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どうやってるのシリーズ 『ダイアライザーの選択方法』
医療法人社団城南会 西條クリニック鷹番
朝日大樹、中島成仁、土屋光清、下地 博、
嶋貫久美子、西條公勝、西條元彦
さがみ野血液浄化技術懇話会 於、相模原協同病院 別館2階会議室
平成27年2月19日(木)
所在地 東京都目黒区鷹番3-16-9
最寄り駅 東急東横線 学芸大学
コンソール
台数 25 床 / 25 台
治療形態
病院紹介:西條クリニック鷹番
前希釈on-lineHDF
95%
2015年1月現在
ヘモダイアフィルタに求める性能
① 細孔半径が大きく、細孔分布がシャープ
② 大量濾過に対応する高い透水性
③ 経時変化が少ない
④ アルブミン漏出量が適度
当院では、ニプロ社製 MFX-S を使用
MFX-S 製品コンセプト(ニプロ社パンフレットより抜粋)
α1-MGからアルブミン領域の低分子量蛋白質の積極的な除去を行
い、
様々な臨床症状改善を期待して治療を行う場合
治療スケジュール
HD
膜種
NV-X FB-Uβ APS-EA 積層型透析器
50L前希釈onlineHDF MFX-S
変更条件 (3つの条件を満たす患者)
○ 75歳未満 ○ 血清ALB3.5g/dL以上 ○ α1-MG除去率30%未満
30L前希釈on-lineHDF
9ヶ月間
30L前希釈 on-lineHDF
膜種 MFX-S
9ヶ月間
血清ALB 3.2g/dL以下の症例 MFX-M に変更
各治療条件の設定平均値(N=36)
30L 50L P値
膜種 MFX-S MFX-S -
QB [mL/min] 252 ±25 253 ±25 N.S.
膜面積 [m2] 1.97 ±0.25 1.98 ±0.25 N.S.
β2-MG 除去率 (%)
76.2 ±4.1 78.0 ±3.8 P<0.01
α1-MG 除去率 (%)
22.5 ±4.0 27.5 ±6.0 P<0.01
Wilcoxonの符号付き順位検定
30L 50L
30L 50L
血清リン
(m
g/d
L)
/ 血清アルブミン
(g/d
L)
DW(
Kg)
/ G
NR
I (-
) 栄養状態の推移(on-lineHDF変更後18ヶ月間 N=36)
**P<0.01
*P<0.05
mean±SD
** *
Wilcoxonの符号付き順位検定
30L 50L
30L 50L
[ I
U /週
]
[ μg /週
]
[ g
/dL ]
[
g /
dL ]
エポエチンカッパ
Hb
ダルべポイエチン
Hb
週あたりのESA使用量(on-lineHDF変更後18ヶ月間)
*P<0.05
mean±SD
* *
*
N=9
N=14
*感染症や出血傾向が少ない患者
Wilcoxonの符号付き順位検定
Kruskal-Wallis H 検定( N.S. )
対象と方法 愛Pod調査シート結果 愛Pod調査シート結果(愛Pod 2点以上の患者割合)
愛Pod 2点以上の患者割合(
%)
政金生人 (2011年)「患者視点の新しい透析治療―わかりやすい計画から実際の処方」 より引用 新興医学出版社
置換液増加(30L→50L)の問題点
TMP増加の原因 ①単位膜面積あたりの濾過量 ②脱血不良 ③膜細孔の目詰りによる透水性の低下 ④治療前後の血液濃縮
N=22 N=7
①単位膜面積あたりの置換液量の検討
2.1m2 (50L)
1.5m2 (50L)
N=6
治療経過時間 [min]
TM
P [
mm
Hg]
**P<0.01
mean±SD
**
Wilcoxonの符号付き順位検定
大面積ヘモダイアフィルタによりTMPが低下した
前希釈HDF条件のポジショニングマップ
血流量測定装置 (ニプロ社製HD02)
in-vitro血液系実験 (Ht=45%に調整)
N=3 N=34
②脱血不良(穿刺針の太さからの検討)
15G(太針)は、実血流量/設定流量の乖離を抑える
クランピングチューブ付 メディカット™ カニューラ
MFX-M 製品コンセプト(ニプロ社パンフレットより抜粋)
導入・入院・低栄養患者を対象としたHDFフィルタ
血流量と透析針の太さ MFX-M に変更した 5症例(ALB 3.2g/dL以下)
N=5 N=5
β2-MG α1-MG
(変更前) (変更6ヶ月後)
MFX-S MFX-M
除去率(%) 血清アルブミン(g/dL)
**
**
**P<0.01
mean±SD
Wilcoxonの符号付き順位検定
MFX-M に変更した 5症例(ALB 3.2g/dL以下) MFX-S(30L&50L)患者における栄養状態 全体に対する割合
HD on-lineHDF変更 20ヶ月後
軽度栄養リスク (GNRI 92~98)
中等度栄養リスク (GNRI 82~91) 高度栄養リスク (GNRI 82未満)
70歳 以上
70歳 以上
70歳未満
70歳 未満
軽度栄養リスク N=28
中等度栄養リスク N=18
MFX-S TDF-M MFX-S TDF-M
MFX-S TDF-M
アルブミン漏出量を抑えたon-lineHDF
栄養リスクのある14名を
MFX-Sからアルブミン漏出が
少ない東レ社製TDF-Mに変更
**P<0.01 *P<0.05 mean±SD Wilcoxonの符号付き順位検定
** ** *
[-]
[ g
/kg/d
ay ]
[
kg ]
まとめ 前希釈on-lineHDFの臨床効果
効果 臨床症状
○ 貧血・かゆみ・食欲
△ 栄養障害
× 関節痛・いらいら・睡眠
臨床症状改善には、
低分子量蛋白領域の積極的除去が必要
○ 置換液増加 ○ 高血流量化
○ 大膜面積化 ○ アルブミンふるい係数の高い膜
○ 血清アルブミン 3.2g/dL以下 MFX-M
○ 栄養リスクのある患者や高齢透析患者 TDF-M
○ 栄養リスクのない患者 MFX-S
まとめ ヘモダイアフィルタの選択方法
栄養状態によって膜種を選択
患者の状態によって栄養状態が変化するため、
ヘモダイアフィルタの組み合わせが必要である