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「コト」の時代におけるビジネス関連発明の利活用について
-IoT、AI、ブロックチェーンを例に-
特許庁 審査第四部2018年
1
1. 「コト」の時代におけるビジネス関連発明
2. ビジネス関連発明の特許取得事例
3. ビジネス関連発明の特許取得の留意点
4. ビジネス関連発明の特許審査
5. ビジネス関連発明の海外での審査実務
2
「モノ」から「コト」へ変化していく時代
第4次産業革命
工業社会
情報化社会
超スマート社会
IoTの進展AI、ブロックチェーン、ビッグデータの活用
「モノ」
出典:「新産業構造ビジョン」(経済産業省 産業構造審議会)(2017年5月)に基づいて作成
・ライドシェアリングサービス・無⼈交通サービス ・スマートファクトリー
「コト」
モノ単体での利用
インターネットが普及ネットワークに接続
ベルの電話
インターネット
・FinTech
「モノ」づくりから「コト」づくりへ
スマートフォン
新たなビジネスの登場(ソリューションビジネス)
3
企業会計、給与管理、⼈事管理
情報検索、ビッグデータ解析、認証、決済、課金
注文、仲介、広告、顧客情報管理
物流、生産管理、流通、配送、工程管理、在庫管理
銀行、保険、証券業務
販売管理、ポイントサービス
社内業務システム
基盤システム
電子商取引システム
統合的生産管理システム
金融システム
販売、サービス支援システム
・・・・
データベースwebサーバ
スマホ
受信部
送信部
表示部
撮像部
算出部
確認部
送信部
受信部識別番号
通信網
提供情報
管理部
識別情報提供情報
履歴
• ICT※を利用してビジネス方法を実現する発明
考え方
※Information and Communication Technology:情報通信技術
1.「コト」の時代におけるビジネス関連発明 ビジネス関連発明とは
4
0
2000
4000
6000
8000
10000
12000
14000
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
特許査定件数
特許査定率
• 米国でのビジネス関連発明をめぐる判決等の影響により、日本において2000年頃にビジネス関連発明の出願ブームともいえる状況が生じた
• その後、出願件数は減少を続けるが、2011年を底に増加傾向に転じている
• 特許査定率、特許査定件数ともに、大幅に上昇
(備考)主要な分類として次のFIが付与された出願をビジネス関連発明として集計。・G06F15/20@G,N,R ・G06F15/20,102 ・G06F15/21 ・G06F15/24-G06F15/30 ・G06F15/42・G06F17/60(2000年7月から付与開始) ・G06Q(2012年1月から付与開始)
出願年 (2016年は暫定値)
件数
IoT
AI
FinTech
Cloud
Mobile etc.
特許査定件数
出願年 (暫定値)
特許査定率
ICTの普及
ビジネス関連発明の特許出願 ビジネス関連発明の特許査定推移
1. 「コト」の時代におけるビジネス関連発明 ビジネス関連発明の出願動向
5
1.「コト」の時代におけるビジネス関連発明 IoTとビジネス関連発明の関係①
• ビジネス関連発明は、下記IoTモデルにおいて、主に「⑤利活用」や「⑥全体のビジネスモデルの確立」に関する発明を保護可能
出典:「新産業構造ビジョン」(経済産業省 産業構造審議会)(2016年4月)に基づいて作成
6
1. 「コト」の時代におけるビジネス関連発明 IoTとビジネス関連発明の関係②
• IoT関連の特許出願※の内、約4割がビジネス関連発明(2017年8月31日時点)
※IoT関連技術の特許分類であるZIT又はその下位分類が付与され、公開されている出願
ビジネス関連発明
42%その他
58%
IoT関連の特許出願におけるビジネス関連発明の割合
7
• ブロックチェーンは、データの記録・管理に用いられる手法の一つ
• 参加者全員が、データをブロックが連なった形式で記録・管理する分散型システム
• システムがダウンしない、改ざんが困難、という特性を有し、金融(仮想通貨)のみならず、幅広い分野での応用が期待
【中央集権型システム】 【分散型システム】
中央のサーバがデータを一括管理
例:特許庁の登録原簿、一般的な社内システム
各参加者がデータを管理
ブロックチェーンでは、各参加者が記録・管理するデータとして、データのブロックが連なった形式を採用
全てのブロックを全ての参加者が記録
1. 「コト」の時代におけるビジネス関連発明 ブロックチェーンとは
8
1. 「コト」の時代におけるビジネス関連発明 ブロックチェーンとビジネス関連発明
• ブロックチェーン(BC)を利用した出願は年々増加• 2016年には、BCを利用した出願のうち3割が、サービスに適用したもの
0
20
40
60
80
100
120
2014 2015 2016
金融等
サービスに適用
出願年 (暫定値)
※IPCとしてG06Q10/, 30/, 50/が付されている案件を、【サービスに適用】と分類している。
9
協業の意思決定を後押し
新たな協業ヒントのきっかけ
自社のビジネスモデルが、新規で進歩的であることのお墨付き
資産価値の向上(知財金融)
1. 「コト」の時代におけるビジネス関連発明 ビジネス関連発明の新たな利活用
• ビジネス関連発明を、他社との協業促進や自社の信用補完のために、利活用する新たな動きがみられる
• 新たな利活用は、特許権の副次効果に基づく利活用であるため、日本の特許権で海外でも同様の利活用が可能
特許権
従来の利活用(法に基づく利活用)
協業促進
信用補完
新たな利活用(副次効果に基づく利活用)
ライセンス
司法手続
防衛
日本の特許権で、海外でも同様の利活用が可能
10
1. 「コト」の時代におけるビジネス関連発明
2. ビジネス関連発明の特許取得事例
3. ビジネス関連発明の特許取得の留意点
4. ビジネス関連発明の特許審査事例
5. ビジネス関連発明の海外での審査実務
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サーチ結果連動型広告(オーバーチュア サービシズ)特許第3676999号(出願日:2000.5.26、登録日:2005.5.13)
コンピュータ・ネットワーク・サーチ・エンジン装置
サーチ手段
記憶手段
データベース
検索データベース
• 検索キーワードに紐付けられた金額とリステイング(広告)に応じて、検索結果を作成・表示• ユーザのリステイング(広告)へのクリックに応じて、広告主への請求情報を記憶
【特許クレーム】各々が情報提供者(302)、少なくとも1つのキーワード(352)、金額(358)及びコンピュータ・ネットワーク・ロケーション(356)に関連付けられた複数のサーチ・リステイング(344)をコンピュータ・システム(22、24)によりその中に記憶されているデータベース(38、40)と、
ユーザにより入力されたキーワードを受信する入力手段(24)と、
ユーザにより入力されたキーワードと一致を生ずるキーワードを有する前記サーチ・リステイング(344)を識別し、前記識別されたサーチ・リステイング(344)のそれぞれを金額(358)を用いて順序付けし、順序付けされたいくつかの前記リステイング(344)を含む結果リスト(710)を発生するサーチ手段(24)と、
ユーザに結果リスト(710)を提供する出力手段(24)と、
結果リスト(710)から選択されたリステイング(344)に関する情報を検索するためのユーザからの要求を記録し、選択されたリステイング(344)に関連する金額(358)を選択されたリステイングに関連する情報提供者の口座に請求するための口座識別情報(342)を含んだ記録手段(22)と、
を含むコンピュータ・ネットワーク・サーチ・エンジン装置(22、24)。
②検索キーワードと対応する金額に応じた広告を送信
②検索キーワードに応じた検索結果を送信
③広告を含む検索結果を表示
①検索キーワードを入力
検索結果
12
宅配便のカード決済システム(SGホールディングス株式会社、株式会社JCB)
特許第3792650号(出願日:2001.8.23、登録日:2006.4.14)
ドライバー用携帯端末
宅配業者情報処理センター
①クレジットカード情報
クレジット会社②与信情報
の確認
③確認結果販売者
④入金
処理終了後カード情報は削除
処理終了後カード情報は削除
• 宅配業者が商品を届ける際に、商品の代金をカード決済することができるシステム• ホストコンピュータは、ドライバー用携帯端末からクレジットカード情報を取得し、クレジット会社へ送信、
クレジット会社から与信情報を受信したら、当該与信情報をドライバー用端末に送信し、販売者へ入金
【特許クレーム】商品の販売者と商品代金集金委託契約を結び、かつ複数のクレジット会
社と包括加盟契約を結んでいる宅配業者が、荷札を貼った前記商品からなる宅配物を荷受⼈に宅配する際に携帯する携帯用カード読取機と、情報処理センタに設けられ、前記携帯用カード読取機と無線通信回線を
介して接続する情報処理センタのホストコンピュータと、前記荷受⼈が加入し、かつ前記宅配業者が包括加盟契約を結んでいるク
レジット会社に設けられ、前記情報処理センタのホストコンピュータと通信回線を介して接続するクレジット会社の第1の決済サーバと、(中略)前記宅配業者の宅配管理サーバは、第2のデータベースと、前記情報処理センタのホストコンピュータから
の前記問い合わせ番号とこの問い合わせ番号に対応する前記商品金額およびクレジット会社名を受信して前記第2のデータベースに記憶する一方、前記規定時刻になった場合に、前記宅配業者の金融機関の第2の決済サーバから前記宅配業者の口座情報を送信させて前記第2のデータベースに記憶されている前記問い合わせ番号に対応させて記憶する手段と、前記第2のデータベースに記憶された前記商品の前記問い合わせ番号に
対応する前記宅配業者の口座情報に前記クレジット会社から前記金額Aの入金があるかどうかを調べ、前記金額Aの入金がある場合に前記金額Aから宅配手数料を差し引いた販売者への前記商品の払込依頼金額を求める手段と、この払込依頼金額を前記販売者の金融機関の第3の決済サーバに払い込
むための払込依頼情報として前記通信回線を介して前記宅配業者の第2の決済サーバに送信する手段とを有することを特徴とする宅配便のカード決済システム。
ホストコンピュータ
13
商品ボックス管理装置(江崎グリコ株式会社)特許第3986057号(出願日:2002.9.27、登録日:2007.7.20)
管理装置
販売員用端末
①販売員用端末で日付を指定
②管理装置が、指定された日付に訪問する商品ボックスの位置、補充する商品の種類・個数を販売員用端末へ通知
• 商品配置パターンのローテーション計画
• 販売員の訪問順序計画
• 管理装置は、予め商品配置パターンのローテーション及び販売員の訪問順序を計画、指定された日付に訪問する商品ボックスの位置、補充する商品の種類・個数を販売員用端末へ通知
【特許クレーム】複数の場所に設置された複数の商品ボックスを管理する商品ボックス管理装置であって、
複数の期間のそれぞれについての複数の商品配置パターンを定義し、前記複数の期間にわたって前記複数の商品配置パターンをローテーションさせることを定義するデータ構造を有する商品ローテーション計画データと、前記複数の場所を販売員が訪問する順序を定義するデータ構造を有する訪問計画データとを格納する格納手段であって、前記複数の商品配置パターンのそれぞれは、予め計画された種類の商品を予め計画された数だけ配置することを示し、前記複数の場所のそれぞれには、前記複数の商品配置パターンのいずれか1つが割り当てられている、格納手段と、
指定された日に訪問すべき場所と、前記指定された日に訪問すべき場所に対応する商品ボックスに配置すべき商品の種類と個数とを前記販売員に指示するデータ構造を有する商品配置指示データを作成する作成手段であって、
前記指定された日における前記訪問計画データを参照することによって、前記指定された日に訪問すべき場所を決定することと、
前記指定された日に訪問すべき場所のそれぞれに割り当てられた前記商品ローテーション計画データを参照することによって、前記指定された日に訪問すべき場所に対応する商品ボックスに配置すべき商品の種類と個数とを決定することと
によって、前記商品配置指示データを作成する、作成手段と を備えた、商品ボックス管理装置。
商品の補充・入替え
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畳レンタルシステム(株式会社小田畳商会)特許第4721018号(出願日:2008.7.12、登録日:2011.4.15)
・見積書作成ツール・契約書作成ツール・レンタル料金管理ツール・メンテナンス管理ツール・利益配分管理ツール
販売代理店メンテナンス代理店
施工代理店 顧客
製造元サーバ
インターネット
• 畳のレンタル契約申込から、メインテナンス管理にいたる一連の業務処理をサポートするシステム• 製造元サーバは、見積書作成ツール等の各種ツールにより、関係者間でインターネットを介して、見積書作成
、契約書作成、レンタル料金管理、メインテナンス管理、利益配分管理
【特許クレーム】製造元サーバに、販売代理店、施工代理店、メインテナンス代理店及び顧客の各ユーザ端末をインターネットを介して接続し、各々相互に送受信してレンタル契約申込からメインテナンス管理にいたる一連の流れのレンタル業務処理を有する畳レンタルシステムであり、製造元ホームページに、少なくとも商品・資材の案内、仕様・価格、レンタル契約の案内・申込を含むユーザ情報、各代理店加入申込、販売代理店ユーザ情報・依頼事項、メインテナンス代理店ユーザ情報・依頼事項、施工代理店ユーザ情報・依頼事項の各ページを開くクリックボタンを設け、前記製造元サーバに、少なくとも前記各ユーザ情報及び各依頼事項を蓄積したデータベースと、前記メインテナンス代理店又は施工代理店が作成した見積情報を製造元又は販売代理店が顧客の端末へ発信するようにした見積書作成ツールと、レンタル契約及び代理店契約を含む契約基本フォーマットを有し、これらフォーマットに基づき各代理店及び顧客が相互に該契約条項を確認、追加できるように送受信することにより各契約書を作成するようにした契約書作成ツールと、レンタル管理情報を前記各ユーザが適時送受信できるようにするレンタル料金管理ツールと、メインテナンス管理情報を前記各ユーザが適時送受信できるようにするメインテナンス管理ツールと、レンタル契約書及び代理店契約書の条項で定められた利益配分率に従って計算して関与した各代理店への配分を管理する利益配分管理ツールとを設け、前記クリックボタンを選択することにより、前記各ツールにより、販売代理店、施工代理店、メインテナンス代理店及び顧客の各ユーザ端末からインターネットを介して、前記見積書作成、契約書作成、レンタル料金管理、メインテナンス管理、利益配分管理を製造元のサーバ上で一貫して行うようにしたものであって、前記見積書作成ツールはメインテナンス代理店又は施工代理店が前記ユーザ情報の商品・資材の案内、仕様・価格、及び依頼事項を参考にレンタル見積書記載事項を入力することにより作成するもので、前記契約書作成ツールは前記見積書作成ツールより見積情報を契約基本フォーマットへ自動入力し、前記レンタル料金管理ツールは契約書作成ツールにおける前記レンタル契約条項を自動的に保存し、前記メンテナンス管理ツールは前記契約書作成ツールにおけるメンテナンス管理情報を自動的に保存し、前記利益配分管理ツールは前記レンタル契約条項及び代理店契約書の条項で定められた利益配分率に従って計算することを特徴とする畳レンタルシステム。
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情報管理システム(株式会社ハッピー)特許第5299864号(優先日:2009.3.19、登録日:2013.6.28)
店舗
再生産処理工場
カウンセリングセンター
サーバ
専用回線
各種情報の一括管理
顧客に関する情報
カウンセリングに関する情報
再生産処理に関する情報
ケアメンテ®
• 顧客から預かった品物に対して再生産処理を施すサービスであって、顧客とのカウンセリングを実施• サーバは、再生産処理に必要な処理情報(属性情報、カウンセリング情報等)を取得し、電子カルテに追加、
再生産処理工場に設置された端末は、電子カルテに記憶された処理情報をサーバから受信して、作業者に教示
【特許クレーム】顧客から預かり物を預かった後に、顧客へのカウンセリングによって決定し
た再生産処理を施して、顧客に返還するサービスシステム内の情報を、管理する情報管理システムであって、サービス本部に設置され、前記サービスシステム内の情報を一元管理する
サーバ装置と、前記サービス本部に設置されるとともに、前記サーバ装置の管理下で稼動さ
れ、前記預かり物に対して取得された情報を管理し、再生産処理に必要な情報を蓄積する電子カルテを記憶するデータベースと、入荷される預かり物を受け付ける入荷受付ステーションに設置されるととも
に、入荷された預かり物を構成する物品の属性を示す属性情報と、該預かり物を構成する物品における再生産処理の要因を示す状態情報との入力を少なくとも受け付けて、前記サーバ装置に送信する入荷受付用端末装置と、
カウンセリングセンターに設置されるとともに、外部ネットワークにより前記サーバ装置と接続されており、前記入荷受付ステーションで受け付けられた預かり物に関して、顧客との通信によって実行されたカウンセリングによって取得した処理情報を前記サーバ装置に送信するカウンセリング用端末装置と、再生産処理工場に設置されるとともに、前記外部ネットワークにより前記サーバ装置と接続されており、前記電子カルテに記憶された、再生産処理すべき預かり物に関する処理情報を、前記サーバ装置より受信して、預かり物を再生産処理する作業者に教示する作業用端末装置と、を備え、前記サーバ装置は、前記入荷受付用端末装置より送信された預かり物の属性
情報及び状態情報を受信する毎に、前記データベース内の対応した電子カルテに、受信した前記属性情報及び状態情報を追加して記憶させるとともに、これらの属性情報及び状態情報に基づいてカウンセリング用情報を生成し、前記カウンセリング用端末装置は、前記カウンセリング用情報を、前記サー
バ装置から受信して、前記カウンセリングセンターの作業者に教示することを特徴とする、情報管理システム。
16
オブジェクト表示サーバ(楽天株式会社)特許第5180415号(優先日:2011.1.13、登録日:2013.1.18)
• ユーザから送信された商品画像にオブジェクトデータを重畳して表示するAR関連技術• 行動情報が同じユーザをグループ化して、グループ毎のオブジェクトデータを生成し、送信
された商品の画像にオブジェクトデータを重畳して送信
各種サーバ
ユーザ
【特許クレーム】商品に関する処理対象物を映している端末の画面上に表示用オブジェ
クトを重畳して表示させるオブジェクト表示サーバであって、前記表示用オブジェクトを要求する前記端末から前記処理対象物の画
像を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された画像に対する画像認識処理の結果と商
品データベースに記憶されている商品データとに基づいて、前記処理対象物に対応する商品を特定する商品特定手段と、
商品に対して⼈が取った所定の行動を示す行動データを記憶する行動データベースを参照して、前記商品特定手段により特定された商品に対して所定の行動を取った一以上の⼈を特定し、該一以上の⼈のそれぞれについて、該⼈の行動を示す行動情報を含むオブジェクトデータを生成する⼈特定手段と、
前記⼈特定手段により生成された一以上のオブジェクトデータから一以上の表示用オブジェクトを生成するオブジェクト生成手段と、
前記オブジェクト生成手段により生成された一以上の表示用オブジェクトを前記端末の画面上に重畳して表示させるために、該一以上の表示用オブジェクトを該端末に送信する送信手段とを備え、
前記オブジェクト生成手段が、前記一以上のオブジェクトデータを前記行動情報が同じもの同士でグループ化し、各グループについて一つの前記表示用オブジェクトを生成し、少なくとも一つのグループと他のグループとの間で表示態様が異なるように各表示用オブジェクトを生成する、ことを特徴とするオブジェクト表示サーバ。
他のユーザ
②表示用オブジェクトを商品の画像に重畳し送信
⓪-1 行動情報を受信
①商品の画像を送信
ネットワーク
⓪-2 行動情報が同じ同士をグループ化、対応するオブジェクトを生成
17
二次事故防止方法(LOC & ALL Inc. )特許第6067807号(優先日:2012.8.20、登録日:2017.1.6)
• 交通事故時、2次衝突事故防止のための事故お知らせシステム• 車両のXYZ軸の加速度情報に基づいて、車両の衝突を検出し、周辺車両の情報から事故発生
を確認すると、周辺車両へ事故の発生を通知
サーバプラットフォーム【特許クレーム】車両の異なる3方向の加速度情報に基づいて衝撃の発生を検出す
る前記車両に設けられた端末機と通信するサーバープラットフォームを使用して、前記車両の最初の事故に続く、二次事故を防止するための方法であって、
前記サーバープラットフォームによって、前記衝撃の発生の検出に応答して、前記車両の速度に基づいて、所定の時間の間に前記車両が停止しているか否かを判断する段階と、
前記サーバープラットフォームによって、前記車両がある時間間隔の間に停止していると判断された場合、事故の発生を判断し、前記車両がある時間間隔の間に停止していると判断された場合、当該車両の前方の車両に比べ、当該車両の後方の車両がより低い速度で走行するか否かの判断に基づく前記事故の発生を確認する段階と、
前記サーバープラットフォームによって、当該車両の前方の車両に比べ、当該車両の後方の車両がより低い速度で走行するとき、前記事故が発生したことを検出する段階と、
前記サーバープラットフォームによって、前記事故が検出された場合、当該車両の近くの車両に設けられた前記端末機に事故の発生を知らせる段階と、を備え、
前記衝撃の発生を検出する段階は、X軸(体軸方向)、Y軸(横軸方向)、およびZ軸(長手軸方向)上で測定されたそれぞれの加速度をフィルタリングし、前記フィルタリングされた加速度の絶対値を合計し、合計した加速度の絶対値に基づいて、衝撃の発生を検出する、ことを特徴とする方法。
ネットワーク
事故車両
①XYZ軸の加速度情報に基づいて衝突を検出
②事故車両の前後方の車両情報から事故発生を確認
③事故車両の近辺の車両へ事故の発生を通知
18
農作管理システム(株式会社クボタ)特許第6116173号(出願日:2012.9.26、登録日:2017.3.31)
農地:ZZZ
面積 19.6ha 平均水分 21.2%
作物 コシヒカリ 平均タンパク 5.94%
作業進捗 収穫完了 最高水温 20°
作業時間 45分 消費燃料 10L
収穫量 8.7俵/10a ・・・ ・・・
• 収穫作業中の農地情報と、収穫された農作物の品質を含む農作物情報に基づいて農作管理• サーバに蓄積された農地情報と農作物情報のデータベースに基づいて、収穫時の品質等を管理
【特許クレーム】コンバインによって収穫作業が行われる農地に関する農地情報と、前記収穫作業で得られた農作物に関する農作物情報とを管理する農作管理システムであって、
前記農地情報として収穫作業位置を示す収穫位置データと、前記農作物情報として前記農地で収穫された農作物の収穫量を示す収穫量データ及びその水分値、タンパク値を含む品質を示す品質データと、を前記コンバインから受け取るデータ入力部と、
前記農地情報と前記農作物情報とを互いに関連付け可能に記録するデータベースサーバと、
前記農地情報と前記農作物情報とに基づいて、前記収穫量と目標収穫量とを比較すると共に前記品質と目標品質とを比較して、前記農地の農作評価を行う農作評価部と、
前記農地における微小区画の範囲内に含まれる前記収穫作業位置を示す前記収穫位置データに関連付けられた前記収穫量データ及び前記品質データに基づいて、前記微小区画における前記農作評価の結果を図表化する図表化処理部と、
前記農作評価部によって生成された農作評価データ及び前記図表化処理部によって図表化された図表化データを、ユーザのリクエストに応じて送り出すデータ出力部と、を備えた農作管理システム。
ネットワーク
サーバ ②農地情報と農作物情報エータベースに管理
①農地情報と農作物情報をサーバへ送信
19
• 移動体のワイパーの画像に基づいて、天候情報を生成し、位置情報とともにサーバへ送信• サーバは、天候情報及び位置情報を基に、天候状況のマップを生成
サーバ【特許クレーム】移動体と共に移動する情報送信装置であって、撮影手段と、前記撮影手段によって撮影された前記移動体
のワイパーの画像に基づいて、前記撮影手段による撮影場所での天候状況を示す天候情報を生成する天候情報生成手段と、
前記撮影場所の位置情報を取得する取得手段と、
前記天候情報及び前記位置情報を送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする情報送信装置。
情報送信装置(パイオニア株式会社)特許第6064045号(出願日:2013.6.11、登録日:2016.12.22)
ネットワーク
弱 強
①ワイパーの画像に基づいて天候情報を生成
②天候情報と位置情報を送信
③天候状況のマップを生成
20
障害予兆診断装置(富士ゼロックス株式会社)特許第6075240号(出願日:2013.8.16、登録日:2017.1.20)
被監視装置(画像形成装置)
• 被監視装置(画像形成装置等)の内部状態を示す複数のパラメータに基づいて、精度よく障害の予兆診断を実施• 取得した複数のパラメータを複数のクラスタに分割し、クラスタ毎に障害予兆診断モデルを作成• 作成した障害予兆診断モデルに基づいて障害予兆を診断
障害予兆診断装置【特許クレーム】被監視装置の内部状態を示すパラメータであって互いに関連
して変化する複数のパラメータの特徴量を要素としたパラメータ空間を分割したクラスタであり、被監視装置に障害又は保守作業が発生した時点から遡った予め定められた長さの期間における前記複数のパラメータの特徴量の分布の偏りに基づいて分割したクラスタ毎に、前記期間における前記複数のパラメータの特徴量の分布と他の期間における前記複数のパラメータの特徴量の分布とに基づく予兆診断モデルを記憶する記憶手段と、診断対象の被監視装置について、当該診断の時点から遡った
予め定められた長さの期間における前記複数のパラメータの特徴量を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記複数のパラメータの特徴
量の分布に応じたクラスタの予兆診断モデルを選択する選択手段と、前記取得手段により取得された前記複数のパラメータの特徴
量の分布と前記選択手段により選択された予兆診断モデルとに基づいて、診断対象の被監視装置に障害が発生する確率を算出する算出手段と、を備えたことを特徴とする障害予兆診断装置。
ネットワーク
①内部状態を示すパラメータを送信
②取得したパラメータを複数のクラスタに分割
③被監視装置の障害発生確率を算出
21
産業機械作業分担システム(ファナック株式会社)特許第6114421号(出願日:2016.2.19、登録日:2017.3.24)
故障
状態通知 作業分担
機械学習
各産業ロボットの状態(作業の開始と終了の時刻やその時の消費電力など)を取得。
作業負荷がロボットの許容範囲内か、作業時間を短縮できたか等により、プラス報酬とマイナス報酬を与えて機械学習を行い、作業分担を更新していく。
• 複数の産業ロボットの状態を検知し、機械学習を用いて作業分担を最適化するシステム• あるロボットが途中で故障しても、残りのロボットで品質が落ちないよう作業を分担
【特許クレーム】複数の産業機械により作業を行い、前記複数の産業機械にお
けるいずれかの産業機械が停止した場合に、停止した前記産業機械の作業を、停止した前記産業機械を除く残りの産業機械で分担するように、作業分担を学習する機械学習装置であって、前記複数の産業機械の状態量を観測する状態量観測部と、前記状態量観測部により観測された前記状態量に基づいて、
前記複数の産業機械に対する作業分担を学習する学習部と、を備え、前記状態量観測部は、前記複数の産業機械により繰り返し行
われる一連の作業の開始から終了までの作業時間、および、前記作業の開始から終了までの,前記複数の産業機械のそれぞれにおける作業負荷を観測し、前記学習部は、前記状態量観測部の出力に基づいて、前記作
業負荷が、前記産業機械が許容する負荷を超えるときはマイナス報酬を設定し、前記作業時間を短縮できたときはプラス報酬を設定し、前記作業時間を短縮できなかったときは報酬なしを設定する報酬計算部と、
前記状態量観測部の出力および前記報酬計算部の出力に基づいて、前記複数の産業機械に対する作業分担の価値を定める行動価値テーブルを、前記報酬に応じて更新する価値関数更新部と、を備える、ことを特徴とする機械学習装置。
22
取引管理システム(本田技研工業株式会社)特許第6234526号(出願日:2016.9.20、登録日:2017.11.2)
• 車車間での、受電や売電などの取引情報をブロックチェーン技術を用いて管理• 個⼈間での小規模取引の容易性や、改ざん防止による信頼性の向上
【特許クレーム】給電側及び受電側の間の電力取引を管理する取引管理装置を備え、 前記取引管理
装置は、(i)前記給電側から前記受電側への給電を管理する給電管理装置、(ii)前
記給電側の機器、(iii)前記給電側のユーザの通信端末、(iv)前記受電側の機器、及び、(v)前記受電側のユーザの通信端末の少なくとも1つから、通信ネットワークを介して、(a)前記給電側を識別するための給電側識別情報、(b)前記受電側を識別するための受電側識別情報、及び、(c)前記給電側の機器から供給された電力量又は前記受電側の機器に供給された電力量に関する給電情報が対応付けられた、取引情報を取得する取引情報取得部と、 前記取引情報取得部が取得した前記取引情報を格納する取引情報格納部と、
(i)前記給電管理装置、(ii)前記給電側の機器、(iii)前記給電側のユーザの通信端末、(iv)前記受電側の機器、及び、(v)前記受電側のユーザの通信端末の少なくとも1つから、前記通信ネットワークを介して、(a)前記給電側の機器から供給された電力量又は前記受電側の機器に供給された電力量に関連する物理量を測定する測定部を識別する測定部識別情報、及び、前記給電管理装置を識別する給電管理装置識別情報の少なくとも1つと、(b)前記測定部の特性を示す特性情報、及び、前記測定部又は前記給電管理装置の認証に利用されるパスフレーズの少なくとも1つを含む認証情報と、が対応付けられた情報を取得する認証情報取得部と、 予め、(a)前記測定部識別情報及び前記給電管理装置識別情報の少なくとも1つと、(b)前記認証情報とを対応付けて格納する認証情報格納部と、 前記認証情報取得部が取得した前記認証情報、及び、前記認証情報格納部に予め格納されていた前記認証情報を照合して、両者が一致した場合に前記測定部又は前記給電管理装置を認証する給電管理装置認証部と、
を有する、 取引管理システム。受電側車両 給電側車両
給電側ID受電側ID給電情報
取引管理装置
ブロックチェーンネットワーク
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1. 「コト」の時代におけるビジネス関連発明
2. ビジネス関連発明の特許取得事例
3. ビジネス関連発明の特許取得の留意点
4. ビジネス関連発明の特許審査事例
5. ビジネス関連発明の海外での審査実務
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3.特許取得の留意点 特許を取得するための代表的要件
参考:特許庁 特許・実用新案審査ハンドブック 附属書B 第1章コンピュータソフトウエア関連発明https://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/pdf/handbook_shinsa_h27/app_b1.pdf
①発明該当性特許法上の「発明※」であるか?
(特許法2条、29条柱書)
②記載要件発明は明確か?
(特許法36条)
③新規性、進歩性これまでになく、容易に思いつかないものか?
(特許法29条1項、2項)
特許取得のためには、すべての要件を満たす必要がある
論点1:ビジネス関連発明について問題になり得る論点
論点2:サブコンビネーション発明の新規性・進歩性
※特許法2条 この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。
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3.特許取得の留意点 論点1:発明該当性を満たすためには~ピザの配達を例に~
ビジネス方法それ自体=発明該当性を満たさない
ソフトウエアによる情報処理が、ネットワークやコンピュータを使って具体的に実現=発明該当性を満たす
•ネットで注文受付•配送先と時間をDB管理•配達予測時間を計算し、調理順を管理・・・
新たなビジネスアイディアをICTを用いて実現する際に、ビジネス関連発明としての特許出願の必要性を検討すべき
30分で配達できなければ無料にするサービス
ピザの調理・配達管理システム
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3.特許取得の留意点 論点2:サブコンビネーション発明
• システム全体で特許を取得するだけなく、システムの要素であるサブコンビネーション(サーバ、クライアント端末等)での特許取得も可能
• システム全体で特許を取得するより、サブコンビネーション発明の方が権利行使が容易な場合がある
サブコンビネーション(入力端末)
サブコンビネーション(ホスト端末)
サブコンビネーション(データベース)
コンビネーション(システム全体)
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(参考) サブコンビネーション発明の新規性・進歩性
(A)「他のサブコンビネーションに関する事項」が、(B)「請求項に係るサブコンビネーションの発明」の構造、機能等を特定していない場合には、(A)は、(B)を特定するための意味を有しないものとして発明を認定。
詳細は、特許庁 「特許・実用新案審査基準」 第Ⅲ部第2章第4節参照https://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/pdf/tukujitu_kijun/03_0204.pdf
例:検索ワードをホスト端末に送信し、検索結果を受信して表示手段に表示することができる入力端末であって、前記ホスト端末が検索ワードの検索頻度に基づいて検索手法を変更することを特徴とする入力端末。
解説:下線部の記載は、ホスト端末を特定しているのみで、入力端末の構造、機能等を特定していない。したがって、下線部は入力端末の発明に対して意味を有しないものとして認定。 (B)請求項に係る
サブコンビネーション(入力端末)
(A)他のサブコンビネーション(ホスト端末)
1.検索ワード
2.検索結果
3.検索手法変更
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2. ビジネス関連発明の特許取得事例
3. ビジネス関連発明の特許取得の留意点
4. ビジネス関連発明の特許審査事例
5. ビジネス関連発明の海外での審査実務
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4. ビジネス関連発明の特許審査事例
については、HP掲載資料からは削除しております。
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2. ビジネス関連発明の特許取得事例
3. ビジネス関連発明の特許取得の留意点
4. ビジネス関連発明の特許審査事例
5. ビジネス関連発明の海外での審査実務
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5.海外での審査実務 主要特許庁の発明該当性の考え方
ソフトウエアによる情報処理が、ハードウエア資源を用いて具体的に実現されていること
次の3点を満たしていること(1)特許出願に記載されているものが技術的課題を解決するためのものである(2)技術的手段を採用している(3)技術的効果を奏する
クレームが4つの法定カテゴリの1つを対象としていること(第1ステップ)自然法則、自然現象、抽象的アイデア(3つの例外)でないこと(第2Aステップ)3つの例外に該当する場合、例外を顕著に超えたものであること(第2Bステップ)
主題が技術的性質を含むこと
ソフトウエアによる情報処理が、ハードウエア資源を用いて具体的に実現されていること
(参考)・各国における近年の判例等を踏まえたコンピュータソフトウエア関連発明等の特許保護の現状に関する
調査研究報告書 (平成29 年11月 一般社団法⼈ 日本国際知的財産保護協会)・2014 Interim Guidance on Subject Matter Eligibility(May 2016 Updated, USPTO)
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5.海外での審査実務 主要特許庁の進歩性の考え方特定分野に利用されている技術等を他の特定分野に適用することは、当業者の通常の創作活動の範囲内のもの「速く処理できる」、「大量のデータを処理できる」、「誤りを少なくできる」、「均一な結果が得られる」などのシステム化による一般的な効果は顕著な効果ではない
発明と引例との相違点に関し、引例技術と比較して、有益な効果を発揮するものの、その効果が非技術的である場合は、創造性なし
コンピュータソフトウエアやビジネスモデルに特有のテストはない
技術的性質に貢献しない純粋に非技術的な特徴だけが相違点となる場合には、進歩性が否定される
⼈間が一般的に遂行する業務をシステム化してコンピュータにより実現することは、通常のシステム分析手法及びシステム設計手法を利用した日常的作業で可能な程度のものであれば、当業者の通常の創作能力の発揮に該当
(参考)・各国における近年の判例等を踏まえたコンピュータソフトウエア関連発明等の特許保護の現状に関する
調査研究報告書 (平成29 年11月 一般社団法⼈ 日本国際知的財産保護協会)
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5.海外での審査実務 米国における発明該当性の判断枠組み
第2Aステップクレームが司法例外(*)に向けられているか?(*:自然法則、自然現象、抽象的
アイディア)
第2Bステップクレームが司法例外を遙かに超えるもの(significantly more)を有しているか?
×該当性なし○該当性あり
NO
YES
YES
NO
Enfish, LLC v. Microsoft Corp. (Fed. Cir. May 12, 2016)
• クレームされた発明が、明細書の観点で、従来のコンピュータを超える利点をもたらしている場合は、抽象的アイディアに向けられていない。
DDR Holdings, LLC v. Hotels.com, L.P.(Fed. Cir. Dec 5, 2014)
• クレームが、従来とは異なる方法で、この技術的環境に特有の解決方法を実行することにより、インターネットに特有の技術的課題を解決している。
各ステップの主な判例法最高裁が示した判断枠組み
• 最高裁(Mayo 2012, Alice 2014)が示した発明該当性の判断枠組みが、現在の実務の基礎• Enfish判決(2016.5.12)以前は、第2Aステップでの反論は困難で、第2Bステップのみ反論可• Enfish判決以降、第2Aステップでの反論が可能になり、対応の選択肢が増加
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5.海外での審査実務 欧州特許庁における発明該当性 技術的性質(technical character)
技術的性質の評価
欧州特許庁審査ガイドライン Part G 第II章 3.6 コンピュータ・プログラム
第52条(2)の品目一覧には「コンピュータ・プログラム」が含まれているが、クレームされた主題が技術的性質(technical character)を有する場合は、第52条(2)及び(3)の規定による特許性除外の対象とならない。
欧州特許庁審査ガイドライン Part G 第II章 3.6 コンピュータ・プログラム
技術的性質の評価は、先行技術を考慮することなく行われる。 技術的手段(既知のものであってもよく、例えば、コンピュータ、コンピュータネット
ワーク、プログラム記録媒体など)をクレームに含めることにより、クレームされた主題は技術的性質を備えることになる。
コンピュータプログラムが更なる技術的効果をもたらす場合、特許保護の対象から除外されない。
クレームに何らかの技術的手段(コンピュータやコンピュータネットワークなど)を記載すれば、それだけで発明該当性を満たす
発明該当性を満たさないのは、純粋な抽象概念がクレームされている場合など限定的な場合のみ
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• 技術的性質に貢献しない純粋な非技術的特徴に関する判断は日本と異なる
5.海外での審査実務 欧州特許庁におけるビジネス関連発明の進歩性
発明の技術的特徴、非技術的特徴の特定 発明の特徴を以下の2つに区分する
• その発明の技術的性質に貢献する技術的特徴• その発明の技術的性質に貢献しない非技術的特徴
発明の進歩性の判断(課題解決アプローチ) 審査ガイドライン Part G 第VII章 5.4)① 達成された技術的効果から、クレームの技術的特徴を特定② クレームされた主題の技術的特徴に基づき、最も近い先行技術を選択③ 最も近い先行技術との相違点から、相違点における技術的特徴および非技術的特徴を特定
相違点がない(非技術的な相違点すらない)場合、新規性欠如 相違点が非技術的特徴のみの場合、先行技術に対する技術的な貢献がないという理由で進歩性欠如 相違点に技術的特徴が含まれる場合、
技術的特徴により達成される効果に基づいて客観的な技術的課題を設定 相違点に非技術的特徴が含まれる場合、当該非技術的特徴に基づく効果は「与えられたもの」として判断
④ 最も近い先行技術を出発点として、上記客観的な技術的課題を解決するために、クレームされた発明が当業者にとって自明であったか否かの判断を行う
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5.海外での審査実務 欧州特許庁におけるビジネス関連発明の判断事例
【請求項】注文コードを含む注文情報をコンピュータに入力するステップ、前記コンピュータに前記注文情報を格納するステップ、前記注文コードを含む前記注文情報を中央管理コンピュータ処理ユ
ニットに伝送するステップから構成されるコンピュータ実装された注文方法
技術的特徴情報をコンピュータに入力するス
テップ、情報をコンピュータに格納するス
テップ、前記情報を中央管理コンピュータ
処理ユニットに伝送するステップから構成されるコンピュータ実装
された方法
非技術的特徴注文情報を入力すること前記注文情報は注文コードを含む
こと前記注文情報を中央管理処理ユ
ニットに送ること
① クレームに技術的手段(コンピュータ)が記載されているので、発明該当性を満たす
※出典:EPO e-learning center, Patentability of computer-implemented inventions at the EPO - Module 2
② 進歩性の判断において、クレームされた発明の非技術的特徴は、技術的性質に貢献するか否かにより、判断が変化する。
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5.海外での審査実務 中国における発明該当性の判断枠組み
技術的効果を奏するか?自然法則に合致した技術的効果を獲得するか?
技術的手段を有するか?コンピュータ外部又は内部の対象を制御、又は処理する際に、
自然法則に準拠した技術的手段が反映されているか?
×該当性なし ○該当性あり
特許出願(請求項、明細書)に記載されているかどうかで判断する。
技術的課題を解決するか?技術的課題を解決することが
コンピュータプログラムを実行する目的であるか?
NO
NO
NO
YES
YES
YES
実務的な判断枠組み
• 特許出願に記載されているものが発明の三要素(技術的課題、技術的手段、技術的効果)を満たす場合、発明該当性を有する。
• 審査実務では、請求項の記載とともに、明細書の記載に鑑みて判断している模様。
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(参考)ビジネス関連発明に関する特許庁ホームページ
②:「特許・実用新案審査ハンドブック」附属書B 第1章コンピュータソフトウエア関連発明<https://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/pdf/handbook_shinsa_h27/app_b1.pdf>
②
①:ビジネス関連発明の最近の動向について<https://www.jpo.go.jp/seido/bijinesu/biz_pat.htm>
①
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ご清聴ありがとうございました
ビジネス関連発明に関するお問い合わせは審査第四部 審査調査室まで
電話:03-3581-1101 (内線)3507E-mail :[email protected]