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在宅医療助成 勇美記念財団 2015年度 在宅医療助成 報告書 報告者:宮近郁子 公益社団法人 東京都看護協会 訪問看護事業部 報告日:平成 28 年8月3日 [報告内容] 私は大田区ケアマネジメント研究会メンバーとともに公開デスカンファレンス開催し たので下記の通り報告する。 開催までの会議内容と開催日 日程 開催場所 会議内容 第1回 平成 27 9 12 13:0016:00 順天堂大学 企画内容の検討 第2回 平成 27 11 28 13:0016:00 同上 開催場所、日程の検討 第3回 平成28年 1 9 13:0016:00 大森山王病院 デスカンファレンス方法 チラシと広報についての検討 第4回 2 27 日(土) 13:0014:00 白十字訪問看護 ステーション (新宿区) 実際のデスカンファレンスの方法 役割の検討 14:0016:00 ファミリーレス トランにて プログラムの検討 チラシについ ロールプレイの検討 第5回 4月16日(土) 9:3013:00 大森医師会館 チラシの配布方法 チラシ枚数に ついての検討 指定発言者の選定 事例の検討 第6回 5 29 日(日) 10:0012:00 大森山王病院 ロールプレイの役割分担 当日の役割について 第7回 6 8 日(水) 19:0020:30 大森山王病院 ロールプレイリハーサル 第8回 6 17(土) 18:0020:30 東急 REI ホテル ケアマネジャーのためのデスカン ファレンス開催 第9回 7 29 日(金) 18:3020:30 大森山王病院 反省会 今後について

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在宅医療助成 勇美記念財団

2015年度 在宅医療助成 報告書 報告者:宮近郁子 公益社団法人 東京都看護協会 訪問看護事業部 報告日:平成 28 年8月3日 [報告内容] 私は大田区ケアマネジメント研究会メンバーとともに公開デスカンファレンス開催し

たので下記の通り報告する。 開催までの会議内容と開催日 日程 開催場所 会議内容 第1回 平成 27 年 9 月 12 日

13:00〜16:00 順天堂大学 企画内容の検討

第2回 平成 27 年 11 月 28 日 13:00〜16:00

同上 開催場所、日程の検討

第3回 平成28年 1 月 9 日 13:00〜16:00

大森山王病院 デスカンファレンス方法 チラシと広報についての検討

第4回 2 月 27 日(土) 13:00〜14:00

白十字訪問看護

ステーション

(新宿区)

実際のデスカンファレンスの方法

役割の検討

14:00〜16:00

ファミリーレス

トランにて プログラムの検討 チラシについ

て ロールプレイの検討

第5回 4月16日(土) 9:30〜13:00

大森医師会館 チラシの配布方法 チラシ枚数に

ついての検討 指定発言者の選定 事例の検討

第6回 5 月 29 日(日) 10:00〜12:00

大森山王病院 ロールプレイの役割分担 当日の役割について

第7回 6 月 8 日(水) 19:00〜20:30

大森山王病院 ロールプレイリハーサル

第8回 6 月 17(土) 18:00〜20:30

東急 REI ホテル ケアマネジャーのためのデスカン

ファレンス開催

第9回 7 月 29 日(金) 18:30〜20:30

大森山王病院 反省会 今後について

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「ケアマネジャーのためのデスカンファレンス」 〜看取りの経験を明日にツナゲル〜を開催して

感想 私は訪問看護師としてがん末期や後期高齢者の終末期ケアに携わってきた。特に

がん末期のケースは医療依存度が高く、在宅医や訪問看護師の関わりが必要である。そ

のため、訪問看護ステーション内でデスカンファレンスを行ってきた。がん末期のケア

プランは、医療依存度が高いために、どうしても医療に重きが置かれる。現在のケアマ

ネジャーの約 8割が福祉職であるため、若干、苦手意識があるのではないだろうか。

ケアマネジャーはケアプランを担当している時は、担当者会議を行っているが、その

利用者が死亡した後に、ケアマネジャーが主体となって行うデスカンファレンスはほと

んど行われていない。ケアマネジャーによってマネジメント能力の差が大きく、ケアマ

ネジャーの質の向上が望まれる。今後、高齢者が増え在宅死が増える中で、ケアマネジ

ャーが死亡した後、デスカンファレンスを開催して、それまでの関わりはどうだったの

か振り返るいい機会になるのではないかと思った。

今回、「ケアマネジャーのためのデスカンファレンスの開催 〜看取りの経験を明日

にツナゲル〜」を平成 28 年 6 月 17 日金曜日にロールプレイという手法を用いて開催し

た。参加者は 55 名と少なかったが、出席者の意見やアンケートから手応えを感じた。

デスカンファレンスという言葉を聞いたことがないという意見もあった。参加者からは

ほぼ全員が役にたったと答えていた。アンケートから、「終わってしまったケースを

なかなか振り返る時間はないが、それぞれの思いなどを聞くことで、バーンアウ

トも防ぐことができ、今後のモチベーションもアップできると思った。」とう意

見が聞かれた。また、研究会メンバーの知り合いで、シルバー新報社の記者の方に取

材してもらい記事になったことは、研究会のメンバーの励みとなった。

看護も介護も感情労働である。感情労働とは適切・不適切な感情経験や感情表出が規

程されている仕事であり、ストレスも多い仕事でもある。もちろんケアマネジャーも感

情労働である。急な病状変化のあるがん末期の利用者を担当すれば、心身共に疲れてし

まう。死と向き合っている利用者に対して支援していくことは、心身共に疲労する。

今回、ケアマネジャーのためのデスカンファレンスを開催したことで、ケアプランの

振り返りとケアマネジャーやサービス提供者へのグリーフケアを今後、推奨していく必

要性を感じた。今日この研修会を聞いて、デスカンファレンスを開催してみようという

きっかけになれば、幸いである。

このような機会が得られ、有意義な研修会が開催できたことは、これからの研究会活

動に大きな励みとなった。

平成 28 年 7 月 31 日 公益社団法人 東京都看護協会 訪問看護事業部担当部長 宮近郁子

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~看取りの経験を明日にツナゲル~

ご挨拶 順天堂大学保健看護学部 美ノ谷新子東京都看護協会 訪問看護事業部 宮近郁子

基調講演看取りの経験をチームで共有するデスカンファレンスの実際~ケアマネジャーがデスカンファレンスを始めるために~白十字訪問看護ステーション所長 服部 絵美

事例を用いたデスカンファレンスのロールプレイ大田区ケアマネジメント研究会一同

会場の皆様との意見交換

本会は公益財団法人勇美記念財団の助成により開催します主催:大田区ケアマネジメント研究会

ケアマネジャーのためのデスカンファレンス

大森東急REIホテル オークルーム

18:30開演

20:30終了

日 時

場 所

18:30~20:30(18:00開場)金入場料

無料申し込み不要先着100名

■電車でお越しの場合 JR京浜東北線 大森駅直結■お車でお越しの場合 最寄りのインターチェンジ:首都高速 〈鈴ヶ森ランプ〉から約10分、 〈大井南〉より約15分

至蒲田駅

大森東急REIホテル東

ゴールドジムサウス

東京アネックス

ファミリーマート

至品川駅

西口

三井住友銀行

JR大森駅

176/

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大田区ケアマネジメント研究会とは

平成 21年、大田区に事業所のあるケアマネジャー約 200名に「がん終末期のケアマネジ

メント担当に関する介護支援専門員の考え」の調査を行った。この調査を推進したメンバ

ーは大田区のケアマネジャー、訪問看護師、大学教員からなり、調査データをまとめるう

ちに自然発生的に研究会のかたちになっていった。 大田区のフィールドでケアマネジャーのための研究を実践し、研究成果を大田区にお返

ししたいという意味を込めて『大田区ケアマネジメント研究会』と称し活動してきた。平

成 24年は市民公開講座「ターミナルケア~住み慣れた街で最期を迎えたい~」、平成 26年は公開討論会「在宅がん終末期事例での活動のポイントとケアマネへの期待」を実施した。 これら 2 回の研修会同様、今回も勇美記念財団の助成を得て「ケアマネジャーのための

デスカンファレンス~看取りの経験を明日にツナゲル~」を行うこととなった。 【大田区ケアマネジメント研究会メンバー】

美ノ谷新子(順天堂大学保健看護学部) 丸山美知子(淑徳大学看護栄養学部) 柴﨑 美紀(杏林大学保健学部看護学科) 米澤 純子(東京家政大学看護学部) 原田 静香(順天堂大学医療看護学部) 山口 豊子(滋賀県健康づくり財団) 入野 豊(NPO法人大田区介護支援専門員連絡会) 神澤 都(さわやかサポート久が原) 宮近 郁子(東京都看護協会)

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「ケアマネジャーのためのデスカンファレンス」 ~看取りの経験を明日にツナゲル~

日時:平成 28年 6月 17日(金)18:30~20:30 場所:大森東急REIホテル オークルーム

時 間 分 内 容 担当・講師

18:30~18:35 5 オリエンテーション 総合司会 丸山美知子

18:35〜18:40

5 大田区ケアマネジマント代表挨拶 大田区ケアマネジメ

ント研究会代表 美ノ谷新子

18:40〜18:45

5

趣旨説明 実行委員長 宮近郁子

18:45〜19:15

30 基調講演 「看取りの経験をチームで共有するデスカンファレ

ンスの実際」

白十字訪問看護ステ

ーション 所長 服部絵美

19:15〜19:40

25 ロールプレイ 「ケアマネジャーのためのデスカンファレンス」

司会 米澤純子 大田区ケアマネジメ

ント研究会メンバー

19:40〜20:30 50

デスカンファレンスの実際 参加者との意見交換・質疑応答

同上

20:30

閉会

※勇美記念財団の助成を受けて開催しています

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事例紹介 独居のがんターミナル 大森花子 女性 87歳 既往歴 50 歳頃 高血圧症(現在、内服治療中) 75歳 皮膚ガンで手術 病名 胆管ガン末期 要介護状態 要介護 2➡要介護 5 認知症なし 家族構成 独居 20年前に夫は他界 子供は娘一人 キーパーソン 娘 58歳(関東近辺に在住)保育園に勤務しながら、姑の介護

を行っている。2か月に 1回は上京して母の介護にあたっていた。 <経過> 平成 26年 左変形性膝関節症にて杖歩行 介護保険申請し要介護度 2 デイサービス週 2回とホームヘルパー週 2回利用 平成 27年 5月 脇腹の痛みあり、近医の紹介で総合病院受診し入院 検査の結果 胆管がん末期で予後 6ヶ月と診断 , 内服にて痛みが治まったので退院 6月 退院後は、週 1回デイサービス 週 1回訪問看護 週 3回ホームヘルプサービス利用 隔週に通院 9月 黄疸、食欲低下や吐き気等の症状が出現し再入院 PTCDチューブ(経皮経肝胆管ドレナージ)留置 予後 1ヶ月と診断 家族はどこで最期を迎えるか迷ったが、 退院前カンファレンスで、一旦は自宅に戻ることを選択 区分変更後要介護度 5 10月 退院後、訪問看護週 3回 ホームヘルプサービスは 1日 3回週 7回 訪問診療は週 1回 11月 食事が取れず、徐々に状態悪化 11月 3日より、介護のために 娘が泊まりで介護にあたっていたが、11月 11日自宅にて永眠 された。

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ケアマネジャーのためのデスカンファレンス アンケート

今日は研修会にご参加くださり、ありがとうございました。今後の研修会の運営に活かすために、本

日の感想やご意見をお聞かせください。下記の質問に当てはまる内容に○や数値をご記入ください。本

アンケートの結果は運営者間のみで共有しますが、研修会の成果として学会等で公表する可能性もござ

います。その際は個人が特定できないように分析結果をまとめますので、アンケートにご協力ください

ますよう、よろしくお願い申し上げます。 大田区ケアマネジメント研究会メンバー一同

あなたのことを教えてください

Q1. 年 齢(数字記入) Q2. 性 別(回答に〇) Q3. ケアマネジャー歴(数字記入) Q4. 現在の職種 Q5. ケアマネになる際の基礎職種 Q6. 就業されている地域はどちらですか Q7. 所属(事業所等)について 本研修会についてお伺いいたします

Q8. 本研修会の開催についての情報を、どのようにお知りになりましたか。(回答は1つ)

Q9. 本研修会に参加しようと思った動機をお聞かせください。(自由記載) Q10. デスカンファレンスの経験についてお伺いします。今までにデスカンファレンスを開催または参加したことがありますか? (回答は1つ)

1) ケアマネジャー 2) ヘルパー 3) 訪問看護師 4) その他( )

1) 社会福祉士 2) 看護師・助産師・保健師 3) 薬剤師 4) 理学療法士・作業療法士 5) 介護福祉士 6) その他( )

1) 大田区 2) 世田谷区 3) その他( 区、 市)

1) 訪問看護 St 2) ヘルパー St 3) 居宅介護支援事業所 4)包括支援センター 4) その他( )

1) NPO法人大田区介護支援専門員連絡会からの連絡 2) 知り合いからの情報 3) 勇美事業財団の HP 4) その他( )

1) デスカンファレンスを自分自身が 主催者として開催した経験がある

2) 他職種(他施設)から声をかけられて デスカンファレンスに出席した経験がある

3) デスカンファレンスには出席したことがない

1)と回答された方のみにお聞きします k 何回くらいのご経験がありますか

( )回程度

2)と回答された方のみにお聞きします

声をかけた職種(施設)を教えてください ①訪問看護師(訪問看護ステーション) ②往診医(診療所) ③その他 ( )

3)と回答された方は、そのまま Q11へお進みください

1)または 2)と回答された方も Q11(裏面)へお進みください。

( )歳 1) 女性 2) 男性 ( )年

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Q11. 基調講演のことについてお伺いします。講演の内容についてはいかがでしたか?(回答は 1つ)

q11-1 上記を選択した理由をお聞かせください。(自由記載) Q12. デスカンファレンスのロールプレイ&意見交換についてどのように感じましたか?(回答は1つ)

q12-1 上記を選択した理由をお聞かせください。(自由記載) Q13. 本研修会に参加し、ケアマネジャーが中心となってデスカンファレンスを行う必要性について理解することができましたか?(回答は 1つ) q13-1 上記を選択した理由をお聞かせください。(自由記載) Q14. デスカンファレンスを企画・運営する方法について理解することができましたか?(回答は 1つ) q14-1 上記を選択した理由をお聞かせください。(自由記載) Q15. 本研修会に参加し、デスカンファレンス開催に対する意識の変化について、お伺いします。(回答は 1つ)

1) とても理解できた 2) 理解できた 3) あまり理解できなかった 4) 理解できなかった

1) とても参考になった 2) 参考になった 3) あまり参考にならなかった 4) 全く参考にならなかった

1) とても理解できた 2) 理解できた 3) あまり理解できなかった 4) 理解できなかった

1) 開催しようと研修会前から準備をしていた(または継続して開催している) 2) 研修会に参加し、デスカンファレンスを出来るだけ早く開催したい(1 か月以内)と思うようになった。 3) 研修会に参加し、デスカンファレンスをそのうちに開催したい(半年後位)と思うようになった。

4) 研修会に参加したが、デスカンファレンスを近日中(半年以内)に開催するつもりはない。 4) 研修会に参加したが、デスカンファレンスに関心を持たなかった。 5) 分からない

1) とても参考になった 2) 参考になった 3) あまり参考にならなかった 4) 全く参考にならなかった

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ありがとうございました

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2016.6.21

ケアマネジャーのためのデスカンファレンス

~看取りの経験を明日にツナゲル~

平成 28 年 6 月 17 日(金)実施後アンケート調査結果

1. アンケート回答者属性

講演参加者 55名中、アンケート回答者は 39名(回収率 70.9%)であった。 1) ケアマネジャー歴(図1) 回答者のケアマネジャー歴については、「6~10年」が 18名(46%)を占めていた。

一方で、ケアマネジャーの経験がない「0年」が1名出席していた。

2) 現在の職種

回答者の全員が「ケアマネジャー」として 39名(100%)がケアマネジャーとして現在、働いている。

3) ケアマネになる際の基礎職種(図 2) 基礎職種としては、「介護福祉士」として 28名(68%)が一番多く、次いで、「その他」6名(15%)(内訳:

歯科衛生士3名、ヘルパー1名、福祉用具専門相談員 1名、未記入者 1名)であった。社会福祉士と看護職はそれぞれ 3名(7%)、薬剤師が 1名(3%)であった。(※複数回答者:2名)

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4) 就業場所・地域(図 3) 回答者の就業地域は、「大田区」34名(87%)が一番多く、次いで、「その他」5名(13%)(内訳:武蔵野市

2名、横浜市 1名、北区 1名)であった。

5) 所属(事業所等)(図 4) 「居宅介護支援事業所」32名(82%)、「包括支援センター」7名(18%)であった。

2. 本研修会について

1) 開催についての情報をどのように入手したか (図 5)「NPO法人大田区介護支援専門連絡会からの連絡」

28名(72%)が最も多く、「知り合いからの情報」6名(15%)、「勇美事業財団のHP」2 名(5%)「その他」3名(8%)であった。

2) 参加しようとした動機

・ デスカンファンレスを知らなかったから、知って仕事で活かしたいと思ったから ・ デスカンファレンスを一から学びたいと思ったから、興味があったから ・ チームでターミナルに関わった後の虚無感をずっと持っていた。急変すればするほど、気持ちの落とし

どころがわからなかった。デスカンファをどう開催すればよいか、わからなかった。 ・ 末期がん、ターミナルの患者が職場で増えているため ・ 大田区ケアマネジメント研究会主催であったため など

3. デスカンファレンスの経験について

1) 開催・参加した経験の有無(図 6) 研修会以前に、デスカンファレンスへの「出席・経

験なし」28名(72%)が一番多かった。「他職種(他施設)が開催しているものに出席したことがある」5名(13%)、「自分自身が主催者となり、開催したことがある」4名(10%)、「未記入」2名(5%)であった。

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◎「自分自身が主催者となり、開催したことがある」4名 研修会以前に、デスカンファレンスを行った回数は、一番多い人で 5 回、次いで、3 回、2 回、1 回という内訳である。

◎「他職種(他施設)が開催しているものに出席したことがある」5名

研修会以前に、デスカンファレンスに出席した回数は、一番多い人で 3回、次いで、2回、1回(3名)という内訳である。

4. 研修会の内容について

1) 基礎講演の内容について(図 7) 「とても参考になった」23 名(59%)「参考になった」16名(41%)

「とても参考になった」理由 ・ デスカンファレンスの実際を知ることができた。 ・ 振り返ることの大切さに気づかされた。 ・ ケアマネが開催していいことを学んだ。 ・ 亡くなった後、訪問はしていたが、亡くなった人に携わった人と話をすることの大切さを学んだ。 「参考になった」理由 ・ 在宅での看取りがよくわかった ・ デスカンファレンスを開くことが少し理解できた。 ・ ご本人と家族の今までの人生の思い出を語り合いながら、最期を迎え、カンファレンスで卒業できる。 ・ 亡くなってからのカンファレンス?と感じたが、ケアの質の向上に役立つと思った。 ・ ターミナルを積極的に受けてくれるSTでもデスカンファは積極的でない(ボランティアなので)から、

お願いできない。白十字のSTの取り組みが広がるとよい。

2) デスカンファレンスのロールプレイ&意見交換(図 8) 「とても参考になった」17名(43%) 「参考になった」19名(49%) 「未記入」3名(8名) 「とても参考になった」理由 ・ 自然に出てくる言葉が素晴らしかった。 ・ 自身の看取り事例について、振り返りながら聞くことができた。 ・ 実際に見て具体的でよく理解できた。 ・ ターミナルのケースを何件も受け持ったが、デスカンファレンスは出席の経験がなかった。とても参考

になった。 ・ 統一した意見を持ち、看取る。ケアマネの手腕が必要と思えた。 「参考になった」理由 ・ 終わってしまったケースをなかなか振り返る時間はないが、それぞれの思いなどを聞くことで、バーン

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アウトも防ぐことができ、今後のモチベーションもアップできると思った。 ・ うまくいかなかった点も聞きたかった。 ・ 感情の振り返り、言語化することの大切さがわかった。 ・ 少し時間が長い。同じ話を繰り返していた。

3) デスカンファレンスを行う必要性について(図 9) 「とても理解できた」15名(39%) 「理解できた」20名(51%) 「あまり理解できなかった」2名(5%) 「未記入」2名(5%) 「とても理解できた」理由 ・ ヘルパーなど慣れていない方の気持ちが分か

った。 ・ ケアマネジャーの手腕も必要。協力体制を作る。次につなげる。 ・ 次にツナゲルという意味でも必要なことだと思った。「ケアマネの仕事とは」「事業所として」などいろいろ

と検討しなければならない ・ デスカンファレンスの必要性を痛感した。チームとして支えあい、完結した充実感もあり、次につなげ

ることができる。 ・ お別れに訪問看護師さん、ヘルパーさんと伺い、ご家族の思いを聞いていましたが、カンファレンスの

形をとりたいと思います。 「理解できた」理由 ・ 多職種それぞれが不全感なく、皆がやり切った感ができるように、誰かが負の気持ちが残らないように。 ・ 医療職でなく、ケアマネが中心となって開催する意味が分かりました。 ・ 提案してもよいのだということが分かった ・ 理解できたが、家族の事情や事業所の都合でなかなか実行することは困難 ・ 実際に声をかけて、他職種の方の参加が可能なのか不安。ケアマネとしては、チームとして動いていた

だいた方の家族の(無収のため)お話を伺いたいと思う。 「あまり理解できなかった」理由 ・ ケアマネ主催では困難を感じる。声をかけてもらいたい

4) デスカンファレンスを企画・運営する方法(図 10) 「とても理解できた」9名(23%) 「理解できた」23名(59%) 「あまり理解できなかった」2名(5%) 「未記入者」5名(13%) 「とても理解できた」理由 ・ 今後の支援の為に必要なことだと思いました。 ・ お亡くなりになった後は必ずごあいさつに伺うようにしています。他の事業所も「先日○○さんのとこ

ろにあいさつに行きました」と言う話をよくするのでそのタイミングを合わせるだけでデスカンファに

なるのかなあと思いました。

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・ 実際に集合できるのであれば、きっかけを作っていきたい。 ・ 声掛けの仕方の工夫で開催できると思った。 ・ 再度、服部先生のレジュメを勉強したい。 「理解できた」理由 ・ いろんな方の意見を聞けて参考になった。2.5 人称の立ち位置が役に立った。看取り事例の共有の大切

さ ・ 多職種からの様々な意見が伺えて大変勉強になった ・ 終了後に召集することが難しいと思う。カンファレンスというよりも、別の場所でお会いした際にはお

話を伺っている。 ・ 最後の包括さんの意見がとてもよかった。大田区にも同じような考え方の包括さんができるといい。 ・ CM 主導で開催することには少し疑問を感じる。お金のことではありません。チーム力を高めるなどの

ために開くのは違うと思う。死は個人的なことでありたい。 ・ 敷居が高いと思っていた企画の和が見つけられたので良かったです。 「あまり理解できなかった」理由 ・ ボランティアになってしまうので声がかけにくい 「未記入」 ・ デスカンファレンスとは言わず、関係者で声を掛け合って訪問している。今の形でもいいのかなと思っ

た。

5) デスカンファレンス開催に対する意識の変化(図11) 「研修会前から準備/継続」2名(5%) 「1か月以内に開催」10名(26%) 「半年後位に開催」12名(31%) 「半年以内に開催」2名(5%) 「わからない」10名(26%) 「その他」1名(2%)、 「未記入者」2名(5%) 「その他」について ・ 必要性に応じ、積極的に開催したい。

【自由記載】 ・ 77日前にグルーフケアに伺ったときに長男夫婦より、何しに来たのかという態度を示され、亡くなられ

た後の担当者への思いは家族によりそれぞれと思い反省した。その経験から、デスカンファレンスに家

族が参加することは難しいと思っています。がんターミナル独居の方、今も頑張っています。家族のい

る方はグリーフケアにいっています。事業所の方を一緒に誘っていったこともあります。(関わりの長さ

によります) ・ デスカンファレンスの名称を変えて開催したいと思った ・ 件数が少ないので、実施しにくい ・ とても有意義な会でした。ありがとうございます。 ・ 行いたいが、開催には困難を感じる。お声がかかればいつでも参加したい。 ・ また開催してください!

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・ とてもいいお話を聞くことができました。ありがとうございました ・ 機会があれば開催してほしい。ありがとうございました。今後もぜひ参加していきたいと思います。 ・ 今日はありがとうございました。チームケア作りを心掛け、デスカンファレンスを開催できるようにし

ていきたい。

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