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ことばの獲得 動物のコミュニケーション= しぐさ / 鳴き声など感情の伝達 ことば ( 言語 ) 抽象的観念, 思考結果の伝達 ことばの起源=①実用手段 ( 報伝達 ) ・②娯楽・慰撫手段 ( おしゃべり : 猿の毛づくろい の代替 )

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ことばの獲得• 動物のコミュニケーション=しぐさ /鳴き声など感情の伝達

• ことば (言語 )=抽象的観念,思考結果の伝達

• ことばの起源=①実用手段 (情報伝達 )・②娯楽・慰撫手段(おしゃべり :猿の毛づくろいの代替 )

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文字の登場

• 文字の前段階としての絵• 音声言語=対面コミュニケーションが可能な範囲に限られる (部族社会 )→楔形文字 (紀元前 3100年 :小国家 )

• 文字言語=文書・記録の保存,契約・法律の制定による資源の管理強化,高等宗教や大規模組織の発達

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メディアとしての紙• 「文字」を「文書」の形で長期保存可能に。写本や「木版印刷」による「複製」

• 西暦 105年,後漢の祭倫が発明• 610年,製紙法が日本に伝来• 751年,タラスの戦い→イスラム圏

/1000年ごろ→ヨーロッパへ

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写本と印刷物

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写本の限界• 限定的な流通 (膨大な労力 )• 特権階級の間で知識の伝承• 新たな解釈は御法度 (保守性 )• …秘儀・秘伝・門外不出• 貴重品。絵画と同等

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活版印刷術

• 1234年,朝鮮半島で発明• シルクロード経由で欧州へ• 1455年,ドイツ (マインツ )のグーテンベルクが活版 印刷機を用いて 「四十二行聖書」 を約 180冊刊行

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活版印刷の影響• 黙読の習慣 (個人化 )• 方言から共通語へ• 知識の平準化・固定化• 情報 (知識 )の商品化 (大衆化 )• パトロネージュの終焉

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定期刊行物の登場

• 1620年 :Corantos, 1640年 :Diurnos。日刊新聞の登場

• 政治・経済情報,事件報道• 市民革命・市場経済の拡大を牽引• 識字率のさらなる向上• 説話・物語の受け皿にも

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活版印刷の波及効果•宗教的権威の失墜 (宗教改革 )•統一国家の形成 (共通語 )•学問の発達 (ルネッサンス )•識字率向上⇔教育の大衆化•均質な知識を持つ労働者•国民主権の民主制 (市民革命 )

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メディアと文明• マクルーハンは「文字が農耕文明や古代国家形成の原動力となり,活版印刷術が工業文明や近代 (民主制 )国家形成の原動力になった」と分析した

• この議論は一見すると,「メディア技術が社会構造を規定する ”“技術決定論」のようにみえる

• しかし,メディアだけではなく,他の社会的諸条件が整わないと「変革」は起きない

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技術決定論の限界

(1) インカ帝国• 無文字文明• 高度な天文学・建築学の知識(2)朝鮮半島• 活版印刷術の原型が生まれた限り,朝鮮半島には民主国家が成立していなければならない

…が (他の社会的条件の欠落 )

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マスコミュニケーション

• 輪転機の登場・高速交通網の整備→新聞の頒布地域の拡大・発行部数増大

• ラジオ (1896年→ 1912年 )• レコード (1877年→ 1890年 )• 映画 (1888年→ 1900年 )• テレビ (1923年→ 1948年 )

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20世紀メディア• 工業文明が高度化・成熟化し,大量 (大衆 )消費社会に進化する過程を,マスメディアが支えた (広告によるアド・サポーテッド・モデル )

• 教育との両輪で,知識を平準化し,レベルが揃った労働力の供給を可能にした

• マスメディアは設備投資が必要な装置産業

• しかし,電子 (ネット )メディア (21世紀メディア )の登場により,存在理由を問われ始めている

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•情報社会論の系譜

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4回の情報化論ブーム

1970 1985 1991 2000

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景気変動の影響• 好況期に情報技術への関心 (不況脱却の切り札としての関心 )

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コンピュータ技術史の節目

1 960年代後半( 1 970)

未来論 大型汎用コンピュータ

社会的基盤( インフラ ) の情報化1 980年代

前半( 1 985 )

ニューメディア

ワークステーション(WS )

オフィス・工場の情報化(OA/FA)1 990年代

前半( 1 991 )

マルチメディア

パソコン,テレビゲーム

生活の情報化

ミレニアム越え( 2000)

IT→ ブロードバンド

インターネット,情報家電

社会全体の情報化

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コンピュータの進化• ENIAC→IBM「 S360」→スパコン

19461964

1976

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トランジスタの集積度の向上

1 9 48

真空管(1 )

1 9 5 9

IC(1 00)

1 97 0

LSI〈 40 〉(4 0000)

1 980

VLSI〈 600 〉(6 00000)

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大型汎用機の時代• 科学技術計算からデータ処理へ• 汎用機←→入出力 (ダム )端末• 「みどりの窓口」 (‘64),銀行 ATM

1964

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①70年前後の情報社会論

テレビの大衆普及 =60年代後半の“ 3C”・電卓戦争 (’64~ )

工業社会の完成 (農村から都市への人口移動 =過密 :過疎 )

科学技術・未来への素朴な信頼 (テクノ・ユートピア思想 )

1 9 7 0 年 : 大阪万博

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TV普及 :10年間で 90%台に

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1970年までの「情報」概念

• マスメディア (とくにテレビ )などが大量に情報を提供し,それを媒介にして,人々が大量消費に走る

• 「人々の知的営みによりうまれ”る“知識」が「情報」の本質

• つまり,「工業的」な「情報概念」が支配していた

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「情報」の意味内容の限定化• 当時の通商産業省「産業構造審

議会 情報産業部会」が「情報産業」の振興を提言 (1969年 )

• そこで定義された「情報化」はコンピュータとネットワークによる企業活動の効率化

• コンピュータが開くユートピア=コンピュートピア思想

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就業構造の変化• 第 1次産業 (農林水産業 )→第

2次産業 (製造業 )→第 3次産業 (サービス業 )=情報関連職業

• 高付加価値化 =労働集約型産業→資本集約型産業→知識集約型産業 (技術やノウハウの活用 )

• 情報サービス産業の育成

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②1980年代の情報社会論

• ミニコン・オフコンの普及によるオフィス・オートメーション(OA),産業用ロボットによる工場の自動化– 「産業の情報化」の緩やかな進展

• 全国総合開発計画 (三全総 )による,情報・交通インフラの整備

• 国産コンピュータ産業の育成

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ニューメディア:テレビの拡張

• 家庭用電話の普及・全国即時自動通話交換の実現 (‘79)→電話の多目的利用による家庭の情報化

• 電話+テレビ =ビデオテックス

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ワークステーション→ PC

• ALTO(GUIの採用 )→PC(マイコン )→テレビゲーム機

1974 1984

1983

PC-8801

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③1990年代の情報社会論

• パソコンの普及・高度化による音楽,画像の統合 (マルチメディア )

• パソコン通信サービスの登場• 情報家電による生活の情報化の進展 (ファクシミリ→携帯電話… )

• 地域の情報化・情報サービス

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④ 現在の情報社会論

• IT(情報通信技術 )=中核はインターネット (さらにはブロードバンド )による生活・産業・社会全体の変革

• 放送のデジタル化・多チャンネル化による,放送と通信の融合

• 20世紀型メディア産業の変質