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:iSummit2006に見るCCの展望
ドミニク・チェン [Creative Commons Japan / 東京大学・日本学術振興会 特別研究員]
野口祐子 [Creative Commons Japan / 国立情報学研究所・助教授]
2006.07.14 16:00~18:00国立情報学研究所
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Creative Commonsとは?
•アメリカで2001年より展開しているNPO (非営利団体)です. 現在,約40カ国語以上に翻訳され,世界的に利用されています.
•創造的な著作物に柔軟な著作権を定義するライセンス [Creative Commons Public License]を提供しています.
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iCommonsとは?
•クリエイティブ・コモンズがライセンスなどの法的な整備に専念するために,主に文化普及面を担当するための組織です.
•Creative Commons以外の自由文化/オープン・コンテンツ/文化施策の営利+非営利プロジェクトとの連携を積極的に行っていきます.
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some facts
•49カ国から250人+が参加,50人+のプレス・ブロガー(アメリカ,ブラジル,イギリス)
•Google, Microsoft, Shuttleworth財団,Open Society
Institute (Soros), Linden Labs, Revverなどの複数民間スポンサー
•CCコンテンツ:一億四千万(Google CC Search Engineに基づく)
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Keynote 基調講演- Microsoft, Google, Red Hatの参加- 一億四千万のCCコンテンツ- 国策やビジネスの展開
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BoFBirds of a Feather:アイデアの萌芽を共有するセッション
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ccClinics [international] [glocal]
各国CCの取り組みの共有と,問題への対応などの議論
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Workshops[discussion] [working groups]
先進的なCC事例を実践して理解するセッション
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法律面からの報告- CCアイコン- ccMixter 各国言語化- CC関連訴訟- CCPL ver3.0
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CCライセンスのアイコンのリニューアル
•現在のCCライセンスのアイコンが、新しくなる。どのライセンスを使っているかが一目で分かるように、BY・NC・ND・SA などのアイコンが含まれるデザインに一新。さらに、ライセンスの内容の厳しさにより、赤から緑へ、色が付けられている。現在のCCライセンスのアイコンは、クリックしてコモンズ証を確認しない限りどのタイプのライセンスなのかが明確ではないというフリー・ソフトウェア財団のリチャード・ストールマンからの指摘に応えたもの。
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CC Mixter 各国言語化• CC Mixterのページを各国の言語で表示できるようにするプロジェクト
CCのコモンズ証は現在、ブラウザーの言語設定を自動的に読み取って、そのブラウザー指定言語で表示される様になっている。同じ技術を音楽コミュニティであるCC
M ixterのサイトに応用して、 各国のボランティアに翻訳を入力してもらい、それを自動的に表示するようにすることで、CC Mixterが各国の言語で楽しめるようにする。
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CCライセンス関連訴訟
• スペインのBadajoz 事件
• Bar のオーナーは、CC の音楽をかけていれば、音楽著作権管理団体に使用料を し 腹なわなくてよい。
• オランダのA.Curry v. Audax/Weekend 事件
• Adam Curry の非商業ライセンスの写真が商業タブロイド誌Weekend に掲載。
• 損害賠償額ゼロ(Cf: 日本では異なる)
• フランスでのラジオ利用の交渉
• 大きな問題は訴訟費用をどうするか。
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CC ライセンス V3.0 (1)• DRM 関連規定
• 現状:著作権者が、DRM チャンネルで販売しながら、同時にCC でも公表することは自由。
• 現状:CC ライセンスにしたがって利用する人は、「CC ライセンス条件に違反するような内容のDRM をつけてはいけない」(5 条f 項)
• 提案:CC ライセンスされたものをDRM をつけて再配布する場合には、DRM で保護されていないバージョンを同時に提供しなければならない義務を課す。
• 結論:見送り(理由:より複雑になる、ニーズが見えない。)
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CC ライセンス V3.0 (2)
• 著作者人格権
• 現状:国により、法的ライセンス条項には記載したりしなかったり。カナダでは放棄されている。コモンズ証では記載がない。
• 結論:基本的に著作者人格権は尊重する(CCライセンスでは変更されない)方針で。ただし、日本の同一性保持権のように、ライセンスを有効に機能させるために一定の処理が必要な場合には、法律専門家の判断で一定の処理を行うことが許される。
• 結論:コモンズ証では「著作者人格権には影響を与えません」というような記載を入れる。(日本の場合の取り扱いについては別途協議)
• 背景:日本の同一性保持権は、国際条約に定める「名誉声望を害する方法での改変を禁止」するというレベルよりも高いレベルでの保護であるため(「意に反する改変を禁止」)
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CC ライセンス V3.0 (3)
• Generic (一般)ライセンスの取り扱い
• 現在のGeneric ライセンスは、実は米国法ライセンス
• したがって、v3.0へのバージョンアップと同時に、米国法ライセンスであることを明確化
• まだ、自国法のライセンスがない国のため、条約に基づく文言などで記載される、真の「Generic 」ライセンスを作る。
• できるだけ、自国法に基づくライセンスへ誘導する(現状では、「Generic 」という言葉に惹かれて意味もなく米国法に基づくライセンスを選択する利用者が多すぎるため。)
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CC ライセンス V3.0 (4)
• コモンズ証のデザイン
• 現在、ライセンスの国籍にかかわらず、ブラウザの言語にしたがって表示されるため、誤解を招きやすい。特にGeneric ライセンスの場合、国籍が表示されないため、自国法ライセンスと誤解する人がいる。
• ライセンスの国籍を明確にするため、国旗をコモンズ証に表記することも、案として検討されている。
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Creative Modelsday 1
CCライセンスを実装した様々なプロジェクトの発表
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Freedom Toaster (South Africa)
[education] [hardware]
都市の中にオープン・コンテンツの自動配布機を埋め込んでいく
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Microsoft Office[proprietary] [open data]
MS Office上でCC付きWordやPowerPointの書き出しを行う
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NGO-in-a-BOX (Netherlands)
[NGO/NPO] [FLOSS]
非営利/非政府組織のコミュニケーションを支援するポータル
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Estudio Livre (Brazil)
[cultural hotspots] [education]
Pontos de Culturaと連動した,国家規模のフリーコンテンツ・サイト
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Cultural Economicsday 2
CCライセンスを利用したビジネス・モデルの紹介
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Revver (US)
[video] [P2P] [syndicate]
CC:BY-NDビデオ流通に基づいた広告収入モデル
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ccBulgaria[3DCG] [FLOSS] [competition]
3D-CGのCCを利用したコンペなど
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ccBulgaria[institution] [time-sharing]
CCを根本に据えた教育文化組織体の運営案
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Open Channel (Australia)
[media art] [public art] [live event]
美術館展示作品でのCCの応用など
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Educational Commonsday 3
CCを利用した教育の事例を発表
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Second Life (US)
[education] [online-game]
ゲーム世界内における教育モデルと経済モデルの再定義
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OneLaptopPerChild (MIT)[education] [hardware] [global]
世界中の子どもたちにオープンソース/コンテンツのPCを与える
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Wikipedia[education] [culture] [online]
「技術ではなく社会の革新を」
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OpenBusiness.cc[business] [open license]
企業間の新しいオープンな契約形態を創出する
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iSummit2006に見る,オープン・コンテンツの展望
•Some Rightsの「常識化」
• Microsoft / Googleなどの超大企業,Revver / Linden Labs などの新興企業,そして MIT OLPC / OCW に代表される教育プロジェクト,アレキサンドリア・アーカイヴに代表される文化資源プロジェクトといった社会のメジャーシーンに確実に浸透しつつあり,またそのために必要な分節化(ライセンスの領域毎への分化,商業ドメインとの互換性の強化)も起こっている.
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iSummit2006に見る,オープン・コンテンツの展望
•新規ユーザー層の大規模参入による活性化
• OCW(アメリカ,日本,...),Thutong (南ア),Pontos de
Cultura(ブラジル), そしてOLPC:発展途上国における,オープンアクセスに基づいた教育プログラムは今までにない数のクリエイティブ・ユーザー層を生み出し,同時に新たなマーケットを形成している.
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iSummit2006に見る,オープン・コンテンツの展望
•日本におけるiCommonsの展開の可能性
•特的公益増進法人(NPO)としての活動の可能性が考えられる
•日本のCCユーザーの皆さまと共に考えていきたい
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