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感受性宿主 感受性宿主 感受性宿主 感染経路 感受性宿主 感受性宿主 感受性宿主 感受性宿主 感受性宿主 感染源 隔離(鳥処分) 標準予防策 感染源 感染経路 感受性宿主 感染経路 感受性宿主 感染源 感受性宿主 感受性宿主 ワクチン 抗ウイルス薬 高病原性鳥インフルエンザ 高病原性鳥インフルエンザ 対策机上演習 対策机上演習 保健所のヒト対策 保健所のヒト対策 (奈良県郡山保健所)

保健所のヒト対策...【机上演習の目的】 一昨年来、養鶏場等における鶏HPAI感染 が全国各地で発生し、人への防疫対策の整備 が急がれる。今回、保健所管内のモデル養鶏

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Page 1: 保健所のヒト対策...【机上演習の目的】 一昨年来、養鶏場等における鶏HPAI感染 が全国各地で発生し、人への防疫対策の整備 が急がれる。今回、保健所管内のモデル養鶏

感受性宿主感受性宿主

感受性宿主感染経路

感受性宿主

感受性宿主感受性宿主

感受性宿主

感受性宿主感染源

隔離(鳥処分) 標準予防策

感染源

感染経路 感受性宿主感染経路

感受性宿主感染源

感受性宿主感受性宿主

ワクチン   抗ウイルス薬

高病原性鳥インフルエンザ高病原性鳥インフルエンザ対策机上演習対策机上演習

保健所のヒト対策保健所のヒト対策

(奈良県郡山保健所)

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郡山保健所健康危機管理地域連絡会議委員名簿郡山保健所健康危機管理地域連絡会議委員名簿(机上演習出席者)(机上演習出席者)

大和郡山市医師会  会 長

生駒地区医師会    会 長

天理地区医師会    会 長

三室病院    院 長

天理よろづ相談所病院   院 長

近畿大学医学部奈良病院 院 長

奈良社会保険病院 院 長

郡山警察署    署 長

生駒警察署    署 長

天理警察署    署 長

西和警察署    署 長

大和郡山市消防本部 消防長

生駒市消防本部 消防長

山辺広域行政事務組合消防本部 消防長

西和消防組合消防本部   消防長

奈良医大感染症センター 教授奈良医大感染症センター 教授

郡山保健所   郡山保健所        所長     所長 

家畜保衛生所   家畜保衛生所       所長   所長

大和郡山市 保健センター所長  生駒市  健康課長

天理市  健康増進課長

平群町  健康課長

三郷町  保健センター課長

斑鳩町  健康増進課長

安堵町  健康福祉課長

山添村  保健福祉課長

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【机上演習の目的】

   一昨年来、養鶏場等における鶏HPAI感染

が全国各地で発生し、人への防疫対策の整備が急がれる。今回、保健所管内のモデル養鶏場を対象に、HPAI感染が発生したとの想定で、

家畜保健衛生所等関係機関の連携の下、迅速かつ確実な防疫対策を図ることを目的として、机上演習を実施する。

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モデル養鶏農場の想定モデル養鶏農場の想定

農 家 名  I 養鶏場

所 在 地  奈良県大和郡山市

飼養形態  セミウィンドウレス鶏舎 (1号鶏舎)

       低床開放鶏舎      (2号鶏舎)

飼養状況  採卵鶏 合計 約20,000羽

        100日令導入  

10km圏内 鶏飼養者

        養鶏農家      13戸

        小規模鶏飼養者  38戸

1号鶏舎1号鶏舎

2号鶏舎2号鶏舎

約320m

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2号鶏舎(低床鶏舎)

堆肥堆肥

堆肥

倉庫

1号鶏舎(セミウィンドウレス鶏舎)

通報日時 : 12月1日 AM8:30家保に電話連絡 

り ん 告 : 1号鶏舎で死亡鶏が増加。今朝、2号鶏舎でも多数死亡

家保立入 : 12月1日 AM9:20 聞き取り、臨床検査 

   採 材 : (死亡鶏)各鶏舎5羽ずつ持ち帰り(異常鶏)気管スワブ、

        クロアカスワブ、血液 を各鶏舎5羽ずつ鶏舎内で採材

モデル農場の見取図モデル農場の見取図と発生状況と発生状況

自宅 事務所

堆肥

堆肥

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奈良県奈良県での発生及び県の一部が移動制限区域内での発生及び県の一部が移動制限区域内に入った場合の組織体制に入った場合の組織体制

県初動本部

連絡会議

県対策本部本部長:知 事

保健所 

・養鶏場従業員等疫学調査・防疫従事者等健康管理・住民への啓発、PTSD対策・相談窓口     など

家畜保健衛生所

・初動防疫・病性鑑定・消毒、殺処分、焼埋却・鶏の検診     など

 

現 

地 

対 

策 

本 

健康危機管理地域連絡会議

医療機関

・患者感染者診療・医療従事者支援

救急搬送

市町村対策本部①発生市町村②隣接市町村

防疫・健康管理対策チーム

協力要請

消防 警 察制限区域確保

疫学調査・従業員・家族・接触者・防疫従事者

移動制限区域内施設・養鶏農家・処理施設・飼育動物・GPセンター近隣住民

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防疫対応の根拠となる法律・指針等防疫対応の根拠となる法律・指針等

家畜保健衛生所(農林)家畜保健衛生所(農林) 保健所(衛生)保健所(衛生)

■法律■法律

 ○家畜伝染病法(施行令、施行規則) ○家畜伝染病法(施行令、施行規則)

■国指針■国指針

 ○高病原性鳥インフルエンザに関する特 ○高病原性鳥インフルエンザに関する特

  定家畜伝染病防疫指針  定家畜伝染病防疫指針

■奈良県防疫対策指針■奈良県防疫対策指針

 ○奈良県高病原性鳥インフルエンザ防疫 ○奈良県高病原性鳥インフルエンザ防疫

  対策本部設置要綱  対策本部設置要綱

 ○奈良県高病原性鳥インフルエンザ現地 ○奈良県高病原性鳥インフルエンザ現地

  対策本部防疫マニュアル  対策本部防疫マニュアル

■法律■法律

 ○感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に ○感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に

  関する法律(施行令、施行規則)  関する法律(施行令、施行規則)

■国等ガイドライン・指針■国等ガイドライン・指針

 ○鳥インフルエンザに関するQ&A ○鳥インフルエンザに関するQ&A

 ○高病原性鳥インフルエンザが疑われる患者に対す ○高病原性鳥インフルエンザが疑われる患者に対す

    るる医療機関での対応医療機関での対応

 ○RT-PCR法によるH5鳥インフルエンザウイルス ○RT-PCR法によるH5鳥インフルエンザウイルス

  遺伝子の検出  遺伝子の検出

 ○学校飼育動物の鳥インフルエンザ対策について ○学校飼育動物の鳥インフルエンザ対策について

■県等で策定する防疫対策指針■県等で策定する防疫対策指針

 ○奈良県高病原性鳥インフルエンザ対応行動計画 ○奈良県高病原性鳥インフルエンザ対応行動計画

 ○ ○養鶏農家における高病原性鳥インフルエンザ発生養鶏農家における高病原性鳥インフルエンザ発生

  時の保健所対応マニュアル  時の保健所対応マニュアル

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家畜保健衛生所家畜保健衛生所 保健所保健所

1)初動防疫・病性鑑定1)初動防疫・病性鑑定

2)追跡調査2)追跡調査

3)移動制限3)移動制限

4)発生農場消毒・殺処分・4)発生農場消毒・殺処分・

 除糞等汚染物品処理 除糞等汚染物品処理

5)立入検査・清浄性確認5)立入検査・清浄性確認

1)養鶏場従業員等疫学調査1)養鶏場従業員等疫学調査

2)防疫作業従事者等健康管理2)防疫作業従事者等健康管理

3)移動制限区域内食鳥卵3)移動制限区域内食鳥卵等処等処

 理施設指導 理施設指導

4)住民対策(PTSD対策含む)4)住民対策(PTSD対策含む)

5)相談窓口5)相談窓口

家畜保健衛生所と保健所の役割分担

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保健所として初動時に検討すべき事項保健所として初動時に検討すべき事項

感染拡大の規模感染拡大の規模

所内体制の見直し、業務の見直し所内体制の見直し、業務の見直し

連絡体制の確保連絡体制の確保

会議室等の確保会議室等の確保

車両の確保車両の確保

必要物品の確保必要物品の確保

他保健所への支援要請の必要性他保健所への支援要請の必要性

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保健所の体制

1)総合調整班

 ○情報収集

 ○対策本部及び関係機関との連  

  絡調整

 ○保健所班調整

 ○人員物品調整等

2)疫学調査

 ○養鶏場従業員等の疫学調査

  及び健康観察

 ○住民相談窓口・説明会

 ○こころのケア(PTSD)対策

3)健康管理班

 ○防疫作業従事者の健康教育

 ○健康診断(問診、診察、タミフル投与、

  ワクチン接種等)

 ○健康観察( 終接触より7日間の問診、

  検温)

 ○傷病者の対応

       現地救護班

4)指導班

 ○移動禁止区域内食鳥処理施設及びGPセン

  ター等監視指導

 ○同区域内使用動物等指導及び状況把握

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訓練養鶏農家周辺地域の把握訓練養鶏農家周辺地域の把握

住宅地域

事務所自宅

発生第2号鶏舎

発生第1号鶏舎

体育館

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食鳥処理場(半径10km内)食鳥処理場(半径10km内)                              ◆発生施設  ◆発生施設  ●大規模  ●大規模  ■■認定小規模認定小規模

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GPGPセンター(半径10km内)センター(半径10km内)                                 ◆発生施設  ◆発生施設  ●大規模 ●大規模   ■■農家   農家   

■■

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①京奈和自動車道 木津インター付近

  (奈良市または京都府)

②阪奈道路 富雄インター付近

  (生駒市)

③西名阪自動車道 法隆寺インター付近

  (河合町)

④国道24号線 千代北交差点付近

  (田原本町)

⑤国道169号線 柳本付近

  (天理市)

⑥名阪国道 福住インター付近

  (天理市)

消毒ポイントの設置準備消毒ポイントの設置準備

•場所の選定と設置

•動力噴霧器の確保

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疫学調査疫学調査

(発生農場(発生農場従業員・家族従業員・家族等対象)等対象)

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疑似患畜(簡易検査で陽性)とされた場合

① 発生農場への訪問  保健所疫学調査班は、必要により感染防御策を行い、家畜保健衛生所の家畜防疫員に同行し、発生農場を訪問する。

② 農場関係者への調査   保健所疫学調査班は、調査用紙により発生農場の従事者、その家族に対

して、家きんやその排泄物等、感染のおそれがあるものとの 終接触日から調査日現在までの業務内容、従事場所、健康状態及びインフルエンザ予防接種歴を確認する。

③ 飼養舎に出入りした者等の確認   念のため、家きんに 初に異常が認められた日の前7日以内に飼養舎に出入りした者の氏名及び連絡先等を聞き取る。さらに、発生農場から家きん及び家きんの卵が出荷されていた場合、出荷先の従業員についても健康確認を行う。

④ 注意事項の周知  家畜保健衛生所の家畜防疫員と協議の上、発生農場関係者の飼養舎へ立ち入らなければならない場合の感染防御策、手洗い及びうがい、飼養舎から退場後の入浴を行うこと等の注意事項について周知する。

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患畜(確定検査で陽性)と確認された場合(1)

① 聞き取り調査  保健所疫学調査班は、必要により感染防御策を行い、家畜保健衛生所の家畜防疫員に同行し、発生農場を訪問する。疫学調査票により、養鶏場従業員やその家族並びに家きんに初に異常が認められた日の前7日以内に飼養舎に立入した者についてインフルエンザ様症状や結膜炎様症状の有無を確認し、飼養舎への立入状況や患畜との接触状況について詳細に聞き取り調査を行う。

② 咽頭拭い液の採取及び採血   疫学調査の結果、患畜との接触がある者については、検査の必要性を説明し、本人の同意を得て、咽頭又は鼻腔拭い液の採取と血清測定のための採血を行う。検体は、疫学調査票を添えて、保健環境研究センターに検査依頼する。 その際、検体は、バイオハザード専用輸送容器(3重で各容器はスクリューキャップのもの)

に入れ、直ちに冷蔵する。搬送時はバイオハザード専用輸送容器を発砲スチロルやクーラーボックスなどで保冷して搬送する。保冷には氷又は-20℃以下で保存している保冷剤を用いる。

    

    ア)インフルエンザ迅速診断キットによる検査       咽頭又は鼻腔拭い液によりインフルエンザウイルスの迅速検査を実施する。    イ)PCR検査       咽頭又は鼻腔拭い液をPCR検査用検体採取液に採取し,RT-PCR法で検査を行う。    ウ)血清抗体検査       採血は,健康調査実施時及びそれから約1ヶ月後に行う。       採血量は,約5mlとする。

 検体検査の結果、H1又はH3以外であれば国立感染症研究所に検体を送付する。

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患畜(確定検査で陽性)と確認された場合(2)

③ 抗インフルエンザウイルス薬(タミフル)の処方 対象者には、抗インフルエンザウイルス薬内服の必要性について説明し、本人の同意を得て、医師による処方を行う。

④ インフルエンザの予防接種 6カ月以内にインフルエンザ予防接種を受けておらず、今シーズンインフルエンザに罹患していない対象者には、インフルエンザ予防接種の必要性について説明し、本人の同意を得て、予診票に記入の上、インフルエンザの予防接種を行う。

⑤ 体温測定、健康観察の要請  対象者には、モニタリング用紙により、飼養舎への 終立入日又は家きんやその排泄物等、感染のおそれがあるものとの 終接触日から起算して7日間の体温測定・健康観察及びその結果について、保健所から確認する旨について説明を行う。さらに、7日間経過後も、移動制限が解除されるまでの間38℃以上の発熱やインフルエンザ様症状、結膜炎様症状が見られた場合は、直ちに保健所に連絡するように説明する。

⑥ 接触者連名簿の作成と健康モニタリング 疫学調査班は、患畜との接触状況、症状の有無、検査結果、タミフルの内服状況・体温測定・経過観察状況等について一覧表に整理し、一定期間中モニタリングを行う。有症状者については、集計後県庁健康増進課に報告する。

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防疫従事者の健康管理防疫従事者の健康管理

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発生農場における家畜防疫作業発生農場における家畜防疫作業

鶏舎消毒

死亡鶏の取り出し

死亡鶏数カウント

評価

殺処分

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訓練養鶏農家周辺地図と発生時の対策訓練養鶏農家周辺地図と発生時の対策

発生第2号鶏舎

発生第1号鶏舎

住民健康調査地区

体育館(検診会場)

脱衣・消毒場

脱衣・消毒場

:立入制限・消毒

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防疫作業従事者の感染防御防疫作業従事者の感染防御

作業内容作業内容 感染防御策感染防御策

発生農場における以下の作業発生農場における以下の作業

  ■殺処分  ■殺処分

    

  ■鶏糞処理  ■鶏糞処理

    

  ■汚染物品処理  ■汚染物品処理

    

  ■鶏舎消毒  ■鶏舎消毒

○防護服○防護服

 上下つなぎの作業服と不浸透性のエプロン、または長袖で  上下つなぎの作業服と不浸透性のエプロン、または長袖で 

 袖口が締まるサージカルガウンと不浸透性のエプロンの組 袖口が締まるサージカルガウンと不浸透性のエプロンの組

 み合わせによるもの み合わせによるもの

○作業用ゴム手袋(頑丈で作業可能なもの)○作業用ゴム手袋(頑丈で作業可能なもの)

○通常のゴム手袋○通常のゴム手袋

○フルフェイスの防塵マスク○フルフェイスの防塵マスク

  (または送排気機能付N95マスク)  (または送排気機能付N95マスク)

○ゴーグル○ゴーグル

○ゴム製長靴(ゴムまたはポリウレタン性)○ゴム製長靴(ゴムまたはポリウレタン性)

○シューズカバー○シューズカバー

発生農場における以下の作業発生農場における以下の作業

  ■死体等の運搬作業  ■死体等の運搬作業

  ■死体等焼埋却  ■死体等焼埋却

上記のうち、マスクは送排気機能付N95マスク上記のうち、マスクは送排気機能付N95マスク

消毒ポイントにおける車両の消毒消毒ポイントにおける車両の消毒 上記のうち、マスクは送排気機能付N95マスク上記のうち、マスクは送排気機能付N95マスク

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異常なし

帰宅後、衣類の洗濯・入浴・洗髪

有症状

医療機関紹介

防疫作業従事者の健康管理(京都府中丹西保健所弓削マリ子所長提供)

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(体育館における健康診断配置例)

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健康管理業務の流れ健康管理業務の流れ

① 受付② 事前説明、健康教育と問診票の配布③ 問診、検温、血圧測定  → 必要により健康相談コーナー設置④ 診察、相談⑤ インフルエンザ予防接種⑥ 抗インフルエンザウイルス薬(タミフル)の予防投与⑦ 防護具着用

       【作業終了、現地消毒、脱衣】 ※消毒・脱衣補助

⑧ 消毒、うがい⑨ 健康調査票記入⑩ 問診、検温、血圧測定⑪ 診察、応急処置、医療機関紹介

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健康管理上の留意事項(1)健康管理上の留意事項(1)

○問診により健康状態を把握するとともに、医師による診察を行い、体調不良者には当該作業に従事させない。

○高病原性インフルエンザ感染の場合は、防疫作業従事者は、原則として事前に抗インフルエンザウイルス薬(タミフル)の予防投与を受ける。

○11月から翌年3月までの防疫従事者については、体内でのウイルスの交雑を防ぐため、原則としてインフルエンザワクチンの接種を受ける。

○作業従事者は、その作業内容により、感染防御策を徹底する。

○防疫作業従事者の感染防御のため、家畜保健衛生所と連携して、事前に感染防止策について十分説明するとともに、個人防御用具着衣等の徹底について指導を行う。

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健康管理上の留意事項(2)健康管理上の留意事項(2)

○感染防御が不十分で患畜と濃厚接触した作業員は、発生養鶏農家従業員と同様に、対策本部の判断により頭拭い液検査や血清抗体検査を行う。

○作業時間は、過去の事例をみると1回1時間、1日4回程度が標準であるが、猛暑の時期等で作業環境が悪化している場合には、作業員の健康状況を頻回に把握するとともに、作業時間を短縮するなど柔軟かつ適切に判断する。    

○退出時には、立入時に着用していた作業着等を現地で消毒後に脱衣し、手洗い、洗顔及びうがいを行う。脱衣した作業着等は、消毒液に浸漬した後、ビニール袋に入れ、外装を噴霧消毒した後、再利用または消却処分する。

○移動に利用した車両は、現地で消毒を行う。○作業後も同様に、健康調査票により健康状態を把握するとともに、有症状者

には医師による診察を行い、必要に応じて協力医療機関を紹介する。○帰宅後は、着用していた衣類の洗濯、入浴、洗髪を行う。○作業前後の注意すべき症状として、インフルエンザ様症状をはじめ、消石灰

による結膜炎や皮膚炎、夏には熱中症がある。

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抗インフルエンザウイルス薬の投与について抗インフルエンザウイルス薬の投与についてア)投与目的

高病原性鳥インフルエンザの発病を予防するため、鳥インフルエンザウイルスに感染した家きんと接触(食鳥処理を含む)した者や感染が発生した農場内において家きんの殺処分、死体の埋却、汚染物品の処理、消毒等の防疫作業に従事した者に対して投与する。ただし、「H5N2亜型の高病原性鳥インフルエンザ感染家きんの防疫措置における抗インフルエンザウイルス薬の予防投与について」(厚生労働省通知:平成17年7月29日付健感発第0729002号)に基づき、強毒性のものであることが確認されない限り、防疫作業従事者その他の関係者への抗インフルエンザウイルス薬(タミフル)の予防投与及び投与勧奨は行わない。

イ)対象者   ①発生養鶏場従業員等   ②家畜防疫員・感染症疫学調査者   ③殺処分等防疫作業者ウ)投与量

予防投与の場合は、1日1回1カプセル(75mg)を内服する。

エ)投与期間本剤はインフルエンザウイルスの増殖を抑制する作用があり、投与後約4時間で

増殖抑制に有効な中濃度に達するため、作業4時間前に服薬する。作業中は服用を継続する。服薬期間は、 終接触日を含む7~10日間(実際には、防護服着用であれば5日間投与)とする。

オ)投与時の説明と同意防疫従事者に投与する場合は、服薬の必要性、副作用及び副作用が発生した場

合の連絡方法及び救済制度について説明した上で、同意を得て投与する。

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ヒトインフルエンザワクチンの接種についてヒトインフルエンザワクチンの接種について

養鶏場従業員等接触者及び殺処分等防疫作業については、ヒトの体内でのウイルスの交雑を防ぐため、原則として、11月以降から翌年3月までの間の発生事例では、ヒトインフルエンザワクチンを接種すること。但し、6カ月以内にインフルエンザ予防接種を受けている場合、または、今シーズンインフルエンザに罹患した場合は、接種の必要はない。

ア)対象者①発生養鶏場従業員等

    ②家畜防疫員・感染症疫学調査者    ③殺処分等防疫作業者イ)接種時期

インフルエンザワクチンは、接種後約2週間で感染防御に有効なレベルの抗体価が得られるが、WHOでは、仮にこの2週間以内に感染する機会があったとしても、ワクチン接種の効果が得られるとしていることなどから、少なくとも養鶏農家従業員等については患畜であることが判明した後できるだけ速やかに、また、殺処分等従事者については、防疫業務に従事する直前に接種を終えること。ワクチンの効力は5ヶ月間持続する。

ウ)接種方法防疫作業従事者の場合は、事前健康管理の際に、問診でインフルエンザワ

クチン未接種であれば、会場で接種する。

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防疫作業強度の目安防疫作業強度の目安

作業強度作業強度 具体的作業内容具体的作業内容

重度作業重度作業

■発生農場における以下の作業■発生農場における以下の作業

  ○殺処分  ○殺処分

  ○死体焼埋却  ○死体焼埋却

  ○鶏糞処理  ○鶏糞処理

  ○汚染物品処理  ○汚染物品処理

  ○鶏舎の消毒等  ○鶏舎の消毒等

中等度作業中等度作業

■発生農場における以下の作業■発生農場における以下の作業

  ○防疫作業従事者の補助作業  ○防疫作業従事者の補助作業

  ○防疫作業従事者の消毒  ○防疫作業従事者の消毒

  ○重機による死体等運搬作業  ○重機による死体等運搬作業

■消毒ポイントにおける車両消毒 ■消毒ポイントにおける車両消毒 

軽度作業軽度作業

■発生農場における以下の作業■発生農場における以下の作業

  ○防疫作業従事者の脱衣補助  ○防疫作業従事者の脱衣補助

  ○連絡要員  ○連絡要員

■他の農場への立入検査■他の農場への立入検査

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防疫作業従事者健康管理上の作業区分防疫作業従事者健康管理上の作業区分

健康状態健康状態 就業判断就業判断

50歳以上50歳以上 原則として、原則として、中等度以下中等度以下の作業の作業

年齢年齢60歳以上60歳以上 原則として、原則として、軽作業軽作業

現病歴・合併症現病歴・合併症 心疾患、脳血管疾患、免疫不全、腎疾患心疾患、脳血管疾患、免疫不全、腎疾患はは作業中止作業中止

1週間以内の本人のインフルエンザ既往1週間以内の本人のインフルエンザ既往 「はい」は、「はい」は、作業中止作業中止

1週間以内の家族のインフルエンザ既往1週間以内の家族のインフルエンザ既往 「はい」は、「はい」は、作業中止作業中止

咳、痰、喉の痛み咳、痰、喉の痛み 「はい」は、原則「はい」は、原則軽作業軽作業又は又は作業中止作業中止

インフルエンザワクチン未接種インフルエンザワクチン未接種 作業中止作業中止((接種後は可接種後は可))

37℃以上~37.5℃未満37℃以上~37.5℃未満 軽作業に変更軽作業に変更し経過観察(昼食時再検)し経過観察(昼食時再検)

37.5℃以上37.5℃以上 作業中止作業中止

体体

温温

問問

診診

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防疫作業従事者の健康管理区分防疫作業従事者の健康管理区分

軽症高血圧軽症高血圧

   収縮期     収縮期  140140~~159159またはまたは

   拡張期     拡張期  9090~~9999  中等度以下の作業  中等度以下の作業

中等度高血圧中等度高血圧

   収縮期     収縮期  160160~~179179またはまたは

   拡張期     拡張期  100100~~109109  軽度作業  軽度作業

重症高血圧  重症高血圧  

   収縮期    ≧   収縮期    ≧180180またはまたは

   拡張期    ≧   拡張期    ≧110110    作業中止作業中止

診察により、以下のインフルエンザ様疾患が認められる場合診察により、以下のインフルエンザ様疾患が認められる場合

①①3838℃以上の急な発熱、悪寒、筋肉痛、全身倦怠感、℃以上の急な発熱、悪寒、筋肉痛、全身倦怠感、

  咽頭痛、咳等  咽頭痛、咳等

②結膜炎(鳥インフルエンザH7)②結膜炎(鳥インフルエンザH7)

直ちに直ちに作業中止作業中止し医療機関を受診するし医療機関を受診する

注1)診察医は上記にかかわらず、自覚症状や合併症等を総合的に勘案し判断すること。注1)診察医は上記にかかわらず、自覚症状や合併症等を総合的に勘案し判断すること。

注2)インフルエンザ様症状がみられた場合は、医療機関において、A型インフルエンザウイルス迅速検査キッ注2)インフルエンザ様症状がみられた場合は、医療機関において、A型インフルエンザウイルス迅速検査キッ

  トを用いて、ウイルス感染の有無をチェックするとともに、陽性であれば、咽頭拭い液のPCR検  トを用いて、ウイルス感染の有無をチェックするとともに、陽性であれば、咽頭拭い液のPCR検

  査を保健環境研究センターで行うとともに、速やかに抗インフルエンザウイルス薬(タミフル)の投与を行う。  査を保健環境研究センターで行うとともに、速やかに抗インフルエンザウイルス薬(タミフル)の投与を行う。

血血

圧圧

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防護具の着脱防護具の着脱

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防護具着衣指導防護具着衣指導

防護具の着脱方法について、感染防御の観点からビデオや説明パンフレットを用いて十分な説明を行い、実際に着衣を支援する。

(具体的装着手順)    ①内側手袋を装着する。      →手袋は、上腕部付近までできるだけたくし上げてください。

    ②マスクをつける。      →マスクは金具を上にして鼻にかけるようにし、隙間が生じないように金具で調節してください。

    ③防具服ツナギを着る。      →防護服は、毛髪や体表面が外にでないように着てください。

    ④エプロンを装着する。    ⑤ゴム長靴とシューズカバーを履く。      →長靴は、防護服のズボンが外側になるようにして、履いてください。

    ⑥ゴーグルを装着する。      →ゴーグルも隙間が無いように装着してください。

    ⑦外側手袋を装着する。      →手袋は、上腕部付近までできるだけたくし上げてください。

    ⑧ 後にフルフェイスマスク又はN95マスクを装着してください。

(注意事項)  ※ゴーグルやマスクがはずれても直接触らないこと。  ※頻繁な手洗いと作業後の消毒を心がけること。

    ※帰宅後は、できる限り速やかにシャワー等で頭から全身をよく洗うこと。  ※一般的に、病気の予防には日常の健康管理が大切であり、睡眠を十分にとり、バランスのれた食生活

を心がけること。

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防護具脱衣指導(1)防護具脱衣指導(1)   脱衣は、二次汚染を防止するために、何カ所かのポイントを移動しながら消毒・

脱衣を順番に繰り返行う。手順の途中で不潔になったときは、その都度アルコール消毒すること。

(具体的脱衣手順)

1) 現地鶏舎を出たところで以下の消毒脱衣を行う   ①靴底を洗う   ②靴底の消毒   ③消毒薬を全身に噴霧   ④外側手袋の水洗い    ※外側手袋の汚れがひどいときは水洗いして、よく拭き取っておくこと。

2) 前へ移動する   ①外側手袋のアルコール消毒   ②外側手袋を脱ぐ   ③内側手袋のアルコール消毒   ④フルフェイスマスクをとる   ⑤内側手袋のアルコール消毒   ⑥エプロンを脱ぐ(紐を引きちぎる又はハサミ等で切る)   ⑦内側手袋のアルコール消毒

3) 前へ移動する    ①ゴーグルをとる

   ②内側手袋消毒

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防護具脱衣指導(2)防護具脱衣指導(2)4) 前へ移動する

   ①防護服を脱ぐ(内側をもって中表になるように脱ぐ)   ②ズボンと同時にシューズカバーも脱ぐ   ③内側手袋のアルコール消毒

5) 前へ移動する   ①マスクを外す(皮膚に触れないこと)   ②マスクを外した手袋を消毒

6) 前へ移動する   ①内側手袋を脱ぐ   ②手指消毒   ③長靴を脱ぎ、簀の子にのる   ④自分の靴を履き替える(手を使わないように)

7) 前へ移動する    ①手洗いとイソジンガーグルでうがいをする

   ②自分の荷物を取りに行く   ③着衣

   →バス又は徒歩で健診会場へ

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防疫作業従事者等健康観察防疫作業従事者等健康観察

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健康管理区分健康管理区分

区分区分 健康管理の方法健康管理の方法

AA 毎日朝夕2回体温測定と症状観察し、保健所から毎日電話等で確認する。毎日朝夕2回体温測定と症状観察し、保健所から毎日電話等で確認する。

BB 毎日朝夕2回体温測定と症状観察し、週2回曜日を決めて保健所へ報告を依頼する。毎日朝夕2回体温測定と症状観察し、週2回曜日を決めて保健所へ報告を依頼する。

CC 毎日朝夕1回体温測定と症状観察し、38℃以上の発熱またはインフルエンザ様症状、結膜炎毎日朝夕1回体温測定と症状観察し、38℃以上の発熱またはインフルエンザ様症状、結膜炎症状があれば保健所へ報告するように依頼する。症状があれば保健所へ報告するように依頼する。

DD 38℃以上の発熱やインフルエンザ様症状、結膜炎症状がみられた場合は、保健所へ連絡す38℃以上の発熱やインフルエンザ様症状、結膜炎症状がみられた場合は、保健所へ連絡するよう依頼する。るよう依頼する。

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防疫作業従事者等健康観察防疫作業従事者等健康観察

対象者対象者 観察期間観察期間 管理区分管理区分

○防疫調査従事期間中○防疫調査従事期間中 AA会場確認会場確認

○防疫業務に 後に従事した○防疫業務に 後に従事した

 日から起算して7日間 日から起算して7日間BB

○防疫作業従事期間中○防疫作業従事期間中 AA会場確認会場確認

○防疫業務に 後に従事した○防疫業務に 後に従事した

 日から起算して7日間 日から起算して7日間BB

○防疫作業期間中○防疫作業期間中 CC会場確認会場確認

○防疫作業に 後に従事した○防疫作業に 後に従事した

 日から起算して7日間 日から起算して7日間DD

③③

■消毒ポイントにおける車両等消毒従事者■消毒ポイントにおける車両等消毒従事者

②②

■発生農場における防疫作業従事者■発生農場における防疫作業従事者

  ・殺処分  ・殺処分

  ・死体焼埋却  ・死体焼埋却

  ・汚染物品の処理  ・汚染物品の処理

  ・消毒等  ・消毒等

①①

■発生農場における以下の疫学調査従事者■発生農場における以下の疫学調査従事者

  ・感染家  ・感染家きんきん調査調査

  ・養鶏農家従業員家族等接触者調査  ・養鶏農家従業員家族等接触者調査

※なお、家きんの以上に関する連絡を受け、飼養舎に立入検査を行う家畜防疫員及び動物、鳥類のウイルス検査に従事する者は、常に自身の健康状態に留意するとともに、業務に従事している期間中及び 後の業務に従事した日から起算して7日間は、毎日2回の体温測定と健康観察を行い、38℃以上の発熱またはインフルエンザ様症状または結膜炎症状があった場合は、直ちに保健所へ連絡する。

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養鶏農家従事者等健康観察養鶏農家従事者等健康観察

対象者対象者 期間期間 管理区管理区分分

○飼養舎への 終立入日又は鳥やその○飼養舎への 終立入日又は鳥やその

 排泄物等、感染の恐れのあるものとの 排泄物等、感染の恐れのあるものとの

 終接触日から起算して7日間 終接触日から起算して7日間

AA

○上記期間が経過した後家畜伝染病予防○上記期間が経過した後家畜伝染病予防

 法第32条第1項による移動制限期間 法第32条第1項による移動制限期間DD

○ 後に食鳥処理又は食用卵の集配業○ 後に食鳥処理又は食用卵の集配業

 務に従事した日から起算して7日間 務に従事した日から起算して7日間AA又は又は

BB

○上記期間が経過した後家畜伝染病予防○上記期間が経過した後家畜伝染病予防

 法第32条第1項による移動制限期間 法第32条第1項による移動制限期間DD

③③

■疫学関連農場従事者■疫学関連農場従事者 ○当該疫学関連農場に関して家畜伝染病○当該疫学関連農場に関して家畜伝染病

 予防法第14条第3項または第32条 予防法第14条第3項または第32条第1第1

 項による移動制期間 項による移動制期間

CC

④④

■家畜伝染病予防法第32条の規■家畜伝染病予防法第32条の規

 定に基づき県が定める移動制限 定に基づき県が定める移動制限

 区域内に居住する養鶏農家従事者 区域内に居住する養鶏農家従事者

○同上○同上 DD市町村市町村実施実施

②②

■発生農場由来の家きんの食鳥処■発生農場由来の家きんの食鳥処

 理、家 理、家きんきん卵の集配に従事した者卵の集配に従事した者

■食鳥検査員■食鳥検査員

■その他必要と認められる者■その他必要と認められる者

①①

■発生農場の従事者、その家族■発生農場の従事者、その家族

■発生農場の家■発生農場の家きんにきんに 初に異常初に異常

 が認められた日の前7日以内に飼 が認められた日の前7日以内に飼

 養舎に出入りした者 養舎に出入りした者

■その他必要と認められる者■その他必要と認められる者

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移動制限区域内食鳥処理施設等監視指導移動制限区域内食鳥処理施設等監視指導

1)移動制限区域内の食鳥処理施設・GPセンター等指導  県内の養鶏農家で高病原性鳥インフルエンザが発生した場合、移動制限区域内の食鳥処理施設及びGPセンターに対して食鳥肉及び卵の取扱状況の確認について協要請を行うとともに畜産サイド(鳥インフルエンザ対策本部が設置された場合は本部)の指示に基づく施設の消毒及び汚染物品の処理に協力するものとする。    

   さらに、制限区域外の食鳥処理施設及びGPセンターについても当該農家からの取扱状況等について確認する。

   また、食鳥処理施設から鳥インフルエンザに関する相談を受けた場合は、保健所の食鳥査員は食品衛生検査所食肉検査課食鳥担当と連携をとり、鳥インフルエンザの簡易検査を実施するものとし、陽性の場合、家畜保健衛生所に確認検査を依頼する。

2)移動禁止区域内の飼養動物等の指導及び状況把握 鳥インフルエンザが発生した場合の野鳥や飼養動物の所管については、現時点では明確にはなっていないが、対策本部の指示の下、農林サイドの農業振興事務所、家畜保健衛生所、健康安全局サイドの保健所等が協議連携しながら遺漏なきように努める。とりわけ、鳥インフルエザ発生時においては、これら家きん以外の発生状況を把握することが感染拡大防止に重要であることから情報の共有を図ること。

3)対象施設従事者説明会移動制限区域内の食鳥処理施設やGPセンタ-に対して、説明会を開催する。 

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相談窓口設置・住民啓発等相談窓口設置・住民啓発等

    周辺住民の健康不安や相談に対応するため、市町村の協力連携の下、保健所及び市町村保健センター等に相談窓口を設置するとともに住民説明会を開催するなど、高病原性鳥インフルエンザの正しい知識の普及や感染防止の啓発を行う。

ア)相談窓口の設置 人の健康に関する住民からの相談に対応するため、保健所及び市町村保健センター等に相談窓口を設置する。その際、保健所と市町村はあらかじめ対応について協議し、共通理解のもと方針を共有しておくこと。

  イ)住民説明会の開催 必要に応じて、市町村及び家畜保健衛生所等と連携して当該養鶏場の周辺住民に対し、高病原性鳥インフルエンザに係る正しい知識の提供及び感染防止策などの説明を行う。

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防疫対応スケジュール防疫対応スケジュール  66~~88日日 防疫措置完了後防疫措置完了後

      21日間21日間4~5日4~5日3日3日2日2日1日1日

 

立入検査  消 毒

病性鑑定

移動制限解除

焼埋却

追跡調査

  

HPAI決定

 

防疫措置完了

       移 動 規 制 ・消 毒

  

通 

初動防疫

経過日数

発生地

周辺

移動制限 半径10km

消 毒

移動自粛

追跡調査

殺処分

検診

縮小

消毒 消毒

 評価

検診検 診

健康調査

防疫従事者の健康管理

健診・予防内服・予防接種・モニタリング

モニタリング

発生地

作業後7日間

周辺 健康調査・モニタリング

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作業従事者の算定作業従事者の算定

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家畜保健衛生所等防疫作業従事者の概算(1)家畜保健衛生所等防疫作業従事者の概算(1)

項目項目 職種・作業内容等職種・作業内容等 人数個所数等人数個所数等 日数日数 延べ人数延べ人数

病性鑑定(発生)病性鑑定(発生) 獣医師獣医師 2人×2班2人×2班 11 44

10km及び疫学関連農場10km及び疫学関連農場 2人×3班2人×3班 33 1818

県内養鶏農場県内養鶏農場 2人×5班2人×5班 33 3030

消毒ポイント消毒ポイント 市町村職員市町村職員 3人×6個所3人×6個所 77 126126

家畜防疫員家畜防疫員 8人8人 11 88

防疫補助員防疫補助員 16人16人 11 1616

家畜防疫員家畜防疫員 1人1人 11 11

郡山市農林課長郡山市農林課長 1人1人 11 11

畜産家経験者畜産家経験者 1人1人 11 11

指示監督指示監督 1人×2鶏舎1人×2鶏舎 22 44

鶏取り出し運搬鶏取り出し運搬 4人×4班×2交替4人×4班×2交替 22 6464

ガス班ガス班 3人×2班×2交替3人×2班×2交替 22 2424

作業者サポート作業者サポート 3人×2鶏舎×2交替3人×2鶏舎×2交替 22 2424

殺処分殺処分

評価評価

死亡鶏数カウント死亡鶏数カウント

検診(決定後)検診(決定後)

【農林サイド】

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家畜保健衛生所等防疫作業従事者の概算(2)家畜保健衛生所等防疫作業従事者の概算(2)

項目項目 職種・作業内容等職種・作業内容等 人数個所数等人数個所数等 日数日数 延べ人数延べ人数

除糞作業除糞作業 15人×2鶏舎×2交替15人×2鶏舎×2交替 22 120120

飼料除去作業飼料除去作業 タンク班5人タンク班5人 11 55

その他10人その他10人 11 1010

集卵作業集卵作業 6人6人 11 66

指令役(家畜防疫員)指令役(家畜防疫員) 2人2人 44 88

技術者(防疫補助)技術者(防疫補助) 20人20人 44 8080

10km養鶏農家10km養鶏農家 2人×2班2人×2班 22 88

県内養鶏農場県内養鶏農場 2人×4班2人×4班 22 1616

10km及び疫学関連農場10km及び疫学関連農場 2人×2班2人×2班 22 88

県内養鶏農場県内養鶏農場 2人×2班2人×2班 22 88

5km及び疫学関連農場5km及び疫学関連農場 2人2人 22 44検診(第二次21日目)検診(第二次21日目)

県内養鶏農家県内養鶏農家 2人2人 22 44

延べ人数計延べ人数計 598598

消毒・検診対象者数消毒・検診対象者数 550550

検診(第二次10日目)検診(第二次10日目)

検診(第一次清浄)検診(第一次清浄)

焼埋却焼埋却

除糞除糞

【農林サイド】

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保健所防疫作業従事者の概算保健所防疫作業従事者の概算

班班 職種作業内容等職種作業内容等 人数個所数等人数個所数等 日数日数 延べ人数延べ人数

総合調整班総合調整班 保健所保健所 33 1414 4242

保健所保健所 55 1414 7070疫学調査班疫学調査班

市町村市町村 1010 1414 140140

受付受付 55 44 2020

事前説明事前説明 44 44 1616

問診・検温・血圧問診・検温・血圧 88 44 3232

診察診察 88 44 3232

インフルエンサ問診・接種インフルエンサ問診・接種 88 44 3232

タミフル投与タミフル投与 22 44 88

防護服着用防護服着用 33 44 1212

救護所救護所 33 44 1212

消毒脱衣補助等消毒脱衣補助等 66 44 2424

消毒うがい消毒うがい 11 44

フォローフォロー 33 1414 4242

GPセンターGPセンター 22 77 1414

相談窓口相談窓口 22 1414 2828

食鳥処理食鳥処理 22 77 1414

指導班指導班

健康管理班健康管理班

44

延べ人数計延べ人数計 542542

【健康サイド】

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【机上演習の結果及び考察】

   発生農場の消毒・殺処分・除糞等汚染物品(フレコンパック271袋分)処理及び疫学関連農場等対策も含め、防疫対策完了まで約1ヶ月を要した。

   発生農場及び周辺対策として、家畜防疫で延べ598人、防疫従事者健康管理及び食品対策で延べ542人で、計1,140人を要すると推計された。

   机上演習は関係機関・職種間の連携を図る上で有意義であった。

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(奈良県健康安全局感染症発生時対応訓練)