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高強度ネット斜面対策工 デルタックス工法 技 術 資 料 平成 28 年 3 月 160315DX-D-1

デルタックス工法 - いさぼうネット3 2.工法の概要 2.1 工法の種類 デルタックス工法は、施工目的の用途別に、Ⅰ型とⅡ型の2 種類の型がある。

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Page 1: デルタックス工法 - いさぼうネット3 2.工法の概要 2.1 工法の種類 デルタックス工法は、施工目的の用途別に、Ⅰ型とⅡ型の2 種類の型がある。

高強度ネット斜面対策工

デルタックス工法

技 術 資 料

平成 28 年 3 月

160315DX-D-1

Page 2: デルタックス工法 - いさぼうネット3 2.工法の概要 2.1 工法の種類 デルタックス工法は、施工目的の用途別に、Ⅰ型とⅡ型の2 種類の型がある。

はじめに

エコ・パワーネット工法会では、高強度ネットを用いて斜面の表層すべりに対する工法と

して、「クモの巣ネット工法」と「パワーネット工法」を扱っている。

前者は、想定する表層のすべり層厚が 3.0mまで、後者は 1.5mまでを標準に対応するも

のであるが、表面保護的な工法も望まれていた。

このニーズに応える工法が、「デルタックス工法」である。

「デルタックス工法」では、「デルタックス」あるいは「グリーンナックス」と称する

高強度ネットを用いて、次のような2種類の用途で適用する。

① Ⅰ型(表面保護対策型)

斜面表面の侵食抑制やごく表層の崩落抑止、小落石防止など、表面保護工として

の機能。

② Ⅱ型(表面剥落・脱落対策型)

既設吹付け面における吹付け材の剥落や脱落を防止する機能。

本書は、「デルタックス工法」の技術や施工の資料として編集したものである。

本書を通じて、工法についてより一層のご理解を賜り、斜面表面保護対策あるいは老

朽化した既設モルタル・コンクリート吹付け面からの剥落・脱落防止対策として活用し

て頂ければ幸いである。

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目 次

はじめに

1. デルタックスおよびグリーンナックスとは......................................1

2. 工法の概要

2.1 工法の種類................................................................3

2.2 基本構造..................................................................5

2.3 工法の特長................................................................7

3. 施工

3.1 施工手順..................................................................8

3.2 施工方法の概要............................................................9

4. 管理基準

4.1 出来形管理基準...........................................................14

4.2 品質管理基準.............................................................16

4.3 写真管理基準.............................................................17

参考資料-1 デルタックス工法との併用が考えられる工法..........................19

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1. デルタックスおよびグリーンナックスとは

デルタックスは、素線引張強度が 1,770N/㎟の線径が 2.0 ㎜の硬鋼線に亜鉛アルミ合金め

っき+特殊めっき(ULTRACOATING)が施された金網であり、網目は 101 ㎜×175 ㎜の

縦菱形、荷姿は一枚が幅 3.9m、長さ 30.0m、面積は 117.0 ㎡のロール巻きになっており、

重量は 0.65kg/㎡, 76kg/枚と軽量である。

また、金網の両端は、「ねじり加工」がされている。

101

2

8

4端部ねじり加工

175

3900

30000

図 1.1 デルタックスの規格・寸法

表 1.1 デルタックスネットの諸元

一般名称 高強度ネット

形状および寸法

素線公称径 2.0mm 金網の形状 ひし形

金網の大きさ(内寸) 101 mm(97mm)×175mm(171mm)

標準出荷荷姿 ロール 標準出荷単位当りの寸法 3.9m(ロール幅)×30m(長さ)

単位当り重量 0.65kg/m2

防食構造 防食

亜鉛アルミ合金めっき+特殊めっき (GEOBRUGG ULTRACOATING)

めっき量 115g/m2

性 質 公称素線引張強度 1,770N/mm2

公称引張強度 53kN/m

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またグリーンナックスとは、デルタックスに繊維状樹脂シートが装着されており、重量は

1.05kg/㎡, 123kg/枚である。

175

3900

30000

ポリプロピレン

8

4

融点:152℃

14

101

2

端部ねじり加工

図 1.2 グリーンナックスの規格・寸法

表 1.2 グリーンナックスネットの繊維状樹脂シートの諸元

一般名称 高強度ネット

繊維状樹脂シート

繊維の成形 押し出し成形 繊維の厚さ 0.6mm

素材 ポリプロピレン(PP) 融点 152℃

紫外線対策 UV 安定剤 色 カーキグリーン

シートの厚さ 14mm 間隙率 90%

単位当り重量 0.4kg/m2

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2.工法の概要

2.1 工法の種類

デルタックス工法は、施工目的の用途別に、Ⅰ型とⅡ型の 2 種類の型がある。

表 2.1 デルタックス工法の種類と主な仕様、用途など

種類 適用箇所 基本部材 アンカーピンの仕様 主な対象

Ⅰ型

(表面保護対策型) 一般斜面

デルタックス

または

グリーンナックス

アンカーピン

径:D16

長さ:L=0.7m

打設間隔:1本/㎡

頭部形状:L型加工

(J 型加工)

打設方法:ハンマによる

打撃打設

・表面付近が脆弱で

小崩壊が想定され

る箇所。

・裸地斜面で早期保

護の実施が要求さ

れる箇所。

デルタックス

アンカーピン

植生工

Ⅱ型

(剥落・脱落対策型) 既設吹付け面

デルタックス

または

グリーンナックス

アンカーピン

セメントミルク

径:D16

長さ:L=0.5m

打設間隔:1本/㎡

頭部形状:L型加工

打設方法:ハンドハンマ

による削孔

・著しい表面剥離で

層状に落下が想定

される箇所。

・亀裂に沿って脱落

が想定される箇

所。

デルタックス

または

グリーンナックス

アンカーピン

ケミカルアンカー※

※ケミカルアンカーは SE タイプを使用し、削孔径はφ23mm で行う。

また、急勾配でセメントミルク充填が困難な場合などに使用する。

デルタックスは全面開放型であるので、一般には、表面の侵食抑制や周辺環境との調和、

風化進行の抑制、安全作業の確保などのために、種々の工種との併用を行う場合が多い(巻

末参考資料-1 を参照)。

これに対してグリーンナックスは、繊維状樹脂シートが装着してあるので、1 回の張り手

間だけで、一般斜面では表面侵食抑制や周辺植生の誘導効果が働いて環境面でも有効とな

る。また既設吹付け面では、網目よりも小さな破片の落下防止とともに、網の露出が少な

くなって剥落・脱落への不安感がかなり緩和される。

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以下に、別の工種と併用する際の考え方を示す。

① Ⅰ型(表面保護対策型)の場合

併用工種として、もっとも多いのは植生工である。

植生による被覆を行うには、多数の工法があり、対象斜面に求められる植生の形態、地盤

の土質や硬度、亀裂状況になどにより適宜選定する。

・種肥無し植生シート、植生マット併用

→周辺の自然植生誘導ならびに侵食抑制

・各種植生工(種散布工、種肥付き植生シート工、マット工、植生基材吹付工、など)

→早期の全面緑化ならびに侵食抑制

セメント類で被覆する場合、例えばモルタル・コンクリート吹付けを施す際には、デルタ

ックスが地山と密着している箇所がほとんどなので、吹付け材の中に金網を位置させる目

的から、デルタックスの上に新たにラス張り工を併用して行う。

② Ⅱ型(剥落・脱落対策型)の場合

併用工種として、損傷の程度にもよるが、表面の小さな破片の落下防止と風化進行の抑制

を兼ねて、薄い被膜、例えば特殊接着モルタル吹付けや樹脂の表面吹付け被膜などが考え

られる。

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2.2 基本構造

デルタックス工法は、2 種類の型別に、以下の主要部材により構成されている。

(1) Ⅰ型(表面保護対策型)

本用途は、主に切土のり面および自然斜面において、侵食抑制やごく表層の崩落抑止、

小落石防止など、表面保護工として適用される。

基本構造は、デルタックスまたはグリーンナックスとアンカーピン(D16, 頭部 L 型,

L=70cm, 1 本/㎡、打込み打設)である。

アンカーピン

高強度ネット

D16,L=700

図 2.1 Ⅰ型(表面保護対策型)の概略構造図

(2) Ⅱ型(剥落・脱落対策型)

本用途は、主に既設モルタル・コンクリート吹付け面において、表面の剥離破壊が著しい

箇所や亀裂が発達して脱落の恐れがあるような箇所の対策として適用される。

基本構造は、デルタックスあるいはグリーンナックスとアンカーピン(D16, 頭部 L 型,

L=50cm 程度まで, 1 本/㎡, 全面接着型)と、デルタックスあるいはグリーンナックスと

ケミカルアンカー(カプセルL=50cm程度まで, アンカーピンD16, 頭部L型の挿入 , 1

本/㎡)である。

なお、ケミカルアンカーについては、勾配が急でセメントミルク充填が十分に行えな

いなどの場合に用いるものである。

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既設吹付材アンカーピン

高強度ネット

D16,L=500

セメントミルク

図 2.2 Ⅱ型(剥落・脱落対策型)の概略構造図

(セメントミルク+アンカーピン)

既設吹付材アンカーピン

高強度ネット

D16,L=500

ケミカルアンカー

図 2.3 Ⅱ型(剥落・脱落対策型)の概略構造図

(ケミカルアンカー+アンカーピン)

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2.3 工法の特長

デルタックス工法は、次のような特長がある。

【Ⅰ型(表面保護対策型)】

① デルタックスやグリーンナックスは、高強度でかつ硬鋼線であることから、ごく表層

の土塊移動防止とともに長期の耐久性に優れている。

また、金網を張るだけなので、短期間で施工ができ、早急に表面保護をしたい箇所に

適している。

② その機能として、従来のコンクリート構造物対策工(簡易吹付枠工:シングルで鉄筋を配

置する型)と同様な表面保護工である。

③ 全面緑化が可能で、周辺環境との調和が図れる。

④ 地盤状況によっては、モルタル・コンクリート吹付工との併用もできる。

【Ⅱ型(剥落・脱落対策型)】

① デルタックスやグリーンナックスは、高強度かつ硬鋼線であることから、剥離片や亀

裂に沿った脱落片の移動防止を図れるとともに長期の耐久性に優れている。

② デルタックスやグリーンナックスは、全面接着型のアンカーピンやケミカルアンカー

によって、確実に固定される。

③ デルタックスを用いる場合、網目からの落下防止のため、例えば特殊接着モルタル吹

付や樹脂の表面吹付け被膜などを併用することなどができる。

グリーンナックスの場合には、1 回の張り手間だけで、上記は解消される。

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3. 施工

3.1 施工手順

(1) Ⅰ型(表面保護対策型)

Ⅰ型(表面保護対策型)の標準施工フロー図を図 3.1 に示す。

※ 別の工法との併用を行う場合(巻末参考資料-1 参照)、その工法の目的に合致

する最適段階において実施する。

図 3.1 Ⅰ型(表面保護対策型)の標準施工フロー図

(2) Ⅱ型(剥落・脱落対策型)

Ⅱ型(剥落・脱落対策型)の標準施工フロー図を図 3.2 に示す。

(手法 1) (手法 2)

※ 別の工法との併用を行う場合(巻末参考資料-1 参照)、その工法の目的に合致

する最適段階において実施する。

図 3.2 Ⅱ型(剥落・脱落対策型)の標準施工フロー図

資 機 材 搬 入

の り 面 清 掃 工

デルタックス or グリーンナックス張り工

アンカーピン(D16)打設による固定

E N D

資 機 材 搬 入

の り 面 清 掃 工

デルタックス orグリーンナックス張り工

削 孔

セメントミルク注入

アンカーピン(D16)挿入

ア ン カ ー ピ ン 打 設 工

E N D

削 孔

セメントカプセル挿入

アンカーピン(D16)挿入

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3.2 施工方法の概要

(1) 資機材(デルタックスあるいはグリーンナックス)搬入

デルタックスの荷姿は、幅 3.9m×長さ 30m のネットを下図に示す様に直径約 30cm 程

度のロール状であり、重量は約 80kgf/1 ロール(重量 0.65kgf/㎡)である。

また、グリーンナックスの荷姿はデルタックス同様 幅 3.9m×長さ 30m のネットを直径

約 55cm 程度のロール状であり、重量は約 123kgf/1 ロール(重量 1.05kgf/㎡)である。

デルタックスあるいはグリーンナックスののり面上部への搬入には、クレーン、モノ

レール、索道などを用いる。また、1 ステップののり長さが短ければ、地上で必要な長

さに分割切断して犬走りなどへ降す。

(2) のり面清掃工

一般斜面の場合、浮石、浮土、雑草等の除去を行う。

湧水がある、あるいは斜面内に水が流入する恐れがある場合、本工法は全面開放型なの

で、地山表面や造成した植生基盤材などが流失することがあることから、湧水個所には排

水シートや排水管などを用いて斜面尻まで導水するようにする。

斜面の地表面排水溝が必要な場合は、一般ののり面工と同じように天端や小段に設ける。

既設吹付け面の場合、成立している植物や堆積土砂、表面に浮いて早期に自然脱落の恐

れがあるものなどを除去する。

(3) デルタックスあるいはグリーンナックス張り工

従来の金網張り工と原則的には同じ作業である。

敷設に当り、横菱形にするのが施工しやすいという場面が生じたとしても、必ず縦菱形

の網目状態になるように張る。

デルタックスは約 80kg、グリーンナックスは約 123kg のロール状の荷姿をしているた

め、クレーン、モノレール、索道などで斜面上部に引き上げ、上部から下部へと敷設する。

斜長が短ければ、地上で斜長に合わせて分割切断などした後に引き上げて敷設する。

巻き込みは、20~50cm 程度余裕を見て斜面端部へ巻き込む。

約 30cm

約 390cm

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デルタックスあるいはグリーンナックスの左右ジョイントは、重ね合わせは 1 メッシュ

以上とし、専用の接続金具(T3)を用いて 1 メッシュにつき1個使用する。

接続金具の形状

60×21

1 メッシュ以上

1 メッシュ以上

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また、上下ジョイントは、継手の重ねは原則として行わず、専用接続金具(T3)を 1 メッ

シュにつき1個使用する。

その他端部処理(ワイヤークリップの使用)の例

(デルタックス、グリーンナックスの切断)

ネット幅 3.9mの両端は、素線と同程度の強度を持たせるために端部がねじり加工

された 3.9m×30mの一体

構造となっているので、切

断しない限り外れること

はない。

ネットの切断は図の箇

所で切断し回しながら引

き抜く。

(ジョイント)

下図のように、ジョイント箇所に連結のために挿入した素線を回しながらはめ込

み、端部をワイヤークリップで固定する。または、端部を折り返しワイヤークリッ

プで端部を固定する。

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立木箇所の端部処理の例

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(4) アンカーピン設置工

本工種は、Ⅰ型(表面保護対策型)の場合、アンカーピン(D16、L=50cm、頭部 L 型曲げ

加工)を 1 本/㎡の割合で打込み、デルタックスあるいはグリーンナックスを地山に固定す

る。

またⅡ型(剥落・脱落対策型)の場合は、1 箇所/㎡当りで削孔した後にセメントミルクを

注入してアンカーピン(D16、L=最大 50cm、頭部 L 型曲げ加工)を挿入し、デルタックス

あるいはグリーンナックスを地山に固定する。

ケミカルアンカー(SE タイプ)とする場合は、1 箇所/㎡当りで削孔した後にカプセルを挿

入し、その後、アンカーピン(D16、L=最大 50cm、頭部 L 型曲げ加工)でカプセルを破壊

しながら挿入し、デルタックスあるいはグリーンナックスを地山に固定する。

図 3.4 ケミカルアンカーの場合の施工手順

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4. 管理基準(案)

4.1 出来形管理基準

(1) Ⅰ型(表面保護対策型)

表 4.1 に、Ⅰ型(表面保護対策型)の場合の標準的な出来形管理基準(案)を示す。

併用工種がある場合は、その管理基準を追加するものとする。

表 4.1 Ⅰ型(表面保護対策型)の場合の出来形管理基準(案)

種 別 測定項目 規格値 測定方法または測定基準

アンカーピン 設置工 本数 1本/㎡

200m2につき1箇所, 200m2以下は

2箇所

デルタックス または

グリーンナッ

クス張り工

横方向重ね合わせ 1マス以上 200m2につき1箇所, 200m2以下は

2箇所

横方向1マス当たりの 接続金具(T3)数

1個以上 200m2につき1箇所, 200m2以下は

2箇所 1箇所当り測定長さ2.0m

縦方向重ね合わせ 0マス以上 200m2につき1箇所, 200m2以下は

2箇所

縦方向1マス当たりの 接続金具(T3)数

1個以上 200m2につき1箇所, 200m2以下は

2箇所 1箇所当り測定長さ2.0m

のり長

3m未満 -50mm 施工延長40mにつき1箇所,40m以下のものは1施工箇所につき2箇所(国土交通省土木工事施工管理

基準(案)の吹付工を引用) 3m以上 -100mm

延長 -200mm 1施工箇所毎(国土交通省土木工事

施工管理基準 (案 )の吹付工を引

用)

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(2) Ⅱ型(剥落・脱落対策型)

表 4.2 に、Ⅱ型(剥落・脱落対策型)の場合の標準的な出来形管理基準(案)を示す。

併用工種がある場合は、その管理基準を追加するものとする。

表 4.2 Ⅱ型(剥落・脱落対策型)の場合の出来形管理基準(案)

種 別 測定項目 規格値 測定方法または測定基準

アンカーピン

設置工

削孔深さ 設計深さ以上 ロッド長・テープ等

削孔径(ビット径) 設計値以上 テープ等

本数 1本/㎡ 200m2につき1箇所, 200m2以下は

2箇所

デルタックス または

グリーンナッ

クス張り工

横方向重ね合わせ 1マス以上 200m2につき1箇所, 200m2以下は

2箇所

横方向1マス当たりの 接続金具(T3)数

1個以上 200m2につき1箇所, 200m2以下は

2箇所 1箇所当り測定長さ2.0m

縦方向重ね合わせ 0マス以上 200m2につき1箇所, 200m2以下は

2箇所

縦方向1マス当たりの 接続金具(T3)数

1個以上 200m2につき1箇所, 200m2以下は

2箇所 1箇所当り測定長さ2.0m

のり長

3m未満 -50mm 施工延長40mにつき1箇所,40m以下のものは1施工箇所につき2箇所(国土交通省土木工事施工管理

基準(案)の吹付工を引用) 3m以上 -100mm

延長 -200mm 1施工箇所毎(国土交通省土木工事

施工管理基準 (案 )の吹付工を引

用)

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4.2 品質管理基準

(1) Ⅰ型(表面保護対策型)

表 4.3 に、Ⅰ型(表面保護対策型)の場合の標準的な品質管理基準(案)を示す。

併用工種がある場合は、その管理基準を追加するものとする。

表 4.3 Ⅰ型(表面保護対策型)の場合の品質管理基準(案)

種 別 試験項目 試験方法 規格値等 基準または頻度

品質管理 使用材料 規格・品質 品質証明書 工事着手前提出 および承認

(2) Ⅱ型(剥落・脱落対策型)

表 4.4 に、Ⅱ型(剥落・脱落対策型)の場合の標準的な品質管理基準(案)を示す。

併用工種がある場合は、その管理基準を追加するものとする。

表 4.4 Ⅱ型(剥落・脱落対策型)の場合の品質管理基準(案)

種 別 試験項目 試験方法 規格値等 基準または頻度

品質管理

使用材料 規格・品質 品質証明書 工事着手前提出 および承認

グラウト材

圧縮強度試験 JSCE G505 σ28=24N/mm2

以上 1回/週 供試体3本

フロー値試験 JSCE F521 試験基準値±3秒 かつP漏斗9~22秒

注入日毎 注入開始前1回

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4.3 写真管理基準

(1) Ⅰ型(表面保護対策型)

表 4.5 に、Ⅰ型(表面保護対策型の場合の標準的な写真管理基準(案)を示す。

併用工種がある場合は、その管理基準を追加するものとする。

表 4.5 Ⅰ型(表面保護対策型の場合の写真管理基準(案)

区 分 種 別 撮影項目 撮影時期 撮影頻度

着手前お よび完成

着手前(全景または代表部分) 着手前 着手前1回

完成後(全景または代表部分) 完成後 完成後1回

使 用 材 料

使用材料

形状寸法,数量 検収時 各品目毎に1回

検収実施状況 検収時 検収時毎

施工状況

工事施工中

工事進捗状況(全景または代表

部分) 月末 月1回

施工状況(工種,種別毎) 施工中 工種,種別毎に適宜

図面との不一致 図面と現地との不一致 発生時 必要に応じて

安全管理 安全管理

各種標識類の設置状況 設置後 各種類毎に1回

各種保安施設の設置状況 設置後 各種類毎に1回

監視員交通整理状況 実施中 実施中に適宜

安全訓練等の実施状況 実施中 実施毎に1回

出来形 管 理

アンカーピン 設置工

打設深さ 打設中

1施工箇所毎に1回以上

配置状況 施工後

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(2) Ⅱ型(剥落・脱落対策型)

表 4.6 に、Ⅱ型(剥落・脱落対策型)の場合の標準的な写真管理基準(案)を示す。

併用工種がある場合は、その管理基準を追加するものとする。

表 4.6 Ⅱ型(剥落・脱落対策型)の場合の写真管理基準(案)

区 分 種 別 撮影項目 撮影時期 撮影頻度

着手前お よび完成

着手前(全景または代表部分) 着手前 着手前1回

完成後(全景または代表部分) 完成後 完成後1回

使 用 材 料

使用材料

形状寸法,数量 検収時 各品目毎に1回

検収実施状況 検収時 検収時毎

施工状況

工事施工中

工事進捗状況(全景または代表

部分) 月末 月1回

施工状況(工種,種別毎) 施工中 工種,種別毎に適宜

図面との不一致 図面と現地との不一致 発生時 必要に応じて

安全管理 安全管理

各種標識類の設置状況 設置後 各種類毎に1回

各種保安施設の設置状況 設置後 各種類毎に1回

監視員交通整理状況 実施中 実施中に適宜

安全訓練等の実施状況 実施中 実施毎に1回

品質管理 グラウト材

圧縮強度試験

試験実施中 工期中1回以上

フロー値試験

出来形 管 理

アンカーピン 設置工

削孔深さ 削孔後

1施工箇所毎に1回以上

配置状況 施工後

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参考資料-1 デルタックス工法との併用が考えられる工法

工法 概要 写真 特殊配合モル

タル吹付工 接着力・強度が高い特殊配合

モルタルを吹き付ける工法

である。

バスク工法 繊維補強セメント複合材料

(バスク)で,コンクリートや

モルタルの表層に生じたク

ラックを修復・延命する工法

である。

ECO バインド

工法 透水性を有する固化材を吹

き付ける吹付工法である。

タフグリーン

工法 森林土壌に近い植生基盤を

斜面に吹付ける。さらに侵食

防止効果の高い土壌侵食防

止マットを植生基盤面に敷

設する合併工法である。

種散布工 ポンプ機を使い,種子や肥料

などを吹き付ける工法であ

る。

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客土・吹付工 客土吹付工は、種子・肥料・

客土・養生材等を水と混合

し,ミニクリートにより生育

基盤材を1~3㎝(標準)吹

付ける工法です。

植生基材吹付

工 従来植生不可能であった法

面で,法面保護,景観,自然

保護のために,緑を蘇らせる

ことを可能にした吹付工で

す。

植生シート工 盛土斜面に種子,肥料を装着

したシート敷き,法面を保護

し、早急に法面を緑化させる

工法です。

植生マット工 切土斜面に種子,肥料を装着

したシート敷き,法面を保護

し、早急に法面を緑化させる

工法です。

モルタル・コ

ンクリート吹

付工

吹付工とは、モルタルやコンク

リートで崖面や法面を覆う工法

である。

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