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2014年度(前期)指定公募① 「『在宅看取り』をテーマとした市民のつどい」 完了報告書 テーマ 在宅医療・在宅看取りのゆく末 〜最期の在り方を見つめて〜 申請者:浅野 千景 (訪問介助・各種ケア あさの) 平成27年2月28日提出

在宅医療の調査研究を助成【公益財団法人 在宅医療助成 勇美 ...zaitakuiryo-yuumizaidan.com/data/file/data2... · 2015. 3. 3. · Created Date: 20150224020244Z

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  • 2014年度(前期)指定公募①
「『在宅看取り』をテーマとした市民のつどい」


    完了報告書





    テーマ


    在宅医療・在宅看取りのゆく末
〜最期の在り方を見つめて〜

    申請者:浅野 千景(訪問介助・各種ケア あさの)

    平成27年2月28日提出

  • 在宅医療・在宅看取りのゆく末
〜最期の在り方を見つめて〜


    
開催概要

    1.開催時期

    2.開催場所

    3.タイムスケジュール

    13:30

    14:00

    14:30

    15:00

    16:00

    17:00

        2015年1月31日(土)

        岩手県八幡平市安比高原

        安比グランドホテル会議室「奥入瀬」

    開場(受付)

    開会挨拶・報告

    日本尊厳死協会東北支部 副支部長  阿見 孝雄

    講演

    在宅医療・在宅看取りのゆく末

    〜最期の在り方を見つめて〜


    医療法人 徳政堂 佐渡医院 医院長 佐渡 豊

    座談会

    在宅看取りをされた家族の経験談

    ディスカッション

    質疑応答・尊厳死協会入会案内等

    閉会

  • 要旨1

    ■日本尊厳死協会

    副支部長 

    阿見 孝雄

    報告より

    日本尊厳死協会組織の一般財団法人への転換に至る経緯と、これからの尊厳死・リビングウィルについての展望。

    昨年度の米国オレゴン州女性、メイナードさんの一連の“尊厳死”報道に

    触れ、この事例は日本においての尊厳死とは区別されるべき『安楽死』であったこと。また、オレゴン州では尊厳死法が施行されたことにより、「医師による自殺ほう助」が認められているため、安楽死=尊厳死と理解する考

    え方が定着することとなった旨を話されました。

    この報道によって日本における“尊厳死”の定義を考えるきっかけ作りを広めたことにより、その定義の普及促進の追い風となったことを話されまし

    た。東北支部では医学生に対して“尊厳死”の定義等を広める場を提供しているとのことです。

    ■佐渡医院 医院長

    佐渡 豊

    講話より

    最期の在り方を問うことは、より良く生きることを問うことである。

    “尊厳死”とは“尊厳生”であり、死ぬ直前まで尊厳ある生を全うすることが尊厳在る死へと繋がると話されました。

    例えとして、世間での思い込みによる対処に疑問を持つこと。年だから○○できない。病気だから○○できないのではなく、やらないからできないのであり、何もしないから病気になるのであって、衰えた身体機能はす

    べて老化によって起こったことではない。と話されました。

    他者の世話にならない生き方の方法を示唆し、目的を持って生きること=動機付けを持つことの重要性を話され、生きている限り元気に前向きに生

    きることは、立派な社会貢献になる。と締めくくりました。

  • 要旨2

    ■在宅看取りをされた

    家族談より

    ご本人が在宅看取りを希望し、家族がその希望を受け入れるために、実際に在宅医療・介護へと移行して行く中、家族それぞれの思いと選択に至るまでの話がありました。また、介護現場で働く中での看取りや、訪問介

    護を行う中での職員としての看取りと、本人・家族にとっての看取り等、各ケースごとに抱える想いの相違の話がありました。家族や介護者のケアに

    よって痛みが暖和され穏やかな最期に寄り添えたことで、家族に後悔が残らず納得できた旨の話がありました。

  • 感想

    今回一番強く感じたことは、地域や個人の多様性ということです。

    実際に数十年往診という形で在宅医療に携わって来られた佐渡医院長の地域では、在宅看取りを希望される方はそう多くないとのことです。

    対症療法が発達し、入院すれば安心と思われる高齢者も多いのではないでしょうか。

    また、家族談では、自分が住んでいない地域での訪問看護体制が整っているため、在宅医療の受け入れに理解のある地域もあり、阿見副支部長によると、例えば仙台では独特な歴史があり、在宅医療に明るい地域とい

    えるようです。

    同じ家族の間でも、在宅に賛成の者、そうではなく施設や病院が良いと思

    う者に分かれてしまうことが多いようです。

    本人にしてみれば在宅は良いけれども家族に迷惑がかかるという想いもあります。家族は家族で誰かが仕事を辞めてまで率先して看取る意志が

    強くなければ、うまく進まないというケースも多いのでしょう。また、誤認識による敬遠もあります。「在宅で看取ったら警察に連絡しないといけないんでしょう?」などの声もありました。

    一方医師側にとっての問題としては、どこまでが尊厳で、どこからが治療の範囲になるのかの線引きがとても難しいとのことです。

    今一番に望まれることは、ある程度の定義付け、ガイドラインを設定しそれを広めること。理解を深めることで誤解を少なくしていく事ではないでしょうか?痛みを和らげ、心と身体が暖和されながら最期を迎えられることは、

    本人にとって最善ではありますが、そのために家族への負担が重くのしかかることのないように、在宅医療や介護体制を整えていくことが急務では

    ないでしょうか?

    また、出来ることならば最期まで元気であり、在宅医療や介護に極力世話

    にならないよう、今この時から気をつけていこうと思いました。

    今回尊厳死と在宅看取りという観点から話を伺うことができたことを大変有意義に有難く存じております。

    感謝とともに報告とさせていただきます。

    ありがうございました。

    「公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団の助成による」