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NetApp Round Table IT infrastructure in New Era May 12, 2010 NetApp Round Table #1 新新新新 IT 新新新新 ── 新新新新新新新新新新新新新新新新── 1 新新 Jun Kawahara, IT Journalist / Editor [email protected]

新時代のITインフラ -技術トレンドとユーザー企業の構え- (20100512)

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NetApp Round TableIT infrastructure in New Era

May 12, 2010

NetApp Round Table #1

新時代の IT インフラ── 技術トレンドとユーザー企業の構え──

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河原 潤Jun Kawahara, IT Journalist / Editor

[email protected]

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河原 潤 (かわはら・ じゅん)/ IT ジャーナリスト

1968 年神奈川県藤沢市生まれ。明治大学文学部卒業後、教育系出版社を経て、 1997 年、IT 専門出版社の IDG に入社。 2000 年 10 月から 2003 年 9 月まで Sun/Solaris の技術誌「月刊 SunWorld 」の編集長を務める。同年 11 月、「月刊 Computerworld 」の創刊に携わり、同誌の編集長に就任。月刊誌と Web サイトの刊行・運営を通じて、エンタープライズ IT の全領域を追いかける。 2008 年 11 月、「月刊 CIO Magazine 」の編集長に就任。 CIO の役割と戦略策定、経営と IT のかかわりをテーマに取材を重ねる。 2009 年10 月に独立し、 IT ジャーナリスト、インディペンデントコントラクター として始動。 上記 2 誌のほか、「 IT Leaders 」(インプレスビジネスメディア)、「 ITmedia エグゼクティブ」「 ITmedia エンタープライズ」(アイティメディア)、「 IT Initiative 」「 EnterpriseZine 」(翔泳社)などの IT マネジメント層向け媒体に寄稿中

(自己紹介)

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グローバル化●IT の進展で国・地域の参入障壁が廃される →欧米に中国、 BRICs を加えての国際競争● 日本市場の限界→国内だけでは生き残れない● グローバル経済構造の変化・複雑化

不確実性の時代●政局、経済環境、法制、景気、気象、災害の急激な変化・変動が経営や市場ニーズを予測困難なものに

「変化への対応力」が企業規模・業種を問わず求められる時代。2010 年代、 IT 部門最大のミッションは、「自身(組織)が変

化」しながら「変化に強い IT 」を提供すること

2000 年代の後半からビジネスの世界で起こっていること

ビジネスのパラダイムシフト● 旧来のセオリー・価値観の終焉 ( 例 ) コンビニが売上高で百貨店を抜く、ネット販売の定着、旧来のマスメディアの衰退etc

「規模の経済」から「速度の経済」へ●製品ライフサイクルの短縮が進む● 経済環境が急変する中で、ビジネスのサイクルと IT 供給のサイクルとの間のギャップが拡大→3カ年計画といった IT の中長期計画がビジネスの変化速度に追いつかなくなる

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システム/データの広域分散● 部門や拠点ごとで IT システムがサイロ化● システム/アプリケーション/データの分散が進み、連携の仕組みが未整備だと、ユーザーが業務上必要なタイミングで情報を取り出すことが困難

定常コストの増大●既存システムの維持・保守に追われて、十分な戦略投資が行えない状況● IT投資全体に占める新規投資:北米平均 24%、欧州平均 28%、豪州 18%、中国 20%、韓国 20%、日本 15%( Forrester Research調査)

IT 部門・ IT システムにまつわる諸問題

ITガバナンス・組織力・リーダーシップの不十分●十分な戦略投資を行えるだけの人的・金銭的リソースの不足●ベンダー、 SI への依存体質から脱却できない●真の意味での CIO職、 IT リーダー職が登場する組織制度・土壌になっていない● IT スタッフに対する人材育成・教育プランの不在。現有人材/スキルと求められる人材/スキルのミスマッチ● クラウド/マルチソーシング時代に求められる「 IT 部門の役割・存在意義」 を明確化できていない

IT 予算の圧縮● 半数近くの企業で、 2009 年度の IT投資額が前年度よりも減少( ITR調査「国内 IT投資動向調査 2010 」)

業務データの爆発的増大● データ管理負荷の増大とシステム全体の複雑性増大●蓄積したデータの“真の”情報資産化が不十分

コンプライアンス/ CSR への対応●J-SOX 、個人情報保護法、新会社法、 IFRS 、業種別法規制、地域別法規制、グローバル展開先の法規制( HIPPA法、グラム・リーチ・ブライリー法など)への「 IT による対応」● グリーン IT 、リスクマネジメント、ビジネス・コンティニュイティ/サステナビリティ

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[参考]自社で重要視される IT施策( 2008~ 2010 年度推移)

出典: ITR 「国内投資動向調査 」 (2008, 2009,2010)

2008 年度 2009 年度 2010 年度

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企業 IT分野における近年の主要トレンド

内部統制/コンプライアンス/セキュリティ● J-SOX法、個人情報保護法、 IFRS 、業種ごとの法規制● Gumblarウイルスの猛威でサイト改竄・情報漏洩が多発クライアント・デバイスの高性能化・

多様化●低価格ながら性能向上が著しい PC● スマートフォン、タブレット PC 、電子書籍リーダー

グリーン IT● 地球環境保護への意識の高まり、 CSR の一環● データセンター/ IT機器の省電力・省スペース化● 「結果としてのグリーン IT 」:仮想化、システム統合、マルチコア CPU 、 SSD などの実施・採用の副次的効果コミュニケーション/コラボレーション●属人化・暗黙知→集合知 ● ユニファイド・コミュニケーション、テレプレゼンス●ソーシャルネットワーキング技術の業務活用● メールや旧来のグループウェアを置き換えるコンセプトのメッセージング製品も登場

仮想化技術●IT リソースの効率利用のメリットの周知● 技術と製品が成熟し、普及期に。また、クラウドの中核技術としてさらなる進化の方向へ

ワークスタイル革新● 生産性向上、業務の質的改善●ワークライフバランス、ダイバーシティの機運●モバイル/テレワーク技術の進展

オープンソース・ソフトウェアの活用●Linux /軽量言語/業務 OSS の成熟で、フロントエンドから基幹領域へ

クラウド・コンピューティング●“ 持たざる IT” がもたらすメリットの周知 ● 業務部門主導の IT選定( SaaS/ASP )● プラットフォーム/基盤レイヤのクラウド化( PaaS/IaaS )

システム/アプリケーション/データ統合● リソース分散で肥大した運用管理負荷・コストの削減●仮想化技術/製品の成熟で実効性が増す

ビジネス/データ分析● 世界不況の中で経営判断/予見力向上の機運●DWH 、 BI 、 CPM/EPM 、経営ダッシュボード

ビジネス・プロセスの標準化● ビジネスと IT の一体化、ビジネス・アジリティの向上

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[参考]ガートナーの先進技術ハイプサイクル

出典:ガートナー( 2009 年 8 月) 7

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IT インフラ● コア/基幹→オンプレミスまたはプライベートクラウド(実態は仮想サーバ/ストレージ)●非コア/コモディティ→パブリッククラウド( IaaS/HaaS )

ハイブリッド型 IT インフラ ── 「変化に強い IT 」を提供しうる基盤

ミドルウェア●SOA:疎結合・再利用性の追求●BPM:ビジネスプロセス標準化● パブリッククラウド( PaaS )● アジャイル開発● リアルタイム監視管理/自動化

アプリケーション●BPM/SOAベース上に構築● 競争優位→オンプレミス● コモディティ →パブリッククラウド( SaaS )

SOA/BPM

プライベートクラウドオンプレミス パブリッククラウド

理想解は「ハイブリッド型 IT インフラ」● オンプレミス、プライベートクラウド、パブリッククラウドの混在環境)●各 IT リソースの所在と運用形態は要件(性能、機能、 RAS 、コスト、 SLA 、コア性/非コア性など)によって、適材適所型で決定される

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クラウド・コンピューティング ──ハイブリッド型 IT インフラの中核技

術クラウドの形態●1. IT リソースの所在による分類:パブリッククラウド(自社ファイアウォールの外)コミュニティクラウド(グループ共用)プライベートクラウド(自社ファイアウォール内)

●2 .IT レイヤによる分類:ASP (シングルテナント型) /SaaS (マルチテナント型)PaaS (プラットフォーム)IaaS (インフラ) /HaaS (ハードウェア)DaaS (デスクトップ)Dev-aaS (開発環境)

●3. 対価支払い方法による分類:買い取り従量課金制

クラウド適用の考慮点●要件(コア/非コア、性能、機能、 RAS 、コストなど)を明確化し、左記● 1. にオンプレミスを加えた所在分類、● 2 .ITレイヤ分類、● 3.支払い分類の各種形態の中から、最適な組み合わせを決定

● クラウドの採用で得られるメリット/デメリットの検証。特に既存の IT インフラに与える影響を事前に把握・構築期間(主に調達・実装プロセス)・コスト(長期的な IT コスト計画との整合性)・信頼性( SLA:サービス・レベル保証)・セキュリティ・コンプライアンス( IT リソースの所在)・既存 IT システムへの影響(データ/システム連携手法、連携後のサービス・レベル)

● コントラクト・マネジメント・サービスの打ち切り時の対応(データの引き上げをどうするか)までを想定・採用後に、より有用なサービスが現れたとき切り替えが可能かをリサーチ

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仮想化技術──ハイブリッド型 IT インフラの中核技術

仮想化の形態●基本的な仕組みによる分類:分割型(パーティショニング)/統合または合成型(アグリゲーション)/エミュレーション型

●IT レイヤによる分類:サーバ仮想化/ストレージ仮想化/デスクトップ仮想化/アプリケーション仮想化/ネットワーク仮想化

●関連キーワード・プロビジョニング:自動的なリソース割り当て。サーバ・プロビジョニング、ストレージのシンプロビジョニング・ライブマイグレーション:仮想マシン移動。 DRへの応用・仮想化データセンターとプライベートクラウド:仮想化データセンターは、主としてハードウェア側からのアプローチで、プライベートクラウドの前提となる環境。プライベートクラウドは、仮想化データセンターにアプリケーション側からのアプローチ(システム構築・運用管理の仕組み)を付加

仮想化適用の考慮点●適用目的・メリット・サーバ統合・運用管理負荷の軽減/自動化(ポリシー・ベース運用)・仮想サーバの迅速な立ち上げと停止(主にテスト環境、開発環境)・ディザスタ・リカバリ環境の低コスト構築・アプリケーション仮想化を活用したシンクライアントの構築・ グリーン IT

● 問題点・キャパシティ計画の不十分が引き起こすパフォーマンス低下・仮想マシンの乱立(サーバ・スプロール)・運用管理/セキュリティ対策の複雑化(現行の統合運用管理ツールでは物理/仮想のシームレスな一元管理が困難)・マルチベンダー環境での相互運用性の不十分・マルチコア CPU 環境でのライセンス料の急騰・ストレージリソースの逼迫・ IT スタッフのスキル不足

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新時代のデータセンター──ハイブリッド型 IT インフラの提供基盤

新時代のデータセンターのコンセプト● クラウドの適用が進むことで、システム指向からサービス指向、ユーザー指向へ

● データセンターの全体最適化:データセンター設備全体で効率( IT リソース利用効率&エネルギー効率)を高めるための仕組み・スケールアウト主体の設計・ IT インフラの標準化 ・フロントエンド/デスクトップへの適用

●ハイブリッド環境(オンプレミス/クラウド、物理/仮想化の混在環境)のシームレスな統合運用管理レイヤ・ IT サービスマネジメント・ IT リソースの可視化・ビジネスインパクト管理、業務視点でのシステムパフォーマンス管理・継続的なデータ管理・保護: D2D バックアップ、 CDP 、スナップショット、仮想テープライブラリ、データモビリティ

新時代のデータセンターの考慮点●適用目的・メリット・変化に強い IT インフラ・ IT リソース全体の可視化→利用効率の最大化→ サービス指向/ユーザー指向:ユーザーがすべてを把握し、主体的に打ちたい手を打てるIT インフラの実現

●課題・問題点・ 現状では、ハイブリッド環境をカバーする統合運用管理ツールが見あたらない。→ 構成/リソース変更を追従できる運用管理レイヤを独自構築する必要あり・クラウド・サービス間の連携技術が未成熟・グローバル展開時のクラウド・リソースの所在の問題(展開先のコンプライアンス)・自社の各部門にユーティリティ・モデル(従量課金制)を適用できるか?

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( memo )

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