5
― 242 ― 日臨外会誌 74(8),2284―2288,2013 症  例 脾臓 sclerosing angiomatoid nodular transformation の 1 例 豊見城中央病院外科 照    剛  我喜   亮  仲    厚 島  誠 守  城    寛          非常に稀な脾臓腫瘤性病変の手術例を報告する.症例は30歳・男性で,検診での超音 波検査にて脾臓腫瘤を指摘され経過観察中であった. 超音波検査や CT 検査にて徐々に腫瘤径の増大傾向あり,PET 検査でも異常集積を認 め悪性疾患を否定できず脾臓摘出術を施行した.腫瘤は境界明瞭な充実性腫瘤で,免疫 組織学検査にて sclerosing angiomatoid nodular transformation (SANT)と診断された. SANT は2004年に初めて報告された稀な脾臓腫瘤形成性疾患である.今回,本邦報告例 とともに文献的考察を加え報告する. 索引用語:脾臓,sclerosing angiomatoid nodular transformation,SANT はじめに Sclerosing angiomatoid nodular transformation (SANT)は2004年に Martel ら 1) によって初めて報告 された脾臓腫瘤形成性病変である. SANT は境界明瞭な単発性脾臓腫瘤であり,腫瘤内 部は多結節に血管腫様病変が分布している.血管腫類 似疾患であるが,構成する血管成分が真の腫瘍と違い 単一ではない.SANT の本邦報告例は少なく,脾臓の 腫瘤形成性病変の鑑別として認知すべきと思われる. 今回,SANT 症例を経験したので本邦報告例および文 献的考察を加え報告する. 症  例 患者:30歳,男性. 主訴:特記事項なし. 既往歴:特記事項なし. 家族歴:Adult T cell Leukemia(父親). 現病歴:2005年の検診での超音波検査にて,脾臓腫 瘤指摘され(初回腫瘤径35mm)経過観察中であった. 2008年の検診にて腫瘤径増大(55mm)があり悪性疾 患の可能性を考慮して,2008年 5 月に治療目的で当科 紹介となった. 入院時現症:身長160cm,体重68kg,体温36.8 ℃, 血圧126/82mmHg,眼瞼結膜貧血なし.眼球結膜黄 疸なし.体表リンパ節触知せず,腹部に腫瘤触知しな かった. 入院時検査所見:血算や生化学検査値は異常値を認 めず,腫瘍マーカーも CEA 1.4ng/ml,CA19-9 19U/ ml と正常範囲であった. 腹部超音波検査所見:脾臓内に長径55mmで内部不 均一な低エコー腫瘤を認めた(Fig. 1). 腹部造影CT検査所見:脾臓中央部に長径60mm弱 で,単純 CT では脾臓実質に比して淡い低吸収を示す 腫瘤を認めた.造影 CT では早期相から後期相にかけ て不均一な造影効果を認め,遅延相でも造影効果が持 続していた(Fig. 2). FDG︲PET検査所見:PET検査にて脾臓中央部に 腫瘤状のFDGの高い集積(SUVmax=4.6)を認めた Fig. 3). 以上の画像所見より脾臓の腫瘤性病変として,過誤 腫・悪性リンパ腫・炎症性偽腫瘍などの鑑別を考慮し たが確定診断には至らなかった.初回指摘時より腫瘤 径の増大があり,悪性疾患が否定できず開腹下に脾臓 摘出術を施行した. 手術所見:腹腔内は腹水や腹膜播種・リンパ節腫大 などの悪性疾患を示唆する所見は認めなかった.腫瘤 は脾中極付近に弾性硬として触知したが表面に露出な く脾臓周囲との癒着も無かった. 切除標本:切除した脾臓腫瘤は40×60mmの大きさ 2013年 3 月 6 日受付 2013年 4 月20日採用 〈所属施設住所〉 〒901-0243 豊見城市上田25

脾臓sclerosing angiomatoid nodular transformationの1例 第74 …

  • Upload
    others

  • View
    9

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 脾臓sclerosing angiomatoid nodular transformationの1例 第74 …

― 242 ―

日臨外会誌 74(8),2284―2288,2013

  症  例

脾臓sclerosing angiomatoid nodular transformationの 1 例

豊見城中央病院外科照 屋�   剛  我喜屋�   亮  仲 地�   厚島 袋� 誠 守  城 間�   寛         

 非常に稀な脾臓腫瘤性病変の手術例を報告する.症例は30歳・男性で,検診での超音波検査にて脾臓腫瘤を指摘され経過観察中であった. 超音波検査やCT検査にて徐々に腫瘤径の増大傾向あり,PET検査でも異常集積を認め悪性疾患を否定できず脾臓摘出術を施行した.腫瘤は境界明瞭な充実性腫瘤で,免疫組織学検査にてsclerosing angiomatoid nodular transformation (SANT)と診断された.SANTは2004年に初めて報告された稀な脾臓腫瘤形成性疾患である.今回,本邦報告例とともに文献的考察を加え報告する.

索引用語:脾臓,sclerosing angiomatoid nodular transformation,SANT

はじめに Sclerosing angiomatoid nodular transformation

(SANT)は2004年にMartelら1)によって初めて報告された脾臓腫瘤形成性病変である. SANTは境界明瞭な単発性脾臓腫瘤であり,腫瘤内部は多結節に血管腫様病変が分布している.血管腫類似疾患であるが,構成する血管成分が真の腫瘍と違い単一ではない.SANTの本邦報告例は少なく,脾臓の腫瘤形成性病変の鑑別として認知すべきと思われる.今回,SANT症例を経験したので本邦報告例および文献的考察を加え報告する.

症  例 患者:30歳,男性. 主訴:特記事項なし. 既往歴:特記事項なし. 家族歴:Adult T cell Leukemia(父親). 現病歴:2005年の検診での超音波検査にて,脾臓腫瘤指摘され(初回腫瘤径35mm)経過観察中であった.2008年の検診にて腫瘤径増大(55mm)があり悪性疾患の可能性を考慮して,2008年 5 月に治療目的で当科紹介となった. 入院時現症:身長160cm,体重68kg,体温36.8 ℃,

血圧126/82mmHg,眼瞼結膜貧血なし.眼球結膜黄疸なし.体表リンパ節触知せず,腹部に腫瘤触知しなかった. 入院時検査所見:血算や生化学検査値は異常値を認めず,腫瘍マーカーもCEA 1.4ng/ml,CA19-9 19U/mlと正常範囲であった. 腹部超音波検査所見:脾臓内に長径55mmで内部不均一な低エコー腫瘤を認めた(Fig. 1). 腹部造影CT検査所見:脾臓中央部に長径60mm弱で,単純CTでは脾臓実質に比して淡い低吸収を示す腫瘤を認めた.造影CTでは早期相から後期相にかけて不均一な造影効果を認め,遅延相でも造影効果が持続していた(Fig. 2). FDG︲PET検査所見:PET検査にて脾臓中央部に腫瘤状のFDGの高い集積(SUVmax=4.6)を認めた

(Fig. 3). 以上の画像所見より脾臓の腫瘤性病変として,過誤腫・悪性リンパ腫・炎症性偽腫瘍などの鑑別を考慮したが確定診断には至らなかった.初回指摘時より腫瘤径の増大があり,悪性疾患が否定できず開腹下に脾臓摘出術を施行した. 手術所見:腹腔内は腹水や腹膜播種・リンパ節腫大などの悪性疾患を示唆する所見は認めなかった.腫瘤は脾中極付近に弾性硬として触知したが表面に露出なく脾臓周囲との癒着も無かった. 切除標本:切除した脾臓腫瘤は40×60mmの大きさ

 2013年 3 月 6 日受付 2013年 4 月20日採用 〈所属施設住所〉  〒901-0243 豊見城市上田25

Page 2: 脾臓sclerosing angiomatoid nodular transformationの1例 第74 …

― 243 ―

脾臓SANTの 1 例 ― 2285 ―8 号

で境界明瞭であった.腫瘤内部は白色充実性で,辺縁部に赤褐色の分葉状小結節を認めた(Fig. 4). 病理組織学的所見:腫瘤部は白色線維性間�質に赤褐色で分葉状な血管腫様結節を認め,ヘモジデリン沈着も散見された(Fig. 5A).免疫組織学的染色では,結節を形成する血管内皮細胞はCD31陽性血管成分small vein (Fig. 5B):(CD31(+)/CD34(-)/CD8(-)で,さらに比較的多数のCD34陽性血管成分cord capillary

(Fig. 5C):CD31(+)/CD34(+)/CD8(-)と小数のCD8 陽 性 血 管 成 分sinusoid (Fig. 5D):CD31(+)/

CD34(-)/CD8(+)を認め異なる 3 種の血管成分が混在していた.病理組織所見および肉眼的所見よりSANTと診断した. 術後経過:術後合併症も無く経過し,第 9 病日に退院した.術後約 6 年経過し無再発生存中である.

考  察 脾臓腫瘤は比較的稀な疾患であり,検診や他疾患の経過観察中に偶然発見されることが多い.その中で脾臓血管性疾患としては海綿状血管腫の頻度が高いが,

Fig. 1 腹部超音波検査:脾臓内に長径55mmで内部不均一な低エコー腫瘤を認めた.

Fig. 2 腹部CT検査:造影CTでは早期相から後期相にかけて不均一な造影効果を認めた(矢印).

Fig. 3 FDG︲PET検査:PET検査にて脾臓中央部に腫瘤と一致してFDGの高い集積(矢印)を認めた(SUV-max=4.6).

Fig. 4 切除標本:境界明瞭な単発性で内部白色充実性腫瘤を認め,辺縁部に赤褐色の分葉状小結節を認めた.

Page 3: 脾臓sclerosing angiomatoid nodular transformationの1例 第74 …

― 244 ―

日本臨床外科学会雑誌 74 巻― 2286 ―

今回診断されたsclerosing angiomatoid nodular trans-formation(SANT)は非常に稀な疾患である.SANT はMartelら1)が,脾臓において形態的に特異な所見を示す腫瘤形成性病変25例として2004年に初めて報告した疾患概念である.肉眼的には脾臓に発生する境界明瞭な単発性腫瘤で内部は多結節性に血管腫様病変が分布し,内部構成する血管成分は真の腫瘍と異なり単一でないのが特徴である2).血管腫様結節の構成成分は組織学的に,CD34(+)/CD8(-)/CD31(+)のcord capillary,CD34(-)/CD8(+)/CD31(+) のsinu-soid,CD34(-)/CD8(-)/CD31(+)のsmall veinの異なる 3 種の血管成分から成るのが特徴である1).鑑別疾患として挙げられる脾臓血管腫やlittoral angio-maやhemangioendotheliomaなどの真の血管腫疾患は単一の血管成分で構成される点で本疾患とは異なる3)~5).Martelら1)はSANTの全身炎症反応疾患との関連や,炎症性偽腫瘍(ITP)由来の可能性を述べているがはっきりしていない.Krishmanら6)は血管成

分が混在して存在する腫瘤形成性病変である点から,SANTは過誤腫の一型であるcord capillary hemangi-omaと同一と報告している.自験例では血管腫や過誤腫等が鑑別に挙げられ,特徴的な腫瘤形態もあり血管腫様結節部における免疫染色検査を行った.その結果,CD31陽性血管成分を認め,CD8 陽性血管成分は少なかったが,CD34陽性血管成分が多く混在していた点よりSANTと診断した.SANTの発生原因は不明であり,赤脾髄において何らかの原因で血管流出障害が生じ,反応性に血管増生やsinusoid内皮のCD8 発現低下,間�質の線維増生をもたらした結果とも考えられている1)5)が確定していない. 医学中央雑誌にて2004年から2012年までに「scleros-ing angiomatoid nodular transformation」をキーワードに会議録を除いてSANTを検索したところ,本邦で はSANT 6 例( 1 例 はcord capillary hemangiomaでの発表)の報告2)5)8)~11)があった.自験例を含む本邦報告例をTable 1に提示した.男女比は性差なく,

Fig. 5 病理組織学的所見 A:白色線維性組織に赤褐色で分葉状な血管腫様結節を認めた(H.E.染色,×12.5). B:結節を形成する血管内皮細胞はCD31陽性であった(CD31免疫染色,×40). C:血管内皮細胞はCD34強陽性であった(CD34免疫染色,×100). D:血管内皮細胞はCD8 弱陽性であった(CD8 免疫染色,×100).

Page 4: 脾臓sclerosing angiomatoid nodular transformationの1例 第74 …

― 245 ―

脾臓SANTの 1 例 ― 2287 ―8 号

報告年齢は30歳から50歳台であった.腫瘤最大長径の平均は48mmで,臨床症状を伴わない場合が大部分であった.発見契機は発熱精査の 1 例を除き,検診や他の疾患経過観察中の画像検査での指摘であった.手術理由は自験例を含め本邦報告例2)5)8)~11)では,悪性疾患との鑑別困難である点から確定診断および治療目的での脾臓摘出術が行われていた.SANTの病態に関しては十分に解明されて無いが,現在のところ良性疾患と考えられ予後良好とされる1)2).本邦報告例2)5)8)~11)

においては,記載のある症例では自験例と同様に術後経過良好で再発無く経過していた.一方で,SANT症例では同時性や異時性に癌やサルコイドーシスや関節リウマチ合併の報告1)11)もあり,術後の経過観察には注意が必要と思われる. 本症例の診断としては超音波検査,腹部CT検査,MRI検査やPET検査が有用とされる.しかし特徴的な画像所見を示すことが少なく,術前に確定診断をつけることは困難である.参考として本邦報告例の画像検査所見11)をTable 1に提示した.超音波検査では腫瘤内部が低エコーから不均一エコーを呈した腫瘤像を認めた.CT検査は単純CTでは低吸収性腫瘤像を呈し,造影CTにて腫瘤辺縁部で後期相にかけて不均一な造影効果を認めた.MRI検査ではT1 およびT2 強

調像とも,正常脾臓組織に比べて等信号から低信号を示した.PET検査は自験例の様に,腫瘤部においてFDGの異常集積を認める例があり診断に役立つ可能性が示唆された1)7). 自験例では手技上の問題から開腹手術を実施したが,近年は低侵襲性の面から腹腔鏡下脾臓摘出術の有用性を示す報告5)8)10)が認められる.一方で,術前の確定診断のため脾臓に対する針生検の有用性を示す報告12)13)が認められたが,臨床経過や画像検査上で悪性疾患の可能性が完全に否定されない場合は生検実施の判断を慎重にすべきと思われた.今後はSANTの病態解明や診断能が向上すれば,腫瘤部分の脾臓部分切除や経過観察の可能性もあると思われる5).

結  語 今回,脾臓腫瘤の鑑別として挙げられる稀な脾臓SANT症例を経験したので報告した. なお,本論文の要旨は第74回日本臨床外科学会総会

(2012年於東京)にて発表した.文  献

 1) Martel M, Cheuk W, Lombardi L, et al : Scleros-ing angiomatoid nodular transformation

(SANT) : report of 25 cases of a distinctive be-nign splenic lesion. Am J Surg Pathol 2004 ; 28 :

No. 1 2 3 4 5 6 7

報告者(年) 大城2)(2007) 阿古5)(2009) 宮本8)(2009) 大沼9)(2010) 金治10)(2010) 長谷川11)(2012) 自験例(2013)

年齢 40代 53 35 30代 57 55 30

性別 男 男 女 女 女 男 男

症状 なし なし 発熱 なし なし なし なし

発見契機 検診 検診 発熱精査 検診 乳癌フォロー 検診 検診

腫瘍径(mm) 30×40 53×40 30×25 85×65×65 35×40×45 23×21×20 60×40

手術理由 悪性疑い 悪性疑い 悪性疑い 悪性疑い 悪性疑い 悪性疑い 悪性疑い

超音波検査 未記載 境界明瞭低エコー

境界不明瞭内部不均一

未記載 未記載 境界明瞭低エコー

境界不明瞭内部不均一

CT検査 未記載 単純:低吸収域辺縁部造影有

単純:低吸収域晩期相造影有

単純:低吸収域

造影効果不良 単純:低吸収域造影効果有

単純:低吸収域造影効果有

MRI検査 未記載 T1:辺縁等信号中心低信号

T2:辺縁高信号中心低信号

T1:等信号T2:低信号

未記載 未記載 T1:等信号T2:低信号

未実施

PET検査 未記載 SUVmax 3.5 未記載 未記載 SUVmax 3.6 集積なし SUVmax 4.6

転帰 未記載 生存 未記載 未記載 未記載 再発なし・生存 再発なし・生存

Table 1 Sclerosing angiomatoid nodular transformation (SANT)本邦報告例

Page 5: 脾臓sclerosing angiomatoid nodular transformationの1例 第74 …

― 246 ―

日本臨床外科学会雑誌 74 巻― 2288 ―

1268-1279 2) 大城由美,西崎 隆:脾良性病変の 1 例:scle-

rosing angiomatoid nodular transformation. 診断病理 2007;24:248-251

 3) Arber DA, Stricker JG, Chen YY, et al : Splenic vascular tumors : a histologic immunophenotyp-ic, and virologic study. Am J Surg Pathol 1997 ; 21 : 827-835

 4) Kutok JL, Fletcher CDM : Splenic vascular tu-mors. Semin Diagn Pathol 2003 ; 20 : 128-139

 5) 阿古英次,日月亜紀子,中澤一憲他:腹腔鏡下にて 切 除 し た 脾sclerosing angiomatoid nodular transformation (SANT)の 1 例.日内視鏡外会誌 2009;14:739-744

 6) Kishman J, Frizzera G : Two splenic lesions in need of clarification : hamartoma and inflamma-tory pseudotumor. Semin Diagn Pathol 2003 ; 20 : 94-104

 7) Thacker C, Korn R, Millstine J, et al : Sclerosing angiomatoid nodular transformation of the spleen : CT, MR, PET, and 99mTc-sulfur colloid SPECT CT findings with gross and histopatho-logical correlation. Abdom Imaging 2010 ; 35 :

683-689 8) 宮本茂樹,高杉憲三,秦 史壮他:Splenic cord

capillary hemangiomaと最終診断しえた脾臓腫瘍の 1 例.日消外会誌 2009;42:1819-1825

 9) 大沼秀行,徳安裕輔,宇野千恵他:豊富なIgG4陽性形質細胞浸潤を伴った脾臓Sclerosing angio-matoid nodular transformationの 1 例.診断病理 2010;27:161-164

10) 金治新悟,川崎健太郎,中村 毅他:腹腔鏡下脾臓摘出術を行ったsclerosing angiomatoid nodu-lar transformationの 1 例.日臨外会誌 2010;71:1309-1313

11) 長谷川智行,富澤直樹,小川哲史他:Sclerosing Angiomatoid Nodular Transformationの 1 例.日消外会誌 2012;45:504-511

12)Solbiati L, Boaai MC, Bellotti E, et al : Focal le-sions in the spleen : sonographic patterns and guided biopsy. AJR Am J Roentgenol 1983 ; 140 : 59-65

13) Lishner M, Lang R, Hamlet Y, et al : Fine needle aspiration biopsy in patients with diffusely en-larged spleens. Acta Cytol 1996 ; 40 : 196-198

 A CASE OF SPLENIC SCLEROSING ANGIOMATOID NODULAR TRANSFORMATION

 Tsuyoshi TERUYA, Akira GAKIYA, Atsushi NAKACHI, Masamori SHIMABUKU and Hiroshi SHIROMA

Department of Surgery, Tomishiro Central Hospital   We report a very rare case of a resected splenic tumor. A 30-year-old man was incidentally found to have a splenic tumor by ultrasonography during a medical examination. Ultrasonography and CT showed that the tumor was gradually increasing in size. The tumor showed high FDG accumulation on FDG-PET. Therefore, malignant disease could not be ruled out, and splenecomy was performed. On the basis of histopathological findings, the splenic solid tumor with a clear margin was diagnosed as sclerosing angi-omatoid nodular transformation (SANT). SANT is a very rare tumor-forming disorder of the spleen that was initially reported in 2004. We describe our case and other SANT cases in Japan and review the rele-vant literature.Key words:spleen,sclerosing angiomatoid nodular transformation,SANT