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「IPアドレスのウォームアップ」について聞いたことはあるでしょうか? そもそもIPアドレスのウォームアップとは? どうして必要なのか? どのようなメリットが得られるのか? そしてどのように実施すればいいのか? このガイドで分かりやすく解説します!
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このガイドの目的
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IPアドレスは、メール配信到達性に大きく影響する要素のひとつです。 このガイドでは、新しいIPアドレスを使ってメールの配信をスタートする際のポイントを解説します! <コンテンツ> • IPウォームアップとは? • IPウォームアップ方法 ≫ マーケティングメールの場合 ≫ トランザクションメールの場合
• 高レピュテーションを獲得・維持するには?
※この資料はSendGrid社のドキュメント”How to warm up an IP”の抄訳です。
IPウォームアップとは?
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IPアドレスのレピュテーションは、メール配信の重要な評価指標 ISP(インターネット接続事業者)はメールの送信者の正当性を、送信元IPアドレスの“レピュテーション*”で判断しています。 IPウォームアップとは、 「メールが確実に届くように、レピュテーションを上げること。」 新しいIPアドレスにはレピュテーションがありません。そのため、新しいIPアドレスからメールが配信されてもISPはメール送信元の正当性を判断できず、メールが確実に届かない恐れがあります。 メールを確実に届けるために新しいIPアドレスのレピュテーションを上げること、それが“IPウォームアップ”です。 *レピュテーションとは? メール送信元の信頼度。レピュテーションが低い場合、送信したメールは迷惑メールであると見なされ、受信拒否される可能性が高くなります。
IPウォームアップが必要な理由
• 新しいIPアドレスにはレピュテーションがないため、IPウォームアップによりレピュテーションを上げる必要があります。
• まずは少量のメールから配信をスタートし、徐々に配信量を多くすることで、配信パターンをISPに認識してもらいます。 ≫ この過程で、ISPはメール送信の正当性を様々な指標で審査します。 ≫ メールのコンテンツや、開封などの受信者の反応もISPの審査対象になります。
• 最終的に、目標の送信数が送れるだけのレピュテーションを、ISPから獲得しましょう。 ≫ すべての送信者に1日当たりの送信数の上限を設定しているHotmailやyahoo.comも、信頼ある送信者に対しては上限を引き上げることがあります。
≫ 迷惑メール送信業者はISPの審査をかく乱するため、複数のIPアドレスを使い回すことがあります。
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IPウォームアップでメール業務を効率化
• IPウォームアップ中にメール配信に問題が生じた場合、影響が広がる前に対策を打つことができます。 ≫ IPウォームアップ中はメールの配信状況を細かく確認し、スロットリング(ISPによる一時的なメール受信制限)や迷惑メール報告などが見られたら逐一対策を打ちましょう。
• IPウォームアップをテストに利用して、コンテンツを見直しましょう。 ≫ 過去に反応がよかったコンテンツを洗い出し、その理由を分析します。 ≫ IPウォームアップ中の少量のメール配信をサンプルにして、分析結果を検証しましょう。 ≫ IPウォームアップが完了する頃には検証も完了し、優れたコンテンツをリスト全体に送信することができるようになります。
• IPウォームアップでレピュテーションが上向くと、メール業務の効率も上がります。 ≫ レピュテーションが上向くと配信率も上がり、配信に関わる問題の対処から解放されます。結果、顧客のニーズに目を向けることができるようになります。
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IPウォームアップの具体策
注) 下記の対策はあくまでも参考例です。メール送信者ごとに最適な対策は異なります。
• どれだけのメールを送ればいいのでしょうか? ≫ IPウォームアップの際、送るべきメールの量は目標通数に依存します。
• 例として、月10万通の配信を目標とする場合は、通数は最低でも月に5万通、そして頻度は月に2度以上配信することをおすすめします。
≫ 一般的に目標のメール配信数が少ない場合(目安として、1万通/月 未満)は、IPウォームアップは不要です。 • SendGridでは配信数に関わらずIPウォームアップを実施することをおすすめしています。
≫ メールを送る間隔が30日を超えないように注意します。 • ほとんどのISPはレピュテーションのデータを30日間保存するためです。間隔が30日を超えるとレピュテーションのデータが削除され、ウォームアップが振り出しに戻ってしまいます。
• どのようなメールを配信すればいいのでしょうか?
≫ 受信者がメール受信を許諾する可能性が高いメール(ウェルカムメッセージなど)をIPウォームアップに利用します。 • ウェルカムメッセージ:サービス利用開始やメール購読申込み後にユーザに送られるメール。パーミッションリマインダー(メールが送られる根拠を示す説明)になること、そして受信者からのレスポンスを求めることが多いことなどがIPウォームアップに適している理由として挙げられます。
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IPウォームアップの具体策
注) 下記の対策はあくまでも参考例です。メール送信者ごとに最適な対策は異なります。
• どのようなスケジュールで実施すればいいのでしょうか? ≫ メールの配信量を決定したら、まずは数日間同じ量のメールを配信し、それから徐々に配信量を増やします。 • 配信量は、スライド#8も参考にしてください。
≫ 最大60日間かけて、メール配信量を目的量まで引き上げます。 • ほとんどのSendGridユーザは、30日間(加えて1-2週間ほどの調整期間)でIPウォームアップを完了しています。
≫ 配信ペースは、状況に応じて調整しましょう。 • 配信到達率や受信者からの反応がよければペースを上げます。スロットリングが発生した場合はペースを下げましょう。
全てのISPに対して、均一にウォームアップを実施しましょう。 ウォームアップ期間中の毎日の配信それぞれに、全てのISPが宛先に含まれているようにしましょう。(例えば、曜日ごとに配信先ISPを変える、といったことは避けます。)そうしなければ、各ISPに配信が散発的であると見なされて、安定したレピュテーションを構築するのが困難になります。
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IPウォームアップ方法
マーケティングメールの場合
• 一般的なウォームアップ方法 1. 月ごとのメール配信数を見積もり、それを30で割ります。 2. はじめの30日間、1)で割り出した通数のメールを配信します。
例)月間9万通のメールを送る場合は、はじめの30日間、毎日3千通ずつメールを配信します。
• より積極的なウォームアップ方法 1. 月ごとのメール配信数を見積もり、それを15で割ります。 2. はじめの15日間、1)で割り出した通数のメールを配信します。
例)月間9万通のメールを送る場合は、はじめの15日間、毎日6千通ずつメールを配信します。 ≫ スロットリングが発生した場合は、配信数を減らしましょう。
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IPウォームアップ方法
トランザクションメールの場合
• 既存ビジネスの場合 ≫ すでに大量のメールを配信していて、初めてのESP (メール配信事業者)や、新しいベンダーに切り替える場合には、一度に切り替えず、少しずつ移行先へ配信を移すようにします。
≫ 例えば、既存の配信を維持しながら、新しいIPアドレスから少しずつメール配信を行うようにします。
≫ 複数のIPアドレスを利用している場合はひとつの新しいIPアドレスにまとめましょう。
• 新規ビジネスの場合 ≫ 一般的にビジネスは右肩上がりに成長し、ユーザも増加していきます。 ≫ このユーザ増にともなうトランザクションメールの配信量増加により、結果としてIPウォームアップを実施できます。
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ESP関連で確認するポイント
レピュテーションは、メールの配信到達率に強く影響を与えます。 高レピュテーションを獲得・維持するために、ESP関連で確認するポイントをご紹介します。
1. 共有IP?それとも固定IP? ≫ 共有IPの場合、IPウォームアップは不要です。 ≫ SendGridでは、Silver以上のプランでは共有IP、固定IPのいずれかを選択できます。固定IPのほうが適切な場合はSendGridのサポートにご連絡の上、切り替えてください。
2. IPウォームアップを実施しなくてはならないか? ≫ ESPによってはIPウォームアップが不要の場合もあります。
3. IPウォームアップの状況を確認できるか? ≫ IPウォームアップの成果を確認できるツールをESPが提供しているか確認します。 ≫ 例として、メールのバウンス、配信済、クリック数、開封数、配信停止数、苦情数などです。
4. 信頼できるESPか? ≫ IPウォームアップだけでなく、メール全般に精通しており、様々な問題に的確に対応できるESPを選択しましょう。
高レピューテーションを獲得・維持するために
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IPウォームアップで気をつけたいこと 高レピューテーションを獲得・維持するために
IPウォームアップに焦りは禁物です。以下のポイントを抑えて、忍耐強くIPアドレスをウォームアップしましょう。
1. スタートは慎重に ≫ はやる気持ちをおさえて、落ちたレピュテーションを回復するのにかかる手間について考えてみてください。
≫ レピュテーションは30日ごとに評価されるため、いったん評価が落ちると回復するのに4週間以上かかることになります。さらにその間、メールのブロックも多くなります。
2. 複数IPアドレスのローテーション利用は控える(スライド#13もご参照ください) ≫ 複数のIPアドレスの利用は手間になるだけでなく、ISPが全レンジを一斉にブロックする恐れもあります。
≫ レピュテーションが高ければ単一のIPアドレスからでも1日に何百万通のメールを配信できます。
3. データから学び、改善する ≫ データを見て逐一対応することは、ISPにいい印象を与えます。 ≫ 閉じられたコミュニティなので、好ましいアクションを取れば即座に影響が広がります。
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IPウォームアップで気をつけたいこと 高レピューテーションを獲得・維持するために
4. マーケティングメールはより慎重に ≫ トランザクションメールに比べて、マーケティングメールはISPの監視が厳しくなります。 ≫ マーケティングメール用と、トランザクションメール用に、IPアドレスを2つ持つことをおすすめします。
5. メール配信の基本をしっかりおさえる ≫ IPウォームアップ中も、ユーザーとのエンゲージメントやパーソナライズされたメールの配信、使われていないアドレスの削除を怠らないようにします。
IPアドレスローテーション利用の危険性
Hotmailからメールのブロックを受けていたあるお客様の例です。 SendGridを利用する前、彼らは配信到達率を上げるために17のIPアドレスを使い分け、最もいいレピュテーションのIPアドレスを利用して数千件から数百万件のメールを配信していました。こうしたIPアドレスの使い分けは”snowshoeing”と呼ばれ、ボットネットの可能性があるとしてISPに警戒され、メールの受信が拒否されるようになります。 ISPはIPアドレスをレピュテーションの指標に利用しているのと同時に、送信ドメインも監視しています。問題を解決するために、SendGridではIPアドレスを2つにまとめ、メール配信スケジュールを作成し、実施しました。IPウォームアップは15日間で完了し、目的量のメールを配信することができるようになり、配信到達率も改善しました。
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コラム
SendGridについて、詳しくはHPをご覧下さい! https://sendgrid.kke.co.jp
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