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主体的で対話的で深い学びのある授業 〜ディープ・アクティブラーニングの視点から〜
福井大学大学院教育学研究科 小林 和雄
主体性で対話的で深い学びの風
2030年教育への学習指導要領改訂
育てたい資質・能力から何を学ぶか どのように学ぶか 何ができるようになるかを考える教育への質的転換
質的転換ということは…
授業の質で勝負の時代
量の勝負からの卒業
時を越えて 子どもたちを愛せるか 本当に子どもたちを守れるか!?
君のために 今何ができるか?
いちばん 大切なことは 特別なことではなく ありふれた日々の授業の中で 子どもたちを 今の気持ちのままで 見つめていること ♩
主体的・対話的で深い学び
どのような質か?
深い学びにつながる対話とは 深い学びってどういうこと?
深い学びにつながる主体性とは
アクティブ・ラーニングの視点からの
不断の授業改善と実践事例の蓄積と共有
顔を見て
聴き手を意識して
工夫して
検討 吟味して
言葉を選んで話す
相手の話の
意味や意図を
窺(うかが)いながら
遠慮なく
お互いに分かるまで
訊き合い 聴き合う
深い学びにつながる聴き方、話し方
学び合う学級文化は聴き合う関係から
学び合う学級文化のある教室では
わからん 教えて!
どういうこと どういう意味?
もう一度 言って!
例えば (具体的事例やアナロジー)
もう少し 詳しく 説明して
どこから そう思ったの
実感を伴った理解の三側面
具体的な体験
(hands-on) 主体的な問題解決
(minds-on) 汎用性、有用性の認識
(先行体験や先行概念との関連づけ)
ヴィトゲンシュタイン(哲学者)
思考の限界
言葉の壁が 思考の壁
アクティブ・ラーニングという言葉がよくわからなければ 授業について深く思考できない
アクティブ・ラーニングとは
教員による一方的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。
(質的転換答申 用語集 2012 p.37)
成果としての学習している様子や、新たに設定された理想的な学習(ゴール)ではない❌
達成するもの❌ではなく、導入するもの◎
アクティブラーニングとは
一方的な知識伝達講義を聴くという(受動的)学習を乗り越える意味での、あらゆる能動的学習(学習方略)のこと。能動的な学習には、書く・話す・発表するなどの活動への関与と、そこで生じる認知プロセスの外化を伴う。
(溝上慎一 2014 p.7)
エリック マズールのピア インストラクション
現在 クリッカーを利用して 日本の高校や大学の物理教育などで盛んに導入されているALの一つ
アクティブラーニングの多様性
観察の理論負荷性
ハンソン(科学哲学者)
人間は、既有理論や先行概念で見たものを意味づけしたり、価値づけしたりする
百聞は一見に如かず(経験論的実証主義)に対するアンチテーゼ
期待したように 見たいように観察してしまう
道に迷っている人を 電話で案内するとき まずはじめに 何を聞きますか?
疑問を出す=理解を深めるきっかけ
疑問を出す=自分が何処にいるのか
(自分の理解のメタ認知)
人は同じものを見ても 違う解釈をする 人は同じものを聞いても 違う解釈をする
考えを出す 思考の可視化
" If you can't explain
it flexibly in your
unknown situation,
you don't deeply
understand it yourself
"
ハワード ガードナー(ハーバード大学 教授)
東京書籍 高校英語 教科書 Prominence I Lesson III
理解のための教育プロゼクトのテキスト ハワード ガードナーと私
深い理解とは
聴き手に応じて分かりやすく説明したり、適切な証拠や事例を示したり、一般化したり、応用したり、アナロジーを使ったり、新たなやり方で課題を表現したりするような、課題に対する思考の多様な外化を新奇な状況において柔軟に出来ること
(Teaching for Understanding
Guide1998 p.12)
" Not coblaboration
But collaboration "
デイビド パーキンス(ハーバード大学 教授)
" not only hands-on
But also minds-on "
Goal of Teaching for Understanding
Superficial → Deep Understanding
Temporay → Lasting Understanding
rote Memorizatin→ Belief
Coblaborative → Collaborative Learning
浅いから深い理解へ 短期から長期記憶へ
機械的な丸暗記から確信や信念に迫る理解へ
おしゃべり学習から協働学習への教育の質的転換
ディープ・アクティブラーニング
外的活動における能動性だけでなく、内的活動における能動性も重視する事によって深い理解を目指すアクティブラーニング
(松下佳代 2015 p.18-19)
三つの視点
インターラクション
コラボレーション
リフレクション
わずかな違いが 大きな違いになる世界
それが教育
教師の心の居方を変えただけで 授業は大きく変わる
時を越えて 君を愛せるか
本当に君を守れるか
たしかなこと 作詞 小田和正
2030年の子どもたちに必要な資質 能力を育成できるか
いちばん 大切なことは・・・
特別なことをするのではなく
ありふれた 日々の授業の中で
子どもたちのために 今 何が出来るか
どうすれば理解を深められるのか
みんなで考え続けること
我々の前に道はない 我々の後に道ができる トライ&エラーで
不断の授業改善と事例の蓄積