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ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

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目次

アイコン一覧 Follow us 謝辞 はじめに 1 はじめに 2 コースの概要 3 コースの学習目標 4 コースの特徴 5 資格体系 11 試験の情報 14 ユニット 1:OSA の概要 15 1.1 事業に対する価値 18 1.2 プロセスの適用範囲 19 1.3 サービス・ライフサイクル 21 1.4 サービス・ライフサイクルに対する OSA 活動のサポート 25 1.5 サービスの運用パフォーマンスの最適化 26 ユニット 1 のまとめ 27 ユニット 2:イベント管理 29 2.1 目的と達成目標 36 2.2 プロセスの適用範囲 37 2.3 事業に対する価値 39 2.4 方針、原則、基本概念 42 2.5 イベント管理の設計 47 2.6 ルール・セットと相関エンジンの使用 50 2.7 プロセスの活動、手法、技法 53 2.7.1 イベントの発生、イベントの通知、およびイベントの検出 54 2.7.2 イベントの相関付け、フィルタリング、および重要性 59 2.7.3 イベントへの対応 64 2.7.4 処置のレビューとイベントのクローズ 67 2.8 トリガ、インプットとアウトプット、他のプロセスとのインタフェース 70 2.9 情報管理 75 2.10 プロセス測定 77 2.11 イベント管理での CSI 79 2.12 課題とリスク 82 2.13 演習 84 2.14 模擬試験問題 84 ユニット 2 のまとめ 85 ユニット 3:インシデント管理 89 3.1 目的と達成目標 95 3.2 プロセスの適用範囲 96 3.3 事業に対する価値 97 3.4 方針、原則、基本概念 99 3.5 プロセスの活動、手法、技法 106 3.5.1 インシデントの識別と記録 108 3.5.2 インシデントのカテゴリ化 111 3.5.3 インシデントの優先度付け 115 3.5.4 初期診断 118 3.5.5 インシデントのエスカレーション 120 3.5.6 インシデントの調査と診断 123 3.5.7 インシデントの解決、復旧、およびクローズ 124 3.6 トリガ、インプットとアウトプット、他のプロセスとのインタフェース 129 3.7 情報管理 134 3.8 プロセス測定 136 3.9 インシデント管理の文脈における CSI との関連性 138

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3.10 課題とリスク 141 3.11 演習 143 3.12 模擬試験問題 143 ユニット 3 のまとめ 144 ユニット 4:要求実現 149 4.1 目的と達成目標 155 4.2 プロセスの適用範囲 156 4.3 事業に対する価値 157 4.4 方針、原則、基本概念 158 4.5 プロセスの活動、手法、技法 164 4.6 トリガ、インプットとアウトプット、他のプロセスとのインタフェース 169 4.7 情報管理 173 4.8 プロセス測定 174 4.9 課題とリスク 177 4.10 演習 179 ユニット 4 のまとめ 180 ユニット 5:問題管理 185 5.1 目的と達成目標 192 5.2 プロセスの適用範囲 193 5.3 事業に対する価値 195 5.4 方針、原則、基本概念 196 5.5 プロセスの活動、手法、技法 215 5.5.1 問題の検出と記録 217 5.5.2 問題のカテゴリ化と優先度付け 220 5.5.3 問題の調査と診断 223 5.5.4 ワークアラウンドと既知のエラー・レコードの提起 224 5.5.5 問題の解決とクローズ 226 5.5.6 重大な問題のレビュー 229 5.6 トリガ、インプットとアウトプット、他のプロセスとのインタフェース 230 5.7 情報管理 235 5.8 プロセス測定 239 5.9 課題とリスク 241 5.10 模擬試験問題 243 ユニット 5 のまとめ 244 ユニット 6:アクセス管理 249 6.1 目的と達成目標 254 6.2 プロセスの適用範囲 255 6.3 事業に対する価値 256 6.4 方針、原則、基本概念 257 6.5 プロセスの活動、手法、技法 259 6.5.1 アクセスの要求と検証 261 6.5.2 権限の提供 263 6.5.3 ID ステータスのチェックとモニタリング 266 6.5.4 アクセスの記録と追跡 267 6.5.5 権限の削除または制限 267 6.6 トリガ、インプットとアウトプット、他のプロセスとのインタフェース 270 6.7 情報管理 275 6.8 プロセス測定 279 6.9 課題とリスク 280 6.10 演習 282 6.11 模擬試験問題 282 ユニット 6 のまとめ 283

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ユニット 7:サービスデスク 287 7.1 サービスデスクの役割 291 7.2 サービスデスクの達成目標 293 7.3 サービスデスクの組織構造 295 7.4 サービスデスクのスタッフ配置 302 7.5 サービスデスクのパフォーマンス測定 313 7.6 サービスデスクのアウトソーシング 319 7.7 演習 323 7.8 模擬試験問題 323 ユニット 7 のまとめ 324 ユニット 8:一般的な OSA の機能と役割 325 8.1 技術管理機能 332 8.2 IT 運用管理機能 338 8.3 アプリケーション管理機能 344 8.4 役割と責任 349 8.5 演習 372 8.6 模擬試験問題 372 ユニット 8 のまとめ 373 ユニット 9:技術と導入に関する検討事項 375 9.1 一般的な技術要件 379 9.2 サービスマネジメント・ツール 388 9.3 プロセス導入に必要な技術とツールの評価基準 398 9.4 プロセス導入に関するプロジェクト、リスク、およびスタッフ配置プラクティス 408 9.5 プロセス導入における課題、CSF、およびリスク 411 9.6 サービスマネジメント技術の計画立案と導入 431 9.7 演習 438 9.8 模擬試験問題 438 ユニット 9 のまとめ 439 付録 A:ケーススタディ 443 付録 B:ITIL 用語および頭字語集 457 付録 C:シラバス 565 付録 D:補足資料 585 付録 E:参考資料 597

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アイコン一覧

自習アイコン。クラスルーム、または自宅学習の際に、受講者が自習を行うべき箇所を指します。

学習内容をより深く学ぶための補足情報のことを指します。

ユニットの途中、または最後に、クラスまたは自宅学習で行われる、シナリオ・ベースの演習を指します。

順を追っての解説、またはチェックリスト形式になっている内容を指します。

講義、または演習中に講師が注意して解説すべき箇所を指します。

教材の説明をさらにわかりやすく説明しなおしている箇所を指します。

学習内容の補足情報として用いられる内容のことを指します。

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謝辞

この「ITIL®インターミディエイト・ケイパビ

リティ群: 運用サポートと分析(OSA) コース」は、この業界のエキスパートである

以下の方々のご協力を受けて開発され

ました。ここに、皆様のご貢献に改めて

謝意を表します。 エディター: IT 経営コンサルタント塾

村上 憲也様

SME レビュア: 株式会社ペアサイド

谷戸 信幸様

レビューボードメンバー: 株式会社ビーシーエス

杉谷 賢昭様

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はじめに

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| ITIL® インターミディエイト | 運用サポートと分析 | STUDENT |

はじめに

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コースの概要はじめにITIL

インターミディエイト

® 運用サポートと分析

ようこそ!

クラスで次について話してください:

• あなたの名前

• あなたの職業

• あなたの役割

• ITにおけるあなたの経歴

• ITIL®にどの程度精通しているか

• この数日間で何を学びたいか

コースの概要 コースの学習目標 コースの特徴はじめに

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| STUDENT | ITIL® インターミディエイト | はじめに |

コースの概要

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コースの概要はじめにITIL

インターミディエイト

® 運用サポートと分析

概要

運用サポートと分析(OSA) コースは、ITILインターミディエイト・ケイパビリティ群に含まれる4つのコースのうちの1つです。

OSAコースでは、以下にあげるプロセス、機能におけるITILのベストプラクティスについて理解し、実施できるようになることを目指します:

サービスデスク管理イベント管理

技術と導入に関する検討事項技術管理インシデント管理

IT運用管理要求実現

アプリケーション管理問題管理

アクセス管理

コースの概要 コースの学習目標はじめに

プロセス 機能

コースの特徴

概要 運用サポートと分析(OSA)コースは、ITIL インターミディエイト・ケイパビリティ群にある 4 つのコ

ースのうちの 1 つです。 OSA コースでは、以下にあげるプロセス、機能における ITIL のベストプラクティスについて理解

し、実施できるようになることを目指します: プロセス:

イベント管理 インシデント管理 要求実現 問題管理 アクセス管理

機能: サービスデスク 技術管理 IT 運用管理 アプリケーション管理

また、技術と導入における検討事項、およびこれらの検討事項が OSA にどのように関連してくる

かを学習します。

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| ITIL® インターミディエイト | 運用サポートと分析 | STUDENT |

コースの学習目標

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コースの概要はじめにITIL

インターミディエイト

® 運用サポートと分析

コースの学習目標

このコースの学習目標は以下のとおりです:

• OSAに関連する、サービスオペレーションの原則、目的および達成目標の重要性を理解する

• サービス提供におけるOSAの重要性を理解する

• OSAの全プロセスが、サービス・ライフサイクルの他のプロセスとどのように関係するかを理解する

• OSAの各プロセスで使用するプロセス、活動、手法、機能を理解する

• 優れた運用を実現するために、OSAのプロセス、活動、機能を利用する方法を理解する

• OSAの測定方法を理解する

• ITセキュリティの重要性と、それがどのようにOSAに貢献しているかを理解する

• OSAを取り巻く技術や導入に関する検討事項を理解する

• OSAに関する課題、重要成功要因(CSF)、およびリスクを理解する

コースの概要 コースの学習目標はじめに コースの特徴

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コースの特徴

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コースの概要はじめにITIL

インターミディエイト

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コースの特徴

コースの概要 コースの学習目標はじめに

このコースは、従来の「技術研修」形式で行うものではありません。

学習効果を高める3つの方法

積極的に研修に参加する

認定試験に向けて学習した内容を定着させる

研修で学んだ実践的なナレッジや経験を実務に適用する

コースの特徴

このコースは、講師がスライドを見せて講義するというような従来の「技術研修」形式ではありま

せん。受講者は多くのディスカッションや演習、および実務における経験の共有など、積極的に

研修に参加することを求められます。これは、学んだことを確実に知識として定着させ、認定試

験の合格や、研修で学んだ実践的なナレッジや経験を職場で実践できるようになることを目的

としているためです。

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コースの概要はじめにITIL

インターミディエイト

® 運用サポートと分析

受講者用参考資料と受講者用ワークブック

コースの概要 コースの学習目標 コースの特徴はじめに

受講者用教材 受講者用教材は、次の 2 つの教材で構成されています:

受講者用参考資料 受講者用ワークブック

以下、それぞれについて簡単に説明します。

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コースの概要はじめにITIL

インターミディエイト

® 運用サポートと分析

コースの概要 コースの学習目標 コースの特徴はじめに

学習を進める際に使用するメイン教材です。

コースで取り扱う内容と演習の解答が含まれています。

この教材にはITILコア書籍からの引用部分が

あります。引用部分はイタリック体で表記し、引用元の書籍名を明記しています。

受講者用参考資料

受講者用参考資料

講師が授業で説明する内容が含まれています。この受講者用参考資料を使用して、最終試験の準

備に向けてこのコースで学んだことを復習しましょう。

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コースの概要はじめにITIL

インターミディエイト

® 運用サポートと分析

コースの概要 コースの学習目標 コースの特徴はじめに

ワークブック

演習問題や模擬試験問題が含まれています。

演習の解答はワークブックの最後に収録されています。

必ずしもコース中にすべての演習を行うわけでは

ありません。コース中に行わなかった演習は、学習内容を復習するときなどに挑戦してみてください。

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コースの概要はじめにITIL

インターミディエイト

® 運用サポートと分析

コースの概要 コースの学習目標 コースの特徴はじめに

ワークブック (続き)演習には、シナリオ・ベースのアクティビティが多く含まれています。

このアクティビティは「ロイヤル・チャオプラヤ・ホテル」というホテルで起こっている出来事がもとになっています。

「ロイヤル・チャオプラヤ・ホテル」についての情報は、

受講者用参考資料の「付録A」で確認することができます。シナリオ・ベースのアクティビティを行う際には、こちらでホテルの取り組みや施設、人物についての情報を確認するとよいでしょう。

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| STUDENT | ITIL® インターミディエイト | はじめに |

ワークブック 受講者が授業で行う演習が含まれています。 各ユニットの終わりには演習問題があります。これらの問題は、認定試験と同じ形式です。 すべての演習問題の解答は、ワークブックの最後に収録されています。 また、必ずしもすべての演習をコース中に行うとは限りません。 コース中に実施しなかった演習は、ぜひ復習の際に挑戦してみてください。 「ロイヤル・チャオプラヤ・ホテル」のケーススタディ このコースでは、学習した内容を知識としてしっかり定着させるためのアクティビティとして演習を

行います。この演習は、「ロイヤル・チャオプラヤ・ホテル」のケーススタディのシナリオに沿った

内容になっています。 このシナリオベースの演習では、ロイヤル・チャオプラヤ・ホテルの IT の問題が原因で発生する

事象が取り上げられます。日常生活では IT とビジネスが結びついていることを強調するために、

あえて IT 部門以外の状況を取り上げるシナリオが多くなっています。 ロイヤル・チャオプラヤ・ホテルで発生する事象は、まさに IT とビジネスが結びついており、IT の

障害や問題はビジネス上の問題や損害につながるということを示すよい例となっています。 ロイヤル・チャオプラヤ・ホテルが直面する IT の問題に取り組んでいくなかで、IT の問題を解決

するために ITIL を導入することの価値を理解できるでしょう。その結果として職場で円滑に事業

を運営する方法も理解できるでしょう。

インターミディエイトレベルのコースで出される課題もロイヤル・チャオプラヤ・ホテルのシナリオ

がベースで、ファンデーションレベルとは違った出題形式になっています。これは、より高度なレ

ベルであるインターミディエイトレベルの課題では、実際の業務は ITと密接に関わっているという

ことを反映させるためです。

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模擬試験 この研修では、Cabinet Office より提供される模擬試験問題が配付されます。 模擬試験はシナリオ、問題、解答の 3 つの冊子で 1 セットになっています。研修では模擬試験が

2 セット配付されます。コースの最終日に、模擬試験を行う時間があります。模擬試験をこなして、

本番試験へ準備を整えましょう。 シラバスについて インターミディエイトコースのシラバスについての重要な情報 ITIL インターミディエイトレベルのシラバスの構成は、各認定資格の中で、ある程度内容が重複

している部分があります。たとえば、ライフサイクル群のサービスオペレーションと、ケイパビリテ

ィ群の OSA では、内容が重複している箇所があります。 そのため、このシラバスと整合するように作成された研修コースも、内容の一部が重複していま

す。インターミディエイトレベルの資格を取得していくにつれて、このような内容の重複に気づくで

しょう。 このようなシラバスの重複には、コースの受講者がインターミディエイトレベルの各認定資格で求

められるすべての分野におけるスキルやナレッジを習得できるようにするため、という理由があ

ります。 例えば、OSA とサービスオペレーションでは、同じ内容が紹介されていても、その適用方法が異

なるため、認定資格ごとにその内容が説明する概念を学ぶ必要があります。

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資格体系

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コースの概要はじめにITIL

インターミディエイト

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試験の情報資格体系

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コース名

SS サービスストラテジ

SD サービスデザイン

ST サービストランジション

SO サービスオペレーション

CSI 継続的サービス改善

OSA 運用サポートと分析

PPO 計画立案、保護、最適化

RCV リリース、コントロール、および妥当性確認

SOA サービス提供と合意

ITIL マスター

ITILエキスパート(22単位を要する)

ライフサイクル全体の管理

15単位 16単位

ライフサイクル群 ケイパビリティ群

ITILファンデーション

2単位

SS SD ST SO CSI OSA PP&O RC&V SO&A

3 3 3 3 3 4 4 4 4

2 2

ITIL 資格体系とクレジット数

資格体系 このトピックの目的は、ITIL の資格体系、インターミディエイトレベルにある 2 つのストリームの違

い、それぞれのストリームに属する認定資格、および上位資格へのパスを理解することです。 新しい資格体系には 4 つのレベルがあります。ファンデーションレベル、インターミディエイトレベ

ル、ライフサイクル全体の管理レベル、アドバンスレベルです。 ファンデーションレベルでは、ITIL の主要な概念、用語、プロセスの基礎をしっかりとおさえるた

めに、ナレッジの習得と内容の理解に焦点を当てています。 インターミディエイトレベルには「ケイパビリティ群」と「ライフサイクル群」の 2 つのストリームがあ

ります。ライフサイクル群は、Cabinet Office が発行している 5 つのコア書籍、「サービスストラテ

ジ」、「サービスデザイン」、「サービストランジション」、「サービスオペレーション」、「継続的サービ

ス改善」と同じ構成になっています。 「ライフサイクル全体の管理」レベルの認定試験は、インターミディエイトレベルまでで合計 17 単

位以上のクレジットを取得すると受験できるようになります。この試験に合格すると、「ITILエキス

パート」と認定されます。 「ITIL マスター」認定は、ITIL について深い知識と見識を持ち、ITIL の普及に関して大きな貢献

をしたと認められた人に対して贈られます。詳しくは、ITIL の公式サイトをご覧ください。

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| ITIL® インターミディエイト | 運用サポートと分析 | STUDENT |

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コースの概要はじめにITIL

インターミディエイト

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継続的サービス改善

7ステップの改善プロセス

報告管理

CSI SS SD ST SO

OSA PPO RCV SOA

CSIマネージャ

サービス・オーナ

サービス・マネージャ

CSI

プロセス・オーナ

事業、IT・アナリスト

内部サービス・プロバイダと

外部サービス・プロバイダ

プロセス 機能

サービスオペレーション

イベント管理

インシデント管理

問題管理

要求実現

アクセス管理

サービスデスク

技術管理

SO CSI

SO CSI

SO CSI

SO CSI

SO CSI

OSA

OSA

OSA

OSA

OSA

SO CSI

SO CSI

SO CSI

RCV

要求実現の役割

SO CSI

SO OSA RCV

OSA

OSA

OSA

OSA

*

*

*

*

*

*

*

*

*

試験の情報資格体系

引用:ITILサービス・ライフサイクル© Crown Copyright 2011 Reproduced under licence from Cabinet Office

アプリケーション管理

IT運用管理

測定管理

継続的サービス改善

サービスデザイン

サービスストラテジ

サービストランジション

サービスオペレーション

CSI SS SD ST SO

CSI SS SD ST SO

* OSAコースで取り扱うプロセスと機能

OSA PPO RCV SOA

OSA PPO RCV SOA

ケイパビリティ・ストリームは 4 つの認定資格クラスタから構成されています:

運用サポートと分析(OSA): イベント管理、インシデント管理、要求実現、問題管理、アクセス管理 (機能)サービスデスク、技術管理、IT 運用管理、アプリケーション管理

計画立案、保護、最適化(PPO): 可用性管理、キャパシティ管理、IT サービス継続性管理、需要管理、リスク管理、情報セ

キュリティ管理

リリース、コントロール、および妥当性確認(RCV): 変更管理、リリース管理および展開管理、サービスの妥当性確認およびテスト、サービス

資産管理および構成管理、ナレッジ管理、要求実現、変更評価

サービス提供と合意(SOA): サービス・ポートフォリオ管理、サービスレベル管理、サービス・カタログ管理、需要管理、

サプライヤ管理、IT サービス財務管理、事業関係管理 どちらのストリームでも、ITILの概念についての深い理解度と理論を適用する力が評価されます。

この 2 つのストリームのうち、どちらのコースを選んでもかまいません。各コースの修了後には、

クレジットが付与されます。 「ライフサイクル全体の管理」コースは、サービスマネジメントに対するライフサイクル・アプローチ

のもっとも重要な点をすべてまとめたコースです。 ファンデーションレベル、インターミディエイトレベル、ライフサイクル全体の管理コースのレベル

を修了して認定試験に合格し、必要クレジット数である 22単位を取得すると、「ITILエキスパート

認定」として認められます。 注:こちらの資格体系に関する情報は単なる情報であり、試験範囲には含まれません。また、こ

の資格体系は変更される場合があります。

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Page 21: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

| STUDENT | ITIL® インターミディエイト | はじめに |

試験の情報とコースの内容 コースの必須要件: ケイパビリティ群のコース: 必須要件は特にありませんが、IT サービスマネジメントの分野において 2 年から 4 年程度の実

務経験があることが望ましいです。 ライフサイクル群のコース: 必須要件は特にありませんが、IT の基礎知識があること、および 2 年程度の IT の実務経験が

あることが望ましいです。 インターミディエイトコースの認定試験を受験するためには、ファンデーションの認定資格、また

はV2ファンデーション+ブリッジ試験など、過去の資格でインターミディエイトの認定試験の受験

資格を満たすものが必要になります。 注:スライドに表示されているサービス・ライフサイクルの図の黒字部分が、OSAの適用範囲とな

ります。また、継続的サービス改善のプロセスはライフサイクル全体に関わるものであるため、

個々のクラスタに明示的には含まれておりません。

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| ITIL® インターミディエイト | 運用サポートと分析 | STUDENT |

試験の情報

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コースの概要はじめにITIL

インターミディエイト

® 運用サポートと分析

試験の情報資格体系

所要時間: 1.5 時間

問題: 4択問題が8問出題される。

得点:

正解: 5点2番目に正しい解答:3点3番目に正しい解答:1点不正解:0点形式:資料の持ち込みは不可。オンラインまたは紙ベースの試験。

合格点: 40点中28点(70% )優秀点:未定

授業時間:認定教育事業者(ATO)による30時間の正式なトレーニング

APMGが推奨する自主学習時間: 12 時間

試験時間についての注意:試験を受けるにあたり、次にあげる条件に当てはまる場合、試験時間は最大120分間となり、辞書の使用が認められる:• 試験に使用される言語が受講者の母語でない場合• 試験に使用される言語が、ビジネスにおいて主に使用している言語でない場合

試験要件

受験に役立つヒント:

コース教材のシラバスを確認する。 受験準備として、ITIL コア書籍の中の特定の章に絞って学習するためにシラバスを利

用する。 試験は、ITIL のベストプラクティスに関するしっかりとした中核能力を身に付けているだ

けでなく、そのナレッジを実際のシナリオに適用できることを確認するように作成されて

いる。 質問をよく読む。 「~ではない」、「最も適切な」などの語句がある。 提示される具体的な事業状況についてメモを取る。そのシナリオから、リストの中の「最

も適切な」答えがわかるかもしれない。 ITIL 理論を用い、提示された情報を考慮することによって、できるかぎり不正解を除外

する。 問題に解答したり、選択肢に残ったものから最も適切な答えを選ぶときには、ITIL 理論

を用いる。 この試験は傾斜配点になっているため、残りの選択肢は非常に似通っていることが多

い。 問題に行き詰まったら、その問題は飛ばして次に進む。 試験を進めるにつれて、構成のリズムや問題の言い回しに慣れてくる。 わからない場合は推測する。解答が間違っていても減点されることはない。

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Page 23: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

ユニット 1 OSA の概要

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| ITIL® インターミディエイト・ケイパビリティ群 | 運用サポートと分析 | STUDENT |

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Course Introductionユニット1:OSAの概要ITIL

インターミディエイト

® 運用サポートと分析

The Big ‘‘Why”• 運用サポートと分析(OSA)とはどのようなことを行うのでしょうか。

• OSAの導入は、あなたにとってどのような意味を持つのでしょうか。

• OSAの導入は、あなたの組織にとって何を意味するのでしょうか。

• なぜOSAが重要なのでしょうか。

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Course Introductionユニット1:OSAの概要ITIL

インターミディエイト

® 運用サポートと分析

概要

運用サポートと分析(OSA)の概要は以下のとおり:

• 組織のIT部門が、コントロールされ、費用対効果に優れた方法で新規サービスを適用できるようになる

• 以下を実施することによって、IT組織が日々のITサービスを提供し、サポートできるようにする:

o イベントを効果的にモニタする

o ユーザの要求に効果的に対応する

o インシデントのインパクトを低減する

o 主要な問題を認識し、実際に解決する

• 統合された「表裏一体」のプロセスを設計し、導入するための実践的なガイドラインであり、業界で認められたベストプラクティスのガイドラインである

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Course Introductionユニット1:OSAの概要ITIL

インターミディエイト

® 運用サポートと分析

ユニットの学習目標

このユニット学習目標は以下のとおりです:

• OSAに関連するサービスマネジメントの事業価値を説明する

• サービスオペレーションの適用範囲を理解する

• サービス・ライフサイクルを理解する

• OSAの活動がどのようにサービス・ライフサイクルの各プロセスを支援するかを理解する

• サービスの運用パフォーマンスを最適化する

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Course Introductionユニット1:OSAの概要ITIL

インターミディエイト

® 運用サポートと分析

このユニットで学習するトピック:

1.1 事業に対する価値

1.2 プロセスの適用範囲

1.3 サービス・ライフサイクル

1.4 サービス・ライフサイクルに対するOSA活動のサポート

1.5 サービスの運用パフォーマンスの最適化

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1.1 事業に対する価値

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Course Introductionユニット1:OSAの概要ITIL

インターミディエイト

® 運用サポートと分析

1.2 プロセスの適用範囲 1.3 サービス・ライフサイクル 1.4 サービス・ライフサイクルに対するOSA活動のサポート

事業に対する価値1.1

事業に対する価値

コストの削減

サービス停止の期間の短縮、および停止回数の減少

運用結果、データ編集の品質向上

セキュリティ方針の遵守度の向上

標準的なサービスへの迅速で効果的なアクセス

運用の自動化

OSA 活動の事業に対する価値 コアブック該当箇所-SO 1.1 OSA のベストプラクティスを選択し、採用することで、組織は非常に大きな利メリットを得ることが

できます。サービスオペレーションを採用することで得られる価値は以下のとおりです: サービスの停止への対応とそれらの根本原因の特定を最適化することで、事業と IT 両方

において、計画外の作業とコストを削減できる サービスの停止期間を短縮し、その発生頻度を減少させることができる。これにより、その

サービスを提供されている事業はそのサービスが生み出す価値を十分活用することができ

るようになる 運用の結果に関するデータを作成する。他の ITIL プロセスはこのデータを利用してサービ

スを継続的に改善でき、また継続中のサービス改善活動やその活動をサポートする技術に

対する投資の正当性を示すことができる IT サービスには、許可された人のみアクセス出来るようにする。それによって、組織のセキ

ュリティ方針の最終目標、および達成目標を実現できるようにする 事業スタッフが標準的なサービスに迅速かつ効果的にアクセスできるようになる。これによ

り、事業スタッフの生産性、および事業サービスや製品の品質を改善できるようになる 運用の自動化によって、効率性を向上できる。また、運用の自動化により、高価な人材リソ

ースを、新規機能の設計や既存の機能の改善、または事業が競争上の優位に立てるよう

な技術を活用する新しい方法の定義などに割り当てることができるようになる

ト ラ ン ジ シ ョ ン

終了したトピック: 1.1 事業に対する価値

次のトピック: 1.2 プロセスの適用範囲

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1.2 プロセスの適用範囲

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Course Introductionユニット1:OSAの概要ITIL

インターミディエイト

® 運用サポートと分析

1.2 プロセスの適用範囲 1.3 サービス・ライフサイクル 1.4 サービス・ライフサイクルに対するOSA活動のサポート

事業に対する価値1.1

人材

サービスそのもの

サービスマネジメント・プロセス

技術

適用範囲

プロセスの適用範囲 コアブック該当箇所-SO 1.1.2 『ITIL サービスオペレーション』では、サービスの提供とサポートに必要とされる継続的な活動を支えるために使用されるプロセス、機能、組織、およびツールについて説明する。本書に記載している手引きには次のものが含まれる。

サービスそのもの サービスの一部を形成する活動がサービスオペレーションに含まれる。その活動が、サービス・プロバイダ、外部サプライヤ、またはそのサービスのユーザや顧客のいずれによって実行されるかは問わない

サービスマネジメント・プロセス サービスオペレーションで行われる多くのサービスマネジメント・プロセスの継続的な管理と実行。多くの ITIL プロセス(変更管理、キャパシティ管理など)は、サービス・ライフサイクルのサービスデザイン段階またはサービストランジション段階で始まるが、それらはサービスオペレーションで継続的に用いられる。サービスオペレーションには明確に含まれないプロセスもある。例えば、IT サービス戦略管理や、実際の設計プロセスそのものなどである。これらのプロセスは、長期的な計画立案および改善活動に、より焦点を当てており、サービスオペレーションの直接的な適用範囲からは外れている。しかし、サービスオペレーションは、サービスマネジメントのライフサイクルの一部として、これらのプロセスに定期的にインプットを提供し、影響を及ぼす

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技術 すべてのサービスには、それらを提供するために何らかの種類の技術が必要である。この技術を管理することは単独の課題ではなく、サービスそのものの管理の不可欠な一部を成している。従って、『ITIL サービスオペレーション』のかなりの部分は、サービスの提供に使用されるインフラストラクチャの管理に関係している

人材 管理するサービス、プロセス、および技術が何であれ、それらはすべて人材にかかわっている。組織のサービスと製品への需要を促進するのは人材であり、それをどのように行うのかを決定するのも人材である。結局のところ、技術、プロセス、およびサービスを管理するのは人材なのである。これを認識しないと、サービスマネジメント活動は失敗に終わるだろう(実際に失敗している)

(出典:『サービスオペレーション』)

ト ラ ン ジ シ ョ ン

終了したトピック: 1.2 プロセスの適用範囲

次のトピック: 1.3 サービス・ ライフサイクル

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1.3 サービス・ライフサイクル

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Course Introductionユニット1:OSAの概要ITIL

インターミディエイト

® 運用サポートと分析

サービス・ライフサイクル

1.2 プロセスの適用範囲 1.3 サービス・ライフサイクル 1.4 サービス・ライフサイクルに対するOSA活動のサポート

事業に対する価値1.1

継続的サービス改善

サービストランジション

サービスストラテジ

サービスオペレーション

サービスデザイン

引用:ITILサービス・ライフサイクル© Crown Copyright 2011 Reproduced under licence from Cabinet Office

サービス・ライフサイクル このスライドは、ITIL のライフサイクルを示しています。ITIL ライフサイクルは、5 冊のライフサイ

クルのコア書籍で構成されています。各コア書籍は、ISO/IEC 20000 規格の仕様で求められてい

る統合されたアプローチのために必要なガイドラインです。各コア書籍が提供する、持続的な原

則、方法、ツールを使用して、IT サービスマネジメント能力を体系化して安定させ、能力を強化す

ることができます。能力が向上することによって、組織の投資を保護し、測定、学習、および改善

に必要な基盤を提供できるようになります。また、コア書籍はサービス・プロバイダのパフォーマ

ンスに直接影響を与える能力について説明しています。 コア書籍:

サービスストラテジ サービスデザイン サービストランジション サービスオペレーション 継続的サービス改善

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Page 30: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

| ITIL® インターミディエイト・ケイパビリティ群 | 運用サポートと分析 | STUDENT |

サービスストラテジ サービス・ライフサイクルの中心にあるのがサービスストラテジである。ここで、組織の達成目標と顧客のニーズを理解することにより、価値創出が始まる。人材、プロセス、製品を含むあらゆる組織資産は、戦略を支持するべきである。 『サービスストラテジ』は、組織の能力としてだけではなく、戦略的資産としてサービスマネジメントをいかにとらえるかについての手引きを提供する。ITIL サービス・ライフサイクル全体にわたるサービスマネジメントの方針、指針、およびプロセスの策定に役立つ、サービスマネジメントのプラクティスの基礎となる原則について説明している。 『サービスストラテジ』の記載項目には、ターゲット市場の開拓、内部プロバイダと外部プロバイダのタイプの特徴、サービス資産、サービス・ポートフォリオ、サービス・ライフサイクルを通した戦略の実施などがある。事業関係管理、需要管理、財務管理、組織の発展、戦略的リスクなども主要項目である。 組織は『ITILサービスストラテジ』を、顧客とターゲット市場への対応に向けたパフォーマンスの達成目標と期待事項の設定や、機会の識別、選択、優先度付けに利用するべきである。サービスストラテジとは、組織がそのサービス・ポートフォリオに関連するコストとリスクに対応できるようにし、運用上の有効性だけで

なく際立ったパフォーマンスを目指せるようにすることである。 ITIL をすでに実践している組織であれば、ITIL ベースのサービスマネジメント能力の戦略に対するレビューの手引きに、また ITIL ベースのサービスマネジメント能力と組織の事業戦略との整合性改善のために

『ITIL サービスストラテジ』を利用できるだろう。『サービスストラテジ』は、何かを行うときに「どのように」を考える前に、立ち止まり、「なぜ」を考えるよう読者に促している。 サービスデザイン サービスによって事業に真の価値を提供するには、事業達成目標を念頭に置いてサービスを設計しなければならない。設計では IT 組織全体を網羅する。なぜなら、サービスを提供し支援するのは組織全体だからである。サービスデザインは、サービス戦略を、事業達成目標を実現するための計画に変換するライフサイクルの段階である。 『ITIL サービスデザイン』はサービスマネジメント・プラクティスの設計と開発の手引きを提供する。戦略的達成目標をサービスとサービス資産のポートフォリオに変換する原則と方法を記載している。 『ITILサービスデザイン』の適用範囲は新規サービスのみに限定されない。サービスのライフサイクルにおいて、顧客に対する価値を増大または維持するために必要となる変更と改善、サービスの継続性、サービスレベルの達成、標準と規則への適合なども含む。組織がいかにしてサービスマネジメントの能力を開発し設計するかを手引きするものである。 『ITIL サービスデザイン』のその他の項目には、デザイン・コーディネーション、サービス・カタログ管理、サービスレベル管理、可用性管理、キャパシティ管理、IT サービス継続性管理、情報セキュリティ管理、およびサプライヤ管理が含まれる。

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サービストランジション 『ITIL サービストランジション』は、新規および変更されたサービスを、サポートする環境に導入する能力の開発と改善に関する手引きを提供する。リスクをコントロールし、意思決定支援のための組織のナレッジを支援しながら、組織をある状態から別の状態へと移行させる方法について説明する。サービスストラテジで識別され、サービスデザインで変換された価値が効果的に移行され、サービスオペレーションで実現されることを確実にする。 『ITIL サービストランジション』では、移行の計画立案およびサポート、変更管理、サービス資産管理および構成管理、リリース管理および展開管理、サービスの妥当性確認およびテスト、変更評価、ナレッジ管理におけるベストプラクティスについて説明している。サービスとサービスマネジメント・プロセスに対する

変更にかかわる複雑性を管理し、革新を可能にしつつも望ましくない結果を防ぐための手引きを提供する。 『ITIL サービストランジション』ではサービス・ナレッジ管理システムについても説明する。このシステムは、

組織的な学習を支援し、サービス・ライフサイクルのすべての段階における全体的な効率性と有効性の改善に役立つ。これにより、ほかの人のナレッジと経験から利点を得たり、情報に基づいた意思決定を支援したり、サービスの管理を改善したりできるようになる。 サービスオペレーション 『ITIL サービスオペレーション』では、サポートする環境においてサービスを管理するためのベストプラクティスについて説明している。顧客、ユーザ、およびサービス・プロバイダにとっての価値を確保できるよう、サービスの提供とサポートにおける有効性と効率性を達成するための手引きを記載している。 戦略的達成目標は最終的にはサービス運用によって実現されるため、サービス運用は非常に重要な能力である。『ITIL サービスオペレーション』には、設計、規模、適用範囲、およびサービスレベルの変更を可能にしつつサービス運用の安定性を維持する方法に関する手引きが提供されている。組織には、リアクティブとプロアクティブという 2 つの主なコントロールの観点で利用する詳細なプロセス指針、方法、およびツールが提供される。マネージャと実務者には、サービスの可用性の管理、需要のコントロール、キャパシティ活用の最適化、運用のスケジュール、サービス・インシデントの回避と解決、問題の管理などの領域でより

適切な意思決定をするためのナレッジが提供される。サービス運用を支援する、シェアード・サービス、ユーティリティ・コンピューティング、ウェブ・サービス、モバイル・コマースなどの新しいモデルとアーキテクチャについて説明している。 『ITIL サービスオペレーション』のその他の項目には、イベント管理、インシデント管理、要求実現、問題管理、アクセス管理の各プロセス、ならびにサービスデスク、技術管理、IT 運用管理、アプリケーション管理の各機能が含まれる。

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Page 32: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

| ITIL® インターミディエイト・ケイパビリティ群 | 運用サポートと分析 | STUDENT |

継続的サービス改善 『ITIL 継続的サービス改善』は、サービスのより良い戦略、設計、移行、および運用によって顧客にとっての価値を創出して維持するうえでの手引きを提供する。品質管理、変更管理、および能力改善から抽出した原則、プラクティス、方法をまとめたものである。 『ITIL 継続的サービス改善』は、サービス品質、運用上の効率性、および事業の継続性において漸進的で大規模な改善を実現するためのベストプラクティスと、サービス・ポートフォリオが継続的にビジネス・ニーズと整合されるようにするためのベストプラクティスについて説明している。改善の努力と成果をサービスの戦略、設計、移行、および運用に結び付けるための手引きが提供される。計画・実施・点検・処置(PDCA)サイクルに基づく閉ループのフィードバック・システムが確立されている。サービス・ライフサイクル

の任意の段階からのフィードバックを使用して、ライフサイクルの他の段階を改善する機会を識別できる。 『ITIL 継続的サービス改善』のその他の項目には、サービス測定、測定基準による価値の実証、ベースラインの作成、および成熟度アセスメントが含まれる。

(出典:『サービスストラテジ』)

ITIL のガイドラインは、さまざまな事業環境や組織の戦略支援に適用できます。ITILの内容を補完する書籍もあり、こういった書籍を使用することでコア書籍の内容をさま

ざまな環境に合わせて柔軟に実践できるようになります。つまり、実務者は、必要に

応じて補完書籍を使用することで、各自の状況に合わせて ITIL コア書籍の内容を適

用することができるのです。

ト ラ ン ジ シ ョ ン

終了したトピック: 1.3 サービス・ ライフサイクル

次のトピック: 1.4 サービス・ライフサイクルに

対するOSA活動のサポート

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1.4 サービス・ライフサイクルに対する OSA 活動のサポート

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Course Introductionユニット1:OSAの概要ITIL

インターミディエイト

® 運用サポートと分析

サービス・ライフサイクルに対するOSA活動のサポート

サービスオペレーションの達成目標には以下が含まれる:

• ITに対する事業の満足度および信頼度を維持する

• サービス停止のインパクトを最小限に抑える

• 許可されている人々へのみアクセスを許可する

1.2 プロセスの適用範囲 1.3 サービス・ライフサイクル 1.4 サービス・ライフサイクルに対するOSA活動のサポート

事業に対する価値1.1

サービス・ライフサイクルに対する OSA 活動のサポート コアブック該当箇所-SO 1.2 OSA は、事業ユーザおよび顧客に対し、合意したサービスレベルでサービスを提供し管理する

ために必要な活動とプロセスを調整し、実行することで、サービス・ライフサイクルをサポートしま

す。また、サービスオペレーションでは、サービスを提供し、サポートするための技術を継続的に

管理します。 サービスオペレーションは、サービス・ライフサイクルにおける重要な段階です。十分に計画され

たプロセスであっても、日々の運用が適切に実施されなければうまくいきません。日常的な活動

のパフォーマンスのモニタ、測定基準の評価、運用データの収集をサービスオペレーションで体

系的に実行しない限り、サービス運用を改善することはできません。 ライフサイクルのサービスオペレーション段階を担当しているスタッフが運用全体を見渡せるよう、

プロセスや支援ツールにアクセスできるようにする必要があります。 サービスオペレーションの達成目標は以下のとおりです:

合意された IT サービスの効果的かつ効率的な提供とサポートを通して、IT に対する事業

の満足度と信頼度を維持する 日々の業務活動に対するサービスの停止が与える影響を最小限に抑える 合意された IT サービスへのアクセスが、それらのサービスの利用を許可されている人のみ

に与えられることを確実にする

ト ラ ン ジ シ ョ ン

終了したトピック: 1.4 サービス・ライフサイクルに対す

る OSA 活動のサポート

次のトピック: 1.5 サービスの運用パフォーマンス

の最適化

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1.5 サービスの運用パフォーマンスの最適化

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Course Introductionユニット1:OSAの概要ITIL

インターミディエイト

® 運用サポートと分析

サービスの運用パフォーマンスの最適化

1.5

サービスの運用パフォーマンスの最適化

すべてのサービス運用における、運用パフォーマンスと生産性の見積もりと算定

プロセス、技術、機能、アウトプットの改善

一定期間ごとのレポート作成

短期的な継続的改善

プロセス、機能、技術に関して、業務に関する業務慣例への改善

通常は小規模な改善

プロセスや技術の基本部分に対するインパクトを与えない

長期的な段階的改善

サービスの運用パフォーマンスの最適化 コアブック該当箇所-SO 3.1.2 運用パフォーマンスの最適化のための 2 つの方法:

長期的な段階的改善:このタイプの改善は、プロセス、技術、機能、アウトプットを含む、サ

ービスオペレーション全体のパフォーマンス、生産性の予測と計算を基に行います。パフォ

ーマンスの計算やレポートの作成を一定期間ごとに実施し、分析します。その後、組織に改

善が必要かどうかを決定します。改善を実施する場合、サービスデザイン、およびサービス

トランジションを通して行うのが最善の方法です。このタイプの改善の例としては一連の新

規ツールの展開、プロセス設計の変更、インフラストラクチャの再構成などがあります。

短期的な継続的改善:このタイプの改善は、サービスオペレーションそのものを支えるプロ

セス、機能、技術に関する業務慣例に対して行います。一般的に、これは、規模の小さな改

善であり、技術の基本部分にインパクトを与えることはありません。このタイプの改善の例と

しては、チューニング、作業負荷のバランス調整、スタッフの再配置、トレーニングなどがあ

ります。

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| STUDENT | ITIL® インターミディエイト | OSAの概要 |

OSA の概要

ユニットのトピック まとめ 概要 ユニットの学習目標

ユニットの概要 ユニットの学習目標の確認

1.1 事業に対する価値 事業に対する価値は以下のとおり: OSAのベストプラクティスを選択し、採用することで、組織は非常に大

きなメリットを得ることができる: サービス運用のベンチマークとなる方法を導入することで得られるメ

リットは以下のとおり: コストの削減 サービスの停止期間の短縮とその発生頻度の減少減 運用結果とデータ編集の品質改善 セキュリティ方針に対する遵守度の向上 標準サービスへの迅速なアクセスの提供 運用の自動化

1.2 プロセスの適用範囲 サービス サービスマネジメント・プロセス 技術 人材

1.3 サービス・ライフサイクル ITIL コア書籍: サービスストラテジ サービスデザイン サービストランジション サービスオペレーション 継続的サービス改善

1.4 サービス・ライフサイクルに対

する OSA 活動のサポート サービスオペレーションの達成目標:

IT に対する事業満足度と信頼度を維持 サービスの停止が与えるインパクトの最小化 承認されたアクセスの提供

1.5 サービスの運用パフォーマンス

の最適化 運用パフォーマンス:

長期的な段階的改善 サービスオペレーション全体のパフォーマンス、生産性の予測と計算

を基に実施する プロセス、技術、機能、アウトプットを含む 一定期間ごとにレポートを作成

短期的な継続的改善 プロセス、機能、技術に関する業務慣例に対して実施 通常、小規模な改善 プロセスや技術の基本部分への影響はない

ユニット 1 のまとめ

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Page 36: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

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ユニット 2 イベント管理

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Page 38: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

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ユニット2:イベント管理

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Course Introductionユニット2:イベント管理ITIL

インターミディエイト

® 運用サポートと分析

そうなんですか!最近、私は、イベント管理の業界に参入しました。最初のタスクは、300人規模のパー

ティーを企画することだったんですよ。何かあったときは、是非いろいろ教えてください!

私は、イベント・マネージャです。

ユニット2:イベント管理

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Course Introductionユニット2:イベント管理ITIL

インターミディエイト

® 運用サポートと分析

The Big ‘‘Why’’• 「イベント」という言葉からどのような事がわかりますか。

• 「イベント管理」とは、何を行うのでしょうか。

• あなたの組織にとってイベント管理を導入することは、どれほど重要なのでしょうか。

• イベント管理は、あなたの組織にどのような利益をもたらすのでしょうか。

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Page 39: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

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ユニット2:イベント管理

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Course Introductionユニット2:イベント管理ITIL

インターミディエイト

® 運用サポートと分析

ITILでは、イベントは以下のように定義されている:ITサービスやその他の構成アイテムの管理にとって重要性のある状態の変更。この用語は、あらゆるITサービス、構成アイテム、またはモニタリング・ツールで生成されるアラートまたは通知も指す。イベントは、通常、IT運用の要員に処置を行うよう要請し、結果としてインシデントが記録されることが多い。

(出典:『サービスオペレーション』)

ITILでは、イベント管理は以下のように定義されている:

イベントのライフサイクルを通した管理を責務とするプロセス。イベント管理は、IT運用の主要な活動の1つである。

(出典:『サービスオペレーション』)

イベントは、IT サービス、構成アイテム、またはモニタリング・ツールによって生成される通知によ

って認識されます。また、イベントは、警告、除外などを含めた運用上の情報です。以後のトピッ

クでより詳しく説明します。 イベント管理は、サービス、CI,またはモニタリング・ツールから受け取るメッセージまたは情報に

基づいてモニタリング活動や処理を行うプロセスまたは一連の活動です。 能動的モニタリングは、SNMPGETコマンドやPINGなどを通じて通知を自ら取得しに行くのに対

し、受動的モニタリングは、SNMPTRAP などからの通知を待つ活動です。 それでは、イベント管理は実際の業務とどのように関わってくるのか見て行きましょう。 基本的には、イベントとは、状態の変化のことです。イベント管理プロセスは、サービスの利害関係者を一堂に集め、「このサービスを管理するためには、何をモニタすべきか?」ということを話し合います。そこでのアウトプットは、サービスの設計に組み込まれ、文書化されます。これは、多くの場合、インシデントが発生するたびに何を見つけ、どのようにモニタし、どのように対応するかを決めるのが一般的であったアプローチに対する劇的な改善となりました。 イベント管理には、(監視など、何らかの手段で)イベントの検出に関与するだけでなく、その対応方法についても対処するという 2 つの性質があり、この 2 つの性質が重要です。ツールを使用して適切にサポートすれば、記録、分析、対応を一元化することによって、有効性と効率性を驚異的に改善することができます。 (引用:『http://www.itsmwatch.com/itil/article.php/3888251/How-to-Improve-Incident-Response- Times.htm』)

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Page 40: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

| ITIL® インターミディエイト | 運用サポートと分析 | STUDENT |

イベントは、問題やインシデントと混同してはなりません。イベントやインシデント、問題は能動的

または受動的な場合もあれば、そのいずれでもない場合もあります。 イベントは、コントロールできる場合もあればできない場合もあり、そのイベントをサービスデザイ

ンへと組み込める場合もあれば、そうできない場合もあり、さらにそれらを管理できる場合もあれ

ばできない場合もあります。 インシデントは、エラーです。組織に強固な CSI エンジンがあった場合、いくつかのインシデント

は先手を打って処理することができ、コントロールできます。 問題は、インシデントが発生した理由の根本原因です。 イベントは、良くも悪くもサービスの状態に変化が発生したという表示、るいはメッセージのことで

す。それに対し、インシデントは、故障やパフォーマンスの低下など、何かが悪化したことを示す

特定の状態変化のことを指します。その特定の状態変化の根本原因を特定することで、問題が

何であるかが判明します。 例として、あなたの車のオイル量を示すダッシュボードのライトが点滅しているとします。オイル

量が変化したとき、このライトで警告がなされます。これが、イベントであり、結果としてあなたは、

オイル量をチェックするために車を止めます。 ケーススタディ ロイヤルには、客室の空室状況(可用性)と予約の確認のためのソフトウェア(GRAB:Guest Room Availability and Booking)が導入されています。このソフトウェアは、アローラ一家の出来

事などの過去の失敗に対する改善案として導入されました。 ロイヤルの IT 部門長のパップは、

このツールの正確な機能をモニタしたいと考え、これをモニタするプロセスを導入することを決定

しました。パップは、どのように GRAB システムをモニタするためにアプローチすべきでしょうか。

何をポーリングすべきでしょうか。自動的にイベントが送信されるようにするために、GRAB シス

テムに何を実装すべきでしょうか。 IT との関係 IT 組織は、数百台のサーバを管理する責任を負っています。サーバを停止させることはできま

せん。また、使用率を含むサーバ、ネットワークなどに発生する諸事項のモニタリングをプロアク

ティブに実施したいと考えています。監視ソフトウェアをインストールし、サーバを管理することを

決定しました。ここで組織が行っていることが、イベント管理プロセスなのです。 それでは、このユニットで学習する内容を確認しましょう。

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ユニット2:イベント管理

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Course Introductionユニット2:イベント管理ITIL

インターミディエイト

® 運用サポートと分析

概要

イベント管理は以下を実現する:• ITインフラストラクチャ全体に発生するイベントを全てモニタリングする• 通常の運用のモニタリング、および例外状況の検知とエスカレーション

運用サポートおよび分析を効果的に実施するために、サービス・プロバイダが考慮すべき事項は以下のとおり:• インフラストラクチャのステータスを知ること• 通常の運用、または期待されている運用の状態からの逸脱を検出すること

イベントのモニタリングとコントロールシステムが良好であるために考慮すべき事項は以下のとおり:

• 能動的イベント・モニタリングのための技法とツール• 受動的イベント・モニタリングのための技法とツール

概要 イベント管理は、IT 運用の主要な活動の一つです。イベント管理では、IT インフラストラクチャ全

体で発生する全てのイベントをモニタします。このことにより、通常の運用をモニタし、例外状況を

検出し、エスカレーションができます。 効果的な OSA を実現するために、サービス・プロバイダは以下を実現しなければなりません:

インフラストラクチャのステータスの把握

通常あるいは期待されている運用状態からの逸脱の検出 以下の 2 種類のツールを活用することで、良好なイベント・モニタリングおよびコントロールシステ

ムを実現できます:

能動的なイベント・モニタリング・ツール:主要な CI をポーリングし、そのステータスと可用性

を判断する

受動的なイベント・モニタリング・ツール:CI が生成する、運用上のアラートやコミュニケーシ

ョンを検出し、相関付けを行う

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イベント管理 インシデント管理 問題管理

イベントのライフサイクルを

通してイベントを管理する責

任を負う

影響を受けたサービス

を可能な限り迅速に回

復させることに責任を

負う

エラーの根本原因の究明、ワークア

ラウンドの特定および恒久的な解決

策の究明に責任を負う

継続的な活動である エラーやインシデント

の発生時、またはサー

ビス停止や低下が起

こった際に開始

サービス品質レベルの継続的改善 インシデントの未知の根本原因を

発見するために、リアクティブに使

用される。それにより、最初の発生

以後のインシデントを予防し、避け

られないインシデントに対するワー

クアラウンドを作成する 例:非常用電源の電圧低下

による、PC の自動シャット

ダウン

例:非常用電源の予想

外の障害による PC の

シャットダウン。IT イン

フラストラクチャの障害

やエラーが電源の停

止を引き起こし、PC の

シャットダウンへとつな

がる

例:非常電源が定期的に起動する。

何故この事象が繰り返し発生するの

かはわかっていない。この問題を解

決し、さらにインシデントを発生させな

いために、定期的にバッテリの再充

電手順を設定する

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ユニット2:イベント管理

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Course Introductionユニット2:イベント管理ITIL

インターミディエイト

® 運用サポートと分析

ユニットの学習目標

このユニット学習目標は、以下のとおり:

• イベント管理プロセスの目的と達成目標を理解する

• プロセスの適用範囲を評価する

• 事業上の価値を生み出すプロセス能力としてのイベント管理の重要性を理解する

• イベント管理の方針、原則、および基本概念を理解する

• プロセスにおけるルール・セットと相関エンジンの必要性を理解する

• イベント管理を実施するための主な活動、手法、技法を理解し、それらのOSAとの関係を理解する

• イベント管理のトリガ、インプット、アウトプットおよび他のプロセスとのインタフェースを理解する

• イベント管理プロセスにおける情報管理について理解する

• イベント管理におけるCSI活動を理解する

• イベント管理の有効性を判断できる、主要な測定基準の使用方法について理解し、実際に使用できるようにする

• イベント管理の課題とリスクを理解する

ユニット2:イベント管理

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Course Introductionユニット2:イベント管理ITIL

インターミディエイト

® 運用サポートと分析

このユニットで学習するトピック:

2.1 目的と達成目標

2.2 プロセスの適用範囲

2.3 事業に対する価値

2.4 方針、原則、基本概念

2.5 イベント管理の設計

2.6 ルール・セットと相関エンジンの使用

2.7 プロセスの活動、手法、技法

2.8 トリガ、インプット、アウトプット、および他のプロセスとのインタフェース

2.9 情報管理

2.10 プロセス測定

2.11 イベント管理でのCSI2.12 課題とリスク

2.13 演習

2.14 模擬試験問題

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2.1 目的と達成目標

ユニット2:イベント管理

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® 運用サポートと分析

2.2 プロセスの適用範囲 2.3 事業に対する価値 2.4 方針、原則、基本概念目的と達成目標2.1

イベント管理の目的は、ライフサイクル全体を通してイベントを管理することである。イベントを検出し、それが意味するものを判断し、適切なコントロール処置を決定する活動のこのライフサイクルは、イベント管理プロセスによって調整される。

(出典:『サービスオペレーション』)

イベント管理プロセスの達成目標は次のとおり:• CIやITサービスの管理にとって重要性

のある状態のすべての変更を検出する

• イベントに適切なコントロール処置を決定し、これらが適切な機能に伝達されるようにする

• 多くのサービスオペレーション・プロセスと運用管理活動の実施のために、トリガ、つまり入口点を提供する

• 実際の運用パフォーマンスと動作を、設計標準やSLAと比較する手段を提供する

• サービスの確約と報告、およびサービス改善の基礎を提供する

(出典:『サービスオペレーション』)

目的

達成目標

目的と達成目標 コアブック該当箇所 - SO 4.1.1 本ユニットを始めるにあたって、イベント管理プロセスの目的と達成目標を理解しておくことが非

常に重要です。イベント管理は、運用モニタリングおよびコントロールの基礎を形成します。イベ

ントを運用情報や警告、および例外などの情報を伝達するようにプログラミングすることで、さま

ざまな運用管理活動を自動化できます。例として、以下が挙げられます:

リモート機器を用いたスクリプトの実行

処理のジョブの開始

パフォーマンスを改善するために、サービスの需要を複数の装置に渡ってバランスをとる イベント管理を使用する利点 イベント管理を使用することで、以下を実現できます:

イベントの追跡 イベントの重要性の理解 イベントを管理するための適切な処置の決定 日常的な運用管理活動の自動化 実際のパフォーマンスや行動と、設計標準やサービスレベル・アグリーメン

ト(SLA)の比較

ト ラ ン ジ シ ョ ン

終了したトピック: 2.1 目的と達成目標

次のトピック: 2.2 プロセスの適用範囲

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2.2 プロセスの適用範囲

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インターミディエイト

® 運用サポートと分析

イベント管理の適用範囲

CI、または変更管理

通常の活動

セキュリティ

環境条件

ソフトウェア・ライセンスの利用状況モ

ニタリング

イベント管理プロセスの適用範囲

2.2 プロセスの適用範囲 2.3 事業に対する価値 2.4 方針、原則、基本概念目的と達成目標2.1

イベント管理の適用範囲 コアブック該当箇所 - SO 4.1.2 イベント管理には広い適用範囲があります。このプロセスをサービスマネジメントの自動化したい

部分や、コントロールが必要な部分に適用できます。 適用範囲には、以下が含まれます:

構成アイテム(CI): 一定の状態に保たれている必要のあるCI。例えば、ネットワークのスイッチは、常にオンの

状態にあるべきである。これに対して、イベント管理ツールは、「PING」コマンドを使用して、

それに対する応答をモニタすることで、これを確認する 定期的に状態を変化させる必要のある CI。例えば、ファイル・サーバの更新など。この状

態変化のプロセスを自動化し、構成管理システム(CMS)を更新するために、イベント管理

を使用することができる 環境条件: 火災や煙の検知など ソフトウェア・ライセンスの利用状況モニタリング: ライセンスの利用や割り当てを最適化し、

かつそれが合法的なものであるようにすることができる セキュリティ: 例えば、侵入検知 通常の活動: システムの使用率やサーバのパフォーマンスの日常的なチェック

アクティビティの時間

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Course Introductionユニット2:イベント管理ITIL

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® 運用サポートと分析

イベント管理の適用範囲に関する疑問

イベント管理の適用範囲とサービス・マネジメントの中での位置づけについて、

いくつかの疑問点がある。その疑問とは、以下のとおり:

• すでにサービスをモニタリングしているが、さらに何をしたらいいのか?• イベント管理は、インシデント管理と同じではないのか?• すでにアプリケーションをサポートし管理しているが、他に何をしなければならないのか?

上記疑問の答えは、今後のトピックスの中で説明していく

2.2 プロセスの適用範囲 2.3 事業に対する価値 2.4 方針、原則、基本概念目的と達成目標2.1

モニタリングとイベント管理の違いを理解するために、例を示します。 モニタリングとイベント管理の違い モニタリングとイベント管理は密接に関連しているが、性質が若干異なる。イベント管理は、IT インフラストラクチャとサービスのステータスにおいて意味のある通知を生成および検出することに焦点を当てる。 そのような通知の検出と追跡にはモニタリングが必要となるのは事実であるが、モニタリングは、イベント管理よりも広範である。例えば、モニタリング・ツールは、装置がイベントを生成していない場合でも、装置のステータスをチェックして、それらが許容できる範囲内で運用されていることを確実にする。 端的に言えば、イベント管理はモニタされるために特別に生成された発生事象を扱う。モニタリングはこれらの発生事象を追跡するが、イベントが発生していない状況も能動的に調べる。 (出典:『サービスオペレーション』)

ト ラ ン ジ シ ョ ン

終了したトピック: 2.2 プロセスの適用範囲

次のトピック: 2.3 事業に対する価値

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2.3 事業に対する価値 イベント管理プロセスの利点は明確です。より具体的に理解するために、ロイヤルのケースを見

ていきましょう。 あなたは、タイのバンコクへの長期休暇を計画し、ロイヤル・チャオプラヤ・ホテルに滞在すること

にしました。バンコクには、スクンビット通りで食べられる手ごろな価格のおいしい食べ物など、有

名なものがたくさんあります。バケーションの最終日、おいしいものを食べてみようと思い、ホー

モックタレーを注文しました。それは、イカや貝などの海鮮に野菜を合わせた、カレー風味の蒸し

物です。あなたは大変満足し、チップを奮発しました。今回のバケーションの計画は、今までで最

高のものになったと言えるでしょう。しかし、ホテルへの部屋に帰り、出発のため荷造りを始めた

時、何かがないことに気づきました。どうやらパスポートの盗難にあったようなのです。 あなたは大急ぎでパスポートの盗難について、ホテルの管理部門に電話しました。ホテルのスタ

ッフは、直ちに警察に電話し、翌朝一番であなたを大使館に連れていくことを約束してくれました。

しかし、あなたは、ロイヤルのセキュリティに不備があったと考えており、訴訟も辞さない構えで

す。 このような場合、ロイヤルはどのようにすれば信頼を回復することができるでしょうか。ロイヤル

が提供すべき事業上の価値は何なのでしょうか。

アクティビティの時間

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事業に対する価値

イベント管理は、間接的ではあるが、事業に対して以下のような価値をもたらす:

• インシデントを早期に検出する

• 停止時間を低減し、高価なモニタリング技法を適用する必要をなくす

• ビジネス・プロセスを改善する

• 運用を自動化し、システムを効率化する

• サービス提供および顧客満足度に直接影響を与えることができる

2.2 プロセスの適用範囲 2.3 事業に対する価値 2.4 方針、原則、基本概念目的と達成目標2.1

事業に対する価値 コアブック該当箇所 - SO 4.1.3 イベント管理は、事業に対して価値を間接的に提供します。サービス・プロバイダは、以下のこと

からイベント管理の価値を得ることができます:

イベント管理は、インシデントを早期に検出する仕組みを提供する。実際のサービスの中断

が発生する前に、修復または予防の処置を取るために、イベント管理は、重要な情報を適

切な部門に伝達する

まれに、自動化された活動では、費用のかかるリソース集約型のリアルタイム・モニタリン

グが必要となる。イベント管理では、例外を扱う活動をモニタし、停止時間を削減するととも

に、費用のかかるモニタリング技法の必要性なくす

イベント管理を他のサービスマネジメント・プロセスと統合すると、ステータスの変更や例外

が通知されるようになり、適切なチームが迅速に対応することができるようになる。これによ

り、ビジネス・プロセスのパフォーマンス、有効性、効果性が改善される

イベント管理は、運用の自動化に利用することができる。これによって、システムの効率が上

がるため、新しい機能性の設計や機能性の改善、または競争力強化を目的とした、新しい技

術の活用方法の定義など、より革新的な作業に高価な人的資源を活用することができる

イベント管理は、サービス提供および顧客満足度に直接的に影響を与えることがある。例

えば、現金自動預け払い機(ATM)は、装置内の現金が少なくなっていることを示すイベント

通知を生成する。それによって、その現金払い戻し部分の障害や顧客満足度への直接的

なインパクトを潜在的に回避している

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以下に、イベント管理が組織に提供する価値に関する記事から一部を引用します。 このプロセスによって、IT 組織は自身のインフラストラクチャの状態を検出し、対応する能力を大幅に向上することができます。 IT は、システムがどのように稼働しているかを確認するため、モニタリング・ツールを何十年も使用してきました。通常、ツールは市販のものであり、モニタリング対象となるシステムの側面は、そのツールができること、およびツールを導入したスタッフがそのシステムについて知っていることに基づいて決まっていました。時間が経つにつれてツールは進化し、データの傾向を記録できたり、アラートやアラームを生成したり、電子メールや電話でそれを通知したり、さらには事前定義されたタスクを実行するアプリケーションを起動できるようにさえなりました。問題は、このようなツールを活用できるほどプロセスが進歩していないことです。 ナレッジの積み重ねにより、いくつかのシステムやエンドツーエンドのサービスをモニタする方法も確立されていきましたが、一貫した方法で高度なナレッジを短期的に集約し、適用する手段はまだ生まれていません。これは、IT においては何度も繰り返されているテーマになっています。すなわち、技術中心のアプローチでは結果にブレがでてしまうということです。今必要とされているのは、常に決まった結果を出し、進化し続けることのできる、プロセス中心のアプローチなのです。 イベント管理プロセスは、サービスデザイン段階で開始し、サービストランジションを経由してサービスオペレーションにまで及ぶ公式のプロセスです。このプロセスはイベントの正式な定義やイベントの識別基準、およびそれに対応するためのあらかじめ承認された対応について担当します。このプロセスには、他のプロセスと同様にプロセス・オーナとプロセス・マネージャが存在します。 (引用:http://www.itsmwatch.com/itil/article.php/3837666/Why-Event- Management -Matters.htm)

ト ラ ン ジ シ ョ ン

終了したトピック: 2.3 事業に対する価値

次のトピック: 2.4 方針、原則、基本概念

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2.4 方針、原則、基本概念

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方針

• イベントの通知は関与する人々のみに通知する

• イベント管理とサポートは、可能なかぎり集中化する

• 全てのアプリケーション・イベントに対して、可能なかぎりメッセージングと記録の標準や規約を利用する

• イベントへの対応処置は、可能な限り自動化する

• 共通の対応プロセスとエスカレーションプロセスを参照できる、標準の分類体系を整備する

• すべての認識されたイベントを把握して記録する

2.2 プロセスの適用範囲 2.3 事業に対する価値 2.4 方針、原則、基本概念目的と達成目標2.1

方針 コアブック該当箇所 - SO 4.1.4.1 方針の例として以下が挙げられます:

イベント通知は、イベントに対するその後の処置や、それに関係する意思決定に対応する

責任を負う人々のみに通知する。これにより、イベントの処理に直接関与しない人々への

不必要な通知が回避される

イベント管理とサポートは、可能な限り集中化する。これにより、イベント管理における不一

致を避けられるようになるだけでなく、イベント対処の処置で生じる可能性のある新しいイベ

ントや変更に対して、一貫した方法で運用上の対応をすることができるになる。さらに、イベ

ント管理を集中化させることで、サポートする人々が処理できないイベントに対する通知を

受信しないようにすることができる

すべてのアプリケーション・イベントに対して、可能なかぎり共通のメッセージングおよび記

録の標準や規約を利用すべきである。これにより、イベントに対し一貫した方法で対処する

ことが可能となり、新しいイベントとその対処の処置を迅速に実装できる

可能なかぎり、イベント対処の処置は自動化すべきである。これにより、人的工数を削減で

き、人的エラーのために生じる潜在的なインシデントを排除でき、一貫した方法でイベントに

対応できるようになる

共通の対応プロセスとエスカレーション・プロセスを参照できる、標準の分類体系を整備す

る。これは、運用レベルおよびサービスレベルの達成目標をサポートするように、イベントに

対して処置を取るための一貫性のあるアプローチを支援する

すべての認識されたイベントを取得して記録すべきである。これは、イベントが発生した後

に、インシデント、問題および傾向を調査するための手段となる。複雑な問題を解決する際

には、根本原因分析を決定する活動を支援する

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® 運用サポートと分析

イベントの種類

各イベントは、その重要度に基づいて分類しなければならない。以下に、主なイベントの分類を示す:

情報イベント 例外イベント警告イベント

重要性:最大/発生頻度:最小

重要性:最小

2.2 プロセスの適用範囲 2.3 事業に対する価値 2.4 方針、原則、基本概念目的と達成目標2.1

イベントの種類 コアブック該当箇所 - SO 4.1.4.2 次のページ以降で紹介するイベントの例について、以下に挙げる 2 つの点をおさえることが重要

です: 通常と例外を分類するルールの定義はない。例えば、ある製造業者は、アプリケーション

「X」に対し、ベンチマークで 75%のメモリ使用率が最適だとしている。しかし、ある条件の下

では、応答時間は、70%の使用率で低下する 各例は、何種類かのメッセージの送受信に依存している。これらは、イベント通知と呼ばれ

ている

場合によっては、異常を示しているものの例外ではないイベントが自然に解

決することもあります。例えば、(一時は)作業負荷のピーク値が異常値を示

したものの、その作業が完了すると通常の運用に戻る、というような例があり

ます。 その他の場合、例えば異常な状態が繰り返し発生したり、その状態が長く続

くような場合には、オペレータの介入が必要になります。

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® 運用サポートと分析

情報イベント

情報イベントの例は以下のとおり:

• ユーザがアプリケーションを使用するためにログインした

• 電子メールが対象とされた受取人に届いた

• スケジューリングされた作業負荷が完了した

2.2 プロセスの適用範囲 2.3 事業に対する価値 2.4 方針、原則、基本概念目的と達成目標2.1

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Course Introductionユニット2:イベント管理ITIL

インターミディエイト

® 運用サポートと分析

警告イベント

• 異常を示しているが、例外ではない運用を示しているイベント

• 注意深くモニタする必要がある

• 状況によっては自然に解決される場合がある

警告イベントの例は以下のとおり:

• サーバのメモリ使用率が、許容可能なパフォーマンス・レベルの上限の5%以内にまで到達した

• トランザクションの完了に、通常より10%長い時間がかかった

2.2 プロセスの適用範囲 2.3 事業に対する価値 2.4 方針、原則、基本概念目的と達成目標2.1

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例外イベント

例外イベントの例は以下のとおり:

• ユーザが、アプリケーションに不正なパスワードでログオンしようとした

• 装置のCPUが許容できる使用率を超えている

• PCのスキャンで無許可のソフトウェアのインストールが見つかった

• ビジネスで異常な状況が発生した。例えば、支払い承認サイトが使用不能であり、事業の取引にインパクトを与えることを示すウェブ・ページのアラート

2.2 プロセスの適用範囲 2.3 事業に対する価値 2.4 方針、原則、基本概念目的と達成目標2.1

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イベントのフィルタリング戦略

統合 設計 試行錯誤 計画立案

2.2 プロセスの適用範囲 2.3 事業に対する価値 2.4 方針、原則、基本概念目的と達成目標2.1

イベントのフィルタリング イベント管理で重要なことは、管理とコントロールの処置を重要性のあるイベントに集中させるた

めに、適切なレベルでフィルタリングを行なうことです。イベントの重要度は場合によって変化す

るため、これは複雑になる可能性があります。例えば、あるユーザがあるシステムにログインす

ることが通常のことであっても、そのユーザが組織を離れてからログインしようとした場合、それ

はセキュリティ違反となります。 適切なフィルタリングのレベルを得るために使用できる戦略が複数あります。それらの戦略は、

以下のとおりです:

統合: 実現可能であれば、イベント管理をすべてのサービスマネジメント・プロセスに統合す

る。これによって、サービスマネジメント・プロセスにとって重要なイベントのみが報告されるよう

にできる

設計: イベント管理を念頭に置いて新しいサービスを設計する

試行錯誤: フィルタリングの有効性を評価する正式なプロセスを含めるべきである。

計画立案:イベント管理ソフトウェアを ITインフラストラクチャ全体に展開するよう計画立案する。

これを 1 つのプロジェクトと見なして、現実的な期間と適切なリソースを割り当て、それらがプロ

ジェクトの期間を通して確保されるようにするべきである。

ト ラ ン ジ シ ョ ン

終了したトピック: 2.4 方針、原則、基本概念

次のトピック: 2.5 イベント管理の設計

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2.5 イベント管理の設計

ユニット2:イベント管理

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® 運用サポートと分析

2.6 ルール・セットと相関エンジンの使用

2.7 2.8 トリガ、インプットとアウトプット、他のプロセスとのインタフェースイベント管理の設計2.5

イベント管理の設計

インストルメンテーション

エラー・メッセージ

イベントの検出とアラートの仕組み

プロセスの活動、手法、技法

イベント管理の設計 コアブック該当箇所 - SO 4.1.4.3 イベント管理は、サービスのパフォーマンスと可用性をモニタするのに使用されます。そのため、

サービスが展開される前にはイベント管理を効果的に関与させる必要があります。モニタリング

に関する具体的な目標値や仕組みは、可用性管理とキャパシティ管理の活動中に決められ、合

意されます。サービストランジション段階では、設計された仕組みをテストし、評価します。 ただし、これは、運用の現場に立たないシステム開発者がイベント管理計画を設計し、導入する

ということを意味するものではありません。また、イベント管理がいったん設計され、合意されてし

まえば、その後変化することもなく日々の運用となるということを意味しているわけでもありませ

ん。イベント管理では、新しいイベントや優先度、アラート、およびその他の改善点が定義され、

それらは継続的改善プロセスに送られます。 サービスオペレーションの機能はサービスの設計や測定方法の一部を占めます。 イベント管理の設計に関する主要な考慮事項には次が含まれる。

何がモニタされる必要があるか? どのような種類のモニタリングが必要か(能動的または受動的、パフォーマンスまたはアウ

トプットなど)? いつイベントを生成する必要があるか? イベントでどのような種類の情報が伝達される必要があるか? メッセージを伝達する相手は誰か? イベントの認識、伝達、エスカレーション、処置に責任を負うのは誰か?

(出典:『サービスオペレーション』)

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インストルメンテーション

インストルメンテーションとは、CI の何をモニタできるか、また CI の動作がどのように影響を受け

るかを定義したものです。言い換えれば、インストルメンテーションは、IT インフラストラクチャお

よび IT サービスをモニタおよびコントロールする方法を定義して設計することです。

インストルメンテーションは、決定する必要のある一連の項目と、それらの決定項目を実行するための仕組みの設計から成る。設計する必要のある仕組みは次のとおりである。

イベントはどのように生成されるか? イベントはどのように分類されるか? イベントはどのように伝達され、エスカレーションされるか? CI にはすでにイベント生成の仕組みが標準の機能として組み込まれているか?組み込まれ

ていれば、それらのうちどれが使用されるか?それらの機能は十分であるか、または CI をカスタマイズして追加の仕組みや情報を含める必要があるか?

イベント・レコードを投入するのにどのデータが使用されるか? イベントは自動的に生成されるか、または CI をポーリングする必要があるか? イベントはどこに記録され、保存されるか? 補助データはどのように収集されるか?

(出典:『サービスオペレーション』)

エラー・メッセージ

エラー・メッセージはすべてのコンポーネント(ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなど)にとっ

て重要です。とりわけ、すべてのソフトウェア・アプリケーションがイベント管理をサポートするよう

設計されていることが重要です。これこそ、新しいアプリケーションのテストに、イベント生成の正

確性のテストを含めるべきである理由です。 現在では、装置、アプリケーション、およびサービス主導のネットワークを管理しモニタするにあ

たり、Web ベース、モジュール式、および動的なソリューションを構築し配布するためにツールを

利用することができます。このようなツールを使用すると、エラー・メッセージをコード内に含める

必要性が低く(もしくは全く必要なく)なり、適切なレベルの正規化とコードの独立性を実現出来ま

す。

イベントの検出とアラートの仕組み

優れたイベント管理設計には、イベントのフィルタリング、相関付け、およびエスカレーションに使

用するツールが必要です。特に、相関エンジンは、各種イベントの重要性とその後の処置を決定

するルールおよび基準とともに実装される必要があります。

イベントの検出とアラートの仕組みの詳細な設計には、次が必要である。 イベント管理を介して管理されているあらゆるビジネス・プロセスと関連付けられる、事業に

関するナレッジ 各 CI によってサポートされているサービスのサービスレベル要件に関する詳細なナレッジ 誰が CI をサポートするのかに関するナレッジ CI の通常の運用と異常な運用を構成する要素に関するナレッジ (同じ CI、またはさまざまな類似する CI についての)複数の類似するイベントの重要性に関

するナレッジ CI を効果的にサポートするために知っておく必要があるナレッジ CI に関する問題の診断に役立つナレッジ インシデント・レコードを作成する必要がある場合に、インシデントの優先度付けおよびカテ

ゴリ化のコードを提供できるよう、それらを熟知していること

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影響を受ける CI に依存している可能性のある別の CI、または影響を受ける CI が依存している CI に関するナレッジベンダや過去の経験から得られる、既知のエラーに関する情報の可用性

(出典:『サービスオペレーション』)

ト ラ ン ジ シ ョ ン

終了したトピック: 2.5 イベント管理の設計

次のトピック: 2.6 ルール・セットと相関エン

ジンの使用

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2.6 ルール・セットと相関エンジンの使用

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2.6 2.7 プロセスの活動、手法、技法 2.8イベント管理の設計2.5

ルール・セットと相関エンジン

ルール・セットは以下の特徴を持つ:

• イベント・メッセージを定義するルールで構成される

• モニタリングとイベント対処の技術に組み込まれる

• イベントを相関付ける、ブール型アルゴリズムを使用する

ルール・セットと相関エンジンの使用

トリガ、インプットとアウトプット、他のプロセスとのインタフェース

イベントのルール・セットと相関エンジンの使用 コアブック該当箇所 - SO 4.1.4.4 ルール・セットは、特定のイベントのイベント・メッセージをどのように処理し評価するかを定義す

る複数のルールで構成されています。例えば、ディスクのログ・ファイルが限界に達するたびに

警告イベントが生成されます。さらに、警告イベントが4つ以上になることで例外イベントが生成さ

れます。ルール自体は、モニタリングとイベント対処の技術に組み込まれます。生成されたイベ

ントの相関付けには、ブール型アルゴリズムが利用されます。これらのアルゴリズムは、一般的

に相関エンジンと呼ばれるイベント管理ソフトウェアとして体系化されます。

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2.6 2.7 プロセスの活動、手法、技法 2.8イベント管理の設計2.5

論理層

物理層

ビジネス・プロセス

受注処理など

相関付けられた事業イベント

ルール・セット

サービス1 サービス2

相関付けられたサービス・イベント

ルール・セット

インフラストラクチャCIから生成されたイベントネットワーク・

スイッチ

データベース

ストレージ・アレイ

サーバ

ルータ

メインフレーム

アプリケーション1

アプリケーション2

自動化された販売サポートなど

ホスティング・サポートなど

引用:物理的なインフラストラクチャCIのイベント、サービス、ビジネス・プロセスの関系© Crown Copyright 2011 Reproduced under licence from Cabinet Office

参考資料の「付録D」で、この図の拡大版を見ることができます。

ルール・セットと相関エンジンの使用

トリガ、インプットとアウトプット、他のプロセスとのインタフェース

物理的なインフラストラクチャ CI から生成されるイベント イベント技術は一般的に、ITインフラストラクチャ内のCI のイベントを作成するために設計される。これは、これらCIの運用状態およびステータスの変更の通知を提供する。しかし、事業またはサービスの観点から、事業ユーザにとって意味があるイベントを生成することも求められる可能性がある。例えば、技術は、電子メール・サービスの提供に関係する各ハードウェアCIおよびソフトウェア CI の個々のステータスを伝達するイベントを生成することがあるが、ユーザにとって許容可能かという観点から、電子メール・サービスが実際にメッセージを送信および受信しているかどうかを伝達していない。これには、事業が IT サービスをどのように見ているか、それらのサービスから成果を達成するために事業が「エンドツーエンド」をどのように見ているか、どの CI がそれらの事業成果の提供の基本となるかについて完全に理解する必要がある。 サービスとビジネス・プロセスは、物理的な IT インフラストラクチャの部分を論理的に抽象化したものである。この理由から、多くの技術には、そのような論理的な抽象化のためのイベント生成を可能にするルール・セットの能力が含まれる。物理的なインフラストラクチャ CI から生成されたイベントは、ルール・セットを利用して、エンド・ユーザおよび顧客にとって意味のある論理的なイベントを相関付けて生成する。上の図に、物理的なインフラストラクチャ CI のイベント間の関係、およびサービスやビジネス・プロセスに対して、これらをどのように抽象化できるかを示す。

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ベストプラクティスは、サービスを設計するときに、必要なイベントルール・セット、および相関付けを確立することである。サービスがすでに稼働を開始した後では、モニタリングとイベントのソリューション設計に、よりリアクティブで高価なプラクティスが必要となるが、そのことをこのベストプラクティスによって防ぐことができる。 (出典:『サービスオペレーション』) スライドの図は、物理的なインフラストラクチャ CI のイベント間の関係と、どのようにイベントがサ

ービスとビジネス・プロセスに対し関連付けられるかを示しています。

ト ラ ン ジ シ ョ ン

終了したトピック: 2.6 イベントのルール・セットと 相関エンジンの使用

次のトピック: 2.7 プロセスの活動、手法、

技法

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2.7 プロセスの活動、手法、技法 コアブック該当箇所 - SO 4.1.5 イベント管理の活動、手法、および技法を理解するためにアクティビティを行いましょう。

イベント管理の活動 イベント管理は、以下の活動から構成されています:

イベントの発生 イベントの通知 イベントの検出 イベントの記録 最初のレベルのイベントの相関付けとフィルタリング 第 2 レベルのイベントの相関付け トリガの生成 対応の選択 処置のレビュー クローズ

さきほどのアクティビティから、イベント管理には 10 ステップの活動があることが解りました。 それでは、さらに詳細に活動を学習していきましょう。

アクティビティの時間

トピックの学習ロードマップ 2.7.3 イベントへの対応

2.7.4 活動のレビューと イベントのクローズ

2.7.1 イベントの発生、 イベントの通知、および

イベントの検出

2.7.2 イベントの相関付け、 フィルタリング、 および重要性

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2.7.1 イベントの発生、イベントの通知、およびイベントの検出

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2.6 2.7 プロセスの活動、手法、技法 2.8イベント管理の設計2.5

2.7.4

処置のレビューとイベントのクローズ

2.7.1

イベントの発生、イベントの通知、およびイベントの検出

2.7.2

イベントの相関付け、

フィルタリング、

および重要性

2.7.3

イベントへの対応

イベントの発生

イベントは継続的に発生するが、すべてのイベントが検出または記録されるとは限らない。

ITサービスおよびインフラストラクチャ:• 設計• 開発• サポート• 管理

検出する必要のあるイベントの種類を理解す

ることが必要

ルール・セットと相関エンジンの使用

トリガ、インプットとアウトプット、他のプロセスとのインタフェース

イベントの発生 コアブック該当箇所 - SO 4.1.5.1 組織内で IT サービスおよび IT インフラストラクチャの設計、開発、管理およびサポートにかかわ

る人全員が、どのような種類のイベントを検出する必要があるのかを理解しておかなければなり

ません。

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イベントの通知

2.6 2.7 プロセスの活動、手法、技法 2.8イベント管理の設計2.5

イベントの通知とは情報を伝達する方法である。

ほとんどのCIはオープン・スタンダードを使用するか、メーカの管理ツールを使用して通知を生成する。

イベントを生成するには、一定の条件が満たされる必要がある。

イベントを通知する能力は、CIに組み込んでおく必要がある。

2.7.4

処置のレビューとイベントのクローズ

2.7.1

イベントの発生、イベントの通知、およびイベントの検出

2.7.2

イベントの相関付け、

フィルタリング、

および重要性

2.7.3

イベントへの対応

ルール・セットと相関エンジンの使用

トリガ、インプットとアウトプット、他のプロセスとのインタフェース

イベントの通知 コアブック該当箇所 - SO 4.1.5.2 イベントの通知は、CI が情報を伝達する手法です。ほとんどの CI は、以下の 2 つの方法のいず

れかで情報を伝達します:

管理ツールが装置に問い合わせを行い、それによって特定のデータが収集される。これは、

通常、ポーリングと呼ばれる

CI は一定の条件を満たすと通知を生成する。これらの通知を生成する能力を設計し、CI に組み込んでおく必要がある。アプリケーションにプログラミング用フックを挿入するなどであ

る イベント通知は独自仕様の場合があり、その場合は、そのメーカの管理ツールのみをイベントの

検出に使用できます。ただし、ほとんどのCIはSNMP(Simple Network Management Protocol) などのオープン・スタンダードを使用してイベント通知を作成します。多くの場合、CI は、設計者が

その CI を運用するのに何が必要かを決定し、一連の標準イベントを生成するように構成されて

います。CI の種類によっては、モニタリングを開始するために、ある種の「エージェント」ソフトウェ

アをインストールする場合もあります。多くの場合、このモニタリング機能は無料ですが、ツール

のライセンス料を支払わなくてはならない場合もあります。 サービスデザイン・プロセスにおいて、生成するイベントを定義し、CI のタイプごとにその生成方

法を指定する必要があります。その後サービストランジションで、それらのイベント生成のオプシ

ョンが設定され、テストされます。

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生成するべきイベントの定義には、試行錯誤を要します。多くの組織において、システム・マネー

ジャは一連の標準イベントを起点として使用し、その後必要に応じてイベントを追加または削除し

ながら継続的に CI を調整します。 ただしこのアプローチには、以下の問題があります:

装置を管理しているスタッフの差し迫った必要性をだけを考慮する

適切な計画立案や改善を推進していない

すべての装置やスタッフにわたってサービスをモニタし管理することが非常に困難になる これに対処するアプローチの 1 つは、一連のイベントを継続的改善活動の一部としてレビューす

ることです。 サービストランジションでは、イベント生成のオプションを設定し、テストすることができます。イベ

ント通知に有意義なデータが含まれており、通知を受ける対象となる人が多ければ多いほど、そ

れがどんなイベントであるかを決定しやすくなります。サービスデザインとサービストランジション

では、意味のある通知データとは何か、およびそのデータの役割は何かを明確に定義して文書

化するべきです。これは、事態の見落としや行動の重複を避けるためです。

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2.6 2.7 プロセスの活動、手法、技法 2.8イベント管理の設計2.5

イベントの検出

イベントの通知が生成されると、以下のいずれかが発生する:

• 同じシステム上で実行されているエージェントによって検出される

• イベントは直接、管理ツールに送信される

• 管理ツールは、イベントを読み込んで意味を解釈するように設計されている

2.7.4

処置のレビューとイベントのクローズ

2.7.1

イベントの発生、イベントの通知、およびイベントの検出

2.7.2

イベントの相関付け、

フィルタリング、

および重要性

2.7.3

イベントへの対応

ルール・セットと相関エンジンの使用

トリガ、インプットとアウトプット、他のプロセスとのインタフェース

イベントの検出 コアブック該当箇所 - SO 4.1.5.3 イベントの通知の後、イベントが検出されます。イベントの検出とは何かを理解するために、スラ

イドの内容を確認してください。

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イベントの記録

2.6 2.7 プロセスの活動、手法、技法 2.8イベント管理の設計2.5

イベント次の形式で記録される:

イベント管理ツール内のイベント・レコード

イベントを生成した装置またはアプリケーションのシステム・ログヘのエントリ

2.7.4

処置のレビューとイベントのクローズ

2.7.1

イベントの発生、イベントの通知、およびイベントの検出

2.7.2

イベントの相関付け、

フィルタリング、

および重要性

2.7.3

イベントへの対応

ルール・セットと相関エンジンの使用

トリガ、インプットとアウトプット、他のプロセスとのインタフェース

イベントの記録 コアブック該当箇所 - SO 4.1.5.4 イベントおよびその後の処置を記録する必要があります。イベントは、以下のものとして記録しま

す: イベント管理ツールのイベント・レコード イベントを生成した装置またはアプリケーションのシステム・ログへのエントリ

適切な運用管理スタッフがログを定期的に確認して、各ログの使用方法を明確にするための服

務規定が必要です。インシデントが発生するまで、ログ内のイベント情報は意味を持たないかも

しれません。 従って、各システムまたは各チームのイベント管理手順では、イベントをアーカイブまたは削除す

るまでの、ログを保存しておく期間について標準を定義しておく必要があります。

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2.7.2 イベントの相関付け、フィルタリング、および重要性

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2.6 2.7 プロセスの活動、手法、技法 2.8イベント管理の設計2.5

最初のレベルのイベントの相関付けとフィルタリング

ここでは、以下を行う:

• 管理ツールにイベントを伝達するか、または無視するかを決定する

• 繰り返される一連のイベント通知の最初のものだけが送信されるように決められている場合、必要に応じて、実行される

• 通常、CIまたはCIが接続されているサーバに常駐するエージェントまたは相関エンジンによって実行される

2.7.4

処置のレビューとイベントのクローズ

2.7.1

イベントの発生、イベントの通知、およびイベントの検出

2.7.2

イベントの相関付け、

フィルタリング、

および重要性

2.7.3

イベントへの対応

ルール・セットと相関エンジンの使用

トリガ、インプットとアウトプット、他のプロセスとのインタフェース

最初のレベルのイベントの相関付けとフィルタリング コアブック該当箇所 - SO 4.1.5.5 まったくイベントの通知がないようにするのは不可能です。そこで、フィルタリングにより、同じ種

類のイベントが何度も生成されることがないようにします。 最初のレベルのイベントの相関付けとフィルタリングの目的は、イベントを管理ツールに伝達する

か、または無視するかを決定することです。無視した場合、イベントは通常、装置のログ・ファイ

ルに記録されますが、それ以上の処置は実行されません。 繰り返し発生する一連のイベント通知の最初のものだけが送信されるように決められていれば、

最初のレベルの相関付けが実行されます。この相関付けは、イベントが情報、警告、または例外

のいずれであるかを決定するフィルタリングのステップの中で実行されます。この相関付けは、

CI または CI が接続されているサーバに常駐するエージェントまたは相関エンジンによって実行

されます。

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2.6 2.7 プロセスの活動、手法、技法 2.8イベント管理の設計2.5

2.7.4

処置のレビューとイベントのクローズ

2.7.1

イベントの発生、イベントの通知、およびイベントの検出

2.7.2

イベントの相関付け、

フィルタリング、

および重要性

2.7.3

イベントへの対応

例外

警告

情報

フィルタリング

イベント

ルール・セットと相関エンジンの使用

トリガ、インプットとアウトプット、他のプロセスとのインタフェース

イベントの重要性

コアブック該当箇所 - SO 4.1.5.6

組織ごとにイベントの重要性については独自のカテゴリを設定しています。イベントをフィルタリン

グするにあたって使用されるカテゴリには、大まかに分けて 3 つあります。 それでは、イベントの重要性のタイプについて、詳細に見ていきましょう。

情報 このイベントは、どのような処置も必要とせず、例外を示すものでもありません。装置やサービス

のステータスを確認したり、活動の正常な完了を確認したりするのに使用されます。また、一定

の期間に、ログオンしたユーザの数というような統計を生成するのに使用されます。

情報イベントの例 情報イベントの例は次のとおりである。

ユーザがアプリケーションにログオンした バッチ・キュー内のジョブが正常に完了した 装置がオンライン接続状態になった トランザクションが正常に完了した

(出典:『サービスオペレーション』)

情報イベントの目的 情報イベントは、以下の目的で使用されます:

装置やサービスのステータスの確認 活動の正常な完了の確認 一定の期間に、ログオンしたユーザの数というような統計の生成 トランザクション処理の待ち行列がハングアップする前に、どのジョブが正常に完了したかの確認

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警告 このイベントは、サービスまたは装置がしきい値に達したときに生成されます。すべての警告は、

イベント管理の一部として実行されます。通常、相関エンジンは、ビジネス・ルールを保持し、警

告イベントに対し、その対応を決定できるような機能を持っています。警告は、人、プロセス、また

はツールに、例外の状態に陥らないよう、適切な処置をとるためにチェックすべき状況を通知し

ます。繰り返しますが、警告は、サービスまたは装置がそのしきい値に達したときに生成されま

す。警告は、装置の障害や、例外として処理されるその他の障害の発生時には生成されませ

ん。

警告の例 警告の例は次のとおりである。

サーバ上のメモリ使用率が 65%で、さらに増加している。75%に達した場合、応答時間が許容範囲を超えて長くなり、その部門の OLA に違反してしまう

この 1 時間でネットワーク・コリジョンの割合が 15%増加している

(出典:『サービスオペレーション』)

例外 このイベントは、インシデント管理プロセスまたは変更管理プロセスのインプットとなります。例外

が発生したということは、サービスまたは装置が現在(事前の定義に応じて)通常の運用を行って

いないことを意味しています。通常、例外は、オペレーショナルレベル・アグリーメント(OLA)とSLA に違反していることを意味しています。例外を以下に示します:

総合的な障害 機能障害 パフォーマンスの低下

例外の例

サーバの停止 ネットワーク全体の標準的なトランザクションの応答時間が 15 秒以上遅くなった 現在、150 人以上のユーザが総勘定元帳アプリケーションにログオンしている ネットワークの一部が日常的な要求に応答していない

(出典:『サービスオペレーション』)

情報 警告 例外 IT 運用が状況を把握するために

重要となるイベント 異常を示しているが例外でもないイ

ベント。インシデントにはなっていな

例外である。情報提供、フラッグ・

エラーまたは差異を示すイベントを

意味する プロセスが適切に実行されている

ことを IT 運用に通知するイベント 一刻を争うようなインパクトを持ち、

傾向を把握するために詳細なモニ

タリングが必要となる通常、定義さ

れたしきい値に達し例外となった

時、プロアクティブな測定の収集が

開始される

更なる処置がとられなければ、緊

急のインパクトが発生しうるイベン

例:ステータスの通知、ID またはロ

グインで作成された情報、電子メー

ルの配信など

例:アプリケーションの開始が 15%以上長くなったとき、トランザクショ

ンの処理時間が 30%以上長くなっ

たときなど

例:ユーザが不正な ID またはパス

ワードでログインしたときの警告、

またはサーバのキャパシティがし

きい値に達したときの警告、電子メ

ールが配送されないときの警告。

これらは、発生したエラーで照会さ

れるインシデントと同じではない

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Course Introductionユニット2:イベント管理ITIL

インターミディエイト

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第2レベルのイベントの相関付け

• イベントの警告タイプの意味を決定する

• 相関エンジンによって実行される

• 管理ツールの一部である

• 定められた順序でイベントを一連の基準およびルールと比較する。これらの基準は、 ビジネス・ルールと呼ばれることが多い

2.6 2.7 プロセスの活動、手法、技法 2.8イベント管理の設計2.5

2.7.4

処置のレビューとイベントのクローズ

2.7.1

イベントの発生、イベントの通知、およびイベントの検出

2.7.2

イベントの相関付け、

フィルタリング、

および重要性

2.7.3

イベントへの対応

ルール・セットと相関エンジンの使用

トリガ、インプットとアウトプット、他のプロセスとのインタフェース

第 2 レベルのイベントの相関付け

コアブック該当箇所 - SO 4.1.5.7

イベントが警告である場合、その重要性はどのようなものであるか、また、それを処理するには

どのような処置をする必要があるのかを正確に見極めなければいけません。第 2 レベルのイベ

ントの相関付けでは、イベントの意味が決定されます。

通常、管理ツールの一部となる相関エンジンが相関付けを行います。このエンジンは、イベントを、

定められた順序でビジネス・ルールと呼ばれる一連の基準およびルールと比較します。イベント

は事業に対する何らかのインパクトを表す場合があり、このルールを使用して事業へのインパク

トのレベルと種類を判断するという考え方です。 相関エンジンは、サービスデザインで作成されるパフォーマンス標準と運用環境に応じて作成さ

れる追加の手引きに従っています。

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相関エンジンの例 警告イベントについて相関エンジンで考慮されるものの例は次のとおりである。

類似するイベントの数(例えば、同じユーザが不正なパスワードでログインしたのは今回が3 度目である場合や、業務アプリケーションが携帯電話の異常な使用パターンを報告し、その携帯電話が紛失されたか盗難に遭った可能性が示唆される場合など)

類似するイベントを生成する CI の数 特定の処置がイベントのコードまたはデータに関連しているかどうか イベントが例外を示しているかどうか イベントにおける使用率の情報と、標準の最大値または最小値との比較(装置がしきい値を

超えているか、など) イベントをさらに調査するために追加のデータが必要かどうか、さらに、場合によっては、他

のシステムまたはデータベースをポーリングすることによって、そのデータを収集する必要があるかどうか

イベントのカテゴリ化 イベントヘの優先度レベルの割り当て

(出典:『サービスオペレーション』)

それ以上の処置は必要か? コアブック該当箇所 - SO 4.1.5.8 第 2 レベルの相関付けによってイベントが認識された場合、対応が必要となります。 対応にはさまざまな種類があり、各対応はそれぞれが開始しなければならないタスクに合わせ

て設計されます。 対応の例 対応の例は、以下のとおりです。

インシデント管理システムでレコードを生成し、それによってインシデント管理プロセスを開始する

RFC を生成し、それによって変更管理プロセスを開始する 許可済みRFCを導入後、イベントが発生した場合、または無許可の変更が検出された場合。

どちらの場合も、調査のために変更管理に問い合わせが行われる 特定の処置を実行するスクリプト。バッチ・ジョブの投入や装置の再起動など 携帯電話で人またはチームにイベントを通知する呼び出しシステム 特定のレコードやフィールドヘのユーザのアクセス制限、またはデータベース内のエントリ

作成または削除といったデータベースの処置

(出典:『サービスオペレーション』)

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2.7.3 イベントへの対応

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インターミディエイト

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2.6 2.7 プロセスの活動、手法、技法 2.8イベント管理の設計2.5

イベントへの対応

イベントの対応例:

インシデント管理システムでレコー

ドを生成

RFCの生成

呼び出しシステム データベース

の処置

スクリプト

2.7.4

処置のレビューとイベントのクローズ

2.7.1

イベントの発生、イベントの通知、およびイベントの検出

2.7.2

イベントの相関付け、

フィルタリング、

および重要性

2.7.3

イベントへの対応

ルール・セットと相関エンジンの使用

トリガ、インプットとアウトプット、他のプロセスとのインタフェース

イベントへの対応 コアブック該当箇所 - SO 4.1.5.7 イベントが相関付けの第 2 レベルで認識されたときには、何らかの対応が必要となります。対応

にはさまざまな種類があり、各対応の方法はそれぞれ対応しなければならないタスクに合わせ

て設計されます。

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2.6 2.7 プロセスの活動、手法、技法 2.8イベント管理の設計2.5

イベントの対応の選択

対応の選択では、利用可能な選択肢から適切な対応を選択する。例として以下が挙げられる:

• 自動応答

• アラートおよび人の介入

• インシデント、問題、または変更

• RFCの提起

• インシデント・レコードの提起

• 問題レコードの提起または関連付け

• 特別な種類のインシデント

2.7.4

処置のレビューとイベントのクローズ

2.7.1

イベントの発生、イベントの通知、およびイベントの検出

2.7.2

イベントの相関付け、

フィルタリング、

および重要性

2.7.3

イベントへの対応

ルール・セットと相関エンジンの使用

トリガ、インプットとアウトプット、他のプロセスとのインタフェース

イベントの対応の選択 コアブック該当箇所 - SO 4.1.5.8 対応の選択の段階では、多数の選択肢の中から適切な対応を選択しなければなりません。また、

対応の選択に際しては、選択肢の中から、どのように組み合わせることも可能です。例えば、後

で参照するためにログ・エントリを保存すると同時に、処理のために、運用管理スタッフにイベン

トをエスカレーションする必要が生じる場合があります。 イベントの対応として、使用できる選択肢の例は、以下のとおりです:

自動応答:イベントによっては、すでに応答が定義され、自動化されています。これは、優秀

な設計または過去の経験の結果です。応答によって処置が開始され、処置が正常に完了

したかどうかが評価されます。正常に完了しなかった場合、インシデント・レコードまたは問

題レコードが作成されます。自動応答の例は、以下のとおりです:装置の再起動、サービス

の再開、バッチでのジョブの投入、装置上のパラメータの変更、不正アクセスから保護する

ための装置またはアプリケーションのロック

アラートおよび人の介入:アラートは、イベントを処理するのに適切なスキルを持った人にイ

ベントを通知されるようにすることが必要です。アラートがあった場合には、人やチームが特

定の時間に、特定の装置に対して特定の処置を実行することが求められます。例えば、プ

リンタのトナーが少なくなったときにトナー・カートリッジを交換することなどがあります。アラ

ートには、適切な処置を決定するために必要な情報がすべて含まれています。これは、イン

シデントの機能的エスカレーションと必ずしも同じではないことに注意してください。機能的

エスカレーションでは合意された時間内でのサービスの回復が強調されています。そのた

め、さまざまな活動が要求される場合もあります。

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インシデント、問題、または変更:いくつかのイベントは、インシデント管理、問題管理、また

は変更管理による対応が必要な場合があります。1 つのイベントに対し、これら 3 つのプロ

セスのいずれか、またはそれらの組み合わせによって処理される場合があります。例えば、

さほど重大でないサーバ障害が発生した場合、まずインシデントとして記録されます。この

インシデントの根本原因がわからない場合、問題レコードが作成され、問題を解決するまで

のワークアラウンドを実行するための RFC が記録されます。

RFC の提起:イベント管理プロセスには、RFC を作成できる場合が 2 つあります。

例外が発生した場合:2 つの新しい装置が必要な許可なしでネットワークに追加されている

場合のように、例外が発生した場合、RFC を提起し、例外の処理のため変更管理プロセス

に送る。

相関付けによって変更が必要であると判明した場合:この場合はイベントの相関付け活動

によって、イベントに対する適切な対応として、何かを変更する必要があると決定される。

例えば、パフォーマンスがしきい値に到達しており、主要なサーバに関するパラメータを調

整する必要がある場合などである。

インシデント・レコードの提起:例外が検出されたとき、または特定の種類のイベントあるい

はイベントの組み合わせから、インシデントが発生していると相関エンジンが判断したときに

はインシデントが生成される。インシデント・レコードを提起する際、診断スクリプトなどイン

シデントに関する情報を含めるべきです。

問題レコードの提起または関連付け:このステップでは、既存の問題にインシデントを関連

付けます。問題レコードがオープンであれば、既存のレコードに関連付け、問題の重大度と

インパクトを決定します。

特別な種類のインシデント:あるイベントにおいては、例外がITサービスに影響を及ぼさな

いことがあります。このイベントは、同種のイベントを管理しているグループに報告するか、

報告を必要としない運用課題として処理されます。 この種のイベントに対するガイドライン

は、以下のとおりです:

インシデントは、インシデント・モデルに沿って記録すべきである。イベントは、サービス課

題ではなく、運用課題である。

インシデントは、該当する種類のインシデントを管理するグループにエスカレーションすべ

きである。

この種のインシデントは停止時間を計算するために使用するべきではない。

アクティビティの時間

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2.7.4 処置のレビューとイベントのクローズ

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2.6 2.7 プロセスの活動、手法、技法 2.8イベント管理の設計2.5

2.7.4

処置のレビューとイベントのクローズ

2.7.1

イベントの発生、イベントの通知、およびイベントの検出

2.7.2

イベントの相関付け、

フィルタリング、

および重要性

2.7.3

イベントへの対応

サポートデスクですか。

ボイスメールをどうしたら印刷できるか、教えて頂けますか?

ルール・セットと相関エンジンの使用

トリガ、インプットとアウトプット、他のプロセスとのインタフェース

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2.6 2.7 プロセスの活動、手法、技法 2.8イベント管理の設計2.5

個々のイベントのレビューは不可能。

処置のレビュー

生成された重要なイベントが対処されているか確認する。

イベントのレビューは自動的に実行される。

処置のレビューは、プロセスのレビューと重複させない。

レビューは、イベント管理プロセスの評価、改善、および監査へのインプットとして使用する。

毎日、何千ものイベントが生成される。

2.7.4

処置のレビューとイベントのクローズ

2.7.1

イベントの発生、イベントの通知、およびイベントの検出

2.7.2

イベントの相関付け、

フィルタリング、

および重要性

2.7.3

イベントへの対応

ルール・セットと相関エンジンの使用

トリガ、インプットとアウトプット、他のプロセスとのインタフェース

処置のレビュー コアブック該当箇所 - SO 4.1.5.10 毎日何千ものイベントが生成されるため、個々のイベントすべてを正式にレビューすることは不

可能です。しかし、重要なイベントまたは例外がすべて適切に対処されていることを確認したり、

イベントの種類の傾向や数を追跡したりすることは重要です。多くの場合、それらは自動的に行

うことができます。例えば、自動化されたスクリプトを使用して、再起動されたサーバをポーリング

し、そのサーバが正常に機能しているかどうかを確認できます。 イベントがインシデント、問題、変更につながった場合、処置のレビューがプロセスの一環として

行われたレビューと重複しないようにする必要があります。 また、レビューはイベント管理プロセスの評価、改善、および監査へのインプットとして使用すべ

きです。

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2.6 2.7 プロセスの活動、手法、技法 2.8イベント管理の設計2.5

イベントのクローズ

ほとんどのイベントは記録され、他のプロセスへのインプットとして使用される。

自動応答したイベントは、2番目のイベントが生成されるとクローズする。

インシデント、問題、または変更を生成したイベントは、他のプロセスの適切なレコードに関連付けられて、正式にクローズされる。

2.7.4

処置のレビューとイベントのクローズ

2.7.1

イベントの発生、イベントの通知、およびイベントの検出

2.7.2

イベントの相関付け、

フィルタリング、

および重要性

2.7.3

イベントへの対応

ルール・セットと相関エンジンの使用

トリガ、インプットとアウトプット、他のプロセスとのインタフェース

イベントのクローズ コアブック該当箇所 - SO 4.1.5.11 ステータスがオープンになっているインシデントと関連のあるイベントなど、一部のイベントは、特

定の処置が行われるまで、ステータスをオープンにしておきます。ただし、ほとんどのイベントは

「オープン」にも「クローズ済み」にもなりません。 情報イベントは記録され、バックアップやストレージ管理などの他のプロセスへのインプットとして

使用されます。自動応答は通常、2 番目のイベントが生成されるとクローズされます。例えば、あ

る装置はイベントを生成し、自動応答によって再起動されます。その装置は、正常にオンライン

に回復すると、効果的にループをクローズするイベントをすぐに生成し、最初のイベントを削除し

ます。 インシデント、問題、または変更を生成したイベントの場合は、他のプロセスでの適切なレコード

と関連付けて正式にクローズするべきです。 イベントは、さまざまな形式で、生成されます。オープン時とクローズ時の形式

が異なっている場合、イベントを正確に分類することが困難になります。この

ような問題を避けるためには、装置がイベントのオープン時とクローズ時の形

式を同じにするようにし、それからステータスの変化を表示するようにする必

要があります。

ト ラ ン ジ シ ョ ン

終了したトピック: 2.7 プロセスの活動、手法、技法

次のトピック: 2.8 トリガ、インプットとアウトプット、他の

プロセスとのインタフェース

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2.8 トリガ、インプットとアウトプット、他のプロセスとのインタフェース

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2.6 2.7 プロセスの活動、手法、技法 2.8イベント管理の設計2.5

トリガ

• 設計仕様書で定義されたあらゆるレベルのCIパフォーマンスに対する例外

• 自動化された手順に対する例外

• イベント管理によってモニタされているビジネス・プロセス内の例外

• 自動化されたタスクやジョブの完了

• 装置やデータベース・レコードのステータスの変更

• ユーザや自動化された手順またはジョブによる、アプリケーションまたはデータベースへのアクセス

ルール・セットと相関エンジンの使用

トリガ、インプットとアウトプット、他のプロセスとのインタフェース

トリガ コアブック該当箇所 - SO 4.1.6.1 イベント管理は、あらゆる種類の状態の変化によって開始されます。大切なのは、どの状態の変

化に対処するのかを定義することです。トリガの例は、以下のとおりです:

設計仕様書、OLA、または標準運用手順(SOP)で定義されたあらゆるレベルの CI パフォー

マンスに対する例外

自動化された手順やプロセスに対する例外。例えば、構築チームに割り当てられている日

常的な変更が所定の時間内に完了されていないなど

イベント管理によってモニタされているビジネス・プロセスの例外

自動化されたタスクやジョブの完了

装置またはデータベース・レコードのステータスの変更

ユーザによるアプリケーション、データベース、または自動化された手順へのアクセス

装置、データベース、またはアプリケーションなどが事前に定義されたパフォーマンスのしき

い値に達した状況

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インプット

• 運用レベル要件およびサービスレベル要件

• イベントを認識するための警報、アラート、およびしきい値

• イベントの相関表、ルール、イベント・コード、および自動化された応答ソリューション

• 役割と責任

• 運用の手順

2.6 2.7 プロセスの活動、手法、技法 2.8イベント管理の設計2.5 ルール・セットと相関エンジンの使用

トリガ、インプットとアウトプット、他のプロセスとのインタフェース

インプット コアブック該当箇所 - SO 4.1.6.2 イベント管理のインプットの例は、以下のとおりです:

イベントとそれらの処置に関連する運用レベル要件およびサービスレベル要件

イベントを認識するための警報、アラート、およびしきい値

イベント管理活動を支援するイベントの相関表、ルール、イベント・コード、および自動化された応答ソリューション

イベントを認識し、それらに対処する必要がある人々に伝達する役割と責任

イベントを認識、記録、エスカレーション、伝達するための運用の手順

(出典:『サービスオペレーション』)

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アウトプット

• さらなる処置を担当するスタッフへのイベントの伝達とエスカレーション

• イベント・ログ

• インシデントが発生したことを示すイベント

• SLAまたはOLAの達成目標の潜在的な違反を示すイベント

• 展開、運用、または他のサポート活動の完了ステータスを示すイベントおよびアラート

• イベント情報と履歴が入力されたSKMS

2.6 2.7 プロセスの活動、手法、技法 2.8イベント管理の設計2.5 ルール・セットと相関エンジンの使用

トリガ、インプットとアウトプット、他のプロセスとのインタフェース

アウトプット コアブック該当箇所 - SO 4.1.6.3 イベント管理のアウトプットの例は、以下のとおりです:

さらなる処置に責任を負う人々に伝達およびエスカレーションされたイベント

発生したイベントを記載したイベント・ログ、および法的な調査、診断、またはその他の CSIの活動を支援するために実施されるエスカレーションとコミュニケーションの活動

インシデントが発生したことを示すイベント

SLA または OLA の達成日標の潜在的な違反を示すイベント

展開、運用、または他のサポート活動の完了ステータスを示すイベントおよびアラート

イベント情報と履歴が入力された SKMS

(出典:『サービスオペレーション』)

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インタフェース

2.6 2.7 プロセスの活動、手法、技法 2.8イベント管理の設計2.5

イベント管理

サービスオペレーション• インシデント管理および問題管理

• アクセス管理

サービスデザイン• サービスレベル管理

• 情報セキュリティ管理

• キャパシティ管理および可用性管理

サービストランジション• サービス資産および構成管理

• ナレッジ管理• 変更管理

ルール・セットと相関エンジンの使用

トリガ、インプットとアウトプット、他のプロセスとのインタフェース

イベント管理のインタフェース コアブック該当箇所 - SO 4.1.6.4 イベント管理は、モニタリングとコントロールが必要なすべてのプロセス、特に、リアルタイムのモ

ニタリングは必要としないものの、1 つまたは複数のイベントに対して後で何らかの形で介入する

必要があるプロセスとインタフェースを持ちます。イベント管理と他のプロセスとのインタフェース

の例は、以下のとおりです。 サービスデザイン

サービスレベル管理:イベント管理は、SLA に対する潜在的なインパクトを早期に検出する。

もしあれば、障害をできるかぎり迅速に修正して、サービスの目標値に対するインパクトを

最小にする

情報セキュリティ管理:イベント管理は、潜在的に重要度が高い事業イベントを検出し、そ

れに対応するための、業務アプリケーションやビジネス・プロセスとのインタフェースを行う。

例えば、業務アプリケーションが顧客のアカウントの異常な活動を報告した場合、何らかの

不正やセキュリティ違反を示している可能性がある

キャパシティ管理と可用性管理:イベントの重要度、適切なしきい値、および対応の定義を

支援する。言い換えれば、イベント管理は、発生したイベントに対応することによって、サー

ビスのパフォーマンスと可用性を改善する。また、イベント管理は、SLA の目標値および重

要業績評価指標(KPI)と比較し、実際のイベントとイベントのパターンについて報告する。こ

のレポートは、インフラストラクチャ設計または運用面を改善するために使用する

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サービストランジション サービス資産および構成管理:このプロセスは、イベントを使用して、インフラストラクチャ内

のあらゆる CI の現在のステータスを判断する。イベントを CMS 内の許可されたベースライ

ンと比較することによって、無許可の変更活動が組織内で実施されているかどうかを判断

するのを支援する。さらに、このプロセスは、イベント管理を使用して資産のライフサイクル・

ステータスを判断できる。例えば、新しい資産が正常に構成され、現在運用されていること

を知らせるイベントを生成できる。

ナレッジ管理:イベントは豊富な情報源であり、ナレッジ管理システムに含めるよう処理する

ことができる。例えば、パフォーマンスのパターンは事業活動と相関付けられ、今後の設計

および戦略の決定に対するインプットとして使用される。

変更管理:イベント管理は、対応または処置を必要とする可能性がある条件を識別するた

めに、変更管理とインタフェースを持つ。 サービスオペレーション

インシデント管理と問題管理:イベント管理は、対応または処置を必要とする可能性がある

条件を識別するために、インシデントおよび問題を解決する活動とインタフェースを持つ。

アクセス管理:イベントを使用して、不正アクセスの試みおよびセキュリティ違反を検出する

ことができる。

ト ラ ン ジ シ ョ ン

終了したトピック: 2.8 トリガ、インプットとアウトプット、他の

プロセスとのインタフェース

次のトピック: 2.9 情報管理

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2.9 情報管理

ユニット2:イベント管理

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情報管理

2.10 プロセス測定 2.11 イベント管理でのCSI 2.12 課題とリスク情報管理2.9

SNMPのメッセージ

相関エンジン データベース

モニタリング・ツールまたはエージェント・ソフトウェア

情報

イベント管理における情報 コアブック該当箇所 - SO 4.1.7 イベント管理にかかわる主な情報は、以下のとおりです:

SNMP メッセージ。これは IT インフラストラクチャのコンポーネントのステータスに関する技

術的な情報を伝達する標準的な手法である

IT 装置の管理情報ベースなどのデータベース。その装置のオペレーション・システム、基本

入出力システム(BIOS:Basic Input /Output System)バージョン、システム・パラメータなどの

情報を含んでいる。これらのデータベースに問い合わせてそれらを基準と比較する能力は、

イベントの生成を可能にする上で不可欠である。これは、イベント管理の中で不可欠な領域

である

ベンダが使用するモニタリング・ツールまたはエージェント

相関エンジンには、イベントの重要性とイベントへの適切な対応を判断するための詳細な

ルールが含まれている

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すべての種類のイベントに対する標準のイベント・レコードというものはない。レコードの正確な内容と形式は、使用しているツール、およびモニタしている対象によって異なる(例えば、サーバと変更管理ツールではデータが大きく異なり、恐らく異なる形式を使用する)。ただし、一般的に各イベントから取得する必要のある、分析に役立つ主要なデータが幾つかある。それには通常、次に関する情報が含まれる。

装置

コンポーネント

障害の種類

日時

例外のパラメータ

イベント管理インフラストラクチヤ全体でのイベントの追跡、およびインシデント、問題、変更などの他の ITSM プロセスヘの相関付けを可能にする一意の識別子

価値

(出典:『サービスオペレーション』)

ト ラ ン ジ シ ョ ン

終了したトピック: 2.9 情報管理

次のトピック: 2.10 プロセス測定

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2.10 プロセス測定

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2.10 プロセス測定 2.11 イベント管理でのCSI 2.12 課題とリスク情報管理2.9

イベント管理の重要成功要因(CSF)の例

CSF KPI

CIおよびITサービスの管理にとって重要性のある状態のすべての変更を検出する

• インシデントの数と比較したイベントの数と比率

• 稼働中のITサービスを支えるプラットフォームおよび

アプリケーションの総数に対する、プラットフォームま

たはアプリケーションごとの各種イベントの数と割合

すべてのイベントが、報告を受けたり、さらなるコントロール処置を取ったりする必要のある適切な機能に伝達されるようにする

• 人の介入を必要としたイベントの数と割合、およびそ

れが実行されたかどうか

• 発生したインシデントの数、および対応するイベントが

ない状態で引き起こされたインシデントの割合

多くのサービスオペレーション・プロセスと運用管理活動の実行のために、トリガ、つまり入口点を提供する

• 人の介入を必要としたイベントの数と割合、およびそ

れが実行されたかどうか

プロセス測定 コアブック該当箇所 - SO 4.1.8 プロセスの達成目標に基づいて、組織は適切な CSF を識別する必要があります。各 CSF に対し

て、それを支援する KPI が存在します。KPI は、組織がその最終目標を達成するために定義し、

進捗を測定するために定めた測定基準です。KPI は、成熟度レベル、CSF、および組織の特定

の状況に適合するよう、慎重に採用すべきです。 KPI に対する達成度は、改善の機会を識別するためにモニタおよび使用されるべきです。KPI は、

評価や今後の実施のために継続的サービス改善(CSI)管理表に記録しておく必要があります。

スライドには、CSF のサンプルとその関連する KPI を示しました。

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イベント管理の重要成功要因(CSF)の例(続き)

CSF KPI

実際の運用パフォーマンスと動作を、設計標準やSLAと比較する手段を提供する

• インシデントまたは変更を生じさせたイベントの数と割合

• 事業にインパクトを与えることなく、解決したインシデントの数と割合

• 既存の問題または既知のエラーによって発生したイベントの数と割合

• パフォーマンスの課題を示すイベントの数と割合• 潜在的な可用性の課題を示すイベントの数と割合

サービスの確約と報告、およびサービス改善の基礎を提供する

• 繰り返される、または重複するイベントの数と割合

• 実際にはサービスや機能性は低下していないのに生成されたイベント/アラートの数。(誤検知-インストルメンテーションのパラメータの精度を示す。CSIにとって重要)

2.10 プロセス測定 2.11 イベント管理でのCSI 2.12 課題とリスク情報管理2.9

時間をとって、イベント管理の CSF をしっかりと理解してください。

アクティビティの時間

ト ラ ン ジ シ ョ ン

終了したトピック: 2.10 プロセス測定

次のトピック: 2.11 イベント管理での CSI

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2.11 イベント管理での CSI

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Course Introductionユニット2:イベント管理ITIL

インターミディエイト

® 運用サポートと分析

イベント管理 次をサポートする

CSIデータ処理活動• 自動的にイベントをモニタしアラートを生

成• 異常な状況と状態の識別• 処理されたデータの精度の解析

2.10 プロセス測定 2.11 イベント管理でのCSI 2.12 課題とリスク情報管理2.9

イベント管理と CSI データ処理活動 コアブック該当箇所 - CSI 4.1.7.3 イベント管理は、以下の CSI に関連するデータ処理活動を支援します:

イベントを自動的にモニタリングして、アラートを生成する。アラートによっては、CSI 活動の

是正が必要となる場合がある

異常な状況や状態を見つける。これは状況や状態を予測して先手を打つのに役立つため、

サービスとコンポーネントの起こりうる障害を避けることができる

処理済みのデータの精度を分析する

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Course Introductionユニット2:イベント管理ITIL

インターミディエイト

® 運用サポートと分析

測定基準

サービス測定基準

技術測定基準

プロセス測定基準

CSI活動をサポートする測定基準

2.10 プロセス測定 2.11 イベント管理でのCSI 2.12 課題とリスク情報管理2.9

測定基準 コアブック該当箇所 - CSI 5.5 組織は、他のプロセスと同様 CSI を支援するために、以下に挙げる 3 種類の測定基準を収集し

なければなりません:

技術的な測定基準:パフォーマンス、可用性など、コンポーネントやアプリケーションに対す

る測定基準

プロセス測定基準:サービスマネジメント・プロセスに対する重要成功要因(CSF)、KPI、およ

び活動の測定基準の形で取得される。プロセスの全体的な健全性を判定するのに役立つ。

KPI は品質、パフォーマンス、価値、およびプロセスに則しているかどうかのコンプライアン

スに対する 4 つの重要な質問に回答する手助けとなる。CSF は各プロセスの改善の機会を

識別する上でのインプットとしてこれらの測定基準を利用する

サービス測定基準:この測定基準は、エンドツーエンドでのサービス・パフォーマンスの測

定である。個々の技術やプロセスの測定基準は、エンドツーエンドのサービス測定基準の

計算時に使用される サービス報告 コアブック該当箇所 - CSI 5.7 事業に高品質のサービスを提供するために、IT はデータを収集しモニタします。しかし、事業に

とって重要なデータは限られています。ほとんどのデータは、むしろ IT 部門の内部管理が必要と

しているものに関するものであることが多いです。

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事業は、事業の経験を表す、過去の期間のパフォーマンスの履歴に目を向けがちだが、将来も脅威となり続ける履歴上のイベントと、そのような脅威を IT がどのように妨げようとしているかにさらに深い関心がある。 提供物のうち、契約において課金可能な要素に正確に整合する相互参照データがやはり提示されなければならない。このデータは、事業の焦点と、契約および SLA で使用される用語に応じて、技術的である場合もあれば、そうでない場合もある。 SLA を順守していること(または順守していないこと)を伝えるレポートを単に提示するだけでは、レポート自体が統計的にあいまいになりやすく、十分とは言えない。IT は、報告に対する実行可能なアプローチ、つまり、起こったこと、IT の実行したこと、事業に再びインパクトを与えないように IT がどう対応するか、および一般的に IT サービスの提供を改善するために IT がどのように取り組んでいるかなどのアプローチを構築する必要がある。 過去に焦点を当てるのと同様に将来にも焦点を当てる報告の理念は、事業のプラスまたはマイナスの経験に直接的に整合された製品を IT が売り込む手段ともなる。 事業に焦点を当てたサービス報告フレームワークの構築への理想的なアプローチは、報告をどのように実施し管理するかについて、事業とサービスデザインとともに方針と規則を定義し合意するために時間を割くことである。 これには、次のものが含まれる。

対象者と、提供されるサービスの内容に関連する事業の視点

何を測定し何について報告するかについての合意

すべての条件と責任範囲に対する合意済みの定義

すべての計算の根拠

報告スケジュール

レポートヘのアクセス、および使用される媒体

レポートをレビューおよび議論するためにスケジューリングされたミーティング

(出典:『継続的サービス改善』)

ト ラ ン ジ シ ョ ン

終了したトピック: 2.11 イベント管理での CSI

次のトピック: 2.12 課題とリスク

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2.12 課題とリスク

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Course Introductionユニット2:イベント管理ITIL

インターミディエイト

® 運用サポートと分析

• 資金の調達• 適切なフィルタリングのレベルの設定• ITインフラストラクチャ全体へのモニタ

リング・エージェントの展開• 必要なスキルの獲得

• プロセスを設定せずにイベント管理ツールを展開するリスク

2.10 プロセス測定 2.11 イベント管理でのCSI情報管理2.9 2.12 課題とリスク

課題

課題

コアブック該当箇所 - SO 4.1.9.1

イベント管理には、特定の課題とリスクがあります。課題の例は、以下のとおりです:

必要なツールを活用するため必要な労力に対する資金を調達することである。必要な資金

を確保するには、説得力のあるビジネス・ケースを準備する。このビジネス・ケースは、効果

的なイベント管理の利点がいかにコストを上回るか、すなわち、良好な ROI をもたらすかを

実証すべきである

重要なイベントを検出し、大量の重要でないイベントを避けるため、適切なフィルタリングの

レベルを設定する

IT インフラストラクチャ全体にわたってモニタリング・エージェントを展開する。これは、長期

間にわたる継続的なコミットメントを必要とする時間のかかる活動であるかもしれない

また、リソースを流用させたり、展開を遅らせたりする可能性のある他の活動が発生する危

険性がある

自動モニタリング活動は、追加のネットワーク・トラフィックを生成することがある。これは、

ネットワークの計画されたキャパシティ・レベルにマイナスのインパクトを与える可能性があ

る。その結果、エージェントとシステム間のポーリングまたは通信の頻度を減らす処置をも

たらすかもしれず、トラフィックが減った結果、イベントの識別が遅れる可能性がある

必要なスキルの習得。費用と時間がかかる場合がある

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以下の事項をプロセスへのセットアップなしで、イベント管理ツールを展開する: それらの運用

新しい CI をモニタに展開

フィルタ、相関付け、またはトリガの更新

プロセスが整備されていないと、ツールへの投資の価値を得られなくなるリスクが発生します。 上記の課題は、適切なタイミングで対応できないと、重大なリスクになるおそれがあります。

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Course Introductionユニット2:イベント管理ITIL

インターミディエイト

® 運用サポートと分析

2.10 プロセス測定 2.11 イベント管理でのCSI情報管理2.9 2.12 課題とリスク

• 十分な資金を調達できない• 適切なフイルタリングのレベルを確保

できない• 必要なモニタリング・エージェントをIT

インフラストラクチャ全体に展開することにおいて推進力を維持できない

(出典:『サービスオペレーション』)

リスク

リスク: コアブック該当箇所 - SO 4.1.9.2 スライドでは、イベント管理に関するリスクを示しています。これらのリスクを考慮しない場合、イ

ベント管理にマイナスのインパクトを与える可能性があります。 2.13 演習 ワークブック内の該当トピックを読んでください 2.14 模擬試験問題 ワークブック内の該当トピックを読んでください

ト ラ ン ジ シ ョ ン

終了したトピック: 2.12 課題とリスク

次のトピック: 2.13 演習

ト ラ ン ジ シ ョ ン

終了したトピック: 2.13 演習

次のトピック: 2.14 模擬試験問題

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ユニット 2 のまとめ

イベント管理

ユニットのトピック まとめ 概要 ユニットの学習目標

ユニットの概要 ユニットの学習目標

2.1 目的と達成目標 目的 イベント管理の目的は、ライフサイクル全体を通してイベントを管理することである。イベントを検

出し、それが意味するものを判断し、適切なコントロール処置を決定する活動のこのライフサイクルは、イベント管理プロセスによって調整される。

(出典:『サービスオペレーション』)

達成目標

CI や IT サービスの管理にとって重要性のある状態のすべての変更を検出する イベントに適切なコントロール処置を決定し、これらが適切な機能に伝達されるようにする 多くのサービスオペレーション・プロセスと運用管理活動の実施のために、 トリガ、つまり入口点

を提供する 実際の運用パフォーマンスと動作を、設計標準や SLA と比較する手段を提供する サービスの確約と報告、およびサービス改善の基礎を提供する

(出典:『サービスオペレーション』)

2.2 プロセスの適用範囲 適用範囲 広い適用範囲 このプロセスをサービスマネジメントの自動化したい部分や、コントロールが必要な、サービス

マネジメントのどんな部分にも適用可能 例:

CI 環境条件 セキュリティ

2.3 事業に対する価値 事業に対する価値 事業に対する価値は以下のとおり: イベント管理は、しばしば、間接的に事業に対して価値をもたらす。その例としては以下のとお

り: インシデントを早期に検出 費用のかかるモニタリング技法の必要性を取り除き、停止時間を削減 ビジネス・プロセス改善に貢献 オペレーションの自動化を可能とし、システムの効率性に貢献 サービス提供および顧客満足度を直接寄与

2.4 方針、原則、基本概念 方針 イベント通知は、対処に責任を負う人々のみに通知されるべきである イベント管理とサポートは、合理的に可能なかぎり集結させるべきである すべてのアプリケーション・イベントに対して、可能なかぎり共通のメッセージングおよび記録の

標準や規約を利用すべきである イベントの種類

情報イベント 警告イベント 例外イベント

イベントのフィルタリング 適切なフィルタリングのレベルを得るために使用できる戦略は、以下のとおり:

統合 設計 試行錯誤 計画立案

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2.5 イベント管理の設計 イベント管理設計の状態 インストルメンテーション エラー・メッセージ イベントの検出とアラートの仕組み

2.6 イベントのルール・セ

ットと相関エンジンの使用 ルール・セット:

イベント・メッセージを定義するルールで構成される モニタリングとイベント対処技術の一部 相関イベントに対するブール型アルゴリズム

2.7 プロセスの活動、手

法、技法 イベント管理の活動

イベントの発生 イベントの通知 イベントの検出 最初のレベルのイベントの相関付けとフィルタリング 第 2 レベルのイベントの相関付け 対応の選択

自動応答 アラートおよび人の介入 インシデント、問題、または変更 RFC の提起 問題レコードの提起または関連付け 特別な種類のインシデント

処置のレビュー クローズ

2.7.1 イベントの発生、イ

ベントの通知、およびイベ

ントの検出

イベントの発生 継続的に発生するが、必ずしもそのすべてが検出され、記録されるわけではない、

イベントの通知

情報を伝達する手法 CI の中に組込むべき

イベントの検出

イベントの通知の生成後に発生 通常は、システム上で動作しているエージェントにより検出

2.7.2 イベントの相関付

け、フィルタリング、および

重要性

最初のレベルのイベントの相関付けとフィルタリング: イベントを管理ツールに伝達するか、または無視するかを決定することである 繰り返される一連のイベント通知の最初のイベントのみを送信すべきと決定されていれば、最初

の相関付けが実行される CIまたはCIが接続されているサーバに常駐するエージェントまたは相関エンジンによって実行さ

れる 第 2 レベルのイベントの相関付け

イベントの意味の決定の試みる 管理ツールの一部である相関エンジンで実行される

一般的に、定められた順序でイベントを一連の基準およびルールと比較する

2.7.3 イベントへの対応 対応の選択 多数の選択肢の中から適切な対応を選択 例えば、記録されたイベント、自動応答、インシデント、問題、変更、RFCの提起、インシデント・レ

コードの提起 など 2.7.4 処置のレビューとイ

ベントのクローズ 処置のレビュー:

生成された重要なイベントの確認と対処を含む イベント管理プロセスの評価、改善、および監査としても使用すべき 管理プロセス 他のプロセスのレビューと重複すべきでない

イベントのクローズ

ほとんどのオープンまたはクローズされていない情報イベントは記録され、他のプロセスへのイ

ンプットとして使用される インシデント、問題、または変更を生成したイベントの場合は、他のプロセスでの適切なレコード

と関連付けて正式にクローズするべき 2.8 トリガ、インプット、ア

ウトプット、および他のプ

ロセスとのインタフェース

トリガ 設計仕様書で定義されたあらゆるレベルのCIパフォーマンスに対する例外 自動化された手順やプロセスに対する例外 イベントによってモニタされているビジネス・プロセスで発生した例外 自動化されたタスクやジョブの完了 装置またはデータベース・レコードのステータスの変更

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ユーザによるアプリケーション、データベース、または自動化された手順へのアクセス インプット

運用レベルおよびサービスレベル要件 認識されたイベントに対する警報、アラート、およびしきい値 イベントの相関表、ルール、イベント・コード、および自動化された応答ソリューション 運用の手順

アウトプット

さらなる処置に責任を負う人々に伝達およびエスカレーションされたイベント イベント・ログ インシデントが発生したことを示すイベント SLA または OLA の達成目標を違反する可能性のあることを示すイベント イベント情報と履歴が入力された SKMS

他のプロセスとのインタフェース

サービスデザイン サービスレベル管理 情報セキュリティ管理 キャパシティ管理と可用性管理

サービストランジション サービス資産および構成管理 ナレッジ管理 変更管理

サービスオペレーション インシデント管理と問題管理 アクセス管理

2.9 情報管理 イベント管理に含まれる情報: SNMP(Simple Network Management Protocol)メッセージ データベース モニタリング・ツールまたはエージェント・ソフトウェア 相関エンジン

2.10 プロセス測定 CSF:構成アイテムまたは IT サービスを管理するために重要なステータスのすべての変更の検

出 KPI:インシデントの数と比較したイベントの数と割合 KPI:稼働中の IT サービスを支えるフラットフォームおよびアプリケーションの総数に対する、プラ

ットフォームまたはアプリケーションごとの各種イベントの数と割合 CSF:すべてのイベントが、報告を受けたり、さらなるコントロール処置を取ったりする必要のある

適切な機能に伝達されるようにする KPI:人の介入を必要としたイベントの数と割合、およびそれが実行されたかどうか KPI: 発生したインシデントの数、および対応するイベントがない状態で引き起こされたインシデ

ントの割合 CSF:多くのサービスオペレーション・プロセスと運用管理活動の実行のために、トリガ、つまり入

口点を提供する KPI:人の介入を必要としたイベントの数と割合、およびそれが実行されたかどうか

CSF:実際の運用パフォーマンスと動作を、設計標準や SLA と比較する手段を提供する

KPI:事業にインパクトを与えることなく、解決したインシデントの数と割合 KPI:インシデントまたは変更を生じさせたイベントの数と割合 KPI:既存の問題または既知のエラーによって発生したイベントの数と割合

CSF: サービスの確約と報告、およびサービス改善の基礎を提供する

KPI:繰り返される、または重複するイベントの数と割合 KPI:実際にはサービスや機能性は低下していないのに生成されたイベント/アラートの数

2.11 イベント管理でのCSI

イベント管理と CSI データ処理活動 イベント管理は、以下の CSI に関連するデータ処理活動を支援します:

イベントを自動的にモニタして、アラートを生成する。アラートによっては、CSI 活動の是正が必要

となる場合がある 異常な状況や状態を見つける。これは状況や状態を予測して先手を打つのに役立つため、サー

ビスとコンポーネントの起こりうる障害を避けることができる 処理済みのデータの精度を分析する

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測定基準 組織は、他のプロセスと同様 CSI を支援するために、3 種類の測定基準を収集します。

技術的な測定基準 プロセス測定基準 サービス測定基準

サービス報告 事業に高品質のサービスを提供するために、IT は、データを収集しモニタします。しかし、事業

にとって重要なデータは限定されます。ほとんどのデータは、IT が必要とする内部管理に関連し

ています。 2.12 課題とリスク 課題

資金の調達 適切なフィルタリングのレベルの設定 IT インフラストラクチャ全体にわたってモニタリング・エージェントを展開 モニタリング活動の自動化 必要なスキルの習得 プロセスへのセットアップなしで、イベント管理ツールを展開する

リスク:

十分な資金を調達できない 適切なフィルタリングのレベルを確保できない 必要なモニタリング・エージェントを IT インフラストラクチヤ全体に展開することにおいて推進力を

維持できない (出典:『サービストランジション』)

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付録 A

ロイヤル・

チャオプラヤ・

ホテル

ホテルの概要 課題 組織図 経営陣とスタッフ

免責条項:ストーリーの中で登場する人物、名称については、フィクションです。

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Page 98: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

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出典:「Crazy Hotel Workers」 http://community.livejournal.com/hotel_workers/1048790.html

サービスの課題

「私はフロント係です」

本日私は、3名様のチェックイン、2名様のチェックアウト、予約受付5件、電話対応15本、625号室へのバ

スタオル6枚の手配、101号室のトイレ詰まりの修理、そしてプール用タオルの補充を、すべて並行してこ

なしました。

私はフロント係です。あらゆる言語を流暢に話すことを期待されています。先週、お客様から予約の電話

がかかってきて、次の金曜日の予約状況を尋ねられました(端末を調べてみると、次の土日は予約が埋

まっていたものの、金曜日は比較的空いていました)。私は嘘をついて「あいにく満室です」と断ってしま

いました。万が一、私が経営者で「すぐに客室をいくつか建て増しすること」ができれば、そのような嘘は

つかなかったかもしれません。

お客様が同じタイミングで、当ホテルにご宿泊を希望されたことは、私の落ち度かもしれません。たとえ

予約が入っていなくても、「あなた様がいらっしゃることを承知しておくべき」でした、と言えなくてはいけな

いのかもしれません。

外部からのお客様への電話に対し、もし、お客様がご在室でない場合、「112号室のお客様は電話に出

ない可能性があるかもしれませんよ」くらいは知っていて伝えられなければならないかもしれません。ま

た、お客様の行き先を尋ねられれば、「お客様の行き先とご連絡先は控えてあります。今から9時間前に

ホテルを出られ、○○(場所)へ行かれました」ときちんとお答えしなければいけないかもしれません。

あるときは、菜食主義とユダヤ教の食事規定に従った、最高のモンゴル式バーベキュー・レストランがど

こにあるかを知っていなければいけないかもしれません。また、ホテルから15分以内の距離で、お金を

かけず、渋滞にもはまらず、楽しく過ごせる場所を知っていなければいけないかもしれません。飛行機の

機内食も交通渋滞もレンタカーのパンクもこの国の経済も、すべて私が把握しておかなければならない

かもしれません。

また、あるときは、わが国のマックガリカティ機械製作所が当ホテルの命運を左右する巨大企業であるこ

とを、充分に承知しておかなければいけないかもしれません。その社長が入れたつもりになっていた予

約が、近隣の「ギャラクシー・デライト・モーテル」と勘違いされて実は予約されていなかった。うまく予約

を滑り込ませる、そんな対応も私の役目かもしれません。

当ホテルの他の最重要顧客である「ホーボーケン会計士およびベーグル・クラブ」の会員様であれば、

特別レートでの両替に対応しないといけないかもしれません。

私の役目は、お客様に対し、微笑んだり、共感したり、同情したり、慰めたり、お悔やみを述べたり、料金

を割り増ししたり、割り引いたり、演じたり、歌ったり、踊ったり、プリンタを直したり、あなたの友人にあな

たがここにいることを教えたりすることなのです。

所詮、私はフロント係なのです。。。

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Page 99: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

| STUDENT | ITIL® インターミディエイト | 付録 A:ケーススタディ|

ロイヤル・チャオプラヤ・ホテル(愛称はロイヤル)は、バンコクのチャオプラヤ川沿い

にあるシティ・ホテルです。

1983年に、中国系タイ人の実業家であるテック・ウィー・リム(通称ハリー・リム)によって建てられ、その32階建ての建物

は、25年近く、バンコクの空にそびえています。ロイヤルは、近くの由緒あるオリエンタル・ホテルを手本としています。5つ

星ホテル市場に君臨するオリエンタル・ホテルに対抗して、ペニンシュラ(1998年オープン)やロイヤル・オーキッド・シェラ

トン(2001年改装)など、新しいホテルが次々に建てられています。その中には、国際的なホテル・ブランドを後ろ盾とする

ものもあります。

ここ10年間、競争が激しくなってきたため、目標とする宿泊料を145ドルから445ドルの間に据え置いたままで、前と同じ客

室稼働率を達成することはますます困難になっています。

新たな競争相手の出現にもかかわらず、ロイヤルは宿泊客から高く評価されています。その多くは、ビジネスマンの常連

客です。

大まかに分けると、5月から10月は宿泊客の大部分がビジネス客であり、11月から4月までと大半の週末は、観光客がほ

とんどになります。ロイヤルは、サパーンタクシン会議場とのコネがあるので、常に他の5つ星ホテルよりもかなり恵まれ

た立場にあります。というのは、会議に出席する宿泊客の客室1室当たりの売上高(RevPAR)は、通常の宿泊客より平均

して30~50%高いためです。これは特に、医学、法律、保険、IT関係の会議の場合に当てはまります。こうした会議の出席

者は、宿泊とそれに付随するサービスに対して、通常の宿泊客の最高3倍もの金額を支払います。

また、シティ・ホテルであるロイヤルは、公共交通機関へのアクセスが便利なことからも恩恵を受けています。バンコクの

素晴らしいスカイトレイン(BTS)の駅までは 90 メートル足らずです。スカイトレインを使えば、宿泊客は市内で最も魅力的

な場所へ、快適に、早く、安全にたどり着くことができます。また、ロイヤルには独自のボート・サービスがあり、リバー・ツ

アーや水上マーケットなど、市内の異国情緒溢れた場所への案内も提供しています。

ロイヤル・

チャオプラヤ・ ホテル

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Page 100: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

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設備

評価:

ビジネス・センタ、レストラン、バー、サウナおよびスパ付きのフィットネス・センタ、屋外プール

高級レストラン ヘブンリー33

ロビー・バー シュガー・リーフ

紳士向けスモーキング・クラブ ハリーズ

4つのレストラン 外部企業への賃貸

人事

ホテルでは200名以上のスタッフが働いています。フロント係だけで70名おり、そのうち24名は、

宿泊客サービスと受付を交代で勤めています。

スタッフの離職率は年平均30%です。つまり、平均すると3年でスタッフ全員が入れ替わる計算

になります。もちろん実際には、従業員の中で中核を成すチームは長く勤めています。事実、

32名のスタッフが、勤続20年で表彰されています。

ホテルのデータ

客室 340

スタンダード 130

スカイ・ビュー 80

スカイ・エグゼクティブ 130

宿泊客の平均滞在日数は3.5日

スイート 30

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Page 101: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

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課題

サービスの質

最近、総支配人(ジェームズ)は、クイーンズランド大学のホスピタリティ・スクールによる、サービスの質に

関する論文プロジェクトをホテルで実施させました。その結果は、経営陣にとって衝撃的なものでした。プ

ロジェクトが実施された1か月間で、宿泊客の不満につながる重大なインシデントが73件も見つかったため

です。

学生たちによると、苦情の50%は、宿泊客が期待したサービスと実際のサービスとの不一致に関するもの

でした。35%は、オーバーブッキングや宿泊客の要求に対して不適切な対応をするなど、サービス上の不

手際でした。そして約13%は、「注文の多い客」と見なされました。これは、客観的かつ公平な基準から見て

も、要求が過剰で、かつ評価が手厳しい宿泊客のことです。

ジェームズと客室部門担当マネージャであるディミトリは、回避可能だったと考えられる85%の苦情につい

て特に懸念を抱いています。さらなる分析によって、これらの苦情のうち50%は宿泊客の滞在期間の初期

に発生したもので、その結果、宿泊客が滞在期間を短縮またはすべてキャンセルしたため、利益の損失

につながったことが判明しました。

報告によってさらに、ロイヤルには才能と意欲に溢れた従業員が多数いる一方で、構造化されたサービス

改善計画や補償計画(苦情が起こってしまった場合の補償)がないこともわかりました。実際に一部の苦

情は、類似するインシデントに対して苦情を申し立てたときに、ホテル側の対応が宿泊客によって異なる

(一部の客が厚遇されている)と宿泊客が感じたことによるものでした。

新しい競争形態

ロイヤルはシティ・ホテルとして成功してきましたが、ホテル・チェーンに属する主な競争相手は、自らの所

有するタイ国内のさまざまなホテルでの滞在を1つのパッケージにまとめることで、ロイヤルの顧客の一部

を奪いつつあります。

例えば、バンコクで3日間過ごした後、チェンマイの心地よい田舎に行って活気ある地元市場や象乗り体

験を楽しんだり、またはサムイ島やピピ島といった島に行ったりして、かなりの日数を過ごすというもので

す。

会議に出席する宿泊客で、配偶者や家族と来ている人々は、とりわけこのサービスに魅力を感じていま

す。ロイヤルの経営陣は、貴重な常連客である会議出席者の減少を防ぐため、いかにしてポートフォリオ

に新しいサービスを導入できるかを積極的に検討しています。

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Page 102: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

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スケーラビリティ

ロイヤルが直面しているもう1つの課題は、ロイヤルとサパーンタクシン会議場の良好な協調関係にも一

部起因しています。サパーンタクシン会議場は、過去10年間にわたって成功を収め続けていることから、

最近になって会議場の設備を70%拡張することを決定しました。これにより、ロイヤルの客室需要は最高で

1,100室以上になります。ロイヤルは客室拡張のための土地と財力はありますが、この拡張を実現するた

めには持ち株会社から承認が必要になります。総支配人(ジェームズ)は、この新たな開発に関してロイヤ

ルがまだ十分な分析を行っていないことと懸念していますが、一方でホテルのオーナ(ハリー)は、サパー

ンタクシン会議場がそれほど多くの新規参加者を獲得するのはほぼ無理だろうと思っています。

沿革

オーナ

テック・ウィー・リム(ハリー)

ハリー・リムは、1970年代に絹の貿易商として富を築きました。元々の事業は、バンコクを通過

する旅行者向けの、安価かつ華美な衣服の貿易でした。ハリーの会社の成功に拍車がかかっ

たのは、ラルフ・ローレンがウドンタニにあったハリーの繊維工場の1つと契約し、請負契約に

よってラルフ・ローレン・ブランドのスーツを生産して米国に輸出することになったときでした。そ

れから今まで、ハリーは後ろを振り返ることなく前進してきました。

1981年に、債権者の1人が深刻な財政難に陥って負債を清算することになり、ハリーは支払い

としてロイヤル・チャオプラヤ・ホテルを引き取りました。当時、ロイヤルは完成間近で、最高の

立地条件にありました。ハリーは資金を出してホテルを完成させ、1983年にロイヤルをオープン

させました。

ハリーは非常に慎重で洞察力のあるビジネスマンです。サービス業の複雑さをあまり理解して

いないので、「質が良ければうまくいく」というシンプルな前提で仕事をしています。「お客様は

常に正しい。つまり正しい顧客を獲得し、正しくもてなせば、必ず成功する」というわけです。ハ

リーは、宿泊客からは見えない部分に費用をかけることを好みません。その結果、紳士向けス

モーキング・クラブは皮製の椅子やチーク材の仕上げ、金の装飾など華美なものになっている

一方で、ITアプリケーションなどの支援的なインフラストラクチャに関しては、ほとんど投資がな

されていません。

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Page 103: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

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組織図

テック・ウィー・リム

(ハリー)

オーナ

アッカラット・リム

(ジェームズ)

総支配人

ディミトリ・

ヴァン・ライン

(ディミトリ)

客室部門担当

マネージャ

チェ・イグレシアス

(チェ)

飲食部門担当

マネージャ

キエット・

アピルクトヤンウント

(パップ)

エンジニアリング担当

マネージャ

カンヤ・ウングヴィチェン

(ニー)

セールス/マーケティング担

当マネージャ

スバルナ

レクリエーション・サービス

担当マネージャ

カツシ・フジヤマ

財務担当

マネージャ

スチュー・ミラー

人事担当

マネージャ

ダニエル・キドワイ

(ダン)

保守責任者

イザベル・オハラ

フロント/ビジネス・セン

タ責任者

メアリー・

サンチェス

客室係責任者

ジャニータ・

サンチェス

経理担当

イベット・ルルー

シェフ

ジーン

アシスタント・シェフ

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Page 104: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

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経営陣

総支配人

アッカラット・リム(通称:ジェームズ)

ジェームズはハリーの次男です。ジェームズがホテル事業を担っていくことは、常日頃からのハリーの意向

でした。ジェームズはバンコクのハロウ・スクールに通った後、同じくバンコクにあるインターナショナル・ホテ

ル・ツーリズム・インダストリー・マネジメント・スクールに進学しました。卒業後はニューヨーク大学のプレスト

ン・ロバート・ティッシュ・センタでホスピタリティ/観光学/スポーツ・マネジメントについて学び、1997年に理

学修士を取得しました。

ジェームズはタイ人の母親から自由な精神を受け継いでいます。母親のイスラ・サンシリトーン(通称エル)

はタイのコ・パ・ガン島で育ち、常に人生を愛する外交的な人物です。夫が慎重で内省的な性格であること

と、釣り合いがとれているようです。

ジェームズは36歳になり、父親の束縛から自由になってホテルの近代化を進めたいと強く願っています。

ジェームズは、この業界の風向きの変化を感じ取っています。彼は今、ロイヤル・チャオプラヤ・ホテルを築

き上げる力となった父親の倹約精神に対して、果敢に立ち向かっているところです。

ジェームズには父親にない若さ、現代的な展望、そして島育ちの母から受け継いだ今この瞬間を楽しむ精

神があります。それゆえ、事業の拡大計画や人事の刷新を実行できないことに、いくらか苛立っています。

客室部門担当マネージャ

ディミトリ・ヴァン・ライン

ロイヤルでの最も重要な仕事が、客室部門担当マネージャの仕事であることはほぼ間違いありません。この

仕事については、専門家に任せる必要があるとハリーは早くから気づいており、この職務には常に、高い評

価を受けているオランダのマーストリヒト・ホテル・マネジメント・スクールを卒業したオランダ人を雇い入れて

きました。

ディミトリは、この職に着くスクール卒業生の4人目にあたります。彼は現実的かつ実用的であることを心が

ける典型的なオランダ人です。彼はまた、与えられた権限内で協調的にマネジメントを進めていく上で、従業

員たちと親密になることが重要だと信じています。このやり方は、アジアの伝統的文化において常に受け入

れられるわけではなく、ハリーと対立することもよくあります。ハリーは決して家族以外の従業員を信用しま

せん。従業員は、農村地帯のイーサーン出身者が多く、この風変わりなオランダ人と彼独特のやり方をどう

判断すればいいのか図りかねています。

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飲食部門担当マネージャ

チェ・イグレシアス

チェは1960年代にフロリダに亡命した両親を持つ、キューバ系の派手な人物です。熱帯地方のゆっくりとしたリ

ズムを好み、常に精力的なディミトリとは自然と好対照をなしています。ハリーとチェは葉巻の趣味を共有して

おり、客をもてなすために惜しみなく金を使うのが成功の鍵だと信じています。チェは現在の職務に関する正

式なトレーニングを何も受けておらず、バー経営における効率を測るための飲料原価率1などの、飲食業界で

の標準となっている飲食料の測定指標を利用することはありません。

チェは大学卒業後、長期休暇で世界旅行をしている時にバンコクに住み着き、その後出世階段を上ってきまし

た。彼はマイアミでウェイターと即席料理のコックとして働きながら学費を稼ぎ、マイアミ大学で経営学士を取得

しました。このように、わずかな間でも飲食業界に触れていたことと、ハリーからの力強い支援があることで、

チェは飲食部門担当マネージャをなんとか努めています。彼の1日は、他のどの従業員よりも少し遅めに始ま

り、シエスタは欠かしません。彼はこう言います。「明日のパーティに出たいからって、今日死ぬほど働くことは

ないだろう?」

エンジニアリング担当マネージャ

キエット・アピルクトヤンウント(通称:パップ)

パップは有名なチュラロンコン大学を卒業した注意深いエンジニアです。仕事に真剣に取り組む、非常に優秀

な技術専門家です。品質にこだわるあまり、仕事を仕上げるのに顧客の期待よりも長く時間がかかってしまう

こともあります。パップは休暇以外で外国に旅行した経験がなく、英語や外国人客との会話にあまり自信があ

りません。

多くのタイ人と同様、パップはどのような形であれ対立を好みません。そのため、時に問題を避けるために顧

客や同僚と口約束を交わしてしまい、約束が実現できずに要求に応えられない状態に陥ってしまうことがあり

ます。

ディミトリとジェームズは、海外からの顧客を扱うのが得意な人物を採用して、パップとともに働かせたいと考え

ています。保守責任者のダン・キドワイには東南アジア諸国での滞在経験があり、ある程度はバップの助けに

なっています。しかし、ダンが好むのは顧客と関わることよりも、むしろ彼が愛する機械のそばにいつもいるこ

とです。新たな人物を採用した場合の問題は、新たな助けが加わることで、パップが面子を潰されたと感じるだ

ろうということと、彼がエルの従兄弟であり、大きな支援を受けているということです。

1 飲料原価率は、商品販売にかかった費用を売上高で割ること(1人分にかかる費用/販売価格)で求められます。つまり、20%の飲料原価率とは

1.00ドルの酒類売上を出すために0.20ドルの費用がかかるということであり、売上総利益率80%、利掛率400%になります。

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セールス/マーケティング部門マネージャ

カンヤ・ウングヴィチェン(通称:ニー)

ニーは豊富な人脈を持つ、自信に満ちた若きプロフェッショナルです。もともと金融について勉強していまし

たが、すぐに自分がサービス業に向いていることに気が付きました。米国ハーバード大学で経済学を学んだ

後、ヨーロッパでMBAを取得しました。

貿易業に携わる彼女の一族はコネクションも多く、友人や親類縁者のネットワークをフルに活用して、次々と

ロイヤルの常連客を獲得しました。加えて、かつてのクラスメートの多くが医学界、法曹界、IT業界等で活躍

しており、こうしたつながりから実入りの良い会議や宴会の仕事が入ってきます。

レクリエーション・サービス担当マネージャ

スバルナ

スバルナはロイヤルの人気者です。ある日、いきなりハリーの事務所に現れて、ホテルにちょっとしたマッ

サージ設備を導入させてくれないかと自信ありげに頼みました。今や、これがホテルのレクリエーション施設

の柱になっています。誰も彼女のフルネームや、本当の年齢を知らないようです。「そんな失礼なことは聞け

なかったから」というのがハリーの言い草です。

スバルナは魅力的で優雅な女性です。水泳のチャンピオンだったこともある彼女は、イタリアのモンテカ

ティーニにあるかの有名なテットゥッチョ・スパで仕事を覚えました。さらに今後、充実した設備の託児所を開

きたいと考えていますが、ハリーはそこまで画期的なサービスの必要はないと思っています。「赤ちゃんが泣

いたりすれば他のお客様の迷惑になるだけだし、ホテルの従業員も皆、田舎に残してきた子供たちを連れて

来て、ホテル中が子供で溢れ返ってしまうだろう」。

人事担当マネージャ

スチュー・ミラー

スチューは活気に満ちた米国人で、2001年の同時多発テロの後にパートナとともにタイにやって来ました。

ニューヨークで起こったあの悲劇は、彼の人生観を変えてしまいました。競争に明け暮れる生き方を改めた

いと考え、そのためにタイはうってつけの場所に思えました。いつか、どこかの島で自らリゾートを始めたいと

考えています。ニューヨークに比べればいろいろな意味でまだ田舎に思えるものの、今のところバンコクの喧

騒から離れがたい気がしています。

教育学博士号を持っているスチューには今の役割は少々物足りない気もしていますが、仕事自体は気に

入っており、異文化間での交流を自分の貴重な財産にしたいと思っています。

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財務担当マネージャ

カツシ・フジヤマ

フジヤマは日本人で、経験豊富な経理の専門家です。現在の仕事に就くまでに、ITや教育関連などさまざ

まな業種で働いてきました。何年も前、ハリーが輸出案件の交渉のため出向いた東京で、日本の輸入業

者側の担当者だったフジヤマと出会いました。フジヤマを見込んだハリーが「断りようのない」待遇のオ

ファーを出し、それ以来6年間、ロイヤルで働いています。

フジヤマはまじめで仕事熱心ですが、オフィスを離れて楽しい時間を過ごすことも大好きです。よくチェや

ハリーと一緒に高級カラオケ・バー「アマディス」や、町で評判の日本酒バー「ワサビ」にいるところを見か

けます。

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Page 108: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

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スタッフ

フロント/ビジネス・センタ責任者

イザベル・オハラ

ロビーを含むフロントの責任者として、イザベルはロイヤルになくてはならない人物です。ハリーもジェーム

ズも、彼女の精力的な仕事ぶりやコンピュータに明るいところを評価しており、ビジネス・センタとコーヒー・

ショップも彼女の担当に追加したほどです。ジェームズは、ここをビジネスマンやコンピュータに慣れ親しん

だ若い観光客が落ち着ける、気軽に利用できる場所にしたいと考えています。イザベルはエネルギッシュ

な人で、何か新しい動きがある所には必ず彼女がいます。新しい動きがなければ、彼女自身が自ら新しい

動きを起こします。

イザベルは、個人的な対応が重要であり、顧客とのやり取りをすべて細かく管理すべきだという信念を

持っています。どんな些細なことでも何一つ見逃しません。このため、今やチームのスタッフは、何事も喜

んで彼女に決断を委ねるようになっています。自主的な判断など求められていないように思われるためで

す。彼女が1日の終わりには疲れ果ててしまうのも無理はありません。一体どこまで、1人でやりこなしてし

まうのかと驚嘆します。猛烈な仕事のやり方を少しセーブしないと、燃え尽きてしまうかも知れないと忠告

されています。最近は好きなジャズを聴く時間もほとんどなく、疲労のあまり趣味のスキューバ・ダイビング

に行く気にもなれません。

シェフ

イベット・ルルー

アシスタント・シェフ

ジーン

イベットはロイヤルの名物とも言

える存在です。イベットの機嫌

は、時を選ばずに豹変します。

特に、自分の決定が受け入れら

れない場合は要注意です。

イベットは才能豊かなシェフで、複数の料理分野に精通しています。彼女は「食事を作ることは誰にで

もできます。しかし、食事を神聖なものにまで高められるのはフランス人だけです」と公言しています。

最高級のデザートを含め、イベットが作り上げる魅力的な食事を前に、経営陣は彼女の機嫌を損ねな

いようただただ必死になります。

しかしイベットが最後の最後までメニューについてあれこれ思案し、必要とする食材リストを突きつけて

くるため、部下たちが苦心する場合も多く、チェもこのことに気づいています。イベットが要求する新鮮な

魚介、野菜、果物は、1時間かかるサパーンマイの地元市場で調達します。この調達業務はロイヤル・

グランプリ・レースと呼ばれ、地元では有名になっています。

ロイヤル・グランプリ・レース

長年の経験から選ばれた地元の納入業者の面々は厳戒態勢に入りま

す。イベットの若きアシスタントであるジーンが携帯電話を手に動き回り、

ホテルの仕入れ用バンが待機しています。電話が鳴り、指示が伝えられ

た瞬間に、納入業者は行動を開始し、荷積み作業に大わらわとなります。

わずか数分でバンには納入品が積まれます。このロイヤル・グランプリ・

レースでは、ジーンが比類無きスピードを披露します。ジーンがホテルに

戻ってくるまでの時間を対象に、こっそりと賭けをしている者もいます。こ

れを正式なプロのレースに仕立て上げようという冗談話さえ出ていたほど

です。さすがにこの思いつきは、普段はおう揚な地元の警察官にも釘を刺

されました。

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Page 109: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

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ジーンはチェの暗黙の後押しを受けて、特に費用面から、この名物レースを毎日ではなく1週間に1回程度

にしてもらえないかと、経営陣にかなり率直に依頼しています。しかし現在もまだ、この課題は解決されて

いません。

相手が手強いということを認識しているチェは、ひそかにコーヒー・ショップの改善を図り、迅速に提供でき

るさまざまな食事を提供したり、ビジネス客向けにWi-Fi無線通信環境を用意したりしています。少なくとも

表向きには、イベットはコーヒー・ショップなどのジェームズの「ファストフード」構想に危機感を示していま

せん。

客室係責任者

メアリー・サンチェス

サンチェス姉妹の姉であるメアリーは、いかなる手抜きも許さない完璧主義者です。メアリーの白手袋で

の業務チェックは、海兵隊の鬼軍曹でも認めるだろうと言われています。全スタッフがメアリーの存在に震

え上がる理由の1つです。

メアリーの実直な勤務態度を疑う人はいません。しかし、メアリーが要求する極端に高い水準に、客室係

が恐れおののくことも少なくありません。

メアリーは花が大好きで、珍しいパーロット・チューリップがお気に入りです。数少ない友人の1人は年配の

庭師で、毎日午前11時にいっしょにコーヒーを飲んでいます。彼女は計画、管理、指示を徹底しています

が、客室業務に関する苦情の増加には手を焼いているようです。指示や小言をどれだけ繰り返しても、部

下の行動には変化が見られません。

経理担当

ジャニータ・サンチェス

ジャニータ・サンチェスはメアリーの陽気な妹です。ジャニータは天性の統率力を備えており、周囲を元気

づける態度によってロイヤルの若手従業員を大いに鼓舞しています。客室係を始めとして、多くの若手女

性従業員の厚い信頼を得ているジャニータですが、相反する2つの感情で板挟みになることが少なくあり

ません。姉に信頼と親愛の情を持つ一方で、質の高さで知られてきた客室業務の質の低下に懸念を強め

ています。

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Page 110: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

| ITIL® インターミディエイト | 運用サポートと分析 | STUDENT |

対人関係や数字の扱いには姉よりもはるかに長けたジャニータは、競争が激化する世界では資格、ノウハ

ウ、経験を身につけることが常に不可欠であるとの考えから、(既に有している会計の基本的な資格以外に)

経営を学ぶコースを受講することを検討しています。

ビジネス・センタ責任者のイザベル・オハラはジャニータの親友で、ジャニータが新しい技術を検討する際に手

助けしてくれただけでなく、娯楽、教育、実務面でのさまざまな事柄をいっしょにオンラインで学習しています。

保守責任者

ダニエル・キドワイ(通称:ダン)

がっしりした体格の物静かなダン(37歳)は、機械作業が大好きです。ベテランになるに従って、会議や文書作

成に費やさなければならない時間が増えるのが不満で、自分の手を「汚す」仕事ができる機会をいつでも狙っ

ています。お茶を入れた魔法瓶と工具を持っているときが、ダンにとって一番幸せです。

しかし賢明なダンは、自分にとっての成功とは、自らの工場を設立するか、ホテルのヒエラルキーの中で昇進

していくことであると理解しています。大家族を支えるダンにとって、開業という選択肢はリスクが高くなりま

す。

ダンの祖父母はバングラデッシュのダッカからミャンマー、そして最終的にタイに移住してきました。ダンは苦

労人で、昼間働きながら夜学で学び、工学分野の学位を取得しました。

これまでダンは、インドネシアの業務センタ、タイのホテル、マレーシアのリゾート施設など、複数の組織で働

いてきました。

ダンは機械に関するスキルの高さと、経営陣の風当たりから部下を守ってくれることから、部下の尊敬を集め

ています。一方で経営陣側も、部下を掌握するダンの能力や「つべこべ言わずに」仕事をやってのける能力を

高く評価しています。ダンは物腰穏やかですが、取引業者との交渉術には非常に長けています。

ダンは母親の母国語であるベンガル語の民謡が好きで、週末はサッカーも楽しんでいます。オーバーオール

の作業着を着ていないときには、シンプルなコットン製の服を着るのがダンの好みです。

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Page 111: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

| STUDENT | ITIL® インターミディエイト | 付録 B:ITIL用語および頭字語集|

ITIL®日本語版用語集、v1.0、2011 年 10 月 13 日 英語版用語集 v1.0、2011 年 7 月 29 日に基づく

ITIL 用語および頭字語集

日本語

本用語集は自由にダウンロードできます。 使用許諾条件の詳細は、www.itil-officialsite.com/InternationalActivities/TranslatedGlossaries.aspx

を参照してください。

© Crown Copyright 2011 1

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Page 112: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

| ITIL® インターミディエイト | 運用サポートと分析 | STUDENT |

謝辞 2007 年 5 月に ITIL 英語版用語集の原本を作成した Ashley Hanna(HP)と Stuart Rance(HP)に、および 2011 年 7 月に同用語集を更新した Ashley Hanna に、感謝の意を表します。 ITIL コア書籍の 2007 年版および 2011 年版に貢献したすべての人々にも感謝を申し上げます。貢

献者名のリストは、www.itil-officialsite.com/Publications/PublicationAcknowledgements.aspx をご

覧ください。 また、日本語版用語集の翻訳プロジェクトを推進した itSMF Japan の小山條二、中井秀有、八木

隆ならびに品質保証チームの次の専門家の皆様に対し、感謝を申し上げます。 青木 保壽 富士通 岩村 郁雄 日本アイ・ビー・エム・システムズ・エンジニアリング 瀧本 研介 日本マイクロソフト 野村 紀美 シーエーシー 松長 由香里 日立電子サービス 森田 礼子 アビリティ・インタービジネス・ソリューションズ

© Crown Copyright 2011 2

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Page 113: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

| STUDENT | ITIL® インターミディエイト | 付録 B:ITIL用語および頭字語集|

用語集

英語版用語 日本語版用語 英語版の定義 日本語版の定義

acceptance 受け入れ Formal agreement that an IT service, process, plan or other deliverable is complete, accurate, reliable and meets its specified requirements. Acceptance is usually preceded by change evaluation or testing and is often required before proceeding to the next stage of a project or process. See also service acceptance criteria.

IT サービス、プロセス、計画、また

はその他の成果物が、完全かつ正確

で信頼性があり、特定の要件を満た

しているという正式な合意。通常、

受け入れの前には変更評価またはテ

ストが行われる。また、プロジェク

トやプロセスの次の段階に進む前に

要求されることが多い。サービス受

け入れ基準も参照。

access management

アクセス管理 (ITIL Service Operation) The process responsible for allowing users to make use of IT services, data or other assets. Access management helps to protect the confidentiality, integrity and availability of assets by ensuring that only authorized users are able to access or modify them. Access management implements the policies of information security management and is sometimes referred to as rights management or identity management.

(ITIL サービスオペレーション)ITサービス、データ、またはその他の

資産をユーザが活用できるようにす

ることを責務とするプロセス。アク

セス管理は、許可されたユーザだけ

が資産へのアクセスまたは修正を行

えるようにすることで、資産の機密

性、完全性、および可用性の保護を

支援する。アクセス管理は、情報セ

キュリティ管理の方針を実施し、権

限管理または ID 管理と呼ばれること

もある。

account manager アカウント・マ

ネージャ (ITIL Service Strategy) A role that is very similar to that of the business relationship manager, but includes more commercial aspects. Most commonly used by Type III service providers when dealing with external customers.

(ITIL サービスストラテジ)事業関

係マネージャの役割に極めて類似し

た役割。ただし、より営利的な側面

を扱う。タイプ III サービス・プロバ

イダが外部顧客を扱う場合に最もよ

く配置される。

accounting 会計業務 (ITIL Service Strategy) The process responsible for identifying the actual costs of delivering IT services, comparing these with budgeted costs, and managing variance from the budget.

(ITIL サービスストラテジ)IT サー

ビスの提供にかかる実際のコストを

識別し、それらのコストを見積もら

れたコストと比較して、予算との不

一致を管理することを責務とするプ

ロセス。

accounting period 会計期間 (ITIL Service Strategy) A period of time (usually one year) for which budgets, charges, depreciation and other financial calculations are made. See also financial year.

(ITIL サービスストラテジ)予算、

料金、減価償却、およびその他の財

務上の計算の対象となる期間(通常

は 1 年間)。会計年度も参照。

accredited 認定 Officially authorized to carry out a role. For example, an accredited body may be authorized to provide training or to conduct audits.

ある役割を実行することを公式に認

可されること。例えば、認定団体

は、トレーニングや監査の実施を認

可されている。

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| ITIL® インターミディエイト | 運用サポートと分析 | STUDENT | 英語版用語 日本語版用語 英語版の定義 日本語版の定義

active monitoring 能動的モニタリ

ング (ITIL Service Operation) Monitoring of a configuration item or an IT service that uses automated regular checks to discover the current status. See also passive monitoring.

(ITIL サービスオペレーション)自

動的な定期チェックを利用して現状

を把握する、構成アイテムまたは ITサービスのモニタリング。受動的モ

ニタリングも参照。

activity 活動 A set of actions designed to achieve a particular result. Activities are usually defined as part of processes or plans, and are documented in procedures.

特定の結果を達成するために計画さ

れた一連の処置。活動は、通常、プ

ロセスまたは計画の一部として定義

され、手順に記載される。

agreed service time (AST)

合意済みサービ

ス時間(AST) (ITIL Service Design) A synonym for service hours, commonly used in formal calculations of availability. See also downtime.

(ITIL サービスデザイン)サービス

時間の同義語。可用性の正式な計算

によく使用される。停止時間も参

照。

agreement 合意 A document that describes a formal understanding between two or more parties. An agreement is not legally binding, unless it forms part of a contract. See also operational level agreement; service level agreement.

複数の当事者間における正式な合意

を記載した文書。合意は、契約の一

部を構成しないかぎり、法的な拘束

力を持たない。オペレーショナルレ

ベル・アグリーメント、サービスレ

ベル・アグリーメントも参照。

alert アラート (ITIL Service Operation) A notification that a threshold has been reached, something has changed, or a failure has occurred. Alerts are often created and managed by system management tools and are managed by the event management process.

(ITIL サービスオペレーション)し

きい値に達したとき、変更があった

とき、または障害が発生したときの

通知。アラートは多くの場合、シス

テム管理ツールで生成および管理さ

れ、イベント管理プロセスで管理さ

れる。

analytical modelling

分析モデル化 (ITIL Continual Service Improvement) (ITIL Service Design) (ITIL Service Strategy) A technique that uses mathematical models to predict the behaviour of IT services or other configuration items. Analytical models are commonly used in capacity management and availability management. See also modelling; simulation modelling.

(ITIL 継続的サービス改善)(ITIL サ

ービスデザイン)(ITIL サービスス

トラテジ)IT サービスまたはその他

の構成アイテムの動作を、数理モデ

ルを使用して予測する技法。分析モ

デルは、キャパシティ管理と可用性

管理によく使用される。モデル化、

シミュレーション・モデル化も参

照。

application アプリケーショ

ン Software that provides functions which are required by an IT service. Each application may be part of more than one IT service. An application runs on one or more servers or clients. See also application management; application portfolio.

IT サービスに必要とされる機能を提

供するソフトウェア。各アプリケー

ションは、複数の IT サービスの一部

になる場合がある。アプリケーショ

ンは、1 台または複数のサーバまたは

クライアント上で実行される。アプ

リケーション管理、アプリケーショ

ン・ポートフォリオも参照。

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| STUDENT | ITIL® インターミディエイト | 付録 B:ITIL用語および頭字語集| 英語版用語 日本語版用語 英語版の定義 日本語版の定義

application management

アプリケーショ

ン管理 (ITIL Service Design) (ITIL Service Operation) The function responsible for managing applications throughout their lifecycle.

(ITIL サービスデザイン)(ITIL サー

ビスオペレーション)アプリケーシ

ョンのライフサイクルを通した管理

を責務とする機能。

application portfolio

アプリケーショ

ン・ポートフォ

リオ

(ITIL Service Design) A database or structured document used to manage applications throughout their lifecycle. The application portfolio contains key attributes of all applications. The application portfolio is sometimes implemented as part of the service portfolio, or as part of the configuration management system.

(ITIL サービスデザイン)アプリケ

ーションのライフサイクルを通した

管理に使用するデータベースまたは

構造化された文書。アプリケーショ

ン・ポートフォリオには、すべての

アプリケーションの主要な属性が含

まれている。アプリケーション・ポ

ートフォリオは、サービス・ポート

フォリオの一部、または構成管理シ

ステムの一部として導入されること

がある。

application service provider (ASP)

アプリケーショ

ン・サービス・

プロバイダ

(ASP)

(ITIL Service Design) An external service provider that provides IT services using applications running at the service provider’s premises. Users access the applications by network connections to the service provider.

(ITIL サービスデザイン)自組織の

施設内で実行しているアプリケーシ

ョンを使用して、IT サービスを提供

する外部サービス・プロバイダ。ユ

ーザはサービス・プロバイダにネッ

トワーク接続することによって、ア

プリケーションにアクセスする。

application sizing アプリケーショ

ン・サイジング (ITIL Service Design) The activity responsible for understanding the resource requirements needed to support a new application, or a major change to an existing application. Application sizing helps to ensure that the IT service can meet its agreed service level targets for capacity and performance.

(ITIL サービスデザイン)新しいア

プリケーションや、既存のアプリケ

ーションに対する重大な変更をサポ

ートするために必要なリソース要件

の把握を責務とする活動。アプリケ

ーション・サイジングは、IT サービ

スが、キャパシティとパフォーマン

スに関する合意済みサービスレベル

目標値を確実に達成できるようにす

るために役立つ。

architecture アーキテクチャ (ITIL Service Design) The structure of a system or IT service, including the relationships of components to each other and to the environment they are in. Architecture also includes the standards and guidelines that guide the design and evolution of the system.

(ITIL サービスデザイン)システム

または IT サービスの構造。コンポー

ネント同士の関係や、コンポーネン

トとその環境との関係も含む。アー

キテクチャには、システムの設計や

発展を手引きする標準や指針も含ま

れる。

assembly アセンブリ (ITIL Service Transition) A configuration item that is made up of a number of other CIs. For example, a server CI may contain CIs for CPUs, disks, memory etc.; an IT service CI may contain many hardware, software and other CIs. See also build; component CI.

(ITIL サービストランジション)他

の複数の構成アイテム(CI)から成

る CI。例えば、サーバ CI には

CPU、ディスク、メモリなどの CI が含まれ、IT サービス CI には多数のハ

ードウェア、ソフトウェア、および

その他の CI が含まれるだろう。構

築、コンポーネント CI も参照。

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assessment アセスメント Inspection and analysis to check whether a standard or set of guidelines is being followed, that records are accurate, or that efficiency and effectiveness targets are being met. See also audit.

標準や一連の指針に従っているか、

レコードが正確か、効率性と有効性

の目標値が満たされているかなどを

確認する検査と分析。監査も参照。

asset 資産 (ITIL Service Strategy) Any resource or capability. The assets of a service provider include anything that could contribute to the delivery of a service. Assets can be one of the following types: management, organization, process, knowledge, people, information, applications, infrastructure or financial capital. See also customer asset; service asset; strategic asset.

(ITIL サービスストラテジ)任意の

リソースまたは能力。サービス・プ

ロバイダの資産には、サービスの提

供に寄与する可能性があるすべての

ものが含まれる。資産は、管理、組

織、プロセス、ナレッジ、人材、情

報、アプリケーション、インフラス

トラクチャ、金融資本のいずれかの

タイプになりうる。顧客資産、サー

ビス資産、戦略的資産も参照。

asset management

資産管理 (ITIL Service Transition) A generic activity or process responsible for tracking and reporting the value and ownership of assets throughout their lifecycle. See also service asset and configuration management; fixed asset management; software asset management.

(ITIL サービストランジション)資

産の価値とオーナシップを、その資

産のライフサイクルを通して追跡お

よび報告することを責務とする一般

的な活動またはプロセス。サービス

資産管理および構成管理、固定資産

管理、ソフトウェア資産管理も参

照。

asset register 資産管理表 (ITIL Service Transition) A list of fixed assets that includes their ownership and value. See also fixed asset management.

(ITIL サービストランジション)固

定資産の一覧。各資産のオーナシッ

プと価値が含まれる。固定資産管理

も参照。

asset specificity 資産の特殊性 (ITIL Service Strategy) One or more attributes of an asset that make it particularly useful for a given purpose. Asset specificity may limit the use of the asset for other purposes.

(ITIL サービスストラテジ)ある資

産をある目的に特に有用になるよう

にする 1 つまたは複数の属性。資産

の特殊性により、その資産の他の目

的への利用が制限される場合があ

る。

attribute 属性 (ITIL Service Transition) A piece of information about a configuration item. Examples are name, location, version number and cost. Attributes of CIs are recorded in a configuration management database (CMDB) and maintained as part of a configuration management system (CMS). See also relationship; configuration management system.

(ITIL サービストランジション)構

成アイテムに関する情報の一部。名

前、場所、バージョン番号、コスト

など。CI の属性は、構成管理データ

ベース(CMDB)に記録され、構成

管理システム(CMS)の一部として

維持される。関係、構成管理システ

ムも参照。

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audit 監査 Formal inspection and verification to check whether a standard or set of guidelines is being followed, that records are accurate, or that efficiency and effectiveness targets are being met. An audit may be carried out by internal or external groups. See also assessment; certification.

標準や一連の指針に従っているか、

レコードが正確か、効率性と有効性

の目標値が満たされているかなどを

確認する、正式な検査と検証。監査

は、内部グループまたは外部グルー

プによって行うことができる。アセ

スメント、認証も参照。

authority matrix 職務権限マトリ

クス See RACI. RACI を参照。

automatic call distribution (ACD)

自動着信呼分配

(ACD) (ITIL Service Operation) Use of information technology to direct an incoming telephone call to the most appropriate person in the shortest possible time. ACD is sometimes called automated call distribution.

(ITIL サービスオペレーション)情

報技術を活用して、最適な相手に最

短時間で着信呼を振り分けること。

ACD(Automatic Call Distribution)は

Automated Call Distribution と表記さ

れることもある。

availability 可用性 (ITIL Service Design) Ability of an IT service or other configuration item to perform its agreed function when required. Availability is determined by reliability, maintainability, serviceability, performance and security. Availability is usually calculated as a percentage. This calculation is often based on agreed service time and downtime. It is best practice to calculate availability of an IT service using measurements of the business output.

(ITIL サービスデザイン)IT サービ

スまたはその他の構成アイテムが、

必要とされたときに、合意済みの機

能を実行する能力。可用性は、信頼

性、保守性、サービス性、パフォー

マンス、およびセキュリティによっ

て決定される。可用性は、通常、パ

ーセンテージで計算される。この計

算は、合意済みサービス時間と停止

時間に基づいて行われることが多

い。事業のアウトプットからの測定

値を使用して、IT サービスの可用性

を計算するのがベストプラクティス

である。

availability management (AM)

可用性管理

(AM) (ITIL Service Design) The process responsible for ensuring that IT services meet the current and future availability needs of the business in a cost-effective and timely manner. Availability management defines, analyses, plans, measures and improves all aspects of the availability of IT services, and ensures that all IT infrastructures, processes, tools, roles etc. are appropriate for the agreed service level targets for availability. See also availability management information system.

(ITIL サービスデザイン)IT サービ

スが、現在および将来の可用性に関

する事業のニーズを高い費用対効果

でタイムリーに達成されるようにす

ることを責務とするプロセス。可用

性管理は、IT サービスの可用性のす

べての側面を定義、分析、計画、測

定、および改善し、すべての IT イン

フラストラクチャ、プロセス、ツー

ル、役割などが、可用性に関する合

意済みサービスレベル目標値に適切

であるようにする。可用性管理情報

システムも参照。

availability management information system (AMIS)

可用性管理情報

システム

(AMIS)

(ITIL Service Design) A set of tools, data and information that is used to support availability management. See also service knowledge management system.

(ITIL サービスデザイン)可用性管

理の支援に使用される一連のツー

ル、データ、および情報。サービ

ス・ナレッジ管理システムも参照。

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availability plan 可用性計画 (ITIL Service Design) A plan to ensure that existing and future availability requirements for IT services can be provided cost-effectively.

(ITIL サービスデザイン)IT サービ

スに対する現在および将来の可用性

要件を、費用対効果よく満たすよう

にするための計画。

back-out 切り戻し (ITIL Service Transition) An activity that restores a service or other configuration item to a previous baseline. Back-out is used as a form of remediation when a change or release is not successful.

(ITIL サービストランジション)サ

ービスまたはその他の構成アイテム

を以前のベースラインに戻す活動。

切り戻しは、変更またはリリースが

うまくいかなかったときの修復の一

形式である。

backup バックアップ (ITIL Service Design) (ITIL Service Operation) Copying data to protect against loss of integrity or availability of the original.

(ITIL サービスデザイン)(ITIL サー

ビスオペレーション)元のデータの

完全性や可用性の喪失を防止するた

めに、データをコピーすること。

balanced scorecard

バランス・スコ

アカード (ITIL Continual Service Improvement) A management tool developed by Drs Robert Kaplan (Harvard Business School) and David Norton. A balanced scorecard enables a strategy to be broken down into key performance indicators. Performance against the KPIs is used to demonstrate how well the strategy is being achieved. A balanced scorecard has four major areas, each of which has a small number of KPIs. The same four areas are considered at different levels of detail throughout the organization.

(ITIL 継続的サービス改善)ハーバ

ード・ビジネス・スクールのロバー

ト・キャプラン(Robert Kaplan)教

授とデイビッド・ノートン(David Norton)教授によって開発された管

理手法。バランス・スコアカードを

使用すると、戦略を重要業績評価指

数(KPI)に細分化できる。戦略がい

かにうまく達成されているかを示す

ために、KPI に照らしたパフォーマン

スが使用される。バランス・スコア

カードには 4 つの主要な領域があ

り、各領域に少数の KPI が含まれ

る。これら 4 つの領域は、組織全体

を通して、さまざまな詳細レベルで

検討される。

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| STUDENT | ITIL® インターミディエイト | 付録 B:ITIL用語および頭字語集| 英語版用語 日本語版用語 英語版の定義 日本語版の定義

baseline ベースライン ITIL Continual Service Improvement) (ITIL Service Transition) A snapshot that is used as a reference point. Many snapshots may be taken and recorded over time but only some will be used as baselines. For example:

• An ITSM baseline can be used as a starting point to measure the effect of a service improvement plan

• A performance baseline can be used to measure changes in performance over the lifetime of an IT service

• A configuration baseline can be used as part of a back-out plan to enable the IT infrastructure to be restored to a known configuration if a change or release fails.

See also benchmark.

(ITIL 継続的サービス改善)(ITIL サ

ービストランジション)基準点とし

て使用されるスナップショット。時

間の経過につれて、多くのスナップ

ショットが取られて記録される場合

があるが、ベースラインとして使用

されるのはその一部のみである。例

として、次のようなものがある。

• ITSM ベースラインは、サービス

改善計画の効果の測定の開始点

として使用できる

• パフォーマンス・ベースライン

は、IT サービスの存続期間を通

したパフォーマンスの変化の測

定に使用できる

• 構成ベースラインは、変更また

はリリースが失敗した場合に ITインフラストラクチャを既知の

構成に戻せるようにするための

切り戻し計画の一部として使用

できる

ベンチマークも参照。

benchmark ベンチマーク (ITIL Continual Service Improvement) (ITIL Service Transition) A baseline that is used to compare related data sets as part of a benchmarking exercise. For example, a recent snapshot of a process can be compared to a previous baseline of that process, or a current baseline can be compared to industry data or best practice. See also benchmarking; baseline.

(ITIL 継続的サービス改善)(ITIL サ

ービストランジション)ベンチマー

キング作業の際に、関連する一連の

データとの比較に使用されるベース

ライン。例えば、プロセスの最近の

スナップショットをそのプロセスの

以前のベースラインと比較したり、

現在のベースラインを業界データや

ベストプラクティスと比較したりで

きる。ベンチマーキング、ベースラ

インも参照。

benchmarking ベンチマーキン

グ (ITIL Continual Service Improvement) The process responsible for comparing a benchmark with related data sets such as a more recent snapshot, industry data or best practice. The term is also used to mean creating a series of benchmarks over time, and comparing the results to measure progress or improvement. This process is not described in detail within the core ITIL publications.

(ITIL 継続的サービス改善)ベンチ

マークを、より最近のスナップショ

ット、業界データ、ベストプラクテ

ィスなどの関連する一連のデータと

比較することを責務とするプロセ

ス。この用語は、長期間にわたって

一連のベンチマークを作成するこ

と、そして進捗や改善を評価するた

めにその結果を比較することも指

す。このプロセスは、ITIL コア書籍

では詳細に説明されていない。

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| ITIL® インターミディエイト | 運用サポートと分析 | STUDENT | 英語版用語 日本語版用語 英語版の定義 日本語版の定義

Best Management Practice (BMP)

ベスト・マネジ

メント・プラク

ティス(BMP)

The Best Management Practice portfolio is owned by the Cabinet Office, part of HM Government. Formerly owned by CCTA and then OGC, the BMP functions moved to the Cabinet Office in June 2010. The BMP portfolio includes guidance on IT service management and project, programme, risk, portfolio and value management. There is also a management maturity model as well as related glossaries of terms.

ベスト・マネジメント・プラクティ

ス・ポートフォリオは、英国政府の

内閣府が所有している。BMP に関す

る職務は、以前は CCTA その後 OGCの責任下にあったが、2010 年 6 月に

内閣府に引き継がれた。BMP ポート

フォリオには、IT サービスマネジメ

ントのほか、プロジェクト管理、プ

ログラム管理、リスク管理、ポート

フォリオ管理、および価値管理に関

する手引きが含まれる。管理の成熟

度モデルおよび関連する用語集もあ

る。

best practice ベストプラクテ

ィス Proven activities or processes that have been successfully used by multiple organizations. ITIL is an example of best practice.

複数の組織で成功している、実績の

ある活動またはプロセス。ITIL はベ

ストプラクティスの一例である。

billing 請求処理 (ITIL Service Strategy) Part of the charging process. Billing is the activity responsible for producing an invoice or a bill and recovering the money from customers. See also pricing.

(ITIL サービスストラテジ)課金プ

ロセスの一部。請求処理は、明細書

や請求書を作成し、顧客から料金を

回収することを責務とする活動であ

る。価格設定も参照。

brainstorming ブレインストー

ミング (ITIL Service Design) (ITIL Service Operation) A technique that helps a team to generate ideas. Ideas are not reviewed during the brainstorming session, but at a later stage. Brainstorming is often used by problem management to identify possible causes.

(ITIL サービスデザイン)(ITIL サー

ビスオペレーション)チームでアイ

デアを出すことを支援する技法。ア

イデアのレビューは、ブレインスト

ーミング・セッション中ではなく、

セッション後に行われる。ブレイン

ストーミングは、考えられる原因を

識別するために問題管理で使用され

ることが多い。

British Standards Institution (BSI)

英国規格協会

(BSI) The UK national standards body, responsible for creating and maintaining British standards. See www.bsi-global.com for more information. See also International Organization for Standardization.

英国標準の作成と維持を責務とす

る、英国の国内標準化団体。詳細

は、www.bsi-global.com を参照。国

際標準化機構(ISO)も参照。

budget 予算 A list of all the money an organization or business unit plans to receive, and plans to pay out, over a specified period of time. See also budgeting; planning.

特定の期間中に組織または事業部門

が受け取ること、または支払うこと

を計画している、すべての金額の一

覧。予算業務、計画立案も参照。

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budgeting 予算業務 The activity of predicting and controlling the spending of money. Budgeting consists of a periodic negotiation cycle to set future budgets (usually annual) and the day-to-day monitoring and adjusting of current budgets.

金銭の支出を予測しコントロールす

る活動。予算業務は、将来の予算を

設定する周期的交渉サイクル(通常

は年次)と、現在の予算に対する

日々の監視と調整で構成される。

build 構築 (ITIL Service Transition) The activity of assembling a number of configuration items to create part of an IT service. The term is also used to refer to a release that is authorized for distribution – for example, server build or laptop build. See also configuration baseline.

(ITIL サービストランジション)ITサービスの一部を作成するために、

複数の構成アイテムを組み立てる活

動。配付を許可されたリリースを示

す場合は、「ビルド」ともいう。例

えば、「サーバのビルド」や「ノー

ト PC のビルド」のように使用する。

構成ベースラインも参照。

build environment 構築環境 (ITIL Service Transition) A controlled environment where applications, IT services and other builds are assembled prior to being moved into a test or live environment.

(ITIL サービストランジション)ア

プリケーション、IT サービス、およ

びその他の構築の組み立てを行うコ

ントロールされた環境。この環境の

後、テスト環境または稼働環境に移

行する。

business 事業 (ITIL Service Strategy) An overall corporate entity or organization formed of a number of business units. In the context of ITSM, the term includes public sector and not-for-profit organizations, as well as companies. An IT service provider provides IT services to a customer within a business. The IT service provider may be part of the same business as its customer (internal service provider), or part of another business (external service provider).

(ITIL サービスストラテジ)複数の

事業部門から成る、企業体または組

織の全体。ITSM におけるこの用語に

は、企業だけでなく、公共部門と非

営利組織も含まれる。IT サービス・

プロバイダは、事業組織内の顧客に

IT サービスを提供する。この IT サー

ビス・プロバイダは、顧客と同じ事

業組織に属している場合(内部サー

ビス・プロバイダ)や、別の事業組

織に属している場合(外部サービ

ス・プロバイダ)がある。

business capacity management

事業キャパシテ

ィ管理 (ITIL Continual Service Improvement) (ITIL Service Design) In the context of ITSM, business capacity management is the sub-process of capacity management responsible for understanding future business requirements for use in the capacity plan. See also service capacity management; component capacity management.

(ITIL 継続的サービス改善)(ITIL サ

ービスデザイン)ITSM における事業

キャパシティ管理とは、キャパシテ

ィ計画で使用する将来の事業要件の

把握を責務とするキャパシティ管理

のサブプロセスである。サービス・

キャパシティ管理、コンポーネン

ト・キャパシティ管理も参照。

business case ビジネス・ケー

ス (ITIL Service Strategy) Justification for a significant item of expenditure. The business case includes information about costs, benefits, options, issues, risks and possible problems. See also cost benefit analysis.

(ITIL サービスストラテジ)主要な

支出項目の正当性を説明するもの。

ビジネス・ケースは、コスト、利

点、代案、課題、リスク、起こりう

る問題などに関する情報を含む。費

用便益分析も参照。

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business continuity management (BCM)

事業継続性管理

(BCM) (ITIL Service Design) The business process responsible for managing risks that could seriously affect the business. Business continuity management safeguards the interests of key stakeholders, reputation, brand and value-creating activities. The process involves reducing risks to an acceptable level and planning for the recovery of business processes should a disruption to the business occur. Business continuity management sets the objectives, scope and requirements for IT service continuity management.

(ITIL サービスデザイン)事業に深

刻な影響を与える可能性のあるリス

クの管理を責務とするビジネス・プ

ロセス。事業継続性管理は、主要な

利害関係者の利益、評判、ブラン

ド、および価値を創造する活動を保

護する。このプロセスには、リスク

を受容可能なレベルまで低減するこ

とや、事業に中断が生じた場合にビ

ジネス・プロセスを回復するための

計画立案を行うことが含まれる。事

業継続性管理は、IT サービス継続性

管理の達成目標、適用範囲、および

要件を設定する。

business continuity plan (BCP)

事業継続性計画

(BCP) (ITIL Service Design) A plan defining the steps required to restore business processes following a disruption. The plan also identifies the triggers for invocation, people to be involved, communications etc. IT service continuity plans form a significant part of business continuity plans.

(ITIL サービスデザイン)ビジネ

ス・プロセスの中断後に、そのプロ

セスを回復するために必要なステッ

プを定義した計画。この計画では、

発動のトリガ、関与する人、コミュ

ニケーションなども特定する。IT サ

ービス継続性計画は、事業継続性計

画の重要な部分を占める。

business customer

事業顧客 (ITIL Service Strategy) A recipient of a product or a service from the business. For example, if the business is a car manufacturer, then the business customer is someone who buys a car.

(ITIL サービスストラテジ)事業か

らの製品またはサービスの受領者。

例えば、事業が自動車製造業者の場

合、自動車を購入する人が事業顧客

である。

business impact analysis (BIA)

ビジネス・イン

パクト分析

(BIA)

(ITIL Service Strategy) Business impact analysis is the activity in business continuity management that identifies vital business functions and their dependencies. These dependencies may include suppliers, people, other business processes, IT services etc. Business impact analysis defines the recovery requirements for IT services. These requirements include recovery time objectives, recovery point objectives and minimum service level targets for each IT service.

(ITIL サービスストラテジ)ビジネ

ス・インパクト分析は、重要事業機

能とそれら機能間の依存性を識別す

る、事業継続性管理の活動である。

これらの依存性には、サプライヤ、

人材、その他のビジネス・プロセ

ス、IT サービスなどが含まれる場合

がある。ビジネス・インパクト分析

によって、IT サービスの復旧要件が

定義される。これらの要件には、ITサービスごとの目標復旧時間、目標

復旧時点、および最小限のサービス

レベル目標値が含まれる。

business objective

事業達成目標 (ITIL Service Strategy) The objective of a business process, or of the business as a whole. Business objectives support the business vision, provide guidance for the IT strategy, and are often supported by IT services.

(ITIL サービスストラテジ)ビジネ

ス・プロセスの達成目標。または事

業全体としての達成目標。事業達成

目標は事業のビジョンを支援し、IT戦略の手引きを提供する。これらの

達成目標は、IT サービスによって支

援されることが多い。

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Page 137: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

| STUDENT | ITIL® インターミディエイト | 付録C:シラバス |

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| ITIL® インターミディエイト |運用サポートと分析 | STUDENT |

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| STUDENT | ITIL® インターミディエイト | 付録C:シラバス |

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Page 140: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

| ITIL® インターミディエイト |運用サポートと分析 | STUDENT |

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Page 141: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

| STUDENT | ITIL® インターミディエイト | 付録C:シラバス |

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Page 142: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

| ITIL® インターミディエイト |運用サポートと分析 | STUDENT |

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Page 143: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

| STUDENT | ITIL® インターミディエイト | 付録D:補足資料 |

引用:物理的なインフラストラクチャ CI のイベント、サービス、ビジネス・プロセスの関系

© Crown Copyright 2011 Reproduced under licence from Cabinet Office

論理層

物理層

ビジネス・プロセス

受注処理など

相関付けられた事業イベント

ルール・セット

サービス1 サービス2

相関付けられたサービス・イベント

ルール・セット

インフラストラクチャCIから生成されたイベントネットワーク・

スイッチ

データベース

ストレージ・アレイ

サーバ

ルータ

メインフレーム

アプリケーション1

アプリケーション2

自動化された販売サポートなど

ホスティング・サポートなど

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Page 144: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

| ITIL® インターミディエイト | 運用サポートと分析 | STUDENT |

引用:イベント管理プロセス © Crown Copyright 2011 Reproduced under licence from Cabinet Office

イベントの発生

重要性は?

それ以上の処置は必要か?

自動応答

要求者へ戻す

情報 例外

警告

はい

いいえ

アラート

人の介入 インシデント管理 問題管理 変更管理

インシデント/問題/変更

インシデント 変更問題

処理を要求?

効果的か? いいえ

はい

はい

いいえ

586 | Copyright © 2013, ITpreneurs Nederland B.V. All rights reserved.

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Page 145: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

| STUDENT | ITIL® インターミディエイト | 付録D:補足資料 |

引用:イベント管理プロセス © Crown Copyright 2011 Reproduced under licence from Cabinet Office

イベントの通知

イベントの検出

イベントの記録

要求実現

処置のレビュー

イベントのクローズ

終了

対応の選択

イベントの発生

重要性は?

それ以上の処置は必要か?

自動応答

要求者へ戻す

情報 例外

警告

はい

いいえ

アラート

人の介入 インシデント管理 問題管理 変更管理

インシデント/問題/変更

インシデント 変更問題

処理を要求?

効果的か? いいえ

はい

はい

いいえ

最初のレベルのイベントの相関付けと

フィルタリング

第2レベルのイベントの相関付け

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Page 146: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

| ITIL® インターミディエイト | 運用サポートと分析 | STUDENT |

引用:インシデント管理プロセス・フロー

© Crown Copyright 2011 Reproduced under licence from the Cabinet Office

インシデントのカテゴリ化

インシデントの優先度付け

イベント管理ウェブ・

インタフェース 電話

(サービス要求の場合は)要求実現、または

(変更提案の場合は)サービス・ポートフォリオ

管理へ

いいえ

はい

インシデントの記録

エスカレーショ ンが必要か?

機能的エスカレーショ ンか?機能的

エスカレーション

終了

重大なインシデントか?

はい

いいえ

はいはい

いいえ いいえ

いいえいいえはい

解決策が特定されたか?

はい

インシデントのクローズ

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Page 147: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

| STUDENT | ITIL® インターミディエイト | 付録D:補足資料 |

引用:インシデント管理プロセス・フロー

© Crown Copyright 2011 Reproduced under licence from the Cabinet Office

インシデントのカテゴリ化

インシデントの優先度付け

イベント管理

(サービス要求の場合は)要求実現、または

(変更提案の場合は)サービス・ポートフォリオ

管理へ

いいえ

はい

インシデントの記録

エスカレーショ ンが必要か?

機能的エスカレーショ ンか?機能的

エスカレーション

終了

重大なインシデントか?

はい

いいえ

はいはい

いいえ いいえ

いいえいいえはい

解決策が特定されたか?

はい

インシデントのクローズ

電子メールウェブ・

インタフェース 電話

本当にインシデントか?

初期手順

解決と復旧

インシデントの識別

重大インシデント手順

段階的エスカレーショ ンか?段階的

エスカレーション調査と診断

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Page 148: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

| ITIL® インターミディエイト | 運用サポートと分析 | STUDENT |

引用:インシデント照合手順の例

© Crown Copyright 2011 Reproduced under licence from the Cabinet Office

インシデント照合手順(初期診断の一部)

既知のエラー・データベースから解決またはワークアラウンドの

処置を抽出

既知のエラー・レコードのインシデント数を更新

既知のエラーのIDでインシデント・レコードを更新

分類データでインシデント・レコードを更新

顧客にワークアラウンドを通知

問題レコードのインシデント数を更新

問題のIDでインシデント・レコードを更新

分類データでインシデント・レコードを更新

既知のエラー・データベースで一致するか?

既存の問題レコードと一致するか?

日常的なインシデントか?

新しい問題の記録

初期診断に戻る

はい

はい

はい

いいえ

いいえ

いいえ

590 | Copyright © 2013, ITpreneurs Nederland B.V. All rights reserved.

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Page 149: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

| STUDENT | ITIL® インターミディエイト | 付録D:補足資料 |

引用:要求実現プロセス・フロー© Crown copyright 2011 Reproduced under licence from the Cabinet Office

サービスデスク RFC ウェブ・インタフェース

電話 電子メール

要求の受け取り

本当にサービス要求か?

要求の記録と妥当性確認

要求の優先度付け

要求の許可

許可された要求か?

有効な要求か?

要求のレビュー

要求を転送?

要求モデルの実行

インパクトを受けたCIはあるか?

要求は実現されたか?

要求のクローズ

終了

(インシデントの場合は)インシデント管理、

または(変更管理の場合は)サービス・ポートフォリオ管理へ

要求者へ戻す

アクセス管理

財務管理

機能的エスカレーション

変更管理要求者へ戻す

財務管理

いいえ

はい

はい

はい

はい

いいえ

いいえ

はい

はい

いいえ

いいえ

要求のカテゴリ化

いいえ要求者へ戻す

Copyright © 2013, ITpreneurs Nederland B.V. All rights reserved. | 591

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Page 150: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

| ITIL® インターミディエイト | 運用サポートと分析 | STUDENT |

引用:問題管理プロセス・フロー © Crown Copyright 2011 Reproduced under licence from Cabinet Office

サービスデスク サプライヤまたは委任先

イ ンシデント管理

問題の検出

問題の優先度付け

CMS

ワークアラウンドが必要か?

はい

いいえ

既知のエラー・レコードの提起 (必要な場合)

インシデント管理

変更管理 RFC 変更が必要か?

問題のクローズ

問題の解決

重大な問題か? 重大な問題のレビュー

継続的サービス改善

• 学んだ教訓• 結果のレビュー

• 改善活動終了

はい

いいえ

いいえ

はい

はい

いいえ

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Page 151: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

| STUDENT | ITIL® インターミディエイト | 付録D:補足資料 |

引用:問題管理プロセス・フロー © Crown Copyright 2011 Reproduced under licence from Cabinet Office

サービスデスク イ ベント管理 プロアクティブな問題管理

サプライヤまたは委任先

イ ンシデント管理

問題の検出

問題の記録

問題のカテゴリ化

問題の優先度付け

問題の調査と診断CMS

既知のエラー・

データベース

ワークアラウンドが必要か?

はい

いいえ

既知のエラー・レコードの提起 (必要な場合)

インシデント管理

変更管理 RFC 変更が必要か?

解決したか?

問題のクローズ

問題の解決

重大な問題か? 重大な問題のレビュー

サービス・ナレッジ管理システム

継続的サービス改善

• 学んだ教訓• 結果のレビュー

• 改善活動

• コミュニケーショ ン

終了

ワークアラウンドの実施

はい

いいえ

いいえ

はい

はい

いいえ

Copyright © 2013, ITpreneurs Nederland B.V. All rights reserved. | 593

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Page 152: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

| ITIL® インターミディエイト | 運用サポートと分析 | STUDENT |

引用:アクセス管理プロセス・フロー

© Crown copyright 2011 Reproduced under licence from the Cabinet Office

変更要求 サービス要求 人事上の要求 アプリケーションのスクリプトまたは要求

要求の受け取り

検証

有効なユーザか?

有効な要求か?

アクセスを要求?

権限の提供権限の削除または制限

アクセスを削除?IDステータスのチェ ックとモニタ

いいえ

いいえ

いいえセキュリティ管理情報システム

アクセスの記録と追跡

セキュリティ管理情報システム

インシデント?

はい

はい

はい

インシデント管理

終了

いいえ

はい

はい

いいえ

594 | Copyright © 2013, ITpreneurs Nederland B.V. All rights reserved.

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Page 153: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

| STUDENT | ITIL® インターミディエイト | 付録D:補足資料 |

引用:サービス・ナレッジ管理システムのデータと情報の例

© Crown Copyright 2011 Reproduced under licence from the Cabinet Office

SKMS

サービス・ポートフォリオ

パイプライン カタログ 廃止済み

サービスストラテジ

財務データ

需要データ

ビジネス・ケース

方針と計画

サービス・モデル

サービスデザイン・パッケージ

SLA

ITSCM計画

AMIS

CMISSCMIS

SMIS

DML

DML

展開計画

リリース計画

テストの計画とレポート

管理レポート サービス・レポート CSI管理表 改善計画

標準運用手順技術文書イベント

CMDB

CMDB

CMDBインシデント

サービス要求

問題

既知のエラー

変更

リリース

CMS

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Page 154: ITIL Intermediate Course: OSA Student Handbook (Japanese)

| ITIL® インターミディエイト | 運用サポートと分析 | STUDENT |

引用:サービスオペレーション機能 © Crown Copyright 2011 Reproduced under licence from Cabinet Office

IT運用管理

サービスデスク 技術管理 アプリケーション管理

メインフレーム 財務アプリケーション

人事アプリケーション

業務アプリケーション

サーバ

ネットワーク

IT運用コントロール

コンソール管理/運用統制室ジョブ・スケジューリング

バックアップとリストア印刷と出力の管理

施設管理

データセンタ復旧拠点整理統合契約

ストレージ

データベース

ディレクトリ・サービス

デスクトップ

ミドルウェア

インターネット/ウェブ

596 | Copyright © 2013, ITpreneurs Nederland B.V. All rights reserved.

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