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クール・ジャパンはなぜ嫌われるのか 2014616三原龍太郎 オックスフォード大学博士課程

Why \"Cool Japan\" is So Criticized? (Japanese)

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クール・ジャパンはなぜ嫌われるのか

2014年6月16日三原龍太郎

オックスフォード大学博士課程

自己紹介

‐経済産業省(2003年~2012年)

‐文化人類学(オックスフォード大学)

‐アニメ

出版物

クール・ジャパンとは何か

日本の文化的魅力を体現する製品・サービス・人材などを、海外に向かって積極的に発信・振興していこうとする取り組み全般を指す言葉

背景:日本の自画像のパラダイムシフト‘Yet Japan is reinventing superpower again. Instead of collapsing beneath its political and economic misfortunes, Japan’s global cultural influence has only grown. In fact, from pop music to consumer electronics, architecture to fashion, and food to art, Japan has far greater cultural influence now than it did in the 1980s, when it was an economic superpower.’ (McGray 2002: 47)

“Cool Japan Craze”

なんとなく気に食わない

(1)「混同」と「選択」

(2)逆大本営発表?→クール・ジャパン政策を擁護すると売国奴

このままでいいのか?

(1)印象論を排したファクツベースの議論

(2)真摯な対話と政策論争

(3)上記の前提となるクール・ジャパンの実態に関する深い理解

どう嫌われるのか①

(1)「必ずしもクールでない」という批判→自分で自分のことをクールと言うのはクールでない

→内容がクールでない→労働環境がクールでない

(2)「必ずしもジャパンでない」という批判→内容がジャパンでない→形式がジャパンでない

どう嫌われるのか②

(3)両方に重なる批判→ジャパンと関わるとクールでなくなる→税金の無駄遣い

(4)不毛な批判→「代入」論法→「それにひきかえ」論法

クール・ジャパン政策とは何か

日本のクリエイティブ産業に関するビジネスプロジェクトの海外展開を、政府が資金的支援を中心とした政策的支援を行うことを通じて後押しする行為

ポイント①

日本のクリエイティブ産業に関するビジネスプロジェクトの海外展開を、政府が資金的支援を中心とした政策的支援を行うことを通じて後押しする行為

クリエイティブ産業→日本のライフスタイル・価値観を体現する製品・サービスに係る産業

→中核9分野:ファッション、食、コンテンツ、地域産品、すまい、観光、広告、アート、デザイン

ポイント②

日本のクリエイティブ産業に関するビジネスプロジェクトの海外展開を、政府が資金的支援を中心とした政策的支援を行うことを通じて後押しする行為

クール・ジャパン政策はクリエイティブ産業政策の一部→クリエイティブ産業の海外展開促進・輸出振興部分がクール・ジャパン政策

ポイント③

日本のクリエイティブ産業に関するビジネスプロジェクトの海外展開を、政府が資金的支援を中心とした政策的支援を行うことを通じて後押しする行為

主な資金的支援→補助金:J-LOP→リスクマネー:クールジャパン機構

それ以外の政策的支援を排除していない→他のツール:法制、税制、etc.→ネットワーキング支援:マッチング会合等

ポイント④

日本のクリエイティブ産業に関するビジネスプロジェクトの海外展開を、政府が資金的支援を中心とした政策的支援を行うことを通じて後押しする行為

「官主導」ではない→側面支援、「呼び水」、アナウンス効果、etc.→(再掲)ネットワーキング

目的

‐主:海外市場シェアの獲得(「大きく稼ぐ」)

‐従:日本のライフスタイル・価値観の世界への浸透(外部経済効果)

海外市場獲得に向けた仮説①

「流通」という仮説→海外市場における広義の流通インフラが構築できていない(TVチャネル枠、同時配信、実店舗、小売の棚、etc.)

海外市場獲得に向けた仮説②

「連携」という仮説→個社の取り組みには限界→ビジネスパートナー、スポンサーをこれまで

以上に幅広く見つける必要がある(海外含む)

クール・ジャパンの未来

(1)言われているほど捨てたものでもない?

(2)真摯な対話を始めよう

(3)「乗客」ではなく「乗組員」として

END

@RMihara