48
2017 年度 AIMST成果報告書

2017 年度 AIMST成果報告書4月3日~4月7日 オリエンテーション 4月10日~7月14日 1学期開始(13週) 7月17日~7月21日 テスト期間 7月24日~8月11日

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2017 年度

AIMST成果報告書

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Ⅰ 概要 …………………………………………………………… 01

Ⅱ カリキュラム ………………………………………………… 02

Ⅲ 派遣学生の報告書 ─帰国後提出─ ………………………… 04

阿部 美佳 …………… 04 長島 星花 …………… 24

伊田 隼人 …………… 06 永田 千尋 …………… 26

池谷  航 …………… 08 太田 朱音 …………… 28

井山  駿 …………… 10 大山 伶央 …………… 30

井澤 竜剛 …………… 12 嶋田 遥菜 …………… 32

鴨志田壮太 …………… 14 高柳ちひろ …………… 34

小出 未幸 …………… 16 上田 涼子 …………… 36

小松  希 …………… 18 山口 一生 …………… 38

三浦 幹奈 …………… 20 山口  令 …………… 40

村上 海図 …………… 22 貫  大地 …………… 42

Ⅳ 派遣先大学 …………………………………………………… 44

発行日 2018年7月1日

発行者 BSAP委員会

発行所 神奈川大学 経営学部〒259‒1293 神奈川県平塚市土屋2946番地湘南ひらつかキャンパス電話(0463)59‒4111  FAX(0463)58‒9683

印刷所 富士オフセット(株) 電話(0463)82‒0137

目  次

2017年度 BSAP AIMST 成果報告書

本書の掲載内容の一部または全部を転載する場合には、事前に神奈川大学経営学部(学部長室)までご連絡ください。

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03

Ⅰ 概  要

派遣大学  AIMST University (マレーシア・ケダ州)

派遣期間  2017年4月~ 2018年3月

派遣学生  経営学部国際経営学科から20名

4年生(渡航時3年)貫 大地

3年生(渡航時2年)阿部 美佳 伊田 隼人 池谷  航井山  駿 井澤 竜剛 鴨志田壮太小出 未幸 小松  希 三浦 幹奈村上 海図 長島 星花 永田 千尋太田 朱音 大山 伶央 嶋田 遥菜高柳ちひろ 上田 涼子 山口 一生山口  令

行事日程  日  程 スケジュール

3 月26日 AIMST大学到着4 月 3 日~ 4 月 7 日 オリエンテーション4 月10日~ 7 月14日 1学期開始(13週)7 月17日~ 7 月21日 テスト期間7 月24日~ 8 月11日 休み8 月14日~11月17日 2学期開始(13週)

11月20日~11月24日 テスト期間11月27日~12月 1 日 休み12月 4 日~ 3 月23日 3学期開始(13週)3 月26日~ 3 月30日 テスト期間3 月31日~ 4 月 4 日 帰国

Ⅰ 概要 …………………………………………………………… 01

Ⅱ カリキュラム ………………………………………………… 02

Ⅲ 派遣学生の報告書 ─帰国後提出─ ………………………… 04

阿部 美佳 …………… 04 長島 星花 …………… 24

伊田 隼人 …………… 06 永田 千尋 …………… 26

池谷  航 …………… 08 太田 朱音 …………… 28

井山  駿 …………… 10 大山 伶央 …………… 30

井澤 竜剛 …………… 12 嶋田 遥菜 …………… 32

鴨志田壮太 …………… 14 高柳ちひろ …………… 34

小出 未幸 …………… 16 上田 涼子 …………… 36

小松  希 …………… 18 山口 一生 …………… 38

三浦 幹奈 …………… 20 山口  令 …………… 40

村上 海図 …………… 22 貫  大地 …………… 42

Ⅳ 派遣先大学 …………………………………………………… 44

発行日 2018年7月1日

発行者 BSAP委員会

発行所 神奈川大学 経営学部〒259‒1293 神奈川県平塚市土屋2946番地湘南ひらつかキャンパス電話(0463)59‒4111  FAX(0463)58‒9683

印刷所 富士オフセット(株) 電話(0463)82‒0137

目  次

2017年度 BSAP AIMST 成果報告書

本書の掲載内容の一部または全部を転載する場合には、事前に神奈川大学経営学部(学部長室)までご連絡ください。

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04

Semester 1 ・ Foundation in Business

Date/Time8:00│

9:00

9:00│

10:00

10:00│

11:00

11:00│

12:00

12:00│

1:00

1:00│

2:00

2:00│

3:00

3:00│

4:00

4:00│

5:00

Monday ITS FBA MFM

Tuesday FIA EEP POE

Wednesday ENG MFM ITS

Thursday FIA ENG FBA

Friday POE EEP

FBA: Fundamentals of Business Administration 1(3単位)ITS: Information Technology Studies 1(3単位)MFM: Mathematics for Management 1(3単位)EEP: English Enrichment Programme

POE: Principles of Economics 1(3単位)FIA: Foundation in Accounting 1(3単位)ENG: English 1(3単位)

Semester 2 ・ Foundation in Business  ・ Foundation in Business & degree

Date/Time8:00│

9:00

9:00│

10:00

10:00│

11:00

11:00│

12:00

12:00│

1:00

1:00│

2:00

2:00│

3:00

3:00│

4:00

4:00│

5:00

Monday ITS FOM※ FBA MFM

Tuesday FIA EEP POE FOM※

Wednesday FOM※ ENG MFM ITS

Thursday FIA ENG FBA

Friday POE EEP ENG

FBA: Fundamentals of Business Administration 2(2単位)ITS: Information Technology Studies 2(3単位)MFM: Mathematics for Management 2(3単位)EEP: English Enrichment Programme

POE: Principles of Economics 2(2単位)FIA: Foundation in Accounting 2(3単位)ENG: English 2(4単位)FOM: Foundation of Marketing(3単位)

※ Foundation in Business & Degreeeのみ

Ⅱ カリキュラム

 BSAP前期派遣のAIMST大学では英語力に基づき3つのグループ(Group 1、2、3)に分け、それぞれに適したレベルでの授業を履修できるようにした。また、今年度よりAIMST大学のカリキュラムとは別途、BPAS生のみを対象とした英語クラス(EEP)が開講された。 Group 1の学生は渡航前に既に学部レベルの授業を受けられる英語力があると判断し、1学期からDegree Courseの授業のみを履修、Group 2はFoundation Courseに加え学部レベルの授業を1クラス履修、Group 3はFoundation Courseのみ履修とした。

学期スケジュール

Group 1TOEFL®500点以上 Degree Subjects

Group 2TOEFL®460点~499点

6 Foundation Subjects + 1 Degree Subject (from Business School)・ Foundation of Marketing

Group 3TOEFL®460点未満 6 Foundation Subjects Only

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Semester 3 ・ Foundation in Business  ・ Foundation & Degree in Business

Date/Time8:00│

9:00

9:00│

10:00

10:00│

11:00

11:00│

12:00

12:00│

1:00

1:00│

2:00

2:00│

3:00

3:00│

4:00

4:00│

5:00

Monday ITS FOM※ POE FIA MFM Remedial FIA

Tuesday Remedial FBA Remedial IT EEP FBA FOM※

Wednesday FOM※ ENG MFM Remedial MFM ITS

Thursday FBA Remedial POE FIA

Friday POE EEP ENG

FBA:Fundamentals of Business Administration 3(2単位)ITS:Information Technology Studies3(4単位)MFM:Mathematics for Management 3(2単位)EEP:English Enrichment Programme

POE: Principles of Economics 3(2単位)FIA: Foundation in Accounting 3(2単位)ENG: English 3(3単位)FOM:Foundation of Marketing3(3単位)

※ Foundation & Degree in Businessのみ

 2017年度は、Group 1に1名の学生を派遣した。Degree CourseとFoundation Courseの開始日は異なるが、AIMST大学の特別な配慮により4月からも受講可能となった。3学期間を通じてDegree Courseのみ履修をし、10科目を履修した。 Group 2には9名の学生が参加し、1学期目はFoundation Courseを履修、また2学期には英語を含むFoundation Corse 6科目とDegree CourseからFoundation of Marketingを受講した。 Group 3には10名の学生が全期間を通して、英語を含むFoundation Courseのクラスを1年間受講した。 1年間終了時には全ての参加者がFoundation Courseの修了証書を取得し、無事プログラムを終える事ができた。

 2015年4月からAIMST大学から特任准教授としてアーマン・ハディ先生を本学部に招聘しており、マレーシアから帰国した学生が継続して英語で学修できるよう、講義、演習は週に4つ開講している。 また、英語力を維持、また更なる強化のために「KU TOP ENGLISH」が週5回5時限目に開講されており、帰国してから学生が英語から遠ざからないよう様々な機会を提供している。

 日本学生支援機構からは2013年度のAIMST大学派遣実績が認められ、17年度14名に奨学金が支給された。この奨学金は留学に係る費用の一部を奨学金として支援することにより、グローバル社会において活躍できる人材を育成するとともに、我が国の高等教育機関の国際化・国際競争力強化に資することを目的とし、本学からの推薦により成績優秀かつ就学支援を必要とするものを優先に採用した。

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06

 私は神奈川大学に入学する前からいつか留学した

いと考えていました。今回BSAPという1年間日本

を離れてマレーシアの大学で勉強できる留学プログ

ラムを見つけ参加しました。以前から留学に挑戦し

たいという思いはありましたが、1年間という長期

間の留学は私の中ではとても勇気のいる大きな決断

でした。

 渡航前の私の目標は英語力向上と日本ではできな

い経験をたくさんしてくることでした。渡航後、私

はたくさんの課題に直面しました。食べ物、衛生面、

勉強面、友達作りなど悩みとため息が増える一方で

した。私は辛い食べ物が苦手なのですが、カフェテ

リアのごはんは辛い料理ばかりでした。しかしずっ

飛躍の1年

国際経営学科 3 年 阿あ べ

部 美はるか

と避けていくわけにはいかないので、我慢して食べ

続けました。今ではカレーの辛口の辛さもよく分か

らないくらいに成長しました。勉強面は本当に大変

でした。1限は朝8時から始まり、120分授業です。

神奈川大学は1限が9時から100分授業なので、マレー

シアに比べたらかわいいもんだと思いました。さら

に、最初の頃は英語の速さや訛りが日本のレベルと

異なり、授業の内容がいまいちよくわからないまま

毎日が過ぎていました。プレゼンテーションや課題、

中間試験や期末試験を乗り越えられるか不安でした

が、そんなとき私を助けてくれたのは現地の友人た

ちでした。

 私は普段現地の友人7人と行動を共にしていまし

た。彼女たちは授業中やテスト前に勉強を教えてく

れたり、勉強だけでなくマレーシアの文化や宗教に

ついて教えてくれました。また、彼女たちは日本の

アーティストや漫画などが大好きだったので、私も

日本のことを彼女たちに教えてあげました。放課後、

一緒に日本のアニメやホラー映画を見たりしまし

た。さらに休日は彼女たちとペナンに遊びに行った

り、映画を見に行きました。友人たちはとてもアク

ティブで引っ込み思案な私を何度も新しい世界へ連

れて行ってくれました。こんなに素敵な友人を作れ

て私は本当に幸せ者だと思いました。

 日本で宗教について学んだことがあるのですが、

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日本では宗教を信仰している人たちが少ないので、

イスラム教やキリスト教の人たちと分かり合うのが

難しいと先生は言っていました。ですが決してそん

なことはありません。もちろん初めて知ることばか

りで驚くことはありますが、交流していて難しい、

理解できないと感じたことはあまりありません。ま

た彼女たちの信仰心は心を打たれるほどのものでし

た。

 長期休みの間、私はさまざまな場所

を旅行することができました。念願の

1人旅も実行することができました。

1人でタイを訪れた際、タイ人のアニ

メ友だちもできました。初対面の私に

おすすめのレストランやアニメショッ

プ、観光地の紹介をしてくれ一緒に

回ってくれました。この1年間様々な

場所を旅して私は多くの出会いがあり

ました。特にマレーシアの人たちは初

対面でかつ外国人である私たちに、と

ても親切にまるで家族のように接して

くれました。日本ではこのような人の

温かさを知る機会があまりないので、とて

も良い経験だと思いました。

 長いようであっという間だった1年間の

マレーシアでの生活、英語で会話すること

が苦手だった私は渡航前よりも自信をつけ

ることができ、英語の事もマレーシアの事

も好きになりました。この1年で学んでき

たことを無駄にしないように、まず英語の

勉強を続けます。日本では英語を使う機会

がほとんどないので、普通に生活している

と英語力は渡航前とほぼ変わらないレベル

にすぐ落ちます。定期的にTOEIC等を受

験し、維持だけでなく向上できたらと思い

ます。人の温かさを学んだ私は将来、人と

接する仕事、困っている人に手を差し伸べ

ることのできる職に就きたいと思います。またマ

レーシアの友人たちとも距離は離れていますが交流

を続けたいです。彼女たちは私の一生の宝物です。

渡航前相談に乗ってくれた先生方、私にこんな素敵

な経験をさせてくれ背中を押してくれた家族、そし

て何より1年間共にマレーシアで頑張った20名の仲

間たちに感謝しています。本当にありがとうござい

ました。

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08

国際経営学科 3 年 伊い だ

田 隼はやと

 日本とマレーシア、多くの相違点があり、それら

に順応できたり、できなかったりの一年間だった。

BSAPの到達目標は英語力の上達だけでなく、経済

学や経営学の知識も得ることであり、単に英語のス

キルを伸ばすために行くプログラムではない。しか

しながら私たちがマレーシアで受けた授業は、日本

で学んでいる経済学や経営学を英語に変換したもの

であり、日本で学んだことを英語で復習しているよ

うな感じがした。なので授業が難しく感じたり、理

解できなかったら、まず日本語で書かれているウェ

ブサイトや参考書に目を通し、そのあと英語に置き

換えて考えた。こうすることで私は何とか授業につ

いていくことができた。

 先ほども記したが、日本とマレーシアで学ぶ経済

学や経営学はさほど変わらない。しかし、販売の方

法やそれに対する意識は全く日本とは異なってい

た。先ず最初に気付いたのが、買い手への態度だ。

マレーシアでの1年間

日本ではどちらかというと、売り手よりも買い手の

方が高い立場にいると思う。理由は簡単で買い手に

対して親切に接客することで、売り手はリピーター

を増やせるかもしれないし、自分の店の評判も上げ

られるからだ。しかしながら、マレーシアではこの

売り手と買い手の立場は逆転していた。清算をしよ

うとレジに立っていても店員は歩いてやってくる

し、携帯電話を使いながら接客されることもざらに

あった。大きなお金しかもっていないときに少額の

買い物をした時にはいやな顔をされて売ってもらえ

ないこともあった。もちろん全員が全員そういうよ

うな接客をしているわけではない、日本のように丁

寧な接客をしてくれる人もたくさんいた。しかし、

消費者の満足度と売り上げに関係があることを知っ

ている人は少ないように思えた。

 買い手に対する意識の違いは、販売方法でも見て

取れた。店内放送でどの商品がお買い得だとか、そ

ういった類のものはまず聞かなかった。賞味期限が

早いものを前に置き、遅いものを後ろに陳列するこ

ともやっているところは少なかった。ほんの少しの

手間や工夫でより多くの利益を得ることができるの

に、マレーシアではそういったものがあまり見られ

なかった。そしてなにより白昼堂々偽物のブランド

品や衣類、アクセサリーが売られていた。そういっ

たものは廉価でたしかに数は売れていたと思う。だ

がそのようなお店はどれも個人経営で小規模なもの

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09

であった。言いかえればそういったお店は大中規模

にはなれないということだ。なぜなら規模が大きく

なればなるほど、そのような行動は目につきやすく、

検査も厳しくなるからだ。つまり、収益の拡大はも

はや期待できず、かえって自分で自分の首を絞めて

いたのだ。安物買いの銭失いとはよく言ったもの

で、現に私も現地で買った破格の自撮り棒が使う前

に壊れていたことがあった。学んでいることは一緒

なはずなのに、末端である店員の行動はこうも違う

のかと衝撃を受けた。そしてこういったところに日

本とマレーシアの経済的な差を垣間見たような気が

する。

 学校生活では、友人にも恵まれ充実したキャンパ

スライフを過ごせた。言語の壁は最初から最後まで

友達が手伝っ

てくれたり役

割分担をして

くれたりして

本当に助かっ

た。私は自分

から行動する

タイプの人間

ではないので

当 初 は 不 安

だったが、皆

が積極的に話

しかけてくれ

たので、自然

と溶け込める

ことができた。日本の漫画やアニメーションを通じ

てできた友達もおり、こういった日本の文化の影響

力にも驚かされた。

 最初は一年間なんて長くてしんどいなと思ってい

たが、終わってみれば、もっとたくさんやりたいこ

とがあったのにと後悔している。この一年間は長い

ようでとても短く、つらいようでとてもたのしい一

年間だった。大学生活のうちの一年間という長い期

間海外で過ごせたことは、今後の人生に大きな影響

を与えてくれると思う。

あったが、幾分かはよくなったよ

うに感じる。私の場合は、放課後

に一緒にスポーツをすることでコ

ミュニケーションが取れたと思

う。一緒に汗を流すことで仲間意

識が生まれ仲良くなることができ

た。運動のあとは一緒にコンビニ

によってアイスを食べたりして、

さながら部活終わりの高校生のよ

うだった。グループワークなど集

団で行動するときは、ローカルの

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10

 一年間のマレーシアでの留学生活は自分にとって

非常に有意義であった。経験するほとんどの事が初

めてであり上手く生活に順応することができず、戸

惑う日々の連続であった。確かに自分の身に降りか

かる全ての出来事が新鮮であったが、それと同時に

新たな環境に上手く順応することができないでい

た。食事は日本とは全く異なり食べるのに苦労した

り、現地の学生や教授の英語を最初は全く聴き取る

ことが出来なかったりした。授業についていけるか

どうかという不安や現地の学生と仲良くなることが

できるのだろうかという焦りも感じた。現地の学生

が我々日本人のことを受け入れてくれるのだろうか

というようなことも感じながら最初の2 ~ 3週間を

生活していた。一年間のマレーシア生活を自分に

とって意味のあるものにしていくためには新たな環

境に出来るだけ早い時期に適応し順応していかなけ

ればならない。気候や地理的環境といったいわゆる

外的環境には比較的早い時期から順応することがで

成長した一年

国際経営学科 3 年 池いけがや

谷 航こう

きた。最初の一週間から二週間はマレーシア特有の

天候に適応するのに苦労したが、一か月程生活して

いるとその地域の天候に順応することができた。現

地の食も、最初は辛すぎると感じてしまい食べるこ

とができなかったが、日を追うごとに現地の辛い食

べ物も躊躇なく食べることができた。

 しかし、文化、習慣、個性や価値観というような

内的環境に適応することや理解することが非常に難

しかった。特に個性や価値観の観点においてである。

確かに、生まれた場所や育った場所は人それぞれ異

なり個性や価値観は違って当然であるが、お互いの

考え方の相違にストレスを感じたときには衝突する

こともあった。しかし、そこでどう折り合っていく

のか、またそれをどのようにして自分自身で異文化

を理解していくのかが非常に重要になってくる。考

え方が違うからといって自分から歩み寄ろうとしな

いようでは自分自身の考えが成熟せず、国際的な教

養が身につきにくい。現地の人々は学生と積極的に

交流することによって自分が留学する前に持ってい

た偏見を取り除くことができる。内的環境といった

ものに対応し適応していくのは難しいことである

し、理解するのに時間もかかる。またストレスがた

まるのも事実である。しかし、得られる物は多くあ

る。宗教に対する偏見がなくなり、そういったもの

に寛容な考えを持つことができ、人種ごとの個性は

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習慣にも理解のある人間になることが可能だ。物事

も多面的にまた国際的に考えることができる知識が

身についた。

 留学中ではこういったことを学ぶことができただ

けでなく、英語力も向上することができた。特にコ

ミュニケーションの分野では、渡航以前よりも成長

を感じた。留学した当初は英語で会話することに全

く自信が持てず、現地の学生たちと積極的に会話す

ることができなかった。しっかり言いたいことが通

じているのか、発音はこれでいいのかというような

余計な事ばかり気にしてしまっていた。しかし、現

地の人々や学生は私たち日本人の拙い英語にも真剣

やすい環境であった。

 この留学生活で成長できた部分は非常に多く見受

けられたと感じる。英語力もその一つではあるが、

異文化に対する寛容さや新たな環境に順応し対応し

ていく適応力などもある。この留学経験で自分が感

じ取ったこと、考えたこと、悩んだこと、つらいと

感じたこと、などといった全ての感覚が自分を強く

させてくれたと思う。これらは自分にとってかけが

えのない財産になったと思う。このプログラムに携

わった全ての人々、そして約一年間マレーシアでの

生活を共に過ごした仲間には非常に感謝している。

そしてこれからも努力を怠らず今よりもさらに成長

できるように頑張っていきたい。

に耳を傾けており、理

解しようとしてくれて

いた。そういった現地

の人々の取り組みや行

動には本当に感謝しか

ない。彼らも英語を第

二言語として生きてい

るのでネイティブでは

ない。しかしお互い英

語がネイティブではな

いので、そういった意

味では英語を臆するこ

となく使いやすく学び

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12

 初めに自分の英語力は留学できるレベルを下回っ

ていたことを知ってもらいたい。その中で一年間と

いう長期留学を経験させてくれた方々に感謝をした

い。留学前、『英語力が足りてないやつが留学をし

ても得るものは少ない』と言われたこともある。し

かし断じてそのようなことはないということができ

る。なぜなら自分自身英語ができないからこそ気づ

けたこともあるからだ。一つの例として、日本にい

たころ、英語の文法を理解して話さなければ外国人

と会話することはできないと思い、ひたすら勉強し

ていた。しかし頭でわかっていても、話すことがで

きないのが現実だ。そこで数か月後、考え方を変え

ることにし、英語を全く話すことができない人でも

外国人の友達がいることを知ったときに、英語では

なく気持ちで伝えることがまず大事であることがわ

かった。英語はそこに少し加えるだけでいい。そう

思うようになり、その後は友達も増え、自然と英語

を話す機会が増えていった。つまり自分のやり方次

第で英語力の差は広がりも縮まりもするということ

だ。また、海外にいる間は、できる限りアウトプッ

トをすることが大事だと気づいた。今まで日本で勉

強してきたほとんどがインプットであり、それを使

うことで初めて英語が話せるようになる。なので、

英語をしっかり理解してから話すのではなく、フ

日本にいては気づけなかったこと

国際経営学科 3 年 井いやま

山 駿しゅん

レーズをどんどん使っていくことが大事であると感

じた。また海外へ行くときには英語より先に態度、

ジェスチャーなどを用い、親しみやすさを作ってい

きたい。

 英語力の向上はもちろんだが、BSAPに参加した

ことで多くの人と出会い、関わることで自分がどれ

ほど浅はかだったかを知ることができた。一緒に一

年間勉強してきた日本人の仲間一人一人が強い個性

を持ち合わせていたので、競い合いながらも学ぶこ

とが多くあり、クラスメイトやルームメイトとは日

本ではあり得ない行動に戸惑うこともあったが、お

互いに文化を理解し、共有できる友達になれた。加

えて、日本人の方数人にお話を聞かせていただく機

会があり、貴重な経験になった。海外で日本人に会

う機会は極めて低いので、出会えた時は話に花が咲

き、仲良くなることがある。これは海外ならではの

経験だ。自分自身ためになる話を聞かせていただい

たが、聞くだけではなく自分の話をすることで互い

の情報を交換することができる。感心して話を聞く

だけでは相手が話し、自分が聞くだけという関係に

なってしまう。相手がどんなに偉い方であっても自

分のバックグラウンドを知っている人はいないの

で、話すことで少しでも相手は新しい情報を得るこ

とができる。このようにして対等な関係を築くこと

で今後も付き合える間柄になれるということを学ん

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13

だ。もし、マレーシアではなく日本でこの方たちに

出会っていたら、あれほど話すことはなく、仲良く

もならなかっただろう。そう思うと、海外留学にて

日本をシャットダウンすることは良いことである

が、ときには海外にいるからこそできる日本人との

出会いも大切にするべきであると実感した。今後は

日本で多くの方に自分から伺い、一人一人が持つ価

値観の中で得た話を一意見として取り入れたいと思

う。そこから自分なりの考えを固め、行動していき

たい。

 まとめとして、一年間マレーシア留学をしたこと

で一番身をもって感じたことは、自分が動かなけれ

ば何も起こらないということだ。現にBSAPに参加

すること自体大きな一歩となった。はじめは不安だ

らけで行くことをためらったこともあったが、結果

として自分の考えを大幅に変えてくれる経験だらけ

で一年でこれほど成長を実感できるとは思いもしな

かった。もちろん異文化を初体験し、来なければよ

かったと感じることもあった。しかしその経験が

あったからこそ世界にはこんなに知らないことがあ

り、多くの人々がいることを知った。失敗をおそれ、

躊躇してしまうとその先どうなるかがわからないか

ら後悔をする。逆を言えば一歩踏み出し、失敗をし

てしまったとしても失敗をしなければわからないこ

ともたくさんあるということだ。このように自分が

動くことで何かが起こり、その都度得ることがある。

将来、聞いた話をするのではなく自分で見て知った

ことを人に話せるようになりたい。そう思うほどマ

レーシアでの経験は驚くことだらけであった。

 最後に、『海外へ行ってみたい』という気持ちか

ら『海外で働きたい』という気持ちにさせてくれた

BSAPというプログラムと関係者に感謝していま

す。

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 バスを降りるとそこはジャングルだった。日本が

まだ肌寒いころ熱帯の地で私たちの留学生活がス

タートした。BSAP特有の多くの日本人との参加

だったので当初は不安などは無く、ただ一年後の自

分はどうなっているのだろうという抽象的な考えだ

けだった。自分の性格上特別日本との文化の違いに

一喜一憂することもなかったが、生活をしていくう

えでAIMSTの環境というものには酷く苦しめられ

た。ハエと一緒に食べる自分の口には到底合わない

食事、車がなければ物資の補給もままならない立地、

低スペックなWi-Fi。幸いにも体調を崩すというこ

とはなかったが、アルバイトなどの時間もないので

ただただ暇な時間が過ぎていった。授業も始めのう

ちは先生が何を言っているかもわからず、ただ集中

して話を聞いては眠くなるということの繰り返し。

決して十分ではない広さの机や椅子、また慣れない

2時間という長い授業時間に加え、授業内容もアカ

ウントや数学など興味のない科目。モチベーション

になることもさほど見つからず、次第に不毛に思え

二十歳での熱帯生活

国際経営学科 3 年 井いざわ

澤 竜たつよし

た日々に嫌気がさしてきた。もちろんそんなことは

自分次第で英語の勉強をすれば暇な時間はなくなる

し、ネットが通っていれば出来ることなど山ほどあ

る。だがしかし自分はその意志が弱く、日本にいた

ら自分のしたいことやさぞ有意義な時間を過ごせた

のだろうと空虚な想像を抱いてしまい、結局最後ま

で自分の理想像には遠い怠惰な生活をしてしまった

と酷く後悔している。

 2セメは個人的に非常に友達に恵まれた時期だと

思っている。1セメではその拙すぎる英語ゆえに、

ローカルの友達と話をするのがおっくうになったり

どこかで精神的な疲れがあったが、ある程度の語学

力とそれゆえの友好関係が築けたのちは次第とロー

カルの友達と接する時間が増えていった。授業中も

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英語でコミュニケーションをとっていく中で次第と

授業の内容を理解することも容易になり、放課後は

大学内のジムに行き夕食も一緒に食べる日々が続い

た。そんな2セメは瞬く間に過ぎていき気が付けば

年が明けていた。様々な事情があり仲が良かった友

と接する時間が少なくなっていたが、それまで日本

人2人で過ごしていた部屋に新たに1人のローカル

が加わった。以前から待ち望んでいただけにとても

うれしかったし、英語を使う機会も多少は増えたと

思う。

 私がこのBSAPで新たな発見や再確認できたこと

はいくつかあるが、その一つに言語を学ぶ楽しさに

ついて改めて気づかされた。基本的に日本ではただ

授業があるからという理由で英語をやっていたが、

マレーシア特有の複数の民族がいる社会で生活する

と彼らの第一言語でのコミュニケーションをとりた

いという思いが強くなってくる。マレー語や中国語

をほんの数単語知っているだけで相手との距離が驚

くほど縮まる。これがモチベーションとなりその言

語にはまっていく。ここでも大切なのがアウトプッ

トをしていくということだ。日常レベルまで落とし

込まないと覚えられないし使いこなすなどなおさら

無理である。実際ある程度喋れるようになってから

は、英語を使うということにおいての敷居がぐっと

下がったように思える。新しい単語やフレーズを覚

えるためのモチベーターとなるものを見つけ、どん

どんそれを使っていく姿勢が語学力を上げるために

は必須のことに思える。また忍耐力という面でも自

分の成長につながったと思う。非常に効率の悪いマ

レーシアの様々なシステム、余裕で割り込んでくる

人々、一年中絶え間なくいる蚊など、ほかにも多数

のストレスの原因があったがそのどれもが怒っても

仕方のないことなのである。それゆえ私はとてつも

なくマレーシアの人には寛容であったであろうこと

に疑いの余地はない。またその逆で改めて日本の良

さを思い知った1年でもあった。交通機関の普及率

と正確性、顧客への対応や仕事の速さ、一番は何と

いっても日本食のおいしさである。冬が好きだった

こともマレーシアのおかげで知ることができた。

ハーフパンツにサンダルというスタイルも嫌いでは

ないが、やはりこたつに入っておせちを食べるよう

な正月が恋しかった。最後に自分が感謝したいのは

ともに1年間を過ごしたBSAPのメンバーである。

彼らなしではもっとこの留学生活が厳しいものに

なっていたのは明白であるし、あまり意識はしてい

ないが日本人グループというプラットフォームが

あったことは、とても大きな精神的支えであったこ

とは言うまでもない。この横のつながりをこれから

も大切にしつつ、お互いに切磋琢磨して自分の成長

につなげていきたい。

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国際経営学科 3 年 鴨か も し だ

志田 壮そうた

人間育成プログラム 1年間のマレーシアでの留学を終え、携帯に入っ

ている写真や一緒に留学していた日本人の仲間達と

留学生活で印象に残っている思い出を話しながら振

り返っていると、このマレーシア生活というものが

自分の人生においていかに濃く充実した1年だった

かというのが改めて感じることができる。こんな貴

重な1年間を経験できたのは家族、国際課の方々の

助けのおかげだと思っている。この場を借りて感謝

をしたい。さて、そんなマレーシアでの1年間の生

活を振り返っていこうと思う。

 僕は大学に入学して目標を失っており、自分が成

長するためになにか良いきっかけがないかと探し、

試行錯誤をしていた際、英語の授業で先輩の体験話

から格安で1年間留学することができるBSAPプロ

グラムの存在を知った。BSAPの存在を知ってから

僕の留学における好奇心が強くなり、親との話し合

いの末、最終的にBSAPに参加することができるよ

うになった。マレーシアに留学する前に事前研修会

があったのだが話の中でこのような内容がでてきた。

「このBSAPプログラムは人間育成プログラムでも

ある。」という内容だ。この時、正直僕にはなぜそ

のようなことを言うのか理解ができなかった。今思

えばその時、軽い気持ちで留学を考えていたのだと

思う。そんな軽い気持ちでマレーシアに到着したわ

けだが、到着して数日後にこのような出来事が起き

た。僕は現地の先生に声を掛けられ、二人の日本人

の友達と現地の先生と会話をした。しかし、僕は先

生の話す英語が何一つ理解できず、また自分の言い

たいことが何一つ言えず、会話に参加することがで

きなかった。だが、他二人の日本人は先生の話を理

解し、しっかり返答して先生と会話をしていたのだ。

その時、会話に入れず一人黙り込んで座っているこ

としかできなかったことがすごく悔しかったのを今

でも覚えている。この悔しさからいかに軽い気持ち

で留学に参加していたのだと痛感し、他の人たちと

比べて私の英語が乏しいものだと気づいた。ここか

ら僕は気持ちを入れ替えた。現地の人たちに声をか

け会話をしに行った。会話の中で現地の人が言って

いた英語の表現をまねて使うこともあった。現地の

ハウスメイトやクラスメイトに英語を教えてもらっ

たこともあった。そんなこともあってか少しずつだ

が英語での会話が成り立つことができていった。

 さらに、現地の知り合いも増えていき一緒にお出

かけするようにもなった。マレーシアの大学で開催

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するドッジボール大会に参加したことがきっかけで

僕はドッジボールの練習や野外試合に誘われた。練

習や試合を通じてドッジボールに参加している現地

の人たちや他大学の現地の学生と仲良くなり、一緒

にご飯を食べに行ったのは良い思い出の一つだ。最

終的に日本に帰った今でも連絡をくれる現地の友達

ができた。日本に帰る前日に、「いつか日本に旅行

しに行くから日本のことについてガイドしてね。次

は日本で会おう。」と現地の友達に言われた。そう

言われて素直に嬉しかった。彼らに出会うことがで

き、僕ら日本人と出会うことがきっかけで日本旅行

について考えてくれる友達ができただけでもマレー

シアに留学して良かったと思う。

 こうしてたくさんの現地の人々と知り合うことが

できたのは積極的に交流をしにいかなかったら実現

しなかったことだ。このことから学んだのは自分か

ら積極的に行動していく大切さだ。クラスの内容が

分からず現地の友達に聞きに行った経験、グループ

課題で自分の意見を乏しい英語力で何度も現地のク

ラスメイトに意見を言った経験から、自分から積極

的に行動する大切さに気づくことができた。自分か

ら動いていかないと気づかなかったことに気づけな

い、思いを伝えたくても伝えることはできない、挑戦

することの大切さを知ることができた。このことは

マレーシアに留学しなかったら気づくことができな

かったことだ。日本にいたら気づかなかったことが

たくさん見えてくる。この留学は日本を離れて自分

自身を見つめなおす良い機会になったと思っている。

 最後に、この一年間を通して自分は以前と比べて

成長したと自信を持って言える。それは、英語力の

向上だけでなく精神面及び人間力でもいえること

だ。マレーシアで起きた良い出来事、悪い出来事、

そのすべてが自分を成長させてくれた。自分自身の

成長に気づいた今、このBSAPプログラムのことを

「人間育成プログラム」と言っていた意味が改めて

理解できた気がする。自分に大きな変化を与えてく

れたのだ。

 一年間で培ってきた経験や能力を今後の将来に生

かし自分自身をもっとたくましく成長していくべ

く、日本に帰ってからも様々なことに挑戦していこ

うと思う。

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 私はこの1年間の留学で楽しかったことも、辛かっ

たことも全て含めてBSAPに参加することができて

良かったと心から思っている。

 初めに、私がなぜこの留学プログラムに参加した

かというと、他の人たちと違い明確な理由や、やり

たいことがあったわけではない。もともと留学に少

し興味はあったが、1番は私の周りに留学に行きた

いと言っている友達が多く、行く先は違うもののみ

んながするなら私も留学してみようという軽い気持

ちでBSAPというプログラムに参加することを決め

た。渡航前は、留学メンバーは過半数以上知らない

人たちであったし、何より1年間という長い期間の

留学に不安しかなかった。しかし、今留学が終わっ

て思い返してみるとあっという間だったと感じる。

 私の留学したAIMSTという大学は、現地の人も

ジャングルというほど周りに何もなく、外出する際

はタクシーを呼ばなければどこにも出かけられない

ような所にある。カフェテリアという大学内でご飯

を食べるところは、ハエが食べ物に寄って来るので

マレーシアでの1年間

国際経営学科 3 年 小こいで

出 未みゆき

ハエをはらいながら食べることや、家にヤモリがい

ることは当たり前であった。留学当初は虫が苦手

だった私が、今では少しのことでは動じなくなり、

精神的に強くなれたと思う。また、マレーシア人は

非常に時間にルーズなので、授業や行事が時間通り

に始まることはほとんどないなど、日本とは全く違

う環境に戸惑うことが多く慣れるまでに時間がか

かった。しかし、1年間の留学を通しマレーシアで

生活をしてみて、今では日本が厳格すぎるのではな

いかと思うときもあるくらいマレーシアの生活に慣

れることができた。このように異文化経験は、その

土地で生活しなければわからないことであり、自国

の良さや悪いところも気が付かせてくれる非常に良

い経験になったと思う。

 私はもともと英語がすごく苦手で、英語で話すこ

とに苦手意識をもっていた。しかし、行ったからに

は頑張ろうと思い少しずつではあったが、現地の人

とコミュニケーションを取るように心掛けた。しか

し、当初は現地人の友達たちと話していても、内容

についていけなくなることがよくあった。しかし、

みんなの話を止めてしまうと思い、とりあえずうな

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ずいて話をそのまま聞くことが多かった。それでは

意味がないと思い、現地人のその中の友達と2人に

なったとき、思い切って私は語彙力が少ないから、

難しい単語使われると理解することが難しい時が

あったことや、もう少しゆっくり話してほしいと、

思っていたことを伝えてみた。嫌がられると思って

いたが、その子は嫌な顔せず、そうだったんだね、

わかった!と言ってくれた。それからはゆっくり話

してくれるようになり、私が分からそうな顔をして

いると大丈夫?など気を使ってくれるようになっ

た。また、英語を話すことが苦手だったが、いつも

私が話すときは理解しようと目を見て真剣に聞いて

くれる環境を作ってくれていたので頑張って伝えよ

うと思うことができたし、文法や単語の使い方を間

違っていると正しい使い方など教えてくれたり、す

ごく親切にしてくれた。あの時、相談してみて良かっ

たなとすごく思うし、自分の気持ちを伝える大切さ

を学ぶことができた。

 BSAPの留学を迷っていたとき、BSAPは普通の

語学留学とは違い、忍耐力や協力性など語学留学で

は求められない別のものが求められる、人間育成プ

ログラムともいえると教えてもらったことがあった

が、帰ってきた今その言葉の意味が理解できる。寮

生活なので、日本人同士はもちろん、現地の人たち

とも仲良く協力して生活することが必要となるし、

その土地にいけばどんなに不自由で、腑に落ちない

ことがあってもそこにいる限りは従わなければなら

ないこともあるなど、自分の中にあった偏った価値

観がいい意味で崩された。留学を通して様々なこと

に触れ、いろんな人との交流をしたことで、この経

験を自分の強みにすることができたと思う。

 最後に、この留学を1年間支えてくれた神奈川大

学国際課の先生方、留学を後押しして、応援してく

れた家族、1年間共に過ごしてくれたメンバーにと

ても感謝している。これから、将来したいことなど

まだ決めていないが、この留学で得た貴重な経験を

生かして頑張っていきたい。

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 マレーシアで一年間、経営学を英語で習うことが

でき、経済的な面での支援や卒業を遅らす心配のな

いほどの大量の単位が取得可能である、この申し分

ない条件に包まれた留学システムに心惹かれ、私は

このプログラムに参加することを決意しました。

元々、大学のうちに一度は留学しておきたいという

志もあり、それを実現することができる、叶えるこ

とができた喜びは大きかったです。

 憧れの海外生活。住んでいればすぐに英語が上達

するだろうと、目標であったコミュニケーション能

力の向上を図れるだろうと簡単におもっていまし

た。しかし、実際はそんなに甘いものではありませ

んでした。多民族国家である、主に3つの人種から

成り立つマレーシアでは、例外はありますが、やは

り同じ人種でかたまり、それぞれの母国の言葉を使

本当のコミュニケーションとは

国際経営学科 3 年 小こまつ

松 希のぞみ

用し生活する人々が多かったように感じます。その

集団のなかに入って生活することはコミュニケー

ションが苦手な私にとってとても難しいものでし

た。

 留学当初は、知り合いはたくさん増えましたが心

の底から友達といえる存在がいませんでした。まわ

りがだんだんと現地の友達と仲良くなっていくのを

みて、焦燥感に駆られ、自分のコミュニケーション

能力の低さに呆れ、自己嫌悪に陥ることもありまし

た。そこで、どうしたらもっと友達と心の距離を縮

めることができるのか、そもそもコミュニケーショ

ンって何なのか、自分なりに考察し、さらに友達に

相談した末、コミュニケーションにおいて大切なの

は相手への興味関心をもつことであるということが

わかりました。私はこんなにも基本的なことができ

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ていなかったのです。

 その日から私はいままでの生活を見直しました。

夕飯時や夜に人が集まるところに積極的に行き、そ

こで新しいコミュニティを作り、たくさんの人に出

会う機会などをつくりました。その生活のおかげで、

数人の、もっとこの人の

ことを知りたい、私のこ

とを知ってほしい、ここ

ろを共有したいと思える

友達に出逢うことができ

たのです。たしかに友達

は多いほうがいいです

し、だれとでもすぐにな

かよくなれる人間を羨む

けれど、本当の心のコ

ミュニケーションをする

という観点からみれば、

友達の人数にとらわれた

り、他人と比べるような

ことをするべきではなく、どれだけ深く濃く、相手

のことを知ることができるか、ということが重要で

あり、大事なことは、興味を持てる友達に出逢うこ

と、そのために自分を閉ざさず、常に素直でありの

ままの自分をみせることができるかだと思うので

す。私はこの留学中にもっと知りたいと思える友達

に出会えたおかげで、もっと伝わる英語を話そう、

磨こうという強い意識が芽生えていき、勉強のモチ

ベーションをつくることができ、頑張ることができ

ました。

 この経験を得て、現在は初対面の人とでも緊張せ

ずに自分の意見を伝えることができ、その人のこと

を知ろうと人それぞれに興味関心を持てるようにな

りました。その点では、本当にこのプログラムに参

加して良かったと思います。しかしこれは私にとっ

てまだまだ小さな一歩にすぎません。私はこれから

も進化をし続けます。そのためにこのマレーシアの

生活を生かし、毎日を新鮮に生き、常に何かの刺激

を得られる、未開の、荒々しいアドベンチャー的世

界であるこのBSAPプログラムのような、興味深く

てスパイシーな環境を選んで生きていきたいと思い

ます。

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常識は存在しない マレーシアに行った当初、留学生の大半が経験す

るであろうカルチャーショックに自分もしっかりと

直面した。私の場合、自分が常識だと思っているこ

とが常識ではないことから生まれたギャップだった

と言える。基本的に個室のトイレ個々にはトイレッ

トペーパーは備えついていない、洋式トイレは便器

に足跡がついていたり食事の前に手を洗わずして素

手でご飯を食べたり。日本で生まれ育ってきた私か

らすれば、トイレットペーパーは必ず便器の近くに

あるもの、洋式トイレは座るもの、食前は手を洗うと

いう常識、習慣が根付いていたが故に、“うわっ…”

の連続であった。多文化の中で生きるということは、

宗教も習慣も、時には考えも違うので簡単なことで

はない。それにもかかわらずお互いに干渉しすぎず

長年の間、三種の人種が共に生活しているマレーシ

アから学ぶことはたくさんあった。

 まず、自分を謙遜しがちである日本人に比べ、マ

レーシア人のほとんどに共通して言えるのは自信を

持っているという点である。従って、自分の意見を

しっかりと持ち、発信することに恥じらいがない。

嫌なものは嫌、分からないものは分からない、YES

はYESだしNOはNO、私だったら曖昧な返事をし

国際経営学科 3 年 三みうら

浦 幹かんな

てしまうだろうなという状況もバッサリ。そんな状

況に戸惑いつつも、本来こうあるべきなのかも知れ

ないと感じさせられた。中でも特に気持ちの変化を

もたらしたのは部屋の移動とKABADDIへの参加

である。

 初めの3 ヶ月間、私はインド系3人と四人部屋で

生活していた。1800字では到底説明がつかないの

でここでは詳細を明かさないが、インド系特有の性

格の彼女たちに加え、意思をはっきり言えない自分

の性格が災いし、3 ヶ月で部屋を変えることとなる。

今となっては笑い話として語ることができるが当時

の自分にとってその3 ヶ月はこの1年の留学の中で

最上級にしんどかったといえる。このように、メン

タル的に辛い時期ではあったが、自分を見つめ直す

いい期間であったのも事実である。人当たりはいい

ものの、時に相手のことを考えすぎてしまい自分の

意思を表現できないという自分の欠点や、読書とい

うストレスの発散方法に出合えたのもその時であ

り、このしんどい3 ヶ月のおかげで人との付き合い

方、自分のあり方を改めて見直すことができた。

 心の変化をもたらしたもう一つの要因、KABADDI

と は イ ン ド の 国 技 で あ る。 校 内 の 体 育 大 会 で

KABADDIを新種目として入れるから入らないか、

とクラスメイトであるインド系の友達に声をかけら

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れたのがきっかけで参加することになった。もちろ

ん初めは参加するつもりは一ミリもなかったがいざ

真剣に誘われると、挑戦してなんぼ、とあっさり

OKしてしまった。女子チームに参加した日本人は

私一人で、練習において日本人だからなどという優

遇は一切ない。ルール説明や作戦会議は英語で、勘

違いのないように何度も確認を取りながら練習に挑

んだ。はじめは初心者で意見を言う権利はないかな、

と遠慮していたが徐々に打ち解け、最終的には試合

や作戦に対し一丁前に口出しするまでになった。私

の言っていることが理解できなければ「どうゆうこ

「気にしない精神」と「相手を受け入れる精神」だ。

生活面や人間関係において幾度も“うわっ…”を経

験しているうちに“はいはい、おっけー”と思える

ようになり、最終的に常識なんぞ母国を飛び出れば

ただの概念じゃないか、という結論に達した。

 全くの無縁だったKABADDIに全力で参加した

り、三人種それぞれのお宅へのホームステイを制覇

したり、がむしゃらに駆け抜けたこの1年間を振り

返ると、もちろん「楽しい」だけではなく笑いあり

涙あり感謝ありの怒涛の一年だった。今後は、こう

した経験を踏まえ、人々とのつながりをより大切に

してゆきたい。

と?もっと詳しく」と一生懸命になって言い

たいことを読み取ってくれ、時には「いいね!

カンナの作戦採用するよ!」と認めてくれた。

そんなチームメイトがいたから言葉の壁に対

する恐怖心がなくなり、自分の意見を言える

ようになった。

 大学1年後期、「英語力を向上したい!宗

教の入り混じるマレーシアで新たな価値観を

見出す!」と、BSAPに参加を決めた。自分

が思うに渡航前に比べ断然英語力は上がって

いるし、マレーシアで見た、感じた、経験し

た、多方面の異文化のお陰で新たな価値観を

たくさん持つこともできた。それより、1年

間異国に住んでみて自身が成長できた点は

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 「すげえ。」マレーシアに降り立って、初めて口に

した言葉だ。自分にとっては初めての“外国”だっ

たので、何もかもが新鮮だった。異なる人種の人が、

何か違う言葉を話し、様式は違えど、自分が日本で

19年間生活してきたのと同じように現地の人々も

それぞれの生活がある。当たり前のように聞こえる

が、それを目の当たりにし、その“リアル”が「す

げえ。」と、自分に言わせたことを鮮明に覚えている。

そんな初めての外国、マレーシアで一年間生活して

みて感じた“リアル”と自分の成長を私の報告書と

したい。

 初めに、マレーシアの人々の人との関わり方につ

いて話したい。私がなぜ外国人の人間関係に関する

スタンスについて興味があるのかというと、自分自

身がそれについて随分苦しんできたからだ。この留

学では現地の人々と関わることで、その問題につい

てたくさんのヒントをもらった。例えば、私がほん

の少し体調を崩しただけで、「何で俺に教えてくれ

なかったんだ?!」「なんで私に最初に言わなかった

んだ?!」と、怒ってしまう友達がいた。この言葉は

私だけでなく、ほとんどの人にとって、そこまで言

われてしまうと重いと感じてしまうだろう。実際う

「とりあえず」やってみよう

国際経営学科 3 年 村むらかみ

上 海ひろと

まく付き合えなかった現地の友達もいたりした。し

かし、この出来事は自分の今までの人との関わり方

や日本人としての人との関わり方を考え直すことが

できた。そういう意味では、外から日本を見るとい

うことができた。

 次に、勉学と、それに対する現地の生徒の姿勢に

ついてだ。マレーシアでの学習はいろんな面で初め

てのことづくしだった。例えば、1時間の授業を毎

回30分ほどで終了し、足りない分は学期の後半で

一気に詰め込むというような教科がいくつかあり、

1学期は単位を1つ落としてしまった。しかし、そ

のような苦い経験を通して、2学期からはいい成績

をとることができた。テストの問題文が日本で受け

てきたテストとは一味違ったため、一年を通して新

しい勉強の仕方をしなければならなかった。また、

現地の生徒は本当に勉強に熱心で、プレゼンの授業

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があった際にセールスの従業員顔負けのプレゼンを

していたのを見て度肝を抜かされた。このような

数々の経験を経て日本では受けられないような刺激

を受け、自分の勉学に対する姿勢を見直すことがで

きた。

 次に、初めての“外国人”になったことについて

話したい。当たり前のことだがマレーシアでは私た

ち日本人が外国人になる。その上、私はディグリー

コースでたった1人の日本人だった。知っている人

が誰もいない大きなクラスに初めて乗り込む時は不

安と恐怖でいっぱいだった。果たして自分は自分か

ら知らない人に話しかけ、友達になれるのだろうか

と。実際教室に入ってみるとみんなが温かく迎え入

れてくれて、自分はなにを心配していたのかと忘れ

るほどだった。そして彼らと多くを話していく中で、

彼らは日本という国にとても興味を持っているのが

ひしひしと伝わってきた。私の現地の友達の数人は

日本語を勉強しているし、ほぼ完ぺきに話せる人も

いた。また、彼らに日本のことを聞かれることで、

自分が日本について何を知っていて何が知らないこ

となのかがはっきりした。とりわけ宗教のことにつ

いて自分は何も知らないことを知った。もともと宗

教には興味があり勉強していたつもりだったが、現

地の友達とお祈りの仕方や戒律などの話をしている

うちに、ただただ自分の宗教について無知を知って

いくだけだった。そのような経験もあり、私は帰国

してからすぐお世話になっているお寺に行き、気に

なっていたすべてのことを聴いた。この行動はマ

レーシアに行く前の自分ではなかなかできなかった

行動だ。

 最後に、BSAPに参加することの意義について話

したい。「留学」と聞くと、たいそうなモノのよう

に聞こえるが、実際そうではない。留学するにあたっ

て、目的や目標を設定するのは確かに大切だが、そ

れは二の次でいいと思う。実際私も一応目標は立て

たが、忘れてしまった。私はただ外国で一年間生活

し、勉強することで今までとは違う価値観や考え方

に出合い、精神的に人生を豊かにすることができる

と思って参加したまでのことだ。結果、いろんな人

に出会い、交流することで、これから自分が何を目

標とするのか、どうなりたいのかをはっきりさせる

ことができた。留学にいきたい理由は簡単でいい。

ただ、行った先で得られる最大限の経験を得ること

で、これからの自分に大きなプラスになることは確

かだ。

 最後になりますが、この留学に関わる国際課の

方々や、現地の先生方に感謝しています。ありがと

うございました。

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 私は入学以前から留学に憧れがあり、できれば大

学生のうちに長期留学を経験したいと思っていまし

た。BSAPを選んだ1番の理由は多民族国家という

フレーズに惹かれたからです。海外の文化に興味が

あったので、1つの国の中に様々な文化が共存して

いるマレーシアは私にとって、とても魅力的な国で

した。そんなBSAPを経て学んだこと、感じたこと

をこれから述べていきたいと思います。

 まず英語に関しては、元々自身の英語力が低いこ

とは自覚していたので、1年生のうちから、SAで

カナダに1カ月滞在したり、学内の英語講座を受け

たりと、自分なりに準備はしていたつもりでした。

しかし、マレーシア渡航後すぐに現地の方の訛った

英語が全く聞き取れず、想像以上の壁に直面し

ショックを受けました。特に初めの1カ月くらいは

授業で先生の話している内容がほとんど理解できな

い、質問しに行ってもこちらの英語が通じず聞きた

いことが聞けない、ハウスメイトやクラスメイトた

ちと話すにも名前すら聞き取れない、ドライバーと

のやりとりが上手くいかずなかなかタクシーを呼べ

ない、など悶々とした日々を過ごしとても焦りを感

じました。

 しかし英語は英語なのだから、慣れればきっと聞

意識の変化と挑戦の1年

国際経営学科 3 年 長ながしま

島 星せいか

き取れるようになるはずだと気持ちを前向きに切り

替え、ハウスメイトやクラスメイト達と積極的に会

話をするように心がけました。コミュニケーション

を重ねるにつれ、独特な発音も次第に聞き取れるよ

うになっていき、今まで馴染みのなかった英語の言

い回しなども知ることができました。日本ではアメ

リカ英語を習いますが、マレーシアの英語はイギリ

ス英語がベースなので単語や熟語、また細かい文法

などが異なります。それは知らなければ何度繰り返

し言っても聞いても通じませんが、そのような違い

を認識し現地の英語に合わせていくことで、より会

話がスムーズにできるようになっていきました。こ

の1年間で、文化だけでなく英語の多様性まで肌で

感じることができたのは今後に生かせる良い経験に

なったと思います。

 マレーシアでは英語を共通言語としてはいるもの

の母国語ではないため、英語が苦手な人もいます。

それでも彼らが気にせず堂々と英語を喋っている姿

に感化され、また私の話を理解しようとしてくれる

優しさに救われて、「自分の英語が間違えているか

もしれないから恥ずかしい」、「何度も聞き返したら

嫌がられるかもしれない」というネガティブな思考

がなくなり、英語を話すのがあまり怖くなくなりま

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した。また自分の中の意識としても、初めは英語を

勉強するために英語を話していたのが、この友達と

仲良くなりたい、もっとこの子と話したい、という

目的のために英語を使う、というように変わってい

き、その分モチベーションも高まり自然と会話も増

えていきました。

 私が最も興味のあった文化については、この1年

間でたくさん貴重な経験ができました。マレー系の

ムスリムの親友ができ、彼女との交流で初めて触れ

るイスラム教やそれにまつわるイベントや文化はど

れも興味深くおもしろかったです。 無知な私の質

問も嫌な顔をせず教えてくれたり、お祈りを見学さ

せてくれました。ハリラヤの時には家に招いてくれ

て家庭料理を食べさせてくれたり、伝統衣装のヒ

ジャブとバジュクロンを貸してくれたりもしまし

た。

 また彼女は日本に興味があり日本語を勉強してい

たので、日本語の文法や日本文化について聞かれ私

が教えるということもありました。日本人として自

国の文化や日本語についてもっと詳しく知らないと

いけないと反省することも多く、またそれを説明す

るための英語力の足りなさを実感させられ勉強にな

りました。

 彼女とは楽しい思い出がたくさんできた一方で宗

教や文化の違いで多少は大変なこともありました

が、 彼女の明るくおおらかな性格のおかげで私まで

何事もポジティブに捉えられるようになり、どんな

トラブルも笑って楽しむことができるようになった

と思います。

 最後に、神奈川大学・AIMSTの方々、1年間を

共にした日本人の仲間、現地での友人、日本で応援

して待っていてくれた家族、友人達、多くの人々の

おかげで、この1年間をマレーシアで無事過ごすこ

とができました。今、改めて私に関わってくれた全

ての人に感謝しています。多くの体験を通して1年

前の自分と比較すると成長できたと思います。しか

し、成長できたとは言ってもまだまだ未熟な部分も

多いため、現状には満足せず、今後の大学生活だけ

でなく卒業後も、この貴重な経験を無駄にすること

のないよう、挑戦し続けることを忘れずに成長して

いきたいと思います。

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 長期留学がしたい。これは私の中で、長年の夢で

あった。私は、神奈川大学に入学する前からBSAP

プログラムの存在については知っていた。入学して

から先輩や国際課の方々にたくさん話を聞き、「マ

レーシア」という自分が想像していた英語圏のアメ

リカやイギリスではないこと、英語で経営学を学ぶ

ということ、これらに不安がありながらもどうして

も日本を離れて長期海外経験をしてみたい!という

意思で行くことを決意した。マレーシアに着いた瞬

間は今でも鮮明に覚えている。ムワッとした蒸し暑

い空気。まだ寒かった日本から来た私は、「この空

気を一年間か…」と少々重苦しい気持ちで留学がス

タートした。

 まずは健康面について話そうと思う。最初に受け

た困難はやはり食であった。私はもともと食に関し

て好き嫌いというかこだわりが強く、特に辛いもの

はほぼ食べられないので不安だった。しかしマレー

シアフードというのはほとんどスパイシーフード。

寮のご飯は食べられたものではなかった。仕方がな

いなという気持ちで食べ続けた結果、1 ヶ月以上毎

日腹痛が続き、日本から持ってきた腹痛薬も効かな

くなり病院へ行くと診断結果は胃炎であった。それ

からはなるべく辛いものを避け、買ってでも違うも

行動力、判断力、精神力

国際経営学科 3 年 永ながた

田 千ちひろ

のを食べるようにした。

 次に起こったことは救急車で運ばれたことであ

る。それも一人でマレーシアの遠方へ出かけてホテ

ルにいた時、急に右目が激痛、視界が濁り見えなく

なってしまった。どうしていいかわからず、とりあ

えず就寝したのだが夜中に目覚めるほどの激痛でホ

テルのオーナーも不在、日本の保険会社に電話して

もどうにもならなかったので自分で救急車を呼ん

だ。原因もよくわからず肩に痛み止めを注射されて

本当に大丈夫かな、と思いつつこの時は死ぬかと

思った。今では話のネタになっているので大丈夫で

ある。

 次に旅行先でのこと。格安で泊まるために私は毎

度、ドミトリーに宿泊しているのだが、寝ていた時

に下のベッドで寝ていた男が私のベッドのカーテン

を開け、足元に置いていた貴重品を漁っていたのだ。

びっくりしてバッグの中を見ると財布がない。終

わった…と思いつつもその男に財布盗んだだろ!警

察呼ぶぞ、と散々言ったが自分の充電器を探してい

ただけだ、ととぼけられ、しまいには今から飲みに

行くから時間を奪わないでくれ、と言われ逃げられ

た。日本で詐欺に遭った経験があるので、このまま

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では証拠が無く特にマレーシアの警察は動いてくれ

ないと思い、走って追いかけその男のバッグの中身

を全部出してパスポートの写真とその場で本人の写

真も撮らせてもらって逃げられても個人情報は得

た、と半分諦め気分でベッドに戻るとベッドの上に

その問題の財布はあった。自分で置いていただけ

だったのかもしれない。疑ってしまったアルジェリ

ア人のおじさん、本当にごめんなさい。しかし、こ

ういう経験をして即座に判断して行動する力が身に

ついたと思う。

 次に、言語の壁について。実はこのプログラムに

受からないと思っていたくらい私は英語力がなかっ

た。渡航前、ついていけないかも、みんなとの差が

出て落ち込むかもと不安になり、「意欲はあるけど

ちゃんとやるの?大丈夫?」と鳩飼さんにも言われ

た。でも何が何でも入り込んで行ってやる、そうい

う思いで「いや行きます」と答えた。実際、渡航1 ヶ

月前にSAでアメリカへ行ったので大丈夫だと思っ

ていた。しかしマレーシアの英語は想像以上に訛っ

ていたので最初の授業は全然理解できず、クラスの

子と話しても意思疎通があまりできなくて辛かっ

た。しかし慣れていくにつれて先生が言っているこ

ともローカル人の英語も苦なく聞き取れ、会話がで

きるようになってすごく嬉しかった。マレーシアの

いいところはなんといってもフレンドリーさだっ

た。タクシーに乗れば運転手と必ずと言っていいほ

ど会話が弾む。お店にご飯を食べに行けばジャパ

ニーズ!ととても歓迎される。店員や運転手など声

をかけてくれた人と連絡先を交換して友達になっ

た。日本ではありえないようなこの緩さが面白かっ

た。私は人の目を気にして自信がなくなるという短

所があり、日本人と一緒にいると自分の英語を聞か

れるのが嫌だった。でもタクシーで運転手と二人の

時は自信を持ってたくさん話すようにした。そのお

かげか、日本人なのに英語上手だねと言われるよう

になりとても嬉しかった。また、先輩の紹介で数ヶ

月カフェのバイト経験もした。Hello welcome!とい

うと商品を見ていてもほとんどのお客さんが微笑ん

でくれ、レジをしただけでありがとう!と心からの

笑顔を見せてもらえてすごく気持ちが良かった。日

本と違うな、自分もこういう客でありたい、そう思っ

た。

 海外に出て外から見た日本の長所、短所が改めて

よく分かり、本当に考えさせられることが多かった

1年だった。英語だけでなく行動力、判断力、精神

力も大きく成長できた。この1年を振り返ればどん

な困難でも乗り越えていけそうだ。私と出会ってく

れた人々、応援してくれた家族、友達、そして私に

この素晴らしい1年間を与えてくださった国際課の

方々、鳩飼さん、本当に感謝しています。ありがと

うございました。

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 「なぜマレーシアに行くのかは、行ってから見つ

ける」これが私のBSAPに対する一番大きなテーマ

でした。語学力の向上=留学と考えていた単細胞な

私はまず渡航前から概念が崩れます。マレーシア留

学は語学じゃないと先生や先輩が言う度、じゃあな

んでマレーシアに行くのだ、留学するんだとハテナ

でいっぱい。その時の私は留学=語学という方程式

以外を見つけられませんでした。そんなカチコチに

固まった頭を柔らかくほぐしてくれたのが私にとっ

てのBSAPです。英語圏でなく東南アジア、先進国

でなく途上国。留学、と言われてイメージするもの

の180度逆に挑戦するということには勇気がいるけ

れど、その分やったことも人とは180度逆。自分の

強みになる事ばっかりです。

 事実、1年間実際にマレーシアで過ごして感じた

のは、留学は語学ではないけれど密接に関わってく

るということです。言語を通じて挫折も嬉しいこと

もたくさん経験しました。

 日常生活では拙い英語でもみんな優しく接してく

れますが、現地で生活するということはそれだけで

マレーシアで『なにを』つかむか?

国際経営学科 3 年 太おおた

田 朱あかね

はありません。物事を企画する時、不満がある時、

相手が怒っている時、私は自分の英語力の低さのせ

いで自分の意見を言わせてすらもらえなかったこと

が何度もあります。特に現地人しかいないコミュニ

ティに1人で飛び込んだ時にこいつは英語出来ない

から、という空気のせいで対等に話をさせてもらえ

ないケースが多かったです。自分の話をシャットア

ウトされるのは本当に悔しかったのですが、同時に

英語に対する熱意にもなりました。本当はなにが言

いたかったのか、事実を言っているのに信じてもら

えなかったのは何故なのか、ひたすらノートに書い

て反省していました。また、喋る内容だけでなく、

どうしたら伝わるか、ボディランゲージなども研究

しました。英語を話すことに対する恐怖は大きく

なったり小さくなったりを繰り返しながら徐々にな

くなっていくものです。挫折して悔しい思いをして

もう絶対にこの場では発言したくないと思っても、

違うところで自信を得て、もう一度挑戦して、それ

でもまだ挫折して。その繰り返しの中で英語力だけ

でなく言葉の通じない国で生きるための強さが育ま

れていったと私は感じています。帰国2週間前、1

年間の集大成として私は学校内で日本人によるフ

リーマーケットを企画、開催し成功させることが出

来ました。施設や設備のブッキング、告知の仕方、

その他様々な正式な手続きや話し合いを自分が主体

となって進めることが出来たのは1年間挫折し続け

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た経験のおかげだと思っていますし、この体験は私

に大きな自信を与えてくれました。

 私は中華系マレーシアの文化である24 season drum

club、日本でいう和太鼓のパフォーマンスグループ

に所属していましたが、そこには中華系しかいな

かったため練習はずっと中国語でした。いきなり言

語の通じない留学生が部活に入ってきて迷惑なはず

なのに、彼らは私だけのために英語で練習を進めよ

うとしてくれたり通訳としてついてくれたりと本当

に温かく接してくれたのです。彼らの温かさがあっ

たから、先ほどの挫折を何度繰り返しても立ち直れ

たといっても過言ではありません。大変なはずなの

に、どうしてそこまでよくしてくれるのか聞くと、

外国人である私が自身の文化に興味を持っているの

が嬉しいからと言っていました。彼らの自国文化へ

の誇りと愛情に感心すると同時に、自分の日本に対

する興味のなさに焦りを覚えました。和太鼓の経験

があったから挑戦したのに、いざ聞かれたら何が違

うのか、日本の文化すらもうまく説明できなかった

のです。このショックは私に、文化だけでなく広い

一般教養を学ぶことの大切さを痛感させました。

 さて、具体的な体験を紹介してきましたが、これ

らを通じて得た、なぜマレーシアに行くかという冒

頭のビッグテーマの答えはこれです。「他国で学ぶ

という生活を体験することでしか学び得ない『なに

か』をつかむため」この「なにか」は人それぞれで

す。異文化を理解すること、国際社会で生きる強さ、

日本食のすばらしさ、慣れない環境で生き延びるマ

インド、挫折しても立ち直る気の持ち方、なんでも

いいと思います。大事なのはその1つ1つが日本で

普通に生活しているだけでは気付けないものだとい

うこと。その小さな発見が引き出しとなって、これ

からの社会生活のふとしたところで活きてくると思

います。作った引き出しをどう使うかはこれからの

自分次第。自分で動いて得たチャンスなのだから、

どう利用するかは自分が一番よくわかっているはず

です。私はこれからも挑戦し続けますし、精進しま

す。最後になりますが、BSAPに行くつもりのなかっ

た私に魅力を語ってくださった榎本先生、西尾さん、

荒井さん、その他関係の先生方、国際課の皆様に感

謝を伝えたいと思います。皆様の後押しのおかげで

貴重な経験を得る機会を逃さず掴むことができまし

た。ありがとうございました。

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 私がマレーシアで過ごしたこの一年間は、これか

ら先一生忘れることのない思い出深く、濃い一年

だった。それは、良い面でも悪い面でも言えること

である。私は今回の留学が初めての海外での長期滞

在だったので、様々な問題に直面した。生活、人間

関係、授業など様々な問題に直面した。慣れない食

生活、多種多様な人種、宗教、英語のみでの授業、

最初はこの国で一年も過ごしていけるだろうかと、

不安になる時も多々あった。しかし、今ではその様々

な問題が私の英語力は勿論、一人の人としても大き

く成長させた要因であったと思える。中でも一番大

きな要因はマレーシアでの人と人との繋がりだと思

う。初めての言語の違う友人は私を大きく成長させ

てくれた。

 私の留学最初の出来事は、同じインターナショナ

ルスチューデントのパキスタンから来た生徒と会っ

たことだ。私たちは同じ時期にAIMST大学に留学

してきたので、すぐに仲良くなることができた。ほ

ぼ毎日ご飯を一緒に食べ、一緒にジムに行ってト

人と人

国際経営学科 3 年 大おおやま

山 伶れ お

レーニングしたり、彼に泳ぎを教えたこともあった

が、英語力が乏しいのと、私自身もそこまで泳ぎが

上手いわけでもないためうまく教えられなかったの

を覚えている。友達の誕生日にはみんなで祝い、外

に食べに行くこともあった。会話をするときは私の

不十分な英語も頑張って理解しようとしてくれ、間

違いや、わからない単語などを教えてくれた。とり

あえず彼は間違いなく留学序盤に一番時間を共にし

た外国人だ。英語を喋りたいと思っていた私にはと

ても貴重な存在であったのは間違いない。しかし、

考えと矛盾しているが、私は彼のことを少し近すぎ

る存在だと思い始めてしまった。やはり国が違うと

考えや、感覚が違うので、それが少しストレスに感

じていたのだ。私はたまには1人の時間が欲しいと

思っていたので、彼の誘いを断ることがだんだんと

増えてしまったのだ。誘いを断る自分が嫌で少し彼

をさけてしまい、それで彼との距離が少し遠くなっ

てしまった。さらに、彼はイスラム教信者でラマダ

ンという1 ヶ月の断食をする期間があった。そこで

私と彼の生活リズムに違いが出て、一緒に過ごす時

間がさらに少なくなった。しかし、少し距離ができ

たことによって逆に前より仲良くできた気がした。

前より話す回数こそ減ったが、その分一回の話す時

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間は前より増えたように感じた。さらに、いままで

そこまで喋らなかった現地人との輪も広がり、イベ

ントに積極的に参加した。おそらく最初のまま過ご

していたらどこかで大きくぶつかってしまい、全く

話さなくなってしまうなんてことも起こってしまっ

ていたのかもしれない。ぶつかって深まる絆もある

とは思うが、おそらくめんどくさがりな私には無理

なことだ。そう考えると少し疎遠になったことがプ

ラスに働いたのかもしれない。その後も彼とは普通

に仲のいい友達として彼が母国に帰るまで仲良く過

ごした。

 BSAPは主に現地の生徒との交流が自分の英語力

を高める手段となるだろう。しかし、ずっと現地の

生徒と共に過ごしていると文化や、生活の違いから

ストレスを感じることがあるかもしれない。そんな

ときは我慢せず、周りの人を頼ったり、少し距離を

置くことも必要だと思った。そう言った点でBSAP

は周りを頼りやすい環境にあるので、留学が初めて

の人や、海外生活が心配な人にはいいプログラムだ

と私は思う。しかし、それに頼りすぎて日本人とし

かコミュニケーションを取らなくなってしまう可能

性もあるので、そこは本人の意志の強さが大きな鍵

になるだろう。ただでさえ日本人が1つの学校に大

人数で入るプログラムのため、嫌でも日本人と関わ

ることがあるので、現地の生徒、日本人の生徒両方

の関係でバランスを取ることが大切だと思う。

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 なぜ私が留学先にマレーシアを選んだのか。まず

一つ目の理由は、以前から英語を実際に使える場へ

行ってみたいという気持ちがあったからです。しか

し、いきなり英語圏へ行って話すには自信をもって

話すことができないと考え、まずは英語を話すこと

への抵抗をなくす目的でマレーシア行きを選択しま

した。また、多文化社会であると聞いていたので、

一度の留学で沢山の異文化に触れあえると考え、こ

のBSAPに志願しました。

 初めてマレーシアに降り立った時の印象は今でも

忘れられません。夜の便でマレーシアに到着し、周

りは日本ではなかなか見かけない異国の人ばかりで

空港から外に出るとじわじわと汗をかく蒸し暑さに

包まれていました。大学の寮に到着するとそこには

ベッドと机とロッカーだけが置かれた無機質な部屋

がありました。この環境で1年間過ごすのかと考え

た時にまず、無事に過ごして帰れるのかという漠然

とした不安に駆られました。しかし、留学が終わっ

た今振り返ってみると、私はこの一年で沢山の経験

を積んで帰って来ることができたと実感しています。

 私は留学始めのころ、自分の英語力に自信がなく

内気な性格ということもあり、現地の生徒に話しか

自分なりに成長できた一年

国際経営学科 3 年 嶋しまだ

田 遥はるな

けられても緊張してうまく話すことができずにい

て、もどかしく思う時期がありました。また、周り

の日本人の友人たちがどんどん現地の生徒と仲良く

なっていくのを見て羨ましく思い、うまくコミュニ

ケーションをとれない今のこの状況をどうにかしな

ければならないと悩んでいました。そこでまず初め

にとった行動が、ルームメイトにとにかく話しかけ

ることでした。私のルームメイトは中国系で英語の

発音に少し訛りがあり、私の英語もたどたどしくて

お互いの英語を聞き取り合えないことが多々ありま

した。そんな会話が通じないときは漢字で書いて伝

えようとしたり、翻訳機能を使って伝えようとした

り、これを何度も繰り返していました。話していく

うちにマレーシア人も英語を母国語として普段喋っ

ているわけではないので完璧な英語ではない、とい

うことに気づきました。お互いの英語に違和感を感

じたらその場で指摘し合うこともしましたが、間違

えながら喋っても気持ちは伝わるということが段々

わかってきて、自分から他の現地の生徒に話しかけ

ていくことにも抵抗がなくなりました。初めはスト

レスに感じていた会話も自然と楽しいと思えるよう

になっていきました。

 勉強面でも苦戦しました。日本では普段聞き慣れ

ない全教科英語での授業に初めの頃はついていくの

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に必死でした。私はマレーシアへ行く以前、自分の

問題について誰かに話すのが苦手で、自分の問題は

自分で解決したいという思いがありました。勉強も

やってみればなんとかできると思いこんでしていま

したが、思うようにうまくいかず、投げやりになっ

ていきました。しかし、このままではだめだと思い、

周りの現地の友人や日本人の友人に助けを求め何度

も勉強を教えてもらいました。ぎりぎりながらも成

績をとれたのは皆のおかげです。誰かに助けを求め

て問題解決する重要さをマレーシアに来てやっと気

づくことができました。

 この一年で様々な場所へ行きました。AIMST大

学は森の中にあり、出掛ける際に必ず必要だったの

が、次第にマレーシアのことを知りたいという気持

ちが大きくなり、自分から聞いたり説明したりする

ことも増えました。この時私の英語がうまく伝わら

なくて聞き返されても、違った単語を使ってみたり

調べたりしてとにかく伝えようと努力しました。相

手もそれに応じて簡単な言い回しをしてくれて教え

てくれる方が多くて、そこから英語も学ぶことがで

きました。

 この一年は自分を見つめ直し、変えようと行動で

きた一年でした。以前の自分にはなかった行動力や

気持ちも持つことができました。貴重な機会を与え

てくださった先生方、周りの友人に感謝しています。

ありがとうございました。

が、タクシーや Grub

などの交通手段でし

た。車に乗り込むと、

どこから来たのかから

始まり、中にはマレー

シアのオススメスポッ

ト、マレー語や中国語

を教えてくれる方もい

ました。初めはこう

いった事を聞くことし

かできなかったのです

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 マレーシアでの留学を終え、帰国してから多くの

人に「マレーシアどうだった?」と聞かれましたが、

私は一言で言い表すことが出来ませんでした。それ

くらいこのマレーシアで過ごした1年間は刺激的で

強烈でした。私にとっての初めの大きな壁は食事で

した。マレーシア生活が始まってからの初めの3か

月、私を筆頭に日本人は体調不良でバタバタと倒れ

ていきました。私は食事が合わなかったためか腹痛

を起こし、一週間ほどまともな食事がとれず体重が

5kg減り、もやしのような体になってしまいました。

しかし留学終盤には、油こってりのナシゴレンやス

パイシーなトムヤムクンを甘々なMILOで体に流し

込んでいたので「慣れ」とは恐ろしいなと思いまし

た。おかげで体重が8kgも増えました。

 食事の壁以上にもっと高かったのが言葉の壁でし

た。渡航前、私はセロン先生のきれいな発音のアメ

リカ英語で英語を学んでいました。授業ではセロン

先生の英語がある程度聞き取れていたのでマレーシ

アでもなんとかなるだろうと考えていましたが、そ

の考えは甘かったです。実際にマレーシアに到着し

て現地の人と話すと全く彼らの英語が聞き取れませ

んでした。初めは彼らが英語を話しているのかどう

未知の国マレーシア

国際経営学科 3 年 高たかやなぎ

柳 ちひろ

かも曖昧なくらいリスニングが出来ませんでした。

相手の言っていることをリスニング出来ないとこっ

ちもスピーキングが出来ないので、マレーシア人の

英語のアクセントに慣れるまでは言葉のキャッチ

ボールが出来ず、とても歯がゆい思いをしました。

この留学で感じたことは、いくらTOEFLでよいス

コアを持っていても実際に英語をコミュニケーショ

ンの道具として使えないと意味がないということで

す。初めは完璧な英語を話そうと考えすぎて、いざ

話し相手を目の前にして話そうとするとうまく英語

が出てこないということがありました。そのような

ことが続いてだんだん英語を話すことが億劫になっ

ていた時期がありました。そんな時期に私は英語が

話せないマレーシア人の女性に出会いました。その

女性とは、AIMST大学が企画してくださったホー

ムステイでお世話になったホストマザーです。私は

彼女と英語、簡単なマレー語、ジェスチャーを交え

てコミュニケーションをとりました。この時にコ

ミュニケーションにおいて大切なのは“伝えようと

いう気持ち”だと気づきました。この経験がきっか

けで英語を間違えてもいいからとにかく伝えようと

考えるようになり、英語を話すことに対して難しく

考えなくなりました。

 マレーシアで過ごす中で私は日本にいたころと比

べて活発になったと思います。まず自主的にペナン

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にある日本企業に企業訪問をさせていただきまし

た。企業訪問では実際にマレーシアで働いている日

本人の方にお話をお伺いすることで、海外の日本企

業の実態を知ることができました。また留学中に人

生初の一人旅もしました。インターネットの中で見

ていた場所に自分の足で向い、自分の目で見て感じ

るという経験を20歳のうちにすることが出来てよ

かったです。マレーシアという未知の国に自ら飛び

込んだからこそ、ここまで積極的になれたのだと思

います。

 私は値段が安いのとコミュニケーションの機会を

増やしたいという理由から1年間4人部屋で3人の

ルームメイトと一緒に生活していました。1年間プ

ライベートがない空間で過ごすというのはものすご

くストレスでした。さらにルームメイトと生活リズ

ムが合わないというトラブルも発生し、とにかく辛

かったです。そんな気持ちが沈んでいるときに話を

聞いて励ましてくれたのが日本人の仲間たちでした。

AIMST大学には20人近くの日本人が派遣されます。

このような集団留学には日本人同士で集まってしま

い英語力が伸びにくいというデメリットがあります

が、辛い時に支えあえるというメリットもあるとい

うのがこの留学プログラムの特徴だと思います。

 この一年間を通して日本では絶対に経験できない

体験をたくさんしてきました。日本での当たり前が

がんがん覆されていくマレーシアで培った許容する

心や辛抱強さを活かし、残りの大学生活も新たなこ

とに挑戦して、より積極的で行動力のある人間にな

れるように頑張ります。

~最後に~

 一年間ともに過ごしてきたBSAPメンバーや現地

の友達、日本で応援してくれていた家族や友人、私

たち日本人のことを常に気にかけてくださっていた

AIMST大学の先生方、そして渡航前からご指導く

ださった神奈川大学の先生方のおかげで無事留学を

終えることが出来ました。本当にありがとうござい

ました。

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かけがえのない一年間 マレーシアで過ごした一年間は、これまで日本で

過ごしてきた19年間とは大きくかけ離れていまし

た。すべてが日本とは異なる国で暮らすことは、も

う二度と自分の人生で味わうことのできないであろ

う、かけがえのない経験であったことを今改めて感

じています。

 大学入学当初の私は留学に行きたいとただ漠然と

考えていて、正直日本以外の国に行けるのならどの

国でもいいとさえ思っていました。そこで見つけた

のが、当時の私の英語力でも手の届くBSAPでした。

当時はマレーシアのことはよくわからなかったけれ

ど、留学に対する不安や躊躇はなく希望に満ち溢れ

ていました。そんな思いの中で日本を飛び出してマ

レーシアに足を踏み入れました。そこでは人、風景、

建物、食べ物などすべて目に入るものが私にとって

見たことのないものでした。新しいものに触れ、新

しい友だちができ、順調に楽しい留学生活が始まり

ました。しかし毎日生活していくうちに、自分の中

でたくさんの問題や困難が生じました。その中の一

つがハウスメイトとの生活スタイルの違いです。私

のハウスには日本人二人、インディアン二人が住ん

でいました。日本人と比べると、中国系とはそれほ

ど差異がなく一緒にいても不快感を抱くことはほと

国際経営学科 3 年 上うえだ

田 涼りょうこ

んどありませんでした。しかしインド系とは生活ス

タイルがかなり異なっているため最初は理解するの

にとても苦労しました。彼女たちが部屋でインド料

理を食べると匂いが気になり、毎晩行われていたイ

ンディアンの集まりのせいでうるさくて眠れなかっ

たり、そのような問題に悩まされ少しずつハウスメ

イトとの距離も生じてしまいました。もう少し静か

にしてほしいと一言言えばよかったものの、伝わる

かなとか言い訳されたら何も返せないと怖気付いて

しまい中々話しかけることができず、結局最後まで

何も言うことはなく共同生活が終わってしまいまし

た。一緒に生活する上で我慢も必要ですが、お互い

の文化を理解し、話し合えたら問題は改善できたの

ではないかと思います。それができなかったのがこ

の留学での心残りです。

 マレーシアにいる間、たくさんの異文化に触れる

たびに異文化を理解することの大切さを実感するこ

とができました。現地の方と話していると、宗教や

言語だけでなく国民性や生まれ育った環境が違うと

こんなにも考え方が違うのかと驚くことが多々あり

ました。時には友達と意見が衝突してしまい、自分

の表現できる精一杯の英語で話し合い泣き合ったこ

ともありました。お互いの意見を受け入れることが

難しく、結局その話し合いの結論が出ることはあり

ませんでした。今思うことは、お互いがお互いをちゃ

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んと理解して初めて異文化を受け入れることができ

るということです。また、自分にとっての当たり前

を他者にとっての当たり前だと思わないこと、固定

概念や偏見に囚われないことも大切だと日々の中で

学びました。私はマレーシアに行く前、日本の外の

世界を自分の目で見て確かめたいという思いが強く

あったため、時間があれば積極的に大学外に出て活

動しました。休みの日にはベトナム、タイ、シンガ

ポール、香港の四ヵ国を旅しましたが、マレーシア

と同じアジアの空気を感じることもあれば、全く異

なる一面を見たりなど、それぞれの国をしっかりと

味わうことができました。元々東南アジアに対して

良い印象を持っていませんでしたが、旅行を通して

自分の中で描いていたアジアのイメージがどんどん

変わっていきました。また、他の国を知ることで日

本の良い面と悪い面を知り、日本の中にいるだけで

は決して知り得なかったことに多々直面しました。

例えば、時間に関して日本では時間通りが普通です

が、マレーシアでその言葉は基本的に通用しません。

それは悪く言えばルーズですが、穏やかで寛容な国

民性が現れていることが分かります。日本は何事に

も正確ですが、逆に厳しすぎることや規律を破ると

すぐに批判したり揚げ足をとる人が多いなという印

象を受けました。それまでは何事も日本基準で考え

てきましたが、もっと広い視野で物事を判断しなけ

ればいけないと考えさせられました。

 留学を経て、日本はとても発展していてどれだけ

恵まれている環境で過ごしてきたかを身に染みて感

じますが、同時にマレーシアの住みやすさを実感し

ています。何度も日本に帰りたいと願っていたのに、

今となってはマレーシアに戻りたいと思うことがよ

くあり、一年を通してマレーシアという国を好きに

なれたことを嬉しく思います。この一年で経験した

辛いことも楽しかったこともすべてが自分の宝物で

す。日本でもこの経験を忘れずに何事も広い視野を

持って取り組んでいきたいと思います。ありがとう

ございました。

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 私はこの留学プログラムに参加するまでに海外へ

行ったことがなかったうえに、飛行機にすら乗った

ことがなかったため、この1年間は自分にとっては

すべてが新しく、かけがえのない経験になった。

BSAPというプログラムは異文化交流と語学研修を

メインの目的として謳っているが、個人的には語学

というよりも異文化交流の要素のほうが強かったよ

うな印象が残っている。異文化交流に関して言うと、

マレーシアはそれを経験したい人にとってはこの上

なくいい刺激になる国だと思うが、語学研修につい

ては高いレベルを目指すような人にとっては物足り

ないような気がしたり、ちょっと自分の思っていた

ような感じではないなという印象を持ったりする人

もいるだろう。どちらにしろ神奈川大学でだらだら

と過ごす1年間に比べれば誰にとっても自分のため

になる留学プログラムであると言うことができる。

 私たちの過ごしたエイムスト大学は周りに森しか

ないジャングルの中に位置していて、まれにサソリ

やコブラも目にするような地域であった。気候、気

質、文化、言語、すべてが生きてきた19年間と異

なる生活は疲れもストレスも溜まったが、向こうの

さまざまな人との出会い

国際経営学科 3 年 山やまぐち

口 一いっせい

学生たちは私たち日本人にとても優しく明るくふる

まってくれた。学生だけでなく、マレーシアの人々

は日本に比べてはるかに優しい人が多かった。日本

人はすぐ他人のことや他人がしていることを否定し

たがるが、マレーシアの人たちは何にでも協力して

くれたし、困ったことがあったら私たちのことを率

先して助けてくれた。こういった人の温かさは、先

進国途上国関係なく生きている人間にとって大事な

ことであると感じた。また、マレーシアの学生たち

は、私生活にしろ勉強にしろ何事にも一生懸命であ

ることに衝撃を受けた。とにかくアクティブで大学

内で行われるさまざまなイベントの企画を学生が主

体となって積極的に計画・運営していた。日本にい

た頃は学校と家とを行き来する毎日で、ただ受け身

で授業を受けていただけの自分の生活とは大違い

で、新鮮というかいろんな人がいるなという感じで

いい刺激になった。勉強についても、マレーシアの

学生は平日や休日に関係なく毎日夜遅くまで自分の

部屋や図書館で熱心に取り組んでいた。言い過ぎか

もしれないが、ラクタンとかいうレベルではなく成

績はAじゃなければ意味がないというような学生

であふれていた。校内の施設や学習・教育のシステ

ムはまだまだ生徒がある程度満足できるようなレベ

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ルではなかったがこういった傾向を目にすると、マ

レーシアは今は発展途上国かもしれないが数十年後

かにはいくつかの先進国に追いつくといわれている

理由がわかるような気がした。

 また、語学の面では自分の思ったように成長でき

なかったのが少し残念であった。一番苦労したのは

リスニングで、中華系・マレー系・インド系で微妙

にそれぞれの母語に引っ張られているような英語の

発音の違いがあったため、聞き取ることが最後まで

難しかった。結局は自分の努力次第でどうにでもな

るが、日常会話+α位習得したいと思う学生には

ちょうどいいのではないかと感じた。

 最後に、BSAPに参加した1年は自分にとって今

たからという理由でだらだらと英語学習を続けてい

た私にとって、本当にしたいことは英語学習ではな

いとBSAPを通して感じた。それまで特にやりたい

ことが見つからなかったが、留学を通してさまざま

な人と出会い、さまざまな経験をし、さまざまな世

界を見ることができた。これからは、BSAPで得た

知識や経験を活かして、BSAPのおかげで今の自分

がいるといえるような堂々と胸を張れる人生を送り

たい。1年間サポートしていただいた関先生、行本

先生、大橋先生、国際課の方々、本当にありがとう

ございました。

後のためになる良い

1年だったというこ

とができる。このプ

ログラムをきっかけ

にもっと英語を使っ

て将来に役立てたい

と思ったり、他の留

学プログラムにも参

加したいと思った学

生がほとんどだと思

うが、せっかく今ま

で英語を勉強してい

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国際経営学科 3 年 山やまぐち

口 令れい

大学卒業までに知っておきたい事 正直なところ、マレーシアでも大学にいる生徒は

国の平均に比べるとかなり裕福な家庭で育ったであ

ろう子が多い。そう考えると、いろんな人種がいる

というだけであって日本の大学と何の変哲もないよ

うに思える。むしろ彼らは僕らよりも高い能力を

もっていると感じた。複数の語学を堪能に扱うし、

勉強への意欲が高く、コミュニケーション能力も非

常に高い。そして多民族国家故か否かは分からない

が、他者との共存の仕方がうまいと感じた。それは

必ずしも一緒に仲良く過ごすであったり、互いに共

感していくということではなく、むしろ他者は違う

ものだと認識したうえのコミュニケーションであ

る。これがこの一年で最も学んだことの一つである。

 留学前のイメージとして、学校パンフレットだっ

たり自分なりに多民族についてウェブで調べたとき

は、同じ枠組み、画面にいろんな人種が一緒に写っ

ていて、みんな同じように幸せを全うしていこう的

な内容だった。しかし実際はもっと素直で残酷、い

い意味でも悪い意味でもけん制しあうこと、関わら

ないことによって共同しているのだと感じた。それ

ぞれがベストを尽くすにはお互いのコミュニティの

中で最大限のできることをするだけであって、わざ

わざ皆共同のコミュニティに入る必要はない。自分

の居場所(自分が最も輝ける場所)を確保すること

が重要だと感じた。自分の場合は授業のグループ活

動、食堂でのおしゃべり、プライベートで外に出か

ける、イベント参加など各々の時に一番楽しめるも

しくは協力し合える人達のところにいるよう心掛け

た。

 彼ら彼女らは英語を堪能に扱うが、英語が母国語

でないため普段の会話では正直あまり英語を使って

いない。もちろん僕たち日本人や他国からの留学生

がその場にいる以上、英語を使って話してくれるの

がほとんどだ。ただ自分含め4人以上の会話になる

とだいたい母国語が混じってくる。気になるので

図々しく毎回何を話してるか聞くようにしたところ

面倒くさいなと言わんばかりの困った顔をされるこ

ともあったし、スルーされることもあった、逆に毎

回丁寧に教えてくれる人もいた。教えてくれた彼ら

の母国語の単語を武器(ギャグとして)に新たに仲

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良くなった人たちもいた。ここで学んでことが二つ。

一つは自分が興味なくても相手の詳しいことや普段

使っているもの、興味のあることを少し学んでみる

ことによって相手との距離が縮まるということ。も

う一つは、居心地が悪く自分も成長できないなと

思ったらそのグループから脱け出して良いというこ

と。よく言うコンフォートゾーンから脱け出せとい

うのは自分の知らないところにより成長できる場所

がある可能性がある為であって、決して居心地が悪

いところにいれば成長できると言う訳ではないと今

の時点では感じている。ただこの判断は実際にコン

フォートゾーンの外へ出て参加してみないと分から

ないので、まずは外に出てみることが最も重要だと

思う。これらは今後またどこか新しい場所で何かを

始めるときに重要になってくると自負している。

 さて、そもそも留学を含めすべての経験は次のス

テージに活かさなければならない。では、BSAPで

学んだコミュニティのあり方、参加の仕方をどう次

に繋げていけるだろうか。ポイントは自分が最大限

の力を発揮できるか否かであり、そのために、多く

の方に知ってもらいたい・やってもらいたいことが

ある。自分を知ることだ。これは今すぐやるべきだ。

多くの人は自分の隠れた才能に気付いていなかった

りする。自分の知らない良いところは意外と気付き

にくいし、自分の周りにいる友達や家族ですら気付

いていない事が多い。自分が弱みや欠点だと思って

る事さえ自分の長所になるので、是非より多くの方

に自身のことを知ってほしい。このような部分の自

分分析をするためのツールとして、ストレングス

ファインダーやエニアグラムなどがあるので是非

google等で検索してみてほしい。自分をよく知るこ

とで相手の良さも見えてくる。多民族、多宗教といっ

たグローバルな世界の中では非常に大切なことであ

ると思う。

 また、僕自身が留学前から参加しているもので

BBSという活動がある。全国にコミュニティがあ

り神奈川大学内にもサークルとして存在している

BBSは非営利団体として様々な状況の子供達の手

助けをしている。この報告書を見てくださっている

方の中には留学だけでなくNGOのような海外でボ

ランティア活動をしたいという方もいると思う。そ

ういう方は是非海外に行って参加してもらいたい。

ただ海外へ行くと同時に国内にもある真実や深いと

ころ、現状も見てほしい。自分の個性、経験を用い

ながら、濃い関係で人の為に協力したいという方、

興味だけでもあるという方は是非BBS活動を調べ

てみたり、学生課等で尋ねてみてほしい。

 最後に、留学前から様々な面でサポートしてくだ

さった先生方、スタッフを含めた多くの方に感謝し、

次のステージにこのBSAPでの経験を活かしていき

たい。

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 私がBSAPについて知ったのは高校生の時で、海

外に非常に興味があったので、もし神奈川大学に行

くことになったらこのプログラムにぜひ参加したい

と考えていました。しかし入学後、大学の英語の授

業では新しいことを特に習うこともなく、ひたすら

リスニングの演習や日本人同士での英会話の繰り返

しで、正直自分にこれ以上英語に対しての伸びしろ

があるとは思えず、一度英語を学習することをやめ

てしまいました。そして以前より興味のあった韓国

語を大学で学び、検定試験に合格し派遣交換留学に

も応募しましたが交換留学生には選ばれませんでし

た。そこで大学在学中に必ず長期留学をしたいと考

えていた私はBSAPに参加を決めました。

 マレーシアについた当初は日本との生活レベルの

差に圧倒され、ここで一年間無事に生活していける

のかと正直不安でした。学校外へは車を使わなけれ

ば外出することができないほどの僻地であり、校内

でできること、購入できるものは限られていました。

AIMSTでの授業が開始される前のオリエンテー

ション期間に実際に現地の学生と交流する機会があ

かけがえのない一年

国際経営学科 4 年 貫ぬき

 大だいち

り、そこで初めて彼らの英語能力を知り圧倒され、

少し授業への不安が募りましたが、帰国する時には

自分も彼らのように英語が使えるようになっていた

いというモチベーションでもありました。マレーシ

アの人々はほとんどが第一言語は英語以外で複数語

話すことができ、英語は幼稚園児のころから学習し

始めます。そのため民族間でそれぞれ英語のアクセ

ント・発音の違いがあり、その点がマレーシアの英

語に慣れるまではとても苦労しました。

 ファンデーションコースの授業形式は講義が中心

であり、朝から夕方まで英語を聞くことはできてい

ましたが、なかなか英語を話す機会は多くはありま

せんでした。ゆえに、授業でプレゼンテーションを

行うたびに、現地の学生とのスピーキング能力の差

を感じていました。そこで自分は現地の学生との会

話する機会を積極的に設け、英語で話すことに慣れ

るよう努力しました。現地の学生とは、実際に彼ら

のマレーシアに対する考えや、宗教についてなど自

分が知りたいことを話すことができたのでとても興

味深く、日々の楽しみでもありました。毎日のよう

に僕と電話してくれた現地の友達もいてとても感謝

しています。

 長期の休みには、タイ、ベトナムなどマレーシア

の近くの国を旅行することができました。マレーシ

アとはまた違った東南アジアの国の文化や雰囲気を

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知ることができ、マレーシアが多民族国家であるこ

とを再認識しました。また、ドミトリー式のホテル

に泊まった際に、欧米からの観光客と同室になるこ

とがあり、そこでフランス人やアメリカ人と普通に

会話ができるようになっていて自分の英語力の成長

を少し感じることができました。

 半年が経ったあたりから、日々の生活が同じこと

の繰り返しでモチベーションが下がりつつありまし

目は日本を客観的に見ることができるようになった

ことです。マレーシアにいる間、日々日本は発展し

ていて恵まれた国であると感じていました。また、

世界には多様な考え方があることを知り、今まで日

本でしか暮らしたことがなかった自分の考え方の幅

が広がりました。二つ目は将来の目標を定めること

ができたことです。留学する前はただ漠然と海外で

働きたいという考えしかありませんでしたが、現在

は米国公認会計士の資格を取得し、世界中どこでも

働くことができるようになるというのが目標です。

 最後に、かけがえのない経験をいくつも手に入れ

ることのできるこのような素晴らしいプログラムに

参加できて本当によかったです。

た。 そ こ で 自 分 は マ レ ー シ ア で

TOEICの受験が可能であることを

知り、空き時間に対策をして試験に

臨みました。AIMSTの学生は理系

の学生の割合が非常に高く、医学部

や歯学部を目指す友人もいたので、

彼らが自分より何倍もの課題や自習

をこなしているのを日々目にし、自

分も彼らのように頑張ろうという気

持ちで努力することができました。

 僕がマレーシアでの留学を通して

変わったことは二つあります。一つ

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Ⅳ 派遣先大学

エイムスト大学www.aimst.edu.my

 AIMST大学はマレー半島西岸の州で、観光都市ペナンから車で約1時間半、北に走らせた場所に位置している。また、日系企業も多く進出するスンガイ・ペタニまで車で30分余りの距離にある。 ケダ州は非常に自然豊かで、キャンパスも大自然の中の広大な敷地に建っている。モダンな建物が並ぶキャンパスには寮はもちろん、オリンピックサイズのスイミングプールやジム、巨大な体育館などがあり、キャンパス内で日常生活が送れるようコンビニやレストラン、床屋までも完備されている。 創立者で総長を務めるサミー・ヴェル博士はインド系マレーシア人で、中央政府の重鎮政治家でもある。貧困層を含めた幅広い層に高等教育を提供するという主旨で2001年に設立された。医学や薬学などサイエンス系を中心に26コースの幅広い専攻を備える。キャンパスの国際化にも熱心で、神奈川大学をはじめ英国やオーストラリア、さらにはパキスタンなどからの留学生が学んでいる。学生総数4000名に占める留学生は約3%、26 ヶ国から100名以上である。

1 2 キャンパス内の寮3 ジム4 プール5 コンビニ6 図書館7 カフェテリア

2

6

31

7

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Ⅰ 概要 …………………………………………………………… 01

Ⅱ カリキュラム ………………………………………………… 02

Ⅲ 派遣学生の報告書 ─帰国後提出─ ………………………… 04

阿部 美佳 …………… 04 長島 星花 …………… 24

伊田 隼人 …………… 06 永田 千尋 …………… 26

池谷  航 …………… 08 太田 朱音 …………… 28

井山  駿 …………… 10 大山 伶央 …………… 30

井澤 竜剛 …………… 12 嶋田 遥菜 …………… 32

鴨志田壮太 …………… 14 高柳ちひろ …………… 34

小出 未幸 …………… 16 上田 涼子 …………… 36

小松  希 …………… 18 山口 一生 …………… 38

三浦 幹奈 …………… 20 山口  令 …………… 40

村上 海図 …………… 22 貫  大地 …………… 42

Ⅳ 派遣先大学 …………………………………………………… 44

発行日 2018年7月1日

発行者 BSAP委員会

発行所 神奈川大学 経営学部〒259‒1293 神奈川県平塚市土屋2946番地湘南ひらつかキャンパス電話(0463)59‒4111  FAX(0463)58‒9683

印刷所 富士オフセット(株) 電話(0463)82‒0137

目  次

2017年度 BSAP AIMST 成果報告書

本書の掲載内容の一部または全部を転載する場合には、事前に神奈川大学経営学部(学部長室)までご連絡ください。

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2017 年度

AIMST成果報告書