40
2020/06/23 第1回マイナンバー制度及び国と地⽅のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ デジタル・ガバメントの抜本的改善に向けて フューチャー株式会社 取締役 CTO 齋藤洋平 1.全体設計と総点検 ・法制度とシステムアーキテクチャ 住基ネット最⾼裁判決の技術的解釈の明確化 分散管理≠個別バラバラ 例)個⼈に付与される番号 マイナンバー、機関別符号、住⺠票コード、宛名番号、電⼦証明書シリアル番号 ・国と地⽅⾃治体 マイナンバー関連システム、住基ネット、⾃治体システム群のトータルデザイン 共通領域の最⼤化とインターフェースの標準化 J-LIS の体制強化(⺠間⼈材の活⽤、国の関与) ・データと機能(処理)の最適配置 世帯情報、⼝座情報、メールアドレス、フリガナ、ローマ字表記 「⼀部だけオンライン」から「⼀気通貫オンライン」へ 2.マイナンバーカード UX の抜本的な⾒直し ・国⺠のデジタル活⽤度に応じた多様な⼿段 ・発⾏、更新のオンライン完結 ・スマートフォンなどを活⽤した IC カード以外の選択肢の早期提供 ・⽣体認証などのパスワードに依存しない認証の仕組み 3.コストパフォーマンスと変化対応⼒のあるシステムの実現 ・24/365 安定稼働できる仕組み ・オープンスタンダード技術の最⼤活⽤(技術⾰新メリットの最⼤限享受) ・オープンデータやオープンソースコミュニティとの連携(シビックテック) ・1トランザクションあたり IT コストの最⼩化 以上 資料3-1 齋藤構成員提出資料

資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

  • Upload
    others

  • View
    4

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

2020/06/23 第1回マイナンバー制度及び国と地⽅のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ

デジタル・ガバメントの抜本的改善に向けて

フューチャー株式会社取締役 CTO

齋藤洋平

1.全体設計と総点検・法制度とシステムアーキテクチャ

住基ネット最⾼裁判決の技術的解釈の明確化分散管理≠個別バラバラ例)個⼈に付与される番号

マイナンバー、機関別符号、住⺠票コード、宛名番号、電⼦証明書シリアル番号・国と地⽅⾃治体

マイナンバー関連システム、住基ネット、⾃治体システム群のトータルデザイン共通領域の最⼤化とインターフェースの標準化J-LIS の体制強化(⺠間⼈材の活⽤、国の関与)

・データと機能(処理)の最適配置世帯情報、⼝座情報、メールアドレス、フリガナ、ローマ字表記「⼀部だけオンライン」から「⼀気通貫オンライン」へ

2.マイナンバーカード UX の抜本的な⾒直し・国⺠のデジタル活⽤度に応じた多様な⼿段・発⾏、更新のオンライン完結・スマートフォンなどを活⽤した IC カード以外の選択肢の早期提供・⽣体認証などのパスワードに依存しない認証の仕組み

3.コストパフォーマンスと変化対応⼒のあるシステムの実現・24/365 安定稼働できる仕組み・オープンスタンダード技術の最⼤活⽤(技術⾰新メリットの最⼤限享受)・オープンデータやオープンソースコミュニティとの連携(シビックテック)・1トランザクションあたり IT コストの最⼩化

以上

資料3-1 齋藤構成員提出資料

Page 2: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題

マイナンバーカードカードの普及まだ約2000万枚申込から交付まで約1ヶ月月330万枚しか発行できない4種のパスワードを管理する必要生体認証に対応していない

住民基本台帳ネットワーク世帯情報は管理せず異動情報をプッシュ通知できず住基文字+外字画像データ

オンライン申請サイト利用者による入力間違いが多発世帯など住民情報にアクセス不可利用途中で何度もPIN入力が必要入力された口座の実在確認できず誤入力の修正に個別連絡が必要

全銀システム統合ATM NWカナ氏名しか参照できない口座の実在確認は原則振込時

自治体住民管理システム100万文字を超える独自外字口座は持っているが目的限定1741団体が個別に調達前年度所得のみ税申告で把握

自治体窓口カード発行・PIN変更で行列専用窓口で年1,000万枚交付(新型コロナ対策で余力は縮小)

マイナポータル自己情報API氏名・住所など参照できない参照はカードとPIN入力が必要

情報提供ネットワークシステム基本4情報・世帯情報は管理せず異動情報をプッシュ通知できず照会時に照会先を指定する必要

マイナンバー(個人番号)番号法別表1の事務のみ利用給付金事務では利用できず

公的個人認証サービス署名検証の処理能力が低い迅速な処理能力の拡張が困難クラウドからアクセスできず

金融機関個別システム漢字氏名・生年月日を持つ付番口座は十分に進捗せず休眠口座・旧住所の口座多数直近の金融明細を保有

住民との接点 ネットワーク データソース

国税総合管理システム年収500万円以上の給与所得振替納税・還付等の口座のみ

企業の給与計算システム給与所得者の給与振込口座年末調整による還付

年金システム年金受給者・口振対象口座

資料3-2

楠構成員提出資料

Page 3: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

ToBe: 円滑な給付の実現・住民サービスの高度化へ向けた提案

即時発行の共通eIDアプリを提供申し込んだら即座に利用可能生体認証と連携してPINを不要に健康保険証はじめ各種資格証明同一世帯員・任意代理・法定代理民間窓口で休日夜間も取得可能自由に使える安全な識別子の提供外部DID, SSIへの属性証明の提供 住民情報連携の高度化

世帯など関係属性情報の流通在留資格・法定代理などの連携異動情報の通知・差分更新外字の撤廃・項目の共通化各種資格照会機能の提供

口座連携機能の強化口座実在確認・付番確認の提供漢字氏名・生年月日での名寄せマイナンバー関連の電文追加

自治体住民管理システム標準化・共通化の推進外字の撤廃・文字同定の推進住民マイデータAPIの整備住民票での読み仮名の管理非対面で窓口同様の世帯員代理口座紐付・同意取得の推進

官民連携基盤の整備民間窓口・アプリ等と接続引越・相続ワンストップを実現異動や最新の基本4情報を提供

公的個人認証サービスの高度化クラウドからの利用解禁クラウド活用による柔軟な拡張証明書有効期限の撤廃共通eIDアプリへの証明書発行

個人番号関係事務の簡素化付番済口座宛の送金について本人確認・番号確認を不要に

住民との接点 ネットワーク データソース

民間アプリ等との連携民間ノウハウとデータを活かして使い勝手の良いサービスを実現デジタル完結で双方向のやりとり複数の民間アプリ間で競争・連携

民間窓口の積極活用コンビニ・金融機関・通信事業者等を通じた住民窓口の拡充休日夜間のID発行PIN変更に対応

デジタルファーストの制度検討制度検討の当初からデジタル前提でUX設計・業務プロセスを構築

民間データの積極的な活用足元の所得変動や、収入減の分布・規模など民間保有情報を活用した機動的な政策立案と申請手続き簡素化の実現

先進地域・コミュニティでの試行地域・対象者を限定し試行開発を推進、定着した仕組みを全国展開

Page 4: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

Appendix: 提言骨子• マイナンバー制度・マイナンバーカードの強化

• マイナンバーカードの利便性の抜本的向上• 多様な資格の確認(健康保険・障害者手帳だけでなく運転資格・在留資格・教員・士業・医師など、具体的なユースケースを元に計画立案)• UX改善 –何度ももかざさず一通りの機能を利用できるように(基本4情報取得・資格確認・署名)• 利用者証明だけでなく同意取得・データ連携・資格証明・チャットなど、利便性向上に必要な機能をサービス・アプリとセット提供• 証明書のスマホ内蔵、デジタル証明書のオンライン更新、資格証明機能、より強力なプライバシー保護機能、窓口同様の世帯員代理• スマホの生体認証と連携させて、官民のWebサイトで自由に利用可能な認証手段として提供

• GIGAスクール構想などのオンライン教育・学校検診、資格試験、クレジットカード利用明細、電子決済等で広く利用可能に• 民間の利用拡大のための措置(民間サービスのクラウドからの接続解禁、署名検証費用の見直し、具体的な利用メリットの提供)

• マイナンバーカードの取得促進• カード申請を容易に(児童手当や国保、年金などでの接点の活用。オンライン申請用QRコード付様式の再送付)• マイナポイント・定額給付金は十分なインセンティブ、今後むしろ交付に時間を要すること、交付枚数の限界が課題に

• 申込直後からスマホ内蔵の利用者証明用電子証明書を利用でき、後から郵送で物理カードを受け取れる仕組みとしてはどうか• 名称の見直し:マイナンバー(番号)とマイナンバーカードの違いが分かりづらい。容易に区別できる短い名称が必要

• マイナンバー制度の利活用範囲の拡大• 官民情報連携基盤の構築 -引越・相続ワンストップへ向けて官民をまたいだ双方向のデータ流通基盤が必要• 異動情報の共有、最新住所の照会、世帯情報の連携、複数機関をまたいだ申請の円滑な仲介に必要な機能の整備• 人気・倍率が高い公的サービス(公営住宅、イベント等)の申込におけるマイナンバーカードの積極的な活用の推進• レシートの電子化によるセルフメディケーション税制の税控除申告簡素化など生活に密着した具体的なユースケースの拡大• 番号関係事務の負担軽減:例えば付番済口座への送金は付番有無の確認を以て番号確認・本人確認の代替として認めてはどうか

• 推進体制の整備• 国と地方を通じたデジタル基盤の構築

• 住基ネット・情報提供ネットワークシステム・公的個人認証サービス・マイナポータル等、国と地方を結ぶシステムの一体的な見直し• 自治体システム標準化の推進:紐付けを考えたデータ項目の追加(氏名フリガナ等)・オンライン申請API等の整備• 国と自治体と連携したDXの推進:人材登用・ベンダーとの関係見直し、国・自治体・ベンダー等を含めたラボの設置• 全国垂直立ち上げではなく先進地域・コミュニティを通じた実証:まずは小規模で検証し成功したものを横展開するプロセスの構築• 国と自治体、人件費と物件費の全体を考慮した経費管理・事務合理化を考えることのできる管理会計・制度/業務プロセス設計の検討• 自治体の共通システムを自治体が共益費としてJ-LISを通じて負担するのではなく、国として戦略的に先行投資し全体最適化できる体制の構築

• マイナンバー制度及びデジタルガバメントに係る体制の抜本強化• 紙の様式を前提としないデジタルファーストでの制度整備(ワンスオンリー原則の徹底、手作業での申請・受付事務の最小化)• 国が責任を持って推進できる体制の構築(ベンダー依存からの脱却、アーキテクチャ検討・プロトタイプ構築・品質管理の内製化)• 二線強化によるシステムリスク管理(リリースプロセスの確立、品質管理・受入テストに係る専門家の登庸、リリース判断に係る権限分掌)

Page 5: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

基幹業務のシステムの標準化の取組状況と課題について

庄司昌彦 Masahiko SHOJI

武蔵大学社会学部メディア社会学科 教授国際大学GLOCOM 主幹研究員内閣官房オープンデータ伝道師

1

資料3-3 庄司構成員提出資料

Page 6: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

2040年問題に向けて• 総務省:自治体戦略2040構想研究会

• 総務省:地方自治体における業務プロセス・システムの標準化及びAI・ロボティクスの活用に関する研究会(スマート自治体研究会)↓

• 総務省:自治体システム等標準化検討会

2

2040年• 高齢者人口のピーク• 生産年齢人口は1995年の

8,726万人が、2040年には6,000万人以下に

• 高齢者の増加や生産年齢人口減少は地方自治体の予算や業務をさらに逼迫

既に危機の自治体も• 全国の市区町村職員のうち、非正規職員の数と割合は年々増えており今や3人に1人

• 職員287人のうち65%が非正規職員の自治体も

• 職員の半数以上が非正規の市町村は92。

NHKニュースおはよう日本2019年2月10日(日)急増“非正規公務員” 地方自治体に何が

Page 7: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

3

Page 8: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

4総務省税務システム当標準化検討会資料より

Page 9: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

基幹業務システムの標準化から見える課題• 地方のデジタル基盤を標準化・共通化していくことが必要

– ゴールは「2040年」だけではなく、2~3年、5年、10年後にも戦略的に設定していくことが重要

– 業務・システムの改革を多分野で進めていく必要– 政府のシステムとも連携・共同化を進める必要– ベンダーの競争・ベンダーの工夫を促すことも考慮– 住民と職員の課題を解決する使いやすい業務プロセス・システムを作るデザインが必要

• 様々な規模や既存システムの自治体の現状に基づき標準化していくには大変な労力が必要

– 標準仕様書が出来上がっても、普及には時間がかかる– 情報システムを抜本的に改革できる機会は調達サイクルに合わせて数年に1度– 抜本改革に合わせて条例やガイドラインの改定、業務プロセスの組み直しが伴う可能性もある

• 強く政府が後押しする必要がある– ヒト・モノ・カネ・時間・ルール…

5

Page 10: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

デジタル・セーフティーネット構築の課題

マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ提出資料(令和2年6月23日)

東京財団政策研究所研究主幹 森信茂樹

1

資料3-4 森信構成員提出資料

Page 11: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

デジタルセーフティーネットの構築1)制度的対応・欧米では、税と社会保障を連携したワーキングプア支援対策(勤労税額控除)などのセーフティーネット(制度)が存在。その執行のためのインフラが、フリーランスを含めた給付金の迅速給付につながった。・わが国でも今後そのような制度を検討していく必要がある。

2)マイナポータルを活用したデジタル基盤の構築・欧米では国民全員が国税のネットワークにつながり社会保障と連携しているが、わが国ではそうなっていない。そこで、マイナポータルを活用して税・社会保障を連携させる「日本型デジタルセーフティーネット」を整備してはどうか。

・マイナポータルを活用したサービスの充実は、国民がカードのメリットを認識することになり、カード取得につながる。

・その第一歩が、税務当局が納税者の申告書にあらかじめ所得金額や源泉徴収額など各種情報を記入する「記入済み申告制度」。すでに、マイナポータル仕組みが、「日本型記入済み申告制度」として構築されている。

・この制度を拡充し、マイナポータルがハブとなり、国・地方・民間(保険会社、金融機関など)からの様々な情報を、給付申請にもつなげ、税と社会保障の連携を図る。

・マイナポータル経由で、個人の収入(給与、雑所得、年金、児童手当など)・支出(社会保険料負担など)の情報が連携されば、フリーランス・ギグ・ワーカなどの社会保障が効果的・効率的に行われ、「デジタル・セフティーネット」の構築につながる。

・マイナポータルを、個人ごとの社会保障勘定、家計簿として位置付ける。各種情報はそれぞれの部署で保管、マイナポータルを開くと各種情報が一覧できるアプリを開発。

3)預金付番について 2

Page 12: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

マイナポータルの活用(イメージ図)

税務申告

中小企業基盤整備機構

保険者

生命保険会社

日本年金機構

自治体

損害保険会社

銀行

証券会社

特定公益増進法人政党 等

企業シェアリングエコノミープラットフォーマー

民間送達サービス

お知らせ

ぴったりサービス

申告書への自動転記

口座情報

医療費

損害保険料額

生命保険料額

掛金額

寄附金額

取引当事者間の決済情報

住宅ローン残高、利子所得額等

給与、退職所得、報酬額等

特定口座の年間取引高等

口座情報

申請

情報連携

マイナポータル

社会保障

年金情報の確認等

ハローワーク口座情報

自己情報取得

API連携

申告書

国民

税務当局

口座情報

生活保護

児童手当

児童扶養手当

介護保険

後期高齢者医療

障がい者福祉・・・

雇用保険

年金

預貯金口座

マイナポータルをハブとして情報をアプリで一覧できるようにする

Page 13: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

マイナンバー制度の基本設計がなされて10年、実施されてから5年が経過している。この間の環境の変化や課題から、ロードマップの実⾏は前提とした上で、特に重要だと考える5つの点について提案させていただく。1. 後発の⽇本が他国を研究し、国⺠的な議論が⾏われた結果、マイナンバー制度は、セキュリティ・プライバシーが⾼く1、利⽤範囲が広い2野⼼的なものになったが、⾼いセキュリティ・プライバシーが、利便性を低下させている。しかし、この10年で技術が⼤きく変化している。• 提⾔1:マイナンバーカードのソフトウェア化(別紙1)• 提⾔2:オンライン本⼈確認関連の根拠法3のアップデート

2. 年⾦機構のデータ漏洩事案への対応や⽇本のITベンダーの競争⼒の低下から、⾏政の情報システムは“世界でもユニーク”な細いネットワークでしかつながらない隔離されたものになっており、その上に公的個⼈認証やデータ連携等のしくみが構築されている。現在、政府でクラウド活⽤が動き出しており4 、地⽅もそれに合わせて情報システムを刷新したい機運が⾼まっている。• 提⾔3:「3層の構え」の⾒直しと政府の動きの整合5

• 提⾔4:“死の⾕” 6を想定した「⾃治体情報システム標準化」の軌道修正3. 2000年代後半から世界各国で⾏政が“デジタル⼈材”を増強7しており、⽇本との差は⼈数ベースで100倍以上に開いている。ITは議会の議論や選挙の公約が難しいのは海外でも同様であり、⾼い報酬を提⽰できない苦労も同じだが、デジタルが社会インフラであり、社会や経済への価値についてエビデンスが出ていることが後押しをしている。経産省や農⽔省、⾃治体におけるDX⼈材募集は100倍以上の⼈気になっている。• 提⾔5:デジタルサービスチームの創設

“抜本改善”の⽬の付け所

脚注:別紙2を参照分析と提⾔:太⽥直樹が政府、⾃治体、ソーシャルセクター、IT企業等と議論した上で作成(令和2年6⽉)

資料3-5 太田構成員提出資料

Page 14: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

本⼈確認ガイドライン1 現状(サービス例について) 次世代(案)

マイナンバーカードによる⾝元確認でアカウントを作成し、アカウント作成後はマイナンバーカードの耐タンパ性ハードウェアトークンによる当⼈認証を実施

マイナンバーカード等による⾝元確認でアカウントを作成し、アカウント作成後はマイナンバーカード若しくはこれによることができない場合、その他の多要素認証による当⼈認証を実施

⾝元確認を⾏わずにオンラインでアカウントを作成し、アカウント作成後は単要素認証で当⼈認証を実施

レベルA(例:児童⼿当の現況届け)

レベルB(例:⺟⼦向け情報サービス)

レベルC(例:図書館利⽤)

マイナンバーカードを使って⼿続きが⾏われているが、6桁以上のPINを記憶していない/間違える利⽤者が多い

利⽤の都度マイナンバーカードを使って、PINを⼊⼒する必要があり、利⽤頻度の⾼いサービスでは、利⽤者にとっての利便性が低く、サービス普及の障壁となっている

⾝元確認は⾏われており、認証については複数の⽅法がある・カードAP⽅式・シリアル番号とのID連携⽅式・マイキープラットフォーム

ロック解除の窓⼝を増やす(クレジットカード等もオンラインではロック解除できない)

(カードの保有を前提として)⼆つの⽅式でソフトウェア化2を検討1)アプリの電⼦証明書を開発2)マイナンバーカードと⺠間IDを紐づける

PINではなく⽣体認証も可能

1:⾏政⼿続におけるオンラインによる本⼈確認の⼿法に関するガイドライン、2019年2⽉25⽇2:ソフトウェアトークンの認証強度については、ガイドラインに照らし合わせた確認を⾏い、それに応じた利⽤範囲も合わせて検討する

分析:太⽥直樹が⾃治体やIT企業のヒアリングを元に作成(令和2年6⽉)

官⺠のオンラインサービスで、気軽かつ簡単に使える認証⼿段の開発・提供

別紙1

Page 15: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

1. ⾼いセキュリティとプライバシー:データを名寄せしない、対⾯で⾝元確認をして、耐タンパ性ハードウェアトークンを全国⺠に配布するなど。諸外国では経済性等の理由で採⽤していない⽅法をとっている。

2. 広い利⽤範囲:例えば、ドイツでは個⼈番号の利⽤を税に限っている。また、ワンスオンリーを約束しているのは、北欧の⼩規模の国が中⼼。⽇本は、別表第1で定義しながらも、税や社会保障で広範な利⽤を想定している。

3. オンライン本⼈確認に関する根拠法:真正に請求が成⽴したと推定する法的根拠。紙については、⺠事訴訟法(平成8年法律第109号)が「本⼈⼜は代理⼈の署名⼜は押印があるとき」としており、デジタルでは、電⼦署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律第102号)が「本⼈による電⼦署名が⾏われているとき」としているが、押印と電⼦署名では、様々な違いがある上に、そもそも紙のルールをデジタルにそのまま適⽤するのか等の議論がある。

4. 政府のクラウド活⽤:第2期政府共通プラットフォームでは、パブリッククラウドを活⽤することになった。政府初の本格的なクラウド活⽤となる。調達や契約についての、クラウド特有の課題についてのノウハウが蓄積されており、共有が期待される⼀⽅、既存システムのクラウド移⾏のノウハウが、ITベンダーに乏しい等の課題も浮き彫りになっている。

5. 「3層の構え」の⾒直しと政府の動きの整合:情報資産の取扱いルールが、政府のパブリッククラウド活⽤において整理されたが、ホームページ程度の情報資産しかクラウドに置けないという「三層の構え」による⾃治体の情報資産の取扱いとの差が⼤きい。これは、昨年12⽉から総務省で検討されている「⾃治体情報セキュリティ対策の⾒直し」でも課題が残っていると思われる。

提⾔の補⾜

6. 死の⾕:デジタル化率が30%程度までは、⾏政事務の効率がかえって低下すること。複数の事務で観察されている。死の⾕を超えると効率が⼤きく向上するが、⾕の越え⽅は事務の深い理解が必要。国による⾃治体情報システムの標準化は、合理的なように⾒えるが、この⾕に全⾃治体で落ちることになりかねない。⾃治体をいくつかのグループに分け、死の⾕を超える事務とシステムを確⽴し、それを共有する等、軌道修正の検討が必要。

7. 2000年代後半から世界各国で⾏政が“デジタル⼈材”を増強:電⼦⾏政を躍進させ⽶国など各国が研究した英国のGDS(Government Digital Service)は500名。多くは、事務職ではなく、エンジミアやデザイナーである。2011年の設⽴時は10名程度から出発した。全て内製している訳ではないが、仕様書の作成やそのリリース後の改善などを的確に遂⾏できる。

⽶国のUSDSは200名で、他に18Fという組織もある。電⼦政府でトップと評価されるデンマークは2000名でデザインが強い。シンガポールのGovtechチームは1800⼈でデータサイエンスやAIに強い。インドの国⺠ID(アダール)を⽀えるiSPIRTは300名(役⼈200名に⺠間のエンジニア等100名)。台湾の電⼦政府(DIGI+)のチームは40名で、指揮は8歳でプログラミングを習得し35歳でIT⼤⾂に就任したオードリー・タン⽒。

効率

オンライン化率

死の⾕

別紙2

Page 16: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

0

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

0

Kaz Ataka (安宅 和⼈)

慶應義塾⼤学SFCYahoo! JAPAN

マイナンバー制度及び国と地⽅のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ

June 23, 2019

“シン・ニホン”AI×データ時代における⽇本の再⽣とDG化

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

1

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

1

雑誌の表紙2019年 年末 2020年 3⽉

資料: 安宅和⼈「そろそろ全体を⾒た話が聞きたい2」ニューロサイエンスとマーケティングの間 2020-04-04 http://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2020/04/04/190643

資料3-6 安宅構成員提出資料

Page 17: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

2

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

2

現状認識• 国・地⽅ともに全くデジタル化できていない実態が露呈• 会議室もデジタル接続できない、、、HDMIではなくVGA• 情報がアナログ。FAX/pdfでしか集まらない情報• APIが基本⽋落• リモートワークを想定できていない

ü オフィスですら太い回線が⾜りていないü VPNが弱い上、各⼈が速い端末、⾼速回線を持っていない

• この期に及んでハンコが必要• Withコロナの第⼆波、第三波に備える必要がある• 不連続な変化に対し、現在の⾏政システムの対応⼒が弱い

3資料: https://en.wikipedia.org/wiki/Spanish_flu

第⼆、第三の波に備える必要がある

Page 18: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

4

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

4

COVID対応 • いかにダメージを少なくし、制圧し(安定的な平衝状態を実現し)、医療システムの崩壊を防ぐか。

基本コアシステム • ヘルスケア、ビジネス、教育、⾏政システム、飲⾷をどのようにこの状態で回すのか

OS的なインフラ機能 • 通信、物流、電気、ガス、⽯油、上下⽔道、ごみ処理などをどう⽌めずに回すか(農業・漁業もほぼココ)

お⾦ • 経済的に企業や家庭がどのようにしのぎ、⽴ち直っていくか

ルール作り • これらの不連続かつ急速な変化に対してどのようにフレキシブルかつ⼤胆に対応し、⽅向性を修正していくか

資料: 安宅和⼈分析

Withコロナ状況に伴う5つの課題領域

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

5

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

5

課題認識

• Withコロナ的な状況が続き、AI×データ化が次のフェーズに進むにあたり、残すに値する未来を作れるかが問われている

• デジタル・ガバメント化(DG化)≒ AI-ready度を⾼めること

• ⼿に⼊る限りのあらゆるデータからコンピューティングパワーを利⽤して学び、その⼒を活⽤する政府

Page 19: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

6

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

6

歴史的な局⾯産業⾰命(18~20世紀)

情報産業⾰命(現在)

新しいリソース

• 内燃機関• ⽯炭と⽯油• 電気⼯学

• ⼈間と家畜を⾁体労働、⼿作業から開放する

起きる変化

• ビッグデータ• ⾼い計算能⼒• 情報科学の進化

• ⼈間を退屈な数字⼊⼒、情報処理作業から開放する

資料: 安宅和⼈「データ時代に向けたビジネス課題とアカデミアに向けた期待」応⽤統計学セミナー2015.5.23 (http://www.applstat.gr.jp/seminar/ataka.pdf)

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

7

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

7

時間的な⽬安

資料 : 安宅和⼈ 経済産業省 産業構造審議会 新産業構造部会 第5回資料 (2016.1) http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/shin_sangyoukouzou/005_haifu.html

データ×AI化における産業化の⼤局観

必要な⼈

Phase Iデータ×AI化が進展

現在

• データとAI利活⽤が⼤半の産業で広がる

• サービス業が萌芽

Data professionals

Phase IIデータ×AI化の⼆次的応⽤が進む

2025?

• Power to the people(⼀般利⽤)の進展

• サービス業の拡⼤

専⾨性を持つ利活⽤⼈材

Phase III

インテリジェンスネット化

2035?

• エコシステム構築

エコシステム構築⼈材

活動の中⼼

7

Page 20: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

8

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

8

“データは21世紀の原油”

“データはこれまでのいかなる資源とも

抽出、精製、価値づけ、売買のやり⽅が異なる”

Source: The Economist May6th-12th 2017 8

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

9

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

9

Society5.0の前提、、”AI-ready化”

資料︓経団連 「Society 5.0 -ともに創造する未来-」(2018.11.13) http://www.keidanren.or.jp/policy/2018/095.html

Page 21: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

10

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

10

安宅 和⼈ (Kaz Ataka)

Chief Strategy Officer Yahoo! JAPAN

“AI ready”とは何か︖(試案)

内閣府⼈間中⼼のAI社会原則検討会議

June 1, 2018

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

11

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

11

AI readyな状況とは何か︖(1) ︓活動・⼈材Not this But this

• ただ単にAIによって⼈間の仕事をキカイに置き換える(想像⼒ゼロの利活⽤)

• 理数素養とデータ素養を持つ⼈がごく少数

• トップ⼤学、国研、トップR&D企業の専⾨家がいないと何もできない

• カッティングエッジな研究での世界的なプレゼンスも⼩さい

• 外部のベンダーの⼒を借りないとデータやAIをつかった事業の刷新、創造、運営⼀つできない

• 夢を実現するためにAIおよびデータの⼒を解き放つ(夢×技術×デザイン=未来)

• 理数・データ素養は基礎教養であり⾼等教育を受けた⼈はだれでも使うことが出来る

• ちょっとしたチューニングや学習は中⾼⽣でもでき(新しい技術家庭)、街の電気屋のようにそこら中に応⽤エンジニアがいる

• 世界的なエッジ的な研究をする⼈間も層が厚く存在している

• ⼤半の会社にアーキテクト的な⼈材がいて事業の刷新、創造、運営の要を担っている

資料︓安宅和⼈分析 11

Page 22: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

12

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

12

AI readyな状況とは何か︖(2)︓対象・作り込み

Not this But this

• 既存のICT的な業界以外は恩恵を受けない

• データやAIを使う試みが旧来のICTプレーヤー以外から⽣まれてこない

• すべての業界、機能がデータ×AI化し、便益をあらゆるところで受ける(霞ヶ関、学校も含めて)

• データやAIを使う新しい試みがあらゆるところから⾬後の筍のように⽇々⽣まれる

資料︓安宅和⼈分析 12

• データやAIの⼒を使いたい⼈や会社は何もかも⾃⼒で作るか、特定のベンダーに丸投げする必要がある

• 様々なAIがマッシュアップ的に使えるとともに、コアエンジンについては各ステークホルダーは⾃分たちなりの磨き込みをガンガン⾏い競い合っている

• 基本的な知⾒や気付きは実施した研究者や企業のものとしてブラックボックス化した上、利⽤が制限される

• 他の⾃然科学や⼯学分野同様、基本的な知⾒や気づきは速やかに⼈類の共通知・資産として共有され、更に⾼め合いが起きる

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

13

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

13

AI readyな状況とは何か︖(3)︓データ利活⽤Not this But this• ウェブ空間を除き、⼤半の⼈間の活動、

環境、リアル空間がデータ化していない• データを引き出すのに1ヶ⽉、データを統

合するのに半年、データをクリーニングするのに1年かかったりする

• (情報基盤ごとにベンダー仕様があり、疎結合的な利活⽤ができない)

• リアル空間も含めてことごとくデータ化しているか、いつでもデータ化出来る

• ⼤体のデータがリアルタイムに近い形で引き出せ、概ねそのままつないで使うことが出来る

• (⼤量情報基盤がベンダーに依存しない形でスケーラブルに整備されている)

資料︓安宅和⼈分析 13

• プライバシー議論と市⺠の低リテラシーが邪魔して、利活⽤が進まない

• リテラシーが⾼い市⺠が⼤半で、プライバシー課題が整理され、個⼈が便益を受けつつ、データを提供する関係が成り⽴っている

• ⽶国の5倍以上の処理コストがかかる• ⼤量データ処理やAI技術を内製的に持っていない

• 世界的にみても低廉にデータ処理出来る• ⼤量データ処理、AI技術に関し、⼗分に⾼い独⾃技術を持っている

Page 23: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

14

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

14

AI readyな状況とは何か︖(4) : 社会構造、リソース投下Not this But this

資料︓安宅和⼈分析

• AIネイティブ層とミドル層以上が完全に分離して、AIネイティブな会社と旧来の会社の⼆層に分かれてしまっている。

• ミドル・シニア層の⼤半が規制と既得権益を振り回す「じゃまオジ」になっている

• AIネイティブ層があらゆる分野の刷新の中⼼かつリードになって分野・業界を超えた再編・⾰新が進んでいる

• ミドル・シニア層は信⽤を与え、⼈をつなぎ、資本を出すという役割で補完しあっている

• Old economy中⼼、スケール時代の理⽂分離型かつ⽂系メインの⼈材育成モデル

• 学部学科制で才能の選抜、育成を⾏う教育システム

• 理⽂、専⾨にかかわらず理数・データ×AI、デザイン素養をベースに持つ境界・応⽤型の⼈材モデル

• 専⾨分野を横断し、経験を柔軟にミックス可能な⼈材育成システム

• AI readyな未来の可能性を信じず、社会福祉、ハード、社会インフラ投資に⼤半のリソースを投下し続ける

• 未来を信じ、⽶中に対抗しうるレベルで、⼗⼆分にAI readyになるまでリソースを⼀過性でなく投下し続ける

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

15

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

15

”AI-ready化”ガイドライン

資料︓https://www.keidanren.or.jp/policy/2019/013_sanko.pdf

Page 24: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

16

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

16

データ×AI⽂脈で⾒たこれから起きる本当の競争

資料: 安宅和⼈・⽮野和男 「⽣命に学び⼈に寄り添うAI」 ⽇⽴評論 2016年4⽉号 (http://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/2016/04/2016_04_00_talk.pdf)阿部豊 EdTechZine 2019.2.22(https://edtechzine.jp/article/detail/1807)

よくある誤解 本当の姿

• ⾃分とその周りの経験だけから学び、AIやデータの⼒を使わない⼈

• ⼿に⼊る限りのあらゆるデータからコンピューティングパワーを利⽤して学び、その⼒を活⽤する⼈

vs• AI vs ⼈間中国は中等教育段階で深層学習、GANまでの教育を2018年に導⼊開始

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

17

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

17

未来Future = 夢

Dream × 技術Tech × デザイン

Art

技術だけの問題ではない、、、妄想⼒とデザイン⼒“未来”の⽅程式

資料︓安宅和⼈ 「“シン・ニホン”AI×データ時代における⽇本の再⽣と⼈材育成」教育再⽣実⾏会議 技術⾰新ワーキング・グループ(第4回)配布資料 (2018.11.27) https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouikusaisei/jikkoukaigi_wg/kakusin_wg4/siryou.html

Page 25: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

18

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

18

あるべき姿

• 来たるべきAI×データ化におけるPhase II, IIIに即している

• 新しい⽣活に即している、、、多拠点⽣活

• ⽇本を⾒たら未来が⾒える、、、Estonia、India Stack、Virtual Singaporeを超える

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

19

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

19資料 : 安宅和⼈ 「⼈⼯知能はビジネスをどう変えるか」 Diamond ハーバード・ビジネス・レビュー (2015/11)

DXだけでなく第三種⼈類的な取り組みが必要

19

Old economy

New economy

第三種人類

Page 26: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

20

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

20

3つのフェーズに分けて考えてはどうか

資料: 安宅和⼈分析

⽌⾎(コロナ対応) DG化 再構築

COVID対応

基本コアシステム

OS的なインフラ機能

お⾦

ルール作り

Withコロナ状況でも社会の基礎システムとしての⾏政とOS的なインフラ機能が⽌まらないようにする

AI-ready化の視点で世界が常にwatchし、⽰唆を⽣み出す国となる

あらゆる社会の基礎システムのデジタル化を⼀気に実現すると共にagileな変化への対応⼒を築く

現在 2022春 2025? 2030?

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

21

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

21

⽌⾎(COVID対応)

1. 通信帯域や⾼速デバイスはもはやライフラインであり、未浸透世帯(特に⼦供・学⽣のいる世帯)に可及的速やかにインフラ普及を進め、⼀律補助する

2. 急激な患者数拡⼤を防ぐために不⽤意な密閉、閉鎖空間への⽴ち⼊り、対⼈近接を抑制する

3. 医療データ、各種ビッグデータを活⽤、統合し、状況をリアルタイムで可視化する4. ⾏政システムや医療診断(特にCOVID)や薬剤処⽅をスマホで可能にする5. 本⼈確認、印鑑承認、レシートなどの紙や直接(in-person)のやり取りが必要な

システムをすべてオンライン、デジタル署名化する(役所だけでなく銀⾏など⺠間も)

6. 対⼈でのものの受け渡しや現⾦の⽀払いを⽌める、、郵便、宅急便などは⼿渡しをとめる。現⾦でしか⽀払えないところはすべからく物理的接触が不要なバーコード決済を導⼊する(タクシーや飲⾷店など)

7. オープンイノベーションをフルに活⽤

資料: 安宅和⼈「そろそろ全体を⾒た話が聞きたい2」ニューロサイエンスとマーケティングの間 2020-04-04 http://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2020/04/04/190643

Page 27: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

22

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

22

”AI-ready化”ガイドライン

資料︓https://www.keidanren.or.jp/policy/2019/013_sanko.pdf

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

23

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

23

DG化(Full デジタル・ガバメント化)1. 全国⺠への通信環境整備を終了2. (⾏政をはじめとした)組織が保有・保管・利⽤している⾃分に関する情報は、⾃

分が把握でき、かつ利⽤範囲の管理をできる状態にする3. MN番号とMNカード、認証システムを切り離す、、認証は全てスマホで(物理媒

体は不要に)。⽣体認証を導⼊4. パスポート、免許証など公的ID、銀⾏⼝座、⼟地売買と紐付ける5. MNは世帯と住⺠登録重視主義から脱却し、複数点居住やノマド的働き⽅とマッチ

する形へ6. 世界最先端レベルのインターフェースを実現、、発⾏から利⽤までの全インタフェ

ースのUI.UX最適化とロジの徹底⾒直し(cf.独 N26)7. 通常窓⼝業務(書類、引っ越し対応ほか)は原則すべてスマホでリモート完結、、

24時間365⽇対応を実現8. あらゆる組織にfuture divisionを建てトランスフォーマーを育成(輸⾎とともに

リカレント教育が必須)9. 開発⼒を内製化、、、ベンダー依存からの脱出。agileな対応⼒を持つ10. ⾏政サービスの情報構造の整理と無償公開、、公共インフラの標準化

Page 28: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

24

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

24

”AI-ready化”ガイドライン

資料︓https://www.keidanren.or.jp/policy/2019/013_sanko.pdf

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

25

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

25

Phase 3: 再構築1. AI-ready化のlevel4~5に到達

Level4: AIを活用した企業価値の向上を目指す。コア事業(業務)においてデータ×AIが価値を生むドライバーとなっている。

Level5: すべての事業、機能がデータ×AI化し、業界そのものの本質的な刷新を仕掛け、変容を引き起こしている。

2. 多くの⼈が⾃衛的に⾊々なセンサー(位置情報、CO2、SpO2ほか)や記録を持ち、いざというときにトラッキング、モニタリングできるオープンなデータプラットフォーム社会に刷新

3. 各⼈の抗体保持状況、ヘルスケア状況をブロックチェーン的に可視化

資料: 安宅和⼈「そろそろ全体を⾒た話が聞きたい2」ニューロサイエンスとマーケティングの間 2020-04-04 http://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2020/04/04/190643

Page 29: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

26

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

26

”AI-ready化”ガイドライン

資料︓https://www.keidanren.or.jp/policy/2019/013_sanko.pdf

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

27

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

27

Appendix

27

Page 30: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

28

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

28

“withコロナ”時代を考える

Kaz Ataka (安宅 和⼈)

慶應義塾⼤学SFCYahoo! JAPAN

29

Herd immunity集団免疫

資料: Tkarcher - 投稿者⾃⾝による作品, CC 表⽰-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=56760604による

Page 31: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

30

⽶国における⿇疹のワクチンカバー率と患者数

資料: Julius Senegal - 投稿者⾃⾝による作品, CC 表⽰-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=89526713による

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

31

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

31

After コロナではなく

With コロナ

31資料: 安宅和⼈「そろそろ全体を⾒た話が聞きたい2」ニューロサイエンスとマーケティングの間 2020-04-04 http://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2020/04/04/190643

Page 32: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

32

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

32

Withコロナ状況における5つの課題領域と3フェーズ

⽌⾎ 治療 再構築

COVID対応

基本コアシステム

OS的なインフラ機能

お⾦

ルール作り

現状の急速な悪化、システム停⽌をとめる

今起きている変化の本質に即し系を作り直す

このような状態でもある程度の対応⼒を持つようにする

資料: 安宅和⼈「そろそろ全体を⾒た話が聞きたい2」ニューロサイエンスとマーケティングの間 2020-04-04 http://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2020/04/04/190643

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

33

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

33

COVID対応(⽌⾎)1. 急激な患者数拡⼤を防ぐために不⽤意な密閉、閉鎖空間への⽴ち⼊り、対⼈近接を

抑制する2. 医療データ、各種ビッグデータを活⽤、統合し、状況をリアルタイムで可視化する3. 各個⼈もSpO2、体調をコンスタントにwatchする4. 感染の有無と⼊院の必要を分離、、重症者向けに極⼒病院のベッドを開ける5. COVID19病床を劇的に増やす、、、必要な⼈⼯呼吸器も⼀気に増産6. ヘルスケアワーカーの健康を守り安定的な労働環境を築く、、N95マスク、防御服

の増産、直接患者に接しなくとも診断できるブースの開発・設営ほか7. 検査の簡便化と社会全体の免疫状態の可視化のために⾎清検査を確⽴し広める8. あらゆる空間の換気を良くし、室内CO2濃度などをモニターする(オフィス、電⾞

、スーパー、コンビニ、飲⾷店ほか)9. 社会全体の免疫⼒を⼀気に上げるためにワクチンを早期に開発し⼀気に適⽤する10. 以上の実現に向けて社会のリソース配分を⾒直す、、⼯場キャパ、空間、⼈員の最

適配置など資料: 安宅和⼈「そろそろ全体を⾒た話が聞きたい2」ニューロサイエンスとマーケティングの間 2020-04-04 http://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2020/04/04/190643

Page 33: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

34

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

34

社会の基本コアシステム (⽌⾎)

1. リモートワークを派遣社員、アルバイトも含めて即座に認め、デバイスを配布する

2. 通信帯域や⾼速デバイスはもはやライフラインであり、未浸透世帯に可及的速やかにインフラ普及を進め、帯域コスト(光接続)はニーズベースで⼀律補助し、デバイスは無償貸与するか補助を⾏う

3. ⾏政システムや医療診断(特にCOVID)や薬剤処⽅をオンラインで可能にする

4. 本⼈確認、印鑑承認、レシートなどの紙や直接(in-person)のやり取りが必要なシステムをすべてオンライン、デジタル署名化する

5. 飲⾷業のために路上、公園を開放し、ことごとくオープンエアーでの営業を解禁する

資料: 安宅和⼈「そろそろ全体を⾒た話が聞きたい2」ニューロサイエンスとマーケティングの間 2020-04-04 http://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2020/04/04/190643

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

35

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

35

社会のOS的なインフラ機能(⽌⾎)

1. 社会が機能不全にならないように⼀定の通信帯域を確保する、、YouTube、Netflix、その他オンラインゲーム会社への要請

2. 対⼈でのものの受け渡しや現⾦の⽀払いを⽌める、、郵便、宅急便などは⼿渡しをとめる。現⾦でしか⽀払えないところはすべからく物理的接触が不要なバーコード決済を導⼊する(タクシーや飲⾷店など)

3. リモート環境下を⽀える物流システムを強化する、、物流ワーカーを増やし・感染から守る、待遇を⾒直す、それを⽀える⾃動化を強化する

4. すべての基礎インフラ機能をできる限り無⼈化、リモート管理可能にする、、センシング社会、⼯場以外でもロボットを活⽤

資料: 安宅和⼈「そろそろ全体を⾒た話が聞きたい2」ニューロサイエンスとマーケティングの間 2020-04-04 http://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2020/04/04/190643

Page 34: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

36

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

36

お⾦ (⽌⾎)

1. 貧困層など弱者を守るためのセーフティネットを⽤意する。弱者の税や社会保険料の⽀払いを猶予もしくは免除する(報道ではほとんど流れていないが、中国では社会保険料の猶予まで相当前から踏み込んでいる)

2. 企業体⼒のないところの⽀払いを猶予する(税、社会保険料を含む)とともに資⾦繰りを担保するを活⽤、、同時に開疎化に向けた刷新を促す

資料: 安宅和⼈「そろそろ全体を⾒た話が聞きたい2」ニューロサイエンスとマーケティングの間 2020-04-04 http://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2020/04/04/190643

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

37

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

37

ルール作り (⽌⾎)

1. 上記ほかの様々な変化に対応する意思決定システムを国会でよく⾒る今までの揚げ⾜取り的な議論ではなく、企業におけるタスクフォース的な議論で⼀気に詰めて、スグにagile的に対応する

2. 結果を常にモニターし、どんどんagile的になおしていく事ができるような仕組みとする(例えば⾎清検査などが⽶国やG7で審査が通ったらスグに通すような仕組みを作る、など)

3. これは有事であり、既存の何かを守ることではなく⽌⾎的にそれが正しいか(有効か)と、過剰にコストがかからないかだけで判断

4. 公的なpropertyの緊急時対応が必要な仕組みに刷新

資料: 安宅和⼈「そろそろ全体を⾒た話が聞きたい2」ニューロサイエンスとマーケティングの間 2020-04-04 http://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2020/04/04/190643

Page 35: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

38

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

38

治療および再構築視点では、、

38

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

39

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

39

密閉(closed)

4つのマクロトレンド

開放(open)

⾼密度(dense)で集まって活動

接触(contact)

モノ以上にヒトが物理的に動く社会

疎(sparse)に活動

⾮接触(non-contact)

ヒトはあまり動かないがモノは物理的に動く社会

都市型社会 Withコロナ社会

資料: 安宅和⼈「そろそろ全体を⾒た話が聞きたい2」ニューロサイエンスとマーケティングの間 2020-04-04 http://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2020/04/04/190643

Page 36: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

40

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

40

開疎化(開放×疎 = Open & Sparse)

密閉Closed Contact

開放Open

Non-contact

密Dense

疎Sparse

資料: 安宅和⼈「そろそろ全体を⾒た話が聞きたい2」ニューロサイエンスとマーケティングの間 2020-04-04 http://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2020/04/04/190643

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

41

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

41

都市化と開疎化

密閉Closed Contact

開放Open

Non-contact

密Dense

疎Sparse

資料: 安宅和⼈「そろそろ全体を⾒た話が聞きたい2」ニューロサイエンスとマーケティングの間 2020-04-04 http://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2020/04/04/190643

密閉Closed Contact

開放Open

Non-contact

密Dense

疎Sparse

これまでの⽂明(都市化) Withコロナ社会(開疎化)

開疎空間

都市

Page 37: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

42

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

42

開疎化と空間

密閉Closed Contact

開放Open

Non-contact

密Dense

疎Sparse

• オフィス、役所• 電⾞・バス• カラオケ• パチンコ• レストラン• 飲み屋・クラブ• 劇場、会議場

• ⾃家⽤⾞• 室内競技• 室内遠隔会議

• 駅の屋外PF• 町中の公園• 屋外イベント• トゥクトゥク• 屋台

• アウトドア• 海辺・⼭• 広い公園• ⾃転⾞

⼈⼯都市通勤、イベント

野⽣郊外・過疎地平常時

接触ハンドノブ

⾮接触⾃動ドア

密室空調静⽌

屋根のみ天然の⾵移動

資料: 安宅和⼈「そろそろ全体を⾒た話が聞きたい2」ニューロサイエンスとマーケティングの間 2020-04-04 http://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2020/04/04/190643

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

43

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

43

まずは都市的空間の刷新

密閉Closed Contact

開放Open

Non-contact

密Dense

疎Sparse

• オフィス、役所• 電⾞・バス• カラオケ• パチンコ• レストラン• 飲み屋・クラブ• 劇場、会議場

資料: 安宅和⼈「そろそろ全体を⾒た話が聞きたい2」ニューロサイエンスとマーケティングの間 2020-04-04 http://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2020/04/04/190643

Page 38: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

44

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

44

COVID対応(治療・再構築)1. あらゆる伝染病との共存。ワクチン開発⼒の抜本的な強化。様々なワク

チン接種をできる限り⾏う社会に。各⼈の抗体保持状況を可視化。細菌やウイルスを吸着するフィルター(例︓⽔に吸着)を室内空間に標準装備

2. ⼟を増やす。⼟や⾃然での遊びを強化。舗装を削り⼟壌⾯積を増⼤させる。(参照︓ソニーCSL舩橋真俊⽒「表⼟とウイルス」)

3. Withコロナ時代に即しているかどうかであらゆる空間(店舗、空間、オフィス、職場)を評価、、 平均social distance/密度、換気⼒、⾮接触度、リモート対応度など。快適・衛⽣度の視標にこれらが加わる

4. 多くの⼈が⾃衛的に⾊々なセンサー(位置情報、CO2、SpO2ほか)や記録を持ち、いざというときにトラッキング、モニタリングできるオープンなデータプラットフォーム社会に刷新(cf.ハラリ、1984)

資料: 安宅和⼈「そろそろ全体を⾒た話が聞きたい2」ニューロサイエンスとマーケティングの間 2020-04-04 http://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2020/04/04/190643

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

45

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

45

社会の基本コアシステム (治療・再構築)

1. 上の4条件がgivenの状態であらゆる産業やサービスを再定義するü ヘルスケア、ビジネス、教育、⾏政システムをハコレスな開疎化社会

に即して刷新させるü ⼈の育成のあり⽅を根本的に⾒直すなど(巨⼤な産業創出機会であり

scrap and buildの機会でもある)

2. その裏での働き⽅、⽣活の仕⽅も再定義する。たとえば、開疎化に合わせて疎開ワークはそれほど珍しくないもの(common)になっていくだろう

資料: 安宅和⼈「そろそろ全体を⾒た話が聞きたい2」ニューロサイエンスとマーケティングの間 2020-04-04 http://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2020/04/04/190643

Page 39: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

46

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

46

社会のOS的なインフラ機能(治療・再構築)

1. ⾮接触を前提とした価値移動にすべてを刷新2. 都市部以外はグリッド依存を抑制し、マイクログリッド化、オフグ

リッド化を推進(変化への対応⼒を上げる)3. モノはガンガン運ばれるが、⼈はそれほど移動しない社会に即して

刷新、、、ドローン社会︖4. 感染拡⼤タイミングがずれる中、世界の⾷料、エネルギー、資源、

部品などの流通を回していく(⽌⾎・治療をシステム化する)

資料: 安宅和⼈「そろそろ全体を⾒た話が聞きたい2」ニューロサイエンスとマーケティングの間 2020-04-04 http://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2020/04/04/190643

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

47

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

47

お⾦ (治療・再構築)

1. 今回発⽣する巨額の未来への負債のダメージを軽減する資⾦運⽤スキームをつくる

2. 企業価値はスケールよりも「変えている感」 + 「よりよい(withコロナ時代に即した)未来を⽣み出せている感」に

資料: 安宅和⼈「そろそろ全体を⾒た話が聞きたい2」ニューロサイエンスとマーケティングの間 2020-04-04 http://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2020/04/04/190643

Page 40: 資料3-1 齋藤構成員提出資料資料3-1 齋藤構成員提出資料 AsIs: 定額給付金オンライン申請で明らかになったマイナンバー制度の課題 マイナンバーカード

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

48

200623 DGWG © Kaz Ataka 2020, 不許複製

48

ルール作り (治療・再構築)

1. 国内、国外ともに完全にagileに対応することが普通に回せる仕組みに刷新

2. 経済的にもヘルスケア的にも世界が痛む中、学び合い、協調してupdateする仕組みに刷新

資料: 安宅和⼈「そろそろ全体を⾒た話が聞きたい2」ニューロサイエンスとマーケティングの間 2020-04-04 http://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2020/04/04/190643