3
4 主な特長 主な機能 TetraMAX ADV 従来にない高速な ATPG 実行時間 TetraMAX ® Ⅱは、設計のテスト品質とコストの目標を比類ないスピードで達成できるシノプシスの次世代 ATPG(Automatic Test Pattern Generation)および診断ソリューションです。前代未聞の実行速度を実現し、最初のテストチップを入手した時 点でテスト・パターンの準備が完了します。さらに、生成されるパターン数が既存のソリューションと比べて大幅に少なく、シリコ ン・テストにかかる時間とコストの低減、または、同じテスト・コストでより高品質なテストを実行することができます。 TetraMAX Ⅱは、シノプシスの特許取得済みの高度なテスト合成ツールDFTMAX™およびDFTMAX Ultraと統合されています。 TetraMAX Ⅱ 次世代の ATPG および診断ソリューション 高カバレッジのテスト・パターン生成にかかる時間を数日単位から数時間 単位に短縮 既存のソリューションより少ないパターン数でテストにかかる時間とコスト を削減 ATPG および診断のためのハードウェア・リソースの高い使用効率 設計フローやテスト・フローへの導入が容易でリスク・フリー 故障箇所を迅速に特定し、歩留り改善にかかる期間を短縮 高度に最適化されたメモリー使用効率の高いパターン生成、故障シミュ レーション、診断エンジンにより、ATPGの実行速度が TetraMAXやその 他の市販 ATPG ツールに比して桁違いに高速 細粒度マルチ・スレッディングで複数のコアを効率よく使用し、メモリーの ボトルネックを解消 異なるサーバ構成やマシン間でも同一のテスト・カバレッジとパターン削減 を行い、一貫性のある解析を実現 実績豊富なルール・チェック、デザイン・モデリング、故障モデリングを 継承しているため、導入が容易でリスク・フリー フィジカル診断による高精度の故障箇所特定 Yield Explorer ® との統合による高速な歩留まり解析 先進的な故障モデルにより、きわめて高いテスト品質を確保 スラックベース、セル対応、スタティック / ダイナミック・ブリッジ、パス 遅延、ホールド時間、遷移 PrimeTime ® 、StarRC™、HSPICE ® とのインターフェイスにより、モデル で使用するフィジカル・データ、およびタイミング・データへのアクセス が容易 VCS ® を使用した IDDQ パターンの生成と検証による静止状態のテスト パワーを考慮したパターン生成により、シフト時とキャプチャ時の電力消費 を抑制 SoC設計の複雑化と短納期化に伴い、ATPG開発期間の短縮が必要になって います。処理サーバが複数のコアを備えてパターン生成に対応していても、 既存の ATPG テクノロジでは 1つのコアあたりに割り当てられるメモリー量が 膨大なため、実質的にコアの使用効率が低い傾向があります。 TetraMAX Ⅱには、最新のテスト・パターン生成、診断エンジン(図1)が搭 載されており、きわめて高速でメモリー使用効率が高く、複数のコア間の ATPGおよび故障診断プロセスが細粒度のマルチ・スレッディングに最適化 さ れ て い る た め、こ の よ う な メ モ リ ー の ボト ル ネ ッ ク を 解 消 し ま す。 TetraMAX Ⅱではコア・エンジンの設計を見直し、メモリー使用量の多さゆ えに限界があった従来のテクノロジを凌駕して、コアの使用効率の向上(図2と実行速度の10倍高速化(図3)を実現しました。また、複数の高速シミュレー ションを内部で実行し、診断スループットの向上を透過的に実現します。 図 1. TetraMAX Ⅱは新しいエンジンにより実行時間とパターン数を大幅に向上させる 一方で、ルール・チェック、デザイン / 故障モデリングのインフラストラクチャ、 ツールのインターフェイスは従来のものを継承している VCS Yield Explorer TetraMAX Ⅱ ATPG 10X Faster — 25% Fewer Patterns パターン 生成 シリコン 診断 細粒度 マルチ スレッディング HSPICE StarRC PrimeTime DFTMAX 新製品

新製品 TetraMAX Ⅱ - Synopsys...ATPGおよび故障診断プロセスが細粒度のマルチ・スレッディングに最適化 されているため、このようなメモリーのボトルネックを解消します。TetraMAX

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Page 1: 新製品 TetraMAX Ⅱ - Synopsys...ATPGおよび故障診断プロセスが細粒度のマルチ・スレッディングに最適化 されているため、このようなメモリーのボトルネックを解消します。TetraMAX

54

主な特長

フィジカル診断

TetraMAX Ⅱ ADV

テスト・パターンを25%削減

リスク・フリーで容易な導入

主な機能

TetraMAX Ⅱ ADV

従来にない高速なATPG実行時間

TetraMAX® Ⅱは、設計のテスト品質とコストの目標を比類ないスピードで達成できるシノプシスの次世代ATPG(Automatic Test Pattern Generation)および診断ソリューションです。前代未聞の実行速度を実現し、最初のテストチップを入手した時点でテスト・パターンの準備が完了します。さらに、生成されるパターン数が既存のソリューションと比べて大幅に少なく、シリコン・テストにかかる時間とコストの低減、または、同じテスト・コストでより高品質なテストを実行することができます。TetraMAX Ⅱは、シノプシスの特許取得済みの高度なテスト合成ツールDFTMAX™およびDFTMAX Ultraと統合されています。

 要

TetraMAX Ⅱ次世代のATPGおよび診断ソリューション

● 高カバレッジのテスト・パターン生成にかかる時間を数日単位から数時間

単位に短縮

● 既存のソリューションより少ないパターン数でテストにかかる時間とコストを削減

● ATPGおよび診断のためのハードウェア・リソースの高い使用効率

● 設計フローやテスト・フローへの導入が容易でリスク・フリー

● 故障箇所を迅速に特定し、歩留り改善にかかる期間を短縮

● 高度に最適化されたメモリー使用効率の高いパターン生成、故障シミュレーション、診断エンジンにより、ATPGの実行速度が TetraMAXやその他の市販 ATPGツールに比して桁違いに高速

● 細粒度マルチ・スレッディングで複数のコアを効率よく使用し、メモリーのボトルネックを解消

● 異なるサーバ構成やマシン間でも同一のテスト・カバレッジとパターン削減を行い、一貫性のある解析を実現

● 実績豊富なルール・チェック、デザイン・モデリング、故障モデリングを継承しているため、導入が容易でリスク・フリー

● フィジカル診断による高精度の故障箇所特定

● Yield Explorer®との統合による高速な歩留まり解析

● 先進的な故障モデルにより、きわめて高いテスト品質を確保

◇ スラックベース、セル対応、スタティック / ダイナミック・ブリッジ、パス遅延、ホールド時間、遷移

◇ PrimeTime®、StarRC™、HSPICE®とのインターフェイスにより、モデルで使用するフィジカル・データ、およびタイミング・データへのアクセスが容易

● VCS®を使用したIDDQパターンの生成と検証による静止状態のテスト

● パワーを考慮したパターン生成により、シフト時とキャプチャ時の電力消費を抑制

SoC設計の複雑化と短納期化に伴い、ATPG開発期間の短縮が必要になって

います。処理サーバが複数のコアを備えてパターン生成に対応していても、

既存のATPGテクノロジでは1つのコアあたりに割り当てられるメモリー量が

膨大なため、実質的にコアの使用効率が低い傾向があります。

TetraMAX Ⅱには、最新のテスト・パターン生成、診断エンジン(図1)が搭

載されており、きわめて高速でメモリー使用効率が高く、複数のコア間の

ATPGおよび故障診断プロセスが細粒度のマルチ・スレッディングに最適化

さ れているため、このような メモリーのボトル ネックを 解 消します。

TetraMAX Ⅱではコア・エンジンの設計を見直し、メモリー使用量の多さゆ

えに限界があった従来のテクノロジを凌駕して、コアの使用効率の向上(図2)

と実行速度の10倍高速化(図3)を実現しました。また、複数の高速シミュレー

ションを内部で実行し、診断スループットの向上を透過的に実現します。

図1. TetraMAX Ⅱは新しいエンジンにより実行時間とパターン数を大幅に向上させる一方で、ルール・チェック、デザイン / 故障モデリングのインフラストラクチャ、

ツールのインターフェイスは従来のものを継承している

図2. TetraMAX Ⅱはメモリーのボトルネックを解消し、コアの増加にあわせてATPGが高速化する

パターン数を削減することにより、テストにかかる時間とコストを削減、もし

くは設計の要件に応じて、同じテスト・コストでより高品質なテストを容易に

実現できます。TetraMAX Ⅱではアルゴリズムの進化により、従来の手法よ

りパターンあたりの故障検出率が高く、平均25%のパターン削減を実現して

います(図4)。新しいマルチ・フォルト・パターン最適化では、デフォルトの

ATPG設定でパターンセットを実質的に最小化します。さらにTetraMAX Ⅱ

は、使用するコア数に関わらず同一のコンパクトなパターンセットを生成する

ため、異なるサーバ構成やマシンでも、QoR 解析とパターンのデバッグには一

貫性があり、容易です。

図3. さまざまなデザインでTetraMAXと比較した場合のTetraMAX Ⅱの実行速度

図4. さまざまなデザインでTetraMAXと比較した場合のTetraMAX Ⅱのパターン削減

TetraMAX Ⅱは既存製品であるTetraMAXと完全に互換性があり、同一の実

績豊富な機能をサポートしているため、最も難易度の高いデザインに対して

もリスクなく迅速に導入できます。新しいエンジンが実行時間とパターン数

を大幅に向上させる一方で、ルール・チェック、デザイン / 故障モデリング

のインフラストラクチャ、ツールのインターフェイスは従来と変わりません。

たとえば、TetraMAX Ⅱのデザインルール・チェッカ(DRC)は、マックス・

スキャン、クロックド・スキャン、レベルセンシティブ・スキャン設計(LSSD)、

また内製のスキャン法を用いたフルスキャン、およびパーシャルスキャンのテ

スト 手法をすべてサ ポートしています。柔 軟 性を最 大限にするため、

TetraMAX Ⅱは、スキャンチェーン・シフトを適切に実行するために必要な、

ユーザー定義の制約や初期 化 パターンをサ ポートします。また、IEEE

1149.1/6内部スキャン・シフトのプロトコルに準じた設計や、ATPGに必要

な外部I/Oピン数を最小限に抑える関連テクニックを使った設計を完全にサ

ポートしています。

自動化された高精度の故障検出は、製造立ち上げ時および量産時の重大な歩

留りの問題を診断する上で重要なステップです。TetraMAX Ⅱには、製造時

の故障チップの検出に加えて、設計のフィジカル情報を利用してテスト・パ

ターンでエラーを引き起こしたデバイス内の故障箇所を迅速に特定する機能

があります。この機能では、テスト・パターンとテスターからのフェイル・デー

タ(テスト・パターンに対する測定結果と期待値の相違を示したデータ)を

読み込み、テスターで観測されたデバイスの誤動作の原因となっている可能

性が最も高い故障箇所候補をレポートします。TetraMAX Ⅱは、先進の発見

的手法と高性能な故障シミュレータを用いて量産環境で信頼性の高い結果を

迅速にもたらします。

量産用診断と歩留まり解析を実行するため、Yield Explorerは診断結果を

TetraMAX Ⅱから直接読み出して、これまでの診断結果、その他のテスト・

データ、複数の分野に渡る設計データや可能であればファブのプロセスデー

タを網羅したデータベースにロードします。その後、診断結果を特定の欠陥

メカニズムに関連付けて、歩留り損失の原因となる主要な設計上またはシス

テム上の問題を特定します。

さらに、TetraMAX Ⅱ ADVには、高度な故障モデリング、IDDQテスト、パ

ワーを考慮したパターン生成などの機能があります。

高度な故障モデリング

多くの製造故障は、微小なナノメータの故障をターゲットとした高度な故障

カバレッジ・テストを実施してさらにチップの故障率(DPPM)を削減しない

かぎり、検出は困難です。TetraMAX Ⅱ ADVはスラックベース、セル対応、

スタティック・ブリッジ、ダイナミック・ブリッジ、パス遅延、ホールド時間、

Mem

ory

Traditional

Max server memory available

TetraMAX Ⅱ

Number Cores and Speed-up

25

20

15

10

5

Speed-up(X)

Instances(Millions)13.1 8.1 12.49.646.421.2

70

60

50

40

30

20

10

Pattern Reduction(%)

Instances(Millions)13.1 8.1 12.49.646.421.2

VCS

Yield Explorer

TetraMAX Ⅱ ATPG

10X Faster — 25% Fewer Patterns

パターン生成

シリコン診断

細粒度マルチ

スレッディングHSPICE

StarRC

PrimeTim

e

DFTMAX

Support Q

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検証

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ニュ

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新製

品TetraM

AX II

ビジ

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ロセ

ッサ

EV6xIoTエ

ッジ

機器

のセ

キュ

リテ

ィス

マー

トホ

ーム

USB for IoT

PCI forAutom

otive

新製品 TetraMAX Ⅱ

新製品

Page 2: 新製品 TetraMAX Ⅱ - Synopsys...ATPGおよび故障診断プロセスが細粒度のマルチ・スレッディングに最適化 されているため、このようなメモリーのボトルネックを解消します。TetraMAX

54

主な特長

フィジカル診断

TetraMAX Ⅱ ADV

テスト・パターンを25%削減

リスク・フリーで容易な導入

主な機能

TetraMAX Ⅱ ADV

従来にない高速なATPG実行時間

TetraMAX® Ⅱは、設計のテスト品質とコストの目標を比類ないスピードで達成できるシノプシスの次世代ATPG(Automatic Test Pattern Generation)および診断ソリューションです。前代未聞の実行速度を実現し、最初のテストチップを入手した時点でテスト・パターンの準備が完了します。さらに、生成されるパターン数が既存のソリューションと比べて大幅に少なく、シリコン・テストにかかる時間とコストの低減、または、同じテスト・コストでより高品質なテストを実行することができます。TetraMAX Ⅱは、シノプシスの特許取得済みの高度なテスト合成ツールDFTMAX™およびDFTMAX Ultraと統合されています。

 要

TetraMAX Ⅱ次世代のATPGおよび診断ソリューション

● 高カバレッジのテスト・パターン生成にかかる時間を数日単位から数時間

単位に短縮

● 既存のソリューションより少ないパターン数でテストにかかる時間とコストを削減

● ATPGおよび診断のためのハードウェア・リソースの高い使用効率

● 設計フローやテスト・フローへの導入が容易でリスク・フリー

● 故障箇所を迅速に特定し、歩留り改善にかかる期間を短縮

● 高度に最適化されたメモリー使用効率の高いパターン生成、故障シミュレーション、診断エンジンにより、ATPGの実行速度が TetraMAXやその他の市販 ATPGツールに比して桁違いに高速

● 細粒度マルチ・スレッディングで複数のコアを効率よく使用し、メモリーのボトルネックを解消

● 異なるサーバ構成やマシン間でも同一のテスト・カバレッジとパターン削減を行い、一貫性のある解析を実現

● 実績豊富なルール・チェック、デザイン・モデリング、故障モデリングを継承しているため、導入が容易でリスク・フリー

● フィジカル診断による高精度の故障箇所特定

● Yield Explorer®との統合による高速な歩留まり解析

● 先進的な故障モデルにより、きわめて高いテスト品質を確保

◇ スラックベース、セル対応、スタティック / ダイナミック・ブリッジ、パス遅延、ホールド時間、遷移

◇ PrimeTime®、StarRC™、HSPICE®とのインターフェイスにより、モデルで使用するフィジカル・データ、およびタイミング・データへのアクセスが容易

● VCS®を使用したIDDQパターンの生成と検証による静止状態のテスト

● パワーを考慮したパターン生成により、シフト時とキャプチャ時の電力消費を抑制

SoC設計の複雑化と短納期化に伴い、ATPG開発期間の短縮が必要になって

います。処理サーバが複数のコアを備えてパターン生成に対応していても、

既存のATPGテクノロジでは1つのコアあたりに割り当てられるメモリー量が

膨大なため、実質的にコアの使用効率が低い傾向があります。

TetraMAX Ⅱには、最新のテスト・パターン生成、診断エンジン(図1)が搭

載されており、きわめて高速でメモリー使用効率が高く、複数のコア間の

ATPGおよび故障診断プロセスが細粒度のマルチ・スレッディングに最適化

さ れているため、このような メモリーのボトル ネックを 解 消します。

TetraMAX Ⅱではコア・エンジンの設計を見直し、メモリー使用量の多さゆ

えに限界があった従来のテクノロジを凌駕して、コアの使用効率の向上(図2)

と実行速度の10倍高速化(図3)を実現しました。また、複数の高速シミュレー

ションを内部で実行し、診断スループットの向上を透過的に実現します。

図1. TetraMAX Ⅱは新しいエンジンにより実行時間とパターン数を大幅に向上させる一方で、ルール・チェック、デザイン / 故障モデリングのインフラストラクチャ、

ツールのインターフェイスは従来のものを継承している

図2. TetraMAX Ⅱはメモリーのボトルネックを解消し、コアの増加にあわせてATPGが高速化する

パターン数を削減することにより、テストにかかる時間とコストを削減、もし

くは設計の要件に応じて、同じテスト・コストでより高品質なテストを容易に

実現できます。TetraMAX Ⅱではアルゴリズムの進化により、従来の手法よ

りパターンあたりの故障検出率が高く、平均25%のパターン削減を実現して

います(図4)。新しいマルチ・フォルト・パターン最適化では、デフォルトの

ATPG設定でパターンセットを実質的に最小化します。さらにTetraMAX Ⅱ

は、使用するコア数に関わらず同一のコンパクトなパターンセットを生成する

ため、異なるサーバ構成やマシンでも、QoR 解析とパターンのデバッグには一

貫性があり、容易です。

図3. さまざまなデザインでTetraMAXと比較した場合のTetraMAX Ⅱの実行速度

図4. さまざまなデザインでTetraMAXと比較した場合のTetraMAX Ⅱのパターン削減

TetraMAX Ⅱは既存製品であるTetraMAXと完全に互換性があり、同一の実

績豊富な機能をサポートしているため、最も難易度の高いデザインに対して

もリスクなく迅速に導入できます。新しいエンジンが実行時間とパターン数

を大幅に向上させる一方で、ルール・チェック、デザイン / 故障モデリング

のインフラストラクチャ、ツールのインターフェイスは従来と変わりません。

たとえば、TetraMAX Ⅱのデザインルール・チェッカ(DRC)は、マックス・

スキャン、クロックド・スキャン、レベルセンシティブ・スキャン設計(LSSD)、

また内製のスキャン法を用いたフルスキャン、およびパーシャルスキャンのテ

スト 手法をすべてサ ポートしています。柔 軟 性を最 大限にするため、

TetraMAX Ⅱは、スキャンチェーン・シフトを適切に実行するために必要な、

ユーザー定義の制約や初期 化 パターンをサ ポートします。また、IEEE

1149.1/6内部スキャン・シフトのプロトコルに準じた設計や、ATPGに必要

な外部I/Oピン数を最小限に抑える関連テクニックを使った設計を完全にサ

ポートしています。

自動化された高精度の故障検出は、製造立ち上げ時および量産時の重大な歩

留りの問題を診断する上で重要なステップです。TetraMAX Ⅱには、製造時

の故障チップの検出に加えて、設計のフィジカル情報を利用してテスト・パ

ターンでエラーを引き起こしたデバイス内の故障箇所を迅速に特定する機能

があります。この機能では、テスト・パターンとテスターからのフェイル・デー

タ(テスト・パターンに対する測定結果と期待値の相違を示したデータ)を

読み込み、テスターで観測されたデバイスの誤動作の原因となっている可能

性が最も高い故障箇所候補をレポートします。TetraMAX Ⅱは、先進の発見

的手法と高性能な故障シミュレータを用いて量産環境で信頼性の高い結果を

迅速にもたらします。

量産用診断と歩留まり解析を実行するため、Yield Explorerは診断結果を

TetraMAX Ⅱから直接読み出して、これまでの診断結果、その他のテスト・

データ、複数の分野に渡る設計データや可能であればファブのプロセスデー

タを網羅したデータベースにロードします。その後、診断結果を特定の欠陥

メカニズムに関連付けて、歩留り損失の原因となる主要な設計上またはシス

テム上の問題を特定します。

さらに、TetraMAX Ⅱ ADVには、高度な故障モデリング、IDDQテスト、パ

ワーを考慮したパターン生成などの機能があります。

高度な故障モデリング

多くの製造故障は、微小なナノメータの故障をターゲットとした高度な故障

カバレッジ・テストを実施してさらにチップの故障率(DPPM)を削減しない

かぎり、検出は困難です。TetraMAX Ⅱ ADVはスラックベース、セル対応、

スタティック・ブリッジ、ダイナミック・ブリッジ、パス遅延、ホールド時間、

Mem

ory

Traditional

Max server memory available

TetraMAX Ⅱ

Number Cores and Speed-up

25

20

15

10

5

Speed-up(X)

Instances(Millions)13.1 8.1 12.49.646.421.2

70

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20

10

Pattern Reduction(%)

Instances(Millions)13.1 8.1 12.49.646.421.2

VCS

Yield Explorer

TetraMAX Ⅱ ATPG

10X Faster — 25% Fewer Patterns

パターン生成

シリコン診断

細粒度マルチ

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StarRC

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otive新製品 TetraMAX Ⅱ

新製品

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76

ネットリストとテスト・パターンのフォーマット

シノプシス製ツールとの緊密な統合

自動車におけるビジョン・プロセッシングの用途

遷移といった先進の故障モデルを利用して高度な故障カバレッジ・テスト・

パターンを生成します。これらのモデルは、Galaxy™デザイン・プラット

フォームの他のツールで生成されたデータを使用する場合もあります(表1)。

たとえば、セル対応モデルはStarRCの寄生抽出からのフィジカル・データ

を利用しており、HSPICEシミュレータからの詳細なタイミング情報は

TetraMAX Ⅱ ADVに活かされ、タイミング・クリティカルな故障に対応し

ます。

IDDQテスト

TetraMAX Ⅱ ADVは、IDDQテスト用に故障検出率の高い最小限のパターン

を生成すると同時に、静止状態で電流が過剰にならないようにテスト・パター

ンを抑制します。その後、これらの静的状態用のパターンをシノプシスの

VCSなどのVerilogシミュレータを使用して正確に検証し、IDDQパターンが

確実にATE(Automatic Test Equipment)で機能することを保証します。

パワーを考慮したATPG

スキャン・テストでは通常、トランジスタのスイッチング動作が一般に機能す

るレベルのピークより何倍にも増加し、過剰に電力が消費されます。テスト

時の電力消費量が過剰になると、テスター上で良品デバイスが故障し、不要

な歩留り損失が生じる可能性があります。TetraMAX Ⅱ ADVでは、設計者

が指定したパワー・バジェットに基づいてスイッチング動作を自動的に通常

の動作レベルにまで削減することにより、スキャンおよびキャプチャ時の電

力消費を制限します。このパワー削減処理は、テスト・カバレッジを損なう

ことなく行われます。

TetraMAX Ⅱ ADVは、DFTMAXやDFTMAX Ultraに採用されているスキャ

ン・チェーン・グループの個別制御を利用したハードウェア支援によるシフト

パワーの削減にも対応し、ATPGのみの手法に比べ、平均のシフトパワーとパ

ターン数をさらに削減します。

表1. ATPG故障モデルの種類と、そのためのフィジカル・データまたはタイミング・データを生成するツール

TetraMAX Ⅱは、Galaxyデザイン・プラットフォーム構成ツールおよびその

他のシノプシス製ツールと緊密に統合されているため、最も生産性の高いフ

ローで、最高品質のテストを短時間で実行します。

● RTL合 成 ツ ールDesign Compiler®に 組 み 込 ま れ たDFTMAXお よ びDFTMAX Ultraとの統合により、テストを考慮しつつタイミング、パワー、面積、配線混雑と機能ロジックを最適化

● Yield Explorerとの統合によるシームレスな量産用診断と歩留まり解析で、歩留り損失の原因となるデザインやプロセス上の問題を発見

● TetraMAX Ⅱ ADVは、PrimeTimeからのスラック・データをガイドにしてタイミング・クリティカルな故障を正確に特定

● TetraMAX Ⅱ ADVは、寄生抽出ツールStarRCからのフィジカル・データを活用、またHSPICEシミュレーションからの詳細なタイミング情報を活用して、セル内部のタイミング・クリティカルな故障をターゲットにしたセル対応ATPGを実現

TetraMAX Ⅱはデータ・フォーマット、シミュレーション・テストベンチ、テ

スター・インターフェイスの業界標準に対応しています。

● 回路ネットリスト:Verilog、VHDL(1987および1993)

● ライブラリ:Verilogファンクショナル(ストラクチャおよびUDP)

● タイミング例外:Synopsys Design Constraints(SDC)

● デザイン・レイアウト:LEF / DEFインターフェイス

● シミュレーション・テストベンチ:Verilog(シリアルおよびパラレル)

● テスト・パターン:STIL、WGL、Verilog

● テスター・フェイル:STDF(V4および V4-2007)

Bridging

Path delay

Hold-time

Slack-based

Cell-aware

StarRC

PrimeTime

PrimeTime

PrimeTime

StarRC、HSPICE

故障モデル Galaxyデザイン・プラットフォーム

前ページより続く

高速道路を自律走行する自動車はすでに市販が始まっていますが、あと数年

もすれば完全な自動運転車でどこにでも移動できる時代が来るでしょう。自

動車は、エンベデッド・ビジョンが最も積極的に活用されているアプリケー

ションです。車載ビジョンは安全強化および運転支援に大きな役割が期待さ

れており、急速な進歩を続けています。その最新機能は多くの技術の進歩に

よって支えられていますが、中でも特に大きく貢献しているのがクルマの「目」

となるエンベデッド・ビジョン・プロセッサです。最新のビジョン・プロセッ

サはHD解像度をサポートし、複数のカメラからの入力を処理できるほか、カ

メラからのデータとその他のセンサーからのデータを組み合わせて処理する

センサー・フュージョンもサポートしています(図1)。今後、自動運転車の

機能をさらに高めていくにはビジョン・プロセッサのさらなる性能向上が必

要ですが、それに伴う消費電力とコストの増大は最小限に抑える必要があり

ます。このことは、ビジョン・プロセッサの設計者側とユーザー側の双方で

大きな課題となります。

最近の自動車ではリアビュー・カメラ以外にも多くの機能にビジョンが活用

クルマの「目」となる処理効率の高いビジョン・プロセッサ

シノプシス シニア・プロダクト・マーケティング・マネージャー Michael Thompson

されており、その用途は今後も増え続けるでしょう。自動車内のさまざまな

システムでビジョンを利用できるようになれば、システム設計者は車両の内部

および周辺に関する膨大な情報を運転上の意思決定に利用できるようになり

ます。レーダー、LIDAR、赤外線といったセンサーを利用する方法もありま

すが、用途の広さでビジョン・プロセッシングに勝るものはありません。

ビジョンは他のどの技術よりもカー・エレクトロニクスを一変させる可能性

を秘めています。たとえば助手席側のドアミラーに設置したカメラを利用す

ると、運転手は隣の車線の様子を見ることができます。この同じカメラから

の映像をビジョン・プロセッサで検査して隣の車線の物体検知を行えば、車

線を変更する前に車両の存在を運転手に警報で知らせることができます。カ

メラ映像で死角を完全に目視できるならビジョン・プロセッサによる処理は

不要と思われるかもしれませんが、人間による目視では見落としの可能性が

あります。電子システムならその心配はなく、運転手が見るのと同じカメラ

映像を「見て」、運転を効果的に支援し、事故防止と安全向上につなげること

ができます。もちろん、すべての車載カメラからの映像を運転手が見るのは

不可能で、またその必要もありません。カメラからは非常に多くの情報が

リアルタイムに得られるため、これらすべてのデータを人間が分析するのは

歩行者検知

インテリジェント速度制御

前方衝突警告

図1. 現在の自動車におけるカメラの用途と数

信号機認識

インテリジェント・ヘッドライト制御

車線逸脱警告

死角検知

後退時車両検知(RCTA)

リアビュー・カメラ

3Dサラウンドビュー

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詳細情報● ウェブページ:TetraMAX II ATPG http://www.synopsys.com/JP2/Tools/Implementation/RTLSynthesis/Test/Pages/TetraMAXIIATPG.aspx

新製品 TetraMAX Ⅱ