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脳卒中診療のポイント
・脳卒中診療は問診、身体所見、検査を無駄なく、迅速に、不足なく施行する必要がある
・脳梗塞超急性期に対してtPA治療、血管内治療が普及が進んでいることからスピードの重要性が問われている
・問診→身体所見→検査→治療の流れで、来院60分以内が目標
・不必要なMRIのシークエンスの撮影で時間を浪費し、tPA治療が遅れるようなことがあってはならない
発症後の時間からみた治療法の選択
至適治療法開始時間 ラクナ梗塞 アテローム血栓性脳梗塞 心原性脳塞栓症
超急性期(≦4.5時間)血栓溶解療法
・血栓溶解薬(t-PA)虚血性脳血管障害急性期(発症後4.5時間以内)
超急性期(≦4.5時間)~その後の急性期
脳保護療法・脳保護薬(エダラボン)
フリーラジカル消去、脂質過酸化抑制により脳細胞を酸化的障害から保護発症後24時間以内
その後の急性期
・抗脳浮腫療法(グリセロール)血液の浸透圧を上げて脳細胞への水分移行(浮腫)を抑制
抗血栓療法
・抗血小板療法(アスピリンまたはシロスタゾール)
・抗血小板療法(アスピリン、クロピドグレル場合によりアルガドロバン)
•抗凝固薬(ヘパリン)
血栓溶解療法
・t-PAが4.5時間以内
・4.5時間以内の発症でも早ければ早いほど良好な転帰が期待できる
・血流再開通が得られなかった場合、発症から8時間以内の脳血栓回収用機器による血管内治療を考慮してもよい
再発予防のための抗血栓療法・非心原性脳梗塞の再発予防には、抗血小板薬の投与が推奨される
・非弁膜症性心房細動を持つ脳梗塞または一過性脳虚血発作(TIA)患者の再発
予防にNOACであるダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバン、またはワル
ファリンによる抗凝固療法を行うよう勧められる
・ NOACはワルファリンと比較して、頭蓋内出血を含め重篤な出血合併症は少な
いので、NVAF例の二次予防にはNOACによる抗凝固療法をまず行うよう勧めら
れる
・ダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバン、エドキサバンのいずれかによる
抗凝固療法時は、腎機能、年齢、体重を考慮し、各薬剤の選択と用量調節を行う
よう勧められる
新規抗凝固薬服用患者における頭蓋内出血の年間発現率
ダビガトラン220mg/d
ダビガトラン300mg/d
ワルファリン リバーロキサバン
ワルファリン アピキサバン ワルファリン
0
0.4
頭蓋内出血の年間発現率(%/
年)
1.0
0.2
RE-LY ROCKET AF ARISTOTLE
0.8
0.6
0.23
0.32
0.76
0.50
0.70
0.33
0.80
血行再建術
・脳梗塞の再発予防における外科的治療として頚動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy:CEA)および頚動脈ステント留置術(carotid artery stanting:CAS)ある
・頚動脈高度狭窄による脳卒中は内科的治療単独に比べ、CEAやCASによって低く抑えることができる
・TIAを含む虚血イベントのエピソードがないか確認しながら、定期的な画像病変の進行がないか評価し、適切なタイミングで血行再建術の適応を検討する