検像システムと放射線情報システム（RIS）の役割...JIRA医用画像システム部会/勉強会2010．03.11 平成19年 1月山口県がん診療連携拠点病院に指定

JIRA医用画像システム部会/勉強会 2010．03.11

検像システムと放射線情報システム（RIS）の役割

山口大学医学部附属病院放射線部

岩永秀幸


平成19年 1月山口県がん診療連携拠点病院に指定5月病床数736床に変更

1日当たりの外来数：約１３５０人


2009年9月20日、電子カルテ更新と同時にフィルム

レスシステム運用開始。

フィルムレシステムは、放射線画像以外に、

・超音波センター（心臓・腹部・血管超音波画像）、

・光学診療部（内視鏡画像）、

・心電図室（心電図波形画像）、

・自科検査画像（オーダﾞがない各診療科実施画像）

を統合医用画像サーバにDICOM形式で保管、電子

カルテと連携し、院内配信システムとして構築。

概要


電子カルテシステム

CR（FPD）、CT、MRI、血管造影X-TV、RI、治療など

DICOM画像

心カテ画像（動画）光学診療部

検査依頼・実施情報画像参照

内視鏡検査超音波検査

電子カルテ端末

内視鏡超音波病理など放射線レポート・画像心電図

読影レポート管理

放射線部門システム

統合医用画像サーバシステム

統合統合医用画像医用画像サーバサーバ（（DICOMDICOM））

超音波センタ

心電図

生理検査部

自科検査

静止画（キー画像）

静止画（キー画像）


・画像保存容量５7 TB （実行容量）

※ 実行容量：約13TB過去画像

・画像受信サーバ 4台

統合医療画像サーバの構成

・データベースサーバ 2台（クラスタ構成）

・ Webサーバ 2台（クラスタ構成）

・アカイブサーバ（テープに書き出す） 1台

・画像保存容量１６ TB （実行容量）

○ 補助画像サーバ

・画像受信サーバ 3台

・データベースサーバ１台

・ Webサーバ１台


・医療情報端末 1100台程度

・読影端末 19台（放射線科）

電子カルテと読影端末の構成

・高精細モニタ端末 48台外来 19台病棟 16台OP室 13台

・カンファレンスシステム 28台

高輝度プロジェクタ 13式

大型液晶パネル（46 inch） 16式

（1.3M＋4Mモニタ）

・読影端末（胸部専用３M）１台（放射線科）


接続機器とDICOM画像の種別

○ 一般X線撮影：CR（一式）

○ 乳房撮影：MG（1台）

○ 骨塩定量：BMD（1台）

○ 透視装置撮影：RF（3台）

○ 血管造影：XA（5台）

○ CT装置：CT（５台）

○ MRI装置：MR（４台）

○ RI検査：NM（3台）

○ 内視鏡：ES（8台）

○ 超音波：US（１４台）

○ 心電図：EK（一式）

○その他：OT（２０台）

（自科検査）

※CR：FPD立位（3台） FDP臥位（3台）、カセット読取（6台+5台）

OP室、初療室、CCMC、AMEC、NICU


画像配信（緊急時）

フィルムレス・院内画像配信の概念図

既存の画像サーバシステム

（停電時、緊急時に画像を配信）

（内視鏡、超音波心電波形など）

他部門のDICOM画像の保存

富士通（電子カルテ）

放射線科読影室

新規導入・画像サーバ・レポートサーバ

医療情報端末

CR

CT

MRI

RI

血管撮影

透視など

診断レポート画像

CD-R・DVD-R

作成

他病院へ紹介するメディアの作成

画像

統合画像サーバ＆レポート

外来・病棟・手術室など

1000台程度

画像検像端末

画像専用表示端末（高精細モニタ）

画像配信

診断レポート

診断レポート

画像を転送・保存


医療情報システムとフィルムレスシステムの関係

・医療情報システム（電子カルテ）の中では、

フィルムレスシステムは、一部に過ぎない。

しかし、電子カルテの中では、画像は最大級のデータ量である。

従って、表示スピードを安定して提供する必要がある（インフラの強化）。

停止すると、電子カルテ同様、大変なことになる。


フィルムは、記憶媒体、保存媒体、表示媒体の３つの機能を持つ。

＜基準＞

・真正性の確保：改ざんが出来ないこと。

・見読性の確保：いつでもどこでも見ることが

出来ること。

・保存性の確保：保存の安全性が確保されている

こと。

フィルムレスでは．．．．

フィルムレス化における課題


フィルムが真である！

配信される画像は真である！

放射線検査オーダ

放射線検査画像サーバ

画像配信フィルムを確認

検査オーダ

フィルム（人的に搬送）

○ 現行モデル（フィルムによる画像提供）

※フィルムは、記憶媒体、保存媒体、表示媒体の３つの機能を持つ。

放射線検査オーダ

放射線検査画像サーバ

※検像が重要となり、ここで真の画像を決定する

画像配信

検像システムによるチェック

検査オーダ

○ フィルムレスモデル

※フィルムレスでは、24時間院内どこでも

画像が観れる環境の整備が不可欠。


真正性の確保

放射線検査

検像統合画像サーバ

配信

装置内・3次処理など

・再撮影

・最適濃度の調整

・コントラストの調整

・MPR、サーフェイス

・不要な画像の削除

・配信の可・不可の選択

・長期保存画像

・配信画像

オーダー元へ

・真の画像

・改ざん出来ない

もし、削除、変更は、管理者権限が必要

放射線部医療情報部

装置


・サーバの24時間稼働

電源供給の方法の検討

Webサーバ、データベースサーバ等の二重化

補助サーバの設置（1年程度の保存期間のサーバ）

放射線検査


配信

オーダー元へ


装置

見読性の確保

放射線部内ネットワーク（インフラ）の二重化

・医療情報部側のネットワークの二重化（スイッチングハブの無停電装置の導入）

・端末台数の増設（台数は？？）


・画像サーバの保存媒体の信頼度

・保存方法（RAID５以上、ﾐﾗｰﾘﾝｸﾞ、ﾊﾞｯｸｱｯﾌﾟｼｽﾃﾑ）

放射線検査


配信

オーダー元へ


装置

保存性の確保

装置検像１

検像２非常用（予備）

通常

装置からの保存先（画像サーバ）を複数設定

統合画像サーバ


画像装置から発生した画像データを一旦、各種の修正

処理機能を持つ検像端末へ送信する。

検像RIS端末で受信画像のリストを表示、リストから

選択された画像を連動により画像表示端末で表示する。

画像確認担当技師が画像をチェックし、必要に応じて

修正のうえ確定操作を経て画像サーバへ送信する。

参考資料：昭和大学横浜市北部病院放射線部新田勝第２２回医療情報学連合大会 (2002)

検像要領


電子カルテと画像連携条件

画像調整と

連携条件の調整・確認

検像RIS

の機能を利用


・全て、DICOM画像（静止画）

・患者IDを10桁（院内で統一）

・画像サーバへの「画像到着確認通知」を電子カルテへ

・「検査完了通知」を電子カルテへ

電子カルテと画像連携条件

・受付番号を16桁（オーダ番号：8桁＋日付8桁）をDICOM画像のTAG埋め込む

※オーダ番号を自動的にTAG（画像）に埋め込む方法

※検査がいつ開始、終了したかを検出する方法


ヘッダー部（TAG）

電子カルテからのオーダー情報と画像連携

胸部

情報を埋め込み

電子カルテ

○患者ID ：000111222 （10桁）○患者名：YAMADAI TAROU○性別：M○誕生日：2009/09/20○受付番号：5656121220091003 （16桁） ← 病院に１つしかない番号○オーダー：胸部正面P→A○撮影日：2009/10/03

DICOM画像

①

②

統合医療画像サーバ


・放射線関連機器

MWM対応装置・非MWM対応装置

の運用と検像RIS

・内視鏡・超音波・心電図

MWM対応装置の運用と検像RIS

※ DICOM画像出力装置


医療情報端末

RISサーバ MWMサーバ

検査装置検像RIS

画像サーバ

RIS端末

電子カルテサーバ

オーダ情報の流れ（ MWM＋RIS使用）

検査オーダ

検査オーダ

検査オーダ検査オーダ

画像

画像

画像

② 画像到着完了通知

① 検査完了通知

検査完了

医事課


医療情報端末



画像サーバ

RIS端末


オーダ情報の流れ（非MWM＋RIS使用）

検査オーダ

検査オーダ

検査オーダ

手入力でID等を入力画像

画像

画像



検査完了

医事課

ID:10桁受付番号：16桁


CT画像データの流れ（DICOM対応）

RIS（受付）

検査オーダ

○患者ID ：000111222 （10桁）○患者名：YAMADAI TAROU …M…○受付番号：5656121220091003 （16桁）○記述：頭部（造影）○種別：CT


医療情報端末CT装置RIS（検査室）

MWMサーバ

３D WS

検像RIS 画像

画像・付帯確認


CT検像システム


MRI画像データの流れ（非DICOM対応）

RIS（受付）

検像RIS

検査オーダ

○患者ID ：000111222 （10桁）○患者名：YAMADAI TAROU …M…○受付番号：5656121220091003 （16桁）○記述：頭部（MRA）○種別：MR 統合医療画像サーバ

医療情報端末

画像

手入力（ID、Name etc.）

MRI装置RIS（検査室）

画像のヘッダに書き込む

画像・付帯情報確認

MWMサーバ


MRI検像システム


CR画像データの流れ（DICOM対応）

RIS（受付）

検像RIS

検査オーダ

○患者ID ：000111222 （10桁）○患者名：YAMADAI TAROU …M…○受付番号：5656121220091003 （16桁）○記述：胸部正面○種別：CR


医療情報端末

画像

CS-5RIS（検査室）

MWMサーバ

読取装置



コニカミノルタCRの検像システム


サテライトCR画像データの流れ（DICOM対応）

RIS（受付）

検像RIS

検査オーダ

○患者ID ：000111222 （10桁）○患者名：YAMADAI TAROU …M…○受付番号：5656121220091003 （16桁）○記述：胸部ポータブル正面○種別：CR


医療情報端末

画像

CS-5RIS（検査室）

MWMサーバ

読取装置



※ サテライトCRは、いつ撮影されたか？？

・患者IDを10桁

・画像サーバへの「画像到着確認通知」を電子カルテへ

・「検査完了通知」を電子カルテへ

検像システム（セミオートモード）運用

・ DICOMのTAGに受付番号を16桁（オーダ番号：8桁＋日付8桁）が埋め込まれている

自動的に、条件を照合する仕組みが欲しい

サテライトCRシステム運用と問題点（手術室・初療室・CCMC・AMEC・NICU・GCU）


ポータブル検像システム


乳房撮影・検像・読影システム

乳房撮影装置（MWM機器）→検像（セミオート検像）→統合医療画像サーバ→読影システム（５M）


・超音波画像

・内視鏡画像

・心電波形図

・自科検査画像

放射線部以外の画像の取り扱い

DIOCM化と運用について


接続機器とDICOM画像の種別

○ 一般X線撮影：CR（一式）

○ 乳房撮影：MG（1台）

○ 骨塩定量：BMD（1台）

○ 透視装置撮影：RF（3台）

○ 血管造影：XA（5台）

○ CT装置：CT（５台）

○ MRI装置：MR（４台）

○ RI検査：NM（3台）

○ 内視鏡：ES（8台）

○ 超音波：US（１４台）

○ 心電図：EK（一式）

○その他：OT（２０台）

（自科検査）


病理部

内視鏡レポート

電子カルテ

オーダー番号を埋め込む

病理オーダ

病理レポート

光学診療部（内視鏡画像のDICOM化）

通常、jpeg画像

DICOM形式の

画像に変換（受付番号をTAGに埋め込む）

DICOM Viewer

コピー＆ぺースト


気管支(ｵﾘﾝﾊﾟｽ)

DICOMizer

X線透視室

上部消化管下部消化管

超音波装置(アロカ)

超音波内視鏡など

X線内視鏡

上部消化管(ｵﾘﾝﾊﾟｽ)

DICOMizer

上部消化管(ｵﾘﾝﾊﾟｽ) DICOMizer

上部消化管(ｵﾘﾝﾊﾟｽ)

DICOMizer

下部消化管(ｵﾘﾝﾊﾟｽ)

DICOMizer

下部消化管(ｵﾘﾝﾊﾟｽ)

DICOMizer

X線内視鏡(ｵﾘﾝﾊﾟｽ)

DICOMizer

ERCP(ｵﾘﾝﾊﾟｽ)

DICOMizer


検像

静止画

内視鏡部門


QLab(Philips)

小児科エコー

Prosound α７

(ALOKA)

Prosoundα10

(ALOKA)

心エコー

EUB-8500(日立)

Gateway

EUB-7500(日立)

Gateway

腹部エコー

１(ALOKA)

Gateway

放射線科エコー

Aplio(東芝)

VIVID-i(GE)

VIVID-e9(GE)

VIVID7(GE)

Logic-７(GE)

Xario(東芝)

Sequoia(ｼｰﾒﾝｽ)

動画静止画振分けサーバ

動画静止画サーバ


静止画

2010.02.現在

検像


医療情報端末



画像サーバ

RIS端末


オーダ情報の流れ（ MWM＋RIS使用）

検査オーダ

検査オーダ

検査オーダ検査オーダ

画像

画像

画像



検査完了

医事課


医療情報端末



画像サーバ

RIS端末


オーダ情報の流れ（ MWM+RIS使用なし）

検査オーダ

検査オーダ

検査オーダ

画像

画像

画像

① 画像到着完了通知

② 検査完了通知検査完了

医事課


超音波部門のオーダ情報の流れ

電子カルテ

超音波装置

検査オーダ

○患者ID ：000111222 （10桁）○患者名：YAMADAI TAROU …M…○受付番号：5656121220091003 （16桁）○記述：CARDIO○種別：US

RISサーバ

○患者ID ：000111222 （10桁）○患者名：YAMADAI TAROU …M…○受付番号：5656121220091003 （16桁）○記述：CARDIO○種別：US

問い合わせ情報取得

超音波検査室

7日間保持

MWM

検査当日

画像サーバ画像到着完了通知

（内視鏡部門）

画像転送検像RIS

画像転送セミオートモード放射線部門

検査完了通知

画像到着完了通知


心電波形のオーダ情報の流れ電子カルテ

RISサーバ

○患者ID ：000111222 （10桁）○患者名：YAMADAI TAROU …M…○受付番号：5656121220091003 （16桁）○記述：ECG○種別：EK

7日間保持

MWM

検査当日

画像サーバ画像到着完了通知

検査オーダ

○患者ID ：000111222 （10桁）○患者名：YAMADAI TAROU …M…○受付番号：5656121220091003 （16桁）○記述：ECG○種別：EK

心電図装置

心電図検査室

画像転送検像RIS

画像転送セミオートモード

検査完了通知

放射線部門



透視・超音波・心電図検像システム


自科検査オーダ情報の流れ

検査オーダ

○患者ID ：000111222 （10桁）○患者名：YAMADAI TAROU …M…○受付番号：5656121220091003 （16桁）○記述：CARDIO○種別：OT

RISサーバ

○患者ID ：000111222 （10桁）○患者名：YAMADAI TAROU …M…○受付番号：5656121220091003 （16桁）○記述：CARDIO○種別：OT

問い合わせ情報取得

自科検査MWM

（超音波・内視鏡・デジタルカメラ画像など）電子カルテ

検査オーダ発行

超音波装置など

各診療科・病棟

自科検査画像サーバ（テンポラリ）画像転送

画像サーバ


画像転送

セミオートモード

放射線部門


検査完了通知

検査完了通知


・検像システムは、画質調整（コントラスト、濃度、回転、

コメントなど）するだけのシステムではなく、病院情報システムとの連携情報を手動または半自動的に照合する機能を持つ、必要があると考える。特に、過渡期である非MWM対応機器の扱いが論点

である。

運用上、MWMから検査情報を得られずに、検査を

行うケースがある。この場合、検像システムでの照合が、手動でできる

ことが重要である。

まとめ（１）


まとめ（２）

・検像RISは、検査オーダから画像を検索し、電子カルテ

に連携する情報をTAGに書き込む仕組があることで、

訂正作業が迅速に行え、運用に即している。

・ RISを使用しない検査においては、検像RISにある画像

から、検査オーダの連携情報を容易に検索できることで、TAGの書き換えが迅速に行える。

RISを使用している検査（主に、放射線機器）

RISを使用しない検査（主に、内視鏡、超音波、心電図）


検像システム

RIS

（放射線情報システム）

RISと検像システムの関係

画像

画像サーバ

患者情報など（MWM）

連携情報の照合がない

画質の調整


検像システム

RIS

（放射線情報システム）

RISと検像システムの関係

Image quality and information management system

（画質・関連情報統合システム）

画像サーバ

画像

・画質の担保・情報の付加および確認

患者情報など（MWM）

連携情報の照合


検像機能の追加機能の要望

・マルチフレームの回転・反転・マーカ入力機能

・小規模サーバ型の検像システムが必要？

・動画検像システム

・検像のPCのパワー（血管造影のデータなど）


・山口大学医学部医療情報部

井上裕二先生、石田博先生

謝辞

・山口大学医学部附属病院医療情報係

茅野康弘様、高橋志誓様、石田暁寛様

・横河電機（株）：湊谷浩司様、長岡寛様他

・ MITクリエート：前田馨様

・富士通山口情報：原田正治様他

・（株）DgS・Computer社：村上成様

・ビゴメントソフトウェア：中村方俊様

・山口大学医学部放射線部


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検像システムと 放射線情報システム（RIS）の役割...JIRA医用画像システム部会/勉強会2010．03.11 平成19年 1月山口県がん診療連携拠点病院に指定

検像システムと放射線情報システム（RIS）の役割...JIRA医用画像システム部会/勉強会2010．03.11 平成19年 1月山口県がん診療連携拠点病院に指定