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平成 24 年度版 Family Practice Center of Okayama SEIFUKAI FPCO 医療法人清風会 岡山家庭医療センター 岡山家庭医療センター/津山中央病院 家庭医療後期研修プログラム -心やさしく頼りになる家庭医を目指して-

岡山家庭医療センター/津山中央病院 家庭医療後期研修プログラム · 性を生かして、家庭医の醍醐味を3年間の継続性 の中で実感してもらえる点です。患者中心の医療

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平成 24 年度版

Family Practice Center of Okayama

SEIFUKAI

FPCO

医療法人清風会

岡山家庭医療センター

岡山家庭医療センター/津山中央病院

家庭医療後期研修プログラム

-心やさしく頼りになる家庭医を目指して-

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岡山家庭医療センター/津山中央病院 家庭医療後期研修プログラム

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2012

目次 1. はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

2. 奈義・津山・美作での家庭医療後期研修・・・・・・・・・・・・・・・・・・4

◆岡山家庭医療センターの歴史と活動内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・4

◆岡山家庭医療センターの受診患者の特徴・・・・・・・・・・・・・・・・・・5

◆奈義・津山・湯郷ファミリークリニックについて・・・・・・・・・・・・・・6

◆津山中央病院について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7

◆日本原病院について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7

3. 研修プログラムの概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8

◆後期研修の教育理念・教育方針と後期研修医の到達目標・・・・・・・・・・・8

◆研修施設について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

◆教育方略・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

① 継続外来・訪問診療・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

② カルテチェック ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11

③ ポートフォリオ作成支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12

④ ブロックローテーション・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12

⑤ 教育カンファレンス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12

A.教育レクチャー・ワークショップ B.ロールプレイ・ビデオレビュー

C.症例検討会 D.レセプトチェック

⑥ 推薦図書・参考資料の自己学習・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13

◆後期研修 1年目:津山中央病院で研修 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13

① オリエンテーション(1週間) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13

② ブロックローテーション ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14

③ ワンデイバック ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15

◆後期研修 2・3年目:奈義・津山・湯郷ファミリークリニックで研修 ・・・・・15

① オリエンテーション(1週間)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15

② 継続外来・訪問診療・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15

◆後期研修 2年目:日本原病院で病棟研修 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・16

◆週間スケジュール例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16

◆研修の評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17

◆年間スケジュール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17

◆指導医紹介・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18

◆研修終了後の進路 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19

4. 業績・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20

5. 問い合わせ・応募方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22

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岡山家庭医療センター/津山中央病院 家庭医療後期研修プログラム

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2012

はじめに

山家庭医療センターの中核である奈義ファミリークリニックは平成 7 年より診

療所研修を提供し、25名以上の卒業生を輩出してきた歴史があります。

平成 18年度より地域の基幹病院である津山中央病院と連携し 3年間の後期研

修プログラムを立ち上げました。

このプログラムの特徴は 3 つあります:

第 1に地域における医療連携の中で、後期研修医が診療所(田舎型・地方小都市型)・療

養型小病院・第三次医療機関(救命救急センター)を行ったり来たりして家庭医になって

いくプロセスです。

卒後 3年目(後期研修 1年目)は津山中央病院で内科 6ヵ月・小児科 3ヶ月などをロー

テーションしながら週1日は診療所研修を継続し、卒後 4・5年目(後期研修 1・2年目)

は診療所を中心に研修を行います。このプロセスの中で患者を紹介する側とされる側を同

時に体験でき、地域のより良い医療連携を促す側面があります。

第 2 に生物心理社会アプローチの実践です。診療所での経験(心理社会的側面に配慮し

た外来/在宅診療・予防医学)と病院での経験(救

急医療・高度医療)を、振り返り・学習・評価を

通して同時進行で吸収していきます。

第 3 に家族全員がかかりつけになりうる地域

性を生かして、家庭医の醍醐味を 3年間の継続性

の中で実感してもらえる点です。患者中心の医療

や家族志向のケア、地域包括ケアといった家庭医

療の 3本柱を言葉だけでなく、自らの診療を通し

て学びます。後期研修終了時には家族の木を常に

意識した診療が行え、後輩に家族志向のケアを指

導できるレベルを目標としています。 「家族の木」

(家族志向のプライマリ・ケア シュプリンガー東京 2006より)

心やさしく、頼りになる家庭医になりたいあなた、一緒にそんな家庭医を目指しましょう。

岡山家庭医療センター長、奈義ファミリークリニック所長

家庭医療後期研修プログラムディレクター 松下 明

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奈義・津山・美作での家庭医療後期研修

◆岡山家庭医療センター(FPCO)の歴史

平成7年に岡山県北東部の奈義町・医療法人清風会(日本原病院)・川崎医科大学総合診

療部の三者合意によって奈義ファミリークリニックが開設された。当時、無医地区の危機

にあった町は施設建設を手がけ、医師獲得に奔走していた清風会は経営を担当し、大学総

合診療部は所長・後期研修医を派遣するといった役割を分担することで奈義ファミリーク

リニックの運営が実現した。

その後、10年間以上「日本で家庭医を育成する」という川崎医科大学総合診療部の理念

のもと、家庭医療後期研修の場として研修医を派遣してきた。しかし、大学附属病院のプ

ライマリ・ケア研修に関する方針変更に伴い、平成 18年度から新しい独立型・家庭医療研

修施設として研修プログラムを立ち上げ、研修医を受け入れることとなった。

旧プログラム研修終了生が平成 19年、平成 21年に相次いで近隣地域に津山ファミリー

クリニック、湯郷ファミリークリニックを開院し、グループで家庭医教育に取り組むよう

になったため、平成 22年 11月に岡山家庭医療センター(FPCO:Family Practice Center

of Okayama)を設立した。

◆ 岡山家庭医療センターの活動内容

【診療】

・ 外来診療、訪問診療

・ 特別養護老人ホーム・グループホーム等介護施設の嘱託医

・ 乳幼児健診(3カ月・1歳半・3歳半健診)

・ 園医・学校医(保育園、幼稚園、小学校、中学校での健診と健康相談・授業など)

・ 予防接種、健康診査等の予防医療

・ 自衛隊駐屯地への診療や産業医活動

【卒前・卒後教育】

・ 診療所実習/研修:川崎医科大学、岡山大学、三重大学、鳥取大学、他全国より多数

の医学生・研修医が実習(平成 20 年度から津山中央病院の初期研修医定期受け入れ

開始、平成 23年度より川崎医科大学院外学生実習定期受け入れ開始)

・ 大学講義:家庭医療関連の講義を川崎医科大学・岡山大学にて(平成 13年~平成 22

年度)

【院外活動】

・ 学生・医師対象のワークショップ:行動科学、患者教育、家族志向のケア etc

・ 市民講演:生活習慣病、乳幼児の病気、腰痛・膝関節痛のリハビリなど

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◆ 岡山家庭医療センター受診患者の特徴

岡山家庭医療センターの受診患者は年齢、疾患ともに偏りのないことが特徴である。

年齢は下記に例示した受診患者の年齢分布図に示される通り、乳児から高齢者まで幅広い

年齢層の患者が受診する。これは当センターのクリニックのどこでも同じ傾向で、家庭医

は年齢・性別・疾患に関係なく患者・家族・地域と継続的に関わるためである。また、当

センターでは軽症から重症まで、内科・小児科疾患から整形外科、耳鼻科、皮膚科、泌尿

器科、精神科等、多彩な問題を有する患者が受診することも特徴の1つである。

図:岡山家庭医療センター受診患者の年齢分布の一例

(平成 22年度の患者動向調査より)

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◆ 奈義ファミリークリニックについて

平成7年に奈義町・医療法人清風会(日本原病院)・川崎医科大学総合診療部の三者合意

によって開設した田舎型診療所である。現在は当プログラムの責任者である松下医師が所

長として、人口約 6 千人の奈義町で家庭医療を展開している。周囲に医療機関の少ない奈

義町において、年齢・性別・疾患に制限なく、あらゆる健康問題に保健行政・福祉とも連

携をとりながら患者とその家族に継続的に関わっていく「家庭医療」を学習できる。外来・

在宅診療のみならず、介護施設のケア、乳幼児健診や学校医活動、地域コミュニティへの

講演活動など、地域密着の医療活動を経験できる。

◎歴代所長:初代所長:田坂佳千(後期研修医 7名終了)

2代目所長:末廣満彦(後期研修医 3名終了)

3代目所長:松下明(後期研修医 16名終了、うちプログラム修了生 5名)

平成 24年 3月 31日現在

◎奈義ファミリークリニックのHP http://nagifamily.com/ 参照

◎奈義町については奈義町HPhttp://www.town.nagi.okayama.jp/index.html 参照

◆ 津山ファミリークリニックについて

津山市田町に平成 19 年 6 月に開設した地方小都市型診療所である。奈義ファミリーク

リニックで後期研修を終えた田中医師が所長として、人口約 10万人の津山市で家庭医療を

展開している。周辺に多数の医療機関があるこのクリニックでは、子どもとその親の世代

の外来診療ニーズが高く、高齢者は在宅訪問診療のニーズが高い。患者の専門医指向はあ

るが、はじめの相談窓口として多様な疾患に対応しており、そのまま治療を行うケースも

多い。医療機関の乱立を逆手に取り、地域包括ケアにおいて福祉との連携だけではなく周

辺の医療資源をよく理解して上手に使うスキル(連携・協働)を学習できるのが特徴であ

る。卒後 3~5年目の継続的な外来・在宅診療および園医活動、町内会での講演活動等をこ

のクリニックで行うことで、人口の多い都市部の多様な患者層に対するケアを経験できる。

◎津山ファミリークリニックのHP http://tsuyamafamily.com/ 参照

◎津山市については津山市HP http://www.city.tsuyama.lg.jp/index.cfm/1,html 参照

◆ 湯郷ファミリークリニックについて

美作市湯郷温泉街に位置する歴史ある診療所で、これまでも「湯郷診療所」として内科・

皮膚科を中心とした診療を行っていたが、平成 21 年 4 月から奈義ファミリークリニック

で後期研修を終えた佐古医師が所長として赴任し、人口約 3 万人の美作市で外来診療と在

宅診療を核とした家庭医療を展開している。外来診療では、乳児を含めた小児診療のニー

ズが特に高く、働き盛りの世代から高齢者にかけての総合的な診療へのニーズも高い。ま

た在宅診療のニーズも高まりつつある。診療圏が広範囲にまたがっており、多数の地域資

源との連携が求められるため、外来・在宅診療のみならず、積極的に地域での活動を展開

できるフィールドである。卒後 3~5年目の外来・在宅診療・地域活動をこのクリニックで

行うことで、多様な地域背景をもつフィールドでの家庭医療を経験できる。

◎湯郷ファミリークリニックのHP http://yunogofamily.com/ 参照

◎美作市については美作市HP http://www.city.mimasaka.lg.jp/www/index.jsp 参照

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◆津山中央病院について

岡山県北部 35万人の医療圏の中核病院としての役割を担い、近年は特に救急医療、がん

診療において積極的に取り組んでいる。病床数は一般病棟 467床、救命センター20床、結

核病床 30床、感染病床 8床の合計 525床であり、23の診療科目(内科、消化器内科、消

化器外科、循環器科、呼吸器科、小児科、外科、心臓血管外科、呼吸器外科、脳神経外科、

整形外科、産婦人科、皮膚科、形成外科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、気管食道科、眼科、歯

科、歯科口腔外科、放射線科、麻酔科、リハビリテーション科)を持つ。臨床研修に関し

ては平成 15 年 4 月 1 日臨床研修病院に指定され、毎年複数名の初期研修医の教育を行っ

ている。

平成 18年度から奈義ファミリークリニックと連携し、主に家庭医療後期研修医が病棟研

修、技術研修、救急外来研修を行うようになった。

◎津山中央病院のHP http://www.tch.or.jp/tch/tch_f_top.html 参照

◆日本原病院について

各クリニックの母体病院で、療養型・回復期リハビリ病床合わせて 60 床を有している。

奈義町と津山市の境に位置しており、奈義町と津山市北東部(旧勝北町)地域での唯一の

入院施設である。内科・神経内科・消化器内科領域を専門性として打ち出す一方、地域の

プライマリ・ケアを提供する役割を戦後すぐから継続している。平成 20年度から理学療法

士・作業療法士を増員して、在宅復帰を支援するリハビリ機能を強化している。また、平

成 21年度からは家庭医療後期研修医を受け入れ、主に奈義ファミリークリニックの在宅患

者・外来患者の入院医療を、後期研修医を含めたチーム体制で行っている。

◎日本原病院のHPhttp://www.nihonbara.com/ 参照

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研修プログラムの概要

◆ 家庭医療後期研修における教育理念と教育方針

【教育理念】 心やさしく、頼りになる家庭医を育てます

【教育方針】1)幅広い診療能力と共感能力に優れ、患者中心の医療を実践できる家庭医

を育てます。

2)家族志向のプライマリ・ケアを本気で実践できる家庭医を育てます。

3)地域包括ケアを実践し、地域から信頼される家庭医を育てます。

◆ 後期研修医の研修到達目標

家庭医療後期研修医は家庭医となるための 3 年間の後期研修を通じて、日本プライマ

リ・ケア連合学会の提示した後期研修目標である

1)家庭医を特徴づける能力

2)家庭医が持つ医学的知識と技術

3)すべての医師が備える能力

4)教育と研究

の 4 領域を研修する必要がある。多岐にわたる目標を当センターがマインドマップ形式

で図式化したものを次項に示す。ここには当プログラムにおける研修の場とこの目標を達

成するための方略および評価方法も記載している。

岡岡山山家家庭庭医医療療セセンンタターー//津津山山中中央央病病院院家家庭庭医医療療後後期期研研修修ププロロググララムム

津山中央病院(1年目):急性期医療・高度専門科医療療

奈義・津山・湯郷ファミリークリニック(2, 3年目):家庭医療・在宅支援診療所

日本原病院(2年目):療養型在宅支援病棟

525床

60床

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研修施設について

当プログラムは 1年間の津山中央病院(週 1回の診療所での研修を含む)と 2年間の奈

義・津山・湯郷ファミリークリニックでの研修および日本原病院での病棟研修よりなる。

各施設での研修の目的は以下の通りである。

津山中央病院(1年目):

研修医の到達目標を主に病棟研修、技術研修、救急外来を通じて行う。また、週 1 回の

診療所研修(ワンデイバック)を行うことで 3 年間一貫した外来研修を行い、家庭医療学

の理念を学ぶ。

奈義・津山・湯郷ファミリークリニック(2年目,3年目):

研修医の到達目標を主に外来研修、在宅医療での研修を通じて行う。家庭医療の実践を

行う一方で、3年目は 1年目、2年目後期研修医の教育も担う。

日本原病院(2年目のみ):

研修医の到達目標を主に在宅復帰支援病院(療養型・回復期リハビリ病棟)での研修を

通じて行う。オープンベッド形式で、主に奈義町の患者を対象に急性期病院・療養型病院・

診療所の医療連携を学ぶ。

3 年間の研修スケジュール

◆ 教育方略

当プログラムは①継続外来・訪問診療での指導、②カルテチェック、③ポートフォ

リオ作成支援、④ブロックローテーション(2 年目以降の院外専門科研修も含む)、

⑤教育カンファレンス、⑥推薦図書・参考文献の自己学習、の 6つの教育方略から成

り立っている。

① 継続外来・訪問診療

当研修プログラムの教育の基盤となる。地域住民とクリニックの密接な関係の歴史、

患者からの研修医教育への理解などの条件が揃い、日本プライマリ・ケア連合学会が

提唱する家庭医養成の趣旨に基づいた外来・訪問診療の研修環境が提供できる。

上気道炎、生活習慣病(高血圧、糖尿病など)、心身医学的疾患(うつ病、適応障

1年目 オリエンテー

ション1週間

津山中央病院(病棟研修、技術研修、救急外来研修)

奈義・津山・湯郷ファミリークリニック(ワンデイバック)

2年目

奈義・津山・湯郷ファミリークリニック(外来、在宅医療)

日本原病院(病棟研修)

院外専門科研修(週1コマ 1-3ヶ月単位)

3年目

奈義・津山・湯郷ファミリークリニック(外来、在宅医療)

院外専門科研修(週1コマ 1-3ヶ月単位)・選択研修(国内・国外留学 2週間)

地域連携枠での活動(週 1コマ 1年間 プロジェクトワークを行う)

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害等)、小児の疾患、整形外科的疾患、外傷等の日常よく見かける健康問題について

幅広く診療し、介護保険等を利用した福祉面にまで多職種のチームでかかわる。さら

に健康増進、予防接種、健康診断などの予防にかかわる地域包括医療や、年齢や性別

に関わりなく家族や地域を視野に入れて継続的に提供される医療を、外来・訪問診療

を通じて研修できる。外来研修は 3年間を通じた一貫教育を行えるよう 1年目で週 1

回の診療所研修(ワンデイバック)を取り入れ継続性を維持する。

外来・訪問診療の担当数(1週間(全 9単位)当たり、1単位=半日 3時間以上)

1年目 外来 1単位

2年目 外来 5-7単位 訪問診療 3-4単位

3年目 外来 5-7単位 訪問診療 3-4単位

外来診療は基本的に 2 診察室以上の体制で行い、1 年目・2 年目は指導医からプリ

セプティングを受けられるスケジュールになっている。3年目も 1年目・2年目の相

談係として機能し、外来・訪問診療での教育法を学び実践する。

② カルテチェック

外来・訪問診療能力の向上、医療危機管理の目的から、学習者はカルテチェック

を受け、ディスカッションして理解を深める。プリセプターは、診療録の記載方法、

学習者のプレゼン方法、患者の評価・治療に関してフィードバックを行う。ポート

フォリオチェックリストを参照しながら、学習者がさらに学ぶべき領域を探る支援

も同時に行う。

1 年目:プリセプティングを受けながら診療を行い、診療終了後に指導医から全症

例のカルテチェックを受け、ディスカッションして理解を深める。(木曜日)

2 年目:プリセプティングを受けながら診療を行い、診療終了後に指導医からカル

テチェックを受け、ディスカッションして理解を深める。(毎日)

3 年目:選択された症例のみ指導医からカルテチェックを受け、ディスカッション

して理解を深める。(毎日)

③ ポートフォリオ作成支援

学習者は研修期間中に生ポートフォリオを作成し(毎日の外来・訪問診療の患者

リストとそれに伴った自己学習記録、振り返り内容など)、毎月の指導医との形成

的評価(ポートフォリオデイ)の際に用いる。日本プライマリ・ケア連合学会認定

後期研修プログラムに示された 26領域をカバーすることとする。研修期間中に作

成したポートフォリオを再構築して家庭医療専門医認定審査に提出する凝縮ポー

トフォリオを作成する。

④ ブロックローテーション(2年目・3年目での院外専門科研修も含む)

1年目における津山中央病院でのブロックローテーションは「後期研修医(1年

目)」を参照とする。当プログラムでは 2 年目、3 年目でも奈義・津山・湯郷ファ

ミリークリニックで継続外来を行いつつ週に 1 単位(午前または午後の 3 時間以

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上)の院外専門科研修を行うことができる。これは、独立型診療所研修の欠点でも

ある「他科・専門科研修が行いにくい」「手技・検査などが集中的に学びにくい」

といった側面を補うためにある。内容は他施設での外来研修が主であるが、学習者

のニーズに沿った研修内容を設定することを努めるようにする。

これまで院外研修を依頼した院外研修協力施設は以下の通りである。

院外研修協力施設

小児科:津山中央病院、石谷小児科医院(小児心身症含む)

整形外科:津山中央病院、津山中央クリニック、福井医院

皮膚科:津山中央病院、大澤皮膚科医院

耳鼻科:河田医院

眼科:岡本医院(美作市)

泌尿器科:津山東クリニック、津山中央病院

産婦人科:赤堀病院、岡山大福クリニック

精神科:希望が丘ホスピタル

口腔外科:小川歯科医院

リハビリ:日本原病院、さとう記念病院

また 3 年目は、2 週間単位で他医療機関での選択研修(エレクティブ)を行い、

視野を広げることに役立っている。

⑤ 教育カンファレンス

A.教育レクチャー・ワークショップ

月に 1-2回、木曜日午後に勉強会を開催する。主なテーマは以下の通りである。

・家庭医を特徴づける能力についてのレクチャー・ワークショップ(家庭医療概論、

ACCCC の意味、行動変容のアプローチ、患者中心の医療、家族志向のケア、地域

包括ケアなど)

・後期研修医の希望に沿ったレクチャー・ワークショップ(事前に後期研修委員会か

らの提案をうけ指導医層で内容を検討する)

・後期研修医同士による勉強会(チーフレジデントを中心にトピックスを決めて行う)

B.ロールプレイ・ビデオレビュー

年 4 回(木曜午後)のロールプレイ学習により患者と家族へのアプローチ方法を学

習する。ロールプレイは当研修の特徴の 1つであり、自ら医師、患者、家族役となり、

それぞれの立場の感情面を疑似体験することを目的としている。年に 1 回は看護師・

医療事務スタッフも参加して、模擬患者とのロールプレイを行う。内容は以下の通り。

・医療面接上級編

・悪い知らせの伝え方

・喫煙、生活習慣病の行動変容

・家族カンファレンスを含めた家族志向のケア

・うつ病患者へのアプローチ など

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年に1回は、患者または家族の了解を得て、通常の診療をビデオ撮影してビデオレビ

ューを行う。また年に1回は、上記ロールプレイをビデオ撮影し、上記課題に応じた面

接能力があるかどうかについての評価を受ける

C.症例検討会

週 1 回、各クリニックで症例検討会を行い、臨床推論ならびに生物心理社会アプロ

ーチ法を学習する。後期研修医が困難を感じた症例を対象に、臨床推論的な症例のア

プローチ、生物医学的側面・心理的側面、・社会的側面(家族を含めた)からの検討を

行うことで、臨床に役立つ知恵を生み出すプロセス(省察的実践)をグループで体験

する。

D. レセプトチェック

レセプト(診療報酬明細書)の減点症例を通じて医療経営や社会保障制度を学ぶ。

医事スタッフとのコミュニケーションを通じて知識を深め、診療業務の改善に繋げる。

これにより、自らが提供している医療が社会保障制度の枠組みの中で機能しているこ

とを理解し、患者ケアの質を向上させるための医療システムの視点を学ぶ。

⑥ 推薦図書・参考資料の自己学習

日々のカルテチェックやポートフォリオデイの際に、ポートフォリオチェックリス

トを参照しながら、学習すべき領域を指導医とともに検討する。Dynamed、各種ガイ

ドライン、Swanson Family Practice Review を含めた推薦図書などを利用して自己学

習を深める。

◆後期研修1年目:津山中央病院で研修

① オリエンテーション(約 1週間)

津山中央病院、奈義・津山・湯郷ファミリークリニックの各施設で合計 1 週間のオリ

エンテーションを並行して行う。各施設でのオリエンテーションの内容は以下の通りで

ある。オリエンテーションを通じて、各施設のスタッフ、設備、医療を提供するフィー

ルド、患者や地域のニーズを実感する。また、家庭医療研修に対する気持ちの準備を指

導医、スタッフとともに行う。

奈義・津山・湯郷ファミリークリニック

・指導医とのプログラムの確認と研修ニーズのすり合わせ

・研修医の生活サポート

・事務実習:電子カルテの使い方を含む

・薬局実習

・看護師実習

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津山中央病院

・院長との面談

・施設案内

・電子カルテの使い方の説明

・指導医との後期プログラムの確認と研修ニーズのすり合わせ

学習者がオリエンテーションで行いたい事項に関しては是非受け入れる努力をする。

この期間に最も重視しているのは、3 年間の研修前のニーズのすり合わせを学習者、

指導者、スタッフを含めて行うことであり、これにより研修の安全性(医療面、精神

面、環境面)を確保する。

② ブロックローテーション

クリニックなどの 1-2次医療機関から送られた重篤な疾患、専門医療が必要な疾患、

各専門領域の最新の知識について学び、手技・検査などを集中的に学習することを目

的とする。3 年間の後期研修期間のうち急性期病棟研修を行う 1 年間となるため、初

期研修で学んだことを含めた病棟医療の知識・技術をさらに向上させる一方、診療所

で働くことを意識した外来研修にも積極的に参加する。また、3 次医療機関が医療シ

ステムの枠組みの中でどのように機能しているかを理解し、患者ケアの質を向上させ

るためにその医療システムを効果的に活用するためのきっかけを得る。

津山中央病院でのスケジュール例(内科 6カ月:内科救急含む) 研修期間:4月中旬-10月

津山中央病院でのスケジュール例(小児科 3カ月:小児科救急含む) 研修期間:11月-1月

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日

午前 検査・

病棟

新患外来 検査・

病棟

NFC・TFC・

YFC

検査・

病棟

救急当番

午後 外来・

救急

外来・

救急

外来・

救急

NFC・TFC・

YFC

外来・

救急

夜間 救急当直(月 4-5回程度)

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日

午前 外来 外来 外来 NFC・TFC・

YFC

外来 救急当番

午後 病棟

(NICU

を含む)

病棟 病棟 NFC・TFC・

YFC

病棟

夜間 救急当直(月 4-5回程度)

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岡山家庭医療センター/津山中央病院 家庭医療後期研修プログラム

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津山中央病院でのスケジュール例(選択科目 2カ月) 研修期間:2月-3月 本人の希望に応じ 1-2科目の他科研修を行う。

(例:皮膚科・形成外科・循環器科など)

*後期研修 1年目は単独で主治医となることはなく、必ず指導医と共に主治医となる。

*内科の指導医は固定せず、複数の指導医の下で疾患の偏りなく研修を受ける。

*内科研修開始時にICU研修を 3週間行い、救命救急の基礎を再確認する。

*選択研修の期間中も内科もしくは小児科の救急当直を継続する。

③ ワンデイバック

研修医がどの科で研修を行っていても、1週間のうちの 1日は奈義・津山・湯郷ファ

ミリークリニックに戻って研修を行う。これにより地域診療所の患者、地域のニーズ

とその役割を 3年間の一貫したプログラムで学ぶことができる。

後期研修 2・3年目:奈義・津山・湯郷ファミリークリニックで研修

① オリエンテーション(1週間)

オリエンテーションを通じて、各施設のスタッフ、設備、医療を提供するフィール

ド、患者や地域のニーズを実感する。また、家庭医療研修に対する気持ちの準備を指

導医、スタッフとともに行う。

奈義・津山・湯郷ファミリークリニックでのオリエンテーション内容(2年目)

・指導医とのプログラムの確認と研修ニーズのすり合わせ

・家庭医療のレクチャー:患者中心の医療、家族志向のケア

・事務実習、薬局実習、看護師実習、ケアマネ実習、訪問看護実習

学習者がオリエンテーションで行いたい事項に関しては是非受け入れる努力をする。

この期間に最も重視しているのは、残り 2 年間の研修前のニーズのすり合わせを学習

者、指導者、スタッフを含めて行うことであり、これにより研修の安全性(医療面、

精神面、環境面)を確保する。

② 継続外来・訪問診療

田舎型・地方小都市型家庭医診療所での継続外来・訪問診療における研修目標は「◆

教育方略 1 継続外来・訪問診療」を参照とする。外来・訪問診療・介護施設での

診療や、乳幼児健診(3 カ月・1 歳半・3 歳半健診、保育園健診、幼稚園健診)・学校

健診(小学校、中学校)、予防接種などの業務を通して、それぞれの基礎知識、技術を

学ぶ。

また、院外研修、カルテチェック、ビデオレビュー、教育カンファレンス(教育レ

クチャー、ロールプレイ、症例検討会など)などの教育を 2 年間の研修期間中に一貫

して受ける。

後期研修2年目:日本原病院で病棟研修

クリニックの高齢者が外来・訪問診療において入院治療が必要と判断された場合に

在宅支援診療所の支援病院として機能するほか、津山中央病院で急性期医療を受けた

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2012

あとの亜急性期医療と回復期リハビリを含めた病棟管理を行う。後期研修医(2年目)

が病院の医療チームの一員として入院医療を提供する。

老年医学を中心に学びながら在宅復帰支援を行う役割を果たし、療養型病院が医療

システムの枠組みの中でどのように機能しているかを理解し、患者ケアの質を向上さ

せるための医療システムを効果的に活用するきっかけを得ることを目的としている。

入院主治医がその後、クリニックの外来・在宅主治医として機能する経験を得るこ

とで継続性も実感できる。

リハビリ(PT/OT/ST)部門の知識・技能習得、多職種と連携した褥創管理

の実践、管理栄養士と連携した栄養サポート(NST)の学習も可能である。

岡山家庭医療センター週間診療スケジュール 2012

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岡山家庭医療センター/津山中央病院 家庭医療後期研修プログラム

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2012

研修の評価

Professional Careerと Personal Career の評価

・形成的評価

毎日、後期研修医は外来・訪問診療の患者リストを電子カルテから作成し、カルテチ

ェックにて医学的知識・技術領域の評価とフィードバックを受ける。ポートフォリオチ

ェックリストにもとづき、自己学習した内容はポートフォリオの一部としてファイルに

保存していく。

毎月のポートフォリオデイでは、毎月の詳細な振り返りを所属サイトの指導医ととも

に行う。また年4回のポートフォリオ発表会では、学会へ提出する形式でのポートフォ

リオ発表を行い、複数の指導医から評価を受ける。

隔月 1 回木曜日午後にふり返りの時間を持ち、後期研修医が経験した内容と今後の目

標をプレゼンテーションし、看護・事務職員も年 2 回はこれに参加してフィードバック

を行う。

年に 2 回、研修目標の到達度評価、プログラム内容の再確認と研修ニーズのすり合わ

せ作業を個人面談(8月は別サイトの指導医と面談、2月はプログラム責任者と面談)に

て行う。これにより、研修における問題点・生活における悩みを共有し、学習者へのフ

ィードバックと研修プログラムの改善を行う。

毎年 2月には半日の外来直接観察での評価を受け、外来診療に関する形成的評価を受

ける。

・総括的評価

3 年間の後期研修修了前、毎年 3 月に研修目標の到達度評価を行うとともに、学習者

による研修 3 年間の振り返りをパワーポイントにて発表する。発表内容はクリニックで

の研修に関するものと 3 年間の生活に関するものであることが望ましい。ポートフォリ

オの評価と半日の外来直接観察での評価を加え、プログラム責任者から修了書を授与す

る。

Academic Careerの評価

・家庭医療専門医の受験資格の獲得、専門医取得

・年 1回以上の学会発表もしくはワークショップの開催

◆ 年間スケジュール

毎日:カルテチェック・ポートフォリオチェックリストによる学習領域の確認

毎月:ポートフォリオデイでのサイト指導医との振り返り

隔月:パワーポイントによるふり返り発表

4月:オリエンテーション(1年目・2年目)

8月:別サイト指導医との個別面談での形成的評価(1年目・2年目・3年目)

10月:全職員の前での半年間ふりかえり発表・総括的評価(1年目・2年目・3年目)

2月:プログラム責任者との個別面談での形成的評価(1年目・2年目・3年目)

別サイト指導医による半日直接観察・形成的評価(2年目)

プログラム責任者による半日直接観察・総括的評価(3年目)

3月:全職員の前での 1年間ふりかえり発表・総括的評価(1年目・2年目)

全職員の前での 3年間ふりかえり発表・総括的評価(3年目)

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岡山家庭医療センター/津山中央病院 家庭医療後期研修プログラム

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2012

◆ 研修開始に配布する物

・岡山家庭医療センター研修ファイル

研修プログラム、家庭医療、行動科学関連資料、

その他後期研修に関連する資料

・推薦図書

困ったときに役立つ 医療面接法ガイド MEDSi

家族志向のプライマリ・ケア シュプリンガー東京

プライマリ・ケア老年医学 プリメド社

Swanson Family Practice Review 6th ed. Elsevier

各種ガイドライン(高血圧・糖尿病・脂質異常症・慢性肝炎など)

新・総合診療医学-家庭医療学編 カイ書林 など

指導医紹介(平成 24年 4 月 1日現在)

<プログラム責任者・指導医>

松下 明(まつした あきら) 奈義ファミリークリニック所長

平成 3 年山形大学医学部卒業、川崎医大総合診療部で初期後期研修後、米国ミシガ

ン州にて家庭医療学レジデント修了。その後、川崎医大総合診療部講師を経て、平成

13年より現職。

岡山大学大学院客員教授・川崎医大非常勤講師・三重大学臨床准教授。米国家庭医

療学専門医、日本プライマリ・ケア連合学会理事・認定医・指導医、日本内科学会認

定医。

<指導医>

佐古 篤謙(さこ あつのり) 湯郷ファミリークリニック所長

平成 14年滋賀医科大学卒業、耳原総合病院で初期研修後、小児科後期研修。平成

18年より奈義ファミリークリニックで診療所研修を行い、平成 20年 3月に修了。平

成 20年 4月より奈義ファミリークリニック副所長および家庭医療指導医として勤務。

平成 21年 4月より湯郷ファミリークリニック所長として勤務。医学部入学前は臨床心

理士としての勤務経験を有する。

日本プライマリ・ケア連合学会認定医、日本プライマリ・ケア連合学会中国ブロッ

ク代議員、三重大学臨床講師。

田原 正夫(たはら まさお) 湯郷ファミリークリニック副所長

平成 9年関西医科大学卒業、京都大学付属病院で初期研修、平成 10年より大阪赤十

字病院で初期・後期研修として内科・小児科・救急を行いその後呼吸器内科医として

勤務。平成 20年より奈義ファミリークリニックで診療所研修を行い、平成 22年 3月

に修了。平成 22年 4月より湯郷ファミリークリニック副所長および家庭医療指導医と

して勤務。

日本内科学会認定総合内科専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、米国内

科学会(ACP)会員、ICD (infection control doctor)、日本医師会認定産業医、日本プ

ライマリ・ケア連合学会認定医、日本プライマリ・ケア連合学会中国ブロック代議員、

三重大学臨床講師。

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2012

大門 友博(おおかど ともひろ)津山ファミリークリニック所長

平成 13 年自治医科大学卒業、大津赤十字病院で初期研修、平成 15 年より公立高島

総合病院内科勤務、平成 17年より西浅井町国民健康保険診療所に院長として勤務の後、

平成 22 年より奈義および津山ファミリークリニックで家庭医療研修を行い、平成 23

年 3月研修終了。平成 23年 4月より津山ファミリークリニック副所長および家庭医療

指導医として勤務。平成 24年 4月より津山ファミリークリニック所長として勤務。

日本プライマリ・ケア連合学会認定医、日本プライマリ・ケア連合学会中国ブロッ

ク代議員。

大倉 佳宏(おおくら よしひろ) 津山ファミリークリニック副所長

平成 16 年香川大学医学部卒業、近畿中央病院で初期研修、平成 18 年より大阪府済

生会千里救命救急センターで高度救命救急医療研修を行い、平成 20年より奈義ファミ

リークリニック/津山中央病院家庭医療後期研修プログラムにて家庭医療研修、平成

23 年 3 月同プログラム修了。平成 23 年 4 月より奈義ファミリークリニック副所長お

よび家庭医療指導医として勤務。平成 24年 4月より津山ファミリークリニック副所長

として勤務。

日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療専門医、日本プライマリ・ケア連合学

会中国ブロック代議員。

木島 庸貴(きじま つねたか)奈義ファミリークリニック副所長

平成 18 年昭和大学医学部卒業、千葉大学付属病院で初期研修を行い、平成 20 年よ

り奈義ファミリークリニック/津山中央病院家庭医療後期研修プログラムにて家庭医

療研修、平成 23年 3月同プログラム修了。平成 23年 4月より奈義ファミリークリニ

ック・日本原病院医師および家庭医療指導医として勤務。平成 24年 4月より奈義ファ

ミリークリニック副所長として勤務。

日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療専門医、日本プライマリ・ケア連合学

会中国ブロック代議員。

◆ 研修終了後の進路

これまでの修了生は 26 名である(平成 24 年 3 月現在)。修了後の進路は開業 6 名・診

療所勤務 11名・総合診療部スタッフ 3名・その他 6名となっている。

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岡山家庭医療センター/津山中央病院 家庭医療後期研修プログラム

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2012

業績 岡山家庭医療センター医師の業績(学会発表・執筆活動) 1.前野貴美, 松下明, 竹村洋典 他 日本家庭医療学会臨床研究ワーキンググループ. 家庭医, プライマ

リ・ケア医が行う臨床研究の障害および解決策-文献的考察- 日本家庭医療学会誌(家庭医療)

Vol 10. No.1 2003.

2.松村真司, 大野毎子, 松下明. 在宅医療助成 勇見記念財団 2003年度(平成 15 年度)助成研究 在宅

療養患者における苦痛をともなう自覚症状の程度と 医療者の認識に関する研究.

http://www.zaitakuiryo-yuumizaidan.com/data/file/data1_20080328100506.pdf

3.松下明 監訳. 家族志向のプライマリ・ケア シュプリンガー東京 2006(原著は S.McDaniel,

et al. Family-Oriented Primary Care. Second edition. Springer 2005)

4.田中久也,斎藤裕之,松下明. 診療所実習における学習者ニーズ調査. 日本家庭医療学会(名古屋)

2006.

5.松下明. 奈義町における肺炎球菌ワクチン公費助成の効果 国保データを用いた検討. 日本家庭医療

学会(東京)2007.

6.佐古篤謙. 診療所外来における外傷患児の診療についての検討 日本外来小児科学会(熊本)2007.

7.松下明,佐古篤謙,長谷川徹 監訳.プライマリ・ケア整形外来マニュアル. エルゼビアジャパン 2008.

8.Akira Matsushita, Tadao Okada.Family Chart in the Electronic Age. STFM Conference (Baltimore,

U.S.A)2008.

9. 佐古篤謙. 特集 家庭医のためのメンズ・ヘルス読本【ライフステージごとのアプローチ】

思春期男性に特徴的な健康問題. JIM Vol.18 No.2 2008.

10. 松下明,田中久也.総合診療医の最前線 医療再生を目指す General Physician (医療マネージメント力)

診療所を活性化する. モダンフィジシャン Vol.29 No.2 2009.

11.田中久也.Meet the Expert 〈MTE8-1〉 家族志向のプライマリ・ケア 第 19 回外来小児科

学会年次集会(さいたま)2009.(抄録:外来小児科 Vol.12 No.4 p.507-508 2009.)

12.佐古篤謙. 特集 診察の終わりにこの質問!-ライフサイクルの視点から 学童期─学校は楽しい?

JIM Vol.20 No.1 2010.

13. 松下明,吉本 尚,田原 正夫.社会的関わりを苦手とする高齢男性の心理状態に関する質的研究.

第 1回プライマリ・ケア連合学会学術大会(東京)2010

14. 松下明.研修医イマイチ先生の成長日誌 行動科学で学ぶメディカルインタビュー. 医学界新聞連載

医学書院 2010.4.-2011.1 http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02874_07

15. 松坂英樹,木島庸貴,大倉佳宏,田原正夫,吉本尚 他.1つの症例を深めることを通じて家庭医療を

学習するワークショップの実施報告 第 1 回プライマリ・ケア連合学会学術大会(東京)2010.

16. 木島庸貴,吉本尚,松下明.産婦人科を標榜しない診療所での子宮頚癌検診の取り組み.

第 1回プライマリ・ケア連合学会学術大会(東京)2010

17. 田原正夫,松坂英樹,木島庸貴,大倉佳宏,加藤寛,吉本尚,松下明.地域医療研修において地域包括支援

センターと連携した介護予防健診受診率向上の試み.

第 1回プライマリ・ケア連合学会学術大会(東京)2010

18. 田原正夫.ニュースウオッチ 9 シリーズ”日本再設計” ~ダウンサイジング時代を生きる~③

高齢者を支える新たな医療 ”家庭医” 2010.

http://www.nhk.or.jp/asupro/country/country_14_03.html 19. 田中久也.特集 これからのプライマリ・ケアを切り拓く人とことば 第四景 家庭医に求められる

役割1:地域連携・在宅医療・緩和ケア 家族志向のプライマリ・ケア (Family-oriented primary care).

日本プライマリ・ケア連合学会誌 vol.33, No.2 2010.

20. 田中久也.これからの小児科クリニック Ⅳ.小児科クリニックの運営のポイント グループ診療成功

の秘訣 小児科臨床 vol.63 増刊号 2010.

21. 松下明.日本でもようやく動き出した家庭医・総合医の育成.看護ジャーナル 2011.

22. 松下明.家庭医療看護師養成のとりくみ・他職種間コミュニケーション教育.第 2 回プライマリ・ケア

連合学会学術大会(札幌)2011.

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2012

23. 田原正夫.診療所の家庭医療指導医に何が求められるのか.シンポジウム「ジェネラリスト養成のため

の指導医の養成と質向上」 第 2回プライマリ・ケア連合学会学術大会(札幌)2011.

24. 田原正夫,家研也,村田亜紀子,小宮山学,大西弘高.「家庭医療という分野を選択した動機」についての質

的研究.第 2回プライマリ・ケア連合学会学術大会(札幌)2011.

25. 小宮山学,村田亜紀子,田原正夫,家研也.家庭医療後期研修医の現状把握調査. 第 2回プライマリ・ケア

連合学会学術大会(札幌)2011.

26. 松下明.家庭医療看護師養成プログラムの立ち上げ~地域医療を支える「家庭医療看護師」の養成.ナー

シングビジネス 2011.

27. 佐古篤謙.特集 思春期女子への診療 ティーンズとどう向き合いますか キャリーオーバー疾患にお

ける家庭医の役割. JIM Vol.21 No.10 2011.

28. 田原正夫.「もう困らない!患者指導」気管支喘息編.日本医事新報 No.4564 2011.

29. 松下明.家庭医のいる田舎.田舎暮らしの本 宝島社 2012.

30. 佐古篤謙 こどものケア. 藤沼康樹(編):新・総合診療医学-家庭医療学編.カイ書林 2012.

31. 松下明.患者との良好な関係を築くために. 治療 Vol.93 No.3 別冊 2012.

研修修了生の在籍中の業績

1. Saito H, Matsushita A, Imura H: Educational effect of primary care at acute care

hospital ~In acute care hospital ,“How often you can see fatal disease?”~

27th Annual Meeting of The Japanese Medical Society of Primary Care. Kanagawa,

2004.

2. Saito H, Tanaka H, Matsushita A: Japanese family physician’s referrals to

specialists. World Organization of Family Doctors Asia Pacific Regional Conference.

Kyoto, 2005.

3. Saito H, Tanaka H, Matsushita A: Outpatients emergency: Japanese family

physicians’ encounter. Analysis from referral records. World Organization of Family

Doctors Asia Pacific Regional Conference. Kyoto, 2005.

4. Saito H, Yasuda H, Matsushita A: The establishment of Chugoku region family

medicine network. 20th Annual Meeting of Japanese Academy of Family Medicine.

Kyoto, 2005.

5. Saito H: The future of young doctor as a family physician. A symposium of 20th

Annual Meeting of Japanese Academy of Family Medicine. Kyoto, 2005.

6. Saito H: The present situation and future of family medicine training in Japan. A

symposium of 20th Annual Meeting of Japanese Academy of Family Medicine. Kyoto,

2005.

7.T. Harada, Y. Fukumoto, A Matsushita : The introduction of DM flowsheet in clinic.

20th Annual Meeting of Japanese Academy of Family Medicine. Omiya 2003.

8.吉本尚,松下明,佐古篤謙.家庭医療後期研修プログラム卒業生は経営的にも健全に診療所を運営できる

か? 日本家庭医療学会(東京)2008.

9.吉本尚,松下明,佐古篤謙、他 【原著】家庭医療後期プログラム研修医の日常診療における経営的側面の

考察. 日本家庭医療学会誌(家庭医療) Vol 15. No.1 2009.

10.吉本尚,松下明. 診療所からの電話連絡による 2種混合ワクチン接種率向上の取り組みの検討.

日本家庭医療学会(京都)2009.

11.吉本尚,松下明,佐古篤謙,田中久也.インフルエンザ症例を用いたコスト算定の教育.

第 1回プライマリ・ケア連合学会学術大会(東京)2010.

12.吉本尚.Procedures Consult 翻訳・監修 2010

http://proceduresconsult.jp/default.aspx?language=ja-JP 13.吉本尚.「東北関東大震災 医療関係者への翻訳をメインとする後方支援のページ」総責任者 2011

https://sites.google.com/site/honyakushienforjapan/

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問い合わせ・応募方法

毎年 TFC、日本プライマリ・ケア連合学会メーリングリスト、にっぽんの家庭医、中

国地方家庭医療ネットワークの各メーリングリストに家庭医療後期研修医募集のアナウ

ンスを行う予定です。

問い合わせ、見学希望、研修希望の方は以下の連絡先までお願いします。

〒708-1323

岡山県勝田郡奈義町豊沢292-1

奈義ファミリークリニック

所長 松下明

TEL:0868-36-3012

FAX:0868-36-6435

E-mail:[email protected]

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2012

奈義ファミリークリニック/津山中央病院 家庭医療後期研修プログラム

後期研修プログラム(初版)作成 2006年2月14日 齊藤裕之

第1回改訂 2006年 7月30日 (文責 松下 明)

第2回改訂 2007年10月13日 (文責 松下 明)

第3回改訂 2008年 3月30日 (文責 松下 明)

第4回改訂 2009年 4月 1日 (文責 松下 明)

第5回改訂 2010年 3月31日 (文責 吉本 尚)

第6回改訂 2011年 4月 1日 (文責 田中久也)

第7回改訂 2011年 7月 1日 (文責 田中久也)

第 8回改訂 2012年 4月 1日 (文責 佐古篤謙) ※第 6回改訂で岡山家庭医療センター/津山中央病院家庭医療後期研修プログラムに名称変更

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FPCO

Family Practice Center of Okayama