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Microsoft Dynamics CRM をベースにした「Powerful CRM」で CRM システムを刷新。 電話とメールの一元管理を始め、管理レポート作成や進捗管 理の自動化で運用負荷を大幅に削減 ファーストコンタクト株 式会社  (以下、ファーストコンタクト)  は、企業のコンタク ト センター運営やテクニカルサポートを手がけており、24 時間 365 日対応のコー ルセンターなどの事業を展開しています。同社では 2008  年、マイクロソフトの  Dynamics  CRM  をベースにした、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社の統合型  CRM  ソリューション「Powerful  CRM」を導入。それまで別々に運用していた電話 とメールの対応を一元化して、問い合わせへの対応効率を大幅にアップしました。さ らに蓄積した顧客情報の分析レポート作成や、回答期限チェックなどを自動化して、 CRM システム運用にかかわる人的・時間的コストの圧縮にも成功しています。 導入背景と狙い 旧システムでは避けられなかった作業負担やリスクを、 システム刷新で払拭することを決意 ファーストコンタクト の業務の中枢であるコンタクト センターには、既に CRM システムが導 入されていました。しかし業務が飛躍的に拡大していき、業務量や蓄積される情報もふくらん でいく中で、いくつもの問題が生じてきていたと、ファーストコンタクト株式会社 カスタマーサー ビス第3本部 セールスグループ グループリーダー 田中宏昌氏は語ります。 「まず挙げられるのが、電話とメールの処理が別々に分かれていたことです。お客様からの問 い合わせは主にこの  2  つのルートで寄せられますが、これらを別々に管理していたため手間が かかっていました。もう  1  つ大きな問題として、センター業務のマネージメントにあたるスー パー  バイザーが、問い合わせ記録を基に管理レポートを作成する労力と時間のロスもありまし た。各種データを CRM システムから Excel などに落として、これを手作業で処理するのです が、項目に変更があると全部やり直しになったり、マクロを使うにしても人の手で組む以上バグ の心配がつきまとうなど、非常に煩雑で労力のかかる作業になっていました。また問い合わせ への回答期限の管理なども、スーパー  バイザーがスケジュール表を目で見て行っている状態で した」。 さらにメールと電話の連携が弱く、再々の問い合わせがあった場合、過去の対応履歴を確認 するまでの時間がかかったり、数字やコードの入力ミスを発見するのが大変といった問題もあ り、こうした部分を含めてすべて自動化したいという声が社内から上がっていました。 またシステムの運用面でも、問題はいくつもありました。システムが顧客ごとに分かれているため に、ユーザー  ID  の管理が煩雑なこと、またシステムのカスタマイズに専門知識が必要なことが、 運用部門に過重な負担を強いていたのです。 「特に当社では、何社ものサポート  センターを お預かりしているため、各社の要件に合わせて システムを細かく設定する必要があります。入力 フィールドの項目や数などもお客様ごとに異なる うえ、頻繁に発生する変更にすぐ対応しなければ いけません。しかしこれまでの CRM システムで は、"部署名"  だけ入力していたものを  "部署名"  と  "課名"  にするといった小さな変更でも、限ら ソリューション概要 ファーストコンタクト株式会社 ○プロファイル 1980 年代に商社の情報システム部門「端末管理センター」 として発足。以後、企業内でのヘルプデスク業務の実績 を重ね、2000  年に「テクニカル  サポート」「IT  研修」 を主体とするファーストコンタクト株 式 会 社を設 立。「お 客様満足度 (CS)」の獲得に向け、「自由な発想 (Free)」 と「飽くなき好奇心 (Curious)」そして、「限りない挑戦  (Challenge)」をモットーに掲げ、お客様のビジネスを全面 的に支援する文字どおりの「ファーストコンタクト  (お客様 との最初のコンタクト)」価値創造カンパニーとして努力し ています。 ○シナリオ ・  ファーストコンタクト株式会社では、既存の  CRM  シス テムの能力不足からくる問題を解決すべく、新システム導 入を決定。「電話とメールの一元管理」や「問い合わせ 処理プロセスの自動化」などによる作業効率の改善と生 産性のアップ、運用担当者の手作業を減らすといったテー マを確認。 ・  製品選択にあたっては、コストが安いこと、業務の頻繁 な仕様変更にも柔軟に対応できること、特別なトレーニ ングを必要とせず、誰でも容易に使えることなどを必須 条件として検討。Microsoft Dynamics ® CRM  をベース にした統合型 CRM ソリューション「Powerful CRM」の 導入を決定。 ・  導入の結果、電話とメールの一元管理がもたらすコンタ クト  センター業務の効率化やサーバー運用コストの軽 減、セキュリティの強化などを実現。さらに、スーパー  バイザー  (センター現場のマネージャー )  の管理レポート の作成においては、これまで Microsoft ® Office Excel ®  へ手作業でデータを移していたのが、Powerful CRM の 「動的エクスポート」機能によって、作業時間が半減した。 ・  加えて、コンタクト  センターの対応業務における一連の タスクを自動化して、大幅な作業効率のアップと、人的 ミスの削減を達成。 ○ソフトウェアとサービス ・  Powerful CRM (Microsoft Dynamics ® CRM 4.0 をベー スに伊藤忠テクノソリューションズ株式会社が開発) ・  Microsoft ® SQL Server ® 2005 ○メリット Powerful CRM の提供する CRM 機能が、ユーザーから の問い合わせ対応などコンタクト  センター業務を大幅に 効率化します。具体的には、電話とメールの一元管理によ る対応処理のスピードと品質アップ、自動アラートによる 対応業務の進捗の適正化などが実現します。 管理レポートの作成効率アップや、一連の管理タスクの自 動化による管理者の負荷とコストを軽減できます。また「マ ルチテナント」機能によって、複数の企業システムを同一 サーバー上で構築・運用できるため、サーバーおよびシス テム管理の効率が大きくアップし、費用も圧縮されます。 シンプルなシステム構成に加え、直感的に操作できる画面 などのインターフェイスが、現場オペレーターなどのエンド  ユーザーにも容易な操作習得を可能にします。トレーニン グ コストや習得にかかる時間が大幅に減少し、スピーディ な導入と運用開始が実現します。 SQL Server 2005 などのデータベースと連携して、蓄積 した顧客データの分析が簡単に行え、より戦略的かつアク ティブなデータ活用の可能性が開けます。 ○ユーザー コメント 「将来的には、コールセンターのシステムと連動させて、 オペレーターの生産性分析なども行っていきたいと考え ています。またバック  エンドのデータベースである  SQL  Server 2005 の分析機能と連動させたデータ活用やテキ スト  マイニングのような、業務戦略ツール的な応用にも今 後は可能性があるのではないでしょうか」 ファーストコンタクト株式会社 カスタマーサービス第3本部 セールスグループ グループリーダー 田中 宏昌 氏 ファーストコンタクト株式会社

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Microsoft Dynamics CRM をベースにした「Powerful CRM」で CRM システムを刷新。電話とメールの一元管理を始め、管理レポート作成や進捗管理の自動化で運用負荷を大幅に削減

ファーストコンタクト株式会社 (以下、ファーストコンタクト) は、企業のコンタクト センター運営やテクニカルサポートを手がけており、24 時間 365 日対応のコールセンターなどの事業を展開しています。同社では 2008 年、マイクロソフトの Dynamics CRM をベースにした、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社の統合型 CRM ソリューション「Powerful CRM」を導入。それまで別々に運用していた電話とメールの対応を一元化して、問い合わせへの対応効率を大幅にアップしました。さらに蓄積した顧客情報の分析レポート作成や、回答期限チェックなどを自動化して、CRM システム運用にかかわる人的・時間的コストの圧縮にも成功しています。

■ 導入背景と狙い

旧システムでは避けられなかった作業負担やリスクを、 システム刷新で払拭することを決意

ファーストコンタクト の業務の中枢であるコンタクト センターには、既に CRM システムが導

入されていました。しかし業務が飛躍的に拡大していき、業務量や蓄積される情報もふくらん

でいく中で、いくつもの問題が生じてきていたと、ファーストコンタクト株式会社 カスタマーサー

ビス第3本部 セールスグループ グループリーダー 田中宏昌氏は語ります。

「まず挙げられるのが、電話とメールの処理が別々に分かれていたことです。お客様からの問

い合わせは主にこの 2 つのルートで寄せられますが、これらを別々に管理していたため手間が

かかっていました。もう 1 つ大きな問題として、センター業務のマネージメントにあたるスー

パー バイザーが、問い合わせ記録を基に管理レポートを作成する労力と時間のロスもありまし

た。各種データを CRM システムから Excel などに落として、これを手作業で処理するのです

が、項目に変更があると全部やり直しになったり、マクロを使うにしても人の手で組む以上バグ

の心配がつきまとうなど、非常に煩雑で労力のかかる作業になっていました。また問い合わせ

への回答期限の管理なども、スーパー バイザーがスケジュール表を目で見て行っている状態で

した」。

さらにメールと電話の連携が弱く、再々の問い合わせがあった場合、過去の対応履歴を確認

するまでの時間がかかったり、数字やコードの入力ミスを発見するのが大変といった問題もあ

り、こうした部分を含めてすべて自動化したいという声が社内から上がっていました。

またシステムの運用面でも、問題はいくつもありました。システムが顧客ごとに分かれているため

に、ユーザー ID の管理が煩雑なこと、またシステムのカスタマイズに専門知識が必要なことが、

運用部門に過重な負担を強いていたのです。

「特に当社では、何社ものサポート センターを

お預かりしているため、各社の要件に合わせて

システムを細かく設定する必要があります。入力

フィールドの項目や数などもお客様ごとに異なる

うえ、頻繁に発生する変更にすぐ対応しなければ

いけません。しかしこれまでの CRM システムで

は、 "部署名" だけ入力していたものを "部署名"  

と "課名" にするといった小さな変更でも、限ら

ソリューション概要

ファーストコンタクト株式会社

○プロファイル1980 年代に商社の情報システム部門「端末管理センター」として発足。以後、企業内でのヘルプデスク業務の実績を重ね、2000 年に「テクニカル サポート」「IT 研修」を主体とするファーストコンタクト株式会社を設立。「お客様満足度 (CS)」の獲得に向け、「自由な発想 (Free)」と「飽くなき好奇心 (Curious)」そして、「限りない挑戦 (Challenge)」をモットーに掲げ、お客様のビジネスを全面的に支援する文字どおりの「ファーストコンタクト (お客様との最初のコンタクト)」価値創造カンパニーとして努力しています。

○シナリオ・ ファーストコンタクト株式会社では、既存の CRM システムの能力不足からくる問題を解決すべく、新システム導入を決定。「電話とメールの一元管理」や「問い合わせ処理プロセスの自動化」などによる作業効率の改善と生産性のアップ、運用担当者の手作業を減らすといったテーマを確認。・ 製品選択にあたっては、コストが安いこと、業務の頻繁な仕様変更にも柔軟に対応できること、特別なトレーニングを必要とせず、誰でも容易に使えることなどを必須条件として検討。Microsoft Dynamics® CRM をベースにした統合型 CRM ソリューション「Powerful CRM」の導入を決定。・ 導入の結果、電話とメールの一元管理がもたらすコンタクト センター業務の効率化やサーバー運用コストの軽減、セキュリティの強化などを実現。さらに、スーパー バイザー (センター現場のマネージャー ) の管理レポートの作成においては、これまで Microsoft® Office Excel® へ手作業でデータを移していたのが、Powerful CRM の「動的エクスポート」機能によって、作業時間が半減した。・ 加えて、コンタクト センターの対応業務における一連のタスクを自動化して、大幅な作業効率のアップと、人的ミスの削減を達成。

○ソフトウェアとサービス・ Powerful CRM (Microsoft Dynamics® CRM 4.0 をベースに伊藤忠テクノソリューションズ株式会社が開発)・ Microsoft® SQL Server® 2005

○メリットPowerful CRM の提供する CRM 機能が、ユーザーからの問い合わせ対応などコンタクト センター業務を大幅に効率化します。具体的には、電話とメールの一元管理による対応処理のスピードと品質アップ、自動アラートによる対応業務の進捗の適正化などが実現します。管理レポートの作成効率アップや、一連の管理タスクの自動化による管理者の負荷とコストを軽減できます。また「マルチテナント」機能によって、複数の企業システムを同一サーバー上で構築・運用できるため、サーバーおよびシステム管理の効率が大きくアップし、費用も圧縮されます。シンプルなシステム構成に加え、直感的に操作できる画面などのインターフェイスが、現場オペレーターなどのエンド ユーザーにも容易な操作習得を可能にします。トレーニング コストや習得にかかる時間が大幅に減少し、スピーディな導入と運用開始が実現します。SQL Server 2005 などのデータベースと連携して、蓄積した顧客データの分析が簡単に行え、より戦略的かつアクティブなデータ活用の可能性が開けます。

○ユーザー コメント「将来的には、コールセンターのシステムと連動させて、オペレーターの生産性分析なども行っていきたいと考えています。またバック エンドのデータベースである SQL Server 2005 の分析機能と連動させたデータ活用やテキスト マイニングのような、業務戦略ツール的な応用にも今後は可能性があるのではないでしょうか」

ファーストコンタクト株式会社カスタマーサービス第3本部セールスグループグループリーダー田中 宏昌 氏

ファーストコンタクト株式会社

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ファーストコンタクト株式会社

れたエンジニアしか行えないため、いつもユーザーが作業の順番待ちを

している状態でした」 (田中氏) 。

そこで、ついに同社では 2007 年末に、CRM システムの刷新を決意。

具体的な製品選定を含む移行計画の実施に取りかかりました。

■ 導入の経緯

コストが安くしかも柔軟性を備えていること、 そして迅速に導入できる点で採用を決定

移行作業はまず、社内のインフラや組織構成、

どんな業務に対してシステムを適用するのかと

いった基本的な調査から始まり、要件定義、製

品選定へと進んでいきました。

「製品選定にあたっては、Powerful CRM を含

む 3 種類の CRM 製品を比較しました。最終

的に Powerful CRM に決定した一番の理由は、

コストが安く、しかも製品に柔軟性がある点を評

価したからです。今回は実際にシステムを試用す

る時間がなかったのですが、伊藤忠テクノソリュー

ションズ株式会社 (以下、CTC) によるデモやセミナーを受けたりする

中で、基本的な性能に加えてインターフェイスもきれいで見やすいこと

がわかったのも決め手の 1 つになりました。当初、社内のユーザーか

らは既存のシステムからの切り替えに拒否感もあったのですが、 "業務

の効率が大きく改善できる" 点を強調して理解を得るように努めました」

と田中氏は振り返ります。

一方 CTC 側は、Powerful CRM のプレゼンテー

ションに際して、既存の CRM システムにはない、

しかもコンタクト センター業務に大きなメリット

をもたらす機能を特に強くアピールしました。伊

藤忠テクノソリューションズ株式会社 エンタープ

ライズシステム事業グループ ソリューション推進

部 CRMソリューション課 課長 白井賢一氏は、

「今回ご導入いただいた Powerful CRM には、 

"マルチチャネル対応" や "マルチテナント" と

いった機能が搭載されています。これらは、製品

のベースとなっている Dynamics CRM の最新バージョンである 4.0 か

ら実装されたもので、前者は CTI や電子メールとの連携・統合を可能

にします。また後者の "マルチテナント" は、1 つのサーバー上に複数

の企業システムを設置できるため、サーバー管理のコストと負荷を軽減

できます。複数企業のコンタクト センター業務を受託されているファー

ストコンタクト様には、まさに最適の機能と考えてお勧めしました」と

語ります。

最終的に導入を決定したのは 2008 年 3 月、そしてそのわずか 1 か

月後の 4 月には、システムの本稼働に入りました。この迅速な進行に

は眼を惹かれます。

今回は  Powerful CRM の開発元である CTC が直接導入のサポート

にあたったため、スムーズな導入を促したとのこと。

「製品知識の豊富さは言うまでもありませんが、コンタクト センター運

用という当社の業務を見据えた CTC の適確な提案と、その後の細か

なアフター フォロー、そしてスピーディな対応には大変助けられていま

す。私たちが困っている課題を親身に聞いたうえで、最適なシステムを

提案いただけるので、厳しいスケジュールの中でも終始安心して導入・

展開を進めることができました」 (田中氏) 。

加えて、「製品選定時に決めていたことですが、『刻 と々業務仕様が変わ

るため、短期間で導入できること』、『業務が忙しくユーザー教育の時間

がとれないので、操作が単純明解で誰でもすぐに使えること』、『ある程

度の知識があれば、カスタマイズも容易なこと』といった条件であらか

じめ絞り込んであった成果です。さらに初期導入の際も、大きな機能は

使わず、カスタマイズも極力減らして基本的にデフォルトのみで導入し

ました。インストールも画面がシンプルで直感的なので問題なく完了で

き、すぐに使い始められたのです」と付け加えます。

■ システムの概要

管理レポートの作成時間が半減、 さらに管理タスクの自動化で効率アップ&人的ミス根絶

Powerful CRM を使った今回の新しい CRM システムは、電話やファッ

クスを受ける PBX (構内交換機) とメール サーバーのバック エンドに

あって、外部から入ってきたお客様からの問い合わせを、エージェント

と呼ばれるコンタクト センターのオペレーターへ取り次ぐといった非常

伊藤忠テクノソリューションズ 株式会社エンタープライズシステム事業 グループソリューション推進部CRMソリューション課課長白井 賢一 氏

ファーストコンタクト株式会社カスタマーサービス第3本部セールスグループグループリーダー田中 宏昌 氏

システム構成図

公衆網内線網 PBX

TEL/FAX

MailServer

Agent

Agent

SV

Mail

IVR

Internet

音声の流れ音声の流れ アラート

Mail対応 & 履歴

FAQ

Report

操作履歴管理

PowerfulCRM

ACD

Active Directory®

管理

TEL対応履歴

ファーストコンタクト株式会社のコールセンター

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にシンプルなシステム構成です。むしろここで特筆すべきは、そのシン

プルなシステムがもたらした、大きな改善やメリットにあると言えるでしょ

う。

その筆頭に挙げられるのは、当初からの重要な獲得目標だった「メール

と電話の統合」です。過去の問い合わせ記録を調べる際などにも、こ

れまではメールと電話とで別々に検索していたのが 1 回で済むようにな

り、明らかにアクションが減ったと田中氏は言います。また FAQ デー

タベースとも連動しているので、対応スピードの短縮にもつながってい

ます。

「それ以上に大きかったのは、なんといってもスーパー バイザーの管

理レポート作成が効率化できたことです。以前のシステムでは、CRM 

システムからデータを Excel に吐き出してピボット化して……とすべ

て手作業で行うため、大変な時間と手間がかかっていました。それが 

Powerful CRM になってからは、 "動的エクスポート" を使えるため、飛

躍的に能率がアップしました。この "動的エクスポート" は、CRM シス

テムと Excel がデータの同期を取ることで、Excel 上に常にリアルタイ

ムなデータを表示する機能です。つまり最初にフォームだけ作成してお

けば、あとは Excel ファイルを開くだけで、いつでも最新のデータを見

ることができるのです。この機能が使えるようになった結果、今までは

レポート作成に 8 時間かかっていたのが、その半分の 4 時間程度で終

わるようになりました」 (田中氏) 。

こうしたルーティン ワークから解放された時間を使って、スーパー バイ

ザーは業務マニュアルの作成や研修サービスなど、本来の現場マネージ

メントに労力を割けるようになってきたと言います。

もう 1 つの大きなメリットは、「自動化」です。これまではそれぞれの

問い合わせの対応状況の進捗を、スーパー バイザーが 1 つひとつ眼で

見ながら、遅れや問題がないかを確認していました。

「これだとどうやっても膨大な時間がかかるし、見逃しなどの人的ミスも

避けられませんでした。それを今回の Powerful CRM ではすべて自動

化することができました。現在は主にアラート機能を中心に活用してい

ます。たとえば、問い合わせを各担当者に割り振ってから 2 日以内に

回答がない場合、また回答期日の 1 日前、3 時間前にもそれぞれアラー

トが担当者に自動で発信されます。これまでは問題を見つけるたびに、

スーパー バイザーが担当者をつかまえて指示や注意を行っていたのをす

べて自動化でき、 "見る" という作業そのものが大幅に減りました」。

今後は「一定期間進捗しない案件へのアラート」や、「一連の処理タス

クの自動化」といった分野へも活用範囲を拡げ、自動化がもたらす作業

負荷とコストの軽減をさらに推し進めたいと田中氏は語ります。

■ 今後の展望

"マルチテナント" 機能の横展開によって、 全社的な効率化とビジネス品質の向上を目指す

Powerful CRM による新 CRM システムの今後の活用を考えるうえで、

ぜひ進めていきたいのが「マルチテナントの横展開」だと田中氏は語り

ます。

「今回 "マルチテナント" の機能で作ったコンタクト センターのしくみ

を、他の部署にも応用していこうと考えています。現在、当社では大手

総合商社や飲料メーカー、損保会社などさまざまな分野の企業のヘル

プデスクなどを運営しています。これらに今回のシステムを幅広く応用す

ることで、サーバーのより効率的な管理やセキュリティの向上などを全

社規模で実現していけると考えています」。

現在のシステムの横展開ならば、最初に構築した時の半分くらいの時

間で開発できるため、受注から導入までのリード タイムが短縮できるよ

うになります。その結果、これまでは開発の時間が取れずに受注でき

なかったようなシステムも引き受けられるようになり、営業力強化にも

つながるのではと田中氏は期待します。

これに応えて CTC 白井氏も、「今はまだ少数の方がトライアル的に使っ

て、あれこれと可能性を探っている段階です。ぜひ今後は "マルチテナ

ント" を始め、 Powerful CRM の機能を存分に活かして、業務の効率

化を実現していただきたいですね。その点、 Powerful CRM にはコール

センター業務に最適化されたテンプレートなど、Dynamics CRM をベー

スにしながら、さらに実務に便利な機能を付加しています。これらをご

提案しながら、今まで以上にバックアップしていきたいと考えています」

と語ります。

「Powerful CRM は機能がシンプルなだけに、応用の可能性も使う側

のアイデア次第ではないでしょうか。これから色々と試しながら、当社

のビジネスの効率を最大化できるような使い方を探っていきたいと考え

ています」と未来の抱負を力強く語る田中氏。新たな CRM システムを

得てファーストコンタクトは、また 1 つカスタマー サポートの可能性の

扉を開きつつあります。

サポート案件の管理画面。メールと電話、両方の問い合わせを一元化できる 問い合わせ内容詳細画面 Java Script を使用したカスタマイズ画面

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ファーストコンタクト株式会社

本ケーススタディは、インターネット上でも参照できます。http://www.microsoft.com/japan/showcase/本ケーススタディに記載された情報は製作当時(2008 年  10 月)のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。本ケーススタディは、情報提供のみを目的としています。Microsoft は、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。製品に関するお問い合わせは次のインフォメーションをご利用ください。■インターネット ホームページ http://www.microsoft.com/japan/■マイクロソフト カスタマー インフォメーション センター 0120-41-6755(9:30 〜12:00、13:00 〜19:00 ※土日祝日、弊社指定休業日を除きます)※電話番号のおかけ間違いにご注意ください。

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