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レターデーションと複屈折レターデーションと複屈折
延伸フィルムに直線偏光が入射したとき透過光を直交する2つの直線偏光に分解して考えたとき、複屈折により位相差(レターデーション)が生じる直交する2つの軸とはフィルム面内の光学主軸 (遅相軸Nx,進相軸Ny)
複屈折 ; ΔN=Nx-Nyレターデーション ; R=ΔN・d
直交ニコル干渉色とレターデーションの関係直交ニコル干渉色とレターデーションの関係白色光を用いた直交ニコル観察のときの透過光強度
λπθλ RII 2
0 sin2sin)()( 2=λ
偏光板と遅相軸との成す角度θが45°のときに透過光量が最大になり、によって干渉色が生じる
λπR2sin
例)λ=550nmでR=1400nmのPCのときの透過光スペクトル 直交ニコル観察
3.5×438=1533
3×485=1455
2.5×558=1395
2×672=13440
0.2
0.4
0.6
0.8
1
400 500 600 700 800
λ (nm)
sin2 (πR/λ)
θ
白色光
Re =λ
Re = 1.5λ
Re = 2λ
Re = 2.5λRe = 3λ
Re = 0.5λ
Re = 3.5λ
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
1600
1800
2000
400 500 600 700 800
λ (nm)
Re (nm)
λ=590nm
分光法と分光法とKOBRAKOBRA法との法とのReRe値比較値比較
分光法(ピーク&バレイ法)では直線 Re=mλ/2 と分散曲線との交点が測定値
KOBRAは基準波長590nmにおけるRe値
※分散曲線はPCを仮定
KOBRAKOBRAの測定原理の測定原理((平行ニコル回転法平行ニコル回転法))KOBRA-WRの測定系
平行ニコルのときの直線偏光の分解と合成
aa’、bb’は試料の遅相軸、進相軸
pp’は偏光子、検光子の透過軸
θは偏光子、検光子の回転角
φは試料の遅相軸方位(配向角)
)}(2sin21)(sin)(cos{)( 2442
0 φθαφθφθαθ −+−+−= CII
KOBRAKOBRAの測定原理の測定原理((平行ニコル回転法平行ニコル回転法))平行ニコル状態の2枚の偏光板の間にフィルムを置き、2枚の偏光板を同期回転したときの透過光強度変化
)}(2sin21)(sin)(cos{)( 2442
0 φθαφθφθαθ −+−+−= CII
ただし、
透過光強度図形
Cの値を計算
次数mを決定
Rを算出
θは偏光板の回転角、φはフィルムの遅相軸方位
λπRC 2cos=
※ 次数mの決定には3つの波長590,610,630nmの測定値を使用
33次元屈折率の計算次元屈折率の計算
垂直入射時のR(0)と入射角θのときのR(θ)からNx,Ny,Nz を計算
フィルム透過光の光路
221 ββ
β+
=
光路長βcos
d=
偏光子
平均屈折角
33次元屈折率の計算次元屈折率の計算3次元屈折率算出に用いる関係式
dRNyNx )0(
=−
dRNNx βθ cos)('=−
122
122 cossin
'ββ NzNy
NyNzN+
=
測定
R(0),R(θ)入力
d,Nave
Nx,Ny,Nz
厚さ方向レターデーション
Rth={(Nx+Ny)/2-Nz}d
屈折率楕円体 入射面内の屈折率楕円
33次元屈折率の計算次元屈折率の計算3次元屈折率測定画面
厚さ[入力]
面配向係数=(Nx+Ny)/2-Nz
遅相軸Nxの方位
厚さ方向レターデーション
NZ係数=(Nx-Nz)/(Nx-Ny)
2つの光学軸を含む面
平均屈折率[入力]
MD方向屈折率
TD方向屈折率
2つの光学軸の成す角の1/2、光軸角
レターデーション
傾斜軸方向の
直線偏光透過率
屈折率楕円体の分類
・1軸性、2軸性・正 (Ne>No)、負 (Ne<No)
・Aプレート、Cプレート
例)
面内複屈折
面内レターデーション
Nx>Ny=Nz ; 正のAプレート
Nx=Ny>Nz ; 負のCプレート
Nz=Nx>Ny ; 負のAプレート
Nz>Nx=Ny ; 正のCプレート
屈折率楕円体と屈折率楕円体とReRe入射角依存性との関係入射角依存性との関係
フィルム面内の主屈折率をNx,Ny、厚さ方向屈折率をNzとし、かつNx≧Nyと定義●2軸性屈折率楕円体 (光学軸が2本)●1軸性屈折率楕円体
(光学軸が1本)
Nx=NyNy=Nz
Nx=Nz
Z軸が光学軸X軸が光学軸
Y軸が光学軸
屈折率の大小関係
光軸面 屈折率楕円体 Reの入射角依存性
Nx>Ny>Nz X-Z
Nx>Nz>Ny X-Y
Nz>Nx>Ny Y-Z赤はNxを傾斜中心軸にしたとき
青はNyを傾斜中心軸にしたとき
光学軸
円
NxNy
Nz
Nx
Ny
Nz
Nx Ny
Nz
光軸角Ω
Ω
Ω
Ω
642 λλλdcbaR c +++=
20
2 λλ −+=
baR s 0 λ ;吸収端波長 (漸近線)
波長分散特性波長分散特性2つの波長分散近似式
※ 波長ごとの配向角φのバラツキに注意 (波長間の差が大のときは層構造の可能性あり)
配向角
各種材料の各種材料のReReの波長分散特性の波長分散特性
基準波長に対するReの変化比率をグラフにするとReの絶対値によらず材料ごとにほぼ1本の曲線上にのる
0.85
0.9
0.95
1
1.05
1.1
1.15
1.2
1.25
1.3
400 500 600 700 800
λ (nm)
R/R_ 590 PI
PET
PAR
PS
PC
COP
PVA
基準波長=590nmのとき
低位相差の測定方法低位相差の測定方法
1) 波長板回転法波長板の方位を変えながら試料との重ね合わせ測定
コサインカーブ近似
φs
Rs
R0
0 30 60 90 120 150 180
波長板の遅相軸方位
見かけ上のレターデーション
低位相差の測定方法低位相差の測定方法
2) 波長板固定法
222 )( φλ ′⋅+∆= DRRs
ss R
RR 01cos21 −′
= −φ
2220)( φ′⋅+−′= DRRRs
※偏光子・検光子は1回転するのみ
固定した波長板と試料との重ね合わせ測定 φ′′,R
高位相差の測定方法高位相差の測定方法
6つの波長を用いてReを測定し、予め登録しておいた波長分散曲線に合うReの組み合わせを見つけ出す
0.9
0.95
1
1.05
1.1
1.15
1.2
1.25
1.3
400 500 600 700 800λ (nm)
R/R_590
#50
#75
#100
#125
#188
#2500
1000
2000
3000
4000
5000
6000
7000
8000
9000
10000
11000
400 500 600 700 800
λ (nm)
Retardation (nm)
#50
#75
#100
#125
#188
#250
※ 試料はPETフィルム
ポアンカレ球による偏光状態の表示ポアンカレ球による偏光状態の表示
'Ψ
;楕円率
;楕円方位角
楕円率と透過光強度図形の関係
位相差板に直線偏光が入射すると透過光は楕円偏光になる
χtan=ba
ポアンカレ球による偏光状態の表示ポアンカレ球による偏光状態の表示
(1)赤道上はすべて直線偏光
(2)北極および南極は円偏光
(3)赤道、両極以外はすべて楕円偏光
(4)経度の半分の角度が楕円の方位角
(5)同じ経度上の点は同じ楕円方位角
(6)北半球は右回りの偏光、南半球は左回りの偏光
①
③
②
回転軸
作図手順
①回転軸を描く (経度2ψ)
②回転断面を作る (回転軸に垂直な面)
③δだけ回転する
回転断面
ポアンカレ球の特徴
M’
O
楕円偏光の状態は位相差板のReと貼合角ψによって決まる
Ψ′= 2cos2cos01 χSS
χ2sin03 SS =
Ψ′= 2sin2cos02 χSS
S1 S2 S3 偏光状態
1 0 0 Ⓐ方位0°の直線偏光0 1 0 Ⓑ方位45°の直線偏光-1 0 0 Ⓒ方位90°の直線偏光0 -1 0 Ⓓ方位135°の直線偏光0 0 1 Ⓔ右回りの円偏光
0 0 -1 Ⓕ左回りの円偏光
Ⓐ Ⓑ
ⒸⒹ
Ⓔ
Ⓕ
として正規化10 =S※
ストークスパラメータストークスパラメータ
ただし、方位は入射直線偏光を基準0°として表現
KOBRA-WPRの測定系
回転偏光子法(偏光子P2)のときの透過光強度
検光子A
偏光子P2
楕円偏光の測定方法楕円偏光の測定方法
最初に回転検光子法でφpを決定
)}(sinsin)(sinsin+)(cos{cos=)( -ψ-φψ・・--ψ-φψ-ψ-φψ ppp CII θθθθ 22212222
0
λπRC 2cos=ただし、
楕円偏光の測定例楕円偏光の測定例
透過光強度図形と各測定値 (5波長で測定) 0°角度基準(CCWに+)
偏光板軸方位 貼合角
楕円方位角
位相差板軸方位
楕円率
偏光板透過軸を
基準にした楕円
方位角
Blue Green Red
楕円偏光の測定例楕円偏光の測定例
測定した偏光状態をポアンカレ球の赤道面への正射影として表現
入射直線偏光
位相差板が1枚のときは波長ごとの点が入射直線偏光の点を通る直線上に並ぶ
偏光板の透過率測定方法偏光板の透過率測定方法
試料は偏光板1枚のみ (検光子の偏光透過率を装置定数としてもつ)
pypx TT ,
sysx TT ,
回転検光子法の測定系
pypx TT ,
透過光強度図形
透過光強度
)}(sin)()(cos){(2
)( 220 φθφθθ −++−+= sypxsxpysxpxsypy TTTTTTTTI
I
6つの測定波長における を評価sysx TT ,
偏光板偏光板++位相差板位相差板22枚のときのポアンカレ球上の点の移動枚のときのポアンカレ球上の点の移動
1枚目の位相差板(R,ψ)による直線偏光Pの移動
2枚目の位相差板(R1,φ1)による楕円偏光Mの移動
①Pから経度2ψの位置に位相差板の軸を描く
②点Pから①で描いた位相差板の軸に対して直角な回転断面を作る
③②の回転断面に沿って点Pを角度δだけ回転した点をMとする
①Pから経度2φ1の位置に位相差板の軸を描く
②点Mの赤道面への正射影の点を通りかつ①の位相差板の軸に対して直角な回転断面を作る
③②の回転断面に沿って点Mを角度δ1だけ回転する回転断面内の点Mの角度γ1とδ1によって移動後の点が決まる