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さまざまなコンピュパソコンからス コンピュ タまで さまざまなコンピュ パソコンからスコンピュタまで パソコンからスコンピュタまで パソコンからス コンピュ タまで 目次 コンピュータの歴史 2 ムーアの法則( Moore s law) 5 いろんなところで使われるコンピュータ 6 ンピ 14 ーコンピュー14 アムダールの法則 (Amdahl s law ) 18 自動車産業でのコンピュ利用 24 海洋研究開発機構 計算システム計画運用部 自動車産業でのコンピュ 利用 24 終わりに 32 2006/8/4 サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト 石巻専修大学教育連携講座情報教育リエゾンプログラム(中学生講座) 1 サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト 石巻専修大学教育連携講座情報教育リエゾンプログラム(中学生講座) 計算システム計画 運用部 北脇 重宗 2006/8/4 1

さまざまなコンピュータ さまざまなコンピュ タ · •ムーアの法則(Moore‘s law) 5 •いろんなところで使われるコンピュータ 6 •ス パ

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さまざまなコンピュータ

パソコンからス パ コンピュ タまで

さまざまなコンピュ タ

パソコンからスーパーコンピュータまでパソコンからスーパーコンピュータまでパソコンからス パ コンピュ タまで

目次

•コンピュータの歴史 2•ムーアの法則(Moore‘s law) 5•いろんなところで使われるコンピュータ 6ス パ ンピ タ 14•スーパーコンピュータ 14

•アムダールの法則(Amdahl‘s law ) 18•自動車産業でのコンピュータ利用 24

海洋研究開発機構

計算システム計画・運用部

自動車産業でのコンピュ タ利用 24•終わりに 32

2006/8/4サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト

石巻専修大学教育連携講座情報教育リエゾンプログラム(中学生講座) 1サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト

石巻専修大学教育連携講座情報教育リエゾンプログラム(中学生講座)

計算システム計画 運用部

北脇 重宗

2006/8/4 1

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コンピュータの歴史

年 新技術、新製品など コンピュータの変化1951 接合型トランジスタの開発 小型化 省電力 安定稼働(実用化)1951 接合型トランジスタの開発 小型化、省電力、安定稼働(実用化)

1961 シリコンプレーナ集積回路の開発コンピュータの本格的発展(大型化、高性能化)

1971 マイクロプロセッサの開発 電卓用として始めて家庭に入る

1881 IBM PC発売

パーソナルコンピュータからパソコン、PCの時代に、手作りプログラムによる計算からワープロ、表計算ソフトウェアの時代にトウェアの時代に

1986米国国防用コンピュータネットワークARPANETを分割する形で学術研究用のネットワーク基盤NSFNetが作られ次第に世界的に

インターネットによる世界中のコンピュータと接続、電子メールやファイル転送機能で文字、データ等の交換

パ素粒子物理学 究所( )が ( ) よる画像(更1991

ヨーロッパ素粒子物理学研究所(CERN)がWorld Wide Web(WWW)を公開

Web(html)による画像(更にマルチメディアデータ)交換

1995 Windows95, PentiumPro発売家庭でもインターネットアクセスの時代へ

参考資料電子情報通信学会誌Vol 82 No 10 総合報告 マイクロプロセッサの 25 年 嶋 正利

代へ2001 国内高速インターネット接続サービス本格化 Ubiquitous Computing時代へ

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石巻専修大学教育連携講座情報教育リエゾンプログラム(中学生講座) 2

電子情報通信学会誌Vol.82 No.10 総合報告 マイクロプロセッサの 25 年 嶋 正利

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ENIACシステム

1946年2月14日,ペンシルバニア大学で初公開

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 http://ja.wikipedia.org/wiki/ENIAC

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日本の最初の電子計算機日本の最初の電子計算機

1956年3月1956年3月富士写真フイルムの

岡崎文次さんが日本初の電子計算機

FUJIC(真空管式)を開発を開発

情報処理学会ホームページ

コンピュータ博物館から

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http://www.ipsj.or.jp/katsudou/museum/computer/0110.html

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ムーアの法則(Moore's law)半導体素子に集積されるトランジスタの数は、18ヶ月で倍増する

•Intel Corporation (インテル)の設立者の一人であり、現名p ( )誉会長であるゴードン・ムーア(Gordon E. Moore, 1929年1月3日 - )が1965年に半導体の技術発展を予測した言葉。集積回路(IC)がコンピュータの基幹部品であるため、コンピュータの性能向上の指針のように使われることも多い。

•この40年余りこの法則どおり半導体は発展し、どんな複雑なコンピュータの心臓部(CPU)も1枚の半導体に収まる(さらなコンピュ タの心臓部(CPU)も1枚の半導体に収まる(さらに1枚の半導体に複数個のCPUが収まる)ようになった。

•一方、半導体の性能向上が限界に近づいているとも言われ 半導体の性能向上に依存した ンピ タの性能向上れ、半導体の性能向上に依存したコンピュータの性能向上にも限界が近づいている。

•今までは半導体の主な市場はコンピュータ(大型コン※画像提供 / Intel Corporation 場ピュータから次第にパソコンに変わった)だったがすでに市場規模の大きい携帯電話、ゲーム機、携帯型デジタル音楽プレイヤー 等に移っているとも言われている。

※画像提供 / Intel Corporation

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いろんなところで使われるコンピュータ

• 家庭の中のコンピュータ

• お店、銀行などで使われるコンピュータ

• 交通機関で使われるコンピュータ

共機関 使われる ピ タ• 公共機関で使われるコンピュータ

• 一般企業で使われるコンピュータ• 一般企業で使われるコンピュータ

• 生産活動で使われるコンピュータ産活動 使われる タ

• 研究、技術開発で使われるコンピュータ

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家庭の中のコンピュータ家庭の中のコンピュータ携帯型デジタル音楽プレイヤ• 携帯型デジタル音楽プレイヤー

• DVD録画機デジタルカメラ• デジタルカメラ

• 携帯電話ゲ ム機• ゲーム機

• パソコンファクシミリ(FAX)• ファクシミリ(FAX)

• 電卓家電製品の中(制御用 冷蔵庫 エアコン ガス風• 家電製品の中(制御用 冷蔵庫、エアコン、ガス風呂、電子レンジ、炊飯器、オーディオ機器・・・)

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お店、銀行などで使われるコンピュータ

( )

(関連するコンピュータシステム)

• ATM(Automated Teller Machine)

現金自動預け払い機

ジ• キャッシュレジスター

• 電子マネー決済システム

• POS端末を使った商品管理システム

• 宅配便システム

• エレベータ制御

• インターネットバンキング

• インターネットトレーディング

情報機器と情報社会のしくみ素材集より引用

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情報機器と情報社会のしくみ素材集より引用http://kyoiku-gakka.u-sacred-heart.ac.jp/jyouhou-kiki/sozai/jht-kairyu.html

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交通機関で使われるコンピュータ

• 運行制御

• 座席予約

• 乗務員スケジューリング• 乗務員スケジュ リング

• 券売機

自動改札シ ム• 自動改札システム

• ITS(高度道路交通システム)(高度道路交通シ テ )

• 交通機関に搭載されるコンピュータ

GPS(全地球測位システム )• GPS(全地球測位システム )

情報機器と情報社会のしくみ素材集より引用

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情報機器と情報社会のしくみ素材集より引用http://kyoiku-gakka.u-sacred-heart.ac.jp/jyouhou-kiki/sozai/jht-kairyu.html

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公共機関で使われるコンピュータ公共機関で使われるコンピュータ

象• 気象予報システム

• 航空管制システム航空管制システム

• 社会保険システム

• 病院システム(電子カルテシステム、CTスキャナ、MRI)キャナ、MRI)

情報機器と情報社会のしくみ素材集より引用

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情報機器と情報社会のしくみ素材集より引用http://kyoiku-gakka.u-sacred-heart.ac.jp/jyouhou-kiki/sozai/jht-kairyu.html

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一般企業で使われるコンピュータ般企業で使われるコンピュ タ• 販売管理システム

製造管理システム• 製造管理システム• 在庫管理システム(倉庫システム)• 会計管理システム会計管理システム• 人事管理システム• 文書管理システム

(元々は書類で管理していたものをコンピュータ化され、更に統合化が進んでいる。)セキ リティ管理システム• セキュリティ管理システム

• 企業ホームページ(当初は企業PR用の色彩が強かったが、求人情報掲載、商品情報掲載、インターネット販売、問合せ・求人情報掲載、商品情報掲載、インタ ネット販売、問合せ苦情窓口、タイムリーな対外通知手段等役割が増している)

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生産活動で使われるコンピュータ生産活動で使われるコンピュータ

NC(数値制御N i l C l)加工システム• NC(数値制御Numerical Control)加工システム

• 産業ロボット

CAD (Comp ter Aided Design コンピュ タ援用設計)シス• CAD (Computer Aided Design コンピュータ援用設計)システム

• CAM (Computer Aided Manufacturing CADで作成されたCAM (Computer Aided Manufacturing CADで作成されたデータを入力としてNC加工を行うシステム)

• CAE(Computer Aided Engineeringコンピュータを活用して製品 設計 製造や 程設計 事前検討 支援を行う と)品の設計、製造や工程設計の事前検討の支援を行うこと)

• DE (Digital Engineering コンピュータを利用した生産活動の

改善活動全体を指している )改善活動全体を指している。)

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研究 技術開発で使われるコンピュータ研究、技術開発で使われるコンピュータ

生命科学(タ パク質 立体構造解析 創薬• 生命科学(タンパク質の立体構造解析、創薬等)

• 物質・材料科学(半導体デバイス、触媒、燃料電池材料等の設計)料電池材料等 設計)

• 構造解析(ダムや橋梁等の土木構造物、各種建築物から家具 家庭用品まであらよる構種建築物から家具、家庭用品まであらよる構造物に関する強度解析、振動解析等)

流体解析(機械 航空 土木 化学工学 気• 流体解析(機械、航空、土木、化学工学、気象、海洋、 医学・農学・生物工学等)

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スーパーコンピュータスーパーコンピュータ

最初の ンピ タ開発の動機は 複雑な科学技術計算を• 最初のコンピュータ開発の動機は、複雑な科学技術計算を出来るだけ早く行いたいと言う願望であった。しかし、コンピュータの黎明期に参入し今でも世界最大のコンピュータ会社IBMの元の名前が社IBMの元の名前がInternational Business Machines Corporationであるように事務用途に使われるコンピュータが多い。

• 一方で科学技術計算を行う高速コンピュータへの要望も強く、方で科学技術計算を行う高速コンピュ タ の要望も強く、企業の会計処理、給与計算、銀行の預金管理等に適したコンピュータと、高速に科学技術計算を行うコンピュータは別の形で発展するようになった。その最上位のコンピュータをの形で発展するようになった。その最上位のコンピュ タをスーパーコンピュータと呼ぶ。

• 最近の高性能パソコンは瞬間的には毎秒数十億回の浮動小数点計算をする能力を持つが 現在のトップクラスのス小数点計算をする能力を持つが、現在のトップクラスのスーパコンピュータでは毎秒100兆回以上の浮動小数点計算を持続的に実行できる。

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代表的なスーパーコンピュータ

米国ローレンスリバモア国立研究所 Blue Gene/Lhttp://www.llnl.gov/asc/platforms/bluegenel/

海洋研究開発機構 地球シミュレータ

http://www.es.jamstec.go.jp/esc/p g p g http://www.es.jamstec.go.jp/esc/

2004年11月以来世界1位

131,072 CPUの並列システム

2002年6月から2004年11月まで世界1位5,120 CPUの並列システム

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地球シミュレータ開発計画

スーパーコンピュータ・ピーク性能の変遷

●三好甫先生(故)

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ASCI(Advanced Simulation and Computing Initiative)ASCI Red Storm(40TF) 2004

ASC Purple(100TF) 2005

Blue Gene/L(360TF) 2005

●Columbia NASA Ames( 60TF)16

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世界中のスーパーコンピュータをそのコンピュータで計算できる最大の連立 次方程式の性能 位ま 並べた表が年 回公表される最大の連立1次方程式の性能で500位まで並べた表が年2回公表される。

ASCII White

Earth Simulator

BlueGene/L

(地球シミュレータ)

NWT

ASCII Red

(数値風洞)

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アムダールの法則(Amdahl's law )アムダ ルの法則(Amdahl s law )性能改善箇所の全体に対する比率と性能改善率から全体の性能改善率を求める公式のことであり、性能改善が出来ない部分が残ると全体の性

性能向上率1

能向上が望めないことを示す。

性能向上率 =

(1-性能改善部分) + 性能改善部分

性能改善率

例えば従来の20倍の性能の新機能を持つコンピュータが出来たとしても新機能が適用できる範囲が95%だとすると全体の性能は約10.3倍つまり機20倍の約半分の効果となる。95%の範囲しか適用できないといくら性能を上げても全体性能は20倍にはならない。

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並列計算の場合のアムダールの法則列計算 場合 法則ムーアの法則による半導体の高集積化がコンピュータの心臓部(CPU)の高速化のため技術を超えてしまったため複数個のCPUを使って一つの計算をする並列計算がスーパーコンピュータから他のコンピュータにも広がっているする並列計算がスーパーコンピュータから他のコンピュータにも広がっている。並列で実行することを並列化と呼ぶ。並列化できる部分(実際に並列実行される部分)を並列化部分と呼ぶ。並列化部分を並列化率とも呼ぶ。

性能向上率 =1

(1 並列化率) + 並列化率(1-並列化率) +

CPU数

並列計算の特徴

•使えるCPUの数以上の性能向上が望めない

並列化する場合並列計算の準備処理 後処理が必要なので見かけ並列化部

並列計算の特徴

•並列化する場合並列計算の準備処理、後処理が必要なので見かけ並列化部分が少し小さくなる。(この部分を並列化オーバーヘッドと呼ぶ)•並列計算の効率は計算方式(計算アルゴリズム)に依存することが多い。•CPUを多く使えればより高い性能を得られる可能性がある

2006/8/4サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト

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•CPUを多く使えればより高い性能を得られる可能性がある。

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並列化のイメージ並列化のイメージ並列化率95%の計算を20CPUを使って実行した場合

全体としては10倍の性能が得られる 20CPUを使 て全体としては10倍の性能が得られる。20CPUを使って

10倍の性能が得られたので50%の並列化効率とも呼ぶ。

#1#2#2#3#4#5#6#7#8#8#9#10#11#12#13#14#14#15#16#17#18#19#20

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#20

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並列計算の場合のアムダールの法則(続き)並列計算の場合のアムダ ルの法則(続き)

1並列化効率 =

1

(1-並列化率) +並列化率

CPU数CPU数( )

• 並列化効率は並列実行に使うCPUがどれくらい効率的に使われるかを示す指標で、前のスライドの例は並列化率が95%の計算に対し、CPUを20個

CPU数

す指標で、前のスライドの例は並列化率が95%の計算に対し、CPUを20個使ったとき性能がCPU1個の場合の性能の10倍であり、並列化効率は50%である。• この式から1000個のCPUを使ったとき 並列化効率50%を達成するには• この式から1000個のCPUを使ったとき、並列化効率50%を達成するには(つまりCPUの場合の500倍の性能を出すには)並列化率99.9%以上が必要なことが判る。

さらに10000個のCPUを使 たとき 並列化効率50%を達成するには並列• さらに10000個のCPUを使ったとき、並列化効率50%を達成するには並列化率99.99%以上が必要なことが判る。(このように多数のCPUを使えば原理的には高い性能が達成出来るが、実際 性能を達成する 簡単 な

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石巻専修大学教育連携講座情報教育リエゾンプログラム(中学生講座) 21

実際にその性能を達成するのは簡単ではない。)

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高並列計算による高性能達成の難しさ高並列計算による高性能達成の難しさ

• 多数のCPUを使って並列化効果を上げるには 並多数のCPUを使って並列化効果を上げるには、並列化できない部分を出来るだけ少なくする必要がある。

• 多くのCPUで計算を分担するとデータの違い等の各種要因で分担分の計算終了時間にばらつきが生じ結果的に 番遅い部分に足を引っ張られ 全体じ結果的に一番遅い部分に足を引っ張られ、全体的に見れば性能が低下したことになる。(並列計算部分の時間のばらつきを「負荷の不均衡(Load部分 時間 ら きを 負荷 不均衡(Imbalance)」と呼ぶ)

• 並列化率を上げるには並列計算部分を増やす必要がある れには並列計算部の固まりを大きくするがある。これには並列計算部の固まりを大きくすると効果がある場合が多い。

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石巻専修大学教育連携講座情報教育リエゾンプログラム(中学生講座) 22

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並列計算時間のばらつきによる性能低下例並列計算時間のばらつきによる性能低下例

並列化率95%の計算を20CPUで並列実行する場合でも並列実行部分に並列化率95%の計算を20CPUで並列実行する場合でも並列実行部分にばらつきがあると遅い部分に足を引っ張られて全体の実行時間も遅くなる

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石巻専修大学教育連携講座情報教育リエゾンプログラム(中学生講座) 23

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自動車産業でのコンピュータ利用自動車産業でのコンピュータ利用

• ITSとは• ITSとは

• 車載コンピュータ

• 地球シミュレータを使った自動車に関する高解像度シミュレーション事例

自動車産業は世界的にも 国内でも規模 関連分野の広い大産自動車産業は世界的にも、国内でも規模、関連分野の広い大産業であり、先進的なコンピュータ利用産業として有名である。生産、販売、研究開発等の直接の企業活動に使うだけでなく、製品の自動車にも多く搭載し、ITSなど走行中の自動車を対象とした大自動車にも多く搭載し、ITSなど走行中の自動車を対象とした大掛かりなコンピュータ・通信システムも発展している。

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ITSとは• ITSとは、最先端の情報通信技術を用いて人と道路と車両とを情報で

ネットワ クすることにより 交通事故 渋滞などといった道路交通問題

ITSとは

ネットワークすることにより、交通事故、渋滞などといった道路交通問題の解決を目的に構築する新しい交通システムです。

• ITSは、ナビゲーションの高度化、自動料金収受システム、安全運転の支援などの9つの開発分野から構成されています。支援などの9つの開発分野から構成されています。

• ITSは、マルチメディア事業の中で有望性の高い事業と評価されており、その効果は全体で50兆円と試算されています。

※ITS:Intelligent Transport Systems (高度道路交通システム)※ITS:Intelligent Transport Systems (高度道路交通システム)

安全性の向上輸送効率の向上輸送効率の向上快適性の向上環境の改善新たな産業の創出新たな産業の創出

国土交通省ITSホームページから引用http://www mlit go jp/road/ITS/j-html/

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石巻専修大学教育連携講座情報教育リエゾンプログラム(中学生講座) 25

http://www.mlit.go.jp/road/ITS/j html/

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ITSの開発分野ITSの開発分野

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ETCのシステム概要概要ETC(ノンストップ自動料金収受システム)は、車両に装着した車載器に契約情報などを記録したICカードを挿入し、有料道路の料金所のトールゲートに設置した 路側アンテナと

車載器との間の無線通信により、通行料金などの情報を路側アンテナに接続した有料道路のコンピュータシ ムと カ ドと 双方 記タシステムとICカードとの双方に記録して、料金所で料金支払いのために止まることなく通行することができますできます。

ETCは、有料道路における料金支払いを自動的に行うことができるシステムで 主に車載器 ICカ ドステムで、主に車載器、ICカード、路側アンテナで構成されます。

ETC(Electronic Toll Collection System :ノンストップ自動料金収受 システム)

2006/8/4サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト

石巻専修大学教育連携講座情報教育リエゾンプログラム(中学生講座) 27

ETC(Electronic Toll Collection System :ノンストップ自動料金収受 システム)

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AHSのシステム概要

道路側のカメラ等情報収集 経報収集インフラや経路誘導インフラと、車両側のカメラ、車載センサなどによる載センサなどによる情報収集と、路-車間通信や車-車間通信による情報の通信による情報のやり取りにより、自車両および周辺車両の位置や挙動をリ両の位置や挙動をリアルタイムに把握し、安全な運転を支援します。ます。

AHS:Advanced Cruise-Assist Highway Systems 走行支援道路システム

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VICSとは

VICSとはカーナビにVICS機能を搭載すること

により、車内にいながらリアルタイムにより、車内にいながらリアルタイムに渋滞情報や規制情報といった道路交通情報を知ることができます。また、目的地への経路検索機能つきのカー目的地 経路検索機能 きナビの場合、自動的に渋滞を考慮した目的地到達予想時刻を再計算したり渋滞を避けた迂回路を再検索したりすることができます。

VICSによる情報提供の方法

ドライバーが走行をする際に、各経路の渋滞状況、所要時間情報などを車載ディスプレイに表示します。車載デ プ イ の表示方法には 文字ディスプレイへの表示方法には、文字表示型、簡易図形表示型、地図表示型といったバリエーションがあります。

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VICS: Vehicle Information and Communication System (道路交通情報通信システム)

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車載コンピュータ

情報機器と情報社会のしくみ素材集より引用

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情報機器と情報社会のしくみ素材集より引用http://kyoiku-gakka.u-sacred-heart.ac.jp/jyouhou-kiki/sozai/jht-kairyu.html

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地球シミュレータを使った自動車に関する高解像度シミュレーション事例

提供:東京大学生産技術研究所 ES空力研究チーム日本自動車工業会 海洋研究開発機構 共同研究 提供:東京大学生産技術研究所 ES空力研究チーム主査:電気通信大学 坪倉 誠 助教授

協力:株式会社日本レースプロモーション

日本自動車工業会 海洋研究開発機構 共同研究「車まるごとリアルタイム高精度シミュレーションの検討」

成果の一部

従来は数十万メ シ 程度に自動車を細分 数百CPUを使用して約1億メ シ で高解像従来は数十万メッシュ程度に自動車を細分化して衝突解析していたが地球シミュレータを使い壱千万から千四百万メッシュ(1,2ミリメートル程度まで)の細かさでシミュ

数百CPUを使用して約1億メッシュで高解像

度流体シミュレーションを実施。複雑な風の流れの変化を再現。数億、数十億メッシュで更に詳細な風の流れを再現できる見込。

2006/8/4サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト

石巻専修大学教育連携講座情報教育リエゾンプログラム(中学生講座) 31

2ミリメ トル程度まで)の細かさでシミレーションできた。(数百CPU使用)

更に詳細な風の流れを再現できる見込。

Page 32: さまざまなコンピュータ さまざまなコンピュ タ · •ムーアの法則(Moore‘s law) 5 •いろんなところで使われるコンピュータ 6 •ス パ

終わりに• さまざまなコンピュータで話を始めたにしては具体的なコンピュータの話をあまり

しないままで、時間が無くなってしまいました。

私が学生時代は実験室に実験機が置いてあり 商用機があるのは先進的企業• 私が学生時代は実験室に実験機が置いてあり、商用機があるのは先進的企業、一部の大学に限られていました。たまたま私がいた研究室は(今から見ればちっぽけなハードウェアだけの)3種類の計算機が自由に使える当時では非常に恵まれた環境にあり、電気・機械・製図どれも苦手とした私でもソフトウェアに関して十分活躍の余地があると思 たのが ンピ タに長く関わるき かけになりました分活躍の余地があると思ったのがコンピュータに長く関わるきっかけになりました。

• 現在ではディスプレイ、キーボード、マウス等とパソコンによる(殆どは携帯電話にも)快適な利用環境が用意されているので、それを支えるソフトウェア群、更にネットワークに先にあるコンピュータシステムを感じないでいますが、2,30年前ネットワ クに先にあるコンピュ タシステムを感じないでいますが、2,30年前は今のパソコンよりかなり能力の低いコンピュータを大勢で共有して研究や業務に使っていました。パソコンにはまだ知らない使い方・楽しみ方が無限にあると思います。

• やや詳しく説明したスーパーコンピュータはハードウェアに関しては曲がり角に来• やや詳しく説明したスーパーコンピュータはハードウェアに関しては曲がり角に来ていますが、まだまだ発展すると思います。使い方に関してはまだまだ無限の可能性があると思います。理論、実験に次いでコンピュータシミュレーションが第3の科学技術発展のツールとも言われていますが、対象になる科学技術の発展が待たれている分野もあるようです待たれている分野もあるようです。

今日の私の話で今までより少しでもコンピュータに興味を持って頂ければ幸いです。

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ご静聴ありがとうございました。ご静聴ありがとうございました。

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