7
岡山大学教育学部研究集録 1 200)15-13 2 8 ( 7 3 1 注意機能の測定に用いられる or i Pf nuous er C t on t es ma eT 関する文献的研究 津島 靖子 ッc 敏* ö エ ウカ* nc 一 測定条件の違いが成績に及ぼす影響 - C。 として知 られている測定条件や評価指標は多様であるため,サン ワナノñ ウêト「é 究成果の解釈は容易ではない。サアナ, CPT の主 な特徴 を概 観 し,ャム ノeソ ðy レキ v ö i Pf nuous eror t n ma eT nc est(CPT)は, モ@ ¥ フェ è ノp 「 çê é_ oS - について既報の文献に基づいて検討 した。CPTは課 題 の種 類 に よ りⅩ,AⅩ, - t noXタイプに 分類 され,「クêフ ^Cvノィ「ト àhæヲ ヤuâhæヲm の違いによる評価指標への影響が認め られた。 オゥ オ,hフォソâvヤネヌ ついての影響 は未だ十分 には検討 されていない。サ アナ,{@フユーp ノヘアê の違いによる影響を考慮 した条件設定が必要 と思われた。 i Pf nuous ero 1 ことが推測されている この よ うな 日常 生 活 で . は じめ に 5) 7) みられる行動,学習,情緒面でのつまずきを脳機能 近 年 , 「特 別 支援 教 育 」 の対 象 と され る学 習 障 害 T ees wo s:C nc ma t on d r Key t(CPT) , モ @ ¥ ,_ o S w I ク ,ュB áQ の問題 として把握 し,Fmチォ ðð オト「 gdib sa l i earnn ( y :LD) t i l i , モ ラ ス ョ ォ á Q は,ツ ノ カスx ノ ムツ ット「 att や広汎性発達障害 ( th ii c df e ion- t en i d sore ii tt peracv yd r:ADHD) y と して重 要 と思 わ れ るt na l eveop i sved me ld r:PDD) などの発達障害は,_onフ@¥ de per ( va - isor C Tes nce i Pf nuous ero t con ma t( ) T P は,衝動性 8)9) ig- i v ( lance)課題 として知 られてお り,]ケ 121' )3â ト l) 1' 不全 によ り,Fm,セê,モ,Lッ ネ ヌ]@ や持続的注意 10) l 3ð] ソ キ é CW 能の発達に歪みが もたらされることによる障害 と考 ) 3 es え られ て い る 1) 2) Matt は脳損傷患者の行動と 注意機能に障害をもつ子 どもの行動特徴に類似性が 効果判定など6 1' '5,ャゥ çャl ワナL あ ることを報告 しているが,ュBáQ ノホ オト à おいて研究や臨床の場で用いられている中枢神経 神経心理学的視点に基づいた評価の必要性 4'が高ま 系の機能障害における有用性が認められてお り,ュ りつ つ あ る達障害においては注意機能不全の側面からの検 んかん 14 )ノ ィ ッ é ] @ ¥ ] ソ â , PDD ADHD 日常および学校生活において, 5) ) 16 ~ )がなされているが,ッカ CPTと呼ばれて 2 2 多動性 ,ユョォ フ ルゥ,W cョヨ フQチ 「ï ネ ヌ いるものの中で も,ェèðâ]ソwWェ の類似 した問題行動が共通 して現れることが経験 さ るため,eíáQノィッéャムフð゚ 5) 6) ,シáQフîユ ノモ@¥フâèェカンキ é 富 な研 究 成 果 を一 様 に捉 え きれ ない。 兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科 博士課程 *岡山大学教育学部障害児教育講座 0 3 5 8 - 700 岡山市津島中3 丁目1-1 S T i evew Y k asuo AR US m t esasan nc f eror ilO ruu C t on : SP ma eT Assess t en for t en Attion HIM A, Y l t Sf a A*an S i S h t aos ANAD dMa mi A* H N A AGIAR hl coo i cenc hDProgra .. P h coo Gdt raua Jit on eS l( m)inS eofS h eacer t i i nvers Hyog ion d t uca E , oU yofT ion. d t uca E pe icap H ora io io d t uca d t uca t no t no aya aya D t epar k naa *D t epar k naa ( me fE , Ok ma me fE nf nd dC , Ok ma pe icap H ora ) 0 3 5 8 1 0 0 7 nf nd ty i i nvers aya ion d t uca t F l acu dren l i h dC , yofE , Ok maU , - i T h sus - I - 3 1 ma 3 t i i nvers aya ion d t uca t F l acu dren l i h , yofE , Ok maU y, - i T h sus - 1 -1 ma 0 3 5 8 - 0 0 7 - 1 25 -

注モ@¥フェ定ノp「られるCon orfmaeTe nc st ヨキ …ousar.lib.okayama-u.ac.jp/files/public/1/12815/...ェR大wウ育w部、究W^ 第 13 7号 (2 00 8)15-1 2 31 注モ@¥フェ定ノp「られるCon

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岡山大学教育学部研究集録 第 1 号 200)15-1328(73 1

注意機能の測定に用いられる ori P fnuous erC ton tesma eT に

関する文献的研究

津島 靖子 ・ 星田 敏* ・ 柳原 正文*

nc

一 測定条件の違いが成績に及ぼす影響 -

C。

として知られている。 測定条件や評価指標は多様であるため,現在までに報告されている研

究成果の解釈は容易ではない。そこで,CPTの主な特徴を概観 し,成績に影響を及ぼす要因

i P fnuous erortn ma eTnc est(CPT)は,注意機能の測定に用いられる神経心理学的検査

-について既報の文献に基づいて検討 した。CPTは課題の種類によりⅩ,AⅩ, -tnoXタイプに

分類 され,いずれのタイプにおいても刺激呈示間隔や刺激呈示確率などが異なり,測定条件

の違いによる評価指標への影響が認められた。 しかし,刺激の性質や所要時間などの条件に

ついての影響は未だ十分には検討されていない。そこで,本法の臨床応用にはこれらの条件

の違いによる影響を考慮 した条件設定が必要と思われた。

i P fnuous ero

1 ことが推測 されている このような日常生活で.はじめに 5) 7)

みられる行動,学習,情緒面でのつまず きを脳機能近年,「特別支援教育」の対象 とされる学習障害

Te eswo s:C ncm a

tondrKey t(CPT),注意機能,神経心理学的検査 ,発達障害

の問題 として把握 し,認知特性を理解 してい くことgdi bsal iearnn( y :LD)tili ,注意欠陥多動性障害

は,個に応 じた支援に結びつけてい くための第一歩att

や広汎性発達障害

( thiicdfeion-ten i dsoreiit tperacvyd r:ADHD)y

として重要 と思われる。tnaleveopisved me ld

r:PDD)などの発達障害は,中枢神経系の機能de

per( va -isor

CTesncei P fnuous erotcon m a t( )TP は,衝動性 8)9)

ig-iv(

lance)課題 として知 られてお り,脳損傷121')3やて

l)1'不全により,認知,言語,注意,記憶など高次脳機 や持続的注意 10) l 3を評価するヴイジランス

能の発達に歪みがもたらされることによる障害 と考

)3es。えられている 1) 2) Matt は脳損傷患者の行動 と

注意機能に障害をもつ子 どもの行動特徴に類似性が 効果判定など6 1''5,小児か ら成人まで幅広い領域に

あることを報告 しているが,発達障害児に対 しても おいて研究や臨床の場で用いられている。 中枢神経

神経心理学的視点に基づいた評価の必要性 4'が高ま 系の機能障害における有用性が認められてお り,発

りつつある。 達障害 にお いて は注意機能不全 の側面か らの検

んかん 14)における高次脳機能評価や,薬物療法の

PDD ADHD 討日常および学校生活において, や に 5) )16 ~ )がなされているが,同じCPTと呼ばれて22

多動性,衝動性のほか,集団活動への参加困難など いるものの中でも,測定条件や評価指標が多様であ

の類似 した問題行動が共通 して現れることが経験 さ るため,各種障害における成績の解釈が難 しく,豊

れ 5) 6),両障害の基盤に注意機能の問題が存在する 富な研究成果を一様に捉えきれない。

兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科 博士課程

*岡山大学教育学部障害児教育講座 0358-700 岡山市津島中3丁目1-1

ST

ievew

Y kasuo

AR

US

mtesasanncferorilOruuC ton: SP ma eT Assess tenforten Att ion

HIMA, YltSfaA*anSiS htaos ANAD dMa mi A*HNA AGIAR

h lcooicenchD Progra..PhcooG d trauaJiton eS l( m)inS eofS heacerti inversHyogiond tucaE , oU yofT ion.d tucaE

peicapHor a

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d tuca

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*D tepar

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( me fE

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me fE nf nd dC

,Ok ma

peicapHor a

)03581007

nf nd tyi inversayaiond tucatF lacudrenlihdC , yofE ,Ok m aU , -iT hsus-I-3 1 ma

3ti inversayaiond tucatF lacudrenlih , yofE ,Ok maU y, -iT hsus-1-1 ma

0358-007

- 12 5 -

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津島 靖子 ・泉田 敏 ・柳原 正文

そこで,本稿では ,C Tについて現在までに報告

された文献の中からその具体的な測定方法に焦点を

P 抑制することが必要になる。従って ,Ⅹタイプと

Ⅹタイプは特定のターゲット刺激が指定される

当て,各手法の特徴をまとめることを目的とする。 という点で共通しているが,ターゲット刺激に対し

さらに,臨床応用の前段階として,刺激呈示確率や て反応を行う課題とそれを抑制する課題という相違

-tno

刺激呈示間隔などの測定条件の違い等が成績に及ぼ がある。一万 ,1

す影響についても検討を行う。 考案された

659 R losvo

Ⅹタイプ"は被験者にターゲット刺-A"

d年に前述の らJ3 'により

激の出現を予告する刺激 Aに続きⅩが出現したとき

Tの分類 PC1. のみ反応を求め ,A以外の刺激に続いて出現する Ⅹ

FC rの基本的な実施方法は,まず,パソコンの画

面上に何種類かの刺激が比較的速い間隔をおいて一

つずつランダムに呈示される。被験者はある特定の

ターゲット刺激に対し,できるだけ早くかつ正確に

ボタン押しを行うことによって反応することが求め

られるという,簡単な手続きがとられる。どのよう

な刺激に反応しなければならないかについて ,Ⅹ,

Ⅹ,n Ⅹという基本的なこの 3課題タイプに分to--A

-は反応を求めない。この場合 ,AⅩという系列にの

み反応しなければならないので,被験者は刺激 Aを

一時的に記憶に保持しながら,出現する刺激がター

ゲット刺激か否か判断するため,ワーキングメモリ

を必要とする。このため ,Ⅹタイプと比較すると,

難易度が高くなると考えられている2 3)2㌔

以上に述べた課題の特徴から,被験者に求められ

2る取り組みへの姿勢からも性質の違いが背景にある

ことが推測されている 23'4'。ig

す。

類することができるが,それらの概略を F lに示

2.年に dら1 各手法における測定条件

課題として考案したことに始まる "Ⅹタイプ"は順 以下に述べるように,同じ課題タイプであっても,

汰,呈示される刺激群の中から特定のターゲット刺 刺激として利用される材料の性質やボタン押し反応

激Ⅹに対し反応をするというものである。これに対 の頻度などの条件が異なるため,これまでこれらの

3R losvo6591 'がヴイジランスを評価する

して ,1 年に

Ⅹタイプ"はターゲット刺激に対し反応を抑制

599

-" tno

Conners22 'によって開発された 条件について体系化された検討はなされていない2 6'。

そこで,まず,現在までに報告されている基本的な

leTba lTbae2に整理してし,その他の刺激群の全てに反応を求めるものであ 手法を 1,主な評価指標を

PiF

る。この場合,大半の刺激に対して反応をしなけれ 示した。

ばならないので,ターゲット刺激に対しては反応を

gl CTのタイプ

-62-1

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0

注意機能の測定に用いられる

刺激種 刺激頻度 時間(分)

ma に関する文献的研究ncT tesei P fnuous erorC ton

CPTの手法例

E(%)C成績

OE(%)Ⅰ(秒)SⅠ

Ta el

タイプ 基本的条件

lb

報告者 .午

文字

文字

文字

緑.赤の光

ⅩⅩ 数字

1)刺激呈示間隔 手つきエラーが増えた。逆に,非ターゲット刺激に

刺激が呈示され,次の刺激が呈示されるまでの間 対して反応をしない見逃しエラーは少なくなること

隔を刺激呈示間隔

秒の間で比較 した場合にはみられなかったという。

研究者もいる2 しての反応や迅速さを重視しての反応など,被験者

の判断に基づ く反応スタイルを表すと考えられてい

20.10.IS

IS

さらに,I が 秒 と 秒の

が長 くなることによりd'に

20.SS

IS

STcp

と呼ぶ。ここでは,I がどのように成績に影響を 場合を比較すると,I

及ぼすかについて既報の文献をもとに検討した。 有意な変化は認められなかったが,βは有意に低下

には固定したIIと変更可能なIIを用いる手 この変化はIIを 秒 と40.

S法がある。 IIを変更すると,刺激が不規則な時間

間隔で呈示され,被験者は時間的予測を立てにくく この場合の d'とは,お手つきエラーと見逃しエラー

なるために,一定水準のヴイジランスを維持する必 に基づいて算出される弁別精度の指標であり,結果

要がある。 このため,特に,ADHDの注意機能の問 的に被験者が刺激群から特定のターゲット刺激を識

題を検出する指標として鋭敏であることを指摘する 別する能力を表す。βは刺激に対し,正確さを重視

' は9) -

40.

182onnersc8。 7歳の健常児を対

1成人小児 ::50

Hi%)

小児:: 00725..888

(t

成人209.13/8Ⅹ)31)d659R Vloso1(

675.33.18.78.910.

13.

983..11.352 3022436.66..1

11.94.000..12

502.

1成人小児 ::50小児::8774779成人 1..209.

10.06/21

2171.21.78.315.400/04

75.530..1

8

ll

41

54

2//3(年少年長)中央値)(

41

6

7

85...1

89.

1

555

3

834.

08.4.000..12

44..0 64

.

21.28.

2..00.

62.

////999

9

79...01

10.

(年少年長)996 5387 45830...10

040.726.124.000..063/63

が報告されている。)IStnervaluiit tner-s( mu si l:I

4.000..12

233.3.00.156

15.')2it tzpar(iF 44c199

したと記述 している。

021/21

400/511

文字種類

文字

01Ⅹ

063/423200 Xtno)8)32conners(

33%Z

200600

1

2:

3

20

/

/

7

6

文字

ドット種類3

400/69

/51400

200 Ⅹ))05i2nst(S

AX)31)d659R Vloso1(

文字単語

文字種類

AX 文字

21

3

Ⅹ)7

199 1)

2000

4

2'

)

)

))3

Boyer

1Hl i3apern

Od 2aes

1-(

(

(

E lare

199

AX

063/423

/051 2000

文字

1絵種類

199 tnoX'5)l2ey6B kar(

Xtno200 ))4C 8onners(

AX

数字種類

AX 文字

01AX岡崎2003'1

200 '8

)

)

1

i 13ngs

(

Cllo(

Ⅹ2)6im8 39)91hkse(

hee0)

2000

)

))3

)

39

4200

8

Od 2aes

l i3tversen

91(c

(

(iS

IS'9Sk 2yes の報告では,I が長い

る10)。IS

20.10.S-tno象とし, Ⅹタイプの IIを 秒, 秒,

の 3種の間隔で検討している。 その結果,I が長

h 3c ee

きがみられるようになった。また,エラー反応にお と見逃しエラーが少なくなり,お手つきエラーが増

)の研究えることが確認されている。一方,

- 27 -1

くなるほど,反応時間は延長し,反応時間にばらつ Ⅹタイプを用いた

いては,ターゲット刺激に対して反応してしまうお

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津島 靖子 ・真田 敏 ・柳原 正文

では, 秒と 秒のI の間で比較すると,I がISIS40.10. 2)刺激呈示確率

-

秒の場合よりもエラー反応が増えたと報告され

6 Aている。 よる影響が注目されており 5' 'が Ⅹタイ3,B l3eae

20. ヴイジランス課題において刺激呈示確率の違いに

Ⅹタイプにおいては,岡崎 31が9 歳を対象と) 11--A %と12%の呈示確率において,12歳

してI が 秒, 秒,3 秒の 3種の条件で検討

を行った。ここでは,被験者が時間的な予測を立て

0.15.08.IS

プを用いて2

児の成績を比較 したところ,12% と比較すると

5

%の呈示確率の場合にdが低くなり,βは高くな'52

られないよう配慮され,試行ブロック内でこれら3 ることが明らかとなった。この結果から,被験者は

種のI がランダムに変更されるものを用いている。

その結果,I が 秒, 秒および 秒の間で比30.15.08.IS

IS 反応をより多く求められるとエラー反応を生じやす

い状況におかれ,迅速に反応しようとする構えを反

較すると,反応時間については,I が最も短い

秒の場合に有意に延長していたことが報告されてい

IS 08. 映していることが考えられた。

52d

対し反応をするⅩタイプの課題を

また,B wier 'は刺激群の中から特定の刺激に

る。また,Bll 'は成人を対象にAⅩタイプを用

いて 秒と 秒の 2種の I で検討したところ,

-

IS

42dara

10.05.

が短い場合に反応時間が短縮し,見逃しエラーISI

""

Go oN/

CPT

課題を "

,大半の

GNG"と

"

刺激に対し反応をするGo

し,両課題を組み合わせ CPT/ GNG"と表記し

が増えたと報告している。 た課題を用いて検討した。7歳以下の小児を対象と

してエラー分析を行った結果,被験者が反応を求めHa 'はI の影響として,時間間隔が長く

なりすぎると,被験者は反応の構えを維持できにく られる割合が少ないと見逃しエラーが多くなり,逆

くなり,そのために被験者個人の刺激に対する衝動 に,反応を求められる割合が多くなるに伴い,お手

IS2l i3pern

性の特徴が現れやすくなる。逆に が短くなり,II

すぎると,被験者がターゲット刺激を識別すること

S つきエラーが多 くなったと報告している。さらに,

S

は成人を対象にⅩタイプを用いた研究

が難しくなるためにエラー反応が起こりやすくなる で,ターゲット刺激の呈示確率を30%と75%の条

件に変更し,さらに,IIも変える条件の下で,成

7l i3tversenis '

と推測している。

以上のことから,臨床応用の目的に応じ,これら S績の変化を検討した。その結果,IIよりも反応を

の特性をふまえた適切な条件設定を選択することが するターゲット刺激の呈示確率が高いと反応時間は

望まれる。なお,小児の場合,ボタンを押すという 有意に短縮し,お手つきエラーが増えることが確認

10.実質的な反応は刺激が呈示されてから 秒以上後 され,呈示確率が高い課題において注意集中の努力

が要求されると考察している。IS15.秒以上のI

が望ましいと考えられる34'。 現段階では,被験者がボタン押しなどの反応をす

に起こることが指摘されており33',

leb

tiH

Ta 2

評価指標 評価内容

正反応

CPTの主な評価指標

・反応を求められる刺激に対し,正しく反応する

OE見逃しエラー

CE:or

:or

iisso

iissoom

co

nerr

お手つきエラーmm nerr

・反応を求められる刺激に対し,誤って反応しない

・反応を求められない刺激に対し,誤って反応してしまう

反応時間 T

:

i

iio

iteaco

t treaci

ea

h

me

正反応時の反応時間ntme HR

nr平均反応時間ntme ME

・反応を求められる刺激に反応 したときの刺激呈示から反応までの時間

nt

treac ER:ordtsanarint

lm

io

10treac

反応時間の標準誤差me derr TS

T ・反応を求められる刺激に反応 したときの平均反応時間

・反応時間の変動性

2

ss

tyiltvi:sens'd

laarm-Ⅹ tno,

flase

刺激の弁別精度

Ⅹタイプの課題においては意味するものが異なる。 をお手つきエラー,miを見逃しエラーに一括して記載した。

-18-

・被験者の刺激検出力

注) 注)

44rs。Cn。。 )をもとに改変

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r ma に関する文献的研究T tnce esfori Pnuous eC ton注意機能の測定に用いられる

4.おわりにる割合が 10-3%程度である課題においては,画

面をモニターするヴイジランスの維持がより必要と Tは各種障害を対象とし,健常者の成績と比較PC

-5 して差がみられることから,持続的注意あるいは衝されるが,反応する割合が 7 0%程度の課題に

おいては,連続 して行っているボタン押 しなどの反 動性の指標 としてその有用性が確認されてきた。本

応を抑制する能力がより必要とされることが推測さ 稿では,この CPTの多岐にわたる課題に注 目し,

れた。以上のことが,各タイプの背景にあり,評価 測定条件を変更することがどのように成績に影響を

指標上のエラー数やスコアによる量的検討だけでな 及ぼすかに焦点を当て,既報の研究を基に検討した。

9

く,質的検討もふまえ,刺激に対 して得 られた反応

を解釈することの必要性が指摘される2)34

-

刺激呈示間隔および刺激呈示確率の違いが評価指標

-A Ⅹその結果,Ⅹ, Ⅹ, タイプの課題において,tno

。)8

3)その他の条件

前述の課題のパラダイムに加え,注意機能の評価

において成績に影響を及ぼす可能性のある条件につ

いて既報の文献をもとに検討した。

まず,所要時間については,小児用 として 5-

に影響を及ぼすことが指摘された。刺激として用い

られる材料の性質や評価指標などが様々であ り,こ

れらの違いが及ぼす影響についての検討や信頼性測

定の検討については,未だ十分ではない。そこで,

注意機能における発達的視点をもち,さらに,種々

の条件による影響を検討することで,より鋭敏な手

4分,成人用として 14-30分程度が用いられてい1 -tnoまた, Ⅹタ

る。 持続的注意を測定する課題は被験者の疲労が成 イプの課題 における測定条件 についての検討は

法が開発されることが期待される。

績に大 きく影響 を及ぼす ことがない時間であ り, l itverseniS が報告 しているのみであり,まだその検

苛々することがなく,やや退屈に感 じられる程度が 討が不十分である。

望ましいとされている3)。さらに,R 'は測定

しうる能力が評価指標に反映されるためには,被験 念頭にお くと,早期から療育を開始 し,将来的な支

者がノイズの中か らシグナルを識別するに十分な 援を考えてい くためにも,より低年齢から実施可能

3 i icco38 様々な認知特性を持つ発達障害児への臨床応用を

ieddiK'Conners「ある一定の時間」が必要であるとしている。 小児 な手法の確立が求められている。

Tes

4(

t(

ることがなく取 り組めたというように33',所要時間 はこれらの観点について明らかにされておらず,今

は手法により様々である。 そこで,被験者が取 り組 後の検討が期待される。

み意欲を損なうことがない,年齢発達を考慮 した検

討が望まれる。 また,検査を実施した時間帯による 文献

200)高次脳機能障害としての発達

を対象に 12分間行った研究では,それほど苛々す eP feroinuousC ton rmanc TPC-K )は現段階で

1)相原正男分析結果を検討することも必要と考えられる。

6

6(

障害,発達障害医学の進歩 1,1

2)豊 200)障害児教育と関連 した脳科学

9. -次に,既報の研究において,呈示画面および刺激

の大きさ,全刺激数,刺激種類や検査者の同席の有 倫子

無などが方法に記されている。 lTba elに示 したよ

うに,刺激は文字や数字が用いられることが多いが,

1ドットの数 40),有意味語と無意味語などの単語 4'や

色 と文字を組み合わせた刺激 42' も用いられ,また, h ireensveCoiss

7.

Jes

33

的研究の方法論 ,国立特殊教育総合研究所紀要

,34-3

3)Matt A (

, mp

0891 yslboltronalo)Tilereoff ed -

-531

ion

ita

tc

P hsyc

fun inc

Ⅳ 2,8

ikperyhoodlih dh ne

0刺激は 1種類程度が多 く用いられてお り,刺激種

類が少ない場合の違いについては未だ検討されてい

ない。

6.934)汐田まどか 4(200)子 どもの神経心理とその臨

床応用-療育の立場か ら-,小児の精神 と神経

4

6.44,34-3

5)鍋谷まこと (200

また,年齢や性別などの被験者自身の特性,騒音

の有無など検査時の環境やフィー ドバ ックが行われ

るかなどの条件が成績に影響を及ぼす可能性がある

44

)アスベルガー症候群および

AD/HDの臨床症状-持続的処理課題を用いて

,3 7.83-38と指摘されている23)。ここで,フィー ドバ ックとは の検討-,小児の精神と神経

被験者の反応に対 し,聴覚的 2 'あるいは視覚的 4 6)鈴木周平3 3'

int tonsan

5

n

(

8.

bor

71

2

200)行動障害 ・情緒障害-の薬物

4'は,小児に 療法一臨床的観点か ら-,発達障害医学の進歩

,69-7

7)c ettBAadC U

-19-

に正誤を知 らせることである。

P

O dae2

おいてはエラー数が少なく,フィー ドバックの効果

最後に,CTにおけ 6002( )A ismtuが確認されたと報告 している。

る研究の中で,信頼性測定についての検討は-報告 37'

のみであり,今後の検討課題と思われた。 heltconrowesponse

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