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1 地方鉄道の現状と地域社会の役割 -南海貴志川線存廃問題の経験から- 近鉄伊賀線利用促進講演会 於上野商工会議所 平成17827和歌山大学経済学部 辻本勝久 1.近鉄伊賀線の現状

地方鉄道の現状と地域社会の役割web.wakayama-u.ac.jp/~ktjapanw/igasen050827.pdf · 黒字鉄道数は29事業者、赤字鉄道数は83事業者。 平成15年度 27.2

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1

地方鉄道の現状と地域社会の役割-南海貴志川線存廃問題の経験から-

近鉄伊賀線利用促進講演会

於上野商工会議所 平成17年8月27日

和歌山大学経済学部 辻本勝久

1.近鉄伊賀線の現状

2

307.4

275.5

238.5

6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17

年度

230

240

250

260

270

280

290

300

310

320

年間輸送人員(万人)

伊賀線

減り続ける伊賀線の利用客

238.5

307.4

1980年を100とした指数

車は増え、まちは拡散し、伊賀線は衰退

1.85台/世帯

(注)自動車台数/世帯とは、旧上野市の世帯あたり自家用乗用車(軽自動車含む)台数

3

100

96.094.1

87.8

85.0

102.6 102.6

107.7 108.2

98.4

96.6

94.6

91.9

1980 1985 1990 1995 2000

80

85

90

95

100

105

110

DIDの人口

DIDの面積

DIDの人口密度

1980年を100とした指数

拡散しつつある伊賀市中心部のDID

(注)DIDとは、人口集中地区のことで、人口密度が40人/ha以上の国勢調査の調査区が集合し、合計人口が5,000人以上となる地域。伊賀市中心部や名張旧町、桔梗が丘などが該当する。

主要都市の人口密度とガソリン消費量(1992年度)

出典:青山吉隆編『第2版図説 都市地域計画』(丸善、2001年)

低密度都市は自動車依存型

4

平成15年度

地方鉄道の成立条件 : 輸送密度から見て

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000 10000

(路線1km・1日あたりの平均乗客数)

輸送密度

0

100

200

300

400

500

営業係数 (100円稼ぐのに要する費用)

伊賀線(輸送密度4000営業係数300)

赤字

黒字

対象は地方旅客鉄道(伊賀線含む)と路面電車112事業者。国土交通省鉄道局監修『平成15年度 鉄道統計年報』と近鉄資料より作成。

5

黒字鉄道平均 赤字鉄道平均 伊賀線 貴志川線0

10

20

30

40

50

60

70

旅客人キロあたり円

人件費修繕費経費(動力費等)諸税減価償却費営業収入

営業費用

営業収入

お客さん1人を1km運んだ場合の収入と費用

国土交通省鉄道局監修『平成15年度 鉄道統計年報』と近鉄資料より作成。

(注)ここにいう鉄道とは、地方旅客鉄道(伊賀線含む)と路面電車、計112事業者である。

黒字鉄道数は29事業者、赤字鉄道数は83事業者。

平成15年度

27.2

9.3

11.0%

69.1%

19.9%

伊賀線

17.3%

32.2%

50.6%

地方鉄道平均

通勤定期 通学定期 定期外

お客さんを分類してみると

(注)ここにいう地方鉄道とは、地方旅客鉄道(伊賀線含む)と路面電車、計112事業者である。

国土交通省鉄道局監修『平成15年度 鉄道統計年報』と近鉄資料より作成。

通学定期客の割合が大きい

人員ベース

6

ある日の伊賀線車内

儲かりにくい構造の伊賀線

国土交通省鉄道局監修『平成15年度 鉄道統計年報』および『数字でみる鉄道2004年版』より作成。

7

9.3

3.7

1.1

3.9

1.6

16.9

伊賀線

0

5

10

15

20

25

30

旅客人キロあたり円

平成15年度

27.2

17.9

これまでは内部補助で維持。しかし・・・

枝が枯れると幹も枯れる!

伊賀線の赤字は僕たち幹線が埋めるぞ!任せとけ!

でも、最近僕らも体力が落ちてきていてね・・なぜって

赤字

近鉄が赤字ローカル線の合理化へ 伊賀線など5支線を対象、バス転換も 1998年3月14日付け大阪読売新聞朝刊

近畿日本鉄道は十三日、赤字ローカル線の合理化について本格的な検討を始める方針を明らかにした。三重県の伊賀線など五支線を対象に、無人駅を増やすなどしてコスト削減を図る。四月からは地元自治体に対し、乗客が減少している現状を説明し、鉄道経営を第三セクターに移管できないか、バスへの転換が可能かなどについて意見を聞く。 (中略)合理化策としては、無人駅を増やすほか、夜間に実施していた線路の保守点検作業を昼間に行い、人件費を約五割削減することにしている。これと並行して地元自治体には、現状説明をするとともに、〈1〉乗客を増やす方策が取れないか〈2〉自治体の助成が可能か〈3〉第三セクターを設立できないか〈4〉バス輸送への転換が図れないか――などについて、相談していく方針だ。

8

養老・伊賀線存続へ協議、近鉄、地元と――三セク化など検討。2005年3月1日付 日本経済新聞 地方経済面 (中部)

(中略)近鉄は養老線と伊賀線(伊賀神戸―伊賀上野間)の

運営のあり方について、それぞれ地元自治体と協議会を設置した。二路線はそれぞれ年間四億―五億円程度の赤字だが、存続させる意向。自治体と共同出資で設立する第三セクターの新会社に、路線や車両などの資産を譲渡する方式を検討している。新会社では定年退職したベテラン運転手を再雇用する。駅員も地元採用により人件費を圧縮する。幹線区間に比べ運行本数が少なく速度も遅いため、運行に支障はないという。安全性確保のため、運行管理や保守点検などは引き続き近鉄が請け負う。地元自治体は第三セクターへの出資を通じて経営責任の一端を担うと同時に、路線や駅舎への固定資産税の軽減などの支援を検討する。運賃体系を大手私鉄ベースから地方鉄道ベースに置き換えるため、値上げになる公算が大きい。

0 017.9

6.2

31.8

4.4

70.3

50.157.1

25

115.7

1995 96 97 98 99 2000 2001 2002 2003 2004 2005

0

20

40

60

80

100

120

140

160

km

0

1

2

3

4

5

6

7

8

路線

廃止延長(左目盛) 廃止路線数(右目盛)

鉄道の相次ぐ廃止

(注1)旅客輸送の営業廃止のみを対象とした。(注2)地下鉄や地下新線開業に伴う廃線は除外した。(注3)一部廃止路線も一路線としてカウントした。(注4)2005年は上半期のみのデータである。

(出所)国土交通省『鉄道統計年報』各年度版より作成。

9

最近の廃止・継承状況

6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17

年度

180

200

220

240

260

280

300

320

年間輸送人員(万人)

伊賀線

貴志川線

廃止検討表明

廃止届提出

上下分離方式での存続へ(和電が継承)

赤字5支線合理化方針の公表(地元に3セク化やバス転換も相談)

昼間保守点検開始

減便、始発繰下・終発繰上、5駅無人化

近鉄伊賀線に関する研究会発足

バイパス開通

バイパス開通

?農免道開通?

バイパス開通

新駅開業

2駅無人化

ワンマン化全車冷房化大増便

ワンマン化 近鉄伊賀線活性化協議会発足

くノ一列車

ビジネスモデルの転換が求められる伊賀線

10

9.3

3.7

1.1

3.9

1.6

16.9

伊賀線

0

5

10

15

20

25

30

旅客人キロあたり円

9.3

3.7

1.1

3.9

1.6

11.0

伊賀線

0

5

10

15

20

25

30

旅客人キロあたり円

平成15年度 人件費を圧縮(仮に11円/人キロにできるとして)

21.3

27.2

12.017.9

人件費を削減するだけでは、赤字がなくならない

どう埋める赤字

赤字

14.0

3.7

1.1

3.9

1.6

11.0

伊賀線

0

5

10

15

20

25

30

旅客人キロあたり円

人件費圧縮し、かつ営業収入を上げる (仮に収入が1.5倍増として)

9.3

3.9

1.6

11.0

伊賀線

0

5

10

15

20

25

30

旅客人キロあたり円

人件費圧縮し、かつ税金と減価償却費を減免する

収支バランスの取り方の例(1)

11

14.0

3.9

1.6

11.0

伊賀線0

5

10

15

20

25

30

旅客人キロあたり円

人件費圧縮、営業収入増、かつ税金と減価償却費を減免する

どうしても不足する部分を、自治体が補う(赤字補てん)

14.0

3.9

1.6

11.0

伊賀線0

5

10

15

20

25

30

旅客人キロあたり円

赤字補てん

収支バランスの取り方の例(2)

1. 鉄道の社会的価値の認識・鉄道の価値は採算性だけでは計測不能・費用便益分析を実施し、社会的価値を明示

2. 地域で支える仕組みへの転換・事業者の経営努力に依存した地方鉄道維持は限界・行政・事業者・地域住民の連携が重要 (三位一体感の形成)・住民参加によって、鉄道と住民の「きずな」を強化・住民の積極的な活動により、行政の存続決断を後押し

3. 「交通」と「まちづくり」の融合・鉄道だけでなく、都市圏交通体系全体を考える・交通体系とまちづくりを一緒に考える

4. 積極的な増収策の提案と実施・駅改善・新型車両の導入・多角化・開発利益還元等

5. 全国の住民団体、まちづくり団体との協力・国の制度自体を、公共交通重視型に変えていく

伊賀線存続の要点

12

2.伊賀線存続の要点その1

伊賀線の社会的価値を再認識

して下さい

利用者便益

事業者便益(採算性)

利用者・

事業者以外の便益

社会的な価値(便益)

採算性だけで伊賀線の価値を議論することはできません

伊賀線の社会的価値

13

・利用者の便益

・事業者の便益

採算性

・利用者・事業者以外に及ぶ便益

社会的便益

地球環境への影響、景観への影響、資源・エネルギーの消費量、伊賀線が存在することによる安心感 など。伊賀線のおかげで並行道路の渋滞が緩和され、道路利用者も得をしています。

所要時間、移動費用、安全性 など(伊賀線廃止で通学の足はどうなるのか)

-100

-80

-60

-40

-20

0

20

40

60

相生

岩内

渚滑

興浜南

興浜北

白糠

美幸

万字

士幌

広尾

湧網

羽幌

富内

胆振

瀬棚

日中

赤谷

魚沼

清水港

高砂

倉吉

小松島

香月

勝田

添田

室木

矢部

漆生

佐賀

宮原 妻

志布志

大隅

宮之城

転換前の旧国鉄線名

乗客の減少率 [%]

上岡直見氏講演「貴志川線が残らんようでは他にどこが残るんや」(2004.12.11)資料より加筆転載。

バスに伊賀線の代わりが務まるか?

乗客の減少率(%)

バス転換前の旧国鉄線名

代打成功!

代打失敗!

20

40

60

-20

-40

-60

-80

-100

14

上野高校 在校生1073人伊賀線通学者632人 (58.9%)

上野工業高校 在校生 545人伊賀線通学者約260人 (47.7%)

名張桔梗丘高校 在校生 759人伊賀線通学者383人 (50.5%)

(他の高校からは回答なし。池原先生、杉生先生、花本先生御協力ありがとうございました)

各高在校生の5割~6割を占める伊賀線通学者

平成13年6月28日付福井新聞より転載。

遅い

高い

乱れる

混む

15

1.交通事故リスクの大きさ!・わが国の人口10万人あたりの交通事故負傷者数

1980年の518.9人を境に増加に転じ、2004年には927.1人

・高齢者の交通事故の社会問題化1995年から2004年までの10年間に、2.32倍に急増(65歳以上の原付・自動車運転者が第1当事者となる交通事故件数)

2.生活の選択肢の限定!・高齢者や生徒等クルマを運転できない人の外出機会を制約・人生90年時代。豊かなシルバーライフ実現の為にも、自動車だけに頼ったまちづくりに突き進んで良いのか?・伊賀線は伊賀都市圏の大動脈であり、背骨である

伊賀線廃止で伊賀の「生活の足」は壊滅的打撃を受け、伊賀びとの「生活の質」が急降下の恐れ。

自動車依存型社会の問題点(その1)

3.地球環境への悪影響!・1人を1km運ぶとき、自家用乗用車は二酸化炭素を47g(炭素換算の重さ)出します(軽は23g)。鉄道は5gです。・Noxや浮遊粒子状物質の最大排出源は工場ではなく、車。

4.都市空間のムダ使い!・まちと緑地の境目があいまいとなり、メリハリがなくなる・都心部の空地が軒並み駐車場化し、都心がスカスカになってますます魅力低下

5.道路整備・維持費の増大!・道路整備→自動車増→渋滞→道路整備→公共交通や都心衰退、という悪循環

6.都市拡散に伴う公共投資効率の低下!7.中心市街地の衰退と地域特色の喪失!・「うえのらしさ」「いがらしさ」が消えて、どこにでもあるまちになる恐れ

自動車依存型社会の問題点(その2)

16

アイドリング・ストップよりも環境に優しいのは・・・

はい!私に乗ることです

ある日曜日、お昼過ぎの上野市駅前

17

美しい城下町が車で埋まります

18

路面電車やバスの定時性が低下

<環境面>自動車諸公害、資源浪費

交通渋滞の深刻化

公共交通の衰退

悪循環

自動車交通量の増加需要追随型道路整備

悪循環

都市の拡散(人口密度の低下)

<経済面>財政へ悪影響、市街地衰退

<社会面>事故、コミュニティ崩壊

出所:辻本作成

自動車依存型まちづくりは、いずれ行き詰まります

バスの定時性が低下

誰もが自由かつ安全に移動でき

環境にやさしく

財政への負担が軽い

持続可能な都市交通システム

社会環境の維持・発展

環境の改善 経済の発展

伊賀線など公共交通の価値を再認識し、「持続可能な伊賀都市圏」を目指すべきでは

19

社会的費用便益分析(費用対効果分析)を行えば伊賀線の社会的価値が数値で出てきます

○WCAN05年1月南海電気鉄道貴志川線

未定秋田県全国鉄道利用者会議

秋田内陸線サポーター

05年1月05年2月

秋田内陸縦貫鉄道線

×茨城県環境自治体会議環境政策研究所

04年3月04年8月

日立電鉄線

○国交省04年5月上田交通 別所線

○福井県01年京福電気鉄道

越前本線・三国芦原線

存続分析の実施主体

費用対効果分析結果の

公表年月路線名

存廃問題が起こった鉄軌道と費用対効果分析の実施

20

2.伊賀線存続の要点その2

伊賀線を地域で支える仕組みを

つくって下さい。

地域住民ひとりひとりが主役です

クルマ通勤のあなた。たまに乗るのもいいものですよ

伊賀線 家並み縫いゴットン 1992/06/27付中日新聞

(中略)城下町にひしめき合う家並みを縫うように走る。伊賀忍者、芭蕉……。心は一瞬タイムスリップ。「ゴットン」。連続するカーブが、現実に引き戻した。目の前は相変わらず民家ばかり。屋根の間から人知れぬロマンを追うしかなかった。くわ町かや町広小路 も少しゆられて上野町再び口ずさんだ歌もつかの間。各駅間は五百-九百メートルと短く、わずか六分、あっという間に上野市(うえのし)駅に着いた。迎えてくれたのは大正時代の名残そのままのモダンな駅舎と街のシンボル・上野城だった。「のんびり歴史を刻む山あいにぴったりの路線なんです」。駅員の言葉は時代が変われど、心の時計を止める時があってもいいと、訴えていた。

21

公共交通との「きずな」が失われていませんか

住民からも事業者からも忘れ去られた?バス停

時刻表が古くなり、

まったく読めません

22

地域住民と鉄道の「きずな」をつくる

(南海貴志川線 甘露寺駅)

住民自らが、できる範囲で汗を流し、鉄道と何らかの関わりを持ち続ける。

鉄道との絆ができ、守るべき存在に思えてくる。

乗って、汗かいて残そう伊賀線!

23

南海貴志川線 竃山駅

住民の存続運動が実を結んだ事例-南海貴志川線-

24

貴志川線の概要(平成16年度)

・営業キロ 和歌山ー貴志間 14.3km

・駅の数 14駅

・年間輸送人員 192.6万人 (5277人/日)

・輸送密度 3104人 (平成15年度)

・運転本数 平日96本/日 休日78本/日

・営業赤字 5億670億円(平成15年度)

・営業係数 262 (平成15年度)

・鉄道要員 42人

・固定資産 21億9200万円(平成16年末)

土地6億5800万円、駅舎等15億3400万円

対H7年度70.2%対前年度97.0%

伊賀線と貴志川線の比較(平成15年度)

25

10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9月平成15年 平成16年

協議会設置

勝手連がHP開設

シンポ開催参加者僅か

勝手連ワ|クショップ

つくる会会員募集開始

大型シンポ

NHK放映

WCAN始動

署名と調査

行政・議会

住民活動

不活発行政任せの空気強し

存続決断できず

南海、沿線自治体へ廃止検討開始を伝達

南海、鉄道事業法に基づく事業廃止届を提出

住民が盛り上がらず、危機的状況にあった貴志川線

議会が存続求める決議(和歌山市、貴志川町)

首長南海に存続嘆願

公共交通活性化の戦略会議中 (WCAN)

WCAN : 和歌山市民アクティブネットワークの略称。和歌山市の中心市街地活性化

や交通問題などを議論し、「言うだけでなく動く」市民団体である。

26

貴志川線の未来をつくる会・鉄道の存続願う沿線住民団体・駅勢圏コミュニティの核(沿線レベルの視点)・各種イベントの企画と実行

WCAN・和歌山の活性化願う市民団体・都市圏以上の大きな視点・シンクタンクとしての実績・大型プロジェクトの企画と実行

環境・交通・まちづくり関係の市民団体や個人

イベント イベント

イベント イベント

イベント

緊密な連携

貴志川線存続住民会議(理想像)

まとまりのある住民活動で和歌山電鐵を強力に支援

運営委への人材派遣 住民会議のイベント

平成16年 平成17年

収支シミュ

勝手連が駅評価WS開催

つくる会シンポ開催盛況

大型シンポ

NHK放映

WCAN始動

市長が長期負

担改めて否定

住民活動

南海、鉄道事業法に基づく事業廃止届を提出

住民活動が一気に爆発、行政決断後押し

つくる会が勉強会開催

つくる会が市議会へ嘆願

WCANが並行道路調査

膠着状態

諸団体団結し住民会議結成

WCAN費用対効果分析

県・市・町が存

続で合意

沿線の高校がシンポ開催

収支再シミュ

WCANはじめ住民会議有志で継承打診活動。岡電にラブレター。

WCAN、行政に勉強会提案

町基金表明

市町が継承事業者公募し岡電を選定

岡電への継承決定 南海が廃止

を半年延長

つくる会 美化活動等を引き続き展開

WCAN岡山視察

市が調整区域規制緩和

膠着状態

06年4月より和歌山電鐵が継承

・・・

住民活動が急激に活発化9 10 11 12 1 2 3 4 5 6月

和歌山電鐵設立

運営委設立準備

行政・議会

WCAN 定例会継続し支援計画練る

運営協議会設立準備

高校合同で貴線祭

27

貴志川線に対する支援の枠組み(2005.2.4 県・市・町合意)

和歌山県

・和歌山市・貴志川町の鉄道用地取得費を補助金で全額負担

・将来の大規模修繕費として累計2.4億万円を上限に支出

・ただし、次の2条件付き

・県は鉄道運営の主体として参画しない

・両市町が10年以上の運行を担保する

和歌山市・貴志川町

・土地は市と町が保有する (運営事業者に固定資産税がかからない)

・運行事業者への赤字補てんについて、市が65%、町が35%の割合で、

8億2000万円を上限に10年間負担する

・県の協力のもと、運営を引き継ぐ民間事業者を公募する

・可能な限り民間の協力を得て、利用促進に努める

私どもは、貴志川線のような地方鉄道の運行を将来にわたって持続する責任は、運営会社や補助をする行政だけにあるのではなく、当然地域住民も責任を持って協力すべきものと考えております。この考えの基に現在、われわれは貴志川線に積極的に乗車しているだけでなく、貴志川線各駅の清掃・植栽や、集客イベントの企画と実施、並行道路交通状況の調査分析活動、市民ファンド勉強会、和歌山都市圏の交通ビジョンの提案、地域住民への啓発活動等を積極的に行っております。勿論、引き続いて、沿線の各種団体と連携しながら、運営引き継ぎ会社をさらに強力にバックアップする覚悟でおります。どうか、私どもの真摯な願いをお汲み下さり、貴志川線運営引き継ぎ会社として応募下さいますよう、心よりお願い申し上げます。貴グループを和歌山都市圏の仲間としてお迎えできる日を、心からお待ち申し上げております。

貴志川線沿線住民の決意

WCANとつくる会が岡山電気軌道に送った通称「ラブレター」より転載。

28

経営責任者

運営委員会

執行責任者

総務部長

鉄道部長 営業課長

技術課長 線路施設主任

電気主任

車両主任

助役:5名

総務主任

経理主任

運転士:14名

嘱託駅掌:2名

代表取締役社長代表取締役専務

常務取締役鉄道主任技術者

執行責任者兼務 総務・人事担当

和歌山電鐵の組織図

住民団体、沿線学校の生徒ら10名程度で構成

http://www.geocities.jp/william_tells_apple/wafu.html

29

4.伊賀線存続の要点その3

交通とまちづくりを融合させ、

「交通まちづくり」を進めましょう

30

和歌山駅

神前駅

吉礼駅

和歌山市内約11km中、約3.5kmのみが市街化区域内

和歌山駅

神前駅

吉礼駅

実施された規制緩和

駅周辺500mに住宅・店舗の立地可能に(各種制限有)

31

竈山駅裏の宅地開発 (H17.8.22撮影)

誰もが自由かつ安全に移動でき

環境にやさしく

財政への負担が軽い

持続可能な交通システム

社会環境の維持・発展

環境の改善 経済の発展

産官

民学

21世紀型交通まちづくり

実現

交通

まちづくり

融合

連携

持続可能な伊賀都市圏づくり

32

第1回

交通まちづくりサロン平成18年5月19日(金)午後7時より○○にて

第1部 勉強会 「かしこいクルマの使い方」

講師:○○大学教授○○○○さん

第2部 交流会(私のクルマの使い方は賢いの?

講師を囲んでわいわい話しましょう)

参加費 100円以上のカンパ

どなたでも参加できます!

主 催 和歌山市 ・ WCAN交通まちづくり分科会

WCANが企画中の交通まちづくりサロン

交通まちづくり会議in和歌山(仮称) 交通まちづくりサロン

成果

市民向けのやさしい「交通まちづくり教本」を作成

配布

ご家庭で子供と 図書館でパラパラ カフェでなるほど ネットでも公開

効果

21世紀型交通まちづくりの裾野が拡大

33

「まちづかいマップ」の作製にも取り組むWCAN

・鉄道やバスの路線情報、乗り継ぎ情報、各種施設へのアクセス情報、バリアフリー情報等を盛り込んだ地図を作製する。地図は折りたたんで胸ポケットに仕舞えるよう工夫し、それ一枚持っていれば公共交通を使って和歌山というまちを使い倒せるような高い水準、かつ廉価なものとする。便利で廉価なまちづかいマップの存在は、公共交通利用時の乗り継ぎ不安などのストレスを軽減する。・地図は教育委員会を通じて小中高校生に無料配布し、転入者にも無料で差し上げる。幼い頃から、あるいは転入してすぐからの公共交通利用を徹底し、習慣づける。・地図の製作にあたっては、市民が自らの手と足と五感で情報を収集し、公共交通ネットワークを自ら点検し、改善策を提案する。これによって「気づき」を促し、自発的な公共交通利用を実現する。

34

5.伊賀線存続の要点その4

積極的な増収策を提案しましょう

(時間の都合で略)

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例えば・・・

近鉄駅掲出ポスターはB2版(約72.8cm×51.5cm)限定

地域の子育て情報、イベント情報、ミニコミ紙などの掲出には大きすぎる

伊賀線の小駅に合わせた小さなサイズを格安で掲出できるように工夫しては?

地域のみなさんのアイデアを積極的に提案しましょう

6.伊賀線存続の要点その5

全国の住民団体、まちづくり団体と

協力しましょう

「鉄道まちづくり会議」 (今年は11/11~12に長野県上田市で開催)

http://homepage3.nifty.com/sustran-japan/datafile/events.htm

(来年4/1~2は和歌山市・貴志川町で開催予定)

「全国・路面電車ネットワーク」 http://www.areev.org/

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伊賀線沿線の方々へWCAN、貴志川線応援勝手連、貴志川線の未来をつくる会より

ご清聴ありがとうございました。