29th, Jan. 2011 Branchless Banking Researching Group 1

第三回 ブランチレスバンキング研究会「ブランチレスバンキングの早期経験」

” The Early Experience with Branchless Banking”

宮本 瑛miyamoto@towardthevirtual.com

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本日の流れ・ CGAP と著者の紹介

・レポートの検討

・新企画について

・新年会！

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今回とりあげるレポート・「ブランチレスバンキングの早期経験（”The Early Experience

with Branchless Banking"）」　2008年4月、CGAPによるFocus Notesの46号として公開され

たレポート

Consultative Group to Assist the Poor

貧困層支援諮問機関

・世銀グループの研究機関　ブランチレスバンキングやマイクロファイナンスに関する政策提

言をしたり、投資家やドナーに助言を提供している　　たくさんのレポート・ビデオ・ポッドキャスト！　

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著者についてゴータム・イバチュリー（Gautam Ivatury）

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著者についてイグナシオ・マス（Ignacio Mas）

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ブランチレスバンキングとは・「無店舗型金融」　店頭での接客を前提とせず、町中のATMや携帯電話やパソコンを介して

サービスを提供する　　代理店（agent）としての郵便局や小売業者：　　お金の出しいれ、本人確認、審査など、現在のところ来店がどうして

も必要な手続きの窓口となる

・ICTを有効に活用することで、従来の金融やマイクロファイナンスより広い顧客を対象としうる

　　農村の人々、体が弱い人、女性…

・開発の文脈における意義事業を通じて、途上国に近代的な金融を整備する

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現状報告（ Observations ）（1）ブランチレスバンキングによって、貧しい人々に金融サービ

スを提供するためのコストが劇的に下がる　　店舗を持たず、ケータイやパソコンでサービスを提供

（2）ブランチレスバンキングは、貯蓄や融資にではなく、主に支払いに用いられる

　　小額の決済や送金がケータイからできる　　お財布ケータイ、モバイルスイカ、PASMO…　　　クレジットカードや小切手や回数券とも競合する？

（3）ブランチレスバンキングによって、貧しい人々が金融を利用しはじめている

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現状報告（4）ブランチレスバンキングをおこなうためには、顧客との窓口

となる代理店（agent）のネットワークが重要　　郵便局・コンビニ・スーパー・駄菓子屋・タバコ屋…

（5）現在、ブランチレスバンキングは携帯電話事業者によって主導されている

　　インフラ・システム・代理店とのつながりをもっている

　　金融機関や開発機関は本格的には参入していない　　↑銀行主導（banking-led）か、携帯電話事業者主導か

（telecom-led）

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現状報告（6）高機能であることより、とっつきやすさや使いやすさが大切　　ユーザーインタフェース・デザイン・手数料の体系は、あまりごちゃごちゃしていないほうがいい

　　　顧客のリテラシーへ配慮

（7）マイクロファイナンス実施機関（Microfnance Institution）は出遅れている

　　現場の知識や回収のノウハウはあっても、技術をもっていない　　バングラデシュのグラミンフォン（Grameenphone）は比較

的有名　　　丸紅による出資、人材やノウハウの提供？

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ブランチレスバンキングをとりまく話題Key uncertainties relating to branchless banking

（1）ブランチレスバンキングは、マイクロファイナンスや従来の金融の人間味（human touch）を置きかえるか？

　　顧客である農村の人々との濃厚な人間関係　　定期的に話をすることで、事業や回収がうまくいく　　　安心感や信用は顔をあわせないとなかなか生まれない　　　現状、会わないと本人確認もやりづらい

（2）サービスの信頼性と利便性のバランス　　便利さと信頼性のトレードオフ　　セキュリティの問題　　　パスワードの長さ、入力のタイミング、変更の頻度

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ブランチレスバンキングをとりまく話題（3）顧客情報の管理をどう規制するか？　　詐欺やマネーロンダリングは防がれなければならない　　　面接による本人確認、口座の使途やアクセス元の追跡　　　AML/CFT (Anti-Money Laundering and Combating the

Financing of terrorism)

　　　

（4）相互運用性（interoperability）の重要性　　「ドコモからソフトバンクへ送金できる」　　　ナンバーポータビリティ、SIMロック

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予言（ Predictions ）（1）貧しい人々は、お金持ちよりもブランチレスバンキングを利

用するようになる　　店舗にいける／いけない（金融機関へのアクセス）　　定型的なサービス／オーダーメード（顧客のニーズ）

（2）代理店を使うことのリスク、顧客の対応　　流動性（liquidity）の問題　　「店に現金がないので、今日は引きだしに応じられない」　　「それなら他のお店でおろします」　　　途上国のリズムにあった、ゆるい金融サービス？

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予言（3）代理店のネットワークが相互に乗りいれすることで、ブラン

チレスバンキングを通じた金融へのアクセスが容易になる　　代理店や事業者の縄張りあらそいとどう折りあいをつける？

（4）ブランチレスバンキングは、あと3年ではやりはじめる　　競争的な市場のなかでみがかれた結果として　　↑2008年4月の時点で「あと3年」　　

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インターネットに落ちている途上国のこうしたデータを二次分析したら面白そう。　 e.x. GNI ・携帯電話普及率・金融普及率の回帰分析