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授業科目名(講義題目)
国際経営(2020 年)(Global Environment of Business)
開 講 学 期単 位 数
前 期2単位
担 当 教 員 星 野 裕 志講義コード
科 目 区 分対 象 学 生
選 択1・2年生20176006
火曜日 2 時限
開講予定日① 4/14 ② 4/21 ③ 4/28 ④ 5/7 ⑤ 5/12 ⑥ 5/19 ⑦ 5/26 ⑧ 6/2⑨ 6/16 ⑩ 6/23 ⑪ 6/30 ⑫ 7/7 ⑬ 7/14 ⑭ 7/21 ⑮ 7/28
履 修 条 件特に指定しないアジア・ビジネス関連の基礎科目の位置づけ
キーワード多国籍企業、経営環境、グローバル・オペレーション、企業戦略
授 業 形 態(項 目)
・講義・グループワーク・ディスカッション
使 用 す る教 材 等
・板書・スライド資料(電子媒体)
授 業 の 概 要 多くの企業にとって、原材料輸入や製品の輸出だけでなく、情報や技術などの移転も合わせて、海外との関係なしに事業が成立し得ない。企業活動のグローバル化について、そのプロセス、多国籍企業化の理論、経営環境、組織を中心に、多国籍展開の枠組みと戦略を体系的に考える。本講義では、日本企業の国際経営を含めて、多国籍企業が展開するグローバル・オペレー
ションの具体的な事例を取り上げながら、市場、投資、生産、購買、マネジメントなど、企業を取り巻く環境変化への対応を分析する。従来の多国籍企業研究は、主に製造業の動向の分析が多く見られたが、今日製造業と並んでサービス産業などの非製造企業の動きも、経済のソフト化と共に重要視されていることから、製造業と非製造業の双方のグローバル展開を取り上げる。講義とケース・メソッドによる教育を行うことで、経営知識の修得と経営管理能力の向
上を目指す。また市場環境の変化の捉え方と戦略構築に関して、外部からのゲスト・スピーカーを交えて、具体的な企業の事例について双方向の議論を行うことでさらに理解を深める。アジア・ビジネス関連科目など、企業の国際経営に関する選択科目受講への基盤作りを
目標とする。本シラバスの基本的な枠組みは変わらないが、講義開始時に実際の日程に基づいて若干の変更はありうる。
授業の進め方 1 テーマに沿った講義とケースのディスカッションを中心に進める2 指定した課題文献を事前に購読し、要点整理を行う3 ケースに関するグループ・ワークを通じて、多様な分析の視点を学ぶ4 各自の問題意識に基づいて、質疑、コメントおよび内容補足を行う5 ケースの課題に関して、レポートをまとめて提出6 外部から関連のトピックに関わるゲスト・スピーカーを招き、質疑とディスカッショ
ンを行う
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教科書および参 考 図 書
教科書: 特に指定しない。講義は受講者に配布するコース・パケットと講義資料に基づいて進める。利用するケースは各自で購入(方法は初回に説明する。なおシラバスに記載したケースは変更の可能性あり)。
参考図書: 講義の理解を助けるために、参考として以下の文献を紹介する。 (a.必要性の区分:●参考)吉原英樹(2015 年)『国際経営(第 4版)』有斐閣,2,200 円浅川和宏著(2006 年)『グローバル経営入門』日本経済新聞社,3,080 円Bartlett, Christopher and Ghoshal, Sumantra (1998) Managing Across Borders, Harvard
Business School Press,4,800 円くらい
試験・成績評価 の 方 法 等
ケース課題の提出: 40パーセント(課題提出4回程度)クラスへの貢献 : 35パーセント(出席自体は評価の対象にならない。講義への貢献 が求められる)最終レポート : 25パーセント(課題は講義中に指示する)
WebCT 九州大学 e ラーニングシステム Moodle を利用します。●欠席時の講義資料やケースとその課題については、各自で「2020年度前期火7 国際経営」にログインして、入手のこと。
●毎回講義の3日前の土曜日までに、講義資料の PPT をアップロードするので、各自プリントアウトして講義に持参ください。
●受講を希望・検討する学生は、必ず初回の講義(4月14日)に出席のこと。●本シラバスに基づいて講義を行うので、今後シラバス集に収録のシラバスは参照しないでください。
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第 1 回 目 (4 月 14 日)
<講義テーマ>コース・ガイダンス:コースの概要説明と多国籍企業化の概念について
<講義のねらい>・この講義で何を学ぶのか・シラバスの説明(講義の進め方、教材の入手方法など)・企業の国際化と多国籍化の考え方の理解
<参考文献等>なし
第 2 回 目 (4 月 21 日)
<講義テーマ>企業活動の国際化と多国籍企業化ケース①:「自動車メーカー A 社の海外戦略」九州大学ビジネス・スクール・ケース(2006年)
<講義のねらい>・企業のグローバル・オペレーションのプロセスの理解・さまざまな国際経営の形態の理解・講義とケース・メソッドによる教育についての理解
<参考文献等>「自動車メーカー A 社の海外戦略」 九州大学経済学府 産業マネジメント専攻 06-010-01McNair, Malcolm, The Case Method at the Harvard Business School, 慶應義塾大学ビジネス・スクール訳(1977年)『ケース・メソッドの理論と実際』9~21ページ、東洋経済新報社
Jones, Geoffrey 著、安室憲一・梅野巨利訳(2007年)『国際経営講義』21~55ページ、有斐閣
第 3 回 目 (4 月 28 日)
<講義テーマ>企業の多国籍化の諸理論
<講義のねらい>・企業の多国籍化の枠組みの理解・市場参入の方法の理解・多国籍企業化に関する代表的な理論の理解
<参考文献等>江夏健一・長谷川信次・長谷川礼編著(2008年)『国際ビジネス理論』3~89ページ(抜粋)、177~
183ページ、中央経済社
授 業 計 画
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第 4 回 目 (5 月 7 日 木)
<講義テーマ>市場参入ケース②:「イケア:日本での失敗と再参入の成功」ICMR Center for Management Research(2010年)
<講義のねらい>・グローバル規模での展開と適地経営の理解・参入障壁と事業環境・現地化戦略
<参考文献等>「イケア:日本での失敗と再参入の成功」ICMR Center for Management Research、J308-270-1(2010年)Cusumano, Michael & Markides, Constantine 著、グロービス MI 監訳(2003年)『戦略論』200~224ペー
ジ、東洋経済新報社吉原英樹、白木三秀他編(2013年)「第11章流通 アジアにおけるグローバル小売競争」『ケースに学
ぶ国際経営』240~264ページ、有斐閣
第 5 回 目 (5 月 12 日)
<講義テーマ>標準化と適応化戦略①
<講義のねらい>・市場細分化によるアプローチの違いの理解・戦略としての標準化と適応化の理解・企業の参入戦略
<参考文献等>諸上茂登著(2013年)「第1章 国際マーケティングの概念と進化モデル」3~12ページ、「第2章グロー
バリゼーションの現実」13~19ページ、「国際細分化戦略」103~112ページ『国際マーケティング講義』、同文舘出版
Levitt, Theodore(1990年)「市場のグローバル化」J.C. ベーカー他編、中島潤他訳『国際ビジネス・クラシックス』430~450ページ、文眞堂
第 6 回 目 (5 月 19 日)
<講義テーマ>標準化と適応化戦略②ケース③:「香港ディズニーランド」Richard Ivey School of Business Administration, Western Ontario
University(2014年)
<講義のねらい>・グローバル・オペレーションと現地化・グローバル展開の組織構造と課題の理解・適応化
<参考文献等>「香港ディズニーランド」Richard Ivey School of Business Administration, Western Ontario University,
9B07MJ13(2014年)Bartlett, Christopher A. & Ghoshal, Sumantra 著,吉原英樹訳(1990年)『地球市場時代の企業戦略』55~
75ページ、日本経済新聞社Ghemawat, Pankaj 著、望月衛訳(2009年)『コーラの味は国ごとに違うべきか』62~78ページ、文藝
春秋
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第 7 回 目 (5 月 26 日)
<講義テーマ>海外への輸出
<講義のねらい>・市場内取引・九州からの農作物輸出の可能性と課題・独自性のあるビジネス・モデルの構築
<参考文献等>Hitt, Michael, Hoskisson, Robert & Ireland Duane 著、久原正治、横山寛美訳(2010年)『戦略経営論 競争
力とグローバリゼーション』352~374ページ、センゲージ・ラーニング九州経済産業局(2018年)「輸出向け農産物開発・ブランド化に向けた・アジアでの実態調査事業報
告書」1~32ページ
第 8 回 目 (6 月 2 日)
<講義テーマ>開発途上国市場へのアプローチ①
<講義のねらい>・企業の新興市場・開発途上国の事業展開・BOP ビジネスの現状と課題・ビジネス・モデルの模索
<参考文献等>経済産業省貿易経済協力局編(2010年)『BOP ビジネスのフロンティア —途上国市場の潜在的可能
性と官民連携』 21~44ページ、(財)経済産業調査会今井雅和(2016年)『新興市場ビジネス入門 – 国際経営のフロンティア』101~113ページ、中央経済
社星野裕志「第15章 連携による開発途上国への参入」、(2012年)『多国籍企業と新興国市場』285~301
ページ、文眞堂
第 9 回 目 (6 月 16 日)
<講義テーマ>開発途上国市場へのアプローチ②ケース④ :「バングラデシュ GYM 社」(2015年),「グラミン雪国まいたけ」(2011年)九州大学ビジ
ネス・スクール・ケース
<講義のねらい>・企業の新興市場・開発途上国への参入・ソーシャル・ビジネス(アントレプレナー)・持続性のある事業展開(SDGs: Sustainable Development Goals)
<参考文献等>「バングラデシュ GYM 社」九州大学経済学府産業マネジメント専攻 15-040-001(2015年)「グラミン雪国まいたけ」九州大学経済学府産業マネジメント専攻 11-040-001(2011年)谷本寛治(2008年)『企業社会のリコンストラクション』369~407ページ、千倉書房
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第 10 回 目 (6 月 23 日)
<講義テーマ>戦略的提携と合弁事業(J.V.)
<講義のねらい>・合弁事業、提携戦略の理解・直接投資、間接投資、提携による市場拡大・戦略的提携の利点とコストの理解
<参考文献等>Hamel, Gary & Doz, Yves 著、志田勤一監訳(2001年)『競争優位のアライアンス戦略』2~34ページ、
ダイヤモンド社長谷川信次著(1998年)『多国籍企業の内部化理論と戦略提携』137~164ページ、同文舘出版Hitt, Michael, Hoskisson, Robert & Ireland Duane 著、久原正治、横山寛美訳(2010年)『戦略経営論−と
競争力とグローバリゼーション』377~417ページ、センゲージ ラーニング
第 11 回 目 (6 月 30 日)
<講義テーマ>日本企業の国際化の課題①: 製造業の多国籍化 ケース⑤:「ホンダジェット(A)」「ホンダジェット(B)」(2017年)慶応義塾大学ビジネス・スクー
ル・ケース
<講義のねらい>・海外オペレーションの管理と意思決定の権限・新規市場参入の課題・競争優位性の構築
<参考文献等>「ホンダジェット(A)」(文献番号21121)「ホンダジェット(B)」(文献番号21122)慶応義塾大学ビ
ジネス・スクール・ケース(2017年)大石芳裕著(2017年)『実践的グローバル・マーケティング』163~174ページ、ミネルヴァ書房江夏健一・高井透・土井一生・菅原秀幸編(2008年)『グローバル企業の市場創造』3~26ページ、中
央経済社
第 12 回 目 (7 月 7 日)
<講義テーマ>日本企業の国際化の課題② : サービス産業の多国籍化
<講義のねらい>・非製造企業の特性とグローバル展開・サービス産業の海外展開に関する課題・グローバル人材の育成
<参考文献等>安室憲一他著(2007年)『新グローバル経営論』215~232ページ、白桃書房江夏健一・大東和武司・藤澤武史編(2008年)『サービス産業の国際展開』「第1章 サービス企業の国
際化」1~17ページ、127~157ページ中央経済社
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第 13 回 目 (7 月 14 日)
<講義テーマ>異文化マネジメントと内なる国際化ケース⑥:「株式会社麻生 飯塚病院 ~内なる国際化~」九州大学ビジネス・スクール・ケース(2011
年)
<講義のねらい>・異文化マネジメントと組織の活性化・多様な人材の育成と活用・クロス・カルチャーと多様性のシナジー
<参考文献等>「株式会社麻生 飯塚病院 ~内なる国際化~」九州大学経済学府 産業マネジメント専攻 11-010-001吉原英樹著(1989年)『現地人社長と内なる国際化』3~27ページ、東洋経済新報社馬越恵美子著(2011年)『ダイバーシティ・マネジメントと異文化経営』157~173ページ、新評論
第 14 回 目 (7 月 21 日)
<講義テーマ>グローバル・ロジスティクス
<講義のねらい>・グローバル・オペレーションをサポートするロジスティクス機能の理解・サプライチェーンの構築と企業の優位性・ロジスティクス・マネジメントの基本コンセプトの把握
<参考文献等>星野裕志(2003年)「グローバル SCM と国際物流」山下洋史、諸上茂登、村田潔編著『グローバル
SCM』139~157ページ,有斐閣
第 15 回 目 (7 月 28 日)
<講義テーマ>グローバリズムと企業・多国籍企業化の功罪講義のレビューと総括
<講義のねらい>・コースの重要なポイントのまとめ・企業の国際経営の課題についてのディスカッション
<参考文献等>Stiglitz, Joseph・E. 著、楡井浩一訳(2006年)『世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す』283
~313ページ、徳間書店Rugman, Alan M. 著、江夏憲一・太田正孝他訳(2010年)『ラグマン教授の国際ビジネス必読文献50選』
Ⅰ~Ⅵ、中央経済社星野裕志(2013年)「世界の価格競争の犠牲となるバングラデシュの実態」『エコノミスト7月30日号』、
毎日新聞社