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2.京都府域の治水安全度*の現状
(1)流域全体の戦後最大未対応区間
淀川水系において戦後最大洪水*である昭和28年台風13号洪水(略称:5313)に対応
できていない区間は、上流部に存在(図-1)することから、淀川水系河川整備計画(以
下「整備計画」という。)案における今後の事業予定箇所は、中上流部に多く位置して
いる。
(2)京都府域の治水安全度の現状(府管理区間を含めて)
京都府内の河川の治水安全度をみると、淀川本川に対して上流の各支川及びさらに上
流に位置する京都府管理区間河川のレベルは低く(図-2)なっており、桂川では嵐山、
上桂、大下津付近(図-3、4)、宇治川では塔の島で戦後最大に対して能力が不足し
(図-5、6)、木津川では、部分的に流下能力*が低いが、全体的には戦後最大には
対応している(図-8、9)。一方、淀川本川は、計画高水流量に若干不足している程
度で、戦後最大には十分対応できている(図-10、11)。
出典:第61回流域委員会 審議資料
図-1 流域全体の戦後最大未対応区間
- 3 -
各図において、中心軸に代表的な道路橋や鉄道橋の位置を左側(下流)から右側(上
流)に示し、上半分は右岸側、下半分は左岸側の流下能力を表している。一番外側の線
は、淀川水系河川整備基本方針に定められた目標とする計画高水流量で、各支川では
1/150年確率規模、淀川本川では1/200年確率規模の流量である。一点破線は整備計画の
目標とする流量で、戦後最大規模である昭和28年台風13号洪水による流量を示し、整備
計画後では、桂川=1/25、木津川=1/25、宇治川概ね1/150まで安全度が向上する。
また、堤防高から計画上必要な余裕高さを差し引いた高さ(但し、計画高水位を超える
場合は計画高水位で評価。また、掘削部では天端高=堤内地盤高で評価)が各地点の流
下能力であり、戦後最大流量との差である不足流量を水色に着色している。なお、各河
川における代表的な地点を赤色吹き出しで図示している。
次に、各河川における現況河道と整備後の水位縦断図*から同一洪水における水位を
比較すると、桂川では、河川整備により計画洪水*(722:昭和47年台風20号×1.53倍)
及び戦後最大洪水の水位を下げることができるが、嵐山については具体な河道形状は未
検討である(図-3)。宇治川では、河道の整備にあわせて天ヶ瀬ダムの放流量を大き
くするため、洪水パターン(同じ総雨量の雨であっても降雨初期や後期に偏って降った
り、一山ピークや二山ピークなど形の違いにより、洪水の流量や時間的変化が異なる。)
によっては緑線で示す計画高水位*(以下「HWL」(読み方:ハイウォーターレベル)と
いう。)を超えることも指摘されている(図-7)。木津川は、整備により若干洪水位
が下がる。(図-8)一方、淀川は、上流改修による流量増*の影響もあるが、上流の
各支川に比べれば余裕がある。(図-10)
図-2 京都府域の治水安全度の現状
- 4 -
14.0
19.0
24.0
29.0
34.0
39.0 0.0k
1.0k
2.0k
3.0k
4.0k
5.0k
6.0k
7.0k
8.0k
9.0k
10.0k
11.0k
12.0k
13.0k
14.0k
15.0k
16.0k
17.0k距
離標
標高(
O.P.m)
現況堤防高 (左岸)
現況堤防高 (右岸)
計画 高水位
計画規模洪水(722×1.53)→現況河道
計画規模洪水(722×1.53)→整備後
戦後最大洪水(5313)→現況河道
戦後最大洪水(5313)→整備後
出典:整備局資料
宮前橋
羽束師
橋
久我橋
新久世橋
新幹線桂
川橋
桂大
橋
西大橋
松尾橋
図-3 桂川 現況と整備後の比較(
722×
1.53
、53
13×
1.00
)
桂鴨川
合流点
羽束師
▲722×1.53(現況)
△722×1.53(整備後)
○5313(整備後)
●5313(現況)
計画
高水
位(HWL)
- 6 -
14.5
16.5 37.0k
38.0k
39.0k
40.0k
41.0k
42.0k
43.0k
44.0k
45.0k
46.0k
47.0k
48.0k
49.0k
50.0k
51.0k
52.0k
53.0k
距離
標
18.5
20.5
22.5
標高(
O.P.m)
現況堤防高 (左岸)
現況堤防高 (右岸)
現行計画 高水位
戦後最大洪水(5313)→現況河道
戦後最大洪水(5313)→整備後
計画規模洪水(722×1.29)→現況河道
計画規模洪水(722×1.29)→整備後
出典:整備局資料
白虹
橋
天ヶ瀬吊
橋宇治
橋
観月橋
近鉄宇
治川
橋梁
宇治
川大橋
淀大橋
京阪電
鉄宇
治川
橋梁
山科川合
流点
淀宇治
○5313(整備後)
図-5 宇治川 現況と整備後の比較(
722×
1.29
、53
13×
1.00
)
●5313(現況)
▲722×1.29(現況)
△722×1.29(整備後)
計画
高水
位(HWL)
- 9 -
14.0
19.0
0.0k
1.0k
2.0k
3.0k
4.0k
5.0k
6.0k
7.0k
8.0k
9.0k
10.0k
11.0k
12.0k
13.0k
14.0k
15.0k
16.0k
17.0k
18.0k
19.0k
20.0k
21.0k
22.0k
23.0k
24.0k
25.0k
26.0k
27.0k
28.0k
29.0k
30.0k
31.0k
32.0k
33.0k
34.0k
35.0k
36.0k
37.0k
距離
標
24.0
29.0
34.0
39.0
44.0
49.0
標高(
T.P.m)
現況堤防高 (左岸)
現況堤防高 (右岸)
計画 高水位
計画規模洪水(1028×1.42)→現況河道
計画規模洪水(1028×1.42)→整備後
戦後最大洪水(5313)→現況河道
戦後最大洪水(5313)→整備後
御幸橋
木津川
大橋(国道1号
)
近鉄
京都
線橋
山城
大橋
泉大
橋
恭仁大
橋
八幡
加茂
○5313(整備後)
●5313(現況)
▲1028×1.42(現況)
△1028×1.42(整備後)計画
高水
位(HWL)
出典:整備局資料
図-8 木津川 現況と整備後の比較(
1028
×1.
42、
5313
×1.
00)