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naoya-otani
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5つの事例
• 日本語版には掲載なし(第二版以降に掲載)
サマリ:https://www.sociomedia.co.jp/5340
1:NPSとユーザ経験との関連を測る
2:指紋読み取りシステムへのフィードバック実装についての効果測定
3:プロトタイピングツールのデザイン改良
4:大学の志望者を集めるためのアクセスデータ分析
5:生体反応からユーザビリティを測る
NPSを意思決定へ結びつけるプロセス
・満足度を聞く
・他人に推薦するかどうかと、それぞれの機能について聞き、どの機能が強い変数か計測
⇒二軸を取り平面にプロット
FIX REVERAGE
HOLD MAINTAIN
重要度
満足度
投資による満足度の向上
最優先で投資
次に投資
NPSによる意思決定の実行
• ユーザーエクスペリエンスに注力することで推奨可能性が上がるとわかった
• 推奨可能性の5%増加を目標として改善を行う
⇒1年後、3%の改善に成功
目標には届かなかったが、一定の成果が出た
• 新規に顧客を1人得るためには、8人が他人に推奨する必要がある
→そのためには、13人の推奨者が必要
この事例からの示唆
★単にスコアだけ取っても意味がない
→Key Driver Chartに落とすなどして、どこに投資すべきかを判断することが必要
• 投資の結果についても、年ごとに定量的に確認する必要がある
(今回の場合は推奨可能性を測定することにより、投資対効果を把握した)
2:指紋読み取りシステムへのフィードバック実装についての効果測定
●目的:
リアルタイムで表現豊かなフィードバックがあると、ユーザは独力でシステムを使えるようになるか調べる
●結果:
• 成功率や満足度について、フィードバックがある方が上昇した
この事例からの示唆
★実際の調査で、定量データからユーザビリティ向上を読み取るための例
使用した主な指標:
・完遂率
・エラー
・指紋の精度
・時間
・満足度
(※なぜこれらの指標を選んだのかは明確には示されていない)
3:プロトタイピングツールのデザイン改良
●目的
• OpenText社のプロトタイピングツール「Web Experience Management」のデザインリニューアルを行う
• 最新のアップデートで、ツールパレットが大きくて邪魔だという声が多く出たため、よりよいデザインを模索したい
●結果
• 最終的に、操作の難易度が低く、完遂率が高い画面が出来上がった
(※どのようにそのデザインを導き出したのかについては触れられていない)
ユーザビリティ調査で使用した指標
●今回使用した指標
• 完遂率
• 時間
• SEQ
(※タスク終了後に、難易度を0-
7点で聞く)
●ユーザビリティの定義(ISO)
• 効果
• 効率
• 満足度
対応
●各指標の結果
• 完遂率:3回目で下がるが、4回目で最高を記録
• SEQの平均:一貫して数値が上がり続けた
この事例からの示唆
★プロトタイプを高速回転させるPJTでは、体制を整えたうえで定量データを利用すると効率的(参照:ch.3)
• 定量データを共有する仕組みを作っておくと、分析に入るまでの時間を短縮できる
(今回はExcelのテンプレートを作り、それを埋める形でデータを収集した)
4:大学の志望者を集めるためのアクセスデータ分析
●目的
• Open Universityサイトのユーザエクスペリエンスを向上させるために、複数の指標を組み合わせてインサイトを得たい
●結果
※この事例は明確な結果というより、手法の解説に重きを置いている
手法1:特定のボタンについてのユーザの行動を探る
• 何人か調査を行って仮説を得たうえで、定量データ分析に切り替える
(例)Information Technologyのリンクは折りたたまれているために、Computingのリンクより押されにくいのではないか?
Information
TechnologyComputing
37%
27%
⇒Computingボタンの方が押されやすい
33%多い
手法2:サイト全体でのユーザの流れを確認しボトルネックを見つける
• 手法1よりも、日常的に行うことができる
例)本書の場合
• 大量の流入があるのに、次のページへの遷移が少ない箇所がある
⇒その前のページで、ユーザが行きつ戻りつして先に進めていないため
手法3:ペルソナがデータと合致しているか確認し修正する
• 既存のペルソナが合っているか、指標を通じて確認でき、修正箇所もわかる
例)本書の場合
• ペルソナ「Winston」を用意したが、調査ではそれらしいユーザに出会わなかった
⇒ぴったり合致するユーザがいなかっただけか、あるいはペルソナが間違っているのか?
• アクセスログを解析したところ、Winstonの行動として想定していたもののうち、実際には起こっていないものがあった
⇒Winstonを修正し、新しいプロトタイプ「Win」を作ることができた
この事例からの示唆
★Open Universityもユーザビリティテストは積極的に行っていた
• しかしサイトが大規模で複雑なため、全ての課題を抽出・対処することができない
⇒利用者が少ない機能は、どうしても後回しにされる
⇒調査で指標を抽出することによって、課題発見~対応までのプロセスを素早く行うことができる
5:生体反応からユーザビリティを測る
●目的
• デジタル教科書と紙の教科書のどちらが使いやすいかを調査する
• その際、ユーザの感情を測定し、使いやすさの指標と相関するのか調べたい
●結果
• 紙のテキストへの感情はネガティブなものが多かった
• ただし、次に使いたいのはどちらかを聞いたところ、半々に分かれた
使用したもの
●Affectiva Q sensor(参照:Ch.7)
• 神経の反応(覚醒度)を測定する
⇒それが正負どちらの感情によるのかは分からない
●Microsoft Product Card
• 感情を表す118の言葉が書かれたカード
⇒特定の感情について説明しやすくなるそれぞれの感情を感じているかも見られる
Dull Helpful
Easy to use High quality
Effective Impersonal
Efficient Impressive
Effortless Incomprehensible
Empowering Inconsistent
Energetic Ineffective
(一部抜粋)
この事例からの示唆
★Q sensorを使う際は、できるだけ多くのマーカーを設定し、大量のデータを取る方が、結果的に時間の節約になる
• 通常のデータ分析では、見るべきデータは少ない方が良いはず
• しかし今回の場合は、機械でなければ取れないデータが多く含まれる
⇒「仮説構築<今までにないデータから見つかる発見点」という解釈