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厚生労働科学研究費補助金子ども家庭総合研究事業 分担研究報告 鳥取県西部地区における軽度発達障害児の発見と対応システム作りに関する研究 分担研究者 前垣義弘 鳥取大学医学部付属病院脳神経小児科助教授 要旨:1)鳥取県西部地区で行った平成17年度の5歳児健診の結果をまとめた。受 健児276名中24例(8.7%)が軽度発達障害を疑われた。軽度精神遅滞(MR、10例) 疑い児は、全般的に通過率が低く、特に会話と概念、上肢および下肢の協調運動の 通過率が不良であった。注意欠陥/多動性障害(ADHD、9例)疑い児は行動制御と 上肢の協調運動、概念の通過が不良であった。広汎性発達障害(PDD、4例)疑い児 は、会話と上肢の協調運動、行動制御の通過が不良であった。2)A町で過去8年間 に実施した5歳児健診受健児(279名)の家族にアンケート調査を行った(有効回答 数232(83.2%))。発達障害の診断が医療・療育機関からなされているのは9名 (3。9%)であった:ADHD3、PDD2、LD2、MR2。5歳児健診の感度は66.7%、特異度 は85.2%であった。5歳児健診をきっかけにr発達障害に気づき」、現在、学校・家庭 での適応が良好である例も確認できた。5歳児健診に対する家族の満足度(100点満 点)が高かった18G点以上は71.2%であった。今回の研究から、5歳児健診は発達障 害の気づきの場としての有用性が示された。今後の課題として、健診方法の見直しと 健診後の事後相談のシステム作りが挙げられる。 研究協力者 関あゆみ 鳥取大学地域学部 A.研究目的 鳥取県では平成8年度より、一部地域で5歳児健 康診査(5歳児健診)が試行的に始まり、県全域に広 がりつつある。平成18年度にはほぼ全ての市町村で 5歳児健診あるいは健康相談を行うにいたった。本研 究は、当地域で実施している5歳児健診の結果をもと に、軽度発達障害児の発見と対応システム作りを目 的とする。 最終年度である本年度は、以下の2点についての 研究を行った。①平成17年度に実施した5歳児健診 の結果をもとに、発達障害児を疑う診察所見を見出 す。②過去に5歳児健診を受けた児の家族を対象に アンケート調査を行い、5歳児健診の有用性と問題 点を明らかにする。 B.研究方法 ①平成17年度の5歳児健診のまとめ 鳥取県西部地区のうち、平成17年度に鳥取大学 医学部脳神経小児科が5歳児健診を担当した5町の 5歳児健診の結果を集計する。医師の診察において は、知的能力と行動特性を中心に診察を行った(表 1)。診察所見と発達障害診断名(疑い)の関連を検 討した。 ②予後アンケート A町において過去8年間に実施した5歳児健診を 受けた児の家族に対して、5歳児健診の評価ならび に現在の児の状態についてアンケ絶ト調査を行った (表2)。アンケートは、鳥取大学医学部脳神経小児 科とA町福祉保健課が共同で実施した。アンケート 調査は、無記名で実施し、個人を特定できないように 配慮した。5歳児健診で発達障害を疑われたかどう かのみを判別できるように、アンケート用紙に番号を 付記した。アンケート用紙の配布と回収は、A町校区 内の小中学校の担任教師を介して行った。校区外の 場合は郵送にて行った。 C.結果 ①平成17年度の5歳児健診のまとめ 276名の5歳児健診受健児のうち、24名(8.7%) に発達障害が疑われた。内訳は、軽度精神遅滞・言 語発達遅滞(MR)10例(3、6%)、注意欠陥/多動性 障害(ADHD)9例(3,3%)、広汎性発達障害(PDD)4 一23一

厚生労働科学研究費補助金子ども家庭総合研究事業admin7.aiiku.or.jp/~doc/houkoku/h18/73011040.pdf · (3。9%)であった:adhd3、pdd2、ld2、mr2。5歳児健診の感度は66.7%、特異度

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厚生労働科学研究費補助金子ども家庭総合研究事業

分担研究報告鳥取県西部地区における軽度発達障害児の発見と対応システム作りに関する研究

分担研究者 前垣義弘

鳥取大学医学部付属病院脳神経小児科助教授

要旨:1)鳥取県西部地区で行った平成17年度の5歳児健診の結果をまとめた。受

健児276名中24例(8.7%)が軽度発達障害を疑われた。軽度精神遅滞(MR、10例)

疑い児は、全般的に通過率が低く、特に会話と概念、上肢および下肢の協調運動の

通過率が不良であった。注意欠陥/多動性障害(ADHD、9例)疑い児は行動制御と

上肢の協調運動、概念の通過が不良であった。広汎性発達障害(PDD、4例)疑い児

は、会話と上肢の協調運動、行動制御の通過が不良であった。2)A町で過去8年間

に実施した5歳児健診受健児(279名)の家族にアンケート調査を行った(有効回答

数232(83.2%))。発達障害の診断が医療・療育機関からなされているのは9名

(3。9%)であった:ADHD3、PDD2、LD2、MR2。5歳児健診の感度は66.7%、特異度

は85.2%であった。5歳児健診をきっかけにr発達障害に気づき」、現在、学校・家庭

での適応が良好である例も確認できた。5歳児健診に対する家族の満足度(100点満

点)が高かった18G点以上は71.2%であった。今回の研究から、5歳児健診は発達障

害の気づきの場としての有用性が示された。今後の課題として、健診方法の見直しと

健診後の事後相談のシステム作りが挙げられる。 、

研究協力者

関あゆみ 鳥取大学地域学部

A.研究目的

鳥取県では平成8年度より、一部地域で5歳児健

康診査(5歳児健診)が試行的に始まり、県全域に広

がりつつある。平成18年度にはほぼ全ての市町村で

5歳児健診あるいは健康相談を行うにいたった。本研

究は、当地域で実施している5歳児健診の結果をもと

に、軽度発達障害児の発見と対応システム作りを目

的とする。

最終年度である本年度は、以下の2点についての

研究を行った。①平成17年度に実施した5歳児健診

の結果をもとに、発達障害児を疑う診察所見を見出

す。②過去に5歳児健診を受けた児の家族を対象に

アンケート調査を行い、5歳児健診の有用性と問題

点を明らかにする。

B.研究方法

①平成17年度の5歳児健診のまとめ

鳥取県西部地区のうち、平成17年度に鳥取大学

医学部脳神経小児科が5歳児健診を担当した5町の

5歳児健診の結果を集計する。医師の診察において

は、知的能力と行動特性を中心に診察を行った(表

1)。診察所見と発達障害診断名(疑い)の関連を検

討した。

②予後アンケート

A町において過去8年間に実施した5歳児健診を

受けた児の家族に対して、5歳児健診の評価ならび

に現在の児の状態についてアンケ絶ト調査を行った

(表2)。アンケートは、鳥取大学医学部脳神経小児

科とA町福祉保健課が共同で実施した。アンケート

調査は、無記名で実施し、個人を特定できないように

配慮した。5歳児健診で発達障害を疑われたかどう

かのみを判別できるように、アンケート用紙に番号を

付記した。アンケート用紙の配布と回収は、A町校区

内の小中学校の担任教師を介して行った。校区外の

場合は郵送にて行った。

C.結果

①平成17年度の5歳児健診のまとめ

276名の5歳児健診受健児のうち、24名(8.7%)

に発達障害が疑われた。内訳は、軽度精神遅滞・言

語発達遅滞(MR)10例(3、6%)、注意欠陥/多動性

障害(ADHD)9例(3,3%)、広汎性発達障害(PDD)4

一23一

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例(L4%)、不明1例であった。

対照児(健診で問題なしと判断した児)のカテゴリー

別通過率(平均)はどの項目も80%以上と良好であ

った(図1)。MR疑い児は、全般的に通過率が低く、

特に会話と概念、上肢および下肢の協調運動の通

過率が不良であった。ADHD疑い児は行動制御と上

肢の協調運動、概念の通過が不良であった。PDD疑

い児は、会話と上肢の協調運動、行動制御の通過が

不良であった。今回のPDDの診察所見の通過率が

全般的に低いのは、診察に協力的でなかった児(殆

ど不通過)が含まれていたためである。いずれのグル

ープも平均で見ると上記の傾向を認めたが、個々の

症例ごとのばらつきが大きかった。

②予後アンケート

5歳児健診を実施した279名に対してアンケートを

配布し、237名より回答を得た。そのうち、回答に不備

の見られた5名を除く232名(83.2%)を調査対象とし

た。5歳児健診で発達に関する指摘のあった51名中

39名(76.5%)で回答が得られた。現在の年齢は6歳

(小学校1年)から14歳(中学校2年〉である。

発達障害の診断が医療・療育機関からなされてい

るのは9名(3.9%)であった。5歳児健診で、発達に

関する指摘があった39名のうち6名(15.4%)が発達

障害の診断を受けていた。

5歳児健診での指摘(人数)

多動・落ちつきのなさ(誰3)→

自閉傾向(1〉      →

ことばや理解の遅れ(13)→

LD(2)       →

その他(9)     →

場薗かんもく(4)

視線合いにくい(2)

しりとり不可(2)

幼い(肇〉

正常(193) →

発達障害の診断(人数)

LD(肇〉

OMR(2〉、PDD(1)、LD(屡)

PDD(1)

0

ADHD(3)

 多動や落ち着きのなさなどのADHD様の指摘のあ

った13名のうち1名は後にLDの診断を受けている。

自閉傾向を指摘された1名は、発達障害の診断は受

けていない。ことばや理解の遅れを指摘されていた

13名は、MR2名、PDDl名、LD1名と診断されている。

正常と診断された193名中3名は後にADHDの診断を受けている。ただし、1名は、健診前よりADHDと

診断されていた。

 5歳児健診後に医療機関や療育機関などの専門

機関を受診した児は、発達に関する指摘のあった39

名中12例(30.8%)に過ぎなかった(もともと受診して

いた児が2名含まれる)。発達に関する指摘のなかっ

た193名のうち11名が5歳児健診後に専門機関を

受診していた。1名は、健診前よりADHDと診断され

ていた児であった。残り10名中9名は、健診時に発

達に関しての不安を家族が持っていた例であり、家

族の希望で専門機関を受診したと考えられる。この

10名のうち、受診後に発達障害の診断を受けた例は

なかった。

現在の所属学級や学校・家庭での心配事、および

5歳児健診の満足度を、5歳児健診で発達に関する

指摘のあった群となかった群に分けて表3に示す。

所属学級は、発達に関する指摘のあった児2名以外

は、普通学級に通っている。学校関連の心配事で2

群に差のあったのは、友達関係と学業不振のみであ

った。教師との関係には差を認めず、両群とも不登校

は0であった。

家庭での心配事では、食事に関する心配事のみ両

群で差があった。

一方、5歳児健診当時の心配事や乳幼児期の育て

にくさを、発達障害の診断のされている9例(発達障

害例)とそれ以外の233例(対象例)に分けて検討し

た(表4)。発達障害例の家族の殆どは、健診当時に

心配事があった。特にことばや発達の遅れが高率で、

以下、こだわり、友達関係、かんしゃく、落ち着きのな

さの順であった。同様に発達障害例の家族は、育て

にくさを高率にしかも複数の項目について感じていた

ことが分かる。対象例の家族も半数は何らかの育て

にくさを感じていることも明らかとなったが、たいてい

はひとつの項目のみであった。

5歳児健診の満足度(100点満点)は、80点以上は

両群とも70%以上で良好であった(表3)。60点以上

の満足度と回答したのは、両群とも約90%であった。

満足であった点(複数回答)は、両群とも医師の診察

やアドバイスが高く、就学相談・保健指導・栄養指導

なども挙げられていた(図2)。発達に関する指摘のあ

った児では、保育士の同席に対してよい印象を持っ

ている率が高かった。一方、この点に関してプライバ

シーの点で好ましくないとする意見も少数ではあるが

見られた。不満であった点は、両群とも待ち時間の長

さであった(図3)。保健指導・栄養指導に対する不満

一24一

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も少数見られた。

D.考察

平成17年度の5歳児健診のまとめから、ある程度

は障害別に診察所見の特徴が明らかとなった。知的

障害児(疑い)の場合には、全般的に通過が悪く、そ

の中でも特に知能に関係する所見(会話と概念)で

通過が悪いことで比較的判断は容易であることが確

認された。ADHD(疑い)の場合は、行動制御の通過

が悪く、発見する上での重要な所見である。PDD(疑

い)では、個々のばらつきが大きいため、診察項目の

みでの判断は困難であると考える。ADHDとPDDは、

診察項目から高率に発見することは困難であり、診

察態度や普段の行動から判断することが重要である。

これらを発見する場合、家族や保育園からの情報が

非常に重要である。

5歳児健診の予後アンケートから3.9%が現在まで

に発達障害の診断を受けていることが明らかになっ

た。5歳児健診で9名中6名を予測したことになるの

で感度は66.7%となる(擬陰性率は33.3%)。特異度

は、85.2%(擬陽性率は14.8%)となる。軽度発達障

害の診断は容易ではないこと、5歳児健診は確定診

断の場ではなく「気づきの場である」ことを考慮すると、

この感度と特異度は妥当と考える。健診をパスしたが

後に発達障害と診断された児の家族は、健診当時に

不安や育てにくさを感じていた。このような不安に対

応する事後相談がシステム化され、容易に利用でき

るようになると発見の感度はさらに上げられるのでは

ないかと考える。

5歳児健診で指摘された症状や疑い診断名と、後

の診断名とが一致していないことが多かった。軽度発

達障害は、年齢や置かれた環境で目立っ症状が異

なるため、経過で診断名が変更されることは稀ではな

い。

アンケート調査で、多くの家族が乳幼児期にこども

の育てにくさを感じていることが明らかになった。発達

障害例の多くの家族が、複数の項目で育てにくさを

感じているのに対して、対象例の家族も54.5%と高

率ではあったが、殆どは1項目のみであった。特筆す

べきは、5歳児健診当時においても、殆どの発達障

害例の家族は心配事を持っていたのに対して、対象

例では、197.%に過ぎなかった点である。従って、こ

のような不安や育てにくさなどを聞き出しながら、「気

づき」から相談事業へと繋げていくことが重要と考え

る。

現在の所属学級は2名を除き、普通学級であった。

健診で発達に関する指摘のあった群は、指摘のなか

った群に比べ学業不振と友達関係の心配事がやや

高いが、それ以外では差がなかった。それぞれの心

配事の程度や具体的な内容は今回のアンケートから

は把握できないが、不登校はいずれもOであり、家庭

や学校での適応には大きな問題はないと推察される。

5歳児健診での気づきや指導、その後の医療・療育・

教育機関での対応が、現在の学校・家庭生活にどの

ような影響を及ぼしたかは、今回の結果からは判断

することが出来ない。自由記入欄に、5歳児健診で発

達の問題をはじめて指摘され、医療機関紹介となっ

た後、現在は大きな問題なく過ごせていると書かれた

ものが2人あった。「気づき」が良い対応につながっ

たことを示唆するものと考える。

5歳児健診の満足度は極めて高く、指導も役立った

とする感想が多かったことから、これまでの取り組み

に対する家族の評価が良好であるといえる。一方、

待ち時間に対する不満は多く、健診の進め方や内容

に工夫が必要であることも明らかとなった。

最後に、今回のアンケート調査の限界点を挙げる。

1)アンケートの回収率は概ね良好であった。これは、

学校を介して配布・回収したためであると考えられる。

一方、現在不登校になっている児童に対して配布・

回収が行われていない可能性がある(アンケートでは、

不登校は0であった)。

2)5歳児健診から1唱年たってからのアンケートであ

り、当時の状況を覚えていないために記載が不正確

となっている可能性がある。

3)発達障害の診断は、医療・療育機関からのもので

あり、教育現場からの判断は反映されていない。従っ

て、教師の側から発達障害を疑っている場合でも、

医療レベルで診断されていない例は、今回のアンケ

ートでは対象例となっている。

4)アンケート対象が、家族であるため、本人や教師

の判断とのずれがある場合には、正しく反映されてい

ない。

E.結論

鳥取県で行ってきた5歳児健診は、軽度発達障害

をスクリーニングする上で妥当と考えられ、家族からも

良い評価を得ている。アンケート調査の結果からも妥

当性が示唆された。一方、実施法に関しては検討す

べき点があり、健診後の事後相談システム作りが最も

一25一

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大きな課題である。

F。健康危険情報

発達障害児を正しく理解しない場合、過度な叱責

や場合によっては体罰などの不適切な対応の結果、

二次障害として不登校や不適応行動などが起こる危

険性がある。

第53回日本小児保健学会総会、平成18年10月26-28日、山梨。シンポジウム:軽度発達障害児への

気づきと対応システム。

2)国外

論文発表

とくになし。

G.研究発表

1)国内

論文発表

とくになし

学会発表

とくになし。

H.知的財産権の出願・登録状況

とくになし。

学会発表

一26一

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表1 診察所見表

氏名:         年齢:   歳   ヵ月

カテゴリー 方法 正常 誤答

会話

なんていう幼稚園(保育園)ですか?

何組ですか?

○組の先生の名前は?

○組のカレーはおいしいですか?

お母さんのカレーもおいしいですか?

□□ロロロ

ロロロロロ

共感性 O組のカレーとお母さんのカレーとどっちがおいしいですか? □ 口

発音 発音の明瞭さ 口 口

模倣

両腕を横に挙げる

両腕を上に挙げる

両腕を前に出す

閉眼起立

口ロロロ

ロロロロ

下肢の協調運動

片足立ち(右)

片足立ち(左)

片足ケンケン(右)

片足ケンケン(左)

□□□□

ロロロロ

上肢の協調運動

指のタッピング(右)

指のタッピング(左)

前腕の回内・回外(右)

前腕の回内・回外(左)

左右手の交互開閉

口ロロロロ

ロロロロロ

概念

帽子って何するもの?

クツって何するもの?

お箸って何するもの?

本って何するもの?

時計って何するもの?

ジャンケンをする(3回)

ロロロロロロ

ロロロロロロ

行動制御 rいいよ」って言うまで眼をつむってください(20秒閉眼可能)

rいいよ」って言うまで眼をつむってください(自己刺激がない)□□

ロロ

一27一

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Q4健診を受けた当時に心配事がありましたか? 1 あった、2 なかった

Q5Q4で「1あったまと回答された方に質問します。心配事 (落ち着きのなさ、こだわり、ことばや発達

は、どのようなことでしたか?該当するものに全て○をして が遅い、かんしゃく、しつけについて、友達

ください。 と遊べない、偏食、その他:

Q6 健診を受診されたときの満足度についてお尋ねしま

す。完壁に満足した場合を100点、不満足の極みを0点とし (    〉点

た場合、おおよそ何点くらいになりますか?

Q7 不満だった点を右の中から選んで、その番号を不満だ 1.医師の診察や態度

った順に上位3つまでご記入ください。 2.医師のアドバイス内容

3.健診のお知らせと案内

4.心理相談の内容

5.就学相談の内容

6.診察までの待ち時間

7.保健指導・栄養指導の内容

8.健診時に保育所等の先生が同席したこと

9.その他(             )

王位(  ) 2位(  ) 3位(  )

Q8 満足だった点を右の中から選んで、その番号を満足だ 王.医師の診察や態度

った順に上位3つまでご記入ください。 2.医師のアドバイス内容

3,健診のお知らせと案内

4.心理相談の内容

5.就学相談の内容

6.診察までの待ち時間

7.保健指導・栄養指導の内容

8.健診時に保育所等の先生が同席したこと

9.その他(            )

1位(  ) 2位(  ) 3位(  〉

Q9 5歳児健診の時に、医師その他のスタッフから、発達に 1 あった(役立った、役立たなかった)

関して指導がありましたか?あった場合にその指導は役立 2 なかった

ちましたか?

Q10 5歳児健診後に発達に関して医療機関や教育相談機 1.はい(利用した)

関などを利用されましたか? 2.いいえ(利用しなかった〉

Qll Q10で「1。はい」と答えられた方にお尋ねします。 1。教育相談機関  2.医療機関(病院〉

どの関係機関を活用されましたか? 該当するものすべて 3.療育センター 4.発達クリニック

に○をつけてください。 5.児童相談所

6.その他(           〉

Q12お子さまの幼児期を振り返って、育てにくさを感じら i.睡眠・覚醒に関すること

れましたか?右に示した中で該当するものすべてに○をつ 2.食事に関すること

けてください。 3.落ち着きのなさ

4.かんしゃく5.指示の入りにくさ

6.テレビやビデオ視聴に関すること

7.その他(            )

      表2 5歳児健診に関するアンケート調査(必要事項のみ抜粋)

お子さまが5歳児健診を受けられた当時のことについてお尋ねします。

一28一

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(表2 続き)

お子さまの現在の状態についてお尋ねします。

Q13現在、所属しておられる学校・学級はどこですか? 1.通常学級    2,情緒障害学級

3.知的障害学級  4、養護学校

5.その他(            )

Q14 Q13で「i.通常学級」と回答された方にお尋ねします。 1.はい     2.いいえ

お子さまを対象とした加配の教員ないしは補助員が配置さ

れていますか?

Q15 現在、お子さまが学校生活を送る上で心配なことを 1.学校の先生との関係  2.友達関係

右の中から選んで、その番号を上位3つまでご記入下さい。 3.学業不振       4.登下校の間題

5.放課後の過ごし方  6.宿題をしない

7.学校に行けない   8.その他(

                   )1{立 (    )   2{立 (    )   3{立 (    )

Q16現在、お子さまが家庭生活をおくる上で心配なこと 1.寝起きの習慣 2.食事について

を右の中から選んで、その番号を上位3つまでご記入下さ 3.家族との関係 4。金銭に関することい。 5.親等への反抗 6,習い事等に関すること

7.近所つきあい 8.その他(     )

1位(  ) 2位(  ) 3位(  〉

Q17 現在、お子さまは発達面に関して医療や教育相談、 1.はい   2.いいえ

福祉相談などにかかっておられますか?

Q18 Q17で「1.はい」と回答された方はどこに通って 病院、療育センター、児童相談所、その他

おられますか? その機関名をお答え下さい。(複数ある方

はすべて)

Q19 これまでに医師により発達障害の診断が行われて 1.はい   2.いいえ

いますか?

Q20 Ql9で「1.はい」と回答された方はその診断名を (               )

お答え下さい。(複数ある方はすべて〉

Q24その他、5歳児健診に関する意見がありましたら、 ご自由にお書き下さい。

( 〉

一29一

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図1 カテゴリーごとの通過率(平均)

云員10

行動制御

概念

協調上肢

鋤共感性

…罫畷…輪職.

 離醜鞭嚇, 徽蜘瓢.   、!X〆〆κ4

、が 2搬鐸

劉熟

隅曳』暗縄凝

\グ鍵動作

協調下肢

動作模倣

一対象

一MR一一自』・ADHD

一30一

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表3 予後調蓋

5歳児健診での発達に関する指摘指摘あり(39) 指摘なし(193)

発達障害の診断 6(15。4%) 3(1.6%)

所属学級     普通学級 37(94、8%) 193(100%)

特殊学級 重(2.6%) 0養護学校 1(2.6%) 0

学校での心配事   なし 10(25.6%) 52(26。9%)

教師との関係 9(23.1%) 44(22.8%)

友達関係 22(56,4%〉 94(48.7%〉

学業不振 11(28.2%) 30(15.5%)

不登校 0 0家庭での心配事   なし 12(30.8%) 72(37。3%)

寝起きの習慣 16(4tO%) 73(37。8%)

食事について 饗4(35.9%) 47(24.4%)

家族関係 3(7.7%) 20(10。4%)

金銭について 1(2.6%) 14(7.3%)

親への反抗 3(7.7%) 15(7.8%)

近所付き合い 2(5.1%) 9(4.7%)

(η=31) (n=167)

5歳児健診満足度  80-100 23(74.2%) 118(70、7%)

60-79 5(誰6.1%) 29(17.4%)

10-59 3(9.7%〉 20(12。0%)

(口=29) (n=166)

各種指導の有用性  指導なし 屡3(44.8%) 12書(72.9%).

役立った 15(51.7%) 35(21.1%)

役立たなかった 1(3。4%) 10(6,0%)

一31一

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表4 5歳児健診受診当時の心配事と育てにくさ

発達障害診断例(バ9) 非診断例(n罵233)

健診時心配事  なし 0 187(80.3%)

あり 8(88.9%) 46(19.7%)

落ち着きのなさ 1(11.1%) 15(6.4%)

こだわり 3(33.3%) 2(0.9%)

ことば・発達の遅れ 7(77.8%) 10(4.3%)

かんしゃく 2(22.2%) 1(0.4%)

しつけ 0 0友達関係 3(33.3%) 2(0.9%)

偏食 2(22.2%) 5(2.1%)

育てにくさ   なし 1(”.1%) 璽06(45.5%)

あり 8(88.9%) 127(54.5%)

睡眠 2(22.2%) 17(7.3%)

食事 7(77.8%) 52(22.3%)

落ち着きのなさ 4(44.4%) 21(9.0%)

かんしゃく 2(22.2%) 5(2.1%)

指示とおりにくい 4(44.4%) 6(2.6%)

テレビ 1(”.1%) 12(5.2%)

2つ以上の項目 6(66.7%) 39(16。7%)

3つ以上の項目 5(55.6%) ”(4.7%)

一32一

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図2 5歳児健診の満足した点(複数回答)

50.00%

45.00%

40.00%

35.00%

30.00%

25.00%

20.00%

15.00%

10.00%

5.00%

0.00%

團指摘あり(n=39)

圃指摘なし(n⇒93)

萱炉  翫

i鐵

環     呂 、

灘、灘

『黙   鴉

 嚢藤亭       冴

灘灘

難 霞P 

l灘.難       撚

麟蜜

羅 ♂

灘灘畢  .灘

図3 5歳児健診の不満であった点(複数回答)

45.00%

40.00%

35.00%

30.00%

25.00%

20.00%

15.00%

10.00%

5.00%

0.00%

翻指摘あり(n=39)

團指摘なし(n=193〉

霜 1 臨

躍難

霧.1

 灘

一33一