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© 2010 Cisco EMC VMware. All rights reserved. VCE 関係者外秘 Vblock TM 0 プロビジョニング・ガイド このガイドでは、Vblock 0 のコンピューティング、ネットワーク、ストレージ・リソースのプ ロビジョニングについて説明します。このガイドは次のガイドとあわせて使用してください。 Vblock 0 Reference ArchitectureVblock 0 を導入する前の設計ガイド Vblock 0 Deployment GuideVblock 0 アプリケーション(Cisco ® UCS ManagerEMC ® Celerra ® ManagerVMware ® vSphere™)の設定および構成 このガイドは、IT プランナー、管理者、Vblock 0 導入時の評価 / 管理 / 運用 / 設計に関わるそ の他の方を対象としています。 エグゼクティブ・サマリー Vblock 0 のプロビジョニングは、インフラストラクチャのコンポーネントを個別に処理するの ではなく、システム全体に必要なリソースを扱うことで効率化されています。テンプレートや 組み込みの自動化機能を使用することにより、プロビジョニングが迅速になり、必要に応じて 新しいリソースを高いレベルで標準化し、重複除外することができます。 コンピューティングおよびネットワーク・リソースは、Cisco UCS Manager と、オプションで EMC Ionix™ UIMUnified Infrastructure Management)を使用してプロビジョニングされ、スト レージ・リソースは Celerra Manager を使用してプロビジョニングされます。 次に挙げる 4 つの使用例は、いずれも初期インストールと構成が完了しており、リソースのプ ロビジョニングだけが必要であるものとします。 シナリオ 1 では、200 台の仮想マシンが含まれる初期の仮想サーバ・ファームのプロビ ジョニングについて説明します。 シナリオ 2 では、追加の 100 台の仮想マシンをプロビジョニングする方法について説明し ます。 シナリオ 3 では、追加のストレージ容量をプロビジョニングする方法について説明します。 シナリオ 4 では、追加のコンピューティング・リソースをプロビジョニングする方法につ いて説明します。

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VblockTM 0 プロビジョニング・ガイド

このガイドでは、Vblock 0 のコンピューティング、ネットワーク、ストレージ・リソースのプロビジョニングについて説明します。このガイドは次のガイドとあわせて使用してください。

• Vblock 0 Reference Architecture:Vblock 0 を導入する前の設計ガイド

• Vblock 0 Deployment Guide:Vblock 0 アプリケーション(Cisco® UCS Manager、EMC® Celerra® Manager、VMware® vSphere™)の設定および構成

このガイドは、IT プランナー、管理者、Vblock 0 導入時の評価 / 管理 / 運用 / 設計に関わるその他の方を対象としています。

エグゼクティブ・サマリーVblock 0 のプロビジョニングは、インフラストラクチャのコンポーネントを個別に処理するのではなく、システム全体に必要なリソースを扱うことで効率化されています。テンプレートや組み込みの自動化機能を使用することにより、プロビジョニングが迅速になり、必要に応じて新しいリソースを高いレベルで標準化し、重複除外することができます。

コンピューティングおよびネットワーク・リソースは、Cisco UCS Manager と、オプションでEMC Ionix™ UIM(Unified Infrastructure Management)を使用してプロビジョニングされ、ストレージ・リソースは Celerra Manager を使用してプロビジョニングされます。

次に挙げる 4 つの使用例は、いずれも初期インストールと構成が完了しており、リソースのプロビジョニングだけが必要であるものとします。

• シナリオ 1 では、200 台の仮想マシンが含まれる初期の仮想サーバ・ファームのプロビジョニングについて説明します。

• シナリオ 2 では、追加の 100 台の仮想マシンをプロビジョニングする方法について説明します。

• シナリオ 3 では、追加のストレージ容量をプロビジョニングする方法について説明します。

• シナリオ 4 では、追加のコンピューティング・リソースをプロビジョニングする方法について説明します。

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概要

概要現在のお客様の環境では、データセンター・ベースの IT インフラストラクチャのプロビジョニングという任務を課せられた管理者は、コンピューティング、ネットワーク、ストレージに関する専門知識を得るためにさまざまなサイロを訪ねる必要があります。たとえば、Oracle 環境を導入する必要がある場合は、予想される必要なコンピューティング・リソースを 1 つのソースで最初に確認し、次に別のソースでネットワーク要件を確認し、そしてまた別のソースでストレージ要件を確認しなければならないことがあります。これらのさまざまなコンポーネントを組み合わせた結果、不一致が生じることが頻繁にあります。仮想化によって、これがさらに複雑になります。

Vblock Infrastructure パッケージは、システム全体のニーズを 1 つの消費単位としてまとめて処 理することにより、コンポーネントが個別のサイロに常駐することで生じる欠点を排除します。

Vblock を使用すると、サーバの属性が含まれるテンプレートに基づいてサービス・プロファイルを作成することができます。サービス・プロファイルでは、環境全体に分散可能な、繰り返し利用できるストレージ、ネットワーク、コンピューティング・プロファイルを作成できるため、数日間ではなく数分間でインフラストラクチャをプロビジョニングすることができます。

プロビジョニング・ツールおよびユーティリティこのセクションでは、Vblock 0 導入のためのコンピューティング、ネットワーク、ストレージ、仮想化リソースのプロビジョニングと検証に使用するソフトウェア・アプリケーションについて説明します。

Cisco UCS ManagerVblock 0 導入のコンピューティング・リソースは、Cisco UCS(Unified Computing System)Manager を使用してプロビジョニングされます。これは、統合型の管理ドメインとサーバをCisco UCS の中核として作成します。Cisco UCS Manager は、直感的な GUI(図 1 を参照)、CLI(コマンド・ライン・インタフェース)、XML API エンド・ツー・エンドによってコンピューティングおよびストレージ・リソースを 1 つの論理エンティティとして管理する、埋め込まれたデバイス管理ソフトウェアです。

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プロビジョニング・ツールおよびユーティリティ

図 1 Cisco UCS Manager

Cisco UCS Manager は、サービス・プロファイルを使用して、コンピューティング・リソース、対応するサーバ、そのネットワークおよびストレージ接続をプロビジョニングします。サービス・プロファイルは UCS 管理者によって作成されます。このプロファイルでは、アプリケーションのワークロードに割り当て / 再割り当てできる未フォーマット時のコンピューティング容量として Cisco UCS のサーバを扱うことができるため、より動的かつ効率的にサーバ容量を使用できます。

サービス・プロファイルは、サーバのソフトウェア定義と、サーバに必要な関連する LAN および SAN 接続で構成されています。サービス・プロファイルをサーバに導入すると、Cisco UCS Manager は、サーバ、アダプタ、ファブリック・エクステンダ、ファブリックの相互接続を、サービス・プロファイルで指定された構成に適合するように自動的に構成します。このデバイス構成の自動化により、サーバ、NIC(ネットワーク・インタフェース・カード)、HBA

(ホスト・バス・アダプタ)の構成に必要ないくつかの手作業が不要になります。

サービス・プロファイルを仮想化クラスタとあわせて使用することで、新しいリソースを容易にオンラインにし、既存の仮想マシンの移動性を補足することができます。サービス・プロファイルは、Cisco VN-Link(Virtual Network Link)対応のハイパーバイザを実行するサーバのために Cisco VN-Link 機能を有効にする目的でも使用されます。

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プロビジョニング・ツールおよびユーティリティ

Cisco VN-Link は、現在のネットワーク運用モデルと整合性のある方法で仮想マシンのインタフェースを個別に特定、構成、監視、移行、診断できるようにする一連の機能で構成されています。VN-Link は、文字どおり、仮想マシン上の vNIC と VN-Link 対応の Cisco スイッチとの論理リンクを作成することを示しています。このマッピングは、アクセス・レイヤー・スイッチのネットワーク・ポートにケーブルを使用して NIC を接続することと論理的に等価です。

注 サービス・プロファイル・テンプレートの作成と使用の詳細については、次の URL の「Cisco UCS Manager GUI Configuration Guide」を参照してください。http://www.cisco.com/en/US/docs/unified_computing/ucs/sw/gui/config/guide/1.0.2/GUI_Config_Guide_chapter24.html

Cisco UCS Manager は、高い可用性を実現するためにホット・スタンバイ構成を使用した、1 組の Cisco UCS 6100 シリーズ Fabric Interconnect 上に常駐しています。UCS Manager は、サーバのプロビジョニングだけではなく、デバイスの検出、インベントリ、構成、診断、監視、障害検出、統計情報の収集にも使用されます。UCS Manager は、システムの構成情報を CMDB(構成管理データベース)にエクスポートできるため、ITIL(IT インフラストラクチャ・ライブラリ)の概念に基づくプロセスが促進されます。UCS Manager の XML API を使用することで、仮想マシンを導入できるだけではなく、Cisco UCS Manager を使用して構成されたサーバにオペレーティング・システムやアプリケーション・ソフトウェアもインストールできるサード・パーティのプロビジョニング・ツールとの調整も容易になります。

Cisco UCS Manager は、サーバおよびネットワーク・リソースのポリシー・ベースの管理をCisco UCS に実装します。ネットワーク、ストレージ、サーバ管理者は、全員が自分の専門とする領域でポリシーの作成に関わります。サービス・プロファイルではポリシーが使用されるため、Cisco UCS Manager は、サーバ、アダプタ、ファブリック・エクステンダに加えて、適切な分離、QoS(サービス品質)、アップリンク接続を Cisco UCS 6100 シリーズ Fabric Interconnect で完全に構成できます。

Cisco UCS Manager には、サーバ、ネットワーク、ストレージ管理者が使用するための GUI とCLI があります。Cisco UCS Manager には、既存のデータセンター・システム管理ツールと統合するための API もいくつかあります。これらの API の例として、IPMI(Intelligent Platform Management Interface)、SNMP(Simple Network Management Protocol)、フル機能の XML インタフェースなどがあります。XML インタフェースを使用すると、システム全体を上位レベルのシステム管理ツールによって外部から監視し、構成することができます。

EMC Celerra ManagerEMC Celerra Manager は、EMC Celerra IP ストレージ(NAS および iSCSI)ソリューションの直感的な管理を可能にし、高可用性を保証する Web ベースのソフトウェア・ツールです。Celerra Manager により、1 つのオンライン・インタフェースから Celerra ネットワーク・ストレージを構成、管理、監視できるようになるため、時間が短縮され、専用の管理ワークステーションを導入する必要がなくなります。

Celerra Manager Basic Edition は、Virtual Provisioning™、ファイル・システムの重複除外、統計の「一覧表示」など、構成と管理のための最も一般的な機能をサポートしています。Celerra Manager Advanced Edition は、複数の Celerra 環境においてさらに高度な構成、データ移行、監視機能を提供します。

図 2 に Celerra Manager の画面の例を示します。

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プロビジョニング・ツールおよびユーティリティ

図 2 Celerra Manager の画面

VMware 向け EMC Celerra NFS プラグ・イン

VMware 環境向け EMC Celerra プラグ・インを使用すると、VMware 管理者は、より効果的かつ容易にこれらの VMware データ・ストアをプロビジョニングし、管理し、拡張することができます。この操作はすべて VMware vCenter コンソールから実行できます。この新しい EMC ソフトウェアにより、VMware 管理者は、VMware vCenter Server コンソールから個々の仮想マシンのスナップショットまたはクローン操作を実行することもできます(Celerra ユニファイド・ストレージ・システム内部でハードウェア・アクセラレーションを使用)。さらに、Celerraデータ重複除外ソフトウェアを使用すると、VMware 仮想マシン・ディスク・ファイルを圧縮できるため、シン・プロビジョニングによって容量の使用が効率的になるだけではなく、仮想マシンに必要なストレージ容量も大幅に削減されます。

VMware vCenter Server仮想化は、仮想化管理の基盤を形成する拡張性の高いプラットフォームを提供する VMware vCenter Server によって管理されます。VMware vCenter Server には次のような特長があります。

• 仮想インフラストラクチャのすべてのレベルで一元化された管理と可視性を提供します。

• プロアクティブな管理により vSphere の機能を活用します。

• 幅広いパートナー・エコシステムを備えた拡張性の高い管理プラットフォームです。

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プロビジョニング・ツールおよびユーティリティ

EMC Ionix Unified Infrastructure ManagerEMC Ionix UIM(Unified Infrastructure Manager)を使用すると、Vblock Infrastructure パッケージのプロビジョニング、構成、変更、コンプライアンス管理が効率化され、統合されます。Ionix UIM は Vblock インフラストラクチャ要素の管理に特化されているため、Vblock が 1 つのエンティティとして管理されて運用コストが劇的に削減され、Vblock ネットワーク、コンピューティング、ストレージ・リソースの管理が統合された結果、物理から仮想へ、さらにプライベート・クラウド・インスタンスへの移行が促進されます。

UIM:Vblock ダッシュボードおよび IT プロビジョニング・ポータル

Ionix UIM ダッシュボードを使用すると、複数の Vblock の導入が可視化され、Vblock インフラストラクチャ全体の統合ビューが得られます。図 3 に、ネットワークと Cisco UCS デバイスの統合ビューを表示した UIM 画面の例を示します。

図 3 EMC Ionix Unified Infrastructure Manager

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プロビジョニング・ツールおよびユーティリティ

サービス・プロファイル・カタログ

サービス・プロファイルは、サービスを構築するための「処方箋」であり、「インフラストラクチャをサービスとして」提供するための基盤となります。Ionix UIM により、コンピューティング、ネットワーク、ストレージの構成のためにサービス・プロファイルのさまざまな階層を構築することができます。

サービス・プロファイルを定義したら、図 4 と図 5 に示すように、UIM を使用してサービス・プロファイルをコピーし、リソースを追加するときにこのコピーを適用することができます。

図 4 UIM でのサービス・プロファイルのコピー

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プロビジョニング・ワークフロー:3 つのフェーズ

図 5 コピーしたサービス・プロファイルの適用

統合されたプロビジョニング、構成、変更

Ionix UIM は、災害復旧サイトのインフラストラクチャの自動化プロビジョニングなど、自動化されたインフラストラクチャの導入とベア・メタル・プロビジョニングを提供します。UIMはドメイン間のコンテキストを活用し、ソフトウェア、ハードウェア、ネットワーク、ストレージ間の依存関係を管理します。深く細分化された検出が、Ionix UIM のプロビジョニング、構成、変更の基盤を提供し、その結果、制限のない改訂履歴と、精度の高い追跡、トレーサビリティ、再現性が実現されます。Ionix UIM の最初のリリースでは、Cisco UCS、Cisco Nexus、また Cisco MDS デバイスなどの関連するネットワーク・インフラストラクチャのプロビジョニング、構成、変更の統合に重点を置いていました。

注 以降の UIM リリースでは、EMC ストレージ・デバイスと VMware 仮想化インフラストラクチャ向けに同様の機能を提供します。

プロビジョニング・ワークフロー:3 つのフェーズこのセクションでは、プロビジョニング・ワークフローの 3 つのフェースを取り上げます。

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プロビジョニング・ワークフロー:3 つのフェーズ

プランニング

プランニング・フェーズでは、ビジネス要件を IT の要件に変換します。アプリケーションを解析し、Vblock のコンピューティング、ネットワーク、ストレージ、仮想リソースを、次のような既存のリソースと比較します。

• サーバ CPU およびメモリ

• ネットワークの帯域幅

• データ・パス分析帯域幅

• VLAN の数

• ストレージ容量および I/O 容量

この解析の結果を使用して、必要なリソースを提供する十分な Vblock をインストールする計画を作成します。

プロビジョニング

このセクションでは、コンピューティング、ネットワーク、ストレージ、仮想化リソースのプロビジョニングの概要を取り上げます。

コンピューティングのプロビジョニング

Cisco UCS Manager を使用すると、プール、テンプレート、ポリシー、サービス・プロファイルを使用して、コンピューティング・インフラストラクチャ全体を管理することができます。

さらに、ポリシーを収集し、適切に定義されたサービス・プロファイルに組み込むことができます。たとえば、Oracle、SAP、SharePoint、Exchange などのアプリケーションや、お客様が独自のプロファイルと環境を持つマルチ・テナンシー用に個別の起動ポリシーを設定できます。たとえば、個々のコンポーネントごとに考えるのではなく、まとめて考えることで、SAP アプリケーションの起動、ネットワーク、コンピューティング・ポリシーを使用した 1 つのプロファイルを作成することができます。

ネットワークのプロビジョニング

ネットワークのプロビジョニングは Cisco UCS Manager で行い、必要となる VLAN の数をアプリケーションのアーキテクチャに基づいて単純に決定するだけです。

ストレージのプロビジョニング

プールを使用することで、コンポーネントを個別にではなく、まとめて考えることができます。ストレージ・ディスクの総数を、アプリケーションごとにセグメントまたはプールに分割することができます(SharePoint のプール、Oracle のプールなど)。プール・リソースを必要に応じて追加することができるため、拡張性とリソースの使用率が向上します。

仮想化のプロビジョニング

vSphere のインストールにより、ソフトウェア・レイヤーを仮想化することができます。アプリケーション・アーキテクチャまたはワークロードによって、必要な vSphere サーバのインストールの回数が決まります。

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プロビジョニング:使用例

検証

検証の対象には次の項目が含まれます。

• プロビジョニングされたインベントリ:

– 要素:ブレード、vSphere サーバ、仮想マシン、LUN

– 接続:IP

– 容量:LUN サイズ、仮想マシン CPU および MEM の構成、帯域幅

• バランスのとれた構成の確認とホット・スポットの検出など、Vblock システムのさまざまなコンポーネントのパフォーマンス

Cisco UCS Manager と EMC Celerra の両方に障害管理が組み込まれています。1 つのオプション として、すべての syslog レポートを 1 か所でコンパイルし、まとめて解析する方法があります。

プロビジョニング:使用例このセクションでは、Vblock 0 のプロビジョニングの例として 4 つの使用例を示します。

最初の仮定

4 つの使用例のすべてのシナリオは、「Vblock 0 Deployment Guide」の指示に従って構成された、正しく機能する Vblock 0 から始めるものとします。特に次のように仮定しています。

• 必要なすべての配線、つまり物理的なすべての操作を含む、Vblock 0 のインストールと構成が実行されていること。

• すべてのハードウェアの電源がオンになっていること。

• vSphere がすべてのノードにインストールされ、vCenter ですべてのノードを使用できること。

• VLAN が作成されていること。

• アップリンク・ポートが構成されていること。

• 次のプールが構成されていること。

– UUID プール

– サーバ・プール

– IP プール

– MAC プール

• 次のインフラストラクチャがあること。

– vCenter がインストールされ、動作すること。

– 起動 LUN が作成されていること。

– データ LUN があること。

– 仮想マシン・テンプレートが作成されていること。

– DNS(ドメイン名システム)、AD(Active Directory)、タイム・サービスが構成されていること。

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プロビジョニング:使用例

シナリオ 1:初期のサーバ・ファームのプロビジョニング

シナリオ 1 ではサーバを仮想化します。つまり、200 台の仮想マシンを作成します。これは、アプリケーションを選択し、リソースの要件を決定し、リソースをプロビジョニングし、ソリューションを検証することで行います。

プランニング

シナリオ 1 の最初のアプリケーションは Microsoft Exchange Server です。プランニング段階では次の項目を決定する必要があります。

• vSphere サーバの数とプロファイル:たとえば、vSphere サーバごとに 100 台のサーバを実行できることがわかっているときに 200 台のサーバが必要な場合は、2 つの vSphere サーバが必要であることを容易に計算できます。

• 仮想マシンの数とプロファイル:必要な処理能力、メモリ、また、SMP(対称型マルチ・プロセッシング)を実行する予定があるかどうかを含めます。

• ネットワーク(IP)要件。

• 予想される I/O ロードに対応するために必要なストレージ・リソース。

コンピューティング・リソースのプランニング

各 UCS ブレードは vSphere サーバのシングル・インスタンスをサポートします。Vblock 0 の推奨 UCS 起動ポリシーは、ローカル・ハード・ディスク・ドライブからの起動です(iSCSI を介した SAN の起動がサポートされていない場合)。Vblock 0 では、各 UCS ブレードに、ローカルの起動とスワップ領域のための 2 つのハード・ドライブがあり、可能な限りシーク時間が短縮されます。

ネットワーク・リソースのプランニング

物理 UCS と vSphere の関係を考慮します。通常は、UCS には 2 つの vNIC(仮想ネットワーク・インタフェース・カード)が付属しています。ただし、vSphere は多くの VLAN を実行できるため、1 つの vNIC 上で数多くの VLAN が物理的に実行されていることがあります。必要な VLAN のマッピングは、UCS Manager によって容易に構成されます。

ストレージ・リソースのプランニング

ストレージ側では、各 vSphere サーバは内蔵ディスクからローカルに起動され、iSCSI ベースの IP ストレージを、ESX クラスタ全体の仮想マシンを格納するための柔軟性に優れたソリューションとして活用します。

注 起動デバイスのクローンを作成する機能が近いうちに利用可能になる予定です。

データ・デバイスでは、クラスタ化されたオペレーションが実行されている場合に、すべてのvSphere サーバから同じ共有ストレージが見えるように、すべてのサーバでプロビジョニングを実行する必要があります。

ストレージ・プールは、ディスク・タイプ、ディスク数、RAID 構成に従って構築された、ユーザーが作成した複数の階層を利用します。特定のアプリケーションが常駐する場所を認識しておくことが重要です。たとえば、ファイルおよびプリント・サーバは低層アプリケーションですが、Web サーバは、パフォーマンスを向上させるために多くのディスクにストライピングすることができます。一般に、ストレージ・プールのプロビジョニングは、サーバ・チームやストレージ・チームが単独で行うのではなく、共同で行います。

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プロビジョニング:使用例

仮想化のプランニング

必要になる仮想マシンの数、これらの仮想マシンの CPU およびメモリ構成、vSphere サーバでの仮想マシンの分散を決定する必要があります。

プロビジョニング

Cisco UCS Manager でのサービス・プロファイルの使用

Cisco UCS Manager では、サービス・プロファイルを使用して、コンピューティングおよびストレージ・リソースをまとめてプロビジョニングできます。

vSphere サーバのインストール

最初の手順は、vSphere サーバ自体のインストールです。PXE(Pre-boot Execution Environment)や、使用環境で機能するその他の規格を使用することができます。

通常は、起動や WWN などのさまざまなポリシーがプロファイルに含まれます。一方、ホスト・プロファイルは VMware 中心のオペレーションです。vSphere サーバでネットワーキング・インスタンスを適切にプロビジョニングしたら、これをそのクラスタのホスト・プロファイルとして保存することができます。同じクラスタの一部になる以降のすべてのノードでは、vCenter の任意のノードを右クリックし、オプションを選択することでホスト・プロファイルを導入することができます。この結果、2 番目のノードが適切なすべてのネットワーキング・コンポーネントと適切な数のスイッチを持ち、適切な VLAN タグ付けを使用した適切な VLANに所属していることを確認できます。

ホスト・プロファイルはオペレーティング・システム・レベルのプロファイルであり、リソースの管理と再配置が容易にできます。たとえば、クラスタに属する 4 つのノードを持つ稼働中のシステムがあるものとします。負荷が減少し、必要なノードが 3 つだけになった場合は、ノードの 1 つを切断し、新しいホスト・プロファイルを導入することができます。この場合は、新しいアプリケーションの要件に基づいてネットワーキングが再構成されます。この結果、異なる環境間でコンピューティング・ノードを容易に移動することができます。

図 6 に、vCenter でのホスト・プロファイルの構成および編集の例を示します。

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プロビジョニング:使用例

図 6 ホスト・プロファイルの例

DVS(Distributed Virtual Switch)の構成

次に、使用環境用の DVS(Distributed Virtual Switch)を選択します。この場合の DVS は Cisco Nexus 1000V シリーズ・スイッチです。このライセンスは Vblock Infrastructure パッケージに含まれています。

図 7 に、DVS を構成できる vCenter 画面を示します。

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プロビジョニング:使用例

図 7 DVS(Distributed Virtual Switch)の構成

テンプレートからの仮想マシンのプロビジョニング

最後の手順は、vCenter を使用してテンプレートから仮想マシンをプロビジョニングすることです。Exchange Server のテンプレートをダウンロードし、必要に応じて変更し、保存し、これを必要な仮想マシンの数に合わせて適用します。

図 8 に、テンプレートを使用した仮想マシンのプロビジョニングの例を示します。

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プロビジョニング:使用例

図 8 テンプレートからの仮想マシンのプロビジョニング

まとめると、Cisco UCS Manager のプロファイル、vSphere サーバのホスト・プロファイル、オペレーティング・システムのプロファイルが仮想マシン・テンプレートの形式で用意されています。わずか 6 回または 7 回のクリックと 1 つのスクリプトを使用するだけで、100 台の仮想マシンを使用環境内で実行することができます。これらは、すべて集合的なアプローチの一環として実行されます。

検証

メモリ・マップ、CPU マップなど、環境に過度のストレスを掛けていないかどうかを確認するために必要なすべてのグラフが vCenter により提供されます。ストレージ側には、ストレージ・パフォーマンスの状態をエクスポートできるエンタープライズ・ストレージ・ツールがすべてあります。

図 9 vCenter の使用率データ

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プロビジョニング:使用例

シナリオ 2:追加のサーバのプロビジョニング

シナリオ 2 では、シナリオ 1 で作成したサーバ・ファームに 100 台のサーバを追加します。

プランニング

追加する仮想マシンを既存の VLAN に接続し、既存の仮想マシンのすべてのプロファイル情報を使用して新しい仮想マシンをプロビジョニングできます。

プロビジョニング

元の 200 台のサーバに使用したものと同じサーバ・テンプレートを使用して、100 台の新しいサーバを vCenter からプロビジョニングできます。

別の DNS サーバを割り当てるなど、新しいサーバをわずかに変更する場合は、PowerCLI スクリプトを作成して変更を行うことにより、新たなテンプレートを作成することなく変更ができます。

新しいテンプレートを作成する必要がある場合は、EMC Ionix UIM は新しいテンプレートを 1 つのバージョンとして作成し、保存できるため、後でバージョンを比較することができます。

検証

100 台のサーバを追加したことでシステムに加わる負荷を評価するには、現時点では、vCenterで利用可能な標準的なエラーおよびメッセージの確認方法を使用することができます。

注 Vblock は、ボトルネックとなる危険性のある仮想マシンをシステムの 1 つのセクションに移動する機能を持つ、自己管理、自己監視型のシステムに移行しつつあります。

シナリオ 3:追加のストレージ容量のプロビジョニング

シナリオ 3 では、既存の Web サーバ・ファームにストレージ容量を追加します。

プランニング

Vblock では、最初のインストール時にほとんどのプランニングを実行できるため、以降の変更に必要な操作は、新しい要件と既存のテンプレートとの比較だけです。追加のストレージをプランニングする場合は、通常は次のような質問をします。

• 新しいストレージ・プール、または既存のストレージ・プールからの新しい iSCSI LUN が必要かどうか。

• 既存のデータストアを拡張できるか、または新しいデータストアを作成する必要があるかどうか。

• LUN の制限が 256 の場合に、既存のストレージ・プールに LUN を追加できるかどうか。

ほとんどの場合は、LUN を IP ストレージからすばやくプロビジョニングし、クラスタ内のすべての ESX サーバに直ちに分散することができます。

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プロビジョニング:使用例

Celerra ストレージのプロビジョニング

Celerra ストレージの追加は、EMC Celerra Manager を使用して行います。

ストレージのプロビジョニングは、Celerra 用の Web ベースの管理 GUI から容易に実行できます。構成は、ファイル・システムのプロビジョニングと、ESX ホストに対してマスキングされる ISCSI LUN のプロビジョニングの 2 つのプロセスからなります。次の手順では、このプロセスについて説明します。

手順 1 Control Station の IP アドレスまたはホスト名にアクセスして Celerra Manager GUI に入ります。

手順 2 管理 GUI の左側のパネルからアクティブな Data Mover(通常はサーバ 2)を選択し、[Filesystems]サブオプションを選択します。

手順 3 ウィンドウ下部の[New]ボタンをクリックし、図 10 に示すように、使用可能なストレージ・プールに基づいて新しいファイル・システムを構築します。

図 10 [New File System]

• Celerra 内部から使用できる事前定義されたストレージ・プールから作成します。

• ファイル・システムの名前を指定します。

• 使用可能な階層を考慮してストレージ・プールを指定します。

• 容量を指定します。容量は後で拡張することも、自動拡張オプションを有効にしておくこともできます。

• 自動拡張オプションを使用すると、今後の LUN 数の増加に応じて容量を拡張することができます。

• [Virtual Provisioning Enabled]はオフにしておきます。iSCSI で使用するファイル・システムのプロビジョニングを行う場合は、このオプションは不要です。

• [Slice Volumes]オプションはオンのままにします。

• ファイル・レベル保存はブロック・レベルのストレージに使用するためオフにします。

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プロビジョニング:使用例

• [Deduplication Enabled]オプションをオフにします。

• プライマリ Data Mover を選択します。

• デフォルトのマウント・ポイントを選択します。

• [OK]をクリックし、ファイル・システムを生成します。

手順 4 左側の管理パネルで、アクティブな Data Mover の下の[iSCSI]サブオプションを選択します。

手順 5 下部パネルで[New]を選択し、新しい iSCSI LUN を作成します。

図 11 [New iSCSI LUN]

• アクティブな Data Mover を選択します(通常はサーバ 2)。

• iSCSI のターゲットを選択します。通常は、選択肢は 1 つだけです。

• LUN の ID 番号を指定します。

• 手順 3 で作成したファイル・システムを選択します。

• LUN の容量を指定します。

• [Read Only]オプションをオフにします。

• オプションで、この機能を有効にする仮想プロビジョニング・オプションを選択します。仮想プロビジョニングにより、ホスト(ESX)の要求があるまでは割り当てられた容量が制限されます。適切な使用例の詳細については、ベスト・プラクティス・ガイドを参照してください。

• [OK]を選択して LUN を作成します。

手順 6 この LUN を環境内の ESX ホストに対してマスキングするには、Celerra Manager の[iSCSI]ウィンドウの上部にある[Targets]タブをクリックします。メイン・パネルで作成したターゲットを右クリックし、[Properties]を選択します。ウィンドウの上部にある[LUN Masking]タブを選択します。[New]を選択して新しいホスト・イニシエータを追加するか、既存のイニシエータを右クリックして[properties]を選択します。

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プロビジョニング:使用例

図 12 [New iSCSI Mask]

• 手順 5 で作成した LUN 番号を追加します。新しいイニシエータ / マスクを作成している場合は、ESX ホストから IQN 番号(イニシエータ)に貼り付けます。クラスタ内の ESX ホストごとにこの手順を繰り返します。

• [OK]を選択して変更を続けます。

手順 7 ESX ホストから、ESX サーバ情報ウィンドウの上部にある[Configuration]タブを選択します。左側のカラムで[Storage adapters]メニューを選択します。[software ISCSI initiator]を選択します。右上隅の[rescan]を選択します。

図 13 再スキャン

この再スキャンによって操作が完了し、新たに識別された iSCSI LUN が下部パネルに表示されます。

検証

注 Vblock は、ストレージ容量を増加する必要性が生じたときに、他のリソースの増加も必要なように設計されています。したがって、単に Vblock を追加することが適切かどうかを判断しなければなりません。

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プロビジョニング:使用例

シナリオ 4:追加のコンピューティング・リソースのプロビジョニング

シナリオ 4 では、I/O アクティビティの増加によりワークロードが増加したため、2 つのvSphere サーバと 2 つのブレードを含むコンピューティング・リソースをサーバ・ファームに追加する必要があります。ストレージ・リソースとネットワーク・リソースを変更する必要はまったくありません。

プランニング

vSphere サーバを追加する必要がある場合は、既存のプール内でこのニーズに対応できるかどうかを確認します。対応できる場合は、VLAN の割り当てに変更はありません。

このプランニング・フェーズでは、vSphere サーバごとに必要な仮想マシンの数に加えて、追加の容量要件(ある場合)を決定します。

プロビジョニング

プロビジョニングの最初の手順は、UCS Manager とオプションで Ionix UIM を使用し、適切なサービス・プロファイルと追加のブレードとを関連づけることです。これを行うには、任意のノードを右クリックし、[Associate]を選択するだけです。この結果、適切なネットワークに割り当てられ、適切なストレージが自動的に表示されます。

図 14 に、UCS Manager を使用したサービス・プロファイルとブレードとの関連づけの例を示します。

図 14 サービス・プロファイルと新しいブレードとの関連づけ:UCS Manager

図 15 に、サービス・プロファイルをブレードに適用するときの進捗状況が表示された、UCS Manager の[FSM]タブの例を示します。

プロファイルをブレードに関連づけ

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プロビジョニング:使用例

図 15 UCS Manager:[FSM]タブ

次に、vCenter でホスト・プロファイルを適用します(前出の図 6 を参照)。

ホスト・プロファイルの機能を使用すると、すべてのネットワーキングが設定されるため、ノード間で必要に応じて vMotion を使用できます。

最後に、既存の仮想マシン間でロード・バランシングを再度行うか、シナリオ 2 のようにvCenter を使用して新しい仮想マシンを導入するかを決定できます(図 16 を参照)。

図 16 vSphere:[Virtual Machines]タブ

検証

UIM または別の検出アプリケーションを使用して、新しいサーバが検出されること、またこれらのサーバが一意であることを確認します。UIM を使用すると、さまざまなプロファイルとプールを検索し、比較して、この操作を行うことができます。一般に、新しいアプリケーションごとに新しいプレフィックスを使用して開始しなければなりません。

また、データ・ストアが表示されることを確認する必要もあります。間違ったテンプレートが適用された場合、テンプレートで更新されない項目がある場合、または必要な再スキャンが実行されなかった場合に問題が発生することがあります。

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関連資料

関連資料 • Cisco UCS

http://www.cisco.com/go/unifiedcomputing

• Cisco データセンター・ソリューション http://www.cisco.com/go/datacenter

• Cisco Validated Designs http://www.cisco.com/go/designzone

• EMC Celerra http://japan.emc.com/products/family/celerra-family.htm

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