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TI 34P02K13-01 2013.03.29 6 版(YKTechnical Information TI 34P02K13-01 STARDOM FCN/FCJ 入門書(基礎編)

Technical STARDOM Information FCN/FCJ...FCN/FCJ の開発/保守は,汎用PC にインストールした「リソースコンフィギュレ ータ」「ロジックデザイナ」を用いて行います。また,

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TI 34P02K13-01 2013.03.29 6 版(YK)

Technical Information TI 34P02K13-01

STARDOM FCN/FCJ 入門書(基礎編)

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All Rights Reserved. Copyright © 2003, Yokogawa Electric Corporation

TI 34P02K13-01

2013.03.290-

はじめに ■ 本書について

本書は,自律型コントローラ FCN/FCJの制御アプリケーションを初めて構築する

方を対象とした入門書です。ただ,読むだけではなく,簡単な制御アプリケーシ

ョンを実際に作成しながら,アプリケーション構築の基本的な考え方とツールの

操作方法を習得することを目的としています。 実習の前に FCN/FCJの構造などを 1 章で理解し,実習中に,どの箇所に対してな

ぜそのような定義をするのか認識しながら操作することをお勧めします。 実習については,手順を詳しく記述してありますので,Windows の基本的な操作

方法(キーボードやマウスの操作など)がわかれば楽に進めることができます。 なお,本書では,最低限必要な用語および機能だけをシンプルに記述しています

ので,より詳細な機能仕様につきましては,別途該当する製品の IM/TI/GS や

Help を参照ください。

● 関連 Technical Information ・FCN/FCJの各種機能の概要を紹介 :FCN/FCJ機能概要(TI34P02Q02-01) ・エンジニアリングノウハウを紹介 :FCN/FCJノウハウ集(TI34P02K31-01) ・VDS と FCN/FCJとの接続を説明 :VDS 入門書(基礎編)(TI34P02K12-01)

■ 本書の構成 1 章: FCN/FCJの制御アプリケーションを構築する上で最低限必要となる事項を

簡単に紹介しています。本章で FCN/FCJの構造を理解された後,実習にて

具体的な手順をマスターしてください。 2 章: 実習で構築する制御アプリケーションの例題を紹介しています。 3 章: リソースコンフィギュレータによるハードウェア設定の方法を紹介してい

ます。 4 章: ロジックデザイナで FBD(ファンクションブロックダイヤグラム)を使用

して,制御ループとシーケンスを作成する手順を紹介しています。 Appendix:VDS/ASTMAC から FCN/FCJを操作する場合の設定手順とグローバル

変数の作成・削除方法を紹介しています。

■ 本書の便利な使い方 本書は,FCN/FCJの機能をよりご理解いただけるよう,実習の中でも多くの箇所

で「補足」としてワンポイント機能説明を行っています。

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TI 34P02K13-01 2013.03.29-00

目 次 はじめに...................................................................................................... i 目 次 ........................................................................................................ iii 1. FCN/FCJ の構成 ................................................................................ 1

1.1 FCN/FCJ の内部構造 ................................................................................. 1 1.2 FCN/FCJ の開発/保守ツール ................................................................... 2

1.2.1 リソースコンフィギュレータ ........................................................ 2 1.2.2 ロジックデザイナ ......................................................................... 4

1.3 制御アプリケーションの構成 .................................................................... 7 1.3.1 全体構成 ....................................................................................... 7 1.3.2 制御アプリケーションの単位(POU) ......................................... 8 1.3.3 ローカル変数とグローバル変数 .................................................... 9

1.4 制御アプリケーションと I/O 端子の結合.................................................. 10 2. 例題の紹介 .......................................................................................11

2.1 システム構成 ........................................................................................... 11 2.2 制御アプリケーション例題 ...................................................................... 12

3. ハードウェア設定実習..................................................................... 15 3.1 実習:オンライン設定 ............................................................................. 15

3.1.1 リソースコンフィギュレータの起動 ........................................... 15 3.1.2 IP アドレスの設定 ...................................................................... 15 3.1.3 ライセンスの確認/登録 ............................................................. 18 3.1.4 デバイスラベルの定義 ................................................................ 19 3.1.5 FCN/FCJへの設定情報ダウンロード .......................................... 20

3.2 実習:オフライン設定 ............................................................................. 21 3.2.1 リソースコンフィギュレーションエディタの起動 ...................... 21 3.2.2 CPU モジュール,I/O モジュールの基本設定 .............................. 21 3.2.3 FCN/FCJへのダウンロード ........................................................ 22

4. ロジックデザイナの実習 ................................................................. 23 4.1 実習:制御アプリケーション作成 (制御ループ) ....................................... 24

4.1.1 ロジックデザイナの起動 ............................................................. 24 4.1.2 新規プロジェクトの作成 ............................................................. 24 4.1.3 対象となる FCN/FCJの指定(IP アドレスの指定) .................... 26 4.1.4 デバイスラベル変数の定義 ......................................................... 27 4.1.5 プログラムの作成 ....................................................................... 27

STARDOM FCN/FCJ 入門書(基礎編)

TI 34P02K13-01 6 版

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TI 34P02K13-01 2013.03.29-00

4.1.6 プロジェクトの保存.................................................................... 39 4.1.7 エンジニアリングパラメータの設定 ........................................... 40 4.1.8 アクセスパラメータ参照・設定用変数の定義 ............................. 45 4.1.9 作成した制御ループの確認と保存 ............................................... 46

4.2 実習:制御アプリケーション作成 (シーケンス) ....................................... 47 4.2.1 ワークシートの追加.................................................................... 47 4.2.2 アクセスパラメータの参照 ......................................................... 47 4.2.3 アクセスパラメータの設定 ......................................................... 54

4.3 実習:タスクへの割り当て ...................................................................... 58 4.3.1 登録済みタスクの確認 ................................................................ 58 4.3.2 タスクへの割り当て.................................................................... 59 4.3.3 タスクに割り当てたプログラムの削除 ........................................ 59

4.4 実習:ソフトワイヤリングの設定 ........................................................... 60 4.4.1 ソフトワイヤリングの定義 ......................................................... 60 4.4.2 ソフトワイヤリングのタスクへの割り当て ................................. 61 4.4.3 I/O の切り離し ............................................................................ 62

4.5 実習:プロジェクトのコンパイル ........................................................... 63 4.6 実習:プロジェクトのダウンロード ........................................................ 64 4.7 実習:プロジェクトのスタート ............................................................... 66 4.8 実習:動作確認 ....................................................................................... 67

4.8.1 ロジックデザイナをデバッグモードへ変更 ................................. 67 4.8.2 アクセスパラメータの表示 ......................................................... 68 4.8.3 制御ループの動作確認 ................................................................ 71 4.8.4 シーケンスの動作確認 ................................................................ 73

Appendix 1 VDS/ASTMAC から FCN/FCJ の操作 ........................ 75 Appendix 1.1 VDS/ASTMAC~FCN/FCJ の接続定義 ........................................ 75 Appendix 1.2 PID 調節計の操作 ....................................................................... 80

Appendix 2 グローバル変数の作成と削除 ..................................... 81 Appendix 2.1 グローバル変数の新規作成 ....................................................... 83 Appendix 2.2 グローバル変数の削除 .............................................................. 85

Technical Information 改訂情報 ............................................................. i

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1. FCN/FCJ の構成 ここでは FCN/FCJ の制御アプリケーションを構築する上で必要となる機能を簡単

に紹介しています。

1.1 FCN/FCJ の内部構造 本書のメインである制御アプリケーションの構造を説明する前に,まず FCN/FCJの内部構造を紹介します。 FCN/FCJの内部は,下図のように CPU がメモリ,各種 I/O,FCN/FCJシステムカー

ドをアクセスし動作しています。 FCN/FCJシステムカードには,リアルタイム OS,制御実行エンジン,Java 実行エ

ンジンといった基本ソフトウェアをはじめ,各種ハードウェア設定情報,ソフトウ

ェアライセンス情報,制御アプリケーション,Java アプリケーションなどすべての

情報を記憶させておきます。 これら情報は,FCN/FCJの起動時に FCN/FCJシステムカードから揮発性メモリ上に

読み出され実行されます。不揮発性メモリには,保持するよう指定した変数(リテ

インデータと呼びます)と RAS 情報が格納されます。 一方,FCN/FCJ内のソフトウェア構成は,下図のようにリアルタイム OS 上で,各

種 I/O ドライバと,制御アプリケーション/Java アプリケーションを実行するエン

ジン,そしてユーザが作成した制御アプリケーション,Java アプリケーションが動

作します。

メモリ

不揮発性メモリ

各種I/O

揮発性メモリ

FCN/FCJシステムカード

CPU

FCN/FCJ

FCN/FCJシステムカード

FCN/FCJ起動時にシステムカードから各種情報を読み出して実行

基本ソフトウェア,各種設定情報,ライセンス情報,制御アプリケーションなどを格納

リアルタイムOS

制御実行エンジン

制御アプリケーション

Java実行エンジン

Javaアプリケーション

各種I/Oドライバ

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1.2 FCN/FCJ の開発/保守ツール FCN/FCJの開発/保守は,汎用 PCにインストールした「リソースコンフィギュレ

ータ」「ロジックデザイナ」を用いて行います。また, Web ブラウザ(Internet Explorer など)を用いて FCN/FCJを Web サーバとしてアクセスし,ネットワークの

ルーティング設定など高度な設定を行うこともできます。

参照 Javaの開発環境については,「FCN/FCJ 機能概要 (TI34P02Q02-01)」を参照してください。

1.2.1 リソースコンフィギュレータ リソースコンフィギュレータは,FCN/FCJの IP アドレスの設定,I/O モジュールな

ど各種ハードウェア設定,そして,動作させるソフトウェアのライセンス登録など

基本設定を行うツールです。

汎用PC

制御ネットワーク(Ethernet)

<開発/保守ツール>・リソースコンフィギュレータ・ロジックデザイナ・Webブラウザ

FCN/FCJ

FCN/FCJシステムカードに書き込み ・IPアドレス ・各種ハードウェア設定情報 ・ソフトウェアライセンス情報 ・制御アプリケーション

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● 設定情報のダウンロード リソースコンフィギュレータを用いて FCN/FCJに設定情報をダウンロードすると,

設定情報は FCN/FCJシステムカードに書き込まれます。 さらに I/O モジュールの設定情報は,対応する I/O モジュールにダウンロードされ

ます。(I/O モジュールにダウンロードされる設定情報は,変更が行われた設定情

報だけです。)

補足:I/O モジュール設定情報 I/O モジュールへの設定情報は,I/O モジュール内のメモリに保持されます。このため,I/O モジュール

を交換した場合には,その I/O モジュールに再度設定情報を書き込んで使用してください。 (I/O モジュールを交換した際,システムカード上の設定情報を I/O モジュール上メモリに自動的に書

き込む指定も可能です。)

● FCN/FCJ に接続時の動作 リソースコンフィギュレータを用いて FCN/FCJに接続を行うと,FCN/FCJから以下

の情報を自動アップロードし表示します。 ・ハードウェアおよびソフトウェアの構成情報 ・RAS 情報 ・FCN/FCJシステムカードの設定情報

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1.2.2 ロジックデザイナ ロジックデザイナは,FCN/FCJ上で動作する制御アプリケーションを作成/デバッ

グするためのツールです。

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● 開発言語 プログラミング言語として,国際標準規格 IEC61131-3 に準拠した以下の 5 種類の言

語を,用途や好みに応じて使用することができます。 ・ FBD(Function Block Diagram:機能ブロック図) 各種機能がブロック化されており,そのブロック間を信号線で接続することで

データ処理を実現します。データの流れに従って構築できるので,アナログ信

号の連続制御に最適です。 ・ LD(Ladder Diagram:ラダー図) PLCのプログラミング言語として最も広く使われている言語で,リレーシンボ

ルからきた接点やコイルなどの構成要素を用いて,グラフィカルに論理演算を

記述する言語です。 ・ SFC(Sequential Function Chart:シーケンスフロー) 工程進捗型のアプリケーションを構築するのに便利な言語です。順序制御が明

示的に記述できるメリットがあります。順序制御は SFCで,異常処理など非順

序制御は LD で記述するなど組み合わせることで簡潔なシーケンスプログラム

が構築できます。 ・ IL(Instruction List:命令リスト) ニモニックを規格化した言語です。1行に 1 つの演算子とオペランドで構成さ

れているので,表現に曖昧さがない反面,複雑な論理関係を記述することは困

難です。 ・ ST(Structured Text:構造化テキスト) 高級言語である PASCAL 言語に似たテキスト言語で,処理が多岐に分かれるア

プリケーションを IF-THEN-ELSE文にて記述したり,複雑な演算式も容易に記

述できるなどのメリットがあります。

補足:開発言語の組み合わせ 原則 1 つの POU(プログラム)を,複数の言語を使って構築することはできません。ただし,FBD と

LD の混在,SFC のアクションに FBDと LD を記述することは可能です。また,SFC のトランジション

やアクションは,FBD, LD, IL, STで記述できます。

● 制御アプリケーションの部品化と再利用 制御アプリケーションを任意の機能単位に簡単に部品化し,再利用することができ

ます(中身がパスワードで隠蔽されたブラックボックス部品も作成可能)。この部

品化と再利用により,デバッグを含めたエンジニアリング全体の効率化が図れま

す。

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● デバッグ支援機能 ロジックデザイナは,作成した制御アプリケーションのデバッグやメンテナンスを

強力にサポートする以下の機能も備えています。 ・ ソフトワイヤリング機能 I/O モジュールへの結線定義をソフト的に配線することで,外部より入力信号を

入れることなくデバッグが行えます。 ・ オンラインレイアウトとオンライン値表示 プログラムを表示しながら,プログラム中の変数の値を表示,変更できます。 ・ ブレークポイント設定 プログラム中に設定したブレークポイントで,プログラム実行が停止します。

その後はステップ実行も可能です。 ・ ロジックアナライザ機能 指定した時間間隔で変数の値を記録し,グラフィカルに表示します。 ・ ウォッチウィンドウ ウォッチウィンドウに変数を登録することで変数の値をモニタリングすること

ができます。

● オンラインダウンロード機能 オンラインダウンロード機能では,制御動作を継続しながら,制御アプリケーショ

ンの変更・修正を行えます。 以下にロジックデザイナでの修正内容ごとのオンラインダウンロード実行可否を示

します。

修正内容 可否 コメントの追加・削除・変更 可能 ライブラリの追加・削除・変更 可能 データ型定義の追加・削除・変更 可能 変数の追加・削除・変更 可能 論理 POU の追加・削除・変更 可能 POU インスタンスの追加・削除・変更 可能 プログラムコードの追加・削除・変更 可能 コンフィギュレーションの追加・削除 可能 リソースの追加・削除 可能 グローバル変数の追加・削除・変更 可能 デバイスラベル変数の追加・削除・変更 可能 PLC タイプの変更 不可 プロセッサタイプの変更 不可 タスクの追加・削除・変更 不可 プライオリティの変更 不可 ウォッチドッグ時間の変更 不可

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プロジェクト

リソース(1台のFCN/FCJに対応)

リソース(1台のFCN/FCJに対応)

POU(プログラム)

POU(プログラム)

POU(プログラム)

タスク

グローバル変数

POU(プログラム)

POU(プログラム)

POU(プログラム)

タスク

ローカル変数 ローカル変数

1.3 制御アプリケーションの構成

1.3.1 全体構成 ロジックデザイナで作成される FCN/FCJの制御アプリケーションの全体構成を見て

みましょう。

● プロジェクト ロジックデザイナで作成する制御アプリケーションのまとまりです。複数のコント

ローラの制御アプリケーションを 1 つのプロジェクトで扱うことができます。

● リソース 1 台ごとの FCN/FCJに対応したくくりです。この中に任意に分割した複数のプログ

ラムや各種変数が存在します。

● POU(プログラム) 5 種類のプログラミング言語を用いて作成される制御アプリケーションです。制御

アプリケーションは,任意の機能単位に分割することができ,この単位を

IEC61131-3 では POU(Program Organization Unit:プログラム構成単位)と呼んでい

ます。

参照 POU の詳細につきましては,「1.3.2 制御アプリケーションの単位(POU)」を参照してください。 また,ローカル変数,グローバル変数につきましては,「1.3.3ローカル変数とグローバル変数」を参

照してください。

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● タスク 制御アプリケーション(POU(プログラム))の実行周期やウォッチドッグ時間など

実行スケジューリングを管理します。作成したプログラムは,タスクに割り当てな

いと実行することはできません。1 つのタスクには,1 つまたは複数の POU(プログ

ラム)が割り付けられます。

1.3.2 制御アプリケーションの単位(POU) 前項でも記載しましたとおり,制御アプリケーションは POU と呼ばれる任意の機

能単位に分割することが可能です。この POU は,その形態により以下の 3 つのタ

イプに分類されます。

● プログラム 3 種類の POU の中で唯一タスクに割り付けることのできるプラットフォーム的な

POU です。通常,次に説明しますファンクションブロックやファンクションの組み

合わせで構成させることで,階層的な制御アプリケーションを構築します。

● ファンクションブロック プログラム同様,他のファンクションブロックやファンクションの組み合わせで構

成されますが,タスクに割り付けて単独で動作させることはできません。プログラ

ム内に配置されることにより動作が可能となります。

● ファンクション ADD や NOT のように,1 つまたは複数の入力パラメータとただ 1 つの出力パラメ

ータから成る POU です。内部にメモリ機能を持っていないため,入力が同一であ

れば必ず同じ出力値が得られます。 ファンクションは,ファンクションブロックを組み込んで構成することはできませ

ん(ファンクションは可能です)。さらに,ファンクション内では,グローバル変

数を使用することはできません。 なお,ファンクションは,ファンクションブロックのように他のファンクションブ

ロックやプログラムに組み込まれて動作するのではなく,「コール」されることに

より動作します。

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POU[ファンクションブロック]

組み込みコール

ローカル変数 グローバル変数

POUコール[ファンクション]POUコール

[ファンクション]POUコール[ファンクション]

POU[ファンクション

ブロック]POU

[ファンクションブロック]POU

[ファンクションブロック]

POU[ファンクション]

ローカル変数

POUコール[ファンクション]POUコール

[ファンクション]POUコール[ファンクション]

POU[プログラム]

ローカル変数 グローバル変数

POUコール[ファンクション]POUコール

[ファンクション]POUコール[ファンクション]

POU[ファンクション

ブロック]POU

[ファンクションブロック]POU

[ファンクションブロック]

1.3.3 ローカル変数とグローバル変数 制御アプリケーションで使用される変数は,その有効範囲から「ローカル変数」と

「グローバル変数」に分類されます。

● ローカル変数 定義した POU(プログラム,ファンクションブロック,ファンクション)内でのみ

使用可能な変数です。

● グローバル変数 同一リソース内で動作するすべての POU からアクセス可能な変数です。 また,各変数は有効範囲以外にもいくつかの属性を持ちます。 ・「保持(リテイン)」属性 この属性を ON に設定した変数に関しては,FCN/FCJ電源断時,値が保持され

ます。(電源断で値を保持する場合は,リソースコンフィギュレータでの設定

が必要です。) ・「OPC」属性 この属性を ON に設定した変数に関しては,FCN/FCJ外部の SCADA ソフトウ

ェアなどから,値の参照/設定が可能になります。

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1.4 制御アプリケーションと I/O 端子の結合 FCN/FCJでは,制御アプリケーションの開発と I/O 端子割付定義が,それぞれ独立

して行えるような構造になっています。 FCN/FCJでは,I/O モジュール(FCJは本体の入出力端子)の各物理 I/O に「デバイ

スラベル」と呼ばれる名前を定義することができます。 (定義はリソースコンフィギュレータを用いて行います。なお,初期値のまま使用

しても構いません) ・デバイスラベル初期値 FCN:x_uu_ss_cc (x:信号種別,uu:ユニット番号,ss:スロット番号,cc:チャネル番号) FCJ:x_d_cc (x:信号種別,d:デバイスタイプ,cc:チャネル番号) x:信号種別(I:入力信号,Q:出力信号) d:デバイスタイプ(A:アナログ入出力,D:デジタル出力)

一方,ロジックデザイナで制御アプリケーションを作成するときには「デバイスラ

ベル変数」と呼ばれる論理的な I/O の名前を用います。これにより物理的な I/O モ

ジュールの実装位置を意識することなく論理的な I/O 名称で制御アプリケーション

を作成することができます。 これらは,制御アプリケーションの実行開始時に同一の名前のもの同士が結合され

動作します。

I/Oモジュール

FCN/FCJ CPUモジュール

制御アプリケーション

ロジックデザイナで設定

リソースコンフィギュレータで

設定

デバイスラベル

デバイスラベル変数

実行時に結合

POUプログラム

FIC001_IN FIC001_OUT

Unit:1Slot:3

Channel:5

Unit:1Slot:4

Channel:7

FIC001_IN FIC001_OUT

実装位置

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<2. 例題の紹介> 11

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2. 例題の紹介 3~4 章のエンジニアリング実習で構築するシステム構成,および制御アプリケー

ションをご説明します。

2.1 システム構成 実習で使用するシステム構成例を以下に示します。独自に実習される際,IP アドレ

スなどが異なる場合は,実習中に置き換えて構築してください。 なお,本書では,各ツールのインストール方法,ライセンス登録の具体的な手順は

省略しています。

● FCN または FCJ(どちらか 1 台) 実習では,FCJをターゲットに説明しています。なお,FCN/FCJ上で制御アプリケ

ーションを動作させるために以下のライセンスが必要になります。 ・ FCN/FCJ基本ソフトウェアライセンス ・ PAS ポートフォリオライセンス

● パソコン 制御アプリケーションを構築するために,以下のソフトウェアがインストールされ

ている必要があります。 ・ リソースコンフィギュレータ ・ ロジックデザイナ ・ ASTMAC VDS(動作確認のみで使用)

● ネットワーク 実習では,Ethernet の構成はシングルとして説明しています。

パソコン

Ethernet(シングル)

FCN または FCJ

IP アドレス:192.168.0.* (*の部分は任意)

IP アドレス:192.168.0.1

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<2. 例題の紹介> 12

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2.2 制御アプリケーション例題 実習で構築する制御アプリケーションの例題は,以下のとおりです。

● 連続制御 以下の PID 調節計を 1 ループ登録します。

実際に構築する制御アプリケーションとしては下図のようになります。

補足 本制御アプリケーション実習例では,内容を簡略化するため,入力信号用一次遅れフィルタは省略し

ています。

FIC001 PID

IN OUT

0~100 l/h 0~100 %

コメント:仕込み流量調節計

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<2. 例題の紹介> 13

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● シーケンス制御 ある内部フラグ(SW1)がオンであり,PID 調節計のモードが「AUT」であるとき

に,PID 調節計のモードを「MAN」にするシ―ケンス制御を構築します。

補足 本シーケンスアプリケーション実習例では,内容を簡略化するため接点「SW1」はワンショットでは

なくステータスと想定しています。

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<3.ハードウェア設定実習> 15

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3. ハードウェア設定実習 それでは,実習を行ってみましょう。 本章では,リソースコンフィギュレータによるハードウェアの設定を行います。

3.1 実習:オンライン設定 制御アプリケーションを作成する前に,FCN/FCJの各種ハードウェア設定やライセ

ンス登録を行う手順を説明します。これらの作業は,リソースコンフィギュレータ

を用いますが,オンライン/オフラインの 2 通りの方法があります。3.1 項では,

FCN/FCJを Ethernet で接続した状態で設定する方法(オンライン)を,3.2 項では,

FCN/FCJを接続しない状態で各種設定を行い,接続後ダウンロードする方法(オフ

ライン)を紹介します。

3.1.1 リソースコンフィギュレータの起動 リソースコンフィギュレータをインストールするとデスク トップ上に「Resource Configurator」アイコンが作成されます。 このアイコンをダブルクリックすることでリソースコンフィ ギュレータを起動します。

3.1.2 IP アドレスの設定 はじめに FCN/FCJの IP アドレスを設定します。FCN/FCJ新規購入時は電源投入す

ると下記手順(4)の状態になりますので,(5)より操作を続けてください。 (1) まず,FCN/FCJの“ネットワークインタフェース 1”に Ethernet ケーブルを接

続します。 (2) FCN/FCJの電源を投入,もしくは[RESET]ボタンを押します。 (3) LED“HRDY”,“RDY”が点滅を始めたら,3 秒以内に FCN/FCJの[SHUT

DOWN]ボタンを 1 度だけ押します。これで FCN/FCJは IP アドレス設定状態と

なります。

ネットワークインタフェース1

FCN FCJ

シャットダウンスイッチ

リセットスイッチ

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(4) LED“RDY”の点滅が遅くなり,リソースコンフィギュレータ下部のメッセー

ジウィンドウに“新規コントローラが接続されました”と表示されます。 (表示されない場合は(2)からやり直してください。) (5) メニューバーの[ファイル] - [IP アドレス設定]を選択すると,IP アドレス設定ダ

イアログが表示されます。 (6) IP アドレスに本実習では「192.168.0.1」サブネットマスクに「255.255.255.0」

と入力します。 (7) タイムゾーンで,「GMT+09:00 (JST)」(日本のタイムゾーン)を選択し,

[OK]ボタンをクリックします。

(8) システムカードへの書き込みが行われた後,接続ダイアログが表示されます。

本実習では,引き続き各種設定を行いますので,「ユーザ名」,「パスワード」

を入力して,[OK]ボタンを押し接続します。

補足:FCN/FCJ との接続 IP アドレスの設定直後以外で FCN/FCJ に接続する場合は,メニューバーの[ファイル] - [接続]を選択し

ます。デフォルトのユーザ名は“stardom”,パスワードは“YOKOGAWA”です。接続が完了すると

メッセージウィンドウに「アップロード終了」と表示されます。

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(9) 接続が完了すると,以下のような画面が表示されます。

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3.1.3 ライセンスの確認/登録 FCN/FCJの基本ソフトウェアやアプリケーションノウハウを部品化したアプリケー

ションポートフォリオ(APPF)など各種ソフトウェアを FCN/FCJ上で動作させる

ためには,該当の各種ライセンスを FCN/FCJに登録する必要があります。 本実習では PID 調節計の機能を使用するため,「PAS ポートフォリオ ライセンス」

が必要となります。 ライセンスの登録,確認もリソースコンフィギュレータで行います。

● ライセンスの確認 (1) リソースコンフィギュレータにおいて,ツリービューペインの「CPUM」をク

リックします。 (2) 「CPUモジュール構成」内の「ライセンス」タブを選択すると,登録されているラ

イセンス一覧が表示されます。

補足:ライセンス未登録時の動作 FCN/FCJ のシステムカードにライセンスが登録されていない場合でも,ロジックの作成までは可能で

すが,作成したアプリケーションを FCN/FCJ で実際に実行することはできません。

● ライセンスの登録 (1) 当社 Web サイトの STARDOMライセンス管理システムより事前にライセンスフ

ァイルを取得しておきます。

参照 ライセンスファイルの取得については,「FCN/FCJ解説書(IM34P02Q01-01)」を参照してください。

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(2) 「CPUモジュール構成」内の「ライセンス」タブ内の[ライセンスファイルの取り

込み]ボタンをクリックしライセンスファイルを指定します。

補足:ライセンスのダウンロード 上記はリソースコンフィギュレータにライセンスを読み込むまでの手順です。FCN/FCJへのダウンロ

ードは「3.1.5 設定情報ダウンロード」にて行われます。

3.1.4 デバイスラベルの定義 I/O モジュール(FCJは本体の入出力端子)の各物理 I/O に,任意の名前(デバイス

ラベルと呼ばれる)を定義してみましょう。

参照 デバイスラベルについては,「1.4 制御アプリケーションと I/O端子の結合」を参照してください。

(1) ツリービューペインの「IOM」をクリックします。 (2) 「I/O モジュール構成」内の「AI/AO」をクリックすると,AI/AO 定義情報が表示さ

れます。 (3) 本実習では以下のとおりデバイスラベルを設定します。 ・1 チャネル目のデバイスラベル(I_A_01)を「AI001」と定義 ・7 チャネル目のデバイスラベル(Q_A_07)を「AO001」と定義

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3.1.5 FCN/FCJ への設定情報ダウンロード CPUモジュールや I/O モジュールの基本設定,ライセンス設定情報を,FCN/FCJにダウンロードします。 (1) メニューの[ファイル] - [ダウンロード]を選択します。 (2) 「ダウンロードを行いますか?」に対して[OK]を選択します。

補足:IP アドレスの書き込み IP アドレスは,設定情報のダウンロード時ではなく,3.1.2項(7)の操作でシステムカードに書き込まれ

ます。

補足:リソースコンフィギュレータでの設定情報 リソースコンフィギュレータでは,上記のネットワーク設定,ライセンス登録/確認,デバイスラベ

ル定義以外にも「CPUモジュール設定」「I/O モジュール設定」「RAS 情報表示」などがあります。 CPUモジュール設定 ネットワーク(制御 LAN)のシングル/二重化,Java 機能の使用可否などの設定が行えます。また,

リテインデータの電源断時の値保持も,ここで設定します。 I/O モジュール デバイスラベル定義のほかに,出力オープン検出指定,出力逆ぶれ動作指定,フォールバック動作

(CPUとの接続断時の I/O の動作),バーンアウト指定などの設定が行えます。 RAS 情報表示 RAS 関連の様々な情報を確認することができます。

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3.2 実習:オフライン設定 FCN/FCJターゲットがない状態で制御アプリケーションを作成する場合,3.1 項の

代わりに本項の手順に従って作業を進めていきます。

3.2.1 リソースコンフィギュレーションエディタの起動 オフラインでのハードウェア設定は,3.1 項でご紹介したリソースコンフィギュレ

ータではなく,リソースコンフィギュレーションエディタを用いて行います。 (1) スタートメニューの[プログラム]-[YOKOGAWA FCN-FCJ]-[支援ツール]-

[Resource Configuration Editor]を選択し,リソースコンフィギュレーションエデ

ィタを起動します。

3.2.2 CPU モジュール,I/O モジュールの基本設定 CPU モジュールや,デバイスラベル定義など I/O モジュールの基本設定を行います。 (1) メニューの[ファイル] - [新規作成]の中から該当のコントローラ形名を選択しま

す。 (2) ツリービューペインの「CPUM」をクリックし展開した画面で CPUモジュールの

基本設定情報を定義します。 (3) さらに,ツリービューペインの「IOM」内の各 I/O をクリックし展開した画面で

デバイスラベルなど I/O モジュールの基本設定情報を定義します。

参照 デバイスラベルについては,「1.4 制御アプリケーションと I/O端子の結合」を参照してください。 また,定義方法については,「3.1.4デバイスラベルの定義」を参照してください。

(4) 以上の定義を終えたらメニューの[ファイル] - [名前を付けて保存]で任意の名前

で保存します。

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3.2.3 FCN/FCJ へのダウンロード 対象となる FCN/FCJに接続可能(オンライン)な状態になったら,以下の手順で各

種情報を設定,ダウンロードします。 (1) 3.1.1項の手順に従い,リソースコンフィギュレータを起動します。 (2) 3.1.2項の手順に従い,対象となる FCN/FCJの IP アドレスを設定します。 (3) メニューの[ファイル] - [インポート]で 3.2.2項で保存した定義ファイルを読み

込みます。 (4) 3.1.3項の手順に従い,ライセンスファイルの登録を行います。 (5) 3.1.5項の手順に従い,設定情報を FCN/FCJへダウンロードします。

補足:オンラインでのみ対応可能な項目 本項で説明しましたとおり,IP アドレスの設定およびライセンス登録はオンラインでのみ可能です。 また,RAS 情報表示およびイメージモード表示もオンラインでのみ可能となります。

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4. ロジックデザイナの実習 ロジックデザイナによる制御アプリケーションの作成を行います。 本章では,FBD(ファンクションブロックダイヤグラム)を用いて制御ループとシ

ーケンスを構築する手順を紹介します。

■ エンジニアリング手順 以下に本章で行うエンジニアリングの手順を示します。

新規プロジェクトの作成

FCN/FCJの指定

デバイスラベル変数の定義

制御ループの作成

シーケンスの作成

タスクの割り当て

ソフトワイヤリングの設定

コンパイル

ダウンロード

FCN/FCJのスタート

動作確認

(4.1.2項)

(4.1.3項)

(4.1.4項)

(4.1.5~9項)

(4.2節)

(4.3節)

(4.4節)

(4.5節)

(4.6節)

(4.7節)

(4.8節)

制御アプリケーション 作成前の作業

制御アプリケーション作成

制御アプリケーション 作成後の作業

制御アプリケーションの 動作確認

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4.1 実習:制御アプリケーション作成 (制御ループ) それでは,2 章で紹介した制御アプリケーション例を実際に作成してみましょう。 FCN/FCJ上で動作させる制御アプリケーションの作成にはロジックデザイナを使用

します。

4.1.1 ロジックデザイナの起動 デスクトップ上の「Logic Designer」アイコンかスタートメニュー の[スタート]-[プログラム]-[YOKOGAWA FCN-FCJ]-[Logic Designer] よりロジックデザイナを起動します。

補足:ロジックデザイナ起動時の表示プロジェクト ロジックデザイナの起動時に,前回開かれていたプロジェクトを自動的に読み込むかを,設定するこ

とが可能です。 デフォルト設定は「プログラム起動時に以前のプロジェクトを開く」です。 ロジックデザイナ起動後,メニューの[拡張]-[オプション]を選択,「オプション」ダイアログの[全般]タブ内で設定可能です。

4.1.2 新規プロジェクトの作成 ロジックデザイナで作成する制御アプリケーションのまとまりを「プロジェクト」

と呼びます。プロジェクトは 1 つで複数のコントローラの制御アプリケーションを

扱うことができます。それでは,新規にプロジェクトを作成してみましょう。 (1) メニューの[ファイル]-[新規プロジェクト]を選択すると,「新規プロジェクト」

ダイアログが表示されます。 ロジックデザイナには,作成する制御アプリケーションの種類別にテンプレートプ

ロジェクトが用意されています。本実習では,PID 調節計などの PAS ポートフォリ

オの NPAS POUを使用しますので「STARDOM NPAS」を用います。

補足:PAS ポートフォリオ PAS ポートフォリオは,FCN/FCJ のオプションパッケージです。PID 調節計や手動操作器など連続制

御用の各種計器を,ファンクションブロックとしてご提供します。PAS ポートフォリオには,NPAS POU と PAS POU の 2 種類の POUが用意されていますが,通常は NPAS POU を使用して制御アプリケ

ーションを構築します。

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(2) 「STARDOM NPAS」アイコンを選択して[OK]ボタンをクリックします。

① 選択

② クリック

補足:テンプレートプロジェクトの種類 テンプレートプロジェクトには,必要な情報があらかじめ定義されているので,簡単かつ確実にプロ

ジェクトを作成することができます。 STARDOM FCX: 制御アプリケーションを作成するための標準テンプレートです。制御アプリケーションに必要な各

種要素があらかじめ用意されています。 STARDOM NPAS: PAS ポートフォリオの NPAS POUを使用した制御アプリケーションを作成するためのテンプレー

トです。NPAS POUは,データ値に工業量を使用している POU です。STARDOM FCXテンプレートに加えて,NPAS POUを使用するための各種要素が用意されています。

STARDOM PAS: PAS ポートフォリオの PAS POUを使用した制御アプリケーションを作成するためのテンプレート

です。PAS POU は,データ値に正規化(0~100%)データを使用している POUです。STARDOM FCXテンプレートに加えて,PAS POUを使用するための各種要素が用意されています。

STARDOM Serial Communication: シリアル通信ファンクションブロックを使用した制御アプリケーションを作成するためのテンプレ

ートです。STARDOM FCX テンプレートに加えて,シリアル通信ファンクションブロックを使用するための各種要素が用意されています。

STARDOM Foundation Fieldbus: FOUNDATION fieldbus 通信を使用した制御アプリケーションを作成するためのテンプレートです。

STARDOM NPAS テンプレートに加えて,FOUNDATION fieldbus 通信を使用するための各種要素が用意されています。

STARDOM Turbomachinery: ターボマシナリ入出力モジュール(NFGS813、NFGP813)を使用した制御アプリケーションを作成す

るためのテンプレートです。ターボマシナリ入出力モジュールを使用するための各種要素が用意されています。

プロジェクトウィザード: 一般では使用しません。

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補足:プロジェクトの構成 プロジェクトは,プログラム関連の情報と,それを割り付ける(ダウンロードする)ハードウェアの

情報とに大別されます。

4.1.3 対象となる FCN/FCJ の指定(IP アドレスの指定)

今から作成する制御アプリケーションの対象となる FCN/FCJを IPアドレスで指定

します。本実習では,3.1.2項で IP アドレスを「192.168.0.1」と設定したコントロー

ラを対象とします。 (1) プロジェクトツリーの「TargetSetting」をダブルクリックすると,「ターゲット

設定」ダイアログが表示されます。 (2) IP アドレスとして「192.168.0.1」と入力し,[OK]ボタンをクリックします。

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4.1.4 デバイスラベル変数の定義 今から作成する制御アプリケーション上で使用する I/O を,論理的な I/O であるデ

バイスラベル変数として定義します。

参照 デバイスラベル変数については,「1.4 制御アプリケーションと I/O 端子の結合」を参照してください。

(1) プロジェクトツリーの「DeviceLabelDefinition」をダブルクリックすると「デバ

イスラベル変数定義」ダイアログが表示されます。 (2) 本実習では以下 2 つのデバイスラベル変数を定義します。

(3) 入力後,[OK]ボタンをクリックすると処理の継続を確認するダイアログが表示

されるので[はい]をクリックします。

4.1.5 プログラムの作成 1 章で説明したとおり制御アプリケーションは POU と呼ばれる単位ごとに構築して

いきます。 ここでは,まず POU(プログラム)をプロジェクトに追加し,FBD や LD といった言

語を用いて POU(プログラム)上に制御アプリケーションを作成する手順を説明しま

す。

参照 POU については,「1.3.2 制御アプリケーションの単位(POU)」を参照してください。

[アナログ入力] デバイスラベル名:AI001 信号種別:I_Anlg タスク:Task0 スケール下限:0.0 スケール上限:100.0 工業単位:l/h

[アナログ出力] デバイスラベル名:AO001 信号種別:O_Anlg タスク:Task0 スケール下限:0.0 スケール上限:100.0 工業単位:%

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■ プログラムの追加 4.1.2項で作成したプロジェクトに新規に POU(プログラム)を追加しましょう。

補足:デフォルト POU テンプレートプロジェクトには「Main」という名称のプログラムがあらかじめ用意されています。こ

のプログラムをそのまま利用しても良いのですが,本実習では POU(プログラム)を新たに追加する方

法を説明します。

(1) プロジェクトツリーの「論理 POU」を右クリックして[挿入]-[プログラム]を選

択すると,「挿入」ダイアログボックスが表示されます。 (2) 名前に,本実習では「SINGLE_LOOP」,言語は「FBD」を選択して[OK]ボタ

ンをクリックします。

プロジェクトツリー上に 3 つのワークシートが入った SINGLE_LOOP という名前の

POU(プログラム)が作成されたことを確認してください。 この 3 つのワークシートを用いてプログラミングすることで制御アプリケーション

を構築していきます。

記述ワークシート :ドキュメント用の説明を記述します。 変数ワークシート :ローカル変数を宣言します。 コードボディワークシート :ロジックを記述します。

記述ワークシート

変数ワークシート

コードワークシート

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補足:プログラムの削除 プロジェクトツリーの「論理 POU」の下の削除したい POU(プログラム)を右クリックして[削除]を選

択します。

補足:プログラム,ワークシートの“*”マーク プログラムやワークシートのプロジェクトツリー上“*”マークは,コンパイルされていないことを

指します。

■ PID 調節ファンクションブロックの配置 それでは,前項で作成した POU(プログラム)上に PID 調節ファンクションブロック

を登録してみましょう。 (1) プロジェクトツリーのコードボディワークシート「SINGLE_LOOP」をダブル

クリックし,コードワークシートを開きます。 (2) 「エディットウィザード」の「グループ」コンボボックスから

「<SD_NPASPOU_PF>」(ライブラリ)を選択します。

補足:エディットウィザード エディットウィザードが表示されていない場合は,メニューの[表示]-[エディットウィザード]を選択し

てください。

補足:<SD_NPASPOU_PF> <SD_NPASPOU_PF>は,PAS ポートフォリオとして提供する POU ファンクションブロックのライブラ

リの 1 つです。NPAS POUの入出力データ処理 POU,連続制御 POU,数値演算 POU,シーケンス制御

POU などが格納されています。

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(3) 「グループ」コンボボックス下部のリスト上の「NPAS_PID(PID 調節計)」を左

クリックし,マウスのボタンを押したまま,オブジェクトをエディット ウィザ

ードから希望するワークシートへドラッグします。マウスの左ボタンを離すと,

「変数のプロパティ」ダイアログが開きます。

補足:ファンクションブロック,ファンクションの定義 ドラッグ&ドロップなしでファンクションブロックやファンクションの定義を行うことが可能です。 上図では,コードワークシート上の配置したい位置に「NAPS_PID」とキーボードで入力すると,「変

数のプロパティ」ダイアログが開かれます。 (インラインエディットボックス機能)

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(4) 名前に,本実習では「FIC001」と入力し,[OK]ボタンをクリックするとワーク

シートにファンクションブロックが配置されます。

補足:NPAS_PID NPAS_PID(PID 調節)は,PID 制御演算処理機能に加え,アラーム処理機能も備えています。

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■ 標準アナログ入力処理ファンクションブロックの配置 次に IOP アラーム検出や入力信号変換処理などを行う標準アナログ入力処理ファン

クションブロックを登録します。 (1) 「エディットウィザード」の「グループ」コンボボックスから

「<SD_NPASPOU_PF>」(ライブラリ)を選択します。 (2) 「グループ」コンボボックス下部のリスト上の「NPAS_AI_ANLG(標準アナログ

入力処理)」を左クリックし,マウスのボタンを押したまま,オブジェクトを

エディット ウィザードから希望するワークシートへドラッグします。マウスの

左ボタンを離すと,「変数のプロパティ」ダイアログが開きます。 (3) 名前に本実習では「FIC001_AI001」と入力して[OK]ボタンをクリックするとワ

ークシートにファンクションブロックが配置されます。

補足:デジタルフィルタ 通常,「NPAS_AI_ANLG」の「OUT」と「NPAS_PID」の「IN」の間には「NPAS_DGFLT(デジタル

フィルタ)」を配置します。「NPAS_DGFLT」はノイズを低減するための一次遅れフィルタです。 本実習では手順を簡略化するため省略しています。

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■ 標準アナログ出力処理ファンクションブロックの配置 次に出力信号変換処理やタイトシャット/フルオープン処理などを行う標準アナロ

グ出力処理ファンクションブロックを登録します。 (1) 「エディットウィザード」の「グループ」コンボボックスから

「<SD_NPASPOU_PF>」(ライブラリ)を選択します。 (2) 「グループ」コンボボックス下部のリスト上の「NPAS_AO_ANLG(標準アナロ

グ出力処理)」を左クリックし,マウスのボタンを押したまま,オブジェクト

をエディット ウィザードから希望するワークシートへドラッグします。マウス

の左ボタンを離すと,「変数のプロパティ」ダイアログが開きます。 (3) 名前に,本実習では「FIC001_AO001」と入力し,[OK]ボタンをクリックする

とワークシートにファンクションブロックが配置されます。

■ ファンクションブロックの結合 コードワークシートに配置した POU 同士を結合しましょう。 (1) 「FIC001_AI001」の「OUT」接続点上にカーソルを置きます。カーソルに線の

シンボルが表示されます。 (2) 左クリックし,マウスのボタンを押したまま,直接「FIC001」の「IN」接続点

までマウスをドラッグします。 注: 接続が許可されていると,線は緑色になります。2つのオブジェクト間で接続が許可されて

いないときは,線は赤く表示されます。この場合は,接続は確立されません。

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(3) マウスを離して接続します。エディタは,自動的に接続線のパスを決めます。

(オートルーティング) (4) 同様に「FIC001」の「OUT」と「FIC001_AO001」の「IN」を接続します。

■ デバイスラベル変数の結合 標準アナログ入力処理ファンクションブロックに,デバイスラベル変数の「AI001」を結合してみましょう。 (1) 「FIC001_AI001」の「IN」の青い丸をダブルクリックし,「変数のプロパティ」

ダイアログを開きます。 (2) 変数一覧にデバイスラベル変数「AI001」を表示させるために,「ワークシート

の全変数を表示」チェックボックスにチェックします。

補足:「ワークシートの全数を表示」チェックボックス ・ 「ワークシートの全変数を表示」チェックボックスにチェックした場合は,現在編集中の論理

POU の変数ワークシートに含まれるすべてのローカル変数と,グローバル変数ワークシートに含まれるすべてのグローバル変数が表示されます。

・ グローバル変数グループごとに変数を一覧表示したい場合は,本チェックボックスのチェックを外し,「定義スコープ」で「グローバル」を選択して,「DeviceLabel_Input_A」や「User 1」などの必要なグローバル変数グループを指定してください。

・ ローカル変数のみを一覧表示したい場合は,本チェックボックスのチェックを外し,「定義スコープ」で「ローカル」を選択してください。

参照 ローカル変数,グローバル変数については,「1.3.3 ローカル変数とグローバル変数」を参照してくだ

さい。

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(3) 名前のコンボボックスをクリックすると,(2)で指定したリソースのグローバル

変数一覧が表示されますので,「AI001」を選択して[OK]ボタンをクリックし

ます。

(4) 同様に「FIC001」の出力としてデバイスラベル変数「AO001」を結合します。

「FIC001_AO001」の「OUT」の緑の丸をダブルクリックし,「変数のプロパテ

ィ」ダイアログを開きます。 (5) スコープの選択は,(2)で設定しているので省略可能です。「AO001」を選択し

て[OK]ボタンをクリックします。

補足:変数の指定 「変数のプロパティ」ダイアログを使用せずに,宣言された変数を指定することが可能です。 接続点でキーボードにより,変数の最初の 1文字(または数個の文字)を入力すると,候補が表示さ

れ自動補完されます。

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■ 読み返し変数の結合 出力先の状態によって動作を切り替えたり,出力信号を急変させないためには出力

先のファンクションブロック,あるいは出力モジュールの状態を知る必要がありま

す。 しかし,IEC において結合したファンクションブロック間は,出力パラメータから

入力パラメータへの一方向にしかデータは伝わりません。したがって,双方向でデ

ータをやり取りしたい場合には,読み返し結合と呼ばれる二次側から一次側への結

合も必要になります。 それでは,出力先の状態を知るための読み返し結合を定義してみましょう。

補足:読み返し変数の必要 今回のループ体系では,出力モジュールから OOP 情報,出力レンジ,フォールバック検出情報などを,

アナログ出力ファンクションブロックへ読み返し,さらに一次側の PID 調節ファンクションブロック

に読み返します。 こうすることで,OOP時の MODE自動切り替えや,出力レンジによる出力値演算,フォールバック復

旧時に出力を急変させない対応などが可能となります。

(1) 「FIC001_AO001」の出力先の状態を読み返す定義を行ってみましょう。

「FIC001_AO001」の「RB_IN」をダブルクリックし,「変数のプロパティ」ダイ

アログを開きます。 (2) 名前のコンボボックスをクリックすると,グローバル変数一覧が表示されます

ので,「AO001_RB」を選択して[OK]ボタンをクリックします。

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補足:読み返し用パラメータ ファンクションブロックの入出力パラメータ中,「RB_IN」や「RB_OUT」が読み返し用パラメータ

です。(RB:Read Back)

以上で,デバイスラベル変数「AO001」の状態を「FIC001_AO001」に読み返す定

義ができました。では,引き続き,「FIC001_AO001」の状態を「FIC001」に読み

返すための定義を行ってみましょう。 (3) 「FIC001_AO001」の「RB_OUT」をダブルクリックし,「変数のプロパティ」ダ

イアログを開きます。 (4) 名前に「FIC001_RB」と入力,データ型に「CData_REAL」を選択,種別に

「VAR」を選択して,[OK]ボタンをクリックします。(読み返し用のローカル

変数を追加)

補足:データ型(CData_REAL) データ型(CData_REAL)は,PAS ポートフォリオのスケール情報や工業単位,現在値などを構造体で

持ったデータ型です。

補足:種別 種別は,変数宣言のキーワードを指定します。「ワークシートの全変数を表示」にチェックがついて

いる場合は,「VAR」か「VAR_GLOBAL」が選択できます。 種別のコンボボックスで「VAR」か「VAR_GLOBAL」を選択することで,以下のとおり変数の種別が

定義されます。 ・ VAR:ローカル変数の宣言 ・ VAR_GLORBAL:グローバル変数の宣言

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(5) 引き続き,「FIC001」の「RB_IN」をダブルクリックし,「変数のプロパティ」

ダイアログを開きます。 (6) 名前のコンボボックスで「FIC001_RB」を選択して[OK]ボタンをクリックしま

す。 以上で下図のような読み返し変数の定義ができました。

補足:接続線逆行による警告 ここでは,「FIC001_AO001」の「RB_OUT」と「FIC001」の「RB_IN」に,同一の変数を結合し読み

返しを行いました。「RB_OUT」と「RB_IN」を接続線で直接接続した場合,実行順序が POUを配置

した位置関係で変わってしまう可能性があります。また,接続線が(右から左へ)逆行するためコン

パイル時に注意を促す警告が出力されます。

■ 変数の確認 グローバル変数として位置付けられるデバイスラベル変数や,先にローカル変数と

して登録した「FIC001_RB」など各変数を確認してみましょう。 (1) プロジェクトツリーから変数ワークシート[SINGLE_LOOPV]をダブルクリック

し,「変数ワークシート」を開きます。 変数ワークシートで種別が「VAR_EXTERNAL」になっているものはグローバル変

数です。

確認が終わったら変数ワークシートからコードワークシートに切り替えます。

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補足:変数の追加と削除 コードワークシートから「変数のプロパティ」ダイアログを使用して変数を追加する以外に,この変

数ワークシートからも変数の追加が行えます。 また,変数の削除やグループの追加なども変数ワークシートで行います。 (コードワークシート上で変数を削除しても,変数ワークシート上の変数は削除されません。そのた

め,その変数を完全に削除したい場合は,変数ワークシート上の該当の変数も削除してください。)

補足:変数のグループ化 ワークシートを他のプログラムへ移動する場合,そのワークシート上で使用している変数もいっしょ

に移動させる必要があります。その際簡潔に移行できるよう, 変数もワークシート単位でグループ分

けしておくことをお勧めします。(変数を 1点ずつ選択し移行するよりも簡単になります)

グローバル変数の一覧はプロジェクトツリーの

「物理ハードフェア」の下の階層にある

「Global_Variables」で確認することができます。

このシートにはデバイスラベル変数やシステム

で使用されるグローバル変数も存在します。

参照 POU(プログラム)の変数ワークシート上のグローバル変数と,「Global_Variables」のグローバル変

数ワークシート上のグローバル変数の関係は,「Appendix 2 グローバル変数の作成と削除」で説明し

てありますので,詳細はそちらを参照してください。

4.1.6 プロジェクトの保存 それでは,これまでの作業内容を一度保存しておきましょう。 (1) メニューの[ファイル]-[プロジェクトに名前を付けて保存/圧縮]を選択し,「プ

ロジェクトに名前を付けて保存/圧縮」ダイアログを開きます。 (2) ファイル名に「training」と入力して[保存]ボタンをクリックします。

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4.1.7 エンジニアリングパラメータの設定 エンジニアリングパラメータは,NPAS POU のコメントや上限/下限ヒステリシスな

ど,制御アプリケーションを作成する際に設定するデータです。 NPAS POUの内部では,エンジニアリングパラメータのデフォルトデータがすでに

設定されていますが,これを変更するために,ユーザ変数として定義する「エンジ

ニアリングパラメータ設定用変数」を使用します。

■ エンジニアリングパラメータ設定用変数の定義 「エンジニアリングパラメータ設定用変数」とは,NPAS POUのエンジニアリング

パラメータを設定するための変数です。 エンジニアリングパラメータのデフォルト値の変更は,「エンジニアリングパラメ

ータ設定用変数」を定義し,その変数に値を設定することで行います。 まずは,エンジニアリングパラメータ設定用変数を定義します。 (1) プロジェクトツリーのコードワークシート「SINGLE_LOOP」をダブルクリッ

クし,コードワークシートを開きます。 (2) 「FIC001」の「ENG_RW」をダブルクリックし,「変数のプロパティ」ダイアロ

グを開きます。 (3) 名前に「FIC001_ENG」と入力,種別に「VAR」を選択して,[OK]ボタンをク

リックします。(データ型は,自動的に「SD_NPENG_PID」が選択されます。)

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補足:スコープのローカル/グローバル 「変数のプロパティ」ダイアログのスコープのローカル/グローバルの選択は,前回定義した変数の

設定を保持します。新しい変数を定義する場合は,このローカル/グローバルの選択により,ローカ

ル変数の作成/グローバル変数の作成が切り替わりますので,必ず,この設定を確認してから変数を

定義するようにしてください。

補足:ENG_RW 「ENG_RW」は,入出力パラメータと呼ばれるパラメータで,入力と出力の両方を行う変数を割り付

けます。入出力パラメータは,入力の端子に対して上記の設定を行うだけで,出力の端子側にもエン

ジニアリングパラメータ設定用変数「FIC001_ENG」が結合されます。

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■ エンジニアリングパラメータの設定 エンジニアリングパラメータの一つであるコメントを設定してみましょう。 エンジニアリングパラメータの設定は,エンジニアリングパラメータ設定用変数に

データを入力することにより行います。 (1) 「FIC001」の上側をクリックして,エンジニアリングパラメータ設定用変数を

配置する位置を決定します。 (2) そのまま,右クリックし,表示されるメニューより[変数]を選択します。 (3) 表示される「変数プロパティ」ダイアログで,名前のコンボボックスをクリッ

クするとローカル変数の一覧が表示されるので,「FIC001_ENG」を選択しま

す。

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(4) 続けて"."(ドット)を入力すると,エンジニアリングパラメータ設定用変数の

メンバ一覧が表示されるので,「COMMENT」を選択し,[OK]ボタンをクリッ

クします。

(5) 次に,ワークシート上の「FIC001_ENG .COMMENT」の左側をクリックし,ユ

ーザ変数へ代入する値を配置する位置を決定します。 (6) そのまま,右クリックし,表示されるメニューより[変数]を選択します。 (7) 表示される「変数プロパティ」ダイアログで,名前に,本実習では「'仕込み流

量調節計'」と入力し,[OK]ボタンをクリックします(文字の前後にはシングル

クォーテーションが必要です)。

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補足:コメントの設定 コメントの設定では,「変数のプロパティ」の「名前」に変数名ではなく直接「文字列」を設定して

います。’...’で囲まれた文字は変数名ではなく文字列として扱われます。 また,コメントでは,半角 32文字,全角 16文字までの文字列を使用できます。

(8) 最後に’仕込み流量調節計’と「FIC001_ENG .COMMENT」を接続します。

以上で,エンジニアリングパラメータの設定は終了です。

補足:エンジニアリングパラメータ NPAS POUでは,値を設定しないエンジニアリングパラメータについては,デフォルト値が適用され

ます。

参照 NPAS POUのエンジニアリングパラメータの一覧とデフォルト値に関しては,オンラインヘルプの該

当の POU の項目を確認してください。

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4.1.8 アクセスパラメータ参照・設定用変数の定義 アクセスパラメータとは,PV, SV, MV, MODE, PH, PL, P, I, D など操業時に表示/設

定が可能なパラメータです。この各種アクセスパラメータを他の制御アプリケーシ

ョンから,参照・設定するには,ユーザ変数として定義する「アクセスパラメータ

参照・設定用変数」を使用します。

ここでは,「アクセスパラメータ参照・設定用変数」を定義します。 (1)「FIC001」の「PRM_RW」の青い丸をダブルクリックし,「変数のプロパティ」

ダイアログを表示します。 (2) 本実習では名前に「FIC001_PRM」と入力,種別に「VAR」を選択して,[OK]

ボタンをクリックします。(データ型は,自動的に「SD_NPPRM_PID」が選択

されます。)

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補足:アクセスパラメータ参照・設定用変数の定義 ここでは,アクセスパラメータ参照・設定用変数の定義のみを行います。アクセスパラメータの参

照・設定については,「4.2 実習:制御アプリケーションの作成(シーケンス)」で行います。

以上で,アクセスパラメータ参照・設定用変数の設定は終了です。

4.1.9 作成した制御ループの確認と保存 以上で,制御ループの作成は終了です。 最後に作成した制御ループを確認します。

補足:制御ループの作成 制御ループを正常に動作させるためには,読み返し変数を必ず設定する必要があります。読み返し変

数を設定していなくてもコンパイルは正常に終了しますが,実際の制御が正常に動作しません。 また,エンジニアリングパラメータ設定用変数,アクセスパラメータ参照・設定用変数は,エンジニ

アリングパラメータの設定,アクセスパラメータの設定を行わない場合も必ず定義してください。定

義しない場合は,コンパイル時にエラーが発生します。

補足:ファンクションブロックのレンジ設定 NPAS POUでは,ファンクションブロックの各値のレンジは,入力データ,または,読み返し変数の

データのレンジから自動的に設定されます。そのため,NPAS POUでは,ファンクションブロックに

レンジを設定する必要はありません。

それでは,これまでの作業内容を一度保存しておきましょう。 メニューの[ファイル]-[保存]を選択します。

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4.2 実習:制御アプリケーション作成 (シーケンス) 4.1 項では,プロジェクトやプログラムの作成から制御ループの定義まで,FBD 言

語(表記)での一通りの作業をご紹介しました。本項では,シーケンスアプリケー

ションを構築する手順を紹介します。

4.2.1 ワークシートの追加 4.1項で構築したコードワークシート「SINGLE_LOOP」に今から作成するシーケン

スアプリケーションを追加することもできますが,本実習では,プログラム

「SINGLE_LOOP」にコードワークシートを追加し,そこに構築してみましょう。 (1) プロジェクトツリーのコードワークシート

「SINGLE_LOOP」(プログラムではありませ

ん)を右クリックして[挿入]-[コードワークシ

ート]を選択すると,「挿入」ダイアログボック

スが開きます。 (2) 名前に,本実習では「SEQUENCE」と入力し

て[OK]ボタンをクリックします。

補足:ワークシート追加時の言語 ワークシートを追加した際,そのワークシートの言語は,POU(プログラム)で設定した言語によって決

まります。ただし,FBD と LD の混在,SFCのアクションに FBDと LD を記載することは可能です。

4.2.2 アクセスパラメータの参照 それでは,2 章で紹介したシーケンスアプリケーションの上部にあるアクセスパラ

メータの参照部分(下図)を構築してみましょう。

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■ AND ファンクションの配置 (1)プロジェクトツリーのコードワークシート「SEQUENCE」をダブルクリックし,

コードワークシートを開きます。 (2) 「エディットウィザード」の「グループ」コンボボックスから「ファンクション」

を選択します。 (3) 「グループ」コンボボックス下部のリスト上の「AND」を左クリックし,マウス

のボタンを押したまま,オブジェクトをエディット ウィザードから希望するワ

ークシートへドラッグします。マウスの左ボタンを離すと,AND ファンクショ

ンが配置されます。

■ AND ファンクションへのパラメータ設定 それでは引き続き,配置した AND ファンクションへ,パラメータ設定を行いまし

ょう。 (1) AND ファンクションの入力パラメータの一つをダブルクリックし,「変数のプ

ロパティ」ダイアログを表示します。 (2) 名前のコンボボックスをクリックするとローカル変数の一覧が表示されるので,

アクセスパラメータ参照・設定用変数「FIC001_PRM」を選択します。

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(3) 続けて"."(ドット)を入力すると,アクセスパラメータ参照・設定用変数のメ

ンバ一覧が表示されるので,「MODE」を選択し,[OK]ボタンをクリックしま

す。

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(4) 次にもう一つの入力パラメータをダブルクリックし,「変数のプロパティ」ダ

イアログを表示します。 (5) 名前のコンボボックスをクリックするとグローバル変数一覧が表示されますの

で,「GM_MODE_AUT」を選択して[OK]ボタンをクリックします。

補足:GM_MODE_AUT 「GM_MODE_AUT」は,グローバル変数としてあらかじめ用意されている DWORD 型の定数(16進数で 00400000)で,この値は,NPAS POU のブロックモード AUT を表します。

以上の設定で,AND ファンクションへのパラメータの割り付けが終了です。 本設定で,FIC001_PRM.MODE(FIC001のモードの DWORD 値)とグローバル変数

GM_MODE_AUT(AUT モードを示す DWORD 値)がビット単位で AND 演算され,

その結果の DWORD 値が AND ファンクションの出力端子から出力されます。

補足:ファンクションの「EN」端子 ファンクションの「EN」端子は,ファンクションの機能の ON/OFFに使用します。「EN」端子への

入力が TRUE(ON)の時は機能が動作し,FALSE(OFF)の時は機能が動作しません。今回の例のよ

うに EN 端子へ何も結線しない状態で使用すると,EN 端子への入力が常に TRUEであるとみなされ,

常にファンクションの機能が動作します。

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■ NE ファンクションの配置 次に AND ファンクションの右側に NE(ノットイコール)ファンクションを配置し

ます。 (1) 「エディットウィザード」の「グループ」コンボボックスから「ファンクション」

を選択します。 (2) 「グループ」コンボボックス下部のリスト上の「NE」を左クリックし,マウスの

ボタンを押したまま,オブジェクトをエディット ウィザードから希望するワー

クシートへドラッグします。マウスの左ボタンを離すと,NE ファンクションが

配置されます。

■ NE ファンクションへのパラメータ設定 NE ファンクションへの結線とパラメータの設定を行います。 (1) AND ファンクションの出力パラメータの接続点上にカーソルを置きます。カー

ソルに線のシンボルが表示されます。 (2) 左クリックし,マウスのボタンを押したまま,直接,NE ファンクションの入力

の接続点までマウスをドラッグします。 注: 接続が許可されていると,線は緑色になります。2つのオブジェクト間で接続が許可されて

いないときは,線は赤く表示されます。この場合は,接続は確立されません。

(3) マウスを離して接続します。エディタは,自動的に接続線のパスを決めます。

(オートルーティング)

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(4) NE ファンクションのもう一つの入力パラメータをダブルクリックし,「変数の

プロパティ」ダイアログを表示します。 (5) 名前に「DWORD#0」と入力し,[OK]ボタンをクリックします。

補足:DWORD#0 ここでは,「変数のプロパティ」の「名前」に変数名ではなく,直接,数値の"DWORD#0"を設定して

います。"DWORD#0"は,DWORD 値の 0(16進数で 00000000)を示します。

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(6) NE ファンクションの出力を BOOL 型変数「FLAG_AUT」(新規作成)に入力

します。 NE ファンクションの出力パラメータをダブルクリックし,「変数のプロパティ」

ダイアログを表示します。 (7) 名前に「FLAG_AUT」と入力して,[OK]ボタンをクリックします。

以上の設定で,NE ファンクションへのパラメータの割り付けが終了です。 本設定により,AND ファンクションの出力が DWORD 値の 0(ゼロ)と等しくない

かどうかを演算し,その結果を BOOL 型変数「FLAG_AUT」に入力します。 以上の演算により,FIC001 が AUT モードのときには,BOOL 型変数「FLAG_AUT」が TRUE となり,AUT 以外のモードのときは「FLAG_AUT」が FALSE となる論理

演算が完成しました。

補足:ブロックモードの参照 今回のシーケンスでは,FIC001 のブロックモードとグローバル GM_MODE_AUT の比較を AND ファ

ンクションと NE ファンクションの組み合わせで行っています。本来,単なる DWORD 値の比較の場

合は,EQ(イコール)ファンクションだけで行うことが可能です。しかし,NPAS POUのブロックモ

ードでは,IMAN と AUT など同時に 2 つのモードになる可能性があるため,一度,AND ファンクシ

ョンで,ビット単位のアンド処理を行い,その値が,DWORD の 0 でないことにより,AUT モードで

あるかどうかを検出します。

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4.2.3 アクセスパラメータの設定 次に,2 章で紹介しましたシーケンスアプリケーションの下部にあるアクセスパラ

メータの設定部分(下図)を構築してみましょう。

■ 接点の配置 (1) ワークシートの AND ファンクションの下部をクリックして接点を配置する位

置を決定します。 (2) ツールバーの[接点の右]をクリックすると,ワークシート

に接点が配置されます。 (3) この接点をダブルクリックし,「接点/コイルのプロパティ」

ダイアログを開きます。 (4) 名前に本実習では「SW1」と入力して,[OK]ボタンをクリ

ックします。 (5) 引き続き,接点が選択されている状態で,ツールバーの

[左母線]をクリックすると,接点の左側に母線が配置され

ます。 (6) 次に,接点「SW1」を選択し,ツールバーの[接点の右]をクリックすると,ワ

ークシートに接点が配置されます。 (7) この接点をダブルクリックし,「接点/コイルのプロパティ」ダイアログを開きま

す。 (8) 名前のコンボボックスをクリックするとローカル変数一覧が表示されますので,

先程作成した「FLAG_AUT」を選択し,[OK]ボタンをクリックします。

接点の右

左母線

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■ MOVE ファンクションの配置 次に MOVE ファンクションを配置します。 (1) 「エディットウィザード」の「グループ」コンボボックスから「ファンクション」

を選択します。 (2) 「グループ」コンボボックス下部のリスト上の「MOVE」を左クリックし,マウ

スのボタンを押したまま,オブジェクトをエディット ウィザードから希望する

ワークシートへドラッグします。マウスの左ボタンを離すと,MOVE ファンク

ションが配置されます。

■ MOVE ファンクションへのパラメータ設定 MOVE ファンクションへの結線とパラメータの設定を行います。 (1) 「FLAG_AUT」右側の端子上にカーソルを置きます。カーソルに線のシンボル

が表示されます。 (2) 左クリックし,マウスのボタンを押したまま,直接,MOVE ファンクションの

入力パラメータ「EN」までマウスをドラッグします。 注: 接続が許可されていると,線は緑色になります。2つのオブジェクト間で接続が許可されて

いないときは,線は赤く表示されます。この場合は,接続は確立されません。

(3) マウスを離して接続します。エディタは,自動的に接続線のパスを決めます。

(オートルーティング)

(4) MOVE ファンクションのもう一つの入力パラメータをダブルクリックし,「変

数のプロパティ」ダイアログを表示します。 (5) 名前のコンボボックスをクリックするとグローバル変数一覧が表示されますの

で,「GM_MODE_MAN」を選択して[OK]ボタンをクリックします。 (6) MOVE ファンクションの出力パラメータをダブルクリックし,「変数のプロパ

ティ」ダイアログを表示します。 (7) 名前のコンボボックスをクリックするとローカル変数の一覧が表示されるので,

アクセスパラメータ参照・設定用変数「FIC001_PRM」を選択します。 (8) 続けて"."(ドット)を入力すると,アクセスパラメータ参照・設定用変数のメ

ンバ一覧が表示されるので,「MODE」を選択し,[OK]ボタンをクリックしま

す。

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以上の設定で,MOVE ファンクションのパラメータの割り付けが終了です。 本設定で,接点「FLAG_AUT」(FIC001が AUT モードであることを示すフラグ)

と接点「SW1」(本シーケンスを動作させるためのスイッチ)が TRUE のときに,

FIC001のモードを MAN にするシーケンス回路が作成できました。

補足:アクセスパラメータの設定 以上のようにアクセスパラメータの設定は,MOVEファンクションを使用して設定します。MOVEフ

ァンクションの入力パラメータに設定値を指定し,出力パラメータに「アクセスパラメータ参照・設

定用変数名」+「.」+「パラメータ名」を指定することで,アクセスパラメータの設定が行えます。

■ コイルの配置 最後に,接点「SW1」をリセットするためのコイルを配置します。 (1) MOVE ファンクションの下をクリックしてコイルを配置する位置を決定します。 (2) ツールバーの[コイルの右]をクリックすると,ワークシート

にコイルが配置されます。 (3) このコイルをダブルクリックし,「接点/コイルのプロパティ」

ダイアログを開きます。 (4) 名前のコンボボックスをクリックするとローカル変数一覧が表示されますので,

「SW1」を選択します。 (5)コイルの種類として RESET「-( R )-」を選択し,[OK]ボタンをクリックします。

コイルの右

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(6) 引き続き,コイルが選択されている状態で,ツールバー

の[右母線]をクリックすると,コイルの右側に母線が配

置されます。 (7) 最後に「FLAG_AUT」接点とコイルを結線します。ツー

ルバーの「オブジェクトの接続」アイコンを選択し,「FLAG_AUT」接点の右

側の線上をクリックしてから,コイルの左側の青い丸をクリックします。

以上で,シーケンスアプリケーションの作成は終了です。 本シーケンスにより,FIC001が AUT モードで「SW1」が TRUE となった場合に,

FIC001を MAN モードにし,SW1をリセットするシーケンス制御を行います。

■ 保存 (1) メニューバーの[ファイル]-[保存]を選択します。

以上のようにシーケンスアプリケーションを作成する場合,AND ファンクション,

NE ファンクションや MOVE ファンクションが使用できるだけではなく,ラダー回

路として接点やコイルを使用してシーケンスを構築することができます。

右母線

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4.3 実習:タスクへの割り当て 4.1,4.2 節で制御アプリケーションの構築は完了しましたが,作成したプログラム

はタスクに割り当てなければ実行されません。プログラム「SINGLE_LOOP」をタ

スクに割り当ててみましょう。

4.3.1 登録済みタスクの確認 4.1.2項で新規に作成したテンプレートプロジェクトには,タスクもデフォルトで用

意されています。このタスクの設定を確認してみましょう。 (1) プロジェクトツリーの Task0 を選択し,右クリックして表示されるメニューか

ら[プロパティ]を選択します。登録済みの Task0 はサイクリックタスクです。 確認後,[キャンセル]ボタンをクリックし,ダイアログを閉じます。

補足:タスクの種類 タスクには次の3種類があります。 ・デフォルトタスク デフォルトタスクは,ユーザタスクの中で最も低いプライオリティを持つタスクで,他のユーザタ

スクが動作していない時のみ動作するタスクです。 ・サイクリックタスク サイクリックタスクは,設定されたプライオリティに基づき指定された周期で動作するタスクです。 ・システムタスク FCN/FCJ のオペレーション状態にエラーまたは変更が起こると,システムによって呼び出されます。

(2) 続いて,プロジェクトツリーの Task0 を選択,右クリックして表示されるメニ

ューから[設定]を選択し,「IPC_40のタスク設定」ダイアログを開きます。 ここでタスクの実行周期やウォッチドッグ時間などを設定しますが,本実習で

はデフォルトのままとします。値を確認後[キャンセル]ボタンをクリックし,

ダイアログを閉じます。

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4.3.2 タスクへの割り当て それでは,プログラム「SINGLE_LOOP」をタスクに割り当ててみましょう。 (1) プロジェクトツリーの Task0 を選択,右クリックして表示されるメニューから

[挿入]-[プログラムインスタンス]を選択し,「挿入」ダイアログを開きます。 (2) プログラムインスタンスに「_SINGLE_LOOP」と入力,プログラムタイプに

「SINGLE_LOOP」を選択し,[OK]ボタンをクリックします。

補足:プログラムインスタンス名 プログラムインスタンス名の先頭 1文字を_(アンダーバー)にすると,制御アプリケーション作成時

に定義した変数を ASTMAC VDS のデータサーバにインポートする際,オブジェクト名からプログラ

ムインスタンス名が省略されます。

4.3.3 タスクに割り当てたプログラムの削除 雛型プロジェクトに登録されていたプログラム「Main」を削除した場合,タスクに

割り当てられているプログラム「Main」も不要です。 (1) プログラムインスタンス「Main」を選択,右クリックして表示されるメニュー

から[削除]を選択します。 (2) 削除確認ダイアログが表示されるので[OK]ボタンをクリックします。

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4.4 実習:ソフトワイヤリングの設定 外部から信号を入力しなくてもデバッグが実現できるソフトワイヤリング機能の使

い方をご紹介します。ソフトワイヤリング機能を使用するとソフト的に入力と出力

を結合することができます。

4.4.1 ソフトワイヤリングの定義 (1) プロジェクトツリーの「SoftWiring」をダブルクリックし,「ソフトワイヤリング

定義」ダイアログを開きます。 (2) [ウィザード]ボタンをクリックします。

(3) ワイヤリング先 1 に「AI001」を選択し,[次へ]ボタンをクリックします。 (4) 入力形式に「閉ループ型」を選択し,[次へ]ボタンをクリックします。 (5) ワイヤリング元 1 に「AO001」を選択し,[次へ]ボタンをクリックします。 (6) ワイヤリングロジックに「SD_WIRE_DTANLG_ANLG」を選択し,[次へ]ボタ

ンをクリックします。 (7) 一次遅れ時定数に「t#5s」(5 秒)を入力し,その他はデフォルトのままで[次

へ]ボタンをクリックします。

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(8) [完了]ボタンをクリックし,ウィザードを終了します。 (9) 「ソフトワイヤリング定義」ダイアログの[OK]ボタンをクリックすると,ダイア

ログが閉じ,プロジェクトツリーの論理 POU に「FCX01_WIRE」が追加されま

す。

4.4.2 ソフトワイヤリングのタスクへの割り当て 作成したソフトワイヤリング定義は,プログラム同様タスクへ割り当てる必要があ

ります。 (1) プロジェクトツリーの Task0 を選択,右クリックして表示されるメニューから

[挿入]-[プログラムインスタンス]を選択し,「挿入」ダイアログを開きます。 (2) プログラムインスタンスに「FCX01_WIRE」と入力,プログラムタイプに

「FCX01_WIRE」を選択し,[OK]ボタンをクリックします。

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4.4.3 I/O の切り離し 実 I/O なしでソフトワイヤリングを利用するため,I/O を切り離します。 グローバル変数として用意されている I/O 切り離し用スイッチの値を変更すること

で行います。 (1) プロジェクトツリーの「Global_Variables」をダブルクリックし,「変数ワークシ

ート」を開きます。 (2) I/O 切り離し用スイッチである「GS_NFIO_DISCONNF」の初期値の欄を

「TRUE」に書き換えます。 これで I/O 切り離しの設定は完了です。

補足:ソフトワイヤリングの無効化 ソフトワイヤリングを無効にするには,タスクに割り当てたソフトワイヤリング定義を削除し,さら

に「GS_NFIO_DISCONNF」の初期値を「FALSE」に戻します。 デバッグモード時に「GS_NFIO_DISCONNF」を「FALSE」にするとソフトワイヤリングが無効になり

ますが,同時に I/O 切り離しも無効になります。 I/O 切り離しを行った状態で,ソフトワイヤリングを使用しない場合は,タスクに割り付けたソフトワ

イヤリング定義を削除してください。

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4.5 実習:プロジェクトのコンパイル 作成したプロジェクトを FCN/FCJで実行可能なコードに変換するため,コンパイル

を実行しましょう。 (1) メニューバーの[ビルド]-[プロジェクトの再コンパイル]を選択すると,コンパ

イルの状況がメッセージウィンドウに表示されます。 (2) コンパイルが終了するとメッセージウィンドウにコンパイル結果が表示されま

す。エラー0 個と表示されていれば,コンパイルは正常に終えています。

補足:コンパイル時のエラー/警告の修正 コンパイルした際,エラーが検出された場合にはメッセージウィンドウの[エラー]タブに切り替えると

個別のエラー情報を確認できます。エラーメッセージをダブルクリックするとエラーの該当箇所にジ

ャンプします。メッセージ内容を参考にエラー箇所を修正します。 警告は無視することもできますが,エラーと同様に[警告]タブに切り替えると個別の情報を確認でき,

ダブルクリックでジャンプします。 エラー/警告が検出されなくなるまで,修正とコンパイルを繰り返し行います。

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4.6 実習:プロジェクトのダウンロード コンパイルしたプロジェクトを FCN/FCJにダウンロードしましょう。 (1) メニューバーの[オンライン]-[プロジェクトコントロール]を選択し,「リソース

コントロール」ダイアログを開きます。

(2) [ダウンロード]ボタンをクリックし,「ダウンロード」ダイアログを開きます。 (3) プロジェクトの[ダウンロード]ボタンをクリックします。

(4) すでに別のプロジェクトがダウンロードされていた場合,上書き確認のダイア

ログが表示されますので,[はい]を選択します。 (5) ステータスバーにダウンロードの経過がバー表示されます。ダウンロード完了

(100%)になるまで待ちます。

補足:システムカードへのダウンロード 上記の手順では,「ブートプロジェクトを含む」のチェックボックスがチェックされているので,揮

発性メモリへのダウンロードと同時に,FCN/FCJ システムカードへのダウンロードを行います。 このチェックを外してダウンロードした場合は,揮発性メモリのみにプロジェクトがダウンロードさ

れます。揮発性メモリ上のプロジェクトは電源 OFF時に消去され,電源再投入時には FCN/FCJ システ

ムカードのブートプロジェクトがロードされます。 電源再投入時も同じプロジェクトを起動させたい場合は,このチェックボックスをチェックしてダウ

ンロードしてください。

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補足:ダウンロードの単位 プロジェクト内にリソースが複数存在するとき,[プロジェクトコントロール]ダイアログにてダウンロ

ードするリソースを,1つまたは複数選択することができるようになります。

補足:オンラインダウンロード 「ダウンロード」ダイアログ上の「変更のダウンロード」ボタンをクリックすることにより,制御を

停止せずにダウンロードを実行するオンラインダウンロードを行うことができます。 オンラインダウンロード機能については,「1.2.2 ロジックデザイナ」を参照してください。

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4.7 実習:プロジェクトのスタート 制御アプリケーションは,ダウンロードしただけでは実行されません。3 種類ある

スタートモードのいずれで動作させるか指定することにより,実行を開始します。 デバッグ時には,変数の継続性の違いから以下の 3 つのスタートモードのうち任意

のモードを指定することができます。

表 制御エンジンのスタートモード スタートモード 非保持変数 保持変数 備考 コールド スタート

初期化する。 初期値を指定されたものは初期値を設定。 初期値が指定されていないものはデフォルト値(0)を設定。

初期化する。 初期値を指定されたものは初期値を設定。 初期値が指定されていないものはデフォルト値(0)を設定。

ウォーム スタート

初期化する。 初期値を指定されたものは初期値を設定。 初期値が指定されていないものはデフォルト値(0)を設定。

値を保持。(*1)

ホット スタート

値を保持。 値を保持。 制御アプリケーションの実行停止後,リセット処理や制御アプリケーションのダウンロード処理を行うと,ホットスタートはできなくなります。

*1 : 不揮発性メモリ上に配置される保持変数の構成に変更があった場合は初期化されます。 リテインデータ(保持データ)がセーブされている場合は,初期化の後セーブされているデー

タがリストアされます。

補足 FCN/FCJ の電源 ON 時のスタートモードは,常にウォームスタートとなります。

本実習では,新規にプロジェクトをダウンロードしたことを想定し,コールドスタ

ートを選択する手順を紹介します。 (1) 「プロジェクトコントロール」ダイアログの[コールド]ボタンをクリックする

と,ダイアログ上の状態表示が実行に変わります。 「プロジェクトコントロール」ダイアログは閉じておきます。

以上で,作成した制御アプリケーションが FCN/FCJ 上で実行されました。 (GS_NFIO_DISCONNFの初期値を TRUE としているのでソフトワイヤリング状態

にて実行されます。)

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4.8 実習:動作確認 FCN/FCJ 上でプロジェクトがスタートされたので,制御アプリケーションが正常

に動作しているかどうか動作確認を行いましょう。 動作確認は,ロジックデザイナをデバッグモードにすることにより行います。

4.8.1 ロジックデザイナをデバッグモードへ変更 デバッグモードとは,FCN/FCJ上で実行されている制御アプリケーションの状態を

ロジックデザイナ上で表示するモードです。 以下にデバッグモード変更の手順を説明します。 (1) ツールバー上の[デバッグのオン/オフ]をクリックします。 (2) コードワークシート「SEQUENCE」を表示します。

以上で,デバッグモードへの切り替えは終了です。 デバックモードでは,ロジックデザイナの最下部が緑色になります。 また,デバッグモード時には,コードワークシート上の BOOL 型変数は,FALSE の

ときに青,TRUE のときに赤で表示され,その他の型の変数は緑色となり,変数の

下に現在値が表示されます。

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4.8.2 アクセスパラメータの表示 次に調節計「FIC001」のアクセスパラメータを表示し,PV,SV,MV などの値を

確認します。

■ ウォッチウィンドウの表示 アクセスパラメータの表示には,ウォッチウィンドウを使用します。 以下にウォッチウィンドウの表示手順を説明します。 (1) メニューの[表示]-[ウォッチウィンドウ]を選択すると,ウォッチウィンドウが

表示されます。

補足 ウォッチウィンドウは,デフォルトでは,プロジェクトツリーウィンドウなどと同様に他のウィンド

ウと重ならないウィンドウとして表示されます。上図のウォッチウィンドウのように,他のウィンド

ウと独立したウィンドウとする場合は,ウォッチウィンドウ上で右クリックし,表示されるメニュー

の「ドッキング可能」のチェックを外します。

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■ ウォッチウィンドウへのアクセスパラメータ参照・設定用変数の追加 ウォッチウィンドウ上にアクセスパラメータの値を表示させるため,ウォッチウィ

ンドウへアクセスパラメータ参照・設定用変数を割り付けます。 ウォッチウィンドウへのアクセスパラメータ参照・設定用変数の割り付け手順を説

明します。 (1) コードワークシート「SINGLE_LOOP」を表示します。 (2) ワークシート上の「FIC001」のアクセスパラメータ参照・設定用変数

「FIC001_PRM」を選択し,右クリックして表示されるメニューから「ウォッ

チウィンドウへ追加する」を選択します。 (3) [OK]ボタンをクリックすると,「FIC001_PRM」がウォッチウィンドウ上に追

加されます。

(4) ウォッチウィンドウ上の「FIC001_PRM」を展開し,PV,SV,MV の値を表示

します。

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以上の設定で,調節計「FIC001」のアクセスパラメータの値が表示されます。 PV,SV,MV の値は,各ツリーの Valueの項目に表示されています。

補足 NPAS POUのブロックモードは,ウォッチウィンドウ上の MODE の欄に,DWORD 値で示されます。

代表的なブロックモードと DWORD 値は以下のように対応します。("16#"は,16進数であることを

示しています。) ・ MAN:16#00800000 ・ AUT:16#00400000 ・ CAS:16#00200000

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4.8.3 制御ループの動作確認 制御ループのアクセスパラメータを変更して,調節計「FIC001」が正常に動作して

いるか確認してみます。

■ SV 値の変更 ウォッチウィンドウを使用して SV 値を変更してみます。 (1) ウォッチウィンドウの[FIC001_PRM]-[SV]-[Value]の項目をダブルクリックして,

「デバッグ: FCX01」ウィンドウを表示します。 (2) 値に,"45.0"と入力し,[上書き]ボタンをクリックします。

補足 SV値のように REAL 型のデータの値を設定する場合は,45.0のように小数点付きで設定します。

以上の操作で,SV 値が 45.0 l/h に変更されます。

補足 ウォッチウィンドウ上の SVのようにアクセスパラメータ参照・設定用変数(FIC001_PRM)の PV,

SV,MVには,単なる値だけではなく,スケール上下限やステータス情報も含まれます。そのため,

SV値を設定する場合は,SV の Value に値を設定します。また,シーケンスなどから SV値を設定する

場合は,FIC001_PRM.SV.Valueに値を設定します。

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■ ブロックモードの変更 調節計「FIC001」の SV 値を変更しましたが,現状はブロックモードが MAN(16#00800000)なので他の値が変化しません。 次にブロックモードを AUT に変更して,調節計が正常に動作しているか確認しま

す。 (1) ウォッチウィンドウの[FIC001_PRM]-[MODE]の項目をダブルクリックして,

「デバッグ: FCX01」ウィンドウを表示します。 (2) 値に,"16#00400000"と入力し,[上書き]ボタンをクリックします。

以上の操作で,調節計「FIC001」のブロックモードが AUT に変更されます。 ブロックモードが AUT に変更されたことにより MV 値が変化し,さらにソフトワ

イヤリングにより PV 値が追従することを確認してください。

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4.8.4 シーケンスの動作確認 最後にシーケンスの動作を確認します。 (1) コードワークシート「SEQUENCE」を表示します。 (2) 接点「SW1」をダブルクリックして,「デバッグ: FCX01」ウィンドウを表示し

ます。 (3) 値で「TRUE」がチェックされていることを確認して,[上書き]ボタンをクリッ

クします。

以上の操作で,SW1 が TRUE になり,シーケンスが実行されます。 シーケンスが実行された結果,調節計「FIC001」のブロックモードが MAN(16#00800000)に変わり,接点「SW1」がリセットされることを確認します。

以上で,制御アプリケーションの動作確認は終了です。 最後に,ツールバー上の[デバッグのオン/オフ]をクリックして,デバッグモードを

終了します。

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<Appendix 1 VDS/ASTMAC から FCN/FCJ の操作> 75

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Appendix 1 VDS/ASTMAC から FCN/FCJの操作

本 Appendix では,4 章で構築した FCN/FCJ 上の制御アプリケーションを

VDS/ASTMAC から操作する場合の定義方法について説明します。 ここでは,PID ループの操作を VDS/ASTMAC のチューニングパネルから行う手順

について紹介します。

重 要

本 Appendix では,VDS/ASTMAC から FCN/FCJへの接続方法を簡単に説明します。

VDS のフェースプレート画面,グラフィック部品から FCN/FCJへの接続方法など

の詳細については,「VDS 入門書(基礎編)(TI 34P02K12-01)」を参照ください。

Appendix 1.1 VDS/ASTMAC~FCN/FCJ の接続定義 PID ループの操作を VDS/ASTMAC のチューニングパネルで行うために,制御アプ

リケーションで定義した情報を VDS/ASTMAC に監視タグとして取り込む手順を紹

介します。

■ オブジェクトビルダの起動 オブジェクトビルダを起動します。オブジェクトビルダは,VDS/ASTMAC におけ

るデータ収集定義を行うためのツールです。 (1) デスクトップの[YOKOGAWA ASTMAC VDS]アイコンから[システムランチャ] -

[開発ビルダ] - [オブジェクトビルダ]または,スタートメニューの[スタート] - [すべてのプログラム] - [YOKOGAWA ASTMAC VDS] - [開発ビルダ] - [オブジェ

クトビルダ]でオブジェクトビルダを起動します。

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<Appendix 1 VDS/ASTMAC から FCN/FCJ の操作> 76

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■ 定義情報のインポート オブジェクトビルダでは,ロジックデザイナが作成した定義情報を読み込むことが

できます。 ロジックデザイナは,コンパイル時にアプリケーションデータリスト(ADLST)とい

う CSV ファイルを作成します。ADLST ファイルをオブジェクトビルダにインポー

トすることで VDS/ASTMAC での FCN/FCJのデータ収集定義が可能です。

補足:ADLST に登録される変数 デバイスラベル変数やエンジニアリングパラメータなどは,デフォルトで ADLST に登録されますが,

ユーザが定義した変数についてはデフォルトでは ADLST に登録されず,VDS/ASTMAC からアクセス

できません。VDS/ASTMAC からのアクセスが必要なユーザ定義変数については,変数定義時に

「OPC 属性」をオンにしてください。

(1) メニューバーの[ファイル] - [定義情報インポート]を選択し,「インポート」ダイ

アログを開きます。 (2) ファイルタイプの「選択」を選択し,[OK]ボタンをクリックすると,「CSV タ

イプの選択」ダイアログが開きます。

(3) 「STARDOM ADLST」が選択されているのを確認し,[OK]ボタンをクリックす

ると「定義情報インポート」ダイアログが開きます。

①クリック

②選択

④クリック

③選択

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<Appendix 1 VDS/ASTMAC から FCN/FCJ の操作> 77

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(4) ファイルの場所として次のフォルダを指定します。 C:\YOKOGAWA\FCN-FCJ\LogicDesigner\Projects\training\C\Configuration\R\FCX01 (ロジックデザイナを標準パスにインストールした場合)

(5) ファイル名「ADLST.csv」を選択し,[開く]ボタンをクリックすると,「インポ

ート指定」ダイアログが開きます。 (6) [OK]ボタンをクリックするとインポートを実行し,グループ「FCX01」が追加さ

れます。

①クリック

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<Appendix 1 VDS/ASTMAC から FCN/FCJ の操作> 78

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■ 通信設定 FCN/FCJ と通信を行うための I/O オブジェクト(通信ドライバ)の設定を行います。 (1) 「オブジェクトビルダ」ウィンドウにおいて,「I/OObject」グループをクリック

し,開きます。 (2) I/O オブジェクト「FCX01」をダブルクリックし,プロパティを開きます。 (3) [その他]タブを開き,FCN FCJリソース名に「192.168.0.1」と入力し,[OK]ボタ

ンをクリックしてプロパティを閉じます。

補足:コントロールオブジェクト 以上の操作で,FCN/FCJ 上の POU にアクセスするコントロールオブジェクトも設定されます。設定さ

れたコントロールオブジェクトは,オブジェクトビルダ上の[WorkSpace] – [FCX01]をクリックするこ

とで表示されます。

①選択 ②ダブルクリック

③クリック

④入力

⑤クリック

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<Appendix 1 VDS/ASTMAC から FCN/FCJ の操作> 79

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■ オブジェクトビルダのモード変更 オブジェクトビルダのモードをデバッグモードに変更します。デバッグモードにす

ると FCN/FCJとの通信が開始されます。 (1) メニューバーの[ファイル] - [名前を付けて保存]を選択し,「名前を付けて保存」

ダイアログを開きます。 (2) ファイル名に「Test01」と入力し,[保存]ボタンをクリックします。 (3) メニューバーの[ツール] - [モード変更]を選択し,「モード変更」ダイアログを開

きます。 (4) 動作モードで「デバッグ」を選択し,[OK]ボタンをクリックします。

デバッグモードになると VisualBasicEditor が起動しますが,使用しないので閉じる

ボタンで終了します。

①クリック

②選択

③クリック

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<Appendix 1 VDS/ASTMAC から FCN/FCJ の操作> 80

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Appendix 1.2 PID 調節計の操作 ■ チューニングパネルの起動

(1) [システムランチャ] - [支援ツール] - [FCN FCJチューニングパネル]で FCN FCJチューニングパネルを起動します。

(2) グループ「FCX01」を選択すると,オブジェクトが表示されますので,オブジ

ェクト「FIC001」をダブルクリックし,FIC001 のチューニングパネルを開きま

す。 (3) (2)の操作後,以下のような画面が表示されます。

■ 操作 チューニングパネルで PID 調節計の SVやモードを変更して動作を確認してみま

す。

●SV 変更 SV の数値をクリックして入力ダイアログを表示します。 値と入力して[入力]ボタンをクリックします。

●モード変更 MAN の文字をクリックしてモード変更ダイアログを表示します。 モードを選択して[OK]をクリックします。 MV の変化に追従して PV が変化し,FIC001が動作していることが確認できます。 以上で,VDS/ASTMAC からの FCN/FCJの操作方法の説明は終了です。

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<Appendix 2 グローバル変数の作成と削除> 81

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Appendix 2 グローバル変数の作成と削除 本 Appendix では,グローバル変数の位置付けとグローバル変数の作成と削除につ

いて説明します。

■ グローバル変数の位置付け

● グローバル変数とローカル変数 ロジックデザイナで使用する変数は,グローバル変数とローカル変数の 2 種類があ

ります。 グローバル変数は,FCN/FCJ内共通で使用可能な変数で,ローカル変数は,定義し

た POU(プログラム,ファンクションブロック,ファンクション)内でのみ使用可

能な変数です。 グローバル変数とローカル変数の関係を下図に示します。

FCN/FCJ( )POU プログラム

ローカル変数 グローバル変数

演算処理( )POU プログラム

ローカル変数 グローバル変数

演算処理( )POU プログラム

ローカル変数 グローバル変数

演算処理

( )グローバル変数 実体

図 グローバル変数とローカル変数

図のように,ローカル変数は,POU(プログラム)内のみに使用する変数を定義し,

グローバル変数は,POU(プログラム)間で共通に使用する変数を定義します。 グローバル変数は,FCN/FCJ上で一義的に存在し,各 POU(プログラム)ではその

グローバル変数を参照/書き込みする形で使用します。 なお,FCN/FCJの入出力信号(物理 I/O)に接続されるデバイスラベル変数もグロ

ーバル変数として定義されます。

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● グローバル変数・ローカル変数のワークシート上の表記 グローバル変数・ローカル変数の各ワークシートでの表記を下図に示します。

図 グローバル変数・ローカル変数のワークシート上の表記

図は,ユーザ作成のグローバル変数とローカル変数の値が同じであるかを比較し,

その結果を別のローカル変数に出力するプログラムです。 グローバル変数"Global_Data"とローカル変数 Local_Data1を EQ(イコール)ファン

クションに入力し,ローカル変数"Local_Data2"に出力しています。 図の下部から,グローバル変数として定義された変数"Global_Data"は,グローバル

変数ワークシートに"VAR_GLOBAL"として記述されます。 そのグローバル変数"VAR_GLOBAL"を POU(プログラム)上で使用する場合は,

POU(プログラム)の変数ワークシート上で,グローバル変数を参照/書き込みする

ための変数"VAR_EXTERNAL"として記述され,コードワークシート上で実際の演

算処理のためのグローバル変数が記述されます。

補足 実際の作業では,コードワークシート上で定義済みのグローバル変数を指定した場合に,POU(プロ

グラム)の変数ワークシートに"VAR_EXTERNAL"の変数が自動的に作成されます。 また,コードワークシート上で,グローバル変数を新規作成した場合には,POU(プログラム)の変

数ワークシート上の"VAR_EXTERNAL"の変数,グローバル変数ワークシート上の"VAR_GLOBAL"の変数が自動的に作成されます。

また,図のように,ローカル変数"Local_Data1"と"Local_Data2"は,POU(プログラ

ム)内のみに存在することになります。

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Appendix 2.1 グローバル変数の新規作成 グローバル変数の新規作成方法について説明します。 グローバル変数は,グローバル変数ワークシート上で新規作成することもできます

が,実際に演算を記述する POU(プログラム)のコードワークシート上で新規作成

することも可能です。 コードワークシート上でグローバル変数を新規作成する場合の設定例を示します。

図 グローバル変数の新規作成

図のようにコードワークシート上の IN 端子をダブルクリックすることで,「変数

のプロパティ」ダイアログが表示されます。 「変数プロパティ」上で,グローバル変数グループ「User 1」を選択し,変数名

"Global_Data"を入力します。 種別「VAR_GLOBAL」を選択し,「OK」ボタンをクリックすることにより,グロ

ーバル変数が新規作成されます。 このとき,自動的に POU(プログラム)の変数ワークシートに"VAR_EXTERNAL"の変数,グローバル変数ワークシートに"VAR_GLOBAL"の変数が作成されます。

補足 上記設定で,グローバル変数グループの指定は,「User 1」以外のグループを指定することも可能です

(一度指定した後は,前回値を保持します)。 なお,ユーザ作成のグローバル変数では,「Default」,「User 1~3」,または,ユーザ作成のグルー

プを指定してください。DeviceLabel や[SYSTEM]で始まるグループはシステムで使用するグループな

ので,ユーザ作成のグローバル変数では指定しないでください。

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重 要

変数のプロパティダイアログでは,設定値の前回値保持が行われます。そのため,

グローバル変数定義後にローカル変数を定義する場合は,図の③の設定を必ず「ロ

ーカル」に変更してください。変更しない場合は,グローバル変数として定義され

ますので,注意してください。 特にデバイスラベル変数の定義時に,グローバル変数グループ「DeviceLabel_Input _A」などを選択した後に,ローカル変数定義を行う場合は,必ず,図の③の設定を

「ローカル」にしてください。グローバル変数グループ「DeviceLabel_Input_A」な

どにユーザ作成変数が定義された場合は,デバイスラベル定義ダイアログが開かな

くなりますので,注意してください。

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Appendix 2.2 グローバル変数の削除 ユーザが作成したグローバル変数の削除方法について説明します。 ユーザが作成したグローバル変数を削除する場合は,コードワークシート上のグロ

ーバル変数だけではなく,自動生成された POU(プログラム)の変数ワークシート

上の"VAR_EXTERNAL"のグローバル変数,グローバル変数ワークシート上の

"VAR_GLOBAL"のグローバル変数を削除する必要があります。 以下に,その手順を示します。 まず,コードワークシート上のグローバル変数を削除します。

図 コードワークシート上のグローバル変数の削除

次に,POU(プログラム)の変数ワークシート上のグローバル変数を削除します。

図 POU(プログラム)の変数ワークシート上のグローバル変数の削除

補足 POU(プログラム)のコードワークシートのグローバル変数削除で,変数ワークシート上のグローバ

ル変数が削除されないのは,一つの POU(プログラム)上で複数のコードワークシートを持てるため,

別のワークシート上でそのグローバル変数を使用している可能性があるからです。 なお,ローカル変数についても,同様にコードワークシート上の変数の削除だけでは,変数ワークシ

ートのローカル変数は削除されません。

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最後に,グローバル変数ワークシート上のグローバル変数を削除します。

図 グローバル変数ワークシート上のグローバル変数の削除

補足 POU(プログラム)のコードワークシート,変数ワークシートのグローバル変数削除で,グローバル

変数ワークシート上のグローバル変数が削除されないのは,別の POU(プログラム)で,そのグロー

バル変数が使用されている可能性があるからです。 そのため,グローバル変数削除時には,必ず,グローバル変数ワークシート上のグローバル変数も削

除してください。

以上の手順で,グローバル変数が削除できます。

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記載内容は,お断りなく変更することがあります。 TI 34P02K13-01

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Technical Information 改訂情報 資料名称 : FCN/FCJ入門書(基礎編) 資料番号 :TI 34P02K13-01 2003 年 4 月/初版 新規発行 2004 年 3 月/2 版/R1.40.01 以降 改訂 2004 年 12 月/3 版/R1.50.01 以降 改訂 2005 年 10 月/4 版/R1.70.01 以降 改訂 ・オンラインダウンロードの説明追加 ・I/O クレジット廃止に伴う修正 ・「VDS 入門書(基礎編)」の紹介追加 ・「Appendix2 グローバル変数の作成と削除」追加 2010 年 6 月/5 版/R3.01.01 以降 改訂 ・リソースコンフィギュレータ,ロジックデザイナの R3 対応 ・「制御ループ構築機能の実習」削除 ・誤記訂正 2013 年 3 月/6 版/R3.30.01 以降 改訂 ・誤記訂正

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