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惣菜ホットニュース 1
No.02102017年2月15日 発行
http://www.nsouzai-kyoukai.or.jp
生春巻き
大和一彦代表取締役社長
他社と差別化した“とんがった”商品づくり
大和一彦代表取締役社長は「国分の生産基地
として、他社と差別化できる“とんがった商品”をた
を防ぐ。
野菜の異物除去の徹底では、異物除去洗浄機、
多槽型洗浄機など最新の設備を導入し、最終工
程で目視検査をし、モニタリングで出た虫は公表
して注意喚起している。また工場長が部長となる
施設管理部を新たに創設し、床材や壁の破片など
異物を内部発生させていないかも含めて毎日生
産現場を見回っている。
原点は戸田工場、初心を忘れず
同社の戸田工場は完成から6年たっても新しいと
言われている。戸田工場の工場管理レベルを踏襲す
るために、戸田工場から李龍勝氏が生産本部習志野
工場工場長に就任した。李工場長はアルバイトとし
て戸田工場に就業し、工場長の重責に着いている。
「毎日の見回りは、どうしても同じ所を見てしまうの
で、見方を変えるようにしている。各人に完成時の自
分の持ち場の写真をPCデスクトップ画面にしてもら
い、慣れが常態化しないようにしている」と李工場長
は初心を忘れないように従業員教育に腐心する。完
成から1年半を経て、これまでは生産と集荷に集中
してきたが、これから原点に戻ってライン現場の改
善、整理整頓しやすい環境の見直し、労災防止、ライ
ン相互の調整など効率化に取り組んでいく。
納入先は40~50社、機械化と人の感性の両輪で
工場では40~50社の商品を生産している。習
志野工場のテーマは機械化できるところは機械
で、手をかけるところは手をかけて高品質商品を
作ることである。生産ラインでは、最終的に人の感
覚が重要になる。特に昨年の夏以降は天候不順
による野菜不足のため、虫が付いていても虫食い
でも野菜を受け入れて、万全な体制で品質を維持
した。
デリシャス・クックが目指しているのは、レストラ
ンのできたてである。完成品の何が良いのかとい
うことがわかる“絶対”の人が戸田工場にいるので
機械化で難しくなっている部分もあるが、この習
志野工場でもデリシャス・クックの良さである手作
り感を残したぶれない商品作りを実現している。
「五感でエラーを感じ取ろう。工場のラインを止
めた時には褒める。勇気ある遅配をしようと言っ
ている」と若林裕執行役員生産本部長兼購買部
長は語る。習志野工場は収益も含めて盤石に育て
るのはこれから。機械はボタン一つで動くが、五感
で機械の調子を感じてエラーに気づかないとリス
クを大きくしてしまう。トラブルがあったときの速
やかな復旧は日頃の教育にある。
また、工場内では100㎡の植物工場で良質な香
草類を育てている。害虫対策、付加価値のある野
菜の生産・供給、仕入れコストの安定化、従業員
教育・啓発活動を目的として導入した。
習志野工場の最新鋭設備
おいしさと生産性強化として微酸性電解水(時
間生産量10t)を3台設置して1日の使用可能量
720tで全館配備し、野菜洗浄・手洗い・清掃にま
で使用して、塩素臭のない野菜本来の味を提供。
包あん機では従来の既製品を内製化に取り組み、
つくね、ハンバーグ、餃子などを素材から製造。炊
飯ラインは一釜炊き炊飯システムに最新技術の
無水洗米を採用してピラフや炊き込みご飯のバリ
エーションを増やしている。加圧・減圧加熱攪拌
(かくはん)機では、高温短時間調理の加圧調理で
シチュー、カレー、煮込み料理を、低温浸透の減圧
調理では煮物類などを生産する。他に、過熱水蒸
気オーブン、フラット型炒め機、美しくシャープな
カット面で商品のおいしさを引き立たせる全自動
サンドイッチスライサーを導入。そして、55.18㎡
の急速冷凍庫は急速冷凍庫と保管庫の二つの機
能を持つ。環境・災害対策としては、工業用水ろ過
システムを導入し、総量規制基準(汚濁物質の排
水量が、国が定める全国一律基準より厳しく制
限)に基づき、東京湾に排水できるレベルまで浄
化。水質検査結果は自動記録で管理し、環境にも
安全安心な対応をしている。
国分グループ本社の子会社で首都圏エリアの惣菜事業の中核となるデリシャス・クック㈱は、需要増加に伴い生産数が急激に増加したことから千葉工場を移転・新築によって旧工場の2.5倍の生産能力を備える習志野工場を2015年10月に完成した。それまでの米飯類中心の工場から最新設備を投入してチルドも含む惣菜の全カテゴリーを12万食/日を生産する主力工場となった。新工場稼働の苦労と今後の展望を聞いた。
デリカの国分ブランドを作り上げる!
デリシャス・クック㈱習志野工場(千葉)
くさん作りたい。国分の武器として上質な惣菜ブ
ランドを築き上げたい。国分のコールドチェーン
ができれば、全国展開、海外展開したい」と、価格
競争とは一線を画す将来展望を語る。
安全安心&フードディフェンス対策
施設の特長は作業区域を分けて商品の汚染や
コンタミネーションを防止し、入荷から出荷までの
ワン・ウエー設計・管理を行っていることである。
フードディフェンスとしては、食品防御対策ガイド
ライン(2011年/厚生労働省)に準拠し、敷地内
の出入りするすべての人や車をセキュリティー
ゲートでチェック、建物には防犯カメラを90台設
置、そしてICカードを採用。個人のICタグと指
透過認証も採用した。これにより、入った履歴と出
た履歴が無いと翌日工場に入れず、不審者の侵入
惣菜ホットニュース 2
トルティーヤ(ハムチーズ) 鶏団子 鶏唐揚げのパスタサラダ
他社と差別化した“とんがった”商品づくり
大和一彦代表取締役社長は「国分の生産基地
として、他社と差別化できる“とんがった商品”をた
を防ぐ。
野菜の異物除去の徹底では、異物除去洗浄機、
多槽型洗浄機など最新の設備を導入し、最終工
程で目視検査をし、モニタリングで出た虫は公表
して注意喚起している。また工場長が部長となる
施設管理部を新たに創設し、床材や壁の破片など
異物を内部発生させていないかも含めて毎日生
産現場を見回っている。
原点は戸田工場、初心を忘れず
同社の戸田工場は完成から6年たっても新しいと
言われている。戸田工場の工場管理レベルを踏襲す
るために、戸田工場から李龍勝氏が生産本部習志野
工場工場長に就任した。李工場長はアルバイトとし
て戸田工場に就業し、工場長の重責に着いている。
「毎日の見回りは、どうしても同じ所を見てしまうの
で、見方を変えるようにしている。各人に完成時の自
分の持ち場の写真をPCデスクトップ画面にしてもら
い、慣れが常態化しないようにしている」と李工場長
は初心を忘れないように従業員教育に腐心する。完
成から1年半を経て、これまでは生産と集荷に集中
してきたが、これから原点に戻ってライン現場の改
善、整理整頓しやすい環境の見直し、労災防止、ライ
ン相互の調整など効率化に取り組んでいく。
納入先は40~50社、機械化と人の感性の両輪で
工場では40~50社の商品を生産している。習
志野工場のテーマは機械化できるところは機械
で、手をかけるところは手をかけて高品質商品を
作ることである。生産ラインでは、最終的に人の感
覚が重要になる。特に昨年の夏以降は天候不順
による野菜不足のため、虫が付いていても虫食い
でも野菜を受け入れて、万全な体制で品質を維持
した。
デリシャス・クックが目指しているのは、レストラ
ンのできたてである。完成品の何が良いのかとい
うことがわかる“絶対”の人が戸田工場にいるので
機械化で難しくなっている部分もあるが、この習
志野工場でもデリシャス・クックの良さである手作
り感を残したぶれない商品作りを実現している。
「五感でエラーを感じ取ろう。工場のラインを止
めた時には褒める。勇気ある遅配をしようと言っ
ている」と若林裕執行役員生産本部長兼購買部
長は語る。習志野工場は収益も含めて盤石に育て
るのはこれから。機械はボタン一つで動くが、五感
で機械の調子を感じてエラーに気づかないとリス
クを大きくしてしまう。トラブルがあったときの速
やかな復旧は日頃の教育にある。
また、工場内では100㎡の植物工場で良質な香
草類を育てている。害虫対策、付加価値のある野
菜の生産・供給、仕入れコストの安定化、従業員
教育・啓発活動を目的として導入した。
習志野工場の最新鋭設備
おいしさと生産性強化として微酸性電解水(時
間生産量10t)を3台設置して1日の使用可能量
720tで全館配備し、野菜洗浄・手洗い・清掃にま
で使用して、塩素臭のない野菜本来の味を提供。
包あん機では従来の既製品を内製化に取り組み、
つくね、ハンバーグ、餃子などを素材から製造。炊
飯ラインは一釜炊き炊飯システムに最新技術の
無水洗米を採用してピラフや炊き込みご飯のバリ
エーションを増やしている。加圧・減圧加熱攪拌
(かくはん)機では、高温短時間調理の加圧調理で
シチュー、カレー、煮込み料理を、低温浸透の減圧
調理では煮物類などを生産する。他に、過熱水蒸
気オーブン、フラット型炒め機、美しくシャープな
カット面で商品のおいしさを引き立たせる全自動
サンドイッチスライサーを導入。そして、55.18㎡
の急速冷凍庫は急速冷凍庫と保管庫の二つの機
能を持つ。環境・災害対策としては、工業用水ろ過
システムを導入し、総量規制基準(汚濁物質の排
水量が、国が定める全国一律基準より厳しく制
限)に基づき、東京湾に排水できるレベルまで浄
化。水質検査結果は自動記録で管理し、環境にも
安全安心な対応をしている。
くさん作りたい。国分の武器として上質な惣菜ブ
ランドを築き上げたい。国分のコールドチェーン
ができれば、全国展開、海外展開したい」と、価格
競争とは一線を画す将来展望を語る。
安全安心&フードディフェンス対策
施設の特長は作業区域を分けて商品の汚染や
コンタミネーションを防止し、入荷から出荷までの
ワン・ウエー設計・管理を行っていることである。
フードディフェンスとしては、食品防御対策ガイド
ライン(2011年/厚生労働省)に準拠し、敷地内
の出入りするすべての人や車をセキュリティー
ゲートでチェック、建物には防犯カメラを90台設
置、そしてICカードを採用。個人のICタグと指
透過認証も採用した。これにより、入った履歴と出
た履歴が無いと翌日工場に入れず、不審者の侵入
惣菜ホットニュース 3
目視による野菜の異物除去 工場内の植物工場
習志野工場外観
他社と差別化した“とんがった”商品づくり
大和一彦代表取締役社長は「国分の生産基地
として、他社と差別化できる“とんがった商品”をた
を防ぐ。
野菜の異物除去の徹底では、異物除去洗浄機、
多槽型洗浄機など最新の設備を導入し、最終工
程で目視検査をし、モニタリングで出た虫は公表
して注意喚起している。また工場長が部長となる
施設管理部を新たに創設し、床材や壁の破片など
異物を内部発生させていないかも含めて毎日生
産現場を見回っている。
原点は戸田工場、初心を忘れず
同社の戸田工場は完成から6年たっても新しいと
言われている。戸田工場の工場管理レベルを踏襲す
るために、戸田工場から李龍勝氏が生産本部習志野
工場工場長に就任した。李工場長はアルバイトとし
て戸田工場に就業し、工場長の重責に着いている。
「毎日の見回りは、どうしても同じ所を見てしまうの
で、見方を変えるようにしている。各人に完成時の自
分の持ち場の写真をPCデスクトップ画面にしてもら
い、慣れが常態化しないようにしている」と李工場長
は初心を忘れないように従業員教育に腐心する。完
成から1年半を経て、これまでは生産と集荷に集中
してきたが、これから原点に戻ってライン現場の改
善、整理整頓しやすい環境の見直し、労災防止、ライ
ン相互の調整など効率化に取り組んでいく。
納入先は40~50社、機械化と人の感性の両輪で
工場では40~50社の商品を生産している。習
志野工場のテーマは機械化できるところは機械
で、手をかけるところは手をかけて高品質商品を
作ることである。生産ラインでは、最終的に人の感
覚が重要になる。特に昨年の夏以降は天候不順
による野菜不足のため、虫が付いていても虫食い
でも野菜を受け入れて、万全な体制で品質を維持
した。
デリシャス・クックが目指しているのは、レストラ
ンのできたてである。完成品の何が良いのかとい
うことがわかる“絶対”の人が戸田工場にいるので
機械化で難しくなっている部分もあるが、この習
志野工場でもデリシャス・クックの良さである手作
り感を残したぶれない商品作りを実現している。
「五感でエラーを感じ取ろう。工場のラインを止
めた時には褒める。勇気ある遅配をしようと言っ
ている」と若林裕執行役員生産本部長兼購買部
長は語る。習志野工場は収益も含めて盤石に育て
るのはこれから。機械はボタン一つで動くが、五感
で機械の調子を感じてエラーに気づかないとリス
クを大きくしてしまう。トラブルがあったときの速
やかな復旧は日頃の教育にある。
また、工場内では100㎡の植物工場で良質な香
草類を育てている。害虫対策、付加価値のある野
菜の生産・供給、仕入れコストの安定化、従業員
教育・啓発活動を目的として導入した。
習志野工場の最新鋭設備
おいしさと生産性強化として微酸性電解水(時
間生産量10t)を3台設置して1日の使用可能量
720tで全館配備し、野菜洗浄・手洗い・清掃にま
で使用して、塩素臭のない野菜本来の味を提供。
包あん機では従来の既製品を内製化に取り組み、
つくね、ハンバーグ、餃子などを素材から製造。炊
飯ラインは一釜炊き炊飯システムに最新技術の
無水洗米を採用してピラフや炊き込みご飯のバリ
エーションを増やしている。加圧・減圧加熱攪拌
(かくはん)機では、高温短時間調理の加圧調理で
シチュー、カレー、煮込み料理を、低温浸透の減圧
調理では煮物類などを生産する。他に、過熱水蒸
気オーブン、フラット型炒め機、美しくシャープな
カット面で商品のおいしさを引き立たせる全自動
サンドイッチスライサーを導入。そして、55.18㎡
の急速冷凍庫は急速冷凍庫と保管庫の二つの機
能を持つ。環境・災害対策としては、工業用水ろ過
システムを導入し、総量規制基準(汚濁物質の排
水量が、国が定める全国一律基準より厳しく制
限)に基づき、東京湾に排水できるレベルまで浄
化。水質検査結果は自動記録で管理し、環境にも
安全安心な対応をしている。
デリシャス・クック㈱習志野工場完 成:2015年代 表 者:代表取締役社長 大和 一彦 氏製 造 品 目:サラダ、スープ・惣菜、サンドイッ チ、おにぎり、巻物(生春巻き・ トルティーヤ)、その他従 業 員 数:520名住 所:本社=中央区日本橋1-2-6 習志野工場=千葉県習志野市東習志野7-1-25工 場 面 積:敷地面積約1万0433㎡、建物面積約 4839㎡。延床面積約6765㎡。 鉄骨造りの地上2階建て。電 話:047-475-6511
くさん作りたい。国分の武器として上質な惣菜ブ
ランドを築き上げたい。国分のコールドチェーン
ができれば、全国展開、海外展開したい」と、価格
競争とは一線を画す将来展望を語る。
安全安心&フードディフェンス対策
施設の特長は作業区域を分けて商品の汚染や
コンタミネーションを防止し、入荷から出荷までの
ワン・ウエー設計・管理を行っていることである。
フードディフェンスとしては、食品防御対策ガイド
ライン(2011年/厚生労働省)に準拠し、敷地内
の出入りするすべての人や車をセキュリティー
ゲートでチェック、建物には防犯カメラを90台設
置、そしてICカードを採用。個人のICタグと指
透過認証も採用した。これにより、入った履歴と出
た履歴が無いと翌日工場に入れず、不審者の侵入