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「相模川・中津川河川整備計画(骨子)」について、 学識経験を有する者からいただいたご意見 国土交通省関東地方整備局 参考資料3-2 ① 第1回相模川・中津川河川整備計画有識者会議 議事録 ② 第2回相模川・中津川河川整備計画有識者会議 議事録

「相模川・中津川河川整備計画(骨子)」について、 学識経験を … · 鎌田 素之 (関東学院大学理工学部理工学科准教授) 鈴木 伸治

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Page 1: 「相模川・中津川河川整備計画(骨子)」について、 学識経験を … · 鎌田 素之 (関東学院大学理工学部理工学科准教授) 鈴木 伸治

「相模川・中津川河川整備計画(骨子)」について、

学識経験を有する者からいただいたご意見

国土交通省関東地方整備局

参考資料3-2

① 第1回相模川・中津川河川整備計画有識者会議 議事録

② 第2回相模川・中津川河川整備計画有識者会議 議事録

Page 2: 「相模川・中津川河川整備計画(骨子)」について、 学識経験を … · 鎌田 素之 (関東学院大学理工学部理工学科准教授) 鈴木 伸治

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第1回相模川・中津川河川整備計画有識者会議

(議事録)

平成29年 3月13日

厚木商工会議所

1階101会議室

出席者(敬称略)

座 長 淺枝 隆 (埼玉大学大学院理工学研究科環境科学・社会基盤部門教授)

委 員 秋山 幸也 (相模原市立博物館学芸員)

鎌田 素之 (関東学院大学理工学部理工学科准教授)

鈴木 伸治 (横浜市立大学国際総合科学部教授)

利波 之徳 (神奈川県水産技術センター内水面試験場場長)

山坂 昌成 (国士舘大学理工学部理工学科教授)

(五十音順)

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◆開会

【竹本副所長】 これより「第1回相模川・中津川河川整備計画有識者会議」を開催させ

ていただきます。本日はお忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。

私は、本日の進行を務めさせていただきます、京浜河川事務所 副所長の竹本です。

どうぞよろしくお願いします。

はじめに本日配布している資料を確認させていただきます。座りながら説明させてい

ただきます。

資料目録、議事次第、委員名簿、座席表、資料-1相模川・中津川河川整備計画有識

者会議規則、資料-2相模川・中津川河川整備計画有識者会議運営要領(案)、資料-3

相模川・中津川の現状と課題、参考資料-1河川法(抜粋)、参考資料-2 相模川水系

河川整備基本方針、以上が本日の配布資料になります。

配布漏れ等がございましたら、事務局へお知らせください。よろしいでしょうか。

〔「なし」という声あり〕

◆委員等紹介

【竹本副所長】 それでは、委員の方々のご紹介をさせていただきます。お配りした委員

名簿の順にお名前を申し上げますので、一言ご挨拶をお願い致します。

相模原市立博物館、秋山幸也委員。

埼玉大学大学院、淺枝隆委員。

関東学院大学、鎌田素之委員。

横浜市立大学、鈴木伸治委員。

神奈川水産技術センター、利波之徳委員。

東京農業大学、中村好男委員。本日はご都合により欠席となっています。

国士舘大学、山坂昌成委員。

続きまして、事務局の紹介になります。はじめに関東地方整備局の紹介になります。

河川部 河川調査官、高橋。

相模川水系広域ダム管理事務所長、津久井。

京浜河川事務所長、服部。

京浜河川事務所 事業対策官、髙橋。

京浜河川事務所 計画課長、三浦。

次に神奈川県河川課の紹介になります。

県土整備局河川下水道部河川課長、横溝。

河川課調査グループリーダー 伊藤。

厚木土木事務所工務部相模川環境課長、松田。

厚木土木事務所津久井治水センター工務課長、森。

そして、最後になりますが、京浜河川事務所 副所長の竹本でございます。

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◆規則について

【竹本副所長】 引き続きまして、関東地方整備局と神奈川県で定めました本会議の規則

について説明させていただきます。規則の読み上げをお願いします。

【髙橋事業対策官】 それではお手元にあります資料-1相模川・中津川河川整備計画有

識者会議規則という資料をご覧下さい。規則を順次読み上げさせて頂きます。

相模川・中津川河川整備計画有識者会議規則

(趣旨)

第1条 本規則は、国土交通省関東地方整備局長(以下「局長」という。)及び神奈川

県知事(以下「知事」という。)が「相模川水系相模川・中津川河川整備計画

(案)」を作成するにあたり、河川法第 16 条の2第3項の趣旨に基づいて、学

識経験を有する者の意見を聴く場として設置する相模川・中津川河川整備計画有

識者会議(以下「会議」という。)の組織、委員、会議、庶務その他会議の設置

等に関して必要な事項を定めるものである。

(会議の委員及び組織)

第2条 委員は、相模川・中津川に関する学識や知見を有する者のうちから、局長及び

知事が委嘱する。

2 委員は7人以内で組織する。

3 委員の任期は、「相模川水系相模川・中津川河川整備計画」が策定されるまで

とする。

4 委員は、非常勤とする。

5 委員の代理出席は認めない。

6 会議に座長を置き、委員の互選によりこれを定める。

7 座長の任期は、事故により継続することが困難な場合を除き、第3項に定める

期間とする。

8 座長は、会務を総理する。

9 座長に事故があり、参加できないときは、座長があらかじめ指名する委員が、

その職務を代理する。

(会議の庶務)

第3条 会議の庶務は、関東地方整備局河川部河川計画課、京浜河川事務所及び神奈

川県県土整備局河川下水道部河川課において処理する。

(雑則)

第4条 この規則に定めるもののほか、会議の運営に関し必要な事項は座長が定める。

(附則)

1. 本規則は、平成29年3月13日から施行する。以上です。

【竹本副所長】 ただいま読み上げました本会議の規則につきまして、何か質問はご

ざいますか。

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〔「なし」という声あり〕

◆座長選出

【竹本副所長】 引き続きまして、本会議の座長の選出に入らせていただきたいと思いま

す。規則第2条第6項によりまして、座長は委員の皆さまの互選ということになっていま

す。どなたか座長を引き受けていただける方、またはご推薦等ございませんでしょうか。

【山坂委員】 私から推薦させていただいてもよろしいでしょうか。相模川水系の河川整

備につきましては、治水と環境が特に重要となっております。そういったところに高い見

識を持っておられる淺枝委員を推薦いたしますが、いかがでしょうか。

【竹本副所長】 ただいま山坂委員より淺枝委員の座長への推薦がございましたが、これ

につきまして、皆様方の意見はございますか。

〔「異議なし」という声あり〕

【竹本副所長】 異議がないようですので、座長は淺枝委員にお願いしたいと思います。

淺枝座長におきましては座長の席に移っていただきまして、一言ご挨拶いただければと思

います。

【淺枝座長】 ただいま座長を仰せつかりました淺枝でございます。私は 30 年ほど前か

ら相模川のリバーカウンセラーを数年前まで務めさせていただいておりました。相模川は

非常に面白い川で、相模川は礫で埋まっていた川だと思っております。しかしながら、い

ま礫は非常に少なくなってしまっていて、むしろ木や草がたくさん生えてしまっている。

また、今日の説明でもあろうかと思いますけど、環境基準でいえば A 類型に属する川です。

それでいながら、相模湖や津久井湖ではアオコが発生している。他の川では起こらないよ

うな現象が起きている川です。そういったこともありまして、相模川ではいち早く土砂管

理に着目して、十数年前からそういった検討を行ってきております。土砂というものは治

水の面では河道断面の関係から重要ですが、環境の面でも重要であるということが海外で

は常識になっております。相模川ではいち早くそういったところを取り入れて、検討を進

めているということで、非常に先駆的な川であると思っております。そういった川の整備

計画策定ということで、普通は整備計画の期間は 30 年を目途にということですが、精神

としては 100 年くらいを目途に考えているような整備計画であればいいのではないかと思

っております。どうぞよろしくお願いします。

【竹本副所長】 ありがとうございました。それでは、これからの進行については、座長

の淺枝委員にお願いしたいと思います。規則第4条に会議の運営に関し必要な事項を定め

る条項がございます。

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淺枝座長、運営要領(案)の審議からよろしくお願いします。

【淺枝座長】 それでは、運営要領(案)について説明をお願いしたいと思います。

【髙橋事業対策官】 それでは、資料-2相模川・中津川河川整備計画有識者会議運営要

領(案)につきまして、ご説明させていただきます。

相模川・中津川河川整備計画有識者会議運営要領(案)

(目的)

第1条 本運営要領は、相模川・中津川河川整備計画有識者会議規則(平成29年3月

13日付け)(以下「会議規則」という。)第4条に基づき、相模川・中津川

河川整備計画有識者会議(以下「会議」という。)の会議の方法に関し必要な

事項を定め、もって円滑な会議運営に資するものである。

(会議の招集)

第2条 会議は、関東地方整備局長(以下「局長」という。)又は神奈川県知事(以下

「知事」という。)の要請を受け、座長が招集する。

(議事録)

第3条 会議の議事については、事務局が議事録を作成し、出席した委員の確認を得た

後、公開するものとする。

(会議の公開について)

第4条 会議については、原則として公開とし、会議の公開方法については会議で定め

る。

(会議資料等の公表について)

第5条 会議に提出された資料等については速やかに公開するものとする。ただし、個

人情報等で公表することが適切でない資料等については、会議に諮り、公表しな

いものとする。

(雑則)

第6条 この要領に定めるもののほか、会議の議事の手続きその他運営に関し必要な事

項は、座長が定める。

(附則)

1. 本運営要領は、平成29年3月13日から適用する。

以上でございます。

【竹本副所長】 今、読み上げました運営要領(案)につきましては、座長が定めること

になっておりますが、座長この案でいかがでしょうか。

【淺枝座長】 はい、よろしいと思います。

【竹本副所長】 それでは、原文どおりで、運営要領の(案)をとることとします。

今後、会議は原則として、運営要領に沿って運営することといたします。また、運営要

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領第4条に会議の公開方法については、会議で定めるとしております。公開につきまして

は一般傍聴者及び報道関係者に本会議場に入って頂き傍聴するようにしたいと考えており

ます。公開方法について、座長いかがでしょうか。

【淺枝座長】 異議はありません。他の委員方はどうですか。

〔「異議なし」という声あり〕

【竹本副所長】 それでは、本会議場へ移っていただきますので、皆様移動の準備をお願

いいたします。本会議場は1階 101会議室になります。係の者が案内いたしますので、

皆様でのご移動をお願いいたします。

〔101会議室に移動〕

【竹本副所長】 全員お集まりのようなので、これより始めさせていただきます。本日は

お忙しい中、相模川有識者会議に御出席いただき、まことにありがとうございます。

本日の進行を務めさせていただきます、京浜河川事務所副所長の竹本でございます。

どうぞよろしくお願いします。

記者発表の際に会議の公開をお知らせしましたが、カメラ撮りは冒頭の挨拶までとさ

せていただきますので、よろしくお願いします。取材及び一般傍聴の皆様にはお配りして

おります、「取材また傍聴に当たっての注意事項」に沿って適切に取材及び傍聴され、議

事の進行に御協力いただきますようお願い申し上げます。

以降の進行は座って進めさせていただきます。

◆挨拶

【竹本副所長】 それでは議事の5.になります挨拶について、まず初めに関東地方整備

局河川部河川調査官の髙橋より、御挨拶をお願いします。

【髙橋河川調査官】 河川部の河川調査官をしております髙橋と申します。

本日はお忙しい中、第1回相模川・中津川河川整備計画有識者会議に御出席賜りまし

て、まことにありがとうございます。相模川水系につきましては、平成 19 年に将来計画

になります河川整備基本方針を策定しているところでございまして、その後、具体的に

20 年から 30 年の整備のメニューを定めます、中期的な計画となります河川整備計画の検

討を進めてまいったところでございます。

今般、神奈川県さんと共同でということになりますが、河川整備計画の策定に向けて、

具体的な内容が固まりつつございますので、河川法の趣旨に基づきまして、有識者の方々

から御意見をいただく場として、この会議をセットさせていただいたものでございます。

本日は第1回目ということでございますので、相模川・中津川の現状と課題について

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御説明をさせていただいて、御意見を賜れればと思っておりますので、どうぞよろしくお

願いいたしたいと思います。

【竹本副所長】 ありがとうございました。

続きまして、神奈川県県土整備局河川下水道部・横溝河川課長より御挨拶をお願いし

ます。

【横溝河川課長】 神奈川県河川課長の横溝です。よろしくお願いいたします。

本日は委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席をいただきましてまことに

ありがとうございます。

相模川及び中津川の神奈川県管理区間につきましては、直轄区間と一緒に国土交通省

さんと共同で河川整備計画を策定することとしております。委員の皆様から御意見をいた

だきながら、いい計画をつくっていきたいと考えておりますので、ぜひ、よろしくお願い

いたします。

【竹本副所長】 ありがとうございました。

まことに申しわけございませんが、カメラ撮りはここまでとさせていただきますので、

御協力をお願いいたします。

委員の皆様にお願いがございます。御発言に当たりましてはお手元のマイクを使用し、

お名前の後に御発言いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

それでは淺枝座長、議事の進行をお願いいたします。

◆相模川・中津川の現状と課題

【淺枝座長】 かしこまりました。それでは、議事次第6.「相模川・中津川の現状と課

題」について、事務局から用意いただいております資料の説明をお願いいたします。

【三浦計画課長】 お手元の資料-3、相模川・中津川の現状と課題について御説明いた

します。

1ページより、流域の概要について御説明いたします。

2ページは、流域の諸元、降雨・地形特性等についてです。相模川は富士山を源に発

しており、山梨県内では「桂川」と呼ばれております。

その流れは山中湖から笹子川、葛野川などの支川を合わせ、山梨県の東部を東に流れ

て神奈川県に入り、「相模川」と名を変え、相模ダム、城山ダムを経て流路を南に転じ、

神奈川県中央部を流下し、中津川などの支川を合わせて相模湾に注いでおります。

流域面積は 1680km2、幹川流路延長は約 113km、流域内人口は約 133 万人となっており

ます。

左下の土地利用の状況ですが、約 73%が山地となっており、農地が約7%、市街地が

約 12%を占めております。

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降雨特性ですが、流域の年平均降水量は約 1800mm となっており、全国平均と同程度と

なっております。

富士山や丹沢山地で多雨傾向にございます。

右上の地質特性ですが、上流部富士山周辺では火山性の地質のため透水性が高く、降

雨や降雪の多くが地下水として浸透し、豊富な伏流水として湧出している状況です。

右下ですが、城山ダムから上流の上流部は主に山地となっており、急勾配の地形とな

っております。城山ダムから厚木までの中流部は丘陵地、河岸段丘が発達しております。

厚木から河口までの下流部は、比較的穏やかな勾配の地形で市街地が広がっている状況で

す。

3ページは、国管理区間の氾濫域の概要となっております。左の図は平成 28 年5月に

公表しました、想定最大規模降雨の洪水浸水想定区域図です。国管理区間につきましては

拡散型の氾濫形態となっておりまして、茅ヶ崎市、平塚市、寒川町の市街地に浸水が及ん

でおります。

右の図は土地利用の変遷となっております。昭和 30~40 年代は田畑等が広がっており

ましたが、高度経済成長期に市街化が進展し、現在は工場や住宅が密集している状況です。

4ページは、神奈川県管理区間の氾濫域の概要です。左の図は相模川の計画規模 150

分の1の浸水想定区域図となっており、右の図は中津川の計画規模 100 分の1の浸水想定

区域図となっております。相模川の県管理区間の氾濫形態は、磯部地点下流では拡散型の

氾濫形態、磯部地点上流では氾濫域が狭い流下型の氾濫形態となっております。

中津川は全川的に河岸段丘内を流れる流下型の氾濫形態となっておりまして、平野部

が多少広がる下流部において氾濫域が若干広がる地形となっております。

県管理区間の想定最大規模降雨による洪水浸水想定区域図は、平成 28 年度中に公表予

定となっております。

続きまして5ページ、自然環境の概要について御説明いたします。

上流部は蒼竜峡や猿橋付近の渓谷美が見られる河川景観を有しており、渓流にはヤマ

メ・カジカが生息しております。

中流部は、瀬・淵や礫河原が形成され、アユ等の生息環境やカワラノギク等の河原固

有の動植物の生息・生育環境を有しております。

下流部につきましても瀬・淵が形成され、アユ等の産卵・生息環境を有しております。

右下の写真になりますが、河口干潟にはシギ・チドリ類の渡り鳥の中継地となっておりま

す。

中津川は瀬・淵が形成され、アユ・アブラハヤ等の生息環境を有しております。

続きまして6ページは、相模川本川の河川空間の利用の概要です。上流部の山梨県区

間につきましては、富士箱根伊豆国立公園に指定されており、富士山や富士五湖を中心と

した豊かな自然環境を生かした、観光やレクリエーションが行われております。

上流部の神奈川県区間につきましては、相模湖、津久井湖は大都市近郊の自然を楽し

める空間として、スポーツ、イベント等に利用されております。

中流部・下流部の河川敷にはグラウンドや公園、水辺の楽校等が整備され、周辺住民

の憩いの場となっております。また、花火大会やお祭りなど、四季折々のイベントが開催

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されております。

左下のグラフになりますが、河川空間における国管理区間の年間利用者数は約 90 万人、

県管理区間は約 500 万人となっております。

続きまして7ページで、中津川と中津川上流の宮ヶ瀬ダムの河川空間の利用と概要に

ついて御説明いたします。中津川はアユ釣りや水遊び等に利用されており、また河川敷は

グラウンド等が整備され、スポーツ等に利用されております。

中津川上流の宮ヶ瀬湖では、ダム湖畔に広場等が整備され、憩いの場等やさまざまな

イベントが開催されております。

下段になりますが、宮ヶ瀬ダムでは年間 70 回の観光放流を実施しております。観光放

流見学者数は直近5年で5万人を超えておりまして、平成 28 年度は7万人を突破してお

ります。また、地域に開かれたダムとして、河川管理施設を活用し、地域振興の一助とな

っているほか、水とエネルギー館では、神奈川県の公立小学校の約4割が来訪しており、

宮ヶ瀬ダムと水道に関するレクチャーが行われております。

8ページは、水環境(水質)の概要についてです。相模川は山中湖から柄杓流川合流

点までがAA類型、その下流から寒川取水堰までがA類型、寒川取水堰から河口までがB

類型に指定されており、近年は環境基準を満足しております。

中津川は、宮ヶ瀬ダム下流端から相模川合流点までがA類型に指定され、こちらも近

年は環境基準を満足しております。

9ページは、相模川流域の史跡・名勝・天然記念物についてということで、相模川流

域には多くの史跡・名勝・天然記念物が点在しております。

相模川にかかわりが深いものとして、水源地の「忍野八海」、奇橋として有名な「猿

橋」、相模川の流路の変遷を物語る「旧相模川橋脚」などがございます。

続きまして 10 ページで、主な洪水とこれまでの治水対策について御説明いたします。

昭和 22 年9月のカスリーン台風を契機に、昭和 32 年に相模川水系改修計画が策定されま

した。

昭和 36 年から相模川総合開発事業による城山ダムの建設が計画され、昭和 40 年に同

ダムが完成しております。

昭和 41 年には工事実施基本計画が策定され、昭和 44 年の相模川の一級水系指定に伴

い、直轄事業として河口から神川橋区間について改修工事に着手しております。

昭和 49 年には工事実施基本計画を改定し、基準点を城山から厚木へ変更しております。

平成 13 年には宮ヶ瀬ダムが完成しております。

平成 19 年 11 月に、相模川水系河川整備基本方針を策定しております。

主な洪水としまして、既往最大としまして明治 40 年8月洪水、戦後最大としまして昭

和 22 年9月のカスリーン台風、近年の洪水被害としましては昭和 57 年9月洪水が、相模

川で最後に外水氾濫をした洪水となっております。

続きまして 11 ページで、近年の主な治水対策について御説明いたします。上流部では

洪水調節施設として城山ダム、宮ヶ瀬ダムが建設されております。

中下流部においては、堤防の高さ、幅が不足している区間の整備を行うとともに、流

下能力が不足している箇所の河道掘削を実施しております。

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河口部では高潮対策として、堤防のかさ上げ等を実施しております。

続きまして 12 ページは、河川整備基本方針の概要です。厚木基準点において、年超過

確率 150 分の1(毎年1年間にその規模を超える洪水が発生する確率が 150 分の1)の洪

水に対して、洪水を安全に流下させることを目標としております。

災害の発生の防止または軽減についての主な方針としましては、1つ目、相模川の豊

かな自然環境や河川景観に配慮しながら、堤防の新設、拡築、河道掘削及び河道拡幅、橋

梁・堰等の改築により河積を増大させる。

2つ目、水衝部等には護岸等を整備するとともに堤防強化を図る。

3つ目、河道で処理できない流量については、流域内の洪水調節施設により洪水調節

を行う。

4つ目、河口部においては、高潮及び津波対策として高潮堤防の整備を行うというこ

とが、基本方針で定められております。

左上になりますが、計画高水流量配分図ということで、基準地点厚木の基本高水のピ

ーク流量は 10,100m3/s とし、このうち流域内の洪水調節により 2,800 m3/s を調節し、河

道への配分流量は 7,300 m3/s となっております。

続きまして 13 ページ以降からは、相模川・中津川の現状と課題についてとなりますが、

国管理区間について、まず御説明いたします。

14 ページは治水の現状と課題ということで、平成 28 年3月末現在、左の図になります

が、黒線で記されている区間が計画断面の堤防が完成している箇所、赤線で記されている

区間が断面不足の、まだ堤防整備が必要な箇所となっております。平成 28 年3月末現在、

堤防の完成延長は 10.4km、今後整備が必要な堤防延長は 2.8km となっておりまして、堤

防整備率は約 79%となっております。

直轄区間の上流部については堤防の整備がほぼ完了しておりますが、一部樋管部等で

断面不足の区間がございます。

下流部につきましては堤防の断面不足の箇所が残っており、高潮堤防等の未整備区間

について、整備が必要な状況となっております。

15 ページは、河川環境の現状と課題ということで、自然環境について御説明いたしま

す。

右上になりますが、土砂環境の変化により、シナダレスズメガヤ等の外来種やオギ・

クズ等の繁茂及び樹林化の進行により、神川橋下流の5~6.6km に見られた礫河原は近年

減少傾向にございます。

2~6km の水際に見られたヨシにつきましても、樹林化等の影響により生育範囲が大

きく減少している状況です。

近年、河口砂州の後退により河口部の干潟が減少し、干潟に生息するシギ・チドリ類

の確認種数も減少しております。

神川橋下流の瀬はアユ等の産卵場となっておりますので、今後も保全していく必要が

ございます。

続きまして 16 ページで河川環境の現状と課題としまして、河川利用・地域連携につい

て御説明いたします。相模川は市街地に隣接しているため、高水敷に公園やグラウンド、

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花畑、水辺の楽校などが整備され、堤防天端も含めて、スポーツやレクリエーション、憩

いの場として地域の人に広く利用されております。

一方で、河川敷への不法投棄や河口部でのプレジャーボートの不法係留、水上バイク

による事故など、地域住民の生活環境への影響等、水面利用が問題となっております。

河川管理者・学識者・沿川自治体・警察・水面利用者等で構成される「相模川・小出

川水面等利用者協議会」を発足し、水面利用の良好な環境整備の推進を図っているところ

です。

右側にあります地域連携の取り組みとしまして、沿川自治体やボランティア団体と連

携して、河川環境の保全に関するさまざまな活動、イベントを実施しております。平塚市

の馬入地区では、馬入のお花畑や馬入水辺の楽校が整備されております。

花畑では、平塚市と花畑ボランティアの協働で維持管理が行われております。

また、馬入水辺の楽校は、環境学習や自然体験の場として多くの人に利用されており

ます。

沿川自治体、住民、河川利用者及びボランティア団体等が清掃活動を行っております。

また、神川橋下流左岸の河原では、市民によるカワラノギクの保全活動が行われておりま

す。

【伊藤調査グループリーダー】 次に、神奈川県河川課・伊藤から説明させていただきま

す。

現状と課題(神奈川県管理区間)でございます。

18 ページの図面についてですが、黒線が計画断面で、赤線が断面不足、緑の点線が不

必要ということで、山付きのようなところでございます。

平成 28 年3月末現在、相模川における堤防の完成延長は 36.3km(約 79%)、今後整

備が必要な堤防延長は 9.5km(約 21%)、また、中津川における堤防の完成延長は

27.1km(約 88%)、今後整備が必要な堤防延長は 3.8km(約 12%)となっております。

相模川の厚木付近(15km 付近)より上流及び中津川では、堤防断面が不足する箇所が

ございます。

相模川の三川合流部(相模川・中津川・小鮎川が合流)付近では、堤防断面とあわせ

て河道断面の確保が必要となっております。

19 ページは、河川環境の現状と課題①自然環境(ヨシ群落・礫河原の減少、樹林化)

についてでございます。城山ダム~中津川合流点でございますが、土砂環境の変化により、

草地化・樹林化が進行し、カワラノギク等の河原性植物の生息地である礫河原が近年減少

しております。

中津川合流点下流は、上流部同様、礫河原が減少しているとともに、外来種や樹林化

の進行により、コアジサシの繁殖地となる礫河原や、オオヨシキリの繁殖地となるヨシ群

落が近年減少しております。

中津川でございますが、昭和 60 年ごろまでは連続して礫河原が見られ、みお筋が複雑

な流れを形成しておりましたが、平成 26 年にはみお筋が固定化し、草地化・樹林化が進

んでおります。

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右下の赤枠のところでございますが、相模川で生育している絶滅危惧種のカワラノギ

クは近年減少しており、相模川の各地で保全活動が行われているところでございます。

その右でございますが、礫河原面積は近年減少傾向にございます。樹林面積は昭和 56

年に比べ、大幅に増加しています。

また、ヨシ・ツルヨシ群落などの湿生植物群落が大きく減少してございます。

20 ページは、河川環境の現状と課題②自然環境(瀬・淵の保全、水質)でございます。

相模川の下流域には、アユ等の産卵場が多く形成されています。

相模川では平成 27 年のアユの漁獲量が全国1位となっておりまして、相模川を特徴づ

ける重要な魚類であり、生息場となる瀬・淵を保全する必要があります。

右下の枠ですが、三川合流付近で土丹が露出するようになりました。土丹の上には砂

礫がとどまることが難しいため、範囲の拡大や河床低下の進行の可能性が懸念されており

ます。

上流の相模ダムや城山ダムでは、ダム貯水池の水質維持、富栄養化の防止・軽減を目

的として、エアレーション装置によるアオコ発生の抑制対策に取り組んでおります。

21 ページは、河川環境の現状と課題③河川利用・地域連携【神奈川県管理区間】でご

ざいます。まず河川利用でございますが、相模川・中津川は、散策、スポーツ、釣りなど、

地域の人々の憩いの場として利用されております。

河川敷は車両の進入による自然環境への影響や不法投棄が問題となっております。ま

た、モトクロスバイクやラジコン、バーベキューなど、河川敷の利用形態が多様化してお

ります。

右枠の地域連携ですが、花火大会や大凧まつりなど、地域のイベントやお祭りの場、

カワラノギクの保全活動の場として多くの人に利用されております。

その下ですが、沿川自治体と連携し、河川の清掃作業を通じて、河川環境の美化、愛

護意識等の向上を目指しております。

多くの方々に川に親しみを持っていただけるよう、河川の草刈りや清掃を地域の自治

会等にお願いする「自治会委託制度」も設けているところでございます。

以上でございます。

【三浦計画課長】 続きまして、現状と課題の国管理区間と県管理区間の共通部分につい

て御説明いたします。

23 ページで、減災・危機管理対策について御説明いたします。国土交通省では平成 27

年9月の、鬼怒川が決壊しました関東・東北豪雨を踏まえて、施設では守り切れない大洪

水が必ず発生するという前提に立って、「水防災意識社会再構築ビジョン」を策定いたし

ました。

相模川下流部(国管理区間)では、平成 28 年5月に河川管理者、県、市町村、気象台

から構成される「相模川流域大規模氾濫に関する減災対策専門部会」を設置し、平成 28

年 10 月に、「相模川の減災に係る取組方針」を策定しました。

本取組方針に基づきまして、発生し得る大規模水害に対し、「逃げ遅れゼロ」、「社

会経済被害の最小化」を目指すことを目標とし、今後5カ年で「洪水氾濫を未然に防ぐ対

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策」及び「危機管理型ハード対策」に加え、住民自らリスクを察知し主体的に避難できる

よう、「住民目線のソフト対策」について、関係機関が連携して取り組むこととしており

ます。

平成 28 年8月に、北海道・東北地方で相次いで発生した台風による豪雨災害を受け、

「水防災意識社会再構築ビジョン」の取り組みを、都道府県等管理河川にも拡大すること

となりました。

今後、相模川(県管理区間)においても「減災協議会」を立ち上げ、「取組方針」策

定のための議論を行う予定としております。

続きまして 24 ページで、利水の現状と課題について御説明いたします。相模川の水利

用は、人口の急増と産業の発展による水需要の増加に応えるため、計画的に高度な水資源

開発を行っております。

流域内の各ダムでの効率的な水運用により、水需要地域への安定した供給を図るため、

相模ダム・城山ダムと宮ヶ瀬ダムを2本の導水路を介して総合運用しております。

相模川水系により、神奈川県内の約6割に水道用水を供給している状況です。また、

宮ヶ瀬ダムの供用開始以降、神奈川県内の給水区域では取水制限を伴う渇水は発生してい

ない状況です。

小倉地点の正常流量(かんがい期:概ね 20 m3/s、非かんがい期:概ね 10 m3/s)はほ

ぼ満足している状況です。寒川取水堰下流地点では、正常流量 12 m3/s 中8m3/s を確保し

ております。

続きまして 25 ページで、相模川流砂系土砂環境の現状と課題について御説明いたしま

す。相模川流砂系では、昭和 30 年代までの大量の砂利採取等による土砂動態の変化(土

砂供給量の減少)に伴いまして、砂浜の侵食、河道の局所洗掘、樹林化の進行や礫河原の

減少、ダムへの急速な土砂堆砂等、さまざまな土砂環境の課題が顕在化しております。

相模ダムでは計画堆砂量を上回る土砂が堆積しておりまして、継続的な浚渫が必要と

なっております。

神奈川県では相模ダム等の浚渫土砂を用いた、河道への置き砂の試験施工や海岸への

養浜を行っております。

土砂発生域、ダム、河道域、河口・海岸域の関係者が連携して、総合的な土砂管理を

推進するため、国、神奈川県及び山梨県において「相模川流砂系総合土砂管理計画」を平

成 27 年 11 月に策定しております。今後はこの計画に基づきまして、関係機関で連携して

取り組みを実施していくことになっております。

以上で、現状と課題の説明を終わります。

【淺枝座長】 ありがとうございました。

ただいま「相模川・中津川の現状と課題」について御説明いただきました。今回は第

1回の委員会でもありますし、委員の皆様から、さまざまな視点から御意見をいただきた

いと思います。

それでは、私の左隣にお座りの鈴木委員から時計回りでお願いいたしたいと思います。

事務局からは最後にお願いしたいと思います。

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どうぞよろしくお願いします。

【鈴木委員】 鈴木でございます。資料を丁寧にまとめていただき、ありがとうございま

す。 私の専門とするところは都市計画ということで、河川の環境そのものというよりは、

もう少し地域社会との連携についてお尋ねしたい部分がございます。

相模川については、その水を利用している、その水に頼っている人が、流域を越えて

広く横浜市内であるとか、あるいは京浜工業地帯の発展を支えたのも相模川のおかげかと。

戦前からの河水統制事業以来、そういった恩恵を多く受けてきた地域があるわけですね。

そういった地域連携の状況の中で、流域以外のところも含めて、例えば宮ヶ瀬ダムに

おいてはかなり広域に社会科の見学なども来ているように思いますが、そういった部分は、

現状としてはどのように流域全体として把握されているのか。ちょっと細かい話から、い

きなり入ってしまいますが。

【津久井広域ダム管理事務所長】 お世話になります。宮ヶ瀬ダム所長の津久井でござい

ます。

鈴木委員がおっしゃるとおり、宮ヶ瀬ダムはおかげさまで神奈川県内の公立小学校の

4割が、完成以来コンスタントに来ていただいているということで、一番来られているの

は横浜市がメインですが、ただ、神奈川県一円で、相模川流域以外からも来られておりま

す。

最近、特に注目されているのは、昨年のトピックで、日本経済新聞の6月 11 日土曜日

に、「この夏行ってみたい観光ダムランキング」が公表されました。ダムマニアとか新聞

記者、旅行家に評価していただきまして、黒部ダムを抑えて実は1位になりました。その

影響かどうかわからないのですけれども、本日の資料にもございますが、宮ヶ瀬ダムは観

光放流を平成 14 年から実施しており、観光放流見学者数が最近4年間は5万人を超えて

いましたが、今年度、平成 28 年度は3割増しの7万 5000 人ということで、かなり注目さ

れるようになってきました。周辺自治体とも連携しながら、こちらに来ていただいた方が、

いかに地域を回って、地域のことを見てもらって、そこで消費行動を起こしてもらうかと

いうことも今やっているところでございます。

【淺枝座長】 神奈川県さんのほうでも、いろいろやられているかなという気がしますが、

いかがでしょうか。

【伊藤調査グループリーダー】 地域の連携といいますと、相模川では厚木市でやってい

る花火大会とか、私もこいのぼりを見にいったことがありますが、両岸、本当にこいのぼ

りがいっぱいありまして壮観な景色でございました。

それから大凧まつりなども連休のときにやっていまして、地元の人も一生懸命やって

いますし、応援する人も多くの方が皆、「大凧上がらないかな」と見ているといったこと

で、いろいろなイベントやお祭りをやることによって、連携が図られているのかなと思っ

ております。

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【淺枝座長】 どうもありがとうございます。

【鈴木委員】 恐らくさがみ縦貫ができて、随分と人の流れが変わっているという意味で、

観光の面でいけば、宮ヶ瀬周辺にも広域に人が来るようになっているという部分もあると

思います。

また、これに関係するかどうかわかりませんけれども、物流の関係で倉庫などが立地

し始めていまして、それはそれでまた別の影響が出てくる可能性もあるのではないかと思

いますので、そういったことも考えていく必要があると思います。

【淺枝座長】 どうもありがとうございました。

それでは利波委員、お願いしたいと思います。

【利波委員】 利波でございます。

今までも相模川に関してはいろいろお話を聞く機会があって、いつも同じことを言っ

ているようで恐縮ですが、どうしても私ども、アユの生息状況が一番気になるところでご

ざいます。その中で、資料的にいきますと 20 ページに書かれているところですが、特に

三川合流点の土丹の関係については、いろいろな形で改善の取り組みをされていることは

承知をしておりますが、最近の状況についておわかりになっていれば、教えていただけれ

ばと思います。

【淺枝座長】 どうでしょう、三川合流のあたりの部分ですね。

【松田厚木土木事務所相模川環境課長】 厚木土木事務所の相模川環境課長の松田と申し

ます。私から説明させていただきます。

三川合流点のところは地域の方、もしくは県外の方、バーベキュー等で非常に多くの

方が利用しているところで、観光上も要所として非常に重要なところだと認識しておりま

す。

ここにつきましては昨今の土砂環境の変化ということで、写真にあるとおり土丹が出

てきてしまっているということで、平成 24 年度から周辺の土砂を持ってきて被覆したり、

流れがどうしても右岸側へ寄ってしまっているというところもございますので、右岸側の

流れを少しでも緩和するということで、反対の左岸側のほうに水路状のものを掘削しまし

て、水をそちらのほうに瀬回しをすることに取り組んでおります。

それから被覆しても、大きな水が一回起きてしまいますと流れてしまうところもあり

ますので、砂防工事やダムの浚渫工事で出ました、50cm から1mぐらいの大きな石を現

地に運びまして、串状に水制工のような形で置きました上で土砂を被覆することに取り組

んでおりまして、平成 28 年度にかなりの量での土砂や石を設置しました。平成 28 年度は

大きな洪水は出ていないんですけれども、去年の8月に 1,000m3/s 級の放流がございまし

たが、設置した土砂はとどまっているという状況になってございます。

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さらに、上流のほうでも水の流れを緩める、流れの向きを変えるといったことにも取

り組んでいきたいと考えておりまして、これにつきましては現在、検討している状況でご

ざいます。

【利波委員】 ありがとうございます。

今お話いただいた、その中にもヒントというか関連するお話があったんですが、アユ

の漁場といいますか、アユの視点で川を見せていただいたときに、どうしても川が単調だ

という話が出てきます。

そういう中で、今お話があったような大きな石を適所に配置していただくことがある

といいなという話があるわけです。もちろん、これは別の意味でいろいろな課題があるこ

とも承知しておりますが、今のお話の中では三川合流点の土丹の周辺では、水制工という

位置づけの中で取り組んでいただいているというお話なわけですね。そうしますと、これ

は場所によるのだろうと思いますが、ほかのところでも適宜そういうことが検討いただけ

るのかどうか、御意見いただければと思いますが。

【淺枝座長】 どうでございましょう。

【松田厚木土木事務所相模川環境課長】 先ほど申し上げましたことの繰り返しになりま

すが、今、この三川合流点で土丹を被覆しているところから上流のほうも、水制工になる

かというところは今、検討中ですが、水の流れを緩める、もしくは流れの向きを若干でも

左岸側のほうに向くような効果が期待できる施設を、どのような場所に配置するかを検討

している状況でございます。

【利波委員】 ありがとうございます。

【淺枝座長】 どうもありがとうございました。

それでは山坂委員。

御発言の前にお名前を一言言っていただければと思います。

【山坂委員】 国士舘大学の山坂と申します。

先ほどの御説明の中で樹林化が進んでいるという問題がありまして、樹林化が進むと、

一つは治水対策ということで河道の断面が確保できないため、12 ページにありますよう

に樹木の伐採をすることになっていますが、樹木を伐採しても、また数年すると生えてく

るということで、伐採と生えるのがイタチごっこといいますか、それをずっと繰り返すこ

とになってしまっているような気がします。

それと、いろいろな面から、もともと相模川は礫河原だったということで、自然の状

態に戻してやるということを考えますと、ただ伐採するというよりも、樹林化していると

ころの冠水頻度を上げて、自然に表面に攪乱を起こして、樹林化が進まないような方向を

考えていくのがいいのかなと思っています。ほかの川では一部掘削して、洪水がもともと

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樹林となっているようなところを流れて、木が生えにくいという事例があると思いますが、

国あるいは県として、そういう対策をしようという考えはございますでしょうか。

【淺枝座長】 どうでございましょう。

【三浦計画課長】 国の資料の 15 ページになりますが、直轄管理区間では神川橋下流に

おいて樹林化が進んでおります。流下能力に影響を与えている箇所につきましては、今後

の河道整備において砂州の切り下げと樹林の伐採等を検討していきたいと思っております。

今、山坂委員より、樹林を伐採しても、きちんと中規模洪水の冠水頻度を上げないと、

樹林化し、またもとの河道に戻ってしまうということでしたので、そちらのほうもきちん

と考慮した上で砂州の切り下げ等を行って、樹林化が再度起きないような河道の検討をし

ていきたいと思っております。以上です。

【山坂委員】 ありがとうございます。

もう一つよろしいですか。相模川・中津川、両方とも自然が豊かで、キャンプとかバ

ーベキューに利用されると思います。ここで事故があったという話は聞いていないですが、

近隣の酒匂川では何回かそういう事故がありました。利用していただくのはいいことです

が、例えば民間にキャンプ場を運営していただく場合には、規則をもって洪水の被害が出

ないような対策をしておかないと、皆さんに楽しんでいただいたのはいいのですが、人の

命が奪われることがあると困ります。その辺の対策はどのようにされていますでしょうか。

【淺枝座長】 これはどうでしょうね。神奈川県さんのほうがよろしいですね。

【伊藤調査グループリーダー】 河川課の伊藤です。

本日、お持ちしましたが、「ストップ!河川水難事故」というパンフレットをつくっ

て配布したり、あるいは作成して注意喚起してホームページにも掲載したり、あとはダム

の警報装置で注意喚起をするといったことをしております。なるべく皆さんが水難事故に

ならないように啓蒙しているところでございます。

【山坂委員】 ありがとうございました。

【淺枝座長】 どうもありがとうございました。

それでは秋山委員、お願いしたいと思います。

【秋山委員】 相模原市立博物館の秋山と申します。よろしくお願いいたします。

私が現時点で気になっていることに関しては、山坂委員から伺っていただきましたの

で、私からは今現在、整備計画に係る所感を述べさせていただきます。

先ほど別室で行われた自己紹介の中で私の専門分野を言い忘れましたが、生態学、環

境教育を専門にやっております。そういう中で気になっている部分は、課題の中でも出て

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きている、相模川を象徴するような重要な生き物ですね。カワラノギクですとかコアジサ

シ、オオヨシキリといったものですけれども、こういった生き物はみんな礫河原、あるい

はヨシ原ですとか植生遷移の初期段階、あるいはエコトーンと言われる移行帯の部分に生

育・生息する動植物です。

そういったところは人間が人工的に造り出したり、維持をすることが困難な環境だと

思います。そういう点では流砂系ですとか、先ほどのみお筋の多様化が非常に重要なポイ

ントになってきます。河川整備計画は統合的・総合的な視点で整備計画をまとめていくと

いう目的があると思いますので、非常に期待が大きい。我々自身も期待していますし、流

域でいろいろな活動をされている方々の期待も非常に大きいと思います。期待が大きいと

いうことは、その期待を裏切ってしまったときの落差も非常に大きいということで、非常

に責任を感じております。心して取り組んでいきたいと思っています。

それから、それに関してですが、今、相模川流域で川に活動にかかわるいろいろな活

動をされている方々、団体の連携の部分も私は非常に気になっております。そういった団

体にしろ、活動にしろ、立ち上げる段階で重要なのはマンパワーです。特定の非常に熱意

のある方のマンパワーに頼って立ち上げて、活動を軌道に乗せている状況です。馬入水辺

の楽校もそうですし、「桂川・相模川流域協議会」もそうです。そういうマンパワーによ

って活動を活性化してきたということのよさがあると同時に、やはり高齢化という問題を

抱えています。今後 10 年、15 年、20 年と見据えたときに、この活動をどうしていくのか

ということが非常に重要な視点になってくると思います。

一方、私は仕事でよく、例えば上流部の津久井地域の山の中に植物の調査などで入っ

たりしますが、この 10 年ぐらいの間に、それまでは荒廃していく一方だった植林地が、

非常にきれいな状態をまた取り戻しつつあるんですね。これは如実に水源税の効果だと思

われます。そういった経済的な動きも視野に含めて、こういう河川整備を考えていかない

と、個人の熱意だけでは継続はしていかない。河川整備を担う人たちが、あくまでも県民、

市民、国民である以上は、そういう経済的な動きも視野に含めて考えていかなきゃいけな

いのではないかなと考えております。質問ということではなくて、所感を述べさせていた

だきました。

【淺枝座長】 どうもありがとうございました。

相模川の場合は、以前は礫で埋もれていた川でした。一番大きなものが砂利採取、東

京オリンピックの前に行われた砂利採取がかなり大きな打撃になってしまって、それで総

合土砂管理計画のようなものをつくって、これから礫をどうやって回復させていくかとい

う取り組みはしているわけですが、なかなか大変な問題だろうと思います。

今、お話いただいたところはどうですかね。神奈川県さんあたりでもかなりいろいろ

なこと、今お話いただいた住民活動との連携とか、特にマンパワーあたりはいかがでしょ

う。何か御意見等ございますか。

【松田厚木土木事務所相模川環境課長】 厚木土木事務所の相模川環境課長です。

河川を管理していく中で、我々だけではとても支え切れないという部分は確かにござ

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います。現場を管理している立場で申し上げますが、川を利用しておられる方からよく言

われるのが、草が非常に繁茂していてなかなか利用しづらいということで、夏場などは特

に要望等をいただきます。草刈りにつきましては、頻繁に刈れればいいのですが財政的な

問題もあるということで、堤防の管理上、一番効果的な時期に限定して行っているのが現

状でございます。

少ない財源を効果的に使うということで、以前より自治会などの団体を対象として、

若干ですが費用を出させていただいて、河川の愛護も兼ねて、草刈りなどのご協力をいた

だいております。

毎年、相模川・中津川で、合わせて 21 団体の方々に御協力をいただいて草刈りをやっ

ていただいておりますけれども、最近は高齢化でなかなか作業が厳しいとか、若い人がな

かなか続いてくれないという御相談などもいただいておるところでございます。これにつ

きましては我々もなかなか難しい問題だということで認識しておりますが、これからはそ

ういった問題がますますシビアになってくるのかなというところは危惧しているところで

ございます。

【淺枝座長】 そうですね。神奈川県の場合は住民の方とのつながりがある意味しっかり

しているといいますか、連携がしっかりしているということなので、川を管理していく中

で、これをどんどん生かしていくことが重要だろうと思います。

それでは鎌田委員、お願いしたいと思います。

【鎌田委員】 関東学院大学の鎌田です。どうぞよろしくお願いします。

2点質問をさせていただきたいのですが、先ほど鈴木委員のお話にもありましたが、

相模川は神奈川県の水道水源として非常に重要な位置を占めていると思います。20 ペー

ジにアオコのお話がありまして、アオコの発生を予想するのはなかなか難しいと思うので

すが、エアレーションをして実際に効果を上げているということで、この辺に関して、ど

ういう状況なのかがわかればお教えいただきたい。

もう一つは、高速道路ができて川に沿う形で非常に交通量が増えて、流通だったり、

いろいろなところのアクセスの面では非常によくなったと思うのですが、一方で例えば、

東名高速道路とか 246 号線の交通事故で、過去にも相模川に油が流出してという問題が発

生をしたように認識しております。右岸、左岸をはうように高速道路ができて、ちょっと

状況が変わりつつあるかなと思うのですが、その辺に対して何か対策だったりお考えがあ

れば、わかる範囲でお教えいただければという2点になります。よろしくお願いいたしま

す。

【淺枝座長】 ありがとうございます。

どうですかこれ、神奈川県さんのほうがよろしいですかね。

【伊藤調査グループリーダー】 アオコ対策ということで今お話がありましたので、今、

神奈川県がどんなことをやっているのかを御紹介させていただこうと思います。

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相模湖と津久井湖で間欠式空気揚水筒式エアレーション装置という、空気とともに、

湖底の水温の低い水を上に上げ、アオコが大発生しないようにする装置や、散気管式エア

レーション装置という、細かい泡を下から上に上げることで、アオコが大発生しないよう

にする装置を設置しているところです。

そんなところで、エアレーションを平成5年に設置して、アオコが発生しないように、

毎年稼働させているところです。アオコはカビ臭がしますので、それをなるべく少なくす

るように努力しているところでございます。

【淺枝座長】 どうもありがとうございます。

相模川のあのあたりはA類型で、BODとしては非常に低いです、そんなに高くはな

いんですね。ですけれどもアオコが出てしまうというのは、実は河川の環境基準というの

は、ある意味有機物量で評価している。ですけれども、アオコが出るのは有機物じゃなく

てリンや窒素の無機栄養塩なんですね。

実は相模川は無機の栄養塩、特にリンが非常に多いんです。なぜかといいますと、一

つは相模川の水源は忍野八海の富士山の玄武岩の溶岩の中から出てきているんですね。そ

れはリンを非常にたくさん含んでいる。ですから、もともとの水にリンが多くて、それが

その後、富士吉田あたりに生活排水等が入ってきますので、それでリン濃度がますます高

くなって、それが相模湖や津久井湖に入ってくるのでアオコが発生してしまう。

そうすると、そのリンや窒素の量を下げるしかないのですが、もともとの発生源が富

士山ですから、これはもうどうしようもないと。その後、市街地から入ってくるものをい

かに減らすかというところがポイントだろうと思います。

実は神奈川県さんでも、先ほどからちょっと話が出ましたが水源環境税の一部分を山

梨県でリン対策に使っていただいたりして、それで減らそうという試みをやられています。

ですけれども、やはり焼け石に水ということで、栄養塩のところで完全にアオコを減らす

のは難しい。それで先ほど御紹介いただきましたように、湖内の曝気循環でアオコを減ら

そうというところに力点が置かれているということです。ですけれども、もともとの相手

が富士山ということで、なかなか難しい面があるということだと思います。

どうもありがとうございます。非常に重要なポイントの一つだろうと思います。

それでは、事務局から何かお願いできますか。

【竹本副所長】 今の御質問で水質事故対策のことがありましたので、私から説明させて

いただきます。

水質事故ですが、相模川流域で水質事故が発生した場合は、小さな支川でも相模川本

川に入ってくるおそれがあるものについては、すぐに情報が関係機関に飛ぶようになって

います。その場所での対策というよりも、下流にどんどん汚濁水が流れていきますので、

そういうのは関係機関で情報共有をすぐ図り対応しております。最初に発生してから2次、

3次というふうに、状況が収束するまで関係機関に報告いただき、対応するようになって

います。

以上です。

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【淺枝座長】 有害な物質が入ったかどうかがわかるのが、そこの生き物が死んでくれる

からわかるわけですよね。そういう意味では、相模川自身の生態系がしっかりしている、

いろいろなものがたくさん生きている、すんでいるということがある意味重要で、その部

分は先ほど利波委員からお話がありましたような、礫などが大きく関係してくる部分だと

思います。

どうもありがとうございます。

それでは一通り委員のほうは回りましたので、事務局のほうからお願いしたいと思い

ます。

【服部所長】 京浜河川事務所長の服部でございます。

本日はいろいろな御意見ありがとうございました。総じて伺いましたところ、川の魅

力をもっと上げ、流域でもっと利用できる可能性、チャンネルが増えたのだから、それを

活用してもらえるような川にしなさいという御意見をいただいたと思っております。

特に顕著だったのは、道もかなり整備されてきて、広域から相模川に集まっていただ

くと。また、そういった人たちが楽しむというか、利用できる素地がたくさんあるのでは

ないかかと。それをエンカレッジするような、いい整備ができるということが非常に重要

だなと思いました。生物の面、水質の面、両方から御意見いただいたと思いますので、そ

ういった御意見を踏まえて、また整備計画の骨子を考えていきたいと思いますので、よろ

しくお願いいたします。

【淺枝座長】 ありがとうございます。

そのほか委員の方、まだ時間がございますので、どうぞ。

【秋山委員】 相模原市立博物館の秋山です。

今、お話の中でも、いろいろな方々から利用の促進ということもあったのですが、一

方で生物的なことを考えると、一部の河原ではオーバーユースの問題が出てきております。

つい最近ですけれども、バーベキュー利用者からの課金という新聞報道がされていました。

その是非をここで議論するようなことではないと思いますが、県の方針として、当然なが

ら利用者からは反発もあるでしょうし、それを多分想定しての公表だったのだと思います

が、県のほうでは今、その実行可能性についてはどのようにとらえられておりますか。

【淺枝座長】 どうでしょう。

【松田厚木土木事務所事務所相模川環境課長】 厚木土木事務所の相模川環境課長でござ

います。

相模川・中津川は両河川でバーベキュー利用者が非常に多いということで、河川を利

用していただくという面では非常にありがたいことなのですが、反面、ごみをどうしても

置いていかれてしまうことで、ごみ問題に非常に頭を痛めている状況でございます。

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相模川を軸として地域おこしとか、いろいろな課題に取り組む沿川6市町の相模川サ

ミットという組織があるのですが、その中の一つの大きな課題認識として、現在、バーベ

キューのごみ対策にどう取り組んでいくのかということに向き合っているところでござい

ます。課題として今後、取り組んでいこうというところまでは決まっているのですが、具

体的に何をしていくかというところは、平成 29 年度、来年度からの検討事項ということ

で進めているところです。

1つのいい事例になるかと思われますが、多摩川のほうで、川崎市が条例公園に設定

して取り組んでいると思うのですが、利用者にも一定の負担をしていただくという取り組

みをしているところもございますので、こういったことの相模川での実現性も含めまして、

来年度、関係者で検討していくという状況になってございます。

【秋山委員】 ありがとうございます。オーバーユースという言葉を出しましたが、相模

川が本来礫河原であったことを考えると、礫河原というのは単に礫があればいいというこ

とではなくて、配列ですとか空間構造も含めて考えないと、本来のカワラノギクの生育に

もまずいことが起きるということで。そうすると、踏み固められた石畳のような礫河原で

は本来の河原ではない。そんなことを考えると、利用促進も大事ですし、受益者負担とい

う考え方でも課金は有効だと思いますが、ある意味、相模川全体のステータスを上げると

いうことでは、要するにお金をとられてでも、そこでバーベキューをしたいのだという人

にはどうぞという、少しお高くとまっているような感じになるかもしれませんが、そうい

う考え方も重要ではないかなと私は思っております。どうもありがとうございます。

【淺枝座長】 どうもありがとうございます。

そうなんですよね。実際に利用したいという方も、ただよりも、むしろ少しお金を払

ったほうが、よりいい気持ちで利用したくなるという気持ちを誘発させることも可能なん

ですよ。そういう意味で私も、多少有料ぐらいのほうが、むしろいいのかなという気もし

ますね。どうでしょう。

【山坂委員】 今の多摩川の例ですと、二子玉川で有料化したときには、一時期どっとバ

ーベキューをする人が減って、その上流側の登戸に橋があるのですが、その辺に随分流れ

てきて困っていたんですが、やはりまたもとに戻って、二子玉川のあたりでやりたいので、

有料でもやっているという方が多いです。ですから、減らすという意味でそういうことを

やることもあるかもしれませんけれども、課金をしたからやらなくなるというわけでもな

いということで、やりたい人はやると思います。

【淺枝座長】 そのほかどうでしょう。

【山坂委員】 一つお願いといいますか、せっかく宮ヶ瀬ダムに小学生がたくさんいらっ

しゃっていると。そこでは当然ダムの話はすると思うのですが、洪水がどういうときに起

きるんだよと、どうしなきゃいけないんだよということ、あるいは河原で遊ぶときも水が

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ふえるから、こういうときはすぐ逃げなきゃだめなんだよというのは、子供さんに教える

のが一番いい。大人は幾ら言っても、「これは大丈夫だ」といって動かない。

津波のときも、釜石の小学生、中学生に群馬大学の先生が津波に対する防災教育をし

っかりとしていたので、小学生、中学生が逃げ出して、近所のお年寄りも一緒に逃げたと

いう話がありますので、子供にしっかりとした教育をすると子供たちが動いて、それを大

人たちが黙って見ているわけにいかないので、一緒に行動するということがあると思いま

すので、宮ヶ瀬ダムでは、来た小学生に、その面も教育していただくといいかなと思いま

す。

【津久井広域ダム管理事務所長】 宮ヶ瀬ダムの津久井でございます。

山坂委員からの御指摘はまさにおっしゃるとおりで、私もせっかく神奈川県内の小学

生が4割来ているものですから、自分の身は自分で守るということは非常に重要だと思っ

ています。そういう意味で、来られた生徒さんは大体 30 分ぐらい、まさに宮ヶ瀬ダムの

理解と機能も聞いていただくのですが、防災面も非常に重要だと思っていますので、その

辺は来た方々にしっかりと説明していきたいと思います。ありがとうございます。

【淺枝座長】 重要だと思います。もちろん、相模川本川の洪水対策も重要なのですが、

特に山間部だと今後予想される首都圏直下型、あとはいろいろなところで山の斜面崩壊が

起こったりするわけですね。そうしたときに、そういった知識をもう少しいろいろなとこ

ろで広めていく。もちろん、それに対してどういう対策をしていくかというのは、また今

後の問題なのでしょうけれども。そういった場所としてダムなどを利用するというのも、

特に宮ヶ瀬はあり得るのかなという気がしますので、ぜひよろしくお願いしたいと思いま

す。

例えば丹沢の昭和初期、関東大震災のすぐ後の山の写真と、現在の山の写真を比べた

写真があるんですよ。例えばそういったものを見ていただくことによって、このぐらい変

わるのだと、視覚に訴えるような形もあろうかと思うんですね。ぜひ、そういったものは

お願いできればと思います。

山坂委員、先ほど樹林化の話がありましたが、相模川の場合、非常に重要な話だと思

うのですが、何かもう少し。

【山坂委員】 先ほど切り土をするという話もありましたので、一時期、強制的に地盤高

を下げるということと、ダムは観光放流をしていますが、樹林化が起きないようにするた

めに中小洪水を頻発させるといいますか、全部抑え込んでしまうというのではなくて、被

害がない程度にある程度流すということを、できればやっていただければ、随分違うので

はないかと思います。

【淺枝座長】 一方で、19 ページの現状と課題ということで、相模川はかつて礫で埋ま

っていた川で、その時分は洪水になってくると当然、礫が動くので、木も草も生えなかっ

たのですが、特に砂利採取を発端にして礫が減少したと。もちろん木もそうですし、いわ

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ゆる密度の濃い草本もそうですし、そういったものに化けちゃっているわけです。

そういう意味では、今、山坂委員から御指摘いただいたように、水に浸かるというこ

とも重要ですし、土砂対策ですよね。これは相模川だけに限った話じゃないと思いますが、

日本中の川でそうだと思いますが、これと連携させて考えていかないと、なかなか解決に

は結びつかないことだろうと思います。

そういう意味では今、問題として挙げていただいているものが、かなり相互に結びつ

いちゃっているという問題になっている。その意味では解決もなかなか難しい部分があろ

うかと思いますが、そのあたりはぜひいろいろ対策を練っていただければと思います。

先ほどのアユの問題もそうですしね。アユも相模川の場合は瀬や淵がまだあるんです。

これが特に西日本の川などになると、もう瀬がなくなっているんですね。瀬がなくなって

いるからアユがいなくなっている。それも、なぜそうなったかといったら、要は礫がなく

なっているから。ですから、礫がなくなっているというのは非常に大きな問題になってい

る。そういう意味では、相模の場合はいち早く礫問題に対して検討していったということ

は、ある意味非常に先駆的なことをやられてきているわけですから、ぜひ、その結果をい

ろいろな形で生かしていただくことが必要だろうと思います。

どうでしょう、水道のほうから何か。

【鎌田委員】 関東学院の鎌田です。

相模川は水質も非常によいので、特に問題はないのかなと思うのですが、一方で酒匂

川などでは前の台風の後、川が濁りやすくなったということもあって、水道の面では浄水

処理に非常に困っていられるという話も伺っています。礫の話はずっと出ていますが、そ

の辺の対策もしっかりしていただければいいのかなと思います。

【淺枝座長】 ただ、特に城山ダムは、相模ダムに比べて先ほどのリン濃度が少し低いで

す。リン濃度が高いときにはミクロキスティスという、いわゆるよく出るアオコになるの

ですが、リン濃度が少し低くなってくると、カビ臭を出す植物プランクトンに変わるんで

すね。そうすると、カビ臭対策が今後必要になってくる。そうすると、またそれに対して

問題が出てくるということもあります。

ただ、神奈川県の場合は、水質はほかの首都圏に比べるといいのですが、ですけれど

も、そういった懸念は今後もあり得るかなという気がします。

いい機会ですので、県さんとか事務所のほうから、もし、こういった問題をどう考え

たらいいですかというのがありましたら、ぜひ挙げていただければと思いますが。

【服部所長】 国のほうからよろしいですか。国の区間は河口から6~7km の区間です

が、この区間で一つ、環境の面で大きく変わってきているのは、特に6km からそのあた

りですが、おっしゃっていただいているような木が生えてしまうという問題ですかね。先

ほど写真でお示ししてお話しましたが、河原がやや狭くなってきていると。そこを今言っ

たような土砂が、河原が減ってきている中で、どういった手だてが一番よろしいのかとい

うのを、今後しっかり考えていかなくちゃいけないといったところだと思っています。

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いろいろな川で、先ほど山坂委員に御紹介いただいたような手だてを考えているとこ

ろです。決して知識が少ない分野じゃないと思っていますので、しっかり相模川の特徴を

踏まえて対策を考えていきたいというのが、まず大きな1点だと思っています。

もう一つは、直接計画には関係ない、マナーの話かもしれませんけれども、水面の利

用ですかね。河原の利用の話も先ほどあったのですが、河口のほうではプレジャーボート

等による利用も盛んでございます。一つ、相模川の非常に重要な魅力かなと思っていると

ころですが、ここもうまく、気持ちよく使ってもらえるようなマナーについて、周知をし

っかりやっていかなくちゃいけないなと思っているところでございます。

今のところ大きな問題としては、そんな2つが今、私の頭の中にあるところございま

す。

【淺枝座長】 どうもありがとうございます。

鈴木委員、どうですかね。特に相模川の河口部の水面利用が非常に行われていまして。

【鈴木委員】 水面利用といいますか、全体に相模川沿川の自治体の関係者の方とお話を

すると、さがみ縦貫ができてから、かなり広域に人が来ていると。それは先ほども述べた

のですが、例えば埼玉であるとか、首都圏の割と北のほうからの人もふえているという現

況があると思います。そういった中で、この地域がそういう人たちをどう受け入れていく

のかという、広い意味で言うとそういう問題も含まれているのかなと思います。

ただ一方で、ちょっと論点が違うかもしれませんが、流域の自治体のこれから先 30 年

というタイムスパンを考えた場合に、これからかなり高齢化と人口減少が一部には見られ

るようになると。神奈川県は比較的そういった問題は無縁なのですが、逆に高齢者の増加

が非常に大きな問題になってくると思います。担い手が減るという御指摘が、先ほどから

何度か出ていると思いますが、そういった地域社会の変化をどう織り込んでいくのか。

恐らく高齢者の方が多くなると、高齢者にとって使いやすいレクリエーション空間も

必要であると思いますし、一方で広域に人が来るとなればプレジャーボートであるとか、

また多様な利用がふえる可能性があるということで、ある意味で2つ、相反する方向性を

受けとめていかなければいけないのかなと思います。

【淺枝座長】 どうもありがとうございました。

今、御指摘いただきました高齢者の利用。もちろん若い人の利用は比較的よく知られ

ているわけですが、高齢者の方も単に散歩だけじゃない利用が、最近ではいろいろなされ

るわけですね。そうすると、そういった人たちに対する利用の仕方みたいなものも、もっ

とうまく考えていってあげなければいけない。

もちろん高齢者もそうですし、障害を持った方の利用も当然必要になってくるわけで

すし、場合によったらこれからは海外から観光に来られる方に対しても、それなりの魅力

を示していく必要もありましょうし。そういった意味では、特に相模川が置かれた位置は

比較的人口が多くて、しかも東京に近くてということですので、さまざまなスタイルを持

った利用面を考えていかなきゃいけないということだろうと思います。

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そうした中で一方では、特に上流のほうにいけば人口はこれから当然減ってくるわけ

ですし、地域連携といったときにも人口が減っていく分、今までと違い、うまくいかない

ということも当然出てくるわけですので、そういったものもうまく盛り込んだ形の計画は

必要だろうと思います。どうもありがとうございます。

利波委員、どうですか。

【利波委員】 今、ちょうど河口域の利用の話が出たので、その関係で若干触れさせてい

ただきたいと思います。

河口域に関してはほかの部分と大分様相が異なるということで、水面利用が極めて盛

んだと思うんですね。その中で、河川内でモーターボートが走り回ると、また漁船も走っ

ているというお話だろうと思うんですよ。その中にあって、河口部分の安全対策に関して

は、かねてより非常に課題も多いのかなと思っております。ごく最近は深刻な事故はない

のかなと思うんですけれども、以前は事故もあったということは聞いておりますので、こ

この部分について、漁港区域との兼ね合いがあって、非常に管理上の課題が多いというこ

とも聞いてはおりますが、その中にあって国管理区間ということで、国においてもぜひ、

ここの安全対策は進めていただきたいと思っているところです。どちらかというと意見に

なりますが。

【淺枝座長】 どうもありがとうございます。

これも相模川・小出川の水面利用に関する委員会でいろいろ議論が進められています

が、特に相模川の場合は河口部のところが非常に狭くなっていて、しかも漁港がすぐ近く

にあってということですので、単に水面利用、プレジャーボートだけというわけにはいき

ませんし、おまけにあそこには砂州があるわけですね。その砂州がどんどん減っていって

いると。一方では、その砂州が非常に重要な、貴重な植物がいたりということですので、

そのあたりはかなり気を使って考えていかなきゃいけない部分かなと思います。

いかがでしょう。秋山委員。

【秋山委員】 おおむね私、現時点で思っていることはお話させていただいたのですが、

先ほどの樹林化という部分ですと、私も現場でいつも河原を歩き回って調査をしていると、

ある程度の大きさになった樹木は、ちょっとやそっとの冠水では流れないですね。下の一

年生草本とか多年草クラスは流れてしまっても、例えば少し大きくなったハリエンジュで

すとか、ああいうところに多いものとしてアカメガシワという樹種が割とパイオニアとし

て生えてきて、五年生、十年生ぐらいのものでも、ちょっと水が浸かったぐらいでは全然

びくともせず、むしろいろいろなものをひっかけてトラップになってしまって、相当の流

下障害を起こしているなという印象を持つ感じです。

ですから、これは流すだけでは多分だめですし、ある程度の伐採も含めたやり方をし

ていかないとだめだろう。放置しておくと、そこを受けとめる高木自体が流下障害を起こ

すことによって、そのすぐ接近した下流の部分が、どうしてもまた独特の環境がつくられ

ていってしまうということで、いろいろな影響があるので、樹種も見きわめなければいけ

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ないし、恐らく水際の、もともと背が余り高くならない柳の類は、それほど目のかたきに

する必要はなくて、むしろ外来種で入ってきたハリエンジュなどの早く高木化するものに

ついては、早く手を打たなきゃいけないということがあるので、その辺は見極めというか、

かなり計画的な対策が必要になるのではないかと考えています。

以上です。

【淺枝座長】 どうもありがとうございます。

特に今おっしゃったハリエンジュの場合は、切っただけではとにかくどんどん萌芽す

るだけで、伐根しないとどうしようもないですよね。ただ、伐根するにしても、大きなハ

リエンジュだったらとんでもない値段がかかってしまうので、本当に小さい幼木のうちに

伐根するような形で、うまく計画的にやっていくのは必要でしょうね。

特にハリエンジュの場合は洪水で種が入ってくるわけですから、どこに生えるかとい

うのは洪水を仮定すれば大体予測できちゃうので、今年度はこの場所、今年度はこの場所

という形で、将来的に大きくならないうちに処理していくというのは重要でしょうね。私

もそう思います。

どうぞ。

【鈴木委員】 鈴木です。

ここで質問ですけれども、津波の浸水被害想定は神奈川県さんで出していると思いま

すし、主には国管理区間の部分の問題になると思うのですが、今回整備計画の中で、どの

程度そういった点を考慮する必要があるのか。それを議論の前提として教えていただけれ

ばと思います。

【淺枝座長】 どうでしょう。非常に重要な点、御指摘いただきましたけれども。

【三浦計画課長】 14 ページになりますが、相模川の高潮対策が必要な区間は馬入橋よ

り下流となっております。こちらは神奈川県さんが計算しております設計津波水位、L1

津波、数十年から百数十年に一度の比較的発生頻度の高い施設で対応する津波の規模に対

しては、高潮堤防高のほうが高くなるということで、高潮堤防を整備することによって津

波対策にもなるということで、今回、高潮堤防の整備ということで整理させていただいて

おります。

【淺枝座長】 堤防高さについては高潮堤防で十分だということですね。

それこそ避難対策などは県さんのほうの担当になるのですか。例えば、このあたりで

プレジャーボートで遊んでいる人などに対して、いかがでしょうか。

【服部所長】 いずれにしても重要な御指摘、津波、洪水も含めて大きなものが来たらと

いうことで、先ほどありましたように水防災意識再構築ビジョンなどと言っていますが、

当然そういう考え方は、むしろ先に津波があったということですので、一体的に、もっと

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規模の大きいものが来たとき、避けられない被害が出そうなときに、経済的被害や人的被

害を限りなく小さくするといった取り組みを進めてまいりたいと思っています。

【淺枝座長】 特に相模川の場合は直接に影響を受ける川ですので、非常に重要なポイン

トになるところですね。

どうぞ。

【鎌田委員】 関東学院大学の鎌田です。

本日お話を伺って、ヨシだとか樹林化のお話が非常に重要なのはよく理解できたので

すが、国の資料と神奈川県さんの資料でデータが違うというか、年次のとり方が違うので。

ないものはなかなか難しいと思うのですが、例えば県さんの 19 ページのところは、樹林

化やヨシのデータが昭和 56 年と平成 14 年ということなので、もし、もう少しデータがあ

ればですね。国のデータは割と細かくとられている、前のところにあったと思うのですが、

15 ページは5年ごとぐらいにデータがあるので、もし、そういうデータが今後出てくる

ようなことがあれば、お願いをしたいなということがちょっと気になりましたので、要望

として挙げさせていただきます。よろしくお願いいたします。

【淺枝座長】 そうですね。どうですか、こういったデータは整理されていますか。

【伊藤調査グループリーダー】 現状はないということですので、今後新しいデータなど、

検討したいと思います。

【淺枝座長】 特に木のデータというのは、意外と過去の衛星写真などでもすぐ出ちゃい

ますので、ぜひお願いできればと思います。そうすると、なぜ樹林化が起こっているかと

いうのが、衛星写真を見ているだけで大体クリアになってくるんですよ。相模川の場合は

やはり礫がなくなっていることというのが非常に大きなポイントです。

また、今おっしゃっている樹林化というのが、もちろん洪水流の妨げになるとか、先

ほどの礫河原を消失させるとか。もちろん、それも非常に大きなポイントなのですけれど

も、樹林化が生じているだけで河道の断面が当然変わっちゃいますよね。場合によったら、

これは樹林化そのものじゃなくて、むしろ礫が減るというところなのですが、それで水質

の浄化機能が落ちちゃうんです、川の中の自浄作用が。先ほどのアユにも影響しますし、

いろいろなところに影響してきているので、そういった面で樹林化、草原化は総合的な観

点で見ていかれたほうがいいかなと思います。

よろしいですかね。

それでは、本日は御出席の委員の方からさまざまな視点で御意見を伺いました。そう

いったことをうまく踏まえた形で、整備計画に反映にしていただければと思います。

それでは、進行を事務局にお返ししたいと思います。

◆閉会

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29

【竹本副所長】 淺枝座長、議事進行ありがとうございました。また、委員の皆様におか

れましては貴重な御意見を長時間にわたっていろいろいただき、ありがとうございました。

これにて、第1回相模川・中津川河川整備計画有識者会議を終了させていただきます。

次回有識者会議の日程につきましては、後日事務局より連絡させていただきます。本日は

お疲れさまでした。

- 了 -

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1

第2回相模川・中津川河川整備計画有識者会議

(議事録)

平成29年8月1日

神奈川産業振興センター

14階 多目的ホール

出席者(敬称略)

座 長 淺枝 隆 (埼玉大学大学院理工学研究科環境科学・社会基盤部門教授)

委 員 秋山 幸也 (相模原市立博物館学芸員)

鎌田 素之 (関東学院大学理工学部理工学科准教授)

利波 之徳 (神奈川県水産技術センター内水面試験場場長)

中村 好男 (東京農業大学名誉教授)

山坂 昌成 (国士舘大学理工学部理工学科教授)

(五十音順)

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2

◆開会

【羽澤京浜河川事務所副所長】 皆様、本日は大変お忙しい中、御出席いただきまして、

誠にありがとうございます。定刻となりましたので、ただいまより第2回相模川・中津川

河川整備計画有識者会議を開催させていただきます。

私は、本日進行役を務めさせていただきます京浜河川事務所で副所長をやっております

羽澤と申します。よろしくお願いいたします。

それと 初に、マスコミの皆様方にお願いがございます。カメラ撮りは冒頭の挨拶まで

とさせていただきますので、御協力のほど、よろしくお願いいたします。

それでは、 初に本日の資料を確認させていただきます。お手元に配付している資料で

ございます。上から順番に資料目録、2枚目が議事次第、その下が委員名簿、座席表、有

識者会議規則、有識者会議運営要領がございます。A4横の資料として、資料1が相模

川・中津川河川整備計画(骨子)になってございます。資料2につきましては、資料1に

行ナンバーを追加した資料となってございます。それと、資料3といたしまして、現状と

課題。資料4としまして、現状と課題についての補足説明資料ということで、以上が本日

の資料になります。漏れ等ございましたら、お知らせいただければありがたいです。よろ

しいでしょうか。

〔「はい」という声あり〕

◆挨拶

【羽澤京浜河川事務所副所長】 それでは、開会に当たりまして、国土交通省関東地方整

備局河川部吉井河川計画課長より、御挨拶をお願いいたします。

【吉井関東地方整備局河川部河川計画課長】 皆さん、こんにちは。本日はお忙しいとこ

ろ、第2回相模川・中津川河川整備計画有識者会議に御出席いただきまして、ありがとう

ございます。

前回の有識者会議では、河川調査官のほうから一言、冒頭申し上げましたが、都合によ

り出席がかなわないため私のほうから一言申し上げたいと思います。よろしくお願いいた

します。

相模川と中津川につきましては、3月に第1回の有識者会議を開催させていただきまし

て、委員の皆様からさまざまな御意見、御見解をいただいたところでございます。そうし

た御見解を踏まえまして、今回の整備計画の目標に関する事項でありますとか、河川工事

や河川維持等の実施に関する事項をまとめた骨子というものを作成させていただきまして、

お手元に配らせていただいているところでございます。本日は、その骨子につきまして委

員の皆様の御意見をいただきたいというのが会議の趣旨でございます。なお、この骨子に

つきましては、先日沿川の市町村さん等と行政連絡会なども開催いたしまして説明させて

いただいた上で、本日ホームページ等にも掲載をさせていただきまして、これから約1カ

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3

月間、一般の方々にも広く御意見を募るという段階でございます。

それでは、本日は貴重なお時間をいただきますけれども、活発な御議論のほう、よろし

くお願いいたします。

【羽澤京浜河川事務所副所長】 ありがとうございました。続きまして、神奈川県県土整

備局河川下水道部鶴木河川課長より、御挨拶をお願いいたします。

【鶴木神奈川県河川課長】 神奈川県の県土整備局河川課長の鶴木と申します。よろしく

お願いいたします。

相模川の河川事業の推進につきましては、日ごろ格別の御協力をいただきまして、誠に

ありがとうございます。また、本日は大変お忙しい中、また雨の中、お集まりいただきま

して、誠にありがとうございます。今日はですね、忌憚のない御意見をいただきまして、

そういった御意見を踏まえながら、今後国とも協力して、計画の策定を進めてまいりたい

と考えておりますので、本日はどうぞよろしくお願いいたします。

【羽澤京浜河川事務所副所長】 ありがとうございました。

誠に申し訳ございませんが、カメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御協力

のほど、よろしくお願いいたします。

取材及び一般傍聴の皆様方には、お配りしております取材または傍聴に当たっての注意

事項に沿って、適切に取材され、傍聴すること、議事の進行に御協力いただきますよう、

お願いいたします。

委員の皆様にもお願いがございます。御発言に当たりましては、お手元にマイクを御用

意させていただいておりますので、そちらのマイクを御使用いただきまして、御発言くだ

さいますよう、よろしくお願いいたします。

それでは、ここから議事の進行につきましては、座長の淺枝委員にお願いしたいと思い

ます。淺枝座長、よろしくお願いいたします。

◆相模川・中津川河川整備計画(骨子)

【淺枝座長】 皆様こんにちは。座長を務めさせていただきます、淺枝でございます。

それでは、議事次第に従いまして、議事を進めていきたいと思います。それでは、相模

川・中津川河川整備計画(骨子)につきまして、事務局のほうから御説明お願いしたいと

思います。

【四條京浜河川事務所計画課長】 京浜河川事務所計画課長の四條でございます。座って

説明させていただきます。

骨子の説明に先立ちまして、資料3のほうを、まずはお手元に御用意ください。こちら

は3月13日に開催させていただきました第1回の有識者会議において、御意見をいただき

ました現状と課題でございます。こちらのほうは、数字等の時点修正ですとか、ちょっと

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誤植があったものですとか、そういったものを修正させていただいて、改めてお配りをさ

せていただいております。詳細な説明は、割愛させていただきますけれども、この現状と

課題に基づいて今回の骨子を作成したと御理解いただければと思います。

それから、資料4のほうでございます。こちらは現状と課題の補足説明ということで、

御用意させていただいております。こちらは第1回の会議のときに御意見等いただいたこ

とに関しまして、当日お答えさせていただいているところではございますけれども、補足

で資料を御用意していますので、そちらのほうを、まず先に御説明をさせていただきたい

と思います。

表紙をめくっていただきまして、1ページ目でございます。地域振興に寄与する宮ヶ瀬

ダムということで、宮ヶ瀬ダムのほう、神奈川県内の公立の小学校、かなり広域に見学に

訪れているという御意見いただきまして、それの補足としての資料でございます。宮ヶ瀬

ダムでは観光放流を年間70日ほど実施しておりまして、年々見学者が増加しているという

ことで、小さくて恐縮ですけれども、左側のグラフを見ていただきますと、観光放流で一

番右側のところ、赤くなっていますが、これは平成28年になります。平成24年から27年ま

では、4年連続で5万人超えをしていたところですけども、平成28年はさらに7万人を超

えたというところで、増えてきている、注目が増しているといったようなところでござい

ます。

それから、右のほうのグラフ、見ていただきますと、こちら神奈川県内の公立小学校、

全体で852校ございますけれども、そのうちの309校ということで、約4割が見学に訪れて

いるといったようなところでございます。県外も含めますと、平成28年度に321校の児童

さんが見学に見えられているということ。

それから、その下のところを見ていただきますと、ダム建設に伴って、三つの拠点整備

がされているということで、この三つの拠点合わせて、年間で約150万人程度の方が訪れ

ているといったようなことでございます。

宮ヶ瀬ダムについては、以上でございます。

【伊藤神奈川県河川課調査グループリーダー】 次に説明します、神奈川県の県土整備局

河川下水道部河川課の伊藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

三川合流点の土丹露出対策ということで、先日御意見を頂きましたので、カラーの写真

等を入れて御説明させていただきます。

土丹の露出は、河床低下の進行のほか、局所洗掘等による河川管理施設等の被災、ある

いは生物の生態系への影響、景観の悪化、河川利用者の事故などの問題が懸念されている

ところでございます。

下の図の左側の地形図ですが、これが三川合流点で、一番上から小鮎川、右のほうから

流れてくる、ちょっと細いですけど、これが中津川になります。一番右下のところから相

模川が流れているということになります。三川合流点に赤い楕円の丸のところに棒のよう

なものが出ていると思いますが、これが水制工でございます。

また、中ほど上側の写真に示したものが、平成26年9月の施工状況でございます。左

下の写真が、平成26年2月の三川合流地点の土丹露出状況になります。それから、中ほど

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5

下側の写真は、施工前の平成25年12月になりますが、赤い長丸の濃い土が土丹でございま

す。それが右下の写真の施工後、平成26年5月になりますと砂利に覆われて土丹がなくな

っているということでございます。

ここにも書いてございますが、現地土砂による土丹の被覆を実施するとともに、被覆

箇所への水衝を緩和するため、砂防工事やダムの浚渫工事で発生した自然石を利用した水

制工を実施してございます。

土丹露出対策については以上でございます。

【四條京浜河川事務所計画課長】 それから、前回の会議のときに減災に係る取組方針と

いうことで、国管理区間については取り組み始めたと、県管理区間については、取り組み

始めていくという御説明をさせていただいたところですけれども、その状況について、ざ

っと報告でございます。

国管理区間につきましては、5年で達成すべき目標ということで、「逃げ遅れゼロ」、

「社会経済被害の 小化」を目指していくということで取り組みを行っているところでご

ざいますけれども、ハード対策については粛々と続けていく中で、ソフト対策の主な取組

事例ということで、下段の写真三つでございます。左側が小学生を対象にした水防災の教

育ということで、こういったことを行っている。また、真ん中は相模川・金目川洪水対応

訓練の実施ということで、平塚市、神奈川県、横浜気象台、京浜河川が参加して、洪水の

対応訓練を実施しているということ。それから、右側の写真ですけれども、共同点検の実

施ということで、水防団、それから住民の方と共同で洪水に対するリスクの高い箇所を、

重要水防箇所でございますけれども、そういったところを点検して回っているといったよ

うなことを行っているところでございます。

【伊藤神奈川県河川課調査グループリーダー】 次で4ページでございます。相模川の県

管理区間及び中津川における取組でございますが、まず平成29年5月11日に神奈川県及び

横浜市管理河川を対象とした「神奈川県大規模氾濫減災協議会」を設置いたしました。ち

ょうど下の写真ですが、第1回協議会の実施状況ということで、お示ししております。

平成29年6月から7月に県内各地域で幹事会を開催いたしました。減災に関する目標を

共有したということでございます。共有した目標というのが下に、5年間で達成すべき目

標といたしまして、「逃げ遅れゼロ」、「社会経済被害の 小化」を目指すといったよう

なことでございます。

次のページをご覧ください。5ページでございます。これが幹事会を開催しているとこ

ろでございまして、ちょうど六つのブロックに分けてございます。一番 初に、一番右の

藤沢・相模原地域幹事会、平成29年6月30日を皮切りに、平成29年7月24日の平塚地域幹

事会まで、6回開催しています。この幹事会において、先ほどの5年間で達成すべき目標

といったものを情報共有したところでございます。

今後の予定でございますが、今後5年間の取り組みの整理をいたしまして、その後、そ

れぞれ6ブロックございますが、幹事会を開催いたしまして、 終的に協議会を年内に開

催し、取組方針の策定をしていくということで進めているところでございます。

Page 36: 「相模川・中津川河川整備計画(骨子)」について、 学識経験を … · 鎌田 素之 (関東学院大学理工学部理工学科准教授) 鈴木 伸治

6

以上でございます。

【四條京浜河川事務所計画課長】 それでは、骨子のほうの御説明にまいりたいと思いま

す。行番号がついてございます、資料2のほうをお手元に御準備ください。

表紙をめくっていただきまして、目次がございます。今回の骨子ですね、大きく三つに

分けての構成となっております。一つ目が、河川整備計画の対象区間及び期間。二つ目が、

河川整備計画の目標に関する事項。三つ目が、河川の整備の実施に関する事項。三つに分

けて記載させていただいておるところでございます。

めくっていただきまして、2ページ目でございます。1.河川整備計画の対象区間及び

期間ということで、真ん中に地図を示させていただいております。相模川の本川につきま

しては、河口から山梨県境までの55.6キロ、中津川につきましては、相模川合流点から塩

水川合流点までの30.2キロといった区間について、対象区間としております。

4行目でございます。1.2計画対象期間でございます。5行目から、河川整備計画の計

画対象期間は、概ね30年間とします。

6行目、河川整備計画が現時点の社会経済状況、河川環境の状況、河道状況等を前提と

して策定するものであり、策定後においてもこれらの状況の変化、新たな知見の蓄積、技

術の進歩等を踏まえ、必要がある場合には、計画対象期間内であっても適宜見直しを行い

ます。

特に、気候変動による洪水流量の増加や高潮による潮位・海面水位の上昇等が懸念され

ることから、必要に応じて見直しを行います、ということでございます。

めくっていただきまして、3ページ目でございます。2.河川整備計画の目標に関する

事項です。

2行目から、相模川・中津川の洪水氾濫等による災害から貴重な生命、財産を守り、地

域住民が安心して暮らせるよう社会基盤の整備を図ります。

3行目、相模川では、地域の個性や活力を実感できる川づくりを目指すため、関係機関

や地域住民と共通の認識を持ち、連携を強化しながら、治水・利水・環境に係わる施策を

総合的に展開します。

5行目、災害の発生の防止又は軽減に関しては、沿川地域を洪水から防御するため、相

模川・中津川の豊かな自然環境に配慮しながら、堤防の拡築・新設、及び河道掘削等によ

り洪水を安全に流下させる整備を推進します。

7行目、河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持に関して、記述させていただい

ております。

9行目が、河川環境の整備と保全に関して。

11行目が、河川の維持管理に関してお示しさせていただいているところでございます。

めくっていただきまして、4ページ目でございます。河川整備計画の目標のうち、2.1

洪水、津波、高潮等による災害の発生の防止又は軽減に関する目標でございます。

3行目から、過去の水害の発生状況、流域の重要性やこれまでの整備状況などを総合的

に勘案し、河川整備基本方針に定められた内容に沿って、治水安全度の向上と、適正な本

支川、上下流及び左右岸バランスの確保とを両立させ、洪水、高潮等による災害に対する

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安全性の向上を図ることを基本とします。

5行目、計画規模を上回る洪水等及び整備途上段階での施設能力以上の洪水等が発生し

た場合においても、自助・共助・公助の精神のもと、関係機関と連携し、住民等の生命を

守ることを 優先として被害の 小化を図ります。

7行目、地震、津波に対しては、河川構造物の耐震性の確保、情報連絡体制等について、

調査及び検討を進め、必要な対策を実施することにより地震、津波による災害の発生の防

止又は軽減を図ります。

9行目、(1)相模川。

10行目、洪水に対しては、基準地点厚木において、戦後 大洪水である昭和22年洪水

(カスリーン台風)と同規模の洪水による災害の発生の防止又は軽減を図ります。

さらに下流部における国管理区間においては、上下流の治水安全度のバランスを考慮し

て、目指す安全の水準は、全国の他の河川における水準と比較して同程度の水準である年

超過確率1/50とし、洪水による災害の発生の防止を図ることを目標とします。

14行目、(2)中津川。洪水に対しては、相模川本川の戦後 大洪水である昭和22年9

月洪水(カスリーン台風)と同規模の洪水による災害の発生の防止を図ります。

めくっていただきまして、5ページ目でございます。2.2河川の適正な利用及び流水の

正常な機能の維持に関する目標でございます。

3行目、河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持に関しては、利水の現況、動植

物の保護、漁業、水質、景観等を考慮し、小倉地点においては、かんがい期に概ね毎秒20

㎥/s、非かんがい期に概ね10㎥/s、寒川取水堰下流においては年間を通じて概ね12㎥/sを

流水の正常な機能を維持するために必要な流量とし、これらの流量を安定的に確保するよ

う努めます。

6行目、2.3河川環境の整備と保全に関する目標です。

7行目、ゆとりとやすらぎとうるおいのある相模川・中津川を目指して、治水、利水及

び流域の自然環境、社会環境との調和を図りながら、河川空間における自然環境の保全と

秩序ある利用の促進に努めます。

9行目、水質については自治体が実施する水質保全関連事業と連携し、良好な水質を維

持しつつ、社会情勢、地域の要望に対応した河川水質の向上を目指します。

10行目、自然環境の保全と再生については、治水・利水・河川利用との調和を図りつつ、

礫河原、瀬と淵及び河口干潟等の保全・再生に努めます。

11行目、河川の連続性の確保を図り、アユ等をはじめとする魚介類については、今後の

遡上・降下の状況を十分に把握しながら、縦断的な生息環境の保全に努めます。

12行目、河川と周辺地域の連続性の確保等を通じて、生態系ネットワークの形成に努め

ます。

13行目、人と河川との豊かなふれあいの確保については、流域の人々の生活の基盤や歴

史、文化、風土を形成してきた相模川・中津川の恵みを活かしつつ、自然とのふれあいや

環境学習の場の整備・保全を図ります。

15行目、宮ヶ瀬ダム貯水池においては、富栄養化、冷濁水の放流による環境への影響に

ついてモニタリングを継続し、その保全・改善に努めます。

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16行目、ダム貯水池の湖面利用については、様々なニーズがあることから、地域住民や

関係自治体等と連携して健全で秩序ある湖面利用に努めます。

17行目、景観については、沿川と調和した河川景観の保全・形成に努めます。

18行目、2.4総合的な土砂管理に関する目標でございます。

19行目、相模川の流域の源頭部から河道域、河口・海岸域まで連続した流砂系と捉え、

流砂系内の土砂移動環境の現状と課題を把握し、流砂系内で課題を共有し土砂環境の改善

に向けた実効性ある対策を実施していきます。

21行目、現状で土砂移動減少及び影響の程度の解明が十分でない問題については、試行

を含め対策を実施し、モニタリングを行い、その解明に努めるとともに、効果的かつ実効

性のある対応策の整理を行っていきます。

めくっていただきまして、6ページ目でございます。3.河川の整備の実施に関する事

項です。河川の工事に関してでございます。

3行目、河川の整備に当たっては、氾濫域の資産の集積状況、土地利用の状況等を総合

的に勘案し、適正な本支川、上下流及び左右岸の治水安全度のバランスを確保しつつ、段

階的かつ着実に整備を進め、洪水、高潮または津波による災害に対する安全性の向上を図

ります。

5行目、地球温暖化に伴う気候変動の影響への対応については、関係機関と調整を行い、

調査及び検討を行います。

6行目からは、洪水、津波、高潮等による災害の発生の防止又は軽減に関する事項です。

(1)相模川(国管理区間)、こちらから七つの項目に分けてお示しをしております。

一つ目が、1)堤防の整備としまして9行目、堤防が整備されていない区間や、標準的

な堤防の断面形状に対して高さ又は幅が不足している区間について、築堤、嵩上げ・拡築

を行います。

11行目、2)河道掘削。河道目標流量を安全に流下させるために必要な箇所等において、

河道掘削等を実施します。

3)侵食対策。14行目から、水衝部が堤防に接近している場合や今後堤防に接近する恐

れのある場合については、洪水等による侵食から堤防を防護するために、護岸による低水

路の安定化や堤防防護のための水衝部に関する調査・モニタリングを継続的に実施し必要

な対策を実施します。

4)高潮対策。相模川の河口からJR東海道貨物橋梁までの区間において、高潮対策と

して堤防を整備します。

5)地震・津波遡上対策。耐震性能の照査結果に基づき、必要に応じて耐震・液状化対

策を実施します。

めくっていただきまして、7ページ目でございます。4行目、6)の内水対策。内水に

よる浸水が発生する地区の河川は、内水被害の発生要因等について調査を行い、関係機関

と調整したうえで、必要に応じて排水機場の整備等、内水被害の軽減対策を実施します。

7)施設の能力を上回る洪水を想定した対策。

8行目、施設の能力を上回る洪水が発生し堤防の決壊等により氾濫が生じた場合でも、

被害の軽減を図るために、当面の間、上下流バランス等の観点から堤防整備に至らない区

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間等において、危機管理型ハード対策として堤防構造を工夫する対策を実施します。

また、災害復旧のための根固めブロック等資材の備蓄、排水ポンプ車等災害対策車両の

整備等を進めます。

12行目、雨量、水位等の観測データ、レーダ雨量計を活用した面的な雨量情報やCCT

Vカメラによる映像情報を収集・把握し、適切な河川管理を行うとともに、その情報を光

ファイバー網等を通じて関係機関へ伝達し、円滑な水防活動や避難誘導等を支援するため、

これらの施設の整備等を図ります。

めくっていただきまして、8ページ目です。

【伊藤神奈川県河川課調査グループリーダー】 3.河川の整備の実施に関する事項につ

いてでございます。今度は(2)として、相模川(神奈川県管理区間)・中津川について

でございます。

5行目、1)堤防の整備。

6行目、堤防が整備されていない区間や、標準的な堤防の断面形状に対して高さ又は幅

が不足している区間について、築堤、堤防の嵩上げ・拡築、及び護岸整備を行います。

8行目、2)河道掘削。河道目標流量を安全に流下させるために必要な箇所等において、

河道掘削等を実施します。

10行目、3)固定堰の改築。

11行目、既設固定堰により、流下断面の高さ又は幅が不足している区間について、固定

堰の可動化等の改築を行います。

13行目、4)侵食対策です。

14行目、水衝部が堤防に接近している場合や、今後堤防に接近する恐れのある場合につ

いては、洪水等による侵食から堤防を防護するために、護岸による低水路の安定化や堤防

防護のため水衝部に関する調査・モニタリングを継続的に実施し必要な対策を実施します。

17行目、5)橋梁架替についてでございます。

19行目、6)施設の能力を上回る洪水を想定した対策。

20行目、応急対策や氾濫水の排除、迅速な復旧・復興活動に必要な堤防管理用通路の整

備、災害復旧のための資材の備蓄等を検討し、必要に応じて実施します。

また、雨量、水位等の観測情報や河川監視カメラによる映像情報を収集・把握し、適切

な河川管理を行うとともに、その情報を関係機関へ伝達し、円滑な水防活動や避難誘導等

を支援するため、これらの施設の整備等を図ります。

【四條京浜河川事務所計画課長】 9ページをご覧ください。

3行目、3.1.2河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持に関する事項でございます。

4行目、河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持を図るため、関係機関と連携し

た水利用の合理化を推進しつつ、地球温暖化に伴う気候変動の影響への対応等について、

関係機関と調整を行い、調査検討を行います。

6行目、河川環境の整備と保全に関する事項です。

7行目、河川環境の整備と保全を図るため、河川の状況に応じ、水質、動植物の生息・

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生育・繁殖環境、景観、河川利用等について配慮し、地域の計画やニーズを踏まえ自然と

調和を図った整備と保全を行います。

9行目、(1)水質改善対策。

10行目、宮ヶ瀬ダム(宮ヶ瀬湖)において富栄養化による影響が生じる恐れがある場合

には、必要に応じて富栄養化を軽減するための対策を行います。また、選択取水設備等を

活用して、ダムからの濁水の放流による下流河川における環境への影響を抑制します。

13行目、相模ダム(相模湖)や城山ダム(津久井湖)では、ダム貯水池のアオコ対策と

して、エアレーション装置による湖水の撹拌により水温を下げてアオコの発生を抑制する

対策に取り組んでおり、今後も引き続き実施していきます。

15行目、(2)自然環境の保全と再生。

16行目、カワラノギク等が生息する礫河原の保全、アユ等の生息・繁殖場となる瀬と淵

の保全に努めるとともに、コアジサシ等の生息・繁殖場となる砂礫地及びシギ・チドリ類

の等の渡り鳥等の中継地となる河口干潟の回復に努めます。

21行目、(3)人と河川の豊かなふれあいの確保に関する整備。

22行目、自然とのふれあいやスポーツなどの河川利用、環境学習の場等の整備を関係自

治体や地域住民と調整し実施します。

めくっていただきまして、10ページ目でございます。河川の整備の実施に関する事項の

うちの河川の維持の目的でございます。

3行目、3.2.1洪水、津波、高潮等による災害の発生の防止又は軽減に関する事項とし

まして4行目、河川の維持管理に当たっては、相模川・中津川の河川特性を十分に踏まえ、

河川の維持管理の目標、目的、重点箇所、実施内容等の具体的な維持管理の計画となる

「河川維持管理計画【国土交通大臣管理区間編】」等に基づき、計画的・継続的な維持管

理を行います。

6行目、地球温暖化に伴う気候変動の影響への対応等について、関係機関と調整を行い、

調査検討を行います。

7行目から、八つの項目に分けてお示しをさせていただいています。

一つ目が、(1)堤防の維持管理でございます。

8行目、堤防の機能を適切に維持していくために、堤防の変状や異常・損傷を早期に発

見すること等を目的として、適切に堤防除草、点検、巡視等を行うとともに、河川巡視や

水防活動等が円滑に行えるよう、管理用通路等を適切に維持管理します。

13行目、2番目の河道の維持管理です。

14行目、河道の機能を適切に維持していくため、点検、巡視、測量等を行い、河道形状

の把握に努め、支障が生じた場合には、必要に応じて所用の対策を講じます。

16行目、(3)樋門等の河川管理施設等の維持管理。

17行目、樋門・樋管等の施設の機能を適切に維持し、洪水、津波、高潮等の際に必要な

機能が発揮されるよう、適切に点検、巡視等を行い、施設の状況把握に努め、必要に応じ

て補修・更新を行い、長寿命化を図ります。長寿命化による機能維持が困難な施設につい

ては、具体的な対策工法について検討を行い、改築・改良を実施します。

めくっていただきまして、11ページ目です。4行目、4番目として(4)ダムの維持管

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理です。

5行目、宮ヶ瀬ダム、城山ダムについては、必要な機能が発揮されるよう、適切に点検、

巡視等を行い、施設の状態把握に努め、必要に応じて補修・更新を行い、長寿命化を図り

ます。

7行目、ダム貯水池においては、貯水池保全の観点からのり面保護を行うとともに、施

設機能の確保のため洪水等で流入する流木・ゴミを除去します。

また、堆砂状況を把握し、貯水池機能の低下を防ぐため、適切な対策を検討し実施しま

す。

10行目、(5)許可工作物の機能の維持。

11行目、橋梁は樋門・樋管等の許可工作物は、施設管理者と合同で定期的に確認を行う

ことにより、施設の管理状況を把握し、定められた許可基準等に基づき適正に管理される

よう、施設管理者に対し改築等の指導を行います。

13行目、(6)不法行為に対する監督・指導。

14行目、河川敷地において流水の疎通に支障のおそれがある不法な占用、耕作及び工作

物の設置等の不法行為を発見した場合は、法令等に基づき適切かつ迅速に是正のための措

置を講じます。

16行目、(7)観測等の充実。

雨量、水位等の観測データ、レーダ雨量計を活用した面的な雨量情報やCCTVカメラ

による映像情報を収集・把握し、適切な河川管理を行います。

19行目、施設の能力を上回る洪水等に対し、河川水位、河川流量等を確実に観測できる

よう観測機器の改良の充実を図ります。

21行目、(8)洪水氾濫に備えた社会全体での対応。

22行目、平成27年9月関東・東北豪雨における鬼怒川の水害や気候変動を踏まえた課題

に対処するために、行政・住民・企業等の各主体が水害リスクに関する知識と心構えを共

有し、氾濫した場合でも被害の軽減を図るための、避難や水防等の事前の計画・体制、施

設による対応が備えられた社会を構築していきます。

めくっていただきまして、12ページ目です。3行目、3.2.2河川の適正な利用及び流水

の正常な機能の維持に関する事項です。

4行目、河川水の利用については、日頃から関係水利使用者等との情報交換に努め、水

利権の更新時には、水利の実態に合わせた見直しを適正に行います。

5行目、流水の正常な機能を維持するため、必要な流量を定めた地点等において必要な

流量を確保するため、流域の雨量、河川流量、取水量を監視し、城山ダムや宮ヶ瀬ダム等

の総合運用により水系全体の効率的な水運用を図ります。

7行目、渇水対策が必要となる場合は、関係水利使用者等で構成する「相模川水系水総

合運用協議会」等を通じ、関係水利使用者による円滑な協議が行われるよう、情報提供に

努め、必要に応じて、水利使用の調整に関してあっせん又は調停を行います。

9行目、3.2.3河川環境の整備と保全に関する事項です。

10行目、河川、ダム貯水池周辺環境の維持については、水質、動植物の生息・生育・繁

殖環境、景観、河川・ダム利用等に配慮します。

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11行目から、こちらも八つの項目に分けてお示しをしています。

一つ目が(1)水質の保全ということで、12行目、良好な水質を維持するために、水質

の状況を把握するとともに、水生生物調査や新たな指標による水質の評価等を実施します。

18行目、(2)自然環境の保全。

19行目、良好な自然環境の維持を図るためには、河川環境の実態を定期的、継続的、統

一的に把握する必要があることから、「河川水辺の国勢調査」等により、基礎情報の収

取・整理を実施します。

24行目、(3)河川空間の適正な利用。

25行目、相模川・中津川の自然環境の保全と秩序ある河川利用の促進を図るため、河川

環境の特性に配慮した管理を実施します。

めくっていただきまして、13ページ目です。4行目から、(4)水面の適正な利用。

5行目、宮ヶ瀬ダム貯水池では、自然や水質等を保全しつつ地域活性化として、湖面利

用に関する「宮ヶ瀬湖湖面利用についての基本協定書(平成11年3月31日)」に基づき、

健全で秩序ある湖面利用を推進します。

7行目、城山ダム等においても、湖面利用が盛んなことから、自然や水質等を保全しつ

つ地域活性化を目指して、健全で秩序ある湖面利用を推進します。

9行目、(5)景観の保全。

10行目、相模川・中津川では、自然・歴史・文化・生活と織りなす特徴ある景観や歴史

的な施設について、関係機関と連携を図り保全・継承に努めます。

14行目、(6)環境教育の推進。

15行目、人と自然との共生のための行動意欲の向上や環境問題を解決する能力の育成を

図るため、環境教育や自然体験活動等への取組について、市民団体、地域の教育委員会や

学校等、関係機関と連携し推進していきます。

19行目、(7)不法投棄対策。

20行目、河川やダム湖畔には、テレビ、冷蔵庫等の大型ゴミや家庭ゴミの不法投棄が多

いため、地域住民等の参加による河川の美化・清掃活動を自治体と連携して支援し、河

川・ダム湖畔の美化の意識向上を図ります。

23行目、(8)不法係留船対策。

24行目、不法係留船は、洪水時に流出することにより河川管理施設等の損傷の原因とな

る等、河川管理上の支障となるため、不法係留船舶、不法係留施設に対する対策を関係自

治体、地域住民、水面利用者等の「相模川・小出川水面等利用者協議会」により連携して

推進していきます。

めくっていただきまして、14ページ目でございます。

3行目、3.2.4総合的な土砂管理に関する事項です。

4行目、総合的な土砂管理については、人為的な行為の影響により顕在化し、今後も進

行すると考えられる土砂移動の時空間的不連続性に起因した問題に対しては、重点課題と

して具体的な目標を掲げ、連携した対策を実施するとともに、対策の実施に当たっては、

自然の営力を極力活用します。

7行目から重点課題として、三つの項目を挙げさせていただいております。

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一つ目が、(1)茅ヶ崎海岸(柳島地区)の侵食対策。

二つ目が、10行目、(2)河道内の土砂移動の極端な不連続性の是正としまして、1)

磯部頭首工の改築。14行目に磯部床止下流の深掘れ対策。

それから、18行目、3番目としまして、(3)流砂系で継続して実施する対策・モニタ

リングとしましては、19行目、相模川から周辺海岸への土砂供給の実態把握等を見据え、

河口砂州及び干潟の形成、出水によるフラッシュのメカニズム等についてモニタリングを

行い、把握に努めます。

骨子の説明については、以上でございます。今、説明させていただきました骨子につき

ましては、先ほど挨拶でもありましたとおり、本日より公表させていただいております。

ホームページ等で骨子の内容を公表して、郵送、ファクシミリ、電子メール等による意見

募集を行います。意見募集の期間は、本日8月1日から8月30日までの約1カ月間となっ

てございます。

骨子の説明については、以上でございます。

【淺枝座長】 ありがとうございました。それでは、ただいま御説明いただきましたこと

について、御意見、御質問等お願いできればと思います。

【山坂委員】 よろしいですか。

【淺枝座長】 どうぞ。

【山坂委員】 国士舘大学の山坂ですけども。3ページ目の3行目ですが。これ相模川・

中津川の河川整備計画なんで、2行目には相模川・中津川のというふうになっているんで

すが、3行目は相模川ではというふうになっていて、中津川ではというのがないんで、ち

ょっとここ一緒にするか、また中津川は別でしたら一つ、つけ加えたほうがいいんじゃな

いかと思うんですけど、いかがでしょうか。

【淺枝座長】 この点いかがでしょうか。場所によって、相模川・中津川となっていると

ころと、相模川だけのところがあるんです。

【四條京浜河川事務所計画課長】 すみません、落ちているようなので、中津川と入れさ

せていただきます。

【淺枝座長】 よろしいですね。これ基本的に、相模川だけのところの中身を見ると、大

体中津川にも関係しそうなところが多いですので、一緒の扱いでよろしいですね。

【山坂委員】 ちょっと、もう1点よろしいでしょうか。

【淺枝座長】 どうぞ。

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【山坂委員】 6ページ目ですが。6ページ目の17行目、高潮対策。19行目、地震・津波

遡上対策ということになっているんですが、20行目については、津波の話は入っていない

ですね。20行目は、地震によって堤防等の耐震性、液状化の対策をするということで、津

波の遡上対策としては、恐らく堤防の整備ということで、4)のところに高潮と津波の遡

上対策というふうなところにしたほうが、よろしいんじゃないかと思うんですが。17行目

の4)が高潮対策じゃなくて、高潮・津波遡上対策で、19行目のほうが地震対策というふ

うに分類したほうがよろしいんじゃないのかと思いますが。

それと、どこかで聞いたような気がするんですね。高潮対策をしておけば、津波の対策

にもなっているというふうに聞いたような気がするんで、もしそうであれば、そのような

ことをちょっとどこかに書いていただいたほうがよろしいかと思いますけど。

【淺枝座長】 どうでしょう。高潮対策と津波対策との関係についてですね。

【四條京浜河川事務所計画課長】 今、おっしゃっていただいたように、相模川について

は地震のときの津波の高さが高潮堤防をつくっておけば、その高さよりも低い水位になっ

てございますので、高潮対策をしておけば津波対策はクリアできるというようなことで考

えております。

地震対策につきましては、考え方としまして地震で堤防がつぶれたときに津波の水位を

下回らないように対策を行うもので、そういったところで津波遡上対策として整理させて

いただいているというところでございます。

【淺枝座長】 よろしいですかね。どうぞ。

【中村委員】 中村と申します。

前回欠席させていただきまして、大変失礼しました。今日は1回目ということで、よろ

しくお願いしたいと思います。

私は農業土木の分野で出席させていただいています。先ほどの御説明で、3ページの河

川整備計画の目標に関する事項の7行目ですが、河川の適正な利用及び流水の正常な機能

の維持に関して、関係機関と連携した水利用の合理化を推進するなどとなっております。

その後、河川環境の保全や利水安全度の確保のため、流水の正常な機能を維持するために

必要な流量の安定的な確保に努めますということが記載されています。そこで、まず水利

用の合理化によって流水の正常な機能を維持するということにかかっているようなんです

が、この文章を見ると確保という字が二つ出てきたり、それから何々するため、何々する

ためということで、文章が非常にわかりにくい感じがします。この水利用を合理化するこ

とによって、利水安全度の安定的な確保がどのように実現するのかといったところが、ち

ょっとこの文章だけではわからないところがありますので、あまり具体的なことを書けな

いと思うんですが、もしその辺のお話をちょっとお聞かせいただければありがたいんです

が。

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【淺枝座長】 よろしくお願いします。恐らく、後ろの資料とかって、そのあたり具体的

な例とか、確かなかったですよね。

【中村委員】 すみません、水利用の合理化という言葉が何回も骨子の中に出てきており

ますので、多分絡んでいると思うんですけども、水利用の合理化といってもいろいろな利

用主体がありますので、具体的にどういう合理化を想定されているのかということを、教

えていただければということでございます。

【淺枝座長】 いかがでしょう。

【四條京浜河川事務所計画課長】 現時点で具体、特別にどれをとかということではなく

てですね、水利用の合理化といえば水利権をどういうふうに見直していくのかとかという

ことに、一般的にはなるかと思いますけれども、どれをどうしていくかということは、こ

れから調整、検討してまいるといったようなところでございます。

【中村委員】 何度も申し訳ございません。12ページの4行目のところに同じようにです

ね、河川水の利用については、日頃関係者との情報交換に努め、水利権の更新時には、水

利の実態に合わせた見直しを適正に行いますというような表現がございます。今、日本の

農業は非常に水の利用パターンが地域によって大きく変動しておりますので、地域によっ

ては従来5月から取水していたものを4月に前倒しして取水しないと農業ができないとい

うような地区もありますし、そういった水利用の実態に柔軟性をもって対応しながらそこ

で適正な流水の正常な機能の維持を図っているということが含まれていれば理解できるの

ですけれども。要するに、水利権更新のときに取水量を減らして、その分を流水の正常な

機能のほうに充てるという、何かそういう形に受け取れます。柔軟に見直しを行うという

ところが、ちょっと気になるところでございますので、その辺をちょっとご配慮いただけ

ればと思います。

【淺枝座長】 よろしいですね。次の資料3の後ろの24ページ目あたりが、ある意味具体

的な例なのかなというように理解していたんですが、どうでしょうかね。

【四條京浜河川事務所計画課長】 今、座長から言っていただきました、資料3の24ペー

ジ目につきまして、利水の現状と課題をお示しさせていただいているところで、その水利

用の現状ですとか、先ほど御説明したダムの総合運用ですとか、そういったところで水の

利用を図っているといったようなところでございますので、そういったところも踏まえて

ですね、原案作成の際は考えてまいりたいと思います。

【淺枝座長】 わかりました。

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【淺枝座長】 弾力的にうまく考えていただくというようなところで、よろしいですかね。

はい、どうぞ。

【秋山委員】 相模原市立博物館の秋山です。やはり生物空間から見た河川環境をずっと

見てきましたので、その点から質問をさせていただきます。

具体的には9ページ、3.1.3の河川環境の整備と保全に関する事項というところと、12

ページの3.2.3の(3)河川空間の適正な利用というところに関してになると思うんです

けれども。私も地元ということで長く相模川とお付き合いしてきた中で、やはり相模川は

非常に自然環境を考える上で、河川法の改正の前からいろいろな点で議論がされてきた。

古く紐解くとですね、私が知っている限りでは昭和60年に相模川空間管理計画というのが

出されています。これは県の土木部から出ているんですけども、その中で私たちも非常に

注目すべき言葉があって、低水路空間という考え方を示されているんですね。これは何か

というと、低水敷プラス中水敷、この中水は中水敷と書いて「ちゅうすいしき」と読ませ

ていると思うんですが、それが定義されています。それがずっと連綿と計画の中で生きて

きて、近い所では平成26年に出された相模川水系河川環境管理基本計画というのがあって、

そこの補足資料の中に中水敷の保全という言葉が出てくるんですね。一般的には低水敷、

高水敷という言葉があって、その中間部分、つまり水のかぶり方で言うと、低水敷以上、

高水敷未満くらいの部分ということだと思うんですけど、中水敷の保全というのは、まさ

に相模川のような沖積低地を流れる大きな河川ですと、自然環境の特色を示す、つまりカ

ワラノギクの生育地でもあり、コアジサシなんかがコロニーをつくる場所となっています。

私たちは、やっぱりこの部分というのを拠りどころにして保全をしていく、できればその

部分に関しては、できるだけ人工化を食いとめたいという気持ちがあります。今回の河川

整備計画の骨子の段階で、そこまで議論することではないかもしれないんですけれども、

神奈川県さんのほうには、この整備計画を進めていく中で、これまで空間管理計画のよう

なものが出されてきた経緯と、この河川整備計画との整合性といいますか、そういう経過

を踏まえた議論にして、仕上げていっていただけるのかどうかというのが、気になってい

るところではあります。その点、神奈川県としては、どのようにお考えでしょうか。

【淺枝座長】 いかがでしょう。

【伊藤神奈川県河川課調査グループリーダー】 基本的に、そういった考え方を継承して

いくと考えているんですが、それをどのように相模川の整備計画に示していくのかという

のは今後検討していく課題だと思っております。

【秋山委員】 当然ながら、まだ骨子の段階ですし、全体的なバランスをとりながらの整

備計画なんで、その部分だけあまり微に入り細にわたるということはないとは思っている

んですけども、やはり基本方針として、相模川の場合は砂利採取の歴史からいっても、非

常にその部分というのは、他の川に比べると非常にセンシティブな部分もあるし、配慮が

必要な部分もあるしということで考えると、やはりその部分というのは、これまでの経緯

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の、せっかくその中水敷という非常に微妙なエコトーンといわれる部分に配慮した計画が

積み上げられてきたので、できれば私たちは、その部分を反映させた上で計画を進めてい

ただきたいなというふうに思っております。ありがとうございました。

【淺枝座長】 ありがとうございます。よろしいですね。どこかに確か出ていた、例えば、

二極化が進んでいますと。ある意味、二極化というのも低水敷と高水敷がどんどん分かれ

ていっている。その間に、本来だったら中水敷というような区分のものが、相模川の場合

には昔はあって。ただ、それが相模川の場合、特に土砂がなくなってしまって二極化が進

んじゃってということなんですよね。そういう意味では、だから土砂の総合管理というと

ころが、ある意味、中水敷の対策のようなところに結び付いていくのかなというような感

じで聞いていました。

よろしいですね。やはり、今おっしゃったように相模川、非常に中水敷そういう仕切り

を持ったところがある意味、昔から重要な河川ですので、どうやって、だからそれを補っ

ていくかというのは、もちろんいろいろ難しい部分あろうかと思いますけど、考えていた

だければと思います。

【服部京浜河川事務所長】 補足で説明させてください。

まず、1点目は座長に御指摘をいただいたような総合土砂管理に関する内容で、ページ

でいうと14ページ目に総合土砂管理のことをまとめて書かせていただきましてけど、一番

下の対策、モニタリングのところ21行目ですね、三川合流地点の土丹露出についてもそう

いった土砂管理に関する対策をされているということですけど、これも河原の部分が中水

敷に当たると思いますので、その対策の一つかと思います。

あと、もう一つが、9ページの河川環境の整備と保全に関するというところでございま

すけれども、15行目に自然環境の保全という中で、16行目の河原の保全というのは、カワ

ラノギク等が生育するということで出てきています。これもまさしく中水敷に該当する箇

所の保全ですので、やっぱりそういったところの生態系や環境の保全に努めるといったよ

うなことで記載していると御理解をいただければと思います。

【淺枝座長】 ありがとうございます。

そのほか、どうぞ。

【利波委員】 神奈川県水産技術センター内水面試験場 場長の利波でございます。

今、秋山の委員のほうから自然環境の話がありましたので、引き続き河川環境の観点か

らお話をさせていただきたいと思います。

やはり、今御指摘のあった9ページ、16行目、それからその関連でいきますと、5ペー

ジの11行目なんですけど、このところにアユ等をはじめとする魚類、あるいはアユ等の生

息・繁殖場となる生育地の保全ということが掲載、記述がございます。今、これあくまで

も骨子なものですから、ここでどこまでということは承知の上で申し上げますけれども、

資料3のほうにも書いていただいているとおり、この相模川におけるアユというのは非常

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に重要な魚種がある。それらは全く疑いの余地がないのですが、ある意味、アユに対する

配慮というのは、過去からかなりやられてきたというのが事実だと思います。その、河川

構造物なんかでもアユに関してはかなり意識して取り組みをされてきたというのが、ここ

から非常に事実としてございます。

一方で、それ以外の生物に対してというところが、なかなかカバーしきれなかったとい

う過去があったのかなということがございまして、その中で、これはこの見た目の印象と

いう部分で非常に恐縮なんですけれども、ここでアユ等をはじめとするという表現を見た

ときに、全般的に否定的に見たときに、アユだけかっていう印象が非常に感じてしまうん

ですね。これは今、先ほど言いましたようにどこまで書くかっていうところがあるんです

よ、正直なところ。何ですけれども、やはりこれから肉付けをしていくときに、もうちょ

っと違う生き物にも着目をして、本当に川の中の魚たち、生き物たち全体を見ているとい

うことをぜひ、お示ししていただけるといいんじゃないかなというふうに思っております。

以上でございます。

【淺枝座長】 どうもありがとうございます。

おそらく、気持ちとしては他の生物も全部を含めてということであろうと思いますけど、

そのあたりもよく配慮して、実際の整備計画を文章にするときにはお願いしたいと思いま

すね。

よろしいですね。今の御意見等も実はそのあたりにまた土砂が絡んできたり、いろんな

項目がこう複雑絡んできている問題ではございますが、そのあたりうまく配慮してやって

いただければと思います。

そのほかございますでしょうか。どうでしょう。

【鎌田委員】 関東学院大学の鎌田です。

1点お教えいただきたいのと、1点、確認をしたいのですが、5ページ目の15行目で富

栄養化と冷濁水放流による環境影響についてのモニタリングを継続し、という記述がある

んですが、富栄養化のほうは私も承知をしているんですが、冷濁水放流による環境影響に

ついてのモニタリングを継続ということが、この辺現状ちょっと私は把握していないので、

お教えいただきたいというのが1点と、それから雨量水位観測の話が何点か出てきたと思

うんですが、全てのところで収集把握しというような形になっているんですね。それから、

関係機関の伝達ということで、冒頭御説明のところで連携をしてハードのところは粛々と

進めると、それからソフトの部分も強化していくというお話があったかと思いますが、現

状ホームページ等で結構情報とかも発信をされていると思うので、把握じゃなくてそうい

うソフトの面で発信するとかという文言を加えていただいてもいいのかなと思ったので、

その辺ちょっといかがでしょうかということで御意見を申し上げました。

以上です。

【淺枝座長】 ただいまの一つ目は、ダムのほうですね。水質、冷濁水放流の話、いかが

でしょうか。

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【横坂相模川水系広域ダム管理事務所長】 相模川水系広域ダム管理事務所長、横坂でご

ざいます。

今の5ページの15行目でございますけれども、現在、宮ヶ瀬ダムにおいて富栄養化にな

っているかとかと申しますとそういう訳ではございません。

関連して、9ページのほうにも書かせていただいておりますが、9ページの10行目です

かね、宮ヶ瀬ダムにおいて富栄養化による影響が生じる恐れがある場合は、必要に応じて

軽減対策を行いますであるとか、そういったことで実際に起きているわけじゃないんです

が、そういったことが起きないように今、調査等は継続して行ってございますので、そう

いった意味でモニタリングっていうふう書かせていただいております。

同様に濁水というものに対しても、選択取水設備というものを付けてございまして、そ

の中で濁水のところから放流するんではなくて、比較的濁水のないところから下流のほう

へ放流してございますので、そういった現在影響が出ているわけではないんですが、なん

らか今後、出た場合においては対策をしなきゃいけないということでございますので、そ

ういうのを含めて下流にどのくらい影響があるのかとか、それらを含めて調査を継続して、

モニタリングをしていきますというふうに今、書かせていただいているところでございま

す。

【鎌田委員】 富栄養化は起こっていないとは承知はしていて、継続的に水質のモニタリ

ングをされているのはわかるんですけど、ちょっと冷濁水放流の影響というがちょっとわ

かりにくいかなと思ったので、そこの富栄養化も水質である程度見えるかと思うんですが、

後ろの部分がちょっとわかりにくいかなと思ったのでちょっと質問させていただいた次第

です。

【横坂相模川水系広域ダム管理事務所長】 冷濁水のような冷たい水を流してしまうと、

下流のお魚さんたちにも影響されるという部分もございます。例えば渇水となっています

と、水位が少なくなってしまいますので低い所から出さざるを得なくなってしまうという

こともございます。そんなこともございまして、そういったところの影響もあればモニタ

リング等をして、調査をしてどこどこで流すと冷たい水が出てくるだよねとか、そういっ

たところは継続して調査してまいりますといったところでございます。

【淺枝座長】 そうですね、これ、洪水調節の機能があるんで、5月の末に水位を下げる、

そのときに冷たい水を出してしまいがち、そういった機能をダムもないです。

それに対して、モニタリングをしっかりして、そういった影響が出ないということです

ね。宮ヶ瀬ダムの場合は基本的に流域が山ですので、富栄養化はほとんど関係ないかなと

思いますね。

いかがでしょうか。はい、どうぞ。

【四條京浜河川事務所計画課長】 はい、渇水の関係をおっしゃっていただいたように、

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ホームページ等で既に情報を出している部分等もありますので、そういった現状やってい

ることも踏まえて本文へどう反映をさせていくかというのは、検討をさせていただきたい

と思います。

ありがとうございます。

【淺枝座長】 よろしいですかね。

おそらく、水質っていうことになるとむしろ宮ヶ瀬ダムよりも相模湖、津久井湖のほう

が多少問題はあります。ですけど、それもだから具体的にどうしようもない部分っていう

のが一方ではあって、 善な形でやっていくというような計画になっているかなと思いま

す。

そのほか、いかがでしょうか。

ここに書かれていますものは、骨子ということで、この後、これにいろいろ肉付けをさ

れた形で文章ができ上がるということですので、現段階で多少文章がこなれていなくても

実際にでき上がったときには、もう少ししっかりしたきれいな文章になっているというに

お考えいただければというふうに思います。

【山坂委員】 よろしいですか。

8ページの11行目の固定堰の断面不足のところですが、ちょっと文言が高さまたは幅が

不足しているっていうのは、高さが不足していると低すぎるというような、高さが不足し

ている表現ですと、低すぎるというふうに捉えられがちなので十分に断面が取られていな

いというふうな表現のほうがいいんじゃないかと。ちょっと、高さが不足しているという

表現はちょっとまずいんじゃないかと思います。そこは、ちょっと変えていただきたいと。

【淺枝座長】 高さが不足していることについては、これは何ていうのか、気持ちの部分

はおそらく同様なことだろうと思いますので、実際に文章にするときに少し気をつけてい

ただければというふうに思います。

【中村委員】 繰り返しになるんですが、ホームページには資料3も掲載されるというこ

とでよろしいですか。

骨子のところで12ページの11行目、水質の保全の内容になりますが、12行目の後ろのほ

うに新たな指標による水質の評価等を実施するというふうに書いてあるんですが、先ほど

資料を3の中にこの新たな水質の指標をですね、こういったものは掲載する予定はありま

すでしょうか。私が見た限りは見つからなかったものですから、もし、載っていましたら

結構なんですが。

【四條京浜河川事務所計画課長】 新たな指標ですので、こちらはまだ資料3につきまし

ては、現状と課題を整理させていただいているものなので、そちらにはまだ記載はしてい

ないので、新たな指標は、どういった指標で水質を評価していくのかっていうところを今

後、具体には検討していくことにはなろうかなというふうには思うんですが。

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【中村委員】 この新たな水質の指標というのは、我々はホームページで確認をすること

ができるのですか。

【四條京浜河川事務所計画課長】 まだ、出てはいない。これからだと思います。

【中村委員】

資料3の9ページで非常に細かいまとめ方をされていて、私も参考にさせていただいた

んですが、相模川流域の史跡名所天然記念物で、左側に地図とプロット、右側に表がある

んですが、実は私、相模原市に今住んでいるもので、私の近辺でどういう史跡名所天然記

念物がこの相模川と一体になって存在しているかということ興味をもって一つ一つ確認を

させていただきました。その結果すみませんが、事務局のほうで確認していただければあ

りがたいのですが、55番と56番について、これは史跡という分類になっております。史跡

のマークが実は赤いスターマークとのことなんですが、グリーンで表示されております。

左のほうですね。それから、43番は早川城跡ということで、これも史跡で下流が綾瀬市に

あります。それから、44番についてこの図の中に示されていないようですので、この辺を

もう少し整理をしていただいて、わかりやすくしていただければ大変ありがたいと思いま

す。

それから、右の表も凡例が史跡、名所、天然記念物となっておりますから、できればそ

ういう順番で再度整理をしていただくと自分の家の近くにどういったものがあるかという

ことを図と表と見比べるときにわかりやすいと思いますので、細かいところで申し訳ない

ですけど、よろしくお願いします。

以上です。

【四條京浜河川事務所計画課長】 ありがとうございます。

すみません、ちょっと修正が追い付いてないようで申し訳ございません。

【淺枝座長】 15番は昨年度、真田丸のテレビの中にも確か出てきた史跡ですね。名前が。

よろしゅうございますか。そのほかいかがでしょうか。

先ほどの指標はおそらく生物絡みの指標になる。今まではどちらかという化学的な指標

が多かったですけど、そういった形になろうかと思いますね。

いかがでしょうか。具体的なところが今もちょっと話題になりましたけど、資料3のほ

うにも入れていますので、そういったところも眺めながらお気づきの点等ございましたら。

【秋山委員】 よろしいでしょうか。

【淺枝座長】 はい。

【秋山委員】 専門外の話を言及してちょっと恐縮なんですけれども、今のことに関連し

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てなんですが、13ページの3.2.3、(5)景観の保全というところで、相模川・中津川で

は、自然・歴史・文化・生活と織り成す特徴ある景観や歴史的な施設についてというよう

な、歴史的な施設というのが何を指しているか。今のような史跡の類かと思うんですけど、

ここに河川構造物の中にも近代化遺産的な歴史的な構造物が結構あって、相模川の場合は

例えば、相模原市でいうと古い小倉橋のようなものですとか、三川合流のところにある、

水道橋のようなものですとか、そういったものというのは、だんだん年数を経るにしたが

って、私たちがみてもいい具合にエイジングされています。さっき私が河川空間の人工化

を食いとめたいという意見とは矛盾しているような気もするんですけれども、そういう歴

史的な河川構造物っていうのも私は河川工学的にも歴史的な施設なんじゃないかなと思う

んですね。この辺は想定されていますでしょうか。

【淺枝座長】 どうでしょう。

【服部京浜河川事務所長】 御指摘ありがとうございます。

まだ、個別具体に決めているわけでないですが、そういった考え方は大切だと思います

ので、ぜひ取り入れてやっていきたいと思います。

その前段にも良好な景観を形成しているという内容がありますので、歴史的にも景観的

にもそういう橋が架かっているというのも大事かと思っていますので、そういったところ

を総合的に考えてやらせていただきたいと思っています。

どうもありがとうございます。

【淺枝座長】 ぜひ、よろしくお願いをしたいと思います。

歴史的なそういう構造物っていうのは、これはもちろんだから歴史的な価値もあったり

もするわけですけど、それと同時に観光客を誘致するのに非常に重要な役割を果たします

ので、ぜひ、それこそ土木構造物等も含めてお願いできればというふうに思います。

【利波委員】 座長。

【淺枝座長】 はい、どうぞ。

【利波委員】 一つちょっとお願いでございます。

先ほども申し上げた、5ページの11行目の河川の連続性の確保という、このあたりのお

話になってくるんですけども、ここに書いていただいているとおりなんですが、この生物

の観点で考えたときに、縦断的な生息環境の保全これは非常に重要だと思うんですね。先

ほども言いましたように、河川構造物がああいう中では非常に効率化ができていると。そ

れ以外のものだとなかなか難しいという話をさせていただきました。

一方で、大体私どものところに、こういう構造物に問題があるよという御相談が来たと

きに大概は根本的な構造問題というよりは、どちらかというメンテナンスが追い付いてい

ない。こういう問題があるなという感じがいたします。

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確かに元々の構造にやや難のあるものもないわけがないんですけども、それ以上にやは

りメンテナンスの問題に課題があって、今はうまく機能がしていないというような事例が

多いように感じております。

その中で、せっかくこの言葉として、縦断的な生息環境の保全と書いていただいている

と。そうすると、やっぱりこれにどこかに触れていただきたいなと思うんですね。どうも

骨子をずっと眺めて見てもちょっとそういう意味での記述、想定、そこから想像できる部

分が全然ないというところで、そういう施設のメンテナンス的な記述っていうのが14ペー

ジの土砂管理のところなんだけなんですよね。読み取れるのが。確かに土砂管理のところ

で、こういった不連続性の話が触れられているんですけれども、これはまさしく生物の間

と全く共通なことだと思うんですよ。やはり、ここでの不連続性がっていうのはまさしく、

生物の分野になってくるんだというところでですね、この辺についてはぜひどこかで触れ

ていただきたいなと思います。

以上です。

【淺枝座長】 よろしいですね。

おそらく、精神としてはそういうことで書かれているだと思うんですが、おっしゃるよ

うにいわゆる既存の土木構造物に対するメンテナンスが十分でなくて、それ自身がかえっ

て生き物に対して、影響を及ぼしているというのは往々にしてあろうかと思うんですね。

ですから、そういったものも含めてメンテナンスっていうような部分が実際に文章になる

ときに、もう少し出てきたほうがいいかなというふうに思います。

例えば、排水機場とか基本的にメンテナンスが必要になるわけですよね。だから、どの

程度の状況にあるかっていうのはいろいろ調査が必要になるかもしれませんけれども、そ

のあたりも少し加えていただけばというふうに思います。

どうでしょう。はい、どうぞ。

【服部京浜河川事務所長】 維持管理については9ページ以降に河川の維持の目的、種類、

場所が書かれていますけれども、今の御指摘に一番沿うのは10ページの、16行目になりま

すけれども、河川管理施設の維持管理については環境の観点も読み取れるような工夫が必

要かなと思っていますので、御指摘を踏まえてやっていきたいと思います。

ありがとうございます。

【淺枝座長】 ぜひ、お願いしたいと思います。

どうですかね。おそらく、気持ちとしてはいろんな形で本当はもっともっと、いろんな

ものがあるんだとは思うんですが、文章として出てなかったりするんで、そのあたり、そ

ういった部分がお気づきの点、ありましたらお願いできればと思いますね。

相模川の場合は総合土砂管理計画といち早く取り組んだと、実は土砂が足りないという

ことが河川の連続性に影響している。横方向の連続性に影響している、縦方向の連続性に

影響をしたり、また場合によっては水質に影響をしたり、いろんなことがあってなんだけ

れども、それをいち早く取り込んでいったということがありまして、そういう意味ではか

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なりこの部分は強調して書いていただくといいかなと思いますね。

大丈夫ですかね。

【山坂委員】 ちょっと、分類のところで河川の整備の実施に関する事項、それから幾つ

かに分けていますね、例えば洪水、津波、高潮、それから河川の適切な使用及び流水の正

常な機能、それから環境の整備保全というふうに三つに分けているんですが、2番目の河

川の適切な利用及び流水の正常な機能の維持に関する事項というところで、例えば5ペー

ジの3行目、これ流水だけですよね。河川水の利用のことだけ。それから、9ページの4

行目、これも河川の適切な利用及び流水の正常な機能の維持を図るため等々と書いてあり

ますが、具体的にはここにあまり書いていないということで、それから12ページの4行目、

これも河川水の利用、水のこと、どうも河川水のところだけになっているようで、逆に例

えば12ページの24行目では、河川環境の整備と保全に関するところに河川空間の適切な利

用というふうに書いてあって、保全を図るという意味で入っているんですが、先ほど言っ

た、2番目のところ、河川の適切な利用及びというところは、空間の利用だとか水面の利

用といったものを入れておいたほうが、三つに分類をしたときに、真ん中の二つ目が全部、

流水利用の話だけになっているような気がするので、河川の利用というところに水の利用

だけじゃなくて、水面、それから高水敷だとかそういう全体も利用するという、水だけじ

ゃないということがちょっと、見受けられないような気がするんで、整備のところにはそ

こが入っているんですけれども、ちょっと書き方がごっちゃで整備のほうに入っちゃって

いるかなという気がするので。

【淺枝座長】 よろしいですね。

おそらく、気持ち上は入っているんだとは入っているんだとは思うんですが、実際の文

章として、ですから 終的な文章の中にはぜひ空間という意識のものはぜひ入れていただ

いたほうがいいかなと思いますね。

どうぞ。

【吉井関東地方整備局河川部河川計画課長】 すみません、河川計画課の吉井と申します。

ちょっと章立てのタイトルのわかりにくさの御指摘でもあったかなと。3章の整備の実

施に関する事項というのは、まず大きく3-1と3-2に分かれていまして、3-1が新

たに施設を整備するようなもの、3-2がそれを管理していくようなことで、それぞれが

三つに分かれていまして、1番目がタイトルは長いんですけど、いわゆる治水の話でして、

二つ目が利水のこと考えていまして、三つ目がいわゆる広い意味での環境ということで、

その中に空間としての河川の利用といいますものも概念として入れているという整理で、

これは相模川だけではなく、他の川の整備計画もそのような章立てて、つくっているとこ

ろがありまして、ちょっとその概念整理の若干分かりにくさに関しての御指摘だったかな

とは思いますが、そのような整理で今、記載はさせていただいているところでございます

ので、ちょっと何か工夫ができるかどうかは考えていきたいと思いますが、そんなところ

でよろしいでしょうか。

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【淺枝座長】 どうしても、こういうふうにカテゴライズをしてしまうと分けてしまうわ

けですが、実際にはいろんなものがもっともっと複雑に絡み合っていてそれがなかなか文

章上、うまく出てこなかったりというのがあったりするんで、その辺もだから当然カテゴ

ライズをせざるを得ないなんですが、そうした中でもうまく文章を考えていただくとより、

そこの関係がわかってくるかなというふうに思いますね。

よろしいですか。どうですかね。

おそらく、まだ骨子として、上がっている言葉の中には多少抜けていたりということが

あったりはしますが、気持ちとしては実際には含まれていてですから実際に出来上がる文

章の中にそういったものが下りてくればいいんじゃないかなと思います。

よろしいですかね。

どうですか。大体こんなところでよろしいですかね。

今、幾つかいろいろ御意見をいただいておりますが、そういったところを是非反映させ

る形で入れていただければというふうに思います。

それでは、今日用意されました議事につきましては、一応終了したということで司会を

事務局のほうにお返ししたいと思います。

◆閉会

【羽澤京浜河川事務所副所長】 淺枝座長、どうもありがとうございました。

また、委員の皆様方におかれましては、長時間にわたりまして御議論をいただきどうも

ありがとうございます。

それではこれをもちまして、第2回相模川・中津川河川整備計画有識者会議を終了させ

ていただきたいと思います。

また、次回の有識者会議につきましては、日程調整を後日事務局より御連絡をさせてい

ただきますので、その際にはよろしくお願いをしたいと思います。

どうも本日は大変ありがとうございました。

── 了 ──