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OSNA๏ ಋೖϢʔβʔϨϙʔτ ܯࡕපӃʢେʣ

OSNA法 大阪警察病院 病理科 辻本医師とスタッフの皆さん ...lifescience.sysmex.co.jp/pdf/products/breast/voice/vol1.pdf · 2019-03-18 · 初めてosna法による乳癌リンパ節転移診断の臨床運用

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内科(消化器・内分泌) 神経科・精神科 呼吸器科 循環器科 小児科 外科 整形外科 形成再建外科・美容外科 脳神経外科 呼吸器外科 心臓血管外科 皮膚科 泌尿器科 産婦人科 眼科耳鼻咽喉科 リハビリテーション科 放射線科 放射線治療科麻酔科 歯科口腔外科 救命救急科

OSNA法 導入施設

ユーザーレポート

〒543-0035 大阪市天王寺区北山町10-31

URL.http://www.oph.gr.jp/

大阪警察病院の概要

TEL.06-6771-6051 FAX.06-6775-2838

所在地

診療科

大阪警察病院(大阪府)

大阪警察病院 病理科 辻本医師とスタッフの皆さん

大阪警察病院では、平成16年4月より乳腺疾患に関す

る診断、治療についてトータルなケアを提供するための部

門を越えた専門チーム「ブレストケアチーム」を発足し、

各部門の専門的な知識・技術に基づき、チーム内で連携し

て質の高い医療・看護を提供することに取り組んでいます。

ブレストケアチームに所属する病理科では、日本国内で

初めて OSNA 法による乳癌リンパ節転移診断の臨床運用

を開始され、数多くの症例をご経験されています。

神戸市西区室谷1-3-2 〒651-2241

お問い合わせ先

Ⅰ. はじめに乳癌は近年増加の一途をたどり、女性の癌罹患率の第

1 位の癌となっています。乳癌において、腋窩リンパ節

転移、特にリンパ転移の転移個数は現在のところもっと

も強力な予後予測因子とされています。したがって、従

来から乳房腫瘤切除とともに、必ず腋窩郭清が行われ、

郭清されたリンパ節は組織学的検査によって、癌細胞の

転移の有無が判定され、それに応じた治療指針がたてら

れていました。近年マンモグラフィーなどの画像診断の

進歩により、小さな、早期と考えられる乳癌が多く発見

されるようになり、郭清されたリンパ節に癌細胞の転

移を認めないリンパ節転移陰性乳癌(n0 乳癌)が手術

症例全体の約 7 割を占めるようになってきました。腋窩

リンパ節郭清は患肢のリンパ浮腫などの合併症を少なか

らず生じることが知られています。したがって、リンパ

節転移陰性乳癌が手術症例全体の約 7 割を占めるように

なった現在、多くの症例ではリンパ節郭清を省略でき、

術後の合併症を回避できた可能性が高いと考えられてき

ました。そこで、どの症例に対して腋窩リンパ節郭清を

省略できるかを、術前ないし術中に適正に予測できる方

法の出現が望まれていました。

センチネルリンパ節とは、癌細胞が原発巣から遊離し

て、最初に到達するリンパ節のことを示しています。セ

ンチネルリンパ節生検はこのリンパ節(通常 1 から数個)

を同定し、それを詳細に病理組織学的に検討する方法で

す。その結果、転移がなければ、他のリンパ節には転移

がないという考え方で、追加のリンパ節郭清を省略し、

転移が確認されれば、他のリンパ節にもすでに転移があ

り得るということで追加郭清が行われます。乳癌センチ

ネルリンパ節生検の手技は本邦では現段階では保険収載

されていない手技(2009 年時点 近々保険収載される

予定)ですが、実際は多くの施設で安全に行われるよう

になっており(乳癌学会ホームページ参照)、乳癌患者

の QOL の向上に貢献しています。

Ⅱ. OSNA 法の導入に至った背景や経緯センチネルリンパ節の癌転移診断は通常、病理医によ

る術中病理組織診断、または術中捺印細胞診断にて行わ

れています。これには正確な診断が要求されますが、通

常の術中迅速診断で行われているリンパ節の最大割面 1

面のみの転移診断では、術後の永久標本と比較しても、

文献的な報告では約 2 割の偽陰性が生じるとされ、実際

約 2 割の患者が再手術を受けることになるとされていま

す。そのため、2001 年のフィラデルフィア コンセン

サス・ミーティングにおいて、2mm 幅にリンパ節をス

ライスし、さらにそれを 3 レベルで術中に検索するとい

う、一応のガイドラインが提示されています。

腋窩リンパ節郭清の適応を判定する乳癌センチネルリ

ンパ節生検においては、詳細な病理組織学的な検討を術

中約 30 分程度の短時間で行う必要があります。しかし

本邦のように病理医不足、病理のスタッフ不足の現状で

は、短時間で結果報告することは困難でかつ業務の負担

が大きすぎて、実際のところ、最大 1 割面のみの検索を

実施している施設が多いと聞いています。そもそも病理

学的検索には、リンパ節の数面しか観察できないという

限界があります。また術後の永久標本での検索に関して

も、当院では 100 ミクロンおきの連続階段切片を作成し

て、リンパ節癌転移の最終診断としていましたが、施設

により様々であると聞いています。

当院での検討では、100 ミクロンおきの連続階段切片

をコントロールとした場合、1 割面のみの診断では、マ

クロ転移で約 8 割、ミクロ転移では約 1 割の感度しかあ

りませんでした。また 4 分割した場合ではマクロ転移は

ほぼ 100%の感度でしたが、ミクロ転移では約 5 割の感

度しかありませんでした(図1)。

逆に迅速診断において少数の癌細胞でも認められた場

合に、郭清をするという施設ならば、ITC の症例の約 2

割程度が郭清されてしまう可能性があります。このよう

に、通常の病理学的手法ではセンチネルリンパ節におけ

る癌転移診断の感度は不十分で、標準化されておらず、

その精度管理も行われていないのが現状だと思われます。

分子生物学的な検索方法は、病理組織学的な検索にく

らべて、リンパ節全体を検索できるという意味で、客観

性、定量性に優れています。そこで近年、センチネル

リンパ節生検における転移検出の感度を上げるために、

RT-PCR(Reverse-Transcription Polymerase Chain

Reaction)法などの遺伝子検査法が試みられています。

しかし RNA の抽出・精製には、時間を要する煩雑な操

作や特別な実験環境、そして訓練された技師が必要であ

り、一般の検査室にて術中迅速検査に応用することは困

難であるとされてきました。さらに、抽出・精製工程に

おける RNA 回収率が一定しない点やゲノム DNA の増

幅が避けられない点についても問題視されています。以

上の理由から、センチネルリンパ節生検では、術中に精

度よく迅速、簡便に転移を検出できる検査法の開発が望

まれていました。

CK19mRNA をターゲットとした分子生物学的検査

方法である OSNA 法は今までの分子生物学的検査法の

様々な欠点を克服し、術中約 30 分程度の時間で結果が

判明する方法で、多施設共同臨床研究の結果からも十分

に乳癌センチネルリンパ節の術中癌転移迅速診断法と

して適応することが可能な方法として期待していまし

た。その OSNA 法が乳癌リンパ節癌転移診断法として、

2008 年 11 月に保険収載されましたので、当院では即座

に積極的に導入させていただきました。

Ⅲ. OSNA 法の運用方法当院では従来、リンパ節をリンパ節専用カッター

(ティッシュカッター:シスメックス社製)を使用し、

1-2mm 幅で 4 分割細切し、その全てを術中迅速組織診断

(HE 染色、CK 免疫染色)を行い、術後 100 ミクロンお

きに連続階段切片を作成して、HE 染色、CK 免疫染色

を各々について行って、センチネルリンパ節転移の最終

診断としていました。

OSNA 法導入後のセンチネルリンパ節の検索方法と

してリンパ節を細切して多割面捺印標本を作成し、迅速

捺印細胞診(CY)を行い、細切されたリンパ節全てを

OSNA 法に供する方法で行っています(図2)。

その理由は、以下の通りです。

① OSNA 法の利点を最大限に生かし、できるだけ多

くのリンパ節組織を OSNA 法で検索することにより、

正確な癌細胞リンパ節の転移量が明らかになる。

②以前の検討で、多割面捺印細胞診は、結果報告ま

での時間が、OSNA 法よりも短く、ミクロ転移の検出

に関しては不十分(免疫染色を併用しても約 4 割程度

の感度)であったが、マクロ転移の感度は 100%に近

かった。

我々は早く結果が出る捺印細胞診で多数の癌細胞が認

められた場合、OSNA 法の結果を待たずに、外科にセ

ンチネルリンパ節転移陽性と報告し、捺印細胞診で少数、

又は陰性であった場合、OSNA 法の結果を待ってもら

います(図3)。

Ⅳ. OSNA 法を使ってみての感想これまで、2008 年 11 月より 2009 年 6 月までに当院

外科で施行された乳癌センチネルリンパ節生検 60 症例

120 リンパ節(センチネルリンパ節は 1 症例 1 から 4 リ

ンパ節)を対象としました。

結果は 120 リンパ節中 6 個は割面の所見でマクロ転

移が疑われたので、多割面捺印細胞診のみを施行した

が、いずれも陽性でした。これらに関して OSNA 法は

施行しませんでした。残り 114 個中、OSNA 法の判定は、

(2+)が 5 個、(1+)が 13 個、陰性が 96 個でした。CY

との一致は 103 個に認められました(一致率 90.4%)。

OSNA(1+)CY(-)は 10 個、 一 方、OSNA(陰性)CY(+)

症例は 1 個ありました。しかし、この症例は OSNA 法

でカットオフ以下の増幅が認められているため ITC で

はないかと考えられました(表1)。

サンプル調整開始から結果報告までの時間は 1 症例平

均 42 分でした。

OSNA 法と多割面捺印細胞診の一致率は良好で、細

胞診のみでは見逃されていたミクロ転移 10 個を陽性と

診断して術中偽陰性による再手術を回避し、逆に細胞診

の結果のみでは過剰郭清されていた 1 症例を郭清回避す

ることができました。OSNA 法はセンチネルリンパ節

の術中迅速診断と術後の病理学的診断が一挙に約 40 分

という短時間で終了し、かつ癌転移診断の正確な定量的

評価、業務の省力化に貢献しており、当院では安全に施

行されていると思われます。

Ⅴ. OSNA 法のメリットOSNA 法導入後の、一番の目に見えるメリットは、

病理部門のスタッフの負担、すなわち凍結切片作成業務、

術後の階段切片作成、免疫染色作業が不要となって、業

務が大幅に省略されたことです。また、特に病理医の負

担軽減が大きく、他の迅速診断業務に力を集中すること

が可能になったことも大きいと思われます。

また、今までは、術中のみならず、術後の 100 ミクロ

ンおきの HE 染色と免疫染色の結果が出るまでは、たと

え術中の検索で転移がないと判定しても、本当にその

症例が n0 症例であるかどうか不確実でありましたが、

OSNA 法の導入により術中にその症例が n0 であると判

明するようになりました。

さらに今までは、センチネルリンパ節生検に関する学

会発表、論文発表などをみても、病理学的にどのような

方法で検索した結果なのかが気になりましたが、これか

らは OSNA 法を用いたという研究であれば、客観的に

そのデータを信頼することができると思われます。

また、センチネルリンパ節生検と OSNA 法の併用に

より、今までやや曖昧であったリンパ節転移陰性乳癌の

定義がより精密で客観的になる可能性があり、より適切

な乳癌治療の道が開けるものと思われます。

Ⅵ. OSNA 法の展望についてOSNA 法は、術中迅速病理診断および、その後の詳細

な病理学的検索に代わる客観的なリンパ節転移診断法と

して、乳癌のリンパ節転移診断と治療の標準化に寄与す

る臨床的に画期的に有用な検査法であるとおもわれます。

現行の OSNA 法のマーカーである CK19 は乳癌以外

の他の多くの癌腫においても高率に発現していることが

知られています。そのため、OSNA 法は大腸癌、胃癌、

頭頚部癌などのリンパ節の術中癌転移検索などにも有効

と考えられます。

また術中腹腔洗浄細胞診などにも別のマーカーを適応

することで、現行の細胞診より、さらに客観的で、定量

的な報告が迅速に行える可能性があると考えられます。

OSNA法 導入施設

ユーザーレポート大阪警察病院 病理科

辻 本 正 彦 医 師

大阪警察病院(大阪府)

乳癌のリンパ節転移診断に OSNA 法をご利用頂いているご施設様からのOSNA 法の運用方法、ご感想などをご紹介させていただきます。

Vol. 1

USER REPORT USER REPORT USER REPORT

2分割・4分割・階段切片(100μm)診断の比較

0%

20%

40%

60%

80%

100%

2分割 4分割 2分割 4分割 2分割 4分割

陰性ITCmicromacro

Macro(n=62) Micro(n=21) ITC(n=70)

階段切片(100μm)での結果

癌細胞陽性LN 153個;Macro 62, Micro 21, ITC 70 SLN術中迅速診断における捺印細胞診とOSNA法の併用

OSNA法OSNA法

標本作製方法 センチネルリンパ節

迅速凍結組織診

a b c d

捺印細胞診

a b c d

大阪警察病院

センチネルリンパ節生検におけるCY・OSNAの一致率

CY (+)

CY (-)5

0

5

3

10

13

1**

95

96

9

105

114

OSNA2+

OSNA1+

OSNA陰性

一致率90.4%

* 肉眼的に割面で転移陽性と考えられた2症例6リンパ節はOSNA法 の適応外で、CYのみ施行、すべてCY陽性であった。** OSNA法では増幅は認められ、ITC相当と考えられた。

2008.11-2009.6 OSNA法の適応症例*;58例 114 LN

・迅速凍結組織診・永久標本の階段切片作製 省略可能!

癌細胞多数

癌細胞少数

癌細胞なし捺印細胞診迅速PAP染色

OSNA法の結果を待たずに陽性報告

+++陰性

OSNA法OSNA法

診断

図1 図2

図3

表1

Ⅰ. はじめに乳癌は近年増加の一途をたどり、女性の癌罹患率の第

1 位の癌となっています。乳癌において、腋窩リンパ節

転移、特にリンパ転移の転移個数は現在のところもっと

も強力な予後予測因子とされています。したがって、従

来から乳房腫瘤切除とともに、必ず腋窩郭清が行われ、

郭清されたリンパ節は組織学的検査によって、癌細胞の

転移の有無が判定され、それに応じた治療指針がたてら

れていました。近年マンモグラフィーなどの画像診断の

進歩により、小さな、早期と考えられる乳癌が多く発見

されるようになり、郭清されたリンパ節に癌細胞の転

移を認めないリンパ節転移陰性乳癌(n0 乳癌)が手術

症例全体の約 7 割を占めるようになってきました。腋窩

リンパ節郭清は患肢のリンパ浮腫などの合併症を少なか

らず生じることが知られています。したがって、リンパ

節転移陰性乳癌が手術症例全体の約 7 割を占めるように

なった現在、多くの症例ではリンパ節郭清を省略でき、

術後の合併症を回避できた可能性が高いと考えられてき

ました。そこで、どの症例に対して腋窩リンパ節郭清を

省略できるかを、術前ないし術中に適正に予測できる方

法の出現が望まれていました。

センチネルリンパ節とは、癌細胞が原発巣から遊離し

て、最初に到達するリンパ節のことを示しています。セ

ンチネルリンパ節生検はこのリンパ節(通常 1 から数個)

を同定し、それを詳細に病理組織学的に検討する方法で

す。その結果、転移がなければ、他のリンパ節には転移

がないという考え方で、追加のリンパ節郭清を省略し、

転移が確認されれば、他のリンパ節にもすでに転移があ

り得るということで追加郭清が行われます。乳癌センチ

ネルリンパ節生検の手技は本邦では現段階では保険収載

されていない手技(2009 年時点 近々保険収載される

予定)ですが、実際は多くの施設で安全に行われるよう

になっており(乳癌学会ホームページ参照)、乳癌患者

の QOL の向上に貢献しています。

Ⅱ. OSNA 法の導入に至った背景や経緯センチネルリンパ節の癌転移診断は通常、病理医によ

る術中病理組織診断、または術中捺印細胞診断にて行わ

れています。これには正確な診断が要求されますが、通

常の術中迅速診断で行われているリンパ節の最大割面 1

面のみの転移診断では、術後の永久標本と比較しても、

文献的な報告では約 2 割の偽陰性が生じるとされ、実際

約 2 割の患者が再手術を受けることになるとされていま

す。そのため、2001 年のフィラデルフィア コンセン

サス・ミーティングにおいて、2mm 幅にリンパ節をス

ライスし、さらにそれを 3 レベルで術中に検索するとい

う、一応のガイドラインが提示されています。

腋窩リンパ節郭清の適応を判定する乳癌センチネルリ

ンパ節生検においては、詳細な病理組織学的な検討を術

中約 30 分程度の短時間で行う必要があります。しかし

本邦のように病理医不足、病理のスタッフ不足の現状で

は、短時間で結果報告することは困難でかつ業務の負担

が大きすぎて、実際のところ、最大 1 割面のみの検索を

実施している施設が多いと聞いています。そもそも病理

学的検索には、リンパ節の数面しか観察できないという

限界があります。また術後の永久標本での検索に関して

も、当院では 100 ミクロンおきの連続階段切片を作成し

て、リンパ節癌転移の最終診断としていましたが、施設

により様々であると聞いています。

当院での検討では、100 ミクロンおきの連続階段切片

をコントロールとした場合、1 割面のみの診断では、マ

クロ転移で約 8 割、ミクロ転移では約 1 割の感度しかあ

りませんでした。また 4 分割した場合ではマクロ転移は

ほぼ 100%の感度でしたが、ミクロ転移では約 5 割の感

度しかありませんでした(図1)。

逆に迅速診断において少数の癌細胞でも認められた場

合に、郭清をするという施設ならば、ITC の症例の約 2

割程度が郭清されてしまう可能性があります。このよう

に、通常の病理学的手法ではセンチネルリンパ節におけ

る癌転移診断の感度は不十分で、標準化されておらず、

その精度管理も行われていないのが現状だと思われます。

分子生物学的な検索方法は、病理組織学的な検索にく

らべて、リンパ節全体を検索できるという意味で、客観

性、定量性に優れています。そこで近年、センチネル

リンパ節生検における転移検出の感度を上げるために、

RT-PCR(Reverse-Transcription Polymerase Chain

Reaction)法などの遺伝子検査法が試みられています。

しかし RNA の抽出・精製には、時間を要する煩雑な操

作や特別な実験環境、そして訓練された技師が必要であ

り、一般の検査室にて術中迅速検査に応用することは困

難であるとされてきました。さらに、抽出・精製工程に

おける RNA 回収率が一定しない点やゲノム DNA の増

幅が避けられない点についても問題視されています。以

上の理由から、センチネルリンパ節生検では、術中に精

度よく迅速、簡便に転移を検出できる検査法の開発が望

まれていました。

CK19mRNA をターゲットとした分子生物学的検査

方法である OSNA 法は今までの分子生物学的検査法の

様々な欠点を克服し、術中約 30 分程度の時間で結果が

判明する方法で、多施設共同臨床研究の結果からも十分

に乳癌センチネルリンパ節の術中癌転移迅速診断法と

して適応することが可能な方法として期待していまし

た。その OSNA 法が乳癌リンパ節癌転移診断法として、

2008 年 11 月に保険収載されましたので、当院では即座

に積極的に導入させていただきました。

Ⅲ. OSNA 法の運用方法当院では従来、リンパ節をリンパ節専用カッター

(ティッシュカッター:シスメックス社製)を使用し、

1-2mm 幅で 4 分割細切し、その全てを術中迅速組織診断

(HE 染色、CK 免疫染色)を行い、術後 100 ミクロンお

きに連続階段切片を作成して、HE 染色、CK 免疫染色

を各々について行って、センチネルリンパ節転移の最終

診断としていました。

OSNA 法導入後のセンチネルリンパ節の検索方法と

してリンパ節を細切して多割面捺印標本を作成し、迅速

捺印細胞診(CY)を行い、細切されたリンパ節全てを

OSNA 法に供する方法で行っています(図2)。

その理由は、以下の通りです。

① OSNA 法の利点を最大限に生かし、できるだけ多

くのリンパ節組織を OSNA 法で検索することにより、

正確な癌細胞リンパ節の転移量が明らかになる。

②以前の検討で、多割面捺印細胞診は、結果報告ま

での時間が、OSNA 法よりも短く、ミクロ転移の検出

に関しては不十分(免疫染色を併用しても約 4 割程度

の感度)であったが、マクロ転移の感度は 100%に近

かった。

我々は早く結果が出る捺印細胞診で多数の癌細胞が認

められた場合、OSNA 法の結果を待たずに、外科にセ

ンチネルリンパ節転移陽性と報告し、捺印細胞診で少数、

又は陰性であった場合、OSNA 法の結果を待ってもら

います(図3)。

Ⅳ. OSNA 法を使ってみての感想これまで、2008 年 11 月より 2009 年 6 月までに当院

外科で施行された乳癌センチネルリンパ節生検 60 症例

120 リンパ節(センチネルリンパ節は 1 症例 1 から 4 リ

ンパ節)を対象としました。

結果は 120 リンパ節中 6 個は割面の所見でマクロ転

移が疑われたので、多割面捺印細胞診のみを施行した

が、いずれも陽性でした。これらに関して OSNA 法は

施行しませんでした。残り 114 個中、OSNA 法の判定は、

(2+)が 5 個、(1+)が 13 個、陰性が 96 個でした。CY

との一致は 103 個に認められました(一致率 90.4%)。

OSNA(1+)CY(-)は 10 個、 一 方、OSNA(陰性)CY(+)

症例は 1 個ありました。しかし、この症例は OSNA 法

でカットオフ以下の増幅が認められているため ITC で

はないかと考えられました(表1)。

サンプル調整開始から結果報告までの時間は 1 症例平

均 42 分でした。

OSNA 法と多割面捺印細胞診の一致率は良好で、細

胞診のみでは見逃されていたミクロ転移 10 個を陽性と

診断して術中偽陰性による再手術を回避し、逆に細胞診

の結果のみでは過剰郭清されていた 1 症例を郭清回避す

ることができました。OSNA 法はセンチネルリンパ節

の術中迅速診断と術後の病理学的診断が一挙に約 40 分

という短時間で終了し、かつ癌転移診断の正確な定量的

評価、業務の省力化に貢献しており、当院では安全に施

行されていると思われます。

Ⅴ. OSNA 法のメリットOSNA 法導入後の、一番の目に見えるメリットは、

病理部門のスタッフの負担、すなわち凍結切片作成業務、

術後の階段切片作成、免疫染色作業が不要となって、業

務が大幅に省略されたことです。また、特に病理医の負

担軽減が大きく、他の迅速診断業務に力を集中すること

が可能になったことも大きいと思われます。

また、今までは、術中のみならず、術後の 100 ミクロ

ンおきの HE 染色と免疫染色の結果が出るまでは、たと

え術中の検索で転移がないと判定しても、本当にその

症例が n0 症例であるかどうか不確実でありましたが、

OSNA 法の導入により術中にその症例が n0 であると判

明するようになりました。

さらに今までは、センチネルリンパ節生検に関する学

会発表、論文発表などをみても、病理学的にどのような

方法で検索した結果なのかが気になりましたが、これか

らは OSNA 法を用いたという研究であれば、客観的に

そのデータを信頼することができると思われます。

また、センチネルリンパ節生検と OSNA 法の併用に

より、今までやや曖昧であったリンパ節転移陰性乳癌の

定義がより精密で客観的になる可能性があり、より適切

な乳癌治療の道が開けるものと思われます。

Ⅵ. OSNA 法の展望についてOSNA 法は、術中迅速病理診断および、その後の詳細

な病理学的検索に代わる客観的なリンパ節転移診断法と

して、乳癌のリンパ節転移診断と治療の標準化に寄与す

る臨床的に画期的に有用な検査法であるとおもわれます。

現行の OSNA 法のマーカーである CK19 は乳癌以外

の他の多くの癌腫においても高率に発現していることが

知られています。そのため、OSNA 法は大腸癌、胃癌、

頭頚部癌などのリンパ節の術中癌転移検索などにも有効

と考えられます。

また術中腹腔洗浄細胞診などにも別のマーカーを適応

することで、現行の細胞診より、さらに客観的で、定量

的な報告が迅速に行える可能性があると考えられます。

OSNA法 導入施設

ユーザーレポート大阪警察病院 病理科

辻 本 正 彦 医 師

大阪警察病院(大阪府)

乳癌のリンパ節転移診断に OSNA 法をご利用頂いているご施設様からのOSNA 法の運用方法、ご感想などをご紹介させていただきます。

Vol. 1

USER REPORT USER REPORT USER REPORT

2分割・4分割・階段切片(100μm)診断の比較

0%

20%

40%

60%

80%

100%

2分割 4分割 2分割 4分割 2分割 4分割

陰性ITCmicromacro

Macro(n=62) Micro(n=21) ITC(n=70)

階段切片(100μm)での結果

癌細胞陽性LN 153個;Macro 62, Micro 21, ITC 70 SLN術中迅速診断における捺印細胞診とOSNA法の併用

OSNA法OSNA法

標本作製方法 センチネルリンパ節

迅速凍結組織診

a b c d

捺印細胞診

a b c d

大阪警察病院

センチネルリンパ節生検におけるCY・OSNAの一致率

CY (+)

CY (-)5

0

5

3

10

13

1**

95

96

9

105

114

OSNA2+

OSNA1+

OSNA陰性

一致率90.4%

* 肉眼的に割面で転移陽性と考えられた2症例6リンパ節はOSNA法 の適応外で、CYのみ施行、すべてCY陽性であった。** OSNA法では増幅は認められ、ITC相当と考えられた。

2008.11-2009.6 OSNA法の適応症例*;58例 114 LN

・迅速凍結組織診・永久標本の階段切片作製 省略可能!

癌細胞多数

癌細胞少数

癌細胞なし捺印細胞診迅速PAP染色

OSNA法の結果を待たずに陽性報告

+++陰性

OSNA法OSNA法

診断

図1 図2

図3

表1

Ⅰ. はじめに乳癌は近年増加の一途をたどり、女性の癌罹患率の第

1 位の癌となっています。乳癌において、腋窩リンパ節

転移、特にリンパ転移の転移個数は現在のところもっと

も強力な予後予測因子とされています。したがって、従

来から乳房腫瘤切除とともに、必ず腋窩郭清が行われ、

郭清されたリンパ節は組織学的検査によって、癌細胞の

転移の有無が判定され、それに応じた治療指針がたてら

れていました。近年マンモグラフィーなどの画像診断の

進歩により、小さな、早期と考えられる乳癌が多く発見

されるようになり、郭清されたリンパ節に癌細胞の転

移を認めないリンパ節転移陰性乳癌(n0 乳癌)が手術

症例全体の約 7 割を占めるようになってきました。腋窩

リンパ節郭清は患肢のリンパ浮腫などの合併症を少なか

らず生じることが知られています。したがって、リンパ

節転移陰性乳癌が手術症例全体の約 7 割を占めるように

なった現在、多くの症例ではリンパ節郭清を省略でき、

術後の合併症を回避できた可能性が高いと考えられてき

ました。そこで、どの症例に対して腋窩リンパ節郭清を

省略できるかを、術前ないし術中に適正に予測できる方

法の出現が望まれていました。

センチネルリンパ節とは、癌細胞が原発巣から遊離し

て、最初に到達するリンパ節のことを示しています。セ

ンチネルリンパ節生検はこのリンパ節(通常 1 から数個)

を同定し、それを詳細に病理組織学的に検討する方法で

す。その結果、転移がなければ、他のリンパ節には転移

がないという考え方で、追加のリンパ節郭清を省略し、

転移が確認されれば、他のリンパ節にもすでに転移があ

り得るということで追加郭清が行われます。乳癌センチ

ネルリンパ節生検の手技は本邦では現段階では保険収載

されていない手技(2009 年時点 近々保険収載される

予定)ですが、実際は多くの施設で安全に行われるよう

になっており(乳癌学会ホームページ参照)、乳癌患者

の QOL の向上に貢献しています。

Ⅱ. OSNA 法の導入に至った背景や経緯センチネルリンパ節の癌転移診断は通常、病理医によ

る術中病理組織診断、または術中捺印細胞診断にて行わ

れています。これには正確な診断が要求されますが、通

常の術中迅速診断で行われているリンパ節の最大割面 1

面のみの転移診断では、術後の永久標本と比較しても、

文献的な報告では約 2 割の偽陰性が生じるとされ、実際

約 2 割の患者が再手術を受けることになるとされていま

す。そのため、2001 年のフィラデルフィア コンセン

サス・ミーティングにおいて、2mm 幅にリンパ節をス

ライスし、さらにそれを 3 レベルで術中に検索するとい

う、一応のガイドラインが提示されています。

腋窩リンパ節郭清の適応を判定する乳癌センチネルリ

ンパ節生検においては、詳細な病理組織学的な検討を術

中約 30 分程度の短時間で行う必要があります。しかし

本邦のように病理医不足、病理のスタッフ不足の現状で

は、短時間で結果報告することは困難でかつ業務の負担

が大きすぎて、実際のところ、最大 1 割面のみの検索を

実施している施設が多いと聞いています。そもそも病理

学的検索には、リンパ節の数面しか観察できないという

限界があります。また術後の永久標本での検索に関して

も、当院では 100 ミクロンおきの連続階段切片を作成し

て、リンパ節癌転移の最終診断としていましたが、施設

により様々であると聞いています。

当院での検討では、100 ミクロンおきの連続階段切片

をコントロールとした場合、1 割面のみの診断では、マ

クロ転移で約 8 割、ミクロ転移では約 1 割の感度しかあ

りませんでした。また 4 分割した場合ではマクロ転移は

ほぼ 100%の感度でしたが、ミクロ転移では約 5 割の感

度しかありませんでした(図1)。

逆に迅速診断において少数の癌細胞でも認められた場

合に、郭清をするという施設ならば、ITC の症例の約 2

割程度が郭清されてしまう可能性があります。このよう

に、通常の病理学的手法ではセンチネルリンパ節におけ

る癌転移診断の感度は不十分で、標準化されておらず、

その精度管理も行われていないのが現状だと思われます。

分子生物学的な検索方法は、病理組織学的な検索にく

らべて、リンパ節全体を検索できるという意味で、客観

性、定量性に優れています。そこで近年、センチネル

リンパ節生検における転移検出の感度を上げるために、

RT-PCR(Reverse-Transcription Polymerase Chain

Reaction)法などの遺伝子検査法が試みられています。

しかし RNA の抽出・精製には、時間を要する煩雑な操

作や特別な実験環境、そして訓練された技師が必要であ

り、一般の検査室にて術中迅速検査に応用することは困

難であるとされてきました。さらに、抽出・精製工程に

おける RNA 回収率が一定しない点やゲノム DNA の増

幅が避けられない点についても問題視されています。以

上の理由から、センチネルリンパ節生検では、術中に精

度よく迅速、簡便に転移を検出できる検査法の開発が望

まれていました。

CK19mRNA をターゲットとした分子生物学的検査

方法である OSNA 法は今までの分子生物学的検査法の

様々な欠点を克服し、術中約 30 分程度の時間で結果が

判明する方法で、多施設共同臨床研究の結果からも十分

に乳癌センチネルリンパ節の術中癌転移迅速診断法と

して適応することが可能な方法として期待していまし

た。その OSNA 法が乳癌リンパ節癌転移診断法として、

2008 年 11 月に保険収載されましたので、当院では即座

に積極的に導入させていただきました。

Ⅲ. OSNA 法の運用方法当院では従来、リンパ節をリンパ節専用カッター

(ティッシュカッター:シスメックス社製)を使用し、

1-2mm 幅で 4 分割細切し、その全てを術中迅速組織診断

(HE 染色、CK 免疫染色)を行い、術後 100 ミクロンお

きに連続階段切片を作成して、HE 染色、CK 免疫染色

を各々について行って、センチネルリンパ節転移の最終

診断としていました。

OSNA 法導入後のセンチネルリンパ節の検索方法と

してリンパ節を細切して多割面捺印標本を作成し、迅速

捺印細胞診(CY)を行い、細切されたリンパ節全てを

OSNA 法に供する方法で行っています(図2)。

その理由は、以下の通りです。

① OSNA 法の利点を最大限に生かし、できるだけ多

くのリンパ節組織を OSNA 法で検索することにより、

正確な癌細胞リンパ節の転移量が明らかになる。

②以前の検討で、多割面捺印細胞診は、結果報告ま

での時間が、OSNA 法よりも短く、ミクロ転移の検出

に関しては不十分(免疫染色を併用しても約 4 割程度

の感度)であったが、マクロ転移の感度は 100%に近

かった。

我々は早く結果が出る捺印細胞診で多数の癌細胞が認

められた場合、OSNA 法の結果を待たずに、外科にセ

ンチネルリンパ節転移陽性と報告し、捺印細胞診で少数、

又は陰性であった場合、OSNA 法の結果を待ってもら

います(図3)。

Ⅳ. OSNA 法を使ってみての感想これまで、2008 年 11 月より 2009 年 6 月までに当院

外科で施行された乳癌センチネルリンパ節生検 60 症例

120 リンパ節(センチネルリンパ節は 1 症例 1 から 4 リ

ンパ節)を対象としました。

結果は 120 リンパ節中 6 個は割面の所見でマクロ転

移が疑われたので、多割面捺印細胞診のみを施行した

が、いずれも陽性でした。これらに関して OSNA 法は

施行しませんでした。残り 114 個中、OSNA 法の判定は、

(2+)が 5 個、(1+)が 13 個、陰性が 96 個でした。CY

との一致は 103 個に認められました(一致率 90.4%)。

OSNA(1+)CY(-)は 10 個、 一 方、OSNA(陰性)CY(+)

症例は 1 個ありました。しかし、この症例は OSNA 法

でカットオフ以下の増幅が認められているため ITC で

はないかと考えられました(表1)。

サンプル調整開始から結果報告までの時間は 1 症例平

均 42 分でした。

OSNA 法と多割面捺印細胞診の一致率は良好で、細

胞診のみでは見逃されていたミクロ転移 10 個を陽性と

診断して術中偽陰性による再手術を回避し、逆に細胞診

の結果のみでは過剰郭清されていた 1 症例を郭清回避す

ることができました。OSNA 法はセンチネルリンパ節

の術中迅速診断と術後の病理学的診断が一挙に約 40 分

という短時間で終了し、かつ癌転移診断の正確な定量的

評価、業務の省力化に貢献しており、当院では安全に施

行されていると思われます。

Ⅴ. OSNA 法のメリットOSNA 法導入後の、一番の目に見えるメリットは、

病理部門のスタッフの負担、すなわち凍結切片作成業務、

術後の階段切片作成、免疫染色作業が不要となって、業

務が大幅に省略されたことです。また、特に病理医の負

担軽減が大きく、他の迅速診断業務に力を集中すること

が可能になったことも大きいと思われます。

また、今までは、術中のみならず、術後の 100 ミクロ

ンおきの HE 染色と免疫染色の結果が出るまでは、たと

え術中の検索で転移がないと判定しても、本当にその

症例が n0 症例であるかどうか不確実でありましたが、

OSNA 法の導入により術中にその症例が n0 であると判

明するようになりました。

さらに今までは、センチネルリンパ節生検に関する学

会発表、論文発表などをみても、病理学的にどのような

方法で検索した結果なのかが気になりましたが、これか

らは OSNA 法を用いたという研究であれば、客観的に

そのデータを信頼することができると思われます。

また、センチネルリンパ節生検と OSNA 法の併用に

より、今までやや曖昧であったリンパ節転移陰性乳癌の

定義がより精密で客観的になる可能性があり、より適切

な乳癌治療の道が開けるものと思われます。

Ⅵ. OSNA 法の展望についてOSNA 法は、術中迅速病理診断および、その後の詳細

な病理学的検索に代わる客観的なリンパ節転移診断法と

して、乳癌のリンパ節転移診断と治療の標準化に寄与す

る臨床的に画期的に有用な検査法であるとおもわれます。

現行の OSNA 法のマーカーである CK19 は乳癌以外

の他の多くの癌腫においても高率に発現していることが

知られています。そのため、OSNA 法は大腸癌、胃癌、

頭頚部癌などのリンパ節の術中癌転移検索などにも有効

と考えられます。

また術中腹腔洗浄細胞診などにも別のマーカーを適応

することで、現行の細胞診より、さらに客観的で、定量

的な報告が迅速に行える可能性があると考えられます。

OSNA法 導入施設

ユーザーレポート大阪警察病院 病理科

辻 本 正 彦 医 師

大阪警察病院(大阪府)

乳癌のリンパ節転移診断に OSNA 法をご利用頂いているご施設様からのOSNA 法の運用方法、ご感想などをご紹介させていただきます。

Vol. 1

USER REPORT USER REPORT USER REPORT

2分割・4分割・階段切片(100μm)診断の比較

0%

20%

40%

60%

80%

100%

2分割 4分割 2分割 4分割 2分割 4分割

陰性ITCmicromacro

Macro(n=62) Micro(n=21) ITC(n=70)

階段切片(100μm)での結果

癌細胞陽性LN 153個;Macro 62, Micro 21, ITC 70 SLN術中迅速診断における捺印細胞診とOSNA法の併用

OSNA法OSNA法

標本作製方法 センチネルリンパ節

迅速凍結組織診

a b c d

捺印細胞診

a b c d

大阪警察病院

センチネルリンパ節生検におけるCY・OSNAの一致率

CY (+)

CY (-)5

0

5

3

10

13

1**

95

96

9

105

114

OSNA2+

OSNA1+

OSNA陰性

一致率90.4%

* 肉眼的に割面で転移陽性と考えられた2症例6リンパ節はOSNA法 の適応外で、CYのみ施行、すべてCY陽性であった。** OSNA法では増幅は認められ、ITC相当と考えられた。

2008.11-2009.6 OSNA法の適応症例*;58例 114 LN

・迅速凍結組織診・永久標本の階段切片作製 省略可能!

癌細胞多数

癌細胞少数

癌細胞なし捺印細胞診迅速PAP染色

OSNA法の結果を待たずに陽性報告

+++陰性

OSNA法OSNA法

診断

図1 図2

図3

表1

内科(消化器・内分泌) 神経科・精神科 呼吸器科 循環器科 小児科 外科 整形外科 形成再建外科・美容外科 脳神経外科 呼吸器外科 心臓血管外科 皮膚科 泌尿器科 産婦人科 眼科耳鼻咽喉科 リハビリテーション科 放射線科 放射線治療科麻酔科 歯科口腔外科 救命救急科

OSNA法 導入施設

ユーザーレポート

〒543-0035 大阪市天王寺区北山町10-31

URL.http://www.oph.gr.jp/

大阪警察病院の概要

TEL.06-6771-6051 FAX.06-6775-2838

所在地

診療科

大阪警察病院(大阪府)

大阪警察病院 病理科 辻本医師とスタッフの皆さん

大阪警察病院では、平成16年4月より乳腺疾患に関す

る診断、治療についてトータルなケアを提供するための部

門を越えた専門チーム「ブレストケアチーム」を発足し、

各部門の専門的な知識・技術に基づき、チーム内で連携し

て質の高い医療・看護を提供することに取り組んでいます。

ブレストケアチームに所属する病理科では、日本国内で

初めて OSNA 法による乳癌リンパ節転移診断の臨床運用

を開始され、数多くの症例をご経験されています。

神戸市西区室谷1-3-2 〒651-2241

お問い合わせ先

内科(消化器・内分泌) 神経科・精神科 呼吸器科 循環器科 小児科 外科 整形外科 形成再建外科・美容外科 脳神経外科 呼吸器外科 心臓血管外科 皮膚科 泌尿器科 産婦人科 眼科耳鼻咽喉科 リハビリテーション科 放射線科 放射線治療科麻酔科 歯科口腔外科 救命救急科

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大阪警察病院では、平成16年4月より乳腺疾患に関す

る診断、治療についてトータルなケアを提供するための部

門を越えた専門チーム「ブレストケアチーム」を発足し、

各部門の専門的な知識・技術に基づき、チーム内で連携し

て質の高い医療・看護を提供することに取り組んでいます。

ブレストケアチームに所属する病理科では、日本国内で

初めて OSNA 法による乳癌リンパ節転移診断の臨床運用

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