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Page 1: CZTSe太陽電池のポストアニール効果33.4 mA/cm 2 FF=0.606 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 QE 400 600 800 1000 1200 1400 Wavelength (nm) FQ075_3_3 アニール条件によるPV特性変化

http://www.aist.go.jp/

30

20

10

0

-10

-20

J (m

A/c

m2 )

0.50.40.30.20.10.0-0.1V (V)

Annealed 500°C Annealed 530°C Annealed 560°C

アニール処理とPV特性について

研究の目的 実験

分解反応の熱力学解析

解析結果

反保衆志、金江玟、金信浩、柴田肇、松原浩司、仁木栄産業技術総合研究所 太陽光発電研究センター 化合物薄膜チーム

CZTSe太陽電池のポストアニール効果

関連材料の変換効率・CIGS太陽電池(21.7%):同時蒸着法・Cu2ZnSn(S,Se)4太陽電池(12.6%):ヒドラジン溶液法+アニール(セレン化・硫化)・Cu2ZnSnSe4太陽電池(11.6%):蒸着法+アニール(セレン化)・Cu2ZnSnS4太陽電池(9.13%):スパッタ法+アニール(硫化)

CZTS系材料の課題と本研究の目的・Sn化合物の高い蒸気圧のため組成の制御が困難であり、同時蒸着法の適用が困難・高効率化(高品質化)にはアニール処理が必須である。・本研究ではその条件を熱力学計算により明らかにする。

as-grown 520 ℃ 550 ℃

580 ℃ 610 ℃

アニール処理による表面形態の変化

アニール温度の上昇に伴い粒径は増大しかしながら、ボイドの発生、MoSeの形成

CZTSe太陽電池特性40

30

20

10

0

-10

-20

Jsc

(mA

/cm

2)

0.60.50.40.30.20.10.0-0.1-0.2

Voltage (V)

=8.46%VOC=0.418 VJSC=33.4 mA/cm2

FF=0.606

1.0

0.8

0.6

0.4

0.2

0.0

QE

140012001000800600400

Wavelength (nm)

FQ075_3_3

アニール条件によるPV特性変化

Temp Voc Jsc FF

500ºC 4.06 0.31 25.61 0.51

530ºC 4.19 0.32 24.44 0.53

560ºC 3.37 0.37 17.77 0.52

アニール条件とPV特性の関係について系統的な調査は少ない

アニール処理時の分解反応

SnSe2はSnSeに容易に分解し、その蒸気圧もかなり大きい⇒その効果を考慮したアニールが必要

ChemPhysChem 2012, 13, 3035 – 3046

制御パラメータの影響について熱力学解析

2SnSe(g) + Se2(g) ↔ SnSe2(s) : K : 0 , 20 , , (→ ): 2 , , 2

SnSe

Se2 SnSe2

SnSe

Se2

(=a)

(=b)

(=x)

処理温度・処理雰囲気がSn抜けへの影響を調査

計算方法

pT、K、b/aを入力することによりx/aの3次方程式となる

分解・生成反応その1

10-7

10-6

10-5

10-4

10-3

10-2

10-1

100

101

102

103

|x/a

| or

|x/b

|

10-9 10

-7 10-5 10

-3 10-1 10

1 103 10

5 107

b/a (n0_Se2/n0_SnSe)

|x/a| |x/b|

SnリッチSeリッチ

生成領域

分解領域分解領域

平衡p_Se@ n0_SnSe=0

平衡p_SnSe@ n0_Se2=0

計算方法その1(圧力依存)

10-16

10

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10-12

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10-6

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10-2

100

102

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108

b/a

0.0012 3 4 5 6

0.012 3 4 5 6

0.12 3 4 5 6

1

Total Pressure Pt (bar)

500°C 550°C 600°C

生成領域

分解領域

分解領域

計算方法その2(温度依存)

10-16

10

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10

-10

10-8

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b/a

600580560540520500480460

Temperature T1 (ºC)

Pt=0.1 bar Pt=0.01 bar Pt=0.001 bar

生成領域

分解領域

分解領域

まとめ

・アニール処理によりCZTSe太陽電池で最大8.46%を達成した。

・熱力学計算より、分解・生成反応における温度、圧力の依存性の計算を行い、処理条件の指針を与えた。

・計算より、同一温度でも(供給)圧力を高くすることにより分解反応が抑制されることを定量的に明らかにした。

J (m

A/c

m2 )

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