Upload
others
View
1
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
108
NPO 法人松江ツーリズム研究会では、総収入額のうち業務委託受任
が 68%で、松江城や小泉八雲記念館といった施設の指定管理などと
なっている。行政からの補助金 5%とあわせて安定的な事業運営がで
きている。飲食・物販・宿泊業は、お土産品の販売を中心に 12%と
なっている。その他自主事業では、運営施設でのテナント家賃収入な
どが 10%となっている。旅行業は 5%である。
●人員
人員体制は役員 8 名、契約職員 30 名、派遣職員・パート・アルバ
イト 6名という体制である。厚生労働省の「雇用創出の基金による事
業」を活用し、契約職員を 5名増員した。
●設立の経緯
松江市の観光客 1,000 万人という目標の一翼を担うべく、松江市か
らの支援も受けながら設立した。地域貢献が目的であることもあり、
資金面等でも設立しやすい NPO 法人という形態を選択した。
●中核的人材
当法人の旅行事業部長である高橋氏は、旅行会社を定年退職した後、当法人で働いている。高橋氏は、これ
まで旅行会社では難しかった、地域のためになる仕事、お客様のためになる仕事、ができるのが幸せと語り、
旅行チラシ等に自分の携帯電話番号を掲載するなど、情熱を持って職務に当たっている。
旅行業は薄利であるうえ、着地型旅行商品は単価も低く、今後の収益性の向上が一番の課題である。これま
で、着地型旅行商品の購入者は順調に増えてきており、当面は着地型旅行商品事業だけで 2名程度の人件費を
確保することを目標としている。
そのためには、ガイド案内にも資格制度を導入するなど、ガイド案内業が生業として成立するような環境整
備も必要であると考えている。
NPO 法人 松江ツーリズム研究会
島根県 松江市
・地域貢献を目的に、地域での協力が得やすく設立も容易な NPO 法人を設立した。
・工夫を凝らしたアンケートの実施や、効率的な情報発信も念頭に置いた商品づくりを推進している。
1.取 組 概 要
旅行業 3種
(平成 19 年)
歴史資源
中心タイプ
延べ 220 万人泊(島根県)
うち県外 167 万人泊
大規模
自主事業費率27%
NPO 法人
(平成 17 年)
えぬぴーおーほうじん まつえつーりずむけんきゅうかい
2.主 要 な 事 業
3.組 織 体 制
4.課 題 と 方 向 性
No.42
当法人外観
旅行業5% その他自主
事業10%
業務委託
受任68%
行政からの補助金
5%
年間総収入額の内訳飲食・物販・宿泊業
12%
109
●着地型旅行商品の造成
当法人では、話題性のあるツアーを、お客様の声を反映させな
がら造成している。
当法人では、お客様にアンケートを取っているが、全ての参加
者を対象にしているわけではない。ツアー中に熱心な参加者を見
つけ、その方に対してアンケートをお願いしているため、コスト
負担が少ない一方、回収率は 7割と非常に高く、改善点の指摘を
含めたくさんの有意義なコメントをもらうことができている。
●着地型旅行商品の販売
当法人では、広報予算がほとんどない。そのため、無料で説得
力もあるパブリシティと口コミを重要視している。特に、イベン
トの実施や着地型旅行商品を造成する際は、それらの集客ももち
ろんではあるが、いかにパブリシティに取り上げてもらいやすい
か、といったことも考慮している。
販売は、当法人への申し込みがほとんどである。旅行会社とも
連携しているが、旅行会社経由の申し込みはほとんどない。旅行
会社は、当法人の商品をパンフレットに掲載することで、通常の
旅行パンフレットとの差別化を行うことを重視しており、パンフ
レットには掲載をしてもらえている。
●「松江ゴーストツアー」
松江市には、松江の怪談を広く世界に紹介したラフカディオハーン
の旧居がある。その怪談の舞台となった「松江城のギリギリ井戸」や
「月照寺」などを、地元の語り部とともに回る。松江市には夜の楽し
みが少ない、という声を元に造成された。アンケートの結果を踏まえ、
少し怖がらせるような演出もしており、好評を博している。大人子供
ともに 1,500 円で、3 月は 17 時 10 分出発、4 月以降 18 時 10 分出発
の約 2 時間 20 分のコースで、ラフカディオハーンの曾孫である小泉
凡氏による講演が聞けるコースは同 5,800 円である。
●「宍道湖ジュエリークルージング」
美しい夕日で有名な宍道湖は、これまで陸上から眺めるのが一般的
な楽しみ方であった。そこで視点を変え、湖上から水面に映る松江市
の夜景を楽しむクルーズツアーを造成した。90 分のクルーズに郷土料
理の夕食が付いて、3,500 円である。夕日を望むため、日没 20 分前に
出航する。松江市民にも好評で、8名の定員はほぼ満員の状況である。
NPO 法人松江ツーリズム研究会 TEL:0852-23-5470
URL:http://www.matsue-tourism.or.jp/
お 問 い 合 わ せ
5.着 地 型 旅 行 商 品 事 業
6.代 表 的 な 着 地 型 旅 行 商 品
ツアーを紹介するパンフレット
当法人ホームページ
松江ゴーストツアーの様子
湖上から見る松江市の夜景
110
社団法人おかやま観光コンベンション協会は、総収入額のうち観
光案内所(ももたろう観光センター)の運営などの業務委託受任が
19%、行政からの補助金が 33%と、行政からの収入が半分を占めて
いる。グッズ製造販売は 4%でノベルティの製造が主である。会費収
入が 2%、旅行業は 3%である。39%を占めるその他は、岡山城など
の運営となっている。
●人員
人員体制は、役員 33 名、正職員 4 名、自治体からの出向職員が 1
名、臨時職員 18 名、派遣職員・パート・アルバイト 18 名という体制
である。3年前に比べて正職員が 1名増員、臨時職員が 3名増員とな
っているが、組織の改編や事業内容の変化によるものである。
●設立の経緯
当法人は、任意団体を法人化することで設立した。平成 20 年にコ
ンベンション関係業務の機能が加わった。
●第 3 種旅行業の取得目的
当法人では、岡山市民に岡山のことをもっとよく知ってもらいた
い、という想いから、岡山市民を対象としたバスツアーを催行するために、平成 20 年に第 3 種旅行業を取得
した。
当法人で実施しているバスツアーは、市民への岡山の観光地のPRを目的としており、着地型旅行商品の販
売で直接利益を上げることは考えていない。岡山市やその近隣へのモデルコースを自ら造成することで、地域
内の観光施設や飲食施設などの情報を市民に向け発信していくとともに、実施した旅行商品の手ごたえなどを
旅行会社やバス会社に提供することで、岡山市への旅行客が増加すればよいと考えている。
社団法人 おかやま観光コンベンション協会
岡山県 岡山市
・岡山市役所内の任意団体を法人化することで設立した。 ・岡山市民に岡山のことを知ってもらいたい、という想いで着地型旅行商品を造成している。
1.取 組 概 要
旅行業 3種
(平成 20 年)
都市立地
タイプ
延べ 364 万人泊(岡山県)
うち県外 274 万人泊
大規模
自主事業比率48%
社団法人
(平成 19 年)
しゃだんほうじん おかやまかんこうこんべんしょんきょうかい
2.主 要 な 事 業
3.組 織 体 制
4.課 題 と 方 向 性
No.43
当法人組織図
事務局長
事業推進部長
総務・経理・施設担当
コンベンション担当
観光・物産担当
ももたろう観光センター
岡山市観光案内所
岡山城天守閣
足守プラザおかやま
備前焼工房
旅行業3%
業務委託
受任19%
会費収入2%
行政からの
補助金33%
その他
39%
年間総収入額の内訳グッズ製造販売4%
111
●着地型旅行商品の造成
当法人では、岡山市民を中心に、岡山県民を対象にした着地型
旅行商品を造成している。
平成 22 年には、「岡山・倉敷」観光推進協議会において、観光
キャンペーンやパンフレットの作成を行ったが、その中で取り上
げた観光地を巡る着地型旅行商品を造成した。
また、月に 1 回、岡山市民を対象にしたバスツアーも造成して
いる。この他にも桜の花めぐりといった季節の魅力を楽しむツア
ーや、当地の戦国武将にまつわる史跡を巡る、歴女ブームを捉え
たツアーなどを造成している。
いずれのツアーも、地元で着地型旅行商品を造成している会社
があるため、既存商品と重ならないようにしている。
●着地型旅行商品の販売
「岡山・倉敷」観光推進協議会で造成した旅行商品については、
パンフレットをみて申し込んでくる人がほとんどである。また、
当法人の会員のホームページ経由でも申し込みが可能となってい
る。
岡山市民を対象にしたバスツアーは、岡山市の広報誌などで情
報発信をしており、リピーターも多い。
●桃太郎伝説とパワースポット巡り
「雨月物語」でも有名な吉備津神社の「鳴釜神事」や、桃太郎のモ
デルと言われる吉備津彦命を祀る吉備津神社、桃太郎が鬼を退治した
舞台として古くから親しまれてきた鬼ノ城などを巡るツアーである。
吉備津神社は仕事運、恋愛運をアップさせるパワースポットとも言わ
れている。岡山市を 13 時に出発して 17 時 30 分頃に帰着する半日の
バスツアーで、大人 3,500 円である。
●桜の花めぐりバスツアー
桜と春の旭川周辺を一日楽しむツアーで、明治期の煉瓦づくりの建
物が残されている旭川の畔にある三野浄水場(水道記念館)を訪れる。
その後、花見スポットとして有名なたけべの森公園でお花見をした後、
5,000 本の桜が山一帯に咲き乱れる三休公園を巡る。美咲町物産センタ
ーで、陶芸・木工品などの工芸品や、新鮮な農産物をお土産に買うこ
ともできる。9時出発で 17時 30 分頃に帰着し、大人 4,000 円(バス代、
昼食代、入場料含)である。平成 22年 4月 7日に催行した。
社団法人 おかやま観光コンベンション協会 TEL:086-227-0015
URL:http://www.okayama-kanko.net/
お 問 い 合 わ せ
5.着 地 型 旅 行 商 品 事 業
6.代 表 的 な 着 地 型 旅 行 商 品
当法人ホームページ
パンフレット
桃太郎伝説とパワースポット巡り
桜の花めぐりバスツアー
112
社団法人尾道観光協会では、総収入額のうち業務委託受任が 31%
を占めており、「おのみち映画資料館」や「尾道市公会堂」などの運
営管理によるものである。また、駐車場収入・イベント収入・広告料
収入といったその他自主事業が 24%、飲食・物販・宿泊業と行政か
らの補助金がそれぞれ 15%となっている。
グッズ製造販売は4%で、株式会社資生堂と連携してご当地化粧品の製
造販売などをしている。会費収入は2%で、その他が9%となっている。
●人員
人員体制は、役員 29 名、正職員 7 名、派遣職員・パート・アルバ
イト 20 名という体制である。
●第 3 種旅行業の取得目的
尾道の周辺地域は自治体によって魅力が異なることから、尾道市へ
の誘客だけではなく、尾道市を訪れた観光客を周辺自治体に回遊させ
ることも大切だと考え、周辺自治体も含めて誘客を図るため、平成
22 年に第 3種旅行業を取得した。
●今後の組織体制
当法人は、平成 23 年度に一般社団法人への申請を検討している。これは、当法人の収益事業と公益事業の
比率が、7対 3と収益事業の比率が多いためである。
当法人は、一般社団法人への申請を検討しているが、一般社団法人化した場合に、当法人の事業内容は変わ
らなくても、当法人の公益性が減ったという印象を当法人会員が持たないか、懸念している。
また、第 3種旅行業では、着地型旅行商品を旅行代理店に販売してもらった場合、旅行催行後に料金を受け
取ることとなるため、旅行代理店での販売が難しい。
社団法人 尾道観光協会
広島県 尾道市
・尾道市への誘客だけでなく、尾道市を訪れた観光客を周辺自治体に回遊させる事業を実施している。 ・着地型旅行商品を造成する際は、旅行業法の解釈などについて全国旅行業協会広島県支部の協力を得ている。
1.取 組 概 要
旅行業 3種
(平成 22 年)
自然資源
中心タイプ
延べ 492 万人泊(広島県)
うち県外 366 万人泊
大規模
自主事業比率54%
社団法人
(昭和 41 年)
しゃだんほうじん おのみちかんこうきょうかい
2.主 要 な 事 業
3.組 織 体 制
4.課 題 と 方 向 性
No.44
当法人組織図
会 長
理 事
副会長
当法人会員 当法人会員 当法人会員
事務局
グッズ
製造
販売4%飲食・
物販・
宿泊業15%その他
自主事業24%
業務委託
受任31%
会費収入2%
行政からの
補助金15%
その他9%
年間総収入額の内訳
113
●着地型旅行商品の造成
当法人では、着地型旅行商品を作り始めたばかりの段階である
が、尾道周辺でしか作れない商品を開発したいと考えており、そ
の商品を作ることで、地元へのより一層の経済効果を期待して
いる。
平成 22 年には、広島県が実施した自転車を載せることのでき
る「サイクルトレイン」の運行に合わせ、モニターツアーとして
サイクリングツアーを造成・販売を行った。これは、サイクリン
グブームという追い風の中、尾道が平成 22 年度日本経済新聞「お
すすめのサイクリングコース」ランキングで 1位に選ばれたこと
から造成した。
また、旅行業を取得したばかりということもあり、旅行業法の
解釈など、法令を順守できているかどうかの確認が難しかった
が、全国旅行業協会の会員であるため、全国旅行業協会広島県支
部の協力を得ながら着地型旅行商品を造成している。
●着地型旅行商品の販売
広島県の広報や雑誌など、費用のかからない媒体を中心に情報
発信を行っている。また、旅行会社に販売を委託しているものも
ある。
●「サイクルトレイン現地ガイド付きツアー」
尾道市には、7つの島を 9つの橋で結ぶ全長約 70km のしまなみ海道
が走っている。このしまなみ海道にある「瀬戸内海横断自転車道」を、
現地ガイドが先導して走ってくれるツアーである。尾道駅発着で、昼
食にはその土地ならではの料理を食べることができる。初心者向けか
ら中級者向けまでの 3コースを用意し、大人 2,000 円から 2,900 円で
ある(船代、フェリー代、自転車乗船券、食事代、橋通行量含む)。
尾道駅までは、広島県が同時期に運行する「サイクルトレイン(自転
車を乗せることのできる電車)」を利用することができる(料金は別
途必要)。広島駅に 7時 50 分集合で、時間はコースにより異なる。
●「ぐるっと瀬戸田周遊パス」
尾道-瀬戸田間のバス、船の乗船券、平山郁夫美術館の入場券やレ
ンタサイクルがセットになった周遊パスで、飲食店などでも割引サー
ビスを受けることができる。滞在期間を延ばしたい、という意図で、
有効期限を 2日間に設定している。1枚 3,500 円である。
お 問 い 合 わ せ
5.着 地 型 旅 行 商 品 事 業
6.代 表 的 な 着 地 型 旅 行 商 品
当法人ホームページ
サイクルトレイン現地ガイド付きツアーの様子
ぐるっと瀬戸田周遊パス
社団法人 尾道観光協会 TEL:0848-37-9736
URL:http://www.ononavi.jp/index.html
見本
114
湯田温泉旅館協同組合では、総収入額のうち会費収入が 43%を占
めている。業務委託受任が 26%であり、山口市から観光案内所の業
務を受託しているほか、湯田温泉配給組合から観光宣伝の業務を受託
している。グッズ製造販売は 2%であるが、マスコットキャラクター
の白い狐(ゆう太)をモチーフにした携帯根付けストラップなどのグ
ッズを開発し、販売を行っている。
●人員
人員体制は、役員 12 名、正職員 2 名、派遣職員・パート・アルバ
イト 9名という体制である。また、厚生労働省の「雇用創出の基金に
よる事業」の活用により旅行会社出身の人材を雇用し、誘客促進や観
光宣伝に取り組んでいる。
●旅行業の取得の経緯
当法人に加盟する旅館・ホテルへの宿泊斡旋を主たる業務とするこ
とを目的に昭和 62 年に第 3種旅行業を取得した。
●中核的人材
事務局長の荒瀬氏は 6年ほど前に民間企業から社内のセカンドキャ
リア制度を利用して当法人へ移籍し、組織の中核を担っている。
着地型旅行商品は、仮に商品造成まではできたとしても、その先の予約を受け付ける体制や、精算業務の仕
組みの構築に、人手やコストがかかるのが課題である。また、ホームページ経由での予約システムについても、
資金不足で取り組めていないのが現状である。
そこで、財団法人山口観光コンベンション協会においても第 3種旅行業を取得して「山口地旅の会」で着地
型旅行商品事業を行っているため、今後は当該組織を通じての取り組みを強化していく。
旅行業8%
グッズ製造
販売2%
その他自
主事業7%
業務委託
受任26%
会費収入43%
行政からの
補助金10%
その他4%年間総収入額の内訳
湯田温泉旅館協同組合 山口県 山口市
・タクシー事業者と連携した周遊型の着地型旅行商品を造成販売している。
・(財)山口観光コンベンション協会が組織する研究会「山口地旅の会」にも参加し取り組みを強化していく。
1.取 組 概 要
旅行業第 3種
(昭和 62 年)
温泉地
タイプ
延べ 281 万人泊(山口県)
うち県外 203 万人泊
中規模
自主事業比率64%
協同組合
(昭和 33 年)
ゆだおんせんりょかんきょうどうくみあい
3.組 織 体 制
4.課 題 と 方 向 性
No.45
当法人組織図
理事長
副理事長
企画委員長 観光委員長 総務委員長
各委員 各委員 各委員
青年部
2.主 要 な 事 業
115
●着地型旅行商品の造成
乗合観光タクシーを使ってザビエル記念聖堂や瑠璃光寺・五重
塔、一の坂川といった地域の見所をお得な料金で楽しめる商品を
造成販売している。
乗合観光タクシーについては、湯田温泉旅館協同組合加盟の旅
館・ホテル 24 施設と、山口地区タクシー協会加盟のタクシー会
社 8社の連携によって実施されている。予約の申込みは観光案内
所のほか、各旅館でも受け付ける。
また当法人は、まちづくりに積極的に取り組んでおり、街中や
駅前に足湯を整備したり、食事の魅力開発として、足利時代の大
名である大内氏が食していた食事を「大内御膳」として数軒の旅
館で提供するといった取り組みを行っている。
●着地型旅行商品の販売
着地型旅行商品の販売は、観光案内所経由が 50%、ホームペ
ージ経由、パンフレットを見た人からの電話申し込みが 20%、
旅行会社経由が 10%、その他が 20%となっている。
予約機会を増やすため、予約の締切日を設定せず、また電話に
よる受付も 19 時まで可能としている。
●「乗合観光タクシー」
「西の京」と言われる山口の名所、旧跡を、乗合タクシーを使
って手軽な料金で巡る。
1 時間コースと 2 時間コースの 2 つがあり、1 時間コースは 1
人 1 回 1,000 円で出発回数が 1 日 6回、2時間コースは 1 人 1 回
2,000 円で出発回数が 1 日 4 回設定されている(支払いは現金払
いで観光先の入場料は含まない)。ただし、4名以上であれば、設
定された出発時刻以外でも臨時便での対応が可能である。
1 時間コースでは、湯田温泉を出発し、ザビエル記念聖堂や瑠
璃光寺五重塔、などを訪れる。2 時間コースでは、湯田温泉を出
発し、ザビエル記念聖堂やザビエル記念碑、雪舟庭、パークロー
ド、藩庁門、洞春寺観音堂、香山公園、瑠璃光寺五重塔、などを
訪れる。タクシーの種類は、乗合人数により、小型・中型・ジャ
ンボタクシーとなる。個人観光客が増加する中で、個人客を対象
とした格安料金での旅行商品であり、個人客の滞在時間が増加
し、地域経済への波及効果もある。
お 問 い 合 わ せ
5.着 地 型 旅 行 商 品 事 業
6.代 表 的 な 着 地 型 旅 行 商 品
当法人ホームページ
乗合観光タクシー
湯田温泉旅館協同組合 TEL:083-920-3000
URL:http://www.yudaonsen.com/
チラシ
116
社団法人山口県観光連盟の総収入額は、行政からの補助金が 47%
を占め、会費収入が 16%となっている。業務委託受任の 6%は山口た
び倶楽部のウェブサイト立ち上げに当たって山口県から受託したも
のである。その他が 31%で、県観光事業の推進及び観光情報の発信
などを行っている。
旅行業は平成 22 年から始めたばかりである。
●人員
人員体制は、役員 32 名、正職員 2 名、民間企業からの出向職員 1
名、契約社員 5名という体制である。
旅行業の業務は当法人の旅行部が「おいでませ山口たび倶楽部」と
して実施している。
●旅行業取得の経緯
旅行形態が団体型から個人型へと変わり、お客様もその地域ならで
はの生活体験や地域の人々との交流などを求めるようになってきた。
この変化に対応するため、山口県のらしさあふれる着地型旅行商品事業や魅力的な情報発信を行う必要があっ
たが、初期段階ではリスクもある。そこで、まずは当法人が事業を実施し、軌道に乗れば地元旅行会社などに
引き継ぐという考えのもと、当法人が旅行業を取得して事業を実施することにした。
●中核的人材
旅行業を担当する参事の田中氏は旅行会社出身であり、旅行商品造成の経験が豊富である。
地域に根ざした旅行商品を作り上げるためには、地元との細かい連絡調整が不可欠である。一方で、2名の
担当者だけで着地型旅行商品の造成から販売まで行っており、現状では「地旅」の 4商品の販売が限界である。
担当するスタッフをもう 1~2名増員しないと、事業を拡大するのは難しい。
業務委託
受任6%
会費収入16%
行政からの
補助金47%
その他31%
年間総収入額の内訳
社団法人 山口県観光連盟 山口県 山口市
・地域資源を活用した着地型旅行商品の販売を試験的に実施している。 ・着地型旅行商品の販売が軌道に乗れば、各地域の地元旅行会社に引き継ぐことも検討している。
1.取 組 概 要
旅行業 2種
(平成 22 年)
歴史資源
中心タイプ
延べ 281 万人泊(山口県)
うち県外 203 万人泊
中規模
自主事業比率47%
社団法人
(平成 4年)
しゃだんほうじん やまぐちけんかんこうれんめい
2.主 要 な 事 業
3.組 織 体 制
4.課 題 と 方 向 性
No.46
当法人作成の情報媒体
117
●着地型旅行商品の造成
地域資源を活用した旅行商品を「地旅」と名付けてモデル的な
商品(4コース)を作っている。これらのツアーについては、ま
ずは当法人が実施し、アンケートなどで参加者の反応を見た上
で、軌道に乗りそうなものがあれば各地域の観光協会や旅館組合
などに引き継ぎたいと考えている。
「地旅」のモデル商品は、現在は旅行商品の造成からウェブサ
イトの更新、申し込みの受け付けまで参事と事務担当の職員の 2
名で担当している。また、萩、宇部、周南、山口の観光事業者で
「地旅研究会」を組織している。萩などの地域では着地型旅行商
品の企画、販売は既に行われているが、軌道に乗っていないこと
や、手間がかかる割に採算性が低く事業として成り立たないこと
などを踏まえ、研究会ではその要因分析などを行っている。
●着地型旅行商品の販売
着地型旅行商品の販売は、現状では当法人のホームページのみ
である。平成 23 年度中は、販売促進の面で山口県から認知度向
上に繋がる取り組みへの支援があるが、まだマスコミや旅行会社
へのPRが不足しているため、今後取り組んでいく予定である。
●「石川先生と歩く山口市内・毛利歴史探訪」
「毛利元就ぶらり歩き」の著者である石川和朋先生とともに山
口市内の毛利家の史跡を探るツアーである。9 時と 13 時 30 分の
2回あり、所要時間は 4時間 30 分である。料亭を移築復元した「山
口市菜香亭」や毛利元就を祀る「豊栄神社」、大内文化の最高
傑作であると言われる「瑠璃光寺五重塔」などを訪れる。1名
あたり 2500 円となっている。
●「萩本陣(萩温泉)に泊まる健康ウォークと健康バイキング」
維新の志士たちが育った地、萩・旧松本村を、地元ガイドの案
内で歩く歴史探訪ウォークである。国の指定重要文化財である東
光寺、吉田松陰誕生地、伊藤博文別邸などをめぐりながら、
2.5kmを 2 時間 30 分かけて歩く。宿の萩本陣では、源泉かけ
流しの温泉や、地元の新鮮な野菜を使った健康バイキングを楽
しむことができる。1 名あたり 13,600 円からである(食事代
(1 日目の夕食と 2 日目の朝食・昼食)、宿泊料、入場料、ガ
イド料込)。1 日目は 15 時からスタートである。
お 問 い 合 わ せ
5.着 地 型 旅 行 商 品 事 業
6.代 表 的 な 着 地 型 旅 行 商 品
当法人ホームページ
当社ホームページ
社団法人 山口県観光連盟 TEL:083-924-0462
URL:http://www.oidemase.or.jp
石川先生と歩く山口市内・毛利歴史探訪
萩本陣(萩温泉)に泊まる健康ウォークと健康バイキング