2007年3月30日株式会社 日立製作所 　オートモティブシステムグループ 本田 恭彦

オートモティブシステムグループ事業戦略

Ⅰ

Ⅲ

Ⅱ

市場環境と日立の取組み

将来に向けた成長戦略

まとめ

■世界自動車生産の推移

出所：「OICA統計データ」他、日立推定

１．自動車生産推移Ⅰ　市場環境と日立の取組み

日本

北米

欧州

アジア　他

0

20

40

60

(百万台/年)

’70 ’80 ’90 ’00 ’12 (年)

29.738.5

48.358.4

79.780

’06

69.6

’06⇒’12年平均成長率

2.3％

1.3％

0.8％

0.3％

5.2％

市場傾向 中国を筆頭に「アジア・他」地域の市場が拡大中国を筆頭に「アジア・他」地域の市場が拡大

■世界自動車市場の金額規模

2005年

135兆円

自動車

78兆円

自動車部品

出所：｢自動車年鑑 2006-2007年版｣他、日立推定

部品78兆円

照明/計器類車体部品 他

エンジン用部品

電装品/電子部品

駆動/伝動及び操縦装置部品

情報関連機器 他

オートモティブシステムグループ事業領域 約44兆円

約44兆円

Ⅰ　市場環境と日立の取組み

２．部品市場規模

2005～2015

環環 境境

情情 報報

安安 全全

エネルギー問題CO2規制排気規制

交通事故削減

運転ストレス軽減通信インフラ整備

アクティブセイフティ（予防安全）

次世代テレマティクス

低燃費車電動技術応用車

直接噴射システム可変動弁システム

ハイブリッドシステム

全方位外界認識システム

車両運動マネジメントシステム

エアフロセンサーVEL, VTC

バッテリーモーターインバーター

ミリ波レーダー

カメラ

ステアリング

ブレーキ

サスペンション

ｵｰﾃﾞｨｵﾋﾞｼﾞｭｱﾙ

ﾅﾋﾞｹﾞｰｼｮﾝ

交通渋滞予測

地図情報差分更新

遠隔車両診断

潮流・規制 市場ニーズ 日立対応システム 構成技術

VEL：Continuous Variable Valve Event and Lift Control SystemVTC：Valve Timing Control SystemVRM：Vehicle Relationship Management

協調制御ﾅﾋﾞｹﾞｰｼｮﾝｼｽﾃﾑ

多機能・ｵｰﾃﾞｨｵﾋﾞｼﾞｭｱﾙﾅﾋﾞｹﾞｰｼｮﾝｼｽﾃﾑ

VRMシステム

Ⅰ　市場環境と日立の取組み

３．経営環境と事業ポートフォリオ

ＩＴＳ統合制御

ＩＴＳ統合制御

’01 ’02 ’03 ’04 ’05 ’06～

日立モバイル完全子会社化 Ｉ

ＴＳ統合制御

ＩＴＳ統合制御

中国蘇州市に新会社設立

　　ドイツに新会社設立

　中国上海市に新会社設立

日立ビークルエナジー設立

電動力応用統括　推進本部設置

ユニシアジェックス　完全子会社化

日立ﾕﾆｼｱｵｰﾄﾓﾃｨﾌﾞ　/トキコ３社統合

・合弁会社ｴｲﾁ･ｼｰ･ｴｯｸｽ設立・ｻﾞﾅｳﾞｨ･ｲﾝﾌｫﾏﾃｨｸｽ完全子会社化

クラリオンへ出資

CIS事業部設置

クラリオン子会社化

ＣＩＳ：Car Information Systems

Ⅰ　市場環境と日立の取組み

４．各分野での体制基盤強化

環環 境境

情情 報報

安安 全全

事業規模

（億円/年）

2003年度

前回IR時 実績

3,650 3,867

5,8225,000

6,900

1兆円

2005年度

前回IR時

2010年度

前回IR時実績

2006年度

見通 計画

2010年度事業規模: 営業利益率:１兆円 7％以上

安全安全

情報情報

環境環境

～2010年度

Ⅰ　市場環境と日立の取組み

５．事業戦略目標

環 境

阪神エレクトリック日立ビークルエナジー

エンジン制御、モーター、インバーター、バッテリー

情 報ナビゲーション、テレマティクス

ｻﾞﾅｳﾞｨ･ｲﾝﾌｫﾏﾃｨｸｽクラリオン

ブレーキ、ステアリング、サスペンション

安 全

半導体、素材・機能部品

日立電線 日立金属 日立化成工業 新神戸電機ルネサステクノロジ

日立ｸﾞﾛｰﾊﾞﾙｽﾄﾚｰｼﾞﾃｸﾉﾛｼﾞｰｽﾞ 日立粉末冶金

ITS統合制御

Ⅰ　市場環境と日立の取組み

６．ITS統合制御に向けた連携体制

Ⅰ

Ⅲ

Ⅱ

市場環境と日立の取組み

将来に向けた成長戦略

まとめ

オートモティブシステムグループ事業戦略

１．日立の強みと重点施策

強み ×

IT:Information TechnologyITS:Intelligent Transport Systems

製品技術・開発力

④ 補修品事業の強化

② 基盤事業の強化

① 成長分野への対応

③ ITS統合制御への　

取組み

販売力

① 顧客戦略

② 地域戦略

モノづくり力

① QCDDSの強化

② グループシナジーの

創出

Ⅱ　将来に向けた成長戦略

電機（電子制御化・電動化）

ＩＴ（車載情報機器・サービス＆ソリューション）

高機能部品・材料（日立グループ各社）

実業

（パワートレインシステム・ 車両

　運動マネジメントシステムの技術）

Ⅱ　将来に向けた成長戦略－製品技術・開発力

２．成長分野への対応

■ITS社会の進展社会潮流

エネルギー問題CO2削減

交通事故削減

運転ストレス軽減通信インフラ整備

環境

安全

情報

走る

伝える

止まる 曲がる

システムの進化・連携・融合⇒ITS統合制御

つながる

（ユビキタス化）

ＩＴＳ社会の進展

成　　長　　分　　野

サービス インフラ

電装・燃料・吸排気・駆動製品

　

VRMﾌﾟﾛｰﾌﾞｶｰﾃﾚﾏﾃｨｸｽ

　　車両動態管理　　　　音楽配信

　

カメラ　センサーカーナビ　制御ユニット

　　　　　道路　　　　 信号　　　 衛星

移動体通信網　

車載関連製品

総合力による VALUE の創出

■日立ITSコンセプトエリア

ＩＴ・ITS市場

修理　車検　　 保険

路側機渋滞予測ETC/決済

　　　　運行管理　　　地図配信　　　　　

出所：ITS産業振興研究会提言資料より日立作成

IT:Information TechnologyITS:Intelligent Transport SystemsETC:Electronic Toll Collection SystemVRM:Vehicle Relationship Management

Ⅱ　将来に向けた成長戦略－製品技術・開発力

３．基盤事業の強化－環境

■燃焼・制御ｼﾐｭﾚｰｼｮﾝ技術

■DIGシステム　　（直噴ガソリンエンジン制御）

高圧燃料ポンプ／インジェクター／制御ユニット

・小型化・軽量化により、省燃費と搭載性向上実現

・「燃料噴霧解析技術」により、各エンジンに対応した噴霧

の最適化。低燃費化・低排気化

・高性能、低コストの両立

・エンジンルーム実装によるワイヤーハーネスの削減

■センサー技術エアフローセンサー圧力センサー　各種センサー

・センサーにおける高度な不純物遮断性・計測精度を実現

・MEMSによる車両運動状態を検出するセンシング技術

■可変動弁システム　ＶＥＬ （Continuous Variable Valve 　　　　　　　Event and Lift Control System ）

　ＶＴＣ　(Valve Timing Control System)

・ハード、制御システム開発での差別化

　（小型・軽量化、フリクション低減、排気低減、出力・トルク

　　向上）

・DIGシステムとの組合せによる高機能化の実現

MEMS:Micro Electro Mechanical Systems

Ⅱ　将来に向けた成長戦略－製品技術・開発力

４．基盤事業の強化－環境１

差別化技術 優 位 点

・モーター、インバーター、バッテリーをシステムとして　供給が可能・日立創業以来のモーター技術による小型化・軽量化・　高出力化

・新幹線に代表される高信頼・高効率性・高密度実装化

　による小型化・軽量化技術・電極材料の改良により、高出力化・長寿命化を実現

■ＨＥＶシステム

モーターインバーターリチウムイオンバッテリー

・電動化による燃費ロスの低減

・バッテリーレスによる軽量、低コスト化の実現■電動４WDシステム

日立グループ内連携によるコア技術の開発

[例]　GM社向けHEV用　日立ｸﾞﾙｰﾌﾟ関連製品日立電線：電源ﾊｰﾈｽ、駆動ﾓｰﾀｰ用巻線日立ｴｰｱｲｼｰ：ﾌﾟﾘﾝﾄ基板 　 ﾙﾈｻｽﾃｸﾉﾛｼﾞ：MOSFET、CPU　　日立金属：ﾉｰﾏﾙﾓｰﾄﾞﾁｮｰｸｺｲﾙ　NEOMAX：ﾏｸﾞﾈｯﾄ

・エンジン制御とモーター制御と両方の知見と取纏め能力■エネルギーマネジメント

MOSFET:Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect TransistorCPU:Central Processing Unit

Ⅱ　将来に向けた成長戦略－製品技術・開発力

５．基盤事業の強化－環境２

差別化技術 優 位 点

Ⅱ　将来に向けた成長戦略－製品技術・開発力

６．基盤事業の強化－安全

外界認識と車両運動制御

との協調

「認知」(センサー)

「判断」(ｺﾝﾄﾛｰﾗー)

「操作」(ｱｸﾁｭｴｰﾀー)

・遠距離、広角近距離のレーダー及び多機能単眼、ステレオカメラ等に　よる全方位のセンシングが可能

■全方位外界認識システムミリ波レーダー

画像処理カメラ

■車両運動マネジメント　　

システム

[ステアリングシステム]油圧パワステ

電動パワステ

ステアバイワイヤー

[ブレーキシステム]電動ブレーキ

ＡＢＳ、ＶＤＣ

ブレーキバイワイヤー

[サスペンションシステム]セミアクティブサスペンション

電磁サスペンション

・先進技術応用（NVH解析、材料技術等）

・電子部品（ｺﾝﾄﾛｰﾙﾕﾆｯﾄ､ｾﾝｻｰ）との抱き合わせ

ABS : Anti-lock Brake System VDC : Vehicle Dynamics Control NVH : Noise Vibration Harshness

Ⅱ　将来に向けた成長戦略－製品技術・開発力

７．基盤事業の強化－安全

差別化技術 優 位 点

Ⅱ　将来に向けた成長戦略－製品技術・開発力

８．基盤事業の強化－情報

差別化技術 優 位 点

・運転特性、車両制御、走行情報等の分析による車両

故障予兆診断・省燃費運転支援などの実現

・システムの構成要件（車両制御部品、車載端末、テレ

マティクスポータル事業、企業情報通信システム等）の

ノウハウを保有

■ＶＲＭシステム　　車両故障予兆診断

　　省燃費運行支援

・多機能でマルチメディアなオーディオビジュアル・ナビ

ゲーション

・ＨＭＩ（Human-Machine Interface）構築力

・テレマティクスや交通渋滞予測など、高信頼情報の　

提供

・高級仕様から廉価仕様までユーザー要求仕様に対応

■多機能・ｵｰﾃﾞｨｵﾋﾞｼﾞｭｱﾙ　　ﾅﾋﾞｹﾞｰｼｮﾝｼｽﾃﾑ　　　交通渋滞予測

　　　テレマティクス

・外界認識システムとの協調

・地図情報差分更新と高精度ロケーター

■協調制御ﾅﾋﾞｹﾞｰｼｮﾝｼｽﾃﾑ　　　高精度自車位置

　　　地図情報差分更新

VRM：Vehicle Relationship Management

Ⅱ　将来に向けた成長戦略－製品技術・開発力

９．基盤事業の強化－情報

「聞く」「見る」「感じる」「曲がる」「止まる」「走る」のそれぞれのコア技術と「考える」制御技術が、高信頼通信ネットワークにより統合制御され、Pollution Free, Hazard Free, Stress Free の実現をめざす

パワーステアリング

サスペンション

曲がる

ABSブレーキキャリパー

止まる

画像処理カメラ

見る

考える

ADASコントローラー

広角近距離レーダーミリ波レーダー

車体速センサー感じる

パワートレインコントローラー

走る

テレマティクスサービス

ナビ

聞く

渋滞予測

Ⅱ　将来に向けた成長戦略－製品技術・開発力

10．ＩＴＳ統合制御の取組み

日立ﾓﾊﾞｲﾙとの一体運営

補修品のグローバルビジネス構築

【北米】新規販売ﾙｰﾄの開拓【欧州】拠点を活用したビジネスの立上げ【中国】現地サービスネットワーク活用による拡販

「リビルト品」の新規商品化

地域別戦略の推進

新サービスネットワーク：「PitCom（ﾋﾟｯﾄｺﾑ）」の拡大

電動化、電子化されるクルマに対応できる診断整備ショップ販売強化とサービスの拡充

06年度（実推）：20店07年度（目標）：2店/県(全国80店)

故障診断装置「ダイアグモニタ」を　　　　　　核とした補修品ビジネスの拡大

高度車載診断システム(OBD）対応故障診断装置　「ﾀﾞｲｱｸﾞﾓﾆﾀ」

ＯＢＤ：On Board Diagnostic

Ⅱ　将来に向けた成長戦略－製品技術・開発力

11．補修品事業の強化

基本戦略 マーケット・インによるグローバル顧客への拡販

基本施策■先行開発での顧客とのパートナー関係構築

■日立グループ最先端技術・製品の提案

顧客別売上構成比（2005年度 実績） ルノー/日産

45%

GM Gr. 5% Ford Gr. 6%

いすゞ 3%トヨタ Gr. 8%

ホンダ 3%

スズキ 2%

他 28%

GMグループ：Opel、Saabを含むトヨタグループ：富士重工を含むFordグループ：マツダを含む

Ⅱ　将来に向けた成長戦略－販売力

12．顧客戦略

主要地域に「開発」「製造」「販売」拠点を展開

北中南米12拠点

日本34拠点

中国12拠点

アジア14拠点

欧州10拠点

基本戦略 地域特性・ニーズに即したグローバル事業の拡大

北 米 現地対応力強化(開発・販売・モノづくり)による競争力の維持・拡大

欧 州 特定製品(ｶｰﾅﾋﾞｹﾞｰｼｮﾝ､直噴ｶﾞｿﾘﾝ､ｴｱﾌﾛｰｾﾝｻｰ他)の受注拡大

ｱｼﾞｱ・中国 成長市場での積極拡販、グローバル生産拠点としての活用

アライアンス活用も含めた事業基盤の早期確立BRICs対応

拠点数：ｵｰﾄﾓﾃｨﾌﾞｼｽﾃﾑｸﾞﾙｰﾌﾟ　　　　　関連会社数[合計82社]

Ⅱ　将来に向けた成長戦略－販売力

13．地域戦略 ‐1

海外売上高比率 2010年度（目標）　　50％以上

国内59%

05年 10年国内50%

海外海外41%41%

海外海外50%50%

欧州

アジア日本

中国 北中南米12拠点

34拠点

12拠点

14拠点

10拠点

Ⅱ　将来に向けた成長戦略－販売力

14．地域戦略 ‐2

主要地域に「開発」「製造」「販売」拠点を展開

拠点数：ｵｰﾄﾓﾃｨﾌﾞｼｽﾃﾑｸﾞﾙｰﾌﾟ　　　　　関連会社数[合計82社]

継続改善によるお客様満足向上

安定的・高収益なコスト構造の確立

グローバル最適生産体制の構築

高度技術開発の推進(グループ研究所新設)

グループ経営､開発､モノづくりのスピード向上

Q(品質)Q(品質)

C(コスト)C(コスト)

D(納入)D(納入)

D(開発)D(開発)

S(スピード)S(スピード)

グローバル人材の育成 CSR活動の推進 安全の遵守

Ⅱ　将来に向けた成長戦略－モノづくり力

15．Ｑ・Ｃ・Ｄ・Ｄ・Ｓの強化

Ⅱ　将来に向けた成長戦略－モノづくり力

16．グループシナジーの創出

跨りシナジー

垂直シナジー

電力システム鉄道システム官公システム

【社会基盤事業】

オートモティブシステムオートモティブシステム産業システム金融システム

【産業基盤事業】

都市システムホームＩＣＴシステム医療システム

【生活基盤事業】

【基盤技術製品事業】日立電線

日立化成工業

日立金属 ルネサステクノロジ日立ｸﾞﾛｰﾊﾞﾙｽﾄﾚｰｼﾞﾃｸﾉﾛｼﾞｰｽﾞ

日立ﾃﾞｨｽﾌﾟﾚｲｽﾞ

他

日立研究所

機械研究所

中央研究所 システム研究所

基礎研究所

生産技術研究所

【研究所技術】

ITプラットホ－ム システムソリューション

【情報基盤事業】

Ⅰ

Ⅲ

Ⅱ

市場環境と日立の取組み

将来に向けた成長戦略

まとめ

オートモティブシステムグループ事業戦略

まとめ

1．2010年度到達目標

事業規模：１兆円 営業利益率：7％

2．ITS統合制御への取組み

「環境」「安全」「情報」の各分野のシステム事業を協調・融合させ『ＩＴＳ統合制御』の実現をめざす

電機（電子制御化・電動化）

ＩＴ（車載情報機器・サービス＆ソリューション）

高機能部品・材料（日立グループ各社）

実業（パワートレインシステム・ 車両運動マネジメントシステムの技術）

強み ×

本資料における当社の今後の計画、見通し、戦略等の将来予想に関する記述は、当社が現時点で合理的である

と判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等の結果は見通しと大きく異なることがありえます。

その要因のうち、主なものは以下の通りです。

●市場における製品需給の変動及び価格競争の激化　 （特に情報通信システム部門、電子デバイス部門及びデジタルメディア・民生機器部門）

●新技術を用いた製品の開発、タイムリーな市場投入、低コスト生産を実現する当会社及び子会社の能力

●急速な技術革新（特に情報通信システム部門、電子デバイス部門及びデジタルメディア・民生機器部門）

●為替相場変動　（特に円／ドル相場）

●製品需給及び為替変動に対応する当会社及び子会社の能力

●主要市場（特に日本、米国及びアジア）における経済・社会状況及び貿易規制等各種規制

●自社特許の保護及び他社特許の利用の確保（特に情報通信システム部門、電子デバイス部門及びデジタルメディア・民生機器部門）

●事業構造改善施策の実施

●製品開発等における他社との提携関係

●資金調達環境（特に日本）

●日本の株式相場変動

●当会社、子会社又は持分法適用会社に対する訴訟その他の法的手続

●製品やサービスに関する欠陥・瑕疵等

将来予想に関する記述