺動脈音充進(267) 365 10791 317 31834

8 立 58 916 1533 465

1370 1540 77 281 I

453 (200)1 250 1150 783

9市 191 1457 44 420 10586

1089 1350 31 1(430) 591 120 1090 861 286 51230

+51~ 797 189 1557 475 必 71廿1245

448 ( 469) 200 1295 90 253 1605

53 502 514 175 1433 48 443 10108 動脈尿蛋白 i一〉11 650 2030 71

合 148 (514) 150 1116 783 317 44616硬化症血 圧匠 60--114 限 KW n

市 52 388 936叶 173 1325

12 31 548 20 1114 86 206

木 52 776 十110 164 1543 60 329 15100 13 1010 2370 193

恵 合 234 (40) 50 1191 822 224 41814

姥 70 270 232 158 1450 48 483 動脈 尿蛋白 (1ー20〉~

14 662 1290 63 ⑦硬化「 血 底圧 80合 392 (128) 270 1302 822 219 心障 筋碍 眠 KWII

勝 50 582 223 158 1414 43 435 11087 15 956 850 54

374 (278) 90 1278 822 195 50363

内 59 774 286 158 1433 39 12101 r yen

16 1160 1640 73 注 血 底圧 70--100 390 (229) 22 1100 744 -- 眼 KW工

鈴 58 497 482 41 403 8239 腎症尿蛋白 1(5十0~)72

17 820 1980 117 693 315 28935 動 脈 血 圧底

合 323 ( 447) 1081 1074 硬化症眼 KWlli

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2319-

18 椎52

49

200

(234)

157

70 12041 90

408

170 (尿血蛋白 (170~)90

402791~ 眼 圧底 KWI

19 鵜

54

325

380 705 73

(200)1 80

1567

1365

46

862

539

185

10024

68254

20 池

55

743

128 871

120

32

1500

1132

34

71

366

198

21 佐 48合

843

550 1393 1740

469 107

(405)

120

20

1550

1389

47

852

422

251

13260

65505

1|阿2210 合 3卜148 1620 5121m|附 365

(575)1 161 1067 783

E 健常例

年 尿量 cc 1日尿17K中S

好酸球 血糖値 血築中濃度 T

1824-GFR 令

前 全全 減少率 mgdl Sp

症例 尿量 1日量 Na 1 K Rho- 備 考

性 一22時時蚕間間~14時間 cc mgday 4時間 尿糖量 dan-RPF

5JJj 時間量

day (2時間) g Cl 総蛋白 Sp

1中 20 865 367

1139 1701 274 (ー) 280

2増 22 727 446

1065 1387 合 338 (一〉 321

3 出 26 1140 502

1295 1732 合 155 (一〉 286

4 山 28 845 583合 245

(一) 291

5鳥 24 1220

17821338 合 118 (--)

6岩 27 1210 101 1596 39 388 11155

1328 118 (一) 1037 938 3633 79350

7戸 32 1035

1094 1603

59 (一〉 994 835 13805

8 諸 47 860 1460 40 408

1029 -合 169 (一〉 1027 752 2913

9 菰 36 907 1457 48 386

1139 合 232 (-) 994 783 2600

金 22 932 51 10 1063

合 131 (一) 11080 823

斎 36 1013 1144 11 131

(ー〉

11NωNOs-

第 3 表 水利尿と諸検査成績(平均値〉

〔註尿中電解質は水試験前値J C合併症を有する例を除く)

電 解質そ の 他 (前値〉体液構成 腎「ク J 値 水利 尿

Na C1 K 糖 総蛋白

m血四iE援mqE尿UE中qI E血dIEg糖lf尿d a中y

m血d淫援r117KS Eosin 1日尿量

4時間T 1824 Rhodan

GFR RPF FF 尿 J主芸ELt 排世比 Space Space

mgday 一 cc cc

健常例 15113715154 JZグ内 1608 446 309 1037 5495 0201 11580 019

良好例

JfとfylM294 1687 402 259 1273 5476 0245 12030 051 (1000cc以上〉

糖 I工G群Bc

71Jケ m208 1056 397 209 1162 4532 0262 9244 068

遅 8J0ccー戸〆

尿延 E而群c とJケ叩 321 1653 550 284 1261 E604 0258 4040 084

病yen 以J下

仰1

こ7ケ明例 平均 264 1280 454 237 1212 5175 0259 7290 071

全例平均 lJJ381134A 631j 4104JflJブ 721 280 1470 434 246 1240 5309 0253 9502 059

H

部 ω印時

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2321-

る ADH抑制作用と異る点がある

Gauntは抗利尿ホノレモン (ADH)の分泌抑制及 即ち副腎皮質機能の充進は櫨過量の増大と尿細

び血中 ADHの不活性化は副腎皮質ホノレモンの充分 管K於ける水分電解質の調節異常に関与して多尿を

な存在によって促進されると述べている然し過血 来たすものと考へられる

糖に於ける多尿に際し NaCl排世量の増加が少

い事より過血糖の多尿は Osmotic diuresisの他 第3篇糖原病の水利用

ι 一定限界を超えた高血糖が血撲惨透圧を軽度に 合併症を有する 6例を含む糖尿病患者 22例に水

充進し Homer SmithVerney(13)等の言う Os- 1L負荷して稀釈力試験を行った

moreceptorを介して ADH 抑制作用を現わし多 合併症なき 15例中水利尿良好例(尿量 1000cc

尿を来たすものと考えられる然し多尿の原因とし 以上) 7例遅延例工型 (1000cc---800cc) 5例

て副腎皮質ホ Jレモンの関与がより強く考えられる 遅延例E型 (800cc以下) 3例を認め之等諸群と

即ち 17KS量と 1日尿量 GFRと1日尿量 17KS 健常例 11例とに就いて比較検討した

量と GFRは夫々極めてよく相関が認められる叉

17KS量増加に伴う多尿に於いては電解質殊に Na章 I章検査成績(第 2表〉

排世量の増加が特徴的であり穆透圧克進による 第 1項水利尿と諸因子(第3表第7図〉

第 7図 水利尿と諸因子 (合併症を有する例を除く) 管02

(由X羽 〈字調期X

x l(

X

X 0 )( 7

130-6

ex x

X

120-4 C主 x x

dpe 3

1

X

110-2

darr血 』ιτ京支~一一点尿 iooCC 400 600 -600 1000 賠ム 一ーy 600 800 1000 1200克 4時間床量

剛志e-ιmみ岡原ff

6 X

K

0尿血中衆林議浩度量(前値)

x

~ x

X

X x x xX

gtイ

メtimesx x x

4x x X

ち瓜

X

3

2

下〈 ラ〈

200記 40-0- 扇面一一一 600 -1000 1200- 200cO ---41fO 山内--800--1-00岡 0-----60

主主主-2322ー 千 葉 医 弓f- 会 雑 誌 第 35巻

事量 日 221 (ぷ 33訪世 J117 邑星 IKS三米 1-Jli ls

x 事|量 13

ι

2崎1ol-X )( x

22何0 x x 0

x2ω-50 ~ x

)0( G18ト-10 x

0)(

x

f件-JO 10

~)(X x

14()-20 浪

(syto

1 J r I1 10ro

121r 10

1 1 I 1I 1I _ 1 冊1k

f-ω i-nv -au

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〕山町

12ωAnn cnn Qnfyen400 600 ll山間U

VAG-

Ar-HG

~-

212尿 由

u

町内

I nn一~ 200ee

vLmWa

百尿量

c均 -2400 10

13 -

Os

QS

守 07

e 00 e

011 l 1 I I I I Ll_LIB

1 1 I 1 I I_j I J 1 I 1 200巴 40D 600 800 1000 1200 200 400 600 -~8-OO-- --1000 IlOO

T84-SP 60t-

RJr -sp

32 7

4串19 重 ~30

丘au

o 0

4色白

s 辺

19

2amp

20

司 JB 19

___ー ι _ 2000 400 600 BOO 1000 1200 20Q 400 600 800 1000 1200

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2323-

G RPFC41M1_

句々ωt

140

oOO

110

300

100

I ~ I L_____ー」ーよーし一一一larr 五百h200lt

I

lt 400 600 1200 200血 400 600 800 1000 1200

1電解質 試験前 1時間尿中の NaClK量及 2NaCl 健常例の NaCl排世像は水負荷

びその血撲濃度と水利尿との聞に相関は認められな 直後水利尿発現初期比軽微の排世増加を認め利尿

期には寧ろ排世減少し 3時聞をきの濃縮移行期lζ再

2血糖及び尿糖 水利尿と比較的よく負の関係 び電解質排世増加の最も高い時期となる糖尿病の

を認め著明な過血糖例の 4時間尿量は極めて少い 水利尿良好例に於いてもこれと略々同様の変動を示

3尿中 17KS1日排世量及び好酸球減少率 水 すが利尿初期の排世増加が著るしくなっている

利尿良好例には 17KS量の増加好酸球減少率の高 遅延例も良好例に類似した変動を示すがその変動

度なるものが多く過剰排世型の傾向を示す遅延 は極めて小さい

例E型K於いても 17KS量の増加好酸球減少率 良好例のうち症例 8102122遅延例 E型のう

の高値を示す傾向を認める o ち症例 1の如く著明な NaCl排世を認める症例

4 1日尿量 水利尿と 1日尿量との聞に明らか は何れも尿中 1日17KS排世量は比較的高値を示し

な関係を認め難いが異常な 17KS増量例及び著明 こ良好例のうち症例 9遅延工型の症例6は全4

な高血糖例を除けば水利尿の程度と 1日尿量とは 時聞を通じて NaCl排池ー量は低値を示しかかる

柏平行する傾向を認める 症例の 1日尿中 17KS排世量は最も低値で最大利

5体液構成 T 1824-Spaceが正常範囲内で 尿時尿量は低下し最大利尿発現時も遅延している

正常の上界値を示す症例に於いて水利尿は遅延E型 3 K 良好例及び遅延 E型のKの変動は健常

を示す Rhodan-Space Ir於いても同様の傾向を認 例に類似しているが遅延工型に於いてはKの排世

める は比較的少い

ι腎クリアランス 著明な過血糖例及び惨透圧 4 17KS及び好酸球減少率 水利尿良好例に於

上昇K伴う PV増大例及び異常な 17KS増量の 1例 ける水利尿時 17KS排世量及び好酸球減少率は最も

を除外したその他K於いては GFRRPFの増減 著明である

に応じて水利尿も増減する傾向を認めるが著明で 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比(第4表

ない 第5表)

第 2項水利尿時諸排世像(第8図) 1 諸排世量 (第9図)

1尿量 最大利尿時尿量は健常例が最も多く 尿量の糖尿病全例平均は健常例K比し減少を認め

以下水利尿の程度に従って順次低下し最大利尿発 る

現時も順次柏遅延の傾向を認める水利尿良好例及 NaCl は水利尿良好例に著明な排世量増加を認

び遅延例工型lとても最大利尿時尿量の比較的低下例 める遅延例E型も症例により排i世増加を認めるも

を認めるがかかる症例の最大利尿発現時の遅延は のもある

著明である 排世量の平均値では良好例に NaClの増加が著

-2324ー 千葉医 学会 雑誌 第35巻

00 cc

第 8図 水利尿時諸排世像(合併症を有する例を除く)

健常例 良好例

ーlsquo必21

mEq_lmEラ

2 1-iacute~ Il

10ト120

c1ワ

5

ト1

0

財政球減少率)

原中門院(||)

情M

a

o

n

ν

p

b

Aωnυ s

~A--ーー

--

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝花関する研究 -2325-

遅延例工型 遅 延 例 E 型

400ト cc

尿

9

1iし

也印

3

0

5判

M

一 2怠色ム-_ ---温lsquo邑---_-ldquo F

3

aTEFIl--r

m

1

0

A司

I~ ldquolsquo Jρ降lsquo

i ヘヘlsquoyen 一vlsquo日一ア一-笹居宮包日畠日-

A__-一 a

6ペへyenyenyenyen

yenろノIl ~lsquo~--也

好均時雨少苧

尿中 ηdM

-2326ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 4表 水利尿と諸排池ー量 工 糖尿病例

年 尿量 cc Na量 Cl量

KIIlE量q 17KS量 | 尿 糖 量

メHLmEq mEq mg g

症例目Ij

全前 l全 刷 全目Ij

全目IJ 全日Ij 全 合併症その他

f生 22時時後間間4時間|22時3問間時間1晶時間114時間22時時後間間 22時時後間間4時間占2時時後間間別 4時間 4時間

2879 151 144

135374 1791 4145 4914 1587 264

合 2035 595 113 113

2酒 57 467 2196 1803 601 036 H稀釈試験 2時間前4 NP

733 4795 4399 799 インシュリン u皮 合 266 2599 2596 198 145 下注射(不適)

60 93 11931065181I1 1669

538 048 709 822 070 772

合 40 423 284 022 063

4 中 3440 882 119 068

8194 2039 207 160 A 梅 毒 肝腫 合 488 4754 1157 088 092

池 46 482 4457 l別 869 125 138

510 1034 90811 111868 1623 259 179 腎症正 552 4624 5935 754 134 041

6染 65 447 683

792 033

921 1011 13 066 474 51 663 332 033

7浅 31 517

|「ど71 458

9151 111 1520 717 脚気 398 4141 1 649 259

916 2174 3138 093 1288) 0

1370 5035 589 1596 453 2260 2752 617 035

498 771 1405 464 9) 0

1089 1472 3010 933 591 701 1605 469

立 58 797 3589 1139 10 1245 3771 5438 334

448 1278 1849 598 095

53 502 1233 1496 693 082 067 11 650 2265 2875 1140 145 084 動脈硬化症 148 1032 1379 447 063 017

市 52 388 834 911 12 936 1743 3477 1977

548 909 1872 1066

木 52 776 2066

吋 lm13 1010 3951 6198 1570 百-三~ 合 234 1885 26151 1 599

蛇 70 270 662

1322 1887 654 動脈筋硬障化症14 2558 3760 1212 ⑦む 碍 合 392 1236 1873 558

582 956

1273 257q叫 535 076

15 2358 244

315013 9i6 148 374 1085 381 072

内 59 774 2162 944 200 16 1164 301 3168 1271 307 注 390 857 909 327 107 L J 眼底 KW工

17 820 410198 300 腎症 合 323 7 2221251079224060093動脈硬化症l|145110331オh1410ぺ|叶11|鈴

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝lと関する研兜 -2327ー

52 620 18 椎 (血底圧 170~901707 4335 11 6 318 651 注

眼 KWI041 1 4091764 ~17

54 325 662 097705 54 785 1 6419 0鵜 11 1 875 380 492 338 067 014

55 743 977 1915 415 20

池 128 871 2043 3315 800 1066 1400 385

48 843 2338 3796 1208 140 佐

21 42761393 6368 1994 204550 1938 2572 786 064合

2481lz卜147判|州|吋 E 健常例

年令尿量 cc

Na量 Cm1E量q KmE量q 17KS量 尿糖 量 mEq mg g

症例

22時時前後間間 4時且八間

別全

22時時i後iiJ間間 4時~間122 時時前後間間 4時一一A 間 22時2削聞間 4時~間 2J時前間問 4時こ八に間備 考

a別性 22時2「間目nl4時間

1 中 20 709 1752 855

2741 1139 1653 3212 1471 944 1460 616

2ぎ 22 727 1065

823 2683 724 1658 41 11 1638

合 338 835 1428 914

3出 26 1140 3422 1297

155 1295 4038 5682 2115

合 21 98 2260 818

4lU 28 845 988 21 99 630 1090 21 07 3899 986

合 245 11 19 1700 356

515 24 1220 1625 2034

1338 2571 31 1084 合 118 946 1144 382

1210 445 1077

1317 2162

371 1328 629 118 632 845 258

71~ 32 1035 725 1698 991

1094 1601 2217 11 84 59 876 519 193

8ぎ 47 860 737 1993 1 66 1029

603 1340 2703 236

合 169 710 070

9菰 36 907 1377

2605 2461 800

1139 3725 144 1合 232 1228 1264 64 1

金 22 932 726 1486 832 10 1063 1538 2412 1078

合 131 812 926 246

斎 36 1013 1957 478 739 11 1144 2812

539 1017 1188

131 855 449

-2328- 千 葉 医 学 ムヨミ 雑 誌 第 35巻

第 5表 排世量及び排j世比(後前)(平均値)(合併症を有する例を除く)

尿 主主ヨ豆lsquo Na Cl K 17KS

前川~stl 前 知 吋 比 前 2st門比全 4時 間 量 比 全 4時間量比 全 4時間量 全 4時間量 全 4時間量

974 184 1000 1019 2105 1226 737 449 061健常例 019 102 058

1158 2019 3331 1186

795 408 2153 1487 2997 1994 924 533 168 075 良好例 051 069 067 058 045

1203 3640 4991 1457 243

糖 工 555 368 913 868 1869 1628 621 513 064 069

群 066 095 087 083 107

遅 923 1781 3497 1134 133

尿 218E 185 1261 902 1650 1174 659 406 099 068

延群

084 072 071 061 069

病 404 2163 2824 1065 167

J1j 429 299 1042 881 1787 1458 635 473 082 068 平 070 084 082 074 084 例 均 728 1923 3245 1108 150

全例 600 350 1561 1164 2352 1708 769 501 058 075 073

065

1 187 061

平均 950 2725 4060 1270

白色

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48

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2329-

明で遅延E型に於いても Na排世量が柏増加する すlarr

傾向を示す Clは健常例 058糖尿病例 073で後半の増量がよ

KはClと略々類似せる傾向を認める り大である

17KS排j世は Na排世l乙略々平行するが如き傾向 Kは Clと類似の傾向を認めるが症例 12 1[於い

を示す ては117と著明な上昇を認める

2 諸排世比 (第 10図〉 1 諸排世量及び比と諸因子

水稀釈力試験時の各排世量の後半 2時間量l乙対す 諸排世量(第 11図〉尿量と血糖値との関係は中

る前半2時間量の比を以って排世比とした 等度以下の過血糖の症例lζ於いては血糖値の土井

尿量の平均排世比は健常例 019糖尿病例 058 氏伴う尿量の減少は軽微であるがj著明な過血糖例

で後半排世量増加を示し水利尿良好なもの程小で を呈せる症例は尿量は極めて少い 17KS 1日量と

あるがその関係は余り著明でない症例 6912 の関係に於いてはその増加している症例に精尿量

19の4例は排世比の上昇著明で10を越える の増加する傾向を認めるが著明でない

Na は健常例102糖尿病例 075で前半排世量の増 NaClKの電解質排世量と血糖値の関係は余り

加を見る症例 6912は10を越える排世比を示 明確でなL0 17 KS 1日量とは明らかに相関を認め

第 10図 水利尿と諸排世比 (合併症を有する例を除く)

N

ご~)(ltιε

Hmu 14 1井

12

X

原量

oAAOOX

01

o

x

09 x eβ

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ldquo川附

QS 自由 X

且7x

e G

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05

H

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03+ x

02+ 02

01十

2boCC 400ωo 800 一一一一一1-LlOOO 1200 200 4 400

+ 800 iobo 1ゐ larr品

t 17 K ~宮

15

附H 11

3

2

1

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G

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3

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01

200ζc 400 占ず4 市斗~1()~D----lLIUgrave~OL-l--- IToι ーふ0--+-市布~ 4時向原賢一』 4時間尿器-

-2330ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

る て電解質排世比の僅かの上昇を認め叉尿量排世

諸排世比(第 12図)諸排世比と血糖値との関係は 比に於いても 17KS減少例及び症例 19 K上昇を認

認め難く叉 17KS量との関係も一般に著明ではな める

いが 17KS 1日量の特に少い症例 69121乙於い

第 11図 排世量と諸因子 (合併症を有する例を除く)

〔血糖との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

gst

ePe

12m払 γ

J4

0

30

20

10ト

2 4 6 日 10

200 250 300

G

30

20 1

10ト

寸 250 4 8 10 12刊初ザ6 2 300

K

14

8十

oe

100π彬l(_ 150 lOO 250 却 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

ウ匂

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2331ー

〔血糖との関係〕 [17KS 1日量との関係〕ー

25ト

KSつιE

17

bull

1001113μ~ loO 甲 17 8 9 10 ( 3oo 2 3 4200 2DO 司司m-J2amphMd恥凶うー事

~I 6

51

尿

44 糖

3

o I 3

2

100iR 150 200 250 300 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12匂

第 12図 排世比と諸因子 (合併症を有する例を除く〉

〔血糖値との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

1amp

同 019

警08 s 07

0

ee o

05

邑4

3

Q2 112

01

ト 100向始H且 150 200 250 30ー15ー中 s4 5 6 7 白 ] 10 11 12叩拠ザ」 酔|ーム2tflf7K16 糖値

井1ト41

e 0611amp1

自書r

似し 2

100mJJtl 150

ト21

200 250 4 1030016+ 2 主判事l判

-2332ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

61

OJl卜

08ト

04

10

oq

17ω kS笛

04

1)2

01

尿

5(1

02

01

10

也4

03

〔血糖値との関係〕 [17 KS 1日量との関係〕

14

12

t 1Oo

8

09

Ob 0干

02

100明弘a 150

c0

100明 11 200rnJdl

150

10b夜間 200

第 II章総括並びに者按

300

250

Os06

一一一_L 250 300

lC

08

也6

Q4

2345amp789 叩 11 12匂勾

JSLJ一一よ 0 1 I 7 8 9 10 12閉め匂 11

G

一」一一よ一一J一一」一ーーーー-

8 11 12吻匂

109

第 1項水利尿と諸因子

電解質との関係 水試験前値の尿中電解質排世

糖尿病K於ける水分代謝の問題殊に 1日尿量 量及び血察電解質濃度と水利尿の程度には一定の関

と水試験時の如き急激なる体液変動を惹起せしめ 係を認め難く試験前電解質量または濃度によって

た場合の水分代謝とは当然同一視得ないものがあ 水利尿は影響を受けない

ると思われる 血糖値との関係 血糖値と水利尿との聞には負

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2333ー

の関係を認めるが著明な過血糖を呈し PVRho- の遅速は一定でない乙れは血糖値の上昇せる為

danSpの増加を来たす様な症例は水 1L負荷にょ に ADH作用抑制によって起る水利尿反応が鈍化

つでも OsmoreceptorVolume receptorを介し され得る故であろう

て起る ADH分泌抑制の度が小となり水利尿反応 水利尿の良否lζ拘らず最大利尿発現時の遅延する

が少くなる為か尿量は極めて少ない過血糖中等度 症例は 17KS量の低値の例及び血疑 Na濃度が他

以下の症例は PVR対する影響も少く 尿量減少 の症例広比し高値を示す症例で何れも水利尿時の

の度も軽度である NaCl排世は殆んど尿量と関係なく減少している

17KS量との関係 17 KS 1日尿中排世量の増 電解質排世像は水利尿良好例に於いては健常例

加に従って尿量増加の傾向を認め特に過剰排世型 と異なり利尿発現初期に著明な Na排世のピーク

の傾向の認められる症例に 17KS量の増加を認め を見るこれは何れも 1日尿中 17KS排i世量増加例

るかかる症例は何れも GFRの増大と尿中 Na である遅延例工型は 17KS量の増加せる例少く

Clの排世増加を認めた例である 電解質排世も著明でなく略々健常例に近い排世像を

然し症例 13の如く 17KS量異常に高値で多尿 示す遅延E型は水排世遅延最も著明にも拘らず

lとより PV減少を呈せる脱水症例では水負荷によ 電解質排世像が良好例比類似して比較的著明な症例

りPVの変動は強く現われるが排世尿量は少い を認めるが ζれは 17KS量の増加を認める

叉著明な過血糖例及び症例 19の如く血疑 Na濃 更に症例 9612の如く 1日尿中 17KS排j世量

度が比較的高値の症例は間脳ー下垂体後葉系並びに 低値の症例は水分排世量に関係なく終始 Na排世

下垂骨前葉一副腎皮質系の内分泌機序の連関性の失 の増加が認められない以上の成績と過剰排世型を

調の為か 17KS量比較的増加しているにも拘ら 示す症例l乙1日尿中 17KS量の増加を認める事より

ず利尿は遅延する 考えれば水利尿時尿量の増加は GFRの良好なる

1日尿量との関係 一般に水利尿との相関を示 事と相侯って副腎皮質機能の比較的健全なるによる

す傾向にあるが特に過血糖を呈する症例及び異常 ものと考えられる唯し症例 13の如く 1日尿申 17

rc17KS量の増加せる症例に於いては前述の如く水 KS排世量の異常に高値の症例に於いても利尿初

利尿時の尿量を抑制する 期の Na排j世のピークは柏低く血媛 Na濃度の低

即ち 1日尿量lと於いては恒常的な腎機能及び 下も殆んど認めない場合もある

体液構成等の因子が関与し水利尿に於いては急 ClK の排世像も同様の傾向を示すが Na程著

激な PVの量及び質の変動が主要なる役割をなすも 明でない

のの如くである 以上を要約すれば血糖値の上昇例は最大利尿

体液構成との関係 PVの比較的増大している 時尿量を減ずるが最大利尿発現時聞に特に影響を

症例に於いて水利尿時尿量の抑制を認めるかか 認めない又 1日尿中 17KS増量例は電解質特に

る症例は著明な高血糖を呈し又は血緊 Na濃度の Na排粧を増加し利尿初期は特に著明である ζ

比較的高値の症例である れに反し 17KS量低値なるものは Na排世増加を認

腎クリアランス値との関係 GFRRPF共に めずそれに伴い最大利尿発現時を遅延せしめ最

水利尿の程度と精関係を認めるが前述の特に水利 大利尿時尿量も柏低下せしめる

尿を遅延せしめる因子の存在する症例に於ては腎 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比

機能の如何に拘らず水利尿時の尿量は少い尚 尿量は糖尿病例は柏減少し水利尿の遅延するに

Smith及び永峰(14)によれば稀釈試験時KGFR 従ってその排世比も柏増大する

RPFの変動は殆んど認められないと言われている 電解質排世量及び比共l乙水利尿の良否とは特に相

以上主要な水利尿遅延因子としては腎機能の 関を認めないが水利尿の良好例K排世量の増加を

良否は当然考えられるべきではあるが更に ADH 認める

並びに副腎皮質ホ Jレモンの分泌機序の異常も強く関 血糖値との関係はその上昇するにつれて水利尿時

1乙殊に甚しく叉l尿量は減少し著明な過血糖例 L与することを考慮しなければならな

第2項 水利尿時諸排世像 日尿中 17KS排世量は尿量との関係は軽度で電解

尿量の変動は水利尿良好例遅延例工型 n型 質殊に Na排世量との相関が明らかである乙れ

買に最大利尿時尿量の減少を認めるがその発現時)1の は血糖上昇の際は AD町分泌抑制が主で 17KS増

-2334- 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 6表 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

工 諸排i世量及び諸排世比

排 17 KS K 糖

水単独 水物単併独

ClNa尿薬

備 考水物単併独水単独用 薬水物単併独用薬水物単併独用症 薬用薬物併薬用併負荷用薬負荷物び

例『番比

物号

1164 050 3019 035 307 053 16 内 1321 041 141 067 1252071 4393 04814043

40 1148 019 3836 057 4964 050 1096 044

ブ 22 阿 O田1048 056 2003 118 3328 078 1237 067 ド

糖 1010 030 3951 091 6198 073 1570

40cc 13 木 O恵 前|1023 035 1677 120 2969 084 947

静 伊i 1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053

平均 11081 0531 2690 073 3446 063 11681056 141 067

除全遅 026 3006 031 12回511i022 224 054 四 a119 動脈血圧 150--72併例合延 17鈴 O

11391 1171 4147 077 3348 068 1380 108 330 086 硬化症眼底 K WJII 症

055 4334 051 12971040 265 054例例平 全例

11151 0661 3054 075 3422 064 12211068 240 0793 4 -

1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053除合併 均 症例 1108 053 2690 073 3446 063 1168 056 141 067

1370 049 5035 082 5890 087 1596 063 128 038

量及

良 8 立 972 077 2017 089 3996 068 1015 054 267 051

1089 118 3010 114好 9l市イ 1161 057 2375i 039 4969 039 037

096 1265 075 1229 074 3298官uシ平 均

ユ 1066 066 2196 058 4483 051 1939 041 2671051 リ

093 1140 064 650 029 2265 ン 硬化症 血圧 60~114

眼底 KWJI 11 小 O

1025 028 4465 06614998 091 1313 059 5u 遅

静 0752 6 4 |i曲胡00 374 057 4145 0761 49141071 1 5 87 2570 078 1将 O注

延例

-園平均

除全 メロL ou 併 除合併 症 症例

488 033 4598 0541 564 64057 12801 071 362 065

512 038 3205 13641 0621 264 075 hellip街lm756 030 4532 0601 5323 072 12961 0531 362 065

374 057 4145 4914071 075 075d4i

968 005

例例 平均

3 4匂圃4

4012801057 714054 56033 4598 488 362 065 61

4172 087 1314 061871 062 平 全例

911 049 059 4903 061 1618 315 058

944 071 3580 082 4605 086 1373 069 196 061 除合併 均 症例 873 059 2997 056 4871 053 1719 042 315 058

良 10891 11911562 103 好 市 304111

t列U9 0110161 17911705087 44601 13111212 1

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 K関する研究 ~2335ー

0959判 1岨15 C A

106 14171 033 48011063 10161 0641 321 083

938 051 1707 069 1163 054 1 88 1 24遅 18 椎 O

1018 1 25 1717 075 5067 095 1597 096 528 0805mg 圧底 KW 1

静 2558 093 3760

延 14姥 O 暖動 化 脈症(蛋血圧底白〔 120〕MBO注 8691 1 75 1864 057 3514 0671 1238 094 心筋障害眼 Kwn

852 074 2208 087 4369 087 1097 069 1 68 平ー均 ou除全 881 1 32 1666 054 4441 075 1284 086 425 081 玉メ口

併 除合併 947 058 2032 083 4674 082 1039 061 168 1 10症 症例例例 888 117 1567 053 4934 078 1306 082 425 081平均

911 085 4029 09 1 1056 076 168 1 10平 全例--

3 4

915 1 44 16761062 4446 087 1266 094 425 081

1876 088 1005 1 10除合併 均 症例 0941425 08138 1613064 4767i 092 12751 1

4276 0~83 1994 065 204 046 21 佐

1305~ 034 3563 048 5976 054 2283 037 255 029

T H

---

1245 056 3771 051 5438 051 1737 053 334 039 良 10立

1182 057 2324 045 4097 5421 45 076 280 066 チ

1034 1 15 9081 100 1623 087 259 011 1 78 029ソ好 5 池 O正

ン 眼底糖尿病性638 031 3226 01313201 034 1693 042 225 023 252 043 網膜炎

50 町 19例

1224 073 5709 084 7891 078 1784 066 266 058 178 029 平 均

内 1051 041 3038 033 4424 049 2040 050 253 041 252 043

服 除合併 1312 061 4024 067 5903 0印54111861541i 059

268 042

1243 044 2934 047 5036 054 2214yen 054 267 046例

遅延

症例 平均

--705 1 17 1154 074 1948 081 785 076 164 068三除日全』

19鵜 O1220 063 2328 076 6213 057 1705 063 232 079併 例

症例例 079 4570 084 1535 068 240 060 178 029

平 全例3 4 1093 046 2860 040 4872 052 1956 053 248 049 252 043 -- 1114 070 3067 068 4585 062 233 048除合併

均症例 1235 050 2738 054 5429 05512044 056 255 056

921 104 1345 097 792 072 066 103プ 6 染 O

900 05511504 036 2076 035 1161 039 1 39 049レ 遅ド

ーー 207 074 1 59 135ン 延 4中 O

867 129 5865 梅 毒 肝 腫A

25285655 0541051 26631057 6140571 56868 041 464515 mg

例 133 043 1190 8221053 070 045 g 渡 O内

初日--服

合除全 平

併症

例2例3 均_

414 012 1440 0211 23191 020 11 161018 1 53 031

640 1 09 2688 1 15 3736 1 16 12181094 1 14072 全例

727 040 2529 044 3347 039 16471042 149 044 8561252

527 095 1101 074 1507 073 068 068除合併症例 657 038 1472 029 21 97 027 11441028 146 039

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

出町

主昨

ゾ判〕

〔民本零時〕

〔認

E

gom

ehln

入ヘ

-5組椎

続出入 5

吋ふ入

γ

N4

特〕

-S

-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

g

h-

軍区民主切

回同入刊にふ

思組権回出回国Hυ〈

〔匝誌零時〕

言語

ヨ昨

五円〕

〔匝芯零時〕

〔題

活性

キ毛

NW

E酬

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2311ー

で何れも糖尿病例に増加を認める

血糖値並びに 17KS量との関係は Naと殆んど同

様の傾向を認める

3 K 糖尿病例平均血媛濃度 44mEqjl尿中排

w量(濃度)34mEq (671 mEqjl)で健常例は

夫々 45mEqjl015mEq (48 mEql)で血撲

濃度に変動は認めないが尿中排世量及び濃度は著

明l乙増加している

血糖値並びに 17KS量との関係は他の電解質と同

じ傾向を認めるが過血糖例に血緊K値の低下が柏

著明である

16 T1824-Space Rho合併症なき糖尿病 例の 司

bullbull

4 TP 特に過血糖の症例lζTPの低下せるを認

めるが一般に略々正常範囲である

17KS値とは特に関係を認め難い

第 2項体液構成 (第 2図第3図)

第 2図 体

T 1824-Space

bull lsquo2 04

03 02amp

bull bull

40+

18

dan-spaceは共に概ね正常範囲内にあるJ) 糖尿病

例平均値は T1824-Space 434体重 Rhodan一

Space246体重で健常例平均 446体重 306

体重に比し Rhodan-Spaceの減少を認めるo

1T 1824-Space 血糖値との関係は一般に認め

られず略々一定値を示しているが特に過血糖を呈

せる 3例は正常範囲の上界を示している

17KS量との関係は更に明瞭でない 193 mgj日

と異常に高値を示した症例 18 Iζ於いては寧ろ 329

予母体重と低値を示す

2Rhodan-Space 血糖値と極めてよく相関を

認め血糖値の上昇lζ 伴って RhodanSp も増大

し特lζ過血糖を呈せる 2例は正常範囲を超えて高

値を示す

17KS量との関係はその増加に伴い柏 Rhodan

Sp も増大する傾向を示す症例もあるが余り明ら

主主主邑L液

RhodanSpace

却IEす 0U32 0B4i $e bull

bull bull A bull

第 3 図

〔血糖値〕 (17 KS量〕

ι

2q bull bull

も 50

bull o ~ bull$8略

色 0~209 e

lsquo yen

7 4Ol 0 818η

3ot 30

100m地 150 200 250 300 417K6S(明 B8Ahf〉0 12 14 血糖値rarr 2判3原中 1+

かでない1血糖値並びに 17KS量との関係

第3項 腎クリアランス (第 4図第5図) GFRは特に過血糖血糖を呈する 2例に増大を認

合併症を有する 10例を含む 25例lζ於いて腎「ク J めるがその他民於いては血糖値との関係は明確で

値を測定したo ない 17KS量との関係は血糖値の場合よりも明ら

合併症なき糖尿病例に於いては GFRは増加し かに認められ大部分はその増量につれて GFRも

糖尿病例平均 1240ccjrnin 健常例 1037ccjrnin 増大している

である RPFRBFは増加せるもの低下せるも RPFは特に過血糖の 2例に明らかな減少を認め

の等一定で払い RPF糖尿病例平均 5309ccjrnin る 17KS量との関係は特に過血糖の 2例び 17

健常例平均 5495ccjrninである FFは8例正常 KS量の異常に高値の 1例を除けば その増量に伴

範囲 5例に上昇を認め糖尿病例平均 0253健常 い RPFの増大するが如き傾向を認めるが余り明確

例0201である でなし0

合併症を有するものの中で特に腎障害例に於いて FFの特lζ高値を示す 3例中症例 23は全例中

は腎「ク J値は何れも低下を示す 最高血糖値を示す症例で GFRの増大と RPFの減

bull bull

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 iζ関する研究 -2313-

第 5 図

A 4lsquo 1目

bull7

0lt 173

1叫

ノ g

o

cj7 も 7

bull ~

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bull bull

叫血糖15値 中 101210円〆 M 0 200 250 3DO 21111尿 417KS6FMhιd 14

15侭0

140

130

1201

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100

90

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100

bull bullbullbull

bull bull 珂

1 空 ~ ~lsquo 30 T 1824-SP0 50 60 体重 15Rhodn_sp20 25 30

メ体rs

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70

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bull

bull

bull

bull3ωト

bullbull bull

100

200 250 300 10 12 148 書〕fioぁ417kscm6中5尿2150刊 吻 血 糖 値

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝lζ関する研究 -2315-

少を認める症例 18は 17KS量の異常に高値を示

す症例で GFRの増大と RPFの軽度の減少を認め

2 体液構成との関係

GFRとPVRhodan-Spとの間には特に認める

べき関係を示きない

RPFとPVとの関係は特に過血糖の 2例を除

けば PVの増加に伴い RPFの増大を来たす

RPFと Rhodan-Spとは特に相関を認めない

第4項 1日尿量 (第6図)

1電解質 早朝水試験前 1時間尿中 NaCl排

世量の著明な症例 2121829Iζ多尿を認める

梢多尿を示す群lと於いては尿中 NaCl量》血疑

Cl濃度共l乙梢低下している

2血糖値並ぱに 17KS量 特に過血糖を呈せる

症例lと多尿を認めるが 17KS量とは更に明らかな

相関が認められその増量につれて尿量の増加を認

ゆる

3体液構成 PVRhodanSpとの関係は著明

でないがその増大群に多尿の傾向がある異常に

17KS量の高値を示す 1例は著明な多尿を示し

PVRhodarトSpの減少を認める

4腎「ク J GFRと1日尿量とは著明な相関が

認められ GFRの増大に伴い尿量の増加をみる

RPFとは明らかな関係は認められない

第 II章総括並びに者按

第 1項電解質

糖尿病における電解質代謝異常はアチドージスと

密接な関係があるとされ Atchley(7)等はインシュ

リン治療中の NaKMgCaNの出納は正であ

るがインシュリン治療を中止してアチドーヂス

第 6匿 1日尿量と諸困三子

Na

rx血 1青海皮世量制働p犀柑t0 11で号(学制時間

)(

x x x X

x

xxetimes )(

)ltX

也~

1

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〉略

GK

tt42日 ふ04oj0

T詩uarr

句守 一日原量 ー日尿量

血稽

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0lsquoB 1 I II I I I I __1 I I I I I

1000Clt 1500 2000 2500

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① ~ 唾 も 0

①① 18 bull

2729

13 0017

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1000 1500 官官00 2500 IQωcc 1500 2000 25ω

bull bull

bull bull

-2316ー 千 葉 医 学 会 雑 誌 第 35巻

η824古p

35

一-体重

0

色 軍 e ffJ(f)

aohe bull0

30

28 畠 丘0

bull bullbull ED

e 0025

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10000C 1500 2000 2500 -500 1000 1500 2000 2500

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130ト 8 700

11120ト025 6ω bulllto

bull 500ト

制~0 o

bullbullbull10

2001bull 仏炉目向 両昔T 1500 2000 2500

の状態lとすれば 乙れらの出納は負となるという 述の如く炭酸脱水酵素作用の異常と相侯って増加す

とれは糖尿病において定量的にケトン体の増量が る為ではなかろうか

認められこれが血液の固定アルカリを奪って尿中 以上糖尿病K於ける電解質の尿中排世量は概ね血

lζ排世する為と考えられている(わ 紫濃度に平行するがその代謝相はそれぞれ箱異つ

著者の成績に於いて血摂 Na濃度は軽度の低下 た態度を示し単にアチドーヂスK関係するのみで

を示し尿中排世量は僅かに増加の傾向を示すが ないものと考えられる

その濃度は低下している従って尿中排世増加は尿 血糖値と尿中 NaCl排世量との聞には一般に

量増加に伴うものである何れにしてもその変動が 殆んど関係を認め難くブドー糖による NaClの

軽度であるととは本症例が主として治療中のもの 再吸収抑制による排世増加は明らかではない 17

である為と考えられる CIK於いては血援濃度 KS量と比較的良く平行関係を認め尿中 NaCl排

尿中排世量及び濃度ともに健常例lζ比し明らかな増 i世増加を認める症例はいずれも同年令層の 17KS

加が認められるこれはケトン血症及び尿細管に於 値に比して増量を認めるかかる群の血疑 NaCl

ける炭酸脱水酵素作用の異常lともとずく代謝性アチ 濃度はその他の症例に比して高値を示している K

ドーツスによる Clの相対的増加とも考えられる に於いても略々同様の傾向を認め石が血糖値の影

Kは血緊濃度比著変を認めないが尿中排世量及び 響も受けて著明ではない即ち糖尿病の電解質異常

濃度は著明に増加するこれは脂肪乃至蛋白質か に於いて血糖値との関係よりも更に下垂体副腎

らの糖新生作用組織崩壊と細胞膜透過性の充進に 機能が密接な関係を有するものと考えられる

よる細胞内 Kの放出と共Ir MudgeBerlinerそ 第 2項体液構成

の他諸家のいう遠位尿細管に於ける K分泌作用が前 PVRhodan-Spは共lζ概ね正常範囲のものが多

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2317ー

いが Rhodan-Spに於いて高値を示せる 3例は

何れも血糖値高く PV 1[於いても正常範囲内であ

るが全例中最も高値を示している

血糖値と Rhodan-Spとの聞に明らかな相関を認

め血糖値の上昇に伴い Rhodan-Spも増大する

PV I乙於いては特に過血糖例に於いてその増大を

認めるがその他に於いては著変を認め難い

17KS量特に低値のものは過血糖に拘らず Rho-

Idan-Spの増加度は少く又過血糖の程度が僅に拘

らず Rhodan-Spの減少程度の少いものは 17KS量

の増加があり軽度ではあるが Rhodan-Sp1[対し

て 17KS量の関係も認められる

即ち糖尿病の細胞外液量は主として血糖によっ

て影響されその上昇によって増大するがブドー

糖の惨透 molは Naのそれに比し遥かに小さい事

より考えれば過血糖による細胞外液の惨透圧上昇

の他民糖質代謝異常に伴う細胞内脱水の関与も加

わると考えるのが妥当であろう以上により糖尿病

の細胞外液相は糖代謝異常に基く血糖値の高低並

びに 17KS排世量を通じて伺える下垂体副腎皮質機

能の如何によって調整されるものと考えられる

第3項腎クリアランス

糖尿病の腎「ク JI[関してはその充進否認めるも

の一定の傾向を認めないもの等種々の報告がある

がこれらは多く糖尿病の腎障害合併例を含めた報

告である糖尿病に於ける腎障害合併頻度は

BryfolgeDunlop日野〈9〉大森等の報告によると

20内外である

著者は合併症の有無により 2群に分けて腎「ク Jを

考察した

腎障害合併例に於いては GFRRPFRBF共に

正常範囲の下界乃至低値を示し合併症なき例に比

し一般に低値を示した

合併症を有せざる症例に於いては

1GFR 上昇を示すものが多く乃至は正常範

囲の上界を示す 17KS量の増加せるもの過血糖

を呈せるものに著明に GFRの上昇を認めた症例

182927の如き 17KS量の増量せるものは過血糖

の程度小なるも GFRの上昇を認め症例7は 17

KS量低値であり GFRは血糖値の程度に比して上

弁は少し副腎皮質機能の関与を推測せしめるが

一方症例2の如く GFR上昇例は 17KS量よりむ

しろ過血糖の影響と考えられる場合もある Frey

も同様に糖尿病患者の GFRは血糖値の上昇と共K

下垂体副腎皮質機能が極めて著明に関与すると述べ

ている仁木(10)は GFRと血糖値の聞に一定の関係

を認めず GFR低下者に 17KS増加を認め 17KS

との間l乙負の関係を示すと云っているがこれは腎

障害合併例を含む為にその関係が不明瞭となる為と

考えられる

体液構成との関係は PVRhodanSpともに認

められない

2 RPF 3357 cc minの低値から 6825cc min

の聞に広範囲に分布する

血糖値との関係は余り著明ではなく特に高血糖

を呈する 2例は PVの増大を認めたが RPFは著明

に低下を示している

17KS量との関係は余り明らかではないがその

増加につれて RPFも上昇する傾向を認める即ち

副腎皮質ホ Jレモンの作用は軽微であるが PVの変

動と平行して RPFも変動する

体液構成との関係は RhodanSpと RPFとは明

らかではないが PVとRPFとの関係は上述の

過血糖例の如き例外を除けば比較的明らかで一般

1[PVの増加K平行して RPFの上昇を認める

3FF 正常範囲内のもの上昇を示すものが相半

ばするが殊K著明な過血糖を示す症例又 17KS

量の増加例の如き PV減少により脱水症状を示した

症例に於いては FFの上昇が著明に見られる

第4項 1日尿量

古くから糖尿病の多尿は糖排世量と略々平行する

ζ とが知られていたこれはブドー糖の惨透圧利尿

の一典型と考えられ ζの際 NaClの再吸収は抑

制され尿中排世量が増加すると言われている近

時糖尿病の多尿は多くの場合糖排世増加のみによる

ものでないことが知られ多尿の原因として糖尿

電解質喪失アチドージス等が HinkleMeyer

Atchley及び Peters等によ b示され(11〉更に 17

KS排世異常一下垂体副腎系及び ADS異常一下垂

体後葉系の内分泌関与が矢野(12)PickfordVerney

等により示されている Freyは糖尿病の水分代謝

の因子として高血糖のみならず副腎皮質機能が関

与し 1日尿量の増加 GFRの増大は血糖上昇の他

1[17KSの増量と関連のある事を認め下垂体副腎機

能充進が極めて著明な関係があると考えた

著者の 1日尿量と諸因子との関係を検討した成績

に於いては 17KS量との相関は著明であるが 17

KS量の低下例に於いて僅かに高血糖の影響を受け

て尿量も柏増加する例をみる即ち血糖値との関係

は一般に軽度で 17KS量との関連がより密接であ

-2318ー 千 葉医 学会 雑誌 第 35巻

第 2表 水利尿と諸検査成績 I 糖尿病例

年稀釈力試験 1日|尿中 好酸球雌値l血張中濃度 T

令 時尿量 cc 1824-GFR全 17K 減少率 Sp

症 例日tr2時全 尿量 1日量 一m一g一fd11 Na IK 合併症その他l間両量4時間 ccmgd a 4時間尿糖量一一一一一一一larr

Rho-

(2時間f--ICl 総蛋白 dan-RPF

別 間量量 dayl day Sp e

1将 45 239 241 296 1400 46 551 15173

374 1940 73合 135 (223) 833 1093 705 319 34972

57 467 判制 1450 39 528 14084 CEJ稀釈試験 2時間4前 NPH 733 2150 112 〕イ ン シ ュ リ ン U 皮下

合 266 (304)1 1531 1116 756 338 33573 注(不適〉

3渡 60 432 243 1400 39 560 12638

1860 合 ( 432) 350 1222 798 348 64906

4 中 49 379 366 241 1483 39 570 15780

867 1850 109 A梅毒 肝腫合 488 (223) 220 1185 852 277 85193

池 46 482 363 237 1483 38 468 11046副J血 尿血蛋圧白 (1十74)~96510 1034 1540 95 正 552 (189) 220 1074 763 276 566 腎症 眼底糖尿病性網膜炎

65 447 200 236 1443 36 390 11549

921 1360 15

474 (0) 300 1073 698 277

71き1213

299 210 626 9570 血圧 105--0915 1670 83 脚気 第二肺動脈音充進(267) 365 10791 317 31834

8 立 58 916 1533 465

1370 1540 77 281 I

453 (200)1 250 1150 783

9市 191 1457 44 420 10586

1089 1350 31 1(430) 591 120 1090 861 286 51230

+51~ 797 189 1557 475 必 71廿1245

448 ( 469) 200 1295 90 253 1605

53 502 514 175 1433 48 443 10108 動脈尿蛋白 i一〉11 650 2030 71

合 148 (514) 150 1116 783 317 44616硬化症血 圧匠 60--114 限 KW n

市 52 388 936叶 173 1325

12 31 548 20 1114 86 206

木 52 776 十110 164 1543 60 329 15100 13 1010 2370 193

恵 合 234 (40) 50 1191 822 224 41814

姥 70 270 232 158 1450 48 483 動脈 尿蛋白 (1ー20〉~

14 662 1290 63 ⑦硬化「 血 底圧 80合 392 (128) 270 1302 822 219 心障 筋碍 眠 KWII

勝 50 582 223 158 1414 43 435 11087 15 956 850 54

374 (278) 90 1278 822 195 50363

内 59 774 286 158 1433 39 12101 r yen

16 1160 1640 73 注 血 底圧 70--100 390 (229) 22 1100 744 -- 眼 KW工

鈴 58 497 482 41 403 8239 腎症尿蛋白 1(5十0~)72

17 820 1980 117 693 315 28935 動 脈 血 圧底

合 323 ( 447) 1081 1074 硬化症眼 KWlli

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2319-

18 椎52

49

200

(234)

157

70 12041 90

408

170 (尿血蛋白 (170~)90

402791~ 眼 圧底 KWI

19 鵜

54

325

380 705 73

(200)1 80

1567

1365

46

862

539

185

10024

68254

20 池

55

743

128 871

120

32

1500

1132

34

71

366

198

21 佐 48合

843

550 1393 1740

469 107

(405)

120

20

1550

1389

47

852

422

251

13260

65505

1|阿2210 合 3卜148 1620 5121m|附 365

(575)1 161 1067 783

E 健常例

年 尿量 cc 1日尿17K中S

好酸球 血糖値 血築中濃度 T

1824-GFR 令

前 全全 減少率 mgdl Sp

症例 尿量 1日量 Na 1 K Rho- 備 考

性 一22時時蚕間間~14時間 cc mgday 4時間 尿糖量 dan-RPF

5JJj 時間量

day (2時間) g Cl 総蛋白 Sp

1中 20 865 367

1139 1701 274 (ー) 280

2増 22 727 446

1065 1387 合 338 (一〉 321

3 出 26 1140 502

1295 1732 合 155 (一〉 286

4 山 28 845 583合 245

(一) 291

5鳥 24 1220

17821338 合 118 (--)

6岩 27 1210 101 1596 39 388 11155

1328 118 (一) 1037 938 3633 79350

7戸 32 1035

1094 1603

59 (一〉 994 835 13805

8 諸 47 860 1460 40 408

1029 -合 169 (一〉 1027 752 2913

9 菰 36 907 1457 48 386

1139 合 232 (-) 994 783 2600

金 22 932 51 10 1063

合 131 (一) 11080 823

斎 36 1013 1144 11 131

(ー〉

11NωNOs-

第 3 表 水利尿と諸検査成績(平均値〉

〔註尿中電解質は水試験前値J C合併症を有する例を除く)

電 解質そ の 他 (前値〉体液構成 腎「ク J 値 水利 尿

Na C1 K 糖 総蛋白

m血四iE援mqE尿UE中qI E血dIEg糖lf尿d a中y

m血d淫援r117KS Eosin 1日尿量

4時間T 1824 Rhodan

GFR RPF FF 尿 J主芸ELt 排世比 Space Space

mgday 一 cc cc

健常例 15113715154 JZグ内 1608 446 309 1037 5495 0201 11580 019

良好例

JfとfylM294 1687 402 259 1273 5476 0245 12030 051 (1000cc以上〉

糖 I工G群Bc

71Jケ m208 1056 397 209 1162 4532 0262 9244 068

遅 8J0ccー戸〆

尿延 E而群c とJケ叩 321 1653 550 284 1261 E604 0258 4040 084

病yen 以J下

仰1

こ7ケ明例 平均 264 1280 454 237 1212 5175 0259 7290 071

全例平均 lJJ381134A 631j 4104JflJブ 721 280 1470 434 246 1240 5309 0253 9502 059

H

部 ω印時

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2321-

る ADH抑制作用と異る点がある

Gauntは抗利尿ホノレモン (ADH)の分泌抑制及 即ち副腎皮質機能の充進は櫨過量の増大と尿細

び血中 ADHの不活性化は副腎皮質ホノレモンの充分 管K於ける水分電解質の調節異常に関与して多尿を

な存在によって促進されると述べている然し過血 来たすものと考へられる

糖に於ける多尿に際し NaCl排世量の増加が少

い事より過血糖の多尿は Osmotic diuresisの他 第3篇糖原病の水利用

ι 一定限界を超えた高血糖が血撲惨透圧を軽度に 合併症を有する 6例を含む糖尿病患者 22例に水

充進し Homer SmithVerney(13)等の言う Os- 1L負荷して稀釈力試験を行った

moreceptorを介して ADH 抑制作用を現わし多 合併症なき 15例中水利尿良好例(尿量 1000cc

尿を来たすものと考えられる然し多尿の原因とし 以上) 7例遅延例工型 (1000cc---800cc) 5例

て副腎皮質ホ Jレモンの関与がより強く考えられる 遅延例E型 (800cc以下) 3例を認め之等諸群と

即ち 17KS量と 1日尿量 GFRと1日尿量 17KS 健常例 11例とに就いて比較検討した

量と GFRは夫々極めてよく相関が認められる叉

17KS量増加に伴う多尿に於いては電解質殊に Na章 I章検査成績(第 2表〉

排世量の増加が特徴的であり穆透圧克進による 第 1項水利尿と諸因子(第3表第7図〉

第 7図 水利尿と諸因子 (合併症を有する例を除く) 管02

(由X羽 〈字調期X

x l(

X

X 0 )( 7

130-6

ex x

X

120-4 C主 x x

dpe 3

1

X

110-2

darr血 』ιτ京支~一一点尿 iooCC 400 600 -600 1000 賠ム 一ーy 600 800 1000 1200克 4時間床量

剛志e-ιmみ岡原ff

6 X

K

0尿血中衆林議浩度量(前値)

x

~ x

X

X x x xX

gtイ

メtimesx x x

4x x X

ち瓜

X

3

2

下〈 ラ〈

200記 40-0- 扇面一一一 600 -1000 1200- 200cO ---41fO 山内--800--1-00岡 0-----60

主主主-2322ー 千 葉 医 弓f- 会 雑 誌 第 35巻

事量 日 221 (ぷ 33訪世 J117 邑星 IKS三米 1-Jli ls

x 事|量 13

ι

2崎1ol-X )( x

22何0 x x 0

x2ω-50 ~ x

)0( G18ト-10 x

0)(

x

f件-JO 10

~)(X x

14()-20 浪

(syto

1 J r I1 10ro

121r 10

1 1 I 1I 1I _ 1 冊1k

f-ω i-nv -au

-nυム斗

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〕山町

12ωAnn cnn Qnfyen400 600 ll山間U

VAG-

Ar-HG

~-

212尿 由

u

町内

I nn一~ 200ee

vLmWa

百尿量

c均 -2400 10

13 -

Os

QS

守 07

e 00 e

011 l 1 I I I I Ll_LIB

1 1 I 1 I I_j I J 1 I 1 200巴 40D 600 800 1000 1200 200 400 600 -~8-OO-- --1000 IlOO

T84-SP 60t-

RJr -sp

32 7

4串19 重 ~30

丘au

o 0

4色白

s 辺

19

2amp

20

司 JB 19

___ー ι _ 2000 400 600 BOO 1000 1200 20Q 400 600 800 1000 1200

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2323-

G RPFC41M1_

句々ωt

140

oOO

110

300

100

I ~ I L_____ー」ーよーし一一一larr 五百h200lt

I

lt 400 600 1200 200血 400 600 800 1000 1200

1電解質 試験前 1時間尿中の NaClK量及 2NaCl 健常例の NaCl排世像は水負荷

びその血撲濃度と水利尿との聞に相関は認められな 直後水利尿発現初期比軽微の排世増加を認め利尿

期には寧ろ排世減少し 3時聞をきの濃縮移行期lζ再

2血糖及び尿糖 水利尿と比較的よく負の関係 び電解質排世増加の最も高い時期となる糖尿病の

を認め著明な過血糖例の 4時間尿量は極めて少い 水利尿良好例に於いてもこれと略々同様の変動を示

3尿中 17KS1日排世量及び好酸球減少率 水 すが利尿初期の排世増加が著るしくなっている

利尿良好例には 17KS量の増加好酸球減少率の高 遅延例も良好例に類似した変動を示すがその変動

度なるものが多く過剰排世型の傾向を示す遅延 は極めて小さい

例E型K於いても 17KS量の増加好酸球減少率 良好例のうち症例 8102122遅延例 E型のう

の高値を示す傾向を認める o ち症例 1の如く著明な NaCl排世を認める症例

4 1日尿量 水利尿と 1日尿量との聞に明らか は何れも尿中 1日17KS排世量は比較的高値を示し

な関係を認め難いが異常な 17KS増量例及び著明 こ良好例のうち症例 9遅延工型の症例6は全4

な高血糖例を除けば水利尿の程度と 1日尿量とは 時聞を通じて NaCl排池ー量は低値を示しかかる

柏平行する傾向を認める 症例の 1日尿中 17KS排世量は最も低値で最大利

5体液構成 T 1824-Spaceが正常範囲内で 尿時尿量は低下し最大利尿発現時も遅延している

正常の上界値を示す症例に於いて水利尿は遅延E型 3 K 良好例及び遅延 E型のKの変動は健常

を示す Rhodan-Space Ir於いても同様の傾向を認 例に類似しているが遅延工型に於いてはKの排世

める は比較的少い

ι腎クリアランス 著明な過血糖例及び惨透圧 4 17KS及び好酸球減少率 水利尿良好例に於

上昇K伴う PV増大例及び異常な 17KS増量の 1例 ける水利尿時 17KS排世量及び好酸球減少率は最も

を除外したその他K於いては GFRRPFの増減 著明である

に応じて水利尿も増減する傾向を認めるが著明で 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比(第4表

ない 第5表)

第 2項水利尿時諸排世像(第8図) 1 諸排世量 (第9図)

1尿量 最大利尿時尿量は健常例が最も多く 尿量の糖尿病全例平均は健常例K比し減少を認め

以下水利尿の程度に従って順次低下し最大利尿発 る

現時も順次柏遅延の傾向を認める水利尿良好例及 NaCl は水利尿良好例に著明な排世量増加を認

び遅延例工型lとても最大利尿時尿量の比較的低下例 める遅延例E型も症例により排i世増加を認めるも

を認めるがかかる症例の最大利尿発現時の遅延は のもある

著明である 排世量の平均値では良好例に NaClの増加が著

-2324ー 千葉医 学会 雑誌 第35巻

00 cc

第 8図 水利尿時諸排世像(合併症を有する例を除く)

健常例 良好例

ーlsquo必21

mEq_lmEラ

2 1-iacute~ Il

10ト120

c1ワ

5

ト1

0

財政球減少率)

原中門院(||)

情M

a

o

n

ν

p

b

Aωnυ s

~A--ーー

--

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝花関する研究 -2325-

遅延例工型 遅 延 例 E 型

400ト cc

尿

9

1iし

也印

3

0

5判

M

一 2怠色ム-_ ---温lsquo邑---_-ldquo F

3

aTEFIl--r

m

1

0

A司

I~ ldquolsquo Jρ降lsquo

i ヘヘlsquoyen 一vlsquo日一ア一-笹居宮包日畠日-

A__-一 a

6ペへyenyenyenyen

yenろノIl ~lsquo~--也

好均時雨少苧

尿中 ηdM

-2326ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 4表 水利尿と諸排池ー量 工 糖尿病例

年 尿量 cc Na量 Cl量

KIIlE量q 17KS量 | 尿 糖 量

メHLmEq mEq mg g

症例目Ij

全前 l全 刷 全目Ij

全目IJ 全日Ij 全 合併症その他

f生 22時時後間間4時間|22時3問間時間1晶時間114時間22時時後間間 22時時後間間4時間占2時時後間間別 4時間 4時間

2879 151 144

135374 1791 4145 4914 1587 264

合 2035 595 113 113

2酒 57 467 2196 1803 601 036 H稀釈試験 2時間前4 NP

733 4795 4399 799 インシュリン u皮 合 266 2599 2596 198 145 下注射(不適)

60 93 11931065181I1 1669

538 048 709 822 070 772

合 40 423 284 022 063

4 中 3440 882 119 068

8194 2039 207 160 A 梅 毒 肝腫 合 488 4754 1157 088 092

池 46 482 4457 l別 869 125 138

510 1034 90811 111868 1623 259 179 腎症正 552 4624 5935 754 134 041

6染 65 447 683

792 033

921 1011 13 066 474 51 663 332 033

7浅 31 517

|「ど71 458

9151 111 1520 717 脚気 398 4141 1 649 259

916 2174 3138 093 1288) 0

1370 5035 589 1596 453 2260 2752 617 035

498 771 1405 464 9) 0

1089 1472 3010 933 591 701 1605 469

立 58 797 3589 1139 10 1245 3771 5438 334

448 1278 1849 598 095

53 502 1233 1496 693 082 067 11 650 2265 2875 1140 145 084 動脈硬化症 148 1032 1379 447 063 017

市 52 388 834 911 12 936 1743 3477 1977

548 909 1872 1066

木 52 776 2066

吋 lm13 1010 3951 6198 1570 百-三~ 合 234 1885 26151 1 599

蛇 70 270 662

1322 1887 654 動脈筋硬障化症14 2558 3760 1212 ⑦む 碍 合 392 1236 1873 558

582 956

1273 257q叫 535 076

15 2358 244

315013 9i6 148 374 1085 381 072

内 59 774 2162 944 200 16 1164 301 3168 1271 307 注 390 857 909 327 107 L J 眼底 KW工

17 820 410198 300 腎症 合 323 7 2221251079224060093動脈硬化症l|145110331オh1410ぺ|叶11|鈴

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝lと関する研兜 -2327ー

52 620 18 椎 (血底圧 170~901707 4335 11 6 318 651 注

眼 KWI041 1 4091764 ~17

54 325 662 097705 54 785 1 6419 0鵜 11 1 875 380 492 338 067 014

55 743 977 1915 415 20

池 128 871 2043 3315 800 1066 1400 385

48 843 2338 3796 1208 140 佐

21 42761393 6368 1994 204550 1938 2572 786 064合

2481lz卜147判|州|吋 E 健常例

年令尿量 cc

Na量 Cm1E量q KmE量q 17KS量 尿糖 量 mEq mg g

症例

22時時前後間間 4時且八間

別全

22時時i後iiJ間間 4時~間122 時時前後間間 4時一一A 間 22時2削聞間 4時~間 2J時前間問 4時こ八に間備 考

a別性 22時2「間目nl4時間

1 中 20 709 1752 855

2741 1139 1653 3212 1471 944 1460 616

2ぎ 22 727 1065

823 2683 724 1658 41 11 1638

合 338 835 1428 914

3出 26 1140 3422 1297

155 1295 4038 5682 2115

合 21 98 2260 818

4lU 28 845 988 21 99 630 1090 21 07 3899 986

合 245 11 19 1700 356

515 24 1220 1625 2034

1338 2571 31 1084 合 118 946 1144 382

1210 445 1077

1317 2162

371 1328 629 118 632 845 258

71~ 32 1035 725 1698 991

1094 1601 2217 11 84 59 876 519 193

8ぎ 47 860 737 1993 1 66 1029

603 1340 2703 236

合 169 710 070

9菰 36 907 1377

2605 2461 800

1139 3725 144 1合 232 1228 1264 64 1

金 22 932 726 1486 832 10 1063 1538 2412 1078

合 131 812 926 246

斎 36 1013 1957 478 739 11 1144 2812

539 1017 1188

131 855 449

-2328- 千 葉 医 学 ムヨミ 雑 誌 第 35巻

第 5表 排世量及び排j世比(後前)(平均値)(合併症を有する例を除く)

尿 主主ヨ豆lsquo Na Cl K 17KS

前川~stl 前 知 吋 比 前 2st門比全 4時 間 量 比 全 4時間量比 全 4時間量 全 4時間量 全 4時間量

974 184 1000 1019 2105 1226 737 449 061健常例 019 102 058

1158 2019 3331 1186

795 408 2153 1487 2997 1994 924 533 168 075 良好例 051 069 067 058 045

1203 3640 4991 1457 243

糖 工 555 368 913 868 1869 1628 621 513 064 069

群 066 095 087 083 107

遅 923 1781 3497 1134 133

尿 218E 185 1261 902 1650 1174 659 406 099 068

延群

084 072 071 061 069

病 404 2163 2824 1065 167

J1j 429 299 1042 881 1787 1458 635 473 082 068 平 070 084 082 074 084 例 均 728 1923 3245 1108 150

全例 600 350 1561 1164 2352 1708 769 501 058 075 073

065

1 187 061

平均 950 2725 4060 1270

白色

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48

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2329-

明で遅延E型に於いても Na排世量が柏増加する すlarr

傾向を示す Clは健常例 058糖尿病例 073で後半の増量がよ

KはClと略々類似せる傾向を認める り大である

17KS排j世は Na排世l乙略々平行するが如き傾向 Kは Clと類似の傾向を認めるが症例 12 1[於い

を示す ては117と著明な上昇を認める

2 諸排世比 (第 10図〉 1 諸排世量及び比と諸因子

水稀釈力試験時の各排世量の後半 2時間量l乙対す 諸排世量(第 11図〉尿量と血糖値との関係は中

る前半2時間量の比を以って排世比とした 等度以下の過血糖の症例lζ於いては血糖値の土井

尿量の平均排世比は健常例 019糖尿病例 058 氏伴う尿量の減少は軽微であるがj著明な過血糖例

で後半排世量増加を示し水利尿良好なもの程小で を呈せる症例は尿量は極めて少い 17KS 1日量と

あるがその関係は余り著明でない症例 6912 の関係に於いてはその増加している症例に精尿量

19の4例は排世比の上昇著明で10を越える の増加する傾向を認めるが著明でない

Na は健常例102糖尿病例 075で前半排世量の増 NaClKの電解質排世量と血糖値の関係は余り

加を見る症例 6912は10を越える排世比を示 明確でなL0 17 KS 1日量とは明らかに相関を認め

第 10図 水利尿と諸排世比 (合併症を有する例を除く)

N

ご~)(ltιε

Hmu 14 1井

12

X

原量

oAAOOX

01

o

x

09 x eβ

下〈

ldquo川附

QS 自由 X

且7x

e G

06-1-

05

H

04t

03+ x

02+ 02

01十

2boCC 400ωo 800 一一一一一1-LlOOO 1200 200 4 400

+ 800 iobo 1ゐ larr品

t 17 K ~宮

15

附H 11

3

2

1

0

8

0

l

Q

G

O

n

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A

3

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v

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G o o

C

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3

4

J

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G

3

202

01

200ζc 400 占ず4 市斗~1()~D----lLIUgrave~OL-l--- IToι ーふ0--+-市布~ 4時向原賢一』 4時間尿器-

-2330ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

る て電解質排世比の僅かの上昇を認め叉尿量排世

諸排世比(第 12図)諸排世比と血糖値との関係は 比に於いても 17KS減少例及び症例 19 K上昇を認

認め難く叉 17KS量との関係も一般に著明ではな める

いが 17KS 1日量の特に少い症例 69121乙於い

第 11図 排世量と諸因子 (合併症を有する例を除く)

〔血糖との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

gst

ePe

12m払 γ

J4

0

30

20

10ト

2 4 6 日 10

200 250 300

G

30

20 1

10ト

寸 250 4 8 10 12刊初ザ6 2 300

K

14

8十

oe

100π彬l(_ 150 lOO 250 却 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

ウ匂

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2331ー

〔血糖との関係〕 [17KS 1日量との関係〕ー

25ト

KSつιE

17

bull

1001113μ~ loO 甲 17 8 9 10 ( 3oo 2 3 4200 2DO 司司m-J2amphMd恥凶うー事

~I 6

51

尿

44 糖

3

o I 3

2

100iR 150 200 250 300 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12匂

第 12図 排世比と諸因子 (合併症を有する例を除く〉

〔血糖値との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

1amp

同 019

警08 s 07

0

ee o

05

邑4

3

Q2 112

01

ト 100向始H且 150 200 250 30ー15ー中 s4 5 6 7 白 ] 10 11 12叩拠ザ」 酔|ーム2tflf7K16 糖値

井1ト41

e 0611amp1

自書r

似し 2

100mJJtl 150

ト21

200 250 4 1030016+ 2 主判事l判

-2332ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

61

OJl卜

08ト

04

10

oq

17ω kS笛

04

1)2

01

尿

5(1

02

01

10

也4

03

〔血糖値との関係〕 [17 KS 1日量との関係〕

14

12

t 1Oo

8

09

Ob 0干

02

100明弘a 150

c0

100明 11 200rnJdl

150

10b夜間 200

第 II章総括並びに者按

300

250

Os06

一一一_L 250 300

lC

08

也6

Q4

2345amp789 叩 11 12匂勾

JSLJ一一よ 0 1 I 7 8 9 10 12閉め匂 11

G

一」一一よ一一J一一」一ーーーー-

8 11 12吻匂

109

第 1項水利尿と諸因子

電解質との関係 水試験前値の尿中電解質排世

糖尿病K於ける水分代謝の問題殊に 1日尿量 量及び血察電解質濃度と水利尿の程度には一定の関

と水試験時の如き急激なる体液変動を惹起せしめ 係を認め難く試験前電解質量または濃度によって

た場合の水分代謝とは当然同一視得ないものがあ 水利尿は影響を受けない

ると思われる 血糖値との関係 血糖値と水利尿との聞には負

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2333ー

の関係を認めるが著明な過血糖を呈し PVRho- の遅速は一定でない乙れは血糖値の上昇せる為

danSpの増加を来たす様な症例は水 1L負荷にょ に ADH作用抑制によって起る水利尿反応が鈍化

つでも OsmoreceptorVolume receptorを介し され得る故であろう

て起る ADH分泌抑制の度が小となり水利尿反応 水利尿の良否lζ拘らず最大利尿発現時の遅延する

が少くなる為か尿量は極めて少ない過血糖中等度 症例は 17KS量の低値の例及び血疑 Na濃度が他

以下の症例は PVR対する影響も少く 尿量減少 の症例広比し高値を示す症例で何れも水利尿時の

の度も軽度である NaCl排世は殆んど尿量と関係なく減少している

17KS量との関係 17 KS 1日尿中排世量の増 電解質排世像は水利尿良好例に於いては健常例

加に従って尿量増加の傾向を認め特に過剰排世型 と異なり利尿発現初期に著明な Na排世のピーク

の傾向の認められる症例に 17KS量の増加を認め を見るこれは何れも 1日尿中 17KS排i世量増加例

るかかる症例は何れも GFRの増大と尿中 Na である遅延例工型は 17KS量の増加せる例少く

Clの排世増加を認めた例である 電解質排世も著明でなく略々健常例に近い排世像を

然し症例 13の如く 17KS量異常に高値で多尿 示す遅延E型は水排世遅延最も著明にも拘らず

lとより PV減少を呈せる脱水症例では水負荷によ 電解質排世像が良好例比類似して比較的著明な症例

りPVの変動は強く現われるが排世尿量は少い を認めるが ζれは 17KS量の増加を認める

叉著明な過血糖例及び症例 19の如く血疑 Na濃 更に症例 9612の如く 1日尿中 17KS排j世量

度が比較的高値の症例は間脳ー下垂体後葉系並びに 低値の症例は水分排世量に関係なく終始 Na排世

下垂骨前葉一副腎皮質系の内分泌機序の連関性の失 の増加が認められない以上の成績と過剰排世型を

調の為か 17KS量比較的増加しているにも拘ら 示す症例l乙1日尿中 17KS量の増加を認める事より

ず利尿は遅延する 考えれば水利尿時尿量の増加は GFRの良好なる

1日尿量との関係 一般に水利尿との相関を示 事と相侯って副腎皮質機能の比較的健全なるによる

す傾向にあるが特に過血糖を呈する症例及び異常 ものと考えられる唯し症例 13の如く 1日尿申 17

rc17KS量の増加せる症例に於いては前述の如く水 KS排世量の異常に高値の症例に於いても利尿初

利尿時の尿量を抑制する 期の Na排j世のピークは柏低く血媛 Na濃度の低

即ち 1日尿量lと於いては恒常的な腎機能及び 下も殆んど認めない場合もある

体液構成等の因子が関与し水利尿に於いては急 ClK の排世像も同様の傾向を示すが Na程著

激な PVの量及び質の変動が主要なる役割をなすも 明でない

のの如くである 以上を要約すれば血糖値の上昇例は最大利尿

体液構成との関係 PVの比較的増大している 時尿量を減ずるが最大利尿発現時聞に特に影響を

症例に於いて水利尿時尿量の抑制を認めるかか 認めない又 1日尿中 17KS増量例は電解質特に

る症例は著明な高血糖を呈し又は血緊 Na濃度の Na排粧を増加し利尿初期は特に著明である ζ

比較的高値の症例である れに反し 17KS量低値なるものは Na排世増加を認

腎クリアランス値との関係 GFRRPF共に めずそれに伴い最大利尿発現時を遅延せしめ最

水利尿の程度と精関係を認めるが前述の特に水利 大利尿時尿量も柏低下せしめる

尿を遅延せしめる因子の存在する症例に於ては腎 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比

機能の如何に拘らず水利尿時の尿量は少い尚 尿量は糖尿病例は柏減少し水利尿の遅延するに

Smith及び永峰(14)によれば稀釈試験時KGFR 従ってその排世比も柏増大する

RPFの変動は殆んど認められないと言われている 電解質排世量及び比共l乙水利尿の良否とは特に相

以上主要な水利尿遅延因子としては腎機能の 関を認めないが水利尿の良好例K排世量の増加を

良否は当然考えられるべきではあるが更に ADH 認める

並びに副腎皮質ホ Jレモンの分泌機序の異常も強く関 血糖値との関係はその上昇するにつれて水利尿時

1乙殊に甚しく叉l尿量は減少し著明な過血糖例 L与することを考慮しなければならな

第2項 水利尿時諸排世像 日尿中 17KS排世量は尿量との関係は軽度で電解

尿量の変動は水利尿良好例遅延例工型 n型 質殊に Na排世量との相関が明らかである乙れ

買に最大利尿時尿量の減少を認めるがその発現時)1の は血糖上昇の際は AD町分泌抑制が主で 17KS増

-2334- 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 6表 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

工 諸排i世量及び諸排世比

排 17 KS K 糖

水単独 水物単併独

ClNa尿薬

備 考水物単併独水単独用 薬水物単併独用薬水物単併独用症 薬用薬物併薬用併負荷用薬負荷物び

例『番比

物号

1164 050 3019 035 307 053 16 内 1321 041 141 067 1252071 4393 04814043

40 1148 019 3836 057 4964 050 1096 044

ブ 22 阿 O田1048 056 2003 118 3328 078 1237 067 ド

糖 1010 030 3951 091 6198 073 1570

40cc 13 木 O恵 前|1023 035 1677 120 2969 084 947

静 伊i 1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053

平均 11081 0531 2690 073 3446 063 11681056 141 067

除全遅 026 3006 031 12回511i022 224 054 四 a119 動脈血圧 150--72併例合延 17鈴 O

11391 1171 4147 077 3348 068 1380 108 330 086 硬化症眼底 K WJII 症

055 4334 051 12971040 265 054例例平 全例

11151 0661 3054 075 3422 064 12211068 240 0793 4 -

1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053除合併 均 症例 1108 053 2690 073 3446 063 1168 056 141 067

1370 049 5035 082 5890 087 1596 063 128 038

量及

良 8 立 972 077 2017 089 3996 068 1015 054 267 051

1089 118 3010 114好 9l市イ 1161 057 2375i 039 4969 039 037

096 1265 075 1229 074 3298官uシ平 均

ユ 1066 066 2196 058 4483 051 1939 041 2671051 リ

093 1140 064 650 029 2265 ン 硬化症 血圧 60~114

眼底 KWJI 11 小 O

1025 028 4465 06614998 091 1313 059 5u 遅

静 0752 6 4 |i曲胡00 374 057 4145 0761 49141071 1 5 87 2570 078 1将 O注

延例

-園平均

除全 メロL ou 併 除合併 症 症例

488 033 4598 0541 564 64057 12801 071 362 065

512 038 3205 13641 0621 264 075 hellip街lm756 030 4532 0601 5323 072 12961 0531 362 065

374 057 4145 4914071 075 075d4i

968 005

例例 平均

3 4匂圃4

4012801057 714054 56033 4598 488 362 065 61

4172 087 1314 061871 062 平 全例

911 049 059 4903 061 1618 315 058

944 071 3580 082 4605 086 1373 069 196 061 除合併 均 症例 873 059 2997 056 4871 053 1719 042 315 058

良 10891 11911562 103 好 市 304111

t列U9 0110161 17911705087 44601 13111212 1

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 K関する研究 ~2335ー

0959判 1岨15 C A

106 14171 033 48011063 10161 0641 321 083

938 051 1707 069 1163 054 1 88 1 24遅 18 椎 O

1018 1 25 1717 075 5067 095 1597 096 528 0805mg 圧底 KW 1

静 2558 093 3760

延 14姥 O 暖動 化 脈症(蛋血圧底白〔 120〕MBO注 8691 1 75 1864 057 3514 0671 1238 094 心筋障害眼 Kwn

852 074 2208 087 4369 087 1097 069 1 68 平ー均 ou除全 881 1 32 1666 054 4441 075 1284 086 425 081 玉メ口

併 除合併 947 058 2032 083 4674 082 1039 061 168 1 10症 症例例例 888 117 1567 053 4934 078 1306 082 425 081平均

911 085 4029 09 1 1056 076 168 1 10平 全例--

3 4

915 1 44 16761062 4446 087 1266 094 425 081

1876 088 1005 1 10除合併 均 症例 0941425 08138 1613064 4767i 092 12751 1

4276 0~83 1994 065 204 046 21 佐

1305~ 034 3563 048 5976 054 2283 037 255 029

T H

---

1245 056 3771 051 5438 051 1737 053 334 039 良 10立

1182 057 2324 045 4097 5421 45 076 280 066 チ

1034 1 15 9081 100 1623 087 259 011 1 78 029ソ好 5 池 O正

ン 眼底糖尿病性638 031 3226 01313201 034 1693 042 225 023 252 043 網膜炎

50 町 19例

1224 073 5709 084 7891 078 1784 066 266 058 178 029 平 均

内 1051 041 3038 033 4424 049 2040 050 253 041 252 043

服 除合併 1312 061 4024 067 5903 0印54111861541i 059

268 042

1243 044 2934 047 5036 054 2214yen 054 267 046例

遅延

症例 平均

--705 1 17 1154 074 1948 081 785 076 164 068三除日全』

19鵜 O1220 063 2328 076 6213 057 1705 063 232 079併 例

症例例 079 4570 084 1535 068 240 060 178 029

平 全例3 4 1093 046 2860 040 4872 052 1956 053 248 049 252 043 -- 1114 070 3067 068 4585 062 233 048除合併

均症例 1235 050 2738 054 5429 05512044 056 255 056

921 104 1345 097 792 072 066 103プ 6 染 O

900 05511504 036 2076 035 1161 039 1 39 049レ 遅ド

ーー 207 074 1 59 135ン 延 4中 O

867 129 5865 梅 毒 肝 腫A

25285655 0541051 26631057 6140571 56868 041 464515 mg

例 133 043 1190 8221053 070 045 g 渡 O内

初日--服

合除全 平

併症

例2例3 均_

414 012 1440 0211 23191 020 11 161018 1 53 031

640 1 09 2688 1 15 3736 1 16 12181094 1 14072 全例

727 040 2529 044 3347 039 16471042 149 044 8561252

527 095 1101 074 1507 073 068 068除合併症例 657 038 1472 029 21 97 027 11441028 146 039

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

出町

主昨

ゾ判〕

〔民本零時〕

〔認

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-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

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軍区民主切

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〔匝誌零時〕

言語

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五円〕

〔匝芯零時〕

〔題

活性

キ毛

NW

E酬

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

かでない1血糖値並びに 17KS量との関係

第3項 腎クリアランス (第 4図第5図) GFRは特に過血糖血糖を呈する 2例に増大を認

合併症を有する 10例を含む 25例lζ於いて腎「ク J めるがその他民於いては血糖値との関係は明確で

値を測定したo ない 17KS量との関係は血糖値の場合よりも明ら

合併症なき糖尿病例に於いては GFRは増加し かに認められ大部分はその増量につれて GFRも

糖尿病例平均 1240ccjrnin 健常例 1037ccjrnin 増大している

である RPFRBFは増加せるもの低下せるも RPFは特に過血糖の 2例に明らかな減少を認め

の等一定で払い RPF糖尿病例平均 5309ccjrnin る 17KS量との関係は特に過血糖の 2例び 17

健常例平均 5495ccjrninである FFは8例正常 KS量の異常に高値の 1例を除けば その増量に伴

範囲 5例に上昇を認め糖尿病例平均 0253健常 い RPFの増大するが如き傾向を認めるが余り明確

例0201である でなし0

合併症を有するものの中で特に腎障害例に於いて FFの特lζ高値を示す 3例中症例 23は全例中

は腎「ク J値は何れも低下を示す 最高血糖値を示す症例で GFRの増大と RPFの減

bull bull

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 iζ関する研究 -2313-

第 5 図

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝lζ関する研究 -2315-

少を認める症例 18は 17KS量の異常に高値を示

す症例で GFRの増大と RPFの軽度の減少を認め

2 体液構成との関係

GFRとPVRhodan-Spとの間には特に認める

べき関係を示きない

RPFとPVとの関係は特に過血糖の 2例を除

けば PVの増加に伴い RPFの増大を来たす

RPFと Rhodan-Spとは特に相関を認めない

第4項 1日尿量 (第6図)

1電解質 早朝水試験前 1時間尿中 NaCl排

世量の著明な症例 2121829Iζ多尿を認める

梢多尿を示す群lと於いては尿中 NaCl量》血疑

Cl濃度共l乙梢低下している

2血糖値並ぱに 17KS量 特に過血糖を呈せる

症例lと多尿を認めるが 17KS量とは更に明らかな

相関が認められその増量につれて尿量の増加を認

ゆる

3体液構成 PVRhodanSpとの関係は著明

でないがその増大群に多尿の傾向がある異常に

17KS量の高値を示す 1例は著明な多尿を示し

PVRhodarトSpの減少を認める

4腎「ク J GFRと1日尿量とは著明な相関が

認められ GFRの増大に伴い尿量の増加をみる

RPFとは明らかな関係は認められない

第 II章総括並びに者按

第 1項電解質

糖尿病における電解質代謝異常はアチドージスと

密接な関係があるとされ Atchley(7)等はインシュ

リン治療中の NaKMgCaNの出納は正であ

るがインシュリン治療を中止してアチドーヂス

第 6匿 1日尿量と諸困三子

Na

rx血 1青海皮世量制働p犀柑t0 11で号(学制時間

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x x x X

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-2316ー 千 葉 医 学 会 雑 誌 第 35巻

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制~0 o

bullbullbull10

2001bull 仏炉目向 両昔T 1500 2000 2500

の状態lとすれば 乙れらの出納は負となるという 述の如く炭酸脱水酵素作用の異常と相侯って増加す

とれは糖尿病において定量的にケトン体の増量が る為ではなかろうか

認められこれが血液の固定アルカリを奪って尿中 以上糖尿病K於ける電解質の尿中排世量は概ね血

lζ排世する為と考えられている(わ 紫濃度に平行するがその代謝相はそれぞれ箱異つ

著者の成績に於いて血摂 Na濃度は軽度の低下 た態度を示し単にアチドーヂスK関係するのみで

を示し尿中排世量は僅かに増加の傾向を示すが ないものと考えられる

その濃度は低下している従って尿中排世増加は尿 血糖値と尿中 NaCl排世量との聞には一般に

量増加に伴うものである何れにしてもその変動が 殆んど関係を認め難くブドー糖による NaClの

軽度であるととは本症例が主として治療中のもの 再吸収抑制による排世増加は明らかではない 17

である為と考えられる CIK於いては血援濃度 KS量と比較的良く平行関係を認め尿中 NaCl排

尿中排世量及び濃度ともに健常例lζ比し明らかな増 i世増加を認める症例はいずれも同年令層の 17KS

加が認められるこれはケトン血症及び尿細管に於 値に比して増量を認めるかかる群の血疑 NaCl

ける炭酸脱水酵素作用の異常lともとずく代謝性アチ 濃度はその他の症例に比して高値を示している K

ドーツスによる Clの相対的増加とも考えられる に於いても略々同様の傾向を認め石が血糖値の影

Kは血緊濃度比著変を認めないが尿中排世量及び 響も受けて著明ではない即ち糖尿病の電解質異常

濃度は著明に増加するこれは脂肪乃至蛋白質か に於いて血糖値との関係よりも更に下垂体副腎

らの糖新生作用組織崩壊と細胞膜透過性の充進に 機能が密接な関係を有するものと考えられる

よる細胞内 Kの放出と共Ir MudgeBerlinerそ 第 2項体液構成

の他諸家のいう遠位尿細管に於ける K分泌作用が前 PVRhodan-Spは共lζ概ね正常範囲のものが多

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2317ー

いが Rhodan-Spに於いて高値を示せる 3例は

何れも血糖値高く PV 1[於いても正常範囲内であ

るが全例中最も高値を示している

血糖値と Rhodan-Spとの聞に明らかな相関を認

め血糖値の上昇に伴い Rhodan-Spも増大する

PV I乙於いては特に過血糖例に於いてその増大を

認めるがその他に於いては著変を認め難い

17KS量特に低値のものは過血糖に拘らず Rho-

Idan-Spの増加度は少く又過血糖の程度が僅に拘

らず Rhodan-Spの減少程度の少いものは 17KS量

の増加があり軽度ではあるが Rhodan-Sp1[対し

て 17KS量の関係も認められる

即ち糖尿病の細胞外液量は主として血糖によっ

て影響されその上昇によって増大するがブドー

糖の惨透 molは Naのそれに比し遥かに小さい事

より考えれば過血糖による細胞外液の惨透圧上昇

の他民糖質代謝異常に伴う細胞内脱水の関与も加

わると考えるのが妥当であろう以上により糖尿病

の細胞外液相は糖代謝異常に基く血糖値の高低並

びに 17KS排世量を通じて伺える下垂体副腎皮質機

能の如何によって調整されるものと考えられる

第3項腎クリアランス

糖尿病の腎「ク JI[関してはその充進否認めるも

の一定の傾向を認めないもの等種々の報告がある

がこれらは多く糖尿病の腎障害合併例を含めた報

告である糖尿病に於ける腎障害合併頻度は

BryfolgeDunlop日野〈9〉大森等の報告によると

20内外である

著者は合併症の有無により 2群に分けて腎「ク Jを

考察した

腎障害合併例に於いては GFRRPFRBF共に

正常範囲の下界乃至低値を示し合併症なき例に比

し一般に低値を示した

合併症を有せざる症例に於いては

1GFR 上昇を示すものが多く乃至は正常範

囲の上界を示す 17KS量の増加せるもの過血糖

を呈せるものに著明に GFRの上昇を認めた症例

182927の如き 17KS量の増量せるものは過血糖

の程度小なるも GFRの上昇を認め症例7は 17

KS量低値であり GFRは血糖値の程度に比して上

弁は少し副腎皮質機能の関与を推測せしめるが

一方症例2の如く GFR上昇例は 17KS量よりむ

しろ過血糖の影響と考えられる場合もある Frey

も同様に糖尿病患者の GFRは血糖値の上昇と共K

下垂体副腎皮質機能が極めて著明に関与すると述べ

ている仁木(10)は GFRと血糖値の聞に一定の関係

を認めず GFR低下者に 17KS増加を認め 17KS

との間l乙負の関係を示すと云っているがこれは腎

障害合併例を含む為にその関係が不明瞭となる為と

考えられる

体液構成との関係は PVRhodanSpともに認

められない

2 RPF 3357 cc minの低値から 6825cc min

の聞に広範囲に分布する

血糖値との関係は余り著明ではなく特に高血糖

を呈する 2例は PVの増大を認めたが RPFは著明

に低下を示している

17KS量との関係は余り明らかではないがその

増加につれて RPFも上昇する傾向を認める即ち

副腎皮質ホ Jレモンの作用は軽微であるが PVの変

動と平行して RPFも変動する

体液構成との関係は RhodanSpと RPFとは明

らかではないが PVとRPFとの関係は上述の

過血糖例の如き例外を除けば比較的明らかで一般

1[PVの増加K平行して RPFの上昇を認める

3FF 正常範囲内のもの上昇を示すものが相半

ばするが殊K著明な過血糖を示す症例又 17KS

量の増加例の如き PV減少により脱水症状を示した

症例に於いては FFの上昇が著明に見られる

第4項 1日尿量

古くから糖尿病の多尿は糖排世量と略々平行する

ζ とが知られていたこれはブドー糖の惨透圧利尿

の一典型と考えられ ζの際 NaClの再吸収は抑

制され尿中排世量が増加すると言われている近

時糖尿病の多尿は多くの場合糖排世増加のみによる

ものでないことが知られ多尿の原因として糖尿

電解質喪失アチドージス等が HinkleMeyer

Atchley及び Peters等によ b示され(11〉更に 17

KS排世異常一下垂体副腎系及び ADS異常一下垂

体後葉系の内分泌関与が矢野(12)PickfordVerney

等により示されている Freyは糖尿病の水分代謝

の因子として高血糖のみならず副腎皮質機能が関

与し 1日尿量の増加 GFRの増大は血糖上昇の他

1[17KSの増量と関連のある事を認め下垂体副腎機

能充進が極めて著明な関係があると考えた

著者の 1日尿量と諸因子との関係を検討した成績

に於いては 17KS量との相関は著明であるが 17

KS量の低下例に於いて僅かに高血糖の影響を受け

て尿量も柏増加する例をみる即ち血糖値との関係

は一般に軽度で 17KS量との関連がより密接であ

-2318ー 千 葉医 学会 雑誌 第 35巻

第 2表 水利尿と諸検査成績 I 糖尿病例

年稀釈力試験 1日|尿中 好酸球雌値l血張中濃度 T

令 時尿量 cc 1824-GFR全 17K 減少率 Sp

症 例日tr2時全 尿量 1日量 一m一g一fd11 Na IK 合併症その他l間両量4時間 ccmgd a 4時間尿糖量一一一一一一一larr

Rho-

(2時間f--ICl 総蛋白 dan-RPF

別 間量量 dayl day Sp e

1将 45 239 241 296 1400 46 551 15173

374 1940 73合 135 (223) 833 1093 705 319 34972

57 467 判制 1450 39 528 14084 CEJ稀釈試験 2時間4前 NPH 733 2150 112 〕イ ン シ ュ リ ン U 皮下

合 266 (304)1 1531 1116 756 338 33573 注(不適〉

3渡 60 432 243 1400 39 560 12638

1860 合 ( 432) 350 1222 798 348 64906

4 中 49 379 366 241 1483 39 570 15780

867 1850 109 A梅毒 肝腫合 488 (223) 220 1185 852 277 85193

池 46 482 363 237 1483 38 468 11046副J血 尿血蛋圧白 (1十74)~96510 1034 1540 95 正 552 (189) 220 1074 763 276 566 腎症 眼底糖尿病性網膜炎

65 447 200 236 1443 36 390 11549

921 1360 15

474 (0) 300 1073 698 277

71き1213

299 210 626 9570 血圧 105--0915 1670 83 脚気 第二肺動脈音充進(267) 365 10791 317 31834

8 立 58 916 1533 465

1370 1540 77 281 I

453 (200)1 250 1150 783

9市 191 1457 44 420 10586

1089 1350 31 1(430) 591 120 1090 861 286 51230

+51~ 797 189 1557 475 必 71廿1245

448 ( 469) 200 1295 90 253 1605

53 502 514 175 1433 48 443 10108 動脈尿蛋白 i一〉11 650 2030 71

合 148 (514) 150 1116 783 317 44616硬化症血 圧匠 60--114 限 KW n

市 52 388 936叶 173 1325

12 31 548 20 1114 86 206

木 52 776 十110 164 1543 60 329 15100 13 1010 2370 193

恵 合 234 (40) 50 1191 822 224 41814

姥 70 270 232 158 1450 48 483 動脈 尿蛋白 (1ー20〉~

14 662 1290 63 ⑦硬化「 血 底圧 80合 392 (128) 270 1302 822 219 心障 筋碍 眠 KWII

勝 50 582 223 158 1414 43 435 11087 15 956 850 54

374 (278) 90 1278 822 195 50363

内 59 774 286 158 1433 39 12101 r yen

16 1160 1640 73 注 血 底圧 70--100 390 (229) 22 1100 744 -- 眼 KW工

鈴 58 497 482 41 403 8239 腎症尿蛋白 1(5十0~)72

17 820 1980 117 693 315 28935 動 脈 血 圧底

合 323 ( 447) 1081 1074 硬化症眼 KWlli

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2319-

18 椎52

49

200

(234)

157

70 12041 90

408

170 (尿血蛋白 (170~)90

402791~ 眼 圧底 KWI

19 鵜

54

325

380 705 73

(200)1 80

1567

1365

46

862

539

185

10024

68254

20 池

55

743

128 871

120

32

1500

1132

34

71

366

198

21 佐 48合

843

550 1393 1740

469 107

(405)

120

20

1550

1389

47

852

422

251

13260

65505

1|阿2210 合 3卜148 1620 5121m|附 365

(575)1 161 1067 783

E 健常例

年 尿量 cc 1日尿17K中S

好酸球 血糖値 血築中濃度 T

1824-GFR 令

前 全全 減少率 mgdl Sp

症例 尿量 1日量 Na 1 K Rho- 備 考

性 一22時時蚕間間~14時間 cc mgday 4時間 尿糖量 dan-RPF

5JJj 時間量

day (2時間) g Cl 総蛋白 Sp

1中 20 865 367

1139 1701 274 (ー) 280

2増 22 727 446

1065 1387 合 338 (一〉 321

3 出 26 1140 502

1295 1732 合 155 (一〉 286

4 山 28 845 583合 245

(一) 291

5鳥 24 1220

17821338 合 118 (--)

6岩 27 1210 101 1596 39 388 11155

1328 118 (一) 1037 938 3633 79350

7戸 32 1035

1094 1603

59 (一〉 994 835 13805

8 諸 47 860 1460 40 408

1029 -合 169 (一〉 1027 752 2913

9 菰 36 907 1457 48 386

1139 合 232 (-) 994 783 2600

金 22 932 51 10 1063

合 131 (一) 11080 823

斎 36 1013 1144 11 131

(ー〉

11NωNOs-

第 3 表 水利尿と諸検査成績(平均値〉

〔註尿中電解質は水試験前値J C合併症を有する例を除く)

電 解質そ の 他 (前値〉体液構成 腎「ク J 値 水利 尿

Na C1 K 糖 総蛋白

m血四iE援mqE尿UE中qI E血dIEg糖lf尿d a中y

m血d淫援r117KS Eosin 1日尿量

4時間T 1824 Rhodan

GFR RPF FF 尿 J主芸ELt 排世比 Space Space

mgday 一 cc cc

健常例 15113715154 JZグ内 1608 446 309 1037 5495 0201 11580 019

良好例

JfとfylM294 1687 402 259 1273 5476 0245 12030 051 (1000cc以上〉

糖 I工G群Bc

71Jケ m208 1056 397 209 1162 4532 0262 9244 068

遅 8J0ccー戸〆

尿延 E而群c とJケ叩 321 1653 550 284 1261 E604 0258 4040 084

病yen 以J下

仰1

こ7ケ明例 平均 264 1280 454 237 1212 5175 0259 7290 071

全例平均 lJJ381134A 631j 4104JflJブ 721 280 1470 434 246 1240 5309 0253 9502 059

H

部 ω印時

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2321-

る ADH抑制作用と異る点がある

Gauntは抗利尿ホノレモン (ADH)の分泌抑制及 即ち副腎皮質機能の充進は櫨過量の増大と尿細

び血中 ADHの不活性化は副腎皮質ホノレモンの充分 管K於ける水分電解質の調節異常に関与して多尿を

な存在によって促進されると述べている然し過血 来たすものと考へられる

糖に於ける多尿に際し NaCl排世量の増加が少

い事より過血糖の多尿は Osmotic diuresisの他 第3篇糖原病の水利用

ι 一定限界を超えた高血糖が血撲惨透圧を軽度に 合併症を有する 6例を含む糖尿病患者 22例に水

充進し Homer SmithVerney(13)等の言う Os- 1L負荷して稀釈力試験を行った

moreceptorを介して ADH 抑制作用を現わし多 合併症なき 15例中水利尿良好例(尿量 1000cc

尿を来たすものと考えられる然し多尿の原因とし 以上) 7例遅延例工型 (1000cc---800cc) 5例

て副腎皮質ホ Jレモンの関与がより強く考えられる 遅延例E型 (800cc以下) 3例を認め之等諸群と

即ち 17KS量と 1日尿量 GFRと1日尿量 17KS 健常例 11例とに就いて比較検討した

量と GFRは夫々極めてよく相関が認められる叉

17KS量増加に伴う多尿に於いては電解質殊に Na章 I章検査成績(第 2表〉

排世量の増加が特徴的であり穆透圧克進による 第 1項水利尿と諸因子(第3表第7図〉

第 7図 水利尿と諸因子 (合併症を有する例を除く) 管02

(由X羽 〈字調期X

x l(

X

X 0 )( 7

130-6

ex x

X

120-4 C主 x x

dpe 3

1

X

110-2

darr血 』ιτ京支~一一点尿 iooCC 400 600 -600 1000 賠ム 一ーy 600 800 1000 1200克 4時間床量

剛志e-ιmみ岡原ff

6 X

K

0尿血中衆林議浩度量(前値)

x

~ x

X

X x x xX

gtイ

メtimesx x x

4x x X

ち瓜

X

3

2

下〈 ラ〈

200記 40-0- 扇面一一一 600 -1000 1200- 200cO ---41fO 山内--800--1-00岡 0-----60

主主主-2322ー 千 葉 医 弓f- 会 雑 誌 第 35巻

事量 日 221 (ぷ 33訪世 J117 邑星 IKS三米 1-Jli ls

x 事|量 13

ι

2崎1ol-X )( x

22何0 x x 0

x2ω-50 ~ x

)0( G18ト-10 x

0)(

x

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~)(X x

14()-20 浪

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1 J r I1 10ro

121r 10

1 1 I 1I 1I _ 1 冊1k

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〕山町

12ωAnn cnn Qnfyen400 600 ll山間U

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212尿 由

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I nn一~ 200ee

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百尿量

c均 -2400 10

13 -

Os

QS

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e 00 e

011 l 1 I I I I Ll_LIB

1 1 I 1 I I_j I J 1 I 1 200巴 40D 600 800 1000 1200 200 400 600 -~8-OO-- --1000 IlOO

T84-SP 60t-

RJr -sp

32 7

4串19 重 ~30

丘au

o 0

4色白

s 辺

19

2amp

20

司 JB 19

___ー ι _ 2000 400 600 BOO 1000 1200 20Q 400 600 800 1000 1200

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2323-

G RPFC41M1_

句々ωt

140

oOO

110

300

100

I ~ I L_____ー」ーよーし一一一larr 五百h200lt

I

lt 400 600 1200 200血 400 600 800 1000 1200

1電解質 試験前 1時間尿中の NaClK量及 2NaCl 健常例の NaCl排世像は水負荷

びその血撲濃度と水利尿との聞に相関は認められな 直後水利尿発現初期比軽微の排世増加を認め利尿

期には寧ろ排世減少し 3時聞をきの濃縮移行期lζ再

2血糖及び尿糖 水利尿と比較的よく負の関係 び電解質排世増加の最も高い時期となる糖尿病の

を認め著明な過血糖例の 4時間尿量は極めて少い 水利尿良好例に於いてもこれと略々同様の変動を示

3尿中 17KS1日排世量及び好酸球減少率 水 すが利尿初期の排世増加が著るしくなっている

利尿良好例には 17KS量の増加好酸球減少率の高 遅延例も良好例に類似した変動を示すがその変動

度なるものが多く過剰排世型の傾向を示す遅延 は極めて小さい

例E型K於いても 17KS量の増加好酸球減少率 良好例のうち症例 8102122遅延例 E型のう

の高値を示す傾向を認める o ち症例 1の如く著明な NaCl排世を認める症例

4 1日尿量 水利尿と 1日尿量との聞に明らか は何れも尿中 1日17KS排世量は比較的高値を示し

な関係を認め難いが異常な 17KS増量例及び著明 こ良好例のうち症例 9遅延工型の症例6は全4

な高血糖例を除けば水利尿の程度と 1日尿量とは 時聞を通じて NaCl排池ー量は低値を示しかかる

柏平行する傾向を認める 症例の 1日尿中 17KS排世量は最も低値で最大利

5体液構成 T 1824-Spaceが正常範囲内で 尿時尿量は低下し最大利尿発現時も遅延している

正常の上界値を示す症例に於いて水利尿は遅延E型 3 K 良好例及び遅延 E型のKの変動は健常

を示す Rhodan-Space Ir於いても同様の傾向を認 例に類似しているが遅延工型に於いてはKの排世

める は比較的少い

ι腎クリアランス 著明な過血糖例及び惨透圧 4 17KS及び好酸球減少率 水利尿良好例に於

上昇K伴う PV増大例及び異常な 17KS増量の 1例 ける水利尿時 17KS排世量及び好酸球減少率は最も

を除外したその他K於いては GFRRPFの増減 著明である

に応じて水利尿も増減する傾向を認めるが著明で 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比(第4表

ない 第5表)

第 2項水利尿時諸排世像(第8図) 1 諸排世量 (第9図)

1尿量 最大利尿時尿量は健常例が最も多く 尿量の糖尿病全例平均は健常例K比し減少を認め

以下水利尿の程度に従って順次低下し最大利尿発 る

現時も順次柏遅延の傾向を認める水利尿良好例及 NaCl は水利尿良好例に著明な排世量増加を認

び遅延例工型lとても最大利尿時尿量の比較的低下例 める遅延例E型も症例により排i世増加を認めるも

を認めるがかかる症例の最大利尿発現時の遅延は のもある

著明である 排世量の平均値では良好例に NaClの増加が著

-2324ー 千葉医 学会 雑誌 第35巻

00 cc

第 8図 水利尿時諸排世像(合併症を有する例を除く)

健常例 良好例

ーlsquo必21

mEq_lmEラ

2 1-iacute~ Il

10ト120

c1ワ

5

ト1

0

財政球減少率)

原中門院(||)

情M

a

o

n

ν

p

b

Aωnυ s

~A--ーー

--

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝花関する研究 -2325-

遅延例工型 遅 延 例 E 型

400ト cc

尿

9

1iし

也印

3

0

5判

M

一 2怠色ム-_ ---温lsquo邑---_-ldquo F

3

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A司

I~ ldquolsquo Jρ降lsquo

i ヘヘlsquoyen 一vlsquo日一ア一-笹居宮包日畠日-

A__-一 a

6ペへyenyenyenyen

yenろノIl ~lsquo~--也

好均時雨少苧

尿中 ηdM

-2326ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 4表 水利尿と諸排池ー量 工 糖尿病例

年 尿量 cc Na量 Cl量

KIIlE量q 17KS量 | 尿 糖 量

メHLmEq mEq mg g

症例目Ij

全前 l全 刷 全目Ij

全目IJ 全日Ij 全 合併症その他

f生 22時時後間間4時間|22時3問間時間1晶時間114時間22時時後間間 22時時後間間4時間占2時時後間間別 4時間 4時間

2879 151 144

135374 1791 4145 4914 1587 264

合 2035 595 113 113

2酒 57 467 2196 1803 601 036 H稀釈試験 2時間前4 NP

733 4795 4399 799 インシュリン u皮 合 266 2599 2596 198 145 下注射(不適)

60 93 11931065181I1 1669

538 048 709 822 070 772

合 40 423 284 022 063

4 中 3440 882 119 068

8194 2039 207 160 A 梅 毒 肝腫 合 488 4754 1157 088 092

池 46 482 4457 l別 869 125 138

510 1034 90811 111868 1623 259 179 腎症正 552 4624 5935 754 134 041

6染 65 447 683

792 033

921 1011 13 066 474 51 663 332 033

7浅 31 517

|「ど71 458

9151 111 1520 717 脚気 398 4141 1 649 259

916 2174 3138 093 1288) 0

1370 5035 589 1596 453 2260 2752 617 035

498 771 1405 464 9) 0

1089 1472 3010 933 591 701 1605 469

立 58 797 3589 1139 10 1245 3771 5438 334

448 1278 1849 598 095

53 502 1233 1496 693 082 067 11 650 2265 2875 1140 145 084 動脈硬化症 148 1032 1379 447 063 017

市 52 388 834 911 12 936 1743 3477 1977

548 909 1872 1066

木 52 776 2066

吋 lm13 1010 3951 6198 1570 百-三~ 合 234 1885 26151 1 599

蛇 70 270 662

1322 1887 654 動脈筋硬障化症14 2558 3760 1212 ⑦む 碍 合 392 1236 1873 558

582 956

1273 257q叫 535 076

15 2358 244

315013 9i6 148 374 1085 381 072

内 59 774 2162 944 200 16 1164 301 3168 1271 307 注 390 857 909 327 107 L J 眼底 KW工

17 820 410198 300 腎症 合 323 7 2221251079224060093動脈硬化症l|145110331オh1410ぺ|叶11|鈴

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝lと関する研兜 -2327ー

52 620 18 椎 (血底圧 170~901707 4335 11 6 318 651 注

眼 KWI041 1 4091764 ~17

54 325 662 097705 54 785 1 6419 0鵜 11 1 875 380 492 338 067 014

55 743 977 1915 415 20

池 128 871 2043 3315 800 1066 1400 385

48 843 2338 3796 1208 140 佐

21 42761393 6368 1994 204550 1938 2572 786 064合

2481lz卜147判|州|吋 E 健常例

年令尿量 cc

Na量 Cm1E量q KmE量q 17KS量 尿糖 量 mEq mg g

症例

22時時前後間間 4時且八間

別全

22時時i後iiJ間間 4時~間122 時時前後間間 4時一一A 間 22時2削聞間 4時~間 2J時前間問 4時こ八に間備 考

a別性 22時2「間目nl4時間

1 中 20 709 1752 855

2741 1139 1653 3212 1471 944 1460 616

2ぎ 22 727 1065

823 2683 724 1658 41 11 1638

合 338 835 1428 914

3出 26 1140 3422 1297

155 1295 4038 5682 2115

合 21 98 2260 818

4lU 28 845 988 21 99 630 1090 21 07 3899 986

合 245 11 19 1700 356

515 24 1220 1625 2034

1338 2571 31 1084 合 118 946 1144 382

1210 445 1077

1317 2162

371 1328 629 118 632 845 258

71~ 32 1035 725 1698 991

1094 1601 2217 11 84 59 876 519 193

8ぎ 47 860 737 1993 1 66 1029

603 1340 2703 236

合 169 710 070

9菰 36 907 1377

2605 2461 800

1139 3725 144 1合 232 1228 1264 64 1

金 22 932 726 1486 832 10 1063 1538 2412 1078

合 131 812 926 246

斎 36 1013 1957 478 739 11 1144 2812

539 1017 1188

131 855 449

-2328- 千 葉 医 学 ムヨミ 雑 誌 第 35巻

第 5表 排世量及び排j世比(後前)(平均値)(合併症を有する例を除く)

尿 主主ヨ豆lsquo Na Cl K 17KS

前川~stl 前 知 吋 比 前 2st門比全 4時 間 量 比 全 4時間量比 全 4時間量 全 4時間量 全 4時間量

974 184 1000 1019 2105 1226 737 449 061健常例 019 102 058

1158 2019 3331 1186

795 408 2153 1487 2997 1994 924 533 168 075 良好例 051 069 067 058 045

1203 3640 4991 1457 243

糖 工 555 368 913 868 1869 1628 621 513 064 069

群 066 095 087 083 107

遅 923 1781 3497 1134 133

尿 218E 185 1261 902 1650 1174 659 406 099 068

延群

084 072 071 061 069

病 404 2163 2824 1065 167

J1j 429 299 1042 881 1787 1458 635 473 082 068 平 070 084 082 074 084 例 均 728 1923 3245 1108 150

全例 600 350 1561 1164 2352 1708 769 501 058 075 073

065

1 187 061

平均 950 2725 4060 1270

白色

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48

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2329-

明で遅延E型に於いても Na排世量が柏増加する すlarr

傾向を示す Clは健常例 058糖尿病例 073で後半の増量がよ

KはClと略々類似せる傾向を認める り大である

17KS排j世は Na排世l乙略々平行するが如き傾向 Kは Clと類似の傾向を認めるが症例 12 1[於い

を示す ては117と著明な上昇を認める

2 諸排世比 (第 10図〉 1 諸排世量及び比と諸因子

水稀釈力試験時の各排世量の後半 2時間量l乙対す 諸排世量(第 11図〉尿量と血糖値との関係は中

る前半2時間量の比を以って排世比とした 等度以下の過血糖の症例lζ於いては血糖値の土井

尿量の平均排世比は健常例 019糖尿病例 058 氏伴う尿量の減少は軽微であるがj著明な過血糖例

で後半排世量増加を示し水利尿良好なもの程小で を呈せる症例は尿量は極めて少い 17KS 1日量と

あるがその関係は余り著明でない症例 6912 の関係に於いてはその増加している症例に精尿量

19の4例は排世比の上昇著明で10を越える の増加する傾向を認めるが著明でない

Na は健常例102糖尿病例 075で前半排世量の増 NaClKの電解質排世量と血糖値の関係は余り

加を見る症例 6912は10を越える排世比を示 明確でなL0 17 KS 1日量とは明らかに相関を認め

第 10図 水利尿と諸排世比 (合併症を有する例を除く)

N

ご~)(ltιε

Hmu 14 1井

12

X

原量

oAAOOX

01

o

x

09 x eβ

下〈

ldquo川附

QS 自由 X

且7x

e G

06-1-

05

H

04t

03+ x

02+ 02

01十

2boCC 400ωo 800 一一一一一1-LlOOO 1200 200 4 400

+ 800 iobo 1ゐ larr品

t 17 K ~宮

15

附H 11

3

2

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G

3

202

01

200ζc 400 占ず4 市斗~1()~D----lLIUgrave~OL-l--- IToι ーふ0--+-市布~ 4時向原賢一』 4時間尿器-

-2330ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

る て電解質排世比の僅かの上昇を認め叉尿量排世

諸排世比(第 12図)諸排世比と血糖値との関係は 比に於いても 17KS減少例及び症例 19 K上昇を認

認め難く叉 17KS量との関係も一般に著明ではな める

いが 17KS 1日量の特に少い症例 69121乙於い

第 11図 排世量と諸因子 (合併症を有する例を除く)

〔血糖との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

gst

ePe

12m払 γ

J4

0

30

20

10ト

2 4 6 日 10

200 250 300

G

30

20 1

10ト

寸 250 4 8 10 12刊初ザ6 2 300

K

14

8十

oe

100π彬l(_ 150 lOO 250 却 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

ウ匂

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2331ー

〔血糖との関係〕 [17KS 1日量との関係〕ー

25ト

KSつιE

17

bull

1001113μ~ loO 甲 17 8 9 10 ( 3oo 2 3 4200 2DO 司司m-J2amphMd恥凶うー事

~I 6

51

尿

44 糖

3

o I 3

2

100iR 150 200 250 300 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12匂

第 12図 排世比と諸因子 (合併症を有する例を除く〉

〔血糖値との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

1amp

同 019

警08 s 07

0

ee o

05

邑4

3

Q2 112

01

ト 100向始H且 150 200 250 30ー15ー中 s4 5 6 7 白 ] 10 11 12叩拠ザ」 酔|ーム2tflf7K16 糖値

井1ト41

e 0611amp1

自書r

似し 2

100mJJtl 150

ト21

200 250 4 1030016+ 2 主判事l判

-2332ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

61

OJl卜

08ト

04

10

oq

17ω kS笛

04

1)2

01

尿

5(1

02

01

10

也4

03

〔血糖値との関係〕 [17 KS 1日量との関係〕

14

12

t 1Oo

8

09

Ob 0干

02

100明弘a 150

c0

100明 11 200rnJdl

150

10b夜間 200

第 II章総括並びに者按

300

250

Os06

一一一_L 250 300

lC

08

也6

Q4

2345amp789 叩 11 12匂勾

JSLJ一一よ 0 1 I 7 8 9 10 12閉め匂 11

G

一」一一よ一一J一一」一ーーーー-

8 11 12吻匂

109

第 1項水利尿と諸因子

電解質との関係 水試験前値の尿中電解質排世

糖尿病K於ける水分代謝の問題殊に 1日尿量 量及び血察電解質濃度と水利尿の程度には一定の関

と水試験時の如き急激なる体液変動を惹起せしめ 係を認め難く試験前電解質量または濃度によって

た場合の水分代謝とは当然同一視得ないものがあ 水利尿は影響を受けない

ると思われる 血糖値との関係 血糖値と水利尿との聞には負

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2333ー

の関係を認めるが著明な過血糖を呈し PVRho- の遅速は一定でない乙れは血糖値の上昇せる為

danSpの増加を来たす様な症例は水 1L負荷にょ に ADH作用抑制によって起る水利尿反応が鈍化

つでも OsmoreceptorVolume receptorを介し され得る故であろう

て起る ADH分泌抑制の度が小となり水利尿反応 水利尿の良否lζ拘らず最大利尿発現時の遅延する

が少くなる為か尿量は極めて少ない過血糖中等度 症例は 17KS量の低値の例及び血疑 Na濃度が他

以下の症例は PVR対する影響も少く 尿量減少 の症例広比し高値を示す症例で何れも水利尿時の

の度も軽度である NaCl排世は殆んど尿量と関係なく減少している

17KS量との関係 17 KS 1日尿中排世量の増 電解質排世像は水利尿良好例に於いては健常例

加に従って尿量増加の傾向を認め特に過剰排世型 と異なり利尿発現初期に著明な Na排世のピーク

の傾向の認められる症例に 17KS量の増加を認め を見るこれは何れも 1日尿中 17KS排i世量増加例

るかかる症例は何れも GFRの増大と尿中 Na である遅延例工型は 17KS量の増加せる例少く

Clの排世増加を認めた例である 電解質排世も著明でなく略々健常例に近い排世像を

然し症例 13の如く 17KS量異常に高値で多尿 示す遅延E型は水排世遅延最も著明にも拘らず

lとより PV減少を呈せる脱水症例では水負荷によ 電解質排世像が良好例比類似して比較的著明な症例

りPVの変動は強く現われるが排世尿量は少い を認めるが ζれは 17KS量の増加を認める

叉著明な過血糖例及び症例 19の如く血疑 Na濃 更に症例 9612の如く 1日尿中 17KS排j世量

度が比較的高値の症例は間脳ー下垂体後葉系並びに 低値の症例は水分排世量に関係なく終始 Na排世

下垂骨前葉一副腎皮質系の内分泌機序の連関性の失 の増加が認められない以上の成績と過剰排世型を

調の為か 17KS量比較的増加しているにも拘ら 示す症例l乙1日尿中 17KS量の増加を認める事より

ず利尿は遅延する 考えれば水利尿時尿量の増加は GFRの良好なる

1日尿量との関係 一般に水利尿との相関を示 事と相侯って副腎皮質機能の比較的健全なるによる

す傾向にあるが特に過血糖を呈する症例及び異常 ものと考えられる唯し症例 13の如く 1日尿申 17

rc17KS量の増加せる症例に於いては前述の如く水 KS排世量の異常に高値の症例に於いても利尿初

利尿時の尿量を抑制する 期の Na排j世のピークは柏低く血媛 Na濃度の低

即ち 1日尿量lと於いては恒常的な腎機能及び 下も殆んど認めない場合もある

体液構成等の因子が関与し水利尿に於いては急 ClK の排世像も同様の傾向を示すが Na程著

激な PVの量及び質の変動が主要なる役割をなすも 明でない

のの如くである 以上を要約すれば血糖値の上昇例は最大利尿

体液構成との関係 PVの比較的増大している 時尿量を減ずるが最大利尿発現時聞に特に影響を

症例に於いて水利尿時尿量の抑制を認めるかか 認めない又 1日尿中 17KS増量例は電解質特に

る症例は著明な高血糖を呈し又は血緊 Na濃度の Na排粧を増加し利尿初期は特に著明である ζ

比較的高値の症例である れに反し 17KS量低値なるものは Na排世増加を認

腎クリアランス値との関係 GFRRPF共に めずそれに伴い最大利尿発現時を遅延せしめ最

水利尿の程度と精関係を認めるが前述の特に水利 大利尿時尿量も柏低下せしめる

尿を遅延せしめる因子の存在する症例に於ては腎 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比

機能の如何に拘らず水利尿時の尿量は少い尚 尿量は糖尿病例は柏減少し水利尿の遅延するに

Smith及び永峰(14)によれば稀釈試験時KGFR 従ってその排世比も柏増大する

RPFの変動は殆んど認められないと言われている 電解質排世量及び比共l乙水利尿の良否とは特に相

以上主要な水利尿遅延因子としては腎機能の 関を認めないが水利尿の良好例K排世量の増加を

良否は当然考えられるべきではあるが更に ADH 認める

並びに副腎皮質ホ Jレモンの分泌機序の異常も強く関 血糖値との関係はその上昇するにつれて水利尿時

1乙殊に甚しく叉l尿量は減少し著明な過血糖例 L与することを考慮しなければならな

第2項 水利尿時諸排世像 日尿中 17KS排世量は尿量との関係は軽度で電解

尿量の変動は水利尿良好例遅延例工型 n型 質殊に Na排世量との相関が明らかである乙れ

買に最大利尿時尿量の減少を認めるがその発現時)1の は血糖上昇の際は AD町分泌抑制が主で 17KS増

-2334- 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 6表 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

工 諸排i世量及び諸排世比

排 17 KS K 糖

水単独 水物単併独

ClNa尿薬

備 考水物単併独水単独用 薬水物単併独用薬水物単併独用症 薬用薬物併薬用併負荷用薬負荷物び

例『番比

物号

1164 050 3019 035 307 053 16 内 1321 041 141 067 1252071 4393 04814043

40 1148 019 3836 057 4964 050 1096 044

ブ 22 阿 O田1048 056 2003 118 3328 078 1237 067 ド

糖 1010 030 3951 091 6198 073 1570

40cc 13 木 O恵 前|1023 035 1677 120 2969 084 947

静 伊i 1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053

平均 11081 0531 2690 073 3446 063 11681056 141 067

除全遅 026 3006 031 12回511i022 224 054 四 a119 動脈血圧 150--72併例合延 17鈴 O

11391 1171 4147 077 3348 068 1380 108 330 086 硬化症眼底 K WJII 症

055 4334 051 12971040 265 054例例平 全例

11151 0661 3054 075 3422 064 12211068 240 0793 4 -

1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053除合併 均 症例 1108 053 2690 073 3446 063 1168 056 141 067

1370 049 5035 082 5890 087 1596 063 128 038

量及

良 8 立 972 077 2017 089 3996 068 1015 054 267 051

1089 118 3010 114好 9l市イ 1161 057 2375i 039 4969 039 037

096 1265 075 1229 074 3298官uシ平 均

ユ 1066 066 2196 058 4483 051 1939 041 2671051 リ

093 1140 064 650 029 2265 ン 硬化症 血圧 60~114

眼底 KWJI 11 小 O

1025 028 4465 06614998 091 1313 059 5u 遅

静 0752 6 4 |i曲胡00 374 057 4145 0761 49141071 1 5 87 2570 078 1将 O注

延例

-園平均

除全 メロL ou 併 除合併 症 症例

488 033 4598 0541 564 64057 12801 071 362 065

512 038 3205 13641 0621 264 075 hellip街lm756 030 4532 0601 5323 072 12961 0531 362 065

374 057 4145 4914071 075 075d4i

968 005

例例 平均

3 4匂圃4

4012801057 714054 56033 4598 488 362 065 61

4172 087 1314 061871 062 平 全例

911 049 059 4903 061 1618 315 058

944 071 3580 082 4605 086 1373 069 196 061 除合併 均 症例 873 059 2997 056 4871 053 1719 042 315 058

良 10891 11911562 103 好 市 304111

t列U9 0110161 17911705087 44601 13111212 1

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 K関する研究 ~2335ー

0959判 1岨15 C A

106 14171 033 48011063 10161 0641 321 083

938 051 1707 069 1163 054 1 88 1 24遅 18 椎 O

1018 1 25 1717 075 5067 095 1597 096 528 0805mg 圧底 KW 1

静 2558 093 3760

延 14姥 O 暖動 化 脈症(蛋血圧底白〔 120〕MBO注 8691 1 75 1864 057 3514 0671 1238 094 心筋障害眼 Kwn

852 074 2208 087 4369 087 1097 069 1 68 平ー均 ou除全 881 1 32 1666 054 4441 075 1284 086 425 081 玉メ口

併 除合併 947 058 2032 083 4674 082 1039 061 168 1 10症 症例例例 888 117 1567 053 4934 078 1306 082 425 081平均

911 085 4029 09 1 1056 076 168 1 10平 全例--

3 4

915 1 44 16761062 4446 087 1266 094 425 081

1876 088 1005 1 10除合併 均 症例 0941425 08138 1613064 4767i 092 12751 1

4276 0~83 1994 065 204 046 21 佐

1305~ 034 3563 048 5976 054 2283 037 255 029

T H

---

1245 056 3771 051 5438 051 1737 053 334 039 良 10立

1182 057 2324 045 4097 5421 45 076 280 066 チ

1034 1 15 9081 100 1623 087 259 011 1 78 029ソ好 5 池 O正

ン 眼底糖尿病性638 031 3226 01313201 034 1693 042 225 023 252 043 網膜炎

50 町 19例

1224 073 5709 084 7891 078 1784 066 266 058 178 029 平 均

内 1051 041 3038 033 4424 049 2040 050 253 041 252 043

服 除合併 1312 061 4024 067 5903 0印54111861541i 059

268 042

1243 044 2934 047 5036 054 2214yen 054 267 046例

遅延

症例 平均

--705 1 17 1154 074 1948 081 785 076 164 068三除日全』

19鵜 O1220 063 2328 076 6213 057 1705 063 232 079併 例

症例例 079 4570 084 1535 068 240 060 178 029

平 全例3 4 1093 046 2860 040 4872 052 1956 053 248 049 252 043 -- 1114 070 3067 068 4585 062 233 048除合併

均症例 1235 050 2738 054 5429 05512044 056 255 056

921 104 1345 097 792 072 066 103プ 6 染 O

900 05511504 036 2076 035 1161 039 1 39 049レ 遅ド

ーー 207 074 1 59 135ン 延 4中 O

867 129 5865 梅 毒 肝 腫A

25285655 0541051 26631057 6140571 56868 041 464515 mg

例 133 043 1190 8221053 070 045 g 渡 O内

初日--服

合除全 平

併症

例2例3 均_

414 012 1440 0211 23191 020 11 161018 1 53 031

640 1 09 2688 1 15 3736 1 16 12181094 1 14072 全例

727 040 2529 044 3347 039 16471042 149 044 8561252

527 095 1101 074 1507 073 068 068除合併症例 657 038 1472 029 21 97 027 11441028 146 039

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

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ゾ判〕

〔民本零時〕

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-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

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〔匝誌零時〕

言語

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〔匝芯零時〕

〔題

活性

キ毛

NW

E酬

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

bull bull

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 iζ関する研究 -2313-

第 5 図

A 4lsquo 1目

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝lζ関する研究 -2315-

少を認める症例 18は 17KS量の異常に高値を示

す症例で GFRの増大と RPFの軽度の減少を認め

2 体液構成との関係

GFRとPVRhodan-Spとの間には特に認める

べき関係を示きない

RPFとPVとの関係は特に過血糖の 2例を除

けば PVの増加に伴い RPFの増大を来たす

RPFと Rhodan-Spとは特に相関を認めない

第4項 1日尿量 (第6図)

1電解質 早朝水試験前 1時間尿中 NaCl排

世量の著明な症例 2121829Iζ多尿を認める

梢多尿を示す群lと於いては尿中 NaCl量》血疑

Cl濃度共l乙梢低下している

2血糖値並ぱに 17KS量 特に過血糖を呈せる

症例lと多尿を認めるが 17KS量とは更に明らかな

相関が認められその増量につれて尿量の増加を認

ゆる

3体液構成 PVRhodanSpとの関係は著明

でないがその増大群に多尿の傾向がある異常に

17KS量の高値を示す 1例は著明な多尿を示し

PVRhodarトSpの減少を認める

4腎「ク J GFRと1日尿量とは著明な相関が

認められ GFRの増大に伴い尿量の増加をみる

RPFとは明らかな関係は認められない

第 II章総括並びに者按

第 1項電解質

糖尿病における電解質代謝異常はアチドージスと

密接な関係があるとされ Atchley(7)等はインシュ

リン治療中の NaKMgCaNの出納は正であ

るがインシュリン治療を中止してアチドーヂス

第 6匿 1日尿量と諸困三子

Na

rx血 1青海皮世量制働p犀柑t0 11で号(学制時間

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-2316ー 千 葉 医 学 会 雑 誌 第 35巻

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2001bull 仏炉目向 両昔T 1500 2000 2500

の状態lとすれば 乙れらの出納は負となるという 述の如く炭酸脱水酵素作用の異常と相侯って増加す

とれは糖尿病において定量的にケトン体の増量が る為ではなかろうか

認められこれが血液の固定アルカリを奪って尿中 以上糖尿病K於ける電解質の尿中排世量は概ね血

lζ排世する為と考えられている(わ 紫濃度に平行するがその代謝相はそれぞれ箱異つ

著者の成績に於いて血摂 Na濃度は軽度の低下 た態度を示し単にアチドーヂスK関係するのみで

を示し尿中排世量は僅かに増加の傾向を示すが ないものと考えられる

その濃度は低下している従って尿中排世増加は尿 血糖値と尿中 NaCl排世量との聞には一般に

量増加に伴うものである何れにしてもその変動が 殆んど関係を認め難くブドー糖による NaClの

軽度であるととは本症例が主として治療中のもの 再吸収抑制による排世増加は明らかではない 17

である為と考えられる CIK於いては血援濃度 KS量と比較的良く平行関係を認め尿中 NaCl排

尿中排世量及び濃度ともに健常例lζ比し明らかな増 i世増加を認める症例はいずれも同年令層の 17KS

加が認められるこれはケトン血症及び尿細管に於 値に比して増量を認めるかかる群の血疑 NaCl

ける炭酸脱水酵素作用の異常lともとずく代謝性アチ 濃度はその他の症例に比して高値を示している K

ドーツスによる Clの相対的増加とも考えられる に於いても略々同様の傾向を認め石が血糖値の影

Kは血緊濃度比著変を認めないが尿中排世量及び 響も受けて著明ではない即ち糖尿病の電解質異常

濃度は著明に増加するこれは脂肪乃至蛋白質か に於いて血糖値との関係よりも更に下垂体副腎

らの糖新生作用組織崩壊と細胞膜透過性の充進に 機能が密接な関係を有するものと考えられる

よる細胞内 Kの放出と共Ir MudgeBerlinerそ 第 2項体液構成

の他諸家のいう遠位尿細管に於ける K分泌作用が前 PVRhodan-Spは共lζ概ね正常範囲のものが多

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2317ー

いが Rhodan-Spに於いて高値を示せる 3例は

何れも血糖値高く PV 1[於いても正常範囲内であ

るが全例中最も高値を示している

血糖値と Rhodan-Spとの聞に明らかな相関を認

め血糖値の上昇に伴い Rhodan-Spも増大する

PV I乙於いては特に過血糖例に於いてその増大を

認めるがその他に於いては著変を認め難い

17KS量特に低値のものは過血糖に拘らず Rho-

Idan-Spの増加度は少く又過血糖の程度が僅に拘

らず Rhodan-Spの減少程度の少いものは 17KS量

の増加があり軽度ではあるが Rhodan-Sp1[対し

て 17KS量の関係も認められる

即ち糖尿病の細胞外液量は主として血糖によっ

て影響されその上昇によって増大するがブドー

糖の惨透 molは Naのそれに比し遥かに小さい事

より考えれば過血糖による細胞外液の惨透圧上昇

の他民糖質代謝異常に伴う細胞内脱水の関与も加

わると考えるのが妥当であろう以上により糖尿病

の細胞外液相は糖代謝異常に基く血糖値の高低並

びに 17KS排世量を通じて伺える下垂体副腎皮質機

能の如何によって調整されるものと考えられる

第3項腎クリアランス

糖尿病の腎「ク JI[関してはその充進否認めるも

の一定の傾向を認めないもの等種々の報告がある

がこれらは多く糖尿病の腎障害合併例を含めた報

告である糖尿病に於ける腎障害合併頻度は

BryfolgeDunlop日野〈9〉大森等の報告によると

20内外である

著者は合併症の有無により 2群に分けて腎「ク Jを

考察した

腎障害合併例に於いては GFRRPFRBF共に

正常範囲の下界乃至低値を示し合併症なき例に比

し一般に低値を示した

合併症を有せざる症例に於いては

1GFR 上昇を示すものが多く乃至は正常範

囲の上界を示す 17KS量の増加せるもの過血糖

を呈せるものに著明に GFRの上昇を認めた症例

182927の如き 17KS量の増量せるものは過血糖

の程度小なるも GFRの上昇を認め症例7は 17

KS量低値であり GFRは血糖値の程度に比して上

弁は少し副腎皮質機能の関与を推測せしめるが

一方症例2の如く GFR上昇例は 17KS量よりむ

しろ過血糖の影響と考えられる場合もある Frey

も同様に糖尿病患者の GFRは血糖値の上昇と共K

下垂体副腎皮質機能が極めて著明に関与すると述べ

ている仁木(10)は GFRと血糖値の聞に一定の関係

を認めず GFR低下者に 17KS増加を認め 17KS

との間l乙負の関係を示すと云っているがこれは腎

障害合併例を含む為にその関係が不明瞭となる為と

考えられる

体液構成との関係は PVRhodanSpともに認

められない

2 RPF 3357 cc minの低値から 6825cc min

の聞に広範囲に分布する

血糖値との関係は余り著明ではなく特に高血糖

を呈する 2例は PVの増大を認めたが RPFは著明

に低下を示している

17KS量との関係は余り明らかではないがその

増加につれて RPFも上昇する傾向を認める即ち

副腎皮質ホ Jレモンの作用は軽微であるが PVの変

動と平行して RPFも変動する

体液構成との関係は RhodanSpと RPFとは明

らかではないが PVとRPFとの関係は上述の

過血糖例の如き例外を除けば比較的明らかで一般

1[PVの増加K平行して RPFの上昇を認める

3FF 正常範囲内のもの上昇を示すものが相半

ばするが殊K著明な過血糖を示す症例又 17KS

量の増加例の如き PV減少により脱水症状を示した

症例に於いては FFの上昇が著明に見られる

第4項 1日尿量

古くから糖尿病の多尿は糖排世量と略々平行する

ζ とが知られていたこれはブドー糖の惨透圧利尿

の一典型と考えられ ζの際 NaClの再吸収は抑

制され尿中排世量が増加すると言われている近

時糖尿病の多尿は多くの場合糖排世増加のみによる

ものでないことが知られ多尿の原因として糖尿

電解質喪失アチドージス等が HinkleMeyer

Atchley及び Peters等によ b示され(11〉更に 17

KS排世異常一下垂体副腎系及び ADS異常一下垂

体後葉系の内分泌関与が矢野(12)PickfordVerney

等により示されている Freyは糖尿病の水分代謝

の因子として高血糖のみならず副腎皮質機能が関

与し 1日尿量の増加 GFRの増大は血糖上昇の他

1[17KSの増量と関連のある事を認め下垂体副腎機

能充進が極めて著明な関係があると考えた

著者の 1日尿量と諸因子との関係を検討した成績

に於いては 17KS量との相関は著明であるが 17

KS量の低下例に於いて僅かに高血糖の影響を受け

て尿量も柏増加する例をみる即ち血糖値との関係

は一般に軽度で 17KS量との関連がより密接であ

-2318ー 千 葉医 学会 雑誌 第 35巻

第 2表 水利尿と諸検査成績 I 糖尿病例

年稀釈力試験 1日|尿中 好酸球雌値l血張中濃度 T

令 時尿量 cc 1824-GFR全 17K 減少率 Sp

症 例日tr2時全 尿量 1日量 一m一g一fd11 Na IK 合併症その他l間両量4時間 ccmgd a 4時間尿糖量一一一一一一一larr

Rho-

(2時間f--ICl 総蛋白 dan-RPF

別 間量量 dayl day Sp e

1将 45 239 241 296 1400 46 551 15173

374 1940 73合 135 (223) 833 1093 705 319 34972

57 467 判制 1450 39 528 14084 CEJ稀釈試験 2時間4前 NPH 733 2150 112 〕イ ン シ ュ リ ン U 皮下

合 266 (304)1 1531 1116 756 338 33573 注(不適〉

3渡 60 432 243 1400 39 560 12638

1860 合 ( 432) 350 1222 798 348 64906

4 中 49 379 366 241 1483 39 570 15780

867 1850 109 A梅毒 肝腫合 488 (223) 220 1185 852 277 85193

池 46 482 363 237 1483 38 468 11046副J血 尿血蛋圧白 (1十74)~96510 1034 1540 95 正 552 (189) 220 1074 763 276 566 腎症 眼底糖尿病性網膜炎

65 447 200 236 1443 36 390 11549

921 1360 15

474 (0) 300 1073 698 277

71き1213

299 210 626 9570 血圧 105--0915 1670 83 脚気 第二肺動脈音充進(267) 365 10791 317 31834

8 立 58 916 1533 465

1370 1540 77 281 I

453 (200)1 250 1150 783

9市 191 1457 44 420 10586

1089 1350 31 1(430) 591 120 1090 861 286 51230

+51~ 797 189 1557 475 必 71廿1245

448 ( 469) 200 1295 90 253 1605

53 502 514 175 1433 48 443 10108 動脈尿蛋白 i一〉11 650 2030 71

合 148 (514) 150 1116 783 317 44616硬化症血 圧匠 60--114 限 KW n

市 52 388 936叶 173 1325

12 31 548 20 1114 86 206

木 52 776 十110 164 1543 60 329 15100 13 1010 2370 193

恵 合 234 (40) 50 1191 822 224 41814

姥 70 270 232 158 1450 48 483 動脈 尿蛋白 (1ー20〉~

14 662 1290 63 ⑦硬化「 血 底圧 80合 392 (128) 270 1302 822 219 心障 筋碍 眠 KWII

勝 50 582 223 158 1414 43 435 11087 15 956 850 54

374 (278) 90 1278 822 195 50363

内 59 774 286 158 1433 39 12101 r yen

16 1160 1640 73 注 血 底圧 70--100 390 (229) 22 1100 744 -- 眼 KW工

鈴 58 497 482 41 403 8239 腎症尿蛋白 1(5十0~)72

17 820 1980 117 693 315 28935 動 脈 血 圧底

合 323 ( 447) 1081 1074 硬化症眼 KWlli

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2319-

18 椎52

49

200

(234)

157

70 12041 90

408

170 (尿血蛋白 (170~)90

402791~ 眼 圧底 KWI

19 鵜

54

325

380 705 73

(200)1 80

1567

1365

46

862

539

185

10024

68254

20 池

55

743

128 871

120

32

1500

1132

34

71

366

198

21 佐 48合

843

550 1393 1740

469 107

(405)

120

20

1550

1389

47

852

422

251

13260

65505

1|阿2210 合 3卜148 1620 5121m|附 365

(575)1 161 1067 783

E 健常例

年 尿量 cc 1日尿17K中S

好酸球 血糖値 血築中濃度 T

1824-GFR 令

前 全全 減少率 mgdl Sp

症例 尿量 1日量 Na 1 K Rho- 備 考

性 一22時時蚕間間~14時間 cc mgday 4時間 尿糖量 dan-RPF

5JJj 時間量

day (2時間) g Cl 総蛋白 Sp

1中 20 865 367

1139 1701 274 (ー) 280

2増 22 727 446

1065 1387 合 338 (一〉 321

3 出 26 1140 502

1295 1732 合 155 (一〉 286

4 山 28 845 583合 245

(一) 291

5鳥 24 1220

17821338 合 118 (--)

6岩 27 1210 101 1596 39 388 11155

1328 118 (一) 1037 938 3633 79350

7戸 32 1035

1094 1603

59 (一〉 994 835 13805

8 諸 47 860 1460 40 408

1029 -合 169 (一〉 1027 752 2913

9 菰 36 907 1457 48 386

1139 合 232 (-) 994 783 2600

金 22 932 51 10 1063

合 131 (一) 11080 823

斎 36 1013 1144 11 131

(ー〉

11NωNOs-

第 3 表 水利尿と諸検査成績(平均値〉

〔註尿中電解質は水試験前値J C合併症を有する例を除く)

電 解質そ の 他 (前値〉体液構成 腎「ク J 値 水利 尿

Na C1 K 糖 総蛋白

m血四iE援mqE尿UE中qI E血dIEg糖lf尿d a中y

m血d淫援r117KS Eosin 1日尿量

4時間T 1824 Rhodan

GFR RPF FF 尿 J主芸ELt 排世比 Space Space

mgday 一 cc cc

健常例 15113715154 JZグ内 1608 446 309 1037 5495 0201 11580 019

良好例

JfとfylM294 1687 402 259 1273 5476 0245 12030 051 (1000cc以上〉

糖 I工G群Bc

71Jケ m208 1056 397 209 1162 4532 0262 9244 068

遅 8J0ccー戸〆

尿延 E而群c とJケ叩 321 1653 550 284 1261 E604 0258 4040 084

病yen 以J下

仰1

こ7ケ明例 平均 264 1280 454 237 1212 5175 0259 7290 071

全例平均 lJJ381134A 631j 4104JflJブ 721 280 1470 434 246 1240 5309 0253 9502 059

H

部 ω印時

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2321-

る ADH抑制作用と異る点がある

Gauntは抗利尿ホノレモン (ADH)の分泌抑制及 即ち副腎皮質機能の充進は櫨過量の増大と尿細

び血中 ADHの不活性化は副腎皮質ホノレモンの充分 管K於ける水分電解質の調節異常に関与して多尿を

な存在によって促進されると述べている然し過血 来たすものと考へられる

糖に於ける多尿に際し NaCl排世量の増加が少

い事より過血糖の多尿は Osmotic diuresisの他 第3篇糖原病の水利用

ι 一定限界を超えた高血糖が血撲惨透圧を軽度に 合併症を有する 6例を含む糖尿病患者 22例に水

充進し Homer SmithVerney(13)等の言う Os- 1L負荷して稀釈力試験を行った

moreceptorを介して ADH 抑制作用を現わし多 合併症なき 15例中水利尿良好例(尿量 1000cc

尿を来たすものと考えられる然し多尿の原因とし 以上) 7例遅延例工型 (1000cc---800cc) 5例

て副腎皮質ホ Jレモンの関与がより強く考えられる 遅延例E型 (800cc以下) 3例を認め之等諸群と

即ち 17KS量と 1日尿量 GFRと1日尿量 17KS 健常例 11例とに就いて比較検討した

量と GFRは夫々極めてよく相関が認められる叉

17KS量増加に伴う多尿に於いては電解質殊に Na章 I章検査成績(第 2表〉

排世量の増加が特徴的であり穆透圧克進による 第 1項水利尿と諸因子(第3表第7図〉

第 7図 水利尿と諸因子 (合併症を有する例を除く) 管02

(由X羽 〈字調期X

x l(

X

X 0 )( 7

130-6

ex x

X

120-4 C主 x x

dpe 3

1

X

110-2

darr血 』ιτ京支~一一点尿 iooCC 400 600 -600 1000 賠ム 一ーy 600 800 1000 1200克 4時間床量

剛志e-ιmみ岡原ff

6 X

K

0尿血中衆林議浩度量(前値)

x

~ x

X

X x x xX

gtイ

メtimesx x x

4x x X

ち瓜

X

3

2

下〈 ラ〈

200記 40-0- 扇面一一一 600 -1000 1200- 200cO ---41fO 山内--800--1-00岡 0-----60

主主主-2322ー 千 葉 医 弓f- 会 雑 誌 第 35巻

事量 日 221 (ぷ 33訪世 J117 邑星 IKS三米 1-Jli ls

x 事|量 13

ι

2崎1ol-X )( x

22何0 x x 0

x2ω-50 ~ x

)0( G18ト-10 x

0)(

x

f件-JO 10

~)(X x

14()-20 浪

(syto

1 J r I1 10ro

121r 10

1 1 I 1I 1I _ 1 冊1k

f-ω i-nv -au

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〕山町

12ωAnn cnn Qnfyen400 600 ll山間U

VAG-

Ar-HG

~-

212尿 由

u

町内

I nn一~ 200ee

vLmWa

百尿量

c均 -2400 10

13 -

Os

QS

守 07

e 00 e

011 l 1 I I I I Ll_LIB

1 1 I 1 I I_j I J 1 I 1 200巴 40D 600 800 1000 1200 200 400 600 -~8-OO-- --1000 IlOO

T84-SP 60t-

RJr -sp

32 7

4串19 重 ~30

丘au

o 0

4色白

s 辺

19

2amp

20

司 JB 19

___ー ι _ 2000 400 600 BOO 1000 1200 20Q 400 600 800 1000 1200

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2323-

G RPFC41M1_

句々ωt

140

oOO

110

300

100

I ~ I L_____ー」ーよーし一一一larr 五百h200lt

I

lt 400 600 1200 200血 400 600 800 1000 1200

1電解質 試験前 1時間尿中の NaClK量及 2NaCl 健常例の NaCl排世像は水負荷

びその血撲濃度と水利尿との聞に相関は認められな 直後水利尿発現初期比軽微の排世増加を認め利尿

期には寧ろ排世減少し 3時聞をきの濃縮移行期lζ再

2血糖及び尿糖 水利尿と比較的よく負の関係 び電解質排世増加の最も高い時期となる糖尿病の

を認め著明な過血糖例の 4時間尿量は極めて少い 水利尿良好例に於いてもこれと略々同様の変動を示

3尿中 17KS1日排世量及び好酸球減少率 水 すが利尿初期の排世増加が著るしくなっている

利尿良好例には 17KS量の増加好酸球減少率の高 遅延例も良好例に類似した変動を示すがその変動

度なるものが多く過剰排世型の傾向を示す遅延 は極めて小さい

例E型K於いても 17KS量の増加好酸球減少率 良好例のうち症例 8102122遅延例 E型のう

の高値を示す傾向を認める o ち症例 1の如く著明な NaCl排世を認める症例

4 1日尿量 水利尿と 1日尿量との聞に明らか は何れも尿中 1日17KS排世量は比較的高値を示し

な関係を認め難いが異常な 17KS増量例及び著明 こ良好例のうち症例 9遅延工型の症例6は全4

な高血糖例を除けば水利尿の程度と 1日尿量とは 時聞を通じて NaCl排池ー量は低値を示しかかる

柏平行する傾向を認める 症例の 1日尿中 17KS排世量は最も低値で最大利

5体液構成 T 1824-Spaceが正常範囲内で 尿時尿量は低下し最大利尿発現時も遅延している

正常の上界値を示す症例に於いて水利尿は遅延E型 3 K 良好例及び遅延 E型のKの変動は健常

を示す Rhodan-Space Ir於いても同様の傾向を認 例に類似しているが遅延工型に於いてはKの排世

める は比較的少い

ι腎クリアランス 著明な過血糖例及び惨透圧 4 17KS及び好酸球減少率 水利尿良好例に於

上昇K伴う PV増大例及び異常な 17KS増量の 1例 ける水利尿時 17KS排世量及び好酸球減少率は最も

を除外したその他K於いては GFRRPFの増減 著明である

に応じて水利尿も増減する傾向を認めるが著明で 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比(第4表

ない 第5表)

第 2項水利尿時諸排世像(第8図) 1 諸排世量 (第9図)

1尿量 最大利尿時尿量は健常例が最も多く 尿量の糖尿病全例平均は健常例K比し減少を認め

以下水利尿の程度に従って順次低下し最大利尿発 る

現時も順次柏遅延の傾向を認める水利尿良好例及 NaCl は水利尿良好例に著明な排世量増加を認

び遅延例工型lとても最大利尿時尿量の比較的低下例 める遅延例E型も症例により排i世増加を認めるも

を認めるがかかる症例の最大利尿発現時の遅延は のもある

著明である 排世量の平均値では良好例に NaClの増加が著

-2324ー 千葉医 学会 雑誌 第35巻

00 cc

第 8図 水利尿時諸排世像(合併症を有する例を除く)

健常例 良好例

ーlsquo必21

mEq_lmEラ

2 1-iacute~ Il

10ト120

c1ワ

5

ト1

0

財政球減少率)

原中門院(||)

情M

a

o

n

ν

p

b

Aωnυ s

~A--ーー

--

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝花関する研究 -2325-

遅延例工型 遅 延 例 E 型

400ト cc

尿

9

1iし

也印

3

0

5判

M

一 2怠色ム-_ ---温lsquo邑---_-ldquo F

3

aTEFIl--r

m

1

0

A司

I~ ldquolsquo Jρ降lsquo

i ヘヘlsquoyen 一vlsquo日一ア一-笹居宮包日畠日-

A__-一 a

6ペへyenyenyenyen

yenろノIl ~lsquo~--也

好均時雨少苧

尿中 ηdM

-2326ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 4表 水利尿と諸排池ー量 工 糖尿病例

年 尿量 cc Na量 Cl量

KIIlE量q 17KS量 | 尿 糖 量

メHLmEq mEq mg g

症例目Ij

全前 l全 刷 全目Ij

全目IJ 全日Ij 全 合併症その他

f生 22時時後間間4時間|22時3問間時間1晶時間114時間22時時後間間 22時時後間間4時間占2時時後間間別 4時間 4時間

2879 151 144

135374 1791 4145 4914 1587 264

合 2035 595 113 113

2酒 57 467 2196 1803 601 036 H稀釈試験 2時間前4 NP

733 4795 4399 799 インシュリン u皮 合 266 2599 2596 198 145 下注射(不適)

60 93 11931065181I1 1669

538 048 709 822 070 772

合 40 423 284 022 063

4 中 3440 882 119 068

8194 2039 207 160 A 梅 毒 肝腫 合 488 4754 1157 088 092

池 46 482 4457 l別 869 125 138

510 1034 90811 111868 1623 259 179 腎症正 552 4624 5935 754 134 041

6染 65 447 683

792 033

921 1011 13 066 474 51 663 332 033

7浅 31 517

|「ど71 458

9151 111 1520 717 脚気 398 4141 1 649 259

916 2174 3138 093 1288) 0

1370 5035 589 1596 453 2260 2752 617 035

498 771 1405 464 9) 0

1089 1472 3010 933 591 701 1605 469

立 58 797 3589 1139 10 1245 3771 5438 334

448 1278 1849 598 095

53 502 1233 1496 693 082 067 11 650 2265 2875 1140 145 084 動脈硬化症 148 1032 1379 447 063 017

市 52 388 834 911 12 936 1743 3477 1977

548 909 1872 1066

木 52 776 2066

吋 lm13 1010 3951 6198 1570 百-三~ 合 234 1885 26151 1 599

蛇 70 270 662

1322 1887 654 動脈筋硬障化症14 2558 3760 1212 ⑦む 碍 合 392 1236 1873 558

582 956

1273 257q叫 535 076

15 2358 244

315013 9i6 148 374 1085 381 072

内 59 774 2162 944 200 16 1164 301 3168 1271 307 注 390 857 909 327 107 L J 眼底 KW工

17 820 410198 300 腎症 合 323 7 2221251079224060093動脈硬化症l|145110331オh1410ぺ|叶11|鈴

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝lと関する研兜 -2327ー

52 620 18 椎 (血底圧 170~901707 4335 11 6 318 651 注

眼 KWI041 1 4091764 ~17

54 325 662 097705 54 785 1 6419 0鵜 11 1 875 380 492 338 067 014

55 743 977 1915 415 20

池 128 871 2043 3315 800 1066 1400 385

48 843 2338 3796 1208 140 佐

21 42761393 6368 1994 204550 1938 2572 786 064合

2481lz卜147判|州|吋 E 健常例

年令尿量 cc

Na量 Cm1E量q KmE量q 17KS量 尿糖 量 mEq mg g

症例

22時時前後間間 4時且八間

別全

22時時i後iiJ間間 4時~間122 時時前後間間 4時一一A 間 22時2削聞間 4時~間 2J時前間問 4時こ八に間備 考

a別性 22時2「間目nl4時間

1 中 20 709 1752 855

2741 1139 1653 3212 1471 944 1460 616

2ぎ 22 727 1065

823 2683 724 1658 41 11 1638

合 338 835 1428 914

3出 26 1140 3422 1297

155 1295 4038 5682 2115

合 21 98 2260 818

4lU 28 845 988 21 99 630 1090 21 07 3899 986

合 245 11 19 1700 356

515 24 1220 1625 2034

1338 2571 31 1084 合 118 946 1144 382

1210 445 1077

1317 2162

371 1328 629 118 632 845 258

71~ 32 1035 725 1698 991

1094 1601 2217 11 84 59 876 519 193

8ぎ 47 860 737 1993 1 66 1029

603 1340 2703 236

合 169 710 070

9菰 36 907 1377

2605 2461 800

1139 3725 144 1合 232 1228 1264 64 1

金 22 932 726 1486 832 10 1063 1538 2412 1078

合 131 812 926 246

斎 36 1013 1957 478 739 11 1144 2812

539 1017 1188

131 855 449

-2328- 千 葉 医 学 ムヨミ 雑 誌 第 35巻

第 5表 排世量及び排j世比(後前)(平均値)(合併症を有する例を除く)

尿 主主ヨ豆lsquo Na Cl K 17KS

前川~stl 前 知 吋 比 前 2st門比全 4時 間 量 比 全 4時間量比 全 4時間量 全 4時間量 全 4時間量

974 184 1000 1019 2105 1226 737 449 061健常例 019 102 058

1158 2019 3331 1186

795 408 2153 1487 2997 1994 924 533 168 075 良好例 051 069 067 058 045

1203 3640 4991 1457 243

糖 工 555 368 913 868 1869 1628 621 513 064 069

群 066 095 087 083 107

遅 923 1781 3497 1134 133

尿 218E 185 1261 902 1650 1174 659 406 099 068

延群

084 072 071 061 069

病 404 2163 2824 1065 167

J1j 429 299 1042 881 1787 1458 635 473 082 068 平 070 084 082 074 084 例 均 728 1923 3245 1108 150

全例 600 350 1561 1164 2352 1708 769 501 058 075 073

065

1 187 061

平均 950 2725 4060 1270

白色

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48

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2329-

明で遅延E型に於いても Na排世量が柏増加する すlarr

傾向を示す Clは健常例 058糖尿病例 073で後半の増量がよ

KはClと略々類似せる傾向を認める り大である

17KS排j世は Na排世l乙略々平行するが如き傾向 Kは Clと類似の傾向を認めるが症例 12 1[於い

を示す ては117と著明な上昇を認める

2 諸排世比 (第 10図〉 1 諸排世量及び比と諸因子

水稀釈力試験時の各排世量の後半 2時間量l乙対す 諸排世量(第 11図〉尿量と血糖値との関係は中

る前半2時間量の比を以って排世比とした 等度以下の過血糖の症例lζ於いては血糖値の土井

尿量の平均排世比は健常例 019糖尿病例 058 氏伴う尿量の減少は軽微であるがj著明な過血糖例

で後半排世量増加を示し水利尿良好なもの程小で を呈せる症例は尿量は極めて少い 17KS 1日量と

あるがその関係は余り著明でない症例 6912 の関係に於いてはその増加している症例に精尿量

19の4例は排世比の上昇著明で10を越える の増加する傾向を認めるが著明でない

Na は健常例102糖尿病例 075で前半排世量の増 NaClKの電解質排世量と血糖値の関係は余り

加を見る症例 6912は10を越える排世比を示 明確でなL0 17 KS 1日量とは明らかに相関を認め

第 10図 水利尿と諸排世比 (合併症を有する例を除く)

N

ご~)(ltιε

Hmu 14 1井

12

X

原量

oAAOOX

01

o

x

09 x eβ

下〈

ldquo川附

QS 自由 X

且7x

e G

06-1-

05

H

04t

03+ x

02+ 02

01十

2boCC 400ωo 800 一一一一一1-LlOOO 1200 200 4 400

+ 800 iobo 1ゐ larr品

t 17 K ~宮

15

附H 11

3

2

1

0

8

0

l

Q

G

O

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3

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v

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G o o

C

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3

4

J

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G

3

202

01

200ζc 400 占ず4 市斗~1()~D----lLIUgrave~OL-l--- IToι ーふ0--+-市布~ 4時向原賢一』 4時間尿器-

-2330ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

る て電解質排世比の僅かの上昇を認め叉尿量排世

諸排世比(第 12図)諸排世比と血糖値との関係は 比に於いても 17KS減少例及び症例 19 K上昇を認

認め難く叉 17KS量との関係も一般に著明ではな める

いが 17KS 1日量の特に少い症例 69121乙於い

第 11図 排世量と諸因子 (合併症を有する例を除く)

〔血糖との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

gst

ePe

12m払 γ

J4

0

30

20

10ト

2 4 6 日 10

200 250 300

G

30

20 1

10ト

寸 250 4 8 10 12刊初ザ6 2 300

K

14

8十

oe

100π彬l(_ 150 lOO 250 却 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

ウ匂

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2331ー

〔血糖との関係〕 [17KS 1日量との関係〕ー

25ト

KSつιE

17

bull

1001113μ~ loO 甲 17 8 9 10 ( 3oo 2 3 4200 2DO 司司m-J2amphMd恥凶うー事

~I 6

51

尿

44 糖

3

o I 3

2

100iR 150 200 250 300 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12匂

第 12図 排世比と諸因子 (合併症を有する例を除く〉

〔血糖値との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

1amp

同 019

警08 s 07

0

ee o

05

邑4

3

Q2 112

01

ト 100向始H且 150 200 250 30ー15ー中 s4 5 6 7 白 ] 10 11 12叩拠ザ」 酔|ーム2tflf7K16 糖値

井1ト41

e 0611amp1

自書r

似し 2

100mJJtl 150

ト21

200 250 4 1030016+ 2 主判事l判

-2332ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

61

OJl卜

08ト

04

10

oq

17ω kS笛

04

1)2

01

尿

5(1

02

01

10

也4

03

〔血糖値との関係〕 [17 KS 1日量との関係〕

14

12

t 1Oo

8

09

Ob 0干

02

100明弘a 150

c0

100明 11 200rnJdl

150

10b夜間 200

第 II章総括並びに者按

300

250

Os06

一一一_L 250 300

lC

08

也6

Q4

2345amp789 叩 11 12匂勾

JSLJ一一よ 0 1 I 7 8 9 10 12閉め匂 11

G

一」一一よ一一J一一」一ーーーー-

8 11 12吻匂

109

第 1項水利尿と諸因子

電解質との関係 水試験前値の尿中電解質排世

糖尿病K於ける水分代謝の問題殊に 1日尿量 量及び血察電解質濃度と水利尿の程度には一定の関

と水試験時の如き急激なる体液変動を惹起せしめ 係を認め難く試験前電解質量または濃度によって

た場合の水分代謝とは当然同一視得ないものがあ 水利尿は影響を受けない

ると思われる 血糖値との関係 血糖値と水利尿との聞には負

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2333ー

の関係を認めるが著明な過血糖を呈し PVRho- の遅速は一定でない乙れは血糖値の上昇せる為

danSpの増加を来たす様な症例は水 1L負荷にょ に ADH作用抑制によって起る水利尿反応が鈍化

つでも OsmoreceptorVolume receptorを介し され得る故であろう

て起る ADH分泌抑制の度が小となり水利尿反応 水利尿の良否lζ拘らず最大利尿発現時の遅延する

が少くなる為か尿量は極めて少ない過血糖中等度 症例は 17KS量の低値の例及び血疑 Na濃度が他

以下の症例は PVR対する影響も少く 尿量減少 の症例広比し高値を示す症例で何れも水利尿時の

の度も軽度である NaCl排世は殆んど尿量と関係なく減少している

17KS量との関係 17 KS 1日尿中排世量の増 電解質排世像は水利尿良好例に於いては健常例

加に従って尿量増加の傾向を認め特に過剰排世型 と異なり利尿発現初期に著明な Na排世のピーク

の傾向の認められる症例に 17KS量の増加を認め を見るこれは何れも 1日尿中 17KS排i世量増加例

るかかる症例は何れも GFRの増大と尿中 Na である遅延例工型は 17KS量の増加せる例少く

Clの排世増加を認めた例である 電解質排世も著明でなく略々健常例に近い排世像を

然し症例 13の如く 17KS量異常に高値で多尿 示す遅延E型は水排世遅延最も著明にも拘らず

lとより PV減少を呈せる脱水症例では水負荷によ 電解質排世像が良好例比類似して比較的著明な症例

りPVの変動は強く現われるが排世尿量は少い を認めるが ζれは 17KS量の増加を認める

叉著明な過血糖例及び症例 19の如く血疑 Na濃 更に症例 9612の如く 1日尿中 17KS排j世量

度が比較的高値の症例は間脳ー下垂体後葉系並びに 低値の症例は水分排世量に関係なく終始 Na排世

下垂骨前葉一副腎皮質系の内分泌機序の連関性の失 の増加が認められない以上の成績と過剰排世型を

調の為か 17KS量比較的増加しているにも拘ら 示す症例l乙1日尿中 17KS量の増加を認める事より

ず利尿は遅延する 考えれば水利尿時尿量の増加は GFRの良好なる

1日尿量との関係 一般に水利尿との相関を示 事と相侯って副腎皮質機能の比較的健全なるによる

す傾向にあるが特に過血糖を呈する症例及び異常 ものと考えられる唯し症例 13の如く 1日尿申 17

rc17KS量の増加せる症例に於いては前述の如く水 KS排世量の異常に高値の症例に於いても利尿初

利尿時の尿量を抑制する 期の Na排j世のピークは柏低く血媛 Na濃度の低

即ち 1日尿量lと於いては恒常的な腎機能及び 下も殆んど認めない場合もある

体液構成等の因子が関与し水利尿に於いては急 ClK の排世像も同様の傾向を示すが Na程著

激な PVの量及び質の変動が主要なる役割をなすも 明でない

のの如くである 以上を要約すれば血糖値の上昇例は最大利尿

体液構成との関係 PVの比較的増大している 時尿量を減ずるが最大利尿発現時聞に特に影響を

症例に於いて水利尿時尿量の抑制を認めるかか 認めない又 1日尿中 17KS増量例は電解質特に

る症例は著明な高血糖を呈し又は血緊 Na濃度の Na排粧を増加し利尿初期は特に著明である ζ

比較的高値の症例である れに反し 17KS量低値なるものは Na排世増加を認

腎クリアランス値との関係 GFRRPF共に めずそれに伴い最大利尿発現時を遅延せしめ最

水利尿の程度と精関係を認めるが前述の特に水利 大利尿時尿量も柏低下せしめる

尿を遅延せしめる因子の存在する症例に於ては腎 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比

機能の如何に拘らず水利尿時の尿量は少い尚 尿量は糖尿病例は柏減少し水利尿の遅延するに

Smith及び永峰(14)によれば稀釈試験時KGFR 従ってその排世比も柏増大する

RPFの変動は殆んど認められないと言われている 電解質排世量及び比共l乙水利尿の良否とは特に相

以上主要な水利尿遅延因子としては腎機能の 関を認めないが水利尿の良好例K排世量の増加を

良否は当然考えられるべきではあるが更に ADH 認める

並びに副腎皮質ホ Jレモンの分泌機序の異常も強く関 血糖値との関係はその上昇するにつれて水利尿時

1乙殊に甚しく叉l尿量は減少し著明な過血糖例 L与することを考慮しなければならな

第2項 水利尿時諸排世像 日尿中 17KS排世量は尿量との関係は軽度で電解

尿量の変動は水利尿良好例遅延例工型 n型 質殊に Na排世量との相関が明らかである乙れ

買に最大利尿時尿量の減少を認めるがその発現時)1の は血糖上昇の際は AD町分泌抑制が主で 17KS増

-2334- 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 6表 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

工 諸排i世量及び諸排世比

排 17 KS K 糖

水単独 水物単併独

ClNa尿薬

備 考水物単併独水単独用 薬水物単併独用薬水物単併独用症 薬用薬物併薬用併負荷用薬負荷物び

例『番比

物号

1164 050 3019 035 307 053 16 内 1321 041 141 067 1252071 4393 04814043

40 1148 019 3836 057 4964 050 1096 044

ブ 22 阿 O田1048 056 2003 118 3328 078 1237 067 ド

糖 1010 030 3951 091 6198 073 1570

40cc 13 木 O恵 前|1023 035 1677 120 2969 084 947

静 伊i 1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053

平均 11081 0531 2690 073 3446 063 11681056 141 067

除全遅 026 3006 031 12回511i022 224 054 四 a119 動脈血圧 150--72併例合延 17鈴 O

11391 1171 4147 077 3348 068 1380 108 330 086 硬化症眼底 K WJII 症

055 4334 051 12971040 265 054例例平 全例

11151 0661 3054 075 3422 064 12211068 240 0793 4 -

1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053除合併 均 症例 1108 053 2690 073 3446 063 1168 056 141 067

1370 049 5035 082 5890 087 1596 063 128 038

量及

良 8 立 972 077 2017 089 3996 068 1015 054 267 051

1089 118 3010 114好 9l市イ 1161 057 2375i 039 4969 039 037

096 1265 075 1229 074 3298官uシ平 均

ユ 1066 066 2196 058 4483 051 1939 041 2671051 リ

093 1140 064 650 029 2265 ン 硬化症 血圧 60~114

眼底 KWJI 11 小 O

1025 028 4465 06614998 091 1313 059 5u 遅

静 0752 6 4 |i曲胡00 374 057 4145 0761 49141071 1 5 87 2570 078 1将 O注

延例

-園平均

除全 メロL ou 併 除合併 症 症例

488 033 4598 0541 564 64057 12801 071 362 065

512 038 3205 13641 0621 264 075 hellip街lm756 030 4532 0601 5323 072 12961 0531 362 065

374 057 4145 4914071 075 075d4i

968 005

例例 平均

3 4匂圃4

4012801057 714054 56033 4598 488 362 065 61

4172 087 1314 061871 062 平 全例

911 049 059 4903 061 1618 315 058

944 071 3580 082 4605 086 1373 069 196 061 除合併 均 症例 873 059 2997 056 4871 053 1719 042 315 058

良 10891 11911562 103 好 市 304111

t列U9 0110161 17911705087 44601 13111212 1

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 K関する研究 ~2335ー

0959判 1岨15 C A

106 14171 033 48011063 10161 0641 321 083

938 051 1707 069 1163 054 1 88 1 24遅 18 椎 O

1018 1 25 1717 075 5067 095 1597 096 528 0805mg 圧底 KW 1

静 2558 093 3760

延 14姥 O 暖動 化 脈症(蛋血圧底白〔 120〕MBO注 8691 1 75 1864 057 3514 0671 1238 094 心筋障害眼 Kwn

852 074 2208 087 4369 087 1097 069 1 68 平ー均 ou除全 881 1 32 1666 054 4441 075 1284 086 425 081 玉メ口

併 除合併 947 058 2032 083 4674 082 1039 061 168 1 10症 症例例例 888 117 1567 053 4934 078 1306 082 425 081平均

911 085 4029 09 1 1056 076 168 1 10平 全例--

3 4

915 1 44 16761062 4446 087 1266 094 425 081

1876 088 1005 1 10除合併 均 症例 0941425 08138 1613064 4767i 092 12751 1

4276 0~83 1994 065 204 046 21 佐

1305~ 034 3563 048 5976 054 2283 037 255 029

T H

---

1245 056 3771 051 5438 051 1737 053 334 039 良 10立

1182 057 2324 045 4097 5421 45 076 280 066 チ

1034 1 15 9081 100 1623 087 259 011 1 78 029ソ好 5 池 O正

ン 眼底糖尿病性638 031 3226 01313201 034 1693 042 225 023 252 043 網膜炎

50 町 19例

1224 073 5709 084 7891 078 1784 066 266 058 178 029 平 均

内 1051 041 3038 033 4424 049 2040 050 253 041 252 043

服 除合併 1312 061 4024 067 5903 0印54111861541i 059

268 042

1243 044 2934 047 5036 054 2214yen 054 267 046例

遅延

症例 平均

--705 1 17 1154 074 1948 081 785 076 164 068三除日全』

19鵜 O1220 063 2328 076 6213 057 1705 063 232 079併 例

症例例 079 4570 084 1535 068 240 060 178 029

平 全例3 4 1093 046 2860 040 4872 052 1956 053 248 049 252 043 -- 1114 070 3067 068 4585 062 233 048除合併

均症例 1235 050 2738 054 5429 05512044 056 255 056

921 104 1345 097 792 072 066 103プ 6 染 O

900 05511504 036 2076 035 1161 039 1 39 049レ 遅ド

ーー 207 074 1 59 135ン 延 4中 O

867 129 5865 梅 毒 肝 腫A

25285655 0541051 26631057 6140571 56868 041 464515 mg

例 133 043 1190 8221053 070 045 g 渡 O内

初日--服

合除全 平

併症

例2例3 均_

414 012 1440 0211 23191 020 11 161018 1 53 031

640 1 09 2688 1 15 3736 1 16 12181094 1 14072 全例

727 040 2529 044 3347 039 16471042 149 044 8561252

527 095 1101 074 1507 073 068 068除合併症例 657 038 1472 029 21 97 027 11441028 146 039

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

出町

主昨

ゾ判〕

〔民本零時〕

〔認

E

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ehln

入ヘ

-5組椎

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特〕

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-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

g

h-

軍区民主切

回同入刊にふ

思組権回出回国Hυ〈

〔匝誌零時〕

言語

ヨ昨

五円〕

〔匝芯零時〕

〔題

活性

キ毛

NW

E酬

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝lζ関する研究 -2315-

少を認める症例 18は 17KS量の異常に高値を示

す症例で GFRの増大と RPFの軽度の減少を認め

2 体液構成との関係

GFRとPVRhodan-Spとの間には特に認める

べき関係を示きない

RPFとPVとの関係は特に過血糖の 2例を除

けば PVの増加に伴い RPFの増大を来たす

RPFと Rhodan-Spとは特に相関を認めない

第4項 1日尿量 (第6図)

1電解質 早朝水試験前 1時間尿中 NaCl排

世量の著明な症例 2121829Iζ多尿を認める

梢多尿を示す群lと於いては尿中 NaCl量》血疑

Cl濃度共l乙梢低下している

2血糖値並ぱに 17KS量 特に過血糖を呈せる

症例lと多尿を認めるが 17KS量とは更に明らかな

相関が認められその増量につれて尿量の増加を認

ゆる

3体液構成 PVRhodanSpとの関係は著明

でないがその増大群に多尿の傾向がある異常に

17KS量の高値を示す 1例は著明な多尿を示し

PVRhodarトSpの減少を認める

4腎「ク J GFRと1日尿量とは著明な相関が

認められ GFRの増大に伴い尿量の増加をみる

RPFとは明らかな関係は認められない

第 II章総括並びに者按

第 1項電解質

糖尿病における電解質代謝異常はアチドージスと

密接な関係があるとされ Atchley(7)等はインシュ

リン治療中の NaKMgCaNの出納は正であ

るがインシュリン治療を中止してアチドーヂス

第 6匿 1日尿量と諸困三子

Na

rx血 1青海皮世量制働p犀柑t0 11で号(学制時間

)(

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-2316ー 千 葉 医 学 会 雑 誌 第 35巻

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2001bull 仏炉目向 両昔T 1500 2000 2500

の状態lとすれば 乙れらの出納は負となるという 述の如く炭酸脱水酵素作用の異常と相侯って増加す

とれは糖尿病において定量的にケトン体の増量が る為ではなかろうか

認められこれが血液の固定アルカリを奪って尿中 以上糖尿病K於ける電解質の尿中排世量は概ね血

lζ排世する為と考えられている(わ 紫濃度に平行するがその代謝相はそれぞれ箱異つ

著者の成績に於いて血摂 Na濃度は軽度の低下 た態度を示し単にアチドーヂスK関係するのみで

を示し尿中排世量は僅かに増加の傾向を示すが ないものと考えられる

その濃度は低下している従って尿中排世増加は尿 血糖値と尿中 NaCl排世量との聞には一般に

量増加に伴うものである何れにしてもその変動が 殆んど関係を認め難くブドー糖による NaClの

軽度であるととは本症例が主として治療中のもの 再吸収抑制による排世増加は明らかではない 17

である為と考えられる CIK於いては血援濃度 KS量と比較的良く平行関係を認め尿中 NaCl排

尿中排世量及び濃度ともに健常例lζ比し明らかな増 i世増加を認める症例はいずれも同年令層の 17KS

加が認められるこれはケトン血症及び尿細管に於 値に比して増量を認めるかかる群の血疑 NaCl

ける炭酸脱水酵素作用の異常lともとずく代謝性アチ 濃度はその他の症例に比して高値を示している K

ドーツスによる Clの相対的増加とも考えられる に於いても略々同様の傾向を認め石が血糖値の影

Kは血緊濃度比著変を認めないが尿中排世量及び 響も受けて著明ではない即ち糖尿病の電解質異常

濃度は著明に増加するこれは脂肪乃至蛋白質か に於いて血糖値との関係よりも更に下垂体副腎

らの糖新生作用組織崩壊と細胞膜透過性の充進に 機能が密接な関係を有するものと考えられる

よる細胞内 Kの放出と共Ir MudgeBerlinerそ 第 2項体液構成

の他諸家のいう遠位尿細管に於ける K分泌作用が前 PVRhodan-Spは共lζ概ね正常範囲のものが多

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2317ー

いが Rhodan-Spに於いて高値を示せる 3例は

何れも血糖値高く PV 1[於いても正常範囲内であ

るが全例中最も高値を示している

血糖値と Rhodan-Spとの聞に明らかな相関を認

め血糖値の上昇に伴い Rhodan-Spも増大する

PV I乙於いては特に過血糖例に於いてその増大を

認めるがその他に於いては著変を認め難い

17KS量特に低値のものは過血糖に拘らず Rho-

Idan-Spの増加度は少く又過血糖の程度が僅に拘

らず Rhodan-Spの減少程度の少いものは 17KS量

の増加があり軽度ではあるが Rhodan-Sp1[対し

て 17KS量の関係も認められる

即ち糖尿病の細胞外液量は主として血糖によっ

て影響されその上昇によって増大するがブドー

糖の惨透 molは Naのそれに比し遥かに小さい事

より考えれば過血糖による細胞外液の惨透圧上昇

の他民糖質代謝異常に伴う細胞内脱水の関与も加

わると考えるのが妥当であろう以上により糖尿病

の細胞外液相は糖代謝異常に基く血糖値の高低並

びに 17KS排世量を通じて伺える下垂体副腎皮質機

能の如何によって調整されるものと考えられる

第3項腎クリアランス

糖尿病の腎「ク JI[関してはその充進否認めるも

の一定の傾向を認めないもの等種々の報告がある

がこれらは多く糖尿病の腎障害合併例を含めた報

告である糖尿病に於ける腎障害合併頻度は

BryfolgeDunlop日野〈9〉大森等の報告によると

20内外である

著者は合併症の有無により 2群に分けて腎「ク Jを

考察した

腎障害合併例に於いては GFRRPFRBF共に

正常範囲の下界乃至低値を示し合併症なき例に比

し一般に低値を示した

合併症を有せざる症例に於いては

1GFR 上昇を示すものが多く乃至は正常範

囲の上界を示す 17KS量の増加せるもの過血糖

を呈せるものに著明に GFRの上昇を認めた症例

182927の如き 17KS量の増量せるものは過血糖

の程度小なるも GFRの上昇を認め症例7は 17

KS量低値であり GFRは血糖値の程度に比して上

弁は少し副腎皮質機能の関与を推測せしめるが

一方症例2の如く GFR上昇例は 17KS量よりむ

しろ過血糖の影響と考えられる場合もある Frey

も同様に糖尿病患者の GFRは血糖値の上昇と共K

下垂体副腎皮質機能が極めて著明に関与すると述べ

ている仁木(10)は GFRと血糖値の聞に一定の関係

を認めず GFR低下者に 17KS増加を認め 17KS

との間l乙負の関係を示すと云っているがこれは腎

障害合併例を含む為にその関係が不明瞭となる為と

考えられる

体液構成との関係は PVRhodanSpともに認

められない

2 RPF 3357 cc minの低値から 6825cc min

の聞に広範囲に分布する

血糖値との関係は余り著明ではなく特に高血糖

を呈する 2例は PVの増大を認めたが RPFは著明

に低下を示している

17KS量との関係は余り明らかではないがその

増加につれて RPFも上昇する傾向を認める即ち

副腎皮質ホ Jレモンの作用は軽微であるが PVの変

動と平行して RPFも変動する

体液構成との関係は RhodanSpと RPFとは明

らかではないが PVとRPFとの関係は上述の

過血糖例の如き例外を除けば比較的明らかで一般

1[PVの増加K平行して RPFの上昇を認める

3FF 正常範囲内のもの上昇を示すものが相半

ばするが殊K著明な過血糖を示す症例又 17KS

量の増加例の如き PV減少により脱水症状を示した

症例に於いては FFの上昇が著明に見られる

第4項 1日尿量

古くから糖尿病の多尿は糖排世量と略々平行する

ζ とが知られていたこれはブドー糖の惨透圧利尿

の一典型と考えられ ζの際 NaClの再吸収は抑

制され尿中排世量が増加すると言われている近

時糖尿病の多尿は多くの場合糖排世増加のみによる

ものでないことが知られ多尿の原因として糖尿

電解質喪失アチドージス等が HinkleMeyer

Atchley及び Peters等によ b示され(11〉更に 17

KS排世異常一下垂体副腎系及び ADS異常一下垂

体後葉系の内分泌関与が矢野(12)PickfordVerney

等により示されている Freyは糖尿病の水分代謝

の因子として高血糖のみならず副腎皮質機能が関

与し 1日尿量の増加 GFRの増大は血糖上昇の他

1[17KSの増量と関連のある事を認め下垂体副腎機

能充進が極めて著明な関係があると考えた

著者の 1日尿量と諸因子との関係を検討した成績

に於いては 17KS量との相関は著明であるが 17

KS量の低下例に於いて僅かに高血糖の影響を受け

て尿量も柏増加する例をみる即ち血糖値との関係

は一般に軽度で 17KS量との関連がより密接であ

-2318ー 千 葉医 学会 雑誌 第 35巻

第 2表 水利尿と諸検査成績 I 糖尿病例

年稀釈力試験 1日|尿中 好酸球雌値l血張中濃度 T

令 時尿量 cc 1824-GFR全 17K 減少率 Sp

症 例日tr2時全 尿量 1日量 一m一g一fd11 Na IK 合併症その他l間両量4時間 ccmgd a 4時間尿糖量一一一一一一一larr

Rho-

(2時間f--ICl 総蛋白 dan-RPF

別 間量量 dayl day Sp e

1将 45 239 241 296 1400 46 551 15173

374 1940 73合 135 (223) 833 1093 705 319 34972

57 467 判制 1450 39 528 14084 CEJ稀釈試験 2時間4前 NPH 733 2150 112 〕イ ン シ ュ リ ン U 皮下

合 266 (304)1 1531 1116 756 338 33573 注(不適〉

3渡 60 432 243 1400 39 560 12638

1860 合 ( 432) 350 1222 798 348 64906

4 中 49 379 366 241 1483 39 570 15780

867 1850 109 A梅毒 肝腫合 488 (223) 220 1185 852 277 85193

池 46 482 363 237 1483 38 468 11046副J血 尿血蛋圧白 (1十74)~96510 1034 1540 95 正 552 (189) 220 1074 763 276 566 腎症 眼底糖尿病性網膜炎

65 447 200 236 1443 36 390 11549

921 1360 15

474 (0) 300 1073 698 277

71き1213

299 210 626 9570 血圧 105--0915 1670 83 脚気 第二肺動脈音充進(267) 365 10791 317 31834

8 立 58 916 1533 465

1370 1540 77 281 I

453 (200)1 250 1150 783

9市 191 1457 44 420 10586

1089 1350 31 1(430) 591 120 1090 861 286 51230

+51~ 797 189 1557 475 必 71廿1245

448 ( 469) 200 1295 90 253 1605

53 502 514 175 1433 48 443 10108 動脈尿蛋白 i一〉11 650 2030 71

合 148 (514) 150 1116 783 317 44616硬化症血 圧匠 60--114 限 KW n

市 52 388 936叶 173 1325

12 31 548 20 1114 86 206

木 52 776 十110 164 1543 60 329 15100 13 1010 2370 193

恵 合 234 (40) 50 1191 822 224 41814

姥 70 270 232 158 1450 48 483 動脈 尿蛋白 (1ー20〉~

14 662 1290 63 ⑦硬化「 血 底圧 80合 392 (128) 270 1302 822 219 心障 筋碍 眠 KWII

勝 50 582 223 158 1414 43 435 11087 15 956 850 54

374 (278) 90 1278 822 195 50363

内 59 774 286 158 1433 39 12101 r yen

16 1160 1640 73 注 血 底圧 70--100 390 (229) 22 1100 744 -- 眼 KW工

鈴 58 497 482 41 403 8239 腎症尿蛋白 1(5十0~)72

17 820 1980 117 693 315 28935 動 脈 血 圧底

合 323 ( 447) 1081 1074 硬化症眼 KWlli

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2319-

18 椎52

49

200

(234)

157

70 12041 90

408

170 (尿血蛋白 (170~)90

402791~ 眼 圧底 KWI

19 鵜

54

325

380 705 73

(200)1 80

1567

1365

46

862

539

185

10024

68254

20 池

55

743

128 871

120

32

1500

1132

34

71

366

198

21 佐 48合

843

550 1393 1740

469 107

(405)

120

20

1550

1389

47

852

422

251

13260

65505

1|阿2210 合 3卜148 1620 5121m|附 365

(575)1 161 1067 783

E 健常例

年 尿量 cc 1日尿17K中S

好酸球 血糖値 血築中濃度 T

1824-GFR 令

前 全全 減少率 mgdl Sp

症例 尿量 1日量 Na 1 K Rho- 備 考

性 一22時時蚕間間~14時間 cc mgday 4時間 尿糖量 dan-RPF

5JJj 時間量

day (2時間) g Cl 総蛋白 Sp

1中 20 865 367

1139 1701 274 (ー) 280

2増 22 727 446

1065 1387 合 338 (一〉 321

3 出 26 1140 502

1295 1732 合 155 (一〉 286

4 山 28 845 583合 245

(一) 291

5鳥 24 1220

17821338 合 118 (--)

6岩 27 1210 101 1596 39 388 11155

1328 118 (一) 1037 938 3633 79350

7戸 32 1035

1094 1603

59 (一〉 994 835 13805

8 諸 47 860 1460 40 408

1029 -合 169 (一〉 1027 752 2913

9 菰 36 907 1457 48 386

1139 合 232 (-) 994 783 2600

金 22 932 51 10 1063

合 131 (一) 11080 823

斎 36 1013 1144 11 131

(ー〉

11NωNOs-

第 3 表 水利尿と諸検査成績(平均値〉

〔註尿中電解質は水試験前値J C合併症を有する例を除く)

電 解質そ の 他 (前値〉体液構成 腎「ク J 値 水利 尿

Na C1 K 糖 総蛋白

m血四iE援mqE尿UE中qI E血dIEg糖lf尿d a中y

m血d淫援r117KS Eosin 1日尿量

4時間T 1824 Rhodan

GFR RPF FF 尿 J主芸ELt 排世比 Space Space

mgday 一 cc cc

健常例 15113715154 JZグ内 1608 446 309 1037 5495 0201 11580 019

良好例

JfとfylM294 1687 402 259 1273 5476 0245 12030 051 (1000cc以上〉

糖 I工G群Bc

71Jケ m208 1056 397 209 1162 4532 0262 9244 068

遅 8J0ccー戸〆

尿延 E而群c とJケ叩 321 1653 550 284 1261 E604 0258 4040 084

病yen 以J下

仰1

こ7ケ明例 平均 264 1280 454 237 1212 5175 0259 7290 071

全例平均 lJJ381134A 631j 4104JflJブ 721 280 1470 434 246 1240 5309 0253 9502 059

H

部 ω印時

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2321-

る ADH抑制作用と異る点がある

Gauntは抗利尿ホノレモン (ADH)の分泌抑制及 即ち副腎皮質機能の充進は櫨過量の増大と尿細

び血中 ADHの不活性化は副腎皮質ホノレモンの充分 管K於ける水分電解質の調節異常に関与して多尿を

な存在によって促進されると述べている然し過血 来たすものと考へられる

糖に於ける多尿に際し NaCl排世量の増加が少

い事より過血糖の多尿は Osmotic diuresisの他 第3篇糖原病の水利用

ι 一定限界を超えた高血糖が血撲惨透圧を軽度に 合併症を有する 6例を含む糖尿病患者 22例に水

充進し Homer SmithVerney(13)等の言う Os- 1L負荷して稀釈力試験を行った

moreceptorを介して ADH 抑制作用を現わし多 合併症なき 15例中水利尿良好例(尿量 1000cc

尿を来たすものと考えられる然し多尿の原因とし 以上) 7例遅延例工型 (1000cc---800cc) 5例

て副腎皮質ホ Jレモンの関与がより強く考えられる 遅延例E型 (800cc以下) 3例を認め之等諸群と

即ち 17KS量と 1日尿量 GFRと1日尿量 17KS 健常例 11例とに就いて比較検討した

量と GFRは夫々極めてよく相関が認められる叉

17KS量増加に伴う多尿に於いては電解質殊に Na章 I章検査成績(第 2表〉

排世量の増加が特徴的であり穆透圧克進による 第 1項水利尿と諸因子(第3表第7図〉

第 7図 水利尿と諸因子 (合併症を有する例を除く) 管02

(由X羽 〈字調期X

x l(

X

X 0 )( 7

130-6

ex x

X

120-4 C主 x x

dpe 3

1

X

110-2

darr血 』ιτ京支~一一点尿 iooCC 400 600 -600 1000 賠ム 一ーy 600 800 1000 1200克 4時間床量

剛志e-ιmみ岡原ff

6 X

K

0尿血中衆林議浩度量(前値)

x

~ x

X

X x x xX

gtイ

メtimesx x x

4x x X

ち瓜

X

3

2

下〈 ラ〈

200記 40-0- 扇面一一一 600 -1000 1200- 200cO ---41fO 山内--800--1-00岡 0-----60

主主主-2322ー 千 葉 医 弓f- 会 雑 誌 第 35巻

事量 日 221 (ぷ 33訪世 J117 邑星 IKS三米 1-Jli ls

x 事|量 13

ι

2崎1ol-X )( x

22何0 x x 0

x2ω-50 ~ x

)0( G18ト-10 x

0)(

x

f件-JO 10

~)(X x

14()-20 浪

(syto

1 J r I1 10ro

121r 10

1 1 I 1I 1I _ 1 冊1k

f-ω i-nv -au

-nυム斗

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〕山町

12ωAnn cnn Qnfyen400 600 ll山間U

VAG-

Ar-HG

~-

212尿 由

u

町内

I nn一~ 200ee

vLmWa

百尿量

c均 -2400 10

13 -

Os

QS

守 07

e 00 e

011 l 1 I I I I Ll_LIB

1 1 I 1 I I_j I J 1 I 1 200巴 40D 600 800 1000 1200 200 400 600 -~8-OO-- --1000 IlOO

T84-SP 60t-

RJr -sp

32 7

4串19 重 ~30

丘au

o 0

4色白

s 辺

19

2amp

20

司 JB 19

___ー ι _ 2000 400 600 BOO 1000 1200 20Q 400 600 800 1000 1200

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2323-

G RPFC41M1_

句々ωt

140

oOO

110

300

100

I ~ I L_____ー」ーよーし一一一larr 五百h200lt

I

lt 400 600 1200 200血 400 600 800 1000 1200

1電解質 試験前 1時間尿中の NaClK量及 2NaCl 健常例の NaCl排世像は水負荷

びその血撲濃度と水利尿との聞に相関は認められな 直後水利尿発現初期比軽微の排世増加を認め利尿

期には寧ろ排世減少し 3時聞をきの濃縮移行期lζ再

2血糖及び尿糖 水利尿と比較的よく負の関係 び電解質排世増加の最も高い時期となる糖尿病の

を認め著明な過血糖例の 4時間尿量は極めて少い 水利尿良好例に於いてもこれと略々同様の変動を示

3尿中 17KS1日排世量及び好酸球減少率 水 すが利尿初期の排世増加が著るしくなっている

利尿良好例には 17KS量の増加好酸球減少率の高 遅延例も良好例に類似した変動を示すがその変動

度なるものが多く過剰排世型の傾向を示す遅延 は極めて小さい

例E型K於いても 17KS量の増加好酸球減少率 良好例のうち症例 8102122遅延例 E型のう

の高値を示す傾向を認める o ち症例 1の如く著明な NaCl排世を認める症例

4 1日尿量 水利尿と 1日尿量との聞に明らか は何れも尿中 1日17KS排世量は比較的高値を示し

な関係を認め難いが異常な 17KS増量例及び著明 こ良好例のうち症例 9遅延工型の症例6は全4

な高血糖例を除けば水利尿の程度と 1日尿量とは 時聞を通じて NaCl排池ー量は低値を示しかかる

柏平行する傾向を認める 症例の 1日尿中 17KS排世量は最も低値で最大利

5体液構成 T 1824-Spaceが正常範囲内で 尿時尿量は低下し最大利尿発現時も遅延している

正常の上界値を示す症例に於いて水利尿は遅延E型 3 K 良好例及び遅延 E型のKの変動は健常

を示す Rhodan-Space Ir於いても同様の傾向を認 例に類似しているが遅延工型に於いてはKの排世

める は比較的少い

ι腎クリアランス 著明な過血糖例及び惨透圧 4 17KS及び好酸球減少率 水利尿良好例に於

上昇K伴う PV増大例及び異常な 17KS増量の 1例 ける水利尿時 17KS排世量及び好酸球減少率は最も

を除外したその他K於いては GFRRPFの増減 著明である

に応じて水利尿も増減する傾向を認めるが著明で 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比(第4表

ない 第5表)

第 2項水利尿時諸排世像(第8図) 1 諸排世量 (第9図)

1尿量 最大利尿時尿量は健常例が最も多く 尿量の糖尿病全例平均は健常例K比し減少を認め

以下水利尿の程度に従って順次低下し最大利尿発 る

現時も順次柏遅延の傾向を認める水利尿良好例及 NaCl は水利尿良好例に著明な排世量増加を認

び遅延例工型lとても最大利尿時尿量の比較的低下例 める遅延例E型も症例により排i世増加を認めるも

を認めるがかかる症例の最大利尿発現時の遅延は のもある

著明である 排世量の平均値では良好例に NaClの増加が著

-2324ー 千葉医 学会 雑誌 第35巻

00 cc

第 8図 水利尿時諸排世像(合併症を有する例を除く)

健常例 良好例

ーlsquo必21

mEq_lmEラ

2 1-iacute~ Il

10ト120

c1ワ

5

ト1

0

財政球減少率)

原中門院(||)

情M

a

o

n

ν

p

b

Aωnυ s

~A--ーー

--

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝花関する研究 -2325-

遅延例工型 遅 延 例 E 型

400ト cc

尿

9

1iし

也印

3

0

5判

M

一 2怠色ム-_ ---温lsquo邑---_-ldquo F

3

aTEFIl--r

m

1

0

A司

I~ ldquolsquo Jρ降lsquo

i ヘヘlsquoyen 一vlsquo日一ア一-笹居宮包日畠日-

A__-一 a

6ペへyenyenyenyen

yenろノIl ~lsquo~--也

好均時雨少苧

尿中 ηdM

-2326ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 4表 水利尿と諸排池ー量 工 糖尿病例

年 尿量 cc Na量 Cl量

KIIlE量q 17KS量 | 尿 糖 量

メHLmEq mEq mg g

症例目Ij

全前 l全 刷 全目Ij

全目IJ 全日Ij 全 合併症その他

f生 22時時後間間4時間|22時3問間時間1晶時間114時間22時時後間間 22時時後間間4時間占2時時後間間別 4時間 4時間

2879 151 144

135374 1791 4145 4914 1587 264

合 2035 595 113 113

2酒 57 467 2196 1803 601 036 H稀釈試験 2時間前4 NP

733 4795 4399 799 インシュリン u皮 合 266 2599 2596 198 145 下注射(不適)

60 93 11931065181I1 1669

538 048 709 822 070 772

合 40 423 284 022 063

4 中 3440 882 119 068

8194 2039 207 160 A 梅 毒 肝腫 合 488 4754 1157 088 092

池 46 482 4457 l別 869 125 138

510 1034 90811 111868 1623 259 179 腎症正 552 4624 5935 754 134 041

6染 65 447 683

792 033

921 1011 13 066 474 51 663 332 033

7浅 31 517

|「ど71 458

9151 111 1520 717 脚気 398 4141 1 649 259

916 2174 3138 093 1288) 0

1370 5035 589 1596 453 2260 2752 617 035

498 771 1405 464 9) 0

1089 1472 3010 933 591 701 1605 469

立 58 797 3589 1139 10 1245 3771 5438 334

448 1278 1849 598 095

53 502 1233 1496 693 082 067 11 650 2265 2875 1140 145 084 動脈硬化症 148 1032 1379 447 063 017

市 52 388 834 911 12 936 1743 3477 1977

548 909 1872 1066

木 52 776 2066

吋 lm13 1010 3951 6198 1570 百-三~ 合 234 1885 26151 1 599

蛇 70 270 662

1322 1887 654 動脈筋硬障化症14 2558 3760 1212 ⑦む 碍 合 392 1236 1873 558

582 956

1273 257q叫 535 076

15 2358 244

315013 9i6 148 374 1085 381 072

内 59 774 2162 944 200 16 1164 301 3168 1271 307 注 390 857 909 327 107 L J 眼底 KW工

17 820 410198 300 腎症 合 323 7 2221251079224060093動脈硬化症l|145110331オh1410ぺ|叶11|鈴

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝lと関する研兜 -2327ー

52 620 18 椎 (血底圧 170~901707 4335 11 6 318 651 注

眼 KWI041 1 4091764 ~17

54 325 662 097705 54 785 1 6419 0鵜 11 1 875 380 492 338 067 014

55 743 977 1915 415 20

池 128 871 2043 3315 800 1066 1400 385

48 843 2338 3796 1208 140 佐

21 42761393 6368 1994 204550 1938 2572 786 064合

2481lz卜147判|州|吋 E 健常例

年令尿量 cc

Na量 Cm1E量q KmE量q 17KS量 尿糖 量 mEq mg g

症例

22時時前後間間 4時且八間

別全

22時時i後iiJ間間 4時~間122 時時前後間間 4時一一A 間 22時2削聞間 4時~間 2J時前間問 4時こ八に間備 考

a別性 22時2「間目nl4時間

1 中 20 709 1752 855

2741 1139 1653 3212 1471 944 1460 616

2ぎ 22 727 1065

823 2683 724 1658 41 11 1638

合 338 835 1428 914

3出 26 1140 3422 1297

155 1295 4038 5682 2115

合 21 98 2260 818

4lU 28 845 988 21 99 630 1090 21 07 3899 986

合 245 11 19 1700 356

515 24 1220 1625 2034

1338 2571 31 1084 合 118 946 1144 382

1210 445 1077

1317 2162

371 1328 629 118 632 845 258

71~ 32 1035 725 1698 991

1094 1601 2217 11 84 59 876 519 193

8ぎ 47 860 737 1993 1 66 1029

603 1340 2703 236

合 169 710 070

9菰 36 907 1377

2605 2461 800

1139 3725 144 1合 232 1228 1264 64 1

金 22 932 726 1486 832 10 1063 1538 2412 1078

合 131 812 926 246

斎 36 1013 1957 478 739 11 1144 2812

539 1017 1188

131 855 449

-2328- 千 葉 医 学 ムヨミ 雑 誌 第 35巻

第 5表 排世量及び排j世比(後前)(平均値)(合併症を有する例を除く)

尿 主主ヨ豆lsquo Na Cl K 17KS

前川~stl 前 知 吋 比 前 2st門比全 4時 間 量 比 全 4時間量比 全 4時間量 全 4時間量 全 4時間量

974 184 1000 1019 2105 1226 737 449 061健常例 019 102 058

1158 2019 3331 1186

795 408 2153 1487 2997 1994 924 533 168 075 良好例 051 069 067 058 045

1203 3640 4991 1457 243

糖 工 555 368 913 868 1869 1628 621 513 064 069

群 066 095 087 083 107

遅 923 1781 3497 1134 133

尿 218E 185 1261 902 1650 1174 659 406 099 068

延群

084 072 071 061 069

病 404 2163 2824 1065 167

J1j 429 299 1042 881 1787 1458 635 473 082 068 平 070 084 082 074 084 例 均 728 1923 3245 1108 150

全例 600 350 1561 1164 2352 1708 769 501 058 075 073

065

1 187 061

平均 950 2725 4060 1270

白色

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48

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2329-

明で遅延E型に於いても Na排世量が柏増加する すlarr

傾向を示す Clは健常例 058糖尿病例 073で後半の増量がよ

KはClと略々類似せる傾向を認める り大である

17KS排j世は Na排世l乙略々平行するが如き傾向 Kは Clと類似の傾向を認めるが症例 12 1[於い

を示す ては117と著明な上昇を認める

2 諸排世比 (第 10図〉 1 諸排世量及び比と諸因子

水稀釈力試験時の各排世量の後半 2時間量l乙対す 諸排世量(第 11図〉尿量と血糖値との関係は中

る前半2時間量の比を以って排世比とした 等度以下の過血糖の症例lζ於いては血糖値の土井

尿量の平均排世比は健常例 019糖尿病例 058 氏伴う尿量の減少は軽微であるがj著明な過血糖例

で後半排世量増加を示し水利尿良好なもの程小で を呈せる症例は尿量は極めて少い 17KS 1日量と

あるがその関係は余り著明でない症例 6912 の関係に於いてはその増加している症例に精尿量

19の4例は排世比の上昇著明で10を越える の増加する傾向を認めるが著明でない

Na は健常例102糖尿病例 075で前半排世量の増 NaClKの電解質排世量と血糖値の関係は余り

加を見る症例 6912は10を越える排世比を示 明確でなL0 17 KS 1日量とは明らかに相関を認め

第 10図 水利尿と諸排世比 (合併症を有する例を除く)

N

ご~)(ltιε

Hmu 14 1井

12

X

原量

oAAOOX

01

o

x

09 x eβ

下〈

ldquo川附

QS 自由 X

且7x

e G

06-1-

05

H

04t

03+ x

02+ 02

01十

2boCC 400ωo 800 一一一一一1-LlOOO 1200 200 4 400

+ 800 iobo 1ゐ larr品

t 17 K ~宮

15

附H 11

3

2

1

0

8

0

l

Q

G

O

n

U

A

3

a

v

q

G o o

C

F

3

4

J

e

G

3

202

01

200ζc 400 占ず4 市斗~1()~D----lLIUgrave~OL-l--- IToι ーふ0--+-市布~ 4時向原賢一』 4時間尿器-

-2330ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

る て電解質排世比の僅かの上昇を認め叉尿量排世

諸排世比(第 12図)諸排世比と血糖値との関係は 比に於いても 17KS減少例及び症例 19 K上昇を認

認め難く叉 17KS量との関係も一般に著明ではな める

いが 17KS 1日量の特に少い症例 69121乙於い

第 11図 排世量と諸因子 (合併症を有する例を除く)

〔血糖との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

gst

ePe

12m払 γ

J4

0

30

20

10ト

2 4 6 日 10

200 250 300

G

30

20 1

10ト

寸 250 4 8 10 12刊初ザ6 2 300

K

14

8十

oe

100π彬l(_ 150 lOO 250 却 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

ウ匂

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2331ー

〔血糖との関係〕 [17KS 1日量との関係〕ー

25ト

KSつιE

17

bull

1001113μ~ loO 甲 17 8 9 10 ( 3oo 2 3 4200 2DO 司司m-J2amphMd恥凶うー事

~I 6

51

尿

44 糖

3

o I 3

2

100iR 150 200 250 300 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12匂

第 12図 排世比と諸因子 (合併症を有する例を除く〉

〔血糖値との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

1amp

同 019

警08 s 07

0

ee o

05

邑4

3

Q2 112

01

ト 100向始H且 150 200 250 30ー15ー中 s4 5 6 7 白 ] 10 11 12叩拠ザ」 酔|ーム2tflf7K16 糖値

井1ト41

e 0611amp1

自書r

似し 2

100mJJtl 150

ト21

200 250 4 1030016+ 2 主判事l判

-2332ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

61

OJl卜

08ト

04

10

oq

17ω kS笛

04

1)2

01

尿

5(1

02

01

10

也4

03

〔血糖値との関係〕 [17 KS 1日量との関係〕

14

12

t 1Oo

8

09

Ob 0干

02

100明弘a 150

c0

100明 11 200rnJdl

150

10b夜間 200

第 II章総括並びに者按

300

250

Os06

一一一_L 250 300

lC

08

也6

Q4

2345amp789 叩 11 12匂勾

JSLJ一一よ 0 1 I 7 8 9 10 12閉め匂 11

G

一」一一よ一一J一一」一ーーーー-

8 11 12吻匂

109

第 1項水利尿と諸因子

電解質との関係 水試験前値の尿中電解質排世

糖尿病K於ける水分代謝の問題殊に 1日尿量 量及び血察電解質濃度と水利尿の程度には一定の関

と水試験時の如き急激なる体液変動を惹起せしめ 係を認め難く試験前電解質量または濃度によって

た場合の水分代謝とは当然同一視得ないものがあ 水利尿は影響を受けない

ると思われる 血糖値との関係 血糖値と水利尿との聞には負

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2333ー

の関係を認めるが著明な過血糖を呈し PVRho- の遅速は一定でない乙れは血糖値の上昇せる為

danSpの増加を来たす様な症例は水 1L負荷にょ に ADH作用抑制によって起る水利尿反応が鈍化

つでも OsmoreceptorVolume receptorを介し され得る故であろう

て起る ADH分泌抑制の度が小となり水利尿反応 水利尿の良否lζ拘らず最大利尿発現時の遅延する

が少くなる為か尿量は極めて少ない過血糖中等度 症例は 17KS量の低値の例及び血疑 Na濃度が他

以下の症例は PVR対する影響も少く 尿量減少 の症例広比し高値を示す症例で何れも水利尿時の

の度も軽度である NaCl排世は殆んど尿量と関係なく減少している

17KS量との関係 17 KS 1日尿中排世量の増 電解質排世像は水利尿良好例に於いては健常例

加に従って尿量増加の傾向を認め特に過剰排世型 と異なり利尿発現初期に著明な Na排世のピーク

の傾向の認められる症例に 17KS量の増加を認め を見るこれは何れも 1日尿中 17KS排i世量増加例

るかかる症例は何れも GFRの増大と尿中 Na である遅延例工型は 17KS量の増加せる例少く

Clの排世増加を認めた例である 電解質排世も著明でなく略々健常例に近い排世像を

然し症例 13の如く 17KS量異常に高値で多尿 示す遅延E型は水排世遅延最も著明にも拘らず

lとより PV減少を呈せる脱水症例では水負荷によ 電解質排世像が良好例比類似して比較的著明な症例

りPVの変動は強く現われるが排世尿量は少い を認めるが ζれは 17KS量の増加を認める

叉著明な過血糖例及び症例 19の如く血疑 Na濃 更に症例 9612の如く 1日尿中 17KS排j世量

度が比較的高値の症例は間脳ー下垂体後葉系並びに 低値の症例は水分排世量に関係なく終始 Na排世

下垂骨前葉一副腎皮質系の内分泌機序の連関性の失 の増加が認められない以上の成績と過剰排世型を

調の為か 17KS量比較的増加しているにも拘ら 示す症例l乙1日尿中 17KS量の増加を認める事より

ず利尿は遅延する 考えれば水利尿時尿量の増加は GFRの良好なる

1日尿量との関係 一般に水利尿との相関を示 事と相侯って副腎皮質機能の比較的健全なるによる

す傾向にあるが特に過血糖を呈する症例及び異常 ものと考えられる唯し症例 13の如く 1日尿申 17

rc17KS量の増加せる症例に於いては前述の如く水 KS排世量の異常に高値の症例に於いても利尿初

利尿時の尿量を抑制する 期の Na排j世のピークは柏低く血媛 Na濃度の低

即ち 1日尿量lと於いては恒常的な腎機能及び 下も殆んど認めない場合もある

体液構成等の因子が関与し水利尿に於いては急 ClK の排世像も同様の傾向を示すが Na程著

激な PVの量及び質の変動が主要なる役割をなすも 明でない

のの如くである 以上を要約すれば血糖値の上昇例は最大利尿

体液構成との関係 PVの比較的増大している 時尿量を減ずるが最大利尿発現時聞に特に影響を

症例に於いて水利尿時尿量の抑制を認めるかか 認めない又 1日尿中 17KS増量例は電解質特に

る症例は著明な高血糖を呈し又は血緊 Na濃度の Na排粧を増加し利尿初期は特に著明である ζ

比較的高値の症例である れに反し 17KS量低値なるものは Na排世増加を認

腎クリアランス値との関係 GFRRPF共に めずそれに伴い最大利尿発現時を遅延せしめ最

水利尿の程度と精関係を認めるが前述の特に水利 大利尿時尿量も柏低下せしめる

尿を遅延せしめる因子の存在する症例に於ては腎 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比

機能の如何に拘らず水利尿時の尿量は少い尚 尿量は糖尿病例は柏減少し水利尿の遅延するに

Smith及び永峰(14)によれば稀釈試験時KGFR 従ってその排世比も柏増大する

RPFの変動は殆んど認められないと言われている 電解質排世量及び比共l乙水利尿の良否とは特に相

以上主要な水利尿遅延因子としては腎機能の 関を認めないが水利尿の良好例K排世量の増加を

良否は当然考えられるべきではあるが更に ADH 認める

並びに副腎皮質ホ Jレモンの分泌機序の異常も強く関 血糖値との関係はその上昇するにつれて水利尿時

1乙殊に甚しく叉l尿量は減少し著明な過血糖例 L与することを考慮しなければならな

第2項 水利尿時諸排世像 日尿中 17KS排世量は尿量との関係は軽度で電解

尿量の変動は水利尿良好例遅延例工型 n型 質殊に Na排世量との相関が明らかである乙れ

買に最大利尿時尿量の減少を認めるがその発現時)1の は血糖上昇の際は AD町分泌抑制が主で 17KS増

-2334- 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 6表 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

工 諸排i世量及び諸排世比

排 17 KS K 糖

水単独 水物単併独

ClNa尿薬

備 考水物単併独水単独用 薬水物単併独用薬水物単併独用症 薬用薬物併薬用併負荷用薬負荷物び

例『番比

物号

1164 050 3019 035 307 053 16 内 1321 041 141 067 1252071 4393 04814043

40 1148 019 3836 057 4964 050 1096 044

ブ 22 阿 O田1048 056 2003 118 3328 078 1237 067 ド

糖 1010 030 3951 091 6198 073 1570

40cc 13 木 O恵 前|1023 035 1677 120 2969 084 947

静 伊i 1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053

平均 11081 0531 2690 073 3446 063 11681056 141 067

除全遅 026 3006 031 12回511i022 224 054 四 a119 動脈血圧 150--72併例合延 17鈴 O

11391 1171 4147 077 3348 068 1380 108 330 086 硬化症眼底 K WJII 症

055 4334 051 12971040 265 054例例平 全例

11151 0661 3054 075 3422 064 12211068 240 0793 4 -

1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053除合併 均 症例 1108 053 2690 073 3446 063 1168 056 141 067

1370 049 5035 082 5890 087 1596 063 128 038

量及

良 8 立 972 077 2017 089 3996 068 1015 054 267 051

1089 118 3010 114好 9l市イ 1161 057 2375i 039 4969 039 037

096 1265 075 1229 074 3298官uシ平 均

ユ 1066 066 2196 058 4483 051 1939 041 2671051 リ

093 1140 064 650 029 2265 ン 硬化症 血圧 60~114

眼底 KWJI 11 小 O

1025 028 4465 06614998 091 1313 059 5u 遅

静 0752 6 4 |i曲胡00 374 057 4145 0761 49141071 1 5 87 2570 078 1将 O注

延例

-園平均

除全 メロL ou 併 除合併 症 症例

488 033 4598 0541 564 64057 12801 071 362 065

512 038 3205 13641 0621 264 075 hellip街lm756 030 4532 0601 5323 072 12961 0531 362 065

374 057 4145 4914071 075 075d4i

968 005

例例 平均

3 4匂圃4

4012801057 714054 56033 4598 488 362 065 61

4172 087 1314 061871 062 平 全例

911 049 059 4903 061 1618 315 058

944 071 3580 082 4605 086 1373 069 196 061 除合併 均 症例 873 059 2997 056 4871 053 1719 042 315 058

良 10891 11911562 103 好 市 304111

t列U9 0110161 17911705087 44601 13111212 1

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 K関する研究 ~2335ー

0959判 1岨15 C A

106 14171 033 48011063 10161 0641 321 083

938 051 1707 069 1163 054 1 88 1 24遅 18 椎 O

1018 1 25 1717 075 5067 095 1597 096 528 0805mg 圧底 KW 1

静 2558 093 3760

延 14姥 O 暖動 化 脈症(蛋血圧底白〔 120〕MBO注 8691 1 75 1864 057 3514 0671 1238 094 心筋障害眼 Kwn

852 074 2208 087 4369 087 1097 069 1 68 平ー均 ou除全 881 1 32 1666 054 4441 075 1284 086 425 081 玉メ口

併 除合併 947 058 2032 083 4674 082 1039 061 168 1 10症 症例例例 888 117 1567 053 4934 078 1306 082 425 081平均

911 085 4029 09 1 1056 076 168 1 10平 全例--

3 4

915 1 44 16761062 4446 087 1266 094 425 081

1876 088 1005 1 10除合併 均 症例 0941425 08138 1613064 4767i 092 12751 1

4276 0~83 1994 065 204 046 21 佐

1305~ 034 3563 048 5976 054 2283 037 255 029

T H

---

1245 056 3771 051 5438 051 1737 053 334 039 良 10立

1182 057 2324 045 4097 5421 45 076 280 066 チ

1034 1 15 9081 100 1623 087 259 011 1 78 029ソ好 5 池 O正

ン 眼底糖尿病性638 031 3226 01313201 034 1693 042 225 023 252 043 網膜炎

50 町 19例

1224 073 5709 084 7891 078 1784 066 266 058 178 029 平 均

内 1051 041 3038 033 4424 049 2040 050 253 041 252 043

服 除合併 1312 061 4024 067 5903 0印54111861541i 059

268 042

1243 044 2934 047 5036 054 2214yen 054 267 046例

遅延

症例 平均

--705 1 17 1154 074 1948 081 785 076 164 068三除日全』

19鵜 O1220 063 2328 076 6213 057 1705 063 232 079併 例

症例例 079 4570 084 1535 068 240 060 178 029

平 全例3 4 1093 046 2860 040 4872 052 1956 053 248 049 252 043 -- 1114 070 3067 068 4585 062 233 048除合併

均症例 1235 050 2738 054 5429 05512044 056 255 056

921 104 1345 097 792 072 066 103プ 6 染 O

900 05511504 036 2076 035 1161 039 1 39 049レ 遅ド

ーー 207 074 1 59 135ン 延 4中 O

867 129 5865 梅 毒 肝 腫A

25285655 0541051 26631057 6140571 56868 041 464515 mg

例 133 043 1190 8221053 070 045 g 渡 O内

初日--服

合除全 平

併症

例2例3 均_

414 012 1440 0211 23191 020 11 161018 1 53 031

640 1 09 2688 1 15 3736 1 16 12181094 1 14072 全例

727 040 2529 044 3347 039 16471042 149 044 8561252

527 095 1101 074 1507 073 068 068除合併症例 657 038 1472 029 21 97 027 11441028 146 039

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

出町

主昨

ゾ判〕

〔民本零時〕

〔認

E

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-5組椎

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-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

g

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軍区民主切

回同入刊にふ

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〔匝誌零時〕

言語

ヨ昨

五円〕

〔匝芯零時〕

〔題

活性

キ毛

NW

E酬

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

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-2316ー 千 葉 医 学 会 雑 誌 第 35巻

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35

一-体重

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10000C 1500 2000 2500 -500 1000 1500 2000 2500

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bullbullbull10

2001bull 仏炉目向 両昔T 1500 2000 2500

の状態lとすれば 乙れらの出納は負となるという 述の如く炭酸脱水酵素作用の異常と相侯って増加す

とれは糖尿病において定量的にケトン体の増量が る為ではなかろうか

認められこれが血液の固定アルカリを奪って尿中 以上糖尿病K於ける電解質の尿中排世量は概ね血

lζ排世する為と考えられている(わ 紫濃度に平行するがその代謝相はそれぞれ箱異つ

著者の成績に於いて血摂 Na濃度は軽度の低下 た態度を示し単にアチドーヂスK関係するのみで

を示し尿中排世量は僅かに増加の傾向を示すが ないものと考えられる

その濃度は低下している従って尿中排世増加は尿 血糖値と尿中 NaCl排世量との聞には一般に

量増加に伴うものである何れにしてもその変動が 殆んど関係を認め難くブドー糖による NaClの

軽度であるととは本症例が主として治療中のもの 再吸収抑制による排世増加は明らかではない 17

である為と考えられる CIK於いては血援濃度 KS量と比較的良く平行関係を認め尿中 NaCl排

尿中排世量及び濃度ともに健常例lζ比し明らかな増 i世増加を認める症例はいずれも同年令層の 17KS

加が認められるこれはケトン血症及び尿細管に於 値に比して増量を認めるかかる群の血疑 NaCl

ける炭酸脱水酵素作用の異常lともとずく代謝性アチ 濃度はその他の症例に比して高値を示している K

ドーツスによる Clの相対的増加とも考えられる に於いても略々同様の傾向を認め石が血糖値の影

Kは血緊濃度比著変を認めないが尿中排世量及び 響も受けて著明ではない即ち糖尿病の電解質異常

濃度は著明に増加するこれは脂肪乃至蛋白質か に於いて血糖値との関係よりも更に下垂体副腎

らの糖新生作用組織崩壊と細胞膜透過性の充進に 機能が密接な関係を有するものと考えられる

よる細胞内 Kの放出と共Ir MudgeBerlinerそ 第 2項体液構成

の他諸家のいう遠位尿細管に於ける K分泌作用が前 PVRhodan-Spは共lζ概ね正常範囲のものが多

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2317ー

いが Rhodan-Spに於いて高値を示せる 3例は

何れも血糖値高く PV 1[於いても正常範囲内であ

るが全例中最も高値を示している

血糖値と Rhodan-Spとの聞に明らかな相関を認

め血糖値の上昇に伴い Rhodan-Spも増大する

PV I乙於いては特に過血糖例に於いてその増大を

認めるがその他に於いては著変を認め難い

17KS量特に低値のものは過血糖に拘らず Rho-

Idan-Spの増加度は少く又過血糖の程度が僅に拘

らず Rhodan-Spの減少程度の少いものは 17KS量

の増加があり軽度ではあるが Rhodan-Sp1[対し

て 17KS量の関係も認められる

即ち糖尿病の細胞外液量は主として血糖によっ

て影響されその上昇によって増大するがブドー

糖の惨透 molは Naのそれに比し遥かに小さい事

より考えれば過血糖による細胞外液の惨透圧上昇

の他民糖質代謝異常に伴う細胞内脱水の関与も加

わると考えるのが妥当であろう以上により糖尿病

の細胞外液相は糖代謝異常に基く血糖値の高低並

びに 17KS排世量を通じて伺える下垂体副腎皮質機

能の如何によって調整されるものと考えられる

第3項腎クリアランス

糖尿病の腎「ク JI[関してはその充進否認めるも

の一定の傾向を認めないもの等種々の報告がある

がこれらは多く糖尿病の腎障害合併例を含めた報

告である糖尿病に於ける腎障害合併頻度は

BryfolgeDunlop日野〈9〉大森等の報告によると

20内外である

著者は合併症の有無により 2群に分けて腎「ク Jを

考察した

腎障害合併例に於いては GFRRPFRBF共に

正常範囲の下界乃至低値を示し合併症なき例に比

し一般に低値を示した

合併症を有せざる症例に於いては

1GFR 上昇を示すものが多く乃至は正常範

囲の上界を示す 17KS量の増加せるもの過血糖

を呈せるものに著明に GFRの上昇を認めた症例

182927の如き 17KS量の増量せるものは過血糖

の程度小なるも GFRの上昇を認め症例7は 17

KS量低値であり GFRは血糖値の程度に比して上

弁は少し副腎皮質機能の関与を推測せしめるが

一方症例2の如く GFR上昇例は 17KS量よりむ

しろ過血糖の影響と考えられる場合もある Frey

も同様に糖尿病患者の GFRは血糖値の上昇と共K

下垂体副腎皮質機能が極めて著明に関与すると述べ

ている仁木(10)は GFRと血糖値の聞に一定の関係

を認めず GFR低下者に 17KS増加を認め 17KS

との間l乙負の関係を示すと云っているがこれは腎

障害合併例を含む為にその関係が不明瞭となる為と

考えられる

体液構成との関係は PVRhodanSpともに認

められない

2 RPF 3357 cc minの低値から 6825cc min

の聞に広範囲に分布する

血糖値との関係は余り著明ではなく特に高血糖

を呈する 2例は PVの増大を認めたが RPFは著明

に低下を示している

17KS量との関係は余り明らかではないがその

増加につれて RPFも上昇する傾向を認める即ち

副腎皮質ホ Jレモンの作用は軽微であるが PVの変

動と平行して RPFも変動する

体液構成との関係は RhodanSpと RPFとは明

らかではないが PVとRPFとの関係は上述の

過血糖例の如き例外を除けば比較的明らかで一般

1[PVの増加K平行して RPFの上昇を認める

3FF 正常範囲内のもの上昇を示すものが相半

ばするが殊K著明な過血糖を示す症例又 17KS

量の増加例の如き PV減少により脱水症状を示した

症例に於いては FFの上昇が著明に見られる

第4項 1日尿量

古くから糖尿病の多尿は糖排世量と略々平行する

ζ とが知られていたこれはブドー糖の惨透圧利尿

の一典型と考えられ ζの際 NaClの再吸収は抑

制され尿中排世量が増加すると言われている近

時糖尿病の多尿は多くの場合糖排世増加のみによる

ものでないことが知られ多尿の原因として糖尿

電解質喪失アチドージス等が HinkleMeyer

Atchley及び Peters等によ b示され(11〉更に 17

KS排世異常一下垂体副腎系及び ADS異常一下垂

体後葉系の内分泌関与が矢野(12)PickfordVerney

等により示されている Freyは糖尿病の水分代謝

の因子として高血糖のみならず副腎皮質機能が関

与し 1日尿量の増加 GFRの増大は血糖上昇の他

1[17KSの増量と関連のある事を認め下垂体副腎機

能充進が極めて著明な関係があると考えた

著者の 1日尿量と諸因子との関係を検討した成績

に於いては 17KS量との相関は著明であるが 17

KS量の低下例に於いて僅かに高血糖の影響を受け

て尿量も柏増加する例をみる即ち血糖値との関係

は一般に軽度で 17KS量との関連がより密接であ

-2318ー 千 葉医 学会 雑誌 第 35巻

第 2表 水利尿と諸検査成績 I 糖尿病例

年稀釈力試験 1日|尿中 好酸球雌値l血張中濃度 T

令 時尿量 cc 1824-GFR全 17K 減少率 Sp

症 例日tr2時全 尿量 1日量 一m一g一fd11 Na IK 合併症その他l間両量4時間 ccmgd a 4時間尿糖量一一一一一一一larr

Rho-

(2時間f--ICl 総蛋白 dan-RPF

別 間量量 dayl day Sp e

1将 45 239 241 296 1400 46 551 15173

374 1940 73合 135 (223) 833 1093 705 319 34972

57 467 判制 1450 39 528 14084 CEJ稀釈試験 2時間4前 NPH 733 2150 112 〕イ ン シ ュ リ ン U 皮下

合 266 (304)1 1531 1116 756 338 33573 注(不適〉

3渡 60 432 243 1400 39 560 12638

1860 合 ( 432) 350 1222 798 348 64906

4 中 49 379 366 241 1483 39 570 15780

867 1850 109 A梅毒 肝腫合 488 (223) 220 1185 852 277 85193

池 46 482 363 237 1483 38 468 11046副J血 尿血蛋圧白 (1十74)~96510 1034 1540 95 正 552 (189) 220 1074 763 276 566 腎症 眼底糖尿病性網膜炎

65 447 200 236 1443 36 390 11549

921 1360 15

474 (0) 300 1073 698 277

71き1213

299 210 626 9570 血圧 105--0915 1670 83 脚気 第二肺動脈音充進(267) 365 10791 317 31834

8 立 58 916 1533 465

1370 1540 77 281 I

453 (200)1 250 1150 783

9市 191 1457 44 420 10586

1089 1350 31 1(430) 591 120 1090 861 286 51230

+51~ 797 189 1557 475 必 71廿1245

448 ( 469) 200 1295 90 253 1605

53 502 514 175 1433 48 443 10108 動脈尿蛋白 i一〉11 650 2030 71

合 148 (514) 150 1116 783 317 44616硬化症血 圧匠 60--114 限 KW n

市 52 388 936叶 173 1325

12 31 548 20 1114 86 206

木 52 776 十110 164 1543 60 329 15100 13 1010 2370 193

恵 合 234 (40) 50 1191 822 224 41814

姥 70 270 232 158 1450 48 483 動脈 尿蛋白 (1ー20〉~

14 662 1290 63 ⑦硬化「 血 底圧 80合 392 (128) 270 1302 822 219 心障 筋碍 眠 KWII

勝 50 582 223 158 1414 43 435 11087 15 956 850 54

374 (278) 90 1278 822 195 50363

内 59 774 286 158 1433 39 12101 r yen

16 1160 1640 73 注 血 底圧 70--100 390 (229) 22 1100 744 -- 眼 KW工

鈴 58 497 482 41 403 8239 腎症尿蛋白 1(5十0~)72

17 820 1980 117 693 315 28935 動 脈 血 圧底

合 323 ( 447) 1081 1074 硬化症眼 KWlli

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2319-

18 椎52

49

200

(234)

157

70 12041 90

408

170 (尿血蛋白 (170~)90

402791~ 眼 圧底 KWI

19 鵜

54

325

380 705 73

(200)1 80

1567

1365

46

862

539

185

10024

68254

20 池

55

743

128 871

120

32

1500

1132

34

71

366

198

21 佐 48合

843

550 1393 1740

469 107

(405)

120

20

1550

1389

47

852

422

251

13260

65505

1|阿2210 合 3卜148 1620 5121m|附 365

(575)1 161 1067 783

E 健常例

年 尿量 cc 1日尿17K中S

好酸球 血糖値 血築中濃度 T

1824-GFR 令

前 全全 減少率 mgdl Sp

症例 尿量 1日量 Na 1 K Rho- 備 考

性 一22時時蚕間間~14時間 cc mgday 4時間 尿糖量 dan-RPF

5JJj 時間量

day (2時間) g Cl 総蛋白 Sp

1中 20 865 367

1139 1701 274 (ー) 280

2増 22 727 446

1065 1387 合 338 (一〉 321

3 出 26 1140 502

1295 1732 合 155 (一〉 286

4 山 28 845 583合 245

(一) 291

5鳥 24 1220

17821338 合 118 (--)

6岩 27 1210 101 1596 39 388 11155

1328 118 (一) 1037 938 3633 79350

7戸 32 1035

1094 1603

59 (一〉 994 835 13805

8 諸 47 860 1460 40 408

1029 -合 169 (一〉 1027 752 2913

9 菰 36 907 1457 48 386

1139 合 232 (-) 994 783 2600

金 22 932 51 10 1063

合 131 (一) 11080 823

斎 36 1013 1144 11 131

(ー〉

11NωNOs-

第 3 表 水利尿と諸検査成績(平均値〉

〔註尿中電解質は水試験前値J C合併症を有する例を除く)

電 解質そ の 他 (前値〉体液構成 腎「ク J 値 水利 尿

Na C1 K 糖 総蛋白

m血四iE援mqE尿UE中qI E血dIEg糖lf尿d a中y

m血d淫援r117KS Eosin 1日尿量

4時間T 1824 Rhodan

GFR RPF FF 尿 J主芸ELt 排世比 Space Space

mgday 一 cc cc

健常例 15113715154 JZグ内 1608 446 309 1037 5495 0201 11580 019

良好例

JfとfylM294 1687 402 259 1273 5476 0245 12030 051 (1000cc以上〉

糖 I工G群Bc

71Jケ m208 1056 397 209 1162 4532 0262 9244 068

遅 8J0ccー戸〆

尿延 E而群c とJケ叩 321 1653 550 284 1261 E604 0258 4040 084

病yen 以J下

仰1

こ7ケ明例 平均 264 1280 454 237 1212 5175 0259 7290 071

全例平均 lJJ381134A 631j 4104JflJブ 721 280 1470 434 246 1240 5309 0253 9502 059

H

部 ω印時

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2321-

る ADH抑制作用と異る点がある

Gauntは抗利尿ホノレモン (ADH)の分泌抑制及 即ち副腎皮質機能の充進は櫨過量の増大と尿細

び血中 ADHの不活性化は副腎皮質ホノレモンの充分 管K於ける水分電解質の調節異常に関与して多尿を

な存在によって促進されると述べている然し過血 来たすものと考へられる

糖に於ける多尿に際し NaCl排世量の増加が少

い事より過血糖の多尿は Osmotic diuresisの他 第3篇糖原病の水利用

ι 一定限界を超えた高血糖が血撲惨透圧を軽度に 合併症を有する 6例を含む糖尿病患者 22例に水

充進し Homer SmithVerney(13)等の言う Os- 1L負荷して稀釈力試験を行った

moreceptorを介して ADH 抑制作用を現わし多 合併症なき 15例中水利尿良好例(尿量 1000cc

尿を来たすものと考えられる然し多尿の原因とし 以上) 7例遅延例工型 (1000cc---800cc) 5例

て副腎皮質ホ Jレモンの関与がより強く考えられる 遅延例E型 (800cc以下) 3例を認め之等諸群と

即ち 17KS量と 1日尿量 GFRと1日尿量 17KS 健常例 11例とに就いて比較検討した

量と GFRは夫々極めてよく相関が認められる叉

17KS量増加に伴う多尿に於いては電解質殊に Na章 I章検査成績(第 2表〉

排世量の増加が特徴的であり穆透圧克進による 第 1項水利尿と諸因子(第3表第7図〉

第 7図 水利尿と諸因子 (合併症を有する例を除く) 管02

(由X羽 〈字調期X

x l(

X

X 0 )( 7

130-6

ex x

X

120-4 C主 x x

dpe 3

1

X

110-2

darr血 』ιτ京支~一一点尿 iooCC 400 600 -600 1000 賠ム 一ーy 600 800 1000 1200克 4時間床量

剛志e-ιmみ岡原ff

6 X

K

0尿血中衆林議浩度量(前値)

x

~ x

X

X x x xX

gtイ

メtimesx x x

4x x X

ち瓜

X

3

2

下〈 ラ〈

200記 40-0- 扇面一一一 600 -1000 1200- 200cO ---41fO 山内--800--1-00岡 0-----60

主主主-2322ー 千 葉 医 弓f- 会 雑 誌 第 35巻

事量 日 221 (ぷ 33訪世 J117 邑星 IKS三米 1-Jli ls

x 事|量 13

ι

2崎1ol-X )( x

22何0 x x 0

x2ω-50 ~ x

)0( G18ト-10 x

0)(

x

f件-JO 10

~)(X x

14()-20 浪

(syto

1 J r I1 10ro

121r 10

1 1 I 1I 1I _ 1 冊1k

f-ω i-nv -au

-nυム斗

ω144

〕山町

12ωAnn cnn Qnfyen400 600 ll山間U

VAG-

Ar-HG

~-

212尿 由

u

町内

I nn一~ 200ee

vLmWa

百尿量

c均 -2400 10

13 -

Os

QS

守 07

e 00 e

011 l 1 I I I I Ll_LIB

1 1 I 1 I I_j I J 1 I 1 200巴 40D 600 800 1000 1200 200 400 600 -~8-OO-- --1000 IlOO

T84-SP 60t-

RJr -sp

32 7

4串19 重 ~30

丘au

o 0

4色白

s 辺

19

2amp

20

司 JB 19

___ー ι _ 2000 400 600 BOO 1000 1200 20Q 400 600 800 1000 1200

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2323-

G RPFC41M1_

句々ωt

140

oOO

110

300

100

I ~ I L_____ー」ーよーし一一一larr 五百h200lt

I

lt 400 600 1200 200血 400 600 800 1000 1200

1電解質 試験前 1時間尿中の NaClK量及 2NaCl 健常例の NaCl排世像は水負荷

びその血撲濃度と水利尿との聞に相関は認められな 直後水利尿発現初期比軽微の排世増加を認め利尿

期には寧ろ排世減少し 3時聞をきの濃縮移行期lζ再

2血糖及び尿糖 水利尿と比較的よく負の関係 び電解質排世増加の最も高い時期となる糖尿病の

を認め著明な過血糖例の 4時間尿量は極めて少い 水利尿良好例に於いてもこれと略々同様の変動を示

3尿中 17KS1日排世量及び好酸球減少率 水 すが利尿初期の排世増加が著るしくなっている

利尿良好例には 17KS量の増加好酸球減少率の高 遅延例も良好例に類似した変動を示すがその変動

度なるものが多く過剰排世型の傾向を示す遅延 は極めて小さい

例E型K於いても 17KS量の増加好酸球減少率 良好例のうち症例 8102122遅延例 E型のう

の高値を示す傾向を認める o ち症例 1の如く著明な NaCl排世を認める症例

4 1日尿量 水利尿と 1日尿量との聞に明らか は何れも尿中 1日17KS排世量は比較的高値を示し

な関係を認め難いが異常な 17KS増量例及び著明 こ良好例のうち症例 9遅延工型の症例6は全4

な高血糖例を除けば水利尿の程度と 1日尿量とは 時聞を通じて NaCl排池ー量は低値を示しかかる

柏平行する傾向を認める 症例の 1日尿中 17KS排世量は最も低値で最大利

5体液構成 T 1824-Spaceが正常範囲内で 尿時尿量は低下し最大利尿発現時も遅延している

正常の上界値を示す症例に於いて水利尿は遅延E型 3 K 良好例及び遅延 E型のKの変動は健常

を示す Rhodan-Space Ir於いても同様の傾向を認 例に類似しているが遅延工型に於いてはKの排世

める は比較的少い

ι腎クリアランス 著明な過血糖例及び惨透圧 4 17KS及び好酸球減少率 水利尿良好例に於

上昇K伴う PV増大例及び異常な 17KS増量の 1例 ける水利尿時 17KS排世量及び好酸球減少率は最も

を除外したその他K於いては GFRRPFの増減 著明である

に応じて水利尿も増減する傾向を認めるが著明で 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比(第4表

ない 第5表)

第 2項水利尿時諸排世像(第8図) 1 諸排世量 (第9図)

1尿量 最大利尿時尿量は健常例が最も多く 尿量の糖尿病全例平均は健常例K比し減少を認め

以下水利尿の程度に従って順次低下し最大利尿発 る

現時も順次柏遅延の傾向を認める水利尿良好例及 NaCl は水利尿良好例に著明な排世量増加を認

び遅延例工型lとても最大利尿時尿量の比較的低下例 める遅延例E型も症例により排i世増加を認めるも

を認めるがかかる症例の最大利尿発現時の遅延は のもある

著明である 排世量の平均値では良好例に NaClの増加が著

-2324ー 千葉医 学会 雑誌 第35巻

00 cc

第 8図 水利尿時諸排世像(合併症を有する例を除く)

健常例 良好例

ーlsquo必21

mEq_lmEラ

2 1-iacute~ Il

10ト120

c1ワ

5

ト1

0

財政球減少率)

原中門院(||)

情M

a

o

n

ν

p

b

Aωnυ s

~A--ーー

--

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝花関する研究 -2325-

遅延例工型 遅 延 例 E 型

400ト cc

尿

9

1iし

也印

3

0

5判

M

一 2怠色ム-_ ---温lsquo邑---_-ldquo F

3

aTEFIl--r

m

1

0

A司

I~ ldquolsquo Jρ降lsquo

i ヘヘlsquoyen 一vlsquo日一ア一-笹居宮包日畠日-

A__-一 a

6ペへyenyenyenyen

yenろノIl ~lsquo~--也

好均時雨少苧

尿中 ηdM

-2326ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 4表 水利尿と諸排池ー量 工 糖尿病例

年 尿量 cc Na量 Cl量

KIIlE量q 17KS量 | 尿 糖 量

メHLmEq mEq mg g

症例目Ij

全前 l全 刷 全目Ij

全目IJ 全日Ij 全 合併症その他

f生 22時時後間間4時間|22時3問間時間1晶時間114時間22時時後間間 22時時後間間4時間占2時時後間間別 4時間 4時間

2879 151 144

135374 1791 4145 4914 1587 264

合 2035 595 113 113

2酒 57 467 2196 1803 601 036 H稀釈試験 2時間前4 NP

733 4795 4399 799 インシュリン u皮 合 266 2599 2596 198 145 下注射(不適)

60 93 11931065181I1 1669

538 048 709 822 070 772

合 40 423 284 022 063

4 中 3440 882 119 068

8194 2039 207 160 A 梅 毒 肝腫 合 488 4754 1157 088 092

池 46 482 4457 l別 869 125 138

510 1034 90811 111868 1623 259 179 腎症正 552 4624 5935 754 134 041

6染 65 447 683

792 033

921 1011 13 066 474 51 663 332 033

7浅 31 517

|「ど71 458

9151 111 1520 717 脚気 398 4141 1 649 259

916 2174 3138 093 1288) 0

1370 5035 589 1596 453 2260 2752 617 035

498 771 1405 464 9) 0

1089 1472 3010 933 591 701 1605 469

立 58 797 3589 1139 10 1245 3771 5438 334

448 1278 1849 598 095

53 502 1233 1496 693 082 067 11 650 2265 2875 1140 145 084 動脈硬化症 148 1032 1379 447 063 017

市 52 388 834 911 12 936 1743 3477 1977

548 909 1872 1066

木 52 776 2066

吋 lm13 1010 3951 6198 1570 百-三~ 合 234 1885 26151 1 599

蛇 70 270 662

1322 1887 654 動脈筋硬障化症14 2558 3760 1212 ⑦む 碍 合 392 1236 1873 558

582 956

1273 257q叫 535 076

15 2358 244

315013 9i6 148 374 1085 381 072

内 59 774 2162 944 200 16 1164 301 3168 1271 307 注 390 857 909 327 107 L J 眼底 KW工

17 820 410198 300 腎症 合 323 7 2221251079224060093動脈硬化症l|145110331オh1410ぺ|叶11|鈴

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝lと関する研兜 -2327ー

52 620 18 椎 (血底圧 170~901707 4335 11 6 318 651 注

眼 KWI041 1 4091764 ~17

54 325 662 097705 54 785 1 6419 0鵜 11 1 875 380 492 338 067 014

55 743 977 1915 415 20

池 128 871 2043 3315 800 1066 1400 385

48 843 2338 3796 1208 140 佐

21 42761393 6368 1994 204550 1938 2572 786 064合

2481lz卜147判|州|吋 E 健常例

年令尿量 cc

Na量 Cm1E量q KmE量q 17KS量 尿糖 量 mEq mg g

症例

22時時前後間間 4時且八間

別全

22時時i後iiJ間間 4時~間122 時時前後間間 4時一一A 間 22時2削聞間 4時~間 2J時前間問 4時こ八に間備 考

a別性 22時2「間目nl4時間

1 中 20 709 1752 855

2741 1139 1653 3212 1471 944 1460 616

2ぎ 22 727 1065

823 2683 724 1658 41 11 1638

合 338 835 1428 914

3出 26 1140 3422 1297

155 1295 4038 5682 2115

合 21 98 2260 818

4lU 28 845 988 21 99 630 1090 21 07 3899 986

合 245 11 19 1700 356

515 24 1220 1625 2034

1338 2571 31 1084 合 118 946 1144 382

1210 445 1077

1317 2162

371 1328 629 118 632 845 258

71~ 32 1035 725 1698 991

1094 1601 2217 11 84 59 876 519 193

8ぎ 47 860 737 1993 1 66 1029

603 1340 2703 236

合 169 710 070

9菰 36 907 1377

2605 2461 800

1139 3725 144 1合 232 1228 1264 64 1

金 22 932 726 1486 832 10 1063 1538 2412 1078

合 131 812 926 246

斎 36 1013 1957 478 739 11 1144 2812

539 1017 1188

131 855 449

-2328- 千 葉 医 学 ムヨミ 雑 誌 第 35巻

第 5表 排世量及び排j世比(後前)(平均値)(合併症を有する例を除く)

尿 主主ヨ豆lsquo Na Cl K 17KS

前川~stl 前 知 吋 比 前 2st門比全 4時 間 量 比 全 4時間量比 全 4時間量 全 4時間量 全 4時間量

974 184 1000 1019 2105 1226 737 449 061健常例 019 102 058

1158 2019 3331 1186

795 408 2153 1487 2997 1994 924 533 168 075 良好例 051 069 067 058 045

1203 3640 4991 1457 243

糖 工 555 368 913 868 1869 1628 621 513 064 069

群 066 095 087 083 107

遅 923 1781 3497 1134 133

尿 218E 185 1261 902 1650 1174 659 406 099 068

延群

084 072 071 061 069

病 404 2163 2824 1065 167

J1j 429 299 1042 881 1787 1458 635 473 082 068 平 070 084 082 074 084 例 均 728 1923 3245 1108 150

全例 600 350 1561 1164 2352 1708 769 501 058 075 073

065

1 187 061

平均 950 2725 4060 1270

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48

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2329-

明で遅延E型に於いても Na排世量が柏増加する すlarr

傾向を示す Clは健常例 058糖尿病例 073で後半の増量がよ

KはClと略々類似せる傾向を認める り大である

17KS排j世は Na排世l乙略々平行するが如き傾向 Kは Clと類似の傾向を認めるが症例 12 1[於い

を示す ては117と著明な上昇を認める

2 諸排世比 (第 10図〉 1 諸排世量及び比と諸因子

水稀釈力試験時の各排世量の後半 2時間量l乙対す 諸排世量(第 11図〉尿量と血糖値との関係は中

る前半2時間量の比を以って排世比とした 等度以下の過血糖の症例lζ於いては血糖値の土井

尿量の平均排世比は健常例 019糖尿病例 058 氏伴う尿量の減少は軽微であるがj著明な過血糖例

で後半排世量増加を示し水利尿良好なもの程小で を呈せる症例は尿量は極めて少い 17KS 1日量と

あるがその関係は余り著明でない症例 6912 の関係に於いてはその増加している症例に精尿量

19の4例は排世比の上昇著明で10を越える の増加する傾向を認めるが著明でない

Na は健常例102糖尿病例 075で前半排世量の増 NaClKの電解質排世量と血糖値の関係は余り

加を見る症例 6912は10を越える排世比を示 明確でなL0 17 KS 1日量とは明らかに相関を認め

第 10図 水利尿と諸排世比 (合併症を有する例を除く)

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12

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200ζc 400 占ず4 市斗~1()~D----lLIUgrave~OL-l--- IToι ーふ0--+-市布~ 4時向原賢一』 4時間尿器-

-2330ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

る て電解質排世比の僅かの上昇を認め叉尿量排世

諸排世比(第 12図)諸排世比と血糖値との関係は 比に於いても 17KS減少例及び症例 19 K上昇を認

認め難く叉 17KS量との関係も一般に著明ではな める

いが 17KS 1日量の特に少い症例 69121乙於い

第 11図 排世量と諸因子 (合併症を有する例を除く)

〔血糖との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

gst

ePe

12m払 γ

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30

20

10ト

2 4 6 日 10

200 250 300

G

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10ト

寸 250 4 8 10 12刊初ザ6 2 300

K

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100π彬l(_ 150 lOO 250 却 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

ウ匂

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2331ー

〔血糖との関係〕 [17KS 1日量との関係〕ー

25ト

KSつιE

17

bull

1001113μ~ loO 甲 17 8 9 10 ( 3oo 2 3 4200 2DO 司司m-J2amphMd恥凶うー事

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51

尿

44 糖

3

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2

100iR 150 200 250 300 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12匂

第 12図 排世比と諸因子 (合併症を有する例を除く〉

〔血糖値との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

1amp

同 019

警08 s 07

0

ee o

05

邑4

3

Q2 112

01

ト 100向始H且 150 200 250 30ー15ー中 s4 5 6 7 白 ] 10 11 12叩拠ザ」 酔|ーム2tflf7K16 糖値

井1ト41

e 0611amp1

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200 250 4 1030016+ 2 主判事l判

-2332ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

61

OJl卜

08ト

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10

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03

〔血糖値との関係〕 [17 KS 1日量との関係〕

14

12

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8

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02

100明弘a 150

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100明 11 200rnJdl

150

10b夜間 200

第 II章総括並びに者按

300

250

Os06

一一一_L 250 300

lC

08

也6

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2345amp789 叩 11 12匂勾

JSLJ一一よ 0 1 I 7 8 9 10 12閉め匂 11

G

一」一一よ一一J一一」一ーーーー-

8 11 12吻匂

109

第 1項水利尿と諸因子

電解質との関係 水試験前値の尿中電解質排世

糖尿病K於ける水分代謝の問題殊に 1日尿量 量及び血察電解質濃度と水利尿の程度には一定の関

と水試験時の如き急激なる体液変動を惹起せしめ 係を認め難く試験前電解質量または濃度によって

た場合の水分代謝とは当然同一視得ないものがあ 水利尿は影響を受けない

ると思われる 血糖値との関係 血糖値と水利尿との聞には負

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2333ー

の関係を認めるが著明な過血糖を呈し PVRho- の遅速は一定でない乙れは血糖値の上昇せる為

danSpの増加を来たす様な症例は水 1L負荷にょ に ADH作用抑制によって起る水利尿反応が鈍化

つでも OsmoreceptorVolume receptorを介し され得る故であろう

て起る ADH分泌抑制の度が小となり水利尿反応 水利尿の良否lζ拘らず最大利尿発現時の遅延する

が少くなる為か尿量は極めて少ない過血糖中等度 症例は 17KS量の低値の例及び血疑 Na濃度が他

以下の症例は PVR対する影響も少く 尿量減少 の症例広比し高値を示す症例で何れも水利尿時の

の度も軽度である NaCl排世は殆んど尿量と関係なく減少している

17KS量との関係 17 KS 1日尿中排世量の増 電解質排世像は水利尿良好例に於いては健常例

加に従って尿量増加の傾向を認め特に過剰排世型 と異なり利尿発現初期に著明な Na排世のピーク

の傾向の認められる症例に 17KS量の増加を認め を見るこれは何れも 1日尿中 17KS排i世量増加例

るかかる症例は何れも GFRの増大と尿中 Na である遅延例工型は 17KS量の増加せる例少く

Clの排世増加を認めた例である 電解質排世も著明でなく略々健常例に近い排世像を

然し症例 13の如く 17KS量異常に高値で多尿 示す遅延E型は水排世遅延最も著明にも拘らず

lとより PV減少を呈せる脱水症例では水負荷によ 電解質排世像が良好例比類似して比較的著明な症例

りPVの変動は強く現われるが排世尿量は少い を認めるが ζれは 17KS量の増加を認める

叉著明な過血糖例及び症例 19の如く血疑 Na濃 更に症例 9612の如く 1日尿中 17KS排j世量

度が比較的高値の症例は間脳ー下垂体後葉系並びに 低値の症例は水分排世量に関係なく終始 Na排世

下垂骨前葉一副腎皮質系の内分泌機序の連関性の失 の増加が認められない以上の成績と過剰排世型を

調の為か 17KS量比較的増加しているにも拘ら 示す症例l乙1日尿中 17KS量の増加を認める事より

ず利尿は遅延する 考えれば水利尿時尿量の増加は GFRの良好なる

1日尿量との関係 一般に水利尿との相関を示 事と相侯って副腎皮質機能の比較的健全なるによる

す傾向にあるが特に過血糖を呈する症例及び異常 ものと考えられる唯し症例 13の如く 1日尿申 17

rc17KS量の増加せる症例に於いては前述の如く水 KS排世量の異常に高値の症例に於いても利尿初

利尿時の尿量を抑制する 期の Na排j世のピークは柏低く血媛 Na濃度の低

即ち 1日尿量lと於いては恒常的な腎機能及び 下も殆んど認めない場合もある

体液構成等の因子が関与し水利尿に於いては急 ClK の排世像も同様の傾向を示すが Na程著

激な PVの量及び質の変動が主要なる役割をなすも 明でない

のの如くである 以上を要約すれば血糖値の上昇例は最大利尿

体液構成との関係 PVの比較的増大している 時尿量を減ずるが最大利尿発現時聞に特に影響を

症例に於いて水利尿時尿量の抑制を認めるかか 認めない又 1日尿中 17KS増量例は電解質特に

る症例は著明な高血糖を呈し又は血緊 Na濃度の Na排粧を増加し利尿初期は特に著明である ζ

比較的高値の症例である れに反し 17KS量低値なるものは Na排世増加を認

腎クリアランス値との関係 GFRRPF共に めずそれに伴い最大利尿発現時を遅延せしめ最

水利尿の程度と精関係を認めるが前述の特に水利 大利尿時尿量も柏低下せしめる

尿を遅延せしめる因子の存在する症例に於ては腎 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比

機能の如何に拘らず水利尿時の尿量は少い尚 尿量は糖尿病例は柏減少し水利尿の遅延するに

Smith及び永峰(14)によれば稀釈試験時KGFR 従ってその排世比も柏増大する

RPFの変動は殆んど認められないと言われている 電解質排世量及び比共l乙水利尿の良否とは特に相

以上主要な水利尿遅延因子としては腎機能の 関を認めないが水利尿の良好例K排世量の増加を

良否は当然考えられるべきではあるが更に ADH 認める

並びに副腎皮質ホ Jレモンの分泌機序の異常も強く関 血糖値との関係はその上昇するにつれて水利尿時

1乙殊に甚しく叉l尿量は減少し著明な過血糖例 L与することを考慮しなければならな

第2項 水利尿時諸排世像 日尿中 17KS排世量は尿量との関係は軽度で電解

尿量の変動は水利尿良好例遅延例工型 n型 質殊に Na排世量との相関が明らかである乙れ

買に最大利尿時尿量の減少を認めるがその発現時)1の は血糖上昇の際は AD町分泌抑制が主で 17KS増

-2334- 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 6表 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

工 諸排i世量及び諸排世比

排 17 KS K 糖

水単独 水物単併独

ClNa尿薬

備 考水物単併独水単独用 薬水物単併独用薬水物単併独用症 薬用薬物併薬用併負荷用薬負荷物び

例『番比

物号

1164 050 3019 035 307 053 16 内 1321 041 141 067 1252071 4393 04814043

40 1148 019 3836 057 4964 050 1096 044

ブ 22 阿 O田1048 056 2003 118 3328 078 1237 067 ド

糖 1010 030 3951 091 6198 073 1570

40cc 13 木 O恵 前|1023 035 1677 120 2969 084 947

静 伊i 1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053

平均 11081 0531 2690 073 3446 063 11681056 141 067

除全遅 026 3006 031 12回511i022 224 054 四 a119 動脈血圧 150--72併例合延 17鈴 O

11391 1171 4147 077 3348 068 1380 108 330 086 硬化症眼底 K WJII 症

055 4334 051 12971040 265 054例例平 全例

11151 0661 3054 075 3422 064 12211068 240 0793 4 -

1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053除合併 均 症例 1108 053 2690 073 3446 063 1168 056 141 067

1370 049 5035 082 5890 087 1596 063 128 038

量及

良 8 立 972 077 2017 089 3996 068 1015 054 267 051

1089 118 3010 114好 9l市イ 1161 057 2375i 039 4969 039 037

096 1265 075 1229 074 3298官uシ平 均

ユ 1066 066 2196 058 4483 051 1939 041 2671051 リ

093 1140 064 650 029 2265 ン 硬化症 血圧 60~114

眼底 KWJI 11 小 O

1025 028 4465 06614998 091 1313 059 5u 遅

静 0752 6 4 |i曲胡00 374 057 4145 0761 49141071 1 5 87 2570 078 1将 O注

延例

-園平均

除全 メロL ou 併 除合併 症 症例

488 033 4598 0541 564 64057 12801 071 362 065

512 038 3205 13641 0621 264 075 hellip街lm756 030 4532 0601 5323 072 12961 0531 362 065

374 057 4145 4914071 075 075d4i

968 005

例例 平均

3 4匂圃4

4012801057 714054 56033 4598 488 362 065 61

4172 087 1314 061871 062 平 全例

911 049 059 4903 061 1618 315 058

944 071 3580 082 4605 086 1373 069 196 061 除合併 均 症例 873 059 2997 056 4871 053 1719 042 315 058

良 10891 11911562 103 好 市 304111

t列U9 0110161 17911705087 44601 13111212 1

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 K関する研究 ~2335ー

0959判 1岨15 C A

106 14171 033 48011063 10161 0641 321 083

938 051 1707 069 1163 054 1 88 1 24遅 18 椎 O

1018 1 25 1717 075 5067 095 1597 096 528 0805mg 圧底 KW 1

静 2558 093 3760

延 14姥 O 暖動 化 脈症(蛋血圧底白〔 120〕MBO注 8691 1 75 1864 057 3514 0671 1238 094 心筋障害眼 Kwn

852 074 2208 087 4369 087 1097 069 1 68 平ー均 ou除全 881 1 32 1666 054 4441 075 1284 086 425 081 玉メ口

併 除合併 947 058 2032 083 4674 082 1039 061 168 1 10症 症例例例 888 117 1567 053 4934 078 1306 082 425 081平均

911 085 4029 09 1 1056 076 168 1 10平 全例--

3 4

915 1 44 16761062 4446 087 1266 094 425 081

1876 088 1005 1 10除合併 均 症例 0941425 08138 1613064 4767i 092 12751 1

4276 0~83 1994 065 204 046 21 佐

1305~ 034 3563 048 5976 054 2283 037 255 029

T H

---

1245 056 3771 051 5438 051 1737 053 334 039 良 10立

1182 057 2324 045 4097 5421 45 076 280 066 チ

1034 1 15 9081 100 1623 087 259 011 1 78 029ソ好 5 池 O正

ン 眼底糖尿病性638 031 3226 01313201 034 1693 042 225 023 252 043 網膜炎

50 町 19例

1224 073 5709 084 7891 078 1784 066 266 058 178 029 平 均

内 1051 041 3038 033 4424 049 2040 050 253 041 252 043

服 除合併 1312 061 4024 067 5903 0印54111861541i 059

268 042

1243 044 2934 047 5036 054 2214yen 054 267 046例

遅延

症例 平均

--705 1 17 1154 074 1948 081 785 076 164 068三除日全』

19鵜 O1220 063 2328 076 6213 057 1705 063 232 079併 例

症例例 079 4570 084 1535 068 240 060 178 029

平 全例3 4 1093 046 2860 040 4872 052 1956 053 248 049 252 043 -- 1114 070 3067 068 4585 062 233 048除合併

均症例 1235 050 2738 054 5429 05512044 056 255 056

921 104 1345 097 792 072 066 103プ 6 染 O

900 05511504 036 2076 035 1161 039 1 39 049レ 遅ド

ーー 207 074 1 59 135ン 延 4中 O

867 129 5865 梅 毒 肝 腫A

25285655 0541051 26631057 6140571 56868 041 464515 mg

例 133 043 1190 8221053 070 045 g 渡 O内

初日--服

合除全 平

併症

例2例3 均_

414 012 1440 0211 23191 020 11 161018 1 53 031

640 1 09 2688 1 15 3736 1 16 12181094 1 14072 全例

727 040 2529 044 3347 039 16471042 149 044 8561252

527 095 1101 074 1507 073 068 068除合併症例 657 038 1472 029 21 97 027 11441028 146 039

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

出町

主昨

ゾ判〕

〔民本零時〕

〔認

E

gom

ehln

入ヘ

-5組椎

続出入 5

吋ふ入

γ

N4

特〕

-S

-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

g

h-

軍区民主切

回同入刊にふ

思組権回出回国Hυ〈

〔匝誌零時〕

言語

ヨ昨

五円〕

〔匝芯零時〕

〔題

活性

キ毛

NW

E酬

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2317ー

いが Rhodan-Spに於いて高値を示せる 3例は

何れも血糖値高く PV 1[於いても正常範囲内であ

るが全例中最も高値を示している

血糖値と Rhodan-Spとの聞に明らかな相関を認

め血糖値の上昇に伴い Rhodan-Spも増大する

PV I乙於いては特に過血糖例に於いてその増大を

認めるがその他に於いては著変を認め難い

17KS量特に低値のものは過血糖に拘らず Rho-

Idan-Spの増加度は少く又過血糖の程度が僅に拘

らず Rhodan-Spの減少程度の少いものは 17KS量

の増加があり軽度ではあるが Rhodan-Sp1[対し

て 17KS量の関係も認められる

即ち糖尿病の細胞外液量は主として血糖によっ

て影響されその上昇によって増大するがブドー

糖の惨透 molは Naのそれに比し遥かに小さい事

より考えれば過血糖による細胞外液の惨透圧上昇

の他民糖質代謝異常に伴う細胞内脱水の関与も加

わると考えるのが妥当であろう以上により糖尿病

の細胞外液相は糖代謝異常に基く血糖値の高低並

びに 17KS排世量を通じて伺える下垂体副腎皮質機

能の如何によって調整されるものと考えられる

第3項腎クリアランス

糖尿病の腎「ク JI[関してはその充進否認めるも

の一定の傾向を認めないもの等種々の報告がある

がこれらは多く糖尿病の腎障害合併例を含めた報

告である糖尿病に於ける腎障害合併頻度は

BryfolgeDunlop日野〈9〉大森等の報告によると

20内外である

著者は合併症の有無により 2群に分けて腎「ク Jを

考察した

腎障害合併例に於いては GFRRPFRBF共に

正常範囲の下界乃至低値を示し合併症なき例に比

し一般に低値を示した

合併症を有せざる症例に於いては

1GFR 上昇を示すものが多く乃至は正常範

囲の上界を示す 17KS量の増加せるもの過血糖

を呈せるものに著明に GFRの上昇を認めた症例

182927の如き 17KS量の増量せるものは過血糖

の程度小なるも GFRの上昇を認め症例7は 17

KS量低値であり GFRは血糖値の程度に比して上

弁は少し副腎皮質機能の関与を推測せしめるが

一方症例2の如く GFR上昇例は 17KS量よりむ

しろ過血糖の影響と考えられる場合もある Frey

も同様に糖尿病患者の GFRは血糖値の上昇と共K

下垂体副腎皮質機能が極めて著明に関与すると述べ

ている仁木(10)は GFRと血糖値の聞に一定の関係

を認めず GFR低下者に 17KS増加を認め 17KS

との間l乙負の関係を示すと云っているがこれは腎

障害合併例を含む為にその関係が不明瞭となる為と

考えられる

体液構成との関係は PVRhodanSpともに認

められない

2 RPF 3357 cc minの低値から 6825cc min

の聞に広範囲に分布する

血糖値との関係は余り著明ではなく特に高血糖

を呈する 2例は PVの増大を認めたが RPFは著明

に低下を示している

17KS量との関係は余り明らかではないがその

増加につれて RPFも上昇する傾向を認める即ち

副腎皮質ホ Jレモンの作用は軽微であるが PVの変

動と平行して RPFも変動する

体液構成との関係は RhodanSpと RPFとは明

らかではないが PVとRPFとの関係は上述の

過血糖例の如き例外を除けば比較的明らかで一般

1[PVの増加K平行して RPFの上昇を認める

3FF 正常範囲内のもの上昇を示すものが相半

ばするが殊K著明な過血糖を示す症例又 17KS

量の増加例の如き PV減少により脱水症状を示した

症例に於いては FFの上昇が著明に見られる

第4項 1日尿量

古くから糖尿病の多尿は糖排世量と略々平行する

ζ とが知られていたこれはブドー糖の惨透圧利尿

の一典型と考えられ ζの際 NaClの再吸収は抑

制され尿中排世量が増加すると言われている近

時糖尿病の多尿は多くの場合糖排世増加のみによる

ものでないことが知られ多尿の原因として糖尿

電解質喪失アチドージス等が HinkleMeyer

Atchley及び Peters等によ b示され(11〉更に 17

KS排世異常一下垂体副腎系及び ADS異常一下垂

体後葉系の内分泌関与が矢野(12)PickfordVerney

等により示されている Freyは糖尿病の水分代謝

の因子として高血糖のみならず副腎皮質機能が関

与し 1日尿量の増加 GFRの増大は血糖上昇の他

1[17KSの増量と関連のある事を認め下垂体副腎機

能充進が極めて著明な関係があると考えた

著者の 1日尿量と諸因子との関係を検討した成績

に於いては 17KS量との相関は著明であるが 17

KS量の低下例に於いて僅かに高血糖の影響を受け

て尿量も柏増加する例をみる即ち血糖値との関係

は一般に軽度で 17KS量との関連がより密接であ

-2318ー 千 葉医 学会 雑誌 第 35巻

第 2表 水利尿と諸検査成績 I 糖尿病例

年稀釈力試験 1日|尿中 好酸球雌値l血張中濃度 T

令 時尿量 cc 1824-GFR全 17K 減少率 Sp

症 例日tr2時全 尿量 1日量 一m一g一fd11 Na IK 合併症その他l間両量4時間 ccmgd a 4時間尿糖量一一一一一一一larr

Rho-

(2時間f--ICl 総蛋白 dan-RPF

別 間量量 dayl day Sp e

1将 45 239 241 296 1400 46 551 15173

374 1940 73合 135 (223) 833 1093 705 319 34972

57 467 判制 1450 39 528 14084 CEJ稀釈試験 2時間4前 NPH 733 2150 112 〕イ ン シ ュ リ ン U 皮下

合 266 (304)1 1531 1116 756 338 33573 注(不適〉

3渡 60 432 243 1400 39 560 12638

1860 合 ( 432) 350 1222 798 348 64906

4 中 49 379 366 241 1483 39 570 15780

867 1850 109 A梅毒 肝腫合 488 (223) 220 1185 852 277 85193

池 46 482 363 237 1483 38 468 11046副J血 尿血蛋圧白 (1十74)~96510 1034 1540 95 正 552 (189) 220 1074 763 276 566 腎症 眼底糖尿病性網膜炎

65 447 200 236 1443 36 390 11549

921 1360 15

474 (0) 300 1073 698 277

71き1213

299 210 626 9570 血圧 105--0915 1670 83 脚気 第二肺動脈音充進(267) 365 10791 317 31834

8 立 58 916 1533 465

1370 1540 77 281 I

453 (200)1 250 1150 783

9市 191 1457 44 420 10586

1089 1350 31 1(430) 591 120 1090 861 286 51230

+51~ 797 189 1557 475 必 71廿1245

448 ( 469) 200 1295 90 253 1605

53 502 514 175 1433 48 443 10108 動脈尿蛋白 i一〉11 650 2030 71

合 148 (514) 150 1116 783 317 44616硬化症血 圧匠 60--114 限 KW n

市 52 388 936叶 173 1325

12 31 548 20 1114 86 206

木 52 776 十110 164 1543 60 329 15100 13 1010 2370 193

恵 合 234 (40) 50 1191 822 224 41814

姥 70 270 232 158 1450 48 483 動脈 尿蛋白 (1ー20〉~

14 662 1290 63 ⑦硬化「 血 底圧 80合 392 (128) 270 1302 822 219 心障 筋碍 眠 KWII

勝 50 582 223 158 1414 43 435 11087 15 956 850 54

374 (278) 90 1278 822 195 50363

内 59 774 286 158 1433 39 12101 r yen

16 1160 1640 73 注 血 底圧 70--100 390 (229) 22 1100 744 -- 眼 KW工

鈴 58 497 482 41 403 8239 腎症尿蛋白 1(5十0~)72

17 820 1980 117 693 315 28935 動 脈 血 圧底

合 323 ( 447) 1081 1074 硬化症眼 KWlli

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2319-

18 椎52

49

200

(234)

157

70 12041 90

408

170 (尿血蛋白 (170~)90

402791~ 眼 圧底 KWI

19 鵜

54

325

380 705 73

(200)1 80

1567

1365

46

862

539

185

10024

68254

20 池

55

743

128 871

120

32

1500

1132

34

71

366

198

21 佐 48合

843

550 1393 1740

469 107

(405)

120

20

1550

1389

47

852

422

251

13260

65505

1|阿2210 合 3卜148 1620 5121m|附 365

(575)1 161 1067 783

E 健常例

年 尿量 cc 1日尿17K中S

好酸球 血糖値 血築中濃度 T

1824-GFR 令

前 全全 減少率 mgdl Sp

症例 尿量 1日量 Na 1 K Rho- 備 考

性 一22時時蚕間間~14時間 cc mgday 4時間 尿糖量 dan-RPF

5JJj 時間量

day (2時間) g Cl 総蛋白 Sp

1中 20 865 367

1139 1701 274 (ー) 280

2増 22 727 446

1065 1387 合 338 (一〉 321

3 出 26 1140 502

1295 1732 合 155 (一〉 286

4 山 28 845 583合 245

(一) 291

5鳥 24 1220

17821338 合 118 (--)

6岩 27 1210 101 1596 39 388 11155

1328 118 (一) 1037 938 3633 79350

7戸 32 1035

1094 1603

59 (一〉 994 835 13805

8 諸 47 860 1460 40 408

1029 -合 169 (一〉 1027 752 2913

9 菰 36 907 1457 48 386

1139 合 232 (-) 994 783 2600

金 22 932 51 10 1063

合 131 (一) 11080 823

斎 36 1013 1144 11 131

(ー〉

11NωNOs-

第 3 表 水利尿と諸検査成績(平均値〉

〔註尿中電解質は水試験前値J C合併症を有する例を除く)

電 解質そ の 他 (前値〉体液構成 腎「ク J 値 水利 尿

Na C1 K 糖 総蛋白

m血四iE援mqE尿UE中qI E血dIEg糖lf尿d a中y

m血d淫援r117KS Eosin 1日尿量

4時間T 1824 Rhodan

GFR RPF FF 尿 J主芸ELt 排世比 Space Space

mgday 一 cc cc

健常例 15113715154 JZグ内 1608 446 309 1037 5495 0201 11580 019

良好例

JfとfylM294 1687 402 259 1273 5476 0245 12030 051 (1000cc以上〉

糖 I工G群Bc

71Jケ m208 1056 397 209 1162 4532 0262 9244 068

遅 8J0ccー戸〆

尿延 E而群c とJケ叩 321 1653 550 284 1261 E604 0258 4040 084

病yen 以J下

仰1

こ7ケ明例 平均 264 1280 454 237 1212 5175 0259 7290 071

全例平均 lJJ381134A 631j 4104JflJブ 721 280 1470 434 246 1240 5309 0253 9502 059

H

部 ω印時

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2321-

る ADH抑制作用と異る点がある

Gauntは抗利尿ホノレモン (ADH)の分泌抑制及 即ち副腎皮質機能の充進は櫨過量の増大と尿細

び血中 ADHの不活性化は副腎皮質ホノレモンの充分 管K於ける水分電解質の調節異常に関与して多尿を

な存在によって促進されると述べている然し過血 来たすものと考へられる

糖に於ける多尿に際し NaCl排世量の増加が少

い事より過血糖の多尿は Osmotic diuresisの他 第3篇糖原病の水利用

ι 一定限界を超えた高血糖が血撲惨透圧を軽度に 合併症を有する 6例を含む糖尿病患者 22例に水

充進し Homer SmithVerney(13)等の言う Os- 1L負荷して稀釈力試験を行った

moreceptorを介して ADH 抑制作用を現わし多 合併症なき 15例中水利尿良好例(尿量 1000cc

尿を来たすものと考えられる然し多尿の原因とし 以上) 7例遅延例工型 (1000cc---800cc) 5例

て副腎皮質ホ Jレモンの関与がより強く考えられる 遅延例E型 (800cc以下) 3例を認め之等諸群と

即ち 17KS量と 1日尿量 GFRと1日尿量 17KS 健常例 11例とに就いて比較検討した

量と GFRは夫々極めてよく相関が認められる叉

17KS量増加に伴う多尿に於いては電解質殊に Na章 I章検査成績(第 2表〉

排世量の増加が特徴的であり穆透圧克進による 第 1項水利尿と諸因子(第3表第7図〉

第 7図 水利尿と諸因子 (合併症を有する例を除く) 管02

(由X羽 〈字調期X

x l(

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110-2

darr血 』ιτ京支~一一点尿 iooCC 400 600 -600 1000 賠ム 一ーy 600 800 1000 1200克 4時間床量

剛志e-ιmみ岡原ff

6 X

K

0尿血中衆林議浩度量(前値)

x

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X x x xX

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4x x X

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200記 40-0- 扇面一一一 600 -1000 1200- 200cO ---41fO 山内--800--1-00岡 0-----60

主主主-2322ー 千 葉 医 弓f- 会 雑 誌 第 35巻

事量 日 221 (ぷ 33訪世 J117 邑星 IKS三米 1-Jli ls

x 事|量 13

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1 1 I 1 I I_j I J 1 I 1 200巴 40D 600 800 1000 1200 200 400 600 -~8-OO-- --1000 IlOO

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___ー ι _ 2000 400 600 BOO 1000 1200 20Q 400 600 800 1000 1200

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2323-

G RPFC41M1_

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110

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100

I ~ I L_____ー」ーよーし一一一larr 五百h200lt

I

lt 400 600 1200 200血 400 600 800 1000 1200

1電解質 試験前 1時間尿中の NaClK量及 2NaCl 健常例の NaCl排世像は水負荷

びその血撲濃度と水利尿との聞に相関は認められな 直後水利尿発現初期比軽微の排世増加を認め利尿

期には寧ろ排世減少し 3時聞をきの濃縮移行期lζ再

2血糖及び尿糖 水利尿と比較的よく負の関係 び電解質排世増加の最も高い時期となる糖尿病の

を認め著明な過血糖例の 4時間尿量は極めて少い 水利尿良好例に於いてもこれと略々同様の変動を示

3尿中 17KS1日排世量及び好酸球減少率 水 すが利尿初期の排世増加が著るしくなっている

利尿良好例には 17KS量の増加好酸球減少率の高 遅延例も良好例に類似した変動を示すがその変動

度なるものが多く過剰排世型の傾向を示す遅延 は極めて小さい

例E型K於いても 17KS量の増加好酸球減少率 良好例のうち症例 8102122遅延例 E型のう

の高値を示す傾向を認める o ち症例 1の如く著明な NaCl排世を認める症例

4 1日尿量 水利尿と 1日尿量との聞に明らか は何れも尿中 1日17KS排世量は比較的高値を示し

な関係を認め難いが異常な 17KS増量例及び著明 こ良好例のうち症例 9遅延工型の症例6は全4

な高血糖例を除けば水利尿の程度と 1日尿量とは 時聞を通じて NaCl排池ー量は低値を示しかかる

柏平行する傾向を認める 症例の 1日尿中 17KS排世量は最も低値で最大利

5体液構成 T 1824-Spaceが正常範囲内で 尿時尿量は低下し最大利尿発現時も遅延している

正常の上界値を示す症例に於いて水利尿は遅延E型 3 K 良好例及び遅延 E型のKの変動は健常

を示す Rhodan-Space Ir於いても同様の傾向を認 例に類似しているが遅延工型に於いてはKの排世

める は比較的少い

ι腎クリアランス 著明な過血糖例及び惨透圧 4 17KS及び好酸球減少率 水利尿良好例に於

上昇K伴う PV増大例及び異常な 17KS増量の 1例 ける水利尿時 17KS排世量及び好酸球減少率は最も

を除外したその他K於いては GFRRPFの増減 著明である

に応じて水利尿も増減する傾向を認めるが著明で 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比(第4表

ない 第5表)

第 2項水利尿時諸排世像(第8図) 1 諸排世量 (第9図)

1尿量 最大利尿時尿量は健常例が最も多く 尿量の糖尿病全例平均は健常例K比し減少を認め

以下水利尿の程度に従って順次低下し最大利尿発 る

現時も順次柏遅延の傾向を認める水利尿良好例及 NaCl は水利尿良好例に著明な排世量増加を認

び遅延例工型lとても最大利尿時尿量の比較的低下例 める遅延例E型も症例により排i世増加を認めるも

を認めるがかかる症例の最大利尿発現時の遅延は のもある

著明である 排世量の平均値では良好例に NaClの増加が著

-2324ー 千葉医 学会 雑誌 第35巻

00 cc

第 8図 水利尿時諸排世像(合併症を有する例を除く)

健常例 良好例

ーlsquo必21

mEq_lmEラ

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10ト120

c1ワ

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財政球減少率)

原中門院(||)

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--

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝花関する研究 -2325-

遅延例工型 遅 延 例 E 型

400ト cc

尿

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尿中 ηdM

-2326ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 4表 水利尿と諸排池ー量 工 糖尿病例

年 尿量 cc Na量 Cl量

KIIlE量q 17KS量 | 尿 糖 量

メHLmEq mEq mg g

症例目Ij

全前 l全 刷 全目Ij

全目IJ 全日Ij 全 合併症その他

f生 22時時後間間4時間|22時3問間時間1晶時間114時間22時時後間間 22時時後間間4時間占2時時後間間別 4時間 4時間

2879 151 144

135374 1791 4145 4914 1587 264

合 2035 595 113 113

2酒 57 467 2196 1803 601 036 H稀釈試験 2時間前4 NP

733 4795 4399 799 インシュリン u皮 合 266 2599 2596 198 145 下注射(不適)

60 93 11931065181I1 1669

538 048 709 822 070 772

合 40 423 284 022 063

4 中 3440 882 119 068

8194 2039 207 160 A 梅 毒 肝腫 合 488 4754 1157 088 092

池 46 482 4457 l別 869 125 138

510 1034 90811 111868 1623 259 179 腎症正 552 4624 5935 754 134 041

6染 65 447 683

792 033

921 1011 13 066 474 51 663 332 033

7浅 31 517

|「ど71 458

9151 111 1520 717 脚気 398 4141 1 649 259

916 2174 3138 093 1288) 0

1370 5035 589 1596 453 2260 2752 617 035

498 771 1405 464 9) 0

1089 1472 3010 933 591 701 1605 469

立 58 797 3589 1139 10 1245 3771 5438 334

448 1278 1849 598 095

53 502 1233 1496 693 082 067 11 650 2265 2875 1140 145 084 動脈硬化症 148 1032 1379 447 063 017

市 52 388 834 911 12 936 1743 3477 1977

548 909 1872 1066

木 52 776 2066

吋 lm13 1010 3951 6198 1570 百-三~ 合 234 1885 26151 1 599

蛇 70 270 662

1322 1887 654 動脈筋硬障化症14 2558 3760 1212 ⑦む 碍 合 392 1236 1873 558

582 956

1273 257q叫 535 076

15 2358 244

315013 9i6 148 374 1085 381 072

内 59 774 2162 944 200 16 1164 301 3168 1271 307 注 390 857 909 327 107 L J 眼底 KW工

17 820 410198 300 腎症 合 323 7 2221251079224060093動脈硬化症l|145110331オh1410ぺ|叶11|鈴

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝lと関する研兜 -2327ー

52 620 18 椎 (血底圧 170~901707 4335 11 6 318 651 注

眼 KWI041 1 4091764 ~17

54 325 662 097705 54 785 1 6419 0鵜 11 1 875 380 492 338 067 014

55 743 977 1915 415 20

池 128 871 2043 3315 800 1066 1400 385

48 843 2338 3796 1208 140 佐

21 42761393 6368 1994 204550 1938 2572 786 064合

2481lz卜147判|州|吋 E 健常例

年令尿量 cc

Na量 Cm1E量q KmE量q 17KS量 尿糖 量 mEq mg g

症例

22時時前後間間 4時且八間

別全

22時時i後iiJ間間 4時~間122 時時前後間間 4時一一A 間 22時2削聞間 4時~間 2J時前間問 4時こ八に間備 考

a別性 22時2「間目nl4時間

1 中 20 709 1752 855

2741 1139 1653 3212 1471 944 1460 616

2ぎ 22 727 1065

823 2683 724 1658 41 11 1638

合 338 835 1428 914

3出 26 1140 3422 1297

155 1295 4038 5682 2115

合 21 98 2260 818

4lU 28 845 988 21 99 630 1090 21 07 3899 986

合 245 11 19 1700 356

515 24 1220 1625 2034

1338 2571 31 1084 合 118 946 1144 382

1210 445 1077

1317 2162

371 1328 629 118 632 845 258

71~ 32 1035 725 1698 991

1094 1601 2217 11 84 59 876 519 193

8ぎ 47 860 737 1993 1 66 1029

603 1340 2703 236

合 169 710 070

9菰 36 907 1377

2605 2461 800

1139 3725 144 1合 232 1228 1264 64 1

金 22 932 726 1486 832 10 1063 1538 2412 1078

合 131 812 926 246

斎 36 1013 1957 478 739 11 1144 2812

539 1017 1188

131 855 449

-2328- 千 葉 医 学 ムヨミ 雑 誌 第 35巻

第 5表 排世量及び排j世比(後前)(平均値)(合併症を有する例を除く)

尿 主主ヨ豆lsquo Na Cl K 17KS

前川~stl 前 知 吋 比 前 2st門比全 4時 間 量 比 全 4時間量比 全 4時間量 全 4時間量 全 4時間量

974 184 1000 1019 2105 1226 737 449 061健常例 019 102 058

1158 2019 3331 1186

795 408 2153 1487 2997 1994 924 533 168 075 良好例 051 069 067 058 045

1203 3640 4991 1457 243

糖 工 555 368 913 868 1869 1628 621 513 064 069

群 066 095 087 083 107

遅 923 1781 3497 1134 133

尿 218E 185 1261 902 1650 1174 659 406 099 068

延群

084 072 071 061 069

病 404 2163 2824 1065 167

J1j 429 299 1042 881 1787 1458 635 473 082 068 平 070 084 082 074 084 例 均 728 1923 3245 1108 150

全例 600 350 1561 1164 2352 1708 769 501 058 075 073

065

1 187 061

平均 950 2725 4060 1270

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48

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2329-

明で遅延E型に於いても Na排世量が柏増加する すlarr

傾向を示す Clは健常例 058糖尿病例 073で後半の増量がよ

KはClと略々類似せる傾向を認める り大である

17KS排j世は Na排世l乙略々平行するが如き傾向 Kは Clと類似の傾向を認めるが症例 12 1[於い

を示す ては117と著明な上昇を認める

2 諸排世比 (第 10図〉 1 諸排世量及び比と諸因子

水稀釈力試験時の各排世量の後半 2時間量l乙対す 諸排世量(第 11図〉尿量と血糖値との関係は中

る前半2時間量の比を以って排世比とした 等度以下の過血糖の症例lζ於いては血糖値の土井

尿量の平均排世比は健常例 019糖尿病例 058 氏伴う尿量の減少は軽微であるがj著明な過血糖例

で後半排世量増加を示し水利尿良好なもの程小で を呈せる症例は尿量は極めて少い 17KS 1日量と

あるがその関係は余り著明でない症例 6912 の関係に於いてはその増加している症例に精尿量

19の4例は排世比の上昇著明で10を越える の増加する傾向を認めるが著明でない

Na は健常例102糖尿病例 075で前半排世量の増 NaClKの電解質排世量と血糖値の関係は余り

加を見る症例 6912は10を越える排世比を示 明確でなL0 17 KS 1日量とは明らかに相関を認め

第 10図 水利尿と諸排世比 (合併症を有する例を除く)

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-2330ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

る て電解質排世比の僅かの上昇を認め叉尿量排世

諸排世比(第 12図)諸排世比と血糖値との関係は 比に於いても 17KS減少例及び症例 19 K上昇を認

認め難く叉 17KS量との関係も一般に著明ではな める

いが 17KS 1日量の特に少い症例 69121乙於い

第 11図 排世量と諸因子 (合併症を有する例を除く)

〔血糖との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

gst

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2331ー

〔血糖との関係〕 [17KS 1日量との関係〕ー

25ト

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100iR 150 200 250 300 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12匂

第 12図 排世比と諸因子 (合併症を有する例を除く〉

〔血糖値との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

1amp

同 019

警08 s 07

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200 250 4 1030016+ 2 主判事l判

-2332ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

61

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〔血糖値との関係〕 [17 KS 1日量との関係〕

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第 II章総括並びに者按

300

250

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8 11 12吻匂

109

第 1項水利尿と諸因子

電解質との関係 水試験前値の尿中電解質排世

糖尿病K於ける水分代謝の問題殊に 1日尿量 量及び血察電解質濃度と水利尿の程度には一定の関

と水試験時の如き急激なる体液変動を惹起せしめ 係を認め難く試験前電解質量または濃度によって

た場合の水分代謝とは当然同一視得ないものがあ 水利尿は影響を受けない

ると思われる 血糖値との関係 血糖値と水利尿との聞には負

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2333ー

の関係を認めるが著明な過血糖を呈し PVRho- の遅速は一定でない乙れは血糖値の上昇せる為

danSpの増加を来たす様な症例は水 1L負荷にょ に ADH作用抑制によって起る水利尿反応が鈍化

つでも OsmoreceptorVolume receptorを介し され得る故であろう

て起る ADH分泌抑制の度が小となり水利尿反応 水利尿の良否lζ拘らず最大利尿発現時の遅延する

が少くなる為か尿量は極めて少ない過血糖中等度 症例は 17KS量の低値の例及び血疑 Na濃度が他

以下の症例は PVR対する影響も少く 尿量減少 の症例広比し高値を示す症例で何れも水利尿時の

の度も軽度である NaCl排世は殆んど尿量と関係なく減少している

17KS量との関係 17 KS 1日尿中排世量の増 電解質排世像は水利尿良好例に於いては健常例

加に従って尿量増加の傾向を認め特に過剰排世型 と異なり利尿発現初期に著明な Na排世のピーク

の傾向の認められる症例に 17KS量の増加を認め を見るこれは何れも 1日尿中 17KS排i世量増加例

るかかる症例は何れも GFRの増大と尿中 Na である遅延例工型は 17KS量の増加せる例少く

Clの排世増加を認めた例である 電解質排世も著明でなく略々健常例に近い排世像を

然し症例 13の如く 17KS量異常に高値で多尿 示す遅延E型は水排世遅延最も著明にも拘らず

lとより PV減少を呈せる脱水症例では水負荷によ 電解質排世像が良好例比類似して比較的著明な症例

りPVの変動は強く現われるが排世尿量は少い を認めるが ζれは 17KS量の増加を認める

叉著明な過血糖例及び症例 19の如く血疑 Na濃 更に症例 9612の如く 1日尿中 17KS排j世量

度が比較的高値の症例は間脳ー下垂体後葉系並びに 低値の症例は水分排世量に関係なく終始 Na排世

下垂骨前葉一副腎皮質系の内分泌機序の連関性の失 の増加が認められない以上の成績と過剰排世型を

調の為か 17KS量比較的増加しているにも拘ら 示す症例l乙1日尿中 17KS量の増加を認める事より

ず利尿は遅延する 考えれば水利尿時尿量の増加は GFRの良好なる

1日尿量との関係 一般に水利尿との相関を示 事と相侯って副腎皮質機能の比較的健全なるによる

す傾向にあるが特に過血糖を呈する症例及び異常 ものと考えられる唯し症例 13の如く 1日尿申 17

rc17KS量の増加せる症例に於いては前述の如く水 KS排世量の異常に高値の症例に於いても利尿初

利尿時の尿量を抑制する 期の Na排j世のピークは柏低く血媛 Na濃度の低

即ち 1日尿量lと於いては恒常的な腎機能及び 下も殆んど認めない場合もある

体液構成等の因子が関与し水利尿に於いては急 ClK の排世像も同様の傾向を示すが Na程著

激な PVの量及び質の変動が主要なる役割をなすも 明でない

のの如くである 以上を要約すれば血糖値の上昇例は最大利尿

体液構成との関係 PVの比較的増大している 時尿量を減ずるが最大利尿発現時聞に特に影響を

症例に於いて水利尿時尿量の抑制を認めるかか 認めない又 1日尿中 17KS増量例は電解質特に

る症例は著明な高血糖を呈し又は血緊 Na濃度の Na排粧を増加し利尿初期は特に著明である ζ

比較的高値の症例である れに反し 17KS量低値なるものは Na排世増加を認

腎クリアランス値との関係 GFRRPF共に めずそれに伴い最大利尿発現時を遅延せしめ最

水利尿の程度と精関係を認めるが前述の特に水利 大利尿時尿量も柏低下せしめる

尿を遅延せしめる因子の存在する症例に於ては腎 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比

機能の如何に拘らず水利尿時の尿量は少い尚 尿量は糖尿病例は柏減少し水利尿の遅延するに

Smith及び永峰(14)によれば稀釈試験時KGFR 従ってその排世比も柏増大する

RPFの変動は殆んど認められないと言われている 電解質排世量及び比共l乙水利尿の良否とは特に相

以上主要な水利尿遅延因子としては腎機能の 関を認めないが水利尿の良好例K排世量の増加を

良否は当然考えられるべきではあるが更に ADH 認める

並びに副腎皮質ホ Jレモンの分泌機序の異常も強く関 血糖値との関係はその上昇するにつれて水利尿時

1乙殊に甚しく叉l尿量は減少し著明な過血糖例 L与することを考慮しなければならな

第2項 水利尿時諸排世像 日尿中 17KS排世量は尿量との関係は軽度で電解

尿量の変動は水利尿良好例遅延例工型 n型 質殊に Na排世量との相関が明らかである乙れ

買に最大利尿時尿量の減少を認めるがその発現時)1の は血糖上昇の際は AD町分泌抑制が主で 17KS増

-2334- 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 6表 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

工 諸排i世量及び諸排世比

排 17 KS K 糖

水単独 水物単併独

ClNa尿薬

備 考水物単併独水単独用 薬水物単併独用薬水物単併独用症 薬用薬物併薬用併負荷用薬負荷物び

例『番比

物号

1164 050 3019 035 307 053 16 内 1321 041 141 067 1252071 4393 04814043

40 1148 019 3836 057 4964 050 1096 044

ブ 22 阿 O田1048 056 2003 118 3328 078 1237 067 ド

糖 1010 030 3951 091 6198 073 1570

40cc 13 木 O恵 前|1023 035 1677 120 2969 084 947

静 伊i 1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053

平均 11081 0531 2690 073 3446 063 11681056 141 067

除全遅 026 3006 031 12回511i022 224 054 四 a119 動脈血圧 150--72併例合延 17鈴 O

11391 1171 4147 077 3348 068 1380 108 330 086 硬化症眼底 K WJII 症

055 4334 051 12971040 265 054例例平 全例

11151 0661 3054 075 3422 064 12211068 240 0793 4 -

1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053除合併 均 症例 1108 053 2690 073 3446 063 1168 056 141 067

1370 049 5035 082 5890 087 1596 063 128 038

量及

良 8 立 972 077 2017 089 3996 068 1015 054 267 051

1089 118 3010 114好 9l市イ 1161 057 2375i 039 4969 039 037

096 1265 075 1229 074 3298官uシ平 均

ユ 1066 066 2196 058 4483 051 1939 041 2671051 リ

093 1140 064 650 029 2265 ン 硬化症 血圧 60~114

眼底 KWJI 11 小 O

1025 028 4465 06614998 091 1313 059 5u 遅

静 0752 6 4 |i曲胡00 374 057 4145 0761 49141071 1 5 87 2570 078 1将 O注

延例

-園平均

除全 メロL ou 併 除合併 症 症例

488 033 4598 0541 564 64057 12801 071 362 065

512 038 3205 13641 0621 264 075 hellip街lm756 030 4532 0601 5323 072 12961 0531 362 065

374 057 4145 4914071 075 075d4i

968 005

例例 平均

3 4匂圃4

4012801057 714054 56033 4598 488 362 065 61

4172 087 1314 061871 062 平 全例

911 049 059 4903 061 1618 315 058

944 071 3580 082 4605 086 1373 069 196 061 除合併 均 症例 873 059 2997 056 4871 053 1719 042 315 058

良 10891 11911562 103 好 市 304111

t列U9 0110161 17911705087 44601 13111212 1

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 K関する研究 ~2335ー

0959判 1岨15 C A

106 14171 033 48011063 10161 0641 321 083

938 051 1707 069 1163 054 1 88 1 24遅 18 椎 O

1018 1 25 1717 075 5067 095 1597 096 528 0805mg 圧底 KW 1

静 2558 093 3760

延 14姥 O 暖動 化 脈症(蛋血圧底白〔 120〕MBO注 8691 1 75 1864 057 3514 0671 1238 094 心筋障害眼 Kwn

852 074 2208 087 4369 087 1097 069 1 68 平ー均 ou除全 881 1 32 1666 054 4441 075 1284 086 425 081 玉メ口

併 除合併 947 058 2032 083 4674 082 1039 061 168 1 10症 症例例例 888 117 1567 053 4934 078 1306 082 425 081平均

911 085 4029 09 1 1056 076 168 1 10平 全例--

3 4

915 1 44 16761062 4446 087 1266 094 425 081

1876 088 1005 1 10除合併 均 症例 0941425 08138 1613064 4767i 092 12751 1

4276 0~83 1994 065 204 046 21 佐

1305~ 034 3563 048 5976 054 2283 037 255 029

T H

---

1245 056 3771 051 5438 051 1737 053 334 039 良 10立

1182 057 2324 045 4097 5421 45 076 280 066 チ

1034 1 15 9081 100 1623 087 259 011 1 78 029ソ好 5 池 O正

ン 眼底糖尿病性638 031 3226 01313201 034 1693 042 225 023 252 043 網膜炎

50 町 19例

1224 073 5709 084 7891 078 1784 066 266 058 178 029 平 均

内 1051 041 3038 033 4424 049 2040 050 253 041 252 043

服 除合併 1312 061 4024 067 5903 0印54111861541i 059

268 042

1243 044 2934 047 5036 054 2214yen 054 267 046例

遅延

症例 平均

--705 1 17 1154 074 1948 081 785 076 164 068三除日全』

19鵜 O1220 063 2328 076 6213 057 1705 063 232 079併 例

症例例 079 4570 084 1535 068 240 060 178 029

平 全例3 4 1093 046 2860 040 4872 052 1956 053 248 049 252 043 -- 1114 070 3067 068 4585 062 233 048除合併

均症例 1235 050 2738 054 5429 05512044 056 255 056

921 104 1345 097 792 072 066 103プ 6 染 O

900 05511504 036 2076 035 1161 039 1 39 049レ 遅ド

ーー 207 074 1 59 135ン 延 4中 O

867 129 5865 梅 毒 肝 腫A

25285655 0541051 26631057 6140571 56868 041 464515 mg

例 133 043 1190 8221053 070 045 g 渡 O内

初日--服

合除全 平

併症

例2例3 均_

414 012 1440 0211 23191 020 11 161018 1 53 031

640 1 09 2688 1 15 3736 1 16 12181094 1 14072 全例

727 040 2529 044 3347 039 16471042 149 044 8561252

527 095 1101 074 1507 073 068 068除合併症例 657 038 1472 029 21 97 027 11441028 146 039

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

出町

主昨

ゾ判〕

〔民本零時〕

〔認

E

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入ヘ

-5組椎

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-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

g

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回同入刊にふ

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〔匝誌零時〕

言語

ヨ昨

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〔匝芯零時〕

〔題

活性

キ毛

NW

E酬

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

-2318ー 千 葉医 学会 雑誌 第 35巻

第 2表 水利尿と諸検査成績 I 糖尿病例

年稀釈力試験 1日|尿中 好酸球雌値l血張中濃度 T

令 時尿量 cc 1824-GFR全 17K 減少率 Sp

症 例日tr2時全 尿量 1日量 一m一g一fd11 Na IK 合併症その他l間両量4時間 ccmgd a 4時間尿糖量一一一一一一一larr

Rho-

(2時間f--ICl 総蛋白 dan-RPF

別 間量量 dayl day Sp e

1将 45 239 241 296 1400 46 551 15173

374 1940 73合 135 (223) 833 1093 705 319 34972

57 467 判制 1450 39 528 14084 CEJ稀釈試験 2時間4前 NPH 733 2150 112 〕イ ン シ ュ リ ン U 皮下

合 266 (304)1 1531 1116 756 338 33573 注(不適〉

3渡 60 432 243 1400 39 560 12638

1860 合 ( 432) 350 1222 798 348 64906

4 中 49 379 366 241 1483 39 570 15780

867 1850 109 A梅毒 肝腫合 488 (223) 220 1185 852 277 85193

池 46 482 363 237 1483 38 468 11046副J血 尿血蛋圧白 (1十74)~96510 1034 1540 95 正 552 (189) 220 1074 763 276 566 腎症 眼底糖尿病性網膜炎

65 447 200 236 1443 36 390 11549

921 1360 15

474 (0) 300 1073 698 277

71き1213

299 210 626 9570 血圧 105--0915 1670 83 脚気 第二肺動脈音充進(267) 365 10791 317 31834

8 立 58 916 1533 465

1370 1540 77 281 I

453 (200)1 250 1150 783

9市 191 1457 44 420 10586

1089 1350 31 1(430) 591 120 1090 861 286 51230

+51~ 797 189 1557 475 必 71廿1245

448 ( 469) 200 1295 90 253 1605

53 502 514 175 1433 48 443 10108 動脈尿蛋白 i一〉11 650 2030 71

合 148 (514) 150 1116 783 317 44616硬化症血 圧匠 60--114 限 KW n

市 52 388 936叶 173 1325

12 31 548 20 1114 86 206

木 52 776 十110 164 1543 60 329 15100 13 1010 2370 193

恵 合 234 (40) 50 1191 822 224 41814

姥 70 270 232 158 1450 48 483 動脈 尿蛋白 (1ー20〉~

14 662 1290 63 ⑦硬化「 血 底圧 80合 392 (128) 270 1302 822 219 心障 筋碍 眠 KWII

勝 50 582 223 158 1414 43 435 11087 15 956 850 54

374 (278) 90 1278 822 195 50363

内 59 774 286 158 1433 39 12101 r yen

16 1160 1640 73 注 血 底圧 70--100 390 (229) 22 1100 744 -- 眼 KW工

鈴 58 497 482 41 403 8239 腎症尿蛋白 1(5十0~)72

17 820 1980 117 693 315 28935 動 脈 血 圧底

合 323 ( 447) 1081 1074 硬化症眼 KWlli

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2319-

18 椎52

49

200

(234)

157

70 12041 90

408

170 (尿血蛋白 (170~)90

402791~ 眼 圧底 KWI

19 鵜

54

325

380 705 73

(200)1 80

1567

1365

46

862

539

185

10024

68254

20 池

55

743

128 871

120

32

1500

1132

34

71

366

198

21 佐 48合

843

550 1393 1740

469 107

(405)

120

20

1550

1389

47

852

422

251

13260

65505

1|阿2210 合 3卜148 1620 5121m|附 365

(575)1 161 1067 783

E 健常例

年 尿量 cc 1日尿17K中S

好酸球 血糖値 血築中濃度 T

1824-GFR 令

前 全全 減少率 mgdl Sp

症例 尿量 1日量 Na 1 K Rho- 備 考

性 一22時時蚕間間~14時間 cc mgday 4時間 尿糖量 dan-RPF

5JJj 時間量

day (2時間) g Cl 総蛋白 Sp

1中 20 865 367

1139 1701 274 (ー) 280

2増 22 727 446

1065 1387 合 338 (一〉 321

3 出 26 1140 502

1295 1732 合 155 (一〉 286

4 山 28 845 583合 245

(一) 291

5鳥 24 1220

17821338 合 118 (--)

6岩 27 1210 101 1596 39 388 11155

1328 118 (一) 1037 938 3633 79350

7戸 32 1035

1094 1603

59 (一〉 994 835 13805

8 諸 47 860 1460 40 408

1029 -合 169 (一〉 1027 752 2913

9 菰 36 907 1457 48 386

1139 合 232 (-) 994 783 2600

金 22 932 51 10 1063

合 131 (一) 11080 823

斎 36 1013 1144 11 131

(ー〉

11NωNOs-

第 3 表 水利尿と諸検査成績(平均値〉

〔註尿中電解質は水試験前値J C合併症を有する例を除く)

電 解質そ の 他 (前値〉体液構成 腎「ク J 値 水利 尿

Na C1 K 糖 総蛋白

m血四iE援mqE尿UE中qI E血dIEg糖lf尿d a中y

m血d淫援r117KS Eosin 1日尿量

4時間T 1824 Rhodan

GFR RPF FF 尿 J主芸ELt 排世比 Space Space

mgday 一 cc cc

健常例 15113715154 JZグ内 1608 446 309 1037 5495 0201 11580 019

良好例

JfとfylM294 1687 402 259 1273 5476 0245 12030 051 (1000cc以上〉

糖 I工G群Bc

71Jケ m208 1056 397 209 1162 4532 0262 9244 068

遅 8J0ccー戸〆

尿延 E而群c とJケ叩 321 1653 550 284 1261 E604 0258 4040 084

病yen 以J下

仰1

こ7ケ明例 平均 264 1280 454 237 1212 5175 0259 7290 071

全例平均 lJJ381134A 631j 4104JflJブ 721 280 1470 434 246 1240 5309 0253 9502 059

H

部 ω印時

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2321-

る ADH抑制作用と異る点がある

Gauntは抗利尿ホノレモン (ADH)の分泌抑制及 即ち副腎皮質機能の充進は櫨過量の増大と尿細

び血中 ADHの不活性化は副腎皮質ホノレモンの充分 管K於ける水分電解質の調節異常に関与して多尿を

な存在によって促進されると述べている然し過血 来たすものと考へられる

糖に於ける多尿に際し NaCl排世量の増加が少

い事より過血糖の多尿は Osmotic diuresisの他 第3篇糖原病の水利用

ι 一定限界を超えた高血糖が血撲惨透圧を軽度に 合併症を有する 6例を含む糖尿病患者 22例に水

充進し Homer SmithVerney(13)等の言う Os- 1L負荷して稀釈力試験を行った

moreceptorを介して ADH 抑制作用を現わし多 合併症なき 15例中水利尿良好例(尿量 1000cc

尿を来たすものと考えられる然し多尿の原因とし 以上) 7例遅延例工型 (1000cc---800cc) 5例

て副腎皮質ホ Jレモンの関与がより強く考えられる 遅延例E型 (800cc以下) 3例を認め之等諸群と

即ち 17KS量と 1日尿量 GFRと1日尿量 17KS 健常例 11例とに就いて比較検討した

量と GFRは夫々極めてよく相関が認められる叉

17KS量増加に伴う多尿に於いては電解質殊に Na章 I章検査成績(第 2表〉

排世量の増加が特徴的であり穆透圧克進による 第 1項水利尿と諸因子(第3表第7図〉

第 7図 水利尿と諸因子 (合併症を有する例を除く) 管02

(由X羽 〈字調期X

x l(

X

X 0 )( 7

130-6

ex x

X

120-4 C主 x x

dpe 3

1

X

110-2

darr血 』ιτ京支~一一点尿 iooCC 400 600 -600 1000 賠ム 一ーy 600 800 1000 1200克 4時間床量

剛志e-ιmみ岡原ff

6 X

K

0尿血中衆林議浩度量(前値)

x

~ x

X

X x x xX

gtイ

メtimesx x x

4x x X

ち瓜

X

3

2

下〈 ラ〈

200記 40-0- 扇面一一一 600 -1000 1200- 200cO ---41fO 山内--800--1-00岡 0-----60

主主主-2322ー 千 葉 医 弓f- 会 雑 誌 第 35巻

事量 日 221 (ぷ 33訪世 J117 邑星 IKS三米 1-Jli ls

x 事|量 13

ι

2崎1ol-X )( x

22何0 x x 0

x2ω-50 ~ x

)0( G18ト-10 x

0)(

x

f件-JO 10

~)(X x

14()-20 浪

(syto

1 J r I1 10ro

121r 10

1 1 I 1I 1I _ 1 冊1k

f-ω i-nv -au

-nυム斗

ω144

〕山町

12ωAnn cnn Qnfyen400 600 ll山間U

VAG-

Ar-HG

~-

212尿 由

u

町内

I nn一~ 200ee

vLmWa

百尿量

c均 -2400 10

13 -

Os

QS

守 07

e 00 e

011 l 1 I I I I Ll_LIB

1 1 I 1 I I_j I J 1 I 1 200巴 40D 600 800 1000 1200 200 400 600 -~8-OO-- --1000 IlOO

T84-SP 60t-

RJr -sp

32 7

4串19 重 ~30

丘au

o 0

4色白

s 辺

19

2amp

20

司 JB 19

___ー ι _ 2000 400 600 BOO 1000 1200 20Q 400 600 800 1000 1200

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2323-

G RPFC41M1_

句々ωt

140

oOO

110

300

100

I ~ I L_____ー」ーよーし一一一larr 五百h200lt

I

lt 400 600 1200 200血 400 600 800 1000 1200

1電解質 試験前 1時間尿中の NaClK量及 2NaCl 健常例の NaCl排世像は水負荷

びその血撲濃度と水利尿との聞に相関は認められな 直後水利尿発現初期比軽微の排世増加を認め利尿

期には寧ろ排世減少し 3時聞をきの濃縮移行期lζ再

2血糖及び尿糖 水利尿と比較的よく負の関係 び電解質排世増加の最も高い時期となる糖尿病の

を認め著明な過血糖例の 4時間尿量は極めて少い 水利尿良好例に於いてもこれと略々同様の変動を示

3尿中 17KS1日排世量及び好酸球減少率 水 すが利尿初期の排世増加が著るしくなっている

利尿良好例には 17KS量の増加好酸球減少率の高 遅延例も良好例に類似した変動を示すがその変動

度なるものが多く過剰排世型の傾向を示す遅延 は極めて小さい

例E型K於いても 17KS量の増加好酸球減少率 良好例のうち症例 8102122遅延例 E型のう

の高値を示す傾向を認める o ち症例 1の如く著明な NaCl排世を認める症例

4 1日尿量 水利尿と 1日尿量との聞に明らか は何れも尿中 1日17KS排世量は比較的高値を示し

な関係を認め難いが異常な 17KS増量例及び著明 こ良好例のうち症例 9遅延工型の症例6は全4

な高血糖例を除けば水利尿の程度と 1日尿量とは 時聞を通じて NaCl排池ー量は低値を示しかかる

柏平行する傾向を認める 症例の 1日尿中 17KS排世量は最も低値で最大利

5体液構成 T 1824-Spaceが正常範囲内で 尿時尿量は低下し最大利尿発現時も遅延している

正常の上界値を示す症例に於いて水利尿は遅延E型 3 K 良好例及び遅延 E型のKの変動は健常

を示す Rhodan-Space Ir於いても同様の傾向を認 例に類似しているが遅延工型に於いてはKの排世

める は比較的少い

ι腎クリアランス 著明な過血糖例及び惨透圧 4 17KS及び好酸球減少率 水利尿良好例に於

上昇K伴う PV増大例及び異常な 17KS増量の 1例 ける水利尿時 17KS排世量及び好酸球減少率は最も

を除外したその他K於いては GFRRPFの増減 著明である

に応じて水利尿も増減する傾向を認めるが著明で 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比(第4表

ない 第5表)

第 2項水利尿時諸排世像(第8図) 1 諸排世量 (第9図)

1尿量 最大利尿時尿量は健常例が最も多く 尿量の糖尿病全例平均は健常例K比し減少を認め

以下水利尿の程度に従って順次低下し最大利尿発 る

現時も順次柏遅延の傾向を認める水利尿良好例及 NaCl は水利尿良好例に著明な排世量増加を認

び遅延例工型lとても最大利尿時尿量の比較的低下例 める遅延例E型も症例により排i世増加を認めるも

を認めるがかかる症例の最大利尿発現時の遅延は のもある

著明である 排世量の平均値では良好例に NaClの増加が著

-2324ー 千葉医 学会 雑誌 第35巻

00 cc

第 8図 水利尿時諸排世像(合併症を有する例を除く)

健常例 良好例

ーlsquo必21

mEq_lmEラ

2 1-iacute~ Il

10ト120

c1ワ

5

ト1

0

財政球減少率)

原中門院(||)

情M

a

o

n

ν

p

b

Aωnυ s

~A--ーー

--

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝花関する研究 -2325-

遅延例工型 遅 延 例 E 型

400ト cc

尿

9

1iし

也印

3

0

5判

M

一 2怠色ム-_ ---温lsquo邑---_-ldquo F

3

aTEFIl--r

m

1

0

A司

I~ ldquolsquo Jρ降lsquo

i ヘヘlsquoyen 一vlsquo日一ア一-笹居宮包日畠日-

A__-一 a

6ペへyenyenyenyen

yenろノIl ~lsquo~--也

好均時雨少苧

尿中 ηdM

-2326ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 4表 水利尿と諸排池ー量 工 糖尿病例

年 尿量 cc Na量 Cl量

KIIlE量q 17KS量 | 尿 糖 量

メHLmEq mEq mg g

症例目Ij

全前 l全 刷 全目Ij

全目IJ 全日Ij 全 合併症その他

f生 22時時後間間4時間|22時3問間時間1晶時間114時間22時時後間間 22時時後間間4時間占2時時後間間別 4時間 4時間

2879 151 144

135374 1791 4145 4914 1587 264

合 2035 595 113 113

2酒 57 467 2196 1803 601 036 H稀釈試験 2時間前4 NP

733 4795 4399 799 インシュリン u皮 合 266 2599 2596 198 145 下注射(不適)

60 93 11931065181I1 1669

538 048 709 822 070 772

合 40 423 284 022 063

4 中 3440 882 119 068

8194 2039 207 160 A 梅 毒 肝腫 合 488 4754 1157 088 092

池 46 482 4457 l別 869 125 138

510 1034 90811 111868 1623 259 179 腎症正 552 4624 5935 754 134 041

6染 65 447 683

792 033

921 1011 13 066 474 51 663 332 033

7浅 31 517

|「ど71 458

9151 111 1520 717 脚気 398 4141 1 649 259

916 2174 3138 093 1288) 0

1370 5035 589 1596 453 2260 2752 617 035

498 771 1405 464 9) 0

1089 1472 3010 933 591 701 1605 469

立 58 797 3589 1139 10 1245 3771 5438 334

448 1278 1849 598 095

53 502 1233 1496 693 082 067 11 650 2265 2875 1140 145 084 動脈硬化症 148 1032 1379 447 063 017

市 52 388 834 911 12 936 1743 3477 1977

548 909 1872 1066

木 52 776 2066

吋 lm13 1010 3951 6198 1570 百-三~ 合 234 1885 26151 1 599

蛇 70 270 662

1322 1887 654 動脈筋硬障化症14 2558 3760 1212 ⑦む 碍 合 392 1236 1873 558

582 956

1273 257q叫 535 076

15 2358 244

315013 9i6 148 374 1085 381 072

内 59 774 2162 944 200 16 1164 301 3168 1271 307 注 390 857 909 327 107 L J 眼底 KW工

17 820 410198 300 腎症 合 323 7 2221251079224060093動脈硬化症l|145110331オh1410ぺ|叶11|鈴

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝lと関する研兜 -2327ー

52 620 18 椎 (血底圧 170~901707 4335 11 6 318 651 注

眼 KWI041 1 4091764 ~17

54 325 662 097705 54 785 1 6419 0鵜 11 1 875 380 492 338 067 014

55 743 977 1915 415 20

池 128 871 2043 3315 800 1066 1400 385

48 843 2338 3796 1208 140 佐

21 42761393 6368 1994 204550 1938 2572 786 064合

2481lz卜147判|州|吋 E 健常例

年令尿量 cc

Na量 Cm1E量q KmE量q 17KS量 尿糖 量 mEq mg g

症例

22時時前後間間 4時且八間

別全

22時時i後iiJ間間 4時~間122 時時前後間間 4時一一A 間 22時2削聞間 4時~間 2J時前間問 4時こ八に間備 考

a別性 22時2「間目nl4時間

1 中 20 709 1752 855

2741 1139 1653 3212 1471 944 1460 616

2ぎ 22 727 1065

823 2683 724 1658 41 11 1638

合 338 835 1428 914

3出 26 1140 3422 1297

155 1295 4038 5682 2115

合 21 98 2260 818

4lU 28 845 988 21 99 630 1090 21 07 3899 986

合 245 11 19 1700 356

515 24 1220 1625 2034

1338 2571 31 1084 合 118 946 1144 382

1210 445 1077

1317 2162

371 1328 629 118 632 845 258

71~ 32 1035 725 1698 991

1094 1601 2217 11 84 59 876 519 193

8ぎ 47 860 737 1993 1 66 1029

603 1340 2703 236

合 169 710 070

9菰 36 907 1377

2605 2461 800

1139 3725 144 1合 232 1228 1264 64 1

金 22 932 726 1486 832 10 1063 1538 2412 1078

合 131 812 926 246

斎 36 1013 1957 478 739 11 1144 2812

539 1017 1188

131 855 449

-2328- 千 葉 医 学 ムヨミ 雑 誌 第 35巻

第 5表 排世量及び排j世比(後前)(平均値)(合併症を有する例を除く)

尿 主主ヨ豆lsquo Na Cl K 17KS

前川~stl 前 知 吋 比 前 2st門比全 4時 間 量 比 全 4時間量比 全 4時間量 全 4時間量 全 4時間量

974 184 1000 1019 2105 1226 737 449 061健常例 019 102 058

1158 2019 3331 1186

795 408 2153 1487 2997 1994 924 533 168 075 良好例 051 069 067 058 045

1203 3640 4991 1457 243

糖 工 555 368 913 868 1869 1628 621 513 064 069

群 066 095 087 083 107

遅 923 1781 3497 1134 133

尿 218E 185 1261 902 1650 1174 659 406 099 068

延群

084 072 071 061 069

病 404 2163 2824 1065 167

J1j 429 299 1042 881 1787 1458 635 473 082 068 平 070 084 082 074 084 例 均 728 1923 3245 1108 150

全例 600 350 1561 1164 2352 1708 769 501 058 075 073

065

1 187 061

平均 950 2725 4060 1270

白色

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48

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2329-

明で遅延E型に於いても Na排世量が柏増加する すlarr

傾向を示す Clは健常例 058糖尿病例 073で後半の増量がよ

KはClと略々類似せる傾向を認める り大である

17KS排j世は Na排世l乙略々平行するが如き傾向 Kは Clと類似の傾向を認めるが症例 12 1[於い

を示す ては117と著明な上昇を認める

2 諸排世比 (第 10図〉 1 諸排世量及び比と諸因子

水稀釈力試験時の各排世量の後半 2時間量l乙対す 諸排世量(第 11図〉尿量と血糖値との関係は中

る前半2時間量の比を以って排世比とした 等度以下の過血糖の症例lζ於いては血糖値の土井

尿量の平均排世比は健常例 019糖尿病例 058 氏伴う尿量の減少は軽微であるがj著明な過血糖例

で後半排世量増加を示し水利尿良好なもの程小で を呈せる症例は尿量は極めて少い 17KS 1日量と

あるがその関係は余り著明でない症例 6912 の関係に於いてはその増加している症例に精尿量

19の4例は排世比の上昇著明で10を越える の増加する傾向を認めるが著明でない

Na は健常例102糖尿病例 075で前半排世量の増 NaClKの電解質排世量と血糖値の関係は余り

加を見る症例 6912は10を越える排世比を示 明確でなL0 17 KS 1日量とは明らかに相関を認め

第 10図 水利尿と諸排世比 (合併症を有する例を除く)

N

ご~)(ltιε

Hmu 14 1井

12

X

原量

oAAOOX

01

o

x

09 x eβ

下〈

ldquo川附

QS 自由 X

且7x

e G

06-1-

05

H

04t

03+ x

02+ 02

01十

2boCC 400ωo 800 一一一一一1-LlOOO 1200 200 4 400

+ 800 iobo 1ゐ larr品

t 17 K ~宮

15

附H 11

3

2

1

0

8

0

l

Q

G

O

n

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A

3

a

v

q

G o o

C

F

3

4

J

e

G

3

202

01

200ζc 400 占ず4 市斗~1()~D----lLIUgrave~OL-l--- IToι ーふ0--+-市布~ 4時向原賢一』 4時間尿器-

-2330ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

る て電解質排世比の僅かの上昇を認め叉尿量排世

諸排世比(第 12図)諸排世比と血糖値との関係は 比に於いても 17KS減少例及び症例 19 K上昇を認

認め難く叉 17KS量との関係も一般に著明ではな める

いが 17KS 1日量の特に少い症例 69121乙於い

第 11図 排世量と諸因子 (合併症を有する例を除く)

〔血糖との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

gst

ePe

12m払 γ

J4

0

30

20

10ト

2 4 6 日 10

200 250 300

G

30

20 1

10ト

寸 250 4 8 10 12刊初ザ6 2 300

K

14

8十

oe

100π彬l(_ 150 lOO 250 却 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

ウ匂

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2331ー

〔血糖との関係〕 [17KS 1日量との関係〕ー

25ト

KSつιE

17

bull

1001113μ~ loO 甲 17 8 9 10 ( 3oo 2 3 4200 2DO 司司m-J2amphMd恥凶うー事

~I 6

51

尿

44 糖

3

o I 3

2

100iR 150 200 250 300 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12匂

第 12図 排世比と諸因子 (合併症を有する例を除く〉

〔血糖値との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

1amp

同 019

警08 s 07

0

ee o

05

邑4

3

Q2 112

01

ト 100向始H且 150 200 250 30ー15ー中 s4 5 6 7 白 ] 10 11 12叩拠ザ」 酔|ーム2tflf7K16 糖値

井1ト41

e 0611amp1

自書r

似し 2

100mJJtl 150

ト21

200 250 4 1030016+ 2 主判事l判

-2332ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

61

OJl卜

08ト

04

10

oq

17ω kS笛

04

1)2

01

尿

5(1

02

01

10

也4

03

〔血糖値との関係〕 [17 KS 1日量との関係〕

14

12

t 1Oo

8

09

Ob 0干

02

100明弘a 150

c0

100明 11 200rnJdl

150

10b夜間 200

第 II章総括並びに者按

300

250

Os06

一一一_L 250 300

lC

08

也6

Q4

2345amp789 叩 11 12匂勾

JSLJ一一よ 0 1 I 7 8 9 10 12閉め匂 11

G

一」一一よ一一J一一」一ーーーー-

8 11 12吻匂

109

第 1項水利尿と諸因子

電解質との関係 水試験前値の尿中電解質排世

糖尿病K於ける水分代謝の問題殊に 1日尿量 量及び血察電解質濃度と水利尿の程度には一定の関

と水試験時の如き急激なる体液変動を惹起せしめ 係を認め難く試験前電解質量または濃度によって

た場合の水分代謝とは当然同一視得ないものがあ 水利尿は影響を受けない

ると思われる 血糖値との関係 血糖値と水利尿との聞には負

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2333ー

の関係を認めるが著明な過血糖を呈し PVRho- の遅速は一定でない乙れは血糖値の上昇せる為

danSpの増加を来たす様な症例は水 1L負荷にょ に ADH作用抑制によって起る水利尿反応が鈍化

つでも OsmoreceptorVolume receptorを介し され得る故であろう

て起る ADH分泌抑制の度が小となり水利尿反応 水利尿の良否lζ拘らず最大利尿発現時の遅延する

が少くなる為か尿量は極めて少ない過血糖中等度 症例は 17KS量の低値の例及び血疑 Na濃度が他

以下の症例は PVR対する影響も少く 尿量減少 の症例広比し高値を示す症例で何れも水利尿時の

の度も軽度である NaCl排世は殆んど尿量と関係なく減少している

17KS量との関係 17 KS 1日尿中排世量の増 電解質排世像は水利尿良好例に於いては健常例

加に従って尿量増加の傾向を認め特に過剰排世型 と異なり利尿発現初期に著明な Na排世のピーク

の傾向の認められる症例に 17KS量の増加を認め を見るこれは何れも 1日尿中 17KS排i世量増加例

るかかる症例は何れも GFRの増大と尿中 Na である遅延例工型は 17KS量の増加せる例少く

Clの排世増加を認めた例である 電解質排世も著明でなく略々健常例に近い排世像を

然し症例 13の如く 17KS量異常に高値で多尿 示す遅延E型は水排世遅延最も著明にも拘らず

lとより PV減少を呈せる脱水症例では水負荷によ 電解質排世像が良好例比類似して比較的著明な症例

りPVの変動は強く現われるが排世尿量は少い を認めるが ζれは 17KS量の増加を認める

叉著明な過血糖例及び症例 19の如く血疑 Na濃 更に症例 9612の如く 1日尿中 17KS排j世量

度が比較的高値の症例は間脳ー下垂体後葉系並びに 低値の症例は水分排世量に関係なく終始 Na排世

下垂骨前葉一副腎皮質系の内分泌機序の連関性の失 の増加が認められない以上の成績と過剰排世型を

調の為か 17KS量比較的増加しているにも拘ら 示す症例l乙1日尿中 17KS量の増加を認める事より

ず利尿は遅延する 考えれば水利尿時尿量の増加は GFRの良好なる

1日尿量との関係 一般に水利尿との相関を示 事と相侯って副腎皮質機能の比較的健全なるによる

す傾向にあるが特に過血糖を呈する症例及び異常 ものと考えられる唯し症例 13の如く 1日尿申 17

rc17KS量の増加せる症例に於いては前述の如く水 KS排世量の異常に高値の症例に於いても利尿初

利尿時の尿量を抑制する 期の Na排j世のピークは柏低く血媛 Na濃度の低

即ち 1日尿量lと於いては恒常的な腎機能及び 下も殆んど認めない場合もある

体液構成等の因子が関与し水利尿に於いては急 ClK の排世像も同様の傾向を示すが Na程著

激な PVの量及び質の変動が主要なる役割をなすも 明でない

のの如くである 以上を要約すれば血糖値の上昇例は最大利尿

体液構成との関係 PVの比較的増大している 時尿量を減ずるが最大利尿発現時聞に特に影響を

症例に於いて水利尿時尿量の抑制を認めるかか 認めない又 1日尿中 17KS増量例は電解質特に

る症例は著明な高血糖を呈し又は血緊 Na濃度の Na排粧を増加し利尿初期は特に著明である ζ

比較的高値の症例である れに反し 17KS量低値なるものは Na排世増加を認

腎クリアランス値との関係 GFRRPF共に めずそれに伴い最大利尿発現時を遅延せしめ最

水利尿の程度と精関係を認めるが前述の特に水利 大利尿時尿量も柏低下せしめる

尿を遅延せしめる因子の存在する症例に於ては腎 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比

機能の如何に拘らず水利尿時の尿量は少い尚 尿量は糖尿病例は柏減少し水利尿の遅延するに

Smith及び永峰(14)によれば稀釈試験時KGFR 従ってその排世比も柏増大する

RPFの変動は殆んど認められないと言われている 電解質排世量及び比共l乙水利尿の良否とは特に相

以上主要な水利尿遅延因子としては腎機能の 関を認めないが水利尿の良好例K排世量の増加を

良否は当然考えられるべきではあるが更に ADH 認める

並びに副腎皮質ホ Jレモンの分泌機序の異常も強く関 血糖値との関係はその上昇するにつれて水利尿時

1乙殊に甚しく叉l尿量は減少し著明な過血糖例 L与することを考慮しなければならな

第2項 水利尿時諸排世像 日尿中 17KS排世量は尿量との関係は軽度で電解

尿量の変動は水利尿良好例遅延例工型 n型 質殊に Na排世量との相関が明らかである乙れ

買に最大利尿時尿量の減少を認めるがその発現時)1の は血糖上昇の際は AD町分泌抑制が主で 17KS増

-2334- 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 6表 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

工 諸排i世量及び諸排世比

排 17 KS K 糖

水単独 水物単併独

ClNa尿薬

備 考水物単併独水単独用 薬水物単併独用薬水物単併独用症 薬用薬物併薬用併負荷用薬負荷物び

例『番比

物号

1164 050 3019 035 307 053 16 内 1321 041 141 067 1252071 4393 04814043

40 1148 019 3836 057 4964 050 1096 044

ブ 22 阿 O田1048 056 2003 118 3328 078 1237 067 ド

糖 1010 030 3951 091 6198 073 1570

40cc 13 木 O恵 前|1023 035 1677 120 2969 084 947

静 伊i 1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053

平均 11081 0531 2690 073 3446 063 11681056 141 067

除全遅 026 3006 031 12回511i022 224 054 四 a119 動脈血圧 150--72併例合延 17鈴 O

11391 1171 4147 077 3348 068 1380 108 330 086 硬化症眼底 K WJII 症

055 4334 051 12971040 265 054例例平 全例

11151 0661 3054 075 3422 064 12211068 240 0793 4 -

1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053除合併 均 症例 1108 053 2690 073 3446 063 1168 056 141 067

1370 049 5035 082 5890 087 1596 063 128 038

量及

良 8 立 972 077 2017 089 3996 068 1015 054 267 051

1089 118 3010 114好 9l市イ 1161 057 2375i 039 4969 039 037

096 1265 075 1229 074 3298官uシ平 均

ユ 1066 066 2196 058 4483 051 1939 041 2671051 リ

093 1140 064 650 029 2265 ン 硬化症 血圧 60~114

眼底 KWJI 11 小 O

1025 028 4465 06614998 091 1313 059 5u 遅

静 0752 6 4 |i曲胡00 374 057 4145 0761 49141071 1 5 87 2570 078 1将 O注

延例

-園平均

除全 メロL ou 併 除合併 症 症例

488 033 4598 0541 564 64057 12801 071 362 065

512 038 3205 13641 0621 264 075 hellip街lm756 030 4532 0601 5323 072 12961 0531 362 065

374 057 4145 4914071 075 075d4i

968 005

例例 平均

3 4匂圃4

4012801057 714054 56033 4598 488 362 065 61

4172 087 1314 061871 062 平 全例

911 049 059 4903 061 1618 315 058

944 071 3580 082 4605 086 1373 069 196 061 除合併 均 症例 873 059 2997 056 4871 053 1719 042 315 058

良 10891 11911562 103 好 市 304111

t列U9 0110161 17911705087 44601 13111212 1

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 K関する研究 ~2335ー

0959判 1岨15 C A

106 14171 033 48011063 10161 0641 321 083

938 051 1707 069 1163 054 1 88 1 24遅 18 椎 O

1018 1 25 1717 075 5067 095 1597 096 528 0805mg 圧底 KW 1

静 2558 093 3760

延 14姥 O 暖動 化 脈症(蛋血圧底白〔 120〕MBO注 8691 1 75 1864 057 3514 0671 1238 094 心筋障害眼 Kwn

852 074 2208 087 4369 087 1097 069 1 68 平ー均 ou除全 881 1 32 1666 054 4441 075 1284 086 425 081 玉メ口

併 除合併 947 058 2032 083 4674 082 1039 061 168 1 10症 症例例例 888 117 1567 053 4934 078 1306 082 425 081平均

911 085 4029 09 1 1056 076 168 1 10平 全例--

3 4

915 1 44 16761062 4446 087 1266 094 425 081

1876 088 1005 1 10除合併 均 症例 0941425 08138 1613064 4767i 092 12751 1

4276 0~83 1994 065 204 046 21 佐

1305~ 034 3563 048 5976 054 2283 037 255 029

T H

---

1245 056 3771 051 5438 051 1737 053 334 039 良 10立

1182 057 2324 045 4097 5421 45 076 280 066 チ

1034 1 15 9081 100 1623 087 259 011 1 78 029ソ好 5 池 O正

ン 眼底糖尿病性638 031 3226 01313201 034 1693 042 225 023 252 043 網膜炎

50 町 19例

1224 073 5709 084 7891 078 1784 066 266 058 178 029 平 均

内 1051 041 3038 033 4424 049 2040 050 253 041 252 043

服 除合併 1312 061 4024 067 5903 0印54111861541i 059

268 042

1243 044 2934 047 5036 054 2214yen 054 267 046例

遅延

症例 平均

--705 1 17 1154 074 1948 081 785 076 164 068三除日全』

19鵜 O1220 063 2328 076 6213 057 1705 063 232 079併 例

症例例 079 4570 084 1535 068 240 060 178 029

平 全例3 4 1093 046 2860 040 4872 052 1956 053 248 049 252 043 -- 1114 070 3067 068 4585 062 233 048除合併

均症例 1235 050 2738 054 5429 05512044 056 255 056

921 104 1345 097 792 072 066 103プ 6 染 O

900 05511504 036 2076 035 1161 039 1 39 049レ 遅ド

ーー 207 074 1 59 135ン 延 4中 O

867 129 5865 梅 毒 肝 腫A

25285655 0541051 26631057 6140571 56868 041 464515 mg

例 133 043 1190 8221053 070 045 g 渡 O内

初日--服

合除全 平

併症

例2例3 均_

414 012 1440 0211 23191 020 11 161018 1 53 031

640 1 09 2688 1 15 3736 1 16 12181094 1 14072 全例

727 040 2529 044 3347 039 16471042 149 044 8561252

527 095 1101 074 1507 073 068 068除合併症例 657 038 1472 029 21 97 027 11441028 146 039

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

出町

主昨

ゾ判〕

〔民本零時〕

〔認

E

gom

ehln

入ヘ

-5組椎

続出入 5

吋ふ入

γ

N4

特〕

-S

-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

g

h-

軍区民主切

回同入刊にふ

思組権回出回国Hυ〈

〔匝誌零時〕

言語

ヨ昨

五円〕

〔匝芯零時〕

〔題

活性

キ毛

NW

E酬

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2319-

18 椎52

49

200

(234)

157

70 12041 90

408

170 (尿血蛋白 (170~)90

402791~ 眼 圧底 KWI

19 鵜

54

325

380 705 73

(200)1 80

1567

1365

46

862

539

185

10024

68254

20 池

55

743

128 871

120

32

1500

1132

34

71

366

198

21 佐 48合

843

550 1393 1740

469 107

(405)

120

20

1550

1389

47

852

422

251

13260

65505

1|阿2210 合 3卜148 1620 5121m|附 365

(575)1 161 1067 783

E 健常例

年 尿量 cc 1日尿17K中S

好酸球 血糖値 血築中濃度 T

1824-GFR 令

前 全全 減少率 mgdl Sp

症例 尿量 1日量 Na 1 K Rho- 備 考

性 一22時時蚕間間~14時間 cc mgday 4時間 尿糖量 dan-RPF

5JJj 時間量

day (2時間) g Cl 総蛋白 Sp

1中 20 865 367

1139 1701 274 (ー) 280

2増 22 727 446

1065 1387 合 338 (一〉 321

3 出 26 1140 502

1295 1732 合 155 (一〉 286

4 山 28 845 583合 245

(一) 291

5鳥 24 1220

17821338 合 118 (--)

6岩 27 1210 101 1596 39 388 11155

1328 118 (一) 1037 938 3633 79350

7戸 32 1035

1094 1603

59 (一〉 994 835 13805

8 諸 47 860 1460 40 408

1029 -合 169 (一〉 1027 752 2913

9 菰 36 907 1457 48 386

1139 合 232 (-) 994 783 2600

金 22 932 51 10 1063

合 131 (一) 11080 823

斎 36 1013 1144 11 131

(ー〉

11NωNOs-

第 3 表 水利尿と諸検査成績(平均値〉

〔註尿中電解質は水試験前値J C合併症を有する例を除く)

電 解質そ の 他 (前値〉体液構成 腎「ク J 値 水利 尿

Na C1 K 糖 総蛋白

m血四iE援mqE尿UE中qI E血dIEg糖lf尿d a中y

m血d淫援r117KS Eosin 1日尿量

4時間T 1824 Rhodan

GFR RPF FF 尿 J主芸ELt 排世比 Space Space

mgday 一 cc cc

健常例 15113715154 JZグ内 1608 446 309 1037 5495 0201 11580 019

良好例

JfとfylM294 1687 402 259 1273 5476 0245 12030 051 (1000cc以上〉

糖 I工G群Bc

71Jケ m208 1056 397 209 1162 4532 0262 9244 068

遅 8J0ccー戸〆

尿延 E而群c とJケ叩 321 1653 550 284 1261 E604 0258 4040 084

病yen 以J下

仰1

こ7ケ明例 平均 264 1280 454 237 1212 5175 0259 7290 071

全例平均 lJJ381134A 631j 4104JflJブ 721 280 1470 434 246 1240 5309 0253 9502 059

H

部 ω印時

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2321-

る ADH抑制作用と異る点がある

Gauntは抗利尿ホノレモン (ADH)の分泌抑制及 即ち副腎皮質機能の充進は櫨過量の増大と尿細

び血中 ADHの不活性化は副腎皮質ホノレモンの充分 管K於ける水分電解質の調節異常に関与して多尿を

な存在によって促進されると述べている然し過血 来たすものと考へられる

糖に於ける多尿に際し NaCl排世量の増加が少

い事より過血糖の多尿は Osmotic diuresisの他 第3篇糖原病の水利用

ι 一定限界を超えた高血糖が血撲惨透圧を軽度に 合併症を有する 6例を含む糖尿病患者 22例に水

充進し Homer SmithVerney(13)等の言う Os- 1L負荷して稀釈力試験を行った

moreceptorを介して ADH 抑制作用を現わし多 合併症なき 15例中水利尿良好例(尿量 1000cc

尿を来たすものと考えられる然し多尿の原因とし 以上) 7例遅延例工型 (1000cc---800cc) 5例

て副腎皮質ホ Jレモンの関与がより強く考えられる 遅延例E型 (800cc以下) 3例を認め之等諸群と

即ち 17KS量と 1日尿量 GFRと1日尿量 17KS 健常例 11例とに就いて比較検討した

量と GFRは夫々極めてよく相関が認められる叉

17KS量増加に伴う多尿に於いては電解質殊に Na章 I章検査成績(第 2表〉

排世量の増加が特徴的であり穆透圧克進による 第 1項水利尿と諸因子(第3表第7図〉

第 7図 水利尿と諸因子 (合併症を有する例を除く) 管02

(由X羽 〈字調期X

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剛志e-ιmみ岡原ff

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0尿血中衆林議浩度量(前値)

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主主主-2322ー 千 葉 医 弓f- 会 雑 誌 第 35巻

事量 日 221 (ぷ 33訪世 J117 邑星 IKS三米 1-Jli ls

x 事|量 13

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1 1 I 1 I I_j I J 1 I 1 200巴 40D 600 800 1000 1200 200 400 600 -~8-OO-- --1000 IlOO

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2323-

G RPFC41M1_

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lt 400 600 1200 200血 400 600 800 1000 1200

1電解質 試験前 1時間尿中の NaClK量及 2NaCl 健常例の NaCl排世像は水負荷

びその血撲濃度と水利尿との聞に相関は認められな 直後水利尿発現初期比軽微の排世増加を認め利尿

期には寧ろ排世減少し 3時聞をきの濃縮移行期lζ再

2血糖及び尿糖 水利尿と比較的よく負の関係 び電解質排世増加の最も高い時期となる糖尿病の

を認め著明な過血糖例の 4時間尿量は極めて少い 水利尿良好例に於いてもこれと略々同様の変動を示

3尿中 17KS1日排世量及び好酸球減少率 水 すが利尿初期の排世増加が著るしくなっている

利尿良好例には 17KS量の増加好酸球減少率の高 遅延例も良好例に類似した変動を示すがその変動

度なるものが多く過剰排世型の傾向を示す遅延 は極めて小さい

例E型K於いても 17KS量の増加好酸球減少率 良好例のうち症例 8102122遅延例 E型のう

の高値を示す傾向を認める o ち症例 1の如く著明な NaCl排世を認める症例

4 1日尿量 水利尿と 1日尿量との聞に明らか は何れも尿中 1日17KS排世量は比較的高値を示し

な関係を認め難いが異常な 17KS増量例及び著明 こ良好例のうち症例 9遅延工型の症例6は全4

な高血糖例を除けば水利尿の程度と 1日尿量とは 時聞を通じて NaCl排池ー量は低値を示しかかる

柏平行する傾向を認める 症例の 1日尿中 17KS排世量は最も低値で最大利

5体液構成 T 1824-Spaceが正常範囲内で 尿時尿量は低下し最大利尿発現時も遅延している

正常の上界値を示す症例に於いて水利尿は遅延E型 3 K 良好例及び遅延 E型のKの変動は健常

を示す Rhodan-Space Ir於いても同様の傾向を認 例に類似しているが遅延工型に於いてはKの排世

める は比較的少い

ι腎クリアランス 著明な過血糖例及び惨透圧 4 17KS及び好酸球減少率 水利尿良好例に於

上昇K伴う PV増大例及び異常な 17KS増量の 1例 ける水利尿時 17KS排世量及び好酸球減少率は最も

を除外したその他K於いては GFRRPFの増減 著明である

に応じて水利尿も増減する傾向を認めるが著明で 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比(第4表

ない 第5表)

第 2項水利尿時諸排世像(第8図) 1 諸排世量 (第9図)

1尿量 最大利尿時尿量は健常例が最も多く 尿量の糖尿病全例平均は健常例K比し減少を認め

以下水利尿の程度に従って順次低下し最大利尿発 る

現時も順次柏遅延の傾向を認める水利尿良好例及 NaCl は水利尿良好例に著明な排世量増加を認

び遅延例工型lとても最大利尿時尿量の比較的低下例 める遅延例E型も症例により排i世増加を認めるも

を認めるがかかる症例の最大利尿発現時の遅延は のもある

著明である 排世量の平均値では良好例に NaClの増加が著

-2324ー 千葉医 学会 雑誌 第35巻

00 cc

第 8図 水利尿時諸排世像(合併症を有する例を除く)

健常例 良好例

ーlsquo必21

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝花関する研究 -2325-

遅延例工型 遅 延 例 E 型

400ト cc

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尿中 ηdM

-2326ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 4表 水利尿と諸排池ー量 工 糖尿病例

年 尿量 cc Na量 Cl量

KIIlE量q 17KS量 | 尿 糖 量

メHLmEq mEq mg g

症例目Ij

全前 l全 刷 全目Ij

全目IJ 全日Ij 全 合併症その他

f生 22時時後間間4時間|22時3問間時間1晶時間114時間22時時後間間 22時時後間間4時間占2時時後間間別 4時間 4時間

2879 151 144

135374 1791 4145 4914 1587 264

合 2035 595 113 113

2酒 57 467 2196 1803 601 036 H稀釈試験 2時間前4 NP

733 4795 4399 799 インシュリン u皮 合 266 2599 2596 198 145 下注射(不適)

60 93 11931065181I1 1669

538 048 709 822 070 772

合 40 423 284 022 063

4 中 3440 882 119 068

8194 2039 207 160 A 梅 毒 肝腫 合 488 4754 1157 088 092

池 46 482 4457 l別 869 125 138

510 1034 90811 111868 1623 259 179 腎症正 552 4624 5935 754 134 041

6染 65 447 683

792 033

921 1011 13 066 474 51 663 332 033

7浅 31 517

|「ど71 458

9151 111 1520 717 脚気 398 4141 1 649 259

916 2174 3138 093 1288) 0

1370 5035 589 1596 453 2260 2752 617 035

498 771 1405 464 9) 0

1089 1472 3010 933 591 701 1605 469

立 58 797 3589 1139 10 1245 3771 5438 334

448 1278 1849 598 095

53 502 1233 1496 693 082 067 11 650 2265 2875 1140 145 084 動脈硬化症 148 1032 1379 447 063 017

市 52 388 834 911 12 936 1743 3477 1977

548 909 1872 1066

木 52 776 2066

吋 lm13 1010 3951 6198 1570 百-三~ 合 234 1885 26151 1 599

蛇 70 270 662

1322 1887 654 動脈筋硬障化症14 2558 3760 1212 ⑦む 碍 合 392 1236 1873 558

582 956

1273 257q叫 535 076

15 2358 244

315013 9i6 148 374 1085 381 072

内 59 774 2162 944 200 16 1164 301 3168 1271 307 注 390 857 909 327 107 L J 眼底 KW工

17 820 410198 300 腎症 合 323 7 2221251079224060093動脈硬化症l|145110331オh1410ぺ|叶11|鈴

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝lと関する研兜 -2327ー

52 620 18 椎 (血底圧 170~901707 4335 11 6 318 651 注

眼 KWI041 1 4091764 ~17

54 325 662 097705 54 785 1 6419 0鵜 11 1 875 380 492 338 067 014

55 743 977 1915 415 20

池 128 871 2043 3315 800 1066 1400 385

48 843 2338 3796 1208 140 佐

21 42761393 6368 1994 204550 1938 2572 786 064合

2481lz卜147判|州|吋 E 健常例

年令尿量 cc

Na量 Cm1E量q KmE量q 17KS量 尿糖 量 mEq mg g

症例

22時時前後間間 4時且八間

別全

22時時i後iiJ間間 4時~間122 時時前後間間 4時一一A 間 22時2削聞間 4時~間 2J時前間問 4時こ八に間備 考

a別性 22時2「間目nl4時間

1 中 20 709 1752 855

2741 1139 1653 3212 1471 944 1460 616

2ぎ 22 727 1065

823 2683 724 1658 41 11 1638

合 338 835 1428 914

3出 26 1140 3422 1297

155 1295 4038 5682 2115

合 21 98 2260 818

4lU 28 845 988 21 99 630 1090 21 07 3899 986

合 245 11 19 1700 356

515 24 1220 1625 2034

1338 2571 31 1084 合 118 946 1144 382

1210 445 1077

1317 2162

371 1328 629 118 632 845 258

71~ 32 1035 725 1698 991

1094 1601 2217 11 84 59 876 519 193

8ぎ 47 860 737 1993 1 66 1029

603 1340 2703 236

合 169 710 070

9菰 36 907 1377

2605 2461 800

1139 3725 144 1合 232 1228 1264 64 1

金 22 932 726 1486 832 10 1063 1538 2412 1078

合 131 812 926 246

斎 36 1013 1957 478 739 11 1144 2812

539 1017 1188

131 855 449

-2328- 千 葉 医 学 ムヨミ 雑 誌 第 35巻

第 5表 排世量及び排j世比(後前)(平均値)(合併症を有する例を除く)

尿 主主ヨ豆lsquo Na Cl K 17KS

前川~stl 前 知 吋 比 前 2st門比全 4時 間 量 比 全 4時間量比 全 4時間量 全 4時間量 全 4時間量

974 184 1000 1019 2105 1226 737 449 061健常例 019 102 058

1158 2019 3331 1186

795 408 2153 1487 2997 1994 924 533 168 075 良好例 051 069 067 058 045

1203 3640 4991 1457 243

糖 工 555 368 913 868 1869 1628 621 513 064 069

群 066 095 087 083 107

遅 923 1781 3497 1134 133

尿 218E 185 1261 902 1650 1174 659 406 099 068

延群

084 072 071 061 069

病 404 2163 2824 1065 167

J1j 429 299 1042 881 1787 1458 635 473 082 068 平 070 084 082 074 084 例 均 728 1923 3245 1108 150

全例 600 350 1561 1164 2352 1708 769 501 058 075 073

065

1 187 061

平均 950 2725 4060 1270

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48

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2329-

明で遅延E型に於いても Na排世量が柏増加する すlarr

傾向を示す Clは健常例 058糖尿病例 073で後半の増量がよ

KはClと略々類似せる傾向を認める り大である

17KS排j世は Na排世l乙略々平行するが如き傾向 Kは Clと類似の傾向を認めるが症例 12 1[於い

を示す ては117と著明な上昇を認める

2 諸排世比 (第 10図〉 1 諸排世量及び比と諸因子

水稀釈力試験時の各排世量の後半 2時間量l乙対す 諸排世量(第 11図〉尿量と血糖値との関係は中

る前半2時間量の比を以って排世比とした 等度以下の過血糖の症例lζ於いては血糖値の土井

尿量の平均排世比は健常例 019糖尿病例 058 氏伴う尿量の減少は軽微であるがj著明な過血糖例

で後半排世量増加を示し水利尿良好なもの程小で を呈せる症例は尿量は極めて少い 17KS 1日量と

あるがその関係は余り著明でない症例 6912 の関係に於いてはその増加している症例に精尿量

19の4例は排世比の上昇著明で10を越える の増加する傾向を認めるが著明でない

Na は健常例102糖尿病例 075で前半排世量の増 NaClKの電解質排世量と血糖値の関係は余り

加を見る症例 6912は10を越える排世比を示 明確でなL0 17 KS 1日量とは明らかに相関を認め

第 10図 水利尿と諸排世比 (合併症を有する例を除く)

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200ζc 400 占ず4 市斗~1()~D----lLIUgrave~OL-l--- IToι ーふ0--+-市布~ 4時向原賢一』 4時間尿器-

-2330ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

る て電解質排世比の僅かの上昇を認め叉尿量排世

諸排世比(第 12図)諸排世比と血糖値との関係は 比に於いても 17KS減少例及び症例 19 K上昇を認

認め難く叉 17KS量との関係も一般に著明ではな める

いが 17KS 1日量の特に少い症例 69121乙於い

第 11図 排世量と諸因子 (合併症を有する例を除く)

〔血糖との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

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2 4 6 日 10

200 250 300

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寸 250 4 8 10 12刊初ザ6 2 300

K

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100π彬l(_ 150 lOO 250 却 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

ウ匂

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2331ー

〔血糖との関係〕 [17KS 1日量との関係〕ー

25ト

KSつιE

17

bull

1001113μ~ loO 甲 17 8 9 10 ( 3oo 2 3 4200 2DO 司司m-J2amphMd恥凶うー事

~I 6

51

尿

44 糖

3

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100iR 150 200 250 300 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12匂

第 12図 排世比と諸因子 (合併症を有する例を除く〉

〔血糖値との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

1amp

同 019

警08 s 07

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邑4

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01

ト 100向始H且 150 200 250 30ー15ー中 s4 5 6 7 白 ] 10 11 12叩拠ザ」 酔|ーム2tflf7K16 糖値

井1ト41

e 0611amp1

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ト21

200 250 4 1030016+ 2 主判事l判

-2332ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

61

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08ト

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04

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尿

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03

〔血糖値との関係〕 [17 KS 1日量との関係〕

14

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8

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Ob 0干

02

100明弘a 150

c0

100明 11 200rnJdl

150

10b夜間 200

第 II章総括並びに者按

300

250

Os06

一一一_L 250 300

lC

08

也6

Q4

2345amp789 叩 11 12匂勾

JSLJ一一よ 0 1 I 7 8 9 10 12閉め匂 11

G

一」一一よ一一J一一」一ーーーー-

8 11 12吻匂

109

第 1項水利尿と諸因子

電解質との関係 水試験前値の尿中電解質排世

糖尿病K於ける水分代謝の問題殊に 1日尿量 量及び血察電解質濃度と水利尿の程度には一定の関

と水試験時の如き急激なる体液変動を惹起せしめ 係を認め難く試験前電解質量または濃度によって

た場合の水分代謝とは当然同一視得ないものがあ 水利尿は影響を受けない

ると思われる 血糖値との関係 血糖値と水利尿との聞には負

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2333ー

の関係を認めるが著明な過血糖を呈し PVRho- の遅速は一定でない乙れは血糖値の上昇せる為

danSpの増加を来たす様な症例は水 1L負荷にょ に ADH作用抑制によって起る水利尿反応が鈍化

つでも OsmoreceptorVolume receptorを介し され得る故であろう

て起る ADH分泌抑制の度が小となり水利尿反応 水利尿の良否lζ拘らず最大利尿発現時の遅延する

が少くなる為か尿量は極めて少ない過血糖中等度 症例は 17KS量の低値の例及び血疑 Na濃度が他

以下の症例は PVR対する影響も少く 尿量減少 の症例広比し高値を示す症例で何れも水利尿時の

の度も軽度である NaCl排世は殆んど尿量と関係なく減少している

17KS量との関係 17 KS 1日尿中排世量の増 電解質排世像は水利尿良好例に於いては健常例

加に従って尿量増加の傾向を認め特に過剰排世型 と異なり利尿発現初期に著明な Na排世のピーク

の傾向の認められる症例に 17KS量の増加を認め を見るこれは何れも 1日尿中 17KS排i世量増加例

るかかる症例は何れも GFRの増大と尿中 Na である遅延例工型は 17KS量の増加せる例少く

Clの排世増加を認めた例である 電解質排世も著明でなく略々健常例に近い排世像を

然し症例 13の如く 17KS量異常に高値で多尿 示す遅延E型は水排世遅延最も著明にも拘らず

lとより PV減少を呈せる脱水症例では水負荷によ 電解質排世像が良好例比類似して比較的著明な症例

りPVの変動は強く現われるが排世尿量は少い を認めるが ζれは 17KS量の増加を認める

叉著明な過血糖例及び症例 19の如く血疑 Na濃 更に症例 9612の如く 1日尿中 17KS排j世量

度が比較的高値の症例は間脳ー下垂体後葉系並びに 低値の症例は水分排世量に関係なく終始 Na排世

下垂骨前葉一副腎皮質系の内分泌機序の連関性の失 の増加が認められない以上の成績と過剰排世型を

調の為か 17KS量比較的増加しているにも拘ら 示す症例l乙1日尿中 17KS量の増加を認める事より

ず利尿は遅延する 考えれば水利尿時尿量の増加は GFRの良好なる

1日尿量との関係 一般に水利尿との相関を示 事と相侯って副腎皮質機能の比較的健全なるによる

す傾向にあるが特に過血糖を呈する症例及び異常 ものと考えられる唯し症例 13の如く 1日尿申 17

rc17KS量の増加せる症例に於いては前述の如く水 KS排世量の異常に高値の症例に於いても利尿初

利尿時の尿量を抑制する 期の Na排j世のピークは柏低く血媛 Na濃度の低

即ち 1日尿量lと於いては恒常的な腎機能及び 下も殆んど認めない場合もある

体液構成等の因子が関与し水利尿に於いては急 ClK の排世像も同様の傾向を示すが Na程著

激な PVの量及び質の変動が主要なる役割をなすも 明でない

のの如くである 以上を要約すれば血糖値の上昇例は最大利尿

体液構成との関係 PVの比較的増大している 時尿量を減ずるが最大利尿発現時聞に特に影響を

症例に於いて水利尿時尿量の抑制を認めるかか 認めない又 1日尿中 17KS増量例は電解質特に

る症例は著明な高血糖を呈し又は血緊 Na濃度の Na排粧を増加し利尿初期は特に著明である ζ

比較的高値の症例である れに反し 17KS量低値なるものは Na排世増加を認

腎クリアランス値との関係 GFRRPF共に めずそれに伴い最大利尿発現時を遅延せしめ最

水利尿の程度と精関係を認めるが前述の特に水利 大利尿時尿量も柏低下せしめる

尿を遅延せしめる因子の存在する症例に於ては腎 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比

機能の如何に拘らず水利尿時の尿量は少い尚 尿量は糖尿病例は柏減少し水利尿の遅延するに

Smith及び永峰(14)によれば稀釈試験時KGFR 従ってその排世比も柏増大する

RPFの変動は殆んど認められないと言われている 電解質排世量及び比共l乙水利尿の良否とは特に相

以上主要な水利尿遅延因子としては腎機能の 関を認めないが水利尿の良好例K排世量の増加を

良否は当然考えられるべきではあるが更に ADH 認める

並びに副腎皮質ホ Jレモンの分泌機序の異常も強く関 血糖値との関係はその上昇するにつれて水利尿時

1乙殊に甚しく叉l尿量は減少し著明な過血糖例 L与することを考慮しなければならな

第2項 水利尿時諸排世像 日尿中 17KS排世量は尿量との関係は軽度で電解

尿量の変動は水利尿良好例遅延例工型 n型 質殊に Na排世量との相関が明らかである乙れ

買に最大利尿時尿量の減少を認めるがその発現時)1の は血糖上昇の際は AD町分泌抑制が主で 17KS増

-2334- 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 6表 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

工 諸排i世量及び諸排世比

排 17 KS K 糖

水単独 水物単併独

ClNa尿薬

備 考水物単併独水単独用 薬水物単併独用薬水物単併独用症 薬用薬物併薬用併負荷用薬負荷物び

例『番比

物号

1164 050 3019 035 307 053 16 内 1321 041 141 067 1252071 4393 04814043

40 1148 019 3836 057 4964 050 1096 044

ブ 22 阿 O田1048 056 2003 118 3328 078 1237 067 ド

糖 1010 030 3951 091 6198 073 1570

40cc 13 木 O恵 前|1023 035 1677 120 2969 084 947

静 伊i 1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053

平均 11081 0531 2690 073 3446 063 11681056 141 067

除全遅 026 3006 031 12回511i022 224 054 四 a119 動脈血圧 150--72併例合延 17鈴 O

11391 1171 4147 077 3348 068 1380 108 330 086 硬化症眼底 K WJII 症

055 4334 051 12971040 265 054例例平 全例

11151 0661 3054 075 3422 064 12211068 240 0793 4 -

1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053除合併 均 症例 1108 053 2690 073 3446 063 1168 056 141 067

1370 049 5035 082 5890 087 1596 063 128 038

量及

良 8 立 972 077 2017 089 3996 068 1015 054 267 051

1089 118 3010 114好 9l市イ 1161 057 2375i 039 4969 039 037

096 1265 075 1229 074 3298官uシ平 均

ユ 1066 066 2196 058 4483 051 1939 041 2671051 リ

093 1140 064 650 029 2265 ン 硬化症 血圧 60~114

眼底 KWJI 11 小 O

1025 028 4465 06614998 091 1313 059 5u 遅

静 0752 6 4 |i曲胡00 374 057 4145 0761 49141071 1 5 87 2570 078 1将 O注

延例

-園平均

除全 メロL ou 併 除合併 症 症例

488 033 4598 0541 564 64057 12801 071 362 065

512 038 3205 13641 0621 264 075 hellip街lm756 030 4532 0601 5323 072 12961 0531 362 065

374 057 4145 4914071 075 075d4i

968 005

例例 平均

3 4匂圃4

4012801057 714054 56033 4598 488 362 065 61

4172 087 1314 061871 062 平 全例

911 049 059 4903 061 1618 315 058

944 071 3580 082 4605 086 1373 069 196 061 除合併 均 症例 873 059 2997 056 4871 053 1719 042 315 058

良 10891 11911562 103 好 市 304111

t列U9 0110161 17911705087 44601 13111212 1

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 K関する研究 ~2335ー

0959判 1岨15 C A

106 14171 033 48011063 10161 0641 321 083

938 051 1707 069 1163 054 1 88 1 24遅 18 椎 O

1018 1 25 1717 075 5067 095 1597 096 528 0805mg 圧底 KW 1

静 2558 093 3760

延 14姥 O 暖動 化 脈症(蛋血圧底白〔 120〕MBO注 8691 1 75 1864 057 3514 0671 1238 094 心筋障害眼 Kwn

852 074 2208 087 4369 087 1097 069 1 68 平ー均 ou除全 881 1 32 1666 054 4441 075 1284 086 425 081 玉メ口

併 除合併 947 058 2032 083 4674 082 1039 061 168 1 10症 症例例例 888 117 1567 053 4934 078 1306 082 425 081平均

911 085 4029 09 1 1056 076 168 1 10平 全例--

3 4

915 1 44 16761062 4446 087 1266 094 425 081

1876 088 1005 1 10除合併 均 症例 0941425 08138 1613064 4767i 092 12751 1

4276 0~83 1994 065 204 046 21 佐

1305~ 034 3563 048 5976 054 2283 037 255 029

T H

---

1245 056 3771 051 5438 051 1737 053 334 039 良 10立

1182 057 2324 045 4097 5421 45 076 280 066 チ

1034 1 15 9081 100 1623 087 259 011 1 78 029ソ好 5 池 O正

ン 眼底糖尿病性638 031 3226 01313201 034 1693 042 225 023 252 043 網膜炎

50 町 19例

1224 073 5709 084 7891 078 1784 066 266 058 178 029 平 均

内 1051 041 3038 033 4424 049 2040 050 253 041 252 043

服 除合併 1312 061 4024 067 5903 0印54111861541i 059

268 042

1243 044 2934 047 5036 054 2214yen 054 267 046例

遅延

症例 平均

--705 1 17 1154 074 1948 081 785 076 164 068三除日全』

19鵜 O1220 063 2328 076 6213 057 1705 063 232 079併 例

症例例 079 4570 084 1535 068 240 060 178 029

平 全例3 4 1093 046 2860 040 4872 052 1956 053 248 049 252 043 -- 1114 070 3067 068 4585 062 233 048除合併

均症例 1235 050 2738 054 5429 05512044 056 255 056

921 104 1345 097 792 072 066 103プ 6 染 O

900 05511504 036 2076 035 1161 039 1 39 049レ 遅ド

ーー 207 074 1 59 135ン 延 4中 O

867 129 5865 梅 毒 肝 腫A

25285655 0541051 26631057 6140571 56868 041 464515 mg

例 133 043 1190 8221053 070 045 g 渡 O内

初日--服

合除全 平

併症

例2例3 均_

414 012 1440 0211 23191 020 11 161018 1 53 031

640 1 09 2688 1 15 3736 1 16 12181094 1 14072 全例

727 040 2529 044 3347 039 16471042 149 044 8561252

527 095 1101 074 1507 073 068 068除合併症例 657 038 1472 029 21 97 027 11441028 146 039

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

出町

主昨

ゾ判〕

〔民本零時〕

〔認

E

gom

ehln

入ヘ

-5組椎

続出入 5

吋ふ入

γ

N4

特〕

-S

-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

g

h-

軍区民主切

回同入刊にふ

思組権回出回国Hυ〈

〔匝誌零時〕

言語

ヨ昨

五円〕

〔匝芯零時〕

〔題

活性

キ毛

NW

E酬

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

11NωNOs-

第 3 表 水利尿と諸検査成績(平均値〉

〔註尿中電解質は水試験前値J C合併症を有する例を除く)

電 解質そ の 他 (前値〉体液構成 腎「ク J 値 水利 尿

Na C1 K 糖 総蛋白

m血四iE援mqE尿UE中qI E血dIEg糖lf尿d a中y

m血d淫援r117KS Eosin 1日尿量

4時間T 1824 Rhodan

GFR RPF FF 尿 J主芸ELt 排世比 Space Space

mgday 一 cc cc

健常例 15113715154 JZグ内 1608 446 309 1037 5495 0201 11580 019

良好例

JfとfylM294 1687 402 259 1273 5476 0245 12030 051 (1000cc以上〉

糖 I工G群Bc

71Jケ m208 1056 397 209 1162 4532 0262 9244 068

遅 8J0ccー戸〆

尿延 E而群c とJケ叩 321 1653 550 284 1261 E604 0258 4040 084

病yen 以J下

仰1

こ7ケ明例 平均 264 1280 454 237 1212 5175 0259 7290 071

全例平均 lJJ381134A 631j 4104JflJブ 721 280 1470 434 246 1240 5309 0253 9502 059

H

部 ω印時

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2321-

る ADH抑制作用と異る点がある

Gauntは抗利尿ホノレモン (ADH)の分泌抑制及 即ち副腎皮質機能の充進は櫨過量の増大と尿細

び血中 ADHの不活性化は副腎皮質ホノレモンの充分 管K於ける水分電解質の調節異常に関与して多尿を

な存在によって促進されると述べている然し過血 来たすものと考へられる

糖に於ける多尿に際し NaCl排世量の増加が少

い事より過血糖の多尿は Osmotic diuresisの他 第3篇糖原病の水利用

ι 一定限界を超えた高血糖が血撲惨透圧を軽度に 合併症を有する 6例を含む糖尿病患者 22例に水

充進し Homer SmithVerney(13)等の言う Os- 1L負荷して稀釈力試験を行った

moreceptorを介して ADH 抑制作用を現わし多 合併症なき 15例中水利尿良好例(尿量 1000cc

尿を来たすものと考えられる然し多尿の原因とし 以上) 7例遅延例工型 (1000cc---800cc) 5例

て副腎皮質ホ Jレモンの関与がより強く考えられる 遅延例E型 (800cc以下) 3例を認め之等諸群と

即ち 17KS量と 1日尿量 GFRと1日尿量 17KS 健常例 11例とに就いて比較検討した

量と GFRは夫々極めてよく相関が認められる叉

17KS量増加に伴う多尿に於いては電解質殊に Na章 I章検査成績(第 2表〉

排世量の増加が特徴的であり穆透圧克進による 第 1項水利尿と諸因子(第3表第7図〉

第 7図 水利尿と諸因子 (合併症を有する例を除く) 管02

(由X羽 〈字調期X

x l(

X

X 0 )( 7

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110-2

darr血 』ιτ京支~一一点尿 iooCC 400 600 -600 1000 賠ム 一ーy 600 800 1000 1200克 4時間床量

剛志e-ιmみ岡原ff

6 X

K

0尿血中衆林議浩度量(前値)

x

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X

X x x xX

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4x x X

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X

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200記 40-0- 扇面一一一 600 -1000 1200- 200cO ---41fO 山内--800--1-00岡 0-----60

主主主-2322ー 千 葉 医 弓f- 会 雑 誌 第 35巻

事量 日 221 (ぷ 33訪世 J117 邑星 IKS三米 1-Jli ls

x 事|量 13

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1 1 I 1 I I_j I J 1 I 1 200巴 40D 600 800 1000 1200 200 400 600 -~8-OO-- --1000 IlOO

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2323-

G RPFC41M1_

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I ~ I L_____ー」ーよーし一一一larr 五百h200lt

I

lt 400 600 1200 200血 400 600 800 1000 1200

1電解質 試験前 1時間尿中の NaClK量及 2NaCl 健常例の NaCl排世像は水負荷

びその血撲濃度と水利尿との聞に相関は認められな 直後水利尿発現初期比軽微の排世増加を認め利尿

期には寧ろ排世減少し 3時聞をきの濃縮移行期lζ再

2血糖及び尿糖 水利尿と比較的よく負の関係 び電解質排世増加の最も高い時期となる糖尿病の

を認め著明な過血糖例の 4時間尿量は極めて少い 水利尿良好例に於いてもこれと略々同様の変動を示

3尿中 17KS1日排世量及び好酸球減少率 水 すが利尿初期の排世増加が著るしくなっている

利尿良好例には 17KS量の増加好酸球減少率の高 遅延例も良好例に類似した変動を示すがその変動

度なるものが多く過剰排世型の傾向を示す遅延 は極めて小さい

例E型K於いても 17KS量の増加好酸球減少率 良好例のうち症例 8102122遅延例 E型のう

の高値を示す傾向を認める o ち症例 1の如く著明な NaCl排世を認める症例

4 1日尿量 水利尿と 1日尿量との聞に明らか は何れも尿中 1日17KS排世量は比較的高値を示し

な関係を認め難いが異常な 17KS増量例及び著明 こ良好例のうち症例 9遅延工型の症例6は全4

な高血糖例を除けば水利尿の程度と 1日尿量とは 時聞を通じて NaCl排池ー量は低値を示しかかる

柏平行する傾向を認める 症例の 1日尿中 17KS排世量は最も低値で最大利

5体液構成 T 1824-Spaceが正常範囲内で 尿時尿量は低下し最大利尿発現時も遅延している

正常の上界値を示す症例に於いて水利尿は遅延E型 3 K 良好例及び遅延 E型のKの変動は健常

を示す Rhodan-Space Ir於いても同様の傾向を認 例に類似しているが遅延工型に於いてはKの排世

める は比較的少い

ι腎クリアランス 著明な過血糖例及び惨透圧 4 17KS及び好酸球減少率 水利尿良好例に於

上昇K伴う PV増大例及び異常な 17KS増量の 1例 ける水利尿時 17KS排世量及び好酸球減少率は最も

を除外したその他K於いては GFRRPFの増減 著明である

に応じて水利尿も増減する傾向を認めるが著明で 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比(第4表

ない 第5表)

第 2項水利尿時諸排世像(第8図) 1 諸排世量 (第9図)

1尿量 最大利尿時尿量は健常例が最も多く 尿量の糖尿病全例平均は健常例K比し減少を認め

以下水利尿の程度に従って順次低下し最大利尿発 る

現時も順次柏遅延の傾向を認める水利尿良好例及 NaCl は水利尿良好例に著明な排世量増加を認

び遅延例工型lとても最大利尿時尿量の比較的低下例 める遅延例E型も症例により排i世増加を認めるも

を認めるがかかる症例の最大利尿発現時の遅延は のもある

著明である 排世量の平均値では良好例に NaClの増加が著

-2324ー 千葉医 学会 雑誌 第35巻

00 cc

第 8図 水利尿時諸排世像(合併症を有する例を除く)

健常例 良好例

ーlsquo必21

mEq_lmEラ

2 1-iacute~ Il

10ト120

c1ワ

5

ト1

0

財政球減少率)

原中門院(||)

情M

a

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ν

p

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~A--ーー

--

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝花関する研究 -2325-

遅延例工型 遅 延 例 E 型

400ト cc

尿

9

1iし

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yenろノIl ~lsquo~--也

好均時雨少苧

尿中 ηdM

-2326ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 4表 水利尿と諸排池ー量 工 糖尿病例

年 尿量 cc Na量 Cl量

KIIlE量q 17KS量 | 尿 糖 量

メHLmEq mEq mg g

症例目Ij

全前 l全 刷 全目Ij

全目IJ 全日Ij 全 合併症その他

f生 22時時後間間4時間|22時3問間時間1晶時間114時間22時時後間間 22時時後間間4時間占2時時後間間別 4時間 4時間

2879 151 144

135374 1791 4145 4914 1587 264

合 2035 595 113 113

2酒 57 467 2196 1803 601 036 H稀釈試験 2時間前4 NP

733 4795 4399 799 インシュリン u皮 合 266 2599 2596 198 145 下注射(不適)

60 93 11931065181I1 1669

538 048 709 822 070 772

合 40 423 284 022 063

4 中 3440 882 119 068

8194 2039 207 160 A 梅 毒 肝腫 合 488 4754 1157 088 092

池 46 482 4457 l別 869 125 138

510 1034 90811 111868 1623 259 179 腎症正 552 4624 5935 754 134 041

6染 65 447 683

792 033

921 1011 13 066 474 51 663 332 033

7浅 31 517

|「ど71 458

9151 111 1520 717 脚気 398 4141 1 649 259

916 2174 3138 093 1288) 0

1370 5035 589 1596 453 2260 2752 617 035

498 771 1405 464 9) 0

1089 1472 3010 933 591 701 1605 469

立 58 797 3589 1139 10 1245 3771 5438 334

448 1278 1849 598 095

53 502 1233 1496 693 082 067 11 650 2265 2875 1140 145 084 動脈硬化症 148 1032 1379 447 063 017

市 52 388 834 911 12 936 1743 3477 1977

548 909 1872 1066

木 52 776 2066

吋 lm13 1010 3951 6198 1570 百-三~ 合 234 1885 26151 1 599

蛇 70 270 662

1322 1887 654 動脈筋硬障化症14 2558 3760 1212 ⑦む 碍 合 392 1236 1873 558

582 956

1273 257q叫 535 076

15 2358 244

315013 9i6 148 374 1085 381 072

内 59 774 2162 944 200 16 1164 301 3168 1271 307 注 390 857 909 327 107 L J 眼底 KW工

17 820 410198 300 腎症 合 323 7 2221251079224060093動脈硬化症l|145110331オh1410ぺ|叶11|鈴

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝lと関する研兜 -2327ー

52 620 18 椎 (血底圧 170~901707 4335 11 6 318 651 注

眼 KWI041 1 4091764 ~17

54 325 662 097705 54 785 1 6419 0鵜 11 1 875 380 492 338 067 014

55 743 977 1915 415 20

池 128 871 2043 3315 800 1066 1400 385

48 843 2338 3796 1208 140 佐

21 42761393 6368 1994 204550 1938 2572 786 064合

2481lz卜147判|州|吋 E 健常例

年令尿量 cc

Na量 Cm1E量q KmE量q 17KS量 尿糖 量 mEq mg g

症例

22時時前後間間 4時且八間

別全

22時時i後iiJ間間 4時~間122 時時前後間間 4時一一A 間 22時2削聞間 4時~間 2J時前間問 4時こ八に間備 考

a別性 22時2「間目nl4時間

1 中 20 709 1752 855

2741 1139 1653 3212 1471 944 1460 616

2ぎ 22 727 1065

823 2683 724 1658 41 11 1638

合 338 835 1428 914

3出 26 1140 3422 1297

155 1295 4038 5682 2115

合 21 98 2260 818

4lU 28 845 988 21 99 630 1090 21 07 3899 986

合 245 11 19 1700 356

515 24 1220 1625 2034

1338 2571 31 1084 合 118 946 1144 382

1210 445 1077

1317 2162

371 1328 629 118 632 845 258

71~ 32 1035 725 1698 991

1094 1601 2217 11 84 59 876 519 193

8ぎ 47 860 737 1993 1 66 1029

603 1340 2703 236

合 169 710 070

9菰 36 907 1377

2605 2461 800

1139 3725 144 1合 232 1228 1264 64 1

金 22 932 726 1486 832 10 1063 1538 2412 1078

合 131 812 926 246

斎 36 1013 1957 478 739 11 1144 2812

539 1017 1188

131 855 449

-2328- 千 葉 医 学 ムヨミ 雑 誌 第 35巻

第 5表 排世量及び排j世比(後前)(平均値)(合併症を有する例を除く)

尿 主主ヨ豆lsquo Na Cl K 17KS

前川~stl 前 知 吋 比 前 2st門比全 4時 間 量 比 全 4時間量比 全 4時間量 全 4時間量 全 4時間量

974 184 1000 1019 2105 1226 737 449 061健常例 019 102 058

1158 2019 3331 1186

795 408 2153 1487 2997 1994 924 533 168 075 良好例 051 069 067 058 045

1203 3640 4991 1457 243

糖 工 555 368 913 868 1869 1628 621 513 064 069

群 066 095 087 083 107

遅 923 1781 3497 1134 133

尿 218E 185 1261 902 1650 1174 659 406 099 068

延群

084 072 071 061 069

病 404 2163 2824 1065 167

J1j 429 299 1042 881 1787 1458 635 473 082 068 平 070 084 082 074 084 例 均 728 1923 3245 1108 150

全例 600 350 1561 1164 2352 1708 769 501 058 075 073

065

1 187 061

平均 950 2725 4060 1270

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48

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2329-

明で遅延E型に於いても Na排世量が柏増加する すlarr

傾向を示す Clは健常例 058糖尿病例 073で後半の増量がよ

KはClと略々類似せる傾向を認める り大である

17KS排j世は Na排世l乙略々平行するが如き傾向 Kは Clと類似の傾向を認めるが症例 12 1[於い

を示す ては117と著明な上昇を認める

2 諸排世比 (第 10図〉 1 諸排世量及び比と諸因子

水稀釈力試験時の各排世量の後半 2時間量l乙対す 諸排世量(第 11図〉尿量と血糖値との関係は中

る前半2時間量の比を以って排世比とした 等度以下の過血糖の症例lζ於いては血糖値の土井

尿量の平均排世比は健常例 019糖尿病例 058 氏伴う尿量の減少は軽微であるがj著明な過血糖例

で後半排世量増加を示し水利尿良好なもの程小で を呈せる症例は尿量は極めて少い 17KS 1日量と

あるがその関係は余り著明でない症例 6912 の関係に於いてはその増加している症例に精尿量

19の4例は排世比の上昇著明で10を越える の増加する傾向を認めるが著明でない

Na は健常例102糖尿病例 075で前半排世量の増 NaClKの電解質排世量と血糖値の関係は余り

加を見る症例 6912は10を越える排世比を示 明確でなL0 17 KS 1日量とは明らかに相関を認め

第 10図 水利尿と諸排世比 (合併症を有する例を除く)

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12

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-2330ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

る て電解質排世比の僅かの上昇を認め叉尿量排世

諸排世比(第 12図)諸排世比と血糖値との関係は 比に於いても 17KS減少例及び症例 19 K上昇を認

認め難く叉 17KS量との関係も一般に著明ではな める

いが 17KS 1日量の特に少い症例 69121乙於い

第 11図 排世量と諸因子 (合併症を有する例を除く)

〔血糖との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2331ー

〔血糖との関係〕 [17KS 1日量との関係〕ー

25ト

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第 12図 排世比と諸因子 (合併症を有する例を除く〉

〔血糖値との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

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-2332ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

61

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〔血糖値との関係〕 [17 KS 1日量との関係〕

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第 II章総括並びに者按

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250

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8 11 12吻匂

109

第 1項水利尿と諸因子

電解質との関係 水試験前値の尿中電解質排世

糖尿病K於ける水分代謝の問題殊に 1日尿量 量及び血察電解質濃度と水利尿の程度には一定の関

と水試験時の如き急激なる体液変動を惹起せしめ 係を認め難く試験前電解質量または濃度によって

た場合の水分代謝とは当然同一視得ないものがあ 水利尿は影響を受けない

ると思われる 血糖値との関係 血糖値と水利尿との聞には負

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2333ー

の関係を認めるが著明な過血糖を呈し PVRho- の遅速は一定でない乙れは血糖値の上昇せる為

danSpの増加を来たす様な症例は水 1L負荷にょ に ADH作用抑制によって起る水利尿反応が鈍化

つでも OsmoreceptorVolume receptorを介し され得る故であろう

て起る ADH分泌抑制の度が小となり水利尿反応 水利尿の良否lζ拘らず最大利尿発現時の遅延する

が少くなる為か尿量は極めて少ない過血糖中等度 症例は 17KS量の低値の例及び血疑 Na濃度が他

以下の症例は PVR対する影響も少く 尿量減少 の症例広比し高値を示す症例で何れも水利尿時の

の度も軽度である NaCl排世は殆んど尿量と関係なく減少している

17KS量との関係 17 KS 1日尿中排世量の増 電解質排世像は水利尿良好例に於いては健常例

加に従って尿量増加の傾向を認め特に過剰排世型 と異なり利尿発現初期に著明な Na排世のピーク

の傾向の認められる症例に 17KS量の増加を認め を見るこれは何れも 1日尿中 17KS排i世量増加例

るかかる症例は何れも GFRの増大と尿中 Na である遅延例工型は 17KS量の増加せる例少く

Clの排世増加を認めた例である 電解質排世も著明でなく略々健常例に近い排世像を

然し症例 13の如く 17KS量異常に高値で多尿 示す遅延E型は水排世遅延最も著明にも拘らず

lとより PV減少を呈せる脱水症例では水負荷によ 電解質排世像が良好例比類似して比較的著明な症例

りPVの変動は強く現われるが排世尿量は少い を認めるが ζれは 17KS量の増加を認める

叉著明な過血糖例及び症例 19の如く血疑 Na濃 更に症例 9612の如く 1日尿中 17KS排j世量

度が比較的高値の症例は間脳ー下垂体後葉系並びに 低値の症例は水分排世量に関係なく終始 Na排世

下垂骨前葉一副腎皮質系の内分泌機序の連関性の失 の増加が認められない以上の成績と過剰排世型を

調の為か 17KS量比較的増加しているにも拘ら 示す症例l乙1日尿中 17KS量の増加を認める事より

ず利尿は遅延する 考えれば水利尿時尿量の増加は GFRの良好なる

1日尿量との関係 一般に水利尿との相関を示 事と相侯って副腎皮質機能の比較的健全なるによる

す傾向にあるが特に過血糖を呈する症例及び異常 ものと考えられる唯し症例 13の如く 1日尿申 17

rc17KS量の増加せる症例に於いては前述の如く水 KS排世量の異常に高値の症例に於いても利尿初

利尿時の尿量を抑制する 期の Na排j世のピークは柏低く血媛 Na濃度の低

即ち 1日尿量lと於いては恒常的な腎機能及び 下も殆んど認めない場合もある

体液構成等の因子が関与し水利尿に於いては急 ClK の排世像も同様の傾向を示すが Na程著

激な PVの量及び質の変動が主要なる役割をなすも 明でない

のの如くである 以上を要約すれば血糖値の上昇例は最大利尿

体液構成との関係 PVの比較的増大している 時尿量を減ずるが最大利尿発現時聞に特に影響を

症例に於いて水利尿時尿量の抑制を認めるかか 認めない又 1日尿中 17KS増量例は電解質特に

る症例は著明な高血糖を呈し又は血緊 Na濃度の Na排粧を増加し利尿初期は特に著明である ζ

比較的高値の症例である れに反し 17KS量低値なるものは Na排世増加を認

腎クリアランス値との関係 GFRRPF共に めずそれに伴い最大利尿発現時を遅延せしめ最

水利尿の程度と精関係を認めるが前述の特に水利 大利尿時尿量も柏低下せしめる

尿を遅延せしめる因子の存在する症例に於ては腎 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比

機能の如何に拘らず水利尿時の尿量は少い尚 尿量は糖尿病例は柏減少し水利尿の遅延するに

Smith及び永峰(14)によれば稀釈試験時KGFR 従ってその排世比も柏増大する

RPFの変動は殆んど認められないと言われている 電解質排世量及び比共l乙水利尿の良否とは特に相

以上主要な水利尿遅延因子としては腎機能の 関を認めないが水利尿の良好例K排世量の増加を

良否は当然考えられるべきではあるが更に ADH 認める

並びに副腎皮質ホ Jレモンの分泌機序の異常も強く関 血糖値との関係はその上昇するにつれて水利尿時

1乙殊に甚しく叉l尿量は減少し著明な過血糖例 L与することを考慮しなければならな

第2項 水利尿時諸排世像 日尿中 17KS排世量は尿量との関係は軽度で電解

尿量の変動は水利尿良好例遅延例工型 n型 質殊に Na排世量との相関が明らかである乙れ

買に最大利尿時尿量の減少を認めるがその発現時)1の は血糖上昇の際は AD町分泌抑制が主で 17KS増

-2334- 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 6表 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

工 諸排i世量及び諸排世比

排 17 KS K 糖

水単独 水物単併独

ClNa尿薬

備 考水物単併独水単独用 薬水物単併独用薬水物単併独用症 薬用薬物併薬用併負荷用薬負荷物び

例『番比

物号

1164 050 3019 035 307 053 16 内 1321 041 141 067 1252071 4393 04814043

40 1148 019 3836 057 4964 050 1096 044

ブ 22 阿 O田1048 056 2003 118 3328 078 1237 067 ド

糖 1010 030 3951 091 6198 073 1570

40cc 13 木 O恵 前|1023 035 1677 120 2969 084 947

静 伊i 1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053

平均 11081 0531 2690 073 3446 063 11681056 141 067

除全遅 026 3006 031 12回511i022 224 054 四 a119 動脈血圧 150--72併例合延 17鈴 O

11391 1171 4147 077 3348 068 1380 108 330 086 硬化症眼底 K WJII 症

055 4334 051 12971040 265 054例例平 全例

11151 0661 3054 075 3422 064 12211068 240 0793 4 -

1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053除合併 均 症例 1108 053 2690 073 3446 063 1168 056 141 067

1370 049 5035 082 5890 087 1596 063 128 038

量及

良 8 立 972 077 2017 089 3996 068 1015 054 267 051

1089 118 3010 114好 9l市イ 1161 057 2375i 039 4969 039 037

096 1265 075 1229 074 3298官uシ平 均

ユ 1066 066 2196 058 4483 051 1939 041 2671051 リ

093 1140 064 650 029 2265 ン 硬化症 血圧 60~114

眼底 KWJI 11 小 O

1025 028 4465 06614998 091 1313 059 5u 遅

静 0752 6 4 |i曲胡00 374 057 4145 0761 49141071 1 5 87 2570 078 1将 O注

延例

-園平均

除全 メロL ou 併 除合併 症 症例

488 033 4598 0541 564 64057 12801 071 362 065

512 038 3205 13641 0621 264 075 hellip街lm756 030 4532 0601 5323 072 12961 0531 362 065

374 057 4145 4914071 075 075d4i

968 005

例例 平均

3 4匂圃4

4012801057 714054 56033 4598 488 362 065 61

4172 087 1314 061871 062 平 全例

911 049 059 4903 061 1618 315 058

944 071 3580 082 4605 086 1373 069 196 061 除合併 均 症例 873 059 2997 056 4871 053 1719 042 315 058

良 10891 11911562 103 好 市 304111

t列U9 0110161 17911705087 44601 13111212 1

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 K関する研究 ~2335ー

0959判 1岨15 C A

106 14171 033 48011063 10161 0641 321 083

938 051 1707 069 1163 054 1 88 1 24遅 18 椎 O

1018 1 25 1717 075 5067 095 1597 096 528 0805mg 圧底 KW 1

静 2558 093 3760

延 14姥 O 暖動 化 脈症(蛋血圧底白〔 120〕MBO注 8691 1 75 1864 057 3514 0671 1238 094 心筋障害眼 Kwn

852 074 2208 087 4369 087 1097 069 1 68 平ー均 ou除全 881 1 32 1666 054 4441 075 1284 086 425 081 玉メ口

併 除合併 947 058 2032 083 4674 082 1039 061 168 1 10症 症例例例 888 117 1567 053 4934 078 1306 082 425 081平均

911 085 4029 09 1 1056 076 168 1 10平 全例--

3 4

915 1 44 16761062 4446 087 1266 094 425 081

1876 088 1005 1 10除合併 均 症例 0941425 08138 1613064 4767i 092 12751 1

4276 0~83 1994 065 204 046 21 佐

1305~ 034 3563 048 5976 054 2283 037 255 029

T H

---

1245 056 3771 051 5438 051 1737 053 334 039 良 10立

1182 057 2324 045 4097 5421 45 076 280 066 チ

1034 1 15 9081 100 1623 087 259 011 1 78 029ソ好 5 池 O正

ン 眼底糖尿病性638 031 3226 01313201 034 1693 042 225 023 252 043 網膜炎

50 町 19例

1224 073 5709 084 7891 078 1784 066 266 058 178 029 平 均

内 1051 041 3038 033 4424 049 2040 050 253 041 252 043

服 除合併 1312 061 4024 067 5903 0印54111861541i 059

268 042

1243 044 2934 047 5036 054 2214yen 054 267 046例

遅延

症例 平均

--705 1 17 1154 074 1948 081 785 076 164 068三除日全』

19鵜 O1220 063 2328 076 6213 057 1705 063 232 079併 例

症例例 079 4570 084 1535 068 240 060 178 029

平 全例3 4 1093 046 2860 040 4872 052 1956 053 248 049 252 043 -- 1114 070 3067 068 4585 062 233 048除合併

均症例 1235 050 2738 054 5429 05512044 056 255 056

921 104 1345 097 792 072 066 103プ 6 染 O

900 05511504 036 2076 035 1161 039 1 39 049レ 遅ド

ーー 207 074 1 59 135ン 延 4中 O

867 129 5865 梅 毒 肝 腫A

25285655 0541051 26631057 6140571 56868 041 464515 mg

例 133 043 1190 8221053 070 045 g 渡 O内

初日--服

合除全 平

併症

例2例3 均_

414 012 1440 0211 23191 020 11 161018 1 53 031

640 1 09 2688 1 15 3736 1 16 12181094 1 14072 全例

727 040 2529 044 3347 039 16471042 149 044 8561252

527 095 1101 074 1507 073 068 068除合併症例 657 038 1472 029 21 97 027 11441028 146 039

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

出町

主昨

ゾ判〕

〔民本零時〕

〔認

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-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

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E酬

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2321-

る ADH抑制作用と異る点がある

Gauntは抗利尿ホノレモン (ADH)の分泌抑制及 即ち副腎皮質機能の充進は櫨過量の増大と尿細

び血中 ADHの不活性化は副腎皮質ホノレモンの充分 管K於ける水分電解質の調節異常に関与して多尿を

な存在によって促進されると述べている然し過血 来たすものと考へられる

糖に於ける多尿に際し NaCl排世量の増加が少

い事より過血糖の多尿は Osmotic diuresisの他 第3篇糖原病の水利用

ι 一定限界を超えた高血糖が血撲惨透圧を軽度に 合併症を有する 6例を含む糖尿病患者 22例に水

充進し Homer SmithVerney(13)等の言う Os- 1L負荷して稀釈力試験を行った

moreceptorを介して ADH 抑制作用を現わし多 合併症なき 15例中水利尿良好例(尿量 1000cc

尿を来たすものと考えられる然し多尿の原因とし 以上) 7例遅延例工型 (1000cc---800cc) 5例

て副腎皮質ホ Jレモンの関与がより強く考えられる 遅延例E型 (800cc以下) 3例を認め之等諸群と

即ち 17KS量と 1日尿量 GFRと1日尿量 17KS 健常例 11例とに就いて比較検討した

量と GFRは夫々極めてよく相関が認められる叉

17KS量増加に伴う多尿に於いては電解質殊に Na章 I章検査成績(第 2表〉

排世量の増加が特徴的であり穆透圧克進による 第 1項水利尿と諸因子(第3表第7図〉

第 7図 水利尿と諸因子 (合併症を有する例を除く) 管02

(由X羽 〈字調期X

x l(

X

X 0 )( 7

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剛志e-ιmみ岡原ff

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0尿血中衆林議浩度量(前値)

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200記 40-0- 扇面一一一 600 -1000 1200- 200cO ---41fO 山内--800--1-00岡 0-----60

主主主-2322ー 千 葉 医 弓f- 会 雑 誌 第 35巻

事量 日 221 (ぷ 33訪世 J117 邑星 IKS三米 1-Jli ls

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2323-

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lt 400 600 1200 200血 400 600 800 1000 1200

1電解質 試験前 1時間尿中の NaClK量及 2NaCl 健常例の NaCl排世像は水負荷

びその血撲濃度と水利尿との聞に相関は認められな 直後水利尿発現初期比軽微の排世増加を認め利尿

期には寧ろ排世減少し 3時聞をきの濃縮移行期lζ再

2血糖及び尿糖 水利尿と比較的よく負の関係 び電解質排世増加の最も高い時期となる糖尿病の

を認め著明な過血糖例の 4時間尿量は極めて少い 水利尿良好例に於いてもこれと略々同様の変動を示

3尿中 17KS1日排世量及び好酸球減少率 水 すが利尿初期の排世増加が著るしくなっている

利尿良好例には 17KS量の増加好酸球減少率の高 遅延例も良好例に類似した変動を示すがその変動

度なるものが多く過剰排世型の傾向を示す遅延 は極めて小さい

例E型K於いても 17KS量の増加好酸球減少率 良好例のうち症例 8102122遅延例 E型のう

の高値を示す傾向を認める o ち症例 1の如く著明な NaCl排世を認める症例

4 1日尿量 水利尿と 1日尿量との聞に明らか は何れも尿中 1日17KS排世量は比較的高値を示し

な関係を認め難いが異常な 17KS増量例及び著明 こ良好例のうち症例 9遅延工型の症例6は全4

な高血糖例を除けば水利尿の程度と 1日尿量とは 時聞を通じて NaCl排池ー量は低値を示しかかる

柏平行する傾向を認める 症例の 1日尿中 17KS排世量は最も低値で最大利

5体液構成 T 1824-Spaceが正常範囲内で 尿時尿量は低下し最大利尿発現時も遅延している

正常の上界値を示す症例に於いて水利尿は遅延E型 3 K 良好例及び遅延 E型のKの変動は健常

を示す Rhodan-Space Ir於いても同様の傾向を認 例に類似しているが遅延工型に於いてはKの排世

める は比較的少い

ι腎クリアランス 著明な過血糖例及び惨透圧 4 17KS及び好酸球減少率 水利尿良好例に於

上昇K伴う PV増大例及び異常な 17KS増量の 1例 ける水利尿時 17KS排世量及び好酸球減少率は最も

を除外したその他K於いては GFRRPFの増減 著明である

に応じて水利尿も増減する傾向を認めるが著明で 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比(第4表

ない 第5表)

第 2項水利尿時諸排世像(第8図) 1 諸排世量 (第9図)

1尿量 最大利尿時尿量は健常例が最も多く 尿量の糖尿病全例平均は健常例K比し減少を認め

以下水利尿の程度に従って順次低下し最大利尿発 る

現時も順次柏遅延の傾向を認める水利尿良好例及 NaCl は水利尿良好例に著明な排世量増加を認

び遅延例工型lとても最大利尿時尿量の比較的低下例 める遅延例E型も症例により排i世増加を認めるも

を認めるがかかる症例の最大利尿発現時の遅延は のもある

著明である 排世量の平均値では良好例に NaClの増加が著

-2324ー 千葉医 学会 雑誌 第35巻

00 cc

第 8図 水利尿時諸排世像(合併症を有する例を除く)

健常例 良好例

ーlsquo必21

mEq_lmEラ

2 1-iacute~ Il

10ト120

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財政球減少率)

原中門院(||)

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a

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--

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝花関する研究 -2325-

遅延例工型 遅 延 例 E 型

400ト cc

尿

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好均時雨少苧

尿中 ηdM

-2326ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 4表 水利尿と諸排池ー量 工 糖尿病例

年 尿量 cc Na量 Cl量

KIIlE量q 17KS量 | 尿 糖 量

メHLmEq mEq mg g

症例目Ij

全前 l全 刷 全目Ij

全目IJ 全日Ij 全 合併症その他

f生 22時時後間間4時間|22時3問間時間1晶時間114時間22時時後間間 22時時後間間4時間占2時時後間間別 4時間 4時間

2879 151 144

135374 1791 4145 4914 1587 264

合 2035 595 113 113

2酒 57 467 2196 1803 601 036 H稀釈試験 2時間前4 NP

733 4795 4399 799 インシュリン u皮 合 266 2599 2596 198 145 下注射(不適)

60 93 11931065181I1 1669

538 048 709 822 070 772

合 40 423 284 022 063

4 中 3440 882 119 068

8194 2039 207 160 A 梅 毒 肝腫 合 488 4754 1157 088 092

池 46 482 4457 l別 869 125 138

510 1034 90811 111868 1623 259 179 腎症正 552 4624 5935 754 134 041

6染 65 447 683

792 033

921 1011 13 066 474 51 663 332 033

7浅 31 517

|「ど71 458

9151 111 1520 717 脚気 398 4141 1 649 259

916 2174 3138 093 1288) 0

1370 5035 589 1596 453 2260 2752 617 035

498 771 1405 464 9) 0

1089 1472 3010 933 591 701 1605 469

立 58 797 3589 1139 10 1245 3771 5438 334

448 1278 1849 598 095

53 502 1233 1496 693 082 067 11 650 2265 2875 1140 145 084 動脈硬化症 148 1032 1379 447 063 017

市 52 388 834 911 12 936 1743 3477 1977

548 909 1872 1066

木 52 776 2066

吋 lm13 1010 3951 6198 1570 百-三~ 合 234 1885 26151 1 599

蛇 70 270 662

1322 1887 654 動脈筋硬障化症14 2558 3760 1212 ⑦む 碍 合 392 1236 1873 558

582 956

1273 257q叫 535 076

15 2358 244

315013 9i6 148 374 1085 381 072

内 59 774 2162 944 200 16 1164 301 3168 1271 307 注 390 857 909 327 107 L J 眼底 KW工

17 820 410198 300 腎症 合 323 7 2221251079224060093動脈硬化症l|145110331オh1410ぺ|叶11|鈴

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝lと関する研兜 -2327ー

52 620 18 椎 (血底圧 170~901707 4335 11 6 318 651 注

眼 KWI041 1 4091764 ~17

54 325 662 097705 54 785 1 6419 0鵜 11 1 875 380 492 338 067 014

55 743 977 1915 415 20

池 128 871 2043 3315 800 1066 1400 385

48 843 2338 3796 1208 140 佐

21 42761393 6368 1994 204550 1938 2572 786 064合

2481lz卜147判|州|吋 E 健常例

年令尿量 cc

Na量 Cm1E量q KmE量q 17KS量 尿糖 量 mEq mg g

症例

22時時前後間間 4時且八間

別全

22時時i後iiJ間間 4時~間122 時時前後間間 4時一一A 間 22時2削聞間 4時~間 2J時前間問 4時こ八に間備 考

a別性 22時2「間目nl4時間

1 中 20 709 1752 855

2741 1139 1653 3212 1471 944 1460 616

2ぎ 22 727 1065

823 2683 724 1658 41 11 1638

合 338 835 1428 914

3出 26 1140 3422 1297

155 1295 4038 5682 2115

合 21 98 2260 818

4lU 28 845 988 21 99 630 1090 21 07 3899 986

合 245 11 19 1700 356

515 24 1220 1625 2034

1338 2571 31 1084 合 118 946 1144 382

1210 445 1077

1317 2162

371 1328 629 118 632 845 258

71~ 32 1035 725 1698 991

1094 1601 2217 11 84 59 876 519 193

8ぎ 47 860 737 1993 1 66 1029

603 1340 2703 236

合 169 710 070

9菰 36 907 1377

2605 2461 800

1139 3725 144 1合 232 1228 1264 64 1

金 22 932 726 1486 832 10 1063 1538 2412 1078

合 131 812 926 246

斎 36 1013 1957 478 739 11 1144 2812

539 1017 1188

131 855 449

-2328- 千 葉 医 学 ムヨミ 雑 誌 第 35巻

第 5表 排世量及び排j世比(後前)(平均値)(合併症を有する例を除く)

尿 主主ヨ豆lsquo Na Cl K 17KS

前川~stl 前 知 吋 比 前 2st門比全 4時 間 量 比 全 4時間量比 全 4時間量 全 4時間量 全 4時間量

974 184 1000 1019 2105 1226 737 449 061健常例 019 102 058

1158 2019 3331 1186

795 408 2153 1487 2997 1994 924 533 168 075 良好例 051 069 067 058 045

1203 3640 4991 1457 243

糖 工 555 368 913 868 1869 1628 621 513 064 069

群 066 095 087 083 107

遅 923 1781 3497 1134 133

尿 218E 185 1261 902 1650 1174 659 406 099 068

延群

084 072 071 061 069

病 404 2163 2824 1065 167

J1j 429 299 1042 881 1787 1458 635 473 082 068 平 070 084 082 074 084 例 均 728 1923 3245 1108 150

全例 600 350 1561 1164 2352 1708 769 501 058 075 073

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2329-

明で遅延E型に於いても Na排世量が柏増加する すlarr

傾向を示す Clは健常例 058糖尿病例 073で後半の増量がよ

KはClと略々類似せる傾向を認める り大である

17KS排j世は Na排世l乙略々平行するが如き傾向 Kは Clと類似の傾向を認めるが症例 12 1[於い

を示す ては117と著明な上昇を認める

2 諸排世比 (第 10図〉 1 諸排世量及び比と諸因子

水稀釈力試験時の各排世量の後半 2時間量l乙対す 諸排世量(第 11図〉尿量と血糖値との関係は中

る前半2時間量の比を以って排世比とした 等度以下の過血糖の症例lζ於いては血糖値の土井

尿量の平均排世比は健常例 019糖尿病例 058 氏伴う尿量の減少は軽微であるがj著明な過血糖例

で後半排世量増加を示し水利尿良好なもの程小で を呈せる症例は尿量は極めて少い 17KS 1日量と

あるがその関係は余り著明でない症例 6912 の関係に於いてはその増加している症例に精尿量

19の4例は排世比の上昇著明で10を越える の増加する傾向を認めるが著明でない

Na は健常例102糖尿病例 075で前半排世量の増 NaClKの電解質排世量と血糖値の関係は余り

加を見る症例 6912は10を越える排世比を示 明確でなL0 17 KS 1日量とは明らかに相関を認め

第 10図 水利尿と諸排世比 (合併症を有する例を除く)

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-2330ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

る て電解質排世比の僅かの上昇を認め叉尿量排世

諸排世比(第 12図)諸排世比と血糖値との関係は 比に於いても 17KS減少例及び症例 19 K上昇を認

認め難く叉 17KS量との関係も一般に著明ではな める

いが 17KS 1日量の特に少い症例 69121乙於い

第 11図 排世量と諸因子 (合併症を有する例を除く)

〔血糖との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2331ー

〔血糖との関係〕 [17KS 1日量との関係〕ー

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第 12図 排世比と諸因子 (合併症を有する例を除く〉

〔血糖値との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

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-2332ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

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〔血糖値との関係〕 [17 KS 1日量との関係〕

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第 II章総括並びに者按

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8 11 12吻匂

109

第 1項水利尿と諸因子

電解質との関係 水試験前値の尿中電解質排世

糖尿病K於ける水分代謝の問題殊に 1日尿量 量及び血察電解質濃度と水利尿の程度には一定の関

と水試験時の如き急激なる体液変動を惹起せしめ 係を認め難く試験前電解質量または濃度によって

た場合の水分代謝とは当然同一視得ないものがあ 水利尿は影響を受けない

ると思われる 血糖値との関係 血糖値と水利尿との聞には負

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2333ー

の関係を認めるが著明な過血糖を呈し PVRho- の遅速は一定でない乙れは血糖値の上昇せる為

danSpの増加を来たす様な症例は水 1L負荷にょ に ADH作用抑制によって起る水利尿反応が鈍化

つでも OsmoreceptorVolume receptorを介し され得る故であろう

て起る ADH分泌抑制の度が小となり水利尿反応 水利尿の良否lζ拘らず最大利尿発現時の遅延する

が少くなる為か尿量は極めて少ない過血糖中等度 症例は 17KS量の低値の例及び血疑 Na濃度が他

以下の症例は PVR対する影響も少く 尿量減少 の症例広比し高値を示す症例で何れも水利尿時の

の度も軽度である NaCl排世は殆んど尿量と関係なく減少している

17KS量との関係 17 KS 1日尿中排世量の増 電解質排世像は水利尿良好例に於いては健常例

加に従って尿量増加の傾向を認め特に過剰排世型 と異なり利尿発現初期に著明な Na排世のピーク

の傾向の認められる症例に 17KS量の増加を認め を見るこれは何れも 1日尿中 17KS排i世量増加例

るかかる症例は何れも GFRの増大と尿中 Na である遅延例工型は 17KS量の増加せる例少く

Clの排世増加を認めた例である 電解質排世も著明でなく略々健常例に近い排世像を

然し症例 13の如く 17KS量異常に高値で多尿 示す遅延E型は水排世遅延最も著明にも拘らず

lとより PV減少を呈せる脱水症例では水負荷によ 電解質排世像が良好例比類似して比較的著明な症例

りPVの変動は強く現われるが排世尿量は少い を認めるが ζれは 17KS量の増加を認める

叉著明な過血糖例及び症例 19の如く血疑 Na濃 更に症例 9612の如く 1日尿中 17KS排j世量

度が比較的高値の症例は間脳ー下垂体後葉系並びに 低値の症例は水分排世量に関係なく終始 Na排世

下垂骨前葉一副腎皮質系の内分泌機序の連関性の失 の増加が認められない以上の成績と過剰排世型を

調の為か 17KS量比較的増加しているにも拘ら 示す症例l乙1日尿中 17KS量の増加を認める事より

ず利尿は遅延する 考えれば水利尿時尿量の増加は GFRの良好なる

1日尿量との関係 一般に水利尿との相関を示 事と相侯って副腎皮質機能の比較的健全なるによる

す傾向にあるが特に過血糖を呈する症例及び異常 ものと考えられる唯し症例 13の如く 1日尿申 17

rc17KS量の増加せる症例に於いては前述の如く水 KS排世量の異常に高値の症例に於いても利尿初

利尿時の尿量を抑制する 期の Na排j世のピークは柏低く血媛 Na濃度の低

即ち 1日尿量lと於いては恒常的な腎機能及び 下も殆んど認めない場合もある

体液構成等の因子が関与し水利尿に於いては急 ClK の排世像も同様の傾向を示すが Na程著

激な PVの量及び質の変動が主要なる役割をなすも 明でない

のの如くである 以上を要約すれば血糖値の上昇例は最大利尿

体液構成との関係 PVの比較的増大している 時尿量を減ずるが最大利尿発現時聞に特に影響を

症例に於いて水利尿時尿量の抑制を認めるかか 認めない又 1日尿中 17KS増量例は電解質特に

る症例は著明な高血糖を呈し又は血緊 Na濃度の Na排粧を増加し利尿初期は特に著明である ζ

比較的高値の症例である れに反し 17KS量低値なるものは Na排世増加を認

腎クリアランス値との関係 GFRRPF共に めずそれに伴い最大利尿発現時を遅延せしめ最

水利尿の程度と精関係を認めるが前述の特に水利 大利尿時尿量も柏低下せしめる

尿を遅延せしめる因子の存在する症例に於ては腎 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比

機能の如何に拘らず水利尿時の尿量は少い尚 尿量は糖尿病例は柏減少し水利尿の遅延するに

Smith及び永峰(14)によれば稀釈試験時KGFR 従ってその排世比も柏増大する

RPFの変動は殆んど認められないと言われている 電解質排世量及び比共l乙水利尿の良否とは特に相

以上主要な水利尿遅延因子としては腎機能の 関を認めないが水利尿の良好例K排世量の増加を

良否は当然考えられるべきではあるが更に ADH 認める

並びに副腎皮質ホ Jレモンの分泌機序の異常も強く関 血糖値との関係はその上昇するにつれて水利尿時

1乙殊に甚しく叉l尿量は減少し著明な過血糖例 L与することを考慮しなければならな

第2項 水利尿時諸排世像 日尿中 17KS排世量は尿量との関係は軽度で電解

尿量の変動は水利尿良好例遅延例工型 n型 質殊に Na排世量との相関が明らかである乙れ

買に最大利尿時尿量の減少を認めるがその発現時)1の は血糖上昇の際は AD町分泌抑制が主で 17KS増

-2334- 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 6表 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

工 諸排i世量及び諸排世比

排 17 KS K 糖

水単独 水物単併独

ClNa尿薬

備 考水物単併独水単独用 薬水物単併独用薬水物単併独用症 薬用薬物併薬用併負荷用薬負荷物び

例『番比

物号

1164 050 3019 035 307 053 16 内 1321 041 141 067 1252071 4393 04814043

40 1148 019 3836 057 4964 050 1096 044

ブ 22 阿 O田1048 056 2003 118 3328 078 1237 067 ド

糖 1010 030 3951 091 6198 073 1570

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静 伊i 1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053

平均 11081 0531 2690 073 3446 063 11681056 141 067

除全遅 026 3006 031 12回511i022 224 054 四 a119 動脈血圧 150--72併例合延 17鈴 O

11391 1171 4147 077 3348 068 1380 108 330 086 硬化症眼底 K WJII 症

055 4334 051 12971040 265 054例例平 全例

11151 0661 3054 075 3422 064 12211068 240 0793 4 -

1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053除合併 均 症例 1108 053 2690 073 3446 063 1168 056 141 067

1370 049 5035 082 5890 087 1596 063 128 038

量及

良 8 立 972 077 2017 089 3996 068 1015 054 267 051

1089 118 3010 114好 9l市イ 1161 057 2375i 039 4969 039 037

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ユ 1066 066 2196 058 4483 051 1939 041 2671051 リ

093 1140 064 650 029 2265 ン 硬化症 血圧 60~114

眼底 KWJI 11 小 O

1025 028 4465 06614998 091 1313 059 5u 遅

静 0752 6 4 |i曲胡00 374 057 4145 0761 49141071 1 5 87 2570 078 1将 O注

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488 033 4598 0541 564 64057 12801 071 362 065

512 038 3205 13641 0621 264 075 hellip街lm756 030 4532 0601 5323 072 12961 0531 362 065

374 057 4145 4914071 075 075d4i

968 005

例例 平均

3 4匂圃4

4012801057 714054 56033 4598 488 362 065 61

4172 087 1314 061871 062 平 全例

911 049 059 4903 061 1618 315 058

944 071 3580 082 4605 086 1373 069 196 061 除合併 均 症例 873 059 2997 056 4871 053 1719 042 315 058

良 10891 11911562 103 好 市 304111

t列U9 0110161 17911705087 44601 13111212 1

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 K関する研究 ~2335ー

0959判 1岨15 C A

106 14171 033 48011063 10161 0641 321 083

938 051 1707 069 1163 054 1 88 1 24遅 18 椎 O

1018 1 25 1717 075 5067 095 1597 096 528 0805mg 圧底 KW 1

静 2558 093 3760

延 14姥 O 暖動 化 脈症(蛋血圧底白〔 120〕MBO注 8691 1 75 1864 057 3514 0671 1238 094 心筋障害眼 Kwn

852 074 2208 087 4369 087 1097 069 1 68 平ー均 ou除全 881 1 32 1666 054 4441 075 1284 086 425 081 玉メ口

併 除合併 947 058 2032 083 4674 082 1039 061 168 1 10症 症例例例 888 117 1567 053 4934 078 1306 082 425 081平均

911 085 4029 09 1 1056 076 168 1 10平 全例--

3 4

915 1 44 16761062 4446 087 1266 094 425 081

1876 088 1005 1 10除合併 均 症例 0941425 08138 1613064 4767i 092 12751 1

4276 0~83 1994 065 204 046 21 佐

1305~ 034 3563 048 5976 054 2283 037 255 029

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---

1245 056 3771 051 5438 051 1737 053 334 039 良 10立

1182 057 2324 045 4097 5421 45 076 280 066 チ

1034 1 15 9081 100 1623 087 259 011 1 78 029ソ好 5 池 O正

ン 眼底糖尿病性638 031 3226 01313201 034 1693 042 225 023 252 043 網膜炎

50 町 19例

1224 073 5709 084 7891 078 1784 066 266 058 178 029 平 均

内 1051 041 3038 033 4424 049 2040 050 253 041 252 043

服 除合併 1312 061 4024 067 5903 0印54111861541i 059

268 042

1243 044 2934 047 5036 054 2214yen 054 267 046例

遅延

症例 平均

--705 1 17 1154 074 1948 081 785 076 164 068三除日全』

19鵜 O1220 063 2328 076 6213 057 1705 063 232 079併 例

症例例 079 4570 084 1535 068 240 060 178 029

平 全例3 4 1093 046 2860 040 4872 052 1956 053 248 049 252 043 -- 1114 070 3067 068 4585 062 233 048除合併

均症例 1235 050 2738 054 5429 05512044 056 255 056

921 104 1345 097 792 072 066 103プ 6 染 O

900 05511504 036 2076 035 1161 039 1 39 049レ 遅ド

ーー 207 074 1 59 135ン 延 4中 O

867 129 5865 梅 毒 肝 腫A

25285655 0541051 26631057 6140571 56868 041 464515 mg

例 133 043 1190 8221053 070 045 g 渡 O内

初日--服

合除全 平

併症

例2例3 均_

414 012 1440 0211 23191 020 11 161018 1 53 031

640 1 09 2688 1 15 3736 1 16 12181094 1 14072 全例

727 040 2529 044 3347 039 16471042 149 044 8561252

527 095 1101 074 1507 073 068 068除合併症例 657 038 1472 029 21 97 027 11441028 146 039

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

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〔民本零時〕

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-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

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〔匝誌零時〕

言語

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活性

キ毛

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

主主主-2322ー 千 葉 医 弓f- 会 雑 誌 第 35巻

事量 日 221 (ぷ 33訪世 J117 邑星 IKS三米 1-Jli ls

x 事|量 13

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2323-

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1電解質 試験前 1時間尿中の NaClK量及 2NaCl 健常例の NaCl排世像は水負荷

びその血撲濃度と水利尿との聞に相関は認められな 直後水利尿発現初期比軽微の排世増加を認め利尿

期には寧ろ排世減少し 3時聞をきの濃縮移行期lζ再

2血糖及び尿糖 水利尿と比較的よく負の関係 び電解質排世増加の最も高い時期となる糖尿病の

を認め著明な過血糖例の 4時間尿量は極めて少い 水利尿良好例に於いてもこれと略々同様の変動を示

3尿中 17KS1日排世量及び好酸球減少率 水 すが利尿初期の排世増加が著るしくなっている

利尿良好例には 17KS量の増加好酸球減少率の高 遅延例も良好例に類似した変動を示すがその変動

度なるものが多く過剰排世型の傾向を示す遅延 は極めて小さい

例E型K於いても 17KS量の増加好酸球減少率 良好例のうち症例 8102122遅延例 E型のう

の高値を示す傾向を認める o ち症例 1の如く著明な NaCl排世を認める症例

4 1日尿量 水利尿と 1日尿量との聞に明らか は何れも尿中 1日17KS排世量は比較的高値を示し

な関係を認め難いが異常な 17KS増量例及び著明 こ良好例のうち症例 9遅延工型の症例6は全4

な高血糖例を除けば水利尿の程度と 1日尿量とは 時聞を通じて NaCl排池ー量は低値を示しかかる

柏平行する傾向を認める 症例の 1日尿中 17KS排世量は最も低値で最大利

5体液構成 T 1824-Spaceが正常範囲内で 尿時尿量は低下し最大利尿発現時も遅延している

正常の上界値を示す症例に於いて水利尿は遅延E型 3 K 良好例及び遅延 E型のKの変動は健常

を示す Rhodan-Space Ir於いても同様の傾向を認 例に類似しているが遅延工型に於いてはKの排世

める は比較的少い

ι腎クリアランス 著明な過血糖例及び惨透圧 4 17KS及び好酸球減少率 水利尿良好例に於

上昇K伴う PV増大例及び異常な 17KS増量の 1例 ける水利尿時 17KS排世量及び好酸球減少率は最も

を除外したその他K於いては GFRRPFの増減 著明である

に応じて水利尿も増減する傾向を認めるが著明で 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比(第4表

ない 第5表)

第 2項水利尿時諸排世像(第8図) 1 諸排世量 (第9図)

1尿量 最大利尿時尿量は健常例が最も多く 尿量の糖尿病全例平均は健常例K比し減少を認め

以下水利尿の程度に従って順次低下し最大利尿発 る

現時も順次柏遅延の傾向を認める水利尿良好例及 NaCl は水利尿良好例に著明な排世量増加を認

び遅延例工型lとても最大利尿時尿量の比較的低下例 める遅延例E型も症例により排i世増加を認めるも

を認めるがかかる症例の最大利尿発現時の遅延は のもある

著明である 排世量の平均値では良好例に NaClの増加が著

-2324ー 千葉医 学会 雑誌 第35巻

00 cc

第 8図 水利尿時諸排世像(合併症を有する例を除く)

健常例 良好例

ーlsquo必21

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝花関する研究 -2325-

遅延例工型 遅 延 例 E 型

400ト cc

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尿中 ηdM

-2326ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 4表 水利尿と諸排池ー量 工 糖尿病例

年 尿量 cc Na量 Cl量

KIIlE量q 17KS量 | 尿 糖 量

メHLmEq mEq mg g

症例目Ij

全前 l全 刷 全目Ij

全目IJ 全日Ij 全 合併症その他

f生 22時時後間間4時間|22時3問間時間1晶時間114時間22時時後間間 22時時後間間4時間占2時時後間間別 4時間 4時間

2879 151 144

135374 1791 4145 4914 1587 264

合 2035 595 113 113

2酒 57 467 2196 1803 601 036 H稀釈試験 2時間前4 NP

733 4795 4399 799 インシュリン u皮 合 266 2599 2596 198 145 下注射(不適)

60 93 11931065181I1 1669

538 048 709 822 070 772

合 40 423 284 022 063

4 中 3440 882 119 068

8194 2039 207 160 A 梅 毒 肝腫 合 488 4754 1157 088 092

池 46 482 4457 l別 869 125 138

510 1034 90811 111868 1623 259 179 腎症正 552 4624 5935 754 134 041

6染 65 447 683

792 033

921 1011 13 066 474 51 663 332 033

7浅 31 517

|「ど71 458

9151 111 1520 717 脚気 398 4141 1 649 259

916 2174 3138 093 1288) 0

1370 5035 589 1596 453 2260 2752 617 035

498 771 1405 464 9) 0

1089 1472 3010 933 591 701 1605 469

立 58 797 3589 1139 10 1245 3771 5438 334

448 1278 1849 598 095

53 502 1233 1496 693 082 067 11 650 2265 2875 1140 145 084 動脈硬化症 148 1032 1379 447 063 017

市 52 388 834 911 12 936 1743 3477 1977

548 909 1872 1066

木 52 776 2066

吋 lm13 1010 3951 6198 1570 百-三~ 合 234 1885 26151 1 599

蛇 70 270 662

1322 1887 654 動脈筋硬障化症14 2558 3760 1212 ⑦む 碍 合 392 1236 1873 558

582 956

1273 257q叫 535 076

15 2358 244

315013 9i6 148 374 1085 381 072

内 59 774 2162 944 200 16 1164 301 3168 1271 307 注 390 857 909 327 107 L J 眼底 KW工

17 820 410198 300 腎症 合 323 7 2221251079224060093動脈硬化症l|145110331オh1410ぺ|叶11|鈴

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝lと関する研兜 -2327ー

52 620 18 椎 (血底圧 170~901707 4335 11 6 318 651 注

眼 KWI041 1 4091764 ~17

54 325 662 097705 54 785 1 6419 0鵜 11 1 875 380 492 338 067 014

55 743 977 1915 415 20

池 128 871 2043 3315 800 1066 1400 385

48 843 2338 3796 1208 140 佐

21 42761393 6368 1994 204550 1938 2572 786 064合

2481lz卜147判|州|吋 E 健常例

年令尿量 cc

Na量 Cm1E量q KmE量q 17KS量 尿糖 量 mEq mg g

症例

22時時前後間間 4時且八間

別全

22時時i後iiJ間間 4時~間122 時時前後間間 4時一一A 間 22時2削聞間 4時~間 2J時前間問 4時こ八に間備 考

a別性 22時2「間目nl4時間

1 中 20 709 1752 855

2741 1139 1653 3212 1471 944 1460 616

2ぎ 22 727 1065

823 2683 724 1658 41 11 1638

合 338 835 1428 914

3出 26 1140 3422 1297

155 1295 4038 5682 2115

合 21 98 2260 818

4lU 28 845 988 21 99 630 1090 21 07 3899 986

合 245 11 19 1700 356

515 24 1220 1625 2034

1338 2571 31 1084 合 118 946 1144 382

1210 445 1077

1317 2162

371 1328 629 118 632 845 258

71~ 32 1035 725 1698 991

1094 1601 2217 11 84 59 876 519 193

8ぎ 47 860 737 1993 1 66 1029

603 1340 2703 236

合 169 710 070

9菰 36 907 1377

2605 2461 800

1139 3725 144 1合 232 1228 1264 64 1

金 22 932 726 1486 832 10 1063 1538 2412 1078

合 131 812 926 246

斎 36 1013 1957 478 739 11 1144 2812

539 1017 1188

131 855 449

-2328- 千 葉 医 学 ムヨミ 雑 誌 第 35巻

第 5表 排世量及び排j世比(後前)(平均値)(合併症を有する例を除く)

尿 主主ヨ豆lsquo Na Cl K 17KS

前川~stl 前 知 吋 比 前 2st門比全 4時 間 量 比 全 4時間量比 全 4時間量 全 4時間量 全 4時間量

974 184 1000 1019 2105 1226 737 449 061健常例 019 102 058

1158 2019 3331 1186

795 408 2153 1487 2997 1994 924 533 168 075 良好例 051 069 067 058 045

1203 3640 4991 1457 243

糖 工 555 368 913 868 1869 1628 621 513 064 069

群 066 095 087 083 107

遅 923 1781 3497 1134 133

尿 218E 185 1261 902 1650 1174 659 406 099 068

延群

084 072 071 061 069

病 404 2163 2824 1065 167

J1j 429 299 1042 881 1787 1458 635 473 082 068 平 070 084 082 074 084 例 均 728 1923 3245 1108 150

全例 600 350 1561 1164 2352 1708 769 501 058 075 073

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1 187 061

平均 950 2725 4060 1270

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2329-

明で遅延E型に於いても Na排世量が柏増加する すlarr

傾向を示す Clは健常例 058糖尿病例 073で後半の増量がよ

KはClと略々類似せる傾向を認める り大である

17KS排j世は Na排世l乙略々平行するが如き傾向 Kは Clと類似の傾向を認めるが症例 12 1[於い

を示す ては117と著明な上昇を認める

2 諸排世比 (第 10図〉 1 諸排世量及び比と諸因子

水稀釈力試験時の各排世量の後半 2時間量l乙対す 諸排世量(第 11図〉尿量と血糖値との関係は中

る前半2時間量の比を以って排世比とした 等度以下の過血糖の症例lζ於いては血糖値の土井

尿量の平均排世比は健常例 019糖尿病例 058 氏伴う尿量の減少は軽微であるがj著明な過血糖例

で後半排世量増加を示し水利尿良好なもの程小で を呈せる症例は尿量は極めて少い 17KS 1日量と

あるがその関係は余り著明でない症例 6912 の関係に於いてはその増加している症例に精尿量

19の4例は排世比の上昇著明で10を越える の増加する傾向を認めるが著明でない

Na は健常例102糖尿病例 075で前半排世量の増 NaClKの電解質排世量と血糖値の関係は余り

加を見る症例 6912は10を越える排世比を示 明確でなL0 17 KS 1日量とは明らかに相関を認め

第 10図 水利尿と諸排世比 (合併症を有する例を除く)

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-2330ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

る て電解質排世比の僅かの上昇を認め叉尿量排世

諸排世比(第 12図)諸排世比と血糖値との関係は 比に於いても 17KS減少例及び症例 19 K上昇を認

認め難く叉 17KS量との関係も一般に著明ではな める

いが 17KS 1日量の特に少い症例 69121乙於い

第 11図 排世量と諸因子 (合併症を有する例を除く)

〔血糖との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2331ー

〔血糖との関係〕 [17KS 1日量との関係〕ー

25ト

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第 12図 排世比と諸因子 (合併症を有する例を除く〉

〔血糖値との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

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-2332ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

61

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〔血糖値との関係〕 [17 KS 1日量との関係〕

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第 II章総括並びに者按

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250

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8 11 12吻匂

109

第 1項水利尿と諸因子

電解質との関係 水試験前値の尿中電解質排世

糖尿病K於ける水分代謝の問題殊に 1日尿量 量及び血察電解質濃度と水利尿の程度には一定の関

と水試験時の如き急激なる体液変動を惹起せしめ 係を認め難く試験前電解質量または濃度によって

た場合の水分代謝とは当然同一視得ないものがあ 水利尿は影響を受けない

ると思われる 血糖値との関係 血糖値と水利尿との聞には負

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2333ー

の関係を認めるが著明な過血糖を呈し PVRho- の遅速は一定でない乙れは血糖値の上昇せる為

danSpの増加を来たす様な症例は水 1L負荷にょ に ADH作用抑制によって起る水利尿反応が鈍化

つでも OsmoreceptorVolume receptorを介し され得る故であろう

て起る ADH分泌抑制の度が小となり水利尿反応 水利尿の良否lζ拘らず最大利尿発現時の遅延する

が少くなる為か尿量は極めて少ない過血糖中等度 症例は 17KS量の低値の例及び血疑 Na濃度が他

以下の症例は PVR対する影響も少く 尿量減少 の症例広比し高値を示す症例で何れも水利尿時の

の度も軽度である NaCl排世は殆んど尿量と関係なく減少している

17KS量との関係 17 KS 1日尿中排世量の増 電解質排世像は水利尿良好例に於いては健常例

加に従って尿量増加の傾向を認め特に過剰排世型 と異なり利尿発現初期に著明な Na排世のピーク

の傾向の認められる症例に 17KS量の増加を認め を見るこれは何れも 1日尿中 17KS排i世量増加例

るかかる症例は何れも GFRの増大と尿中 Na である遅延例工型は 17KS量の増加せる例少く

Clの排世増加を認めた例である 電解質排世も著明でなく略々健常例に近い排世像を

然し症例 13の如く 17KS量異常に高値で多尿 示す遅延E型は水排世遅延最も著明にも拘らず

lとより PV減少を呈せる脱水症例では水負荷によ 電解質排世像が良好例比類似して比較的著明な症例

りPVの変動は強く現われるが排世尿量は少い を認めるが ζれは 17KS量の増加を認める

叉著明な過血糖例及び症例 19の如く血疑 Na濃 更に症例 9612の如く 1日尿中 17KS排j世量

度が比較的高値の症例は間脳ー下垂体後葉系並びに 低値の症例は水分排世量に関係なく終始 Na排世

下垂骨前葉一副腎皮質系の内分泌機序の連関性の失 の増加が認められない以上の成績と過剰排世型を

調の為か 17KS量比較的増加しているにも拘ら 示す症例l乙1日尿中 17KS量の増加を認める事より

ず利尿は遅延する 考えれば水利尿時尿量の増加は GFRの良好なる

1日尿量との関係 一般に水利尿との相関を示 事と相侯って副腎皮質機能の比較的健全なるによる

す傾向にあるが特に過血糖を呈する症例及び異常 ものと考えられる唯し症例 13の如く 1日尿申 17

rc17KS量の増加せる症例に於いては前述の如く水 KS排世量の異常に高値の症例に於いても利尿初

利尿時の尿量を抑制する 期の Na排j世のピークは柏低く血媛 Na濃度の低

即ち 1日尿量lと於いては恒常的な腎機能及び 下も殆んど認めない場合もある

体液構成等の因子が関与し水利尿に於いては急 ClK の排世像も同様の傾向を示すが Na程著

激な PVの量及び質の変動が主要なる役割をなすも 明でない

のの如くである 以上を要約すれば血糖値の上昇例は最大利尿

体液構成との関係 PVの比較的増大している 時尿量を減ずるが最大利尿発現時聞に特に影響を

症例に於いて水利尿時尿量の抑制を認めるかか 認めない又 1日尿中 17KS増量例は電解質特に

る症例は著明な高血糖を呈し又は血緊 Na濃度の Na排粧を増加し利尿初期は特に著明である ζ

比較的高値の症例である れに反し 17KS量低値なるものは Na排世増加を認

腎クリアランス値との関係 GFRRPF共に めずそれに伴い最大利尿発現時を遅延せしめ最

水利尿の程度と精関係を認めるが前述の特に水利 大利尿時尿量も柏低下せしめる

尿を遅延せしめる因子の存在する症例に於ては腎 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比

機能の如何に拘らず水利尿時の尿量は少い尚 尿量は糖尿病例は柏減少し水利尿の遅延するに

Smith及び永峰(14)によれば稀釈試験時KGFR 従ってその排世比も柏増大する

RPFの変動は殆んど認められないと言われている 電解質排世量及び比共l乙水利尿の良否とは特に相

以上主要な水利尿遅延因子としては腎機能の 関を認めないが水利尿の良好例K排世量の増加を

良否は当然考えられるべきではあるが更に ADH 認める

並びに副腎皮質ホ Jレモンの分泌機序の異常も強く関 血糖値との関係はその上昇するにつれて水利尿時

1乙殊に甚しく叉l尿量は減少し著明な過血糖例 L与することを考慮しなければならな

第2項 水利尿時諸排世像 日尿中 17KS排世量は尿量との関係は軽度で電解

尿量の変動は水利尿良好例遅延例工型 n型 質殊に Na排世量との相関が明らかである乙れ

買に最大利尿時尿量の減少を認めるがその発現時)1の は血糖上昇の際は AD町分泌抑制が主で 17KS増

-2334- 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 6表 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

工 諸排i世量及び諸排世比

排 17 KS K 糖

水単独 水物単併独

ClNa尿薬

備 考水物単併独水単独用 薬水物単併独用薬水物単併独用症 薬用薬物併薬用併負荷用薬負荷物び

例『番比

物号

1164 050 3019 035 307 053 16 内 1321 041 141 067 1252071 4393 04814043

40 1148 019 3836 057 4964 050 1096 044

ブ 22 阿 O田1048 056 2003 118 3328 078 1237 067 ド

糖 1010 030 3951 091 6198 073 1570

40cc 13 木 O恵 前|1023 035 1677 120 2969 084 947

静 伊i 1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053

平均 11081 0531 2690 073 3446 063 11681056 141 067

除全遅 026 3006 031 12回511i022 224 054 四 a119 動脈血圧 150--72併例合延 17鈴 O

11391 1171 4147 077 3348 068 1380 108 330 086 硬化症眼底 K WJII 症

055 4334 051 12971040 265 054例例平 全例

11151 0661 3054 075 3422 064 12211068 240 0793 4 -

1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053除合併 均 症例 1108 053 2690 073 3446 063 1168 056 141 067

1370 049 5035 082 5890 087 1596 063 128 038

量及

良 8 立 972 077 2017 089 3996 068 1015 054 267 051

1089 118 3010 114好 9l市イ 1161 057 2375i 039 4969 039 037

096 1265 075 1229 074 3298官uシ平 均

ユ 1066 066 2196 058 4483 051 1939 041 2671051 リ

093 1140 064 650 029 2265 ン 硬化症 血圧 60~114

眼底 KWJI 11 小 O

1025 028 4465 06614998 091 1313 059 5u 遅

静 0752 6 4 |i曲胡00 374 057 4145 0761 49141071 1 5 87 2570 078 1将 O注

延例

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488 033 4598 0541 564 64057 12801 071 362 065

512 038 3205 13641 0621 264 075 hellip街lm756 030 4532 0601 5323 072 12961 0531 362 065

374 057 4145 4914071 075 075d4i

968 005

例例 平均

3 4匂圃4

4012801057 714054 56033 4598 488 362 065 61

4172 087 1314 061871 062 平 全例

911 049 059 4903 061 1618 315 058

944 071 3580 082 4605 086 1373 069 196 061 除合併 均 症例 873 059 2997 056 4871 053 1719 042 315 058

良 10891 11911562 103 好 市 304111

t列U9 0110161 17911705087 44601 13111212 1

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 K関する研究 ~2335ー

0959判 1岨15 C A

106 14171 033 48011063 10161 0641 321 083

938 051 1707 069 1163 054 1 88 1 24遅 18 椎 O

1018 1 25 1717 075 5067 095 1597 096 528 0805mg 圧底 KW 1

静 2558 093 3760

延 14姥 O 暖動 化 脈症(蛋血圧底白〔 120〕MBO注 8691 1 75 1864 057 3514 0671 1238 094 心筋障害眼 Kwn

852 074 2208 087 4369 087 1097 069 1 68 平ー均 ou除全 881 1 32 1666 054 4441 075 1284 086 425 081 玉メ口

併 除合併 947 058 2032 083 4674 082 1039 061 168 1 10症 症例例例 888 117 1567 053 4934 078 1306 082 425 081平均

911 085 4029 09 1 1056 076 168 1 10平 全例--

3 4

915 1 44 16761062 4446 087 1266 094 425 081

1876 088 1005 1 10除合併 均 症例 0941425 08138 1613064 4767i 092 12751 1

4276 0~83 1994 065 204 046 21 佐

1305~ 034 3563 048 5976 054 2283 037 255 029

T H

---

1245 056 3771 051 5438 051 1737 053 334 039 良 10立

1182 057 2324 045 4097 5421 45 076 280 066 チ

1034 1 15 9081 100 1623 087 259 011 1 78 029ソ好 5 池 O正

ン 眼底糖尿病性638 031 3226 01313201 034 1693 042 225 023 252 043 網膜炎

50 町 19例

1224 073 5709 084 7891 078 1784 066 266 058 178 029 平 均

内 1051 041 3038 033 4424 049 2040 050 253 041 252 043

服 除合併 1312 061 4024 067 5903 0印54111861541i 059

268 042

1243 044 2934 047 5036 054 2214yen 054 267 046例

遅延

症例 平均

--705 1 17 1154 074 1948 081 785 076 164 068三除日全』

19鵜 O1220 063 2328 076 6213 057 1705 063 232 079併 例

症例例 079 4570 084 1535 068 240 060 178 029

平 全例3 4 1093 046 2860 040 4872 052 1956 053 248 049 252 043 -- 1114 070 3067 068 4585 062 233 048除合併

均症例 1235 050 2738 054 5429 05512044 056 255 056

921 104 1345 097 792 072 066 103プ 6 染 O

900 05511504 036 2076 035 1161 039 1 39 049レ 遅ド

ーー 207 074 1 59 135ン 延 4中 O

867 129 5865 梅 毒 肝 腫A

25285655 0541051 26631057 6140571 56868 041 464515 mg

例 133 043 1190 8221053 070 045 g 渡 O内

初日--服

合除全 平

併症

例2例3 均_

414 012 1440 0211 23191 020 11 161018 1 53 031

640 1 09 2688 1 15 3736 1 16 12181094 1 14072 全例

727 040 2529 044 3347 039 16471042 149 044 8561252

527 095 1101 074 1507 073 068 068除合併症例 657 038 1472 029 21 97 027 11441028 146 039

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

出町

主昨

ゾ判〕

〔民本零時〕

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E

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-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

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〔匝誌零時〕

言語

ヨ昨

五円〕

〔匝芯零時〕

〔題

活性

キ毛

NW

E酬

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2323-

G RPFC41M1_

句々ωt

140

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110

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I ~ I L_____ー」ーよーし一一一larr 五百h200lt

I

lt 400 600 1200 200血 400 600 800 1000 1200

1電解質 試験前 1時間尿中の NaClK量及 2NaCl 健常例の NaCl排世像は水負荷

びその血撲濃度と水利尿との聞に相関は認められな 直後水利尿発現初期比軽微の排世増加を認め利尿

期には寧ろ排世減少し 3時聞をきの濃縮移行期lζ再

2血糖及び尿糖 水利尿と比較的よく負の関係 び電解質排世増加の最も高い時期となる糖尿病の

を認め著明な過血糖例の 4時間尿量は極めて少い 水利尿良好例に於いてもこれと略々同様の変動を示

3尿中 17KS1日排世量及び好酸球減少率 水 すが利尿初期の排世増加が著るしくなっている

利尿良好例には 17KS量の増加好酸球減少率の高 遅延例も良好例に類似した変動を示すがその変動

度なるものが多く過剰排世型の傾向を示す遅延 は極めて小さい

例E型K於いても 17KS量の増加好酸球減少率 良好例のうち症例 8102122遅延例 E型のう

の高値を示す傾向を認める o ち症例 1の如く著明な NaCl排世を認める症例

4 1日尿量 水利尿と 1日尿量との聞に明らか は何れも尿中 1日17KS排世量は比較的高値を示し

な関係を認め難いが異常な 17KS増量例及び著明 こ良好例のうち症例 9遅延工型の症例6は全4

な高血糖例を除けば水利尿の程度と 1日尿量とは 時聞を通じて NaCl排池ー量は低値を示しかかる

柏平行する傾向を認める 症例の 1日尿中 17KS排世量は最も低値で最大利

5体液構成 T 1824-Spaceが正常範囲内で 尿時尿量は低下し最大利尿発現時も遅延している

正常の上界値を示す症例に於いて水利尿は遅延E型 3 K 良好例及び遅延 E型のKの変動は健常

を示す Rhodan-Space Ir於いても同様の傾向を認 例に類似しているが遅延工型に於いてはKの排世

める は比較的少い

ι腎クリアランス 著明な過血糖例及び惨透圧 4 17KS及び好酸球減少率 水利尿良好例に於

上昇K伴う PV増大例及び異常な 17KS増量の 1例 ける水利尿時 17KS排世量及び好酸球減少率は最も

を除外したその他K於いては GFRRPFの増減 著明である

に応じて水利尿も増減する傾向を認めるが著明で 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比(第4表

ない 第5表)

第 2項水利尿時諸排世像(第8図) 1 諸排世量 (第9図)

1尿量 最大利尿時尿量は健常例が最も多く 尿量の糖尿病全例平均は健常例K比し減少を認め

以下水利尿の程度に従って順次低下し最大利尿発 る

現時も順次柏遅延の傾向を認める水利尿良好例及 NaCl は水利尿良好例に著明な排世量増加を認

び遅延例工型lとても最大利尿時尿量の比較的低下例 める遅延例E型も症例により排i世増加を認めるも

を認めるがかかる症例の最大利尿発現時の遅延は のもある

著明である 排世量の平均値では良好例に NaClの増加が著

-2324ー 千葉医 学会 雑誌 第35巻

00 cc

第 8図 水利尿時諸排世像(合併症を有する例を除く)

健常例 良好例

ーlsquo必21

mEq_lmEラ

2 1-iacute~ Il

10ト120

c1ワ

5

ト1

0

財政球減少率)

原中門院(||)

情M

a

o

n

ν

p

b

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~A--ーー

--

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝花関する研究 -2325-

遅延例工型 遅 延 例 E 型

400ト cc

尿

9

1iし

也印

3

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一 2怠色ム-_ ---温lsquo邑---_-ldquo F

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6ペへyenyenyenyen

yenろノIl ~lsquo~--也

好均時雨少苧

尿中 ηdM

-2326ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 4表 水利尿と諸排池ー量 工 糖尿病例

年 尿量 cc Na量 Cl量

KIIlE量q 17KS量 | 尿 糖 量

メHLmEq mEq mg g

症例目Ij

全前 l全 刷 全目Ij

全目IJ 全日Ij 全 合併症その他

f生 22時時後間間4時間|22時3問間時間1晶時間114時間22時時後間間 22時時後間間4時間占2時時後間間別 4時間 4時間

2879 151 144

135374 1791 4145 4914 1587 264

合 2035 595 113 113

2酒 57 467 2196 1803 601 036 H稀釈試験 2時間前4 NP

733 4795 4399 799 インシュリン u皮 合 266 2599 2596 198 145 下注射(不適)

60 93 11931065181I1 1669

538 048 709 822 070 772

合 40 423 284 022 063

4 中 3440 882 119 068

8194 2039 207 160 A 梅 毒 肝腫 合 488 4754 1157 088 092

池 46 482 4457 l別 869 125 138

510 1034 90811 111868 1623 259 179 腎症正 552 4624 5935 754 134 041

6染 65 447 683

792 033

921 1011 13 066 474 51 663 332 033

7浅 31 517

|「ど71 458

9151 111 1520 717 脚気 398 4141 1 649 259

916 2174 3138 093 1288) 0

1370 5035 589 1596 453 2260 2752 617 035

498 771 1405 464 9) 0

1089 1472 3010 933 591 701 1605 469

立 58 797 3589 1139 10 1245 3771 5438 334

448 1278 1849 598 095

53 502 1233 1496 693 082 067 11 650 2265 2875 1140 145 084 動脈硬化症 148 1032 1379 447 063 017

市 52 388 834 911 12 936 1743 3477 1977

548 909 1872 1066

木 52 776 2066

吋 lm13 1010 3951 6198 1570 百-三~ 合 234 1885 26151 1 599

蛇 70 270 662

1322 1887 654 動脈筋硬障化症14 2558 3760 1212 ⑦む 碍 合 392 1236 1873 558

582 956

1273 257q叫 535 076

15 2358 244

315013 9i6 148 374 1085 381 072

内 59 774 2162 944 200 16 1164 301 3168 1271 307 注 390 857 909 327 107 L J 眼底 KW工

17 820 410198 300 腎症 合 323 7 2221251079224060093動脈硬化症l|145110331オh1410ぺ|叶11|鈴

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝lと関する研兜 -2327ー

52 620 18 椎 (血底圧 170~901707 4335 11 6 318 651 注

眼 KWI041 1 4091764 ~17

54 325 662 097705 54 785 1 6419 0鵜 11 1 875 380 492 338 067 014

55 743 977 1915 415 20

池 128 871 2043 3315 800 1066 1400 385

48 843 2338 3796 1208 140 佐

21 42761393 6368 1994 204550 1938 2572 786 064合

2481lz卜147判|州|吋 E 健常例

年令尿量 cc

Na量 Cm1E量q KmE量q 17KS量 尿糖 量 mEq mg g

症例

22時時前後間間 4時且八間

別全

22時時i後iiJ間間 4時~間122 時時前後間間 4時一一A 間 22時2削聞間 4時~間 2J時前間問 4時こ八に間備 考

a別性 22時2「間目nl4時間

1 中 20 709 1752 855

2741 1139 1653 3212 1471 944 1460 616

2ぎ 22 727 1065

823 2683 724 1658 41 11 1638

合 338 835 1428 914

3出 26 1140 3422 1297

155 1295 4038 5682 2115

合 21 98 2260 818

4lU 28 845 988 21 99 630 1090 21 07 3899 986

合 245 11 19 1700 356

515 24 1220 1625 2034

1338 2571 31 1084 合 118 946 1144 382

1210 445 1077

1317 2162

371 1328 629 118 632 845 258

71~ 32 1035 725 1698 991

1094 1601 2217 11 84 59 876 519 193

8ぎ 47 860 737 1993 1 66 1029

603 1340 2703 236

合 169 710 070

9菰 36 907 1377

2605 2461 800

1139 3725 144 1合 232 1228 1264 64 1

金 22 932 726 1486 832 10 1063 1538 2412 1078

合 131 812 926 246

斎 36 1013 1957 478 739 11 1144 2812

539 1017 1188

131 855 449

-2328- 千 葉 医 学 ムヨミ 雑 誌 第 35巻

第 5表 排世量及び排j世比(後前)(平均値)(合併症を有する例を除く)

尿 主主ヨ豆lsquo Na Cl K 17KS

前川~stl 前 知 吋 比 前 2st門比全 4時 間 量 比 全 4時間量比 全 4時間量 全 4時間量 全 4時間量

974 184 1000 1019 2105 1226 737 449 061健常例 019 102 058

1158 2019 3331 1186

795 408 2153 1487 2997 1994 924 533 168 075 良好例 051 069 067 058 045

1203 3640 4991 1457 243

糖 工 555 368 913 868 1869 1628 621 513 064 069

群 066 095 087 083 107

遅 923 1781 3497 1134 133

尿 218E 185 1261 902 1650 1174 659 406 099 068

延群

084 072 071 061 069

病 404 2163 2824 1065 167

J1j 429 299 1042 881 1787 1458 635 473 082 068 平 070 084 082 074 084 例 均 728 1923 3245 1108 150

全例 600 350 1561 1164 2352 1708 769 501 058 075 073

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2329-

明で遅延E型に於いても Na排世量が柏増加する すlarr

傾向を示す Clは健常例 058糖尿病例 073で後半の増量がよ

KはClと略々類似せる傾向を認める り大である

17KS排j世は Na排世l乙略々平行するが如き傾向 Kは Clと類似の傾向を認めるが症例 12 1[於い

を示す ては117と著明な上昇を認める

2 諸排世比 (第 10図〉 1 諸排世量及び比と諸因子

水稀釈力試験時の各排世量の後半 2時間量l乙対す 諸排世量(第 11図〉尿量と血糖値との関係は中

る前半2時間量の比を以って排世比とした 等度以下の過血糖の症例lζ於いては血糖値の土井

尿量の平均排世比は健常例 019糖尿病例 058 氏伴う尿量の減少は軽微であるがj著明な過血糖例

で後半排世量増加を示し水利尿良好なもの程小で を呈せる症例は尿量は極めて少い 17KS 1日量と

あるがその関係は余り著明でない症例 6912 の関係に於いてはその増加している症例に精尿量

19の4例は排世比の上昇著明で10を越える の増加する傾向を認めるが著明でない

Na は健常例102糖尿病例 075で前半排世量の増 NaClKの電解質排世量と血糖値の関係は余り

加を見る症例 6912は10を越える排世比を示 明確でなL0 17 KS 1日量とは明らかに相関を認め

第 10図 水利尿と諸排世比 (合併症を有する例を除く)

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-2330ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

る て電解質排世比の僅かの上昇を認め叉尿量排世

諸排世比(第 12図)諸排世比と血糖値との関係は 比に於いても 17KS減少例及び症例 19 K上昇を認

認め難く叉 17KS量との関係も一般に著明ではな める

いが 17KS 1日量の特に少い症例 69121乙於い

第 11図 排世量と諸因子 (合併症を有する例を除く)

〔血糖との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2331ー

〔血糖との関係〕 [17KS 1日量との関係〕ー

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第 12図 排世比と諸因子 (合併症を有する例を除く〉

〔血糖値との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

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-2332ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

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〔血糖値との関係〕 [17 KS 1日量との関係〕

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第 II章総括並びに者按

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250

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8 11 12吻匂

109

第 1項水利尿と諸因子

電解質との関係 水試験前値の尿中電解質排世

糖尿病K於ける水分代謝の問題殊に 1日尿量 量及び血察電解質濃度と水利尿の程度には一定の関

と水試験時の如き急激なる体液変動を惹起せしめ 係を認め難く試験前電解質量または濃度によって

た場合の水分代謝とは当然同一視得ないものがあ 水利尿は影響を受けない

ると思われる 血糖値との関係 血糖値と水利尿との聞には負

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2333ー

の関係を認めるが著明な過血糖を呈し PVRho- の遅速は一定でない乙れは血糖値の上昇せる為

danSpの増加を来たす様な症例は水 1L負荷にょ に ADH作用抑制によって起る水利尿反応が鈍化

つでも OsmoreceptorVolume receptorを介し され得る故であろう

て起る ADH分泌抑制の度が小となり水利尿反応 水利尿の良否lζ拘らず最大利尿発現時の遅延する

が少くなる為か尿量は極めて少ない過血糖中等度 症例は 17KS量の低値の例及び血疑 Na濃度が他

以下の症例は PVR対する影響も少く 尿量減少 の症例広比し高値を示す症例で何れも水利尿時の

の度も軽度である NaCl排世は殆んど尿量と関係なく減少している

17KS量との関係 17 KS 1日尿中排世量の増 電解質排世像は水利尿良好例に於いては健常例

加に従って尿量増加の傾向を認め特に過剰排世型 と異なり利尿発現初期に著明な Na排世のピーク

の傾向の認められる症例に 17KS量の増加を認め を見るこれは何れも 1日尿中 17KS排i世量増加例

るかかる症例は何れも GFRの増大と尿中 Na である遅延例工型は 17KS量の増加せる例少く

Clの排世増加を認めた例である 電解質排世も著明でなく略々健常例に近い排世像を

然し症例 13の如く 17KS量異常に高値で多尿 示す遅延E型は水排世遅延最も著明にも拘らず

lとより PV減少を呈せる脱水症例では水負荷によ 電解質排世像が良好例比類似して比較的著明な症例

りPVの変動は強く現われるが排世尿量は少い を認めるが ζれは 17KS量の増加を認める

叉著明な過血糖例及び症例 19の如く血疑 Na濃 更に症例 9612の如く 1日尿中 17KS排j世量

度が比較的高値の症例は間脳ー下垂体後葉系並びに 低値の症例は水分排世量に関係なく終始 Na排世

下垂骨前葉一副腎皮質系の内分泌機序の連関性の失 の増加が認められない以上の成績と過剰排世型を

調の為か 17KS量比較的増加しているにも拘ら 示す症例l乙1日尿中 17KS量の増加を認める事より

ず利尿は遅延する 考えれば水利尿時尿量の増加は GFRの良好なる

1日尿量との関係 一般に水利尿との相関を示 事と相侯って副腎皮質機能の比較的健全なるによる

す傾向にあるが特に過血糖を呈する症例及び異常 ものと考えられる唯し症例 13の如く 1日尿申 17

rc17KS量の増加せる症例に於いては前述の如く水 KS排世量の異常に高値の症例に於いても利尿初

利尿時の尿量を抑制する 期の Na排j世のピークは柏低く血媛 Na濃度の低

即ち 1日尿量lと於いては恒常的な腎機能及び 下も殆んど認めない場合もある

体液構成等の因子が関与し水利尿に於いては急 ClK の排世像も同様の傾向を示すが Na程著

激な PVの量及び質の変動が主要なる役割をなすも 明でない

のの如くである 以上を要約すれば血糖値の上昇例は最大利尿

体液構成との関係 PVの比較的増大している 時尿量を減ずるが最大利尿発現時聞に特に影響を

症例に於いて水利尿時尿量の抑制を認めるかか 認めない又 1日尿中 17KS増量例は電解質特に

る症例は著明な高血糖を呈し又は血緊 Na濃度の Na排粧を増加し利尿初期は特に著明である ζ

比較的高値の症例である れに反し 17KS量低値なるものは Na排世増加を認

腎クリアランス値との関係 GFRRPF共に めずそれに伴い最大利尿発現時を遅延せしめ最

水利尿の程度と精関係を認めるが前述の特に水利 大利尿時尿量も柏低下せしめる

尿を遅延せしめる因子の存在する症例に於ては腎 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比

機能の如何に拘らず水利尿時の尿量は少い尚 尿量は糖尿病例は柏減少し水利尿の遅延するに

Smith及び永峰(14)によれば稀釈試験時KGFR 従ってその排世比も柏増大する

RPFの変動は殆んど認められないと言われている 電解質排世量及び比共l乙水利尿の良否とは特に相

以上主要な水利尿遅延因子としては腎機能の 関を認めないが水利尿の良好例K排世量の増加を

良否は当然考えられるべきではあるが更に ADH 認める

並びに副腎皮質ホ Jレモンの分泌機序の異常も強く関 血糖値との関係はその上昇するにつれて水利尿時

1乙殊に甚しく叉l尿量は減少し著明な過血糖例 L与することを考慮しなければならな

第2項 水利尿時諸排世像 日尿中 17KS排世量は尿量との関係は軽度で電解

尿量の変動は水利尿良好例遅延例工型 n型 質殊に Na排世量との相関が明らかである乙れ

買に最大利尿時尿量の減少を認めるがその発現時)1の は血糖上昇の際は AD町分泌抑制が主で 17KS増

-2334- 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 6表 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

工 諸排i世量及び諸排世比

排 17 KS K 糖

水単独 水物単併独

ClNa尿薬

備 考水物単併独水単独用 薬水物単併独用薬水物単併独用症 薬用薬物併薬用併負荷用薬負荷物び

例『番比

物号

1164 050 3019 035 307 053 16 内 1321 041 141 067 1252071 4393 04814043

40 1148 019 3836 057 4964 050 1096 044

ブ 22 阿 O田1048 056 2003 118 3328 078 1237 067 ド

糖 1010 030 3951 091 6198 073 1570

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静 伊i 1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053

平均 11081 0531 2690 073 3446 063 11681056 141 067

除全遅 026 3006 031 12回511i022 224 054 四 a119 動脈血圧 150--72併例合延 17鈴 O

11391 1171 4147 077 3348 068 1380 108 330 086 硬化症眼底 K WJII 症

055 4334 051 12971040 265 054例例平 全例

11151 0661 3054 075 3422 064 12211068 240 0793 4 -

1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053除合併 均 症例 1108 053 2690 073 3446 063 1168 056 141 067

1370 049 5035 082 5890 087 1596 063 128 038

量及

良 8 立 972 077 2017 089 3996 068 1015 054 267 051

1089 118 3010 114好 9l市イ 1161 057 2375i 039 4969 039 037

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ユ 1066 066 2196 058 4483 051 1939 041 2671051 リ

093 1140 064 650 029 2265 ン 硬化症 血圧 60~114

眼底 KWJI 11 小 O

1025 028 4465 06614998 091 1313 059 5u 遅

静 0752 6 4 |i曲胡00 374 057 4145 0761 49141071 1 5 87 2570 078 1将 O注

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488 033 4598 0541 564 64057 12801 071 362 065

512 038 3205 13641 0621 264 075 hellip街lm756 030 4532 0601 5323 072 12961 0531 362 065

374 057 4145 4914071 075 075d4i

968 005

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3 4匂圃4

4012801057 714054 56033 4598 488 362 065 61

4172 087 1314 061871 062 平 全例

911 049 059 4903 061 1618 315 058

944 071 3580 082 4605 086 1373 069 196 061 除合併 均 症例 873 059 2997 056 4871 053 1719 042 315 058

良 10891 11911562 103 好 市 304111

t列U9 0110161 17911705087 44601 13111212 1

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 K関する研究 ~2335ー

0959判 1岨15 C A

106 14171 033 48011063 10161 0641 321 083

938 051 1707 069 1163 054 1 88 1 24遅 18 椎 O

1018 1 25 1717 075 5067 095 1597 096 528 0805mg 圧底 KW 1

静 2558 093 3760

延 14姥 O 暖動 化 脈症(蛋血圧底白〔 120〕MBO注 8691 1 75 1864 057 3514 0671 1238 094 心筋障害眼 Kwn

852 074 2208 087 4369 087 1097 069 1 68 平ー均 ou除全 881 1 32 1666 054 4441 075 1284 086 425 081 玉メ口

併 除合併 947 058 2032 083 4674 082 1039 061 168 1 10症 症例例例 888 117 1567 053 4934 078 1306 082 425 081平均

911 085 4029 09 1 1056 076 168 1 10平 全例--

3 4

915 1 44 16761062 4446 087 1266 094 425 081

1876 088 1005 1 10除合併 均 症例 0941425 08138 1613064 4767i 092 12751 1

4276 0~83 1994 065 204 046 21 佐

1305~ 034 3563 048 5976 054 2283 037 255 029

T H

---

1245 056 3771 051 5438 051 1737 053 334 039 良 10立

1182 057 2324 045 4097 5421 45 076 280 066 チ

1034 1 15 9081 100 1623 087 259 011 1 78 029ソ好 5 池 O正

ン 眼底糖尿病性638 031 3226 01313201 034 1693 042 225 023 252 043 網膜炎

50 町 19例

1224 073 5709 084 7891 078 1784 066 266 058 178 029 平 均

内 1051 041 3038 033 4424 049 2040 050 253 041 252 043

服 除合併 1312 061 4024 067 5903 0印54111861541i 059

268 042

1243 044 2934 047 5036 054 2214yen 054 267 046例

遅延

症例 平均

--705 1 17 1154 074 1948 081 785 076 164 068三除日全』

19鵜 O1220 063 2328 076 6213 057 1705 063 232 079併 例

症例例 079 4570 084 1535 068 240 060 178 029

平 全例3 4 1093 046 2860 040 4872 052 1956 053 248 049 252 043 -- 1114 070 3067 068 4585 062 233 048除合併

均症例 1235 050 2738 054 5429 05512044 056 255 056

921 104 1345 097 792 072 066 103プ 6 染 O

900 05511504 036 2076 035 1161 039 1 39 049レ 遅ド

ーー 207 074 1 59 135ン 延 4中 O

867 129 5865 梅 毒 肝 腫A

25285655 0541051 26631057 6140571 56868 041 464515 mg

例 133 043 1190 8221053 070 045 g 渡 O内

初日--服

合除全 平

併症

例2例3 均_

414 012 1440 0211 23191 020 11 161018 1 53 031

640 1 09 2688 1 15 3736 1 16 12181094 1 14072 全例

727 040 2529 044 3347 039 16471042 149 044 8561252

527 095 1101 074 1507 073 068 068除合併症例 657 038 1472 029 21 97 027 11441028 146 039

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

出町

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ゾ判〕

〔民本零時〕

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-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

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〔匝誌零時〕

言語

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五円〕

〔匝芯零時〕

〔題

活性

キ毛

NW

E酬

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

-2324ー 千葉医 学会 雑誌 第35巻

00 cc

第 8図 水利尿時諸排世像(合併症を有する例を除く)

健常例 良好例

ーlsquo必21

mEq_lmEラ

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財政球減少率)

原中門院(||)

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝花関する研究 -2325-

遅延例工型 遅 延 例 E 型

400ト cc

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好均時雨少苧

尿中 ηdM

-2326ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 4表 水利尿と諸排池ー量 工 糖尿病例

年 尿量 cc Na量 Cl量

KIIlE量q 17KS量 | 尿 糖 量

メHLmEq mEq mg g

症例目Ij

全前 l全 刷 全目Ij

全目IJ 全日Ij 全 合併症その他

f生 22時時後間間4時間|22時3問間時間1晶時間114時間22時時後間間 22時時後間間4時間占2時時後間間別 4時間 4時間

2879 151 144

135374 1791 4145 4914 1587 264

合 2035 595 113 113

2酒 57 467 2196 1803 601 036 H稀釈試験 2時間前4 NP

733 4795 4399 799 インシュリン u皮 合 266 2599 2596 198 145 下注射(不適)

60 93 11931065181I1 1669

538 048 709 822 070 772

合 40 423 284 022 063

4 中 3440 882 119 068

8194 2039 207 160 A 梅 毒 肝腫 合 488 4754 1157 088 092

池 46 482 4457 l別 869 125 138

510 1034 90811 111868 1623 259 179 腎症正 552 4624 5935 754 134 041

6染 65 447 683

792 033

921 1011 13 066 474 51 663 332 033

7浅 31 517

|「ど71 458

9151 111 1520 717 脚気 398 4141 1 649 259

916 2174 3138 093 1288) 0

1370 5035 589 1596 453 2260 2752 617 035

498 771 1405 464 9) 0

1089 1472 3010 933 591 701 1605 469

立 58 797 3589 1139 10 1245 3771 5438 334

448 1278 1849 598 095

53 502 1233 1496 693 082 067 11 650 2265 2875 1140 145 084 動脈硬化症 148 1032 1379 447 063 017

市 52 388 834 911 12 936 1743 3477 1977

548 909 1872 1066

木 52 776 2066

吋 lm13 1010 3951 6198 1570 百-三~ 合 234 1885 26151 1 599

蛇 70 270 662

1322 1887 654 動脈筋硬障化症14 2558 3760 1212 ⑦む 碍 合 392 1236 1873 558

582 956

1273 257q叫 535 076

15 2358 244

315013 9i6 148 374 1085 381 072

内 59 774 2162 944 200 16 1164 301 3168 1271 307 注 390 857 909 327 107 L J 眼底 KW工

17 820 410198 300 腎症 合 323 7 2221251079224060093動脈硬化症l|145110331オh1410ぺ|叶11|鈴

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝lと関する研兜 -2327ー

52 620 18 椎 (血底圧 170~901707 4335 11 6 318 651 注

眼 KWI041 1 4091764 ~17

54 325 662 097705 54 785 1 6419 0鵜 11 1 875 380 492 338 067 014

55 743 977 1915 415 20

池 128 871 2043 3315 800 1066 1400 385

48 843 2338 3796 1208 140 佐

21 42761393 6368 1994 204550 1938 2572 786 064合

2481lz卜147判|州|吋 E 健常例

年令尿量 cc

Na量 Cm1E量q KmE量q 17KS量 尿糖 量 mEq mg g

症例

22時時前後間間 4時且八間

別全

22時時i後iiJ間間 4時~間122 時時前後間間 4時一一A 間 22時2削聞間 4時~間 2J時前間問 4時こ八に間備 考

a別性 22時2「間目nl4時間

1 中 20 709 1752 855

2741 1139 1653 3212 1471 944 1460 616

2ぎ 22 727 1065

823 2683 724 1658 41 11 1638

合 338 835 1428 914

3出 26 1140 3422 1297

155 1295 4038 5682 2115

合 21 98 2260 818

4lU 28 845 988 21 99 630 1090 21 07 3899 986

合 245 11 19 1700 356

515 24 1220 1625 2034

1338 2571 31 1084 合 118 946 1144 382

1210 445 1077

1317 2162

371 1328 629 118 632 845 258

71~ 32 1035 725 1698 991

1094 1601 2217 11 84 59 876 519 193

8ぎ 47 860 737 1993 1 66 1029

603 1340 2703 236

合 169 710 070

9菰 36 907 1377

2605 2461 800

1139 3725 144 1合 232 1228 1264 64 1

金 22 932 726 1486 832 10 1063 1538 2412 1078

合 131 812 926 246

斎 36 1013 1957 478 739 11 1144 2812

539 1017 1188

131 855 449

-2328- 千 葉 医 学 ムヨミ 雑 誌 第 35巻

第 5表 排世量及び排j世比(後前)(平均値)(合併症を有する例を除く)

尿 主主ヨ豆lsquo Na Cl K 17KS

前川~stl 前 知 吋 比 前 2st門比全 4時 間 量 比 全 4時間量比 全 4時間量 全 4時間量 全 4時間量

974 184 1000 1019 2105 1226 737 449 061健常例 019 102 058

1158 2019 3331 1186

795 408 2153 1487 2997 1994 924 533 168 075 良好例 051 069 067 058 045

1203 3640 4991 1457 243

糖 工 555 368 913 868 1869 1628 621 513 064 069

群 066 095 087 083 107

遅 923 1781 3497 1134 133

尿 218E 185 1261 902 1650 1174 659 406 099 068

延群

084 072 071 061 069

病 404 2163 2824 1065 167

J1j 429 299 1042 881 1787 1458 635 473 082 068 平 070 084 082 074 084 例 均 728 1923 3245 1108 150

全例 600 350 1561 1164 2352 1708 769 501 058 075 073

065

1 187 061

平均 950 2725 4060 1270

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48

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2329-

明で遅延E型に於いても Na排世量が柏増加する すlarr

傾向を示す Clは健常例 058糖尿病例 073で後半の増量がよ

KはClと略々類似せる傾向を認める り大である

17KS排j世は Na排世l乙略々平行するが如き傾向 Kは Clと類似の傾向を認めるが症例 12 1[於い

を示す ては117と著明な上昇を認める

2 諸排世比 (第 10図〉 1 諸排世量及び比と諸因子

水稀釈力試験時の各排世量の後半 2時間量l乙対す 諸排世量(第 11図〉尿量と血糖値との関係は中

る前半2時間量の比を以って排世比とした 等度以下の過血糖の症例lζ於いては血糖値の土井

尿量の平均排世比は健常例 019糖尿病例 058 氏伴う尿量の減少は軽微であるがj著明な過血糖例

で後半排世量増加を示し水利尿良好なもの程小で を呈せる症例は尿量は極めて少い 17KS 1日量と

あるがその関係は余り著明でない症例 6912 の関係に於いてはその増加している症例に精尿量

19の4例は排世比の上昇著明で10を越える の増加する傾向を認めるが著明でない

Na は健常例102糖尿病例 075で前半排世量の増 NaClKの電解質排世量と血糖値の関係は余り

加を見る症例 6912は10を越える排世比を示 明確でなL0 17 KS 1日量とは明らかに相関を認め

第 10図 水利尿と諸排世比 (合併症を有する例を除く)

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200ζc 400 占ず4 市斗~1()~D----lLIUgrave~OL-l--- IToι ーふ0--+-市布~ 4時向原賢一』 4時間尿器-

-2330ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

る て電解質排世比の僅かの上昇を認め叉尿量排世

諸排世比(第 12図)諸排世比と血糖値との関係は 比に於いても 17KS減少例及び症例 19 K上昇を認

認め難く叉 17KS量との関係も一般に著明ではな める

いが 17KS 1日量の特に少い症例 69121乙於い

第 11図 排世量と諸因子 (合併症を有する例を除く)

〔血糖との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2331ー

〔血糖との関係〕 [17KS 1日量との関係〕ー

25ト

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第 12図 排世比と諸因子 (合併症を有する例を除く〉

〔血糖値との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

1amp

同 019

警08 s 07

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-2332ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

61

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〔血糖値との関係〕 [17 KS 1日量との関係〕

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第 II章総括並びに者按

300

250

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8 11 12吻匂

109

第 1項水利尿と諸因子

電解質との関係 水試験前値の尿中電解質排世

糖尿病K於ける水分代謝の問題殊に 1日尿量 量及び血察電解質濃度と水利尿の程度には一定の関

と水試験時の如き急激なる体液変動を惹起せしめ 係を認め難く試験前電解質量または濃度によって

た場合の水分代謝とは当然同一視得ないものがあ 水利尿は影響を受けない

ると思われる 血糖値との関係 血糖値と水利尿との聞には負

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2333ー

の関係を認めるが著明な過血糖を呈し PVRho- の遅速は一定でない乙れは血糖値の上昇せる為

danSpの増加を来たす様な症例は水 1L負荷にょ に ADH作用抑制によって起る水利尿反応が鈍化

つでも OsmoreceptorVolume receptorを介し され得る故であろう

て起る ADH分泌抑制の度が小となり水利尿反応 水利尿の良否lζ拘らず最大利尿発現時の遅延する

が少くなる為か尿量は極めて少ない過血糖中等度 症例は 17KS量の低値の例及び血疑 Na濃度が他

以下の症例は PVR対する影響も少く 尿量減少 の症例広比し高値を示す症例で何れも水利尿時の

の度も軽度である NaCl排世は殆んど尿量と関係なく減少している

17KS量との関係 17 KS 1日尿中排世量の増 電解質排世像は水利尿良好例に於いては健常例

加に従って尿量増加の傾向を認め特に過剰排世型 と異なり利尿発現初期に著明な Na排世のピーク

の傾向の認められる症例に 17KS量の増加を認め を見るこれは何れも 1日尿中 17KS排i世量増加例

るかかる症例は何れも GFRの増大と尿中 Na である遅延例工型は 17KS量の増加せる例少く

Clの排世増加を認めた例である 電解質排世も著明でなく略々健常例に近い排世像を

然し症例 13の如く 17KS量異常に高値で多尿 示す遅延E型は水排世遅延最も著明にも拘らず

lとより PV減少を呈せる脱水症例では水負荷によ 電解質排世像が良好例比類似して比較的著明な症例

りPVの変動は強く現われるが排世尿量は少い を認めるが ζれは 17KS量の増加を認める

叉著明な過血糖例及び症例 19の如く血疑 Na濃 更に症例 9612の如く 1日尿中 17KS排j世量

度が比較的高値の症例は間脳ー下垂体後葉系並びに 低値の症例は水分排世量に関係なく終始 Na排世

下垂骨前葉一副腎皮質系の内分泌機序の連関性の失 の増加が認められない以上の成績と過剰排世型を

調の為か 17KS量比較的増加しているにも拘ら 示す症例l乙1日尿中 17KS量の増加を認める事より

ず利尿は遅延する 考えれば水利尿時尿量の増加は GFRの良好なる

1日尿量との関係 一般に水利尿との相関を示 事と相侯って副腎皮質機能の比較的健全なるによる

す傾向にあるが特に過血糖を呈する症例及び異常 ものと考えられる唯し症例 13の如く 1日尿申 17

rc17KS量の増加せる症例に於いては前述の如く水 KS排世量の異常に高値の症例に於いても利尿初

利尿時の尿量を抑制する 期の Na排j世のピークは柏低く血媛 Na濃度の低

即ち 1日尿量lと於いては恒常的な腎機能及び 下も殆んど認めない場合もある

体液構成等の因子が関与し水利尿に於いては急 ClK の排世像も同様の傾向を示すが Na程著

激な PVの量及び質の変動が主要なる役割をなすも 明でない

のの如くである 以上を要約すれば血糖値の上昇例は最大利尿

体液構成との関係 PVの比較的増大している 時尿量を減ずるが最大利尿発現時聞に特に影響を

症例に於いて水利尿時尿量の抑制を認めるかか 認めない又 1日尿中 17KS増量例は電解質特に

る症例は著明な高血糖を呈し又は血緊 Na濃度の Na排粧を増加し利尿初期は特に著明である ζ

比較的高値の症例である れに反し 17KS量低値なるものは Na排世増加を認

腎クリアランス値との関係 GFRRPF共に めずそれに伴い最大利尿発現時を遅延せしめ最

水利尿の程度と精関係を認めるが前述の特に水利 大利尿時尿量も柏低下せしめる

尿を遅延せしめる因子の存在する症例に於ては腎 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比

機能の如何に拘らず水利尿時の尿量は少い尚 尿量は糖尿病例は柏減少し水利尿の遅延するに

Smith及び永峰(14)によれば稀釈試験時KGFR 従ってその排世比も柏増大する

RPFの変動は殆んど認められないと言われている 電解質排世量及び比共l乙水利尿の良否とは特に相

以上主要な水利尿遅延因子としては腎機能の 関を認めないが水利尿の良好例K排世量の増加を

良否は当然考えられるべきではあるが更に ADH 認める

並びに副腎皮質ホ Jレモンの分泌機序の異常も強く関 血糖値との関係はその上昇するにつれて水利尿時

1乙殊に甚しく叉l尿量は減少し著明な過血糖例 L与することを考慮しなければならな

第2項 水利尿時諸排世像 日尿中 17KS排世量は尿量との関係は軽度で電解

尿量の変動は水利尿良好例遅延例工型 n型 質殊に Na排世量との相関が明らかである乙れ

買に最大利尿時尿量の減少を認めるがその発現時)1の は血糖上昇の際は AD町分泌抑制が主で 17KS増

-2334- 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 6表 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

工 諸排i世量及び諸排世比

排 17 KS K 糖

水単独 水物単併独

ClNa尿薬

備 考水物単併独水単独用 薬水物単併独用薬水物単併独用症 薬用薬物併薬用併負荷用薬負荷物び

例『番比

物号

1164 050 3019 035 307 053 16 内 1321 041 141 067 1252071 4393 04814043

40 1148 019 3836 057 4964 050 1096 044

ブ 22 阿 O田1048 056 2003 118 3328 078 1237 067 ド

糖 1010 030 3951 091 6198 073 1570

40cc 13 木 O恵 前|1023 035 1677 120 2969 084 947

静 伊i 1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053

平均 11081 0531 2690 073 3446 063 11681056 141 067

除全遅 026 3006 031 12回511i022 224 054 四 a119 動脈血圧 150--72併例合延 17鈴 O

11391 1171 4147 077 3348 068 1380 108 330 086 硬化症眼底 K WJII 症

055 4334 051 12971040 265 054例例平 全例

11151 0661 3054 075 3422 064 12211068 240 0793 4 -

1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053除合併 均 症例 1108 053 2690 073 3446 063 1168 056 141 067

1370 049 5035 082 5890 087 1596 063 128 038

量及

良 8 立 972 077 2017 089 3996 068 1015 054 267 051

1089 118 3010 114好 9l市イ 1161 057 2375i 039 4969 039 037

096 1265 075 1229 074 3298官uシ平 均

ユ 1066 066 2196 058 4483 051 1939 041 2671051 リ

093 1140 064 650 029 2265 ン 硬化症 血圧 60~114

眼底 KWJI 11 小 O

1025 028 4465 06614998 091 1313 059 5u 遅

静 0752 6 4 |i曲胡00 374 057 4145 0761 49141071 1 5 87 2570 078 1将 O注

延例

-園平均

除全 メロL ou 併 除合併 症 症例

488 033 4598 0541 564 64057 12801 071 362 065

512 038 3205 13641 0621 264 075 hellip街lm756 030 4532 0601 5323 072 12961 0531 362 065

374 057 4145 4914071 075 075d4i

968 005

例例 平均

3 4匂圃4

4012801057 714054 56033 4598 488 362 065 61

4172 087 1314 061871 062 平 全例

911 049 059 4903 061 1618 315 058

944 071 3580 082 4605 086 1373 069 196 061 除合併 均 症例 873 059 2997 056 4871 053 1719 042 315 058

良 10891 11911562 103 好 市 304111

t列U9 0110161 17911705087 44601 13111212 1

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 K関する研究 ~2335ー

0959判 1岨15 C A

106 14171 033 48011063 10161 0641 321 083

938 051 1707 069 1163 054 1 88 1 24遅 18 椎 O

1018 1 25 1717 075 5067 095 1597 096 528 0805mg 圧底 KW 1

静 2558 093 3760

延 14姥 O 暖動 化 脈症(蛋血圧底白〔 120〕MBO注 8691 1 75 1864 057 3514 0671 1238 094 心筋障害眼 Kwn

852 074 2208 087 4369 087 1097 069 1 68 平ー均 ou除全 881 1 32 1666 054 4441 075 1284 086 425 081 玉メ口

併 除合併 947 058 2032 083 4674 082 1039 061 168 1 10症 症例例例 888 117 1567 053 4934 078 1306 082 425 081平均

911 085 4029 09 1 1056 076 168 1 10平 全例--

3 4

915 1 44 16761062 4446 087 1266 094 425 081

1876 088 1005 1 10除合併 均 症例 0941425 08138 1613064 4767i 092 12751 1

4276 0~83 1994 065 204 046 21 佐

1305~ 034 3563 048 5976 054 2283 037 255 029

T H

---

1245 056 3771 051 5438 051 1737 053 334 039 良 10立

1182 057 2324 045 4097 5421 45 076 280 066 チ

1034 1 15 9081 100 1623 087 259 011 1 78 029ソ好 5 池 O正

ン 眼底糖尿病性638 031 3226 01313201 034 1693 042 225 023 252 043 網膜炎

50 町 19例

1224 073 5709 084 7891 078 1784 066 266 058 178 029 平 均

内 1051 041 3038 033 4424 049 2040 050 253 041 252 043

服 除合併 1312 061 4024 067 5903 0印54111861541i 059

268 042

1243 044 2934 047 5036 054 2214yen 054 267 046例

遅延

症例 平均

--705 1 17 1154 074 1948 081 785 076 164 068三除日全』

19鵜 O1220 063 2328 076 6213 057 1705 063 232 079併 例

症例例 079 4570 084 1535 068 240 060 178 029

平 全例3 4 1093 046 2860 040 4872 052 1956 053 248 049 252 043 -- 1114 070 3067 068 4585 062 233 048除合併

均症例 1235 050 2738 054 5429 05512044 056 255 056

921 104 1345 097 792 072 066 103プ 6 染 O

900 05511504 036 2076 035 1161 039 1 39 049レ 遅ド

ーー 207 074 1 59 135ン 延 4中 O

867 129 5865 梅 毒 肝 腫A

25285655 0541051 26631057 6140571 56868 041 464515 mg

例 133 043 1190 8221053 070 045 g 渡 O内

初日--服

合除全 平

併症

例2例3 均_

414 012 1440 0211 23191 020 11 161018 1 53 031

640 1 09 2688 1 15 3736 1 16 12181094 1 14072 全例

727 040 2529 044 3347 039 16471042 149 044 8561252

527 095 1101 074 1507 073 068 068除合併症例 657 038 1472 029 21 97 027 11441028 146 039

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

出町

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ゾ判〕

〔民本零時〕

〔認

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-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝花関する研究 -2325-

遅延例工型 遅 延 例 E 型

400ト cc

尿

9

1iし

也印

3

0

5判

M

一 2怠色ム-_ ---温lsquo邑---_-ldquo F

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yenろノIl ~lsquo~--也

好均時雨少苧

尿中 ηdM

-2326ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 4表 水利尿と諸排池ー量 工 糖尿病例

年 尿量 cc Na量 Cl量

KIIlE量q 17KS量 | 尿 糖 量

メHLmEq mEq mg g

症例目Ij

全前 l全 刷 全目Ij

全目IJ 全日Ij 全 合併症その他

f生 22時時後間間4時間|22時3問間時間1晶時間114時間22時時後間間 22時時後間間4時間占2時時後間間別 4時間 4時間

2879 151 144

135374 1791 4145 4914 1587 264

合 2035 595 113 113

2酒 57 467 2196 1803 601 036 H稀釈試験 2時間前4 NP

733 4795 4399 799 インシュリン u皮 合 266 2599 2596 198 145 下注射(不適)

60 93 11931065181I1 1669

538 048 709 822 070 772

合 40 423 284 022 063

4 中 3440 882 119 068

8194 2039 207 160 A 梅 毒 肝腫 合 488 4754 1157 088 092

池 46 482 4457 l別 869 125 138

510 1034 90811 111868 1623 259 179 腎症正 552 4624 5935 754 134 041

6染 65 447 683

792 033

921 1011 13 066 474 51 663 332 033

7浅 31 517

|「ど71 458

9151 111 1520 717 脚気 398 4141 1 649 259

916 2174 3138 093 1288) 0

1370 5035 589 1596 453 2260 2752 617 035

498 771 1405 464 9) 0

1089 1472 3010 933 591 701 1605 469

立 58 797 3589 1139 10 1245 3771 5438 334

448 1278 1849 598 095

53 502 1233 1496 693 082 067 11 650 2265 2875 1140 145 084 動脈硬化症 148 1032 1379 447 063 017

市 52 388 834 911 12 936 1743 3477 1977

548 909 1872 1066

木 52 776 2066

吋 lm13 1010 3951 6198 1570 百-三~ 合 234 1885 26151 1 599

蛇 70 270 662

1322 1887 654 動脈筋硬障化症14 2558 3760 1212 ⑦む 碍 合 392 1236 1873 558

582 956

1273 257q叫 535 076

15 2358 244

315013 9i6 148 374 1085 381 072

内 59 774 2162 944 200 16 1164 301 3168 1271 307 注 390 857 909 327 107 L J 眼底 KW工

17 820 410198 300 腎症 合 323 7 2221251079224060093動脈硬化症l|145110331オh1410ぺ|叶11|鈴

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝lと関する研兜 -2327ー

52 620 18 椎 (血底圧 170~901707 4335 11 6 318 651 注

眼 KWI041 1 4091764 ~17

54 325 662 097705 54 785 1 6419 0鵜 11 1 875 380 492 338 067 014

55 743 977 1915 415 20

池 128 871 2043 3315 800 1066 1400 385

48 843 2338 3796 1208 140 佐

21 42761393 6368 1994 204550 1938 2572 786 064合

2481lz卜147判|州|吋 E 健常例

年令尿量 cc

Na量 Cm1E量q KmE量q 17KS量 尿糖 量 mEq mg g

症例

22時時前後間間 4時且八間

別全

22時時i後iiJ間間 4時~間122 時時前後間間 4時一一A 間 22時2削聞間 4時~間 2J時前間問 4時こ八に間備 考

a別性 22時2「間目nl4時間

1 中 20 709 1752 855

2741 1139 1653 3212 1471 944 1460 616

2ぎ 22 727 1065

823 2683 724 1658 41 11 1638

合 338 835 1428 914

3出 26 1140 3422 1297

155 1295 4038 5682 2115

合 21 98 2260 818

4lU 28 845 988 21 99 630 1090 21 07 3899 986

合 245 11 19 1700 356

515 24 1220 1625 2034

1338 2571 31 1084 合 118 946 1144 382

1210 445 1077

1317 2162

371 1328 629 118 632 845 258

71~ 32 1035 725 1698 991

1094 1601 2217 11 84 59 876 519 193

8ぎ 47 860 737 1993 1 66 1029

603 1340 2703 236

合 169 710 070

9菰 36 907 1377

2605 2461 800

1139 3725 144 1合 232 1228 1264 64 1

金 22 932 726 1486 832 10 1063 1538 2412 1078

合 131 812 926 246

斎 36 1013 1957 478 739 11 1144 2812

539 1017 1188

131 855 449

-2328- 千 葉 医 学 ムヨミ 雑 誌 第 35巻

第 5表 排世量及び排j世比(後前)(平均値)(合併症を有する例を除く)

尿 主主ヨ豆lsquo Na Cl K 17KS

前川~stl 前 知 吋 比 前 2st門比全 4時 間 量 比 全 4時間量比 全 4時間量 全 4時間量 全 4時間量

974 184 1000 1019 2105 1226 737 449 061健常例 019 102 058

1158 2019 3331 1186

795 408 2153 1487 2997 1994 924 533 168 075 良好例 051 069 067 058 045

1203 3640 4991 1457 243

糖 工 555 368 913 868 1869 1628 621 513 064 069

群 066 095 087 083 107

遅 923 1781 3497 1134 133

尿 218E 185 1261 902 1650 1174 659 406 099 068

延群

084 072 071 061 069

病 404 2163 2824 1065 167

J1j 429 299 1042 881 1787 1458 635 473 082 068 平 070 084 082 074 084 例 均 728 1923 3245 1108 150

全例 600 350 1561 1164 2352 1708 769 501 058 075 073

065

1 187 061

平均 950 2725 4060 1270

白色

ODNF

N

00

ODOF

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48

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2329-

明で遅延E型に於いても Na排世量が柏増加する すlarr

傾向を示す Clは健常例 058糖尿病例 073で後半の増量がよ

KはClと略々類似せる傾向を認める り大である

17KS排j世は Na排世l乙略々平行するが如き傾向 Kは Clと類似の傾向を認めるが症例 12 1[於い

を示す ては117と著明な上昇を認める

2 諸排世比 (第 10図〉 1 諸排世量及び比と諸因子

水稀釈力試験時の各排世量の後半 2時間量l乙対す 諸排世量(第 11図〉尿量と血糖値との関係は中

る前半2時間量の比を以って排世比とした 等度以下の過血糖の症例lζ於いては血糖値の土井

尿量の平均排世比は健常例 019糖尿病例 058 氏伴う尿量の減少は軽微であるがj著明な過血糖例

で後半排世量増加を示し水利尿良好なもの程小で を呈せる症例は尿量は極めて少い 17KS 1日量と

あるがその関係は余り著明でない症例 6912 の関係に於いてはその増加している症例に精尿量

19の4例は排世比の上昇著明で10を越える の増加する傾向を認めるが著明でない

Na は健常例102糖尿病例 075で前半排世量の増 NaClKの電解質排世量と血糖値の関係は余り

加を見る症例 6912は10を越える排世比を示 明確でなL0 17 KS 1日量とは明らかに相関を認め

第 10図 水利尿と諸排世比 (合併症を有する例を除く)

N

ご~)(ltιε

Hmu 14 1井

12

X

原量

oAAOOX

01

o

x

09 x eβ

下〈

ldquo川附

QS 自由 X

且7x

e G

06-1-

05

H

04t

03+ x

02+ 02

01十

2boCC 400ωo 800 一一一一一1-LlOOO 1200 200 4 400

+ 800 iobo 1ゐ larr品

t 17 K ~宮

15

附H 11

3

2

1

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8

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l

Q

G

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3

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3

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J

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G

3

202

01

200ζc 400 占ず4 市斗~1()~D----lLIUgrave~OL-l--- IToι ーふ0--+-市布~ 4時向原賢一』 4時間尿器-

-2330ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

る て電解質排世比の僅かの上昇を認め叉尿量排世

諸排世比(第 12図)諸排世比と血糖値との関係は 比に於いても 17KS減少例及び症例 19 K上昇を認

認め難く叉 17KS量との関係も一般に著明ではな める

いが 17KS 1日量の特に少い症例 69121乙於い

第 11図 排世量と諸因子 (合併症を有する例を除く)

〔血糖との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

gst

ePe

12m払 γ

J4

0

30

20

10ト

2 4 6 日 10

200 250 300

G

30

20 1

10ト

寸 250 4 8 10 12刊初ザ6 2 300

K

14

8十

oe

100π彬l(_ 150 lOO 250 却 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

ウ匂

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2331ー

〔血糖との関係〕 [17KS 1日量との関係〕ー

25ト

KSつιE

17

bull

1001113μ~ loO 甲 17 8 9 10 ( 3oo 2 3 4200 2DO 司司m-J2amphMd恥凶うー事

~I 6

51

尿

44 糖

3

o I 3

2

100iR 150 200 250 300 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12匂

第 12図 排世比と諸因子 (合併症を有する例を除く〉

〔血糖値との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

1amp

同 019

警08 s 07

0

ee o

05

邑4

3

Q2 112

01

ト 100向始H且 150 200 250 30ー15ー中 s4 5 6 7 白 ] 10 11 12叩拠ザ」 酔|ーム2tflf7K16 糖値

井1ト41

e 0611amp1

自書r

似し 2

100mJJtl 150

ト21

200 250 4 1030016+ 2 主判事l判

-2332ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

61

OJl卜

08ト

04

10

oq

17ω kS笛

04

1)2

01

尿

5(1

02

01

10

也4

03

〔血糖値との関係〕 [17 KS 1日量との関係〕

14

12

t 1Oo

8

09

Ob 0干

02

100明弘a 150

c0

100明 11 200rnJdl

150

10b夜間 200

第 II章総括並びに者按

300

250

Os06

一一一_L 250 300

lC

08

也6

Q4

2345amp789 叩 11 12匂勾

JSLJ一一よ 0 1 I 7 8 9 10 12閉め匂 11

G

一」一一よ一一J一一」一ーーーー-

8 11 12吻匂

109

第 1項水利尿と諸因子

電解質との関係 水試験前値の尿中電解質排世

糖尿病K於ける水分代謝の問題殊に 1日尿量 量及び血察電解質濃度と水利尿の程度には一定の関

と水試験時の如き急激なる体液変動を惹起せしめ 係を認め難く試験前電解質量または濃度によって

た場合の水分代謝とは当然同一視得ないものがあ 水利尿は影響を受けない

ると思われる 血糖値との関係 血糖値と水利尿との聞には負

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2333ー

の関係を認めるが著明な過血糖を呈し PVRho- の遅速は一定でない乙れは血糖値の上昇せる為

danSpの増加を来たす様な症例は水 1L負荷にょ に ADH作用抑制によって起る水利尿反応が鈍化

つでも OsmoreceptorVolume receptorを介し され得る故であろう

て起る ADH分泌抑制の度が小となり水利尿反応 水利尿の良否lζ拘らず最大利尿発現時の遅延する

が少くなる為か尿量は極めて少ない過血糖中等度 症例は 17KS量の低値の例及び血疑 Na濃度が他

以下の症例は PVR対する影響も少く 尿量減少 の症例広比し高値を示す症例で何れも水利尿時の

の度も軽度である NaCl排世は殆んど尿量と関係なく減少している

17KS量との関係 17 KS 1日尿中排世量の増 電解質排世像は水利尿良好例に於いては健常例

加に従って尿量増加の傾向を認め特に過剰排世型 と異なり利尿発現初期に著明な Na排世のピーク

の傾向の認められる症例に 17KS量の増加を認め を見るこれは何れも 1日尿中 17KS排i世量増加例

るかかる症例は何れも GFRの増大と尿中 Na である遅延例工型は 17KS量の増加せる例少く

Clの排世増加を認めた例である 電解質排世も著明でなく略々健常例に近い排世像を

然し症例 13の如く 17KS量異常に高値で多尿 示す遅延E型は水排世遅延最も著明にも拘らず

lとより PV減少を呈せる脱水症例では水負荷によ 電解質排世像が良好例比類似して比較的著明な症例

りPVの変動は強く現われるが排世尿量は少い を認めるが ζれは 17KS量の増加を認める

叉著明な過血糖例及び症例 19の如く血疑 Na濃 更に症例 9612の如く 1日尿中 17KS排j世量

度が比較的高値の症例は間脳ー下垂体後葉系並びに 低値の症例は水分排世量に関係なく終始 Na排世

下垂骨前葉一副腎皮質系の内分泌機序の連関性の失 の増加が認められない以上の成績と過剰排世型を

調の為か 17KS量比較的増加しているにも拘ら 示す症例l乙1日尿中 17KS量の増加を認める事より

ず利尿は遅延する 考えれば水利尿時尿量の増加は GFRの良好なる

1日尿量との関係 一般に水利尿との相関を示 事と相侯って副腎皮質機能の比較的健全なるによる

す傾向にあるが特に過血糖を呈する症例及び異常 ものと考えられる唯し症例 13の如く 1日尿申 17

rc17KS量の増加せる症例に於いては前述の如く水 KS排世量の異常に高値の症例に於いても利尿初

利尿時の尿量を抑制する 期の Na排j世のピークは柏低く血媛 Na濃度の低

即ち 1日尿量lと於いては恒常的な腎機能及び 下も殆んど認めない場合もある

体液構成等の因子が関与し水利尿に於いては急 ClK の排世像も同様の傾向を示すが Na程著

激な PVの量及び質の変動が主要なる役割をなすも 明でない

のの如くである 以上を要約すれば血糖値の上昇例は最大利尿

体液構成との関係 PVの比較的増大している 時尿量を減ずるが最大利尿発現時聞に特に影響を

症例に於いて水利尿時尿量の抑制を認めるかか 認めない又 1日尿中 17KS増量例は電解質特に

る症例は著明な高血糖を呈し又は血緊 Na濃度の Na排粧を増加し利尿初期は特に著明である ζ

比較的高値の症例である れに反し 17KS量低値なるものは Na排世増加を認

腎クリアランス値との関係 GFRRPF共に めずそれに伴い最大利尿発現時を遅延せしめ最

水利尿の程度と精関係を認めるが前述の特に水利 大利尿時尿量も柏低下せしめる

尿を遅延せしめる因子の存在する症例に於ては腎 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比

機能の如何に拘らず水利尿時の尿量は少い尚 尿量は糖尿病例は柏減少し水利尿の遅延するに

Smith及び永峰(14)によれば稀釈試験時KGFR 従ってその排世比も柏増大する

RPFの変動は殆んど認められないと言われている 電解質排世量及び比共l乙水利尿の良否とは特に相

以上主要な水利尿遅延因子としては腎機能の 関を認めないが水利尿の良好例K排世量の増加を

良否は当然考えられるべきではあるが更に ADH 認める

並びに副腎皮質ホ Jレモンの分泌機序の異常も強く関 血糖値との関係はその上昇するにつれて水利尿時

1乙殊に甚しく叉l尿量は減少し著明な過血糖例 L与することを考慮しなければならな

第2項 水利尿時諸排世像 日尿中 17KS排世量は尿量との関係は軽度で電解

尿量の変動は水利尿良好例遅延例工型 n型 質殊に Na排世量との相関が明らかである乙れ

買に最大利尿時尿量の減少を認めるがその発現時)1の は血糖上昇の際は AD町分泌抑制が主で 17KS増

-2334- 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 6表 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

工 諸排i世量及び諸排世比

排 17 KS K 糖

水単独 水物単併独

ClNa尿薬

備 考水物単併独水単独用 薬水物単併独用薬水物単併独用症 薬用薬物併薬用併負荷用薬負荷物び

例『番比

物号

1164 050 3019 035 307 053 16 内 1321 041 141 067 1252071 4393 04814043

40 1148 019 3836 057 4964 050 1096 044

ブ 22 阿 O田1048 056 2003 118 3328 078 1237 067 ド

糖 1010 030 3951 091 6198 073 1570

40cc 13 木 O恵 前|1023 035 1677 120 2969 084 947

静 伊i 1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053

平均 11081 0531 2690 073 3446 063 11681056 141 067

除全遅 026 3006 031 12回511i022 224 054 四 a119 動脈血圧 150--72併例合延 17鈴 O

11391 1171 4147 077 3348 068 1380 108 330 086 硬化症眼底 K WJII 症

055 4334 051 12971040 265 054例例平 全例

11151 0661 3054 075 3422 064 12211068 240 0793 4 -

1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053除合併 均 症例 1108 053 2690 073 3446 063 1168 056 141 067

1370 049 5035 082 5890 087 1596 063 128 038

量及

良 8 立 972 077 2017 089 3996 068 1015 054 267 051

1089 118 3010 114好 9l市イ 1161 057 2375i 039 4969 039 037

096 1265 075 1229 074 3298官uシ平 均

ユ 1066 066 2196 058 4483 051 1939 041 2671051 リ

093 1140 064 650 029 2265 ン 硬化症 血圧 60~114

眼底 KWJI 11 小 O

1025 028 4465 06614998 091 1313 059 5u 遅

静 0752 6 4 |i曲胡00 374 057 4145 0761 49141071 1 5 87 2570 078 1将 O注

延例

-園平均

除全 メロL ou 併 除合併 症 症例

488 033 4598 0541 564 64057 12801 071 362 065

512 038 3205 13641 0621 264 075 hellip街lm756 030 4532 0601 5323 072 12961 0531 362 065

374 057 4145 4914071 075 075d4i

968 005

例例 平均

3 4匂圃4

4012801057 714054 56033 4598 488 362 065 61

4172 087 1314 061871 062 平 全例

911 049 059 4903 061 1618 315 058

944 071 3580 082 4605 086 1373 069 196 061 除合併 均 症例 873 059 2997 056 4871 053 1719 042 315 058

良 10891 11911562 103 好 市 304111

t列U9 0110161 17911705087 44601 13111212 1

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 K関する研究 ~2335ー

0959判 1岨15 C A

106 14171 033 48011063 10161 0641 321 083

938 051 1707 069 1163 054 1 88 1 24遅 18 椎 O

1018 1 25 1717 075 5067 095 1597 096 528 0805mg 圧底 KW 1

静 2558 093 3760

延 14姥 O 暖動 化 脈症(蛋血圧底白〔 120〕MBO注 8691 1 75 1864 057 3514 0671 1238 094 心筋障害眼 Kwn

852 074 2208 087 4369 087 1097 069 1 68 平ー均 ou除全 881 1 32 1666 054 4441 075 1284 086 425 081 玉メ口

併 除合併 947 058 2032 083 4674 082 1039 061 168 1 10症 症例例例 888 117 1567 053 4934 078 1306 082 425 081平均

911 085 4029 09 1 1056 076 168 1 10平 全例--

3 4

915 1 44 16761062 4446 087 1266 094 425 081

1876 088 1005 1 10除合併 均 症例 0941425 08138 1613064 4767i 092 12751 1

4276 0~83 1994 065 204 046 21 佐

1305~ 034 3563 048 5976 054 2283 037 255 029

T H

---

1245 056 3771 051 5438 051 1737 053 334 039 良 10立

1182 057 2324 045 4097 5421 45 076 280 066 チ

1034 1 15 9081 100 1623 087 259 011 1 78 029ソ好 5 池 O正

ン 眼底糖尿病性638 031 3226 01313201 034 1693 042 225 023 252 043 網膜炎

50 町 19例

1224 073 5709 084 7891 078 1784 066 266 058 178 029 平 均

内 1051 041 3038 033 4424 049 2040 050 253 041 252 043

服 除合併 1312 061 4024 067 5903 0印54111861541i 059

268 042

1243 044 2934 047 5036 054 2214yen 054 267 046例

遅延

症例 平均

--705 1 17 1154 074 1948 081 785 076 164 068三除日全』

19鵜 O1220 063 2328 076 6213 057 1705 063 232 079併 例

症例例 079 4570 084 1535 068 240 060 178 029

平 全例3 4 1093 046 2860 040 4872 052 1956 053 248 049 252 043 -- 1114 070 3067 068 4585 062 233 048除合併

均症例 1235 050 2738 054 5429 05512044 056 255 056

921 104 1345 097 792 072 066 103プ 6 染 O

900 05511504 036 2076 035 1161 039 1 39 049レ 遅ド

ーー 207 074 1 59 135ン 延 4中 O

867 129 5865 梅 毒 肝 腫A

25285655 0541051 26631057 6140571 56868 041 464515 mg

例 133 043 1190 8221053 070 045 g 渡 O内

初日--服

合除全 平

併症

例2例3 均_

414 012 1440 0211 23191 020 11 161018 1 53 031

640 1 09 2688 1 15 3736 1 16 12181094 1 14072 全例

727 040 2529 044 3347 039 16471042 149 044 8561252

527 095 1101 074 1507 073 068 068除合併症例 657 038 1472 029 21 97 027 11441028 146 039

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

出町

主昨

ゾ判〕

〔民本零時〕

〔認

E

gom

ehln

入ヘ

-5組椎

続出入 5

吋ふ入

γ

N4

特〕

-S

-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

g

h-

軍区民主切

回同入刊にふ

思組権回出回国Hυ〈

〔匝誌零時〕

言語

ヨ昨

五円〕

〔匝芯零時〕

〔題

活性

キ毛

NW

E酬

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

-2326ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 4表 水利尿と諸排池ー量 工 糖尿病例

年 尿量 cc Na量 Cl量

KIIlE量q 17KS量 | 尿 糖 量

メHLmEq mEq mg g

症例目Ij

全前 l全 刷 全目Ij

全目IJ 全日Ij 全 合併症その他

f生 22時時後間間4時間|22時3問間時間1晶時間114時間22時時後間間 22時時後間間4時間占2時時後間間別 4時間 4時間

2879 151 144

135374 1791 4145 4914 1587 264

合 2035 595 113 113

2酒 57 467 2196 1803 601 036 H稀釈試験 2時間前4 NP

733 4795 4399 799 インシュリン u皮 合 266 2599 2596 198 145 下注射(不適)

60 93 11931065181I1 1669

538 048 709 822 070 772

合 40 423 284 022 063

4 中 3440 882 119 068

8194 2039 207 160 A 梅 毒 肝腫 合 488 4754 1157 088 092

池 46 482 4457 l別 869 125 138

510 1034 90811 111868 1623 259 179 腎症正 552 4624 5935 754 134 041

6染 65 447 683

792 033

921 1011 13 066 474 51 663 332 033

7浅 31 517

|「ど71 458

9151 111 1520 717 脚気 398 4141 1 649 259

916 2174 3138 093 1288) 0

1370 5035 589 1596 453 2260 2752 617 035

498 771 1405 464 9) 0

1089 1472 3010 933 591 701 1605 469

立 58 797 3589 1139 10 1245 3771 5438 334

448 1278 1849 598 095

53 502 1233 1496 693 082 067 11 650 2265 2875 1140 145 084 動脈硬化症 148 1032 1379 447 063 017

市 52 388 834 911 12 936 1743 3477 1977

548 909 1872 1066

木 52 776 2066

吋 lm13 1010 3951 6198 1570 百-三~ 合 234 1885 26151 1 599

蛇 70 270 662

1322 1887 654 動脈筋硬障化症14 2558 3760 1212 ⑦む 碍 合 392 1236 1873 558

582 956

1273 257q叫 535 076

15 2358 244

315013 9i6 148 374 1085 381 072

内 59 774 2162 944 200 16 1164 301 3168 1271 307 注 390 857 909 327 107 L J 眼底 KW工

17 820 410198 300 腎症 合 323 7 2221251079224060093動脈硬化症l|145110331オh1410ぺ|叶11|鈴

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝lと関する研兜 -2327ー

52 620 18 椎 (血底圧 170~901707 4335 11 6 318 651 注

眼 KWI041 1 4091764 ~17

54 325 662 097705 54 785 1 6419 0鵜 11 1 875 380 492 338 067 014

55 743 977 1915 415 20

池 128 871 2043 3315 800 1066 1400 385

48 843 2338 3796 1208 140 佐

21 42761393 6368 1994 204550 1938 2572 786 064合

2481lz卜147判|州|吋 E 健常例

年令尿量 cc

Na量 Cm1E量q KmE量q 17KS量 尿糖 量 mEq mg g

症例

22時時前後間間 4時且八間

別全

22時時i後iiJ間間 4時~間122 時時前後間間 4時一一A 間 22時2削聞間 4時~間 2J時前間問 4時こ八に間備 考

a別性 22時2「間目nl4時間

1 中 20 709 1752 855

2741 1139 1653 3212 1471 944 1460 616

2ぎ 22 727 1065

823 2683 724 1658 41 11 1638

合 338 835 1428 914

3出 26 1140 3422 1297

155 1295 4038 5682 2115

合 21 98 2260 818

4lU 28 845 988 21 99 630 1090 21 07 3899 986

合 245 11 19 1700 356

515 24 1220 1625 2034

1338 2571 31 1084 合 118 946 1144 382

1210 445 1077

1317 2162

371 1328 629 118 632 845 258

71~ 32 1035 725 1698 991

1094 1601 2217 11 84 59 876 519 193

8ぎ 47 860 737 1993 1 66 1029

603 1340 2703 236

合 169 710 070

9菰 36 907 1377

2605 2461 800

1139 3725 144 1合 232 1228 1264 64 1

金 22 932 726 1486 832 10 1063 1538 2412 1078

合 131 812 926 246

斎 36 1013 1957 478 739 11 1144 2812

539 1017 1188

131 855 449

-2328- 千 葉 医 学 ムヨミ 雑 誌 第 35巻

第 5表 排世量及び排j世比(後前)(平均値)(合併症を有する例を除く)

尿 主主ヨ豆lsquo Na Cl K 17KS

前川~stl 前 知 吋 比 前 2st門比全 4時 間 量 比 全 4時間量比 全 4時間量 全 4時間量 全 4時間量

974 184 1000 1019 2105 1226 737 449 061健常例 019 102 058

1158 2019 3331 1186

795 408 2153 1487 2997 1994 924 533 168 075 良好例 051 069 067 058 045

1203 3640 4991 1457 243

糖 工 555 368 913 868 1869 1628 621 513 064 069

群 066 095 087 083 107

遅 923 1781 3497 1134 133

尿 218E 185 1261 902 1650 1174 659 406 099 068

延群

084 072 071 061 069

病 404 2163 2824 1065 167

J1j 429 299 1042 881 1787 1458 635 473 082 068 平 070 084 082 074 084 例 均 728 1923 3245 1108 150

全例 600 350 1561 1164 2352 1708 769 501 058 075 073

065

1 187 061

平均 950 2725 4060 1270

白色

ODNF

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48

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2329-

明で遅延E型に於いても Na排世量が柏増加する すlarr

傾向を示す Clは健常例 058糖尿病例 073で後半の増量がよ

KはClと略々類似せる傾向を認める り大である

17KS排j世は Na排世l乙略々平行するが如き傾向 Kは Clと類似の傾向を認めるが症例 12 1[於い

を示す ては117と著明な上昇を認める

2 諸排世比 (第 10図〉 1 諸排世量及び比と諸因子

水稀釈力試験時の各排世量の後半 2時間量l乙対す 諸排世量(第 11図〉尿量と血糖値との関係は中

る前半2時間量の比を以って排世比とした 等度以下の過血糖の症例lζ於いては血糖値の土井

尿量の平均排世比は健常例 019糖尿病例 058 氏伴う尿量の減少は軽微であるがj著明な過血糖例

で後半排世量増加を示し水利尿良好なもの程小で を呈せる症例は尿量は極めて少い 17KS 1日量と

あるがその関係は余り著明でない症例 6912 の関係に於いてはその増加している症例に精尿量

19の4例は排世比の上昇著明で10を越える の増加する傾向を認めるが著明でない

Na は健常例102糖尿病例 075で前半排世量の増 NaClKの電解質排世量と血糖値の関係は余り

加を見る症例 6912は10を越える排世比を示 明確でなL0 17 KS 1日量とは明らかに相関を認め

第 10図 水利尿と諸排世比 (合併症を有する例を除く)

N

ご~)(ltιε

Hmu 14 1井

12

X

原量

oAAOOX

01

o

x

09 x eβ

下〈

ldquo川附

QS 自由 X

且7x

e G

06-1-

05

H

04t

03+ x

02+ 02

01十

2boCC 400ωo 800 一一一一一1-LlOOO 1200 200 4 400

+ 800 iobo 1ゐ larr品

t 17 K ~宮

15

附H 11

3

2

1

0

8

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l

Q

G

O

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3

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v

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G o o

C

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3

4

J

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G

3

202

01

200ζc 400 占ず4 市斗~1()~D----lLIUgrave~OL-l--- IToι ーふ0--+-市布~ 4時向原賢一』 4時間尿器-

-2330ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

る て電解質排世比の僅かの上昇を認め叉尿量排世

諸排世比(第 12図)諸排世比と血糖値との関係は 比に於いても 17KS減少例及び症例 19 K上昇を認

認め難く叉 17KS量との関係も一般に著明ではな める

いが 17KS 1日量の特に少い症例 69121乙於い

第 11図 排世量と諸因子 (合併症を有する例を除く)

〔血糖との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

gst

ePe

12m払 γ

J4

0

30

20

10ト

2 4 6 日 10

200 250 300

G

30

20 1

10ト

寸 250 4 8 10 12刊初ザ6 2 300

K

14

8十

oe

100π彬l(_ 150 lOO 250 却 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

ウ匂

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2331ー

〔血糖との関係〕 [17KS 1日量との関係〕ー

25ト

KSつιE

17

bull

1001113μ~ loO 甲 17 8 9 10 ( 3oo 2 3 4200 2DO 司司m-J2amphMd恥凶うー事

~I 6

51

尿

44 糖

3

o I 3

2

100iR 150 200 250 300 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12匂

第 12図 排世比と諸因子 (合併症を有する例を除く〉

〔血糖値との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

1amp

同 019

警08 s 07

0

ee o

05

邑4

3

Q2 112

01

ト 100向始H且 150 200 250 30ー15ー中 s4 5 6 7 白 ] 10 11 12叩拠ザ」 酔|ーム2tflf7K16 糖値

井1ト41

e 0611amp1

自書r

似し 2

100mJJtl 150

ト21

200 250 4 1030016+ 2 主判事l判

-2332ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

61

OJl卜

08ト

04

10

oq

17ω kS笛

04

1)2

01

尿

5(1

02

01

10

也4

03

〔血糖値との関係〕 [17 KS 1日量との関係〕

14

12

t 1Oo

8

09

Ob 0干

02

100明弘a 150

c0

100明 11 200rnJdl

150

10b夜間 200

第 II章総括並びに者按

300

250

Os06

一一一_L 250 300

lC

08

也6

Q4

2345amp789 叩 11 12匂勾

JSLJ一一よ 0 1 I 7 8 9 10 12閉め匂 11

G

一」一一よ一一J一一」一ーーーー-

8 11 12吻匂

109

第 1項水利尿と諸因子

電解質との関係 水試験前値の尿中電解質排世

糖尿病K於ける水分代謝の問題殊に 1日尿量 量及び血察電解質濃度と水利尿の程度には一定の関

と水試験時の如き急激なる体液変動を惹起せしめ 係を認め難く試験前電解質量または濃度によって

た場合の水分代謝とは当然同一視得ないものがあ 水利尿は影響を受けない

ると思われる 血糖値との関係 血糖値と水利尿との聞には負

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2333ー

の関係を認めるが著明な過血糖を呈し PVRho- の遅速は一定でない乙れは血糖値の上昇せる為

danSpの増加を来たす様な症例は水 1L負荷にょ に ADH作用抑制によって起る水利尿反応が鈍化

つでも OsmoreceptorVolume receptorを介し され得る故であろう

て起る ADH分泌抑制の度が小となり水利尿反応 水利尿の良否lζ拘らず最大利尿発現時の遅延する

が少くなる為か尿量は極めて少ない過血糖中等度 症例は 17KS量の低値の例及び血疑 Na濃度が他

以下の症例は PVR対する影響も少く 尿量減少 の症例広比し高値を示す症例で何れも水利尿時の

の度も軽度である NaCl排世は殆んど尿量と関係なく減少している

17KS量との関係 17 KS 1日尿中排世量の増 電解質排世像は水利尿良好例に於いては健常例

加に従って尿量増加の傾向を認め特に過剰排世型 と異なり利尿発現初期に著明な Na排世のピーク

の傾向の認められる症例に 17KS量の増加を認め を見るこれは何れも 1日尿中 17KS排i世量増加例

るかかる症例は何れも GFRの増大と尿中 Na である遅延例工型は 17KS量の増加せる例少く

Clの排世増加を認めた例である 電解質排世も著明でなく略々健常例に近い排世像を

然し症例 13の如く 17KS量異常に高値で多尿 示す遅延E型は水排世遅延最も著明にも拘らず

lとより PV減少を呈せる脱水症例では水負荷によ 電解質排世像が良好例比類似して比較的著明な症例

りPVの変動は強く現われるが排世尿量は少い を認めるが ζれは 17KS量の増加を認める

叉著明な過血糖例及び症例 19の如く血疑 Na濃 更に症例 9612の如く 1日尿中 17KS排j世量

度が比較的高値の症例は間脳ー下垂体後葉系並びに 低値の症例は水分排世量に関係なく終始 Na排世

下垂骨前葉一副腎皮質系の内分泌機序の連関性の失 の増加が認められない以上の成績と過剰排世型を

調の為か 17KS量比較的増加しているにも拘ら 示す症例l乙1日尿中 17KS量の増加を認める事より

ず利尿は遅延する 考えれば水利尿時尿量の増加は GFRの良好なる

1日尿量との関係 一般に水利尿との相関を示 事と相侯って副腎皮質機能の比較的健全なるによる

す傾向にあるが特に過血糖を呈する症例及び異常 ものと考えられる唯し症例 13の如く 1日尿申 17

rc17KS量の増加せる症例に於いては前述の如く水 KS排世量の異常に高値の症例に於いても利尿初

利尿時の尿量を抑制する 期の Na排j世のピークは柏低く血媛 Na濃度の低

即ち 1日尿量lと於いては恒常的な腎機能及び 下も殆んど認めない場合もある

体液構成等の因子が関与し水利尿に於いては急 ClK の排世像も同様の傾向を示すが Na程著

激な PVの量及び質の変動が主要なる役割をなすも 明でない

のの如くである 以上を要約すれば血糖値の上昇例は最大利尿

体液構成との関係 PVの比較的増大している 時尿量を減ずるが最大利尿発現時聞に特に影響を

症例に於いて水利尿時尿量の抑制を認めるかか 認めない又 1日尿中 17KS増量例は電解質特に

る症例は著明な高血糖を呈し又は血緊 Na濃度の Na排粧を増加し利尿初期は特に著明である ζ

比較的高値の症例である れに反し 17KS量低値なるものは Na排世増加を認

腎クリアランス値との関係 GFRRPF共に めずそれに伴い最大利尿発現時を遅延せしめ最

水利尿の程度と精関係を認めるが前述の特に水利 大利尿時尿量も柏低下せしめる

尿を遅延せしめる因子の存在する症例に於ては腎 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比

機能の如何に拘らず水利尿時の尿量は少い尚 尿量は糖尿病例は柏減少し水利尿の遅延するに

Smith及び永峰(14)によれば稀釈試験時KGFR 従ってその排世比も柏増大する

RPFの変動は殆んど認められないと言われている 電解質排世量及び比共l乙水利尿の良否とは特に相

以上主要な水利尿遅延因子としては腎機能の 関を認めないが水利尿の良好例K排世量の増加を

良否は当然考えられるべきではあるが更に ADH 認める

並びに副腎皮質ホ Jレモンの分泌機序の異常も強く関 血糖値との関係はその上昇するにつれて水利尿時

1乙殊に甚しく叉l尿量は減少し著明な過血糖例 L与することを考慮しなければならな

第2項 水利尿時諸排世像 日尿中 17KS排世量は尿量との関係は軽度で電解

尿量の変動は水利尿良好例遅延例工型 n型 質殊に Na排世量との相関が明らかである乙れ

買に最大利尿時尿量の減少を認めるがその発現時)1の は血糖上昇の際は AD町分泌抑制が主で 17KS増

-2334- 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 6表 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

工 諸排i世量及び諸排世比

排 17 KS K 糖

水単独 水物単併独

ClNa尿薬

備 考水物単併独水単独用 薬水物単併独用薬水物単併独用症 薬用薬物併薬用併負荷用薬負荷物び

例『番比

物号

1164 050 3019 035 307 053 16 内 1321 041 141 067 1252071 4393 04814043

40 1148 019 3836 057 4964 050 1096 044

ブ 22 阿 O田1048 056 2003 118 3328 078 1237 067 ド

糖 1010 030 3951 091 6198 073 1570

40cc 13 木 O恵 前|1023 035 1677 120 2969 084 947

静 伊i 1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053

平均 11081 0531 2690 073 3446 063 11681056 141 067

除全遅 026 3006 031 12回511i022 224 054 四 a119 動脈血圧 150--72併例合延 17鈴 O

11391 1171 4147 077 3348 068 1380 108 330 086 硬化症眼底 K WJII 症

055 4334 051 12971040 265 054例例平 全例

11151 0661 3054 075 3422 064 12211068 240 0793 4 -

1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053除合併 均 症例 1108 053 2690 073 3446 063 1168 056 141 067

1370 049 5035 082 5890 087 1596 063 128 038

量及

良 8 立 972 077 2017 089 3996 068 1015 054 267 051

1089 118 3010 114好 9l市イ 1161 057 2375i 039 4969 039 037

096 1265 075 1229 074 3298官uシ平 均

ユ 1066 066 2196 058 4483 051 1939 041 2671051 リ

093 1140 064 650 029 2265 ン 硬化症 血圧 60~114

眼底 KWJI 11 小 O

1025 028 4465 06614998 091 1313 059 5u 遅

静 0752 6 4 |i曲胡00 374 057 4145 0761 49141071 1 5 87 2570 078 1将 O注

延例

-園平均

除全 メロL ou 併 除合併 症 症例

488 033 4598 0541 564 64057 12801 071 362 065

512 038 3205 13641 0621 264 075 hellip街lm756 030 4532 0601 5323 072 12961 0531 362 065

374 057 4145 4914071 075 075d4i

968 005

例例 平均

3 4匂圃4

4012801057 714054 56033 4598 488 362 065 61

4172 087 1314 061871 062 平 全例

911 049 059 4903 061 1618 315 058

944 071 3580 082 4605 086 1373 069 196 061 除合併 均 症例 873 059 2997 056 4871 053 1719 042 315 058

良 10891 11911562 103 好 市 304111

t列U9 0110161 17911705087 44601 13111212 1

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 K関する研究 ~2335ー

0959判 1岨15 C A

106 14171 033 48011063 10161 0641 321 083

938 051 1707 069 1163 054 1 88 1 24遅 18 椎 O

1018 1 25 1717 075 5067 095 1597 096 528 0805mg 圧底 KW 1

静 2558 093 3760

延 14姥 O 暖動 化 脈症(蛋血圧底白〔 120〕MBO注 8691 1 75 1864 057 3514 0671 1238 094 心筋障害眼 Kwn

852 074 2208 087 4369 087 1097 069 1 68 平ー均 ou除全 881 1 32 1666 054 4441 075 1284 086 425 081 玉メ口

併 除合併 947 058 2032 083 4674 082 1039 061 168 1 10症 症例例例 888 117 1567 053 4934 078 1306 082 425 081平均

911 085 4029 09 1 1056 076 168 1 10平 全例--

3 4

915 1 44 16761062 4446 087 1266 094 425 081

1876 088 1005 1 10除合併 均 症例 0941425 08138 1613064 4767i 092 12751 1

4276 0~83 1994 065 204 046 21 佐

1305~ 034 3563 048 5976 054 2283 037 255 029

T H

---

1245 056 3771 051 5438 051 1737 053 334 039 良 10立

1182 057 2324 045 4097 5421 45 076 280 066 チ

1034 1 15 9081 100 1623 087 259 011 1 78 029ソ好 5 池 O正

ン 眼底糖尿病性638 031 3226 01313201 034 1693 042 225 023 252 043 網膜炎

50 町 19例

1224 073 5709 084 7891 078 1784 066 266 058 178 029 平 均

内 1051 041 3038 033 4424 049 2040 050 253 041 252 043

服 除合併 1312 061 4024 067 5903 0印54111861541i 059

268 042

1243 044 2934 047 5036 054 2214yen 054 267 046例

遅延

症例 平均

--705 1 17 1154 074 1948 081 785 076 164 068三除日全』

19鵜 O1220 063 2328 076 6213 057 1705 063 232 079併 例

症例例 079 4570 084 1535 068 240 060 178 029

平 全例3 4 1093 046 2860 040 4872 052 1956 053 248 049 252 043 -- 1114 070 3067 068 4585 062 233 048除合併

均症例 1235 050 2738 054 5429 05512044 056 255 056

921 104 1345 097 792 072 066 103プ 6 染 O

900 05511504 036 2076 035 1161 039 1 39 049レ 遅ド

ーー 207 074 1 59 135ン 延 4中 O

867 129 5865 梅 毒 肝 腫A

25285655 0541051 26631057 6140571 56868 041 464515 mg

例 133 043 1190 8221053 070 045 g 渡 O内

初日--服

合除全 平

併症

例2例3 均_

414 012 1440 0211 23191 020 11 161018 1 53 031

640 1 09 2688 1 15 3736 1 16 12181094 1 14072 全例

727 040 2529 044 3347 039 16471042 149 044 8561252

527 095 1101 074 1507 073 068 068除合併症例 657 038 1472 029 21 97 027 11441028 146 039

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

出町

主昨

ゾ判〕

〔民本零時〕

〔認

E

gom

ehln

入ヘ

-5組椎

続出入 5

吋ふ入

γ

N4

特〕

-S

-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

g

h-

軍区民主切

回同入刊にふ

思組権回出回国Hυ〈

〔匝誌零時〕

言語

ヨ昨

五円〕

〔匝芯零時〕

〔題

活性

キ毛

NW

E酬

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝lと関する研兜 -2327ー

52 620 18 椎 (血底圧 170~901707 4335 11 6 318 651 注

眼 KWI041 1 4091764 ~17

54 325 662 097705 54 785 1 6419 0鵜 11 1 875 380 492 338 067 014

55 743 977 1915 415 20

池 128 871 2043 3315 800 1066 1400 385

48 843 2338 3796 1208 140 佐

21 42761393 6368 1994 204550 1938 2572 786 064合

2481lz卜147判|州|吋 E 健常例

年令尿量 cc

Na量 Cm1E量q KmE量q 17KS量 尿糖 量 mEq mg g

症例

22時時前後間間 4時且八間

別全

22時時i後iiJ間間 4時~間122 時時前後間間 4時一一A 間 22時2削聞間 4時~間 2J時前間問 4時こ八に間備 考

a別性 22時2「間目nl4時間

1 中 20 709 1752 855

2741 1139 1653 3212 1471 944 1460 616

2ぎ 22 727 1065

823 2683 724 1658 41 11 1638

合 338 835 1428 914

3出 26 1140 3422 1297

155 1295 4038 5682 2115

合 21 98 2260 818

4lU 28 845 988 21 99 630 1090 21 07 3899 986

合 245 11 19 1700 356

515 24 1220 1625 2034

1338 2571 31 1084 合 118 946 1144 382

1210 445 1077

1317 2162

371 1328 629 118 632 845 258

71~ 32 1035 725 1698 991

1094 1601 2217 11 84 59 876 519 193

8ぎ 47 860 737 1993 1 66 1029

603 1340 2703 236

合 169 710 070

9菰 36 907 1377

2605 2461 800

1139 3725 144 1合 232 1228 1264 64 1

金 22 932 726 1486 832 10 1063 1538 2412 1078

合 131 812 926 246

斎 36 1013 1957 478 739 11 1144 2812

539 1017 1188

131 855 449

-2328- 千 葉 医 学 ムヨミ 雑 誌 第 35巻

第 5表 排世量及び排j世比(後前)(平均値)(合併症を有する例を除く)

尿 主主ヨ豆lsquo Na Cl K 17KS

前川~stl 前 知 吋 比 前 2st門比全 4時 間 量 比 全 4時間量比 全 4時間量 全 4時間量 全 4時間量

974 184 1000 1019 2105 1226 737 449 061健常例 019 102 058

1158 2019 3331 1186

795 408 2153 1487 2997 1994 924 533 168 075 良好例 051 069 067 058 045

1203 3640 4991 1457 243

糖 工 555 368 913 868 1869 1628 621 513 064 069

群 066 095 087 083 107

遅 923 1781 3497 1134 133

尿 218E 185 1261 902 1650 1174 659 406 099 068

延群

084 072 071 061 069

病 404 2163 2824 1065 167

J1j 429 299 1042 881 1787 1458 635 473 082 068 平 070 084 082 074 084 例 均 728 1923 3245 1108 150

全例 600 350 1561 1164 2352 1708 769 501 058 075 073

065

1 187 061

平均 950 2725 4060 1270

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48

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2329-

明で遅延E型に於いても Na排世量が柏増加する すlarr

傾向を示す Clは健常例 058糖尿病例 073で後半の増量がよ

KはClと略々類似せる傾向を認める り大である

17KS排j世は Na排世l乙略々平行するが如き傾向 Kは Clと類似の傾向を認めるが症例 12 1[於い

を示す ては117と著明な上昇を認める

2 諸排世比 (第 10図〉 1 諸排世量及び比と諸因子

水稀釈力試験時の各排世量の後半 2時間量l乙対す 諸排世量(第 11図〉尿量と血糖値との関係は中

る前半2時間量の比を以って排世比とした 等度以下の過血糖の症例lζ於いては血糖値の土井

尿量の平均排世比は健常例 019糖尿病例 058 氏伴う尿量の減少は軽微であるがj著明な過血糖例

で後半排世量増加を示し水利尿良好なもの程小で を呈せる症例は尿量は極めて少い 17KS 1日量と

あるがその関係は余り著明でない症例 6912 の関係に於いてはその増加している症例に精尿量

19の4例は排世比の上昇著明で10を越える の増加する傾向を認めるが著明でない

Na は健常例102糖尿病例 075で前半排世量の増 NaClKの電解質排世量と血糖値の関係は余り

加を見る症例 6912は10を越える排世比を示 明確でなL0 17 KS 1日量とは明らかに相関を認め

第 10図 水利尿と諸排世比 (合併症を有する例を除く)

N

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12

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200ζc 400 占ず4 市斗~1()~D----lLIUgrave~OL-l--- IToι ーふ0--+-市布~ 4時向原賢一』 4時間尿器-

-2330ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

る て電解質排世比の僅かの上昇を認め叉尿量排世

諸排世比(第 12図)諸排世比と血糖値との関係は 比に於いても 17KS減少例及び症例 19 K上昇を認

認め難く叉 17KS量との関係も一般に著明ではな める

いが 17KS 1日量の特に少い症例 69121乙於い

第 11図 排世量と諸因子 (合併症を有する例を除く)

〔血糖との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

gst

ePe

12m払 γ

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30

20

10ト

2 4 6 日 10

200 250 300

G

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10ト

寸 250 4 8 10 12刊初ザ6 2 300

K

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100π彬l(_ 150 lOO 250 却 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

ウ匂

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2331ー

〔血糖との関係〕 [17KS 1日量との関係〕ー

25ト

KSつιE

17

bull

1001113μ~ loO 甲 17 8 9 10 ( 3oo 2 3 4200 2DO 司司m-J2amphMd恥凶うー事

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51

尿

44 糖

3

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2

100iR 150 200 250 300 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12匂

第 12図 排世比と諸因子 (合併症を有する例を除く〉

〔血糖値との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

1amp

同 019

警08 s 07

0

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05

邑4

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Q2 112

01

ト 100向始H且 150 200 250 30ー15ー中 s4 5 6 7 白 ] 10 11 12叩拠ザ」 酔|ーム2tflf7K16 糖値

井1ト41

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200 250 4 1030016+ 2 主判事l判

-2332ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

61

OJl卜

08ト

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10

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03

〔血糖値との関係〕 [17 KS 1日量との関係〕

14

12

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8

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Ob 0干

02

100明弘a 150

c0

100明 11 200rnJdl

150

10b夜間 200

第 II章総括並びに者按

300

250

Os06

一一一_L 250 300

lC

08

也6

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2345amp789 叩 11 12匂勾

JSLJ一一よ 0 1 I 7 8 9 10 12閉め匂 11

G

一」一一よ一一J一一」一ーーーー-

8 11 12吻匂

109

第 1項水利尿と諸因子

電解質との関係 水試験前値の尿中電解質排世

糖尿病K於ける水分代謝の問題殊に 1日尿量 量及び血察電解質濃度と水利尿の程度には一定の関

と水試験時の如き急激なる体液変動を惹起せしめ 係を認め難く試験前電解質量または濃度によって

た場合の水分代謝とは当然同一視得ないものがあ 水利尿は影響を受けない

ると思われる 血糖値との関係 血糖値と水利尿との聞には負

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2333ー

の関係を認めるが著明な過血糖を呈し PVRho- の遅速は一定でない乙れは血糖値の上昇せる為

danSpの増加を来たす様な症例は水 1L負荷にょ に ADH作用抑制によって起る水利尿反応が鈍化

つでも OsmoreceptorVolume receptorを介し され得る故であろう

て起る ADH分泌抑制の度が小となり水利尿反応 水利尿の良否lζ拘らず最大利尿発現時の遅延する

が少くなる為か尿量は極めて少ない過血糖中等度 症例は 17KS量の低値の例及び血疑 Na濃度が他

以下の症例は PVR対する影響も少く 尿量減少 の症例広比し高値を示す症例で何れも水利尿時の

の度も軽度である NaCl排世は殆んど尿量と関係なく減少している

17KS量との関係 17 KS 1日尿中排世量の増 電解質排世像は水利尿良好例に於いては健常例

加に従って尿量増加の傾向を認め特に過剰排世型 と異なり利尿発現初期に著明な Na排世のピーク

の傾向の認められる症例に 17KS量の増加を認め を見るこれは何れも 1日尿中 17KS排i世量増加例

るかかる症例は何れも GFRの増大と尿中 Na である遅延例工型は 17KS量の増加せる例少く

Clの排世増加を認めた例である 電解質排世も著明でなく略々健常例に近い排世像を

然し症例 13の如く 17KS量異常に高値で多尿 示す遅延E型は水排世遅延最も著明にも拘らず

lとより PV減少を呈せる脱水症例では水負荷によ 電解質排世像が良好例比類似して比較的著明な症例

りPVの変動は強く現われるが排世尿量は少い を認めるが ζれは 17KS量の増加を認める

叉著明な過血糖例及び症例 19の如く血疑 Na濃 更に症例 9612の如く 1日尿中 17KS排j世量

度が比較的高値の症例は間脳ー下垂体後葉系並びに 低値の症例は水分排世量に関係なく終始 Na排世

下垂骨前葉一副腎皮質系の内分泌機序の連関性の失 の増加が認められない以上の成績と過剰排世型を

調の為か 17KS量比較的増加しているにも拘ら 示す症例l乙1日尿中 17KS量の増加を認める事より

ず利尿は遅延する 考えれば水利尿時尿量の増加は GFRの良好なる

1日尿量との関係 一般に水利尿との相関を示 事と相侯って副腎皮質機能の比較的健全なるによる

す傾向にあるが特に過血糖を呈する症例及び異常 ものと考えられる唯し症例 13の如く 1日尿申 17

rc17KS量の増加せる症例に於いては前述の如く水 KS排世量の異常に高値の症例に於いても利尿初

利尿時の尿量を抑制する 期の Na排j世のピークは柏低く血媛 Na濃度の低

即ち 1日尿量lと於いては恒常的な腎機能及び 下も殆んど認めない場合もある

体液構成等の因子が関与し水利尿に於いては急 ClK の排世像も同様の傾向を示すが Na程著

激な PVの量及び質の変動が主要なる役割をなすも 明でない

のの如くである 以上を要約すれば血糖値の上昇例は最大利尿

体液構成との関係 PVの比較的増大している 時尿量を減ずるが最大利尿発現時聞に特に影響を

症例に於いて水利尿時尿量の抑制を認めるかか 認めない又 1日尿中 17KS増量例は電解質特に

る症例は著明な高血糖を呈し又は血緊 Na濃度の Na排粧を増加し利尿初期は特に著明である ζ

比較的高値の症例である れに反し 17KS量低値なるものは Na排世増加を認

腎クリアランス値との関係 GFRRPF共に めずそれに伴い最大利尿発現時を遅延せしめ最

水利尿の程度と精関係を認めるが前述の特に水利 大利尿時尿量も柏低下せしめる

尿を遅延せしめる因子の存在する症例に於ては腎 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比

機能の如何に拘らず水利尿時の尿量は少い尚 尿量は糖尿病例は柏減少し水利尿の遅延するに

Smith及び永峰(14)によれば稀釈試験時KGFR 従ってその排世比も柏増大する

RPFの変動は殆んど認められないと言われている 電解質排世量及び比共l乙水利尿の良否とは特に相

以上主要な水利尿遅延因子としては腎機能の 関を認めないが水利尿の良好例K排世量の増加を

良否は当然考えられるべきではあるが更に ADH 認める

並びに副腎皮質ホ Jレモンの分泌機序の異常も強く関 血糖値との関係はその上昇するにつれて水利尿時

1乙殊に甚しく叉l尿量は減少し著明な過血糖例 L与することを考慮しなければならな

第2項 水利尿時諸排世像 日尿中 17KS排世量は尿量との関係は軽度で電解

尿量の変動は水利尿良好例遅延例工型 n型 質殊に Na排世量との相関が明らかである乙れ

買に最大利尿時尿量の減少を認めるがその発現時)1の は血糖上昇の際は AD町分泌抑制が主で 17KS増

-2334- 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 6表 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

工 諸排i世量及び諸排世比

排 17 KS K 糖

水単独 水物単併独

ClNa尿薬

備 考水物単併独水単独用 薬水物単併独用薬水物単併独用症 薬用薬物併薬用併負荷用薬負荷物び

例『番比

物号

1164 050 3019 035 307 053 16 内 1321 041 141 067 1252071 4393 04814043

40 1148 019 3836 057 4964 050 1096 044

ブ 22 阿 O田1048 056 2003 118 3328 078 1237 067 ド

糖 1010 030 3951 091 6198 073 1570

40cc 13 木 O恵 前|1023 035 1677 120 2969 084 947

静 伊i 1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053

平均 11081 0531 2690 073 3446 063 11681056 141 067

除全遅 026 3006 031 12回511i022 224 054 四 a119 動脈血圧 150--72併例合延 17鈴 O

11391 1171 4147 077 3348 068 1380 108 330 086 硬化症眼底 K WJII 症

055 4334 051 12971040 265 054例例平 全例

11151 0661 3054 075 3422 064 12211068 240 0793 4 -

1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053除合併 均 症例 1108 053 2690 073 3446 063 1168 056 141 067

1370 049 5035 082 5890 087 1596 063 128 038

量及

良 8 立 972 077 2017 089 3996 068 1015 054 267 051

1089 118 3010 114好 9l市イ 1161 057 2375i 039 4969 039 037

096 1265 075 1229 074 3298官uシ平 均

ユ 1066 066 2196 058 4483 051 1939 041 2671051 リ

093 1140 064 650 029 2265 ン 硬化症 血圧 60~114

眼底 KWJI 11 小 O

1025 028 4465 06614998 091 1313 059 5u 遅

静 0752 6 4 |i曲胡00 374 057 4145 0761 49141071 1 5 87 2570 078 1将 O注

延例

-園平均

除全 メロL ou 併 除合併 症 症例

488 033 4598 0541 564 64057 12801 071 362 065

512 038 3205 13641 0621 264 075 hellip街lm756 030 4532 0601 5323 072 12961 0531 362 065

374 057 4145 4914071 075 075d4i

968 005

例例 平均

3 4匂圃4

4012801057 714054 56033 4598 488 362 065 61

4172 087 1314 061871 062 平 全例

911 049 059 4903 061 1618 315 058

944 071 3580 082 4605 086 1373 069 196 061 除合併 均 症例 873 059 2997 056 4871 053 1719 042 315 058

良 10891 11911562 103 好 市 304111

t列U9 0110161 17911705087 44601 13111212 1

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 K関する研究 ~2335ー

0959判 1岨15 C A

106 14171 033 48011063 10161 0641 321 083

938 051 1707 069 1163 054 1 88 1 24遅 18 椎 O

1018 1 25 1717 075 5067 095 1597 096 528 0805mg 圧底 KW 1

静 2558 093 3760

延 14姥 O 暖動 化 脈症(蛋血圧底白〔 120〕MBO注 8691 1 75 1864 057 3514 0671 1238 094 心筋障害眼 Kwn

852 074 2208 087 4369 087 1097 069 1 68 平ー均 ou除全 881 1 32 1666 054 4441 075 1284 086 425 081 玉メ口

併 除合併 947 058 2032 083 4674 082 1039 061 168 1 10症 症例例例 888 117 1567 053 4934 078 1306 082 425 081平均

911 085 4029 09 1 1056 076 168 1 10平 全例--

3 4

915 1 44 16761062 4446 087 1266 094 425 081

1876 088 1005 1 10除合併 均 症例 0941425 08138 1613064 4767i 092 12751 1

4276 0~83 1994 065 204 046 21 佐

1305~ 034 3563 048 5976 054 2283 037 255 029

T H

---

1245 056 3771 051 5438 051 1737 053 334 039 良 10立

1182 057 2324 045 4097 5421 45 076 280 066 チ

1034 1 15 9081 100 1623 087 259 011 1 78 029ソ好 5 池 O正

ン 眼底糖尿病性638 031 3226 01313201 034 1693 042 225 023 252 043 網膜炎

50 町 19例

1224 073 5709 084 7891 078 1784 066 266 058 178 029 平 均

内 1051 041 3038 033 4424 049 2040 050 253 041 252 043

服 除合併 1312 061 4024 067 5903 0印54111861541i 059

268 042

1243 044 2934 047 5036 054 2214yen 054 267 046例

遅延

症例 平均

--705 1 17 1154 074 1948 081 785 076 164 068三除日全』

19鵜 O1220 063 2328 076 6213 057 1705 063 232 079併 例

症例例 079 4570 084 1535 068 240 060 178 029

平 全例3 4 1093 046 2860 040 4872 052 1956 053 248 049 252 043 -- 1114 070 3067 068 4585 062 233 048除合併

均症例 1235 050 2738 054 5429 05512044 056 255 056

921 104 1345 097 792 072 066 103プ 6 染 O

900 05511504 036 2076 035 1161 039 1 39 049レ 遅ド

ーー 207 074 1 59 135ン 延 4中 O

867 129 5865 梅 毒 肝 腫A

25285655 0541051 26631057 6140571 56868 041 464515 mg

例 133 043 1190 8221053 070 045 g 渡 O内

初日--服

合除全 平

併症

例2例3 均_

414 012 1440 0211 23191 020 11 161018 1 53 031

640 1 09 2688 1 15 3736 1 16 12181094 1 14072 全例

727 040 2529 044 3347 039 16471042 149 044 8561252

527 095 1101 074 1507 073 068 068除合併症例 657 038 1472 029 21 97 027 11441028 146 039

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

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ゾ判〕

〔民本零時〕

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-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

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〔匝誌零時〕

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〔匝芯零時〕

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活性

キ毛

NW

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

-2328- 千 葉 医 学 ムヨミ 雑 誌 第 35巻

第 5表 排世量及び排j世比(後前)(平均値)(合併症を有する例を除く)

尿 主主ヨ豆lsquo Na Cl K 17KS

前川~stl 前 知 吋 比 前 2st門比全 4時 間 量 比 全 4時間量比 全 4時間量 全 4時間量 全 4時間量

974 184 1000 1019 2105 1226 737 449 061健常例 019 102 058

1158 2019 3331 1186

795 408 2153 1487 2997 1994 924 533 168 075 良好例 051 069 067 058 045

1203 3640 4991 1457 243

糖 工 555 368 913 868 1869 1628 621 513 064 069

群 066 095 087 083 107

遅 923 1781 3497 1134 133

尿 218E 185 1261 902 1650 1174 659 406 099 068

延群

084 072 071 061 069

病 404 2163 2824 1065 167

J1j 429 299 1042 881 1787 1458 635 473 082 068 平 070 084 082 074 084 例 均 728 1923 3245 1108 150

全例 600 350 1561 1164 2352 1708 769 501 058 075 073

065

1 187 061

平均 950 2725 4060 1270

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48

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2329-

明で遅延E型に於いても Na排世量が柏増加する すlarr

傾向を示す Clは健常例 058糖尿病例 073で後半の増量がよ

KはClと略々類似せる傾向を認める り大である

17KS排j世は Na排世l乙略々平行するが如き傾向 Kは Clと類似の傾向を認めるが症例 12 1[於い

を示す ては117と著明な上昇を認める

2 諸排世比 (第 10図〉 1 諸排世量及び比と諸因子

水稀釈力試験時の各排世量の後半 2時間量l乙対す 諸排世量(第 11図〉尿量と血糖値との関係は中

る前半2時間量の比を以って排世比とした 等度以下の過血糖の症例lζ於いては血糖値の土井

尿量の平均排世比は健常例 019糖尿病例 058 氏伴う尿量の減少は軽微であるがj著明な過血糖例

で後半排世量増加を示し水利尿良好なもの程小で を呈せる症例は尿量は極めて少い 17KS 1日量と

あるがその関係は余り著明でない症例 6912 の関係に於いてはその増加している症例に精尿量

19の4例は排世比の上昇著明で10を越える の増加する傾向を認めるが著明でない

Na は健常例102糖尿病例 075で前半排世量の増 NaClKの電解質排世量と血糖値の関係は余り

加を見る症例 6912は10を越える排世比を示 明確でなL0 17 KS 1日量とは明らかに相関を認め

第 10図 水利尿と諸排世比 (合併症を有する例を除く)

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-2330ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

る て電解質排世比の僅かの上昇を認め叉尿量排世

諸排世比(第 12図)諸排世比と血糖値との関係は 比に於いても 17KS減少例及び症例 19 K上昇を認

認め難く叉 17KS量との関係も一般に著明ではな める

いが 17KS 1日量の特に少い症例 69121乙於い

第 11図 排世量と諸因子 (合併症を有する例を除く)

〔血糖との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2331ー

〔血糖との関係〕 [17KS 1日量との関係〕ー

25ト

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第 12図 排世比と諸因子 (合併症を有する例を除く〉

〔血糖値との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

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-2332ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

61

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〔血糖値との関係〕 [17 KS 1日量との関係〕

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10b夜間 200

第 II章総括並びに者按

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250

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8 11 12吻匂

109

第 1項水利尿と諸因子

電解質との関係 水試験前値の尿中電解質排世

糖尿病K於ける水分代謝の問題殊に 1日尿量 量及び血察電解質濃度と水利尿の程度には一定の関

と水試験時の如き急激なる体液変動を惹起せしめ 係を認め難く試験前電解質量または濃度によって

た場合の水分代謝とは当然同一視得ないものがあ 水利尿は影響を受けない

ると思われる 血糖値との関係 血糖値と水利尿との聞には負

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2333ー

の関係を認めるが著明な過血糖を呈し PVRho- の遅速は一定でない乙れは血糖値の上昇せる為

danSpの増加を来たす様な症例は水 1L負荷にょ に ADH作用抑制によって起る水利尿反応が鈍化

つでも OsmoreceptorVolume receptorを介し され得る故であろう

て起る ADH分泌抑制の度が小となり水利尿反応 水利尿の良否lζ拘らず最大利尿発現時の遅延する

が少くなる為か尿量は極めて少ない過血糖中等度 症例は 17KS量の低値の例及び血疑 Na濃度が他

以下の症例は PVR対する影響も少く 尿量減少 の症例広比し高値を示す症例で何れも水利尿時の

の度も軽度である NaCl排世は殆んど尿量と関係なく減少している

17KS量との関係 17 KS 1日尿中排世量の増 電解質排世像は水利尿良好例に於いては健常例

加に従って尿量増加の傾向を認め特に過剰排世型 と異なり利尿発現初期に著明な Na排世のピーク

の傾向の認められる症例に 17KS量の増加を認め を見るこれは何れも 1日尿中 17KS排i世量増加例

るかかる症例は何れも GFRの増大と尿中 Na である遅延例工型は 17KS量の増加せる例少く

Clの排世増加を認めた例である 電解質排世も著明でなく略々健常例に近い排世像を

然し症例 13の如く 17KS量異常に高値で多尿 示す遅延E型は水排世遅延最も著明にも拘らず

lとより PV減少を呈せる脱水症例では水負荷によ 電解質排世像が良好例比類似して比較的著明な症例

りPVの変動は強く現われるが排世尿量は少い を認めるが ζれは 17KS量の増加を認める

叉著明な過血糖例及び症例 19の如く血疑 Na濃 更に症例 9612の如く 1日尿中 17KS排j世量

度が比較的高値の症例は間脳ー下垂体後葉系並びに 低値の症例は水分排世量に関係なく終始 Na排世

下垂骨前葉一副腎皮質系の内分泌機序の連関性の失 の増加が認められない以上の成績と過剰排世型を

調の為か 17KS量比較的増加しているにも拘ら 示す症例l乙1日尿中 17KS量の増加を認める事より

ず利尿は遅延する 考えれば水利尿時尿量の増加は GFRの良好なる

1日尿量との関係 一般に水利尿との相関を示 事と相侯って副腎皮質機能の比較的健全なるによる

す傾向にあるが特に過血糖を呈する症例及び異常 ものと考えられる唯し症例 13の如く 1日尿申 17

rc17KS量の増加せる症例に於いては前述の如く水 KS排世量の異常に高値の症例に於いても利尿初

利尿時の尿量を抑制する 期の Na排j世のピークは柏低く血媛 Na濃度の低

即ち 1日尿量lと於いては恒常的な腎機能及び 下も殆んど認めない場合もある

体液構成等の因子が関与し水利尿に於いては急 ClK の排世像も同様の傾向を示すが Na程著

激な PVの量及び質の変動が主要なる役割をなすも 明でない

のの如くである 以上を要約すれば血糖値の上昇例は最大利尿

体液構成との関係 PVの比較的増大している 時尿量を減ずるが最大利尿発現時聞に特に影響を

症例に於いて水利尿時尿量の抑制を認めるかか 認めない又 1日尿中 17KS増量例は電解質特に

る症例は著明な高血糖を呈し又は血緊 Na濃度の Na排粧を増加し利尿初期は特に著明である ζ

比較的高値の症例である れに反し 17KS量低値なるものは Na排世増加を認

腎クリアランス値との関係 GFRRPF共に めずそれに伴い最大利尿発現時を遅延せしめ最

水利尿の程度と精関係を認めるが前述の特に水利 大利尿時尿量も柏低下せしめる

尿を遅延せしめる因子の存在する症例に於ては腎 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比

機能の如何に拘らず水利尿時の尿量は少い尚 尿量は糖尿病例は柏減少し水利尿の遅延するに

Smith及び永峰(14)によれば稀釈試験時KGFR 従ってその排世比も柏増大する

RPFの変動は殆んど認められないと言われている 電解質排世量及び比共l乙水利尿の良否とは特に相

以上主要な水利尿遅延因子としては腎機能の 関を認めないが水利尿の良好例K排世量の増加を

良否は当然考えられるべきではあるが更に ADH 認める

並びに副腎皮質ホ Jレモンの分泌機序の異常も強く関 血糖値との関係はその上昇するにつれて水利尿時

1乙殊に甚しく叉l尿量は減少し著明な過血糖例 L与することを考慮しなければならな

第2項 水利尿時諸排世像 日尿中 17KS排世量は尿量との関係は軽度で電解

尿量の変動は水利尿良好例遅延例工型 n型 質殊に Na排世量との相関が明らかである乙れ

買に最大利尿時尿量の減少を認めるがその発現時)1の は血糖上昇の際は AD町分泌抑制が主で 17KS増

-2334- 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 6表 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

工 諸排i世量及び諸排世比

排 17 KS K 糖

水単独 水物単併独

ClNa尿薬

備 考水物単併独水単独用 薬水物単併独用薬水物単併独用症 薬用薬物併薬用併負荷用薬負荷物び

例『番比

物号

1164 050 3019 035 307 053 16 内 1321 041 141 067 1252071 4393 04814043

40 1148 019 3836 057 4964 050 1096 044

ブ 22 阿 O田1048 056 2003 118 3328 078 1237 067 ド

糖 1010 030 3951 091 6198 073 1570

40cc 13 木 O恵 前|1023 035 1677 120 2969 084 947

静 伊i 1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053

平均 11081 0531 2690 073 3446 063 11681056 141 067

除全遅 026 3006 031 12回511i022 224 054 四 a119 動脈血圧 150--72併例合延 17鈴 O

11391 1171 4147 077 3348 068 1380 108 330 086 硬化症眼底 K WJII 症

055 4334 051 12971040 265 054例例平 全例

11151 0661 3054 075 3422 064 12211068 240 0793 4 -

1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053除合併 均 症例 1108 053 2690 073 3446 063 1168 056 141 067

1370 049 5035 082 5890 087 1596 063 128 038

量及

良 8 立 972 077 2017 089 3996 068 1015 054 267 051

1089 118 3010 114好 9l市イ 1161 057 2375i 039 4969 039 037

096 1265 075 1229 074 3298官uシ平 均

ユ 1066 066 2196 058 4483 051 1939 041 2671051 リ

093 1140 064 650 029 2265 ン 硬化症 血圧 60~114

眼底 KWJI 11 小 O

1025 028 4465 06614998 091 1313 059 5u 遅

静 0752 6 4 |i曲胡00 374 057 4145 0761 49141071 1 5 87 2570 078 1将 O注

延例

-園平均

除全 メロL ou 併 除合併 症 症例

488 033 4598 0541 564 64057 12801 071 362 065

512 038 3205 13641 0621 264 075 hellip街lm756 030 4532 0601 5323 072 12961 0531 362 065

374 057 4145 4914071 075 075d4i

968 005

例例 平均

3 4匂圃4

4012801057 714054 56033 4598 488 362 065 61

4172 087 1314 061871 062 平 全例

911 049 059 4903 061 1618 315 058

944 071 3580 082 4605 086 1373 069 196 061 除合併 均 症例 873 059 2997 056 4871 053 1719 042 315 058

良 10891 11911562 103 好 市 304111

t列U9 0110161 17911705087 44601 13111212 1

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 K関する研究 ~2335ー

0959判 1岨15 C A

106 14171 033 48011063 10161 0641 321 083

938 051 1707 069 1163 054 1 88 1 24遅 18 椎 O

1018 1 25 1717 075 5067 095 1597 096 528 0805mg 圧底 KW 1

静 2558 093 3760

延 14姥 O 暖動 化 脈症(蛋血圧底白〔 120〕MBO注 8691 1 75 1864 057 3514 0671 1238 094 心筋障害眼 Kwn

852 074 2208 087 4369 087 1097 069 1 68 平ー均 ou除全 881 1 32 1666 054 4441 075 1284 086 425 081 玉メ口

併 除合併 947 058 2032 083 4674 082 1039 061 168 1 10症 症例例例 888 117 1567 053 4934 078 1306 082 425 081平均

911 085 4029 09 1 1056 076 168 1 10平 全例--

3 4

915 1 44 16761062 4446 087 1266 094 425 081

1876 088 1005 1 10除合併 均 症例 0941425 08138 1613064 4767i 092 12751 1

4276 0~83 1994 065 204 046 21 佐

1305~ 034 3563 048 5976 054 2283 037 255 029

T H

---

1245 056 3771 051 5438 051 1737 053 334 039 良 10立

1182 057 2324 045 4097 5421 45 076 280 066 チ

1034 1 15 9081 100 1623 087 259 011 1 78 029ソ好 5 池 O正

ン 眼底糖尿病性638 031 3226 01313201 034 1693 042 225 023 252 043 網膜炎

50 町 19例

1224 073 5709 084 7891 078 1784 066 266 058 178 029 平 均

内 1051 041 3038 033 4424 049 2040 050 253 041 252 043

服 除合併 1312 061 4024 067 5903 0印54111861541i 059

268 042

1243 044 2934 047 5036 054 2214yen 054 267 046例

遅延

症例 平均

--705 1 17 1154 074 1948 081 785 076 164 068三除日全』

19鵜 O1220 063 2328 076 6213 057 1705 063 232 079併 例

症例例 079 4570 084 1535 068 240 060 178 029

平 全例3 4 1093 046 2860 040 4872 052 1956 053 248 049 252 043 -- 1114 070 3067 068 4585 062 233 048除合併

均症例 1235 050 2738 054 5429 05512044 056 255 056

921 104 1345 097 792 072 066 103プ 6 染 O

900 05511504 036 2076 035 1161 039 1 39 049レ 遅ド

ーー 207 074 1 59 135ン 延 4中 O

867 129 5865 梅 毒 肝 腫A

25285655 0541051 26631057 6140571 56868 041 464515 mg

例 133 043 1190 8221053 070 045 g 渡 O内

初日--服

合除全 平

併症

例2例3 均_

414 012 1440 0211 23191 020 11 161018 1 53 031

640 1 09 2688 1 15 3736 1 16 12181094 1 14072 全例

727 040 2529 044 3347 039 16471042 149 044 8561252

527 095 1101 074 1507 073 068 068除合併症例 657 038 1472 029 21 97 027 11441028 146 039

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

出町

主昨

ゾ判〕

〔民本零時〕

〔認

E

gom

ehln

入ヘ

-5組椎

続出入 5

吋ふ入

γ

N4

特〕

-S

-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

g

h-

軍区民主切

回同入刊にふ

思組権回出回国Hυ〈

〔匝誌零時〕

言語

ヨ昨

五円〕

〔匝芯零時〕

〔題

活性

キ毛

NW

E酬

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2329-

明で遅延E型に於いても Na排世量が柏増加する すlarr

傾向を示す Clは健常例 058糖尿病例 073で後半の増量がよ

KはClと略々類似せる傾向を認める り大である

17KS排j世は Na排世l乙略々平行するが如き傾向 Kは Clと類似の傾向を認めるが症例 12 1[於い

を示す ては117と著明な上昇を認める

2 諸排世比 (第 10図〉 1 諸排世量及び比と諸因子

水稀釈力試験時の各排世量の後半 2時間量l乙対す 諸排世量(第 11図〉尿量と血糖値との関係は中

る前半2時間量の比を以って排世比とした 等度以下の過血糖の症例lζ於いては血糖値の土井

尿量の平均排世比は健常例 019糖尿病例 058 氏伴う尿量の減少は軽微であるがj著明な過血糖例

で後半排世量増加を示し水利尿良好なもの程小で を呈せる症例は尿量は極めて少い 17KS 1日量と

あるがその関係は余り著明でない症例 6912 の関係に於いてはその増加している症例に精尿量

19の4例は排世比の上昇著明で10を越える の増加する傾向を認めるが著明でない

Na は健常例102糖尿病例 075で前半排世量の増 NaClKの電解質排世量と血糖値の関係は余り

加を見る症例 6912は10を越える排世比を示 明確でなL0 17 KS 1日量とは明らかに相関を認め

第 10図 水利尿と諸排世比 (合併症を有する例を除く)

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-2330ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

る て電解質排世比の僅かの上昇を認め叉尿量排世

諸排世比(第 12図)諸排世比と血糖値との関係は 比に於いても 17KS減少例及び症例 19 K上昇を認

認め難く叉 17KS量との関係も一般に著明ではな める

いが 17KS 1日量の特に少い症例 69121乙於い

第 11図 排世量と諸因子 (合併症を有する例を除く)

〔血糖との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2331ー

〔血糖との関係〕 [17KS 1日量との関係〕ー

25ト

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第 12図 排世比と諸因子 (合併症を有する例を除く〉

〔血糖値との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

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同 019

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-2332ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

61

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〔血糖値との関係〕 [17 KS 1日量との関係〕

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第 II章総括並びに者按

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250

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8 11 12吻匂

109

第 1項水利尿と諸因子

電解質との関係 水試験前値の尿中電解質排世

糖尿病K於ける水分代謝の問題殊に 1日尿量 量及び血察電解質濃度と水利尿の程度には一定の関

と水試験時の如き急激なる体液変動を惹起せしめ 係を認め難く試験前電解質量または濃度によって

た場合の水分代謝とは当然同一視得ないものがあ 水利尿は影響を受けない

ると思われる 血糖値との関係 血糖値と水利尿との聞には負

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2333ー

の関係を認めるが著明な過血糖を呈し PVRho- の遅速は一定でない乙れは血糖値の上昇せる為

danSpの増加を来たす様な症例は水 1L負荷にょ に ADH作用抑制によって起る水利尿反応が鈍化

つでも OsmoreceptorVolume receptorを介し され得る故であろう

て起る ADH分泌抑制の度が小となり水利尿反応 水利尿の良否lζ拘らず最大利尿発現時の遅延する

が少くなる為か尿量は極めて少ない過血糖中等度 症例は 17KS量の低値の例及び血疑 Na濃度が他

以下の症例は PVR対する影響も少く 尿量減少 の症例広比し高値を示す症例で何れも水利尿時の

の度も軽度である NaCl排世は殆んど尿量と関係なく減少している

17KS量との関係 17 KS 1日尿中排世量の増 電解質排世像は水利尿良好例に於いては健常例

加に従って尿量増加の傾向を認め特に過剰排世型 と異なり利尿発現初期に著明な Na排世のピーク

の傾向の認められる症例に 17KS量の増加を認め を見るこれは何れも 1日尿中 17KS排i世量増加例

るかかる症例は何れも GFRの増大と尿中 Na である遅延例工型は 17KS量の増加せる例少く

Clの排世増加を認めた例である 電解質排世も著明でなく略々健常例に近い排世像を

然し症例 13の如く 17KS量異常に高値で多尿 示す遅延E型は水排世遅延最も著明にも拘らず

lとより PV減少を呈せる脱水症例では水負荷によ 電解質排世像が良好例比類似して比較的著明な症例

りPVの変動は強く現われるが排世尿量は少い を認めるが ζれは 17KS量の増加を認める

叉著明な過血糖例及び症例 19の如く血疑 Na濃 更に症例 9612の如く 1日尿中 17KS排j世量

度が比較的高値の症例は間脳ー下垂体後葉系並びに 低値の症例は水分排世量に関係なく終始 Na排世

下垂骨前葉一副腎皮質系の内分泌機序の連関性の失 の増加が認められない以上の成績と過剰排世型を

調の為か 17KS量比較的増加しているにも拘ら 示す症例l乙1日尿中 17KS量の増加を認める事より

ず利尿は遅延する 考えれば水利尿時尿量の増加は GFRの良好なる

1日尿量との関係 一般に水利尿との相関を示 事と相侯って副腎皮質機能の比較的健全なるによる

す傾向にあるが特に過血糖を呈する症例及び異常 ものと考えられる唯し症例 13の如く 1日尿申 17

rc17KS量の増加せる症例に於いては前述の如く水 KS排世量の異常に高値の症例に於いても利尿初

利尿時の尿量を抑制する 期の Na排j世のピークは柏低く血媛 Na濃度の低

即ち 1日尿量lと於いては恒常的な腎機能及び 下も殆んど認めない場合もある

体液構成等の因子が関与し水利尿に於いては急 ClK の排世像も同様の傾向を示すが Na程著

激な PVの量及び質の変動が主要なる役割をなすも 明でない

のの如くである 以上を要約すれば血糖値の上昇例は最大利尿

体液構成との関係 PVの比較的増大している 時尿量を減ずるが最大利尿発現時聞に特に影響を

症例に於いて水利尿時尿量の抑制を認めるかか 認めない又 1日尿中 17KS増量例は電解質特に

る症例は著明な高血糖を呈し又は血緊 Na濃度の Na排粧を増加し利尿初期は特に著明である ζ

比較的高値の症例である れに反し 17KS量低値なるものは Na排世増加を認

腎クリアランス値との関係 GFRRPF共に めずそれに伴い最大利尿発現時を遅延せしめ最

水利尿の程度と精関係を認めるが前述の特に水利 大利尿時尿量も柏低下せしめる

尿を遅延せしめる因子の存在する症例に於ては腎 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比

機能の如何に拘らず水利尿時の尿量は少い尚 尿量は糖尿病例は柏減少し水利尿の遅延するに

Smith及び永峰(14)によれば稀釈試験時KGFR 従ってその排世比も柏増大する

RPFの変動は殆んど認められないと言われている 電解質排世量及び比共l乙水利尿の良否とは特に相

以上主要な水利尿遅延因子としては腎機能の 関を認めないが水利尿の良好例K排世量の増加を

良否は当然考えられるべきではあるが更に ADH 認める

並びに副腎皮質ホ Jレモンの分泌機序の異常も強く関 血糖値との関係はその上昇するにつれて水利尿時

1乙殊に甚しく叉l尿量は減少し著明な過血糖例 L与することを考慮しなければならな

第2項 水利尿時諸排世像 日尿中 17KS排世量は尿量との関係は軽度で電解

尿量の変動は水利尿良好例遅延例工型 n型 質殊に Na排世量との相関が明らかである乙れ

買に最大利尿時尿量の減少を認めるがその発現時)1の は血糖上昇の際は AD町分泌抑制が主で 17KS増

-2334- 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 6表 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

工 諸排i世量及び諸排世比

排 17 KS K 糖

水単独 水物単併独

ClNa尿薬

備 考水物単併独水単独用 薬水物単併独用薬水物単併独用症 薬用薬物併薬用併負荷用薬負荷物び

例『番比

物号

1164 050 3019 035 307 053 16 内 1321 041 141 067 1252071 4393 04814043

40 1148 019 3836 057 4964 050 1096 044

ブ 22 阿 O田1048 056 2003 118 3328 078 1237 067 ド

糖 1010 030 3951 091 6198 073 1570

40cc 13 木 O恵 前|1023 035 1677 120 2969 084 947

静 伊i 1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053

平均 11081 0531 2690 073 3446 063 11681056 141 067

除全遅 026 3006 031 12回511i022 224 054 四 a119 動脈血圧 150--72併例合延 17鈴 O

11391 1171 4147 077 3348 068 1380 108 330 086 硬化症眼底 K WJII 症

055 4334 051 12971040 265 054例例平 全例

11151 0661 3054 075 3422 064 12211068 240 0793 4 -

1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053除合併 均 症例 1108 053 2690 073 3446 063 1168 056 141 067

1370 049 5035 082 5890 087 1596 063 128 038

量及

良 8 立 972 077 2017 089 3996 068 1015 054 267 051

1089 118 3010 114好 9l市イ 1161 057 2375i 039 4969 039 037

096 1265 075 1229 074 3298官uシ平 均

ユ 1066 066 2196 058 4483 051 1939 041 2671051 リ

093 1140 064 650 029 2265 ン 硬化症 血圧 60~114

眼底 KWJI 11 小 O

1025 028 4465 06614998 091 1313 059 5u 遅

静 0752 6 4 |i曲胡00 374 057 4145 0761 49141071 1 5 87 2570 078 1将 O注

延例

-園平均

除全 メロL ou 併 除合併 症 症例

488 033 4598 0541 564 64057 12801 071 362 065

512 038 3205 13641 0621 264 075 hellip街lm756 030 4532 0601 5323 072 12961 0531 362 065

374 057 4145 4914071 075 075d4i

968 005

例例 平均

3 4匂圃4

4012801057 714054 56033 4598 488 362 065 61

4172 087 1314 061871 062 平 全例

911 049 059 4903 061 1618 315 058

944 071 3580 082 4605 086 1373 069 196 061 除合併 均 症例 873 059 2997 056 4871 053 1719 042 315 058

良 10891 11911562 103 好 市 304111

t列U9 0110161 17911705087 44601 13111212 1

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 K関する研究 ~2335ー

0959判 1岨15 C A

106 14171 033 48011063 10161 0641 321 083

938 051 1707 069 1163 054 1 88 1 24遅 18 椎 O

1018 1 25 1717 075 5067 095 1597 096 528 0805mg 圧底 KW 1

静 2558 093 3760

延 14姥 O 暖動 化 脈症(蛋血圧底白〔 120〕MBO注 8691 1 75 1864 057 3514 0671 1238 094 心筋障害眼 Kwn

852 074 2208 087 4369 087 1097 069 1 68 平ー均 ou除全 881 1 32 1666 054 4441 075 1284 086 425 081 玉メ口

併 除合併 947 058 2032 083 4674 082 1039 061 168 1 10症 症例例例 888 117 1567 053 4934 078 1306 082 425 081平均

911 085 4029 09 1 1056 076 168 1 10平 全例--

3 4

915 1 44 16761062 4446 087 1266 094 425 081

1876 088 1005 1 10除合併 均 症例 0941425 08138 1613064 4767i 092 12751 1

4276 0~83 1994 065 204 046 21 佐

1305~ 034 3563 048 5976 054 2283 037 255 029

T H

---

1245 056 3771 051 5438 051 1737 053 334 039 良 10立

1182 057 2324 045 4097 5421 45 076 280 066 チ

1034 1 15 9081 100 1623 087 259 011 1 78 029ソ好 5 池 O正

ン 眼底糖尿病性638 031 3226 01313201 034 1693 042 225 023 252 043 網膜炎

50 町 19例

1224 073 5709 084 7891 078 1784 066 266 058 178 029 平 均

内 1051 041 3038 033 4424 049 2040 050 253 041 252 043

服 除合併 1312 061 4024 067 5903 0印54111861541i 059

268 042

1243 044 2934 047 5036 054 2214yen 054 267 046例

遅延

症例 平均

--705 1 17 1154 074 1948 081 785 076 164 068三除日全』

19鵜 O1220 063 2328 076 6213 057 1705 063 232 079併 例

症例例 079 4570 084 1535 068 240 060 178 029

平 全例3 4 1093 046 2860 040 4872 052 1956 053 248 049 252 043 -- 1114 070 3067 068 4585 062 233 048除合併

均症例 1235 050 2738 054 5429 05512044 056 255 056

921 104 1345 097 792 072 066 103プ 6 染 O

900 05511504 036 2076 035 1161 039 1 39 049レ 遅ド

ーー 207 074 1 59 135ン 延 4中 O

867 129 5865 梅 毒 肝 腫A

25285655 0541051 26631057 6140571 56868 041 464515 mg

例 133 043 1190 8221053 070 045 g 渡 O内

初日--服

合除全 平

併症

例2例3 均_

414 012 1440 0211 23191 020 11 161018 1 53 031

640 1 09 2688 1 15 3736 1 16 12181094 1 14072 全例

727 040 2529 044 3347 039 16471042 149 044 8561252

527 095 1101 074 1507 073 068 068除合併症例 657 038 1472 029 21 97 027 11441028 146 039

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

出町

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ゾ判〕

〔民本零時〕

〔認

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-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

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第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

-2330ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

る て電解質排世比の僅かの上昇を認め叉尿量排世

諸排世比(第 12図)諸排世比と血糖値との関係は 比に於いても 17KS減少例及び症例 19 K上昇を認

認め難く叉 17KS量との関係も一般に著明ではな める

いが 17KS 1日量の特に少い症例 69121乙於い

第 11図 排世量と諸因子 (合併症を有する例を除く)

〔血糖との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

gst

ePe

12m払 γ

J4

0

30

20

10ト

2 4 6 日 10

200 250 300

G

30

20 1

10ト

寸 250 4 8 10 12刊初ザ6 2 300

K

14

8十

oe

100π彬l(_ 150 lOO 250 却 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

ウ匂

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2331ー

〔血糖との関係〕 [17KS 1日量との関係〕ー

25ト

KSつιE

17

bull

1001113μ~ loO 甲 17 8 9 10 ( 3oo 2 3 4200 2DO 司司m-J2amphMd恥凶うー事

~I 6

51

尿

44 糖

3

o I 3

2

100iR 150 200 250 300 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12匂

第 12図 排世比と諸因子 (合併症を有する例を除く〉

〔血糖値との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

1amp

同 019

警08 s 07

0

ee o

05

邑4

3

Q2 112

01

ト 100向始H且 150 200 250 30ー15ー中 s4 5 6 7 白 ] 10 11 12叩拠ザ」 酔|ーム2tflf7K16 糖値

井1ト41

e 0611amp1

自書r

似し 2

100mJJtl 150

ト21

200 250 4 1030016+ 2 主判事l判

-2332ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

61

OJl卜

08ト

04

10

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17ω kS笛

04

1)2

01

尿

5(1

02

01

10

也4

03

〔血糖値との関係〕 [17 KS 1日量との関係〕

14

12

t 1Oo

8

09

Ob 0干

02

100明弘a 150

c0

100明 11 200rnJdl

150

10b夜間 200

第 II章総括並びに者按

300

250

Os06

一一一_L 250 300

lC

08

也6

Q4

2345amp789 叩 11 12匂勾

JSLJ一一よ 0 1 I 7 8 9 10 12閉め匂 11

G

一」一一よ一一J一一」一ーーーー-

8 11 12吻匂

109

第 1項水利尿と諸因子

電解質との関係 水試験前値の尿中電解質排世

糖尿病K於ける水分代謝の問題殊に 1日尿量 量及び血察電解質濃度と水利尿の程度には一定の関

と水試験時の如き急激なる体液変動を惹起せしめ 係を認め難く試験前電解質量または濃度によって

た場合の水分代謝とは当然同一視得ないものがあ 水利尿は影響を受けない

ると思われる 血糖値との関係 血糖値と水利尿との聞には負

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2333ー

の関係を認めるが著明な過血糖を呈し PVRho- の遅速は一定でない乙れは血糖値の上昇せる為

danSpの増加を来たす様な症例は水 1L負荷にょ に ADH作用抑制によって起る水利尿反応が鈍化

つでも OsmoreceptorVolume receptorを介し され得る故であろう

て起る ADH分泌抑制の度が小となり水利尿反応 水利尿の良否lζ拘らず最大利尿発現時の遅延する

が少くなる為か尿量は極めて少ない過血糖中等度 症例は 17KS量の低値の例及び血疑 Na濃度が他

以下の症例は PVR対する影響も少く 尿量減少 の症例広比し高値を示す症例で何れも水利尿時の

の度も軽度である NaCl排世は殆んど尿量と関係なく減少している

17KS量との関係 17 KS 1日尿中排世量の増 電解質排世像は水利尿良好例に於いては健常例

加に従って尿量増加の傾向を認め特に過剰排世型 と異なり利尿発現初期に著明な Na排世のピーク

の傾向の認められる症例に 17KS量の増加を認め を見るこれは何れも 1日尿中 17KS排i世量増加例

るかかる症例は何れも GFRの増大と尿中 Na である遅延例工型は 17KS量の増加せる例少く

Clの排世増加を認めた例である 電解質排世も著明でなく略々健常例に近い排世像を

然し症例 13の如く 17KS量異常に高値で多尿 示す遅延E型は水排世遅延最も著明にも拘らず

lとより PV減少を呈せる脱水症例では水負荷によ 電解質排世像が良好例比類似して比較的著明な症例

りPVの変動は強く現われるが排世尿量は少い を認めるが ζれは 17KS量の増加を認める

叉著明な過血糖例及び症例 19の如く血疑 Na濃 更に症例 9612の如く 1日尿中 17KS排j世量

度が比較的高値の症例は間脳ー下垂体後葉系並びに 低値の症例は水分排世量に関係なく終始 Na排世

下垂骨前葉一副腎皮質系の内分泌機序の連関性の失 の増加が認められない以上の成績と過剰排世型を

調の為か 17KS量比較的増加しているにも拘ら 示す症例l乙1日尿中 17KS量の増加を認める事より

ず利尿は遅延する 考えれば水利尿時尿量の増加は GFRの良好なる

1日尿量との関係 一般に水利尿との相関を示 事と相侯って副腎皮質機能の比較的健全なるによる

す傾向にあるが特に過血糖を呈する症例及び異常 ものと考えられる唯し症例 13の如く 1日尿申 17

rc17KS量の増加せる症例に於いては前述の如く水 KS排世量の異常に高値の症例に於いても利尿初

利尿時の尿量を抑制する 期の Na排j世のピークは柏低く血媛 Na濃度の低

即ち 1日尿量lと於いては恒常的な腎機能及び 下も殆んど認めない場合もある

体液構成等の因子が関与し水利尿に於いては急 ClK の排世像も同様の傾向を示すが Na程著

激な PVの量及び質の変動が主要なる役割をなすも 明でない

のの如くである 以上を要約すれば血糖値の上昇例は最大利尿

体液構成との関係 PVの比較的増大している 時尿量を減ずるが最大利尿発現時聞に特に影響を

症例に於いて水利尿時尿量の抑制を認めるかか 認めない又 1日尿中 17KS増量例は電解質特に

る症例は著明な高血糖を呈し又は血緊 Na濃度の Na排粧を増加し利尿初期は特に著明である ζ

比較的高値の症例である れに反し 17KS量低値なるものは Na排世増加を認

腎クリアランス値との関係 GFRRPF共に めずそれに伴い最大利尿発現時を遅延せしめ最

水利尿の程度と精関係を認めるが前述の特に水利 大利尿時尿量も柏低下せしめる

尿を遅延せしめる因子の存在する症例に於ては腎 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比

機能の如何に拘らず水利尿時の尿量は少い尚 尿量は糖尿病例は柏減少し水利尿の遅延するに

Smith及び永峰(14)によれば稀釈試験時KGFR 従ってその排世比も柏増大する

RPFの変動は殆んど認められないと言われている 電解質排世量及び比共l乙水利尿の良否とは特に相

以上主要な水利尿遅延因子としては腎機能の 関を認めないが水利尿の良好例K排世量の増加を

良否は当然考えられるべきではあるが更に ADH 認める

並びに副腎皮質ホ Jレモンの分泌機序の異常も強く関 血糖値との関係はその上昇するにつれて水利尿時

1乙殊に甚しく叉l尿量は減少し著明な過血糖例 L与することを考慮しなければならな

第2項 水利尿時諸排世像 日尿中 17KS排世量は尿量との関係は軽度で電解

尿量の変動は水利尿良好例遅延例工型 n型 質殊に Na排世量との相関が明らかである乙れ

買に最大利尿時尿量の減少を認めるがその発現時)1の は血糖上昇の際は AD町分泌抑制が主で 17KS増

-2334- 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 6表 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

工 諸排i世量及び諸排世比

排 17 KS K 糖

水単独 水物単併独

ClNa尿薬

備 考水物単併独水単独用 薬水物単併独用薬水物単併独用症 薬用薬物併薬用併負荷用薬負荷物び

例『番比

物号

1164 050 3019 035 307 053 16 内 1321 041 141 067 1252071 4393 04814043

40 1148 019 3836 057 4964 050 1096 044

ブ 22 阿 O田1048 056 2003 118 3328 078 1237 067 ド

糖 1010 030 3951 091 6198 073 1570

40cc 13 木 O恵 前|1023 035 1677 120 2969 084 947

静 伊i 1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053

平均 11081 0531 2690 073 3446 063 11681056 141 067

除全遅 026 3006 031 12回511i022 224 054 四 a119 動脈血圧 150--72併例合延 17鈴 O

11391 1171 4147 077 3348 068 1380 108 330 086 硬化症眼底 K WJII 症

055 4334 051 12971040 265 054例例平 全例

11151 0661 3054 075 3422 064 12211068 240 0793 4 -

1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053除合併 均 症例 1108 053 2690 073 3446 063 1168 056 141 067

1370 049 5035 082 5890 087 1596 063 128 038

量及

良 8 立 972 077 2017 089 3996 068 1015 054 267 051

1089 118 3010 114好 9l市イ 1161 057 2375i 039 4969 039 037

096 1265 075 1229 074 3298官uシ平 均

ユ 1066 066 2196 058 4483 051 1939 041 2671051 リ

093 1140 064 650 029 2265 ン 硬化症 血圧 60~114

眼底 KWJI 11 小 O

1025 028 4465 06614998 091 1313 059 5u 遅

静 0752 6 4 |i曲胡00 374 057 4145 0761 49141071 1 5 87 2570 078 1将 O注

延例

-園平均

除全 メロL ou 併 除合併 症 症例

488 033 4598 0541 564 64057 12801 071 362 065

512 038 3205 13641 0621 264 075 hellip街lm756 030 4532 0601 5323 072 12961 0531 362 065

374 057 4145 4914071 075 075d4i

968 005

例例 平均

3 4匂圃4

4012801057 714054 56033 4598 488 362 065 61

4172 087 1314 061871 062 平 全例

911 049 059 4903 061 1618 315 058

944 071 3580 082 4605 086 1373 069 196 061 除合併 均 症例 873 059 2997 056 4871 053 1719 042 315 058

良 10891 11911562 103 好 市 304111

t列U9 0110161 17911705087 44601 13111212 1

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 K関する研究 ~2335ー

0959判 1岨15 C A

106 14171 033 48011063 10161 0641 321 083

938 051 1707 069 1163 054 1 88 1 24遅 18 椎 O

1018 1 25 1717 075 5067 095 1597 096 528 0805mg 圧底 KW 1

静 2558 093 3760

延 14姥 O 暖動 化 脈症(蛋血圧底白〔 120〕MBO注 8691 1 75 1864 057 3514 0671 1238 094 心筋障害眼 Kwn

852 074 2208 087 4369 087 1097 069 1 68 平ー均 ou除全 881 1 32 1666 054 4441 075 1284 086 425 081 玉メ口

併 除合併 947 058 2032 083 4674 082 1039 061 168 1 10症 症例例例 888 117 1567 053 4934 078 1306 082 425 081平均

911 085 4029 09 1 1056 076 168 1 10平 全例--

3 4

915 1 44 16761062 4446 087 1266 094 425 081

1876 088 1005 1 10除合併 均 症例 0941425 08138 1613064 4767i 092 12751 1

4276 0~83 1994 065 204 046 21 佐

1305~ 034 3563 048 5976 054 2283 037 255 029

T H

---

1245 056 3771 051 5438 051 1737 053 334 039 良 10立

1182 057 2324 045 4097 5421 45 076 280 066 チ

1034 1 15 9081 100 1623 087 259 011 1 78 029ソ好 5 池 O正

ン 眼底糖尿病性638 031 3226 01313201 034 1693 042 225 023 252 043 網膜炎

50 町 19例

1224 073 5709 084 7891 078 1784 066 266 058 178 029 平 均

内 1051 041 3038 033 4424 049 2040 050 253 041 252 043

服 除合併 1312 061 4024 067 5903 0印54111861541i 059

268 042

1243 044 2934 047 5036 054 2214yen 054 267 046例

遅延

症例 平均

--705 1 17 1154 074 1948 081 785 076 164 068三除日全』

19鵜 O1220 063 2328 076 6213 057 1705 063 232 079併 例

症例例 079 4570 084 1535 068 240 060 178 029

平 全例3 4 1093 046 2860 040 4872 052 1956 053 248 049 252 043 -- 1114 070 3067 068 4585 062 233 048除合併

均症例 1235 050 2738 054 5429 05512044 056 255 056

921 104 1345 097 792 072 066 103プ 6 染 O

900 05511504 036 2076 035 1161 039 1 39 049レ 遅ド

ーー 207 074 1 59 135ン 延 4中 O

867 129 5865 梅 毒 肝 腫A

25285655 0541051 26631057 6140571 56868 041 464515 mg

例 133 043 1190 8221053 070 045 g 渡 O内

初日--服

合除全 平

併症

例2例3 均_

414 012 1440 0211 23191 020 11 161018 1 53 031

640 1 09 2688 1 15 3736 1 16 12181094 1 14072 全例

727 040 2529 044 3347 039 16471042 149 044 8561252

527 095 1101 074 1507 073 068 068除合併症例 657 038 1472 029 21 97 027 11441028 146 039

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

出町

主昨

ゾ判〕

〔民本零時〕

〔認

E

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-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

g

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軍区民主切

回同入刊にふ

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〔匝誌零時〕

言語

ヨ昨

五円〕

〔匝芯零時〕

〔題

活性

キ毛

NW

E酬

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2331ー

〔血糖との関係〕 [17KS 1日量との関係〕ー

25ト

KSつιE

17

bull

1001113μ~ loO 甲 17 8 9 10 ( 3oo 2 3 4200 2DO 司司m-J2amphMd恥凶うー事

~I 6

51

尿

44 糖

3

o I 3

2

100iR 150 200 250 300 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12匂

第 12図 排世比と諸因子 (合併症を有する例を除く〉

〔血糖値との関係〕 (17KS 1日量との関係〕

1amp

同 019

警08 s 07

0

ee o

05

邑4

3

Q2 112

01

ト 100向始H且 150 200 250 30ー15ー中 s4 5 6 7 白 ] 10 11 12叩拠ザ」 酔|ーム2tflf7K16 糖値

井1ト41

e 0611amp1

自書r

似し 2

100mJJtl 150

ト21

200 250 4 1030016+ 2 主判事l判

-2332ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

61

OJl卜

08ト

04

10

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17ω kS笛

04

1)2

01

尿

5(1

02

01

10

也4

03

〔血糖値との関係〕 [17 KS 1日量との関係〕

14

12

t 1Oo

8

09

Ob 0干

02

100明弘a 150

c0

100明 11 200rnJdl

150

10b夜間 200

第 II章総括並びに者按

300

250

Os06

一一一_L 250 300

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08

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2345amp789 叩 11 12匂勾

JSLJ一一よ 0 1 I 7 8 9 10 12閉め匂 11

G

一」一一よ一一J一一」一ーーーー-

8 11 12吻匂

109

第 1項水利尿と諸因子

電解質との関係 水試験前値の尿中電解質排世

糖尿病K於ける水分代謝の問題殊に 1日尿量 量及び血察電解質濃度と水利尿の程度には一定の関

と水試験時の如き急激なる体液変動を惹起せしめ 係を認め難く試験前電解質量または濃度によって

た場合の水分代謝とは当然同一視得ないものがあ 水利尿は影響を受けない

ると思われる 血糖値との関係 血糖値と水利尿との聞には負

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2333ー

の関係を認めるが著明な過血糖を呈し PVRho- の遅速は一定でない乙れは血糖値の上昇せる為

danSpの増加を来たす様な症例は水 1L負荷にょ に ADH作用抑制によって起る水利尿反応が鈍化

つでも OsmoreceptorVolume receptorを介し され得る故であろう

て起る ADH分泌抑制の度が小となり水利尿反応 水利尿の良否lζ拘らず最大利尿発現時の遅延する

が少くなる為か尿量は極めて少ない過血糖中等度 症例は 17KS量の低値の例及び血疑 Na濃度が他

以下の症例は PVR対する影響も少く 尿量減少 の症例広比し高値を示す症例で何れも水利尿時の

の度も軽度である NaCl排世は殆んど尿量と関係なく減少している

17KS量との関係 17 KS 1日尿中排世量の増 電解質排世像は水利尿良好例に於いては健常例

加に従って尿量増加の傾向を認め特に過剰排世型 と異なり利尿発現初期に著明な Na排世のピーク

の傾向の認められる症例に 17KS量の増加を認め を見るこれは何れも 1日尿中 17KS排i世量増加例

るかかる症例は何れも GFRの増大と尿中 Na である遅延例工型は 17KS量の増加せる例少く

Clの排世増加を認めた例である 電解質排世も著明でなく略々健常例に近い排世像を

然し症例 13の如く 17KS量異常に高値で多尿 示す遅延E型は水排世遅延最も著明にも拘らず

lとより PV減少を呈せる脱水症例では水負荷によ 電解質排世像が良好例比類似して比較的著明な症例

りPVの変動は強く現われるが排世尿量は少い を認めるが ζれは 17KS量の増加を認める

叉著明な過血糖例及び症例 19の如く血疑 Na濃 更に症例 9612の如く 1日尿中 17KS排j世量

度が比較的高値の症例は間脳ー下垂体後葉系並びに 低値の症例は水分排世量に関係なく終始 Na排世

下垂骨前葉一副腎皮質系の内分泌機序の連関性の失 の増加が認められない以上の成績と過剰排世型を

調の為か 17KS量比較的増加しているにも拘ら 示す症例l乙1日尿中 17KS量の増加を認める事より

ず利尿は遅延する 考えれば水利尿時尿量の増加は GFRの良好なる

1日尿量との関係 一般に水利尿との相関を示 事と相侯って副腎皮質機能の比較的健全なるによる

す傾向にあるが特に過血糖を呈する症例及び異常 ものと考えられる唯し症例 13の如く 1日尿申 17

rc17KS量の増加せる症例に於いては前述の如く水 KS排世量の異常に高値の症例に於いても利尿初

利尿時の尿量を抑制する 期の Na排j世のピークは柏低く血媛 Na濃度の低

即ち 1日尿量lと於いては恒常的な腎機能及び 下も殆んど認めない場合もある

体液構成等の因子が関与し水利尿に於いては急 ClK の排世像も同様の傾向を示すが Na程著

激な PVの量及び質の変動が主要なる役割をなすも 明でない

のの如くである 以上を要約すれば血糖値の上昇例は最大利尿

体液構成との関係 PVの比較的増大している 時尿量を減ずるが最大利尿発現時聞に特に影響を

症例に於いて水利尿時尿量の抑制を認めるかか 認めない又 1日尿中 17KS増量例は電解質特に

る症例は著明な高血糖を呈し又は血緊 Na濃度の Na排粧を増加し利尿初期は特に著明である ζ

比較的高値の症例である れに反し 17KS量低値なるものは Na排世増加を認

腎クリアランス値との関係 GFRRPF共に めずそれに伴い最大利尿発現時を遅延せしめ最

水利尿の程度と精関係を認めるが前述の特に水利 大利尿時尿量も柏低下せしめる

尿を遅延せしめる因子の存在する症例に於ては腎 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比

機能の如何に拘らず水利尿時の尿量は少い尚 尿量は糖尿病例は柏減少し水利尿の遅延するに

Smith及び永峰(14)によれば稀釈試験時KGFR 従ってその排世比も柏増大する

RPFの変動は殆んど認められないと言われている 電解質排世量及び比共l乙水利尿の良否とは特に相

以上主要な水利尿遅延因子としては腎機能の 関を認めないが水利尿の良好例K排世量の増加を

良否は当然考えられるべきではあるが更に ADH 認める

並びに副腎皮質ホ Jレモンの分泌機序の異常も強く関 血糖値との関係はその上昇するにつれて水利尿時

1乙殊に甚しく叉l尿量は減少し著明な過血糖例 L与することを考慮しなければならな

第2項 水利尿時諸排世像 日尿中 17KS排世量は尿量との関係は軽度で電解

尿量の変動は水利尿良好例遅延例工型 n型 質殊に Na排世量との相関が明らかである乙れ

買に最大利尿時尿量の減少を認めるがその発現時)1の は血糖上昇の際は AD町分泌抑制が主で 17KS増

-2334- 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 6表 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

工 諸排i世量及び諸排世比

排 17 KS K 糖

水単独 水物単併独

ClNa尿薬

備 考水物単併独水単独用 薬水物単併独用薬水物単併独用症 薬用薬物併薬用併負荷用薬負荷物び

例『番比

物号

1164 050 3019 035 307 053 16 内 1321 041 141 067 1252071 4393 04814043

40 1148 019 3836 057 4964 050 1096 044

ブ 22 阿 O田1048 056 2003 118 3328 078 1237 067 ド

糖 1010 030 3951 091 6198 073 1570

40cc 13 木 O恵 前|1023 035 1677 120 2969 084 947

静 伊i 1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053

平均 11081 0531 2690 073 3446 063 11681056 141 067

除全遅 026 3006 031 12回511i022 224 054 四 a119 動脈血圧 150--72併例合延 17鈴 O

11391 1171 4147 077 3348 068 1380 108 330 086 硬化症眼底 K WJII 症

055 4334 051 12971040 265 054例例平 全例

11151 0661 3054 075 3422 064 12211068 240 0793 4 -

1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053除合併 均 症例 1108 053 2690 073 3446 063 1168 056 141 067

1370 049 5035 082 5890 087 1596 063 128 038

量及

良 8 立 972 077 2017 089 3996 068 1015 054 267 051

1089 118 3010 114好 9l市イ 1161 057 2375i 039 4969 039 037

096 1265 075 1229 074 3298官uシ平 均

ユ 1066 066 2196 058 4483 051 1939 041 2671051 リ

093 1140 064 650 029 2265 ン 硬化症 血圧 60~114

眼底 KWJI 11 小 O

1025 028 4465 06614998 091 1313 059 5u 遅

静 0752 6 4 |i曲胡00 374 057 4145 0761 49141071 1 5 87 2570 078 1将 O注

延例

-園平均

除全 メロL ou 併 除合併 症 症例

488 033 4598 0541 564 64057 12801 071 362 065

512 038 3205 13641 0621 264 075 hellip街lm756 030 4532 0601 5323 072 12961 0531 362 065

374 057 4145 4914071 075 075d4i

968 005

例例 平均

3 4匂圃4

4012801057 714054 56033 4598 488 362 065 61

4172 087 1314 061871 062 平 全例

911 049 059 4903 061 1618 315 058

944 071 3580 082 4605 086 1373 069 196 061 除合併 均 症例 873 059 2997 056 4871 053 1719 042 315 058

良 10891 11911562 103 好 市 304111

t列U9 0110161 17911705087 44601 13111212 1

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 K関する研究 ~2335ー

0959判 1岨15 C A

106 14171 033 48011063 10161 0641 321 083

938 051 1707 069 1163 054 1 88 1 24遅 18 椎 O

1018 1 25 1717 075 5067 095 1597 096 528 0805mg 圧底 KW 1

静 2558 093 3760

延 14姥 O 暖動 化 脈症(蛋血圧底白〔 120〕MBO注 8691 1 75 1864 057 3514 0671 1238 094 心筋障害眼 Kwn

852 074 2208 087 4369 087 1097 069 1 68 平ー均 ou除全 881 1 32 1666 054 4441 075 1284 086 425 081 玉メ口

併 除合併 947 058 2032 083 4674 082 1039 061 168 1 10症 症例例例 888 117 1567 053 4934 078 1306 082 425 081平均

911 085 4029 09 1 1056 076 168 1 10平 全例--

3 4

915 1 44 16761062 4446 087 1266 094 425 081

1876 088 1005 1 10除合併 均 症例 0941425 08138 1613064 4767i 092 12751 1

4276 0~83 1994 065 204 046 21 佐

1305~ 034 3563 048 5976 054 2283 037 255 029

T H

---

1245 056 3771 051 5438 051 1737 053 334 039 良 10立

1182 057 2324 045 4097 5421 45 076 280 066 チ

1034 1 15 9081 100 1623 087 259 011 1 78 029ソ好 5 池 O正

ン 眼底糖尿病性638 031 3226 01313201 034 1693 042 225 023 252 043 網膜炎

50 町 19例

1224 073 5709 084 7891 078 1784 066 266 058 178 029 平 均

内 1051 041 3038 033 4424 049 2040 050 253 041 252 043

服 除合併 1312 061 4024 067 5903 0印54111861541i 059

268 042

1243 044 2934 047 5036 054 2214yen 054 267 046例

遅延

症例 平均

--705 1 17 1154 074 1948 081 785 076 164 068三除日全』

19鵜 O1220 063 2328 076 6213 057 1705 063 232 079併 例

症例例 079 4570 084 1535 068 240 060 178 029

平 全例3 4 1093 046 2860 040 4872 052 1956 053 248 049 252 043 -- 1114 070 3067 068 4585 062 233 048除合併

均症例 1235 050 2738 054 5429 05512044 056 255 056

921 104 1345 097 792 072 066 103プ 6 染 O

900 05511504 036 2076 035 1161 039 1 39 049レ 遅ド

ーー 207 074 1 59 135ン 延 4中 O

867 129 5865 梅 毒 肝 腫A

25285655 0541051 26631057 6140571 56868 041 464515 mg

例 133 043 1190 8221053 070 045 g 渡 O内

初日--服

合除全 平

併症

例2例3 均_

414 012 1440 0211 23191 020 11 161018 1 53 031

640 1 09 2688 1 15 3736 1 16 12181094 1 14072 全例

727 040 2529 044 3347 039 16471042 149 044 8561252

527 095 1101 074 1507 073 068 068除合併症例 657 038 1472 029 21 97 027 11441028 146 039

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

出町

主昨

ゾ判〕

〔民本零時〕

〔認

E

gom

ehln

入ヘ

-5組椎

続出入 5

吋ふ入

γ

N4

特〕

-S

-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

g

h-

軍区民主切

回同入刊にふ

思組権回出回国Hυ〈

〔匝誌零時〕

言語

ヨ昨

五円〕

〔匝芯零時〕

〔題

活性

キ毛

NW

E酬

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

-2332ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

61

OJl卜

08ト

04

10

oq

17ω kS笛

04

1)2

01

尿

5(1

02

01

10

也4

03

〔血糖値との関係〕 [17 KS 1日量との関係〕

14

12

t 1Oo

8

09

Ob 0干

02

100明弘a 150

c0

100明 11 200rnJdl

150

10b夜間 200

第 II章総括並びに者按

300

250

Os06

一一一_L 250 300

lC

08

也6

Q4

2345amp789 叩 11 12匂勾

JSLJ一一よ 0 1 I 7 8 9 10 12閉め匂 11

G

一」一一よ一一J一一」一ーーーー-

8 11 12吻匂

109

第 1項水利尿と諸因子

電解質との関係 水試験前値の尿中電解質排世

糖尿病K於ける水分代謝の問題殊に 1日尿量 量及び血察電解質濃度と水利尿の程度には一定の関

と水試験時の如き急激なる体液変動を惹起せしめ 係を認め難く試験前電解質量または濃度によって

た場合の水分代謝とは当然同一視得ないものがあ 水利尿は影響を受けない

ると思われる 血糖値との関係 血糖値と水利尿との聞には負

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2333ー

の関係を認めるが著明な過血糖を呈し PVRho- の遅速は一定でない乙れは血糖値の上昇せる為

danSpの増加を来たす様な症例は水 1L負荷にょ に ADH作用抑制によって起る水利尿反応が鈍化

つでも OsmoreceptorVolume receptorを介し され得る故であろう

て起る ADH分泌抑制の度が小となり水利尿反応 水利尿の良否lζ拘らず最大利尿発現時の遅延する

が少くなる為か尿量は極めて少ない過血糖中等度 症例は 17KS量の低値の例及び血疑 Na濃度が他

以下の症例は PVR対する影響も少く 尿量減少 の症例広比し高値を示す症例で何れも水利尿時の

の度も軽度である NaCl排世は殆んど尿量と関係なく減少している

17KS量との関係 17 KS 1日尿中排世量の増 電解質排世像は水利尿良好例に於いては健常例

加に従って尿量増加の傾向を認め特に過剰排世型 と異なり利尿発現初期に著明な Na排世のピーク

の傾向の認められる症例に 17KS量の増加を認め を見るこれは何れも 1日尿中 17KS排i世量増加例

るかかる症例は何れも GFRの増大と尿中 Na である遅延例工型は 17KS量の増加せる例少く

Clの排世増加を認めた例である 電解質排世も著明でなく略々健常例に近い排世像を

然し症例 13の如く 17KS量異常に高値で多尿 示す遅延E型は水排世遅延最も著明にも拘らず

lとより PV減少を呈せる脱水症例では水負荷によ 電解質排世像が良好例比類似して比較的著明な症例

りPVの変動は強く現われるが排世尿量は少い を認めるが ζれは 17KS量の増加を認める

叉著明な過血糖例及び症例 19の如く血疑 Na濃 更に症例 9612の如く 1日尿中 17KS排j世量

度が比較的高値の症例は間脳ー下垂体後葉系並びに 低値の症例は水分排世量に関係なく終始 Na排世

下垂骨前葉一副腎皮質系の内分泌機序の連関性の失 の増加が認められない以上の成績と過剰排世型を

調の為か 17KS量比較的増加しているにも拘ら 示す症例l乙1日尿中 17KS量の増加を認める事より

ず利尿は遅延する 考えれば水利尿時尿量の増加は GFRの良好なる

1日尿量との関係 一般に水利尿との相関を示 事と相侯って副腎皮質機能の比較的健全なるによる

す傾向にあるが特に過血糖を呈する症例及び異常 ものと考えられる唯し症例 13の如く 1日尿申 17

rc17KS量の増加せる症例に於いては前述の如く水 KS排世量の異常に高値の症例に於いても利尿初

利尿時の尿量を抑制する 期の Na排j世のピークは柏低く血媛 Na濃度の低

即ち 1日尿量lと於いては恒常的な腎機能及び 下も殆んど認めない場合もある

体液構成等の因子が関与し水利尿に於いては急 ClK の排世像も同様の傾向を示すが Na程著

激な PVの量及び質の変動が主要なる役割をなすも 明でない

のの如くである 以上を要約すれば血糖値の上昇例は最大利尿

体液構成との関係 PVの比較的増大している 時尿量を減ずるが最大利尿発現時聞に特に影響を

症例に於いて水利尿時尿量の抑制を認めるかか 認めない又 1日尿中 17KS増量例は電解質特に

る症例は著明な高血糖を呈し又は血緊 Na濃度の Na排粧を増加し利尿初期は特に著明である ζ

比較的高値の症例である れに反し 17KS量低値なるものは Na排世増加を認

腎クリアランス値との関係 GFRRPF共に めずそれに伴い最大利尿発現時を遅延せしめ最

水利尿の程度と精関係を認めるが前述の特に水利 大利尿時尿量も柏低下せしめる

尿を遅延せしめる因子の存在する症例に於ては腎 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比

機能の如何に拘らず水利尿時の尿量は少い尚 尿量は糖尿病例は柏減少し水利尿の遅延するに

Smith及び永峰(14)によれば稀釈試験時KGFR 従ってその排世比も柏増大する

RPFの変動は殆んど認められないと言われている 電解質排世量及び比共l乙水利尿の良否とは特に相

以上主要な水利尿遅延因子としては腎機能の 関を認めないが水利尿の良好例K排世量の増加を

良否は当然考えられるべきではあるが更に ADH 認める

並びに副腎皮質ホ Jレモンの分泌機序の異常も強く関 血糖値との関係はその上昇するにつれて水利尿時

1乙殊に甚しく叉l尿量は減少し著明な過血糖例 L与することを考慮しなければならな

第2項 水利尿時諸排世像 日尿中 17KS排世量は尿量との関係は軽度で電解

尿量の変動は水利尿良好例遅延例工型 n型 質殊に Na排世量との相関が明らかである乙れ

買に最大利尿時尿量の減少を認めるがその発現時)1の は血糖上昇の際は AD町分泌抑制が主で 17KS増

-2334- 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 6表 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

工 諸排i世量及び諸排世比

排 17 KS K 糖

水単独 水物単併独

ClNa尿薬

備 考水物単併独水単独用 薬水物単併独用薬水物単併独用症 薬用薬物併薬用併負荷用薬負荷物び

例『番比

物号

1164 050 3019 035 307 053 16 内 1321 041 141 067 1252071 4393 04814043

40 1148 019 3836 057 4964 050 1096 044

ブ 22 阿 O田1048 056 2003 118 3328 078 1237 067 ド

糖 1010 030 3951 091 6198 073 1570

40cc 13 木 O恵 前|1023 035 1677 120 2969 084 947

静 伊i 1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053

平均 11081 0531 2690 073 3446 063 11681056 141 067

除全遅 026 3006 031 12回511i022 224 054 四 a119 動脈血圧 150--72併例合延 17鈴 O

11391 1171 4147 077 3348 068 1380 108 330 086 硬化症眼底 K WJII 症

055 4334 051 12971040 265 054例例平 全例

11151 0661 3054 075 3422 064 12211068 240 0793 4 -

1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053除合併 均 症例 1108 053 2690 073 3446 063 1168 056 141 067

1370 049 5035 082 5890 087 1596 063 128 038

量及

良 8 立 972 077 2017 089 3996 068 1015 054 267 051

1089 118 3010 114好 9l市イ 1161 057 2375i 039 4969 039 037

096 1265 075 1229 074 3298官uシ平 均

ユ 1066 066 2196 058 4483 051 1939 041 2671051 リ

093 1140 064 650 029 2265 ン 硬化症 血圧 60~114

眼底 KWJI 11 小 O

1025 028 4465 06614998 091 1313 059 5u 遅

静 0752 6 4 |i曲胡00 374 057 4145 0761 49141071 1 5 87 2570 078 1将 O注

延例

-園平均

除全 メロL ou 併 除合併 症 症例

488 033 4598 0541 564 64057 12801 071 362 065

512 038 3205 13641 0621 264 075 hellip街lm756 030 4532 0601 5323 072 12961 0531 362 065

374 057 4145 4914071 075 075d4i

968 005

例例 平均

3 4匂圃4

4012801057 714054 56033 4598 488 362 065 61

4172 087 1314 061871 062 平 全例

911 049 059 4903 061 1618 315 058

944 071 3580 082 4605 086 1373 069 196 061 除合併 均 症例 873 059 2997 056 4871 053 1719 042 315 058

良 10891 11911562 103 好 市 304111

t列U9 0110161 17911705087 44601 13111212 1

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 K関する研究 ~2335ー

0959判 1岨15 C A

106 14171 033 48011063 10161 0641 321 083

938 051 1707 069 1163 054 1 88 1 24遅 18 椎 O

1018 1 25 1717 075 5067 095 1597 096 528 0805mg 圧底 KW 1

静 2558 093 3760

延 14姥 O 暖動 化 脈症(蛋血圧底白〔 120〕MBO注 8691 1 75 1864 057 3514 0671 1238 094 心筋障害眼 Kwn

852 074 2208 087 4369 087 1097 069 1 68 平ー均 ou除全 881 1 32 1666 054 4441 075 1284 086 425 081 玉メ口

併 除合併 947 058 2032 083 4674 082 1039 061 168 1 10症 症例例例 888 117 1567 053 4934 078 1306 082 425 081平均

911 085 4029 09 1 1056 076 168 1 10平 全例--

3 4

915 1 44 16761062 4446 087 1266 094 425 081

1876 088 1005 1 10除合併 均 症例 0941425 08138 1613064 4767i 092 12751 1

4276 0~83 1994 065 204 046 21 佐

1305~ 034 3563 048 5976 054 2283 037 255 029

T H

---

1245 056 3771 051 5438 051 1737 053 334 039 良 10立

1182 057 2324 045 4097 5421 45 076 280 066 チ

1034 1 15 9081 100 1623 087 259 011 1 78 029ソ好 5 池 O正

ン 眼底糖尿病性638 031 3226 01313201 034 1693 042 225 023 252 043 網膜炎

50 町 19例

1224 073 5709 084 7891 078 1784 066 266 058 178 029 平 均

内 1051 041 3038 033 4424 049 2040 050 253 041 252 043

服 除合併 1312 061 4024 067 5903 0印54111861541i 059

268 042

1243 044 2934 047 5036 054 2214yen 054 267 046例

遅延

症例 平均

--705 1 17 1154 074 1948 081 785 076 164 068三除日全』

19鵜 O1220 063 2328 076 6213 057 1705 063 232 079併 例

症例例 079 4570 084 1535 068 240 060 178 029

平 全例3 4 1093 046 2860 040 4872 052 1956 053 248 049 252 043 -- 1114 070 3067 068 4585 062 233 048除合併

均症例 1235 050 2738 054 5429 05512044 056 255 056

921 104 1345 097 792 072 066 103プ 6 染 O

900 05511504 036 2076 035 1161 039 1 39 049レ 遅ド

ーー 207 074 1 59 135ン 延 4中 O

867 129 5865 梅 毒 肝 腫A

25285655 0541051 26631057 6140571 56868 041 464515 mg

例 133 043 1190 8221053 070 045 g 渡 O内

初日--服

合除全 平

併症

例2例3 均_

414 012 1440 0211 23191 020 11 161018 1 53 031

640 1 09 2688 1 15 3736 1 16 12181094 1 14072 全例

727 040 2529 044 3347 039 16471042 149 044 8561252

527 095 1101 074 1507 073 068 068除合併症例 657 038 1472 029 21 97 027 11441028 146 039

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

出町

主昨

ゾ判〕

〔民本零時〕

〔認

E

gom

ehln

入ヘ

-5組椎

続出入 5

吋ふ入

γ

N4

特〕

-S

-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

g

h-

軍区民主切

回同入刊にふ

思組権回出回国Hυ〈

〔匝誌零時〕

言語

ヨ昨

五円〕

〔匝芯零時〕

〔題

活性

キ毛

NW

E酬

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2333ー

の関係を認めるが著明な過血糖を呈し PVRho- の遅速は一定でない乙れは血糖値の上昇せる為

danSpの増加を来たす様な症例は水 1L負荷にょ に ADH作用抑制によって起る水利尿反応が鈍化

つでも OsmoreceptorVolume receptorを介し され得る故であろう

て起る ADH分泌抑制の度が小となり水利尿反応 水利尿の良否lζ拘らず最大利尿発現時の遅延する

が少くなる為か尿量は極めて少ない過血糖中等度 症例は 17KS量の低値の例及び血疑 Na濃度が他

以下の症例は PVR対する影響も少く 尿量減少 の症例広比し高値を示す症例で何れも水利尿時の

の度も軽度である NaCl排世は殆んど尿量と関係なく減少している

17KS量との関係 17 KS 1日尿中排世量の増 電解質排世像は水利尿良好例に於いては健常例

加に従って尿量増加の傾向を認め特に過剰排世型 と異なり利尿発現初期に著明な Na排世のピーク

の傾向の認められる症例に 17KS量の増加を認め を見るこれは何れも 1日尿中 17KS排i世量増加例

るかかる症例は何れも GFRの増大と尿中 Na である遅延例工型は 17KS量の増加せる例少く

Clの排世増加を認めた例である 電解質排世も著明でなく略々健常例に近い排世像を

然し症例 13の如く 17KS量異常に高値で多尿 示す遅延E型は水排世遅延最も著明にも拘らず

lとより PV減少を呈せる脱水症例では水負荷によ 電解質排世像が良好例比類似して比較的著明な症例

りPVの変動は強く現われるが排世尿量は少い を認めるが ζれは 17KS量の増加を認める

叉著明な過血糖例及び症例 19の如く血疑 Na濃 更に症例 9612の如く 1日尿中 17KS排j世量

度が比較的高値の症例は間脳ー下垂体後葉系並びに 低値の症例は水分排世量に関係なく終始 Na排世

下垂骨前葉一副腎皮質系の内分泌機序の連関性の失 の増加が認められない以上の成績と過剰排世型を

調の為か 17KS量比較的増加しているにも拘ら 示す症例l乙1日尿中 17KS量の増加を認める事より

ず利尿は遅延する 考えれば水利尿時尿量の増加は GFRの良好なる

1日尿量との関係 一般に水利尿との相関を示 事と相侯って副腎皮質機能の比較的健全なるによる

す傾向にあるが特に過血糖を呈する症例及び異常 ものと考えられる唯し症例 13の如く 1日尿申 17

rc17KS量の増加せる症例に於いては前述の如く水 KS排世量の異常に高値の症例に於いても利尿初

利尿時の尿量を抑制する 期の Na排j世のピークは柏低く血媛 Na濃度の低

即ち 1日尿量lと於いては恒常的な腎機能及び 下も殆んど認めない場合もある

体液構成等の因子が関与し水利尿に於いては急 ClK の排世像も同様の傾向を示すが Na程著

激な PVの量及び質の変動が主要なる役割をなすも 明でない

のの如くである 以上を要約すれば血糖値の上昇例は最大利尿

体液構成との関係 PVの比較的増大している 時尿量を減ずるが最大利尿発現時聞に特に影響を

症例に於いて水利尿時尿量の抑制を認めるかか 認めない又 1日尿中 17KS増量例は電解質特に

る症例は著明な高血糖を呈し又は血緊 Na濃度の Na排粧を増加し利尿初期は特に著明である ζ

比較的高値の症例である れに反し 17KS量低値なるものは Na排世増加を認

腎クリアランス値との関係 GFRRPF共に めずそれに伴い最大利尿発現時を遅延せしめ最

水利尿の程度と精関係を認めるが前述の特に水利 大利尿時尿量も柏低下せしめる

尿を遅延せしめる因子の存在する症例に於ては腎 第3項水利尿時諸排世量及び諸排世比

機能の如何に拘らず水利尿時の尿量は少い尚 尿量は糖尿病例は柏減少し水利尿の遅延するに

Smith及び永峰(14)によれば稀釈試験時KGFR 従ってその排世比も柏増大する

RPFの変動は殆んど認められないと言われている 電解質排世量及び比共l乙水利尿の良否とは特に相

以上主要な水利尿遅延因子としては腎機能の 関を認めないが水利尿の良好例K排世量の増加を

良否は当然考えられるべきではあるが更に ADH 認める

並びに副腎皮質ホ Jレモンの分泌機序の異常も強く関 血糖値との関係はその上昇するにつれて水利尿時

1乙殊に甚しく叉l尿量は減少し著明な過血糖例 L与することを考慮しなければならな

第2項 水利尿時諸排世像 日尿中 17KS排世量は尿量との関係は軽度で電解

尿量の変動は水利尿良好例遅延例工型 n型 質殊に Na排世量との相関が明らかである乙れ

買に最大利尿時尿量の減少を認めるがその発現時)1の は血糖上昇の際は AD町分泌抑制が主で 17KS増

-2334- 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 6表 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

工 諸排i世量及び諸排世比

排 17 KS K 糖

水単独 水物単併独

ClNa尿薬

備 考水物単併独水単独用 薬水物単併独用薬水物単併独用症 薬用薬物併薬用併負荷用薬負荷物び

例『番比

物号

1164 050 3019 035 307 053 16 内 1321 041 141 067 1252071 4393 04814043

40 1148 019 3836 057 4964 050 1096 044

ブ 22 阿 O田1048 056 2003 118 3328 078 1237 067 ド

糖 1010 030 3951 091 6198 073 1570

40cc 13 木 O恵 前|1023 035 1677 120 2969 084 947

静 伊i 1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053

平均 11081 0531 2690 073 3446 063 11681056 141 067

除全遅 026 3006 031 12回511i022 224 054 四 a119 動脈血圧 150--72併例合延 17鈴 O

11391 1171 4147 077 3348 068 1380 108 330 086 硬化症眼底 K WJII 症

055 4334 051 12971040 265 054例例平 全例

11151 0661 3054 075 3422 064 12211068 240 0793 4 -

1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053除合併 均 症例 1108 053 2690 073 3446 063 1168 056 141 067

1370 049 5035 082 5890 087 1596 063 128 038

量及

良 8 立 972 077 2017 089 3996 068 1015 054 267 051

1089 118 3010 114好 9l市イ 1161 057 2375i 039 4969 039 037

096 1265 075 1229 074 3298官uシ平 均

ユ 1066 066 2196 058 4483 051 1939 041 2671051 リ

093 1140 064 650 029 2265 ン 硬化症 血圧 60~114

眼底 KWJI 11 小 O

1025 028 4465 06614998 091 1313 059 5u 遅

静 0752 6 4 |i曲胡00 374 057 4145 0761 49141071 1 5 87 2570 078 1将 O注

延例

-園平均

除全 メロL ou 併 除合併 症 症例

488 033 4598 0541 564 64057 12801 071 362 065

512 038 3205 13641 0621 264 075 hellip街lm756 030 4532 0601 5323 072 12961 0531 362 065

374 057 4145 4914071 075 075d4i

968 005

例例 平均

3 4匂圃4

4012801057 714054 56033 4598 488 362 065 61

4172 087 1314 061871 062 平 全例

911 049 059 4903 061 1618 315 058

944 071 3580 082 4605 086 1373 069 196 061 除合併 均 症例 873 059 2997 056 4871 053 1719 042 315 058

良 10891 11911562 103 好 市 304111

t列U9 0110161 17911705087 44601 13111212 1

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 K関する研究 ~2335ー

0959判 1岨15 C A

106 14171 033 48011063 10161 0641 321 083

938 051 1707 069 1163 054 1 88 1 24遅 18 椎 O

1018 1 25 1717 075 5067 095 1597 096 528 0805mg 圧底 KW 1

静 2558 093 3760

延 14姥 O 暖動 化 脈症(蛋血圧底白〔 120〕MBO注 8691 1 75 1864 057 3514 0671 1238 094 心筋障害眼 Kwn

852 074 2208 087 4369 087 1097 069 1 68 平ー均 ou除全 881 1 32 1666 054 4441 075 1284 086 425 081 玉メ口

併 除合併 947 058 2032 083 4674 082 1039 061 168 1 10症 症例例例 888 117 1567 053 4934 078 1306 082 425 081平均

911 085 4029 09 1 1056 076 168 1 10平 全例--

3 4

915 1 44 16761062 4446 087 1266 094 425 081

1876 088 1005 1 10除合併 均 症例 0941425 08138 1613064 4767i 092 12751 1

4276 0~83 1994 065 204 046 21 佐

1305~ 034 3563 048 5976 054 2283 037 255 029

T H

---

1245 056 3771 051 5438 051 1737 053 334 039 良 10立

1182 057 2324 045 4097 5421 45 076 280 066 チ

1034 1 15 9081 100 1623 087 259 011 1 78 029ソ好 5 池 O正

ン 眼底糖尿病性638 031 3226 01313201 034 1693 042 225 023 252 043 網膜炎

50 町 19例

1224 073 5709 084 7891 078 1784 066 266 058 178 029 平 均

内 1051 041 3038 033 4424 049 2040 050 253 041 252 043

服 除合併 1312 061 4024 067 5903 0印54111861541i 059

268 042

1243 044 2934 047 5036 054 2214yen 054 267 046例

遅延

症例 平均

--705 1 17 1154 074 1948 081 785 076 164 068三除日全』

19鵜 O1220 063 2328 076 6213 057 1705 063 232 079併 例

症例例 079 4570 084 1535 068 240 060 178 029

平 全例3 4 1093 046 2860 040 4872 052 1956 053 248 049 252 043 -- 1114 070 3067 068 4585 062 233 048除合併

均症例 1235 050 2738 054 5429 05512044 056 255 056

921 104 1345 097 792 072 066 103プ 6 染 O

900 05511504 036 2076 035 1161 039 1 39 049レ 遅ド

ーー 207 074 1 59 135ン 延 4中 O

867 129 5865 梅 毒 肝 腫A

25285655 0541051 26631057 6140571 56868 041 464515 mg

例 133 043 1190 8221053 070 045 g 渡 O内

初日--服

合除全 平

併症

例2例3 均_

414 012 1440 0211 23191 020 11 161018 1 53 031

640 1 09 2688 1 15 3736 1 16 12181094 1 14072 全例

727 040 2529 044 3347 039 16471042 149 044 8561252

527 095 1101 074 1507 073 068 068除合併症例 657 038 1472 029 21 97 027 11441028 146 039

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

出町

主昨

ゾ判〕

〔民本零時〕

〔認

E

gom

ehln

入ヘ

-5組椎

続出入 5

吋ふ入

γ

N4

特〕

-S

-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

g

h-

軍区民主切

回同入刊にふ

思組権回出回国Hυ〈

〔匝誌零時〕

言語

ヨ昨

五円〕

〔匝芯零時〕

〔題

活性

キ毛

NW

E酬

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

-2334- 千葉医学会雑誌 第 35巻

第 6表 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

工 諸排i世量及び諸排世比

排 17 KS K 糖

水単独 水物単併独

ClNa尿薬

備 考水物単併独水単独用 薬水物単併独用薬水物単併独用症 薬用薬物併薬用併負荷用薬負荷物び

例『番比

物号

1164 050 3019 035 307 053 16 内 1321 041 141 067 1252071 4393 04814043

40 1148 019 3836 057 4964 050 1096 044

ブ 22 阿 O田1048 056 2003 118 3328 078 1237 067 ド

糖 1010 030 3951 091 6198 073 1570

40cc 13 木 O恵 前|1023 035 1677 120 2969 084 947

静 伊i 1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053

平均 11081 0531 2690 073 3446 063 11681056 141 067

除全遅 026 3006 031 12回511i022 224 054 四 a119 動脈血圧 150--72併例合延 17鈴 O

11391 1171 4147 077 3348 068 1380 108 330 086 硬化症眼底 K WJII 症

055 4334 051 12971040 265 054例例平 全例

11151 0661 3054 075 3422 064 12211068 240 0793 4 -

1107 032 3610 062 4776 057 1312 047 307 053除合併 均 症例 1108 053 2690 073 3446 063 1168 056 141 067

1370 049 5035 082 5890 087 1596 063 128 038

量及

良 8 立 972 077 2017 089 3996 068 1015 054 267 051

1089 118 3010 114好 9l市イ 1161 057 2375i 039 4969 039 037

096 1265 075 1229 074 3298官uシ平 均

ユ 1066 066 2196 058 4483 051 1939 041 2671051 リ

093 1140 064 650 029 2265 ン 硬化症 血圧 60~114

眼底 KWJI 11 小 O

1025 028 4465 06614998 091 1313 059 5u 遅

静 0752 6 4 |i曲胡00 374 057 4145 0761 49141071 1 5 87 2570 078 1将 O注

延例

-園平均

除全 メロL ou 併 除合併 症 症例

488 033 4598 0541 564 64057 12801 071 362 065

512 038 3205 13641 0621 264 075 hellip街lm756 030 4532 0601 5323 072 12961 0531 362 065

374 057 4145 4914071 075 075d4i

968 005

例例 平均

3 4匂圃4

4012801057 714054 56033 4598 488 362 065 61

4172 087 1314 061871 062 平 全例

911 049 059 4903 061 1618 315 058

944 071 3580 082 4605 086 1373 069 196 061 除合併 均 症例 873 059 2997 056 4871 053 1719 042 315 058

良 10891 11911562 103 好 市 304111

t列U9 0110161 17911705087 44601 13111212 1

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 K関する研究 ~2335ー

0959判 1岨15 C A

106 14171 033 48011063 10161 0641 321 083

938 051 1707 069 1163 054 1 88 1 24遅 18 椎 O

1018 1 25 1717 075 5067 095 1597 096 528 0805mg 圧底 KW 1

静 2558 093 3760

延 14姥 O 暖動 化 脈症(蛋血圧底白〔 120〕MBO注 8691 1 75 1864 057 3514 0671 1238 094 心筋障害眼 Kwn

852 074 2208 087 4369 087 1097 069 1 68 平ー均 ou除全 881 1 32 1666 054 4441 075 1284 086 425 081 玉メ口

併 除合併 947 058 2032 083 4674 082 1039 061 168 1 10症 症例例例 888 117 1567 053 4934 078 1306 082 425 081平均

911 085 4029 09 1 1056 076 168 1 10平 全例--

3 4

915 1 44 16761062 4446 087 1266 094 425 081

1876 088 1005 1 10除合併 均 症例 0941425 08138 1613064 4767i 092 12751 1

4276 0~83 1994 065 204 046 21 佐

1305~ 034 3563 048 5976 054 2283 037 255 029

T H

---

1245 056 3771 051 5438 051 1737 053 334 039 良 10立

1182 057 2324 045 4097 5421 45 076 280 066 チ

1034 1 15 9081 100 1623 087 259 011 1 78 029ソ好 5 池 O正

ン 眼底糖尿病性638 031 3226 01313201 034 1693 042 225 023 252 043 網膜炎

50 町 19例

1224 073 5709 084 7891 078 1784 066 266 058 178 029 平 均

内 1051 041 3038 033 4424 049 2040 050 253 041 252 043

服 除合併 1312 061 4024 067 5903 0印54111861541i 059

268 042

1243 044 2934 047 5036 054 2214yen 054 267 046例

遅延

症例 平均

--705 1 17 1154 074 1948 081 785 076 164 068三除日全』

19鵜 O1220 063 2328 076 6213 057 1705 063 232 079併 例

症例例 079 4570 084 1535 068 240 060 178 029

平 全例3 4 1093 046 2860 040 4872 052 1956 053 248 049 252 043 -- 1114 070 3067 068 4585 062 233 048除合併

均症例 1235 050 2738 054 5429 05512044 056 255 056

921 104 1345 097 792 072 066 103プ 6 染 O

900 05511504 036 2076 035 1161 039 1 39 049レ 遅ド

ーー 207 074 1 59 135ン 延 4中 O

867 129 5865 梅 毒 肝 腫A

25285655 0541051 26631057 6140571 56868 041 464515 mg

例 133 043 1190 8221053 070 045 g 渡 O内

初日--服

合除全 平

併症

例2例3 均_

414 012 1440 0211 23191 020 11 161018 1 53 031

640 1 09 2688 1 15 3736 1 16 12181094 1 14072 全例

727 040 2529 044 3347 039 16471042 149 044 8561252

527 095 1101 074 1507 073 068 068除合併症例 657 038 1472 029 21 97 027 11441028 146 039

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

出町

主昨

ゾ判〕

〔民本零時〕

〔認

E

gom

ehln

入ヘ

-5組椎

続出入 5

吋ふ入

γ

N4

特〕

-S

-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

g

h-

軍区民主切

回同入刊にふ

思組権回出回国Hυ〈

〔匝誌零時〕

言語

ヨ昨

五円〕

〔匝芯零時〕

〔題

活性

キ毛

NW

E酬

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝 K関する研究 ~2335ー

0959判 1岨15 C A

106 14171 033 48011063 10161 0641 321 083

938 051 1707 069 1163 054 1 88 1 24遅 18 椎 O

1018 1 25 1717 075 5067 095 1597 096 528 0805mg 圧底 KW 1

静 2558 093 3760

延 14姥 O 暖動 化 脈症(蛋血圧底白〔 120〕MBO注 8691 1 75 1864 057 3514 0671 1238 094 心筋障害眼 Kwn

852 074 2208 087 4369 087 1097 069 1 68 平ー均 ou除全 881 1 32 1666 054 4441 075 1284 086 425 081 玉メ口

併 除合併 947 058 2032 083 4674 082 1039 061 168 1 10症 症例例例 888 117 1567 053 4934 078 1306 082 425 081平均

911 085 4029 09 1 1056 076 168 1 10平 全例--

3 4

915 1 44 16761062 4446 087 1266 094 425 081

1876 088 1005 1 10除合併 均 症例 0941425 08138 1613064 4767i 092 12751 1

4276 0~83 1994 065 204 046 21 佐

1305~ 034 3563 048 5976 054 2283 037 255 029

T H

---

1245 056 3771 051 5438 051 1737 053 334 039 良 10立

1182 057 2324 045 4097 5421 45 076 280 066 チ

1034 1 15 9081 100 1623 087 259 011 1 78 029ソ好 5 池 O正

ン 眼底糖尿病性638 031 3226 01313201 034 1693 042 225 023 252 043 網膜炎

50 町 19例

1224 073 5709 084 7891 078 1784 066 266 058 178 029 平 均

内 1051 041 3038 033 4424 049 2040 050 253 041 252 043

服 除合併 1312 061 4024 067 5903 0印54111861541i 059

268 042

1243 044 2934 047 5036 054 2214yen 054 267 046例

遅延

症例 平均

--705 1 17 1154 074 1948 081 785 076 164 068三除日全』

19鵜 O1220 063 2328 076 6213 057 1705 063 232 079併 例

症例例 079 4570 084 1535 068 240 060 178 029

平 全例3 4 1093 046 2860 040 4872 052 1956 053 248 049 252 043 -- 1114 070 3067 068 4585 062 233 048除合併

均症例 1235 050 2738 054 5429 05512044 056 255 056

921 104 1345 097 792 072 066 103プ 6 染 O

900 05511504 036 2076 035 1161 039 1 39 049レ 遅ド

ーー 207 074 1 59 135ン 延 4中 O

867 129 5865 梅 毒 肝 腫A

25285655 0541051 26631057 6140571 56868 041 464515 mg

例 133 043 1190 8221053 070 045 g 渡 O内

初日--服

合除全 平

併症

例2例3 均_

414 012 1440 0211 23191 020 11 161018 1 53 031

640 1 09 2688 1 15 3736 1 16 12181094 1 14072 全例

727 040 2529 044 3347 039 16471042 149 044 8561252

527 095 1101 074 1507 073 068 068除合併症例 657 038 1472 029 21 97 027 11441028 146 039

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

出町

主昨

ゾ判〕

〔民本零時〕

〔認

E

gom

ehln

入ヘ

-5組椎

続出入 5

吋ふ入

γ

N4

特〕

-S

-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

g

h-

軍区民主切

回同入刊にふ

思組権回出回国Hυ〈

〔匝誌零時〕

言語

ヨ昨

五円〕

〔匝芯零時〕

〔題

活性

キ毛

NW

E酬

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

-2336ー 千葉医学会雑誌 第35巻

量の際は Na排准量の増加次いで尿量も柏増加を

来たすものと考えられよう

KClもNaと略々同様の傾向を認めるが Na

の場合程著明でない

即ち糖尿病の水利尿は血糖値の高低並びに

間脳下垂体副腎皮質系の内分泌機能の良否により左

右されるものと考えられる

第4篇 水利尿に及ぼす諸種薬物

の影響 (第6表)

40ブドー糖 40cc静注併用例 4例(合併症例

1)インシュリン 5単位静注併用例4例(合併症例

ACTH 5mg静注併用例 4例(合併症例 1)コ

ーチゾン 50mg内服併用例4例(合併症例 1)プレ

ドニン 15mg内服併用例3例(合併症例 1)合計

19例(合併症例 5)に就いて夫々単犯水負荷試験

と比較検討した

第I章検査成績

第 1項諸排世像(第 13図〉

l 高張糖液併用例

尿排世像は精遅延型を示し最大利尿時尿量柏低

下最大利尿発現時も梢遅延す

NaClの排世像は利尿初期の排世増加が認めら

れない症例が多く濃縮期移行期の初めに精排世増

加を認める水単独負荷時比尿排世像梢遅延型を示

した症例 16Ic於いては尿量には著変を認めない

が NaClが利尿初期l乙排世増加を示す K排世

第 13図 諸種薬物の水利尿に及ぼす影響

諸排世像 (合併症を有する例を除く)

40ブドー糖 40cc静注例

〔水単独J [薬物併用〕

(r---~ 血立度 l一一o 尿 WJ量 l員大相佐賀O寄 J

尿

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

出町

主昨

ゾ判〕

〔民本零時〕

〔認

E

gom

ehln

入ヘ

-5組椎

続出入 5

吋ふ入

γ

N4

特〕

-S

-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

g

h-

軍区民主切

回同入刊にふ

思組権回出回国Hυ〈

〔匝誌零時〕

言語

ヨ昨

五円〕

〔匝芯零時〕

〔題

活性

キ毛

NW

E酬

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2337ー

〔眠症容鰍〕

出町

主昨

ゾ判〕

〔民本零時〕

〔認

E

gom

ehln

入ヘ

-5組椎

続出入 5

吋ふ入

γ

N4

特〕

-S

-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

g

h-

軍区民主切

回同入刊にふ

思組権回出回国Hυ〈

〔匝誌零時〕

言語

ヨ昨

五円〕

〔匝芯零時〕

〔題

活性

キ毛

NW

E酬

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

-2338ー 千 医 戸 ι A 雑 第 35巻T Zヰ 誌案

g

h-

軍区民主切

回同入刊にふ

思組権回出回国Hυ〈

〔匝誌零時〕

言語

ヨ昨

五円〕

〔匝芯零時〕

〔題

活性

キ毛

NW

E酬

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2339ー

像も同様の傾向を認める

17KS排世像及び好酸球減少率は低下する

2 インシュリン併用例

特に水利尿良好なる 1例l乙於いてはインシュリン

併用lとより尿及び電解質排世像の遅延化せるを認

めたが他の水利尿時柏遅延型排世(象を示した 2例

に於いては尿ぴ電解質排世像の改善を認めた乙

の症例の 17KS排世像及び好酸球減少率は著明であ

3 ACTH併用例

尿量l乙於いては遅延例の中 1例は増加を 1例は

減少を示し又最大利尿発現時Iζは有意の差は見ら

れない Na排世量も同様の傾向を示し ClKは後

半の尿量増加の時期に梢排世増加を示す

17KS排世増加好酸球減少率の上昇を認める

4 コーチゾン併用例

尿排世像は一般に柏改善の傾向を示す電解質排

世像も利尿初期の排世増加の傾向を認める水利尿

遅延例の症例 19はコーチゾン併用lとより著明な Cl

の増加と共に尿排世像の改善が著明である

5 プレドニン併用例

水利尿遅延例の 2例に於いて尿及び電解質排世

像の改善を認めた

17KS排世及び好酸球減少率も著明Kなった

第 14図薬物の影響

諸排i世量(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

[ロホ車班員何例

~ 草1~悦用島崎例

尿

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

-2340ー 千葉医学会雑誌 第 35ー

第2項諸排世量及び諸排世比(第 1415図〉

1 高張糖液併用例

排世量に著変を認めず排世比は尿量及び電解質

共に全例に上昇を認める

2 インシュリン併用例

排世量は水利尿良好例では僅かに減少の傾向を示

し遅延例に於いては僅かに増加しているが何れ

も著明ではない 17KS排世は全例増加している

排世比は尿量電解質ともに全例低下を認める

3 ACTH併用例

排世量は尿量及び Na量は一定の傾向は見られ

ないが ClKは増加している 17KS排世量は著

排世比は尿量 Kは著明に上昇し Na17KS

比は低下している

4 コーチゾン併用例

排世量は遅延例lζ於いて尿 NaCl17 KS

量の増加を認め K量は全例増加を認める

排世比は全例低下する

5 プレドニン併用例

何れも遅延例であるが排世量の増加と排世比

の低下を認める

第3項変動率(第 16図)

水単独負荷時の排世量に対して薬物併用の際

の各単位時間毎の排世量の増減率を求めた

明に増加している1高張糖液併用例

第 15図薬物の影響

諸排世比(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

51

尿

1C

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

u

島曽野県下於

主主 A3

巻 5第 狩野 糖尿病の水分代謝に関する研究 -2341-

第 16図薬物の影響

変動率(平均値) (合併症を有する例を除く〉

ブドー糖 インシュリン ACTH コーチゾン プレドニン

水利尿初期比於いて尿量電解質量総て減少を 17KS排世量は終始著明[減少している

示すが次第に排世増加して尿量は水利尿後半 2 インシュリン併用例

むしろ増加する 水利尿初期は尿量電解質量総て増加の傾向を

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

-2342ー 千葉医学会雑誌 第 35巻

示し特に ClK排世量の増加は多い傾向である 証している但し水利尿良好な例に於いてはインシ

が次第に全排世量共に減少の傾向を示す ュリンの併用が却って水利尿を遅延せしめる様な

17KS排世量は終始増加している例外も存する

3 ACTH併用例

尿量は水利尿初期減少するが逐時増加して後

半は水単独時より増加する

Naは初期より逐時減少の傾向を示す

ClKは略々尿量と平行的に変動する

17KS排世は最も著明で終始増量してい右

4 コーチゾン併用例

尿量は前半増加し後半減少し ACTHと略々

逆の傾向を認める Naは ACTHに類似の傾向を

認め逐時減少している ClK17KS排世量は

終始増加の傾向を示す

5 プレドニン併用例

尿量の変動率はコーチゾンと同様の傾向を認める

が更に著明である

NaClK共iと尿量と同様の傾向を示す

17KS排世も同様の傾向を示し終始増量してい

第 II章総括並びに者按

第 1項高張糖液併用例

ζの作用は軽度であるが水負荷による ADH分

泌抑制作用によって起る利尿反応を鈍化する即

ちその排j世像l乙於いて前半の水分排世は少く最

大利尿時尿量を低下せしめる後半に於いては前

半の利尿減少に伴い 2次的frPV増加を来たし

ζれが Volume-receptorを介して後半の尿量減

少度を少くするものと考えられる

電解質排世像特I乙NaClのそれは略々尿排

世像l乙平行する傾向を認める

此の際 17KS好酸球減少率は水単独の場合より

も低下している ζれはブドー糖併用による相殺現

象と考えられる

各排j世像lこは有意の変動は認められないが排世

比は何れも上昇を示しブドー糖の水利尿に及ぼ

す抑制作用を良く現わしている

第2項インシュリン併用例

排世像Iと於いて全例負荷後 30分迄柏尿量の増

加を認めそれ以後も水利尿遅延例の 2例は最大利

尿時尿量の増加前半2時間量の増加を示し全4

時間尿量も増加しているかかる症例の排世比は何

電解質は何れも尿量に平行した変動を示してい

第3項 ACTH併用例

ACTH併用例に於いては前半尿量はやや減少

するが後半K於いては血疑 Na濃度上昇尿量の

増加を来たしその排世比は上昇し全4時間量は

著変を示さなかったが 1例は増加を認めた ClK

も略々尿量K平行するが著明でないしかし乍ら

ACTHと副腎皮質機能との関連を考慮すればか

かる現象は利尿反応が遅れて発現して来たものと

解釈するのが妥当であろう

第4項 コーチゾン併用例

Na尿中排世は増加しそれに伴い尿量も増加し

水利尿の尿排世像は改善されている

尿量は良好例lζ於いては著変を認めないが遅延

例lと於いては著明に増加して近時 Nabarro等そ

の他も述べている如くコーチゾンの利尿促進作用

は明らかである

Na排世量は後半lζ於いては減少している諸

排世比に於いても何れも低下してコーチゾンの

水利尿の改善が認められる

第5項プレドニン併用例

コーチゾン例と略々同様の傾向を示すがその作

用は更に著明で尿排世像は改善せられ尿量の増

加と共Kその排世像も良好例の型に類似する

Na排世もコーチゾンの場合よりも著明で前半の

排世増加率は著しい排世量は何れも増加し排世

比は著明に低下する 17KS排世増加も著明であ

以上の各薬物の水利尿に及ぼ守影響をその各排

世比及び変動率より見るとプレドニンコーチゾ

ンは殊に遅延例lζ水利尿改善 NaClの排世促進

が明らかでインシュリンによっても同様に水利尿

の改善が認められブドー糖は水利尿と相殺的lζ作

用する如くであり ACTHは水利尿後半民コーチ

ゾン類似の利尿作用を現わすものと考えられる

但し各薬物ともに水利尿良好例に於いてはその

作用は僅微である

結 論

れも低下して大高(15)その他が述べている如くイ 合併症なき糖尿病患者に於ける水分代謝を主とし

ンシュリンが水利尿発現機序を促進せしめる事を実 て血糖及び副腎皮質機能の面より観察した

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953

第 5号 狩野 糖尿病の水分代謝K関する研究 -2343-

1体液構成特lζ細胞外液量は血糖値の影響が

大であるが副腎皮質機能の関与も認める

2 糖尿病患者の GFRは増大する GFR及び

RPFも軽度に副腎皮質機能及び血糖値の影響が認

められる

3 糖尿病の多尿の一因として副腎皮質機能の関

与が認められる

4 糖尿病の水利尿は糖代謝殊に過血糖の程

度並びに副腎皮質機能の如何に起因する所が大で

ある

5 各種薬物の水利尿に及ぼす影響は ACTH

プレドニンコーチゾンインシュリンは利尿遅延

例l乙於いて促進的rブド糖は一般に抑制的に作

用する

以上糖尿病の水分代謝に於いて下垂体副腎皮質

系の関与は極めて著明である

稿を終るに臨み御指導御校閲を賜わりた

る石川名誉教授並びに三輪教授に深謝すると

共r終始指導協力を載いた東条講師並びに第

五研究室各位に厚く感謝の意を表す

参者文献

1)Smith The Kidney 1951

2) Smith Principle of Renal physiology

1956

3) SmithHomerW Am J Med23623

1957

4)金井泉臨床検査法提要 1955

5) Drekteret aL J Clin Endocrin1255

1952

6)岩本 ホルモンと臨床 131953

7) Atchley J Clin Invesi122971933

8)吉田常雄 内科 16211958

9)日野佳弘 最新医学 101955

10)仁木豊日内誌 4711631958

11)吉利 和 電解質の臨床 1953

12)矢野大刀也 内分泌のつどい第 4集 1953

13) VerneyE B Proc Royal Soc25

31351948

14)来峰文治 千葉医会誌 343841958

15)大高道央 日内泌誌 315331953