13
調査目的と実施要領 調査結果 社会的問題への関心 SB・CBの認知度 SB・CBの開業意向 SB・CBを開業してみたい理由 SB・CBへの就労意向 SB・CBへのボランティアでの参加意向 SB・CBへの寄付・寄贈 SB・CBによる製品・サービスの利用意向 まとめ <問い合わせ先> 日本政策金融公庫総合研究所 小企業研究第一グループ 03-3270-1687 担当 竹内、楠本 「ソーシャルビジネス・コミュニティビジネスに関するアンケート」の結果について 日本政策金融公庫 平成26年9月12日

「ソーシャルビジネス・コミュニティビジネスに関する ...Ⅰ 調査目的と実施要領 1 調査目的 自民党が「日本再生ビジョン」のなかで、「ソーシャルビジネス法人(仮称)」を法制化して、社会的起業を促進することを謳うなど、

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Ⅰ 調査目的と実施要領Ⅱ 調査結果  1 社会的問題への関心  2 SB・CBの認知度

3 SB・CBの開業意向4 SB・CBを開業してみたい理由5 SB・CBへの就労意向6 SB・CBへのボランティアでの参加意向7 SB・CBへの寄付・寄贈8 SB・CBによる製品・サービスの利用意向

Ⅲ まとめ

<問い合わせ先>日本政策金融公庫総合研究所小企業研究第一グループ℡ 03-3270-1687担当 竹内、楠本

「ソーシャルビジネス・コミュニティビジネスに関するアンケート」の結果について

日本政策金融公庫平 成 26 年 9 月 12 日

総 合 研 究 所

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Ⅰ 調査目的と実施要領

1 調査目的

 自民党が「日本再生ビジョン」のなかで、「ソーシャルビジネス法人(仮称)」を法制化して、社会的起業を促進することを謳うなど、事業を通じて社会的問題に取り組むソーシャルビジネス(SB)やコミュニティビジネス(CB)への政府や自治体の期待は大きい。日本政策金融公庫もSBの支援に注力している。ただし、SB・CBの起業が増えたり、期待される役割を果たせたりするかどうかは、人々の社会的問題やSB・CBに対する関心の強さに影響される。そこで、日本政策金融公庫総合研究所ではSB・CBに関する意識調査を行った。 

2 実施要領

(1)調査時期 平成26年7月(2)調査対象 全国の18歳~64歳の男女3,143人(3)調査方法 インターネットを使ったアンケート(㈱マクロミルのモニタを使用)。インターネット調査会社から登録モニターに電子

メールで依頼し、ウェブ上の調査票に回答者自身が入力するもの。

<本調査におけるSB・CBの定義>

本調査では、社会的問題の解決に取り組む事業をSB・CBとした。なお、社会的問題とは以下の4種類をいう。

(1)社会的排除に関する問題    高齢、心身の障害、貧困、病気、依存症、犯罪歴、片親家庭など何らかの理由から、就職できない、教育を受けられない、住まいがない、    地域で孤立する、健康を害する、家庭が崩壊する、自殺する、刑事事件を起こすなど、社会から追いやられていく問題。

(2)地域社会に関する問題    過疎、少子化、高齢化、子育て、介護、商店街の衰退、雇用機会の減少、住民間のつながり希薄化、教育・文化施設の不足、河川や湖   沼の汚染など、地域が抱える問題。

(3)地球環境に関する問題    地球温暖化、オゾン層の保護、生物多様性の維持、砂漠化・森林の減少、酸性雨、海洋汚染、化学物質・有害廃棄物の越境移動など、   国際的な環境問題。

(4)開発途上国の支援に関する問題   産業の育成、医療・教育の普及、貧困対策など、途上国における経済・社会の発展に関する問題。

1

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<回答者の属性>

1.7

8.8

11.7

10.8 10.5

6.5

1.7

8.6

11.4 10.7 10.6

6.8

0

2

4

6

8

10

12

14

18~19 20~29 30~39 40~49 50~59 60~64

性別年齢階級別構成比

男性 女性 (n=3,143)

(歳)

(%) 自営業・

家族従業員

9.8 会社・団体の代

表・役員

1.9

正社員・職員

31.6

非正規社員

19.8

家事・専業主婦

(夫)

19.0

学生・生徒

7.2

その他・無職

10.7

職業別構成比

(n=3,143)

(単位:%)

2

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Ⅱ 調査結果

1 社会的問題への関心~どの問題も関心がある人は5割から6割とそれほど多くない

○社会的問題に関心がある人の割合をみると、「社会的排除に関する問題」については、「とても関心がある」「多少関心がある」と回答した 人の割合は合計で61.9%、「地域社会に関する問題」は同64.6%、「地球環境に関する問題」は同67.4%、「開発途上国支援に関する問題」 は同50.0%となっている(図-1~図-4)。○男女別に関心の強さをみると、「とても関心がある」とする人の割合にはそれほど差はないが、「多少関心がある」とする人の割合は、女性 の方がやや多い。○年齢別では、「まったく関心がない」人の割合は年齢が高いほど少ないが、「とても関心がある」とする人の割合は若い世代の方が多い。 

15.6

14.8

16.3

22.0

19.2

17.1

11.7

13.7

16.0

46.3

44.3

48.2

40.4

41.2

42.7

47.8

49.5

53.0

28.6

28.9

28.2

25.7

26.5

30.0

29.1

30.5

25.5

9.6

11.9

7.2

11.9

13.1

10.2

11.4

6.3

5.5

全体

(n=3,143)

男性

(n=1,577)

女性

(n=1,566)

18~19歳

(n=109)

20~29歳

(n=548)

30~39歳

(n=726)

40~49歳

(n=676)

50~59歳

(n=665)

60~64歳

(n=419)

図-1 社会的排除に関する問題への関心

とても関心がある 多少関心がある あまり関心はない

まったく関心はない

(単位:%)

14.9

14.8

14.9

16.5

16.2

17.8

11.1

13.8

15.3

49.7

45.9

53.6

48.6

44.9

48.5

51.5

48.9

57.0

25.8

27.8

23.9

23.9

25.5

23.7

26.0

30.7

22.4

9.6

11.5

7.7

11.0

13.3

10.1

11.4

6.6

5.3

全体

(n=3,143)

男性

(n=1,577)

女性

(n=1,566)

18~19歳

(n=109)

20~29歳

(n=548)

30~39歳

(n=726)

40~49歳

(n=676)

50~59歳

(n=665)

60~64歳

(n=419)

図-2 地域社会に関する問題への関心

とても関心がある 多少関心がある あまり関心はない

まったく関心はない

(単位:%)

3

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15.7

15.5

15.8

22.0

14.8

15.0

13.9

15.3

19.6

51.7

48.1

55.4

45.0

46.4

47.8

51.9

55.8

60.6

23.9

25.4

22.3

21.1

26.1

27.0

25.1

22.9

15.8

8.7

11.1

6.4

11.9

12.8

10.2

9.0

6.0

4.1

全体

(n=3,143)

男性

(n=1,577)

女性

(n=1,566)

18~19歳

(n=109)

20~29歳

(n=548)

30~39歳

(n=726)

40~49歳

(n=676)

50~59歳

(n=665)

60~64歳

(n=419)

図-3 地球環境に関する問題への関心

とても関心がある 多少関心がある あまり関心はない

まったく関心はない

(単位:%)

7.8

8.2

7.3

16.5

10.2

7.9

6.4

6.2

6.9

42.2

38.9

45.5

41.3

40.1

38.8

42.8

43.2

48.4

38.5

38.2

38.8

29.4

32.7

41.3

38.9

41.5

38.4

11.5

14.6

8.4

12.8

17.0

12.0

12.0

9.2

6.2

全体

(n=3,143)

男性

(n=1,577)

女性

(n=1,566)

18~19歳

(n=109)

20~29歳

(n=548)

30~39歳

(n=726)

40~49歳

(n=676)

50~59歳

(n=665)

60~64歳

(n=419)

図-4 開発途上国支援の問題への関心

とても関心がある 多少関心がある あまり関心はない

まったく関心はない

(単位:%)

4

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2 SB・CBの認知度~どちらか一方でも知っている人は3割弱にとどまる

○SB・CBのいずれか一方でも知っている人の割合は28.3%と少ない(図-5)。○男女別にみると、女性よりも男性の方がSB・CBの認知度は高い。また、年齢別では、若いほど認知度が高い傾向がみられる。○SB・CBのどちらか一方でも知っているとする857人のうち、具体的な企業の名称を挙げられた人は584人、68.1%にとどまる。回答があっ た企業で最も多かったのはバングラデシュのグラミン銀行で、以下㈱イータウン、特定非営利活動法人フローレンス、㈱いろどりとなってい る。なお、ユニセフやユネスコのような国際機関、mixiやFacebookなどソーシャルメディアを使ったビジネスを回答した人もおり、SB・C Bの認知度はまだ低い(注)。

(注)ソーシャルメディアを使った事業をソーシャルビジネスということもある。

グラミン銀行(バングラデシュ)  10人㈱イータウン(神奈川県横浜市) 9人特定非営利活動法人フローレンス 4人

(東京都千代田区)㈱いろどり(徳島県上勝町) 3人

NPOとだけ記入した人 22人ユニセフ 20人国境なき医師団 15人ユネスコ 10人mixi 5人Facebook 3人

SB・CB以外の回答例

回答があったSB・CBの例回答者数

9.6

12.2

7.0

9.2

9.1

9.2

8.9

11.4

9.1

14.2

15.3

13.2

25.7

16.6

15.6

14.8

9.9

11.7

3.5

3.7

3.3

0.9

3.1

4.0

2.7

3.9

4.3

72.7

68.9

76.6

64.2

71.2

71.2

73.7

74.7

74.9

全体

(n=3,143)

男性

(n=1,577)

女性

(n=1,566)

18~19歳

(n=109)

20~29歳

(n=548)

30~39歳

(n=726)

40~49歳

(n=676)

50~59歳

(n=665)

60~64歳

(n=419)

図-5 SB・CBの認知

(単位:%)

どちらも

知っている

SBは知っている

CBは知っている どちらも知らない

5

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3 SB・CBの開業意向~10人に1人がSB・CBを開業してみたい

○SB・CBを自分で「開業してみたいと思う」人の割合は10.9%となった(図-6)。男女別にみると、男性の14.8%に対し、女性は7.0% にとどまっている。また、年齢別では若い世代ほど開業してみたいとする人の割合が多い。○開業して取り組んでみたい社会的問題の種類をみると、「社会的排除に関する問題」が37.4%で最も多く、「地域社会に関する問題」が33.8 %で続いている(図-7)。一方、「地球環境に関する問題」は17.7%、「開発途上国の支援に関する問題」は11.1%と少ない。

(注)「現在、経営している」には、「現在、開業の準備をしている」を含む。 (注)「現在、経営している」および「開業してみたいと思う」と回答した人に質問したもの。

0.6

0.7

0.4

0.0

1.3

1.0

0.1

0.3

0.2

10.9

14.8

7.0

19.3

13.0

12.0

10.7

9.6

6.7

88.5

84.5

92.5

80.7

85.8

87.1

89.2

90.1

93.1

全体

(n=3,143)

男性

(n=1,577)

女性

(n=1,566)

18~19歳

(n=109)

20~29歳

(n=548)

30~39歳

(n=726)

40~49歳

(n=676)

50~59歳

(n=665)

60~64歳

(n=419)

図-6 SB・CBの開業意向

(単位:%)

現在、経営している

開業してみたいと思う 開業してみたいとは思わない

37.4

33.8

17.7

11.1

0

10

20

30

40

社会的排除に関する問題

地域社会に関する問題

地球環境に関する問題

開発途上国の支援に

関する問題

図-7 SB・CBを開業して取り組んでみたい社会的問題

(%)

(n=361)

6

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4 SB・CBを開業してみたい理由~女性は当事者意識、若い世代は教育の影響

○SB・CBを開業してみたい理由をみると、全体では「社会や地域の役に立っているという実感を得たいから」が最も多く、以下「ビジネス チャンスだと思ったから」「自分が社会的問題の当事者だから」が続いている(図-8)。○男性に比べて女性は、「家族や友人、社員など身近に社会的問題の当事者がいるから」「自分が社会的問題の当事者だから」「講演、書籍、 学校などで社会的問題を知り、解決に貢献してみたいと思ったから」が多くなっている。女性は家庭でも職場でも介護や育児を担当すること が多いためと考えられる。○年齢別では、若い世代ほど「講演、書籍、学校などで社会的問題を知り、解決に貢献してみたいと思ったから」が多くなっており、学校教育 やSB・CB関係者による啓蒙活動の影響がうかがえる。

(注)SB・CBを「現在、経営している」および「開業してみたいと思う」と回答した人に質問したもの。 (注)図-8に同じ。

19.9 22.7 21.6

43.5

13.9

24.4

8.0 16.8 18.4 18.0

43.0

13.5

28.3

7.4

26.5 31.6 29.1

44.4

14.5 16.2 9.4

0

10

20

30

40

50

家族や友人、社員など身近に

社会的問題の当事者がいるから

自分が社会的問題の当事者だから

講演、書籍、学校などで

社会的問題を知り、解決に

貢献してみたいと思ったから

社会や地域の役に立っているという

実感を得たいから

既存の事業に役立つと思うから

ビジネスチャンスだと思ったから

その他

図-8 開業理由(性別、複数回答)

(%) 全体(n=361)

男性(n=244) 女性(n=117)

42.9

0

10

20

30

40

50

60

家族や友人、社員など身近に

社会的問題の当事者がいるから

自分が社会的問題の当事者だから

講演、書籍、学校などで

社会的問題を知り、解決に

貢献してみたいと思ったから

社会や地域の役に立っているという

実感を得たいから

既存の事業に役立つと思うから

ビジネスチャンスだと思ったから

その他

図-9 開業理由(年齢別、複数回答)

18~19歳

(n=21)

20~29歳

(n=78)

30~39歳

(n=94)

40~49歳

(n=73)

50~59歳

(n=66)

60~64歳

(n=29)

(%)

7

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5 SB・CBへの就労意向~若年層では3人に1人が就労に関心をもつ

○すでにSB・CBを開業している人や開業準備中の人を除き、SB・CBで「働いてみたい」と回答した人の割合は24.4%となっている(図 -10)。男女別ではあまり差がないが、年齢別にみると若い世代ほど「働いてみたい」とする人の割合が多くなっている。○SB・CBで働いてみたい理由をみると、開業の理由と同様に「社会や地域の役に立っているという実感を得たいから」が最も多く、以下、 「社会的問題やSB・CBについて学べるから」「将来性のある事業だから」が続いている(図-11)。

(注)1 SB・CBを「現在、経営している」と回答した人を除いて質問したもの。 (注)SB・CBで「働いてみたい」と回答した人に質問したもの。

   2 「現在、働いている」には、「まだ働いていないが、就職は決まっている」を含む。

2.2

2.4

1.9

3.7

2.4

1.7

2.5

1.5

2.9

24.4

25.7

23.2

33.9

30.3

27.8

22.2

21.1

17.5

73.4

71.9

74.9

62.4

67.3

70.5

75.3

77.4

79.7

全体

(n=3,125)

男性

(n=1,566)

女性

(n=1,559)

18~19歳

(n=109)

20~29歳

(n=541)

30~39歳

(n=719)

40~49歳

(n=675)

50~59歳

(n=663)

60~64歳

(n=418)

図-10 SB・CBへの就労意向 (単位:%)

現在、働いている

働いてみたい 働いてみたいとは思わない

14.1 14.5 15.4

38.3

5.6

23.3

3.8

23.7

4.9 8.4

0

10

20

30

40

50

家族や友人、社員など身近に

社会的問題の当事者がいるから

自分が社会的問題の当事者だから

講演、書籍、学校などで

社会的問題を知り、解決に

貢献してみたいと思ったから

社会や地域の役に立っているという

実感を得たいから

資格が生かせるから

将来性のある事業だから

給与など労働条件が良いから

社会的問題やSB・CBについて

学べるから

将来、SB・CBを開業したいから

その他

図-11 SB・CBで働いてみたい理由(複数回答)

(%)

(n=832)

8

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6 SB・CBへのボランティアでの参加意向~若年層ではおよそ2人に1人がボランティアに関心がある

○SB・CBにボランティアで「参加してみたい」とする人の割合は27.9%となっている(図-12)。男女別にみても差はないが、年齢別では 若い世代ほど「参加してみたい」とする人の割合が多くなっており、「18~19歳」では45.7%を占めている。平成13年の学校教育法改正では ボランティア活動や社会奉仕活動の推進を定めており、学校教育の影響があるものと思われる。○ボランティアで参加してみたい理由をみると、「社会や地域の役に立っているという実感を得たいから」が最も多く、以下「社会的問題やS B・CBについて学べるから」「社会的問題に関心はあるが、仕事にはしたくないから」が続く(図-13)。

(注)SB・CBを「現在、経営している人」、SB・CBで「現在働いている人」を除いて質問したもの。 (注)SB・CBにボランティアで「参加してみたい」と回答した人に質問したもの。

0.5

0.8

0.3

0.0

0.2

0.3

0.3

0.5

2.0

27.9

27.5

28.3

45.7

33.5

28.4

24.0

25.6

25.1

71.6

71.7

71.4

54.3

66.3

71.3

75.7

74.0

72.9

全体

(n=3,057)

男性

(n=1,528)

女性

(n=1,529)

18~19歳

(n=105)

20~29歳

(n=528)

30~39歳

(n=707)

40~49歳

(n=658)

50~59歳

(n=653)

60~64歳

(n=406)

図-12 SB・CBへのボランティアでの参加意向

(単位:%)

現在、参加している

参加してみたい 参加してみたいとは思わない

13.5 13.1 17.7

41.3

19.2

30.6

7.6 3.5 4.0

0

10

20

30

40

50

家族や友人、社員など身近に

社会的問題の当事者がいるから

自分が社会的問題の当事者だから

講演、書籍、学校などで社会的問題を知り、

解決に貢献してみたいと思ったから

社会や地域の役に立っているという

実感を得たいから

社会的問題に関心はあるが、

仕事にはしたくないから

社会的問題やSB・CBについて

学べるから

将来、SB・CBで働きたいから

将来、SB・CBを開業したいから

その他

図-13 SB・CBにボランティアで参加してみたい理由

(複数回答)

(%)

(n=869)

9

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7 SB・CBへの寄付・寄贈~途上国支援は寄付で

○SB・CBに「寄付や寄贈をしたことがある」人の割合は全体の6.1%で、その割合は年齢が高いほど多い(図-14)。逆に、「寄付や寄贈 をしてみたい」とする人の割合は若年層で多く、「18~19歳」では31.2%に上る。○どの社会的問題に取り組んでいるSB・CBに寄付や寄贈をしてみたいかをみると、開業して取り組んでみたい問題とは逆に、「開発途上国 の支援に関する問題」が33.5%で最も多く、次いで「地球環境に関する問題」が24.5%となっている(図-15)。

(注)「寄付や寄贈をしたことがある」および「寄付や寄贈をしてみたい」と回答した

   人に質問したもの。

6.1

5.6

6.7

4.6

2.9

4.1

6.4

7.8

11.2

17.1

18.5

15.7

31.2

24.8

15.7

15.8

13.5

13.6

76.7

75.9

77.6

64.2

72.3

80.2

77.8

78.6

75.2

全体

(n=3,143)

男性

(n=1,577)

女性

(n=1,566)

18~19歳

(n=109)

20~29歳

(n=548)

30~39歳

(n=726)

40~49歳

(n=676)

50~59歳

(n=665)

60~64歳

(n=419)

図-14 SB・CBへの寄付

(単位:%)

寄付や寄贈をしたことがある

寄付や寄贈をしてみたい 寄付や寄贈をしてみたいとは思わない

21.2 20.8

24.5

33.5

0

10

20

30

40

社会的排除に関する問題

地域社会に関する問題

地球環境に関する問題

開発途上国の支援に

関する問題

図-15 どの社会的問題に取り組んでいるSB・CBに

寄付・寄贈してみたいか (%)

(n=731)

10

Page 12: 「ソーシャルビジネス・コミュニティビジネスに関する ...Ⅰ 調査目的と実施要領 1 調査目的 自民党が「日本再生ビジョン」のなかで、「ソーシャルビジネス法人(仮称)」を法制化して、社会的起業を促進することを謳うなど、

8 SB・CBによる製品・サービスの利用意向~関心だけでは利用してもらえない

○SB・CBの製品やサービスを購入したことがある人の割合は、SB・CBの認知度が低いこともあって全体で4.4%と少ない(図-16)。○SB・CBの製品やサービスを、「価格や品質に多少問題があっても、優先的に買いたい、利用したい」という人の割合は全体で2.1%とご くわずかであり、66.0%は「SB・CBの製品・商品であるかどうかは考慮しない」、25.8%は「価格や品質が同じであれば、優先的に買い たい、利用したい」としている。社会的問題の解決に役立つSB・CBであっても、一般の営利企業に負けない競争力が求められる。

4.4

4.1

4.7

1.8

4.2

4.0

4.9

4.8

4.5

58.0

61.8

54.2

51.4

55.8

60.7

58.1

56.7

59.4

37.6

34.2

41.1

46.8

40.0

35.3

37.0

38.5

36.0

全体

(n=3,143)

男性

(n=1,577)

女性

(n=1,566)

18~19歳

(n=109)

20~29歳

(n=548)

30~39歳

(n=726)

40~49歳

(n=676)

50~59歳

(n=665)

60~64歳

(n=419)

図-16 SB・CBの製品・サービスの購入・利用経験

(単位:%)

ある ない わからない

2.1

2.6

1.6

4.6

3.1

1.7

2.1

1.8

1.4

25.8

24.0

27.7

35.8

25.7

23.3

23.2

26.8

30.5

6.0

7.0

5.1

3.7

3.8

5.2

7.7

5.7

8.8

66.0

66.5

65.6

56.0

67.3

69.9

67.0

65.7

59.2

全体

(n=3,143)

男性

(n=1,577)

女性

(n=1,566)

18~19歳

(n=109)

20~29歳

(n=548)

30~39歳

(n=726)

40~49歳

(n=676)

50~59歳

(n=665)

60~64歳

(n=419)

図-17 SB・CB製品の購入・利用意向

(単位:%)

価格や品質に多少問題があっても、優先

的に買いたい、利用したい

価格や品質が同じであれば、優先的に

買いたい、利用したい

SB・CBの製品・商品は買いたくない

SB・CBの製品・商品であるかどうかは考慮しない

11

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Ⅲ まとめ

1 社会的問題に関心がある人の割合は「とても関心がある」「多少関心がある」を合わせても5割から6割で必ずしも高いとはいえず、   SB・CBを知っている人の割合も3割弱にとどまる。

2 若年層は開業や就労、ボランティアを通じてSB・CBに関わりたいという意向を持っている人が多い。その背景には学校でのボラン   ティア活動や社会奉仕活動への参加経験があると思われる。

3 SB・CBの製品・サービスだからというだけで購入する消費者はほとんどいない。社会的問題に取り組むSB・CBといえども一般   の営利企業に負けない競争力が求められる。

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