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2017 Microchip Technology Inc. DS50002533A_JP
MIC2128 評価用ボード
ユーザガイド
注意 : この日本語版文書は参考資料としてご利用ください。最新情報は必ずオリジナルの英語版をご参照願います。
2017 Microchip Technology Inc.DS50002533A_JP - p. 2
本書に記載されているデバイス アプリケーション等に関する
情報は、ユーザの便宜のためにのみ提供されているものであ
り、更新によって無効とされる事があります。お客様のアプ
リケーションが仕様を満たす事を保証する責任は、お客様に
あります。Microchip 社は、明示的、暗黙的、書面、口頭、法
定のいずれであるかを問わず、本書に記載されている情報に
関して、状態、品質、性能、商品性、特定目的への適合性を
はじめとする、いかなる類の表明も保証も行いません。
Microchip 社は、本書の情報およびその使用に起因する一切の
責任を否認します。Microchip 社の明示的な書面による承認な
しに、生命維持装置あるいは生命安全用途に Microchip 社の製
品を使用する事は全て購入者のリスクとし、また購入者はこ
れによって発生したあらゆる損害、クレーム、訴訟、費用に
関して、Microchip 社は擁護され、免責され、損害をうけない
事に同意するものとします。暗黙的あるいは明示的を問わず、
Microchip社が知的財産権を保有しているライセンスは一切譲
渡されません。
商標
Microchip 社の名称と Microchip ロゴ、dsPIC、FlashFlex、KEELOQ、KEELOQ ロゴ、MPLAB、PIC、PICmicro、PICSTART、PIC32 ロゴ、rfPIC、SST、SST ロゴ、SuperFlash、UNI/O は、
米国およびその他の国における Microchip TechnologyIncorporated の登録商標です。
FilterLab、Hampshire、HI-TECH C、Linear Active Thermistor、MTP、SEEVAL、Embedded Control Solutions Company は、
米国における Microchip Technology Incorporated の登録商標
です。
Silicon Storage Technologyは、その他の国におけるMicrochipTechnology Incorporated の登録商標です。
Analog-for-the-Digital Age、Application Maestro、BodyCom、
chipKIT、chipKIT ロゴ、CodeGuard、dsPICDEM、dsPICDEM.net、dsPICworks、dsSPEAK、ECAN、ECONOMONITOR、FanSense、HI-TIDE、In-Circuit Serial Programming、ICSP、Mindi、MiWi、MPASM、MPF、MPLAB 認証ロゴ、MPLIB、MPLINK、mTouch、Omniscient Code Generation、PICC、PICC-18、PICDEM、
PICDEM.net、PICkit、PICtail、REAL ICE、rfLAB、Select Mode、SQI、Serial Quad I/O、Total Endurance、TSHARC、UniWinDriver、WiperLock、ZENA、Z-Scale は、米国およびその他の国におけ
る Microchip Technology Incorporatedの登録商標です。
SQTP は、米国における Microchip Technology Incorporatedのサービスマークです。
GestICとULPPは、その他の国におけるMicrochip TechnologyGermany II GmbH & Co. & KG (Microchip TechnologyIncorporated の子会社 ) の登録商標です。
その他、本書に記載されている商標は各社に帰属します。
©2013, Microchip Technology Incorporated, Printed in theU.S.A., All Rights Reserved.
ISBN: 978-1-5224-1136-9
Microchip 社製デバイスのコード保護機能に関して次の点にご注意ください。
• Microchip 社製品は、該当する Microchip 社データシートに記載の仕様を満たしています。
• Microchip 社では、通常の条件ならびに仕様に従って使用した場合、Microchip 社製品のセキュリティ レベルは、現在市場に流
通している同種製品の中でも最も高度であると考えています。
• しかし、コード保護機能を解除するための不正かつ違法な方法が存在する事もまた事実です。弊社の理解ではこうした手法は、
Microchip 社データシートにある動作仕様書以外の方法で Microchip 社製品を使用する事になります。このような行為は知的所
有権の侵害に該当する可能性が非常に高いと言えます。
• Microchip 社は、コードの保全性に懸念を抱くお客様と連携し、対応策に取り組んでいきます。
• Microchip 社を含む全ての半導体メーカーで、自社のコードのセキュリティを完全に保証できる企業はありません。コード保護
機能とは、Microchip 社が製品を「解読不能」として保証するものではありません。
コード保護機能は常に進歩しています。Microchip 社では、常に製品のコード保護機能の改善に取り組んでいます。Microchip 社
のコード保護機能の侵害は、デジタル ミレニアム著作権法に違反します。そのような行為によってソフトウェアまたはその他の著
Microchip 社では、Chandler および Tempe ( アリゾナ州 )、Gresham( オレゴン州 ) の本部、設計部およびウェハー製造工場そしてカリフォルニア州とインドのデザインセンターが ISO/TS-16949:2009 認証を取得しています。Microchip 社の品質システム プロセスおよび手順は、PIC® MCU および dsPIC® DSC、KEELOQ® コード ホッピング デバイス、シリアル EEPROM、マイクロペリフェラル、不揮発性メモリ、アナログ製品に採用されています。さらに、開発システムの設計と製造に関する Microchip 社の品質システムは ISO 9001:2000 認証を取得しています。
QUALITY MANAGEMENT SYSTEM CERTIFIED BY DNV
== ISO/TS 16949 ==
宣言の対象 : MIC2128 評価用ボード
2017 Microchip Technology Inc. DS50002533A_JP - p. 3
MIC2128 評価用ボード ユーザガイド
NOTE:
DS50002533A_JP - p. 4 2017 Microchip Technology Inc.
MIC2128 評価用ボード ユーザガイド
目次
序章 ................................................................................................................................. 7はじめに ................................................................................................................ 7本書の構成 ............................................................................................................ 7本書の表記規則 ..................................................................................................... 8補償登録 ................................................................................................................ 8推奨参考資料 ......................................................................................................... 9Microchip 社のウェブページ ................................................................................. 9顧客変更通知サービス .......................................................................................... 9カスタマサポート.................................................................................................. 9改訂履歴 ................................................................................................................ 9
第 1 章 製品概要
1.1 はじめに ..................................................................................................... 111.2 MIC2128 評価用ボードの概要 ................................................................... 111.3 MIC2128 評価用ボードの機能 ................................................................... 121.4 MIC2128 評価用ボードキットの内容 ......................................................... 12
第 2 章 準備と使い方
2.1 システムおよび設定要件 ............................................................................ 132.2 ボードの準備 .............................................................................................. 132.3 回路の説明 ................................................................................................. 14
2.3.1 帰還抵抗 .................................................................................................. 142.3.2 SW ノード ............................................................................................... 142.3.3 電流制限 .................................................................................................. 142.3.4 ループゲイン計測 .................................................................................... 162.3.5 スイッチング周波数の設定 ..................................................................... 162.3.6 ソフトスタート時間の設定 ..................................................................... 172.3.7 補助ブートストラップ LDO (EXTVDD) .................................................. 18
補遺 A. 回路図とレイアウト図
A.1 はじめに ..................................................................................................... 19A.2 回路図 ........................................................................................................ 20A.3 上面シルク層 ............................................................................................. 21A.4 上面銅箔層 ................................................................................................. 22A.5 中間銅箔層 1 .............................................................................................. 23A.6 中間銅箔層 2 .............................................................................................. 24A.7 下面銅箔層 .................................................................................................. 25A.8 下面シルク層 .............................................................................................. 26
補遺 B. 部品表 (BOM) ................................................................................................... 27各国の営業所とサービス ............................................................................................... 30
2017 Microchip Technology Inc. DS50002533A_JP - p. 5
MIC2128 評価用ボード ユーザガイド
NOTE:
DS50002533A_JP - p. 6 2017 Microchip Technology Inc.
MIC2128評価用ボード ユーザガイド
序章
はじめに
序章には、MIC2128 評価用ボードを使い始める前に知っておくと便利な一般情報を記載しています。主な内容は以下の通りです。
• 本書の構成
• 本書の表記規則
• 推奨参考資料
• Microchip 社のウェブサイト
• カスタマサポート
• 改訂履歴
本書の構成
本書では、MIC2128 評価用ボードの使い方を記載しています。以下に本書の構成を示します。
• 第 1 章「製品概要」 - MIC2128 評価用ボードに関する重要情報 • 第 2 章「準備と使用方法」 - MIC2128 評価用ボードを準備して使い始める方法
• 補遺 A 「回路図とレイアウト」 - MIC2128 評価用ボードの回路図と基板レイアウト図
• 補遺 B「部品表 (BOM)」 - MIC2128 評価用ボードで使われている部品の一覧
注意
どのような文書でも内容は時間が経つにつれ古くなります。本書も例外ではありません。お客様のニーズを満たすため、Microchip 社の製品は常に改良を重ねており、実際のダイアログやツールが本書の内容とは異なる場合があります。最新文書は Microchip 社のウェブサイト (www.microchip.com) をご覧ください。
文書は「DS」番号によって識別します。この識別番号は各ページのフッタのページ番号の前に表記しています。DS 番号「DSXXXXXXXXA」の「XXXXXXXX」は文書番号、「A」は文書のリビジョンレベルを表します。
開発ツールの最新情報は MPLAB® X IDE のオンラインヘルプでご覧になれます。[Help] メニューから [Topics] を選択すると、オンラインヘルプ ファイルのリストが表示されます。
2017 Microchip Technology Inc. DS50002533A_JP - p. 7
MIC2128 評価用ボード ユーザガイド
本書の表記規則
本書では以下の表記規則を適用します。
本書の表記規則
表記 適用 例
Arial、MS ゴシックフォント
二重かぎカッコ : 『』 参考資料 『MPLAB® IDE ユーザガイド』
太字 テキストの強調 ... は唯一のコンパイラです ...角カッコ : [ ] ウィンドウ名 [Output] ウィンドウ
ダイアログ名 [Settings] ダイアログ
メニューの選択肢 [Enable Programmer] を選択
かぎカッコ : 「 」 ウィンドウまたはダイアログのフィールド名
「Save project before build」
右山カッコ (>) で区切った下線付き斜体テキスト
メニュー項目の選択 File>Save
太字 ダイアログのボタン [OK] をクリックする
タブ [Power] タブをクリックする
N‘Rnnnn Verilog 形式の数値 (N は総桁数、R は基数、n は各桁の値 )
4‘b0010, 2‘hF1
山カッコ (< >) で囲んだテキスト
キーボードのキー <Enter>、<F1> を押す
Courier Newフォント
標準書体の Courier New サンプル ソースコード #define STARTファイル名 autoexec.batファイルパス c:\mcc18\hキーワード _asm, _endasm, staticコマンドライン オプション -Opa+, -Opa-ビット値 0, 1定数 0xFF, ‘A’
斜体の Courier New 変数の引数 file.o (fileは有効な任意のファイル名 )
角カッコ : [ ] オプションの引数 mcc18 [options] file [options]
中カッコとパイプ文字 : { | } 引数のどれかを選択する場合(OR 選択 )
errorlevel {0|1}
省略記号 : ... 繰り返されるテキスト var_name [, var_name...]
ユーザが定義するコード void main (void){ ...}
DS50002533A_JP - p. 8 2017 Microchip Technology Inc.
序章
推奨参考資料
本書には MIC2128 評価用ボードの使い方を記載しています。参考資料として、Microchip 社が提供する以下の文書を推奨します。
• MIC2128YML データシート - 『適応型オンタイム制御 ( 外部ソフトスタート機能付き )を備えた 75 V 同期降圧型コントローラ』(DS20005620A)
Microchip 社のウェブサイト
Microchip 社は自社が運営するウェブサイト (www.microchip.com) を通してオンライン サポートを提供しています。当ウェブサイトでは、お客様に役立つ情報やファイルを簡単に見つけ出せます。一般的なインターネット ブラウザから以下の内容がご覧になれます。
• 製品サポート - データシートとエラッタ、アプリケーション ノートとサンプル プログラム、設計リソース、ユーザガイドとハードウェア サポート文書、最新のソフトウェアと過去のソフトウェア
• 一般的技術サポート – よく寄せられる質問 (FAQ)、技術サポートのご依頼、オンライン ディスカッション グループ、Microchip 社のコンサルタント プログラム メンバーの一覧
• Microchip 社の事業 – プロダクト セレクタガイドとご注文案内、プレスリリース、セミナーとイベントの一覧、営業所の一覧
カスタマサポート
Microchip 社製品をお使いのお客様は、以下のチャンネルからサポートをご利用になれます。
• 販売代理店
• 各地の営業所
• フィールド アプリケーション エンジニア (FAE)• 技術サポート
サポートは販売代理店にお問い合わせください。各地の営業所もご利用になれます。本書の最後のページには各国の営業所の一覧を記載しています。
技術サポートは以下のウェブページからもご利用になれます。 http://www.microchip.com/support
改訂履歴
リビジョン A (2016 年 9 月 )• 本書は初版です。
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MIC2128 評価用ボード ユーザガイド
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DS50002533A_JP - p. 10 2017 Microchip Technology Inc.
MIC2128評価用ボード ユーザガイド
第 1 章 製品概要
1.1 はじめに
第 1 章では、以下の内容を含む MIC2128 評価用ボードの概要を紹介します。
• MIC2128 評価用ボードの概要
• MIC2128 評価用ボードの機能
• MIC2128 評価用ボードキットの内容
1.2 MIC2128 評価用ボードの概要
MIC2128 評価用ボードは、ユニークな適応型オンタイム制御アーキテクチャを備えた固定周波数同期降圧型コントローラです。MIC2128 は 4.5 ~ 75 V の入力電源電圧レンジで動作します。出力電圧は ±1% の精度で最低 0.6 V まで調整できます。本デバイスは、270 ~ 800 kHz のレンジで設定可能なスイッチング周波数で動作します。
図 1-1: MIC2128 評価用ボードの概要
2017 Microchip Technology Inc. DS50002533A_JP - p. 11
MIC2128 評価用ボード ユーザガイド
DS50002533A_JP - p. 12 2017 Microchip Technology Inc.
1.3 MIC2128 評価用ボードの機能
MIC2128 評価用ボードの主な特長 :• ソフトスタート (SS) 時間選択ピンを使って出力ソフトスタート時間を調整する事により、起動時の主電源からの突入電流を低減できます。
• コンバータ出力電圧が内部バイアス要件を満たす場合、補助ブートストラップ用LDO( 低ドロップアウト ) を使ってシステム効率を向上できます。
• 論理レベルのイネーブル (EN) 信号を使って本コントローラを有効または無効にできます。
• プリバイアスした出力でも電圧低下を経る事なく起動できます。
• 出力が一定に制御された時点でオープンドレインのパワーグッド (PG) 出力から信号を生成できます。
• 軽負荷時のソフトスタートは不連続モード動作です。
本評価用ボードの基本パラメータは以下の通りです。 • 入力 : 7 ~ 75 V (48 V に対して最適化 )• 出力 : 5 V @5 A• スイッチング周波数 : 300 kHz (270 kHz ~ 800 kHz のレンジ内で調整可能 )
1.4 MIC2128 評価用ボード キットの内容
MIC2128 評価用ボードは以下を含みます。
• MIC2128 評価用ボード (DSTEMP)•「重要な注意事項 (Important Information)」シート
MIC2128評価用ボード ユーザガイド
第 2 章 準備と使い方
2.1 システムおよび設定要件
MIC2128 評価用ボードには、10 A 以上の電流供給能力を備えた単電源だけが必要です。MIC2128 は VDD LDO を内蔵するため、デバイスの内部バイアス用にリニア レギュレータを外付けする必要はありません。VIN が +5.5 V 未満のアプリケーションでは、PVDD を VIN に接続する事で内部リニア レギュレータをバイパスします。出力負荷は受動負荷 ( 抵抗負荷 ) でも能動負荷 ( 電子負荷 ) でも構いません。
2.2 ボードの準備
MIC2128 評価用ボードを使い始める前に以下の手順が必要です。
1. 電源を VVIN 端子と GND 端子に接続します ( 極性と電圧レンジ (7 V < VVIN < 75 V)に注意してください )。電流計を使って IIN を監視し、電圧計を使って VVIN およびGND 端子で入力電圧を監視します。後で説明する手順 4 まで電源は投入しません。
2. 負荷を VOUT および GND 端子に接続します。負荷は受動負荷 ( 抵抗負荷 ) でも能動負荷 ( 電子負荷 ) でも構いません。VOUT 端子と負荷の間に電流計を挿入する事で出力電流を監視できます。VOUT 端子で出力電圧を監視する必要があります。
3. 本評価用ボードは EN コネクタを備えるため、ユーザは容易にイネーブル機能を利用できます。EN ピンに外部論理信号を印加する事で EN ピンを LOW にするか、ジャンパを使って EN ピンを GND に短絡する事で、MIC2128 評価用ボードの出力を無効にできます。
4. VVIN 電源を ON にし、出力電圧が 5 V に制御されている事を確認します。
Note: MIC2128 評価用ボードは逆極性保護を備えていません。VVIN および GND端子に逆極性の電圧を印加すると、デバイスが損傷する可能性があります。本ボードの最大 VVIN 定格は 75 V です。VVIN が 75 V を超えるとデバイスが損傷する可能性があります。
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MIC2128 評価用ボード ユーザガイド
2.3 回路の説明
以下では、MIC2128 評価用ボードの動作原理と、使用時に考慮する必要のある制限事項について説明します。
2.3.1 帰還抵抗
MIC2128 評価用ボードの出力電圧は、帰還抵抗分圧回路のジャンパ位置により、以下の電圧に設定できます ( 出荷時は 5 V に設定済み )。
式 2-1:
MIC2128 の出力は 5 V 出力向けに最適化されています。下式に基づいて R11 を変更する事で、任意の電圧に設定できます。
式 2-2:
出力コンデンサの定格は 6.3 V であるため、出力電圧は 5 V 以下に設定する必要があります。
出力電圧を 5 V より高くする場合、その出力電圧より高い定格を持つ出力コンデンサと EXTVDD ピン バイパス コンデンサ (C13) を使う必要があります。
2.3.2 SW ノード
コンバータの最も重要な波形の 1 つであるスイッチング波形を監視するため、本評価用ボードはテストポイント JU3 (VSW) を備えています。
2.3.3 電流制限
MIC2128 評価用ボードは、ローサイド MOSFET の RDS(ON) を使ってインダクタ電流を検出します。MIC2128 コンバータの各スイッチング サイクルで、スイッチングサイクルの OFF 期間 ( ローサイド MOSFET は ON) 中に、ローサイド MOSFET での電圧降下を監視する事により、インダクタ電流を検出します。96 µA の内部電流源により、外付けの電流制限設定用抵抗 RCL を通して電圧が発生します ( 図 2-1 参照 )。ILIM ピン電圧 (VILIM) は、ローサイド MOSFET での電圧降下と抵抗での電圧降下 (VCL)の差となります。150 ns のブランキング時間の後に、検出した電圧 VILIM と電源グランド (PGND) を比較します。
ローサイド MOSFET での電圧降下の絶対値が電流検出抵抗での電圧降下 (VCL) の絶対値より大きい場合、MIC2128 は電流制限イベントをトリガします。電流制限イベントが 8 回連続すると、Hiccup モードがトリガされます。ソフトスタートを含むHiccup シーケンスはスイッチング FET のストレスを軽減すると共に、重大な過電流条件から負荷と電源を保護します。
VREF : 0.6 V
VOUT VREF 1R10R11----------+
=
R11R10 VREF
VOUT VREF–---------------------------------=
DS50002533A_JP - p. 14 2017 Microchip Technology Inc.
準備と使い方
式 2-3:
電流制限回路を図 2-1 に示します。
図 2-1: MIC2128 の電流制限回路
ソフトスタート中に出力コンデンサを充電するインダクタ電流は、電流制限値より小さい事が必要です。そうではない場合、電源は Hiccup モードに移行し、ソフトスタートを正常に終える事ができません。
MOSFET の RDS(ON) は温度の影響で 30 ~ 40% 変化します。MOSFET 接合部温度の上昇による電流制限の失敗を防ぐため、上式内の ICL に 30% の余裕分を上乗せする事を推奨します。また、 MOSFET の RDS(ON) を正確に検出するため、SW ピンをローサイド MOSFET のドレインに直接接続する事を推奨します。
ICLIM : ΔPP :
RDS(ON) : VCL : ICL :
目標電流制限値
インダクタ電流 のピークツーピーク 振幅
ローサイド パワー MOSFET の ON 抵抗
電流制限しきい値 ( 最大値は +15 mV)電流制限ソース電流 (96 µA typ.)
R7
ICLIM PP 0.5+ RDSON VCL+ICL
------------------------------------------------------------------------------------------=
SW
PGND
VIN
ILIM
ControlLogic
CurrentLimit
Detection
+-VCLDL
DH
C18
R7
L1
ICL
過電流制限機能は下式に基づいて設定できます。
2017 Microchip Technology Inc. DS50002533A_JP - p. 15
MIC2128 評価用ボード ユーザガイド
2.3.4 ループゲイン計測
レギュレータの帰還経路には抵抗 R14 が直列に挿入されています。制御ループゲインは、この抵抗の両端にインピーダンス アナライザを接続し、R14 の抵抗値を 20 ~50 Ω のレンジで選択する事により計測できます。
2.3.5 スイッチング周波数の設定
MIC2128 評価用ボードは、ユニークな適応型オンタイム制御アーキテクチャを備えた同期降圧型コントローラです。スイッチング周波数は、R2 と R3 で構成される抵抗分圧回路を変更する事により、270 kHz ~ 800 kHz のレンジで調整できます。
下式によりスイッチング周波数を推定できます。
式 2-4:
本評価用ボードの回路は、300 kHzのスイッチング周波数向けに最適化されています。スイッチング周波数を下限または上限近くの周波数に設定する場合、回路を最適化する必要があります。スイッチング周波数の調整方法を図 2-2 に示します。
図 2-2: スイッチング周波数の調整
f0 : R2 = 100 Ω / R3 = オープン時のスイッチング周波数(fO800 kHz (typ.))
より正確に設定するため、データシートに記載されているスイッチング周波数のグラフを参照する事を推奨します。
fSW f0R3
R2 R3+---------------------=
VIN
FREQ
AGND
MIC2128
VVIN
R2
R3
11
16
14
DS50002533A_JP - p. 16 2017 Microchip Technology Inc.
準備と使い方
2.3.6 ソフトスタート時間の設定 出力ソフトスタート時間は、SS ピンと AGND の間にコンデンサを接続する事により設定できます ( 図 2-3 参照 )。
図 2-3: ソフトスタート時間の設定
コンデンサの値は下式により求まります。
式 2-5:
C19 : SS ピンと AGND の間のコンデンサ容量
ISS : 内部ソフトスタート電流 (1.3 μA typ.)tSS : 出力ソフトスタート時間
VREF : 参照電圧 = 0.6 V
MIC2128
gm
0.6VVREF
Comparator
COMPENSATION
13
12
CSS
ISS1.3 uA
FB
SS
C19
ISS tSSVREF
--------------------=
2017 Microchip Technology Inc. DS50002533A_JP - p. 17
MIC2128 評価用ボード ユーザガイド
2.3.7 補助ブートストラップ LDO (EXTVDD)MIC2128 評価用ボードは補助ブートストラップ LDO を備えています。これを使ってコンバータ出力から MIC2128 の内部回路バイアス電源に給電する事により、システム効率が向上します。この LDO は EXTVDD ピン電圧が 4.6 V(typ.) を上回ると有効になり、代わりに消費電力を低減するためにメイン LDO (VIN で動作 ) が無効になります。レギュレータ出力電圧が 5 ~ 12 V の場合、出力電圧を使って MIC2128 に給電する事で、システム効率が向上します。JU1 ジャンパを短絡する事で、出力電圧をEXTVDD として使えます。
DS50002533A_JP - p. 18 2017 Microchip Technology Inc.
MIC2128評価用ボード ユーザガイド
補遺 A. 回路図とレイアウト
A.1 はじめに
補遺 A には MIC2128 評価用ボードに関する以下の回路図とレイアウト図を記載しています。
• 回路図
• 上面シルク層
• 上面銅箔層
• 中間銅箔層 1• 中間銅箔層 2• 下面銅箔層
• 下面シルク層
2017 Microchip Technology Inc. DS50002533A_JP - p. 19
MIC
2128評価用ボード
ユーザガイド
DS50002533A_JP - p. 20
2017 M
icrochip Technology Inc.
IN
C5330uF
C6 C7 C8 C2147uF OPEN OPEN 0.1uFR14
0
R107.5K
R111K
C164.7nF
VIN
PGND
VOUT
PGND
JU329
5V@5A
A.2 回路図
PG
ILIM
SW
BST
DH PGND DL PVDD
EXTVDD
EN
FREQ
SS
FBAGNDVDDVIN
DL
DL
DH
DH
V
VDD
EXTVDD
EN
VDD
0.1uF 2.2uFC1
100uFC2
2.2uFC3
2.2uFC4C20
L110uH
R918K
C15100nF
C17OPEN
Q1 Q2
Q3 Q4
R2100K
R360K
C1910nF
C131uF
C114.7uF
R5
10
R60
R130
R71.5k
C120.1uF
C18OPEN
R10VDD
R810K
C90.1uF
C104.7uF
1VVIN
VOUT
R40
JU1
JU2
R149.
R15OPEN
C14OPEN
OPEND2
MIC2128
1
2
3
4
5 6 7 8
9
10
11
12
13141516
FB
FB
7V to 75V
AGND
PG
VIN
VIN
回路図とレイアウト
A.3 上面シルク層
2017 Microchip Technology Inc. DS50002533A_JP - p. 21
MIC2128 評価用ボード ユーザガイド
A.4 上面銅箔層
DS50002533A_JP - p. 22 2017 Microchip Technology Inc.
回路図とレイアウト
A.5 中間銅箔層 1
2017 Microchip Technology Inc. DS50002533A_JP - p. 23
MIC2128 評価用ボード ユーザガイド
A.6 中間銅箔層 2
DS50002533A_JP - p. 24 2017 Microchip Technology Inc.
回路図とレイアウト
A.7 下面銅箔層
2017 Microchip Technology Inc. DS50002533A_JP - p. 25
MIC2128 評価用ボード ユーザガイド
A.8 下面シルク層
DS50002533A_JP - p. 26 2017 Microchip Technology Inc.
MIC2128評価用ボード ユーザガイド
補遺 B. 部品表 (BOM)
表 B-1: 部品表 (BOM)数量
記号 概要 メーカー 製品番号
1 C1 100 µF,100V, 20%, 330 m, United Chemi-Con EMVY101ARA101MKE0S
3 C2, C3, C4 2.2 µF, X7R, 100V, 10% Murata Electronics® GRM32ER72A225K
1 C5 330 µF,10V,17 m, Panasonic® - ECG 10SVP330M
1 C6 47 µF, X7R, 10V, 10% Murata Electronics GRM32ER71A476K
0 C7, C8 1210 mm size MLCC capacitorDO NOT POPULATE
3 C9, C20, C21 0.1 µF, X7R, 100V, 10% Murata Electronics GRM188R72A104K
2 C10, C11 4.7 µF, X7R, 10V, 10% Samsung Electro-MechanicsAmerica, Inc.
CL10B475KQ8NQNC
1 C12 0.1 µF, X7R, 16V, 10% Murata Electronics GRM188R71C104K
1 C13 1uF, X7R, 10V, 10% Murata Electronics GRM188R71A105K
0 C14 0603 size capacitorDO NOT POPULATE
1 C15 100 nF, 100V, 10%, X7R Murata Electronics GRM188R72A104K
1 C16 4.7 nF, X7R,1 6V Murata Electronics GRM188R71C472KA
0 C17 0603 size MLCC capacitorDO NOT POPULATE
0 C18 0603 size MLCC capacitorDO NOT POPULATE
1 C19 10 nF, X7R, 6.3V,1 0% Murata Electronics GRM188R70J103K
1 PCB MIC2128 評価用ボード Microchip Technology Inc. 02-10568
5 R1,R4,R6,R13,R14 0 , 0603 size resistor Yageo Corporation RC0603FR-070RL
1 R2 100K, 0603 size resistor Yageo Corporation RC0603FR-07100KL
1 R3 60K, 0603 size resistor Yageo Corporation RC0603FR-0760K4L
1 R5 10Ω, 0603 size resistor Yageo Corporation RC0603FR-0710RL
1 R7 1.3K, 0603 size resistor Yageo Corporation RC0603FR-071K3L
1 R8 10K, 0603 size resistor Yageo Corporation RC0603FR-0710KL
1 R9 18K, 0603 size resistor Yageo Corporation RC0603FR-0718KL
1 R10 7.5K, 0603 size resistor Yageo Corporation RC0603FR-077K5L
1 R11 1K, 0603 size resistor Yageo Corporation RC0603FR-071KL
R12 49.9K, 0603 size resistor Yageo Corporation RC0603FR-0749R9L
0 R15 0805 size resistorDO NOT POPULATE
Note 1: この BOM には本評価用ボードのプリント基板を構成する部品を記載しています。これらは全て RoHS 準拠品です。
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MIC2128 評価用ボード ユーザガイド
表 B-2: 部品表 (BOM) - 機械部品
数量
記号 概要 メーカー 製品番号
0 D2 100V Schottky diode, power PAK S08 (5.15 mm X 6.15 mm)DO NOT POPULATE
2 JU1, JU3 2-pin Header (100 mil pitch) TE Connectivity, Ltd. 5-146278-2 1 JU2 3-pin Header (100 mil pitch) TE Connectivity, Ltd. 5-146282-3 9 PG, AGND, VDD, EN,
EXTVDD, VIN, PGND, VOUT, PGND
Terminal double turret(through hole, noninsulated)
Keystone Electronics Corp.
1593-2
1 L1 10 µH inductor, size 13.5 mm X 12.5 mm X 6.2 mm
Bourns®, Inc. SRP1265A-100M
2 Q1, Q4 N-Channel MOSFET, power PAK S08 (5.15 mm X 6.15 mm)DO NOT POPULATE
2 Q2, Q3 100V,40A N-Channel MOSFET, power PAK S08 (5.15 mm X 6.15 mm)
Vishay Intertechnology, Inc.
SIR878ADP
4 VIN, PGND, VOUT, PGND
Noninsulated banana jack Keystone Electronics Corp.
575-5
2 Shunt Shunts with closed top,(100 mil pitch)
Sullins Connector Solutions
SPC02SYAN
Note 1: この BOM には本評価用ボードのプリント基板を構成する部品を記載しています。これらは全て RoHS 準拠品です。
DS50002533A_JP - p. 28 2017 Microchip Technology Inc.
部品表 (BOM)
NOTE:2017 Microchip Technology Inc. DS50002533A_JP - p. 29
DS50002533A_JP - p. 30 2017 Microchip Technology Inc.
北米本社2355 West Chandler Blvd.Chandler, AZ 85224-6199Tel:480-792-7200 Fax:480-792-7277技術サポート : http://www.microchip.com/supportURL: www.microchip.com
アトランタDuluth, GA Tel:678-957-9614 Fax:678-957-1455
オースティン (TX)Tel:512-257-3370
ボストンWestborough, MA Tel:774-760-0087 Fax:774-760-0088
シカゴItasca, IL Tel:630-285-0071 Fax:630-285-0075
クリーブランドIndependence, OH Tel:216-447-0464
Fax:216-447-0643
ダラスAddison, TX Tel:972-818-7423 Fax:972-818-2924
デトロイトNovi, MI Tel:248-848-4000
ヒューストン (TX) Tel:281-894-5983
インディアナポリスNoblesville, IN Tel:317-773-8323Fax:317-773-5453
ロサンゼルスMission Viejo, CA Tel:949-462-9523 Fax:949-462-9608
ニューヨーク (NY) Tel:631-435-6000
サンノゼ (CA) Tel:408-735-9110
カナダ - トロントTel:905-673-0699 Fax:905-673-6509
アジア / 太平洋
アジア太平洋支社Suites 3707-14, 37th FloorTower 6, The GatewayHarbour City, KowloonHong KongTel:852-2943-5100Fax:852-2401-3431
オーストラリア - シドニーTel:61-2-9868-6733Fax:61-2-9868-6755
中国 - 北京Tel:86-10-8569-7000 Fax:86-10-8528-2104
中国 - 成都Tel:86-28-8665-5511Fax:86-28-8665-7889
中国 - 重慶Tel:86-23-8980-9588Fax:86-23-8980-9500
中国 - 東莞
Tel:86-769-8702-9880
中国 - 杭州Tel:86-571-8792-8115 Fax:86-571-8792-8116
中国 - 香港 SARTel:852-2943-5100 Fax:852-2401-3431
中国 - 南京Tel:86-25-8473-2460Fax:86-25-8473-2470
中国 - 青島Tel:86-532-8502-7355Fax:86-532-8502-7205
中国 - 上海Tel:86-21-5407-5533 Fax:86-21-5407-5066
中国 - 瀋陽Tel:86-24-2334-2829Fax:86-24-2334-2393
中国 - 深圳Tel:86-755-8864-2200 Fax:86-755-8203-1760
中国 - 武漢Tel:86-27-5980-5300Fax:86-27-5980-5118
中国 - 西安Tel:86-29-8833-7252Fax:86-29-8833-7256
アジア / 太平洋
中国 - 厦門Tel:86-592-2388138 Fax:86-592-2388130
中国 - 珠海Tel:86-756-3210040 Fax:86-756-3210049
インド - バンガロールTel:91-80-3090-4444 Fax:91-80-3090-4123
インド - ニューデリーTel:91-11-4160-8631Fax:91-11-4160-8632
インド - プネTel:91-20-3019-1500
日本 - 大阪Tel:81-6-6152-7160 Fax:81-6-6152-9310
日本 - 東京Tel:81-3-6880- 3770 Fax:81-3-6880-3771
韓国 - 大邱Tel:82-53-744-4301Fax:82-53-744-4302
韓国 - ソウルTel:82-2-554-7200Fax:82-2-558-5932 または 82-2-558-5934
マレーシア - クアラルンプールTel:60-3-6201-9857Fax:60-3-6201-9859
マレーシア - ペナンTel:60-4-227-8870Fax:60-4-227-4068
フィリピン - マニラTel:63-2-634-9065Fax:63-2-634-9069
シンガポールTel:65-6334-8870Fax:65-6334-8850
台湾 - 新竹Tel:886-3-5778-366Fax:886-3-5770-955
台湾 - 高雄Tel:886-7-213-7828
台湾 - 台北Tel:886-2-2508-8600 Fax:886-2-2508-0102
タイ - バンコクTel:66-2-694-1351Fax:66-2-694-1350
ヨーロッパ
オーストリア - ヴェルスTel:43-7242-2244-39
Fax:43-7242-2244-393
デンマーク - コペンハーゲンTel:45-4450-2828 Fax:45-4485-2829
フランス - パリTel:33-1-69-53-63-20 Fax:33-1-69-30-90-79
ドイツ - デュッセルドルフTel:49-2129-3766400
ドイツ - ミュンヘンTel:49-89-627-144-0 Fax:49-89-627-144-44
ドイツ - プフォルツハイムTel:49-7231-424750
イタリア - ミラノ Tel:39-0331-742611 Fax:39-0331-466781
イタリア - ベニスTel:39-049-7625286
オランダ - ドリューネンTel:31-416-690399 Fax:31-416-690340
ポーランド - ワルシャワTel:48-22-3325737
スペイン - マドリッドTel:34-91-708-08-90Fax:34-91-708-08-91
スウェーデン - ストックホルムTel:46-8-5090-4654
イギリス - ウォーキンガムTel:44-118-921-5800Fax:44-118-921-5820
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