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- 今回のコンサートでは3台のフォルテピアノが登場しますが、それぞれどんな特徴 がありますか? ショパンは「気分がよく体力のある時は、自分自身の想い望む音の出る プレイエル のピアノを弾く」という言葉を残しています。プレイエルのシ ングル・エスケープメントという単純な作りのアクションは、指先のほん の少しの動きが直接ハンマーに伝えられるような感覚があり、鍵盤を撫で るように弾いたというショパンの奏法にぴったり合うのです。 プレイエルも エラール もフランスのピアノで、ハンマーの基部を突き 上げるイギリス式アクションですが、エラールはダブル・エスケープメン トという、キーを元の位置まで戻さなくても再度打弦できる発明をしまし た。このアクションは超絶技巧の分野を大きく広げ、ヴィルトゥオーゾの演 奏スタイルが生まれ、その機構は現代のピアノへと受け継がれていきます。 もう一台、ウィーンの老舗楽器メーカーの J.B. シュトライヒャー は、ウィーン式アクションと呼ば れる単純な構造を持ち、とても軽いタッチを特徴としています。ハンマーの材質も革なので、音の立ち上 がりがはっきりとしています。 3 台ともロマン派全盛期に製作されたフォルテピアノ です。その芳香でロマンティックな音色は当時の パリのサロンを彷彿とさせるような特別な雰囲気があります。 「ショパンの愛したピアノたち」特別インタビュー ショパン(1810 - 1849)の生きた頃は、ピアノが大きく変化した時代でもありました。 使われている材料や鍵盤の数、打鍵の構造、製作地などもさまざまで、個性豊かなピ アノたちが群雄割拠した 19 世紀前半。この時代のピアノを3台も使った贅沢なコン サート「ショパンの愛したピアノたち~ショパンをとりまくパリのサロン音楽~」を 3月1日に開催します。コンサートの聴きどころなどを、小倉貴久子さんに伺いました。 小倉貴久子と巡るクラシックの旅 vol.2 エラール 1845 年製 突き上げ式 ダブル・エスケープメント 85 鍵/ A2~a4 プレイエル 1848 年製 突き上げ式 シングル・エスケープメント 82 鍵/ C1~a4 J.B. シュトライヒャー 1845 年製 ウィーン式(跳ね上げ式) 80 鍵/ C1~g4 *1 *2 *1  打鍵の際、ハンマーが弦に一瞬しか触れないようにするための仕組み *2 ハンマーが弦を打つための仕組み *3 プレイエル、エラール、現代のピアノはフェルト製 *3

「ショパンの愛したピアノたち」特別インタビューkitabunka.or.jp/wp/wp-content/uploads/interview.pdf- 2018年よりショパンの出生地・ポーランドで「ショパン国際ピリオド楽器コンクー

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vol.2



1848


J.B. 1845
80 C1g



*1 *2
*3






19 19



1811 - 1886
1810 - 1849 20
1785 - 1849
1782 - 1837 ( )
1778 - 1837
2 1

vol.2
2020 3 1 ( ) 1500 1430 JR 2 ) 3,800 ( 7,000 ) 3,000 ( 5,500 ) 25 1,800 1 1000 2000 1000 1800 https://t.pia.jp/ TEL:0570-02-9999 P 163-638 - https://eplus.jp/
J.B. Johann Baptist Streicher1845 F. 66 R. 9 J.N. 107-6
I. Ignace Pleyel & Compagnie1848 F. 11 F. 34-2 F. 9-2 F. 96
Sébastian Erard1845 F. 64-1 F. 23 F. S.141 J.

40 CD
24 30
48 JXTG CD
https://www.mdf-ks.com/