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地熱井における 小型ハイパワーリグ設計・開発 2020年6月 帝石削井工業株式会社 技術企画部/営業部 次長 松浦義之

地熱井における 小型ハイパワーリグ設計・開発 - JOGMEC1. 背景 3 大型リグの搬入・搬出に係る付帯工事(道路拡幅・橋補強等) 大型リグと同等能力の小型リグによる費用の削減

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  • 地熱井における

    小型ハイパワーリグ設計・開発

    2020年6月

    帝石削井工業株式会社 技術企画部/営業部 次長 松浦義之

  • 2内 容

    1. 背景

    2. 課題

    3. 実施計画

    4. 実施体制

    5. 成果

    6. 実証試験概要 - 無負荷試験① -

    7. 実証試験スケジュール

  • 1. 背景 3

    ◆ 大型リグの搬入・搬出に係る付帯工事(道路拡幅・橋補強等)

    大型リグと同等能力の小型リグによる費用の削減

    さらなる費用削減/人材不足解消に期待

    ◆ 若年層の定着率の低下/業界の高年齢化による人員補強の障害

    自動化・省力化による人材不足の解消

    ◆ 開発した制御技術を既存リグへ導入できれば・・・

  • 42. 課題

    「小型ハイパワーリグ」に求められる仕様

    積載14tクラスのトラックにて資機材が運搬可能

    リグ組立に用いるクレーンは80tクラス

    最終口径8-1/2” 深度2,000m程度の傾斜井掘削が可能

    2,000m²以下の敷地で多様なレイアウトにてリグアップが可能

    エアレーテッド掘削にも対応可能

    ダウンタイムが少なく、メンテナンスが容易なACリグ

    リグ制御に使用するPLC(programmable logic controller)等が国

    内で標準的に使用されている

    PLCは掘削パラメーターのロガー機能を備える

    PLC用のプログラムには自動掘削機能が組み込まれている

  • 53. 実施計画

    ① リグ全体(櫓、サブスト、DW、RT、ハンドリングツール等)・ 2018年度のリグ詳細図面を元に、主要掘削会社から意見集約を行う。・ 集約した意見を元にコストと成果を評価し、必要であれば詳細図面を加筆修正する。・ 2018年度に選定したDWおよびRTを準備する。・ DWの実証試験に使用可能な2,000m級リグを準備する。・ 準備したリグにDWおよびRTを仮設する。

    ② 泥水循環システム(泥水ポンプ、泥水ユニット、タンク類等)・ 2018年度の詳細図面に関して主要掘削会社から意見集約を行う。・ 集約した意見が評価改善となる場合は製作図面を加筆修正する。

    ③ 電機制御システム設計(VFD/MCC/PLC、制御プログラム、モーター設計)・ 2018年度の設計システムに関して、主要掘削会社から意見集約を行う。・ 試験用の制御システムとは別にMCCを含めリグ全体の制御が可能なシステムを

    詳細設計する。

  • 6

    ④ 電機制御システム試作・ DW、RTを動作可能な試験用電機室を製作し、接続するために必要な設備を手配

    する。・ 試験用電機室を介してDW、RTを操作可能な試験用制御室を製作する。・ 制御プログラムのうち、データロガー機能を完成する。・ ロガーの表示機能について設計を行う。

    ⑤ 電機制御システム実証・ DW、RTおよび製作した試験用電気室、制御室を組立し、以下の動作確認を行う。

    → 動作実証試験(無負荷):入力信号パラメータ調整、信号入力による動作確認。→ 無負荷試験の結果から抽出された不具合を修正する。→ 操作プログラム用マニュアル案を作成する。

    ⑥ ミニチュアリグ・ 2018年度で得られた改善策を検討し改善を行い、意見集約を行う。

  • 74. 実施体制

    日鉄鉱コンサルタント(株)(NMCC)

    操作監視画面製作、試験用制御室製作、ロギング機能製作、実証試験、プログラム操作マニュアル作成

    電機制御部設計製作(FE)

    帝石削井工業(株) ACモーター製作、VFD製作、MCC製作等

    全体取り纏め

    商社(コスモス商事)

    情報収集、図面製作支援等

    ミニチュアモデル設計製作模型(共立模型)

    ミニチュアリグ課題抽出、改善等

    【委託先】

    【外注先】

  • 85. 成果① リグ全体(櫓、サブスト、DW、RT、ハンドリングツール等)

    ・ 主要掘削会社から集約した意見を元に、コストと成果を評価した。

    機材配置:敷地40m x 50m 機材配置:62m x 32m

  • 9

    ・ 集約した意見に基づき製作図面についてはTDDSを加筆した。

    TDDS

  • 10

    ・2018年度に選定したDW、RTをレンタルした。

    DW

    RT

  • 11

    ・ 実証試験に使用可能な2,000m級リグを準備し、DW、RTを仮設した。(安全対策含む)行った。実証試験について近隣住民の理解を得るために住民説明会を行い、近隣住民の理解を得た。

    住民説明会

    リグ組立

  • 12

    ③ 電機制御システム設計(VFD、MCC、PLC、制御プログラム、モーター設計)・ 設計システムに関して、主要掘削会社から意見集約を行った。・ MCCを含めたリグ全体の制御が可能なシステムの設計を行った。

    DW、RT、MPの所要動力に基づき適したモータを設計

    モータ

    メンテナンス向上

    コンテナパッケージハウス(VFDハウス)小型化

    電気品の国内メーカ採用による予備品の削減、サービス員の省人化

    異常時の掘削中断時間が少なく、メンテナンスしやすい電機制御システムの開発

    日本の地熱掘削設備の設置場所や道路状況に合わせ、14tトラックで運搬できるよう、電機制御システムのコンテナハウスパッケージの設計

    ② 泥水循環システム(泥水ポンプ、泥水ユニット、タンク類等)・ 詳細図面に関する主要掘削会社からの意見は、特段無かった。

  • 13

    ④ 電機制御システム試作・ DWおよびRTを動作可能な試験用電機室(VFD)を製作した。・ 必要なケーブル類を手配した。

    VFD

    PLC

  • 14

    ・ VFDを介してDWおよびRTを操作可能な試験用制御室(ドリラーズキャビン)を製作した。・ データロガー機能を製作(ロガー表示機能については、本委託の中で設計)した。

    ドリラーズキャビン

    モニタ画面

  • 15

  • 16

    ⑤ 電機制御システム実証・ リグ、DW、RTおよび製作したVFD、ドリラーズキャビンを接続し、実証試験を開始した。・ 試験は帝石削井工業(株)成東整備センター(成東C)で実施した。・ 実証試験において以下の動作確認等を行った。

    1) 動作実証試験(無負荷)→ 入力信号パラメータ調整→ 信号入力による動作確認

    2) 無負荷試験から抽出された不具合修正・ 操作プログラム用マニュアル案の作成を開始した。・ 2020年2月、掘削技術推進委員会による見学会開催。

    発電機 VFD

    制御室 DW

    R/T

  • 17

    ⑥ ミニチュアリグ2018年度で得られた改善策を検討し、TDDSのミニチュア製作やシミュレーター機能の追加製作を開始した。

    TDDS

  • 18

    操作パネル

  • 19

    使用装置および動力・操作線接続状況

    1)信号入力による動作確認項目 (次頁参照)・操作でDW、R/Tの動力作動確認・付属機器類の作動確認・自動(手動)でのブレーキ作動確認2)入力信号パラメータ調整・DW、R/Tの動力の作動に関連するセンサー類の種類・適用範囲3)不具合が発生した場合は次回試験までに修正

    6. 実証試験概要 - 無負荷試験① -

    マスト/サブストラクチャー組立後、設置したDWおよびR/TにAC動力モーターを接続する。また、制御システムに接続し以下の動作確認を行うことを目的とする。

    発電機 VFD

    制御室 DW

    R/T

  • 20

    信号入力による動作確認項目

    1. H/B衝突防止機能2. H/B最高速度設定機能3. WOB一定自動掘進4. WOB等急変時のアラーム機構5. ポンプ圧急変時の掘進停止6. WOB急変時の掘進停止7. 揚降管時専用の操作モード8. マルチタッチパネル9. R/TQ上昇時の緊急停止

    10. R/TQ低下時の掘進停止11. R/TQ変動時のアラーム(画面連動)12. R/TQ上限設定13. R/T停止・ロック機能14. センサー故障時動作可能モード15. 電気系統加熱時の対策機能16. 非常停止機能(手動・自動)

  • 217. 実証試験スケジュール

    「地熱井掘削における小型ハイパワーリグ設計・開発」スケジュール