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腎臓リハ NEWS LETTER No.2 2013.6.15 発行 1 東北大学上月でございますこの 2 年間会員皆様方にはご指導鞭撻協力りましてにありがとうございましたまたこの日本腎臓 リハビリテーション学会理事長2 期目 としてご推挙頂きまして有難うございます大変光 じておりますとともにその責任さをじております微力ではありますがめまして理事監事代議員先生方のご指導鞭撻協力りながら精一杯頑張りたいとじます腎臓リハビリテーション 以下腎臓リハとは腎疾患透析医療づく身体的精神的影響させ症状調整生命予後改善心理社会 ならびに職業的状況改善することを目的とし 運動療法食事療法水分管理薬物療法教育精神心理的サポートなどを長期にわたる括的なプログラムによるリハです本学会げから 2 年間基盤構築腎臓ハにする認知度向上普及促進めてきまし その結果本邦初腎臓リハの成書である 腎臓 リハビリテーション」(医歯薬出版発刊NHK きょうの健康透析中もできる腎臓リハ」、「名医Q中高年運動術 あなたの疑問えます」、 読売 新聞週刊文春などマスコミ各社でも腎臓リハがされるようになりましたまた2012 2013 北京国際リハフォーラムや 2013 年国際リハ医学会 ISPRM)、での腎臓リハの講演日本心臓リハ学会 など関連学会との共催シンポジウムの開催など調展開していますさらに平成 26 年度診療報酬 改定けて慢性腎臓病リハ申請いまし ベッド設置できる負荷量可変式エルゴメー タの機器開発にも多施設協同研究開始 されようとしています2 期目では1 期目2 年間方向性方針 拡大充実させ腎臓リハの普及学術推進際化次世代育成主眼をおきくの腎機能障害者 福音となるようにみたいとっております事会代議員会総会えて各種委員会として診療報酬対策委員会学会誌刊行検討委員会設置 することにいたします2 年前本学会設立および1 回学術集会 上月正博会長東北大学医学部艮陵会館では 60 程度有志出席者からのスタートでしたが昨年 2 回学術集会伊藤貞嘉会長仙台国際センタ では 200 名超出席者となり今年3 回学術 集会 草野英二会長とちぎ健康には 450 える会員および一般参加者出席文字通ップステップジャンプの飛躍的発展せてお ります4 学術集会2014 3 29 30 福岡国際会議場において斉藤喬雄副理 事長のもと開催予定されておりより盛会となる ことが期待されます学会事務局には入会希望連絡現在もほぼ毎日 っている状況ですしかし看護師理学療法士薬剤師などコメディカルの会員数十分とはい えません腎臓リハに興味たれたにはこの 機会是非入会めていただければとじます末筆ながら会員皆様方にはきご指導協力りますようくれぐれもしくおげます日本腎臓リハビリテーション学会 Japanese Society of Renal Rehabilitation http://jsrr.jimdo.com 日本腎臓リハビリテション学会 Japanese Society of Re http://jsrr. jimdo.co 腎臓リハ 発行:一般社団法人 日本腎臓リハビリテーション学会 〒980-8574 仙台市青葉区星陵町1-1 東北大学大学院医学系研究科 内部障害学分野 Tel:022-717-7353 Fax:022-717-7355 Mail:[email protected] ation enal Rehabilita om 理事長再任挨拶 No.2 一般社団法人 日本腎臓リハビリテーション学会 理事長 上月 正博

日本腎臓リハビリテーション学会 Japanese Society of Renal ......腎臓リハ NEWS LETTER No.2 2013.6.15発行 1 東北大学の上月でございます。この2 年間会員の

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腎臓リハ NEWS LETTER No.2 2013.6.15発行 1

東北大学の上月でございます。この 2年間会員の皆様方にはご指導、ご鞭撻、ご協力を賜りまして、誠にありがとうございました。またこの度は、日本腎臓リハビリテーション学会理事長に引き続き第 2期目としてご推挙頂きまして有難うございます。大変光栄に存じておりますとともに、その責任の重さを感じております。微力ではありますが、改めまして、会員、理事、監事、代議員の先生方のご指導、ご鞭撻、ご協力を賜りながら、精一杯頑張りたいと存じます。腎臓リハビリテーション(以下、腎臓リハ)とは、

腎疾患や透析医療に基づく身体的・精神的影響を軽減させ、症状を調整し、生命予後を改善し、心理社会的ならびに職業的な状況を改善することを目的として、運動療法、食事療法と水分管理、薬物療法、教育、精神・心理的サポートなどを行う、長期にわたる包括的なプログラムによるリハです。本学会の立ち上げから 2年間、基盤構築と腎臓リ

ハに関する認知度向上や普及・促進に努めてきました。その結果、本邦初の腎臓リハの成書である「腎臓リハビリテーション」(医歯薬出版)を発刊し、NHK「きょうの健康:透析中もできる腎臓リハ」、「名医にQ:中高年の運動術 あなたの疑問に答えます」、読売新聞、週刊文春などマスコミ各社でも腎臓リハが紹介されるようになりました。また、2012年、2013年北京国際リハフォーラムや 2013年国際リハ医学会(ISPRM)、での腎臓リハの講演、日本心臓リハ学会など関連学会との共催シンポジウムの開催など、順調に展開しています。さらに、平成 26年度診療報酬改定に向けて慢性腎臓病リハ料の申請を行いました。ベッド上に設置できる負荷量可変式エルゴメー

タの機器開発にも取り組み、多施設協同研究も開始されようとしています。第 2期目では、第 1期目の 2年間の方向性と方針

を拡大、充実させ、腎臓リハの普及、学術の推進、国際化、次世代育成に主眼をおき、多くの腎機能障害者の福音となるように進みたいと思っております。理事会、代議員会、総会に加えて、各種委員会として、診療報酬対策委員会、学会誌刊行検討委員会を設置することにいたします。

2年前の本学会設立の会および第 1回学術集会(上月正博会長、東北大学医学部艮陵会館)では 60名程度の有志の出席者からのスタートでしたが、昨年の第 2回学術集会(伊藤貞嘉会長、仙台国際センター)では 200名超の出席者となり、今年の第 3回学術集会(草野英二会長、とちぎ健康の森)には 450名を超える会員および一般参加者が出席し、文字通り、ホップ、ステップ、ジャンプの飛躍的な発展を見せております。第 4回の学術集会は、2014年 3月 29日(土)~30(日)に福岡国際会議場において、斉藤喬雄副理事長のもと開催が予定されており、より盛会となることが期待されます。学会事務局には入会希望の連絡が現在もほぼ毎日

入っている状況です。しかし、看護師、理学療法士、薬剤師などコメディカルの会員数は十分な数とはいえません。腎臓リハに興味を持たれた方々には、この機会に是非ご入会を勧めていただければと存じます。末筆ながら、会員の皆様方には引き続きご指導ご

協力を賜りますよう、くれぐれも宜しくお願い申し上げます。

日本腎臓リハビリテーション学会Japanese Society of Renal Rehabilitation

http://jsrr.jimdo.com

日本腎臓リハビリテーション学会Japanese Society of Re

http://jsrr.jimdo.co

腎臓リハ発行:一般社団法人 日本腎臓リハビリテーション学会

〒980-8574 仙台市青葉区星陵町1-1 東北大学大学院医学系研究科 内部障害学分野Tel:022-717-7353 Fax:022-717-7355 Mail:[email protected]

ationenal Rehabilita

om

理事長再任ご挨拶

No.2

一般社団法人 日本腎臓リハビリテーション学会

理事長 上月 正博

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腎臓リハ NEWS LETTER No.2 2013.6.15発行2

現在わが国は人口の高齢化が進むとともに、心血管危険因子である高血圧、肥満、糖尿病や脂質異常症を有する患者も増加しています。その結果、単一臓器に限局する障害を持つ患者はむしろ稀であり、程度の違いこそあれ、1人の患者が脳・心・腎などの多臓器にわたる障害を有することは決して珍しいことではありません。脳・心・腎の間には密接で、かつ、精巧な機能的連

関があります。この連関には、細胞外液、すなわち、内部環境の恒常性と循環の維持が重要な役割を果たしています。しかし、いったん、脳・心・腎のいずれかが障害されると、この臓器連関により単一臓器の機能不全への進展のみならず、互いの臓器を障害していく負の連鎖を形成します。腎臓は心臓から拍出された多くの血液量を受け、

全身の血行動態に応じたさまざまな神経体液性因子に反応して体液量や電解質を調節し、その結果、心血管機能に影響を与えています。近年、心疾患患者の生命予後は腎機能により大きく影響を受ける一方、腎機能障害患者の主要な死因は心血管病であることが

明らかにされ、心腎連関という概念で注目を集めています。心不全では交感神経系やレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系、バゾプレッシンなど神経体液性因子が活性化され、糸球体濾過量やナトリウム利尿の低下が生じ、体液が増加します。一方、心臓より分泌されるナトリウム利尿ペプチドは体液増加の阻止に作用します。また、糖・脂質のエネルギー代謝も脳・心・腎などの機能調節に関わっていることが明らかになっています。このような臓器連関の病態生理を理解するととも

に、各患者の主要疾患への検査や治療などが、他の臓器に与える影響を理解することはきわめて重要です。そこで、本学会は関連学会でもある日本心臓リハビリテーション学会との連携を深め、本年 7月に仙台で開催される第 19回日本心臓リハビリテーション学会学術集会において、シンポジウム「心臓と他臓器のコミュニケーション(臓器連関)を知る」を共催します。両学会の会員のみならず、多くの方々に本シンポジウムへご出席いただけますようにお待ちしています。

一般社団法人 日本腎臓リハビリテーション学会

副理事長 伊藤 貞嘉

第19回日本心臓リハビリテーション学会学術集会シンポジウム共催に寄せて

お問合せ先:072-871-1069(技術部)

新開発仰臥位用エルゴメータ

商品特長

環境機器メーカの新たなご提案商品として新開発いたしました。

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腎臓リハ NEWS LETTER No.2 2013.6.15発行 3

2013年 3月 23日−24日に第 3回学術集会をとちぎ健康の森で開催させていただきました。全国から多くの方々の御参加を賜りましたこと、この場をお借りし、御礼申し上げます。今回の学術集会は本学会発祥の地である仙台を離

れて初めての学術集会であり、果たして栃木県に皆さんが来て頂けるか、内心、非常に不安に思っておりました。幸いなことに演題募集の段階で、全国から約100演題に達する一般演題の御応募を賜り、皆様からエールを頂けたことで無事プログラムを作成することが出来ました。演者の先生方は元より、ご指導を頂きました共同演者の諸先生方にもお礼申し上げます。今年は思いの外、桜が早く咲き学会当日が花見日

和となってしまいましたが、結果的には総勢 600名以上の方々の御参加を賜りました。今回の学術集会では人数もさることながら、何よりも皆様の熱意を直に感じることができました。2日間を通じ非常に多くの方々が熱心に聴講されており、立ち見が出てしまうほどの盛況ぶりでした。特に若いメディカルスタッフの方々が真摯に学ぶ姿勢を拝見させて頂き、本学会の今後の発展を確信するに至りました。不慣れな事務局で皆様には多々ご不便をおかけし

たと思いますが、暖かいお声がけを頂きましたこと厚く御礼申し上げます。また、このような機会を教授退官の集大成として与えて頂きましたことを改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。

第 3回学術集会報告

第 3回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会

会  長 草野 英二事務局長 斎藤  修

自治医科大学内科学講座 腎臓内科学部門

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腎臓リハ NEWS LETTER No.2 2013.6.15発行4

第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介第 3回学術集会 優秀演題賞 受賞者紹介

最優秀演題賞(医師部門)を頂きましたこと、誠にありがとうございました。慢性腎臓病患者に対する運動療法は、その有効性が期待される一方で、腎機能障害自体の悪化や特徴的な栄養障害を呈することなどの理由から、適正な処方ができない問題点があります。そのような懸念を払拭できるように、特に慢性腎臓病患者に対する栄養状態を加味した適切な運動療法処方とその評価方法についての臨床的な検討を続ける所存でおります。

「血液透析患者における BMIと栄養障害および栄養障害関連因子との関係」本田 浩一 昭和大学医学部内科学講座腎臓内科学部門

優秀演題賞(医師部門)を頂き、ありがとうございました。まだまだ拙い研究内容ではありますが、この賞を糧とし、iPS細胞の臨床応用を目標に、今後も研究に邁進する所存であります。本学会で受けたご指摘に対しまして深く感謝するとともに、新しく興味深い知見が得られ、皆さまに発表する機会を頂けるよう努力いたします。この度は本当にありがとうございました。

「ヒト iPS細胞および ES細胞を用いたエリスロポエチン産生細胞分化誘導法の確立」人見 浩史 香川大学医学部薬理学

この度は優秀演題賞(医師部門)をいただき、誠にありがとうございます。栄誉ある賞に受賞させていただいたことに恥じぬよう精進してまいりたいと思います。今後も腎疾患・リハビリテーションに関して診療・研究を継続し、診療に役立てることができるよう検討を重ねていきたいと思います。

「かかりつけ医師自身の運動習慣は慢性腎臓病患者への運動指導に影響する」三木 敦史 自治医科大学附属病院腎臓内科

最優秀演題賞(メディカル・スタッフ部門)という名誉ある賞を頂き、どうもありがとうございました。透析患者と異なり、保存期 CKD患者の運動機能や運動療法に関するエビデンスは少ないのが現状です。私達はその保存期の研究を行っており、CKD患者の運動機能は透析導入前からすでに低下していることを報告し、早期から運動介入する必要性を検討しています。今後は介入研究を行い、腎臓リハビリ分野に寄与できる発表を行っていきたいと思います。

「保存期慢性腎臓病患者の膝伸展筋力と腎機能の関係 歩行自立に必要な筋力閾値との検討」平木 幸治 聖マリアンナ医科大学病院リハビリテーション部

優秀演題賞(メディカル・スタッフ部門)を賜り、誠に光栄に存じます。血液透析患者を長期にわたり観察し、日常の身体不活動が脳・心血管疾患発症のリスクを増加させることを発表しました。この結果は、リハビリテーション医療の主翼をなす運動療法(指導)を、血液透析患者に対する疾患管理の一つと位置づける根拠につながると考えております。今後は、血液透析患者に対する運動療法の効果を明確にできるよう、さらに研究を進めていきたいと存じます。

「身体活動量の低下は血液透析患者の脳・心血管疾患の発症を原因とする入院リスクを増加させる」松沢 良太 北里大学大学院医療系研究科、さがみ循環器クリニック

優秀演題賞(メディカル・スタッフ部門)に選出して頂きありがとうございました。10年以上透析患者に携わる中で、リハビリの必要性は常に感じていました。このように本学会が開催されるようになり、その重要性が明らかになっていくことを大変嬉しく、更なる発展に期待を高めています。今後も透析患者はもちろん CKD患者へ予防的観点を含めた運動療法を勧めると共に、QOL向上の一助となるべく日々精進して参りたいと思います。

「回復期リハビリテーション病棟対象の透析患者に関する現状調査」田淵 牧子 医療法人 創和会 リハビリテーション部

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腎臓リハ NEWS LETTER No.2 2013.6.15発行 5

1.プロフィール医療法人才全会

は、西新・賀茂・伊都の 3 つのクリニックを中心に、2つのデイサービスとメディカルフィットネスクラブ、これら 6 つの施設で診療とヘルスケアに取り組む、福岡県西部の小さなグループです。

2.運動の重要性慢性疾患患者の“wellness”を支えるものは、治療だ

けではありません。食事、生活習慣、精神・心理的問題など、介入とケアを要する因子が多くありますが、中でも適切な運動の重要性を、私どもはずっと感じておりました。体力増進には運動しかないからです。患者が安心して運動できるフィールドを求めて得られなかった果てに、自分たちでそれを作り、何とか今日まで続けて来たような次第です。では、私どもの取り組みをご紹介しましょう。

3.透析中の運動療法3つのクリニックで、透析中に運動プログラムを

提供しています。エルゴメーターによる有酸素運動、チューブを使った筋力トレーニングにストレッチングを組み合わせた、約 1時間のプログラムです。集団プログラムですが、個別の運動処方の下に提供しています。

4.WAKAN−高齢透析患者の体力維持・増進透析患者も高齢化し、通院や ADLの維持が困難

な方が増えてきましたが、そこを何とかしたいと考え、体力増進を目的としたデイサービスを開設しま

した。そこには、透析の前後や非透析日を利用して、健康運動指導士が監修した運動に励み、栄養士が監修した食事を楽しむ患者等の笑顔があります。

5.PHOEBE−メディカルフィットネスの出発点生活習慣病患者の運動フィールドとして開設され

た PHOEBEですが、今や透析運動療法の監修・指導・プログラム作成を始め、研修事業や運動機器開発などに活動の場を広げています。元気な透析患者も利用しています。

6.メディカルチェックと安全管理運動療法に際して、私どもが何より大事にしてい

るものは安全管理です。安全のためにはリスクを知る必要があり、メディカルチェックは欠かせません。リスクをコントロールしながら長く運動を継続してもらうことが、体力増進の大きな柱です。その上で患者を取り巻く様々な因子をできるだけマネジメントし、才全会が Health Hubの役割を果たせるよう、これからも努めていきたいと考えております。

施設紹介施設紹介施設紹介施設紹介施設紹介医療法人 才全会

理事長 松嶋 哲哉

医療法人 才全会URL:http://www.saizenkai.jp/

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腎臓リハ NEWS LETTER No.2 2013.6.15発行6

第 4回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会を、平成 26年3月 29日(土)、30日(日)の両日、福岡国際会議場で開催致しますので、ご案内申し上げます。学会の設立総会ともいうべき平成 23年の

第 1回学術集会から、回を重ねるたびに学会としての体裁が整い、参加者は飛躍的に増加してまいりました。すばらしい研究が発表され、活発な討議も行われております。設立当初、腎臓リハビリテーションの概念はやや観念的なものでしたが、具体的な研究成果が発表され、今後の方向性も明らかになりつつあります。そこで、今回は腎臓リハビリテーションのあり方をより明確にするために、「腎臓リハビリテーションの確立を目指して」をテーマに致しました。

WHOの定義に従えば、「リハビリテーションは、能力低下やその状態を改善し、障害者の社会的統合を達成するためのあらゆる手段を含んでいる。」とのことです。腎疾患の主要な部分を占める慢性腎臓病(CKD)は、主として腎機能によって分類されております。したがって、腎機能障害を有する人々が、その程度に応じて、健康人と同等の社会生活を営めるよう、さまざまな面においてその方策を探ることが、腎臓リハビリテーションの課題であります。とくに、生活の質の向上によって、腎機能の保存期ではそのさらなる悪化を防ぐこと、透析療法導入後は廃絶した腎機能を補う健康を確保できることが、重要なポイントです。具体的には、CKDのそれぞれの状態における運動や食生活の管理、メタボリック・シンドロームからCKDへの進展の予防対策、透析患者における運動療法などが、その主要な項目かと思います。基礎から臨床にわたる研究成果を発表し、意見交換を行いながら親睦を深める場として、学術集会が開催できれば幸いと存じます。

今回は九州で行われる初めての学術集会ですので、九州一円の先生方のご協力を得ながら、準備を進めてまいります。福岡が満開の桜に包まれるこの時期、多数の皆様にご参加いただけますよう、心から願っております。

第 4回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会のご案内

会 期:平成 26年 3月 29日(土)、30日(日)会 場:福岡国際会議場テーマ:腎臓リハビリテーションの確立を目指して会 長:斉藤喬雄

福岡大学医学部総合医学研究センターU R L:(未定)

第 4回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会

会  長 斉藤 喬雄福岡大学医学部総合医学研究センター 教授

副 会 長 中島  衡福岡大学医学部腎臓・膠原病内科学 教授

事務局長 笹冨 佳江福岡大学病院血液浄化療法センター 准教授

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腎臓リハ NEWS LETTER No.2 2013.6.15発行 7

学 会 事 務 局 よ り

第 1回および第 2回学術集会開催地である仙台市を初めて離れ、宇都宮市で開催された第 3回学会集会は多くの参加者で盛会のうちに終了し、本学会の全国的レベルでの発展を実感しました。また、関連学会である日本腎臓学会や日本透析医学会でも本学会学術集会の開催を告知いただくと共に、全国紙や NHKテレビ等のマスメディアでも腎臓リハビリが紹介されたことから、腎臓リハビリへの社会的な関心も高まっています。学会員のみ

ならず、関連職や社会一般に本学会の趣旨や活動をより広く知っていただくために、学会広報誌「腎臓リハ NEWS LETTER」を昨年から発行しています。今回は、再任された上月理事長のご挨拶、伊藤副理事長から日本心臓リハビリテーション学会での共催シンポジウムのご案内、本学会学術集会の報告・案内、腎臓リハの実施施設紹介等の内容となっており、是非ご一読いただければ幸いです。年度末・年度始めのお忙しい中、本誌にご寄稿くださった先生方にこの場を借りて改めてお礼申しあげます。     (事務局担当幹事:伊藤 修)

●会員現況(平成 25年 5月 20日現在)正会員数 250名(医師 143名、医師以外 107名)施設会員 33施設東北大学大学院医学系研究科腎高血圧内分泌分野 東北大学大学院医学系研究科内部障害学分野仙台社会保険病院 幸曜会 宮田利府クリニック 自治医科大学腎臓内科 開生会 奥田クリニック小山すぎの木クリニック 筑波大学医学医療系腎臓内科学 宏仁会 小川病院宗心会 かわしま内科クリニック 嬉泉会 大島記念嬉泉病院 昭和大学医学部内科学講座腎臓内科学部門自靖会 親水クリニック 東京急行電鉄株式会社 東急病院 欅会 東久留米クリニック蒼龍会 井上病院リハビリテーション科 埼友会埼友草加病院 蒼龍会 武蔵嵐山病院向陽メディカルクリニック 豊水会 みずのクリニック いぶきクリニックリハビリテーション科創和会 しげい病院 創和会 重井医学研究所附属病院 成全会 岡山西大寺病院 大町土谷クリニック香川大学医学部付属病院循環器・腎臓・脳卒中内科 香川大学医学部薬理学 天神会 古賀病院 21博仁会 キナシ大林病院 光心会 諏訪の杜病院 福岡大学医学部腎臓・膠原病内科学講座衆和会 長崎腎病院 青仁会 池田病院

●役  員理 事 長 上月正博副理事長 伊東春樹 伊藤貞嘉 斉藤喬雄理  事 秋澤忠男 秋葉 隆 安藤康宏 和泉 徹 草野英二 武居光雄 中西 健 平松義博

槇野博史 松嶋哲哉 松永篤彦 松原弘明 保嶋 実 山縣邦弘(計 18名)監  事 佐藤徳太郎 田熊淑男 原田孝司幹  事 伊藤 修(事務局担当) 佐藤壽伸(財務担当)代 議 員 浅見豊子 阿部高明 阿部貴弥 安保雅博 石井孝典 井関邦敏 伊藤孝史 伊東 稔

岩根美紀 植田敦志 宇田 晋 海老原至 大川卓也 緒方浩顕 岡本威志 奥田康輔金澤正晴 兼岡秀俊 北村健一郎 木全直樹 木村朋由 清元秀泰 倉賀野隆裕 小岩文彦後藤葉一 古波蔵健太郎 小林 愛 小林正貴 今田恒夫 斎藤知栄 齋藤久男 齊藤正和佐浦隆一 笹冨佳江 佐藤 博 塩田悦仁 島田美智子 住田幹男 高橋哲也 谷口正智田村岳志 鶴屋和彦 道免和久 友 雅司 中島 衡 中村典雄 成田一衛 西山 成畠山真吾 濱野慶朋 福島正樹 藤元昭一 古井秀典 本田浩一 牧田 茂 正門由久政金生人 満生浩司 宮崎真理子 村田敏晃 森 建文 和田隆志(計 85名)

一般社団法人 日本腎臓リハビリテーション学会

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