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ブロックチェーンの応用例 山本遼 チームラボ勉強会 2016/12/08

ブロックチェーンの応用例(チームラボ勉強会 2016/12/08)

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ブロックチェーンの応用例山本遼

チームラボ勉強会 2016/12/08

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ビットコイン・復習

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ビットコインの取引データ

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取引AINPUT

…OUTPUT

5BTC:山本口座

取引BINPUT

取引Aのハッシュ値OUTPUT

5BTC:中野口座

取引CINPUT

取引Bのハッシュ値OUTPUT

5BTC:喜多口座

誰か → 山本 山本 → 中野 中野 → 喜多

D山

署名誰

D中

署名山

D喜

署名中

● 口座番号=公開鍵

● 送金する人が秘密鍵でデジタル署名

● 一番最初の取引まで辿れるリンク構造

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ブロックチェーンと計算量証明

● 一定量の取引をまとめてブロックを構成

● 全体のハッシュ値の上位N桁がゼロになるような

Nonceという数値を総当たりで探して付加

● ブロックには前のブロックのハッシュ値が含まれて

チェーン構造になる

● ブロックの古いほうへ行くに従い、改竄が困難になる

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ブロックチェーンは何に使えるのか

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ビットコインの銀行に対する優位性

● 送金が早い

‐ 「銀行を使って中国に送金するより、重たいハンマー台を中国に

送るほうが早く着く」

‐ ビットコインは10分程度で送金できる

● 手数料が安い

‐ 送金手数料・為替手数料・現金化の手数料

‐ クレジットカードは手数料が高すぎてマイクロペイメントに使えな

● 信用や個人情報が不要・情報漏洩が起こらない

● システムが停止しない6

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ブロックチェーンが持つ概念的な意味

1. 嘘をつかないネットワーク

‐ ブロックチェーンのインセンティブ構造が、

ウソを付くことを困難にし、

かつコスト面で割に合わないものにする

2. 力の集中から分散へ

‐ 全体を管理する中心が存在しないため、

検閲や攻撃に対して耐性がある

3. プライバシーの保護

‐ 信用を前提とする既存の交換システムは

仲介者が多くの個人情報を握ることになるが

信用が不要なブロックチェーンは個人情報を前提としない7

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ブロックチェーンでできること

● 脱中心・分散型のシステム

‐ 耐障害性・セキュリティが高い

‐ 仲介マージンが少なくなる

‐ 権力に支配されない

● 信用不要のシステム

‐ 既存の社会システムは信用を前提

● 「生命保険会社は信用しよう」「Googleは信用しよう」

‐ そういった信用をベースにしないシステムが作れる

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ビットコイン2.0

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ビットコイン以降の暗号通貨

● オルトコイン(altcoin)‐ ビットコインの代わりとなる通貨

● ビットコイン2.0‐ 通貨以外の目的がメインである暗号通貨

‐ 2つの種類に分かれる

● ビットコインに乗っかるタイプ

● 別のプロトコルで流通するタイプ

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オルトコイン(altcoin)● ビットコインの代わりとなる通貨

● ブロック生成速度や通貨の供給速度が異なったりする

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ブロックチェーンの合意形成手法

● PoW: Proof of Work(計算量証明)

‐ 大量の計算コストが必要な演算によってブロックチェーンの合意形成

をする

‐ ビットコインで採用されている手法

● PoS: Proof of Stake(資産保有による証明)

‐ コインを大量に長期間持っている人ほど、ブロック生成の計算コストが

小さくなる計算量証明

‐ 大量コイン保有者は不正をしてコイン価値が下がることを嫌うため安

全性が増し、演算コストも小さくて済む

● PoWのスケーラビリティ問題への対策

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その他の合意形成手法:許可型ブロックチェーン

● 特定の1つまたは複数の団体や個人のみがブロックの承認を行

えるブロックチェーン

● 承認のスピートを早くしたり、参加者を制限しやすい

● 企業・団体が内部で運用しやすい形態だと言われる

● 複数の金融機関で共同運用するような場合は

コンソーシアム型と呼ばれる

● 批判

‐ 中央集権的でありブロックチェーンの意味がない

‐ 分散型データベースと何が違うのか

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ビットコイン2.0(ビットコイン上で流通)

● ビットコインの取引データの拡張領域に独自の情報を載せるこ

とで独自システムを実現

● 取引には毎回少額のビットコインが必要

● ビットコインのブロックチェーンを利用できるので安定性が高い

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ビットコイン2.0(独自ブロックチェーン)

● ビットコインとは別に独自通貨と独自ブロックチェーンを作るタ

イプ

● ビットコインとは異なる承認システムを利用できる

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例:Colored Coin https://goo.gl/sxgCbH

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例:namecoin https://goo.gl/OUZIbm

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ビットコイン2.0の応用分野

● スマートコントラクト(契約の自動化)

● 組織の分散化・自動化

● スマートプロパティ(所有権のデジタル化)

● ユーザ個人/団体の独自通貨

● 分散型取引所

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スマートコントラクト

● 今日100コイン貸すので、一ヶ月後に110コイン自動的に返し

てもらう。残高が足りなければ抵当の証券は私の所有になる

● (Youtube動画で有料で広告を載せたとして)動画の再生数

が2000以下だったら広告料を30%自動返金する

● 白鵬が勝ったら100コインは俺のもの、負けたらお前のもの

● 信頼性を持って外部APIとやり取りするために Oracle, Oracliseなどのシステムがある(詳細未調査)

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組織の分散化(DAO: Decentralized Autonomous Organization)

● AirBnB, Uber, クラウドソーシング等の仕組みは

ブロックチェーンで実装することができる(っぽい)

‐ 中央に誰も存在しないオープンプロトコルで組織が動く

● ソフトウェア開発でIssueごとに報酬を割り当て

テストに通ったら自動的に送金されるシステム

‐ スマートコントラクトを実装するビットコイン2.0プロジェクトでは

実際に使われているらしい

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問題点

● 技術面

‐ スケーラビリティ(巨大な量の取引をさばけるか)

‐ 暗号のセキュリティ

● 暗号の性質が悪いと、マイナー・ハードウェアの寡占が進む

‐ システムのバグ

● 当然存在。若い通貨は十分な検証を経ていない

● 運用面

‐ プロトコル変更の意思決定がスムーズにできるか

● コミュニティの利害対立

● 政治・法律面

‐ 国家が規制できないのが許されるか

‐ 国家に守られない(ハッキングでお金が盗まれたら終わり)

‐ スマートコントラクトにバグがあったら法律的にどうするか不明 21

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その他の例:Storj https://goo.gl/DwjIf9

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注目のビットコイン2.0:Ethereum字幕付き動画で学ぶEthereum

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Ethereum● 仮想通貨時価総額ランキング 2位(2016/12/8現在)

● 2013年から開発、2015年公開

● 誰でも自由にプログラムを書いてスマートコントラクトを実装で

きるプラットフォーム

‐ Ethereum上に別の通貨や取引所などが作れる

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Page 25: ブロックチェーンの応用例(チームラボ勉強会 2016/12/08)

Ethereum イメージビデオ https://goo.gl/Qq2Y9t

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Page 26: ブロックチェーンの応用例(チームラボ勉強会 2016/12/08)

Ethereum 創業者 https://goo.gl/w1Ut0L

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Ethereum 技術概要 https://goo.gl/6BuqOf

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プレゼン資料をPCで開くことをおすすめします! https://goo.gl/yS7thz

Page 28: ブロックチェーンの応用例(チームラボ勉強会 2016/12/08)

Ethereum 応用について https://youtu.be/Clw-qf1sUZg

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まとめ

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まとめ

● 仲介者がなくなることで、お金が無駄なく流れる

システムが現実的になった

● スマートコントラクトにより、中央サーバを持たない

ビジネスロジックが実装可能になりつつある

● 信用を前提としない新しい組織・経済圏が作れる期待

● 技術・運用・政治面で課題はいろいろ

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