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学校と地域の協働を促進する教育支援人材の役割と意義 大阪教育大学 新崎 国広 【キーワード】 教育支援人材・チームとしての学校・福祉教育・ボランティア学習 【概要】 本稿では、まず学校と地域の協働化を促進することが必要になった背景を述べた。次に、教育 支援人材について説明した上で、学校と地域の協働化の重要性や教育支援人材が必要とされ る根拠となる言説を考察した。最後に、筆者がアクションリサーチを行っている「地域で活動する 教育支援人材の実際」について説明した。 The role and significance of “Education support personnel”, to promote the cooperation of the school and the community Osaka Kyoiku University Arasaki Knihiro 【keyword】 Education support personnel/School as a team/Social education and Service learning 【summary】 First, mentioned the background that is needed to promote the cooperation of the school and the community. Next, I was defined "educational support personnel". I considered about the importance of cooperation between the school and the community. I considered about the discourse related to "educational support personnel". Finally, I explained the action research with respect to the "educational support personnel" I have done.

学校と地域の協働を促進する教育支援人材の役割と …...学校と地域の協働を促進する教育支援人材の役割と意義 大阪教育大学 新崎 国広

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  • 学校と地域の協働を促進する教育支援人材の役割と意義 大 阪 教 育 大 学 新 崎 国 広

    【キーワード】

    教育支援人材・チームとしての学校・福祉教育・ボランティア学習

    【概 要 】

    本 稿 では、まず学 校 と地 域 の協 働 化 を促 進 することが必 要 になった背 景 を述 べた。次 に、教 育

    支 援 人 材 について説 明 した上 で、学 校 と地 域 の協 働 化 の重 要 性 や教 育 支 援 人 材 が必 要 とされ

    る根 拠 となる言 説 を考 察 した。最 後 に、筆 者 がアクションリサーチを行 っている「地 域 で活 動 する

    教 育 支 援 人 材 の実 際 」について説 明 した。

    The role and significance of “Education support personnel”,

    to promote the cooperation of the school and the community

    Osaka Kyoiku University Arasaki Knihiro

    【keyword】 Education support personnel/School as a team/Social education and Service learning

    【summary】

    First, mentioned the background that is needed to promote the cooperation of the school and the community.

    Next, I was defined "educational support personnel". I considered about the importance of cooperation between the school and the community. I considered about the discourse related to "educational support personnel".

    Finally, I explained the action research with respect to the "educational support personnel" I have done.

  • 学校と地域の協働を促進する教育支援人材の役割と意義 大 阪 教 育 大 学 新 崎 国 広

    1.はじめに〜教 育 と福 祉 における問 題 意 識 〜

    近 年 、不 登 校 ・いじめ・いじめによる自 死 問 題 ・児 童 生 徒 による暴 力 行 為 ・子 どもの貧 困 問 題

    の深 刻 化 等 学 校 教 育 現 場 には困 難 な問 題 が山 積 している。大 人 社 会 に視 点 を移 すと、核 家 族

    化 ・ひとり親 家 庭 の増 加 等 による家 庭 の養 育 機 能 の低 下 に加 え、経 済 的 格 差 の拡 大 とこれによ

    る不 安 定 な生 活 環 境 が社 会 問 題 となっており、国 民 全 体 が「生 きづらさ」を痛 感 している状 況 が

    あるといえる。このような状 況 の中 で、コミュニティ機 能 の脆 弱 化 や「福 祉 の外 在 化 (岡 村 重 夫 )」

    や一 般 市 民 の「福 祉 や教 育 への無 関 心 化 ・専 門 職 依 存 」が進 行 しており、社 会 的 孤 立 による自

    死 や孤 立 死 、児 童 虐 待 、子 どもの貧 困 、貧 困 の連 鎖 等 の問 題 が深 刻 化 し、大 きな今 日 的 社 会

    問 題 となっている。

    このような問 題 の克 服 をめざすためには、教 育 と福 祉 が個 々の課 題 に即 時 的 ・対 症 療 法 的 に

    対 応 するだけでなく、問 題 の社 会 的 分 析 を踏 まえ、将 来 の市 民 である子 ども達 の「共 に生 きる力 」

    を育 むための教 育 実 践 が求 められている。

    子 ども達 を護 り育 むのは学 校 教 育 だけではない。子 ども達 の成 長 発 達 にとっては、家 庭 教 育

    や社 会 教 育 ・地 域 教 育 も非 常 に重 要 な役 割 を持 つ。教 育 と福 祉 が協 働 して今 後 の具 体 的 な対

    応 を模 索 していくことが社 会 全 体 の責 務 である。

    このような状 況 を背 景 として、平 成 18(2006)年 に教 育 基 本 法 が改 正 され「学 校 、家 庭 及 び地

    域 住 民 等 の相 互 の連 携 協 力 」の規 定 が新 設 された。また平 成 27(2015)年 12 月 21 日 に文 部 科

    学 省 中 央 教 育 審 議 会 は、「チームとしての学 校 の在 り方 と今 後 の改 善 方 策 について(第 185 号 )」

    を答 申 した。同 答 申 は、初等中等教育分科会と生涯学習分科会が合同で審 議 を行 い「新 しい時

    代 の教 育 や地 方 創 生 の実 現 に向 けた学 校 と地 域 の連 携 ・協 働 の在 り方 と今 後 の推 進 方 策 につ

    いて」取 りまとめられたことに意 義 がある。まさに「学 社 協 働 (学 校 教 育 と社 会 教 育 の協 働 )」による

    答 申 であるといえる。この中 教 審 答 申 185 号 を具 現 化 するためには、学 校 と地 域 の協 働 化 を促

    進 する教 育 支 援 人 材 の育 成 が必 要 不 可 欠 である。

    2.学 校 と地 域 の協 働 化 を促 す福 祉 教 育 ・ボランティア学 習

    筆 者 の専 門 領 域 は「福 祉 教 育 ・ボランティア学 習 1」である。福 祉 教 育 は「福 祉 専 門 教 育 」からはじ

    まり、「福 祉 一 般 教 育 」に拡 大 した2。「福 祉 一 般 教 育 」とは、一 般 市 民 の社 会 福 祉 に対 する理 解

    を高 めるための福 祉 教 育 である。義 務 制 諸 学 校 において展 開 されている「学 校 を中 心 とした福

    祉 教 育 」と、地 域 の公 民 館 (社 会 教 育 機 関 )・社 会 福 祉 市 施 設 (社 会 福 祉 機 関 )や社 会 福 祉 協

    議 会 等 において行 われる「地 域 を基 盤 とした福 祉 教 育 」に区 分 し整 理 できる。【図 1】

    【図 1】福 祉 教 育 の三 領 域 3

  • 【出 典 】原 田 正 樹 (2014)「福 祉 教 育 の三 領 域 とは?」

    岡 村 は、福 祉 教 育 の目 的 (福 祉 教 育 原 理 )として①福 祉 的 人 間 観 (社 会 的 ・全 体 的 ・主 体 的 ・

    現 実 的 存 在 )の理 解 と体 得 、②現 行 制 度 の批 判 的 評 価 、③新 しい社 会 福 祉 援 助 方 式 (対 等 平

    等 の個 人 が、全 体 的 な自 己 実 現 の機 会 が提 供 される地 域 共 同 社 会 の相 互 援 助 体 系 )の発 見

    をあげている4。

    また、平 成 17 (2005)年 に全 国 社 会 福 祉 協 議 会 福 祉 教 育 推 進 検 討 委 員 会 が、「平 和 と人 権

    を基 盤 にした市 民 社 会 の担 い手 として、社 会 福 祉 について協 同 で学 びあい、地 域 における共 生

    の文 化 を創 造 する総 合 的 な活 動 」として、「地 域 福 祉 を推 進 するための福 祉 教 育 」を提 唱 し、学

    校 や社 会 福 祉 協 議 会 (以 下 、社 協 )を中 心 に福 祉 教 育 が展 開 されている。このように、福 祉 教

    育 ・ボランティア学 習 は、単 に知 識 として福 祉 を学 ぶだけではなく、人 権 意 識 や共 生 意 識 の醸 成

    や、社 会 的 課 題 に立 ち向 かう力 を育 成 することで、「人 間 の尊 厳 」「共 生 社 会 の創 造 」「コミュニテ

    ィの中 の一 員 としての責 任 感 や連 帯 感 や問 題 解 決 力 の育 成 」「地 域 における共 生 の文 化 を創

    造 」をめざすことが教 育 目 標 であり、前 述 した中 教 審 答 申 第 185 号 「チームとしての学 校 の在 り

    方 と今 後 の改 善 方 策 について」の見 解 とも通 底 している。福 祉 教 育 ・ボランティア学 習 実 践 は、

    まさに「教 育 支 援 人 材 」の育 成 に資 する教 育 実 践 であるといえる。

    3.大 阪 教 育 大 学 教 養 学 科 5における教 育 支 援 人 材 養 成 の経 緯

    大 阪 教 育 大 学 ( 以 下 、 本 学 ) が 本 格 的 に 「 教 育 支 援 人 材 養 成 」 に 取 り 組 ん だ の は 、 平 成

    18(2006)年 度 に文 部 科 学 省 「現 代 的 教 育 ニーズ取 組 支 援 プログラム(以 下 、現 代 GP)」の「地

    域 活 性 化 への貢 献 (地 元 型 )」に「地 域 連 携 学 校 教 育 ができる教 員 養 成 」が採 択 されたのがきっ

    かけである。

    「『多 様 な場 面 における子 ども理 解 力 』と『多 様 な人 材 のコーディネート力 』の育 成 に焦 点 を

    あて、既 に実 績 のある地 域 との連 携 を踏 まえた3種 類 の活 動 6を通 じて、『地 域 に愛 着 を持 ち地

    域 に根 ざした子 ども』を育 成 することのできる人 材 養 成 を目 指 した点 において他 大 学 の参 考 とな

    り得 る、優 れた『地 域 連 携 学 校 教 育 プログラム』となっている(下 線 筆 者 )」といった点 が、選 択 理

    由 であった。「多 様 な場 面 における子 ども理 解 力 」と「多 様 な人 材 のコーディネート力 」は、教 育

    支 援 人 材 に必 要 不 可 欠 な資 質 であると言 える。

    筆 者 は、現 代 GP を充 実 させるための一 助 として平 成 19(2007)年 度 より「いい汗 かこうぜ!~サ

    ービスラーニング(社 会 貢 献 学 習 )からボランティア学 習 へ~」という講 義 を担 当 した。講 義 名 に

    長 い名 称 をつけた理 由 は、「ボランティア活 動 の単 位 化 」に抵 抗 のあった筆 者 なりのこだわりであ

    る。

    筆 者 は、平 成 15(2003)年 本 学 に着 任 して以 来 、「介 護 の理 論 と実 際 Ⅰ(現 「介 護 概 論 」)」

    の授 業 などを通 して、アクティブラーニングやワークショップ(体 験 学 習 )による気 づきを重 視 した

    授 業 に取 り組 んできた7。これは社 会 福 祉 の知 識 や介 護 技 術 の習 得 といった知 識 教 育 に完 結 し

    ていては、社 会 福 祉 の本 質 が見 えてこないと考 えたからである。体 験 学 習 の意 図 は、学 生 自 身

    がフィールドワークを通 し当 事 者 (子 どもたちや障 害 者 ・高 齢 者 など)や実 践 者 の視 座 に立 ち、

    今 までの自 らの考 え方 や価 値 観 を省 察 することで、問 題 意 識 や解 決 に向 けたモチベーション(内

    的 動 機 づけ)を高 めることで、結 果 的 にスキルアップをめざすことを目 的 とした。これは教 師 が与

    える指 示 を最 小 限 度 にとどめ学 習 者 自 らが積 極 的 に学 習 能 力 を開 発 する「問 題 解 決 (発 見 )学

    習 法 8」の知 見 を援 用 したものである。学 生 たちが他 者 とのコミュニケーションスキルや社 会 性 を単

  • に知 識 として理 解 するだけでなく、社 会 体 験 活 動 やボランティア活 動 を通 じた頭 と身 体 と心 を使

    った「心 身 まるごとの体 験 」をとおして体 得 すること目 的 としていた。

    この授 業 は、平 成 27(2015)年 度 で終 了 し、現 在 は教 養 学 科 と教 員 養 成 課 程 の両 課 程 の学 生

    が 1〜4 回 生 まで幅 広 く履 修 できる教 養 基 礎 科 目 として「共 生 社 会 論 」に移 行 した。「共 生 社 会

    論 」では、多 文 化 理 解 ・環 境 問 題 ・社 会 福 祉 ・教 育 などのさまざまな分 野 で論 じられている「共 生

    社 会 論 」について、主 に福 祉 と教 育 の観 点 に焦 点 をあてて講 義 を構 成 している。

    4.「教 育 支 援 人 材 」とは何 か?

    4-1.「HATO 教 育 支 援 人 材 養 成 プロジェクト」開 設 の背 景 と研 究 内 容

    HATO プロジェクトとは、北 海 道 教 育 大 学 (H)、愛 知 教 育 大 学 (A)、東 京 学 芸 大 学 (T)、大 阪

    教 育 大 学 (O)の教 育 系 4 大 学 連 携 によるプロジェクトで、文 部 科 学 省 による国 立 大 学 改 革 強 化

    推 進 補 助 金 による事 業 の呼 称 である。HATO プロジェクトは、教 育 支 援 人 材 養 成 プロジェクトの

    含 めて、現 在 約 12 のプロジェクトが稼 働 している。「HATO 教 育 支 援 人 材 養 成 プロジェクト(以 下 、

    本 プロジェクト)」は、その一 環 として平 成 25(2013)年 度 に開 設 されたプロジェクトである。

    本 プロジェクトでは、主 に下 記 の 3 点 について研 究 協 議 することを目 的 として発 足 した。

    ①学 校 教 育 と社 会 教 育 の連 携 ・協 働 による「教 職 員 」「専 門 職 的 教 育 支 援 者 」「ボランタリーな教 育

    支 援 者 」の協 働 モデルについて調 査 ・研 究 ・開 発 を行 うこと。

    ②モデル地 域 を設 定 し実 践 事 例 に基 づいてモデルの評 価 を行 うこと

    ③既 存 の取 り組 みを有 効 に活 用 しつつ、教 員 養 成 系 大 学 における「教 員 支 援 人 材 」育 成 のための

    カリキュラム開 発 を行 い、それを通 して地 域 と協 働 する教 員 養 成 系 大 学 の具 体 的 な在 り方 につい

    て実 践 的 に検 討 すること。

    本 プロジェクトが開 設 された背 景 には、複 雑 多 問 題 化 する教 育 課 題 に対 して、社 会 教 育 主 事

    や教 育 支 援 員 、生 徒 の心 理 面 での支 援 を担 うスクールカウンセラー(SC)、家 庭 や他 機 関 との関

    係 調 整 をおこなうスクールソーシャルワーカー(SSW)等 の専 門 的 教 育 支 援 者 と、学 習 支 援 、行

    事 支 援 、環 境 整 備 ・安 全 確 保 支 援 等 の地 域 参 画 を基 本 としたボランタリーな教 育 支 援 者 が、協

    働 して学 校 教 育 や社 会 教 育 に関 わるといった「チームで教 育 を行 う」スタイルを具 現 化 するため

    の教 育 支 援 人 材 の役 割 や機 能 を検 討 し、教 育 支 援 人 材 育 成 システムの構 築 のための具 体 的

    な方 策 を提 案 ・企 画 していくプロジェクトである。筆 者 は、平 成 19(2007)〜平 成 24(2012)年 度

    の「日 本 教 育 大 学 協 会 学 校 外 ボランティア質 的 向 上 検 討 プロジェクト」から引 き続 き、プロジェクト

    メンバーとして参 加 している。

    4-2.本 稿 における「教 育 支 援 人 材 」の定 義

    前 述 の「日 本 教 育 大 学 協 会 学 校 外 ボランティア質 的 向 上 検 討 プロジェクト」から引 き続 き、本 プ

    ロジェクトの代 表 を務 める松 田 恵 示 (2016)は、本 プロジェクト会 議 でのさまざまな議 論 を踏 まえて、

    教 育 支 援 を次 のように定 義 している。

    「教 育 支 援 とは、子 どもを支 援 する場 合 と教 育 者 を支 援 する場 合 の 2 つを含 む、学 びに関 わる

    他 者 の行 為 への働 きかけであり、その意 図 を理 解 しつつ、支 えたり、連 携 したり、協 働 したりして、

    そこでの行 為 の質 を維 持 ・改 善 する一 連 の活 動 を指 し、最 終 的 には、学 びということがらをなす、

    子 どもの力 をつけることである9(下 線 筆 者 )」

  • さらに、松 田 (2016)は、学 校 教 育 支 援 の種 類 を下 記 3 つに整 理 している10。

    ①補 助 的 教 育 支 援 :子 どもの登 下 校 の安 全 管 理 や、学 校 内 外 の環 境 整 備 (植 栽 ・芝 生 の手 入 れ、

    修 繕 等 )、行 事 等 の手 助 けなど、教 員 の補 助 を行 う教 育 支 援 活 動

    ②連 携 的 教 育 支 援 :学 校 とは異 なる活 動 主 体 (支 援 専 門 職 、地 域 住 民 、各 種 団 体 、企 業 等 )が

    それぞれの活 動 を行 うにあたって学 校 と連 絡 を取 り合 い協 力 して行 う教 育 支 援

    活 動

    ③協 働 的 教 育 支 援 :支 援 専 門 職 、地 域 住 民 、各 種 団 体 、企 業 などが、学 校 教 育 を担 う一 員 として

    教 員 と協 働 する教 育 支 援 活 動

    【出 典 】松 田 恵 示 (2016)、「序 章 教 育 支 援 とは何 か―教 育 支 援 の概 念 ―」

    このように、「教 育 支 援 人 材 」は学 校 と地 域 住 民 ・専 門 職 等 による協 働 実 践 モデルであると言 え

    る。本 稿 も HATO プロジェクトで議 論 され整 理 された、上 記 の「教 育 支 援 人 材 」の定 義 を基 に、

    論 をすすめていく。

    3-2.教 育 支 援 人 材 が必 要 とされる根 拠 となる諸 言 説

    本 節 では、「教 育 支 援 人 材 」が必 要 とされる根 拠 となる言 説 を紹 介 する。

    まず、矢 野 智 司 (2003)は、教 育 が「発 達 としての教 育 」と「生 成 としての教 育 」の二 つの次 元

    から成 立 すると述 べている11。「発 達 としての教 育 」とは、いわゆる知 識 教 育 であり、教 科 教 育 とし

    て学 力 を向 上 させるための教 育 である。一 方 、「生 成 としての教 育 」とは、個 人 が存 在 することに

    価 値 をみいだし、子 ども達 自 身 が存 在 有 用 性 としての価 値 を体 験 的 に学 習 する過 程 であるとい

    うことができる。福 祉 教 育 は、本 来 はこのような「生 成 としての教 育 」にあたるものである。

    次 に、池 田 寛 の教 育 コミュニティ論 を紹 介 する。池 田 (2001)は大 阪 での人 権 教 育 実 践 を通 し

    keiji matsuda 2015.12.4 1.

    2

    1) ( )

    2) (

    )

    3)

    ( )

  • て「協 働 的 学 校 論 」を展 開 するなかで、「青 少 年 の問 題 現 象 や近 年 の教 育 改 革 への対 処 法 とし

    て協 働 が求 められているだけだとしたら、問 題 が沈 静 化 したり新 基 軸 が軌 道 に乗 れば、協 働 の

    必 要 はなくなるだろう.そういう表 層 的 な現 象 として協 働 への模 索 を理 解 するべきではない。家 庭

    や地 域 との協 働 は、学 校 が成 り立 つための必 然 的 要 件 であり、協 働 が行 われなかったり、その必

    要 性 を考 慮 してこなかったこれまでの学 校 教 育 、そして学 校 と家 庭 ・地 域 の関 係 こそ異 常 な状 態

    にあったと考 えるべきであろう12(下 線 筆 者 )」という見 解 を示 している。また池 田 (2005)は、教 育

    コミュニティづくりについて、学 校 と地 域 が協 働 して子 どもの発 達 や教 育 のことを考 え、具 体 的 な

    活 動 を展 開 していく仕 組 みや運 動 であり、教 育 はいたるところで生 じる営 みであり、学 校 の内 と外

    の教 育 的 営 みが反 響 し合 うようなコミュニティにおいてこそ健 全 な教 育 が可 能 になる13 (下 線 筆

    者 )と、述 べている。

    次 に、佐 藤 学 (2003)は、学 校 を子 どもたちが学 び合 う場 所 であり、教 師 たちが専 門 家 として学

    び合 う場 所 であり、親 や市 民 が教 育 実 践 に参 加 し連 帯 して学 び合 う場 所 であると指 摘 し、21世

    紀 の学 校 を「学 びの共 同 体 」として構 想 した14。「学 びの共 同 体 」としての学 校 は、「学 校 の教 育

    活 動 に対 する親 や市 民 の参 加 と連 帯 によって支 えられ、この課 題 を遂 行 するために親 や市 民 が

    授 業 に参 加 し教 師 と協 力 して子 どもを育 て合 う『学 習 参 加 』の実 践 を組 織 することが必 要 である

    15」と述 べている。

    このような矢 野 、池 田 、佐 藤 の考 え方 は、いずれも児 童 生 徒 に対 し学 校 の中 だけで教 師 が自

    己 完 結 的 に行 う教 育 実 践 だけが、学 校 教 育 ではないと考 えている点 や、「学 校 が存 在 する地 域

    (エリア)=日 常 生 活 圏 域 」の中 で、子 どもたちが家 庭 や地 域 住 民 との人 間 的 情 緒 的 相 互 交 流

    が可 能 な環 境 を創 ることが、子 どもたちの教 育 にとって非 常 に重 要 であるとの指 摘 において、「教

    育 支 援 人 材 論 」に通 底 している。

    最 後 に山 住 勝 広 (2004)は、エンゲストローム(1999)によって理 論 化 された「拡 張 的 学 習 」に

    ついて、「仕 事 や組 織 の実 践 の中 で、人 々が現 状 の矛 盾 に出 会 いながら、対 象 との継 続 的 な対

    話 を進 め、活 動 の新 たなツールやモデル、コンセプトやヴィジョンを協 働 で生 み出 すことによって、

    制 度 的 な境 界 を越 えた自 らの生 活 世 界 や未 来 を実 現 していくこと。複 雑 で流 動 的 で葛 藤 に満

    ちた教 育 実 践 の新 しいコンセプトを、子 どもを含 む実 践 者 (教 師 や親 や地 域 住 民 )が協 働 で形

    成 していく学 び合 いのプロセスこそ、拡 張 的 学 習 の焦 点 であり、それは、現 状 を絶 えず批 評 (自

    己 吟 味 )し合 いつつ所 与 の制 度 的 な(カプセル化 した)境 界 を越 えていき、学 校 から学 習 のネット

    ワークを徐 々に拡 げていくプロセスである16(下 線 筆 者 )」と述 べている。

    また、山 住 (2004)は、従 来 の学 校 の在 り方 を「閉 じられた課 題 」と指 摘 し、「伝 統 的 ・標 準 的 な

    学 校 学 習 (school learning)は、学 びの多 くの過 程 を切 り捨 てることによって成 立 している。長 い間 、

    学 校 学 習 の環 境 は、典 型 的 に、能 力 の個 人 的 形 態 、ツールの利 用 から切 り離 されたスキルなど

    を、主 要 に焦 点 化 し強 調 してきた。それは、「閉 じられた課 題 」の殻 の中 で、バラバラの機 械 的 な

    学 習 行 為 を繰 り返 している。この場 合 、教 育 された人 々は、唯 一 学 校 の状 況 においてよき学 び手

    なのであり、学 校 の外 でパワフルに学 ぶ主 体 として成 長 するように十 分 支 援 されているわけでは

    ない17(下 線 筆 者 )」と、批 判 している。そして山 住 は、このような従 来 の学 校 の在 り方 を変 化 させ

    るためには、拡 張 的 学 習 が必 要 であると指 摘 し、「学 校 、コミュニティ、学 校 外 の多 様 な組 織 間 で

    の生 産 的 協 働 を開 拓 し、社 会 革 新 のための協 働 の活 動 へ連 携 ・参 加 する、学 校 の新 しい学 習

    活 動 の形 態 を研 究 するプロジェクトである。教 師 、子 ども、親 、そして多 様 な参 加 者 の間 で生 まれ

    る拡 張 的 学 習 は、学 校 を『集 合 的 な道 具 』として捉 えて、『学 校 の制 度 的 境 界 を越 えた学 習 のネ

  • ットワーク』を創 造 していこうとするものである18(下 線 筆 者 )」と述 べている。

    このように山 住 やエンゲストロームの提 唱 する『学 校 の制 度 的 境 界 を越 えた学 習 のネットワーク』

    も、まさに本 稿 の「教 育 支 援 人 材 養 成 」にも通 底 する言 説 であるといえる。

    4.地 域 で活 動 する教 育 支 援 人 材 の実 際

    本 章 では、今 まで述 べてきた教 育 支 援 人 材 に関 する諸 言 説 を参 考 にして、筆 者 が関 わってい

    る「地 域 で活 動 する教 育 支 援 人 材 の実 際 」についての一 部 を紹 介 する。

    1)滋 賀 県 における学 校 と行 政 ・社 協 ・地 域 ・企 業 の協 働 実 践 事 例

    〜滋 賀 県 教 育 委 員 が行 政 機 関 ・企 業 との協 働 により教 育 支 援 人 材 を学 校 に派 遣 している事

    例 〜

    「しが学 校 支 援 センター(滋 賀 県 教 育 委 員 会 事 務 局 生 涯 学 習 課 )」は、地 域 の力 を学 校 教

    育 に生 かす仕 組 みづくりを整 え、社 会 全 体 で学 校 や子 どもの体 験 活 動 を支 援 する取 組 や、地

    域 とともにある学 校 づくりを推 進 している。豊 富 な知 識 や経 験 を持 つ地 域 の人 々や企 業 ・団 体 ・

    NPO等 が学 校 を支 援 する仕 組 みを一 層 活 性 化 させるとともに、県 内 各 学 校 の校 務 分 掌 に位 置

    付 けられている「学 校 と地 域 を結 ぶコーディネート担 当 者 19」等 に対 し、生 涯 学 習 ・社 会 教 育 の

    専 門 的 知 識 の習 得 ならびにコーディネート能 力 の向 上 を図 り、学 校 と地 域 を結 ぶ指 導 的 役 割 を

    担 う教 員 を育 成 するために「学 校 と地 域 を結 ぶコーディネート担 当 者 新 任 研 修 ・実 務 者 研 修 」を

    定 期 的 に実 施 している。

    2)社 会 福 祉 協 議 会 のコミュニティソーシャルワーカーが教 育 支 援 人 材 として活 動 する事 例

    〜大 阪 府 吹 田 市 社 会 福 祉 協 議 会 における取 り組 み〜

    大 阪 府 吹 田 市 社 協 では、現 在 12名 のコミュニティソーシャルワーカー20が、セルフネグレクト等

    の新 たな福 祉 課 題 への対 応 とともに、学 校 における福 祉 教 育 にも積 極 的 に参 画 している。従 来

    の「車 いす・アイマスク体 験 」といった障 害 擬 似 体 験 学 習 だけでなく、子 どもたちが福 祉 に関 心 を

    深 めることを目 的 として、社 協 と地 域 住 民 (子 ども見 守 り隊 活 動 者 )と小 中 学 校 が協 働 して自 分

    たちの未 来 のまちづくりについて「子 ども地 域 懇 談 会 (吹 田 のこれからをよくするカフェ in 小 ・中 学

    校 )」といったグループワークによる授 業 を複 数 回 実 施 している。

    3)大 阪 府 教 育 委 員 会 における「地 域 コーディネーター」の養 成 と活 動 事 例

    大 阪 府 教 育 委 員 会 市 町 村 教 育 室 地 域 教 育 振 興 課 地 域 連 携 グループは、平 成 12(2000)

    年 度 から、前 述 の池 田 寛 の教 育 コミュニティ論 を基 にした「地 域 教 育 協 議 会 (すこやかネット)」を

    組 織 することを柱 とした「総合的教育力活性化事業」を展開している。地域教育協議会は、中学校

    区単位で組織される協議会組織で、学校・家庭・地域の各団体・個人の参加のもと組織されている

    ものである。活動内容は、各校区によって様々であるが、基 本 的 には「(学 校 ・家 庭 ・地 域 の間 の)

    連 絡 調 整 」「地 域 教 育 活 動 の活 性 化 」「学 校 教 育 活 動 への支 援 ・協 力 」という3つの機能を果た

    すことが期 待 されている。平 成 13(2001)年 度 から5年計画で「地 域 コーディネーター養成講座」が

    実 施 された 21。大 阪 府 教 委 の地 域 コーディネーターは、「地 域 の子 どもは地 域 で育 てる」をモット

    ーに地 域 社 会 が一 体 となった教 育 コミュニティの取 組 みを推 進 するため学 校 と地 域 の「つなぎ役 」

    としての役 割 を行 う教 育 支 援 人 材 である。現 在 は、「大 阪 府 地 域 コーディネーター連 絡 協 議 会

  • (OSAKAきっずなー)22」 を立ち上げ、地 域 コーディネーターが大阪府内(大阪市を除く)334の全中学校区で学校と地域の協働化を促進するための様々な活動を展開している。

    4)宮 崎 県 都 城 市 社 会 福 祉 協 議 会 と中 学 校 の協 働 による取 り組 み

    宮 崎 県 都 城 市 社 協 では、平 成 15(2003)年 度 に都 城 市 地 域 福 祉 計 画 ・地 区 (中 学 校 区 )活

    動 計 画 区 を策 定 した。その際 、市 内 15 中 学 校 区 で延 べ 75 回 の地 区 策 定 委 員 会 を開 催 し、小

    中 学 生 や教 員 が策 定 委 員 として参 加 した。まさに学 校 と地 域 との協 働 による地 域 福 祉 の推 進 と

    した福 祉 教 育 実 践 であった。平 成 20〜21(2008〜09)年 度 には、宮 崎 県 社 協 の福 祉 教 育 推 進

    事 業 の指 定 を受 け、平 成 22(2010)年 度 からは社 協 ボランティアセンターを「都 城 市 ボランティ

    ア・福 祉 共 育 おうえんセンター」と改 称 し、積 極 的 に学 校 と地 域 をつなぐ福 祉 教 育 実 践 に取 り組

    んできた。

    一 方 、教 育 サイドの動 きとしては平 成 25(2013)年 度 から学 校 を核 として地 域 社 会 が一 体 とな

    って子 どもの育 てる、文 部 科 学 省 初 等 中 等 教 育 局 が主 管 する「コミュニティ・スクール(学 校 運 営

    協 議 会 )」を都 城 市 内 54 校 に設 置 した。同 年 度 に文 部 科 学 省 指 定 研 究 推 進 モデル校 の指 定

    を受 けた山 田 中 学 校 では、ネットワークづくりを推 進 するための基 盤 として、文 部 科 学 省 生 涯 学

    習 政 策 局 が主 管 する「学 校 支 援 地 域 本 部 事 業 (学 校 支 援 ボランティアの会 )」を「都 城 市 ボラン

    ティア・福 祉 共 育 おうえんセンター」と協 働 で立 ち上 げ、学 校 と地 域 の協 働 化 を図 る教 育 支 援 人

    材 が活 躍 している23。

    山 田 中 学 校 における学 校 ・家 庭 ・地 域 の協 働 実 践 の構 造 24

    都 城 市 における学 校 と社 協 ・地 域 との協 働 実 践 のポイントは、学 校 経 営 の地 域 協 働 化 ともいえ

    る「コミュニティ・スクール」と、教 育 実 践 の地 域 協 働 化 といえる「教 育 コミュニティづくり(学 校 支 援

    地 域 本 部 )」の両 者 の協 働 化 を学 校 教 育 に積 極 的 に取 り入 れている点 である。平 成 20(2008)

    年 から実 施 された学 校 支 援 地 域 本 部 事 業 は、平 成 20(2008)年 から「学 校 ・家 庭 ・地 位 の連 携

    による教 育 支 援 活 動 促 進 事 業 」に引 き継 がれている。同 事 業 をより一 層 推 進 するために、文 科

    省 答 申 第 185 号 では「『支 援 』から『連 携 ・協 働 』、個 別 の活 動 から総 合 化 を目 指 す今 後 の新 た

    な体 制 」として「地 域 学 校 協 働 本 部 (仮 称 )」を提 唱 している。

    都 城 市 立 山 田 中 学 校 での具 体 的 実 践 は、地 域 の特 性 を活 かしつつ、BRIDGEⅠ(さまざまな

    - 3 -

    - 4 -

  • 生 き方 を学 ぶ:擬 似 体 験 ・施 設 訪 問 等 )・BRIDGEⅡ(よのなか科 :地 域 住 民 やゲスト講 師 との交

    流 学 習 )・BRIDGEⅢ(他 と共 に生 きる生 き方 を学 ぶ:生 徒 ・教 師 ・地 域 住 民 による演 劇 創 作 )と

    いった系 統 立 てたカリキュラムに基 づく、明 確 な教 育 的 意 図 (フォーマルエデュケーション)をもっ

    て積 極 的 に学 校 ・家 庭 ・地 域 の三 者 による協 働 を模 索 しており、学 校 と地 域 の協 働 化 を図 る、

    学 校 教 育 における福 祉 教 育 ・ボランティア学 習 実 践 であるといえる。また、教 員 や生 徒 と学 校 支

    援 ボランティア(学 校 にかかわる専 門 職 や地 域 住 民 等 )が、相 互 交 流 によるお互 いの学 びを創

    造 する機 能 が強 く働 いていることがうかがえる。換 言 すると、学 校 支 援 ボランティア(学 校 にかかわ

    る専 門 職 や地 域 住 民 等 )が、学 校 と地 域 の協 働 化 を促 進 する教 育 支 援 人 材 としての役 割 を担

    っていると言 える。このような実 践 が可 能 になった背 景 には、当 時 都 城 市 立 山 田 中 学 校 校 長 で

    あった玉 利 勇 二 氏 (現 都 城 市 立 中 郷 中 学 校 )の積 極 的 なリーダーシップも看 過 できない重 要 な

    要 因 であるといえる。

    4.おわりに

    本 稿 では、まず学 校 と地 域 の協 働 化 を促 進 することが必 要 になった背 景 を述 べた。次 に、教 育

    支 援 人 材 について説 明 した上 で、学 校 と地 域 の協 働 化 の重 要 性 や教 育 支 援 人 材 が必 要 とされ

    る根 拠 となる言 説 を考 察 した。最 後 に、筆 者 が関 わっている「地 域 で活 動 する教 育 支 援 人 材 の

    実 際 」の一 部 について紹 介 し、具 体 的 な協 働 支 援 人 材 の役 割 や意 義 を考 察 した。

    文 頭 でも述 べたとおり、学 校 と地 域 の協 働 化 による「チームとしての学 校 」というミッションが打 ち

    出 され、理 念 的 には学 校 と地 域 の協 働 化 の促 進 の方 向 性 は明 確 となった。

    今 後 は、このミッションを具 現 化 し具 現 化 させることが必 要 不 可 欠 である。

    このためには、「学 校 ・施 設 が存 在 する地 域 (エリア)において生 徒 ・教 師 ・施 設 利 用 者 および

    地 域 住 民 が互 いに語 り合 い交 流 する場 での相 互 往 還 的 な学 習 を通 して「地 域 社 会 関 係 」を構

    築 ことで、コミュニティ意 識 ・社 会 連 帯 意 識 の獲 得 によるノーマライゼーション思 想 の浸 透 といった

    点 で、より豊 かな学 習 が提 供 できる」といった仮 説 を検 証 する実 践 研 究 (アクションリサーチ)が重

    要 になってくる。

    ※本 稿 は、日 本 教 育 大 学 協 会 研 究 集 会 富 山 大 会 (2016)の研 究 発 表 のために、新 崎 国 広 (2016)「学 校 と地 域 の

    協 働 化 を促 進 する教 育 支 援 人 材 の意 義 -福 祉 教 育 ・ボランティア学 習 による教 育 実 践 と福 祉 実 践 の邂 逅 を

    めざして」発 達 人 間 学 論 叢 第 19 号 、大 阪 教 育 大 学 教 育 学 部 教 養 学 科 人 間 科 学 講 座 、25-34 頁 を大 幅 に修 正

    加 筆 しリライトしたものである。

    ※本 研 究 は、平 成 27 年 度 文 部 科 学 省 日 本 科 学 研 究 費 助 成 事 業 【基 盤 研 究 (C)】(課 題 番 号 :15K03914:2015

    〜2017 年 度 )研 究 課 題 「貧 困 の連 鎖 を防 止 し学 習 支 援 に寄 与 する学 校 と地 域 協 同 による開 発 的 福 祉 教 育 実

    践 研 究 」の成 果 の一 部 をまとめた研 究 である。

    1 日 本 福 祉 教 育 ・ボランティア学 習 学 会 (Japan Academic Associat ion of Socio-educat ion and Service Learning)

    http://www.jaass. jp/ 2 岡 村 重 夫 (1976)、「福 祉 教 育 の目 的 」伊 藤 隆 二 ・上 田 薫 ・和 田 重 正 編 『福 祉 教 育 福 祉 の思 想 入 門 講 座 3』、

    柏 樹 社 、14~17 頁 3 原 田 正 樹 (2014)「福 祉 教 育 の三 領 域 とは?」『新 福 祉 教 育 ハンドブック』、全 国 社 会 福 祉 協 議 会 、25 頁 4 岡 村 重 夫 (1976)、前 掲 書 、19 頁 5 大 阪 教 育 大 学 は平 成 29(2017)年 度 より、「教 養 学 科 」を再 編 し「教 育 協 働 学 科 」に改 称 する。 6 「3 種 類 の活 動 」とは、①「キッズ・ベンチャー」:アントレプレナーシップ(起 業 家 )教 育 (総 合 的 な学 習 の時 間 )、 ②「スタディ・アフター・スクール(SAS)児 童 の放 課 後 活 動 を充 実 させるための学 生 の主 体 的 な活 動 」、③「森 林 体

  • 験 学 習 (理 科 教 育 の一 環 )」 7 新 崎 国 広 (2005)「ワークショップ(体 験 学 習 )による気 づきを重 視 した福 祉 教 育 授 業 の一 考 察 」発 達 人 間 学 論 叢

    第 8 号 大 阪 教 育 大 学 教 養 学 科 発 達 人 間 福 祉 学 講 座 、53-65 頁 8 FD プログラム小 委 員 会 編 (1992)『FD ハンドブック◎よりよい大 学 教 育 の方 法 を求 めて』財 団 法 人 大 学 セミナー・ ハウス、12 頁 9 松 田 恵 示 (2016)、「序 章 教 育 支 援 とは何 か―教 育 支 援 の概 念 ―」松 田 恵 示 ・大 澤 克 美 ・加 瀬 進 編 『教 育 支 援

    とチームアプローチ 社 会 と協 働 する学 校 と子 ども支 援 』 書 肆 クラルテ、3 頁 10 同 上 書 、9-10 頁 11 矢 野 智 司 (2003)、「『経 験 』と『体 験 』の教 育 人 間 学 的 考 察 -純 粋 贈 与 としてのボランティア活 動 -」、市 村 尚 久 ・

    早 川 操 他 編 『経 験 の意 味 世 界 をひらく-教 育 にとって経 験 とは何 か-』、東 信 堂 、42 頁 12 池 田 寛 (2001)『学 校 再 生 の可 能 性 -学 校 と地 域 の協 働 による教 育 コミュニティづくり』大 阪 大 学 出 版 会 、

    33~34 頁 13 池 田 寛 (2005)『人 権 教 育 の未 来 -教 育 コミュニティの形 成 と学 校 改 革 』解 放 出 版 社 、11- 13 頁 14 佐 藤 学 、「学 校 を変 える-浜 之 郷 小 学 校 の 5 年 間 -」、小 学 館 、2003、14 頁 15 同 上 書 、14~15 頁 16 山 住 勝 広 (2004)、『活 動 理 論 と教 育 実 践 の創 造 拡 張 的 学 習 へ』、関 西 大 学 出 版 部 、ⅱ-ⅲ頁 17 同 上 書 、285 頁 18 同 上 書 、ⅴ頁 19 市 町 立 小 学 校 ・中 学 校 、県 立 特 別 支 援 学 校 ・中 学 校 ・高 等 学 校 において、「学 校 と地 域 をコーディネートする

    等 」の校 務 分 掌 に新 たに位 置 づけられている教 員 、またはそれに準 ずる教 員 20 コミュニティソーシャルワーカー(CSW)は、制 度 の狭 間 や複 数 の福 祉 課 題 を抱 えるなど既 存 の福 祉 サービスだけ

    では対 応 困 難 問 題 の解 決 に取 り組 むソーシャルワーカー。CSWは、要 援 護 者 に対 する個 別 支 援 や住 民 活 動

    のコーディネートを行 うほか、既 存 の福 祉 サービスだけでは対 応 しきれない課 題 に対 しても、新 たな解 決 システム

    の開 発 を模 索 し、解 決 に取 り組 んでいる。 21 渥 美 公 秀 ・諏 訪 晃 一 (2005)平 成 16 年度大阪府教育委員会委託研究「教育コミュニティづくりの活 性 化 に関 する

    調 査 研 究 」大 阪 府 教 育 委 員 会 22 大 阪 府 地 域 コーディネーター連 絡 協 議 会 (OSAKA きっずなー)」:http://www.coordinators. jp/ 23 玉 利 勇 二 (2014)「山 田 中 学 校 における教 育 コミュニティづくり」、第 20 回 日 本 福 祉 教 育 ・ボランティア学 習 学 会

    とうきょう大 会 課 題 別 研 究 実 践 発 表 資 料 より 24 同 上 資 料 提 供 は、元 都 城 市 立 山 田 中 学 校 玉 利 勇 二 校 長 (現 都 城 市 立 中 郷 中 学 校 )。